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特開2024-103477電極複合体スタックの角部領域の位置を特定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103477
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】電極複合体スタックの角部領域の位置を特定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240725BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240725BHJP
   H01M 8/1004 20160101ALI20240725BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240725BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20240725BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20240725BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20240725BHJP
【FI】
G06T7/70 A
G06T7/00 350C
H01M8/1004
H01M10/04 Z
H01M10/0585
C25B9/23
H01G11/84
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024006786
(22)【出願日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】10 2023 200 459.3
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】596107062
【氏名又は名称】フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT
【住所又は居所原語表記】Berliner Ring 2, 38440 Wolfsburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン マズーフ
【テーマコード(参考)】
4K021
5E078
5H028
5H029
5H126
5L096
【Fターム(参考)】
4K021CA02
4K021CA15
4K021DB43
4K021EA03
5E078AA14
5E078AB01
5E078LA07
5H028AA05
5H028BB00
5H028BB11
5H028CC11
5H028HH00
5H029AJ14
5H029CJ00
5H029HJ12
5H126BB06
5H126FF04
5L096AA09
5L096FA12
5L096FA69
5L096HA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電極複合体スタック(ESV)の少なくとも1つの角部領域内の多角形の電極シートの角部の位置を特定するための方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、撮影領域内にあるESVの角部領域を、画像生成方法を用いて3D画像生成撮影するステップを含む。これにより、支持体5に対して相対的または撮影領域内に配置されたマーカーに対して相対的な、ESVの角部領域内の電極シートの3D位置情報が含まれるデータセットを生成する、方法はまた、データセットから、それぞれの電極シートのうちの、角部領域を縁取っている縁部の第1の縁部延在および第2の縁部延在を特定するステップを含む。縁部延在に基づいて、それぞれの電極シートの角部の位置が特定される。電極シートおよび電極シートの縁部は、この場合、ニューラルネットワークシステムを用いて特定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極複合体スタック(ESV)の少なくとも1つの角部領域内の多角形の電極シートの角部の位置を特定するための方法であって、前記方法は、
-撮影領域内にある電極複合体スタック(ESV)の角部領域を、画像生成方法を用いて3D画像生成撮影するステップであって、これにより、支持体(5,SD,SB)に対して相対的な、または前記撮影領域内に配置されたマーカーに対して相対的な、前記電極複合体スタック(ESV)の前記角部領域内の前記電極シート(A,K)の3D位置情報が含まれるデータセットが生成される、ステップと、
-前記データセットから、それぞれの電極シート(A,K)のうちの、前記角部領域を縁取っている縁部(21x,21y)の第1の縁部延在および第2の縁部延在(20x,20y)を特定するステップであって、前記縁部延在(20x,20y)に基づいて、それぞれの前記電極シート(A,K)の前記角部(E1,E2,E3,E4)の位置が特定される、ステップと
を含み、
-前記第1の縁部延在および前記第2の縁部延在(20y,20x)は、以下のステップによって特定され、すなわち、
○複数のxz断面画像(10x)およびyz断面画像(10y)を生成するステップと、
○それぞれの前記xz断面画像(10x)内およびそれぞれの前記yz断面画像(10y)内において前記電極シート(A,K)を識別するステップと、
○それぞれの前記xz断面画像(10x)内およびそれぞれの前記yz断面画像(10y)内において、かつ前記xz断面画像(10x)内および前記yz断面画像(10y)内のそれぞれの識別された電極シート(A,K)ごとに、
・第1のニューラルネットワークシステムによって、前記電極複合体スタック内の基準位置領域から前記電極シートの電極縁部位置までの電極シート延在を特定することと、
・前記電極シート延在の経路長さが不変のまま維持され、前記電極シート延在が前記基準領域から補正された電極縁部位置まで基準位置(101)の高さで延びるように、前記電極シート延在を適合させることと
を行うステップと、
○それぞれの電極シート(A,K)ごとに前記第1の縁部または前記第2の縁部(21x,21y)に沿って前記補正された電極縁部位置(302)に沿って延在する直線(20x,20y)をそれぞれ特定するステップであって、前記直線(20y,20x)は、前記第1の縁部延在(20y)および前記第2の縁部延在(20x)に対応する、ステップと
によって特定される、
方法。
【請求項2】
前記補正された電極縁部位置は、複数の標本点(301,300)において電極シート位置を特定することによって決定され、
第1の標本点(301)は、前記電極縁部位置に対応し、
前記電極複合体スタック(ESV)内の前記電極シート(A,K)の前記基準位置(101)は、少なくとも1つのさらなる標本点(300)によって検出され、
前記標本点(300,301)は、前記第1のニューラルネットワークシステムによって特定され、
前記補正された電極縁部位置(302)は、少なくとも前記第1の標本点(301)を前記基準位置(101)の高さまで変位させることによって達成され、
前記電極シート延在の経路長さが不変のまま維持されるように、前記第1の標本点(301)と前記少なくとも1つのさらなる標本点(300)との間の経路長さが一定のまま維持される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
それぞれの電極シート(A,K)ごとに、前記第1の縁部延在(20y)と前記第2の縁部延在(20x)との交点(E1)が特定され、
前記交点(E1)に、それぞれの前記電極シート(A,K)の前記角部の位置が対応付けられる、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記電極複合体スタック(ESV)の前記電極シート(A,K)の2つ以上の角部領域に対して、前記方法が実施され、
前記電極シート(A,K)の2つ以上の角部(E1,E2,E3,E4)についての位置が決定される、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記電極シート(A,K)は、前記xz断面画像(10x)内および前記yz断面画像(10y)内において、電極シートを識別するためのさらなるニューラルネットワークシステムによって識別される、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
補正された第1の縁部延在および補正された第2の縁部延在(20y,20x)と、それぞれの前記電極シート(A,K)の前記少なくとも1つの角部(E1)の位置とに基づいて、前記支持体(5)および/または前記マーカーに対するそれぞれの前記電極シート(A,K)の姿勢が決定される、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記姿勢に基づいて、それぞれの電極シート(A,K)ごとに、前記支持体(5)および/または前記マーカーに対する所定の姿勢からの偏差が特定される、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
さらなる電極複合体スタックのための製造方法の間に、前記さらなる電極複合体スタックにおいて前記偏差がより小さくなるように、特定された前記偏差に基づいて前記電極複合体スタックにおける前記電極シートの堆積姿勢が適合させられる、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
それぞれの電極シート(A,K)ごとに、前記角部(E1,E3)の特定された位置から、それぞれの前記電極シート(A,K)のうちのまだ特定されていない残りの角部(E2,E4)の位置が決定され、
前記残りの角部の決定は、データベースに格納されている前記電極シートの寸法から実施される、
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記複数の電極シートは、第1のタイプの複数の電極シート(A)と、第2のタイプの複数の電極シート(K)とを含む、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記複数の電極シート(A,K)を、前記データセットにおいてそれぞれ異なるグレー値範囲に基づいて区別することができるように、前記第1のタイプの電極シート(A)は、前記断面画像(10x,10y)内において前記第2のタイプの電極シート(K)とは異なるグレー値範囲を有する、
