(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103517
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】透明発光型ディスプレイを有する接眼レンズを備える拡張現実ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240725BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240725BHJP
G02F 1/13 20060101ALN20240725BHJP
G02F 1/1347 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G02F1/13 505
G02F1/1347
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079319
(22)【出願日】2024-05-15
(62)【分割の表示】P 2023019715の分割
【原出願日】2018-10-11
(31)【優先権主張番号】62/571,203
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル アーネスト エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン リー チェン ヨー
(57)【要約】
【課題】好適な透明発光型ディスプレイを有する接眼レンズを備える拡張現実ディスプレイを提供すること。
【解決手段】接眼レンズと透明発光型ディスプレイは、光をユーザの眼の中に透過させ画像を形成するためにユーザの眼の光学経路内に位置付けられる。ディスプレイの透明性質に起因してユーザは透明発光型ディスプレイを通して外側環境が見え得る。透過性発光型ディスプレイは光をユーザの眼の中に放出するように構成される複数のエミッタを備える。第1の可変焦点光学要素が、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間に位置付けられ、放出される光を修正し、画像情報がユーザによって特定の深度平面上にあるように解釈されるための適切な発散の量を提供するように構成される。第2の可変焦点光学要素は、透明発光型ディスプレイと環境との間に位置付けられ、環境のビューに及ぼされる第1の可変焦点光学要素の効果をオフセットするように構成される。
【選択図】
図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、35U.S.C.§119(e)下、その開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2017年10月11日に出願され、「AUGMENTED REALITY DISPLAY COMPRISING EYEPIECE HAVING A TRANSPARENT EMISSIVE DISPLAY」と題された米国仮特許出願第62/571,203号の優先権の利益を主張する。
(参照による組み込み)
【0002】
本願は、以下の特許出願のそれぞれの全体を参照することによって組み込む:2014年11月27日に出願され、米国公開第2015/0205126号として、2015年7月23日に公開された、米国出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、米国公開第2015/0302652号として、2015年10月22日に公開された、米国出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願された米国出願第14/212,961号(2016年8月16日に発行された現米国特許第9,417,452号)、2014年7月14日に出願され、米国公開第2015/0309263号として2015年10月29日に公開された、米国出願第14/331,218号、2017年4月6日に出願され、米国特許公開第2017/0293145号として2017年10月12日に公開された、米国特許出願第15/481,255号(弁護士参照番号MLEAP.059A)、2017年6月12日に出願された、米国仮特許出願第62/518,539号(弁護士参照番号MLEAP.119PR)、2018年6月12日に出願され、_________________に米国特許公開第_________________として公開された、米国特許出願第16/006,080号(弁護士参照番号MLEAP.119A)、および2018年2月22日に出願され、2018年8月23日に米国特許公開第2018/0239177号として公開された、米国特許出願第15/902,927号(弁護士参照番号MLEAP.057A2)。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによって遮断されて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、これらの要素40、50が実世界内に存在しないにもかかわらず、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
拡張現実のために使用され得る、透明発光型ディスプレイを伴う接眼レンズを有する、頭部搭載型ディスプレイシステムの種々の実施例が、本明細書に説明される。
(実施例)
実施例-パートI
【0008】
実施例1:光をユーザの眼に投影し、拡張現実画像コンテンツを該ユーザの視野内に表示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイシステムであって、
ユーザの頭部上に支持されるように構成される、フレームと、
フレーム上に配置される、接眼レンズであって、該接眼レンズの少なくとも一部は、透明であって、該透明部分が、ユーザの正面の環境からの光をユーザの眼に透過させ、ユーザの正面の環境のビューを提供するように、ユーザが該頭部搭載型ディスプレイを装着すると、ユーザの眼の正面の場所に配置される、接眼レンズと、
を備え、該接眼レンズは、複数のエミッタを備える透明発光型ディスプレイを備え、該透明発光型ディスプレイは、光を該ユーザの眼の中に放出し、拡張現実画像コンテンツをユーザの視野に表示するように構成され、該透明発光型ディスプレイは、ある面積にわたって透明であり、かつ、発光し、該透明発光型ディスプレイは、該透明発光型ディスプレイが、ユーザの正面の環境からの光を該透明発光型エリアを通してユーザの眼に透過させ、ユーザの正面の環境のビューを提供するように、ユーザが該頭部搭載型ディスプレイを装着すると、ユーザの眼の正面の場所に配置される、頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0009】
実施例2:該透明発光型ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを備える、実施例1に記載のシステム。
【0010】
実施例3:近位レンズアレイが、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、近位レンズアレイをさらに備える、実施例1または2に記載のシステム。
【0011】
実施例4:該近位レンズアレイは、透明発光型ディスプレイによって放出される光の発散を低減させるように構成される、実施例3に記載のシステム。
【0012】
実施例5:該近位レンズアレイは、正の屈折力を有するレンズを備える、実施例3または4に記載のシステム。
【0013】
実施例6:該近位レンズアレイは、透明発光型ディスプレイによって放出される光をコリメートするように構成される、実施例3-5のいずれかに記載のシステム。
【0014】
実施例7:該近位レンズアレイは、該エミッタからある焦点距離に配置される、正の屈折力を有するレンズを備える、実施例6に記載のシステム。
【0015】
実施例8:遠位レンズアレイが、透明発光型ディスプレイとユーザの正面の環境との間にあるように、近位側の反対の透明発光型ディスプレイ遠位側上に配置される、遠位レンズアレイをさらに備える、上記の実施例のいずれかに記載のシステム。
【0016】
実施例9:該遠位レンズアレイは、該近位レンズアレイによって導入される屈折力を相殺し、ユーザの正面の環境のビューに及ぼされる近位レンズアレイの屈折効果を低減させるための屈折力を有する、実施例8に記載のシステム。
【0017】
実施例10:近位可変焦点光学要素が、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、近位可変焦点光学要素をさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0018】
実施例11:該近位可変焦点光学要素は、可変焦点光学要素の状態および該可変焦点光学要素の焦点を改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有する、実施例10に記載のシステム。
【0019】
実施例12:該近位可変焦点光学要素は、発光型ディスプレイから放出される光の発散を改変し、異なる画像コンテンツを接眼レンズの正面の異なる距離から放出されるかのように現れさせるように構成される、実施例10または11に記載のシステム。
【0020】
