(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103437
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】サンシェード
(51)【国際特許分類】
E04F 10/00 20060101AFI20240725BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E04F10/00
E04B1/00 501M
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023137438
(22)【出願日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】23305069.9
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523325587
【氏名又は名称】アディワット
【氏名又は名称原語表記】ADIWATT
【住所又は居所原語表記】LIEU‐DIT LA JUBARDERIE, 41270 FONTAINE‐RAOUL, FRANCE
(71)【出願人】
【識別番号】523325598
【氏名又は名称】ゼリン
【氏名又は名称原語表記】ZELIN
【住所又は居所原語表記】42 AVENUE DU GENERAL DE CROUTTE, 31100 TOULOUSE, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ニヴォシェ,マテュー
(72)【発明者】
【氏名】ダヴスト,ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】センター,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィテ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ポレッティ,シモン
【テーマコード(参考)】
2E105
【Fターム(参考)】
2E105AA01
2E105AA10
2E105BB01
2E105CC03
2E105FF02
2E105FF32
2E105FF45
2E105GG11
2E105GG15
(57)【要約】
【課題】設置の容易さ、地盤占有率、およびコストにおいて有益となるサンシェードを提供する。
【解決手段】上部(14)および下部(18)を有するように傾斜した屋根構造(12)と、屋根構造(12)を地盤(22)に固定するための複数の柱(24)であって、屋根構造(12)を上部(14)で支持する柱(24)とを備える、特に光起電性パネルを支持するためのサンシェード(10)であって、サンシェード(10)が、柱(24)のうちの少なくとも一つによって機械的に支持され、柱(24)のうちの別の柱に向かって延在する少なくとも一つのバランス壁(30)も備え、少なくとも一つのバランス壁(30)が、これらの二つの柱(24)を隔てる面の75%以下を遮蔽する、サンシェード(10)。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部(14)および下部(18)を有するように傾斜した屋根構造(12)と、
該屋根構造(12)を地盤(22)に固定するための複数の柱(24)であって、前記屋根構造(12)を前記上部(14)で支持する前記柱(24)と、
を備える、特に光起電性パネルを支持するためのサンシェード(10)であって、
該サンシェード(10)は、前記柱(24)のうちの少なくとも一つによって機械的に支持され、前記柱(24)のうちの別の柱に向かって延在する少なくとも一つのバランス壁(30)も備え、
前記少なくとも一つのバランス壁(30)が、これらの二つの柱(24)を隔てる面の75%以下を遮蔽する、サンシェード。
【請求項2】
前記バランス壁(30)は、前記バランス壁(30)が間に延在する前記柱(24)の端部のうちの少なくとも一方から距離を置いて、好ましくは両端から距離を置いて設けられる、請求項1に記載のサンシェード。
【請求項3】
前記バランス壁(30)が、前記二つの柱を隔てる面の70%以下、好ましくは60%以下、好ましくは50%以下、好ましくは40%以下、好ましくは30%以下、好ましくは20%以下を遮蔽する、請求項1または2に記載のサンシェード。
【請求項4】
前記屋根構造(12)の前記下部(18)が、前記柱(24)に対して片持ち梁として延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項5】
前記柱(24)が単一の列に配置された、請求項1から4のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項6】
前記バランス壁(30)の高さ(H30)が、前記柱(24)の高さ(H24)の2%と100%の間、好ましくは20%と90%の間、より好ましくは40%と80%の間に含まれる、請求項1から5のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項7】
前記バランス壁(30)と前記柱(24)の自由端との間の距離(H22)が、前記柱(24)の高さ(H24)の0%と98%の間に含まれる、または前記バランス壁(30)が、前記柱(24)の高さ(H24)の最大でも上部三分の一以内、任意選択的には上部四分の一以内に延在する、請求項1から6のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項8】