請求項9または10記載の方法。
【請求項12】
第1の画像処理ステップにおいて、前記電極シートの暫定的な電極縁部位置を認識するためのニューラルネットワークシステムが、それぞれのxz断面画像(10x)内およびそれぞれのyz断面画像(10y)内において、かつそれぞれの電極シートごとに前記電極シートの電極縁部位置を暫定的に特定し、
さらに、それぞれのxz断面画像(10x)内およびそれぞれのyz断面画像(10y)内において、かつそれぞれの電極シートごとに前記基準位置(101)が特定され、
前記電極複合体スタック(ESV)のうちの、前記電極シート(A,K)が規則的な間隔で、とりわけ積層方向(z)に沿って隙間なく積層されている領域(100)から、前記基準位置(101)が特定される、
請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
第2の画像処理ステップにおいて、前記第1のニューラルネットワークシステムは、それぞれのxz断面画像(10x)内およびそれぞれのyz断面画像(10y)内において、かつそれぞれの電極シート(A,K)ごとに前記複数の標本点(300,301)を特定し、
前記第1のタイプの電極シートおよび前記第2のタイプの電極シートの両方についての前記特定は、それぞれ、前記第1のタイプまたは前記第2のタイプの電極シートのうちの、前記電極複合体スタック(ESV)の中央の方向において最も遠く離れて位置する暫定的に特定された電極縁部位置と、前記第1のタイプまたは前記第2のタイプの電極シートのうちの、最も外側に位置する暫定的に特定された電極縁部位置とによって定義された領域に限定されている、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
それぞれのxz断面画像(10x)およびそれぞれのyz断面画像(10y)ごとに、かつそれぞれの電極シート(A,K)ごとに、パス(303)と、前記複数の前記標本点(300,301)の経路長さに対応する、前記パスに対応付けられたパス長さとが特定され、
それぞれのxz断面画像(10x)およびそれぞれのyz断面画像(10y)ごとに、かつそれぞれの電極シート(A,K)ごとに、特定された前記標本点(300,301)が、変換によって、前記電極複合体スタック(ESV)の高さ(z)に対して垂直な直線状のパス(304)まで変位させられ、具体的には、前記経路長さが一定のまま維持されるように変位させられ、
これにより、前記第1の標本点(301)の高さが、前記基準位置(101)へと調整される、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ上で実行された場合に、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法を実施するコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1記載の電極複合体スタックの角部領域の位置を特定するための方法に関する。本発明はさらに、本方法を実施するためのコンピュータプログラムに関する。
【0002】
ESV(電極セパレータ複合体)とも称される電極複合体スタックの製造時には、複数の電極シート、すなわちアノードとカソードとが交互の順序で上下に積層される。これらの電極シートの間には、電極同士を互いに電気的に絶縁させるそれぞれ1つのセパレータ層が配置されている。
【0003】
電極シートの堆積精度は、積層プロセスのプロセス能力に対する品質基準であると同時に、ESVの安全性と機能とに関連した製品特徴でもある。目的は、全ての電極シートが、定義された間隔および定義された許容誤差範囲内で堆積されていることである。ESVにおける電極被覆率が高くなればなるほど、電気化学的性能が高くなる。多くのESVにおいて、アノードの電極シートは、カソード電極シートを完全に覆うことを可能にするために、周方向で1ミリメートルから数ミリメートルだけより大きい。アノードシートの周方向の突出する周縁がわずかであればあるほど、スタックの堆積をより精確に実施しなければならない。しかしながら、それと同時に、製造速度の向上も望まれており、このことは、正確な堆積の妨げになってしまう。この理由から、ESV内の電極シートの堆積精度を確実に、迅速に、かつ精確にも特定する必要がある。
【0004】
従来技術では、堆積精度を特定するための種々異なる方法が公知であり、典型的には、画像生成撮影のためにX線放射が使用される。しかしながら、このような撮影から得られた3D画像データは、(撮影速度に応じて)劣悪な信号対雑音比を有していることが多く、したがって、例えば電極シートの角部の位置のような対応するパラメータを特定するために、画像データは、専門家によって画像生成ソフトウェアにおいて評価されることが多い。
【0005】
さらに、従来技術において電極シートの回転を特定することが可能であり、これにより、堆積精度を決定することは可能であるが、必ずしも、改善された堆積を補正するための手段を導出することができるとは限らない。
【0006】
したがって、本発明の課題はESV内の電極シートの角部領域の位置を全自動で、ロバストに、かつ精確に決定する方法を提供することである。
【0007】
本発明による課題は、請求項1記載の方法によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されており、以下で説明される。
【0008】
本発明によれば、電極複合体スタック内の個々の多角形の、とりわけ矩形の電極シートの少なくとも1つの角部領域の位置を特定するための方法、とりわけコンピュータ実装方法であって、本方法は、
-撮影領域内にある電極複合体スタックの電極シートの角部領域を、画像生成方法、とりわけコンピュータ断層撮影式の画像生成方法を用いて3D画像生成撮影するステップであって、これにより、支持体に対して相対的な、かつ/または画像生成方法の撮影領域内に配置されたマーカーに対して相対的な、電極複合体スタックの角部領域内の電極シートの3D位置情報が含まれるデータセットが生成される、ステップと、
-データセットから、電極複合体スタックのそれぞれの電極シートのうちの、角部領域を縁取っている縁部の第1の縁部延在および第2の縁部延在を特定するステップであって、補正された縁部延在に基づいて、例えば補正された縁部延在の外挿によって、それぞれの電極シートの角部の位置が特定される、ステップと
を含み、
-まず始めに、第1の縁部延在および第2の縁部延在は、以下のステップによって特定され、すなわち、
○複数のxz断面画像およびyz断面画像を生成するステップと、
○それぞれのxz断面画像内およびそれぞれのyz断面画像内において電極シートを識別するステップと、
○それぞれのxz断面画像内およびそれぞれのyz断面画像内において、かつxz断面画像内およびyz断面画像内のそれぞれの識別された電極シートごとに、
・第1のニューラルネットワークシステムによって、電極複合体スタック内の基準位置領域から電極シートの電極縁部位置までの電極シート延在を特定することと、
・電極シート延在の経路長さが不変のまま維持され、電極シート延在が基準領域から補正された電極縁部位置まで基準位置の高さで延びるように、電極シート延在を適合させることと
を行うステップと、
○それぞれの電極シートごとに第1の縁部または第2の縁部に沿って補正された電極縁部位置に沿って延在する直線をそれぞれ特定するステップであって、直線は、第1の縁部延在および第2の縁部延在に対応する、ステップと
によって特定される、方法が提供される。
【0009】
第1の畳み込みニューラルネットワークシステムとは、とりわけ電極シート延在を認識するように構成された、訓練された畳み込みニューラルネットワークシステムである。
【0010】
neural network(ニューラルネットワーク)は、ドイツ語圏ではneuronales Netzと称される。その場合、convolutional neural network(畳み込みニューラルネットワーク)は、おおよそkonvolutionales neuronales Netzに相当することとなろうが、これは、ドイツ語圏では一般的ではなく、この理由から本明細書では、世界中で使用されているconvolutional neural network(畳み込みニューラルネットワーク)という用語が使用される。
【0011】
データセット、とりわけ撮影された領域には1つの座標系、例えばデカルト座標系を対応付けることができ、この場合、好ましくはz軸が、電極シートに対して垂直であるように、かつx軸およびy軸が、それぞれz軸に対して垂直であるように、それぞれの軸が方向付けられている。電極シートが矩形の電極シートである場合には、x軸およびy軸は、好ましくは電極シートの所望の縁部向きに沿って方向決めされている。
【0012】
座標系は、好ましくはマーカーおよび/または支持体に関連付けられており、y軸は、例えば支持体の第1の延び方向に沿って延在しており、x軸は、支持体の第2の延び方向に沿って延在している。
【0013】
この関連において、「xz断面画像」および「yz断面画像」という用語は、必ずしもデカルト座標系に関連して理解される必要はなく、第一には、複数の断面画像を概念的に区別することを可能にするために使用されるということが留意される。しかしながら、xz断面画像とyz断面画像とは、互いに平行に延在しているわけではなく、好ましくは断面平面が、すなわちこの断面平面に沿って断面画像が生成されるという断面平面が、理想的に方向付けられた電極シートの第1の縁部延在または第2の縁部延在に対してほぼまたは厳密に垂直に延在するように、方向付けられている。とりわけ支持体が、第1の縁部および第2の縁部に沿った電極シートの幾何形状を反映している場合には、断面画像も、支持体の第1の縁部および第2の縁部に対して垂直に延在することができる。
【0014】
ここで、より良好に理解するために、「縁部延在」という用語は、電極シートの縁部の全体を表しており、これに対して「電極縁部位置」という用語は、とりわけ断面画像内の電極縁部の位置を表しているということを指摘しておく。断面画像内の複数の電極縁部位置から、それぞれの電極シートごとに電極シートの縁部延在を3Dで特定することができる。
