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特開2024-103492血管不全を治療するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103492
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】血管不全を治療するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024073778
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2023125498の分割
【原出願日】2017-06-14
(31)【優先権主張番号】62/359,608
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/619,220
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ローレン・アール・フレシャウフ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・シュナイダー
(57)【要約】
【課題】心臓弁不全を治療する装置および方法の改善が望ましい。
【解決手段】自然心臓弁を通る逆流を減らす弁尖クリップ装置および方法の実施形態が開示される。弁尖クリップ装置は、第1の終端部分および第2の終端部分を有する細長いクリッピング部材と、クリッピング部材に結合された張力付与機構とを含むことができる。弁尖クリップ装置は、クリッピング部材の内腔内に配設された1つまたは複数の張力付与部材をさらに含むことができ、1つまたは複数の張力付与部材は、クリッピング部材を送達構成から留置構成に変換するために、張力付与機構に動作可能に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁尖クリップ装置であって、
第1の部分および第2の部分を備えるクリッピング部材であって、
前記クリッピング部材が、送達構成から留置構成に変換されることが可能であり、
前記クリッピング部材の前記第1の部分および前記第2の部分が、前記留置構成において1つまたは複数の自然弁尖を捕らえるように構成される、クリッピング部材と、
前記クリッピング部材に結合されたひずみゲージと、
を備える弁尖クリップ装置。
【請求項2】
前記クリッピング部材が、前記送達構成において、実質的に長手方向に延ばされた構成にある、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項3】
前記第1の部分および前記第2の部分が、前記クリッピング部材が前記送達構成から前記留置構成に変換されるときに、互いに引き寄せられる、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項4】
前記クリッピング部材が、前記第1の部分と前記第2の部分との間に中間部分をさらに備える、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項5】
前記クリッピング部材が、管状または円筒形の部材である、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項6】
前記第1の部分および前記第2の部分が、自然弁の中心において前記自然弁の前記1つまたは複数の自然弁尖のペアと係合するように構成されている、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項7】
前記第1の部分および前記第2の部分が、前記1つまたは複数の自然弁尖のペアの接合縁部に沿って留置されるように構成されている、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項8】
前記クリッピング部材が、前記留置構成において形状設定される、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項9】
前記クリッピング部材の形状記憶材料の弾性が、前記クリッピング部材を前記自然弁尖のペアに固定するために前記1つまたは複数の自然弁尖の前記ペアに対する十分な力を与える、請求項8に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項10】
前記弁尖クリップ装置が、カバーをさらに備え、前記カバーが、前記クリッピング部材を覆って配置されている、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項11】
前記カバーが、織物、PET、ポリマー材料、ポリウレタン、シリコーン、自然組織及び心膜組織のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項12】
前記ひずみゲージが、張力付与機構によって加えられる力を決定するように構成されている、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項13】
前記ひずみゲージが、前記クリッピング部材のクリッピング強度を決定するように構成されている、請求項1に記載の弁尖クリップ装置。
【請求項14】
送達機器と、
前記送達機器に結合された弁尖クリップ装置であって、前記弁尖クリップ装置が、
第1の部分および第2の部分を備えるクリッピング部材であって、
前記クリッピング部材が、送達構成から留置構成に変換されることが可能であり、
前記クリッピング部材の前記第1の部分および前記第2の部分が、前記留置構成において1つまたは複数の自然弁尖を捕らえるように構成される、クリッピング部材と、
前記クリッピング部材および前記送達機器の1つ以上に結合されたひずみゲージと、
を備える、弁尖クリップ装置と、
を備える、システム。
【請求項15】
前記クリッピング部材が、前記送達構成において、実質的に長手方向に延ばされた構成にあり、前記第1の部分および前記第2の部分が、前記クリッピング部材が前記送達構成から前記留置構成に変換されるときに、互いに引き寄せられる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の部分および前記第2の部分が、前記自然弁尖のペアの接合縁部に沿って自然弁の中心において前記1つまたは複数の自然弁尖の前記ペアと係合するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記クリッピング部材が、前記留置構成において形状設定され、前記クリッピング部材の形状記憶材料の弾性が、前記クリッピング部材を前記自然弁尖のペアに固定するために前記1つまたは複数の自然弁尖の前記ペアに対する十分な力を与える、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ひずみゲージが、張力付与機構によって加えられる力を決定するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記ひずみゲージが、前記クリッピング部材のクリッピング強度を決定するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、心臓弁不全を治療する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓弁不全は、一般的に、完全にまたは正常に閉じることができない心臓弁を通る血液の逆流を伴い、心臓血管機能を損なうことになる。弁閉鎖不全は、たとえば、僧帽弁、大動脈弁、または三尖弁に影響を及ぼす可能性があり、石灰化もしくは逸脱した弁尖、および/または弁輪の拡張もしくは変形に関連する可能性がある。心臓弁不全を治療する1つの方法は、自然弁尖の接合を改善するために、1つまたは複数の弁尖クリップを使用することである。しかしながら、従来の弁尖クリップは、留置が困難であることがあり、腱索などの関連する弁構造の機能を妨げる、またはこれらに損傷を与えるおそれがあり、しばしば、心臓弁の単一のタイプについての使用に限られる。したがって、心臓弁不全を治療する装置および方法の改善が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開第2014/0067052号
