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  • 特開-ルーバー窓の開閉機構 図1
  • 特開-ルーバー窓の開閉機構 図2
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  • 特開-ルーバー窓の開閉機構 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103447
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】ルーバー窓の開閉機構
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/086 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
E06B7/086
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192016
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2023007073
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510128018
【氏名又は名称】パルマスティーリザ・ジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397000160
【氏名又は名称】株式会社豊和
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】宗宮 直彦
(72)【発明者】
【氏名】辻井 友成
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩志
(72)【発明者】
【氏名】安藤 和明
(72)【発明者】
【氏名】土屋 正嗣
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036JA09
2E036JC01
2E036KA03
2E036KB05
2E036LA06
2E036LB02
2E036LB06
2E036LB08
2E036MA06
2E036NA01
2E036NB01
2E036QA02
(57)【要約】
【課題】建物のガラスウォールに設けられるルーバー窓の開閉機構を提供すること。
【解決手段】カーテンウォールに設けられ、開閉可能な羽根板状のガラスを備えるルーバー窓の開閉機構であって、上枠、下枠および左右の縦枠24が矩形に枠組みされた枠体と、枠体内に配置され、開閉可能な羽根板状のガラスを有するルーバー窓と、がユニット化されてルーバー窓ユニットが構成され、ガラスを開閉する開閉機構と、を備え、開閉機構は、回転数を減速して動力を伝達する減速機72を有する、ルーバー窓の開閉機構である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンウォールに設けられ、開閉可能な羽根板状のガラスを備えるルーバー窓の開閉機構であって、
上枠、下枠および左右の縦枠が矩形に枠組みされた枠体と、前記枠体内に配置され、開閉可能な羽根板状のガラスを有するルーバー窓と、がユニット化されてルーバー窓ユニットが構成され、
前記ガラスを開閉する開閉機構と、を備え、
前記開閉機構は、回転数を減速して動力を伝達する減速機を有する、ルーバー窓の開閉機構。
【請求項2】
前記減速機は、前記ガラスを開閉する角度を所定の範囲に制限するストッパを備える請求項1に記載のルーバー窓の開閉機構。
【請求項3】
前記開閉可能な羽根板状のガラスは複数設けられ、
前記ガラスは、ガラス保持部材によって保持され、
前記ガラス保持部材は、隣接する前記ガラス保持部材に対向する位置に突起を備える請求項1に記載のルーバー窓の開閉機構。
【請求項4】
前記ガラスを閉じた状態のときに、前記突起と、前記隣接する前記ガラス保持部材と、の間には隙間が形成される請求項3に記載のルーバー窓の開閉機構。
【請求項5】
ハンドルを備え、
前記ハンドルが回転されることにより前記減速機に前記動力が伝達される請求項1~請求項4のいずれかに記載のルーバー窓の開閉機構。
【請求項6】
