(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103473
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】5G ICS中継器の干渉除去装置及び干渉除去方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/10 20060101AFI20240725BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20240725BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20240725BHJP
【FI】
H04B1/10 L
H04W16/26
H04W28/18 110
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006616
(22)【出願日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0008709
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0003107
(32)【優先日】2024-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523024196
【氏名又は名称】ケー-ネッツ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キョン フン オ
(72)【発明者】
【氏名】ヒ ク アン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ソク オ
(72)【発明者】
【氏名】スン ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】チュン ホ カン
【テーマコード(参考)】
5K052
5K067
【Fターム(参考)】
5K052BB01
5K052BB02
5K052BB07
5K052DD04
5K052FF32
5K052FF33
5K067AA03
5K067DD47
5K067EE06
(57)【要約】
【課題】本発明は、無線ネットワークで使用可能なICS中継器に関し、より詳細にはICS中継器において選択的に自己相関除去器を用いて干渉信号のみを効果的に除去する技術に関する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、5G ICS中継器が行う干渉除去方法は、受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を取得する段階;第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する段階;第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階;第1原信号の無信号判断結果に応じて、第1遅延信号に基づいて第1基準信号を決定する段階;および第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する段階;を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5G ICS中継器が行う干渉除去方法において、
受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を取得する段階;
前記第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する段階:
前記第1エラー信号の振幅情報に基づいて前記第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階;
前記第1原信号の無信号判断結果に応じて、前記第1遅延信号に基づいて第1基準信号を決定する段階;及び
前記第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する段階;
を含む、
5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項2】
前記受信アンテナを介して受信された第2原信号から前記第2予測帰還信号を除去して第2エラー信号を生成する段階をさらに含む、
請求項1に記載の5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項3】
前記第1基準信号を決定する段階は、
前記第1原信号が無信号であると判断された場合、前記第1遅延信号を前記第1基準信号として選択する、
請求項1に記載の5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項4】
前記第1基準信号を決定する段階は、
前記第1原信号が無信号でないと判断された場合、前記第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成し、前記第1狭帯域除去信号を前記第1基準信号として選択する、
請求項1に記載の5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項5】
前記第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階は、
前記第1エラー信号または前記第1遅延信号の包絡線検出を介して前記振幅情報を取得する段階;及び
前記振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ未満である場合、前記第1原信号を無信号であると判断したり、或いは、前記振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ以上である場合、前記第1原信号を無信号でないと判断する段階;を含む、
請求項1に記載の5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項6】
前記予め設定された基準振幅サイズは、
前記5G ICS中継器に無信号が入力された場合に前記第1原信号を測定した結果に基づいて設定される、
請求項5に記載の5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項7】
前記第2予測帰還信号を生成する段階は、
前記第1エラー信号と前記第1基準信号との相関に基づいて第1干渉信号予測係数を算出する段階;及び
前記第1遅延信号と前記第1干渉信号予測係数との間の畳み込み演算を行って前記第2予測帰還信号を生成する段階;を含む、
請求項1に記載の5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項8】
5G ICS中継器が行う干渉除去方法において、
受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を取得する段階;