前記屋根構造(12)が、前記柱(24)と厳密には0°より大きくかつ90°以下の角度(T)をなす、請求項1から7のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項9】
前記バランス壁(30)が垂直である、請求項1から8のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項10】
前記柱(24)への射影において、前記下部(18)が、前記柱(24)の自由端から少なくとも二メートル、好ましくは少なくとも二メートル半に位置する、請求項1から9のいずれか一項に記載のサンシェード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はサンシェードに関し、より詳細には、より良い耐風性を有するサンシェードに関する。
【背景技術】
【0002】
サンシェードは、日陰を供給することを意図し、支持体に取り付けられる屋根構造を備えるデバイスである。近年、サンシェードの使用は、特定の植物を日陰にするために農業と、前記サンシェードが光起電性パネル用の架空支持体として機能するエネルギー部門との両方で大幅に増えている。これら二つの用途が組み合わされるときは、営農型太陽光発電について言及される場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
サンシェードの成功により、強風にさらされる地域にサンシェードが設置されるようになった。前記サンシェードは、その場合、重い地盤アンカレッジが必要になり、設置の容易さの面でも、地盤占有率の面でも、コストの面でも望ましくない。したがって、新型のサンシェードが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のため、本開示は、上部および下部を有するように傾斜した屋根構造と、該屋根構造を地盤に固定するための複数の柱であって、前記屋根構造を前記上部で支持する前記柱とを備える、特に光起電性パネルを支持するためのサンシェードに関し、該サンシェードは、前記柱のうちの少なくとも一つによって機械的に支持され、前記柱のうちの別の柱に向かって延在する少なくとも一つのバランス壁も備え、前記少なくとも一つのバランス壁が、これらの二つの柱を隔てる面の75%以下を遮蔽する。
【0005】
場合により、前記屋根構造は、前記光起電性パネルを受容するように構成してよい。例えば、前記屋根構造は専用の取付け手段を備えてよい。前記屋根構造は、前記サンシェードに働く力を受けるように、および、その機械的強度を確保するように構成された、桁や横梁などの構造的要素と、典型的にはレールである、光起電性パネル用の取付け手段などの非構造的要素とを備えてよい。
【0006】
前記屋根構造とは反対側に、前記柱は、柱足部と呼ぶ場合がある前記地盤に向かう一端を有してよい。この端部は自由である。通常はこの自由端による、前記地盤への固定は、直接的なものでもよいし、例えば石積み、地盤に設置したブロック等を用いた間接的なものでもよい。前記固定は、前記屋根構造の前記下部が前記地盤から距離を置き、前記上部の方が前記下部よりも前記地盤から遠くなるようにする。前記地盤は、周囲の土地と同じ高さで、天然の部分でも整地された部分でもよいし、高くしたか否かを問わず、建築物のスラブ、通常は駐車場または屋上スラブによって形成されてもよい。
【0007】
前記屋根構造は、高い方の端部と低い方の端部との間に延在する。前記柱によって支持された前記上部は、前記高い方の端部から前記低い方の端部の方向に延在する。逆に、自由とすることができる前記下部は、前記低い方の端部から前記高い方の端部の方向に延在する。
【0008】
前記少なくとも一つのバランス壁は前記柱のうちの少なくとも一つによって機械的に支持されているので、前記バランス壁は、前記バランス壁に掛かる力を、この柱へのまたは伝達される前記力がたどる経路への前記バランス壁の取り付けられ方とは無関係に、この柱に伝達することができる。
【0009】
前記少なくとも一つのバランス壁は、該バランス壁を機械的に支持する前記柱と前記バランス壁が延在する先の別の柱とを隔てる面の75%以下を遮蔽する。被遮蔽面のこの割合を遮蔽率とも呼ぶ。
【0010】
いくつかのバランス壁が設けられる場合、前記遮蔽率は、少なくとも一つのバランス壁によって遮蔽される前記二つの柱間の前記面の割合として計算される。前記遮蔽率は、前記二つの柱間の被遮蔽面の前記二つの柱間の全面に対する比率として表してよい。したがって、上記の場合、前記バランス壁を機械的に支持する前記柱と前記バランス壁が延在する先の別の柱とを隔てる前記面の少なくとも25%は、遮蔽されない、すなわち、風の自由な通り道を残すと理解する。さらに換言すると、前記面の少なくとも25%が穿孔(透かし加工)されている。
【0011】
また、前記サンシェードの縁部では、バランス壁が柱によって機械的に支持され、前記サンシェードの外側に向かって延出してよい。前記サンシェードの外側のこのバランス壁によって遮蔽される面は、前記遮蔽率の計算に関して、問題の前記柱の反対側の前記被遮蔽面に加算してよい。
【0012】
前記サンシェードが三つ以上の柱を備える場合、前記遮蔽率は、上記のように、少なくとも一つのバランス壁によって遮蔽される面の合計の前記サンシェードの前記柱の全てを隔てる面の合計に対する比率として定義される。換言すれば、前記遮蔽率は、二つの連続する柱間のみで計算される局所的な遮蔽率とは対照的に、前記サンシェード全体に対する平均的または全体的な遮蔽率に対応する。前記サンシェードが三つ以上の柱を備えるとき、前記局所的な遮蔽率は、連続する柱の対ごとに異なってよいが、75%以下の全体的な遮蔽率という基準を満足することに変わりはないことに留意されたい。以下に例を提供する。