実施例13:該近位可変焦点光学要素は、異なる負の屈折力を導入し、透明発光型ディスプレイからの光の発散を変動させる、2つの状態間で変動するように構成される、実施例10-12のいずれかに記載のシステム。
【0021】
実施例14:該近位可変焦点光学要素は、1つの状態にあるとき、透明発光型ディスプレイからの光をコリメートするように構成される、実施例10または11に記載のシステム。
【0022】
実施例15:遠位可変焦点光学要素が、透明発光型ディスプレイとユーザの正面の環境との間にあるように、透明発光型ディスプレイの遠位側上に配置される、遠位可変焦点光学要素をさらに備える、上記の実施例のいずれかに記載のシステム。
【0023】
実施例16:該遠位可変焦点光学要素は、遠位可変焦点光学要素の状態および前該遠位可変焦点光学要素の焦点を改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有する、実施例15に記載のシステム。
【0024】
実施例17:該遠位可変焦点光学要素は、該近位可変焦点光学要素によって導入される屈折力を相殺するための屈折力を提供し、ユーザの正面の環境のビューに及ぼされる近位可変焦点光学要素の屈折効果を低減させるように構成される、実施例15または16に記載のシステム。
【0025】
実施例18:一対のオクルーダが、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、該一対のオクルーダをさらに備える、上記の実施例のいずれかに記載のシステム。
【0026】
実施例19:該一対のオクルーダは、それぞれ、複数のピクセルを含む、第1および第2の空間光変調器を備え、該第1および第2の空間光変調器は、ピクセルの透過性状態を選択的に改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有する、実施例18に記載のシステム。
【0027】
実施例20:透明発光型ディスプレイのあるエミッタから放出される、ある角度方向の光が、該第1の空間光変調器の該透過性ピクセルおよび該第2の空間光変調器の該透過性ピクセルの両方を通して伝搬するように、該第1および第2の空間光変調器の該電気入力に電気的に結合され、該第1の空間光変調器上の1つ以上のピクセルを周囲ピクセルが不透明である間に透過性にさせ、該第2の空間光変調器上の該ピクセルのうちの1つ以上のものを該第2の空間光変調器上の周囲ピクセルが、不透明である間に透過性にさせる、電子機器をさらに備える、実施例19に記載のシステム。
【0028】
実施例21:遠位オクルーダが、透明発光型ディスプレイとユーザの正面の環境との間にあるように、透明発光型ディスプレイの遠位側上に配置される、遠位オクルーダをさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0029】
実施例22:該遠位オクルーダは、複数のピクセルを備える空間光変調器を備え、該遠位オクルーダは、ピクセルの透過性状態を選択的に改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有する、実施例21に記載のシステム。
【0030】
実施例23:該空間光変調器の該電気入力に電気的に結合され、周囲ピクセルが、不透明であって、ユーザの正面の環境のビューの一部を選択的に遮断する間、該空間光変調器上の1つ以上のピクセルを透過性にさせる、電子機器をさらに備える、実施例22に記載のシステム。
【0031】
実施例24:該透明発光型エリアは、該接眼レンズの該透明部分の少なくとも50%にわたって延在する、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0032】
実施例25:該透明発光型エリアは、該接眼レンズの該透明部分の少なくとも75%にわたって延在する、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0033】
実施例26:該透明発光型エリアは、少なくとも4平方センチメートルである、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0034】
実施例27:少なくとも1つのオクルーダが、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、少なくとも1つのオクルーダをさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0035】
実施例28:該少なくとも1つのオクルーダは、複数のピクセルを含む空間光変調器を備え、該空間光変調器は、ピクセルの透過性状態を選択的に改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有する、実施例27に記載のシステム。
【0036】
実施例29:透明発光型ディスプレイのあるエミッタから放出される、ある角度方向の光が、該空間光変調器の該透過性ピクセルを通して伝搬するように、該空間光変調器の該電気入力に電気的に結合され、周囲ピクセルが不透明である間、該空間光変調器上の1つ以上のピクセルを透過性にさせる、電子機器をさらに備える、実施例28に記載のシステム。
【0037】
実施例30:近位レンズまたは近位レンズアレイが、透明発光型ディスプレイと少なくとも1つのオクルーダとの間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、該近位レンズまたは近位レンズアレイをさらに備える、実施例27-29のいずれかに記載のシステム。
【0038】
実施例31:該近位レンズまたは近位レンズアレイは、透明発光型ディスプレイからの光の異なる角度成分が、該少なくとも1つのオクルーダに集束されるように、ある焦点距離を有し、該少なくとも1つのオクルーダから離れるように該焦点距離に対応する距離に配置される、実施例30に記載のシステム。
【0039】
実施例32:該近位可変焦点光学要素に通信可能に結合される、電子機器をさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0040】
実施例33:該電子機器は、画像コンテンツを表示するための深度に基づいて、近位可変焦点光学要素の屈折力を調節するように構成される、請求項32に記載のディスプレイシステム。
【0041】
実施例34:該電子機器は、該遠位可変焦点光学要素に通信可能に結合される、実施例32または33のいずれかに記載のシステム。
【0042】
実施例35:該電子機器は、近位可変焦点光学要素の屈折力に応答して、遠位可変焦点光学要素の屈折力を調節するように構成される、実施例32-34のいずれかに記載のシステム。
【0043】
実施例36:ユーザの1つ以上の特性を監視するように構成される、少なくとも1つのセンサをさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0044】
実施例37:少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのカメラを備える、実施例36に記載のシステム。
【0045】
実施例38:少なくとも1つのセンサは、ユーザの眼の位置付けを監視するように構成される、実施例36または37に記載のシステム。
【0046】
実施例39:電子機器は、透明発光型ディスプレイおよび少なくとも1つのセンサに通信可能に結合され、電子機器は、
少なくとも1つのセンサから、ユーザの1つ以上の特性を示す出力データを受信し、
少なくとも1つのセンサから受信された出力データに基づいて、近位可変焦点光学要素の屈折力を調節する、
ように構成される、実施例36-38のいずれかに記載のシステム。
【0047】
実施例40:電子機器は、少なくとも1つのセンサから受信された出力データに基づいて、遠位可変焦点光学要素の屈折力を調節するように構成される、実施例39に記載のシステム。
【0048】
実施例41:透明発光型ディスプレイは、発散光をユーザに投影し、画像コンテンツを表示するように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0049】
実施例42:近位または遠位可変焦点光学要素または両方の屈折力は、ユーザの視覚のための視覚補正を提供するために調節されるように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0050】
実施例43:近位または遠位可変焦点光学要素または両方の屈折力は、ユーザの視覚を2つ以上の距離において補正するための処方箋に従って調節されるように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0051】
実施例44:近位または遠位可変焦点光学要素または両方の屈折力は、ユーザの視覚を補正するための処方箋に従って調節されるように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0052】
実施例45:近位または遠位可変焦点光学要素または両方は、2つの基板間に挟入される液晶の層を備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0053】
実施例46:近位または遠位可変焦点光学要素または両方は、電圧の印加に応じて液晶層の屈折率を改変するための電極を備える、実施例45に記載のシステム。
【0054】
実施例47:基板は、ガラスを含む、実施例45または46に記載のシステム。