【特許文献2】米国公報第2014/0031864号
【特許文献3】米国公報第2008/0281356号
【特許文献4】米国特許第7,628,797号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
弁尖クリップ装置の例示的な実施形態は、第1の終端部分および第2の終端部分を有する細長いクリッピング部材と、クリッピング部材に結合された張力付与機構とを備えることができる。弁尖クリップ装置は、クリッピング部材の内腔内に配設された1つまたは複数の張力付与部材をさらに備えることができ、1つまたは複数の張力付与部材は、クリッピング部材を送達構成から留置構成に変換するために、張力付与機構に動作可能に接続される。クリップ装置のいくつかの実施形態は、クリッピング部材の内腔内に配設された保持機構をさらに備えてもよく、保持機構は、クリッピング部材の形状を留置構成で保持する。
【0005】
クリップ装置のいくつかの実施形態では、クリッピング部材は、形状記憶材料を備えることができる。追加および/または代替として、張力付与機構は、第1の端部および第2の端部に対して中央にクリッピング部材に結合され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の張力付与部材は、第1の張力付与部材であって、それの遠位端部分がクリッピング部材の第1の終端部分に固定され、第1の張力付与部材の近位端部分が張力付与機構に動作可能に接続された、第1の張力付与部材と、第2の張力付与部材であって、それの遠位端部分がクリッピング部材の第2の終端部分に固定され、第2の張力付与部材の近位端部分が張力付与機構に動作可能に接続された、第2の張力付与部材とを備えることができる。クリップ装置のいくつかの実施形態では、張力付与機構の少なくとも一部分の回転が、1つまたは複数の張力付与部材の張力付与を引き起こすことができる。
【0006】
クリップ装置のいくつかの実施形態では、留置構成は、クリッピング部材の2つの脚部分の間に画定される一次クリッピング領域を含むことができる。追加および/または代替として、張力付与機構は、クリッピング部材を留置構成で保持するように構成された保持機構を備えることができる。追加および/または代替として、1つまたは複数の張力付与部材は、張力付与機構の一部分を通って延びることができる。追加および/または代替として、1つまたは複数の張力付与部材は、一端が張力付与機構の一部分に固定される。
【0007】
追加および/または代替として、例示的な弁尖クリップ装置は、内腔および2つの脚部分を有する管状本体を備えるクリッピング部材であって、略直線状の送達構成と、脚部分の間で弁尖のペアを捕らえるために脚部分が互いに引き寄せられる留置構成との間で変換可能である、クリッピング部材と、クリッピング部材を送達構成から留置構成に変換するように構成された張力付与機構とを備えることができる。追加および/または代替として、クリップ装置は、クリッピング部材の内腔内に配設された1つまたは複数のコードをさらに備えることができ、1つまたは複数のコードは、クリッピング部材を送達構成から留置構成に変換するために、張力付与機構に動作可能に接続される。追加および/または代替として、張力付与機構の少なくとも一部分の回転が、1つまたは複数のコードの張力付与を引き起こすことができ、この張力付与が、クリッピング部材を送達構成から留置構成に変換させる。
【0008】
クリップ装置のいくつかの実施形態では、張力付与機構は、ねじおよびナットを備えることができ、ねじの回転によりナットがねじに沿って軸方向に移動させ、1つまたは複数のコードに張力を加えるように、1つまたは複数のコードはナットに接続される。いくつかの実施形態では、弁尖クリップ装置は、クリッピング部材の内腔内に配設された保持機構をさらに備えることができ、保持機構は、クリッピング部材を留置構成で保持する。
【0009】
追加および/または代替として、管状本体は、管状本体の長さに沿って軸方向に間隔を開けた円周溝を有する金属管を備えることができる。追加および/または代替として、留置構成のクリッピング部材は、ギリシャ文字オメガの形状を有することができる。追加および/または代替として、クリッピング部材が留置構成であるとき、脚部分は、弁尖のペアを捕らえるためのクリッピング領域を画定するために管状本体の中間部分のそれぞれの端部から互いに向かって延びることができ、脚部分は、クリッピング領域から離れる方向に移動しながら互いから離れて延びる。
【0010】
自然心臓弁を通る逆流を減らす例示的な方法は、心臓弁の2つの隣接する弁尖の接合縁部に隣接した弁尖クリップ装置を位置付けるステップであって、弁尖クリップ装置がクリッピング部材と、クリッピング部材の内腔内に配設された第1および第2の張力付与部材とを備え、第1の張力付与部材がクリッピング部材の第1の終端部分に固定され、第2の張力付与部材がクリッピング部材の第2の終端部分に固定される、位置付けるステップと、クリッピング部材を送達構成から、クリッピング部材の2つの脚部分の間で弁尖の接合縁部が捕らえられる留置構成に変換するために、張力付与部材に張力を加えるステップとを含むことができる。
【0011】
追加および/または代替として、張力を加えるステップは、第1および第2の張力付与部材に動作可能に結合された張力付与機構を回転させるステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、クリッピング部材を留置構成で保持するために保持機構を係合することを含むことができる。追加および/または代替として、クリッピング部材は、送達構成では実質的に直線形状を有することができる。
【0012】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、添付図を参照しながら行う以下の詳細な説明からより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】説明の目的で張力付与機構の一部分がはがされた弁尖クリップ装置の代表的な実施形態の斜視図である。
図2】説明の目的で部分的にはがされて示された、図1のクリップ装置のクリッピング部材の拡大部分を示す図である。
図3】説明の目的で部分的にはがされて示された、図1の弁尖クリップ装置の拡大部分を示す図である。
図4】弁尖の複数のペアを係合するために複数の一体型のクリッピング部材を有する弁尖クリップ装置の別の代表的な実施形態の斜視図である。
図5】弁尖クリップ装置の別の代表的な実施形態の正面図である。
図6】自然大動脈弁に留置された弁尖クリップ装置の代表的な実施形態の斜視図である。
図7】送達機器および患者の体に送達するために送達機器に装填された弁尖クリップ装置の側面図である。
図8】弁尖クリップ装置の別の代表的な実施形態の正面図である。
図9】弁尖クリップ装置の別の代表的な実施形態の正面図である。
図10図9に示す弁尖クリップ装置のねじの正面図である。
図11】弁尖クリップ装置の別の代表的な実施形態の正面図である。
図12】弁尖クリップ装置の別の代表的な実施形態の正面図である。
図13】一実施形態による、レーザーカットされた金属管から形成されたクリッピング部材の正面図である。
図14図13に示すようなクリッピング部材を形成するために金属管をレーザーカットするためのカットパターンを示す図である。