【0015】
電極縁部位置は、この場合、とりわけ電極シートのうちの、スタックから外側に位置する縁部区分/電極シート周縁の位置に対応する。
【0016】
本発明の1つの実施形態によれば、補正された電極縁部位置は、複数の標本点において電極シート位置を特定することによって決定され、第1の標本点は、電極縁部位置に対応し、電極複合体スタック内の電極シートの基準位置は、少なくとも1つのさらなる標本点によって検出され、標本点は、第1の畳み込みニューラルネットワークシステムによって特定され、補正された電極縁部位置は、少なくとも第1の標本点を基準位置の高さまで変位させることによって達成され、電極シート延在の経路長さが不変のまま維持されるように、第1の標本点と少なくとも1つのさらなる標本点との間の経路長さが一定のまま維持される。
【0017】
それぞれの断面画像内および電極シート内における標本点から、対応する経路長さを有するパスを特定することができる。経路長さは、標本点の互いの間隔に基づいて特定可能である。これに代えて、標本点によって特定された経路(例えば、標本点のスプライン線分)からパスの経路長さを特定することも可能である。
【0018】
補正された電極縁部位置を特定する際における1つの重要な側面は、電極シート延在またはパスの経路長さが一定のまま維持されることである。これにより、補正された電極縁部位置が、電極シートの歪みまたは伸びを示唆しないことが達成される。
【0019】
とりわけ、それぞれの断面画像内において、かつそれぞれの電極シートごとに、電極シートの全ての標本点が、断面画像内において1つの直線状のパスを形成するように変位させられ、この場合、これらの標本点は、基準位置の高さへと変位させられる。これにより、完全に1つの平面に延在する電極シートに対応するであろう1つの縁部延在が特定される。多くの場合、スタック内の複数の電極シートのうちのいくつかは、縁部において曲がっているかまたは折れており、このことは、角部領域の位置を特定することを困難にする。基準位置の高さへと標本点を変位させることにより、この問題が解消される。
【0020】
標本点の特定は、とりわけ断面画像内の電極シート延在を確認するために使用され、補正された縁部延在は、断面画像内の電極シート延在の「直線曲げ」を、これが必要とされる場合に実施することによって達成される。
【0021】
補正された電極縁部位置から、それぞれの電極シートごとに、補正された縁部延在を特定することができる。電極シートがスタック内で完全に平坦に配置されていれば、この補正された電極縁部延在から、外挿または他の適切な措置によって角部領域の位置または電極シートの角部の位置を特定することができる。この情報のみから、上述の品質基準および/または性能基準を確実に導出することができる。
【0022】
「ニューラルネットワークシステム」という用語は、とりわけ、好ましくは畳み込みニューラルネットワークシステムを含み、この理由からCNNシステムとも略される。
【0023】
ニューラルネットワークシステムは、本明細書の文脈では常に、相応にラベル付けされたデータセットに基づいて対応する特徴を識別または分類するように訓練された、訓練済みのシステムである。
【0024】
対応する訓練方法は、当業者には公知である。
【0025】
CNNシステムは、とりわけ複数のニューラルネットワーク、とりわけ複数の畳み込みニューラルネットワークを含み、各々は、それぞれ特定のタスクのために訓練および設計されている。
【0026】
本発明の1つの実施形態によれば、それぞれのxz断面画像は、電極複合体スタックの積層方向(z)と、支持体および/またはマーカーによって伝達される第1の縁部延在方向に対して垂直に延在する第1の切断方向(x)とが含まれる平面に沿って延在し、平行にずらされ、生成され、かつ/またはそれぞれのyz断面画像は、電極複合体スタックの積層方向(z)と、支持体またはマーカーによって伝達される第2の縁部延在方向に対して垂直に延在する第2の切断方向(y)とが含まれる平面に沿って延在し、平行にずらされ、生成される。
【0027】
本発明のさらなる実施形態によれば、以下のステップ、すなわち
-それぞれの電極シートごとに、xz断面画像から特定された補正された電極縁部位置を通る、補正された第1の縁部延在に対応する第1の直線を特定するステップ、
-それぞれの電極シートごとに、yz断面画像から特定された補正された電極縁部位置を通る、補正された第2の縁部延在に対応する第2の直線を特定するステップ
が設けられている。
【0028】
本発明のさらなる実施形態によれば、それぞれの電極シートごとに、第1の縁部延在と第2の縁部延在との交点が特定され、とりわけ、交点の特定は、積層方向に沿った、すなわち1つの平面上への縁部延在の射影に関する交点を含み、交点に、それぞれの電極シートの角部の位置が対応付けられる。
【0029】
電極シートでは、角部領域が丸み付けられているかまたは折損されている可能性があるので、電極シートの角部の位置を非常に正確に識別するために本実施形態を使用することができる。
【0030】
本発明のさらなる実施形態によれば、電極複合体スタックの電極シートの2つ以上の角部領域に対して、本方法が実施され、電極シートの2つ以上の角部についての位置が決定される。
【0031】
複数の角部領域を、電極複合体スタックのただ1回の撮影中に並行して実施してもよいし、またはそれぞれの角部領域のそれぞれ異なる撮影によって順次に実施してもよい。
【0032】
複数の角部領域、ひいては複数の角部位置を撮影および評価することにより、電極複合体スタック内の電極シート姿勢をより精確に決定することが可能となる。
【0033】
とりわけ、電極シートのうちの、対角線上に向かい合う2つの角部領域の角部の位置を決定することが想定されている。このことは、矩形の電極シート幾何形状の場合には、特に有利である。
【0034】
本発明のさらなる実施形態によれば、電極シートは、xz断面画像内およびyz断面画像内において、電極シートを識別するためのさらなるニューラルネットワークシステムによって、例えば第2の訓練された、とりわけ畳み込みニューラルネットワークシステムによって識別され、とりわけ、電極シートは、電極複合体スタックのうちの基準位置が含まれる領域内において識別される。
【0035】
複数の電極シートの間隔および向きが実質的に同一になるように、基準位置は、とりわけスタックのうちの、支持体によってスタックが枠付けられて押圧されている領域内に位置している。とりわけ、この場合、断面画像に沿った方向付けは、支持体に対して平行に実施され、これにより、複数の電極シートは、とりわけ互いに平行に、かつx方向またはy方向に沿って水平に延びることとなる。
【0036】
この第2のCNNシステムにより、断面画像内の個々の電極シートを識別することが可能となり、例えば電極シートの番号付けの形態で、シーケンスを決定することも可能となる。これにより、スタック内の電極シートの相対的な位置を特定することができる。複数の電極シートは、断面画像内のグレー値に関してそれぞれ異なっていてよく、とりわけ、電極シートの領域内における電極シートのグレー値は、電極シート内の位置に応じて変動する。
【0037】
本実施形態によるCNNシステムは、これに関係なく、電極シートのロバストかつ精確な識別を可能にする。
【0038】
第2のCNNシステムは、例えば3つの畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含むことができ、第2のCNNシステムの第1のCNN(CNN3)は、断面画像内における、電極シートが支持体の上側部分と支持体の下側部分との間に延在している領域を識別するように構成されており、この場合、電極シートは、支持体の上側部分と下側部分との間で押圧されている。
【0039】
この領域は、とりわけ基準位置を含み、とりわけ電極シート同士の間に中間空間が存在しない領域を指している。この領域は、本明細書の文脈では基準位置領域とも称される。
【0040】
第2のCNNシステムの第2のCNN(CNN6)は、例えば基準位置領域内の第1のタイプの電極シート、例えばアノードを識別するように構成されており、第2のCNNシステムの第3のCNN(CNN7)は、例えば基準位置領域内の第2のタイプの電極シート、例えばカソードを識別するように構成されている。
【0041】
とりわけ、CNNに対して、境界条件として(または訓練データセットにおいて既に暗黙的に作成されて)第1のタイプおよび第2のタイプの電極シートの数が設定され、このことにより、電極シートを識別する際におけるロバスト性の向上がもたらされる。
【0042】
このようにして、第2のCNNシステムに基づいて、電極シートを、とりわけタイプに応じて、かつ基準位置領域内の積層順序に関して識別することができる。
【0043】
本発明のさらなる実施形態によれば、補正された第1の縁部延在および補正された第2の縁部延在と、それぞれの電極シートの少なくとも1つの角部の位置とに基づいて、支持体および/またはマーカーに対するそれぞれの電極シートの姿勢が決定される。
【0044】
とりわけ、電極シートの幾何形状が既知である場合には、当業者には姿勢としても知られる電極シートの位置および向きを決定することができる。これにより、例えば電極シートの全ての角部の位置を特定することができ、この場合、ただ1つの角部領域だけが撮影および評価される。
【0045】
本発明のさらなる実施形態によれば、本明細書の文脈では実際姿勢とも称される特定された姿勢に基づいて、それぞれの電極シートごとに、支持体および/またはマーカーに対する所定の姿勢からの、例えば目標姿勢からの偏差が特定され、とりわけ、姿勢の偏差は、それぞれの電極シートごとに瞬間中心に関するデータによって実施される。
【0046】
とりわけ、直線状の並進運動だけでなく回転運動も、電極シートの姿勢の偏差を記述する場合には、瞬間中心により、電極シートの回転中心および回転角度を介して姿勢の偏差を記述することが可能となる。瞬間中心により、2つの値(回転中心および回転角度)だけを用いて姿勢の偏差を完全に記述することができる。
【0047】
偏差が決定されることにより、例えば姿勢の体系的な偏差が特定される場合に、製造プロセスを最適化することが可能となる。
【0048】