【0013】
本開示では、特記しない限り、「一つの」または「前記」要素(例えば、柱、バランス壁等)が意味するものは、「少なくとも一つの」または「前記少なくとも一つの」または「各」要素でもある。相互的に、複数形の総称的使用は単数形を含んでよい。
【0014】
前記柱が前記屋根構造を前記上部で支持すること、および前記少なくとも一つのバランス壁が、該バランス壁を機械的に支持する前記柱と前記バランス壁が延在する先の別の柱とを隔てる前記面の75%以下を遮蔽することにより、前記サンシェードに対する風の作用が弱まる。実際、前記上部の側から前記下部の側に向かって風が吹くと、前記屋根構造への前記風の作用により、一般に、前記上部の側に向かって前記サンシェードを傾けようとする主モーメントが(例えば地盤上の)固定点に生じる。しかしながら、前記バランス壁への前記風の衝突により、前記固定点には、前記下部の側に向かって前記サンシェードを傾けようとする逆のモーメントが同時に生じ、したがって、少なくとも部分的には、前記主モーメントが相殺される。風が逆方向に吹くときも類似の現象が生じ、各モーメントの方向が逆になる。いずれの場合も、前記バランス壁は、風の影響下で前記固定点に結果的に生じるモーメントを軽減するように構成され、その結果、前記固定点に結果的に生じるモーメントはバランス壁がない場合よりも大幅に弱くすることができるが、75%よりも大きい遮蔽率では、前記主モーメントの過剰な相殺が生じることに留意する。
【0015】
したがって、前記提案のサンシェードは、特定の風荷重を有する壁を付加することにより、前記柱の前記足部における曲げモーメント、より一般的には、風に対する前記サンシェード全体の感度を低減することができるという反直感的な思想に依拠している。その結果、前記地盤に対する前記サンシェードの固定は、強風の地域を含め、あまり不利にならないように寸法設定することができる。結果的に、設置の容易さ、地盤占有率、およびコストにおいて利益となる。
【0016】
一部の実施形態では、前記バランス壁は、前記柱のうちの一つから前記柱のうちの別の一つまで延在する。特に、前記バランス壁は、前記柱の各々に取り付けられてよい。代替的にまたは付加的に、前記バランス壁は、テザーやその均等物などの、その前記地盤への取付け用手段を備えてよい。
【0017】
一部の実施形態では、前記バランス壁は、前記柱の前記下部が延在する側とは反対側に取り付けられる。代替的に、前記バランス壁は、前記下部と同側に取り付けられてもよいし、柱を横断して取り付けられてもよい。
【0018】
一部の実施形態では、前記バランス壁は、前記バランス壁が間に延在する前記柱の端部のうちの少なくとも一方から距離を置いて、好ましくは両端から距離を置いて設けられる。換言すれば、前記バランス壁は、柱の前記低い方の端部(前記地盤への固定用端部)から、柱の前記高い方の端部(前記屋根構造を支持する)から、または両方から距離を置いて設けられてよい。
【0019】
代替的に、前記バランス壁は、前記柱の両端から延出することができる。この場合、75%以下の遮蔽率は、例えば前記バランス壁の一つまたは複数の孔によって得てよい。
【0020】
一部の実施形態では、前記バランス壁は、前記二つの柱を隔てる前記面の70%以下、好ましくは60%以下、好ましくは50%以下、好ましくは40%以下、好ましくは30%以下、好ましくは20%以下を遮蔽する。したがって、前記面の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%が遮蔽されていない、つまり、穿孔されている。
【0021】
一部の実施形態では、前記バランス壁は、前記二つの柱を隔てる前記面の少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、好ましくは少なくとも7%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%を遮蔽する。したがって、前記面の最大でも98%、好ましくは最大でも95%、好ましくは最大でも93%、好ましくは最大でも90%、好ましくは最大でも85%、好ましくは最大でも80%が遮蔽されていない、つまり、穿孔されている。
【0022】
一部の実施形態では、前記屋根構造の前記下部は、前記柱に対して片持ち梁として延在する。したがって、前記屋根構造の前記下部は自由端であり、前記下部は、前記上部を介する以外に前記柱によって支持されなくてよい。前記バランス壁の作用はこのような構成において一層有利である。
【0023】
一部の実施形態では、前記柱は単一の列に配置される。この列は、前記屋根構造の前記上部と前記下部をつなぐ方向に対して横断的に延在してよい。
【0024】
一部の実施形態では、前記バランス壁の高さが、前記柱の高さの2%と100%の間、好ましくは20%と90%の間、より好ましくは40%と80%の間に含まれる。前記高さの方向は前記柱に沿って測定してよい。
【0025】
一部の実施形態では、前記バランス壁と前記柱の自由端との間の距離が、前記柱の前記高さの0%と98%の間に含まれる。前記柱の前記自由端は、前記地盤に固定することを意図する端部であり、したがって、前記バランス壁と前記柱の前記自由端との間の前記距離は、固定デバイスを除く、前記バランス壁から前記地盤までの距離を表す。