図15図14に示すカットパターンの一部分の拡大図である。
図16】別の実施形態による、レーザーカットされた金属管から形成されたクリッピング部材の正面図である。
図17図16に示すようなクリッピング部材を形成するために金属管をレーザーカットするためのカットパターンの一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この説明の目的で、本開示の実施形態のいくつかの態様、利点、および新規の特徴について、本明細書で説明する。開示する方法、機器、およびシステムは、決して限定的なものと解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、様々な開示する実施形態の新規かつ非自明な特徴および態様すべてを、単独でならびに互いとの様々な組合せおよび部分組合せで対象とする。方法、機器、およびシステムは、いずれか特定の態様または特徴またはそれらの組合せに限定されず、開示する実施形態は、いずれか1つまたは複数の特定の利点があること、または問題が解決されることを必要としない。
【0015】
特定の態様、実施形態、または例と関連して説明する特徴、整数、特性、合成物、化学的部分または基は、本明細書で説明するいかなる他の態様、実施形態、または例にもそれと矛盾しない限り適用可能であると理解されたい。本明細書(いかなる添付の特許請求の範囲、要約、図面も含む)に開示する特徴のすべて、および/またはそのように開示するいずれかの方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、いずれかの開示する実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(いかなる添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)で開示する特徴のいかなる新規の1つ、もしくはいかなる新規の組合せにも及び、またはそのように開示するいずれかの方法またはプロセスのステップのいかなる新規の1つ、もしくはいかなる新規の組合せにも及ぶ。
【0016】
開示する方法のいくつかの動作を、提示の便宜上、特定の連続した順序で説明するが、以下に記載する特殊な文言によって特定の順序が必要とされない限り、この説明の仕方は再配置を含むことを理解されたい。たとえば、連続して説明する動作は、場合によっては、再配置されるまたは同時に行われることがある。さらに、簡単のために、添付図は、開示する方法が他の方法に関連して使用され得る様々な方法を示すことができない。加えて、説明は、開示する方法を説明するために「提供する」または「実現する」のような用語を使用することがある。これらの用語は、行われる実際の動作の高水準抽象概念である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装形態に応じて変わる可能性があり、当業者によって容易に識別可能である。
【0017】
本出願で、および特許請求の範囲で使用される場合、数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に別段の定めがない限り複数形を含む。加えて、「含む」という用語は、「備える」を意味する。さらに、「結合される」および「関連する」という用語は、一般に電気的に、電磁的に、および/または物理的に(たとえば、機械的にもしくは化学的に)結合またはリンクされる意味であり、特殊の反対の文言がなければ、結合されるまたは関連する項目間に中間の要素の存在を排除しない。
【0018】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、使用者により近く、留置部位からより遠い装置の位置、方向、または部分を指す。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、使用者からより遠く、留置部位により近い装置の位置、方向、または部分を指す。したがって、たとえば、装置の近位動作は、使用者に向かう装置の動きであり、装置の遠位動作は、使用者から離れる装置の動きである。「長手方向」および「軸方向」という用語は、明確に別段の定めがない限り、軸が近位および遠位方向に延びることを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「一体に形成される」および「単体構造」という用語は、別個に形成されたいくつかの材料を互いに固定するための溶接、留め具、または他の手段を含まない構造を指す。
【0020】
図1は、弁尖クリップ装置10の代表的な実施形態を示す。図示の実施形態のクリップ装置10は、細長いクリッピング部材12と、張力付与機構14とを備える。クリッピング部材12は、第1の終端部分16と、第2の終端部分18と、第1の終端部分16から第2の終端部分18に延びる内腔20とを有する、細長い一般的に管状または円筒形の本体を備えることができる。張力付与機構14は、クリッピング部材12の内腔20内に配設された1つまたは複数のコードまたは張力付与部材22を備えることができる。本明細書で使用される場合、「張力付与部材」または「コード」という用語は、単一のワイヤ、撚り線、ファイバー、もしくはフィラメントから形成されることがある、または複数のワイヤ、撚り線、ファイバー、もしくはフィラメントを含むことがある細長い材料を指す。
【0021】
クリッピング部材12は、送達構成から留置構成に変換することができ、その逆も同様である。送達構成では、クリッピング部材12は、実質的に長手方向に延ばされた、またはまっすぐにされた構成とすることができる(図7参照)。留置構成(図1参照)では、クリッピング部材12の2つの部分が、互いに引き寄せられて、一次クリッピング領域24を形成し、一次クリッピング領域内のクリッピング部材の2つの部分の間で、1つまたは複数の自然弁尖の一部分を捕らえる、または挟むことができるようにする(図6参照)。
【0022】
図示の実施形態のクリッピング部材12は、留置構成ではギリシャ文字「オメガ」に類似した形状を有する。特に、クリッピング部材12は、中間部分26(図示のように直線的に延びることができる、または湾曲していることがある)と、第1および第2の脚部分それぞれ28、30とを有することができ、脚部分28、30は、クリッピング領域24を形成するために、中間部分26のそれぞれの端部から離れて延びる方向に移動しながら、互いに向かって延びる。脚部分28、30は次いで、クリッピング領域24から離れて延びる方向に移動しながら、互いから離れて延びる。クリッピング部材12の他の送達構成もまた可能である。たとえば、クリッピング部材12は、第1および第2の脚部分28、30がまっすぐにされ、送達構成で互いに対して平行に、側方に(side-to-side)延びるように、半分に折り畳むことができる。
【0023】
弁尖クリップ装置10、および本明細書で説明する他の弁尖クリップ実施形態のいずれかは、心臓弁輪および/または心臓弁尖をリモデリングすることによって弁閉鎖不全または逆流を治療するために使用することができる。たとえば、図6は、自然大動脈弁200に位置する弁尖クリップ装置10を示す。自然大動脈弁200は、弁輪216に付着した3つの弁尖210、212、214を含むことができる。弁尖210および212は、第1の交連218を形成することができ、弁尖212および214は、第2の交連220を形成することができ、弁尖210および214は、第3の交連222を形成することができる。
【0024】
