(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103481
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】自己免疫疾患における新規な遺伝子分類とその使用
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6809 20180101AFI20240725BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
C12Q1/6809 Z
C12N15/12
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024012163
(22)【出願日】2024-01-30
(62)【分割の表示】P 2021513367の分割
【原出願日】2019-05-07
(31)【優先権主張番号】62/669,297
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520435784
【氏名又は名称】ダームテック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドバク,ジョン ダニエル,サード
(72)【発明者】
【氏名】ジャンセン,ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,ズスゥ
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ08
4B063QQ53
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR55
4B063QS25
4B063QS34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自己免疫疾患を抱えている疑いのある被験体において改変された遺伝子発現レベルを検出する方法、および改変された遺伝子発現レベルを有する被験体の自己免疫疾患を処置する方法を提供する。
【解決手段】乾癬を抱えている疑いのある被験体のIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法であって、前記方法は:a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、前記4遺伝子のうちの少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが前記4遺伝子のうちの少なくとも2つを認識し、ならびに、前記4遺伝子と、プローブのセットとの間の結合を検出する、工程、を含む、方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾癬を抱えている疑いのある被験体のIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法であって、前記方法は:
a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;
b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットがIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つを認識し、ならびに、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aと、プローブのセットとの間の結合を検出する、工程、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの発現レベルを検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が:
IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程;
IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、およびS100A9の発現レベルを検出する工程;
IL-17A、IL-17F、IL-8、およびCXCL5の発現レベルを検出する工程;
IL-17A、IL-17F、およびIL-8の発現レベルを検出する工程;または、
IL-17AとIL-17Fの発現レベルを検出する工程、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの遺伝子発現レベルがアップレギュレートされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プローブのセットは2つ以上6つ以下の遺伝子を認識する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
検出する工程は、プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることを含み、プローブの追加のセットが、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、TNFα、LCN2、CCL20、TNFRSF1A、またはこれらの組み合わせを認識する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プローブの追加のセットは1以上14以下の遺伝子を認識する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
乾癬を抱えている疑いのある被験体の第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する方法であって、前記方法は:
a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;
b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットとの間の結合を検出する、工程と;
c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1Aから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブの追加のセットが第2の遺伝子分類から1つ以上の遺伝子を検出し、ならびに、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する、工程を、
含む、方法。
【請求項10】
前記方法は:
第1の遺伝子分類からIL-17AとIL-17Fの発現レベルを検出する工程;
第1の遺伝子分類からIL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程;
第1の遺伝子分類からIL-17A、IL-8、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程;
第1の遺伝子分類からIL-17F、CXCL5、およびS100A9の発現レベルを検出する工程;または、
第1の遺伝子分類からIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルはアップレギュレートされる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、第2の分類からの1つ以上の遺伝子の発現レベルがアップレギュレートされていることを判定する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
TNFα、IL-17A、またはIL-23の阻害剤を被験体に投与する工程をさらに含む、請求項1または9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
アトピー性皮膚炎を抱えている疑いのある被験体のIL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法であって、前記方法は:
a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;
b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットがIL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つを認識し、ならびに、IL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つとプローブのセットとの間の結合を検出する、工程、
を含む、方法。
【請求項16】
発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
アトピー性皮膚炎を抱えている疑いのある被験体において第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する方法であって、前記方法は:
a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;
b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-13、IL-31、およびTSLPから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットとの間の結合を検出する、工程と:
c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2からの1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブの追加のセットが、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子を認識し、および、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する、工程を、
含む、方法。
【請求項18】
角質層からの細胞が角化細胞を含む、請求項1-17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
皮膚サンプルは、細胞を接着パッチへ充分接着させるように被験体の皮膚領域に接着パッチを適用することと、接着された細胞を接着パッチに充分保持するように皮膚領域から接着パッチを取り除くことによって、得られる、請求項1-18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
皮膚サンプルから単離された核酸の量は、約100ピコグラムから約100マイクログラム、約200ピコグラムから約10マイクログラム、または約500ピコグラムから約1マイクログラムである、請求項1-19のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/669,297号の利益を主張し、その出願全体は引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
皮膚病は人間の病気の中でも最も一般的なものの一つであり、医療における世界的に重要な負担となっている。3つの皮膚病が、世界で最も多く罹患している疾患のトップ10に入っており、トップ50には8つがランクインしている。まとめて考えると、皮膚疾患は、障害を抱えて生活していた年数の第2位から第11位までの原因に及ぶ。
【発明の概要】
【0003】
特定の実施形態において、分子の危険因子に基づいて自己免疫疾患の存在を検出する方法が本明細書で開示される。いくつかの例では、分子の危険因子に基づいて、乾癬、ループス、またはアトピー性皮膚炎の存在を検出する方法が本明細書に記載されている。いくつかの例では、分子の危険因子に基づいて、自己免疫疾患(例えば、乾癬、ループス、アトピー性皮膚炎)の進行をモニタリングする方法も本明細書に記載される。
【0004】
特定の実施形態において、乾癬を抱えている疑いのある被験体のIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法が本明細書で開示され、上記方法は:(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに単離された核酸を接触させることによって、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットがIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つを認識し、ならびに、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aと、プローブのセットとの間の結合を検出する、工程、を含む。
【0005】
特定の実施形態において、乾癬を抱えている疑いのある被験体において第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する方法が本明細書で開示され、上記方法は:(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットからの結合を検出する、工程と;(c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1Aからの1つの遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブの追加のセットが第2の遺伝子分類から1つ以上の遺伝子を検出し、ならびに、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する、工程を含む。
【0006】
特定の実施形態において、TNFα、IL-17A、またはIL-23の阻害剤で被験体を処置する方法が本明細書で開示され、ここで、被験体は乾癬を抱えており、上記方法は:角質層からの細胞を含む皮膚サンプルから核酸を単離することによって、および、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つを認識し、ならびに、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aと、プローブのセットとの間の結合を検出するプローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、皮膚サンプルの発現分析を行うか、行ったことによって、被験体が改変された遺伝子発現レベルを有するかどうかを判定する工程を含み;ならびに、被験体がIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、TNFα、IL-17A、またはIL-23の阻害剤を被験体に投与し、あるいは阻害剤を用いる処置のレベルを増大させ、および、被験体がIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有していない場合、阻害剤を投与しないか、阻害剤を用いる処置を中止する。
【0007】
特定の実施形態において、アトピー性皮膚炎を抱えている疑いのある被験体のIL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法が本明細書に開示され、上記方法は:(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットがIL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つを認識し、ならびに、IL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つとプローブのセットとの間の結合を検出する、工程、を含む。
【0008】
特定の実施形態において、アトピー性皮膚炎を抱えている疑いのある被験体において第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する方法が本明細書で開示され、上記方法は:(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-13、IL-31、およびTSLPから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットとの間の結合を検出する、工程と:(c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2からの1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、プローブの追加のセットが第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子を認識し、および、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する工程、を含む。
【0009】
特定の実施形態において、インターロイキン13(IL-13)またはインターロイキン13受容体(IL-13R)に特異的に結合する抗体で被験体を処置する方法が本明細書に開示され、ここで、被験体はアトピー性皮膚炎を抱えており、上記方法は:角質層からの細胞を含む皮膚サンプルからの単離核酸を得るか、得たことによって、ならびに、IL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つを認識し、および、IL-13、IL-31、およびTSLPとプローブのセットとの間の結合を検出するプローブのセットに、単離された核酸を接触させることにより、皮膚サンプルの発現分析を行うか、行ったことによって、被験体が改変された遺伝子発現レベルを有するかどうかを判定する工程を含み、ならびに、被験体がIL-13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-13またはIL-13Rに特異的に結合する抗体を被験体に投与し、および、被験体がIL13、IL-31、およびTSLPの少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有していない場合、IL-13またはIL-13Rに特異的に結合する抗体を被験体に投与しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の様々な態様が、添付の請求項において具体的に明記されている。本開示の特徴と利点についてのよりよい理解は、本開示の原則が用いられている例証的な実施形態と添付の図面を説明する以下の詳細な記載を参照することによって得られる:
【
図2】乾癬とアトピー性皮膚炎などの疾患を引き起こす、IL-23/17経路からの皮膚における活性化サイクルを示す。
【
図3】Th1、Th2、Th17、およびTh22を含む、慢性のアトピー性皮膚炎において上昇した複数の炎症性の経路を示す。
【
図4】細胞が皮層から角質層へと進行するのにかかる経過時間がおよそ28日である、表皮の構造を示す。
【
図5】乾癬の病変および非病変の皮膚における角質層遺伝子発現の様々なマーカーの検出を示す。
【
図6】IL-17/TH-17経路を標的とする多くの薬物と、それらがどこで炎症サイクルを達成するかを示す。
【
図7】アトピー性皮膚炎アッセイの標的と、活性化サイクルでのそれらの場所を示す。
【
図8】300mgのデュピルマブまたはプラセボによる16週間の処置後に、湿疹領域と重症度指数(EASI-75)においてベースラインからの75%の減少、あるいは、消失(0)または最小限(1)のIGAスコア(IGA 0-1)を達成した被験体の割合を示す。
【
図9】レブリキズマブまたはプラセボによる12週間の処置中に125mg/週の後にEASI-75またはIGA1/0を達成した被験体の割合を示す。
【
図10】トラロキヌマブまたはプラセボによる12週間の処置後にDPP-4レベルが上昇した場合に選択された被験体と非選択集団においてEASI-75またはIGA 0/1を達成した被験体の割合を示す。
【
図11】角質層の粘着パッチサンプリングを用いたIL-13経路成分または受容体の発現が検出された被験者の割合を示す。
【
図12A】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるCCL17の発現を示す。
【
図12B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるCCL17の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図13A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-13の発現を示す。
【
図13B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-13の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図14A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-22の発現を示す。
【
図14B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-22の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図15A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-23A(p19)の発現を示す。
【
図15B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-23A(p19)の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図16A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-31の発現を示す。
【
図16B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-31の正規化された遺伝子発現変化を。
【
図17A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-31RA(1)の発現を示す。
【
図17B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-31RA(1)の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図18A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-31RA(2)の発現を示す。
【
図18B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-31RA(2)の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図19】IL-13とIL-4のシグナル伝達経路を示す。
【
図20A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-13の発現を示す。
【
図20B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-13の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図21A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-13RA1の発現を示す。
【
図21B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-13RA1の正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図22A】健常な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-4Rの発現を示す。
【
図22B】健康な正常皮膚と比較した病変皮膚と非病変皮膚におけるIL-4Rの正規化された遺伝子発現変化を示す。
【
図23】NOS2のこの発現ケースにおける、正常と比較したADサンプルの例示的な遺伝子発現変化を示す。
【
図25】未関与非病変皮膚と乾癬病変の両方で検出された遺伝子発現の増加を呈するサイトカインを示す。
【
図26】未関与非病変皮膚では遺伝子発現は減少したが、乾癬病変では遺伝子発現が増加したサイトカインを示す。
【
図27A】正常な皮膚におけるIL-31RAの発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-31RAの発現を示す。
【
図27B】正常な皮膚におけるIL-31RAの発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-31RA(2)の発現を示す。