電気により動力を発生し、前記減速機に前記動力を伝達する動力発生装置を備える請求項1~請求項4のいずれかに記載のルーバー窓の開閉機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ルーバー窓の開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅としての建物に設けられたルーバー式のブラインドが知られている(例えば、特許文献1参照)。ルーバー式のブラインドは、モータの動力により開閉される開閉機構を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63-587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の開閉機構は、住宅に設けられたルーバー式のブラインドであり、これを例えば、重量の大きな建物のガラスウォールに設けられるルーバー窓に直接用いることは困難である。
【0005】
本開示は、建物のガラスウォールに設けられるルーバー窓の開閉機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、カーテンウォールに設けられ、開閉可能な羽根板状のガラスを備えるルーバー窓の開閉機構であって、上枠、下枠および左右の縦枠が矩形に枠組みされた枠体と、前記枠体内に配置され、開閉可能な羽根板状のガラスを有するルーバー窓と、がユニット化されてルーバー窓ユニットが構成され、前記ガラスを開閉する開閉機構と、を備え、前記開閉機構は、回転数を減速して動力を伝達する減速機を有する、ルーバー窓の開閉機構に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態のルーバー窓ユニットを室外側から見た正面図である。
図2】一実施形態のルーバー窓ユニットを示す側方断面図である。
図3】一実施形態のルーバー窓ユニットの、開閉可能なガラス及びガラス保持部材を示す側面図である。
図4】一実施形態のルーバー窓ユニットの、開閉不能に枠体に固定されたガラス及びガラス保持部材を示す側面図である。
図5】一実施形態のルーバー窓ユニットのルーバー窓の開閉機構の減速機を側方から見た図である。
図6】一実施形態のルーバー窓ユニットのルーバー窓の開閉機構の減速機を室内側から見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められたルーバー窓ユニット1においてルーバー窓が全閉の状態におけるガラス3の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記ガラス3の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、ルーバー窓ユニット1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、ルーバー窓ユニット1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、ルーバー窓ユニット1の室外側を室外側X1とし、ルーバー窓ユニット1の室内寄りの側を室内側X2とする。なお、図2において室内側X2と記載した位置は、室内ではなく室外のテラスの位置を示しており、この位置よりも更に図2の右側に、室内と室外との境界に位置する図示しない窓等が設けられる。
【0009】
ルーバー窓ユニット1は、建物の外壁を構成するカーテンウォールに設けられており、図1図2に示すように、図示しない建物躯体の開口部において床に取り付けられる枠体2の内側に配置されルーバー窓を構成する複数の羽根板状のガラス3がそれぞれ納められて、枠体2とルーバー窓とがユニット化されることによって構成される。
【0010】
枠体2は、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みすることによって構成される。上枠21の上側には、無目211が固定されており、無目211及び上枠21は、図2に示すように、建物の室外側に延びてテラスの床を構成する床スラブF11に固定されたブラケットF12に、ファスナーF13により固定される。また、下枠22は、上枠21が固定される床スラブF11に対して1つ下の階の、建物の室外側に延びてテラスの床を構成する床スラブF21に固定されたルーバー窓ユニット1の無目211の上部に嵌合される。
【0011】
ルーバー窓を構成するガラス3のうちの、図1における上から2番目のガラス3-2~5番目のガラス3-5は、開閉機構により上下方向に対する傾斜角度が所定の範囲内で変えられることにより、開閉可能である。これら以外の、ルーバー窓を構成するガラス3のうちの、図1に示す一番上のガラス3-1、一番下のガラス3-7と、及び、一番下から2番目のガラス3-6は、上下方向に対する傾斜角度が変えることができず常に閉じた状態のFIX窓である。
【0012】
先ず、開閉可能なガラス3-2~ガラス3-5について、以下に説明する。ガラス3-2~ガラス3-5は同様の構成を有しているため、ガラス3-3について説明し、他のガラスについては、説明を省略する。
【0013】