弁尖クリップ装置10は、弁尖クリップ装置10が弁尖210および212を係合するように、第1の交連218に隣接して位置して示されている。弁尖クリップ装置10はまた、弁輪216の壁近くに位置して示されている。このようにして、弁尖クリップ10は、交連218での弁尖210、212の接合を改善し、それによって弁閉鎖不全のために弁200を通る逆流を減らすことができる。加えて、弁尖クリップ10は、弁輪216に隣接したそれぞれの弁尖にクリップされて示されているが、弁尖クリップ10は、必要に応じて、自然弁の中心を含む、弁尖に沿った任意の好適な位置で弁尖にクリップされ得る。
【0025】
1つのクリップ装置10が自然大動脈弁に留置されて示されているが、弁輪216の拡張を縮小するために、および/または弁輪216の形状の異常に対処するために、複数の弁尖クリップ10を留置することができる。たとえば、弁尖クリップ10が、弁尖の各ペアに、たとえば、各交連218、220、222で留置され得る。代替または追加として、複数のクリップ装置10が、隣接する弁尖のペアの接合縁部に沿って留置され得る。たとえば、複数のクリップ装置10が、弁尖210、212のペアの接合縁部に沿って留置され得る。
【0026】
再び図1を参照すると、張力付与機構14は、張力付与部材22によりクリッピング部材12に動作可能に結合することができ、張力付与部材22は、以下でさらに説明するように、クリッピング部材12を送達構成から留置構成に変換するために、および/または脚部分28、30を一緒により近づけて、送達構成からの部分的展開の後に最終的な留置構成にするために、クリッピング部材12に張力を加える。
【0027】
弁尖クリップ装置10の特定の実施形態では、クリッピング部材12は、図13および図16に示すような金属管から形成する(たとえば、レーザーカットする)ことができる。管は、送達構成から留置構成への管の屈曲を促すために、管の長さに沿って複数の溝またはカットを付けて形成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、クリッピング部材12は、非線形弾性材料、超弾性材料、および/またはニチノールなどの形状記憶材料から形成することができ、留置構成で形状設定される。クリッピング部材12は、送達機器のシースを用いるなどして、患者の体内で装置を送達する間、送達構成で保持することができ、送達構成から解放されるとき、クリッピング部材12は自動的に留置構成に戻る。いくつかの実施形態では、クリッピング部材12は、脚部分28、30がクリッピング領域24において互いから間隔を開けるように、それ自体の弾力性の下で送達構成から部分的展開構成に自己展開することができる。張力付与機構14は、次いで、それ自体を自然弁尖のペアに係合し、固定するように十分な力で、図1に示す留置構成まで脚部分28、30を一緒により近く引き寄せるために使用され得る。他の実施形態では、クリッピング部材は、実質的にまっすぐなまたは直線状の送達構成で形状設定することができ、張力付与機構14は、クリッピング部材を送達構成から留置構成に変形させるまたは曲げるために使用される。
【0029】
代替実施形態では、クリップ装置10には、張力付与機構14がなく、クリッピング部材12の形状記憶材料は、クリッピング部材12がそれ自体の弾力性の下で送達構成から留置構成に変換し、別個の張力付与機構なしで、クリッピング部材12を自然弁尖のペアに固定するために自然弁尖に対する十分な力を与えるようにする。
【0030】
他の実施形態では、クリッピング部材12は、ステンレス鋼またはコバルトクロム合金などの線形弾性材料から形成することができる。そのような実施形態では、張力付与機構14は、クリッピング部材12を送達構成から留置構成に変換または変形させるために使用することができる。ステンレス鋼またはコバルトクロム合金などの線形弾性金属はまた、加えられた力が所定のしきい値を超えた後、塑性変形する。いくつかの実施形態では、張力付与機構14は、クリッピング部材12が送達構成から留置構成に変形するとき、クリッピング部材12を塑性変形させるために使用することができる。
【0031】
図13は、レーザーカットされた金属管から形成されたクリッピング部材12の一例を示す。図14は、図13に示したクリッピング部材12を形成するために使用される金属管のための例示的なカットパターンを示す。図15は、図14に示すカットパターンの一部分の拡大図である。図示していないが、クリッピング部材は、金属管の外表面に広がり、これを覆うカバーリングを含むことができる。カバーリングは、好適な織物(たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)織物)、非織物ポリマー材料(たとえば、ポリエチレンもしくはシリコーン)、または自然組織(たとえば、心膜組織)を含むことができる。
【0032】
図14および図15に示すように、一連の軸方向に間隔を開けた円周カットが、クリッピング部材12の選択された位置に形成され得る。脚部分28、30に沿って、カットは、ギャップ80の中心部分の両側にタブ82および切欠き84を有する一連の円周ギャップ80を形成する。図示の実施形態では、クリッピング部材12には、留置構成への形状記憶がなく、または実質的になく、図13には、留置構成に変換される前のその自然静止状態で示されている。この例のクリッピング部材は、たとえば、ステンレス鋼またはコバルトクロム合金の金属管を含むことができる。以下でさらに説明するように、クリッピング部材12に力を加えることによって、クリッピング部材12は、実質的にまっすぐなまたは直線状の構成から、図1に示す留置構成に変換され得る。ギャップ80は、クリッピング部材が曲がって留置構成になるとき、クリッピング部材の屈曲を促す。タブ82は、クリッピング部材が留置構成に変換されるとき、クリッピング部材が望ましくないトルクを与えないように、対応する切欠き84に存在することが可能である。
【0033】
図16は、レーザーカットされた金属管から形成されたクリッピング部材12の別の例を示す。図16のクリッピング部材12は、円周カットが、留置構成に変換されるときクリッピング部材の形状を維持する助けになる嵌合機能(mating feature)を形成することを除いて、実質的に図13のクリッピング部材と同じとすることができる。特に、図17に示すように、カットは、ギャップ86の中心部分の両側にタブ88および切欠き90を有する一連の円周ギャップ86を形成する。タブ88は、クリッピング部材が留置構成に向かって曲げられるとき、切欠き90の同様の形状の非線形縁部94に係合することができる非線形の対向する縁部92を有する。タブ88の縁部92は、クリッピング部材が元通り送達構成に向かってまっすぐにならないように切欠き90の縁部94に摩擦によって係合することができる。図16は、クリッピング部材に他の力を加えることなくカットの保持機能によって部分的に展開された状態で保持されたクリッピング部材を示す。いくつかの実施形態では、カットの保持機能は、クリッピング部材の形状を図1に示す留置構成で保持するように構成することができる。
【0034】
クリッピング部材12が留置構成であるとき、弁尖クリップ装置のクリッピング強度は、決定され得る。本明細書で使用される場合「クリップ保持力」および「クリッピング強度」という用語は、クリッピング部材が留置構成であるとき、心臓弁の弁尖から外れることなく弁尖クリップ装置によって耐えられ得る近位方向の力を指す。いくつかの実施形態では、クリップ装置および/またはクリップ装置のための送達機器は、弁尖クリップ装置10の保持力を測定するよう動作可能であるひずみゲージまたは同等の装置を含むことができる。
【0035】
張力付与機構14は、弁尖クリップ装置の留置構成への微細な閉じる動作を可能にするように構成され得る。特定の実施形態では、クリップ保持力は、張力付与機構14により完全に制御可能とすることができる。たとえば、図1および図3に示す実施形態では、張力付与機構14は、ねじ32と、ねじ32と螺合し、ねじ32の長さに沿って移動可能なナット34などの可動要素とを備えることができる。張力付与機構14は、ねじ32およびナット34、ならびにナット34の両側に2つのプレートまたは棒56を含むハウジング54をさらに含むことができる。プレート56は、ナット34の隣接面に接触し、ねじ32の回転時にナット34の回転を防ぐ。したがって、ねじ32の回転が、ハウジング54内でねじの長さに沿ったナット34の軸方向移動を引き起こす。