【
図27C】正常な皮膚におけるCCL17の発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのCCL17の発現を示す。
【
図27D】正常な皮膚におけるIL-23Aの発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-23Aの発現を示す。
【
図27E】正常な皮膚におけるIL-4Rの発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-4Rの発現を示す。
【
図27F】正常な皮膚におけるIL-22の発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-22の発現を示す。
【
図27G】正常な皮膚におけるIL-13の発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-13の発現を示す。
【
図27H】正常な皮膚におけるIL-13RA1の発現と比較した、AD病変皮膚と非病変皮膚でのIL-13RA1の発現を示す。
【
図27I】AD非病変皮膚サンプルにおけるIL13RA1とIL-13の追加の発現データを示す。
【
図28A】乾癬患者における病変部(PSOR)と非病変部(NL)皮膚からの全RNA収量(pg)を示す。
【
図29A】異なるRNA入力レベルでの病変皮膚(PSOR)と正常皮膚(NS)におけるACTBとDEFB4A発現の測定を示す。
【
図29B】異なるRNA入力レベルでの病変皮膚(PSOR)と正常皮膚(NS)におけるACTBとS100A9発現の測定を示す。
【
図29C】異なるRNA入力レベルでの病変皮膚(PSOR)と正常皮膚(NS)におけるACTBとIL-17A発現の測定を示す。
【
図29D】異なるRNA入力レベルでの病変皮膚(PSOR)と正常皮膚(NS)におけるACTBとIL-17F発現の測定を示す。
【
図29E】異なるRNA入力レベルでの病変皮膚(PSOR)と正常皮膚(NS)におけるACTBとIL-17C発現の測定を示す。
【
図29F】異なるRNA入力レベルでの病変皮膚(PSOR)と正常皮膚(NS)におけるACTBとIL-23A発現の測定を示す。
【
図30】接着パッチベースのデバイスを用いて収集した正常(NML)、乾癬病変(PSOR)、および非病変(NL)の皮膚サンプルからの13個の主要遺伝子のCt値のヒートマップを示す。
【
図31】病変組織で遺伝子発現の2つの異なるサブグループ(PSOR-1および-2)を有する未処置の乾癬患者から収集された対の病変(PSOR)と非病変(NL)皮膚からの13の遺伝子のCt値のヒートマップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
自己免疫性皮膚疾患は、個体自身の免疫システムが誤って健康な細胞を攻撃したときに起こる。例示的な皮膚疾患としては、限定されないが、乾癬、ループス、およびアトピー性皮膚炎が挙げられる。乾癬は、皮膚細胞の寿命を変化させかねない持続性および慢性の皮膚疾患である。乾癬は、皮膚の表面に細胞を急速に蓄積させることがある。余分な皮膚細胞は、分厚い銀色の鱗屑や、かゆみを伴う乾燥した赤い斑点を形成し、しばしば痛みを伴うことがある。
【0012】
アトピー性皮膚炎は、皮膚を侵す慢性疾患である。アトピー性皮膚炎では、皮膚が非常にかゆくなる。ひっかくことで、赤み、腫れ、ひび割れ、透明液の滲出が引き起こされ、最終的にはかさぶたができてはがれる。ほとんどの場合、増悪の期間に続いて寛解の期間がある。どれほどの人がアトピー性皮膚炎に冒されているかを正確に特定するのは難しいが、乳児と幼児の推定20%はこの疾患の症状を経験する。これらの幼児のおよそ60%は、成年期にアトピー性皮膚炎の1つ以上の症状を有し続ける。したがって、アメリカでは1500万人以上がこの疾患の症状を有している。「病変領域」はアトピー性皮膚炎に冒された皮膚の領域である。一般的に、病変は皮膚の乾燥(乾皮症)、赤み、水疱、痂皮、または任意の組み合わせを特徴とする。非病変領域は、アトピー性皮膚炎または他のいかなる皮膚病状にも冒されていない。
【0013】
エリテマトーデスとしても知られるループスは、体内の複数の臓器やシステムに影響を及ぼす自己免疫疾患である。個人の免疫システムが様々な細胞を攻撃し、様々な徴候や症状を引き起こす。皮膚に関しては、ループスに特異的な皮膚病変と非特異的な皮膚病変がある。いくつかの例では、ループスは、皮膚エリテマトーデス(CLE)と全身性エリテマトーデス(SLE)(他の臓器およびシステムに影響を及ぼす)からなる適応症のスペクトルを構成している。場合によっては、皮膚エリテマトーデスは大きく3つ:慢性皮膚ループス(CCLE)、亜急性皮膚ループス(SCLE)、および急性皮膚ループス(ACLE)に分類される。
【0014】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、身体の免疫系が身体の多くの部分の健康な組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患である。症状は人によって異なり、軽度のものから重度のものまである。一般的な症状としては、関節の痛みや腫れ、発熱、胸の痛み、抜け毛、口内炎、リンパ節の腫れ、疲労感、および顔に多く見られる赤い発疹などがある。多くの場合、発赤と呼ばれる病気の期間と、症状がほとんどない寛解期がある。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、自己免疫性皮膚疾患(例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、またはあるいはループス)の存在を判定するために、遺伝子分類における遺伝子の発現レベルを利用する方法である。いくつかの例では、遺伝子分類での遺伝子の発現レベルに基づいて、自己免疫性皮膚疾患(例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、またはループス)を有すると判定された被験体を処置する方法も本明細書に記載される。
【0016】
乾癬遺伝子分類およびその使用方法
いくつかの実施形態では、乾癬に関連付けられる遺伝子分類からの遺伝子の発現レベルを検出する方法が本明細書で開示される。いくつかの例では、上記方法は、インターロイキン17A(IL-17A)、インターロイキン17F(IL-17F)、インターロイキン8(IL-8)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド5(CXCL5)、S100カルシウム結合タンパク質A9(S100A9)、デフェンシンβ4A(DEFB4A)、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程を含む。いくつかの例では、上記方法は、(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが(例えば、角質層からの細胞を含む)、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB4A、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットがIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB4A、またはこれらの組み合わせを認識し、および、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB4A、またはこれらの組み合わせとプローブのセット間の結合を検出する、工程を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、遺伝子分類:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aからの2以上、3以上、4以上、または5以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、およびS100A9の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、およびCXCL5の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-17A、IL-17F、およびIL-8の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-17AとIL-17Fの発現レベルを検出する工程を含む。
【0018】
いくつかの例では、発現レベルはアップレギュレートされた遺伝子発現レベルである。いくつかの例では、発現レベルは、対照サンプルの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB4A、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルはアップレギュレートされる。いくつかの例では、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルは、乾癬プラークを含む皮膚の領域で生じる。
【0019】
いくつかの例では、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、150倍、200倍、300倍、500倍、またはそれ以上増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも10倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも20倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも30倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも40倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも50倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも80倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも100倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも130倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも150倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも200倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも300倍増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルは少なくとも500倍増加する。場合によっては、増加した遺伝子発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。いくつかの例では、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルは、乾癬プラークを含む皮膚の領域で生じる。
【0020】
場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも10%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも20%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも30%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも40%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも50%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも80%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも90%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも100%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも150%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも200%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも300%増加する。場合によっては、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFBの遺伝子発現レベルは少なくとも500%増加する。場合によっては、増加した遺伝子発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。いくつかの例では、ダウンレギュレートされた遺伝子発現レベルは、乾癬プラークを含む皮膚の領域で生じる。
【0021】
いくつかの実施形態では、プローブのセットは、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFBから選択された1つ以上6つ以下の遺伝子を認識する。場合によっては、プローブのセットはIL-17AとIL-17Fを認識する。場合によっては、プローブのセットは、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aを認識する。場合によっては、プローブのセットは、IL-17A、IL-8、およびDEFB4Aを認識する。場合によっては、プローブのセットは、IL-17F、CXCL5、およびS100A9を認識する。場合によっては、プローブのセットは、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFBを認識する。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、インターロイキン17C(IL-17C)、S100カルシウム結合タンパク質A7(S100A7)、インターロイキン17受容体A(IL-17RA)、インターロイキン17受容体C(IL-17RC)、インターロイキン23サブユニットα(IL-23A)、インターロイキン22(IL-22)、インターロイキン26(IL-26)、インターロイキン24(IL-24)、インターロイキン6(IL-6)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、インターフェロンγ(IFN-ガンマ)、インターロイキン31(IL-31)、インターロイキン33(IL-33)、腫瘍壊死因子(TNFα)、リポカリン2(LCN2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程をさらに含む。場合によっては、検出する工程は、プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることであって、プローブの追加のセットが、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、TNFRSF1A、またはこれらの組み合わせを認識し、および、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、TNFRSF1A、またはこれらの組み合わせと、プローブの追加のセットとの間の結合を検出する、ことを含む。
【0023】
場合によっては、プローブの追加のセットは1以上10以下の遺伝子を認識する。場合によっては、プローブの追加のセットは、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1Aから選択された2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17の遺伝子を認識する。
【0024】
場合によっては、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1Aから選択された1つ以上遺伝子の発現レベルが、上昇した遺伝子発現レベルである。そのような場合、遺伝子発現レベルは、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、150倍、200倍、300倍、500倍、またはそれ以上、上昇する。いくつかの例では、遺伝子発現レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上、上昇する。いくつかの例では、発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。いくつかの例では、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、乾癬に罹患した皮膚領域を検出する工程を含む。場合によっては、乾癬に罹患した皮膚領域を約1週間、2週間、3週間、1ヶ月含む、2ヶ月、6ヶ月、またはそれ以上モニタリングする方法も本明細書に記載される。
【0026】
いくつかの例では、方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える改善された特異性を有する。いくつかの実施形態では、特異性は、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、TNFRSF1A、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。
【0027】
場合によっては、方法はさらに改善された感度を有する。いくつかの実施形態において、感度は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。場合によっては、感度は、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、TNFRSF1A、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、被験体において、第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する工程を含み、(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離することであって、皮膚サンプルが(例えば、角質層からの細胞を含む)、ことと;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFBから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出することであって、プローブのセットが、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットとの間の結合を検出する、ことと:(c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-6、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1Aからの1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出することであって、プローブの追加のセットが、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子を認識し、および、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する、ことを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、1つ以上の阻害剤を投与する工程を含む、乾癬を処置する方法も本明細書で提供される。本明細書に記載される乾癬の処置のための方法に含まれる阻害剤は、限定されないが、TNFα、IL-17A、およびIL-23の阻害剤を含む。TNFαの例示的な阻害剤としては、限定されないが、アダリムマブ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、およびインフリキシマブが挙げられる。IL-17Aの例示的な阻害剤としては、限定されないが、イキセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG 827)、およびセクキヌマブが挙げられる。IL-23の例示的な阻害剤としては、限定されないが、グセルクマブ、チルドラキズマブ、およびリサンキズマブが挙げられる。
【0030】
場合によっては、乾癬の処置のための本明細書に記載される方法に含まれる阻害剤は、TNFαの阻害剤である。場合によっては、被験体は、アダリムマブ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、または、インフリキシマブなどのTNFαの阻害剤で処置される。
【0031】
場合によっては、乾癬の処置のための本明細書に記載される方法に含まれる阻害剤は、IL-17Aの阻害剤である。場合によっては、被験体は、イキセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG 827)、またはセクキヌマブなどのIL-17Aの阻害剤で処置される。
【0032】
場合によっては、乾癬の処置のための本明細書に記載される方法に含まれる阻害剤は、IL-23の阻害剤である。場合によっては、被験体は、グセルクマブ、チルドラキズマブ、またはリサンキズマブなどのIL-23の阻害剤で処置される。
【0033】
アトピー性皮膚炎遺伝子分類およびその使用方法
いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎に関連付けられる遺伝子分類からの遺伝子の発現レベルを検出する方法が本明細書で開示される。いくつかの例では、方法は、インターロイキン13(IL-13)、インターロイキン31(IL-31)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、またはその組み合わせの発現レベルを検出する工程を含む。いくつかの例では、上記方法は、(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが(例えば、角質層からの細胞を含む)、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IL-13、IL-31、TSLP、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが、IL-13、IL-31、TSLP、またはこれらの組み合わせを認識し、および、IL-13、IL-31、TSLP、またはこれらの組み合わせとプローブのセットとの間の結合を検出する、工程を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、方法は、遺伝子分類:IL-13、IL-31、およびTSLPからの2以上または3つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-13、IL-31、およびTSLPの発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-31とTSLPの発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-13とIL-31の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IL-13とTSLPの発現レベルを検出する工程を含む。
【0035】
いくつかの例では、発現レベルはアップレギュレートされた遺伝子発現レベルである。いくつかの例では、発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。場合によっては、IL-13、IL-31、TSLP、またはその組み合わせの遺伝子発現レベルがアップレギュレートされる。いくつかの例では、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルは、アトピー性皮膚炎を含む皮膚の領域で生じる。
【0036】