前記第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する段階;
前記第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成する段階;
前記第1エラー信号の振幅情報に基づいて前記第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階;
前記第1原信号の無信号判断結果に応じて、前記第1遅延信号および前記第1狭帯域除去信号のいずれかを第1基準信号として決定する段階;および
前記第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する段階;
を含む、5G ICS中継器の干渉除去方法。
【請求項9】
受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する時間遅延部;
前記第1エラー信号の振幅情報に基づいて前記第1原信号が無信号であるか否かを判断し、判断結果に応じて前記第1遅延信号に基づいて第1基準信号を決定する基準信号決定部;および
前記第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する予測帰還信号生成部;
を含む、5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項10】
前記受信アンテナを介して受信された第2原信号から前記第2予測帰還信号を除去して第2エラー信号を生成する減算器をさらに含む、
請求項9に記載の5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項11】
前記基準信号決定部は、
前記第1原信号が無信号であると判断された場合、前記第1遅延信号を前記第1基準信号として選択する基準信号選択部を含む、
請求項9に記載の5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項12】
前記第1原信号が無信号でないと判断された場合、前記第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成する自己相関除去器;をさらに含み、
前記基準信号決定部は、
前記第1狭帯域除去信号を前記第1基準信号として選択する基準信号選択部を含む、
請求項9に記載の5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項13】
前記基準信号決定部は、
前記第1エラー信号または前記第1遅延信号の包絡線検出を通じて前記振幅情報を取得する振幅情報生成器;および
前記振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ未満である場合、前記第1原信号を無信号であると判断したり、または前記振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ以上である場合、前記第1原信号を無信号でないと判断する基準信号選択部を含む、
請求項9に記載の5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項14】
前記予め設定された基準振幅サイズは、
前記5G ICS中継器に無信号が入力された場合に前記第1原信号を測定した結果に基づいて設定される、
請求項13に記載の5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項15】
前記予測帰還信号を生成する予測帰還信号生成部は、
前記第1エラー信号および前記第1基準信号間の相関に基づいて第1干渉信号予測係数を算出する係数発生器;および
前記第1遅延信号と前記第1干渉信号予測係数との畳み込み演算を行って前記第2予測帰還信号を生成するFIRフィルタ;を含む、
請求項9に記載の5G ICS中継器の干渉除去装置。
【請求項16】
受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する時間遅延部;
前記第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成する自己相関除去器;
前記第1エラー信号の振幅情報に基づいて前記第1原信号が無信号であるか否かを判断し、判断結果に応じて前記第1遅延信号及び前記第1狭帯域除去信号のいずれかを第1基準信号として選択する基準信号選択部;および
前記第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する予測帰還信号生成部;を含む、5G ICS中継器の干渉除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークで使用可能なICS中継器に関し、より詳細にはICS中継器において選択的に自己相関除去器を用いて干渉信号のみを効果的に除去する技術に関する{APPARATUS, AND METHODS FOR CANCELLING INTERFERENCE FOR 5G ICS REPEATER}。
【背景技術】
【0002】
一般的にICS中継器は、無線中継器において送受信アンテナ間で発生する帰還信号による発振問題を解決するためのシステムであり、より詳細には既存の無線中継器に干渉除去技術を適用して帰還される信号を予測し、これを入力された原信号から減算して帰還信号を除去する技術が適用された無線中継器である。
【0003】
一般的な適応アルゴリズムを用いた干渉除去方法を利用する適応型ICS中継器の干渉除去エンジン部は、送信アンテナと受信アンテナとの間に位置し、遅延部、係数発生部及びFIRフィルタで構成される。受信アンテナを介して受信された原信号d(n)=s(n)+y(n)は、減算器を介して干渉信号が除去されたエラー信号e(n)を出力する。このとき、干渉除去エンジン部の係数発生部(Coefficient generatior)は、減算器を介して干渉信号が除去されたエラー信号e(n)と遅延部を介して一定時間遅延された基準信号x(n)との相関関係を演算して干渉信号予測係数w(n)を算出する。前記干渉信号予測係数w(n)は、FIRフィルタを介して基準信号x(n)と畳み込み、同位相の予測された帰還信号y'(n)を生成し、前記予測帰還信号y'(n)は、前記減算器21を介して前記原信号から減算して干渉信号が除去された信号を前記送信アンテナ30側に出力する。
【0004】
このような適応アルゴリズムを用いた干渉除去方法を利用する適応型ICS中継器は、一般的にLMS(Least Mean Squared)またはRLS(Recursive Least Square)適応アルゴリズムを利用しており、このような適応アルゴリズムはエラー信号e(n)と基準信号x(n)との相関関係を利用して帰還信号を予測し、同位相の帰還信号を生成するため、入力信号源の特性に応じて干渉除去能力が異なる特性を有する。
【0005】