【0036】
ねじ32は、ねじ32を回転させるように操作可能な送達機器または別のツールに外せるように接続できる近位端部分58を有することができる。たとえば、送達機器または別のツールの回転可能なシャフトが、ねじ32の近位端部分58に外せるように接続される遠位端部分を有することができる。シャフトの近位端部分は、使用者が(手動により、またはシャフトを回転させるモーターを作動させることにより)回転させることができ、これはひいてはねじ32を回転させる。
【0037】
第1のコード22aが、クリッピング部材12の第1の終端部分16に付けられた遠位端部分36を有し、第2のコード22bが、クリッピング部材12の第2の終端部分18に付けられた遠位端部分38を有することができる。コード22a、22bの遠位端部分36、38は、遠位端部分36、38をクリッピング部材12の管腔表面に溶着することなどによって、クリッピング部材12の部分に固定して留めることができる。第1および第2のコード22aおよび22bの近位端部分40、42は、たとえば、近位端部分40、42をナット34にあるそれぞれの穴60に入れ、それらを所定の位置に溶着することなどによって、固定して留めることができる。矢印62で示すように、近位方向にねじ32の長さに沿ってクリッピング部材12から離れるナット34の移動によって、第1および第2のコード22a、22bに張力を付与することができる。第1および第2のコード22a、22b上の張力は、矢印64で示すように、遠位方向にクリッピング部材12に向かうナット34の移動によって、解放または緩和することができる。
【0038】
コード22a、22bの張力付与は、脚部28、30に圧縮力または座屈力を加える効果があり、これにより脚部は、クリッピング領域24において締まり、および/または脚部はクリッピング領域において一緒により近く引き寄せられ、弁尖の接合縁部に沿って自然弁尖に対して十分な保持力を加える。さらにコード22a、22bの張力付与は、自然弁の尖領域の再整形を行うためにクリッピング部材の中間部分26の操作を可能にすることができる。上述のように、クリッピング部材12は、たとえば、薄化および/またはフレックスカットなど、クリッピング部材12を曲げることが望まれるクリッピング部材12に沿った所定の位置での管材料のフレックスカットおよび/または薄化から構成され得る。フレックスカットの材料除去の長さ、位置決め、頻度、および量は、規定された順序、位置、分解能で、規定された曲率を有して、特定のエリアに湾曲を生じるための多数のオプションを可能にすることができる。
【0039】
弁尖クリップ装置10の微細な閉じる動作は、ねじ32のねじ切りのピッチによって決まり得る。たとえば、比較的小さいピッチは、クリッピング領域24における脚部分28、30の間の間隔、および自然弁尖のペアに加えられる保持力に対する制御量を増やすことになる。
【0040】
図17に示したような)ロッキングフレックスカットに代えてまたはこれに加えて、弁尖クリップ装置10のいくつかの実施形態は、クリッピング部材12をその留置構成で保持する助けになる1つまたは複数の保持機能を含むことができる。たとえば、クリッピング部材12は、各屈曲部44に保持機構46を備えることができ、保持機構46は、クリッピング部材12の所定の湾曲角度に達すると、クリッピング部材のその部分をその変形した状態で保持する。図2に示すように、各ロッキング機構46は、屈曲部44でクリッピング部材12の内腔内に配設され得る。各ロッキング機構46は、クリッピング部材が送達構成から留置構成に変換されるとき、互いに対して移動するように構成された少なくとも第1のロッキング部材48と、第2のロッキング部材50とを含むことができる。ロッキング部材48、50は、留置構成において互いにはまり込む相補的形状を有する対向する縁部を有することができる。たとえば、第1のロッキング部材48は、第2のロッキング部材50の突出部70を受ける切欠き68を有することができる。
【0041】
クリッピング部材12が送達構成で実質的にまっすぐにされるとき、ロッキング部材48、50は、各々に対して重なる位置に置かれ、クリッピング部材12が留置構成に向かって動くとき、互いに対してスライドすることができる。屈曲部44が所定の湾曲に達するとき、たとえば、留置構成に達するとき、突出部70は、図2に示すように、移動して切欠き68内に係合する。ロッキング部材48、50は、突出部70を切欠き68に係合させるために、互いに対して横方向に付勢され得る。ロッキング部材48、50の係合が、留置構成を超えた屈曲部44におけるクリッピング部材のさらなる屈曲、および屈曲部44における送達構成に向かうクリッピング部材の屈曲に抗う。保持部材46は、コード22a、22bにかかる負荷を下げることができ、より長い時間期間の間弁尖上で一定の保持力を維持するクリップ装置の能力を上げることができる。
【0042】
追加および/または代替として、張力付与機構14は、クリッピング部材12を留置構成で保持するための保持またはロッキング機構を含むこともできる。たとえば、張力付与機構14は、ねじ32とナット34との間の摩擦力で、1つまたは複数のコード22における張力のバランスのために、留置構成でクリッピング部材を保持することができる。このようにして、ねじ32およびナット34は、保持機構として働く。追加および/または代替として、可変ピッチねじが、保持機構を与えることができ、それによってナット34が、第1のピッチを有するねじの第1の部分に沿って移動することができ、次いで、図9図10に関連して以下でさらに説明するように、第1のピッチとは異なる第2のピッチを有するねじの第2の部分にロックされる、またはこれと機械的干渉を作り出す。
【0043】
図7は、一実施形態による、患者の体内に経皮的にクリップ装置10を送達し、留置するための送達機器400の遠位端部分を示す。送達機器は、外側のシース402と、シース402を通って延びる第1のシャフト404と、第1のシャフト404を通って延びる第2のシャフト406とを備えることができる。シース402は、患者の体を通して送達するための送達構成のクリップ装置10を受け入れ、保持するサイズの内腔を有する。内側のシャフト404は、図示のように張力付与機構14として、クリップ装置上の好都合な位置に、外せるように接続され得る。シャフト404は、シース402および留置位置に対するクリップ装置10の位置を操作または調整するために使用することができる。たとえば、シャフト404は、クリップ装置10をシース402から展開する、留置位置に対して遠位および近位にクリップ装置を移動させる、および/または留置位置に対してクリップ装置を回転させるために使用することができる。第2のシャフト406は、張力付与機構14のねじ32の近位端部分58に、外せるように結合され得る。第2のシャフト406は、ねじ32を回転させ、コード22a、22b上の張力を調整するために、ユーザによって第1のシャフト404に対して回転され得る。シース402、第1のシャフト404、および第2のシャフト406の近位端部分は、送達機器のハンドルに結合することができ、ハンドルは、使用者がシース402、第1のシャフト404、および第2のシャフト406の動きを制御できるようにする適切な制御装置(たとえば、ノブ)を含むことができる。
【0044】