【0026】
一部の実施形態では、前記バランス壁は、前記柱の前記高さの最大でも上部三分の一以内、任意選択的には上部四分の一以内に延在する。したがって、前記バランス壁の下には、空間、例えば、車両または歩行者用の循環空間、または植物用の成長空間もアクセス可能なまま残る。
【0027】
一部の実施形態では、前記柱への射影において、前記下部は、前記柱の自由端から少なくとも二メートル、好ましくは少なくとも二メートル半に位置する。
【0028】
一部の実施形態では、前記屋根構造は、前記柱と厳密には0°より大きくかつ90°以下の角度をなす。より正確には、前記角度は、60℃と90℃の間、あるいは65°と87°の間に含まれてよい。
【0029】
一部の実施形態では、前記バランス壁は垂直である。代替的にまたは付加的に、前記バランス壁は、前記柱と同じ方向に延在してよい。
【0030】
特に、前記バランス壁は、厳密には0°と90°の間に含まれる角度だけ垂直線に対して傾斜してよい。特に、前記バランス壁は、前記柱に対して、前記屋根構造の傾斜方向とは逆方向に傾斜してよい。一例によれば、いくつかの傾斜したバランス壁がルーバーとして配置されてよい。さらに、前記バランス壁は、このバランス壁に吹き付けている風に応じて可変的な傾斜角を有してよい。前記可変的な傾斜角は、少なくとも一つのストッパによって制限されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の前記目的の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して非制限的な例として与えられる実施形態の以下の説明によって明らかになる。
【
図1A】側面から見たいくつかのサンシェード構成を概略的に示す。
【
図1B】側面から見たいくつかのサンシェード構成を概略的に示す。
【
図1C】側面から見たいくつかのサンシェード構成を概略的に示す。
【
図1D】側面から見たいくつかのサンシェード構成を概略的に示す。
【
図2A】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2B】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2C】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2D】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2E】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2F】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2G】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2H】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2I】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2J】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2K】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2L】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2M】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図2N】いくつかのスパンを有するサンシェード用バランス壁の様々な実施形態を正面図で示す。
【
図3A】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3B】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3C】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3D】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3E】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3F】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3G】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3H】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3I】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3J】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3K】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【
図3L】単一のスパンに関して図示した、バランス壁の他の実施形態を正面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
第一の実施形態に従い、
図1Aから
図1D、より詳細には
図1Aを参照してサンシェード10を説明する。
【0033】