【0055】
実施例48:電子機器は、電流または電圧の印加によって、近位または遠位可変焦点光学要素または両方の屈折率を変動させるように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0056】
実施例49:近位または遠位レンズアレイまたは両方は、マイクロレンズのアレイを備える、実施例3-48のいずれかに記載のシステム。
【0057】
実施例50:近位または遠位レンズアレイまたは両方は、波長板レンズのアレイを備える、実施例3-49のいずれかに記載のシステム。
【0058】
実施例51:近位または遠位レンズアレイまたは両方は、波長選択的レンズのアレイを備える、実施例3-50のいずれかに記載のシステム。
【0059】
実施例52:近位および遠位レンズアレイは、反対符号を伴う屈折力を有する、実施例3-51のいずれかに記載のシステム。
【0060】
実施例53:該透明発光型ディスプレイの遠位側上に配置される、屈折力を有する1つ以上の反射性光学要素をさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0061】
実施例54:1つ以上の反射性光学要素は、1つ以上のコレステリック液晶反射性波長板レンズを備える、実施例53のいずれかに記載のシステム。
【0062】
実施例55:1つ以上の反射性光学要素は、コレステリック液晶反射性波長板レンズのアレイを備える、実施例53のいずれかに記載のシステム。
【0063】
実施例56:透明発光型ディスプレイと該1つ以上の反射性光学要素との間に位置付けられる、リターダをさらに備える、実施例53-55のいずれかに記載のシステム。
【0064】
実施例57:該リターダは、4分の1波長板を備える、実施例56に記載のシステム。
【0065】
実施例58:近位レンズアレイは、複数のレンズを備え、該レンズの異なるものは、透明発光型ディスプレイのピクセルの個別のセットに光学的に結合される、実施例3-57のいずれかに記載のシステム。
【0066】
実施例59:電子機器は、同一照明パターンに従って、近位レンズアレイ内の2つ以上の個別のレンズに光学的に結合される、透明発光型ディスプレイのピクセルの2つ以上のセットを制御するように構成される、実施例58に記載のシステム。
【0067】
実施例60:透明発光型ディスプレイのピクセルの各セットは、画像情報を異なる目線から表示するように構成される、実施例58に記載のシステム。
【0068】
実施例61:透明発光型ディスプレイと近位または遠位可変焦点光学要素または両方との間に位置付けられる、液晶の1つ以上の層をさらに備え、電子機器は、電流または電圧を液晶の1つ以上の層のピクセルに印加し、入射光の一部を選択的にオクルードするように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0069】
実施例62:少なくとも1つのプロセッサは、変調された電流または電圧を液晶の1つ以上の層のピクセルに印加するように構成され、該変調された電流または電圧は、変調周波数を有する、実施例61に記載のシステム。
【0070】
実施例63:変調周波数は、少なくとも60Hzである、実施例62に記載のシステム。
【0071】
実施例64:近位または遠位可変レンズ要素または両方は、
第1の偏光を有する光のための第1の屈折力を提供し、第2の偏光を有する光のための第2の屈折力を提供するように構成される、1つ以上の波長板レンズと、
光学経路内の1つ以上の切替可能な波長板であって、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、1つ以上の切替可能な波長板と、
を備え、近位または遠位可変レンズ要素または両方は、個別の電気信号の印加に応じて調節可能な個別の屈折力を提供するように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0072】
実施例65:電子機器は、近位または遠位可変レンズ要素または両方を、第1および第2の可変焦点レンズアセンブリが、実質的に一定正味屈折力をそれを通して通過する周囲環境からの周囲光に付与するように、異なる状態間で同期して切り替わらせるように構成される、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0073】
実施例66:少なくとも1つのオクルーダが、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、少なくとも1つのオクルーダをさらに備える、上記の実施例のいずれかに記載のシステム。
【0074】
実施例67:該少なくとも1つのオクルーダは、それぞれ、複数のピクセルを含む、第1および第2の空間光変調器を備え、該第1および第2の空間光変調器は、ピクセルの透過性状態を選択的に改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有する、実施例66に記載のシステム。
【0075】
実施例68:透明発光型ディスプレイのあるエミッタから放出される、ある角度方向の光が、該第1の空間光変調器の該透過性ピクセルおよび該第2の空間光変調器の該透過性ピクセルの両方を通して伝搬するように、該第1および第2の空間光変調器の該電気入力に電気的に結合され、該第1の空間光変調器上の周囲ピクセルが不透明である間、該第1の空間光変調器上の1つ以上のピクセルを透過性にさせ、該第2の空間光変調器上の周囲ピクセルが、不透明である間、該第2の空間光変調器上の該ピクセルのうちの1つ以上のものを透過性にさせる、電子機器をさらに備える、実施例67に記載のシステム。
【0076】
実施例69:該透明発光型ディスプレイの遠位側上に配置される、1つ以上の反射性光学要素をさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0077】
実施例70:反射性光学要素は、透明発光型ディスプレイからの光を受け取り、該光をユーザの眼に反射させるように配置される、実施例69に記載のシステム。
【0078】
実施例71:1つ以上の反射性光学要素は、1つ以上の液晶反射性レンズを備える、実施例69または70に記載のシステム。
【0079】
実施例72:1つ以上の反射性光学要素は、液晶反射性レンズのアレイを備える、実施例69または70に記載のシステム。
【0080】
実施例73:透明発光型ディスプレイと該1つ以上の反射性光学要素との間に位置付けられる、リターダをさらに備える、実施例69-72のいずれかに記載のシステム。
【0081】
実施例74:該リターダは、4分の1波リターダを備える、実施例73に記載のシステム。
【0082】
実施例75:近位レンズが、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間にあるように、透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、近位レンズをさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0083】
実施例76:該近位レンズは、単一レンズを備える、実施例75に記載のシステム。
【0084】
実施例77:該近位レンズは、透明発光型ディスプレイによって放出される光の発散を低減させるように構成される、実施例75または76に記載のシステム。
【0085】
実施例78:該近位レンズは、正の屈折力を有するレンズを備える、実施例75-77のいずれかに記載のシステム。
【0086】
実施例79:該近位レンズは、透明発光型ディスプレイによって放出される光をコリメートするように構成される、実施例75-78のいずれかに記載のシステム。
【0087】
実施例80:該近位レンズは、該エミッタからある焦点距離に配置される、正の屈折力を有するレンズを備える、実施例79に記載のシステム。
【0088】
実施例81:遠位レンズが、透明発光型ディスプレイとユーザの正面の環境との間にあるように、近位側の反対の透明発光型ディスプレイの遠位側上に配置される、該遠位レンズをさらに備える、実施例75-79のいずれかに記載のシステム。
【0089】
実施例82:該遠位レンズは、単一レンズを備える、実施例81に記載のシステム。
【0090】
実施例83:該遠位レンズは、該近位レンズによって導入される屈折力を相殺し、ユーザの正面の環境のビューに及ぼされる近位レンズの屈折効果を低減させるための屈折力を有する、実施例81または82に記載のシステム。
【0091】
実施例84:反射性光学要素は、液晶を含む、実施例69または70に記載のシステム。
【0092】
実施例85:波長板レンズをさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0093】
実施例86:波長板レンズは、液晶を含む、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0094】
実施例87:波長板レンズは、反射性である、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0095】
実施例88:波長板レンズレットアレイをさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0096】