本発明のさらなる実施形態によれば、さらなる電極複合体スタックのための製造方法の間に、さらなる電極複合体スタックにおいて偏差がより小さくなるように、特定された偏差に基づいて電極複合体スタックにおける電極シートの堆積姿勢が適合させられる。
【0049】
これにより、製造プロセス中に既に、電極シートの堆積の最適化を実施することができる。
【0050】
本発明のさらなる実施形態によれば、それぞれの電極シートごとに、角部の特定された位置から、それぞれの電極シートのうちのまだ特定されていない残りの角部の位置が決定され、残りの角部の決定は、データベースに格納されている電極シートの寸法から実施される。
【0051】
本実施形態によれば、電極シートの全ての角部の姿勢および幾何形状ならびに位置に関する全体的な情報を特定することができ、このことにより、本方法のロバスト性および精度の程度を向上させることが可能となる。
【0052】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数の電極シートは、第1のタイプの複数の電極シートと、第2のタイプの複数の電極シートとを含む。
【0053】
第1のタイプの電極シートは、先行する段落において既に説明したように、例えばアノードであってよく、第2のタイプの電極シートは、例えばカソードであってよい。
【0054】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1のタイプの電極シートの面積は、第2のタイプの電極シートよりも大きく、第1のタイプの電極シートと第2のタイプの電極シートとは、第1のタイプの電極シートが、電極複合体スタック内において少なくとも片側において、とりわけ全ての側において、第2のタイプの電極シートを越えて突出するように、電極複合体スタック内において交互に積層されており、とりわけ、これらの電極シートは、同心円状に積層されている。
【0055】
この関連において、「同心円状」という用語は、それぞれの電極シートの重心が、理想的には積層方向に対して平行な同じ軸線上に位置しており、かつ複数の電極シートが、同じ向きを有しているということを指す。
【0056】
これらの電極シートの間には、前の段落において既に述べたようにセパレータ層が配置されている。
【0057】
とりわけ、第1のタイプの電極シートは、第2のタイプの電極シートを完全に覆うことを可能にするために、周方向で数マイクロメートルまたは数ミリメートルだけより大きい。とりわけ、第1のタイプの電極シートは、周方向の突出する領域内では基準位置から偏差している可能性があり、例えば折れているかまたは曲がっている可能性がある。電極シートがこのように突出している場合には、基準位置領域を、電極シートが突出することなく第2のタイプの電極シートの上に堆積されている領域として定義することができる。この領域内では、典型的に電極シート同士の平行性の程度が高くなっているので、この領域が基準位置として、とりわけ基準高さとして提供され、この基準位置に沿って、とりわけこの基準高さに沿って、補正された電極シート延在が延びている。
【0058】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数の電極シートを、データセットにおいてそれぞれ異なるグレー値範囲に基づいて区別することができるように、第1のタイプの電極シートは、断面画像内において第2のタイプの電極シートとは異なるグレー値範囲を有する。
【0059】
断面画像内のグレー値は、例えば電極シートの吸収係数から、とりわけコンピュータ断層撮影式の画像生成方法のX線領域内の吸収係数から決定される。
【0060】
この場合、グレー値という用語には、断面画像内の色、とりわけ擬色も含まれる。したがって、第1の電極タイプおよび第2の電極タイプの電極シートは、断面画像内における各自の色についてもそれぞれ異なり得る。
【0061】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1の画像処理ステップにおいて、電極シートの暫定的な電極縁部位置を認識するための第3の訓練されたニューラルネットワークシステムが、それぞれのxz断面画像内およびそれぞれのyz断面画像内において、かつそれぞれの電極シートごとに電極シートの電極縁部位置を暫定的に特定し、さらに、それぞれのxz断面画像内およびそれぞれのyz断面画像内において、かつそれぞれの電極シートごとに基準位置が特定され、電極複合体スタックのうちの、電極シートが規則的な間隔で、とりわけ積層方向に沿って隙間なく積層されている領域から、基準位置が特定される。
【0062】
電極複合体スタックが第1のタイプおよび第2のタイプの電極シートを有していて、かつ第1のタイプの電極シートが、周方向で第2のタイプの電極シートを越えて突出している場合には、以下のCNNシステムアーキテクチャが有利であり得る。
【0063】
第3のCNNシステムは、この場合、例えば第1のCNN(CNN2)を含み、第1のCNN(CNN2)は、それぞれの断面画像内において、電極複合体スタックのうちの、第2のタイプの電極シートの、すなわち例えば(より小さい方の)カソードの電極縁部位置が含まれる領域を識別するように訓練されている。
【0064】
さらに、第3のCNNシステムは、第2のCNN(CNN5)を含み、第2のCNN(CNN5)は、第2のタイプの電極シートの電極縁部位置を検出するように訓練されており、この場合、この電極縁部位置は、暫定的な結果としてのみ取り扱われ、このことは、「暫定的に特定される」という用語によって表現される。確実な暫定的な特定を可能にするために、識別されるべき電極縁部位置の数を(例えば、訓練セットによって、または追加的な境界条件によって暗黙的に)設定することができる。電極縁部位置を認識するための領域を限定することにより、ロバスト性および信頼性の向上が達成される。
【0065】
第1のタイプの電極縁部位置も同様に暫定的に特定される。すなわち、第3のCNNシステムは、第3のCNN(CNN1)をさらに含み、第3のCNN(CNN1)は、それぞれの断面画像内において、第1のタイプの電極縁部位置を包含している領域を特定する。次いで、この領域内において、第4のCNN(CNN4)が、第1のタイプの電極シートの電極縁部位置を暫定的に特定する。
【0066】
確実な特定を可能にするために、識別されるべき電極縁部位置の数を(例えば、訓練セットによって、または追加的な境界条件によって暗黙的に)設定することができる。電極縁部位置を認識するための領域を限定することにより、ロバスト性および信頼性の向上が達成される。
【0067】
この第3のCNNシステムおよび場合によっては第2のCNNシステムによって認識された特徴(電極シートのタイプ、電極複合体スタック内の電極シートの位置、基準位置領域、暫定的な電極縁部位置)において、第1のCNNシステムは、例えば第1の標本点と、場合によってはさらなる標本点とを特定することができ、これにより、複数の標本点を含んでいて、かつ複数の標本点を結びつけており、かつ断面画像内において電極シートの延在を再現しているパスが特定される。とりわけ、この場合、第1の標本点は、(最終的な)電極縁部位置に対応し、すなわち、もはや暫定的に特定された縁部位置には対応しない。
【0068】
標本点を通るパスの作成も、CNNを用いて実施可能である。
【0069】
本発明のさらなる実施形態によれば、第2の画像処理ステップにおいて、第1の訓練されたCNNシステムは、それぞれのxz断面画像内およびそれぞれのyz断面画像内において、かつそれぞれの電極シートごとに複数の標本点を特定し、第1のタイプの電極シートおよび第2のタイプの電極シートの両方についての特定は、それぞれ、第1のタイプまたは第2のタイプの電極シートのうちの、電極複合体スタックの中央の方向において最も内側に、すなわち電極縁部位置から最も遠く離れて位置する暫定的に特定された電極縁部位置と、第1のタイプまたは第2のタイプの電極シートのうちの、最も外側に、すなわち電極複合体スタックの中央から最も遠く離れて位置する暫定的に特定された電極縁部位置とによって設定された領域に限定されている。
【0070】
この限定により、第1のCNNシステムによる標本点の確実な特定が可能となる。
【0071】
本発明のさらなる実施形態によれば、それぞれのxz断面画像およびそれぞれのyz断面画像ごとに、かつそれぞれの電極シートごとに、パスと、複数の標本点の経路長さに対応する、パスに対応付けられたパス長さとが特定され、それぞれのxz断面画像およびそれぞれのyz断面画像ごとに、かつそれぞれの電極シートごとに、特定された標本点が、変換によって、電極複合体スタックの高さに対して垂直な直線状のパスまで変位させられ、具体的には、経路長さが一定のまま維持されるように変位させられ、これにより、それぞれの断面画像内における第1の標本点の高さが、とりわけそれぞれの電極シートの全ての標本点の高さが、基準位置へと調整される。
【0072】
本発明のさらなる実施形態によれば、支持体は、自身の角部において角部領域を有し、少なくとも支持体の角部領域は、支持体の中央領域と比較してより低い吸収係数を有し、これにより、電極複合体スタックを撮影するための画像生成方法のX線放射は、支持体の角部領域によって、支持体の中央領域よりもさほど吸収されないようになっている。
【0073】
支持体の角部領域は、とりわけ電極複合体スタックの角部領域に対応する。
【0074】
本発明のさらなる態様によれば、コンピュータ上で実行された場合に、前述した実施形態のうちの1つによる方法を実施するコンピュータ可読のコンピュータコードを含む、コンピュータプログラムが設けられている。
【0075】
コンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品として、コンピュータ可読の非一時的な記憶媒体に格納可能である。
【0076】
本発明のさらなる態様によれば、電極複合体スタックのための支持体が設けられており、電極複合体スタックは、支持体の縁部によって枠付けられる中央領域を有し、支持体は、複数の角部領域をさらに有し、これらの角部領域は、支持体の縁部の端部に位置付けられており、支持体は、角部領域内において、中央領域と比較してより低い吸収率を有し、したがって、角部領域は、X線放射に対して透過性であり、すなわち放射の20%未満しか吸収せず、中央領域は、この放射に対して透過性ではなく、とりわけ中央領域は、放射の80%超を吸収する。
【0077】