前記サンシェード10は、日陰を提供することを意図する屋根構造12を備える。前記屋根構造12に到達する光を利用するために、前記屋根構造12は、特に、例えば光起電性のソーラーパネルを支持するように設計してよい。前記光起電性パネルは、当業者に利用可能な手段で取り付けられてよく、したがって前記光起電性パネルおよびそれらの取付け手段自体は説明しない。
【0034】
前記屋根構造12は中実でも穿孔されていてもよいが、いずれにせよ、以下本開示では、光起電性パネルまたは他の所望の設備が設けられる可能性のある前記屋根構造12は、ある程度の耐風性を有すると考える。
【0035】
図1Aで明らかなように、前記屋根構造12は、高い方の端部16から延在する上部14と、低い方の端部20から延在する下部18とを有するように傾斜している。前記上部14は、前記サンシェード10が固定されている地盤22に対して前記下部18よりも高い。前記上部14および前記下部18は各々、前記屋根構造12の二分の一、あるいは三分の一、あるいは四分の一にも相当してよい。
【0036】
その前記地盤への固定のために、前記サンシェード10は複数の柱24を備える。この特定の場合において、前記柱24は単一の列に配置されているので、
図1Aから
図1Dではそれらのうちの一つしか見えない。しかしながら、いくつかの列を設けることもできる。以下、一つの柱24に関する説明は、他の柱に転用することができる。
【0037】
この実施形態では、前記垂直柱24が前記地盤22に垂直に固定されているが、前記柱24は他の向きを有することもできる。固定点Pが概略的に図示されているが、当業者には、この固定点Pは、基礎、補強材、カウンターウエイト、または他の適切な技術を用いて実現できることが分かる。
【0038】
前記柱24は、前記屋根構造12の前記上部14を支持する。この場合、前記上部14は、前記柱24の高い方の端部に取り付けられる。
図1Aから
図1Dは単一の取付け点を示しているが、前記柱24には、前記上部14をいくつかの点で支持するために一つまたは複数のアームを設けることができる。この実施形態では、前記屋根構造12の前記高い方の端部16が前記柱24によって支持されている。
【0039】
前記屋根構造12の前記下部18は、前記柱24に対して片持ち梁として延在している。前記下部18は自由でよい、つまり、一方では前記柱24に対していかなる直接的な支持も受けず、他方では前記地盤22から距離を置いてよい。通常、前記柱24への射影において、前記下部18は、前記柱24の自由端から少なくとも二メートル、好ましくは二メートル半に位置してよい。この距離は、
図1Aの直線の線分[PQ]の長さに対応する。
【0040】
傾斜した前記屋根構造12は前記柱24と角度Tをなす。この角度Tは、厳密には0°よりも大きくかつ90°以下である。この場合では、前記角度Tは約80°である。前記角度Tは、特に、前記屋根構造12の水平成分が垂直成分よりも大きくなるように、45°よりも大きく、好ましくは60°よりも大きくてよい。前記角度Tは、特に、87°未満でよい。一般に、前記屋根構造12は、水平線に対して0°から30°の角度をなしてよい。
【0041】
その耐風性を強化するため、特に、前記柱の足部での曲げモーメントを軽減し、その地盤固定構造を軽量化するために、前記サンシェード10は、少なくとも一つのバランス壁30も備える。図示のように、前記バランス壁30は、柱24により、例えばこの柱24に取り付けられることにより、機械的に支持される。また、以下で分かるように、前記バランス壁30は、風の通り道に対して障害物をなすように二つの柱24の間に延在する。
【0042】
図1Aで右から左に吹いているように示す風Vがある場合、前記バランス壁30に衝突する前記風Vの一部V1が(揚力またはダウンフォース型の)空気力学的力を生じる。したがって、前記バランス壁30は、対応する力を前記柱24に伝達する。前記柱24は前記地盤に固定されているので、前記固定点の周りを前記左に(または、より一般的には、
図1Aに示すように、前記風Vの方向に)前記柱24を枢動させようとするモーメントM1が前記固定点Pに生じる。したがって、前記サンシェード10は前記左に傾こうとする。さらに、前記風Vの一部V2が前記屋根構造12に衝突する。前記屋根構造12は傾斜しているので、前記屋根構造12の周りの前記風の流れにより、前記固定点Pの周りを前記右に(または、より一般的には、
図1Aに示すように、前記風Vの反対方向に)前記柱24を枢動させようとするモーメントM2を前記固定点Pに生じる(揚力またはダウンフォース型の)空気力学的力が生じる。したがって、前記サンシェード10は前記右に傾こうとする。
【0043】
前記バランス壁30により、その起源が前記屋根構造12にある前記主モーメントM2と逆のモーメントM1が前記固定点Pに生じるので、前記固定点Pに対して前記柱24に掛かる結果的なモーメントが軽減する。前記主モーメントM2に対して得られる前記モーメントの軽減は、最も不利な場合で、数十パーセントに達し得る。
【0044】
この原理は、前記図面で左から右に進む逆向きの風Vに類推によって転用され、前記発生したモーメントM1およびM2は、その場合、それぞれ逆方向になる。
【0045】
一例によれば、前記バランス壁の高さH30は、前記柱24の高さH24の2%と100%の間、好ましくは20%と90%の間、あるいは40%と80%の間に含まれる。前記高さは、前記柱24自体が垂直であるときの垂直方向に対応する前記柱24の縦方向に測定される。
【0046】