実施例89:波長板レンズレットアレイは、液晶を含む、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0097】
実施例90:波長板レンズレットアレイは、反射性である、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0098】
実施例91:1つ以上の反射性光学要素は、1つ以上の液晶反射性波長板レンズを備える、実施例69-90に記載のシステム。
【0099】
実施例92:1つ以上の反射性光学要素は、液晶反射性波長板レンズのアレイを備える、実施例69-90に記載のシステム。
【0100】
実施例93:1つ以上の反射性光学要素は、1つ以上のコレステリック液晶反射性波長板レンズを備える、実施例69-91のいずれかに記載のシステム。
【0101】
実施例94:1つ以上の反射性光学要素は、コレステリック液晶反射性波長板レンズのアレイを備える、実施例69-92のいずれかに記載のシステム。
【0102】
実施例95:近位レンズアレイは、液晶を含む、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0103】
実施例96:遠位レンズアレイは、液晶を含む、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0104】
実施例97:近位レンズを透明発光型ディスプレイの近位側上にさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
【0105】
実施例98:遠位レンズを透明発光型ディスプレイの遠位側上にさらに備える、上記実施例のいずれかに記載のシステム。
実施例-パートII
【0106】
実施例1:ディスプレイシステムであって、
光を視認者に投影し、1つ以上の深度平面に関する画像情報を表示するように構成される、頭部搭載可能ディスプレイであって、
光を生産するように構成される、発光パネルであって、周囲環境内のオブジェクトからの光が、それを通して視認者に通過することを可能にするようにさらに構成される、発光パネルと、
発光パネルと視認者の第1の眼との間の第1の可変焦点レンズアセンブリと、
発光パネルと周囲環境との間の第2の可変焦点レンズアセンブリと、
視認者の1つ以上の特性を監視するように構成される、少なくとも1つのセンサと、
を備える、ディスプレイと、
発光パネルおよび少なくとも1つのセンサに通信可能に結合される、少なくとも1つのプロセッサであって、
少なくとも1つのセンサから、視認者の1つ以上の特性を示す出力データを受信し、
少なくとも1つのセンサから受信された出力データに基づいて、第1および第2の可変焦点レンズアセンブリの屈折力を調節する、ように構成される、少なくとも1つのプロセッサと、
備える、ディスプレイシステム。
【0107】
実施例2:少なくとも1つのプロセッサは、画像情報を表示するための深度平面に応じて、第1および第2の可変焦点レンズアセンブリの屈折力を調節するように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0108】
実施例3:少なくとも1つのプロセッサは、第1の可変焦点レンズアセンブリの屈折力に応答して、第2の可変焦点レンズアセンブリの屈折力を調節するように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0109】
実施例4:発光パネル内の1つ以上のエミッタは、発散光を視認者に投影し、画像情報を表示するように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0110】
実施例5:少なくとも1つのセンサは、視認者の第1の眼の位置付けを監視するように構成される、少なくとも1つのカメラを備える、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0111】
実施例6:第1および/または第2の可変焦点レンズアセンブリの屈折力は、2つ以上の距離における視認者の視覚を補正するための処方箋に従って調節される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0112】
実施例7:第1のおよび/または第2の可変焦点レンズアセンブリは、2つの基板間に挟入される、液晶の層を備える、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0113】
実施例8:第1および/または第2の可変焦点レンズアセンブリは、電圧の印加に応じて液晶層の屈折率を改変するための電極を備える、実施例7に記載のディスプレイシステム。
【0114】
実施例9:基板は、ガラスを含む、実施例7に記載のディスプレイシステム。
【0115】
実施例10:少なくとも1つのプロセッサはさらに、電流または電圧の印加によって、第1および/または第2の可変焦点レンズアセンブリの屈折率を変動させるように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0116】
実施例11:発光パネルは、有機発光ダイオード(OLED)フィルムを備える、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0117】
実施例12:ディスプレイはさらに、OLEDフィルムに光学的に結合される、レンズのアレイを備える、実施例11に記載のディスプレイシステム。
【0118】
実施例13:レンズアレイは、OLEDフィルムと第1の可変焦点レンズアセンブリとの間に位置付けられる、実施例12に記載のディスプレイシステム。
【0119】
実施例14:レンズアレイは、マイクロレンズのアレイを備える、実施例13に記載のディスプレイシステム。
【0120】
実施例15:レンズアレイは、波長板レンズのアレイを備える、実施例13に記載のディスプレイシステム。
【0121】
実施例16:レンズアレイは、波長選択的レンズのアレイを備える、実施例13に記載のディスプレイシステム。
【0122】
実施例17:ディスプレイはさらに、OLEDフィルムと第2の可変焦点レンズアセンブリとの間に位置付けられる、レンズの別のアレイを備え、
2つのレンズアレイは、反対符号を伴う屈折力を有する、実施例13に記載のディスプレイシステム。
【0123】
実施例18:レンズアレイは、OLEDフィルムと第2の可変焦点レンズアセンブリとの間に位置付けられる、実施例12に記載のディスプレイシステム。
【0124】
実施例19:レンズアレイは、コレステリック液晶反射性波長板レンズのアレイを備える、実施例13に記載のディスプレイシステム。
【0125】
実施例20:ディスプレイはさらに、OLEDフィルムとコレステリック液晶反射性波長板レンズのアレイとの間に位置付けられる、4分の1波長板を備える、実施例13に記載のディスプレイシステム。
【0126】
実施例21:レンズアレイ内の各レンズは、OLEDフィルムのピクセルの個別のセットに光学的に結合される、実施例12に記載のディスプレイシステム。
【0127】
実施例22:少なくとも1つのプロセッサは、同一照明パターンに従って、レンズアレイ内の2つ以上の個別のレンズに光学的に結合される、OLEDフィルムのピクセルの2つ以上のセットを制御するように構成される、実施例21に記載のディスプレイシステム。
【0128】
実施例23:OLEDフィルムのピクセルの各セットは、画像情報を異なる目線から表示するように構成される、実施例21に記載のディスプレイシステム。
【0129】
実施例24:ディスプレイはさらに、発光パネルと第1の可変焦点レンズアセンブリとの間に位置付けられる、液晶の1つ以上の層を備え、少なくとも1つのプロセッサは、電流または電圧を液晶の1つ以上の層のピクセルに印加し、入射光の一部を選択的にオクルードするように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0130】
実施例25:少なくとも1つのプロセッサは、特定の変調周波数において、電流または電圧のパルスを液晶の1つ以上の層のピクセルに印加するように構成される、実施例24に記載のディスプレイシステム。
【0131】
実施例26:特定の変調周波数は、少なくとも60Hzである、実施例25に記載のディスプレイシステム。
【0132】
実施例27:第1および第2の可変焦点レンズアセンブリは、
第1の偏光を有する光のための第1の屈折力を提供し、第2の偏光を有する光のための第2の屈折力を提供するように構成される、1つ以上の波長板レンズと、
光学経路内の1つ以上の切替可能な波長板であって、それぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、1つ以上の切替可能な波長板と、
を備え、第1および第2の可変焦点レンズアセンブリは、個別の電気信号の印加に応じて調節可能な個別の屈折力を提供するように構成される、実施例1に記載のディスプレイシステム。
【0133】
実施例28:少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2の可変焦点レンズアセンブリを、第1および第2の可変焦点レンズアセンブリが、実質的に一定正味屈折力をそれを通して通過する周囲環境からの周囲光に付与するように、異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成される、実施例27に記載のディスプレイシステム。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