図3に示すように、ガラス3-3は、2枚の同一形状の長方形状のガラス板31が、中間膜32を挟んで張り合わされて構成された合わせガラスである。中間膜32は、自動車のフロントガラスを構成する中間膜よりも高い硬度、及び、強度を有する。中間膜32がこのような硬度及び強度を有することにより、ガラスのねじれを抑えることが可能となる。このため、ガラス3-3の傾斜角度を変えて開閉する際に、ガラス3-3の長手方向における両端部において開閉機構により回転させずに、一端部のみを回転させることで、他端部側を追従させて回転させることが可能となり、ガラス3-3の傾斜角度を変えることが可能となる。
【0014】
2枚のガラス板31の周縁部の端面と中間膜32の周縁部の端縁とは、面一に形成されフラットな形状とされている。これにより、この部分に溝が形成されることを回避して、2枚のガラス板31の端面と中間膜32の端縁とにより構成されるガラス3-3の端面に、雨水がかかった場合であっても、雨水が溜まらないようにすることが可能である。
【0015】
ガラス3-3は、ガラス保持部材40-1によって保持されている。ガラス保持部材40-1は、アルミ合金 JIS 6061 T6が、削り出しにより形成されて構成されている。これにより、アルミダイキャストにより形成した場合と比較して、同じ強度とした場合に、ガラス保持部材40-1を薄く且つ小型とすることが可能となる。
【0016】
ガラス保持部材40-1は、図3に示すように、長手方向(上下方向)の両端部においては、それぞれコの字形状部41を有し、中央部においては、貫通孔が形成された被支持部42を有し、また、中央部においては、被支持部42から室内側へ突出する駆動支持部43を有している。
【0017】
コの字形状部41は、先端部411と端縁部412と基部413とを有しており、先端部411と端縁部412とは直交し、端縁部412と基部413とは直交して、これらは
一体に接続されてコの字形状に形成されている。ガラス3-3の上下の端縁部の左右の端部は、コの字形状部41に銜えられるようにしてガラス保持部材40-1に保持されている。
【0018】
端縁部412に接続されている先端部411の部分とガラス3-3との間には、POM(ポリアセタール)樹脂ブロック51が設けられており、先端部411に対するガラス3-3の位置決めを可能とする。先端部411の更に先端寄りの部分とガラス3-3との間には、2液性防水シリコーンシーラント52が充填されてシーリングされており、ガラス3-3とコの字形状部41との間に雨水が入り込むことを防止することが可能である。
【0019】
ガラス3-3の端面と端縁部412との間には、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)材53が設けられており、端縁部412に対するガラス3-3の位置決めを可能とする。ガラス3-3の端面と基部413との間には、2液性構造シリコーンシーラント54が充填されており、ガラス3-3が受けた風圧を2液性構造シリコーンシーラント54の接着力でガラス保持部材40-1に伝達することが可能である。ガラス保持部材40-1の中央寄りの2液性構造シリコーンシーラント54の端部には、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)材56が設けられており、2液性構造シリコーンシーラント54の端面を覆い、端面の位置決めをしている。
【0020】
被支持部42寄りの基部413の部分には、基部413から突出する突起を構成するガスケット55が、ビス止めされて設けられている。ガスケット55は、後述するルーバー窓の開閉機構のハンドル71を回転させて、ルーバー窓を構成するガラス3-3を全閉の状態にしたときに、上側に設けられたガラス3-2のガラス保持部材40-1の先端部411に当接しないように、ガスケット55と先端部411との間には隙間が形成される。
【0021】
このため、ガスケット55と先端部411とが当接して、異音が発生したりすることを防止することが可能となる。また、熱伸びや地震等により、万が一ガスケット55と先端部411とが当接した場合であっても、ガスケット55が設けられているため、上下に隣接するガラス保持部材40-1の先端部411と基部413とが互いに直接当接し合うことを防止することが可能となる。
【0022】
被支持部42に形成された貫通孔には、円柱形状のアルミ軸受け57が被支持部42に固定されて設けられている。アルミ軸受け57の内周面により構成される空間には、縦枠24に固定された円柱形状の軸241が挿入されており、アルミ軸受け57の軸心方向における端部と縦枠24との間には、熱伸び等を吸収できるように、隙間が形成されている。
【0023】