送達機器400およびシース402内に含まれているクリップ装置10は、(たとえば、大腿動脈または他の好適なアクセスポイントから)患者の脈管構造に導入され、様々な送達技法のいずれかを使用して弁尖クリップ装置402とともに患者の心臓に経皮的に進められ得る。経大腿手技では、送達機器400は、大腿動脈および大動脈を通して心臓まで逆行方向で挿入され得る(限定はしないが、一般的に、大動脈弁または僧帽弁の弁尖にクリップを展開するために使用される)。同様に、送達機器400は、大腿静脈および大静脈を通して心臓の右側まで順行方向で挿入され得る(限定はしないが、一般的に、肺動脈弁または三尖弁の弁尖にクリップを展開するために使用される)。経心室手技(transventricular procedure)では、送達機器400は、胸部でおよび下側前方心室壁上のベアスポットで行われる外科的切開によって挿入され得る(限定はしないが、一般的に、大動脈弁または僧帽弁の弁尖にクリップを展開するために使用される)。同様に、送達機器400は、肺動脈弁または三尖弁にアクセスするために右心室の壁上の外科的切開によって挿入され得る。経心房手技では、送達機器400は、心臓の左または右側それぞれの自然弁にアクセスするために左または右心房の壁に行われる外科的切開によって挿入され得る。経大動脈手技では、送達機器400は、上行大動脈に行われる外科的切開によって挿入され、心臓に向かって進められ得る(限定はしないが、一般的に、大動脈弁または僧帽弁の弁尖にクリップを展開して使用される)。経中隔手技では、送達機器400は、大腿静脈などから、右心室および左心室を分ける中隔を通って、右心房に進められ得る(限定はしないが、一般的に、大動脈弁または僧帽弁の弁尖にクリップを展開するために使用される)。心臓の自然弁にアクセスするための送達技法のさらなる詳細は、米国特許公開第2014/0067052号に開示されている。
【0045】
所望の心臓弁に近接して配置されると、弁尖クリップ装置10は、次いで、シャフト404を使用してシース402から遠位にクリップ装置10を押し出すこと、および/またはクリップ装置に対してシース402を引っ込めることなどによって、シース402から展開され得る。クリップ装置がシースから展開されると、クリップ装置は、第1および第2の弁尖のペアが、一次クリッピング領域24内に全体的に位置付けられ、第1の脚部分28が弁尖の一方に隣接し、第2の脚部分30が他方の弁尖に隣接するように弁尖クリップ装置10を位置付けするために、必要に応じて遠位に進められる、近位に引っ込められる、および/または回転されることがある。
【0046】
送達機器は、弁尖が脚部分28、30の間で係合され、挟まれた、望ましい所定の留置構成が実現されるまで張力付与機構14を調整するために使用することができる。たとえば、使用者は、シャフト406を回転させることができ、シャフトはねじ32を回転させ、それによって、留置構成が実現されるまで、コード22a、22b上の張力を上げる。
【0047】
代替実施形態では、クリップ装置が、自然弁尖の複数のペアと係合するように構成された複数のクリッピング部材を備えることができる。図4に示すように、たとえば、弁尖クリップ装置300は、互いから約120度の間隔で配置され、各々が自然弁の交連などで、自然弁尖のペアに留置されるように構成された3つのクリッピング部材302、304、306を有する環状リングを備える。クリップ装置300は、管状構造を備え、たとえば、形状記憶材料(たとえば、ニチノール)または塑性変形可能な材料(たとえば、ステンレス鋼もしくはコバルトクロム合金)から形成されることがある。他の実施形態では、クリップ装置は、たとえば、自然僧帽弁の弁尖に留置するために、互いから約180度の間隔で配置された2つのクリッピング部材を有する環状リングを備えることがある。
【0048】
さらに代替実施形態では、クリップ装置は、装置が留置されることになる弁の自然弁尖の数よりも少ないいくつかのクリッピング部材を有する開放リング(すなわち、360度に満たないリング)を備えることができる。たとえば、クリップ装置は、互いから約120度の間隔で配置された2つのクリッピング部材を有する開放リングを備えることができ、自然弁尖の2つのペアに係合するが、自然弁尖の第3のペアに係合しないように構成される。
【0049】
弁尖クリップ装置は、クリッピング部材内に配設された1つまたは複数のコードに張力を加える、および/またはクリッピング部材を送達構成から留置構成に変換するように構成されたいくつかの異なる張力付与機構のうちのいずれか1つを含むことができる。たとえば、図5および図8図12は、異なる張力付与機構を有する弁尖クリップ装置の様々な実施形態を示す。
【0050】
図5は、別の実施形態による弁尖クリップ装置500を示す。弁尖クリップ500は、張力付与機構502と、内腔506を画定するクリッピング部材504とを備える。張力付与機構502は、1つまたは複数の留め具508を備えることができる。1つまたは複数のコード510は、内腔506内に配設可能であり、図1の実施形態に関連して上記で説明したように、それらの遠位端部分512でクリッピング部材504上のそれぞれの位置に取り付けることができる。1つまたは複数のコード510は、留め具508を通過することができ、送達機器に接続され、および/または患者の体の外側に延びる近位端部分を有することができる。留め具508(縫合クリップなど)は、矢印516で示す方向にコード510の上で進められ、コード上の張力を保持するためにクリッピング部材504の中間部分514に押し付けられ得る。クリッピング部材504の近位のコードの部分は、送達機器または別のツールで切断され得る。
【0051】
留め具508は、縫合クリップ、またはカテーテルから展開され、患者の体内の縫合に固定され得る別のタイプの留め具とすることができる。本出願で開示する方法に使用できる様々な縫合クリップおよび縫合クリップの展開技法は、米国公報第2014/0031864号および第2008/0281356号、ならびに米国特許第7,628,797号に開示されている。スライド可能な留め具の場合、留め具508は、コード510に沿ってクリッピング部材に向かう遠位方向に移動可能であり、反対方向のコードに沿った近位方向の動きに抗うように構成され得る。したがって、クリッピング部材に接触して置かれると、留め具508は、コード510がコードの張力の下で留め具を通り抜けて引っ張らないようにすることができる。このようにして、留め具508は、クリッピング部材の形状を留置構成で維持するのを支援する保持部材として働く。
【0052】
送達機器は、望ましい所定の留置構成が実現されるまで、コード510に加えられる張力を調整するように構成された機構を含むことができる。たとえば、コード510は、使用者によって制御され得るそれぞれのシャフトまたは他の構成要素に外せるように結合され得る。送達機器は、コード上に留め具508を展開する、および/または留め具508がクリッピング部材に当接するまでコード上で留め具508を進めるための機構を含むこともできる。
【0053】
図8は、別の実施形態による弁尖クリップ装置600を示す。クリップ装置600は、張力付与機構602と、内腔606を画定するクリッピング部材604とを備える。張力付与機構602は、1つまたは複数の留め具608(たとえば、縫合クリップ)と、内腔606内に配設された1つまたは複数の滑車輪またはシーブ612を備える滑車システム610とを備えることができる。1つまたは複数のコード614が、図1の実施形態に関連して上記で説明したように、内腔606内に配設され、それらの遠位端部分616で、クリッピング部材604上のそれぞれの位置に取り付けられ得る。1つまたは複数のコード614は、留め具を通るコード614の一方向の移動を可能にする留め具608を通り抜けることができる。図示のように、コード614は、内腔を通って延びるとき、車輪612の周りを縫うように進められ得る。
【0054】