いくつかの例では、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、150倍、200倍、300倍、500倍、またはそれ以上増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも10倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも20倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも30倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも40倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも50倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも80倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも100倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも130倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも150倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも200倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも300倍増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも500倍増加する。場合によっては、減少した遺伝子発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。いくつかの例では、ダウンレギュレートされた遺伝子発現レベルは、アトピー性皮膚炎を含む皮膚の領域で生じる。
【0037】
場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも10%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも20%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも30%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも40%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも50%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも80%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも90%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも100%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも150%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも200%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも300%増加する。場合によっては、IL-13、IL-31、またはTSLPの遺伝子発現レベルは少なくとも500%増加する。場合によっては、減少した遺伝子発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。いくつかの例では、ダウンレギュレートされた遺伝子発現レベルは、アトピー性皮膚炎を含む皮膚の領域で生じる。
【0038】
いくつかの実施形態では、プローブのセットは、IL-13、IL-31、またはTSLPから選択された1つ以上3つ以下の遺伝子を認識する。場合によっては、プローブのセットはIL-13とIL-31を認識する。場合によっては、プローブのセットはIL-31とTSLPを認識する。場合によっては、プローブのセットはIL-13とTSLPを認識する。場合によっては、プローブのセットは、IL-13、IL-31、およびTSLPを認識する。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法は、インターロイキン13受容体(IL-13R)、インターロイキン4受容体(IL-4R)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン22(IL-22)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド9(CXCL9)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド10(CXCL10)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド10(CXCL11)、S100カルシウム結合タンパク質A7(S100A7)、S100カルシウム結合タンパク質A8(S100A8)、S100カルシウム結合タンパク質A9(S100A9)、C-Cモチーフケモカインリガンド17(CCL17)、C-Cモチーフケモカインリガンド18(CCL18)、C-Cモチーフケモカインリガンド19(CCL19)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド27(CCL27)、一酸化窒素合成酵素2(NOS2)、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、検出する工程は、プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることであって、プローブの追加のセットが、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、NOS2、またはこれらの組み合わせを認識し、および、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、NOS2、またはこれらの組み合わせと、プローブの追加のセットとの間の結合を検出する、ことを含む。
【0040】
場合によっては、プローブの追加のセットは1以上10以下の遺伝子を認識する。場合によっては、プローブの追加のセットは、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2から選択される2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16の遺伝子を認識する。
【0041】
場合によっては、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2から選択される1つ以上の遺伝子の発現レベルは、上昇した遺伝子発現レベルである。そのような場合、遺伝子発現レベルは、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、150倍、200倍、300倍、500倍、またはそれ以上、上昇する。いくつかの例では、遺伝子発現レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上、上昇する。いくつかの例では、発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。いくつかの例では、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、アトピー性皮膚炎に罹患した皮膚領域を検出する工程を含む。場合によっては、アトピー性皮膚炎に罹患した皮膚領域を約1週間、2週間、3週間、1ヶ月含む、2ヶ月、6ヶ月、またはそれ以上モニタリングする方法も本明細書に記載される。
【0043】
いくつかの例では、方法は、IL-13、IL-31、TSLP、またはその組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える改善された特異性を有する。いくつかの実施形態では、特異性は、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、NOS2、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。
【0044】
場合によっては、方法はさらに改善された感度を有する。いくつかの実施形態において、感度は、IL-13、IL-31、TSLP、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。場合によっては、感度は、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、NOS2、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、被験体において、第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する工程を含み、(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離することであって、皮膚サンプルが(例えば、角質層からの細胞を含む)、ことと;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-13、IL-31、およびTSLPから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出することであって、プローブのセットが、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットとの間の結合を検出する、ことと:(c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2からの1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出することであって、プローブの追加のセットが、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子を認識し、および、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する、ことを含む。
【0046】
本明細書に記載される1つ以上の阻害剤を投与する工程を含む、アトピー性皮膚炎の処置のための方法が本明細書で提供される。本明細書に記載されるアトピー性皮膚炎の処置のための方法に含まれる阻害剤は、限定されないが、IL-13、PDE4、またはIL-31の阻害剤を含む。場合によっては、アトピー性皮膚炎の処置のための本明細書に記載される方法に含まれる阻害剤は、IL-13の阻害剤である。場合によっては、アトピー性皮膚炎の処置のための本明細書に記載される方法に含まれる阻害剤は、PDE4の阻害剤である。場合によっては、アトピー性皮膚炎の処置のための本明細書に記載される方法に含まれる阻害剤は、IL-31の阻害剤である。
【0047】
場合によっては、IL-13の阻害剤としては、限定されないが、レブリキズマブとトラロキヌマブが挙げられる。場合によっては、IL-13の阻害剤はレブリキズマブである。場合によっては、IL-13の阻害剤はトラロキヌマブである。場合によっては、被験体は、レブリキズマブまたはトラロキヌマブなどのIL-13の阻害剤で処置される。
【0048】
いくつかの例では、PDE4阻害剤は、限定されないが、クリサボロールを含む。いくつかの例では、被験体は、クリサボロールなどのPDE4阻害剤で処置される。
【0049】
いくつかの例では、IL-31阻害剤は、限定されないが、ネモリズマブを含む。いくつかの例では、被験体は、ネモリズマブなどのIL-31阻害剤で処置される。
【0050】
ループス遺伝子分類およびその使用方法
いくつかの実施形態では、エリテマトーデスに関連付けられる遺伝子分類からの遺伝子の発現レベルを検出する方法が本明細書で開示される。いくつかの例では、方法は、インターフェロンアルファ1(IFNA1)、インターフェロンアルファ2(IFNA2)、インターフェロンアルファ4(IFNA4)、インターフェロンアルファおよびベータ受容体サブユニット1(IFNR1)、インターフェロンアルファおよびベータ受容体サブユニット2(IFNR2)、C-Cモチーフケモカインリガンド5(CCL5)、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程を含む。いくつかの例では、方法は:(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離する工程であって、皮膚サンプルが(例えば、角質層からの細胞を含む)、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程であって、プローブのセットが、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはこれらの組み合わせを認識し、および、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはこれらの組み合わせとプローブのセットとの間の結合を検出する、工程を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、遺伝子分類:IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、およびCCL5からの2以上、3以上、4以上、または5以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、およびCCL5の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、およびIFNR2の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、およびIFNR1の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IFNA1、IFNA2、およびIFNA4の発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、方法は、IFNA1、IFNA4、およびCCL5の発現レベルを検出する工程を含む。
【0052】
いくつかの例では、発現レベルはアップレギュレートされた遺伝子発現レベルである。いくつかの例では、発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルがアップレギュレートされる。いくつかの例では、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルは、ループス病変を含む皮膚の領域で生じる。
【0053】
いくつかの例では、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、150倍、200倍、300倍、500倍、またはそれ以上増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも10倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも20倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも30倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも40倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも50倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも80倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも100倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも130倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも150倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも200倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも300倍増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも500倍増加する。場合によっては、増加した遺伝子発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。いくつかの例では、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルは、ループス病変を含む皮膚の領域で生じる。
【0054】
場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも10%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも20%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも30%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも40%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも50%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも80%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも90%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも100%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも150%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも200%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも300%増加する。場合によっては、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5の遺伝子発現レベルは、少なくとも500%増加する。場合によっては、減少した遺伝子発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。場合によっては、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。いくつかの例では、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルは、アトピー性皮膚炎を含む皮膚の領域で生じる。
【0055】
いくつかの実施形態では、プローブのセットは、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、またはCCL5から選択された1つ以上6つ以下の遺伝子を認識する。場合によっては、プローブのセットは、IFNA1、IFNA2、およびIFNA4を認識する。場合によっては、プローブのセットは、IFNA1、IFNA2、およびCCL5を認識する。場合によっては、プローブのセットは、IFNA1、IFNA4、およびIFNR2を認識する。場合によっては、プローブのセットは、IFNA2、IFNR1、およびCCL5を認識する。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法は、インターフェロンベータ1(IFNB1)、インターフェロンイプシロン(IFNE)、インターフェロンオメガ1(IFNW1)、アデノシンデアミナーゼ、RNA特異的(ADAR)、テトラトリコペプチドリピートを有するインターフェロン誘導タンパク質(IFIT)、タンパク質のインターフェロン誘導性p200ファミリー(IFI)、インターフェロン調節因子(IRF)、2’-5’-オリゴアダデニル酸合成酵素1(OAS1)、インターロイキン1受容体関連キナーゼ1(IRAK1)、TNFα誘導タンパク質3(TNFAIP3)、オートファジー関連5(ATG5)、チロシンキナーゼ2(TYK2)、シグナル伝達性転写因子4(STAT4)、オステオポンチン(OPN)、ケラチン(KRT)、またはこれらの組み合わせの発現レベルを検出する工程を含む。場合によっては、検出する工程は、プローブの追加セットに、単離された核酸を接触させることであって、プローブの追加セットが、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、KRT、またはこれらの組み合わせを認識することを含む。
【0057】
場合によっては、プローブの追加のセットは1以上10以下の遺伝子を認識する。場合によっては、プローブの追加のセットは、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、およびKRTから選択される、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の遺伝子を認識する。
【0058】
場合によっては、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、およびKRTから選択された1つ以上の遺伝子の発現レベルは、上昇された遺伝子発現レベルである。そのような場合、遺伝子発現レベルは、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、150倍、200倍、300倍、500倍、またはそれ以上、上昇する。いくつかの例では、遺伝子発現レベルは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上、上昇する。いくつかの例では、発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較される。いくつかの例では、対照サンプルは正常な皮膚サンプルである。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、エリテマトーデスに罹患した皮膚領域を検出する工程を含む。場合によっては、エリテマトーデスに罹患した皮膚領域を約1週間、2週間、3週間、1ヶ月含む、2ヶ月、6ヶ月、またはそれ以上モニタリングする方法も本明細書に記載される。
【0060】
いくつかの例では、方法は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える改善された特異性を有する。いくつかの実施形態では、特異性は、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、KRT、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。
【0061】
場合によっては、方法はさらに改善された感度を有する。いくつかの実施形態において、感度は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。場合によっては、感度は、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、KRT、またはこれらの組み合わせの遺伝子発現レベルを検出する際、少なくともまたは約70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、被験体において、第1の遺伝子分類と第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する工程を含み、(a)被験体から得られた皮膚サンプルから核酸を単離することであって、皮膚サンプルが(例えば、角質層からの細胞を含む)、ことと;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、およびCCL5から1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出することであって、プローブのセットが、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブのセットとの間の結合を検出する、ことと:(c)プローブの追加のセットに、単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、およびKRTから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出することであって、プローブの追加のセットが、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子を認識し、および、第2の遺伝子分類からの1つ以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する、ことを含む。