特に、5G、LTE又はOFDM信号の副搬送波(subcarrier)部分使用のように狭帯域の信号及びNB-IOTのような狭帯域の信号が入力される場合には、入力信号の自己相関特性により干渉信号を効果的に除去できず、むしろ不要なノイズ信号が生成される。
【0006】
このような問題点を解決するために、他の従来技術では自己相関除去器を用いたICS中継器の干渉除去方法として、韓国特許公開第10-2013-0054305号(ICS中継器の干渉除去方法)に掲示されている。
【0007】
また、従来技術による自己相関除去器が適用された別のICS中継器の構成図であって、このような従来技術は、自己相関除去器を利用する方法として帰還信号中の狭帯域信号を除去し、広帯域の白色ノイズ成分のみを残してこれを基準信号x(n)として使用する方法であるが、狭帯域信号の相関特性に影響されずに帰還信号の予測及び除去が可能であるが、これは基準信号x(n)が狭帯域信号が除去され白色ノイズのみ残った状態であるため、信号の量(level)が微弱になり、結局予測係数w(n)を算出する適応速度が遅くなるという問題点があった。
【0008】
これを克服するために微弱な信号を増幅して使用する場合があるが、このような場合には、無信号(白色ノイズ)入力時にノイズを増幅して新しい基準信号x‘(n)を作り出すため、中継器出力信号のSNRの歪みを持たせ、これにより基地局受信側の不要なノイズを上昇させ、基地局の容量を減少させるという問題点があった。
【0009】
また、他の従来技術では、選択的平準化器を用いたICS中継器及び干渉除去方法として、韓国登録特許第10-2203955号(選択的平準化器を用いたICS中継器の干渉除去方法)に掲示されている。
【0010】
従来技術による選択的平準化器を用いたICS中継器の干渉除去装置の構成図であって、このような従来技術は平準化器を用いて入力信号の時間軸データを周波数軸のデータに変換し、変換されたデータのマグニチュード(magnitude)を平準化し、平準化されたデータを再び時間軸に変換することによって、平準化された新しい基準信号x '(n)を求めることができる。
【0011】
このような方法は狭帯域信号の相関特性の影響を受けずに帰還信号に対する予測及び除去が可能であるが、5Gのような広帯域無線ネットワークでは入力信号の時間軸データを周波数軸のデータに変換し、変換されたデータのマグニチュードを平準化し、平準化されたデータを再び時間軸に変換する過程でLTEに対して5倍以上のディレイ(delay)が発生し、このようなディレイは5Gネットワークに合うICS中継器設計を不可能にするという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の問題に鑑み、狭帯域信号によって発生した不要なノイズ信号を除去するために自己相関除去器を常に使用せず、選択的に自己相関除去器を用いることにより狭帯域信号だけではなく無信号(白色ノイズ)入力時にも干渉信号のみを効果的に除去することができる干渉除去技術を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、5Gなどの広帯域無線ネットワークにおいても使用可能なディレイを満足するICS中継器の干渉除去技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、5G ICS中継器が行う干渉除去方法は、受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を取得する段階;第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する段階;第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階;第1原信号の無信号判断結果に応じて、第1遅延信号に基づいて第1基準信号を決定する段階;及び第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する段階;を含むことができる。
【0015】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去方法は、受信アンテナを介して受信された第2原信号から第2予測帰還信号を除去して第2エラー信号を生成する段階をさらに含むことができる。
【0016】
一実施例において、第1基準信号を決定する段階は、第1原信号が無信号であると判断された場合、第1遅延信号を第1基準信号として選択することができる。
【0017】
一実施例において、第1基準信号を決定する段階は、第1原信号が無信号でないと判断された場合、第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成し、第1狭帯域除去信号を第1基準信号として選択することができる。
【0018】
一実施例において、第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階は、第1エラー信号または第1遅延信号の包絡線検出を介して振幅情報を取得する段階;及び振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ未満である場合は第1原信号を無信号であると判断したり、或いは、振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ以上である場合は第1原信号を無信号でないと判断する段階;を含むことができる。
【0019】
一実施例において、予め設定された基準振幅サイズは、5G ICS中継器に無信号が入力された場合に第1原信号を測定した結果に基づいて設定されることができる。
【0020】
一実施例において、第2予測帰還信号を生成する段階は、第1エラー信号と第1基準信号との相関に基づいて第1干渉信号予測係数を算出する段階;及び第1遅延信号と第1干渉信号予測係数との間の畳み込み演算を行って第2予測帰還信号を生成する段階;を含むことができる。
【0021】
本発明の他の態様によれば、5G ICS中継器の干渉除去方法は、受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を取得する段階;第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する段階;第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成する段階;第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号であるか否かを判断する段階;第1原信号の無信号判断結果に応じて、第1遅延信号および第1狭帯域除去信号のいずれかを第1基準信号として決定する段階;及び第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する段階;を含むことができる。
【0022】