送達機器は、図5の実施形態に関連して上記で説明したように、望ましい所定の留置構成が実現されるまで、クリッピング部材604内のコード614に張力が加えられることを可能にする機構と、コード614の上で留め具608を展開し、進めるための機構とを含むことができる。コード614を支えるための滑車輪612の使用は、それにより、コードに張力を加えることによってクリッピング部材を留置構成に変形させるのに必要とされる力が大幅に減るので有利である。滑車輪612はまた、コードに張力を加えた時に所望の位置でのクリッピング部材の屈曲を促すために内腔内の戦略的位置に位置付けされる。滑車システムの他の使用により、手技の必要に応じて、コード上の張力/負荷をさらに分散させることができる。
【0055】
図9は、別の実施形態による弁尖クリップ装置700を示す。クリップ装置700は、張力付与機構702と、内腔706を画定するクリッピング部材704とを備える。張力付与機構702は、図1の張力付与機構14と同様に、ねじ708と、ねじに上に配設されたナット710とを備えることができる。張力付与機構のための別個のハウジングの代わりに、ねじ708は、少なくとも部分的に、クリッピング部材の内腔706内に配設され得る。2つの壁または突出部718が、ねじ708の回転時に接触し、ナット710の回転を防ぐために、内腔706内のナット710の両側に置かれ得る。
【0056】
1つまたは複数のコード712が、内腔706内に配設可能であり、上記で説明したように、それらの遠位端部分714でクリッピング部材704上のそれぞれの位置に取り付けることができる。コード712は、それらの近位端部分でナット710に取り付けられ得る。したがって、ねじ708の回転は、図1の実施形態に関連して上記で詳細に説明したように、コード上の張力を調整するためにナット710をねじに沿って軸方向に動かす効果がある。
【0057】
張力付与機構702は、可変ピッチねじの形態の保持またはロッキング機構を含むことができる。図10に最も良く示されているように、たとえば、ねじ708は、第1のピッチを定めるねじ山を有する第1のねじ切り部分720と、第1のピッチよりも小さい第2のピッチを定めるねじ山を有する第2のねじ切り部分722とを含むことができる。ナット710は、第1のねじ切り部分720のねじ山に対応する雌ねじを有し、ねじの回転時にねじに沿って軸方向に動くことができる。ナット710は、第2のねじ切り部分722に達するとき、クリッピング部材をその変形した状態で保持する助けとなるように、ナットのさらなる動きに抵抗する機械的干渉が発生するように、ナット710の雌ねじは、第2のねじ切り部分722のねじ山とは実質的に異なる(たとえば、ねじ山は、第2のねじ切り部分のねじ山よりも大きいおよび/または小さいピッチを有する)。
【0058】
図11は、別の実施形態による弁尖クリップ装置800を示す。クリップ装置800は、張力付与機構802と、内腔806を画定するクリッピング部材804とを備える。張力付与機構802は、ウォームねじ808と、ねじ808と係合するウォームホイールまたは歯車810とを備えることができる。ねじ808およびホイール810は、送達機器またはねじを回転させるために使用されるツールに接続するために、ねじ808の近位端部分をクリッピング部材の外側に露出して内腔806内に取り付けることができる。ウォームねじ808上の回転またはトルクが、ウォームホイール810上の回転およびトルクに変換される。
【0059】
1つまたは複数のコード812が、内腔806内に配設可能であり、前に説明したように、それらの遠位端814でクリッピング部材804上のそれぞれの位置に取り付けることができる。1つまたは複数のコード812は、それらの近位端部分でウォームホイール810の中心軸816に取り付けることができる。送達システム内の機構(たとえば、トルク軸)が、ねじ808を回転させ、ウォームホイール810および軸816の回転を引き起こすことができる。ウォームホイール810が回転されると、コードのたるみが軸816に巻き付けられるにつれて、1つまたは複数のコード812に張力が加えられる。図示のように、複数のコード812に張力を加えるために、単一のウォームホイール810を使用することができる。代替実施形態では、第1および第2のウォームホイール810が、ねじ808の両側でそれぞれの軸に、各ホイール810がクリッピング部材のその側を通って延びるそれぞれのコード812に接続されて、取り付けられることがある。望ましい所定の留置構成が実現されるまで、クリッピング部材804内の1つまたは複数のコード812に、張力を加えることができる。
【0060】
図12は、別の実施形態による弁尖クリップ装置900を示す。クリップ装置900は、張力付与機構902と、内腔906を画定するクリッピング部材904とを備えることができる。張力付与機構902は、中央かさ歯車908と、たとえば中央かさ歯車908の両側に配設された、1つまたは複数の側面かさ歯車910とを備えることができる。各側面歯車910は、それぞれの軸916または両方の側面歯車910を通って延びる共通の軸に取り付けることができる。歯車908、910は、中央歯車908の軸部分909が、送達機器またはねじを回転させるために使用されるツールに接続するためにクリッピング部材の外側に露出され得ることを除いて、内腔906に取り付けることができる。(軸部分909を回転させることによる)中央歯車908の回転またはトルクは、2つの側面歯車910での回転またはトルクに変換される。
【0061】
1つまたは複数のコード912が、内腔906内に配設可能であり、前に説明したように、それらの遠位端部分914でクリッピング部材904上のそれぞれの位置に取り付けることができる。1つまたは複数のコード912の各々は、その近位端部分でそれぞれの側面歯車910の軸916に取り付けることができる。送達システム内の機構(たとえば、トルク軸)が、中央歯車908を回転させ、側面歯車910の回転を引き起こすことができる。側面歯車910が回転すると、各コードのたるみがそれぞれの軸916に巻き付けられるにつれて、1つまたは複数のコード912に張力が加えられる。望ましい所定の留置構成が実現されるまで、クリッピング部材904内の1つまたは複数のコード912に、張力を加えることができる。
【0062】
開示した技術の原理を適用することができる多くの可能な実施形態に鑑みて、図示の実施形態は、好ましい例にすぎず、本開示の範囲を限定すると受け取られるべきではないことを認識されたい。むしろ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。
[付記項1]
弁尖クリップ装置であって、
第1の終端部分および第2の終端部分を有する細長いクリッピング部材であって、形状記憶材料を含み、留置構成で形状設定される、クリッピング部材
を備え、
前記クリッピング部材の前記形状記憶材料が、前記クリッピング部材を前記留置構成に付勢するように構成され、前記留置構成が、前記クリッピング部材の2つの脚部分の間に画定されるクリッピング領域を含む、弁尖クリップ装置。
[付記項2]
前記弁尖クリップ装置が、前記クリッピング部材内に配設された保持機構をさらに備え、前記保持機構が、前記クリッピング部材の形状を前記留置構成で保持する、付記項1に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項3]
前記保持機構が、前記留置構成において互いにはまり込む相補的形状を有する対向する縁部を有する第1のロッキング部材および第2のロッキング部材を含む、付記項2に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項4]
前記クリッピング部材が、送達構成において、実質的にまっすぐなまたは直線形状に形状設定される、付記項1から3のいずれか一項に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項5]