【0063】
現在のループスの処置形態は、寛解を達成するための導入療法と、再発を防ぐための長期維持療法に焦点が当てられている。皮膚型の疾患の管理には、抗マラリア薬、ダプソン、レチノイド、コルチコステロイド、免疫抑制薬、またはサリドマイドによる処置が含まれる。いくつかの実施例では、動物性ヒドロキシクロロキンは、発火を減少させ、病気の長期的な管理を助けることが示されてきた。最近の研究では、ヤヌスキナーゼ阻害剤(Jakinibs)がマウスの疾患症状の改善に有効であることが示されている(Mok, CC, Expert Opin Investig Drugs. 2019 Jan;28(1):85-92)。
【0064】
本明細書に記載される非侵襲的な方法により、ループスを有すると判定された被験体を処置するための方法が本明細書で提供される。本明細書に記載されるループスを処置するための方法に含まれる組成物としては、限定されないが、抗マラリア薬、ダプソン、レチノイド、コルチコステロイド、免疫抑制薬、サリドマイド、ヤヌスキナーゼ阻害剤、バリシチニブ、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、抗マラリア薬を含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、ダプソンを含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、レチノイドを含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、コルチコステロイドを含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、免疫抑制薬を含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、サリドマイドを含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、ヤヌスキナーゼ阻害剤を含む。場合によっては、ループスの処置のための本明細書に記載される方法に含まれる組成物は、バリシチニブを含む。
【0065】
場合によっては、抗マラリア薬はヒドロキシクロロキンである。場合によっては、抗マラリア薬はキナクリンである。場合によっては、抗マラリア薬はクロロキンである。
【0066】
場合によっては、免疫抑制薬はメトトレキセートである。場合によっては、免疫抑制薬はアザチオプリンである。
【0067】
診断ツールと診断方法
いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子は一組のプローブにより検出される。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは、少なくともまたは約1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、または30より多くのプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約6のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約7のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約8のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約9のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約10のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約13のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約15のプローブを含む。いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは約20のプローブを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、前記一組のプローブは1つ以上のプライマー対を含む。いくつかの実施形態では、プライマー対の数は、少なくともまたは約1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、または30より多くのプライマー対である。いくつかの実施形態では、前記プライマー対の数は約8のプライマーである。いくつかの実施形態では、前記プライマー対の数は約9のプライマーである。いくつかの実施形態では、前記プライマー対の数は約10のプライマーである。
【0069】
いくつかの実施形態では、前記一組のプローブ中のプローブは標識される。いくつかの実施形態では、1つ以上のプローブは、放射標識、蛍光標識、酵素、化学発光タグ、比色定量タグ、アフィニティータグ、またはその他当技術分野で既知の標識またはタグにより標識される。
【0070】
典型的なアフィニティータグとして、ビオチン、脱硫ビオチン、ヒスチジン、ポリヒスチジン、myc、赤血球凝集素(HA)、FLAG、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、またはそれらの誘導体が挙げられるがこれらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、前記アフィニティータグはアビジン、ストレプトアビジン、ニッケル、またはグルタチオンにより認識される。
【0071】
いくつかの実施形態では、前記蛍光標識は、フルオロフォア、蛍光タンパク質、蛍光ペプチド、量子ドット、蛍光色素、蛍光体、またはそれらの変形や組み合わせである。
【0072】
典型的なフルオロフォアとして、Alexa-Fluor色素(例えばAlexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)500、Alexa Fluor(登録商標)514、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)610、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)700、およびAlexa Fluor(登録商標)750)、APC、Cascade Blue、Cascade Yellow and R-phycoerythrin(PE)、DyLight 405、DyLight 488、DyLight 550、DyLight 650、DyLight 680、DyLight 755、DyLight 800、FITC、Pacific Blue、PerCP、ローダミン、ならびにTexas Red、Cy5、Cy5.5、Cy7が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
蛍光ペプチドの例として、GFP(緑色蛍光タンパク質)またはGFPの誘導体(例えばEBFP、EBFP2、Azurite、mKalama1、ECFP、Cerulean、CyPet、YFP、Citrine、Venus、およびYpet)が挙げられる。
【0074】
蛍光色素の例として、キサンテン(例えばローダミン、ロドール、およびフルオレセイン、ならびにそれらの誘導体);ビマン;クマリンおよびその誘導体(例えばウンベリフェロンおよびアミノメチルクマリン);芳香族アミン(例えばダンシル;スクアリン酸染料);ベンゾフラン;蛍光シアニン;インドカルボシアニン;カルバゾール;ジシアノメチレン・ピラン;ポリメチン;オキサベンゾアントラン(oxabenzanthrane);キサンテン;ピリリウム;カルボスチル(carbostyl);ペリレン;アクリドン;キナクリドン;ルブレン;アントラセン;コロネン;フェナントレセン(phenanthrecene);ピレン;ブタジエン;スチルベン;ポルフィリン;フタロシアニン;ランタニド金属キレート錯体;希土類金属キレート錯体;ならびにそのような色素の誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態では、フルオレセイン色素は、5-カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン-5-イソチオシアネート、フルオレセイン-6-イソチオシアネート、および6-カルボキシフルオレセインであるがこれらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、ローダミン色素は、テトラメチルローダミン-6-イソチオシアネート、5-カルボキシテトラメチルローダミン、5-カルボキシロドール誘導体、テトラメチルおよびテトラエチルローダミン、ジフェニルジメチルおよびジフェニルジエチルローダミン、ジナフチルローダミン、ならびにローダミン101スルホニルクロリド(TEXAS RED(登録商標)の商品名で販売)であるがこれらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、シアニン色素は、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、IRDYE680、Alexa Fluor 750、IRDye800CW、またはICGである。
【0075】
いくつかの実施形態では、IL-13、TSLP、IL-31、またはそれらの組み合わせの遺伝子発現レベルはPCRを使用して測定される。PCR技術の例として、量的PCR(qPCR)、シングルセルPCR、PCR-RFLP、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、シングルマーカーqPCR、ホットスタートPCR、およびネステッドPCRが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
いくつかの実施形態では、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、NOS2、またはそれらの組み合わせの遺伝子発現レベルは、PCRを使用して測定される。PCR技術の例として、量的PCR(qPCR)、シングルセルPCR、PCR-RFLP、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、シングルマーカーqPCR、ホットスタートPCR、およびネステッドPCRが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
いくつかの実施形態では、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、DEFB4A、またはそれらの組み合わせの遺伝子発現レベルはPCRを使用して測定される。PCR技術の例として、量的PCR(qPCR)、シングルセルPCR、PCR-RFLP、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、シングルマーカーqPCR、ホットスタートPCR、およびネステッドPCRが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
いくつかの実施形態では、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-6、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1A、またはそれらの組み合わせの遺伝子発現レベルは、PCRを使用して測定される。PCR技術の例として、量的PCR(qPCR)、シングルセルPCR、PCR-RFLP、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、シングルマーカーqPCR、ホットスタートPCR、およびネステッドPCRが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
いくつかの実施形態では、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNR1、IFNR2、CCL5、またはそれらの組み合わせの遺伝子発現レベルはPCRを使用して測定される。PCR技術の例として、量的PCR(qPCR)、シングルセルPCR、PCR-RFLP、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、シングルマーカーqPCR、ホットスタートPCR、およびネステッドPCRが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
いくつかの実施形態では、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、IFIT、IFI、IRF、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、KRT、またはそれらの組み合わせの遺伝子発現レベルは、PCRを使用して測定される。PCR技術の例として、量的PCR(qPCR)、シングルセルPCR、PCR-RFLP、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、シングルマーカーqPCR、ホットスタートPCR、およびネステッドPCRが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0081】
いくつかの実施形態では、発現レベルはqPCRを使用して測定される。いくつかの実施形態では、qPCRは蛍光色素または蛍光プローブの使用を含む。いくつかの実施形態では、蛍光色素は挿入色素(intercalating dye)である。挿入色素の例として、SYBRグリーンI、SYBRグリーンII、SYBRゴールド、臭化エチジウム、メチレンブルー、ピロニンY、DAPI、アクリジンオレンジ、Blue View、またはフィコエリトリンが挙げられるがこれらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、qPCRは、1より多くの蛍光プローブの使用を含む。いくつかの実施形態では、この1より多くの蛍光プローブの使用により多重化が可能になる。例えば、様々な非古典的変異体は、様々な蛍光プローブへハイブリダイズされ、シングルqPCR反応で検出することができる。
【0082】
皮膚採取キットの構成要素
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるサンプル採取キットの粘着パッチは、粘着マトリクスを含む第1の採取領域と、該第1の採取領域の周囲から延在する第2の領域とを備えている。粘着マトリクスは第1の採取領域の皮膚対向面に位置する。第2の領域はタブとして機能し、粘着パッチの適用と取り外しに適している。このタブの大きさは、皮膚表面に粘着パッチを適用する間に、適用者が第1の採取領域のマトリクス材料に接触しないほど十分なものである。いくつかの実施形態では、粘着パッチは第2の領域タブを備えていない。いくつかの例では、粘着パッチは、使用前に接着マトリックスの汚染を減らすために手袋で取り扱われる。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1の採取領域はポリウレタン・キャリア・フィルムである。いくつかの実施形態では、粘着マトリクスは合成ゴム化合物で構成される。いくつかの実施形態では、接着マトリックスは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)線形ブロックコポリマー化合物である。いくつかの例では、粘着パッチはラテックス、シリコーン、またはその両方を含んでいない。いくつかの例では、粘着パッチは、第1の採取領域に液体溶剤混合物として接着剤を塗布し、続いて溶剤を除去することにより製造される。
【0084】
マトリクス材料は皮膚サンプルに付着するほどの粘着性を持つ。マトリクス材料は、傷跡を残し、出血し、または除去が困難なほどの粘着性を持たない。いくつかの実施形態では、マトリクス材料は透過性材料で構成される。いくつかの例では、マトリクス材料は生体適合性である。いくつかの例では、マトリクス材料は除去後に皮膚表面上に残余部分を残さない。ある例では、マトリクス材料は皮膚刺激薬ではない。
【0085】
いくつかの実施形態では、粘着パッチは可撓性材料を含んでおり、これによりパッチを適用後に皮膚表面の形状に合わせることができる。いくつかの例では、少なくとも第1の採取領域が可撓性である。いくつかの例では、タブはプラスチックである。例示的な例では、粘着パッチはラテックス、シリコーン、またはその両方を含んでいない。いくつかの実施形態では、粘着パッチは透過性材料で製造されており、そうすることで、皮膚表面に粘着パッチを適用した後に被験体の皮膚サンプリング領域を視認できる。この透過性により、サンプリングされる皮膚領域を含む所望の皮膚領域に粘着パッチを確実に適用することができる。いくつかの実施形態では、粘着パッチの長さは約5~約100mmである。いくつかの実施形態では、第1の採取領域の長さは約5~約40mmである。いくつかの実施形態では、第1の採取領域の長さは約10~約20mmである。いくつかの実施形態では、第1の採取領域の長さは、サンプリングされる皮膚表面の領域を収容するように構成されており、その長さは約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、約30mm、約35mm、約40mm、約45mm、約50mm、約55mm、約60mm、約65mm、約70mm、約75mm、約80mm、約85mm、約90mm、および約100mmであるがこれらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、第1の採取領域は楕円形である。
【0086】
さらなる実施形態では、本発明の粘着パッチは、接着皮膚サンプル採取キット中の剥離可能なシートに設けられる。いくつかの実施形態では、剥離可能なシートに設けられるパッチは、少なくとも6か月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、および少なくとも4年間にわたり-80℃~30℃の温度で安定するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは、三つ折り式(tri-fold)皮膚サンプル採取装置のパネルである。
【0087】
いくつかの例では、核酸は、一定期間または特定温度で保管したときに粘着パッチの上で安定している。いくつかの例では、この一定期間は少なくともまたは約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週間、3週間、4週間、または4週間を超える。いくつかの例では、前記一定期間は約7日である。いくつかの例では、前記一定期間は約10日である。いくつかの例では、前記温度は少なくともまたは約-80℃、-70℃、-60℃、-50℃、-40℃、-20℃、-10℃、-4℃、0℃、5℃、15℃、18℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、または50℃より高い。粘着パッチ上の核酸は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の一定期間にわたり、本明細書に記載される任意の特定温度で保管される。例えば、粘着パッチ上の核酸は、約25℃で少なくともあるいは約7日間、約30℃で7日間、約40℃で7日間、約50℃で7日間、約60℃で7日間、または約70℃で7日間保管される。いくつかの例では、粘着パッチ上の核酸は、約-80℃で少なくともまたは約10日間保管される。
【0088】
剥離可能なシートは、ある実施形態では複数の粘着パッチを保持するように構成されており、粘着パッチの数は12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、約2~約8,約2~約7、約2~約6、約2~約4、約3~約6、約3~約8、約4~約10、約4~約8、約4~約6、約4~約5、約6~約10、約6~約8、または約4~約8であるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、剥離可能なシートは約12の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約11の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約10の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約9の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約8の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約7の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約6の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約5の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約4の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約3の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約2の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、剥離可能なシートは約1の粘着パッチを保持するように構成される。
【0089】
本明細書のある実施形態では、粘着パッチを用いてサンプルを得るための方法と組成物が提供され、前記粘着パッチは皮膚に適用され、かつ皮膚から取り外される。使用した粘着パッチを皮膚表面から取り外した後、いくつかの例では、パッチを剥がす方法はさらに、使用したパッチを配置領域シート上に保管する工程を含み、前記パッチは、皮膚サンプルが単離またはその他の方法で利用されるまで残っている。いくつかの例では、使用されたパッチは、-80℃~30℃の温度で少なくとも1週間、配置領域シート上に保管されるように構成される。いくつかの実施形態では、使用されたパッチは、-80℃~30℃の温度で少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、および少なくとも6か月間、配置領域シート上に保管されるように構成される。
【0090】
いくつかの例では、配置領域シートは取り外し可能な内張りを備えているが、この場合、配置領域シート上に使用済みパッチを保管する前に取り外し可能な内張りが取り外される。いくつかの例では、この配置領域シートは、複数の粘着パッチを保持するように構成されており、粘着パッチの数は12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、約2~約8,約2~約7、約2~約6、約2~約4、約3~約6、約3~約8、約4~約10、約4~約8、約4~約6、約4~約5、約6~約10、約6~約8、または約4~約8であるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、配置領域シートは約12の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約11の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約10の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約9の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約8の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約7の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約6の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約5の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約4の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約3の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約2の粘着パッチを保持するように構成される。いくつかの例では、配置領域シートは約1の粘着パッチを保持するように構成される。
【0091】