さらに、前記バランス壁30と前記柱の前記自由端、この場合は前記固定点Pとの間の距離H22は、前記柱の前記高さH24の0%と98%の間に含まれる。
【0047】
一例によれば、前記バランス壁30は、前記柱の前記高さH24の最大でも上部三分の一以内、任意選択的には上部四分の一以内に延在する。換言すれば、前記高さH22は、前記柱24の前記高さH24の2/3、あるいは3/4以上である。
【0048】
図示のように、前記バランス壁30は、前記柱24の端部のうちの少なくとも一方から距離を置いて、この場合では両端から距離を置いて、設けられてよい。前述の表記を用いる場合、これはH22+H30<H24という不等式に変換される。前記バランス壁30は完全に前記屋根構造12の下方に設けられてよいが、前記バランス壁30の高い方の端部は、前記屋根構造12の前記低い方の端部20よりも低くてもよいし、図示のように高くてもよい。
【0049】
図1Aに示すように、前記バランス壁30は、前記柱24の前記下部18とは反対側に配置されてよい。さらに、前記バランス壁30は垂直でよく、特に前記柱24に平行でよい。しかしながら、これらの特徴は、
図1Bから
図1Dに示すように、変形することができる。
【0050】
図1Bから
図1Dは、他の実施形態における前記サンシェードを示す。これらの図面では、
図1Aの前記実施形態の要素に対応するまたは同一である要素には同じ参照記号を与え、再度説明しない。
【0051】
図1Bの前記サンシェード10は、前記屋根構造12が前記柱24の一端ではなく前記柱24上の中間位置に支持されている点で
図1Aの前記サンシェード10と異なる。したがって、前記柱24は前記屋根構造12を越えて延在してよい。ただし、前記柱24によって支持されるのは、確かに前記屋根構造12の前記上部14である。
【0052】
また、前記バランス壁30は、垂直ではなく前記柱に対して傾斜している。より詳細には、前記バランス壁30は、前記柱と、0°以上かつ前記屋根構造12と前記柱24との間の前記角度T以下の角度Uをなす。前記バランス壁30は、特に、
図1Bに示すように、前記屋根構造12の傾斜とは反対方向に前記柱24に対して傾斜することができる。
【0053】
図1Cの前記サンシェード10は、前記屋根構造12がその高い方の端部16ではなく、より一般的にはその上部14で支持される点で
図1Aの前記サンシェード10と異なる。したがって、前記屋根構造12の前記高い方の端部16および前記低い方の端部20は、前記柱24の両側に位置する。
【0054】
さらに、ここで前記バランス壁30は、前記柱24の前記下部18と同側に配置されている。
【0055】
図1Dの前記サンシェード10は、前記バランス壁30が平面的ではない点で
図1Aの前記サンシェード10と異なる。ここで前記バランス壁30は丸みを帯びており、このため、楕円形、半楕円形、より一般的には一方向および/または別の方向に丸みを帯びた輪郭、または任意の他の適当な輪郭を有することができる。このタイプの輪郭により、前記バランス壁30の耐風性の大きさを正確に設定することが可能になる。
【0056】
図2Aから
図2Mは、
図1Aから
図1Dの方向IIに見た前記バランス壁30に関して、および一列になった四つの柱24によって画定される三つのスパンを備えるサンシェード10の一例に関して様々な実施形態を示す。しかしながら、これらの例は、任意の他の本数の柱24に転用することができる。
【0057】
図2Aの例では、前記バランス壁30はスパンごとに同一である。各バランス壁30は、一つの柱24から隣接する柱24まで延在している。より一般的には、前記バランス壁30は、一つの柱24によって機械的に支持され、別の柱の方向に延在している。この場合、前記バランス壁30は、前記二つの隣接する柱24によって機械的に支持されている。
【0058】
前記バランス壁30は、前記バランス壁30を支持する前記柱24を前記バランス壁30が延在する先の前記柱24から隔てる面の75%以下を遮蔽する。
図2Aでは、前記バランス壁30は、この面の約三分の一を遮蔽している。他の実施形態では、最大遮蔽率は、70%、60%、50%、40%、30%、あるいは20%でもよい。
【0059】
さらに、前記バランス壁30の正面面積の前記屋根構造12の正面面積に対する比率は、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下でよい。ある面の正面面積とは、前記流れに垂直な平面への、この場合は、最も不利な状況で風の流れに対して横断的であるとみなすことができる前記柱24の平面への、この面の射影を意味することを想起されたい。上記比率は、0.01以上、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上でよい。
【0060】
ここで前記バランス壁30は矩形形状を有し、前記柱24の高さの中間くらいに配置されている。
【0061】
図2Bの変形は、前記バランス壁30同士が互いに同一でなくてもよいことを示す。また、前記形状は、縁部が凹曲線によって画定される外側のバランス壁30によって示すように、必ずしも矩形ではない。
図2Cは凸曲線の例を示す。しかしながら、これらの実施形態では、前記バランス壁30に関して一つのスパンから別のスパンへの形状の連続性が注目される。
【0062】
図2Dは、高さ方向の縁部が起伏または任意の他の周期関数によって画定されるバランス壁30を示す。任意選択的には、図示のように、前記バランス壁30はこの場合も互いに同一かつ/または一つのスパンから別のスパンへ連続していることに変わりはない。
【0063】