光をユーザの眼に投影し、拡張現実画像コンテンツを前記ユーザの視野内に表示するように構成される頭部搭載型ディスプレイシステムであって、前記頭部搭載型ディスプレイシステムは、
前記ユーザの頭部上に支持されるように構成されるフレームと、
前記フレーム上に配置される接眼レンズであって、前記接眼レンズの少なくとも一部は、透明であり、前記透明部分が、前記ユーザの正面の環境からの光をユーザの眼に透過させ、前記ユーザの正面の環境のビューを提供するように、前記ユーザが前記頭部搭載型ディスプレイを装着すると、前記ユーザの眼の正面の場所に配置される、接眼レンズと
を備え、
前記接眼レンズは、複数のエミッタを備える透明発光型ディスプレイを備え、前記透明発光型ディスプレイは、光を前記ユーザの眼の中に放出し、拡張現実画像コンテンツをユーザの視野に表示するように構成され、前記透明発光型ディスプレイは、ある面積にわたって透明であり、かつ、発光し、前記透明発光型ディスプレイは、前記透明発光型ディスプレイが、前記ユーザの正面の環境からの光を透明発光型エリアを通してユーザの眼に透過させ、前記ユーザの正面の環境のビューを提供するように、前記ユーザが前記頭部搭載型ディスプレイを装着すると、前記ユーザの眼の正面の場所に配置される、頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目2)
前記透明発光型ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
近位レンズアレイをさらに備え、前記近位レンズアレイは、前記近位レンズアレイが、前記透明発光型ディスプレイと前記ユーザの眼との間にあるように、前記透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
前記近位レンズアレイは、前記透明発光型ディスプレイによって放出される光の発散を低減させるように構成される、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記近位レンズアレイは、正の屈折力を有するレンズを備える、項目3または4に記載のシステム。
(項目6)
前記近位レンズアレイは、前記透明発光型ディスプレイによって放出される光をコリメートするように構成される、項目3-5のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
前記近位レンズアレイは、前記エミッタからある焦点距離に配置される正の屈折力を有するレンズを備える、項目6に記載のシステム。
(項目8)
遠位レンズアレイをさらに備え、前記遠位レンズアレイは、前記遠位レンズアレイが、前記透明発光型ディスプレイと前記ユーザの正面の環境との間にあるように、前記近位側の反対の前記透明発光型ディスプレイ遠位側上に配置される、項目3-7のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
前記遠位レンズアレイは、前記近位レンズアレイによって導入される屈折力を相殺し、前記ユーザの正面の環境のビューに及ぼされる前記近位レンズアレイの屈折効果を低減させるための屈折力を有する、項目8に記載のシステム。
(項目10)
近位可変焦点光学要素をさらに備え、前記近位可変焦点光学要素は、前記近位可変焦点光学要素が、前記透明発光型ディスプレイと前記ユーザの眼との間にあるように、前記透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、上記項目のいずれかに記載のシステム。(項目11)
前記近位可変焦点光学要素は、可変焦点光学要素の状態および可変焦点光学要素の焦点を改変するための電気信号を受信するように構成される電気入力を有する、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記近位可変焦点光学要素は、前記発光型ディスプレイから放出される光の発散を改変し、異なる画像コンテンツを前記接眼レンズの正面の異なる距離から放出されるかのように現れさせるように構成される、項目10または11に記載のシステム。
(項目13)
前記近位可変焦点光学要素は、異なる負の屈折力を導入し、前記透明発光型ディスプレイからの光の発散を変動させる2つの状態間で変動するように構成される、項目10-12のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
前記近位可変焦点光学要素は、1つの状態にあるとき、前記透明発光型ディスプレイからの光をコリメートするように構成される、項目10または11に記載のシステム。
(項目15)
遠位可変焦点光学要素をさらに備え、前記遠位可変焦点光学要素は、前記遠位可変焦点光学要素が、前記透明発光型ディスプレイと前記ユーザの正面の環境との間にあるように、前記透明発光型ディスプレイの遠位側上に配置される、項目10-14のいずれかに記載のシステム。
(項目16)
前記遠位可変焦点光学要素は、前記遠位可変焦点光学要素の状態および前記遠位可変焦点光学要素の焦点を改変するための電気信号を受信するように構成される電気入力を有する、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記遠位可変焦点光学要素は、前記近位可変焦点光学要素によって導入される屈折力を相殺するための屈折力を提供し、前記ユーザの正面の環境のビューに及ぼされる前記近位可変焦点光学要素の屈折効果を低減させるように構成される、項目15または16に記載のシステム。
(項目18)
少なくとも1つのオクルーダをさらに備え、前記少なくとも1つのオクルーダは、前記少なくとも1つのオクルーダが、前記透明発光型ディスプレイと前記ユーザの眼との間にあるように、前記透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、項目10-17のいずれかに記載のシステム。
(項目19)
前記少なくとも1つのオクルーダは、それぞれ、複数のピクセルを含む、第1および第2の空間光変調器を備え、前記第1および第2の空間光変調器は、前記ピクセルの透過性状態を選択的に改変するための電気信号を受信するように構成される電気入力を有する、項目18に記載のシステム。
(項目20)
電子機器をさらに備え、前記電子機器は、前記透明発光型ディスプレイのあるエミッタから放出されるある角度方向の光が、前記第1の空間光変調器の透過性ピクセルおよび前記第2の空間光変調器の透過性ピクセルの両方を通して伝搬するように、前記第1および第2の空間光変調器の前記電気入力に電気的に結合され、前記第1の空間光変調器上の1つ以上のピクセルを周囲ピクセルが不透明である間に透過性にさせ、前記第2の空間光変調器上の前記ピクセルのうちの1つ以上のものを前記第2の空間光変調器上の周囲ピクセルが不透明である間に透過性にさせる、項目19に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0135】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0136】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0137】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節(accommodation)-輻輳・開散運動(vergence)応答の表現を図示する。
【0138】
【
図4B】
図4Bは、ユーザの一対の眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0139】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0140】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0141】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0142】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0143】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0144】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0145】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0146】
【0147】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0148】
【
図9D】
図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0149】
【
図10A】
図10Aは、
図9A-9Dに示されるような導波管スタックの代わりに、透明発光型ディスプレイを有する接眼レンズを含む、拡張現実ディスプレイの実施例を図示する。透明発光型ディスプレイは、一対の可変焦点光学要素間に位置するように示される。可変焦点光学要素は、透明発光型ディスプレイおよび/または環境から放出される光の発散および/または収束を修正するように構成される。
【0150】
【
図10B】