使用済みパッチは、いくつかの例では、使用済みパッチのマトリクス接触・皮膚対向面が配置領域シートに接触するように保管される。いくつかの例では、配置領域シートは、三つ折り式皮膚サンプル採取装置のパネルである。いくつかの例では、三つ折り式皮膚サンプル採取装置はさらに透明パネルを備えている。いくつかの例では、三つ折り式皮膚サンプル採取装置は、被験体に割り当てられる固有のバーコードで標識される。いくつかの例では、三つ折り式皮膚サンプル採取装置は、被験体情報の標識のための領域を含む。
【0092】
例示的な実施形態では、接着皮膚サンプル採取キットは、剥離可能なパネル上に保管される粘着パッチを備えた三つ折り式皮膚サンプル採取装置を備えている。いくつかの例では、三つ折り式皮膚サンプル採取装置はさらに、取り外し可能な内張りを備えた配置領域パネルを備えている。いくつかの例では、パッチを剥がす方法は、三つ折り式皮膚サンプル採取装置の剥離可能なパネルから粘着パッチを取り外する工程と、粘着パッチを皮膚サンプルに適用する工程と、皮膚サンプルを含む使用済み粘着パッチを取り外する工程と、配置領域シート上に使用済みパッチを配する工程とを含む。いくつかの例では、配置領域パネルは単一の配置領域パネルシートである。いくつかの例では、採取した皮膚サンプルの同一性は、三つ折り式皮膚サンプル採取装置または配置領域パネルシート上のバーコードまたは印刷患者情報を使用して、前記採取装置または配置領域にインデクシングされる。いくつかの例では、インデクシングされた三つ折り式皮膚サンプル採取装置または配置シートは、診断研究所に送られて処理される。いくつかの例では、使用済みパッチは、-80℃~25℃の温度で少なくとも1週間、配置パネル上に保管されるように構成される。いくつかの実施形態では、使用済みパッチは、-80℃~25℃の温度で少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、および少なくとも6か月間、配置領域パネル上に保管されるように構成される。いくつかの実施形態では、インデクシングされた皮膚サンプル採取装置または配置シートは、UPSまたはFedExを使用して診断研究所に送られる。
【0093】
典型的な実施形態では、パッチを剥がす方法はさらに、粘着パッチの適用前に皮膚サンプルを調製する工程を含む。皮膚サンプルの調製として、皮膚表面上の毛髪の除去、皮膚表面の清浄、および/または皮膚表面の乾燥が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、皮膚表面は、アルコール、第四級アンモニウム化合物、過酸化物、クロルヘキシジン、ハロゲン化フェノール誘導体、およびキノロン誘導体が挙げられるがこれらに限定されない防腐剤により清浄される。いくつかの例では、アルコールは、約0~約20%、約20~約40%、約40~約60%、約60~約80%、または約80~約100%のイソプロピルアルコールである。いくつかの例では、防腐剤は70%のイソプロピルアルコールである。
【0094】
いくつかの実施形態では、パッチを剥がす方法は、顔、頭部、頚部、腕、胸、腹部、背中、脚、手、または足を含むがこれらに限定されない表面から皮膚サンプルを採取するために使用される。いくつかの例では、皮膚表面は粘膜上に存在しない。いくつかの例では、皮膚表面は潰瘍化されず、出血していない。ある例では、皮膚表面は以前に生検を実施されていない。ある例では、皮膚表面は、足底または手のひらに存在しない。
【0095】
本明細書に記載されるパッチを剥がす方法、デバイス、およびシステムは、皮膚病変から皮膚サンプルを採取するのに有用である。皮膚病変は、周囲の皮膚と異なる外観または成長が見られる皮膚の一部である。いくつかの例では、皮膚病変は染色される。染色病変として、黒あざ、暗く着色された皮膚のスポット、およびメラニン含有皮膚領域が挙げられる。いくつかの実施形態では、皮膚病変の直径は約5mm~約16mmである。いくつかの例では、皮膚病変の直径は、約5mm~約15mm、約5mm~約14mm、約5mm~約13mm、約5mm~約12mm、約5mm~約11mm、約5mm~約10mm、約5mm~約9mm、約5mm~約8mm、約5mm~約7mm、約5mm~約6mm、約6mm~約15mm、約7mm~約15mm、約8mm~約15mm、約9mm~約15mm、約10mm~約15mm、約11mm~約15mm、約12mm~約15mm、約13mm~約15mm、約14mm~約15mm、約6~約14mm、約7~約13mm、約8~約12mm、および約9~約11mmである。いくつかの実施形態では、皮膚病変の直径は、約10mm~約20mm、約20mm~約30mm、約30mm~約40mm、約40mm~約50mm、約50mm~約60mm、約60mm~約70mm、約70mm~約80mm、約80mm~約90mm、および約90mm~約100mmである。いくつかの例では、前記直径は皮膚病変の最長直径である。いくつかの例では、前記直径は皮膚病変の最短直径である。
【0096】
接着皮膚サンプル採取キットは、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの粘着パッチ、サンプル採取装置、およびシートを使用するための指示書を備えている。典型的な実施形態において、サンプル採取装置は、少なくとも1つの粘着パッチを備えた剥離可能なパネルと、取り外し可能な内張りを備えた配置領域パネルと、透明パネルとを備えている三つ折り式皮膚サンプル採取装置である。三つ折り式皮膚サンプル採取装置はさらに、いくつかの例では、患者情報を転写するためのバーコードおよび/または領域を備えている。いくつかの例では、接着皮膚サンプル採取キットは、複数の粘着パッチを含むように構成されており、粘着パッチの数は12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、約2~約8,約2~約7、約2~約6、約2~約4、約3~約6、約3~約8、約4~約10、約4~約8、約4~約6、約4~約5、約6~約10、約6~約8、または約4~約8であるが、これらに限定されるものではない。シートを使用するための指示書は、パッチを剥がす方法を実行するのに必要な情報すべてをキットの操作者に提供する。シートを使用するための指示書は、パッチを剥がす方法を説明するイラストを含むのが好ましい。
【0097】
いくつかの例では、接着皮膚サンプル採取キットは、パッチを剥がす方法を実行するのに必要な要素をすべて提供する。いくつかの実施形態では、接着皮膚サンプル採取キットは、患者を保護するための研究所要求文書(lab requisition form)を備えている。いくつかの例では、キットは付属要素をさらに備えている。付属要素として、マーカー、再密封可能なビニール袋、グローブ、およびクレンジング試薬が挙げられるが、これらに限定されるものではない。クレンジング試薬としてイソプロピルアルコールなどの消毒薬が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの例では、皮膚サンプル採取キットの構成要素はダンボール箱に入れて提供される。
【0098】
細胞材料とサンプル処理
本明細書に提供される方法とデバイスは、ある実施形態では、有効または十分な量の皮膚サンプルなどの組織が粘着パッチの粘着マトリクスに付着するような方法で、皮膚に粘着パッチまたはその他同様のパッチを適用する工程を含む。例えば、皮膚サンプルの有効または十分な量は、マトリクスまたは粘着パッチなどの材料に移動可能に付着する量である。付着された皮膚サンプルは、ある実施形態では核酸を含む細胞物質を含んでいる。いくつかの例では、核酸はRNAまたはDNAである。有効な量の皮膚サンプルは、診断アッセイの実行に十分な量の細胞材料を含んでいる。いくつかの例では、診断アッセイは、使用済み粘着パッチに付着された皮膚サンプルから単離される細胞材料を使用して実行される。いくつかの例では、診断アッセイは、使用済み粘着パッチに付着された細胞材料に実行される。いくつかの実施形態では、有効量の皮膚サンプルは、遺伝子発現解析の実行に十分な量のRNAを含む。十分な量のRNAは、ピコグラム、ナノグラム、マイクログラムの各量を含むが、これらに限定されるものではない。
【0099】
いくつかの例では、核酸は、RNA分子または断片化RNA分子(RNAフラグメント)である。いくつかの例では、RNAは、マイクロRNA(miRNA)、pre-miRNA、pri-miRNA、mRNA、pre-mRNA、ウイルスRNA、ウイロイドRNA、ウイルソイドRNA、環状RNA(circRNA)、リボソームRNA(rRNA)、転移RNA(tRNA)、pre-tRNA、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、循環RNA、無細胞RNA、エキソソームRNA、ベクター発現RNA、RNA転写物、合成RNA、またはそれらの組み合わせである。いくつかの例では、RNAはmRNAである。いくつかの例では、RNAは無細胞循環RNAである。
【0100】
いくつかの例では、核酸はDNAである。DNAとして、ゲノムDNA、ウイルスDNA、ミトコンドリアDNA、プラスミドDNA、増幅DNA、環状DNA、循環DNA、無細胞DNA、またはエキソソームDNAが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、前記DNAは、一本鎖DNA(ssDNA)、二本鎖DNA、変性二本鎖DNA、合成DNA、およびそれらの組み合わせである。いくつかの例では、DNAはゲノムDNAである。いくつかの例では、DNAは無細胞循環DNAである。
【0101】
さらなる実施形態では、付着された皮膚サンプルは、少なくとも約1ピコグラムの量でRNAまたはDNAなどの核酸を含む細胞材料を含んでいる。いくつかの実施形態では、細胞材料の量は約1ナノグラム以下である。さらなるまたは付加的な実施形態では、細胞材料の量は約1マイクログラム以下である。またさらなるまたは付加的な実施形態では、細胞材料の量は約1グラム以下である。
【0102】
さらなるまたは付加的な実施形態では、細胞材料の量は約1ピコグラム~約1グラムである。さらなるまたは付加的な実施形態では、細胞材料は、約50マイクログラム~約1グラム、約100ピコグラム~約500マイクログラム、約500ピコグラム~約100マイクログラム、約750ピコグラム~約1マイクログラム、約1ナノグラム~約750ナノグラム、または約1ナノグラム~約500ナノグラムの量を含む。付加的な実施形態では、細胞材料は、約50ピコグラム~約1マイクログラム、約100ピコグラム~約500ピコグラム、約200ピコグラム~約500ピコグラム、約500ピコグラム~約1ナノグラム、約500ピコグラム~約500ナノグラム、または約1ナノグラム~約500ナノグラムの量を含む。
【0103】
さらなるまたは付加的な実施形態では、RNAまたはDNAなどの核酸を含む細胞材料の量は、約50マイクログラム~約500マイクログラム、約100マイクログラム~約450マイクログラム、約100マイクログラム~約350マイクログラム、約100マイクログラム~約300マイクログラム、約120マイクログラム~約250マイクログラム、約150マイクログラム~約200マイクログラムに、約500ナノグラム~約5ナノグラム、約400ナノグラム~約10ナノグラム、約200ナノグラム~約15ナノグラム、約100ナノグラム~約20ナノグラム、約50ナノグラム~約10ナノグラム、または約50ナノグラム~約25ナノグラムの量を含む。いくつかの実施形態では、RNAまたはDNAなどの核酸を含む細胞材料の量は、約1マイクログラム、約100ピコグラム~約500ピコグラム、約200ピコグラム~約500ピコグラム、約500ピコグラム~約1ナノグラム、約500ピコグラム~約500ナノグラム、または約1ナノグラム~約500ナノグラムの量を含む。
【0104】
さらなるまたは付加的な実施形態では、RNAまたはDNAなどの核酸を含む細胞材料の量は、約1グラム未満、約500マイクログラム未満、約490マイクログラム未満、約480マイクログラム未満、約470マイクログラム未満、約460マイクログラム未満、約450マイクログラム未満、約440マイクログラム未満、約430マイクログラム未満、約420マイクログラム未満、約410マイクログラム未満、約400マイクログラム未満、約390マイクログラム未満、約380マイクログラム未満、約370マイクログラム未満、約360マイクログラム未満、約350マイクログラム未満、約340マイクログラム未満、約330マイクログラム未満、約320マイクログラム未満、約310マイクログラム未満、約300マイクログラム未満、約290マイクログラム未満、約280マイクログラム未満、約270マイクログラム未満、約260マイクログラム未満、約250マイクログラム未満、約240マイクログラム未満、約230マイクログラム未満、約220マイクログラム未満、約210マイクログラム未満、約200マイクログラム未満、約190マイクログラム未満、約180マイクログラム未満、約170マイクログラム未満、約160マイクログラム未満、約150マイクログラム未満、約140マイクログラム未満、約130マイクログラム未満、約120マイクログラム未満、約110マイクログラム未満、約100マイクログラム未満、約90マイクログラム未満、約80マイクログラム未満、約70マイクログラム未満、約60マイクログラム未満、約50マイクログラム未満、約20マイクログラム未満、約10マイクログラム未満、約5マイクログラム未満、約1マイクログラム未満、約750ナノグラム未満、約500ナノグラム未満、約250ナノグラム未満、約150ナノグラム未満、約100ナノグラム未満、約50ナノグラム未満、約25ナノグラム未満、約15ナノグラム未満、約1ナノグラム未満、約750ピコグラム未満、約500ピコグラム未満、約250ピコグラム未満、約100ピコグラム未満、約50ピコグラム未満、約25ピコグラム未満、約15ピコグラム未満、または約1ピコグラム未満である。
【0105】
いくつかの実施形態では、採取された皮膚サンプルから単離されたRNAは、例えば標的遺伝子を富化するためのPCRによる増幅のために、cDNAへと逆転写される。これら標的遺伝子の発現レベルは、遺伝子発現検査で量的PCRにより定量される。いくつかの例では、量的PCRと組み合わせてコンピュータ上で実行されるソフトウェアプログラムを利用し、採取した皮膚サンプルから単離したRNAを定量する。いくつかの例では、このソフトウェアプログラムまたはモジュールは、皮膚サンプルから遺伝子発現シグネチャまでRNAの量を関連づけるために利用され、前記遺伝子発現シグネチャは皮膚癌などの疾患に関連する。いくつかの実施形態では、前記ソフトウェアプログラムまたはモジュールは、遺伝子発現レベルに基づいてサンプルをスコアリングする。いくつかの実施形態では、統計的有意差が遺伝子発現シグネチャと疾患との間にあるかどうか断定するために、サンプル・スコアは参考見本スコアと比較される。
【0106】
いくつかの例では、皮膚の層は表皮、真皮、または下皮を含む。表皮の外部層は角質層であり、その後に淡明層、果粒層、有棘層、および基底層が続く。いくつかの例では、皮膚サンプルは表皮層から得られる。場合によっては、皮膚サンプルは角質層から得られる。いくつかの例では、皮膚サンプルは真皮から得られる。
【0107】
いくつかの例では、角質層由来の細胞が得られ、該細胞は角化細胞を含む。場合によっては、黒色素細胞は皮膚サンプルから得られない。
【0108】
生体サンプルから核酸を抽出した後、いくつかの例では核酸がさらに精製される。いくつかの例では、前記核酸はRNAである。いくつかの例では、前記核酸はDNAである。いくつかの例では、前記RNAはヒトRNAである。いくつかの例では、前記DNAはヒトDNAである。いくつかの例では、前記RNAは微生物RNAである。いくつかの例では、前記DNAは微生物DNAである。いくつかの例では、ヒト核酸および微生物核酸は、同じ生体サンプルから精製される。いくつかの例では、核酸は、核酸精製スキームに基づいてカラムまたはレジンを用いて精製される。いくつかの例では、この技術は、核酸を制限するための表面積を含む支持部(support)を利用する。いくつかの例では、前記支持部はガラス、シリカ、ラテックス、または高分子材料で作られている。いくつかの例では、前記支持部は球状ビーズを含む。
【0109】
核酸を単離する方法は、ある実施形態では、球状ビーズを使用する工程を含む。いくつかの例では、前記ビーズは、核酸を単離するための材料を含む。ビーズを使用して核酸を単離するための典型的な材料として、ガラス、シリカ、ラテックス、および高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、前記ビーズは磁性である。いくつかの例では、前記ビーズはシリカコーティングされる。いくつかの例では、前記ビーズはシリカコーティングされた磁気ビーズである。いくつかの例では、球状ビーズの直径は、少なくともまたは約0.5um、1um、1.5um、2um、2.5um、3um、3.5um、4um、4.5um、5um、5.5um、6um、6.5um、7um、7.5um、8um 8.5um、9um 9.5um、10um、または10umより大きい。
【0110】
場合によっては、本明細書に記載される方法を使用して得られる核酸産物の収量は、約500ピコグラム以上、約600ピコグラム以上、約1000ピコグラム以上、約2000ピコグラム以上、約3000ピコグラム以上、約4000ピコグラム以上、約5000ピコグラム以上、約6000ピコグラム以上、約7000ピコグラム以上、約8000ピコグラム以上、約9000ピコグラム以上、約10000ピコグラム以上、約20000ピコグラム以上、約30000ピコグラム以上、約40000ピコグラム以上、約50000ピコグラム以上、約60000ピコグラム以上、約70000ピコグラム以上、約80000ピコグラム以上、約90000ピコグラム以上、または約100000ピコグラム以上である。
【0111】
場合によっては、本明細書に記載される方法を使用して得られる核酸産物の収量は、約100ピコグラム、500ピコグラム、600ピコグラム、700ピコグラム、800ピコグラム、900ピコグラム、1ナノグラム、5ナノグラム、10ナノグラム、15ナノグラム、20ナノグラム、21ナノグラム、22ナノグラム、23ナノグラム、24ナノグラム、25ナノグラム、26ナノグラム、27ナノグラム、28ナノグラム、29ナノグラム、30ナノグラム、35ナノグラム、40ナノグラム、50ナノグラム、60ナノグラム、70ナノグラム、80ナノグラム、90ナノグラム、100ナノグラム、500ナノグラム、またはそれ以上である。
【0112】
場合によっては、本明細書に記載される方法は、10%未満、8%未満、5%未満、2%未満、1%未満、または0.5%未満のサンプル間の産物収量変動をもたらす。
【0113】
場合によっては、本明細書に記載される方法は、核酸産物の実質的に均質な集団を提供する。
【0114】
場合によっては、本明細書に記載される方法は、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、8%未満、5%、2%未満、1%未満、または0.5%未満の不純物をもたらす。
【0115】
いくつかの例では、抽出後に核酸は保管される。いくつかの例では、核酸は水、トリス緩衝液、またはトリスEDTA緩衝液に保管されてから、分析される。いくつかの例では、この保管は8℃未満で行われる。いくつかの例では、この保管は4℃未満で行われる。ある実施形態では、この保管は0℃未満で行われる。いくつかの例では、この保管は-20℃未満で行われる。ある実施形態では、この保管は-70℃未満で行われる。いくつかの例では、核酸は、約1、2、3、4、5、6、または7日間保管される。いくつかの例では、核酸は、約1、2、3、または4週間保管される。いくつかの例では、核酸は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12か月間保管される。
【0116】
いくつかの例では、本明細書に記載される方法を使用して単離された核酸は、単離および精製後に増幅反応にかけられる。いくつかの例では、増幅される核酸は、ヒトRNAおよびヒト微生物RNAを含むがこれらに限定されないRNAである。いくつかの例では、増幅される核酸は、ヒトDNAおよびヒト微生物DNAを含むがこれらに限定されないDNAである。非限定的な増幅反応として、量的PCR(qPCR)、自家持続配列複製、転写増幅システム、Qβレプリカーゼ、ローリングサークル複製、または当該技術分野で既知の他のあらゆる核酸増幅が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、この増幅反応はPCRである。いくつかの例では、この増幅反応はqPCRなど量的なものである。
【0117】
本明細書には、生体サンプルから単離された核酸から対象の1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する方法が提供される。いくつかの例では、発現レベルは増幅反応後に検出される。いくつかの例では、前記核酸はRNAである。いくつかの例では、前記RNAはヒトRNAである。いくつかの例では、前記RNAは微生物RNAである。いくつかの例では、前記核酸はDNAである。いくつかの例では、前記DNAはヒトDNAである。いくつかの例では、前記DNAは微生物DNAである。いくつかの例では、前記発現レベルはPCRを使用して求められる。いくつかの例では、前記発現レベルレベルはqPCRを使用して求められる。いくつかの例では、前記発現レベルはマイクロアレイを使用して求められる。いくつかの例では、前記発現レベルはシーケンシングにより求められる。
【0118】
特定の用語
別段の定めのない限り、本明細書で使用される技術用語と科学用語はすべて、主張される発明特定事項が属する当該技術分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を持つ。詳細な記載は例示的かつ説明的なものに過ぎず、主張される発明特定事項を制限するものではないことを理解されたい。本出願では、単数形の使用は、特に別記しない限り複数を含む。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に定めていない限り、複数の指示対象を含む。本出願では、「または」の使用は、特に明記しない限り「および/または」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、制限はない。
【0119】
本発明の様々な特徴は単一の実施形態の文脈に記載されてもよいが、それらの特徴は個別に、または任意の適切な組み合わせで提供されてもよい。反対に、本発明は明確性のために別個の実施形態の観点から本明細書に記載されてもよいが、本発明は単一の実施形態でも実施されてもよい。
【0120】
本明細書における「いくつかの実施形態」、「実施形態」、「一実施形態」、または「他の実施形態」への言及は、その実施形態と関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態には含まれていないことを意味する。
【0121】
本明細書で使用されるように、範囲および量は、「およその(about)」特定の値または範囲として表すことができる。「約」は正確な量も含んでいる。したがって、「約5μL」は、「約5μL」と「5μL」も意味する。全体として用語「約」は、実験誤差内にあると予想される量を含んでいる。
【0122】
本明細書に使用されるセクションの見出しは、単に構成上の目的のためであり、記載される主題を制限すると解釈されるものではない。
【0123】
本明細書で使用されるように、用語「個体」、「被験体」、および「患者」は任意の哺乳動物を意味する。いくつかの実施形態では、前記哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトではない。いかなる用語も、保健従事者(例えば、医師、正看護師、臨床看護師、医師助手、看護助手、またはホスピスの職員)の監督(例えば、常時または断続的)を特徴とする状況には制限されない。
【0124】
マーカー
【0125】
C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)は小型誘導性(small Inducible)サイトカインサブファミリーA(Cys-Cys)、メンバー20、MIP3A、またはST38としても知られるとともに、小型サイトカインCC遺伝子のファミリーのメンバーであり、それらの産物は2つの隣接するシステインを特徴とする。CCL20は、骨髄性前駆細胞(progenitor)の増殖を抑制できる、リンパ球に対する走化性活性を持つタンパク質をコードする。いくつかの例では、CCL20は遺伝子ID:6364を有する。
【0126】
C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)はケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1、線維芽細胞分泌タンパク質、またはGRO1として知られるとともに、ケモカインのCXCサブファミリー中のタンパク質をコードする。CXCL1は、Gタンパク質結合受容体、CXC受容体2を介してシグナル伝達を行う、分泌された成長因子をコードする。いくつかの例では、CXCL1は遺伝子ID:2919を有する。