前記クリッピング部材が前記留置構成にあるとき、弁尖のペアを捕らえるための前記クリッピング領域を定めるために、前記2つの脚部分の各々の第1のセクションが、前記クリッピング部材の中間部分のそれぞれの端部から互いに向かって延び、前記2つの脚部分の各々の第2のセクションが、前記クリッピング領域から離れる方向に移動しながら互いから離れて延びる、付記項1から4のいずれか一項に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項6]
前記留置構成の前記クリッピング部材が、ギリシャ文字オメガの形状を有する、付記項5に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項7]
前記クリッピング部材が、内腔を有する管状本体を備える、付記項1から6のいずれか一項に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項8]
複数のクリッピング部材をさらに備える、付記項1から7のいずれか一項に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項9]
前記複数のクリッピング部材を有する環状リングをさらに備える、付記項8に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項10]
前記環状リングが、互いから約180度の間隔を開けた2つのクリッピング部材または互いから約120度の間隔を開けた3つのクリッピング部材を有する、付記項9に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項11]
前記複数のクリッピング部材を有する開放リングをさらに備える、付記項8に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項12]
前記開放リングが、互いから約120度の間隔を開けた2つのクリッピング部材を有する、付記項11に記載の弁尖クリップ装置。
[付記項13]
患者の自然弁を修復するための弁修復システムであって、
少なくとも1つの内腔を有する送達機器と、
前記送達装置に結合された弁尖クリップ装置であって、前記弁尖クリップ装置が、
第1の終端部分および第2の終端部分を有する細長いクリッピング部材と、
前記クリッピング部材に結合された張力付与機構と、
前記クリッピング部材の内腔内に配設された1つまたは複数の張力付与部材であって、前記クリッピング部材を送達構成から留置構成に変換するために、前記張力付与機構に動作可能に接続された、1つまたは複数の張力付与部材と、
を備え、前記1つまたは複数の張力付与部材が、
前記張力付与機構に動作可能に接続された近位端部分と前記クリッピング部材の前記第1の終端部分に接続された遠位端部分とを有する第1の張力付与部材と、
前記張力付与機構に動作可能に接続された近位端部分と前記クリッピング部材の前記第2の終端部分に接続された遠位端部分とを有する第2の張力付与部材と、
を備える、
弁尖クリップ装置と、
を備える、弁修復システム。
[付記項14]
前記送達機器の前記内腔が、患者の体を通して送達するための前記送達構成において、前記弁尖クリップ装置を受け入れかつ前記弁尖クリップ装置の前記細長いクリッピング部材を保持するサイズとされている、付記項13に記載の弁修復システム。
[付記項15]
前記送達機器が、前記内腔を通って延在する第1のシャフトおよび第2のシャフトを備えている、付記項14に記載の弁修復システム。
[付記項16]
前記第1のシャフトが、ユーザが前記第1のシャフトを移動させて前記送達機器の前記内腔内で前記弁尖クリッピング装置を移動させることができるように、前記弁尖クリッピング装置に結合され、前記第2のシャフトが、ユーザが前記第2のシャフトを回転させて前記送達構成と前記留置構成との間で前記細長いクリッピング部材を移動させることができるように、前記弁尖クリップ装置の前記張力付与機構に結合される、付記項15に記載の弁修復システム。
[付記項17]
前記第1のシャフトおよび前記第2のシャフトの近位端が、前記送達機器のハンドルに結合される、付記項16に記載の弁修復システム。
[付記項18]
前記弁尖クリップ装置が、前記クリッピング部材の内腔内に配設された保持機構をさらに備え、前記保持機構が、前記クリッピング部材の形状を前記留置構成で保持する、付記項13から17のいずれか一項に記載の弁修復システム。
[付記項19]
前記保持機構が、前記細長いクリッピング部材の形状を前記留置構成で保持するための第1のロッキング部材および第2のロッキング部材を備え、前記細長いクリッピング部材の前記留置構成への変換が、前記第1のロッキング部材および前記第2のロッキング部材の互いに対する移動をもたらす、付記項18に記載の弁修復システム。
[付記項20]
前記細長いクリッピング部材の前記留置構成が、前記細長いクリッピング部材の2つの脚部分の間に画定される一次クリッピング領域を含み、前記一次クリッピング領域が、弁尖のペアを捕らえるように構成され、前記弁尖の隣接面が互いに接触する、付記項13から19のいずれか一項に記載の弁修復システム。
[付記項21]
前記張力付与機構が、前記細長いクリッピング部材の前記第1の終端部分および前記第2の終端部分に対して中央に前記細長いクリッピング部材に結合される、付記項13から20のいずれか一項に記載の弁修復システム。
[付記項22]
前記張力付与機構の少なくとも一部分の回転が、前記1つまたは複数の張力付与部材の張力付与を引き起こす、付記項13から21のいずれか一項に記載の弁修復システム。
[付記項23]
前記1つまたは複数の張力付与部材が、ワイヤ、撚り線、ファイバー又はフィラメントのうちの少なくとも1つを備える、付記項13から22のいずれか一項に記載の弁修復システム。
【符号の説明】
【0063】
10 弁尖クリップ装置
12 クリッピング部材
14 張力付与機構
16 第1の終端部分
18 第2の終端部分
20 内腔
22 張力付与部材
24 クリッピング領域
26 中間部分
28 脚部分
30 脚部分
32 ねじ
34 ナット
36 遠位端部分
38 遠位端部分
40 近位端部分
42 近位端部分
44 屈曲部
46 保持機構、ロッキング機構
48 ロッキング部材
50 ロッキング部材
54 ハウジング
56 プレート、棒
58 近位端部分
60 穴
68 切欠き
70 突出部
80 ギャップ
82 タブ
84 切欠き
86 ギャップ
88 タブ
90 切欠き
92 縁部
94 縁部
200 自然大動脈弁
210 弁尖
212 弁尖
214 弁尖
216 弁輪
218 交連
220 交連
222 交連
300 弁尖クリップ装置
302 クリッピング部材
304 クリッピング部材
306 クリッピング部材
400 送達機器
402 シース
404 第1のシャフト
406 第2のシャフト
500 弁尖クリップ装置
502 張力付与機構
504 クリッピング部材
506 内腔
508 留め具
510 コード
600 弁尖クリップ装置
602 張力付与機構
604 クリッピング部材
606 内腔
608 留め具
610 滑車システム
612 シーブ
614 コード
616 遠位端部分
700 弁尖クリップ装置
702 張力付与機構
704 クリッピング部材
706 内腔
708 ねじ
710 ナット
712 コード
800 弁尖クリップ装置
802 張力付与機構
804 クリッピング部材
806 内腔
808 ウォームねじ
810 ウォームホイール、歯車
812 コード
900 弁尖クリップ装置
902 張力付与機構
904 クリッピング部材
906 内腔
908 中央かさ歯車
909 軸部分
910 側面歯車
912 コード
914 遠位端部分
916 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】