図10Bは、一対のレンズアレイ間に配置される、
図10Aに示されるものに類似する透明発光型ディスプレイを図示し、レンズアレイは、一対の可変焦点光学要素間に位置する。
【0151】
【
図10C】
図10Cは、
図10Bに図示されるような透明発光型ディスプレイを有する接眼レンズを含むが、一対のレンズアレイ間に位置する透明発光型ディスプレイの代わりに、単一レンズアレイが、透明発光型ディスプレイとユーザの眼との間の透明発光型ディスプレイの近位側上に配置される、拡張現実ディスプレイの実施例を図示する。
【0152】
【
図10D】
図10Dは、
図10Bに示されるものに類似する接眼レンズを図示し、透明発光型ディスプレイは、一対のレンズアレイおよび一対の可変焦点光学要素間に配置される。
図10Dは、拡張現実ディスプレイの第1の動作モードを図示し、ピクセルの類似(または同一)パターンが、レンズのアレイの個別のレンズの背後から照明される。その結果、
図10Dは、アレイ内の複数のレンズから出力された光の角度が、同一であることを示す。そのような構成は、画像コンテンツの損失を伴わずに、眼の位置付けにおける増加された公差を有効にする。
【0153】
【
図10E】
図10Eは、
図10Eの拡張現実ディスプレイの第2の異なる動作モードを示し、ピクセルの異なるパターンが、レンズのアレイの個別のレンズの背後から照明される。その結果、
図10Eは、アレイ内の複数のレンズから出力された光の角度が、同一ではないことを示す。代わりに、角度成分は、レンズレットのアレイを横断して変動する。しかしながら、本システムは、異なるレンズが、提示される画像コンテンツの異なる目線を提供するように構成される。
【0154】
【
図10F】
図10Fは、一対の波長板レンズアレイ間に位置する、透明発光型ディスプレイを有する接眼レンズを含む、拡張現実ディスプレイの実施例を図示し、波長板レンズアレイは、一対の可変焦点光学要素間に位置する。
【0155】
【
図10G】
図10Gは、一対のレンズ(例えば、無限焦点レンズ)間に位置する、透明発光型ディスプレイを有する接眼レンズを含む、拡張現実ディスプレイの実施例を図示する。一対のレンズ(例えば、無限焦点レンズ)は、一対の可変焦点光学要素間に位置する。
【0156】
【0157】
【
図11】
図11は、外界内のあるオブジェクトからの光を遮断するように構成される、オクルーダをさらに備える、
図10の拡張現実ディスプレイを図示する。オクルーダは、それぞれ、電気信号に応答して、透明と不透明との間で切り替わることが可能な複数のピクセルを備える。
【0158】
【
図12A】
図12Aは、透明発光型ディスプレイと、所望の画像場所に対応する透明発光型ディスプレイから放出される光の角度を選択するように構成される、一対のオクルーダとを含む、拡張現実ディスプレイの実施例を図示する。オクルーダは、それぞれ、電気信号に応答して、透明と不透明との間で切り替わることが可能な複数のピクセルを備える。
【0159】
【
図12B】
図12Bは、
図12Aの透明発光型ディスプレイによって放出される、光線の例示的経路を図示する。光線の一部は、不透明状態におけるオクルーダ内のピクセルによって遮断される一方、光線の一部は、透明状態におけるオクルーダ内のピクセルを通して伝搬される。
【0160】
【
図13】
図13は、外界内のあるオブジェクトからの光を遮断するように構成される、オクルーダをさらに備える、
図12の拡張現実ディスプレイを図示する。
【0161】
【
図14】
図14は、後方に向いた透明発光型ディスプレイと、4分の1波長板または4分の1波リターダと、反射性波長板レンズレットアレイとを有する、接眼レンズを含む、拡張現実ディスプレイの実施例を図示する。
【0162】
【0163】
【
図16】
図16は、一対の可変焦点光学要素間に挟入される、
図14の拡張現実ディスプレイを図示する。
【0164】
【0165】
【0166】
【
図17C】
図17Cは、光の偏光および光が入射する側に応じて、異なる屈折力を提供し、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。
【0167】
【
図17D】
図17Dは、光の偏光および光が入射する側に応じて、異なる屈折力を提供し、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。
【0168】
【
図18A】
図18Aは、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0169】
【
図18B】
図18Bは、動作時、切替可能な波長板が非アクティブ化されている、
図18Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0170】
【
図18C】
図18Cは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図18Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0171】
【
図19】
図19は、ディスプレイデバイスを使用して生成され得る、複数の仮想深度平面の実施例を図示する。
【0172】
【
図20】
図20A-20Cは、ディスプレイデバイスの一部として実装され得る、例示的反射性回折レンズを図示し、反射性回折レンズは、パターン化されたコレステリック液晶(CLC)材料から形成され、反射性偏光ミラーとしての役割を果たす。
【0173】
【0174】
【
図21B】
図21Bは、スタックされた構成における複数の反射性回折レンズを備える、例示的反射性回折レンズを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0175】
ここで、図を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
【0176】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0177】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、自然に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0178】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼210の間の距離が減少する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0179】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、レンズを保持する提靭帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0180】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受信させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がそれぞれオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が、単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0181】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。前述のように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離まで輻輳・開散運動における整合する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、水晶体形状における整合する変化を誘起するであろう。
【0182】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。一対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、一対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、一対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、一対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0183】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。前述のように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0184】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0185】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240までの距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0186】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態でそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0187】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0188】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vdまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言える。これは、視認者に最も快適なシナリオであると見なされる。