【0127】
C-X-Cモチーフケモカインリガンド5(CXCL5)は小型誘導性サイトカインサブファミリーB(Cys-X-Cys)、メンバー5、ENA-78、またはSCYB5としても知られるとともに、ケモカインのCXCサブファミリー中のタンパク質をコードする。コードされたタンパク質は、Gタンパク質結合受容体ケモカイン(C-X-Cモチーフ)受容体2に結合すると好中球を動員し、血管新生を促進し、結合組織を作り変えると提唱されている。いくつかの例では、CXCL5は遺伝子ID:6374を有する。
【0128】
デフェンシンβ4A(DEFB4A)はデフェンシンβ4、HBD-2、またはSAP1としても知られるとともに、好中球により作られた殺菌性および細胞毒性ペプチドのファミリーの一部である。コードされたタンパク質、デフェンシン、β4は、炎症により局所的に調節される抗菌性ペプチドである。いくつかの例では、DEFB4Aは遺伝子ID:1673を有する。
【0129】
インターフェロンγ(IFN-γ)はIFN-γすなわち免疫インターフェロンとしても知られるとともに、II型インターフェロンクラスの一部である。コードされたタンパク質は、インターフェロンγ受容体に結合するとウイルス感染症および微生物感染症への細胞応答を誘発するホモ二量体である。いくつかの例では、IFNGは遺伝子ID:3458を有する。
【0130】
インターロイキン17A(IL-17A)はIL-17、CTLA-8、または細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質8としても知られるとともに、活性化T細胞により産生される炎症促進性サイトカインである。このサイトカインは、NF-κBおよび分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼの活性を調節し、IL6およびシクロオキシゲナーゼ-2(PTGS2/COX-2)の発現を刺激するほか、一酸化窒素(NO)の産生を向上させることができる。いくつかの例では、IL-17Aは遺伝子ID:3605を有する。
【0131】
インターロイキン17C(IL-17C)はサイトカインCX2としても知られるとともに、IL17との配列類似性を共有するT細胞由来のサイトカインである。このサイトカインは、単球細胞株から腫瘍壊死因子αおよびインターロイキン1βを放つ。このサイトカインの発現は活性化T細胞に制限される。いくつかの例では、IL-17Cは遺伝子ID:27189を有する。
【0132】
インターロイキン17F(IL-17F)はサイトカインML-1またはCANDF6としても知られるとともに、IL17との配列類似性を共有するサイトカインである。このサイトカインは活性化T細胞により発現され、IL6、IL8、およびCSF2/GM_CSFを含む他の様々なサイトカインの産生を刺激する。このサイトカインはまた、内皮細胞の血管新生を阻害し、内皮細胞を誘導してIL2、TGFB1/TGFB、および単球走化性タンパク質-1を産生する。いくつかの例では、IL-17Fは遺伝子ID:112744を有する。
【0133】
インターロイキン17受容体A(IL-17RA)はCDw217またはIL17Rとしても知られるとともに、活性化されたTリンパ球により分泌される炎症性サイトカインである。これは、CD34陽性造血前駆体の好中球への成熟に対する強力な誘導物質である。この遺伝子(インターロイキン17A受容体;IL17RA)によりコードされた膜貫通タンパク質は、インターロイキン17Aへの低親和性で結合する遍在性のI型膜糖タンパク質である。インターロイキン17Aおよびその受容体は、関節リウマチなどの多くの炎症性疾患および自己免疫疾患において病原的な役割を果たす。いくつかの例では、IL-17RAは遺伝子ID:23765を有する。
【0134】
インターロイキン17受容体C(IL-17RC)はZcytoR14、IL17Rhom、インターロイキン-17受容体様タンパク質、またはCANDF9としても知られるとともに、インターロイキン-17受容体(IL-17RA)との類似性を共有する単回(single-pass)I型膜タンパク質をコードする。このタンパク質は非造血組織に発現され、同様の親和性でIL-17AおよびIL-17Fの両方に結合する。異なるアイソフォームをコードする代替的にスプライシングされた複数の転写変異体はこの遺伝子に検出されており、膜貫通ドメインおよび細胞内を欠いた可溶性の分泌タンパク質は、サイトカインシグナル伝達の細胞外アンタゴニストとして機能することもある。いくつかの例では、IL-17RCは遺伝子ID:84818を有する。
【0135】
インターロイキン22(IL-22)はサイトカインZcyto18、IL-TIF、IL-D110、またはTIFaとしても知られるとともに、細胞炎症反応を誘発するサイトカインのIL10ファミリーのメンバーである。コードされたタンパク質は、粘膜表面での抗菌的な防御、および組織修復において機能する。このタンパク質はまた、炎症促進性特性を有しており、様々な腸疾患の病因において役割を果たす。いくつかの例では、IL-22は遺伝子ID:50616を有する。
【0136】
インターロイキン23サブユニットα(IL-23A)はIL-23、SGRF、またはP19としても知られるとともに、ヘテロ二量体サイトカインインターロイキン23(IL23)のサブユニットをコードする。IL23は、このタンパク質と、インターロイキン12(IL12B)のp40サブユニットとで構成される。IL23の受容体は、IL12(IL12RB1)のβ1サブユニット、およびIL23の特異的なサブユニットIL23Rにより形成される。IL23およびIL12の両方は、転写活性化因子STAT4を活性化し、インターフェロンγ(IFNG)の産生を刺激することができる。主としてナイーブなCD4(+)T細胞に作用するIL12とは対照的に、IL23は、優先的に記憶CD4(+)T細胞に作用する。いくつかの例では、IL-23Aは遺伝子ID:51561を有する。
【0137】
インターロイキン24(IL-24)はST16、MDA7、IL10B、またはC49Aとしても知られるとともに、サイトカインのIL10ファミリーのメンバーをコードする。これは、黒色腫細胞における末端分化中に誘導される遺伝子として同定される。この遺伝子によりコードされるタンパク質は、様々な癌細胞にアポトーシスを選択的に誘導することができる。この遺伝子の過剰発現により様々なGADDファミリー遺伝子の発現が上昇する。このことはアポトーシスの誘導と関連する。分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ14(MAPK7/P38)、および熱ショック27kDaタンパク質1(HSPB2/HSP27)のリン酸化は、正常な不死黒色素細胞ではなく、黒色腫細胞中のこの遺伝子によって誘導されることが分かっている。いくつかの例では、IL-24は遺伝子ID:11009を有する。
【0138】
インターロイキン26(IL-26)はAK155としても知られるとともに、ヘルペスウイルス・サイミリで形質転換されたT細胞における特異的な過剰発現により同定された。コードされたタンパク質は、サイトカインのIL10ファミリーのメンバーである。これは分泌タンパク質であり、ホモ二量体として機能する場合がある。このタンパク質は、ヘルペスウイルス・サイミリによる感染後にT細胞の形質転換表現型に起因すると考えられる。いくつかの例では、IL-26は遺伝子ID:55801を有する。
【0139】
インターロイキン31(IL-31)はIL-31としても知られ、主に活性化Th2型T細胞により作られるとともに、上皮細胞および角化細胞上で構成的に発現されるIL31RA(MIM 609510)およびOSMR(MIM 601743)から成るヘテロ二量体受容体と相互に作用する。IL31は、アレルギー性皮膚病の促進、および喘息などのその他アレルギー性疾患の調節に関係する場合がある。いくつかの例では、IL-31は遺伝子ID:386653を有する。
【0140】
インターロイキン33(IL-33)はDVS27関連タンパク質、C9orf26、IL1F11、またはNFEHEVとしても知られるとともに、IL1RL1/ST2受容体に結合するサイトカインであるタンパク質をコードする。コードされたタンパク質は、Th2細胞の成熟、ならびに肥満細胞、好塩基性細胞、好酸球、およびナチュラルキラー細胞の活性化に関係する。異なるアイソフォームをコードする様々な転写変異体が、この遺伝子に見出されている。いくつかの例では、IL-33は遺伝子ID:90865を有する。
【0141】
インターロイキン5(IL-5)は好酸球分化因子、T細胞置換因子、B細胞分化因子I、TRF、またはEDFとしても知られるとともに、B細胞と好酸球両方に対する成長因子および分化因子として作用するサイトカインをコードする。コードされたサイトカインは、好酸球形成、成熟、動員、および生存の調節において重要な役割を果たす。このサイトカインの産生増加は、好酸球依存性炎症性疾患の病因に関連する場合がある。このサイトカインは、ヘテロ二量体である受容体に結合することで機能する。前記ヘテロ二量体のβサブユニットは、インターロイキン3(IL3)およびコロニー刺激因子2(CSF2/GM-CSF)の受容体と共有される。いくつかの例では、IL-5は遺伝子ID:3567を有する。
【0142】
インターロイキン6(IL-6)はB細胞刺激因子2、CTL分化因子、ハイブリドーマ成長因子、またはIFNβ-2としても知られるとともに、炎症およびB細胞の成熟に機能するサイトカインをコードする。加えて、コードされたタンパク質は、自己免疫疾患または感染症を患う被験体に熱を引き起こし得る内因発熱因子である。このタンパク質はまず急性慢性炎症の部位にて産生され、そこでは、タンパク質は血清へと分泌され、インターロイキン6受容体αを介して転写炎症反応を誘導する。この遺伝子の機能は、真性糖尿病および全身性若年性関節リウマチに対する感度を含む、種々様々な炎症関連疾患状態に関与する。いくつかの例では、IL-6は遺伝子ID:3569を有する。
【0143】
インターロイキン8(IL-8)はCXCモチーフケモカインリガンド8、GCP-1、またはNAP-1としても知られるとともに、CXCケモカインファミリーのメンバーおよび炎症反応の主要媒介物質であるタンパク質をコードする。コードされたタンパク質はまず好中球により分泌され、そこでは、タンパク質は感染症部位に好中球を誘導することにより白血球遊走因子として機能する。このケモカインは強力な血管新生因子でもある。この遺伝子は、毛細気管支炎、すなわちウイルス感染により引き起こされる一般的な呼吸器疾患の病因において役割を果たすと考えられる。いくつかの例では、IL-8は遺伝子ID:3576を有する。
【0144】
リポカリン2(LCN2)はNGAL、P25、または24p3としても知られるとともに、リポカリンファミリーに属するタンパク質をコードする。このファミリーのメンバーは、脂質、ステロイドホルモン、およびレチノイドなどの疎水性小分子を運ぶ。この遺伝子によりコードされるタンパク質は好中球ゼラチナーゼ関連リポカリンであり、鉄含有ヘモジデリン貧食細胞の捕捉の結果として細菌増殖を制限することにより自然免疫において役割を果たす。いくつかの例では、LCN2は遺伝子ID:3934を有する。
【0145】
S100カルシウム結合タンパク質A7(S100A7)はPSOR1またはPsoriasinとしても知られるとともに、2つのEFハンドカルシウム結合モチーフを含むタンパク質のS100ファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする。S100タンパク質は、広範囲の細胞の細胞質および/または核に局在化され、かつ細胞周期の進行や分化などの多数の細胞プロセスの調節に関与する。このタンパク質は、過剰増殖性皮膚病で過剰発現され、細菌に対する抗菌活性を示し、免疫修飾物質活性を誘導する。いくつかの例では、S100A7は遺伝子ID:6278を有する。
【0146】
S100カルシウム結合タンパク質A9(S100A9)はMRP-14、CAGB、またはL1AGとしても知られるとともに、2つのEFハンドカルシウム結合モチーフを含むタンパク質のS100ファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする。S100タンパク質は、広範囲の細胞の細胞質および/または核に局在化され、かつ細胞周期の進行や分化などの多数の細胞プロセスの調節に関与する。S100遺伝子は、クラスターとして染色体1q21に位置する少なくとも13のメンバーを含む。この抗菌性タンパク質は抗真菌活性と抗菌活性を呈する。いくつかの例では、S100A9は遺伝子ID:6280を有する。
【0147】
腫瘍壊死因子(TNF)はTNFα、カケクチン、またはDIFとしても知られるとともに、腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーに属する多機能性炎症促進性サイトカインをコードする。このサイトカインは主としてマクロファージにより分泌される。前記サイトカインは、その受容体TNFRSF1A/TNFR1およびTNFRSF1B/TNFBRに結合し、かつ前記受容体を介して機能する。このサイトカインは、細胞増殖、分化、アポトーシス、脂質代謝、および凝結を含む生物学的プロセスの広域スペクトルの調節に関係する。このサイトカインは、自己免疫疾患、インスリン抵抗性、および癌を含む様々な疾患に関与している。いくつかの例では、TNFは遺伝子ID:7124を有する。
【0148】
TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNF RSF1A)はTNF-R1、P55、P60、またはCD120aの各抗原としても知られるとともに、タンパク質のTNF受容体スーパーファミリーのメンバーをコードする。コードされた受容体は、そのリガンドである腫瘍壊死因子αの膜結合型形態および可溶性形態それぞれと相互作用する、膜結合型形態および可溶性形態に見出される。膜結合型受容体への膜結合型腫瘍壊死因子αの結合は、受容体の三量体化および活性化を誘導する。これらは細胞生存、アポトーシス、および炎症において役割を果たす。コードされた受容体のタンパク質分解処理の結果、受容体の可溶性形態が放出される。これは遊離腫瘍壊死因子αと相互作用して炎症を阻害することができる。この遺伝子の突然変異はさらに、ヒト患者の多発性硬化症に関連する場合がある。いくつかの例では、TNFRSF1Aは遺伝子ID:7132を有する。
【0149】
胸腺間質性リンホポエチン(TSLP)は胸腺間質性リンホポエチン受容体およびIL-7Rα鎖で構成されるヘテロ二量体受容体複合体を介してシグナルに提供される造血サイトカインをコードする。TSLPは主として骨髄性細胞に影響を及ぼし、単球からT細胞誘引(attracting)ケモカインの放出を誘導して、CD11c(+)樹状細胞の成熟を増強する。タンパク質は、喘息、アレルギー性炎症、および慢性閉塞性肺疾患を含む様々な炎症性疾患における免疫性に関連するTヘルパー2型(TH2)細胞応答を促進する。いくつかの例では、TSLPは遺伝子ID:85480を有する。
【0150】
C-Cモチーフケモカインリガンド17(CCL17)は小型誘導性サイトカインA17、TARC、またはABCD-2としても知られるとともに、染色体16のqアームに対してクラスターとなった様々なCys-Cys(CC)サイトカイン遺伝子の1つである。CCサイトカインは、2つの隣接するシステインを特徴とするタンパク質である。この遺伝子によりコードされるサイトカインは、単球または顆粒球ではなく、Tリンパ球に対して走化性活性を示す。この遺伝子産物はケモカイン受容体CCR4およびCCR8に結合する。このケモカインは、胸腺でのT細胞発達のほか、成熟T細胞の輸送と活性化においても重要な役割を果たす。いくつかの例では、TSLPは遺伝子ID:85480を有する。
【0151】
C-Cモチーフケモカインリガンド18(CCL18)はSCYA18、CD-CK1、またはAMAC1としても知られるとともに、染色体17のqアームに対してクラスターとなった様々なCys-Cys(CC)サイトカイン遺伝子の1つである。CCサイトカインは、2つの隣接するシステインを特徴とするタンパク質である。この遺伝子によりコードされるサイトカインは、単球または顆粒球ではなく、ナイーブなT細胞、CD4+およびCD8+T細胞、ならびに非活性化リンパ球に対して走化性活性を示す。このケモカインは、リンパ節中の樹状細胞および活性化マクロファージの方へとナイーブなTリンパ球を引きつける。いくつかの例では、CCL18は遺伝子ID:6362を有する。
【0152】
C-Cモチーフケモカインリガンド19(CCL19)はCKβ-11、Exodus-3、またはMIP3Bとしても知られるとともに、染色体9のpアームに対してクラスターとなった様々なCCサイトカイン遺伝子の1つである。CCサイトカインは、2つの隣接するシステインを特徴とするタンパク質である。この遺伝子によりコードされるサイトカインは、正常なリンパ球の再循環およびホーミングにおいて役割を果たす場合がある。このサイトカインはまた、胸腺中のT細胞の輸送、ならびに、二次リンパ器官へのT細胞およびB細胞の移動において重要な役割を果たす。これは特異的にケモカイン受容体CCR7に結合する。いくつかの例では、CCL19は遺伝子ID:6363を有する。
【0153】
C-Cモチーフケモカインリガンド(CCL26)はマクロファージ炎症性タンパク質4α、Eotaxin-3、またはSCYA26としても知られるとともに、染色体7のqアームに対してクラスターとなった様々なCys-Cys(CC)サイトカイン遺伝子の1つである。CCサイトカインは、2つの隣接するシステインを特徴とするタンパク質である。この遺伝子によりコードされるサイトカインは、正常な末梢血好酸球および好塩基球に対して走化性活性を示す。この遺伝子産物は、ケモカイン受容体CCR3を特異的に活性化する3つの関連するケモカインの1つである。このケモカインは、アトピー性疾患における好酸球蓄積の一因となる場合がある。いくつかの例では、CCL26は遺伝子ID:10344を有する。
【0154】
C-Cモチーフケモカインリガンド(CCL27)はSkinkine、IL-11、Ralpha-Locusケモカイン、またはCTACKとしても知られるとともに、染色体9のpアームに対してクラスターとなった様々なCCサイトカイン遺伝子の1つである。CCサイトカインは、2つの隣接するシステインを特徴とするタンパク質である。この遺伝子によりコードされるタンパク質は、皮膚関連の記憶Tリンパ球に対して走化性である。このサイトカインはまた、皮膚部へ位のリンパ球のホーミングの媒介において役割を果たす場合がある。前記サイトカインはケモカイン受容体10(CCR10)に特異的に結合する。同様のマウスタンパク質に対する試験では、これらタンパク質受容体相互作用はT細胞媒介性皮膚炎において極めて重要な役割を持つことが示されている。いくつかの例では、CCL27は遺伝子ID:10850を有する。
【0155】
C-X-Cモチーフケモカインリガンド10(CXCL10)はγIP10、SCYB10、またはCrg-2としても知られるとともに、受容体CXCR3に対してCXCサブファミリーおよびリガンドのケモカインをコードする。CXCR3へのこのタンパク質の結合の結果、単球、ナチュラルキラー細胞、およびT細胞移動の刺激、ならびに接着分子発現の調節を含む、多面的効果がもたらされる。いくつかの例では、CXCL10は遺伝子ID:3627を有する。
【0156】
C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)はβ-R1、SCYB11、またはITACとしても知られるとともに、ケモカインスーパーファミリーのCXCメンバーである。そのコードされたタンパク質は、活性化T細胞中の走化性反応を誘導し、CXC受容体-3に対する有力なリガンドである。IFN-γはこの遺伝子転写の強力な誘導物質である。いくつかの例では、CXCL11は遺伝子ID:6373を有する。
【0157】
C-X-Cモチーフケモカインリガンド9(CXCL9)は小型誘導性サイトカインB9、SCYB9、Crg-10、またはHuMIGとしても知られるとともに、T細胞輸送に関係すると考えられるタンパク質をコードする。コードされたタンパク質は、C-X-Cモチーフケモカイン3に結合して、好中球ではなくリンパ球に対する化学遊走物質である。いくつかの例では、CXCL9は遺伝子ID:4283を有する。
【0158】
インターロイキン13(IL-13)は主に活性化Th2細胞により産生される免疫調節サイトカインをコードする。このサイトカインは、B細胞の成熟と分化の様々な段階に関係する。前記サイトカインは、CD23およびMHCクラスII発現をアップレギュレートし、B細胞のIgEアイソタイプスイッチングを促進する。このサイトカインはマクロファージ活性をダウンレギュレートし、それにより炎症促進性サイトカインおよびケモカインの産生を阻害する。このサイトカインは、アレルゲン誘導性喘息の病因には重要なものであることが分かっているが、IgEおよび好酸球に依存しない機構を介して動作する。この遺伝子、IL3、IL5、IL4、およびCSF2は染色体5qに対してサイトカイン遺伝子クラスターを形成し、この遺伝子は特にIL4に近い。いくつかの例では、IL-13は遺伝子ID:3596を有する。
【0159】
インターロイキン13受容体(IL-13R)はインターロイキン-13に結合するI型サイトカイン受容体である。これは、IL13RA1およびIL4Rそれぞれによりコードされる2つのサブユニットから成る。これら2つの遺伝子は、タンパク質IL-13Rα1およびIL-4Rαをコードする。これらは、IL-13Rα1鎖に結合するIL-13を含む二量体を形成し、IL-4Rαはこの相互作用を安定させる。
【0160】
インターロイキン4(IL-4)はリンパ球刺激因子1、BCGF-1、またはBSF1としても知られるとともに、活性化T細胞により産生される多面発現性サイトカインであるタンパク質をコードする。このサイトカインはインターロイキン4受容体のリガンドである。インターロイキン4受容体はIL13にも結合し、IL13は、このサイトカインおよびIL13の多くの重複機能に寄与する場合がある。STAT6、すなわち転写のシグナル変換物質および活性化因子は、このサイトカインの免疫調節シグナルの媒介において中心的な役割を果たすと示されている。この遺伝子、IL3、IL5、IL13、およびCSF2は染色体5qに対してサイトカイン遺伝子クラスターを形成し、この遺伝子は特にIL13に近い。この遺伝子、IL13およびIL5は、染色体上の120キロベースを超える範囲内で様々な長距離調節要素により同等に調節されることが分かっている。いくつかの例では、IL-4は遺伝子ID:3565を有する。
【0161】
一酸化窒素合成酵素2(NOS2)は誘導性NOS2または肝細胞NOSとしても知られるとともに、肝臓に発現され、かつリポ多糖とあるサイトカインとの組み合わせにより誘導可能な一酸化窒素合成酵素をコードする。いくつかの例では、NOS2は遺伝子ID:4843を有する。
【0162】
S100カルシウム結合タンパク質A8(S100A8)は白血球L1複合体軽鎖、膵嚢胞性線維症抗原、またはカルグラニュリンAとしても知られるとともに、2つのEFハンドカルシウム結合モチーフを含むタンパク質のS100ファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする。このタンパク質は、カゼインキナーゼの阻害において、およびサイトカインとして機能する場合がある。このタンパク質の改質発現は、嚢胞性繊維症に関連する。いくつかの例では、S100A8は遺伝子ID:6279を有する。
【0163】
アデノシンデアミナーゼ、RNA特異的(ADAR)はインターフェロン誘導性タンパク質4、K88DSRBP、またはP136としても知られるとともに、アデノシンの部位特異的脱アミノ化によるRNA編集の原因である酵素をコードする。この酵素は、イノシンへのアデノシンの変換を介して二本鎖RNAを不安定化する。この遺伝子中の突然変異は遺伝性対側性色素異常症に関連している。いくつかの例では、ADARは遺伝子ID:103を有する。
【0164】
オートファジー関連5(ATG5)はアポトーシス特異的タンパク質、APG5l、またはHAPG5としても知られるとともに、オートファジータンパク質12と組み合わせて、ユビキチン様抱合系においてE1様活性化酵素として機能するタンパク質をコードする。コードされたタンパク質は、自己貪食性小胞形成、酸化的損傷後のミトコンドリアの品質制御、先天性抗ウイルス性免疫応答の負調節、リンパ球の発達と成長、MHCII抗原提示、脂肪細胞分化、およびアポトーシスを含む、様々な細胞のプロセスに関係する。いくつかの例では、ATG5は遺伝子ID:9474を有する。
【0165】