本発明のまた他の態様によれば、5G ICS中継器の干渉除去装置は、受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する時間遅延部;第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号であるか否かを判断し、判断結果に応じて第1遅延信号に基づいて第1基準信号を決定する基準信号決定部;及び第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する予測帰還信号生成部;を含むことができる。
【0023】
本発明のまた他の態様によれば、5G ICS中継器の干渉除去装置は、受信アンテナを介して受信された第1原信号から第1予測帰還信号が除去された第1エラー信号を遅延させて第1遅延信号を生成する時間遅延部;第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して第1狭帯域除去信号を生成する自己相関除去器;第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号であるか否かを判断し、判断結果に応じて第1遅延信号及び第1狭帯域除去信号のいずれかを第1基準信号として選択する基準信号選択部;及び第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成する予測帰還信号生成部;を含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、狭帯域信号によって発生した不要なノイズ信号を除去するために自己相関除去器を常時使用せず、選択的に自己相関除去器を使用することによって狭帯域信号だけでなく無信号(白色ノイズ)入力時にも干渉信号のみを効果的に除去することが可能になる。
【0025】
さらに、本発明の他の態様によれば、5Gなどの広帯域無線ネットワークでも使用可能なディレイを満足するICS中継器の干渉信号除去が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の他の実施例による5G ICS中継器の干渉除去方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去装置が適用された5G ICS中継器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるだろう。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、様々な形態で実現されることができ、単に本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0028】
本発明の実施例を説明するにおいて公知の機能または構成の具体的な説明は、本発明の実施例を説明するにおいて実際に必要な場合以外は省略される。そして後術される用語は、本発明の実施例における機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣例などに応じて変わり得る。したがって、その定義は本明細書全体にわたる内容に基づいて下されるべきである。
【0029】
以下に使用される「~部」、「~器」などの用語は、少なくとも1つの機能または動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現されることができる。
【0030】
図1は、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去装置のブロック図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、減算器1100、時間遅延部1200、自己相関除去器1300、基準信号決定部1400及び予測帰還信号生成部1500を含むことができる。
【0032】
減算器1100は、5G ICS中継器の受信アンテナ4100を用いて取得された原信号から干渉(予測帰還信号)が除去されたエラー信号を生成することができる。
【0033】
一実施例において、原信号は、基地局などで送信端から送信された信号と、5G ICS中継器の送信アンテナから送信された信号が5G ICS中継器の受信アンテナ4100に再び受信される帰還信号とを含むことができる。
【0034】
時間遅延部1200は、エラー信号を遅延させることによって遅延信号を生成することができる。
【0035】
一実施例において、時間遅延部1200は、エラー信号を予め設定された時間だけ遅延させることができる。
【0036】
一実施例において、予め設定された時間は、5G ICS中継器の仕様、用途(中継対象信号の周波数など)、ディレイ、使用者などによって異なるように設定されることができる。
【0037】
自己相関除去器1300は、遅延信号から狭帯域信号の特性を除去することによって狭帯域除去信号を生成することができる。
【0038】
一実施例において、自己相関除去器1300は、原信号が無信号でないと判断された場合、狭帯域除去信号を生成することができる。
【0039】
基準信号決定部1400は、エラー信号の振幅情報に基づいて原信号が無信号であるか否かを判断し、判断結果に応じて遅延信号に基づいて基準信号を決定することができ、そのために、振幅情報生成器1410および基準信号選択部1420を含むことができる。
【0040】
振幅情報生成器1410は、エラー信号または遅延信号の包絡線検出を通じて振幅情報を取得することができる。
【0041】
一実施例において、振幅情報は、原信号の振幅サイズなどを含み得る。
【0042】
一実施例において、振幅情報生成器1410はエラー信号または遅延信号を正数化(絶対値)し、正数化された信号をローパスフィルタを通過させることによって包絡線検出を行うことができる。
【0043】
基準信号選択部1420は、振幅情報に基づいて原信号が無信号であるか否かを判断し、判断結果に応じてエラー信号または遅延信号のいずれかを基準信号として選択することができる。
【0044】
一実施例において、基準信号選択部1420は、振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ未満である場合、原信号を無信号と判断することができる。
【0045】
一実施例において、基準信号選択部1420は、振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ以上である場合、原信号を無信号でないものと判断することができる。
【0046】
一実施例において、予め設定された基準振幅サイズは、5G ICS中継器に無信号が入力された場合に原信号を測定した結果に基づいて設定されることができる。ここで、予め設定された基準振幅サイズは信号と無信号(no signal)とを区別するための値で、ICS中継器ごとに異なるように設定されることができ、無信号状態で振幅のサイズを測定した結果に基づいて無信号であるか否かを決定するための振幅サイズが設定され得る。これは一般に、中継器でデジタル信号を処理するために、RF信号をIF信号に変換し、IF信号を再度ADCを用いてサンプリングデータに変換する過程を通じてデジタル信号を処理する。このとき、RF信号をIF信号に変換する際のゲイン(Gain)がICS中継器ごとに異なる可能性があるため、ICS中継器ごとに予め設定された基準振幅サイズは異なるように設定されることができる。すなわち、RF信号をIF信号に変換する際のゲインが大きい場合、予め設定された基準振幅サイズは大きく設定されることができる。