軸241の外周面には、当該外周面の全体を覆うように円筒形状のアルミパイプ242が環装されている。アルミパイプ242の外周面には、当該外周面の全体を覆うようにPOM製の円筒状部材243が環装されている。円筒状部材243の軸心方向における端部は、フランジ状に拡径する図示しないつば部を有している。円筒状部材243は、滑り材を構成し、アルミ軸受け57に対して回転する際に、異音を発することを防止するとともに滑らかに回転することを可能とする。
【0024】
駆動支持部43の突出端部には、貫通孔が形成されており、貫通孔には、ボルト431が貫通している。ボルト431は、開閉機構を構成する上部リンク745に固定されている。上部リンク745が開閉機構を構成する減速機によって上下することにより、風圧に対して保持力が強い状態で、軸241を中心として、ガラス保持部材40-1及びガラス3-1が回転して、上下方向に対するガラス3-3のなす角度を変えて、ルーバー窓が開閉できるように構成されている。
【0025】
次に、上下方向に対する傾斜角度が変えることができず常に閉じた状態のFIX窓であるガラス3-1、ガラス3-6、ガラス3-7について、以下に説明する。ガラス3-1、ガラス3-6、ガラス3-7について、ガラス3-2~ガラス3-5と同様の構成の分については、説明を省略し、主としてガラス3-6について説明する。
【0026】
図4に示すように、ガラス3-6は、ガラス保持部材40-2の中央部の被支持部45の構成が、ガラス保持部材40-1の中央部の被支持部42の構成とは異なる。
【0027】
具体的には、被支持部45は、被支持部42に形成された貫通孔に代えて、上方向へ切り欠いたような切り欠き部451を有している。切り欠き部451には、縦枠23、24を架け渡すように設けられ、両端部が縦枠23、24に固定された、円柱形状の軸部材により構成されるアルミ合金製の押出材である補強部材26が、ボルト25によりボルト止めされて係止されている。これにより、ガラス3-6及びガラス保持部材40-2は、ボルトによって、上枠21、下枠22および左右の縦枠23、24が矩形に枠組みされた枠体2に固定されている。
【0028】
補強部材26は、見込方向において枠体2の下部に配置されている羽根板状のガラス3-6に対向する室内側の位置に配置されている。同様に、補強部材26は、見込方向において枠体2の上部に配置されている羽根板状のガラス3-1に対向する室内側の位置に配置されている。これにより、補強部材26は、枠体2の上下において枠体2の剛性を高めることが可能となる。
【0029】
次に、ルーバー窓の開閉機構について説明する。ルーバー窓の開閉機構は、動力の入力部としてのハンドル71と、ハンドル71の回転数を減速させるとともに、回転力を上下方向の力に変換する減速機72と、下部リンク744と、上部リンク745と、を備えている。ルーバー窓の開閉機構は、縦枠24に設けられており、縦枠23には設けられていない。このように減速機72を備えるため、ガラス3の縦枠24の側の端部のガラス保持部材40-1が回転させられることにより、風圧に対して保持力が強い状態で、十分な耐設計破壊荷を有するガラス3の全体が回転されるように構成されている。
【0030】
具体的には、図5に示すように、減速機72は縦枠24に固定されており、減速機72には、手動による動力を入力するハンドル71が、減速機72のハウジング721に対して回転可能に支持されている。減速機72は、ハウジング721の内部にハンドル71の回転力の回転数を減速させる減速部73と、減速部73により減速された回転力を上下方向の力に変換する変換部74とを有している。
【0031】
変換部74の出力軸741には、規制板742と、アーム743とが出力軸741と一体的に回転可能に固定されている。規制板742の長手方向における上端から3分の1程度の部分は、出力軸741に固定されている。また、アーム743の長手方向における室内側(図5における右側)の端部は、出力軸741に固定されている。
【0032】
規制板742が、図5に示す軸心方向から見て時計回りに回転したときに、規制板742の上端部が接近する変換部74の部分には、当該部分にナットにより固定されたストッパ731が設けられている。規制板742が、図5に示す軸心方向から見て時計回りに回転してゆくと、規制板742の上端部がストッパ731に当接し、出力軸741及び規制板742は、それ以上回転できないように回転が制限される。
【0033】
規制板742が、図5に示す軸心方向から見て反時計回りに回転したときに、規制板742の下端部が接近する変換部74の部分には、当該部分にナットにより固定されたストッパ732が設けられている。規制板742が、図5に示す軸心方向から見て反時計回りに回転してゆくと、規制板742の下端部がストッパ732に当接し、出力軸741及び規制板742は、それ以上回転できないように回転が制限される。