とりわけ、支持体の中央領域は、特殊鋼を有する。
【0078】
支持体は、本発明による方法において支持体として使用可能である。
【0079】
とりわけ、角部領域は、低い吸収係数を有する材料から成る。これに代えて、角部領域の厚さを、吸収率がわずかになるように中央領域よりも薄くすることができる。
【0080】
支持体のさらなる実施形態によれば、角部領域は、アルミニウム、炭素、またはプラスチックから成り、とりわけプラスチックは、ABS、POMを含有する。
【0081】
とりわけ、角部領域内の質量減衰係数は、10keVおよび300keVの光子エネルギの場合、2.62および0.011m/kgの範囲内にある。
【0082】
本発明のさらなる実施形態によれば、角部領域内の質量減衰係数は、10keVおよび300keVの光子エネルギの場合、23.7および0.011m/kgの範囲内にある。
【0083】
とりわけ、撮影領域は、支持体の一部を含み、したがって、この支持体を、電極シートの角部の位置または姿勢を決定するための基準系として使用することができる。
【0084】
本発明のさらなる実施形態によれば、撮影領域内に、事前に特定された3次元の配置でマーカー球が配置されており、これにより、それぞれの撮影において一義的に規定された座標系を特定することができ、これにより、この座標系に対する電極シートの角部の位置または姿勢を特定および示唆することができる。
【0085】
以下では、本発明のさらなる特徴および利点を、実施例の図面の説明に基づいて述べる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】本発明による方法を実施するための撮影システムを示す図である。
図2】本発明による支持体を示す図である。
図3】ESVを通るx-z平面に沿った断面である。
図4図3の断面画像の拡大図である。
図5】支持体におけるESVの図である。
図6】ESVの電極シートのための堆積ゾーンの概略図である。
図7】本発明による方法を示すためのフローチャートである。
図8】1つの角部についての結果抽出ステップの概略図である。
図9】さらなる角部についての結果抽出ステップの概略図である。
図10】電極シートの姿勢を特定するための結果統合の概略図である。
図11】ESVのCT写真の断面図である。
図12】断面画像の拡大図である。
図13】x-y平面に沿ったCT写真の断面図である。
図14】CNNを用いて断面画像内のカソードの暫定的な電極縁部位置を特定する概略図である。
図15】CNNを用いて断面画像内のアノードの暫定的な電極縁部位置を特定する概略図である。
図16】CNNを用いて断面画像内におけるESVの基準領域内の電極シートのタイプ、電極シートの順序を特定する概略図である。
図17】CNNを用いて標本点をセグメントごとに識別する概略図である。
【0087】
図1には、支持体に対する電極複合体スタック(ESV)内の電極シートの3D位置情報のデータセットを撮影するためのコンピュータ断層撮影式の画像生成システムの概略図が示されている。画像生成システムは、ESVの少なくとも1つの角部領域のコンピュータ断層撮影写真8を作成するように構成されたX線光源6およびX線光撮影装置7(検出器)を含む。ESVは、このために支持体5に保持されており、この支持体5により、ESVの積層方向に沿って(ここでは一般性を制限することなく、デカルト座標系KSのz軸に沿って)押圧される。支持体5は、センタリングブッシュを介して支持体5の再現可能な収容を保証する収容手段を有する。支持体5は、ESV内の電極シートを少なくともESVの角部領域から完全に3次元で捕捉することができるように、第1の回転軸線500を中心として回転可能に保持装置3に挟持されている。保持装置3自体を、回転盤1上に固定することができ、さらなる回転軸線501を中心として回転盤1に対して相対的に回転可能となるように支承することができる。
【0088】
座標系の位置と、ESVの位置と、X線光源の位置(またはX線放射方向)と、検出器の位置とが再現可能であることに基づいて、被検空間、すなわち写真が捕捉される元となる体積は、常に同じ位置にあり、かつ同じ向きを有することとなる。このようにして、例えば支持体に対して相対的な、または被検空間内に存在するマーカーに対して相対的な電極シートの姿勢を、後々一義的に記述することが可能となる。
【0089】
図2には(図5も同様)、支持体5の1つの実施形態が示されている。支持体5は、2つの支持体プレートSDおよびSBを含み、これら2つの支持体プレートの間にESVが積層方向(z軸)に沿って挟持されている。支持体プレートは、ESVを周方向で覆っている中央領域を有し、この中央領域の縁部には、2つの支持体プレートのための接続要素(例えば、ねじまたはボルト)のための空間および開口部が配置されている。支持体5は、領域5-2をさらに有し、この領域5-2は、CT放射の領域内において弱吸収性である材料から製造されているか、または支持体5の中央領域5-1よりも薄くなるように製造されている。弱吸収性の領域5-2は、電極シートの角部に位置しており、したがって、角部E1,E2,E3,E4の領域における電極シートの撮影品質の改善を保証する。
【0090】
本実施例におけるESVの電極シートは、矩形であり、電極シートの長辺の縁部は、支持体の縁部に対して平行に延在しており、したがって、支持体を介して電極シートの縁部方向が伝達される。ESVは、4つの角部領域E1,E2,E3,E4を有し、これら4つの角部領域E1,E2,E3,E4には、電極シートの角部領域および角部が配置されている。ESVの端面には、それぞれカソード用およびアノード用の導体ラグ9が設けられている。
【0091】
本実施例では、支持体5,5-2は、横方向では中央領域5-1のみにおいてESVの電極シートと重なっており、この場合、電極シートの角部領域は、露出している。これに代えて、この領域5-2における支持体5を(X線放射に対して)透過性の材料から製造してもよく、このことにより、衝撃に対する複合体の安定性およびロバスト性が向上する。
【0092】
図3および図4には、理想化されたESVの断面図が示されている。ESVは、第1のタイプおよび第2のタイプの複数の電極シートから成り、これらの電極シートは、交互に離間されており、セパレータ層SによってESVの積層方向(z軸)に沿って互いに絶縁させられてESVへと纏められており、支持体部分SDおよびSBが含まれる支持体5によって、少なくとも支持体5の中央領域において支持体5によって押圧されている。撮影されるべき領域は、有利には、支持体の領域5-2のみによって覆われており、したがって、放射線透過撮影を効率的に実施することができる。これらの領域5-2においても領域5-1においても、電極シートは、支持体部分の支持体プレートに対して平行に延在しており、この方向/平面は、例えば支持体5によって伝達されるx-y方向/平面に対応する。
【0093】
第1のタイプの電極シートは、アノードAに対応し、第2のタイプの電極シートは、カソードKに対応する。とりわけ図4から見て取れるように、アノードは、周方向でカソードよりも大きいので、図示の断面に沿ってx軸の方向にカソードを越えて突出している(間隔dAK(x))。すなわち、アノードは、y軸に沿ってもカソードを越えて突出している(図示せず)。セパレータ層自体は、周方向でアノードを越えて突出している(間隔dSA(x))。後者は、ESVのプロセス信頼性のために役立ち、その一方で、アノードは、カソードが完全に覆われることを保証するためにカソードを越えて突出しており、このことにより、ESVの性能が保証される。
【0094】
これらの電極およびセパレータ層を、ESV内の各自の位置(A(z),K(z),S(z))の関数として識別することができる。
【0095】
大抵の場合、セパレータ層は、コンピュータ断層撮影写真において見て取ることができない。
【0096】
したがって、本例における矩形の電極シートは、4つの角部領域E1~E4を有し、これらの角部領域E1~E4において電極シートの縁部と縁部とが交わっている(図5)。
【0097】
ESVの製造プロセスでは、複数の電極シートが順次に上下に積層され、この場合、電極シートまたは電極シートの角部は、x方向およびy方向に沿って所定の許容誤差範囲内に位置していなければならない。このことは、図6に概略的に示されている。したがって、複数の角部の位置が決定された場合、または角部を成している縁部およびその延在方向が決定されている場合には、電極シートの既知の幾何形状により、電極シートの姿勢を推定することが可能となる。
【0098】
それぞれの電極シートの幾何形状を、例えばESVへと積層する前に光学的な方法によって決定することができ、これにより、それぞれの電極シートごとに幾何形状、とりわけ寸法が既知となっている。例えば、評価ユニットに接続されたカメラシステムによって光学的な検出を実施することができ、これにより、幾何形状を特定して、それぞれの電極シートに対応付けることもできる。
【0099】
電極シートの角部は、とりわけその角部を成している縁部の延長線によって定義されている。なぜなら、電極シートは、角部において部分的に丸み付けられているか、または欠けている可能性があるからである。
【0100】
図6には、1つの角部領域に関して、スタック内の全ての電極シートの角部がどのような許容誤差範囲内に位置しているべきかが示されており、この場合、アノードとカソードと(セパレータ層も)が区別される。この場合、x-y平面におけるアノードの角部の位置は、例えばA(x)(x座標)およびA(y)(y座標)の形態で示され、その一方で、x-y平面におけるカソードの角部の位置は、K(x)(x座標)およびK(y)(y座標)の形態で示される。許容誤差範囲は、図6ではそれぞれの軸に沿ったコリドーとして示されている。電極縁部がこのコリドーの内側に位置するために、電極シートは、電極シートの理想的な重心位置に対してほんのわずかな回転運動および並進運動しか行ってはならない。
【0101】
角部の姿勢と、その角部の縁部の姿勢とを特定することにより、それぞれの電極シートが所定の許容誤差コリドー内に位置しているかどうかを確認することができる。本発明によれば、このことを、ESV内のそれぞれの電極シートごとに特定すべきである。
【0102】