【0047】
一実施例において、基準信号選択部1420は、原信号が無信号であると判断された場合、遅延信号を基準信号として選択することができる。
【0048】
一実施例において、基準信号選択部1420は、原信号が無信号でないと判断された場合、遅延信号から狭帯域信号の特性を除去して狭帯域除去信号を生成し、狭帯域除去信号を基準信号として選択することができる。
【0049】
予測帰還信号生成部1500は、基準信号に基づいて予測帰還信号を生成することができ、そのために係数発生器1510及びFIRフィルタ1520を含むことができる。
【0050】
係数発生器1510は、エラー信号と基準信号との相関に基づいて干渉信号予測係数を算出することができる。
【0051】
FIRフィルタ1520は、遅延信号と干渉信号予測係数との間の畳み込み演算を行って新しい予測帰還信号を生成することができる。
【0052】
また、本発明は、従来技術の問題点を改善するために、自己相関除去器を選択的に適用するためのものであるため、自己相関を除去する具体的な方法など、従来技術に開示された内容が本発明にも適用できることは自明である。
【0053】
図2は、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去方法のフローチャートである。
【0054】
以下、上記方法は、
図1に示す5G ICS中継器の干渉除去装置1000によって行われることを例示して説明する。
【0055】
ステップS2100において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号を取得する。具体的には、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、5G ICS中継器の受信アンテナ4100を用いて第1原信号を取得することができる。
【0056】
一実施例において、原信号は、基地局などで送信端から送信された信号と、5G ICS中継器の送信アンテナから送信された信号が5G ICS中継器の受信アンテナ4100に再び受信される帰還信号とを含むことができる。
【0057】
ステップS2200において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号から第1予測帰還信号を除去することにより、干渉が除去された第1エラー信号を取得することができる。
【0058】
ステップS2300において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1エラー信号が遅延された第1遅延信号を生成することができる。
【0059】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号を予め設定された時間だけ遅延させることによってエラー信号を生成することができる。
【0060】
一実施例において、予め設定された時間は、5G ICS中継器の仕様、用途(中継対象信号の周波数など)、ディレイ、使用者などによって異なるように設定されることができる。
【0061】
ステップS2400において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号(no signal)であるか否かを判断することができる。
【0062】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1エラー信号の振幅情報を取得し、取得された第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号であるか否かを判断することができる。
【0063】
一実施例において、振幅情報はエラー信号の振幅サイズなどを含むことができる。
【0064】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号または遅延信号の包絡線検出を通じてエラー信号の振幅情報を取得することができる。
【0065】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号の振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ未満である場合、原信号を無信号であると判断することができる。
【0066】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号の振幅情報が予め設定された基準振幅サイズより大きい場合、原信号を無信号ではないと判断することができる。
【0067】
ステップS2500において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号が無信号でないと判断された場合、第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去することにより、第1狭帯域除去信号を生成することができる。
【0068】
ステップS2600において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号が無信号であるか否かの判断結果に基づいて、第1基準信号を決定することができる。
【0069】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、原信号が無信号であると判断された場合、遅延信号を基準信号として選択することができる。
【0070】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、原信号が無信号でないと判断された場合、狭帯域除去信号を基準信号として選択することができる。
【0071】
ステップS2700において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1基準信号に基づいて第2予測帰還信号を生成することができる。
【0072】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1エラー信号と第1基準信号との相関に基づいて第1干渉信号予測係数を算出し、第1遅延信号と第1干渉信号予測係数との間の畳み込み演算を行って、新しい予測帰還信号(第1予測帰還信号)を生成することができる。
【0073】
その後、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号後に受信される第2原信号から第2予測帰還信号を除去することにより、第2エラー信号を生成するなど、ステップS2100~S2700を繰り返して 行うことができる。
【0074】