図2Eは、前記バランス壁30が、ここでは孔32により穿孔されている一例を示す。前記孔32は円形でも円形でなくてもよいし、規則的に配置されていてもいなくてもよいが、規則的な分布により、風の影響下で柱24ごとに均一な力が保証されることを規定する。
【0064】
図2Fは、特定のスパンにはバランス壁30が設けられているが、他のスパンには設けられていないことを示す。
【0065】
上記実施形態では、前記バランス壁30の全てが同じ高さに位置していたが、
図2Gは、前記柱24の前記自由端に対する前記バランス壁30の前記高さH22がスパンごとに異なってよいことを示す。当然のことながら、ここには当てはまらないが、前記バランス壁の前記高さH30も異なってよい。
【0066】
図2Hは、各々が楕円形のバランス壁30を示す。これは、前記バランス壁30はスパンごとに独立していてよいことを示すが、
図2Bおよび
図2Cの実施形態等の他の実施形態では、前記バランス壁同士は互いに接続されてもよいし、あるいは単一体から形成されてもよい。
【0067】
当然のことながら、前記二つの可能性は、
図2Iに示すように、組み合わせることができる。すなわち、例えば平行四辺形あるいは菱形に似た形状の、単一体のバランス壁30が二つのスパンにわたって延在する一方、別のバランス壁30が第三のスパンに設けられてよい。
【0068】
図2Jに示すように、所与のバランス壁30が一つの柱24から別の柱24まで異なる高さに配置され、これが、図示のように一つのスパンから別のスパンまで連続してもよいし、しなくてもよい。これにより、一つの柱24から別の柱24まで異なるように力を分散させることができる。
【0069】
相対的に低い位置では、前記バランス壁30は、広告を行う支持体として、障壁として、または車両用の再充電ステーション等の設備用の支持体としても付加的に機能してよい。逆に、相対的に高い位置では、前記バランス壁30は、高さ制限器として、広告等のための支持体として付加的に機能してよく、その下を通行可能にしてよい。
【0070】
図2Kの例は、
図2Aおよび
図2Jの例の混合であり、新たな実施形態を形成するために、各実施形態に関連して説明した特徴を抜き出して組み合わせることができることが認められる。この実施形態では、前記バランス壁30は台形の形状を有する。
【0071】
図2Lを参照すると、いくつかのバランス壁30が同じスパン内に延在してよい。この場合、三つの離れたバランス壁30が異なる高さに設けられている。前記バランス壁同士は、形状および寸法の面で同一であり、ここではそれらの配置のみが異なっているが、他の変形も考え得る。
【0072】
図2Mは、
図2Gおよび
図2Lの原理を組み合わせている。すなわち、各スパン内に可変的な数のバランス壁30を配置し、これらのバランス壁30の高さを変えることにより、所定のパターン、例えば市松模様を作り出すことができる。すなわち、ここでは前記バランス壁30同士が互い違いに配置されている。他のパターンも考え得る。
【0073】
図2Nは、前記バランス壁30が、全体的に水平に配置されるのではなく、全体的に垂直に配置されてよいことを示す。より正確には、この実施形態では、一つのバランス壁30が一つの柱24に取り付けられ、この柱24からこの柱24の両側に張り出している。したがって、前記バランス壁30は、隣接する柱のうちの少なくとも一方、ここではそれらの両方の方向に延在するが、それらに到達はしない。
【0074】
第一の柱24aと第二の柱24bとの間に画定されるスパン内では、前記遮蔽率は、前記第一の柱24aに取り付けられたバランス壁30aによる、その前記第二の柱24bに向かって延在する部分に関する遮蔽率と、前記第二の柱24bに取り付けられたバランス壁30bによる、その前記第一の柱24aに向かって延在する部分に関する遮蔽率との合計である。前記バランス壁30a、30bの前記有効部分は、
図2Nでクロスハッチングされている。
【0075】
したがって、これらの例は、数多くの変形が考え得ることを示す。
【0076】
より一般的に、
図3Aから
図3Lは、一つのスパンに関して、他の形状、タイプ、および配置のバランス壁30を示す。これらの実施形態は、いくつかのスパンに拡張してよい。
【0077】
例えば、
図3Aは、それぞれの頂点のうちの一つで接合された二つの三角形のバランス壁30を示し、残りの頂点は前記柱24への取付け点として機能し、各バランス壁30は、各柱24上に一つの頂点を有する。逆に、
図2Bでは、各三角形のバランス壁30が同じ柱24上に二つの頂点を有する。
【0078】
図3Cは、先に見た矩形、平行四辺形、および台形の形状に加え、前記バランス壁30が、より複雑な多角形の形状、場合によっては凹形状を有してよいことを示す。
【0079】
図3Dは、菱形に似た形状のバランス壁30を示す。必要なときは、前記柱24による前記バランス壁30の機械的支持を向上させるために、支持ケーブルまたは梁34が設けられてよい。この場合、前記支持ケーブル34は、ここでは隣接している二つの柱24の間に張設され、前記バランス壁30は、この支持ケーブル34によって、例えばこの支持ケーブル34に取り付けられることによって、あるいは単にこの支持ケーブル34上に保持されることによって、少なくとも部分的に支持される。例えば、前記菱形の一つの角が前記支持ケーブル34によって支持される一方、二つの他の角が前記柱24によって直接支持されてよい。支持ケーブル34は、必要に応じて、前記バランス壁30の下だけでなく上または片側にも設けられてよい。また、これらの特徴は、前記バランス壁30の形状に関わらず転用可能である。