許容誤差範囲は、典型的にはサブミリメートル範囲内にある。その一方で、x方向における間隔dAK(x)およびy方向における間隔dAK(y)も、サブミリメートル範囲内にある。すなわち、アノードは、ほんのわずかにしか突出しておらず、このことは、スタックを製造する際に高い精度を必要とする。
【0103】
一般的に、N個(例えば、20個)のカソードシートが含まれるESVスタックの場合、複数のチェック特徴を特定することができるということが言える。この場合、チェック特徴は、例えば以下のチェック基準を含む:
・2N+1個のセパレータ層の4つの全ての角部が、x方向およびy方向において、セパレータのために定義された堆積面内に位置していなければならない。
・N+1個のアノードの4つの全ての角部が、x方向およびy方向において、アノードのために定義された堆積面内に位置していなければならない。
・N個のカソードの4つの全ての角部が、x方向およびy方向において、カソードのために定義された堆積面内に位置していなければならない。
・それぞれ異なる電極シートとセパレータ層とが(交互に)正しい順序で、すなわちS-A-S-K-S-A-S-K-S・・・・・AN+1-S2N+1の順序で堆積されなければならない。
・x方向およびy方向における全てのセパレータと全てのアノードとの間の間隔は、最小間隔dSA(x)またはdSA(y)よりも大きくなければならない。
・x方向およびy方向における全てのアノードと全てのカソードとの間の間隔は、最小間隔dAK(x)またはdAK(y)よりも大きくなければならない。
・セパレータ、アノード、およびカソードに関して、全ての角部においてx方向およびy方向の最適な直線を定義することができるように、支持体に対するESVの相対的な位置をセンタリングすることができる。
【0104】
図7には、本発明による方法の一般的な流れが示されているフローチャートが示されている。データ撮影により、矩形の電極シートの3D位置情報が含まれる、本実施例ではESVの対角線上に向かい合う2つの角部領域のデータセットが生成され、このデータ撮影の後、これらの角部領域の各々ごとに、かつそれぞれの電極シートごとに、電極シートのスタック内のタイプおよび位置に応じて分解されて角部の位置が決定されるようにデータ処理およびデータ分析が実施される。
【0105】
これらの位置から、ESV内の電極がどのくらいの精度/許容誤差で配置されているかを特定することができる。このために、それぞれの電極シートごとにスタック内の姿勢を特定することができる。結果統合の枠内において、例えば電極シートの既知の幾何形状(矩形)と、電極シートの対角線上に向かい合う特定された角部位置とを介して、目標姿勢に対する相対的な回転運動および並進運動が特定されることにより、それぞれの電極シートの姿勢、すなわち実際姿勢(向きおよび位置)が特定される。このことは、有利には、回転角度および回転中心を用いて目標姿勢と実際姿勢との間の偏差を示唆および定量化する瞬間中心を決定することによって実施可能である。例えば結果活用の枠内において、この偏差に基づいて、この偏差が最小化されるように、さらなる電極シートの堆積を補正することができる。この偏差を、性能または製造許容誤差の定量化のために使用してもよい。
【0106】
この関連において、位置および向きは、上述したように、例えば支持体によって、または被検空間内に配置されたマーカーによって伝達される座標系に基づいて特定されるということが留意される。これにより、電極シートの実際姿勢をデータから精確に、かつ反復可能に特定することができる。
【0107】
図8には、ESVの角部領域E1について結果抽出の評価原理が概略的に示されいる。この場合、それぞれの電極シートごとの撮影されたデータからタイプに応じて分解されて電極シートの角部の3D位置が特定される。z軸に沿った位置に関して言えば、このz軸に沿った位置を、スタック内の位置を表す添え字によって示すこともできる。角部のx座標およびy座標、すなわち角部位置は、後述する方法によって非常に正確に決定される。このようにして特定された角部位置を、座標系においてグラフを用いて示すことができる(図8の右側のパネル)。本実施例では、電極シートの角部が、スタック内のそれぞれの位置に応じて堆積位置の許容誤差範囲の特定の領域内に位置していることが見て取れる。
【0108】
したがって、最初の8つのアノードシートおよびカソードシートの角部位置は、「×」によって表された範囲内に集中発生しており、後続する6つのアノードシートおよびカソードシートの角部位置は、正方形が付された範囲内に集中発生している。残りのアノードおよびカソードシートは、円が付された範囲内に集中発生している。全ての角部は、所定の許容誤差範囲内に位置している。この分析を、少なくとも1つのさらなる角部領域に対して実施することができ、これによって電極シートの実際姿勢を特定することができる。このことは、図9にも同様に示されている。ここでは、クラスタが若干異なるように分布している(添え字K~KまたはA~A10等を参照)。それでもなお、全ての角部は、許容誤差範囲内に位置している。
【0109】
全ての角部の位置が決定されると、電極シートの幾何形状を逆算することができる。
【0110】
図10には、それぞれの電極シートごとに実際姿勢を特定するために、図8および図9で特定された電極シートの角部位置と既知の矩形の幾何形状とから、どのようにして結果が統合されるかが示されている。
【0111】
図11には、ESVの1つの角部領域のコンピュータ断層撮影写真のxz断面図が示されている。この断面図において、電極シートが(暗灰色で突出している)アノードと(明灰色でより短い)カソードとに区別可能であることが見て取れる。電極シートは、z方向におけるスタック高さに沿って交互に上下に積層されている。電極シート同士の間にそれぞれ配置されているセパレータ層は、見て取ることができない。
【0112】
線L1と線L2との間の基準位置領域では、電極シートは、ESV内に実質的に平行に隙間なく配置されている。このことは、z方向に沿って電極シートを互いに押し合わせる支持体(写真では見て取ることができない)によって保証される。
【0113】
したがって基準位置領域は、理想的な「水平方向」の、すなわちx-y平面に沿った電極シート延在を特定するために適している。
【0114】
すなわち、図11からも見て取れるように、アノードAの電極シートは、本明細書の文脈では電極縁部位置とも称される自身の電極縁部において、いくつかの領域では曲がっており、したがって、それぞれの電極シートの、基準位置によって定義されるx-y平面からz方向に沿って突出している。このことは、1つの区分について図12にも示されている。
【0115】
アノードの説得力のある角部位置を特定するためには、このような偏差に対して補正が行われなければならない。
【0116】
図11では、さらに線L2と線L3との間の領域が画定されており、断面画像のうちの、カソードに対応する全ての電極縁部位置(すなわち、電極シート縁部)が、この領域内に位置している。図11では、さらに線L3と線L4との間の領域が画定されており、アノードの全ての電極縁部位置が、この領域内に位置している。
【0117】
基準位置領域100と、電極縁部位置の領域との識別とは、このために特別に訓練された畳み込みニューラルネットワークを用いて実施可能である。このために、第2のCNNシステムを設けることができる。続いて、この電極縁部位置の領域内において、電極シートの電極縁部位置、すなわち断面画像内の電極シート縁部の位置を識別することができる。このことは、本発明によれば第1のCNNシステムによって実施される。
【0118】
電極シートの識別も、特別に訓練された畳み込みネットワークを用いて実施され、とりわけ、基準位置領域100内の電極シートと、暫定的な電極縁部位置も(後者は、例えば第3のCNNシステムを用いて)識別され、その後に連続して、電極縁部位置の方向において領域L2および領域L3における、または領域L4および領域L5におけるセグメントごとのパターン認識によってロバストに検出される。この場合、電極シート内のグレー値が変動しているので、例えばヒストグラムベースの識別では不利であろうという点で、CNNを使用することが特に有利である。電極縁部を識別するというタスクは、本発明によれば第1のCNNシステムによって実施される。パターン認識も、CNNによって実施可能であり、両方のそれぞれ異なるタイプの電極シートのためにそれぞれ異なるCNNを使用することも可能である。その場合、これらのCNNは、第1のCNNシステムの一部である。
【0119】
識別を確実に保証するために、ESV内の積層された電極シートの数を、境界条件として設定してもよい。
【0120】
目的は、それぞれの断面画像内において、それぞれの電極シートの電極縁部位置を特定することである。
【0121】
パターン認識は、例えば、同じ大きさの複数のセグメントにおいて実施され、これらのセグメントは、(xz断面画像の場合には、すなわち、これらのセグメントがx軸の方向に配置されている場合には)x方向またはy方向に沿って相前後して配置されており、このことは、とりわけ図14に示されている。
【0122】
ここで、パターン認識によって電極シートが認識されたそれぞれのセグメントにおいて、(電極シートの1つの区分に類似する)所定のパターンの標本点、すなわち重心位置を特定することができる。これにより、それぞれの断面図において、かつそれぞれの電極シートごとに複数の標本点が特定され、なお、これらの標本点に沿って電極シートが延びている。電極シートの標本点により、それぞれの断面画像内に、これらの標本点を結びつけている1つのパスを引くことができる。このことは、図12に示されている。この場合、電極縁部位置に対応する標本点は、ESVの最も外側に位置しており、本明細書の文脈では第1の標本点とも称される。
【0123】
この場合、標本点の特定は、第1のCNNシステムによって実施される。
【0124】
ESV内のそれぞれの電極ごとに、かつ全てのxz断面画像内およびyz断面画像内において、それぞれ第1の標本点、すなわち電極縁部位置が特定される。
【0125】