また、
図2において、ステップS2400とステップS2300は、同時に行われたり、一方が他方に先行して行われることができる。
【0075】
図3は、本発明の他の実施例による5G ICS中継器の干渉除去方法のフローチャートである。
【0076】
以下、上記方法は、
図1に示す5G ICS中継器の干渉除去装置1000によって行われることを例示して説明する。
【0077】
ステップS3100~ステップS3300は、
図2のステップS2100~ステップS2300と実質的に同じであるため、その説明は省略する。
【0078】
ステップS3400において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1遅延信号から狭帯域信号の特性を除去することにより、第1狭帯域除去信号を生成することができる。
【0079】
ステップS3500において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1エラー信号の振幅情報に基づいて第1原信号が無信号(no signal)であるか否かを判断することができる。5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号が無信号であるか否かの判断結果に基づいて、第1エラー信号及び第1遅延信号のいずれかを第1基準信号として決定することができる。
【0080】
一実施例において、振幅情報はエラー信号の振幅の大きさなどを含むことができる。
【0081】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号または遅延信号の包絡線検出を通じてエラー信号の振幅情報を取得することができる。
【0082】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号の振幅情報が予め設定された基準振幅サイズ未満である場合、原信号を無信号であると判断することができる。
【0083】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、エラー信号の振幅情報が予め設定された基準振幅サイズより大きい場合、原信号を無信号でないと判断することができる。
【0084】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、原信号が無信号であると判断された場合、遅延信号を基準信号として選択することができる。
【0085】
一実施例において、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、原信号が無信号でないと判断された場合、狭帯域除去信号を基準信号として選択することができる。
【0086】
ステップS3600は
図2のステップS2700と実質的に同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0087】
その後、5G ICS中継器の干渉除去装置1000は、第1原信号後に受信される第2原信号から第2予測帰還信号を除去することにより、第2エラー信号を生成するなど、ステップS3100~S3600を繰り返して行うことができる。
【0088】
図4は、本発明の一実施例による5G ICS中継器の干渉除去装置が適用された5G ICS中継器の一例を示す図である。
【0089】
図4を参照すると、5G ICS中継器は、受信アンテナ4100を用いて、基地局から放射される信号である基地局信号S(n)と、送信アンテナ4200から放射される信号である帰還信号y(n)とを含む第1原信号d(n)を取得することができる。
【0090】
5G ICS中継器は、第1原信号d(n)から第1予測帰還信号y(n)を除去することによって第1エラー信号e(n)を生成することができる。
【0091】
5G ICS中継器は、第1エラー信号e(n)を予め設定された時間だけ遅延させることによって第1遅延信号x(n)を生成することができる。
【0092】
5G ICS中継器は、第1遅延信号x(n)に含まれる狭帯域特性を除去することによって、第1狭帯域除去信号を生成することができる。
【0093】
5G ICS中継器は、第1遅延信号x(n)の包絡線検出を行うことにより、原信号が無信号であるか否かを判断することができる。
【0094】
5G ICS中継器は、第1原信号d(n)が無信号であると判断された場合、第1遅延信号x(n)を第1基準信号として選択することができる。また、5G ICS中継器は、第1原信号d(n)が無信号でないと判断された場合、第1狭帯域除去信号を第1基準信号として選択することができる。
【0095】
5G ICS中継器は、第1基準信号が選択されると、第1エラー信号e(n)と第1基準信号との間の相関に基づいて第1干渉信号予測係数w(n)を算出することができる。
【0096】
5G ICS中継器は、第1遅延信号x(n)と第1干渉信号予測係数w(n)との畳み込み演算を行うことによって、第2予測帰還信号を生成することができる。
【0097】
再び、5G ICS中継器は、第2原信号から第2予測帰還信号を除去した第2エラー信号を生成することができる。
【0098】
このとき、5G ICS中継器は、第1エラー信号、第2エラー信号、…等を増幅器1000を介して増幅し、送信アンテナ4200を介して放射することができる。
【0099】
また、5G ICS中継器は、第1狭帯域除去信号を生成した後、第1原信号d(n)が無信号であるか否かの判断結果に応じて第1遅延信号x(n)及び第1狭帯域除去信号のいずれかを第1基準信号として選択することなく、第1原信号d(n)が無信号であるか否かの判断結果に応じて第1狭帯域除去信号を生成するか否かを選択することができる。具体的には、5G ICS中継器は、第1原信号d(n)が無信号であると判断された場合、第1狭帯域除去信号を生成せずに第1遅延信号x(n)を第1基準信号として選択し、第1原信号d(n)が無信号でないと判断された場合、第1狭帯域除去信号を生成し、第1狭帯域除去信号を第1基準信号として選択することができる。
【0100】
以上、本発明の実施例を具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された基礎思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施形態を組合せ/置換して適示されていない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲から逸脱しないであろう。 さらに、当業者は本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または修正することができ、そのような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0101】
1000:5G ICS中継器の干渉除去装置
1100:減算器 1200:時間遅延部
1300:自己相関除去器 1400:基準信号決定部
1500:予測帰還信号生成部