【0080】
図3Eの実施形態は、前記バランス壁30が孔32の存在によって穿孔されていること以外は
図3Dの実施形態と類似である。
【0081】
図3Fおよび
図3Gは、前記バランス壁が、多角形なだけでなく曲線的でもある任意の所望の形状、またはその両方の組み合わせを有してよいことを示す。ここでは特に、前記バランス壁30の縁部が、連続関数、あるいは微分可能関数、例えば多項式によって画定されてよい。
【0082】
図3Hの実施形態では、前記バランス壁30は、一つまたは複数の支持ケーブルまたは梁34を介して、前記柱24のうちの一方、ここでは両方の柱24に対して支持されている。前記バランス壁30に風が吹き付けると、これにより前記支持ケーブル34が伸び、次いで前記支持ケーブル34が同じ方向の力を前記柱34に伝達する。したがって、前記バランス壁30は前記柱24に直接接触していなくてもよいが、その取付けにより前記バランス壁30がそれでもなお前記柱24のうちの少なくとも一つによって機械的に支持されることができる場合に限る。
【0083】
さらに、望ましい場合は、支持ケーブルまたは梁36により、前記屋根構造12に、特に前記屋根構造12の構造的要素に前記壁30を機械的に接続してよい。
【0084】
このタイプの支持機構により、前記バランス壁30の形状に関してより大きな設計自由度がもたらされる。したがって、
図3Hは円形のバランス壁30を示しているが、当然のことながら
図3Iのハート形や
図3Jの任意形状などの他の形状も可能である。また、支持ケーブル34の数は、それらの配置およびそれらの方向と同様に、変更してよい。前記柱24間でおよびこれらの柱24上で力をより良好に分散させるために、この場合でも、前記バランス壁はその重心が幅および/または高さにおいて前記柱24に対して中央にあることが望ましいことに変わりはない。
【0085】
さらに、
図3Kに示すように、前記バランス壁30同士は重ね合わされてよい。
図3Lは、
図3Kの単位パターンを繰り返すことによって得ることができる格子型のパターンを示す。
【0086】
本明細書は具体的な例示的実施形態を参照しているが、これらの例には、請求項に定められる本発明の一般的範囲から逸脱することなく変更を加えることができる。例えば、説明した前記バランス壁は本質的に平面的であるが、非平面的なバランス壁が設けられてもよく、上記に提示した設計は三次元に変化させることができる。より一般的には、図示または言及した様々な実施形態の個別の特徴は、組み合わせてさらなる実施形態にすることができる。したがって、前記説明および前記図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味で考慮しなければならない。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部(14)および下部(18)を有するように傾斜した屋根構造(12)と、
該屋根構造(12)を地盤(22)に固定するための複数の柱(24)であって、前記屋根構造(12)を前記上部(14)で支持する前記柱(24)と、を備えるサンシェード(10)であって、
該サンシェード(10)は、前記柱(24)のうちの少なくとも一つによって機械的に支持され、前記柱(24)のうちの別の柱に向かって延在する少なくとも一つのバランス壁(30)も備え、
前記少なくとも一つのバランス壁(30)が、これらの二つの柱(24)を隔てる面の75%以下を遮蔽する、サンシェード。
【請求項2】
前記バランス壁(30)は、前記バランス壁(30)が間に延在する前記柱(24)の端部のうちの少なくとも一方から距離を置いて設けられる、請求項1に記載のサンシェード。
【請求項3】
前記バランス壁(30)が、前記二つの柱を隔てる面の70%以下を遮蔽する、請求項1に記載のサンシェード。
【請求項4】
前記屋根構造(12)の前記下部(18)が、前記柱(24)に対して片持ち梁として延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項5】
前記柱(24)が単一の列に配置された、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項6】
前記バランス壁(30)の高さ(H30)が、前記柱(24)の高さ(H24)の2%と100%の間に含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項7】
前記バランス壁(30)と前記柱(24)の自由端との間の距離(H22)が、前記柱(24)の高さ(H24)の0%と98%の間に含まれる、または前記バランス壁(30)が、前記柱(24)の高さ(H24)の最大でも上部三分の一以内に延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項8】
前記屋根構造(12)が、前記柱(24)と厳密には0°より大きくかつ90°以下の角度(T)をなす、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項9】
前記バランス壁(30)が垂直である、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【請求項10】
前記柱(24)への射影において、前記下部(18)が、前記柱(24)の自由端から少なくとも二メートルに位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載のサンシェード。
【外国語明細書】