ここで、それぞれの電極シートごとに角部位置を特定するために、第1の標本点と、場合によってさらなる標本点とが、それぞれの電極シートの基準位置の高さまで変位させられ、具体的には、これらの標本点を通るパスがx方向に沿った1つの直線に沿って延在するように変位させられる。この場合、基準位置の高さとして、基準位置領域100内に位置する標本点が使用される。これらの標本点の位置から、例えば平均高さを計算することができる。この場合、この高さは、電極シートの基準位置101の高さに対応する。このプロセスは、図12に示されている。変位させられた第1の標本点301と、その結果として生じた補正された電極縁部位置302とが、電極シートに対してプロットされている。補正された電極縁部位置302は、曲がったりまたは折れたりすることなく完璧に基準位置101の延長線上に方向付けられているであろう電極シートの場合の電極縁部位置に対応する。とりわけ、この補正された電極縁部位置302は、補正されていない第1の標本点よりもさらに外側に位置している。この変換では、標本点300を通るパスの経路長さが、変換されても(すなわち、標本点が変位させられても)一定のまま維持されるということが重要である。
【0126】
これらの標本点300を、例えば3次スプラインを用いて結びつけて1つのパス303にすることができる。
【0127】
図13には、ESVを通るx-y平面に沿った断面におけるxz断面画像およびyz断面画像の位置および配置が示されている。これらのxz断面画像およびyz断面画像は、ESVの角部領域内において破線に沿って特定される。さらに、アノードおよびカソードについての補正された第1の標本点がプロットされている。
【0128】
ここで、2つの電極シートの角部位置を特定するために、補正された第1の標本点を通る(y軸に沿った)第1の縁部延在と、(x軸に沿った)第2の縁部延在とに関してそれぞれの電極シートごとにそれぞれ1つの直線が伝達される。この場合、実質的に第1の標本点のx-y位置だけが関連する。次いで、本発明によれば、x-y平面における第1の縁部延在を通る直線と、第2の縁部延在を通る直線との交点に、それぞれの電極シートの角部が位置している。
【0129】
図14は、xz断面画像に基づいて、かつxz断面画像内に含まれているそれぞれの電極シートごとに、電極シートの暫定的な電極縁部位置を特定するための手段を示す。
【0130】
電極複合体スタックが第1のタイプおよび第2のタイプの電極シートを有している本実施例では、以下のCNNシステムアーキテクチャが有利であり得る。
【0131】
このために、先行する段落において紹介した第3のCNNシステムが使用され、この第3のCNNシステムは、この場合、例えば第1のCNN(CNN2)を含み、第1のCNN(CNN2)は、それぞれの断面画像内において、電極複合体スタックのうちの、第2のタイプの電極シートの、すなわち例えばより小さい方のカソードシートの電極縁部位置が含まれる領域420を識別するように訓練されている。この場合、この識別は、とりわけ個々の電極シートを対象としているのではなく、第2のタイプの全ての電極シートの電極縁部が内在している領域を見つけるためだけに使用される。
【0132】
さらに、第3のCNNシステムは、第2のCNN(CNN5)を含み、第2のCNN(CNN5)は、第1のCNN(CNN2)によって識別された領域内において、第2のタイプの電極シートの電極縁部位置を検出するように訓練されており、この場合、この電極縁部位置は、暫定的な結果としてのみ取り扱われ、このことは、「暫定的に特定される」という用語によって表現される。確実な暫定的な特定を可能にするために、識別されるべき電極縁部位置の数を(例えば、訓練セットによって、または追加的な境界条件によって暗黙的に)設定することができる。電極縁部位置を認識するための領域を限定することにより、ロバスト性および信頼性の向上が達成される。
【0133】
第1のタイプの電極縁部位置も同様に暫定的に特定される。すなわち、第3のCNNシステムは、第3のCNN(CNN1)をさらに含み、第3のCNN(CNN1)は、CNN2と同様に、それぞれの断面画像内において、第1のタイプの、すなわち例えばアノードAの電極縁部位置を包含している領域430(図15を参照)を特定する。次いで、この領域内において、第4のCNN(CNN4)が、第1のタイプの電極シートの暫定的な電極縁部位置433を暫定的に特定する。
【0134】
確実な特定を可能にするために、識別されるべき電極縁部位置の数を(例えば、訓練セットによって、または追加的な境界条件によって暗黙的に)設定することができる。電極縁部位置を認識するための領域420,430を限定することにより、ロバスト性および信頼性の向上が達成される。
【0135】
この場合、カソードKの暫定的な電極縁部位置を特定するためのCNN5は、とりわけ、カソードKの領域を含んでいるだけでなく、周縁においてアノードシートAも含んでいるフィーチャ421を認識するように訓練されている(フィーチャ421は、図14では矩形の枠によって囲まれている)。すなわち、フィーチャ421は、画像内の予期されるカソードシート厚さ422よりも高く、このことは、隣り合うアノードシートAの一部が、安定化のためにさらに貢献することができるということを保証する。さらに、フィーチャ421同士が重なり合わないこと、または交差しないことが想定されている。フィーチャ421は、実質的に矩形であり、このフィーチャに対応付けられた、暫定的な電極縁部位置423に対応する電極縁部位置423(円として示されている)を中央に有する。
【0136】
カソードの暫定的な電極縁部位置423を、以下では、例えばさらなるCNNによってさらにより一層精密化することができる。
【0137】
アノード縁部の前もって識別された領域430においても同様に、アノードAのためのCNN4を用いて、暫定的な電極縁部位置を特定することができる(図15を参照)。CNN4の訓練対象であるフィーチャ431は、CNN5のフィーチャ421とは異なる。このフィーチャ431も同様に矩形であるが、別の異なるパターンを含んでいる。このフィーチャ431にも、アノードAの暫定的な縁部位置に対応する位置433が対応付けられている。この場合、フィーチャ431の大きさ(高さ、幅)が重要な役割を果たしており、この大きさは、好ましくはフィーチャが、z方向よりもx方向またはy方向において2倍狭くなるように、かつアノードシート厚さ432よりも高くなるように選択される。この場合、フィーチャ同士が重なり合っていても構わない。矩形のフィーチャの中央にある円は、アノードAの特定された暫定的な電極縁部位置433を示す。
【0138】
基準領域100内の電極シートを識別するために、ここでも他のフィーチャおよび他のCNN(CNN6またはCNN7)を使用することができ、有利には、フィーチャ621,631は、それぞれ隣り合う電極シートA,Kを含んでいる(図16を参照)。
【0139】
この認識された特徴(電極シートのタイプ、電極複合体スタック内の電極シートの位置、基準位置領域、暫定的な電極縁部位置)において、第1のCNNシステムは、例えば第1の標本点101と、場合によってはさらなる標本点101とを特定することができ、これにより、複数の標本点を含んでいて、かつ複数の標本点を結びつけており、かつ断面画像内において電極シートの延在を再現しているパスが特定される。とりわけ、この場合、第1の標本点は、(最終的な)電極縁部位置に対応し、すなわち、もはや暫定的に特定された縁部位置423,433には対応しない。
【0140】
標本点を通るパスの作成も、CNNを用いて実施可能である。
【0141】
図17には、第1のCNNシステムが、どのようにしてアノードAの電極シートに関する電極縁部位置を特定するかが示されている。
【0142】
このために、例えば、アノードAの暫定的な電極縁部433が内在していることが特定されたL4とL5との間の領域430が、複数のセグメント400に分割される。続いて、図17に示されたフィーチャ410の特徴認識のために訓練されたCNNを用いて、それぞれのセグメント400においてこのフィーチャが検索される。アノードシートAの非水平の延在も、確実に認識されるということに留意すべきである。なぜなら、セグメント400の内部では電極シートの外観形状がほとんど変わらないほど、セグメント400が小さく選択されているからである。第1のハッチングされたセグメント400では、CNNは、全てのアノードシートAから対応するフィーチャ410を認識し、その位置を特定する。フィーチャに対応する場所を、それぞれの電極シートAのための標本点300として使用することができる。
【0143】
アノードAのさらに3つの電極シートだけが、第2のハッチングされたセグメントを完全に貫通して延びており、その一方で、1つの電極シートは、その一部412だけがセグメント400内に延びている。したがって、CNNは、完全な特徴410を有する電極シートのみを認識する。
【0144】
一部412だけがセグメント内に延びている電極シートには、電極縁部の位置(すなわち、電極縁部位置)として、すなわち第1の標本点301として、先行するセグメントを対応付けることができる。実際の電極縁部に関するこの対応付けの誤差は、無視できる程度であり、セグメント400の大きさに起因して位置特定許容誤差範囲内にあり、非常に正確である。
【0145】
カソードKの縁部位置も同様に、第1のCNNシステムの他のCNNを用いて特定される(図示せず)。
【0146】
ここで、セグメント400におけるパターン認識によって得られた複数の標本点300が、例えばスプラインパスを用いて互いに結びつけられる。パスの長さが計算され、次いで、既に上述したようにパスは、1つの直線に沿って延在するように、かつ同じ長さを有するように変換される。これにより、場合によっては第1の標本点301の位置(高さ、およびX方向またはY方向)が変更される。この新たな位置は、補正された電極縁部位置に対応し、次いで、この補正された電極縁部位置によって複数の直線が伝達され、これらの直線は、これらの直線の交点において、電極シートの角部の非常に正確な位置決めを可能にする(図13を参照)。
【0147】
本発明による方法により、ESV内の電極シートの堆積精度を効率的かつ確実に特定することができ、場合によっては、電極シートの特定された姿勢から電極シートの堆積の修正または改善を特定することもできる。
【符号の説明】
【0148】
1 回転盤
3 保持装置
5 支持体
6 X線光源
7 検出器
8 CT写真
9 電極シートの導体ラグ
10x xz断面画像/断面平面
10y y-z断面画像/断面平面
20x x方向に沿った縁部延在x
20y y方向に沿った縁部延在
21x x方向に沿った電極シート縁部
21y y方向に沿った電極シート縁部
100 基準位置領域
101 基準位置
300 標本点
301 第1の標本