C-Cモチーフケモカインリガンド5(CCL5)はSIS-δ、好酸球走化性サイトカイン、またはTCP228としても知られるとともに、染色体17のqアームに対してクラスターとなった様々なケモカイン遺伝子の1つである。このケモカイン、CCサブファミリーのメンバーは、血中単球、記憶Tヘルパー細胞、および好酸球のための化学遊走物質として機能する。前記ケモカインは、好塩基球からのヒスタミンの放出を引き起こし、好酸球を活性化する。このサイトカインは、CD8+細胞により産生される主要なHIV抑制因子の1つである。これは、ケモカイン受容体ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体5(CCR5)のための天然リガンドの1つとして機能するとともに、共受容体としてCCR5を使用するHIV-1のR5株のインビトロ複製を抑制する。いくつかの例では、CCL5は遺伝子ID:6352を有する。
【0166】
タンパク質のインターフェロン誘導性p200ファミリー(IFI’s)は、インターフェロン(IFN)により誘導される遺伝子産物である。このファミリー中のタンパク質は、IFI-16、骨髄性細胞核分化抗原(MNDA)を含むヒト同族体と著しい相同性を共有するが、および黒色腫(AIM)2には存在しない。p200タンパク質は、Rbおよびp53などの多数の転写因子の活性と相互作用し、かつ前記活性を調節する能力に基づいて、細胞周期の調節および分化に関与している。
【0167】
テトラトリコペプチドリピートを備えたインターフェロン誘導性タンパク質(IFIT’s)は、ウイルス感染症に対する免疫性を付与する。これらタンパク質は全体として、ウイルス感染、インターフェロン(IFN)処置、および感染中の免疫系による病原体認識(病原体関連分子パターンの認識)の間に産生される。
【0168】
インターフェロンα1(IFNA1)はインターフェロンα-D、IFNA13、またはLelFDとしても知られるとともに、マクロファージにより産生され、かつ抗ウイルス活性を持つタンパク質をコードする。いくつかの例では、IFNA1は遺伝子ID:3439を有する。
【0169】
インターフェロンα2(IFNA2)はα-2aインターフェロン、IFN2B、またはIFNA2Cとしても知られるとともに、染色体9上のαインターフェロン遺伝子クラスターのメンバーである。コードされたタンパク質は、ウイルス感染に反応して産生されるサイトカインである。このタンパク質の組み換え形態の使用は、風邪の症状および持続期間を減らすのに効果的であると示されている。いくつかの例では、IFNA2は遺伝子ID:3440を有する。
【0170】
インターフェロンα4(IFNA4)はインターフェロンα-4B、インターフェロンα-M1、またはインターフェロンα-76としても知られるとともに、タンパク質コード遺伝子である。IFNA4に関連する疾患として狂犬病が挙げられる。その関連経路の中では、免疫系におけるIFN-α/β経路およびサイトカインシグナル伝達のRIG-I/MDA5媒介性誘導が存在する。いくつかの例では、IFNA4は遺伝子ID:3441を有する。
【0171】
インターフェロンαおよびβ受容体サブユニット1(IFNAR1)はサイトカイン受容体クラスIIのメンバー1、IFN-R-1、またはAVPとしても知られるとともに、インターフェロンαおよびβに対する受容体の2つの鎖のうち1つを形成するI型膜タンパク質であるタンパク質をコードする。受容体の結合および活性化は、ヤーヌスプロテインキナーゼを刺激する。前記ヤーヌスプロテインキナーゼは、STAT1およびSTAT2を含む様々なタンパク質を順にリン酸化する。コードされたタンパク質はさらに抗ウイルス因子として機能する。いくつかの例では、IFNAR1は遺伝子ID:3454を有する。
【0172】
インターフェロンαおよびβ受容体サブユニット(IFNAR2)はIFNABR、インターフェロンα結合タンパク質、またはIMD45としても知られるとともに、インターフェロンαおよびβに対する受容体の2つの鎖のうち1つを形成するI型膜タンパク質であるタンパク質をコードする。受容体の結合および活性化は、ヤーヌスプロテインキナーゼを刺激する。前記ヤーヌスプロテインキナーゼは、STAT1およびSTAT2を含む様々なタンパク質を順にリン酸化する。いくつかの例では、IFNAR2は遺伝子ID:3455を有する。
【0173】
インターフェロンβ1(IFNB1)は繊維芽細胞インターフェロン、IFN-β、またはIFFとしても知られるとともに、シグナル伝達タンパク質のインターフェロンファミリーに属するサイトカインをコードする。このサイトカインは、病原体への先天性免疫応答の一部として放出されられる。この遺伝子によりコードされるタンパク質は、細胞分化および抗腫瘍防御に関係する。病原体に反応した分泌の後、I型インターフェロンは、相同性受容体複合体に結合して、炎症性サイトカイン類およびケモカインをコードするものなどの遺伝子の転写を誘導する。I型インターフェロン分泌の過剰活性化は、自己免疫疾患に関連付けられる。いくつかの例では、IFNB1は遺伝子ID:3456を有する。
【0174】
インターフェロンε(IFNE)はインターフェロンTau-1またはPRO655としても知られるとともに、タンパク質コード遺伝子である。その関連する経路の中で、PEDF誘導性シグナル伝達およびJAK-STATシグナル伝達経路(KEGG)が存在する。いくつかの例では、IFNEは遺伝子ID:338376を有する。
【0175】
インターフェロンω1(IFNW1)はインターフェロンαII-1としても知られるとともに、インターフェロンでありかつ抗ウイルス活性を持つタンパク質をコードする。コードされたタンパク質は、インターフェロンγ受容体ではなくインターフェロンα/β受容体に結合する。いくつかの例では、IFNW1は遺伝子ID:3467を有する。
【0176】
インターロイキン1受容体関連キナーゼ1(IRAK1)はEC2.7.11.1またはPelleとしても知られるとともに、インターロイキン1受容体関連キナーゼ1、すなわち、刺激に際してインターロイキン1受容体(IL1R)に関連する2つの推定上のセリン/トレオニンキナーゼのうち1つをコードする。この遺伝子は、転写因子NFκBのIL1誘導性アップレギュレーションの原因の一部である。いくつかの例では、IRAK1は遺伝子ID:3654を有する。
【0177】
インターフェロン調節因子(IRF’s)はインターフェロンの転写を調節するタンパク質である。これらはJAK-STATシグナル伝達経路に使用される。IRF遺伝子の発現は、プロモーターDNAメチル化による後成的調節下で生じる。
【0178】
ケラチン(KRT’s)は、頭髪、爪、角、鉤爪、蹄、およびヒト皮膚の外部層を構成する繊維構造タンパク質のファミリーである。ケラチンはまた、上皮細胞を傷害またはストレスから保護するタンパク質である。
【0179】
2’-5’-オリゴアデニレートシンテターゼ1(OAS1)はE18/E16、OIAS、またはP46/P42 OASとしても知られるとともに、インターフェロンにより誘導され、かつ、2’,5’-オリゴアデニレート(2-5As)を合成するタンパク質をコードする。このタンパク質は潜在しているリボヌクレアーゼLを活性化する。その結果、ウイルスRNA分解およびウイルス複製の阻害が生じる。
【0180】
オステオポンチン(OPN)は骨サイアロプロテインI(BSP-1またはBNSP)、早期Tリンパ球活性化(ETA-1)、分泌リンタンパク質1(SPP1)、2ar、およびリケッチア抵抗性(Ric)としても知られるとともに、ヒトにおいてSPP1遺伝子(分泌リンタンパク質1)によりコードされるタンパク質である。いくつかの例では、SPP1は遺伝子ID:6696を有する。
【0181】
転写のシグナルトランスデューサーおよびアクチベーター4(STAT4)はSLEB11としても知られるとともに、転写因子のSTATファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする。サイトカインおよび成長因子に反応して、STATファミリーメンバーは受容体関連キナーゼによりリン酸化され、その後、転写アクチベーターとして作用する細胞核に転座するホモ二量体またはヘテロ二量体を形成する。このタンパク質は、リンパ球中のIL12に対する反応の媒介、およびTヘルパー細胞の分化の調節に必須である。この遺伝子の突然変異は、全身性エリテマトーデスおよび関節リウマチに関連する場合がある。いくつかの例では、STAT4は遺伝子ID:6775を有する。
【0182】
TNFα誘導タンパク質3(TNFAIP3)は推定上のDNA結合タンパク質A20、ジンクフィンガータンパク質A20、またはOTUD7Cとしても知られるとともに、腫瘍壊死因子(TNF)により発現が急速に誘導される遺伝子である。この遺伝子によりコードされるタンパク質はジンクフィンガータンパク質およびユビキチン編集酵素であり、NFκB活性化に加えてTNF媒介性アポトーシスも阻害すると示されている。コードされたタンパク質はユビキチンリガーゼおよび脱ユビキチン化活性の両方を有しており、サイトカイン媒介性の免疫反応と炎症反応に関係する。いくつかの例では、TNFAIP3は遺伝子ID:7128を有する。
【0183】
チロシンキナーゼ2(TYK2)は非受容体チロシンプロテインキナーゼTYK2、EC 2.7.10.2、またはIMD35としても知られるとともに、チロシンキナーゼ、より具体的にはヤヌスキナーゼ(JAK)タンパク質ファミリーのメンバーをコードする。このタンパク質は、I型およびII型サイトカイン受容体の細胞質のドメインに関連し、受容体サブユニットのリン酸化によりサイトカインシグナルを出す。前記タンパク質はまた、I型およびIII型インターフェロンシグナル伝達経路両方の成分である。そのため、前記タンパク質は抗ウイルス免疫性において役割を果たすことができる。いくつかの例では、TYK2は遺伝子ID:7297を有する。
【実施例0184】
これら実施例は例示目的のためだけに提供され、本明細書に提供される請求の範囲を制限するものではない。
【0185】
実施例1 - 乾癬に関する非侵襲的遺伝子発現解析
TNFα、IL-17A、およびIL-23の遮断により中等度から重度の乾癬を処置することに進歩が見られている。罹患した経路を
図6に表す。さらに、疾患のモニタリング、再発の予測、および処置の選択が依然として困難とされている。以下、乾癬における遺伝子発現を評価し、処置反応を予測する非侵襲的方法について記述する。
【0186】
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してサンプルを分析した。qRT-PCRアッセイのモジュール構造により、乾癬、アトピー性皮膚炎、または狼瘡を含む多数の炎症性皮膚疾病にそれを使用することが可能になった。乾癬では、このアッセイを、拡大したTH17経路に関与した20の標的に焦点を当てた。
【0187】
中等度から重度の乾癬患者からの500を超える病変および非病変粘着パッチ生検サンプルを用いて、qRT-PCRによる20の選択標的の検出、ならびに病変、非病変、および非乾癬の対照皮膚(p<0.001、n=24)の遺伝子発現シグネチャの差異を実証した。非病変サンプルからの解析は、個々の乾癬病変の疾患活性を調節し、かつ臨床的に有用な情報を提供する必要性を回避した。非病変乾癬サンプルでは、正常な皮膚と比較して、IL-17A、IL-17C、IL-17F、IL-17受容体、IL-23A、IL-22、IL-24、IL-6、IL-8、CXCL1、CXCL5、DEFB4A、LCN2、S100A7のほか、TNF-αおよびその受容体の遺伝子発現レベルは2~200倍改質された。2週間後にベースラインと比較して、イキセキズマブ(p<0.001)などの標的治療薬による治療介入により、標的遺伝子発現(IL-17Aおよび17F、TNF-α、CXCL1、ならびにCXCL5を含む)は低下した。
【0188】
結果は、病変および非病変の表皮サンプルの非侵襲的遺伝子発現解析が、乾癬における再発および処置の失敗を予測する可能性を持つ疾患活性をモニタリングする方法であることを示す。
【0189】
実施例2 - 異なる検査集団を利用した乾癬に関する非侵襲的遺伝子発現解析
本明細書に記載されるような粘着パッチベースのデバイスを使用して、非侵襲的処置により被験体(対照として健康な人、および乾癬が未処置の患者)から表皮細胞を採取した(乾癬患者から、病変と非病変両方の皮膚も採取した)。全RNAをこれらサンプルから抽出し、TaqMan RT-qPCRでのサイトカイン遺伝子発現解析に使用した。主にTh17経路において乾癬に関与する13のサイトカインのパネルを調べて、qPCRから閾値サイクル数(Ct)を通じてそれらの発現レベルを算出した。
【0190】
粘着パッチベースのデバイスにより、表皮組織をすべての被験体から採取し、全RNAを単離した(
図28A~28C)。乾癬病変には組織の乾燥薄片層を伴う厚みのある皮膚が存在することが多いため、粘着パッチサンプリングは、正常または非病変の皮膚に由来するものよりも多くの皮膚組織、したがって乾癬病変の皮膚から多くのRNA収量をもたらすことが多い。
【0191】
qPCRによる単離RNAの検査により、遺伝子発現変化の検出が可能となった。
図29A~29Fは、様々な鍵遺伝子(IL-17、IL-23、DEFB4、およびS100A9)に対する検査を示すものであり、PSORおよびNS(正常な皮膚)両方におけるそれらの発現レベルをqPCRのRNA入力の稀釈物(dilutions)と比較する。大半の標的ではPSOR皮膚に遺伝子発現の上昇(Ct値の下方移動として示される)が見られ、一方、qPCRの変化するRNA入力を伴う標的遺伝子およびハウスキーピング遺伝子ACTBにおけるCtの線形並列変化は、遺伝子発現に関する単離RNAの質と、サイトカイン遺伝子発現解析に対する現行の解析に適用されるqPCR解析の精度とを確認した。
【0192】
乾癬は多くのサイトカインおよびそれらの相互作用による影響を受ける。
図30は、53のRNAサンプル(14のNML皮膚、15のNL皮膚、および24のPSOR皮膚)由来の13のサイトカイン遺伝子のCt値から構成されたヒートマップを示す。ヒートマップ上の赤色が濃い箇所は、細胞における低いCtまたは遺伝子発現の増加を示し、一方で灰色が濃い箇所は高いCtまたは遺伝子発現の低下を示している。乾癬病変の皮膚は、他の2種類の皮膚(標準および非病変)とは異なるヒートマップを実証した。PSRO群内の遺伝子発現パターンは、液体生検または外科的生検などの従来の生検方法と比較して高度の均一性も示している。
【0193】
加えて、非侵襲的遺伝子発現解析アッセイはさらに、Th17経路(
図31)において鍵遺伝子(IL-17、22、および26)の発現レベルにおいて変動したPSOR病変のサブグループを検出しており、これは薬物処置に反応しない患者に関連する場合がある。
【0194】
実施例3 - 乾癬病変および非病変の皮膚における角質層遺伝子発現測定
本明細書に記載される粘着パッチを用いたデバイスを使用してサンプルを採取した。それらの受容体を含むサイトカイン標的に対して選択的な抗体を、24の乾癬病変の皮膚サンプルと15の非病変の皮膚サンプルにおける発現レベルについて評価した。IL-17RC、IL-26、IL-22、IL-17A、IL-17F、IL-17C、TNFα、IL-6、IL-23A、DEFB4A、S100A9、CXCL5、およびIL-8への結合についてサンプルを検査した。
図5はスクリーニングの結果を示すヒートマップである。乾癬サンプルでは、DEFB4A、S100A9、CXCL5、およびIL-8に対する低レベルの抗体結合を検出した。非乾癬サンプルでは、IL-17RC、IL-26、IL-22、IL-17A、IL-17F、IL-17C、TNFα、IL-6、およびIL-23Aに対する結合の増加を検出した。
【0195】
実施例4 - 粘着パッチサンプルからのサイトカイン転写レベル
本明細書に記載される粘着パッチ収集方法を使用して乾癬皮膚から2つのRNAサンプルを採取した。表1は、IL-23/TH17軸からの乾癬サイトカインの発現レベル上昇を示す。
【0196】
【0197】
実施例5 - 乾癬における遺伝子発現変化
サンプルを採取し、本明細書に記載される方法に従ってアッセイした。正常な皮膚と比較した乾癬病変皮膚の遺伝子発現レベル、および正常な皮膚と比較された非病変皮膚の遺伝子発現レベルの倍率変化を算出した。
図25は、遺伝子発現の増加が病変皮膚および非病変領域の両方に検出されたサイトカインを示す。
図26は、未関与非病変皮膚では遺伝子発現は減少したが、乾癬病変皮膚では遺伝子発現が増加したサイトカインを示す。
【0198】
実施例6 - アトピー性皮膚炎に対する拡大TH2アッセイ
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してサンプルを採取し、アッセイした。qRT-PCRアッセイのモジュール構造により、乾癬、アトピー性皮膚炎、または狼瘡を含む多数の炎症性皮膚疾病にそれを使用することが可能になる。アトピー性皮膚炎では、このアッセイを、拡大されたTH2経路に関与した18の標的に焦点を当てた(
図7を参照)。標的にはIL-4、IL-13、IL-17、IL-22、IL-31、TSLP、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2が含まれていた。
【0199】
アトピー性皮膚炎を抱える39の被験体からサンプルをスクリーニングした。
図11に示すように、IL-13発現は被験体の半分未満(約41%)に検出された。サンプルはIL-4発現を示さなかった。サンプルの100%はIL-13/4受容体発現を呈し、約95%がCCL17発現を呈した。
【0200】
結果は、IL-13発現を伴う患者の選択により、受容体遮断薬による処置に応答する者の比率が高くなることを示唆する。
【0201】
実施例7 - ADサンプルにおける発現レベル
AD被験体由来のサンプルを採取し、本明細書に記載される方法に従ってアッセイした。病変領域由来の40のサンプル、非病変領域由来の17のサンプル、および正常な皮膚由来の20のサンプルを、IL-31RA、CCL17、IL-23A、IL-4R、IL22、IL-13、およびIL-13RA1の発現レベルについてアッセイした。
図27A~27Iを参照。
【0202】
実施例8 - デュピルマブによるIL-13/4受容体の遮断
16週間にわたり隔週でデュピルマブ300mgを皮下投与することでAD被験体を処置した。実施例5に記載されるようにサンプルを採取した。
【0203】
被験体の約50%は、EASI-75を達成するプラセボ被験体の約15%と比較して75%の症状(EASI-75)減少を達成した(
図8)。加えて、被験体の約38%は、プラセボ被験体の約10%と比較して、消失(0)または最小(1)のIGAスコア(IGA 0-1)を達成した。
【0204】
実施例9 - レブリキズマブによるIL-13の遮断
12週間にわたり毎週125mgのレブリキズマブ、IL-13遮断モノクローナル抗体、およびコルチコステロイドを投与することでAD被験体を処置した。実施例5に記載されるようにサンプルを採取した。
【0205】
被験体の約55%が、プラセボ被験体の約35%と比較してEASI-75を達成した(n-50/群、p=0.05)(
図9を参照)。
【0206】
実施例10 - トラロキヌマブによるIL-13の遮断
血液中のDPP-4レベルについてAD被験体を検査した。DPP-4レベル上昇について処置群とプラセボ群をさらに選択した。処置群には12周間にわたりトラロキヌマブ、IL-13遮断モノクローナル抗体、および局所ステロイドを投与した。実施例5に記載されるようにサンプルを採取した。
【0207】
図10に示すように、DPP-4レベル上昇について選択されていない群である、処置被験体の約26%は、プラセボ被験体の約12%と比較してIGA 0-1を達成した。DPP-4レベル上昇について選択された群では、被験体の約35%は、プラセボ被験体の約8%のIGA 0-1と比較して、IGA 0-1を達成した。DPP-4レベル上昇について選択された群では、処置被験体の約52%は、プラセボ被験体の約13%と比較してEASI-75を達成した。
【0208】
結果は、トラロキヌマブが被験体のAD症状を回復させ、かつ血中のDPP-4レベル上昇を呈する被験体におけるより高度に症状を回復させることを示す。
【0209】
実施例11 - AD病変領域および非病変領域におけるCCL17の発現
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してADサンプルを採取し、アッセイした。病変領域および非病変領域のほか、正常な皮膚もCCL17発現について検査した(
図12Aおよび
図12B)。ΔCt解析は、病変皮膚サンプルの変化がより重度であったが、この変化のパターンはAD患者の病変サンプルと非病変サンプル両方において同様であることを示しており、このことから非病変サンプルは疾患診断の方法として使用されてもよいことが示唆される。ΔCt=正常化された遺伝子発現変化(=CT
target gene-Ct
ACTB)。より大きなΔCt値は、標的遺伝子の発現が少ないことを意味する。より小さなΔCt値は、標的遺伝子の発現が多いことを意味する。
【0210】
実施例12 - ADサンプル中のIL-13、IL-22、およびIL-23Aの発現レベル
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してADサンプルを採取し、アッセイした。病変領域および非病変領域のほか、正常な皮膚もIL-13、IL-22、およびIL-23Aの各発現レベルについて検査した(
図13A、13B、14A、14B、15A、および15B)。ΔCt解析は、3つすべてのサイトカインが健康な皮膚サンプルにおいて非常に低い遺伝子発現レベルを呈したが(三角形)、異なるADサンプルでは異なる遺伝子発現パターンを示す(菱形)ことを示す。発現レベルは、低いCtにより示されるように著しく増加したか、または高いCtにより示されるように不変のままであった。差次的遺伝子発現は疾患の「応答者」または「非応答者」に関連する場合があり、そのため、IL-13、IL-22、IL-23Aの各発現は非応答者から応答者をスクリーニングする可能性があることが考慮される。
【0211】
実施例13 - ADサンプル中のIL-31およびIL-31Rの発現レベル
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してADサンプルを採取し、アッセイした。病変領域および非病変領域のほか、正常な皮膚もIL-31およびIL-31Rの各発現レベルについて検査した(
図16A、16B、17A、17B、18A、および18B)。サイトカインIL-4と同様に、IL-31はAD疾患の調節に重要な別のサイトカインである。IL-31におけるある程度の増加が病変サンプル中に検出される。IL-31受容体(IL-31R)は病変サンプル中の遺伝子発現の減少を呈する。
【0212】
実施例14 - ADサンプル中のIL-13およびIL31RA1の発現レベル
IL-13およびIL-4は、
図19に表される経路に従いADにおいて機能すると提唱されている。本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してADサンプルを採取し、アッセイした。病変領域および非病変領域のほか、正常な皮膚もIL-13、IL-13RA1、IL4Rの各発現レベルについて検査した。結果を
図20A、20B、21A、21B、22A、および22Bに示す。IL-13発現の増加を、その受容体IL-13RA1の遺伝子発現の減少と共に検出した。サンプル中でIL-4遺伝子発現は検出されなかったが、IL-4Rは、正常な皮膚と比較してADサンプル中で不変のままであった発現レベルを呈した。
【0213】
これらの結果は、IL-13がAD疾患調節においてIL-4より重要な役割を果たすことを示唆する。
【0214】
実施例15 - ADサンプルにおけるNOS2の発現レベル
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してADサンプルを採取し、NOS2発現レベルについてアッセイした。
図23の結果は正常な皮膚サンプルと比較して低い平均Ctを持つADサンプルを示しており、このことからADサンプル中の発現レベルの増加が示される。
【0215】
実施例16 - 狼瘡に関する拡大インターフェロン反応遺伝子アッセイ
本明細書に記載される粘着パッチを用いた皮膚生検プラットフォームを使用してサンプルを採取し、アッセイした。qRT-PCRアッセイのモジュール構造により、乾癬、アトピー性皮膚炎、または狼瘡を含む多数の炎症性皮膚疾病にそれを使用することが可能になる。狼瘡では、アッセイを、好中球媒介性の発赤に関与した21の標的に焦点を当てた(
図24を参照)。標的にはIFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNAR1、IFNAR2、IFNB1、IFNE、IFNW1、ADAR、CCL5、IFIT’s、IFI’s、IRF’s、OAS1、IRAK1、TNFAIP3、ATG5、TYK2、STAT4、OPN、およびKRTが含まれる。
【0216】