【0034】
ストッパ731、ストッパ732が設けられていることにより、出力軸741の回転が所定の回転角度の範囲に制限される。この結果、出力軸741に接続された後述の上部リンク745にガラス保持部材40-1を介して接続されたガラス3-2~ガラス3-5を開閉する角度を、所定の範囲に制限することが可能となる。
【0035】
アーム743の長手方向における室外側(図5における左側)の端部は、上下方向に延びる下部リンク744の下端部に対して回転可能に連結されている。下部リンク744の上端部は、上下方向に延びる上部リンク745の下端部に対して回転可能に連結されている。上部リンク745の上端部、及び、当該上端部よりも下側の上部リンク745の途中の部分は、ガラス3-2、ガラス3-3、ガラス3-4、及び、ガラス3-5をそれぞれ保持するガラス保持部材40-1の駆動支持部43の突出端部に対して、ボルト431により回転可能に連結されている。
【0036】
ハンドル71を回転させることにより、ハンドル71から入力した回転力が減速部73において減速され、変換部74により回転力が上下方向の力に変換されて下部リンク744、上部リンク745を上下させることにより、ガラス3-2、ガラス3-3、ガラス3-4、及び、ガラス3-5を同時に開閉するように構成されている。
【0037】
次にルーバー窓ユニット1の組み立て方法、及び、ルーバー窓ユニット1の建物への取り付け方法について説明する。ルーバー窓ユニット1の組み立て方法では、先ず、ガラス保持部材40-1、40-2のそれぞれの端縁部412、基部413に、EPDM材53、56を配置させると共に、先端部411に、POM樹脂ブロック51を配置させる工程を行う。次に、EPDM材53、56、POM樹脂ブロック51のそれぞれにガラス3を当接させて、ガラス保持部材40-1、40-2に対するガラス3の位置決めをして、EPDM材53、56とPOM樹脂ブロック51とを介してガラス保持部材40-1、40-2にガラス3を保持させる工程を行う。
【0038】
次に、ガラス保持部材40-1、40-2とガラス3との間に、2液性防水シリコーンシーラント52、及び、2液性構造シリコーンシーラント54を充填する工程を行う。次に、ガラス3を保持した状態のガラス保持部材40-1、40-2を枠体2に配置させる工程を行う。
【0039】
具体的には、ガラス保持部材40-1の被支持部42に形成された貫通孔に配置されたアルミ軸受け57に、縦枠24に固定された円柱形状の軸241を挿入するとともに、縦枠23の側についても同様に行い、また、駆動支持部43の突出端部の貫通孔に上部リンク745のボルト431を貫通させる。また、ガラス保持部材40-2の被支持部45の切り欠き部451に、補強部材26をボルト25によりボルト止めする。以上の工程により、枠体2とルーバー窓とがユニット化されたルーバー窓ユニット1を組み立てる工程が行われる。
【0040】
次に、ルーバー窓ユニット1の無目211及び上枠21を、建物の室外側に延びてテラスの床を構成する床スラブF11に固定されたブラケットF12に、ファスナーF13により固定する。この際、既に1つ下の階にルーバー窓ユニット1が取り付けられている場合には、ルーバー窓ユニット1の下枠22を、1つ下の階にルーバー窓ユニット1の無目211の上部に嵌合せた後に、無目211及び上枠21を、床スラブF11に固定されたブラケットF12に固定する。以上の工程により、ルーバー窓ユニット1を建物の床を構成する床スラブF11に固定する工程が行われる。
【0041】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0042】
例えば、本実施形態では、手動によりハンドル71を回転させてルーバー窓の開閉を行ったが、この構成に限定されない。例えば、手動ではなく、電気により動力を発生させて減速機に動力を伝達させるモータ等の動力発生装置をハンドル71に代えて設けて、電動でルーバー窓の開閉を行ってもよい。
【0043】
また、ルーバー窓を構成するガラスのうちの、開閉可能なガラスの数や、常に閉じた状態のFIX窓の数は、本実施形態の数に限定されない。
【符号の説明】
【0044】
1 ルーバー窓ユニット、2 枠体、3 ガラス、21 上枠、22 下枠、23、24 縦枠、25 補強部材、31 ガラス板、32 中間膜、40-1、40-2 ガラス保持部材、51 POM樹脂ブロック、52 2液性防水シリコーンシーラント、53、56 EPDM材、54 2液性構造シリコーンシーラント、55 ガスケット(突起)、71 ハンドル(開閉機構)、72 減速機(開閉機構)、731、732 ストッパ、744 下部リンク(開閉機構)、745 上部リンク(開閉機構)、
図1
図2
図3
図4
図5
図6