302 補正された電極縁部位置
303 パス
304 変換された直線状のパス
400 セグメント
410 フィーチャ/特徴
412 不完全なフィーチャ
420 カソード縁部の領域
421 暫定的なカソード縁部 フィーチャ/特徴
422 カソードシート厚さ
423 カソードの暫定的な電極縁部位置
430 アノード縁部の領域
431 暫定的なアノード縁部フィーチャ
432 アノードシート厚さ
433 アノードの暫定的な電極縁部位置
500 回転軸線
501 回転軸線
621 基準領域内のカソードフィーチャ
631 基準領域内のアノードフィーチャ
A アノードの電極シート
K カソードの電極シート
E1,E2,E3,E4 電極シートの角部
SD,SB 支持体5の2つの向かい合うプレート
x,y 座標系の方向
z 積層方向の方向、座標系のz軸
L1,L2,L3,L4,L5 領域境界線
KS 座標系
5-1 中央領域
5-2 弱吸収性の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極複合体スタック(ESV)の少なくとも1つの角部領域内の多角形の電極シートの角部の位置を特定するための方法であって、前記方法は、
-撮影領域内にある電極複合体スタック(ESV)の角部領域を、画像生成方法を用いて3D画像生成撮影するステップであって、これにより、支持体(5,SD,SB)に対して相対的な、または前記撮影領域内に配置されたマーカーに対して相対的な、前記電極複合体スタック(ESV)の前記角部領域内の前記電極シート(A,K)の3D位置情報が含まれるデータセットが生成される、ステップと、
-前記データセットから、それぞれの電極シート(A,K)のうちの、前記角部領域を縁取っている縁部(21x,21y)の第1の縁部延在および第2の縁部延在(20x,20y)を特定するステップであって、前記縁部延在(20x,20y)に基づいて、それぞれの前記電極シート(A,K)の前記角部(E1,E2,E3,E4)の位置が特定される、ステップと
を含み、
-前記第1の縁部延在および前記第2の縁部延在(20y,20x)は、以下のステップによって特定され、すなわち、
○複数のxz断面画像(10x)およびyz断面画像(10y)を生成するステップと、
○それぞれの前記xz断面画像(10x)内およびそれぞれの前記yz断面画像(10y)内において前記電極シート(A,K)を識別するステップと、
○それぞれの前記xz断面画像(10x)内およびそれぞれの前記yz断面画像(10y)内において、かつ前記xz断面画像(10x)内および前記yz断面画像(10y)内のそれぞれの識別された電極シート(A,K)ごとに、
・第1のニューラルネットワークシステムによって、前記電極複合体スタック内の基準位置領域から前記電極シートの電極縁部位置までの電極シート延在を特定することと、
・前記電極シート延在の経路長さが不変のまま維持され、前記電極シート延在が前記基準領域から補正された電極縁部位置まで基準位置(101)の高さで延びるように、前記電極シート延在を適合させることと
を行うステップと、
○それぞれの電極シート(A,K)ごとに前記第1の縁部または前記第2の縁部(21x,21y)に沿って前記補正された電極縁部位置(302)に沿って延在する直線(20x,20y)をそれぞれ特定するステップであって、前記直線(20y,20x)は、前記第1の縁部延在(20y)および前記第2の縁部延在(20x)に対応する、ステップと
によって特定される、
方法。
【請求項2】
前記補正された電極縁部位置は、複数の標本点(301,300)において電極シート位置を特定することによって決定され、
第1の標本点(301)は、前記電極縁部位置に対応し、
前記電極複合体スタック(ESV)内の前記電極シート(A,K)の前記基準位置(101)は、少なくとも1つのさらなる標本点(300)によって検出され、
前記標本点(300,301)は、前記第1のニューラルネットワークシステムによって特定され、
前記補正された電極縁部位置(302)は、少なくとも前記第1の標本点(301)を前記基準位置(101)の高さまで変位させることによって達成され、
前記電極シート延在の経路長さが不変のまま維持されるように、前記第1の標本点(301)と前記少なくとも1つのさらなる標本点(300)との間の経路長さが一定のまま維持される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
それぞれの電極シート(A,K)ごとに、前記第1の縁部延在(20y)と前記第2の縁部延在(20x)との交点(E1)が特定され、
前記交点(E1)に、それぞれの前記電極シート(A,K)の前記角部の位置が対応付けられる、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記電極複合体スタック(ESV)の前記電極シート(A,K)の2つ以上の角部領域に対して、前記方法が実施され、
前記電極シート(A,K)の2つ以上の角部(E1,E2,E3,E4)についての位置が決定される、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記電極シート(A,K)は、前記xz断面画像(10x)内および前記yz断面画像(10y)内において、電極シートを識別するためのさらなるニューラルネットワークシステムによって識別される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
補正された第1の縁部延在および補正された第2の縁部延在(20y,20x)と、それぞれの前記電極シート(A,K)の前記少なくとも1つの角部(E1)の位置とに基づいて、前記支持体(5)および/または前記マーカーに対するそれぞれの前記電極シート(A,K)の姿勢が決定される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記姿勢に基づいて、それぞれの電極シート(A,K)ごとに、前記支持体(5)および/または前記マーカーに対する所定の姿勢からの偏差が特定される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
さらなる電極複合体スタックのための製造方法の間に、前記さらなる電極複合体スタックにおいて前記偏差がより小さくなるように、特定された前記偏差に基づいて前記電極複合体スタックにおける前記電極シートの堆積姿勢が適合させられる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
それぞれの電極シート(A,K)ごとに、前記角部(E1,E3)の特定された位置から、それぞれの前記電極シート(A,K)のうちのまだ特定されていない残りの角部(E2,E4)の位置が決定され、
前記残りの角部の決定は、データベースに格納されている前記電極シートの寸法から実施される、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記複数の電極シートは、第1のタイプの複数の電極シート(A)と、第2のタイプの複数の電極シート(K)とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記複数の電極シート(A,K)を、前記データセットにおいてそれぞれ異なるグレー値範囲に基づいて区別することができるように、前記第1のタイプの電極シート(A)は、前記断面画像(10x,10y)内において前記第2のタイプの電極シート(K)とは異なるグレー値範囲を有する、
請求項9記載の方法。
【請求項12】
第1の画像処理ステップにおいて、前記電極シートの暫定的な電極縁部位置を認識するためのニューラルネットワークシステムが、それぞれのxz断面画像(10x)内およびそれぞれのyz断面画像(10y)内において、かつそれぞれの電極シートごとに前記電極シートの電極縁部位置を暫定的に特定し、
さらに、それぞれのxz断面画像(10x)内およびそれぞれのyz断面画像(10y)内において、かつそれぞれの電極シートごとに前記基準位置(101)が特定され、
前記電極複合体スタック(ESV)のうちの、前記電極シート(A,K)が規則的な間隔で、とりわけ積層方向(z)に沿って隙間なく積層されている領域(100)から、前記基準位置(101)が特定される、
請求項9記載の方法。
【請求項13】
第2の画像処理ステップにおいて、前記第1のニューラルネットワークシステムは、それぞれのxz断面画像(10x)内およびそれぞれのyz断面画像(10y)内において、かつそれぞれの電極シート(A,K)ごとに前記複数の標本点(300,301)を特定し、
前記第1のタイプの電極シートおよび前記第2のタイプの電極シートの両方についての前記特定は、それぞれ、前記第1のタイプまたは前記第2のタイプの電極シートのうちの、前記電極複合体スタック(ESV)の中央の方向において最も遠く離れて位置する暫定的に特定された電極縁部位置と、前記第1のタイプまたは前記第2のタイプの電極シートのうちの、最も外側に位置する暫定的に特定された電極縁部位置とによって定義された領域に限定されている、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
それぞれのxz断面画像(10x)およびそれぞれのyz断面画像(10y)ごとに、かつそれぞれの電極シート(A,K)ごとに、パス(303)と、前記複数の前記標本点(300,301)の経路長さに対応する、前記パスに対応付けられたパス長さとが特定され、
それぞれのxz断面画像(10x)およびそれぞれのyz断面画像(10y)ごとに、かつそれぞれの電極シート(A,K)ごとに、特定された前記標本点(300,301)が、変換によって、前記電極複合体スタック(ESV)の高さ(z)に対して垂直な直線状のパス(304)まで変位させられ、具体的には、前記経路長さが一定のまま維持されるように変位させられ、
これにより、前記第1の標本点(301)の高さが、前記基準位置(101)へと調整される、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ上で実行された場合に、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法を実施するコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【外国語明細書】