実施形態1:乾癬を有する疑いのある被験体において、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法であって、上記方法は:(a)上記被験体から得られた皮膚サンプルから、核酸を単離する工程であって、上記皮膚サンプルは角質層からの細胞を含む、工程と;(b)単離された核酸をプローブのセットと接触させることによって、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、上記プローブは、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、ならびにDEFB4Aのうち少なくとも2つを認識し、および、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、ならびにDEFB4Aのうち少なくとも2つと前記プローブのセットとの間の結合を検出する、工程と、を含む、方法。
【0217】
実施形態2:上記方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0218】
実施形態3:上記方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0219】
実施形態4:上記方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、およびS100A9の発現レベルを検出する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0220】
実施形態5:上記方法は、IL-17A、IL-17F、IL-8、およびCXCL5の発現レベルを検出する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0221】
実施形態6:上記方法は、IL-17A、IL-17F、およびIL-8の発現レベルを検出する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0222】
実施形態7:上記方法は、IL-17AおよびIL-17Fの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0223】
実施形態8:上記発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、実施形態1-7のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
実施形態9:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの上記遺伝子発現レベルはアップレギュレートされる、実施形態8に記載の方法。
【0225】
実施形態10:上記プローブのセットは、少なくとも2以上6以下の遺伝子を認識する、実施形態1-9のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
実施形態11:上記検出する工程は、上記単離された核酸を、IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、TNFα、LCN2、CCL20、TNFRSF1A、あるいはそれらの組み合わせを認識するプローブの追加のセットと接触させることを含む、実施形態1に記載の方法。
【0227】
実施形態12:上記プローブの追加のセットは、1以上14以下の遺伝子を認識する、実施形態11に記載の方法。
【0228】
実施形態13:乾癬を有する疑いがある被験体において、第1の遺伝子分類および第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する方法であって、上記方法は:(a)上記被験体から得られた皮膚サンプルから、核酸を単離する工程であって、上記皮膚サンプルは角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、上記第1の遺伝子分類:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aから1つ以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、上記プローブは、上記第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、上記第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子と上記プローブのセットとの間の結合を検出する、工程と;(c)上記単離された核酸をプローブの追加のセットと接触させることによって、上記第2の遺伝子分類:IL-17C、S100A7、IL-17RA、IL-17RC、IL-23A、IL-22、IL-26、IL-24、IL-6、CXCL1、IFN-ガンマ、IL-31、IL-33、TNFα、LCN2、CCL20、およびTNFRSF1Aからの1以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、上記プローブは、上記第2の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、上記第2の遺伝子分類からの1以上の遺伝子と上記プローブの追加のセットとの間の結合を検出する、工程と、を含む、方法。
【0229】
実施形態14:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-17AおよびIL-17Fの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態13に記載の方法。
【0230】
実施形態15:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態13に記載の方法。
【0231】
実施形態16:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-17A、IL-8、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態13に記載の方法。
【0232】
実施形態17:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-17F、CXCL5、およびS100A9の発現レベルを検出する工程を含む、実施形態13に記載の方法。
【0233】
実施形態18:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態13に記載の方法。
【0234】
実施形態19:上記発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、実施形態13-18のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
実施形態20:IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、またはDEFB4Aの遺伝子発現レベルはアップレギュレートされる、実施形態19に記載の方法。
【0236】
実施形態21:上記プローブのセットは、少なくとも1以上6以下の遺伝子を認識する、実施形態13-20のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
実施形態22:上記プローブの追加セットは、少なくとも1以上17以下の遺伝子を認識する、実施形態13-20のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
実施形態23:上記方法は、上記第2の遺伝子分類からの1以上の遺伝子の発現レベルがアップレギュレートされることを決定する工程をさらに含む、実施形態13-22のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
実施形態24:上記被験体に、TNFα、IL-17A、またはIL-23の阻害剤を投与する工程をさらに含む、実施形態1-23のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
実施形態25:上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、TNFαの阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態24に記載の方法。
【0241】
実施形態26:上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-17Aの阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態24に記載の方法。
【0242】
実施形態27:上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-23の阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態24に記載の方法。
【0243】
実施形態28:TNFα、IL-17A、またはIL-23の阻害剤により、乾癬を有する被験体を処置する方法であって、上記方法は:
角質層からの細胞を含む皮膚サンプルから核酸を単離することによって、および、
IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、ならびにDEFB4Aのうち少なくとも2つを認識し、および、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、ならびにDEFB4Aのうち少なくとも2つとプローブのセットとの間の結合を検出する上記プローブのセットに、単離された核酸を接触させることにより、上記皮膚サンプル上で発現分析を行うか、行ったことによって、
上記被験体が改変された遺伝子発現レベルを有しているか否かを決定する工程を含み;
上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、ならびにDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、TNFα、IL-17A、あるいはIL-23の阻害剤を被験体に投与し、または上記阻害剤を用いた処置のレベルを増大させ、ならびに、
上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、ならびにDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有していない場合、上記阻害剤を投与しないか、または上記阻害剤を用いた処置を中止する、方法。
【0244】
実施形態29:上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、TNFαの阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態28に記載の方法。
【0245】
実施形態30:上記改変された遺伝子発現は発現の増大である、実施形態29に記載の方法。
【0246】
実施形態31:上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-17Aの阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態28に記載の方法。
【0247】
実施形態32:上記改変された遺伝子発現は発現の増大である、実施形態31に記載の方法。
【0248】
実施形態33:上記被験体が、IL-17A、IL-17F、IL-8、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-23の阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態28に記載の方法。
【0249】
実施形態34:上記改変された遺伝子発現は発現の増大である、実施形態33に記載の方法。
【0250】
実施形態35:上記プローブのセットは、IL-17A、IL-17F、およびIL-8のうち少なくとも2つを認識する、実施形態28に記載の方法。
【0251】
実施形態36:上記プローブのセットは、CXCL5、S100A9、およびDEFB4Aを認識する、実施形態28に記載の方法。
【0252】
実施形態37:アトピー性皮膚炎を患う疑いがある被験体において、IL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つの遺伝子発現レベルを検出する方法であって、上記方法は:(a)上記被験体から得られた皮膚サンプルから、核酸を単離する工程であって、上記皮膚サンプルは角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、IL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つの発現レベルを検出する工程であって、上記プローブがIL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つを認識し、ならびに、IL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つと上記プローブのセットとの間の結合を検出する、工程、を含む、方法。
【0253】
実施形態38:上記方法は、IL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つ、または少なくとも3つの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態37に記載の方法。
【0254】
実施形態39:上記方法は、IL-13、IL-31、およびTSLPの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態37に記載の方法。
【0255】
実施形態40:上記方法は、IL-13およびIL-31の発現レベルを検出する工程を含む、実施形態37に記載の方法。
【0256】
実施形態41:上記方法は、IL-13およびTSLPの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態37に記載の方法。
【0257】
実施形態42:上記発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、実施形態37に記載の方法。
【0258】
実施形態43:IL-13、IL-31、およびTSLPの上記遺伝子発現レベルはアップレギュレートされる、実施形態42に記載の方法。
【0259】
実施形態44:上記プローブのセットは、少なくとも2以上3以下の遺伝子を認識する、実施形態37に記載の方法。
【0260】
実施形態45:上記検出する工程は、IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、NOS2、またはそれらの組み合わせを認識するプローブの追加のセットに、上記単離された核酸を接触させることを含む、実施形態37に記載の方法。
【0261】
実施形態46:上記プローブの追加のセットは、1以上16以下の遺伝子を認識する、実施形態45に記載の方法。
【0262】
実施形態47:アトピー性皮膚炎を有する疑いがある被験体において、第1の遺伝子分類および第2の遺伝子分類から遺伝子発現レベルを検出する方法であって、上記方法は:(a)上記被験体から得られた皮膚サンプルから、核酸を単離する工程であって、上記皮膚サンプルは角質層からの細胞を含む、工程と;(b)プローブのセットに、単離された核酸を接触させることによって、第1の遺伝子分類:IL-13、IL-31、およびTSLPから1以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、上記プローブのセットが上記第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、上記第1の遺伝子分類からの1以上の遺伝子と上記プローブのセットとの間の結合を検出する、工程と:(c)プローブの追加のセットに、上記単離された核酸を接触させることによって、第2の遺伝子分類:IL-13R、IL-4R、IL-17、IL-22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、S100A7、S100A8、S100A9、CCL17、CCL18、CCL19、CCL26、CCL27、およびNOS2からの1以上の遺伝子の発現レベルを検出する工程であって、上記プローブは、上記第2の遺伝子分類からの1以上の遺伝子を認識し、および、上記第2の遺伝子分類からの1以上の遺伝子とプローブの追加のセットとの間の結合を検出する工程と、を含む、方法。
【0263】
実施形態48:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-13およびIL-31の発現レベルを検出する工程を含む、実施形態47に記載の方法。
【0264】
実施形態49:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-31およびTSLPの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態47に記載の方法。
【0265】
実施形態50:上記方法は、上記第1の遺伝子分類からのIL-13およびTSLPの発現レベルを検出する工程を含む、実施形態47に記載の方法。
【0266】
実施形態51:上記発現レベルは、対照サンプルからの同等の遺伝子の遺伝子発現レベルと比較して、アップレギュレートされた遺伝子発現レベルである、実施形態47-50のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
実施形態52:IL-13、IL-31、またはTSLPの上記遺伝子発現レベルはアップレギュレートされる、実施形態51に記載の方法。
【0268】
実施形態53:上記プローブのセットは、少なくとも1以上3以下の遺伝子を認識する、実施形態47-52のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態54:上記プローブの追加セットは、少なくとも1以上16以下の遺伝子を認識する、実施形態47-52のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態55:上記方法は、上記第2の遺伝子分類からの1以上の遺伝子の発現レベルがアップレギュレートされることを決定する工程をさらに含む、実施形態47-54のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
実施形態56:上記被験体に、IL-13、PDE4、またはIL-31の阻害剤を投与する工程をさらに含む、実施形態37-55のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
実施形態57:上記被験体が、IL-13、IL-31、またはTSLPのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-13の阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態56に記載の方法。
【0273】
実施形態58:IL-13の阻害剤はレブリキズマブまたはトラロキヌマブである、実施形態57に記載の方法。
【0274】
実施形態59:上記被験体が、IL-13、IL-31、またはTSLPのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、PDE4の阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態56に記載の方法。
【0275】
実施形態60:上記被験体が、IL-13、IL-31、またはTSLPのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-31の阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態56に記載の方法。
【0276】
実施形態61:インターロイキン13(IL-13)またはインターロイキン-13受容体(IL-13R)に特異的に結合する抗体を有する、アトピー性皮膚炎を患う被験体を処置する方法であって、上記方法は:
角質層からの細胞を含む皮膚サンプルからの単離核酸を得るか、得たことによって、ならびに、
IL-13、IL-31、および、TSLPのうち少なくとも2つを認識し、および、IL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つとプローブのセットとの間の結合を検出する上記プローブのセットを、上記単離された核酸と接触させることにより、上記皮膚サンプル上で発現分析を行うか、行ったことによって、
上記被験体が改変された遺伝子発現レベルを有しているか否かを決定する工程を含み;
上記被験体が、IL-13、IL-31、またはTSLPのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-13あるいはIL-13Rの阻害剤を上記被験体に投与し、および、
上記被験体が、IL-13、IL-31、またはTSLPのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有しない場合、IL-13あるいはIL-13Rの阻害剤を上記被験体に投与しない、方法。
【0277】
実施形態62:上記被験体が、IL-13、IL-31、およびTSLPのうち少なくとも2つの改変された遺伝子発現レベルを有する場合、IL-13あるいはIL-13Rの阻害剤を上記被験体に投与するか、または処置のレベルを増大させる、実施形態61に記載の方法。
【0278】
実施形態63:上記改変された遺伝子発現は発現の増大である、実施形態62に記載の方法。
【0279】
実施形態64:IL-13に特異的に結合する抗体は、レブリキズマブまたはトラロキヌマブである、実施形態61に記載の方法。
【0280】
実施形態65:IL-13Rに特異的に結合する抗体はデュピルマブである、実施形態61に記載の方法。
【0281】
実施形態66:上記核酸は、RNA、DNA、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態65に記載の方法。
【0282】
実施形態67:RNAはmRNAである、実施形態66に記載の方法。
【0283】
実施形態68:RNAは無細胞循環DNAである、実施形態66に記載の方法。
【0284】
実施形態69:上記角質層からの細胞は、T細胞またはT細胞の成分を含む、実施形態1-68のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
実施形態70:上記角質層からの細胞は角化細胞を含む、実施形態1-68のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
実施形態71:粘着パッチに細胞を付着するのに十分な方法で上記被験体の皮膚領域に上記粘着パッチを適用し、上記粘着パッチに付着した細胞を保持するのに十分なやり方で上記皮膚領域から粘着パッチを取り除くことによって、皮膚サンプルが得られる、実施形態1-70のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
実施形態72:上記粘着パッチの各々に細胞を付着するのに十分な方法で上記被験体の皮膚領域に複数の上記粘着パッチを適用し、上記粘着パッチの各々に付着した細胞を保持するのに十分な方法で上記皮膚領域から粘着パッチの各々を取り除くことによって、上記皮膚サンプルが得られる、実施形態1-70のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
実施形態73:上記複数の粘着パッチは少なくとも4つの粘着パッチを含む、実施形態72に記載の方法。
【0289】
実施形態74:上記皮膚サンプルから単離された核酸の量は、約100ピコグラム~約100マイクログラム、約200ピコグラム~約10マイクログラム、または約500ピコグラム~約1マイクログラムである、実施形態1-73のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
実施形態75:上記遺伝子の発現レベルは、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、6ヶ月間、またはそれ以上にわたってモニタリングされる、実施形態1-74のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
実施形態76:上記被験体はヒトである、実施形態1-75のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法ならびに構造は、それにより包含されることが意図されている。