【0189】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳から深度平面240までの距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V
d-A
d)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0190】
いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するための距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面、網膜から深度平面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度平面等まで測定され得る。
【0191】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を生理学的に正しいと知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する、画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0192】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受信し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0193】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平坦または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、有利には、簡略化するために、深度平面は、平坦表面の輪郭に追従し得る。
【0194】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0196】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0197】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0198】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内の異なる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0199】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0200】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図2)の一部であってもよい。
【0201】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよい、および/または導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、モノリシック材料部品であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0202】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0203】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的ではないまたは電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0204】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0205】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度で光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0206】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0207】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0208】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、それが眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0209】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0210】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0211】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0212】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0213】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0214】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0215】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0216】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0217】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受信するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受信するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受信しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0218】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部主要表面および底部主要表面の両方の上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0219】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率を0.05またはそれを上回る、または0.10またはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面の間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0220】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0221】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0222】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0223】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0224】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0225】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0226】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0227】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受信する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏向され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に入射し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受け取る。
【0228】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0229】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0230】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60はさらに、オブジェクト、刺激、人々、動物、場所、またはユーザの周囲の世界の他の側面を検出するように構成される、1つ以上の外向きに指向される環境センサ112を含んでもよい。例えば、環境センサ112は、1つ以上のカメラを含んでもよく、これは、例えば、ユーザ90の通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように、外向きに向いて位置してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0231】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ70への通過のための遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0232】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔治療モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔治療モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
【0233】
ここで
図10Aを参照すると、いくつかの実施形態では、接眼レンズは、透明発光型ディスプレイ1010を備える、システム1000-Aを含む。
図10は、
図9A-9Dに示されるような導波管スタックの代わりに、透明発光型ディスプレイ1010を有する接眼レンズを含む、拡張現実ディスプレイの実施例を図示する。
【0234】
透明発光型ディスプレイ1010は、例えば、アレイに配列される、複数のエミッタを備える。ある場合には、例えば、透明発光型ディスプレイ1010は、720p、1080p、4K、または8Kの分解能を生産するために十分なピクセルを備えてもよい。ピクセルの分解能および数は、これらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内であってもよい。これらの範囲外の値もまた、可能性として考えられる。透明発光型ディスプレイ1010内のピクセルの数は、接眼レンズのサイズおよび/または画像コンテンツの所望の光学品質に依存し得る。
【0235】
透明ディスプレイ1010は、透明フィルム空間光変調器を備えてもよい。透明ディスプレイ1010は、透明有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを備えてもよい。複数のエミッタは、複数の有機発光ダイオード(OLED)を備えてもよい。いくつかの設計では、OLEDディスプレイは、OLEDフィルムを備えてもよく、これは、比較的に薄くかつ可撓性である。いくつかの設計では、透明ディスプレイ1010は、量子ドット発光ダイオード(QLEDまたはQD-LED)ディスプレイを備えてもよい。他のタイプの透明ディスプレイもまた、可能性として考えられる。
【0236】
透明発光型ディスプレイ1010は、眼210の光学経路内に位置付けられる、接眼レンズ内に含まれてもよい。故に、透明発光型ディスプレイ1010は、眼210の光学経路内に位置付けられてもよい。接眼レンズおよび透明発光型ディスプレイ1010は、接眼レンズおよび透明発光型ディスプレイ1010が、眼210の光学経路内にあるように、頭部上に配置されるように構成される、フレームによって支持されてもよい。透明発光型ディスプレイ1010は、透明であるため、ユーザの正面の環境内のオブジェクト510は、透明発光型ディスプレイを通して視認され得る。
【0237】
接眼レンズおよび透明発光型ディスプレイ1010は、近位側と、遠位側とを有してもよい。近位側は、遠位側より眼に近い。遠位側は、近位側よりオブジェクトに近い。
【0238】
近位可変焦点光学要素1040は、透明発光型ディスプレイ1010とユーザの眼210との間の光学経路内に配置されてもよい。より具体的には、近位可変焦点光学要素1040は、近位レンズアレイ1020とユーザの眼210(例えば、
図10B参照)との間に配置されてもよい。近位可変焦点光学要素1040は、可変または切替可能な屈折力を有する、光学要素を備えてもよい。近位可変焦点光学要素の屈折力は、第1の屈折力から第2の屈折力に、可能性として、第3の屈折力(またはそれよりも大きいもの)に切り替えられてもよい。近位可変焦点光学要素は、可変焦点光学要素によって提供される屈折力を制御するように構成される、電気入力を含んでもよい。いくつかの実装では、近位可変焦点光学要素1040は、切替可能な液晶レンズアセンブリを備える。いくつかの実装では、回折パターンは、LCレンズアセンブリが、屈折力を、それと相互作用する、例えば、それを通して通過する、光に付与するように、可変液晶(LC)レンズアセンブリ上にレンダリング/表示されてもよい。
【0239】
近位可変焦点光学要素1040は、適切な屈折力を提供し、ユーザの眼内の透明発光型ディスプレイからの光によって形成される画像を異なる深度から生じるかのように現れさせるように構成されてもよい。例えば、近位可変焦点光学要素1040は、透明発光型ディスプレイ1010から視認者に投影された光の発散を変動させるように構成されてもよい。1つの状態では、例えば、近位可変焦点光学要素1040は、ユーザから遠く離れた距離(例えば、光学無限遠)におけるオブジェクトから伝搬するかのように、透明発光型ディスプレイから放出される光をコリメートするように構成されてもよい。別の状態では、近位可変焦点光学要素1040は、ユーザにより近い距離におけるオブジェクトから伝搬するかのように、透明発光型ディスプレイから放出される光を発散するように構成されてもよい。同様に、別のレンズアセンブリは、1つの状態では、近位可変焦点光学要素1040が、ユーザに近い距離におけるオブジェクトから伝搬するかのように、透明発光型ディスプレイから放出される光を発散するように構成され得るように構成されてもよい。別の状態にある間、近位可変焦点光学要素1040は、ユーザにより近い距離にあるオブジェクトから伝搬するかのように、透明発光型ディスプレイから放出される光をより発散させるように構成されてもよい。他の構成もまた、可能性として考えられる。
【0240】
遠位可変焦点光学要素1050は、透明発光型ディスプレイ1010と環境510との間の光学経路内に配置されてもよい。より具体的には、遠位可変焦点光学要素1050は、遠位レンズアレイ1030と環境510との間に配置されてもよい。種々の設計では、遠位可変焦点光学要素1050は、液晶レンズアセンブリを備える。遠位可変焦点光学要素1050は、上記に説明されるような近位可変焦点光学要素1040に実質的に類似してもよい。遠位可変焦点光学要素1050は、屈折力、故に、近位可変焦点光学要素1040の効果を相殺するように、環境510からの光の収束および/または発散を変動させるように構成されてもよい。その結果、環境内のオブジェクトは、近位可変焦点光学要素1050の屈折力を有する光学要素を通して結像されるかのように現れ得ない。ユーザは、例えば、ユーザにとって不快および/または不適切であり得る、光学補正および屈折力を有するレンズを通したその環境の視認の必要がなくなり得る。
【0241】
可変焦点レンズ要素の使用は、2017年4月6日に出願され、2017年10月12日に米国特許公開第2017/0293145号として公開された米国特許出願第15/481255号(弁護士参照番号MLEAP.059A)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示され、かつ下記の、例えば、見出し「屈折力を提供するためのレンズ、可変焦点レンズ要素、および他の構成」下の節において議論される。
【0242】
近位または遠位可変焦点光学要素1040、1050または両方は、調節可能屈折力を有する、広範囲の光学要素を備えてもよい。可変焦点光学要素1040、1050は、例えば、同調可能または切替可能な液晶レンズ、波長板レンズ、および切替可能なリターダ等の異なるタイプの液晶レンズを備えてもよい。これらは、種々の実装では、回折レンズを含んでもよい。同調可能または切替可能な液晶レンズの実施例は、2つの電極基板間に配置される、液晶を含み、電極への電気信号の印加は、液晶の屈折率を変化させることができる。いくつかの実装では、可変焦点光学要素は、回折波長板レンズを備えてもよい。いくつかの実装では、1つ以上の回折波長板レンズが、スタックにおいて等、1つ以上の切替可能な波長板とともに含まれてもよい。例えば、可変焦点レンズは、切替可能な半波長板と交互にスタックされた回折波長板レンズを備えてもよい。液晶ベースのレンズおよび他のレンズ技術を含む、切替可能なレンズの実施例は、下記の、例えば、見出し「屈折力を提供するためのレンズ、可変焦点レンズ要素、および他の構成」下の節において、および2017年6月12日に出願された米国特許出願第62/518539号(弁護士参照番号MLEAP.119PR)、および2018年6月12日に出願され、_________________に米国特許公開第_________________として公開された米国特許出願第16/006,080(弁護士参照番号MLEAP.119A)号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論される。
【0243】
図10Bは、透明発光型ディスプレイ1010と、近位可変焦点光学要素1040と、遠位可変焦点光学要素1050とを備える、別のシステム1000-Bを図示する。これらの要素は、
図10Aを参照して上記に説明されるものに実質的に類似する(またはそれと異なる)ことができる。しかしながら、加えて、システム1000-Bはさらに、近位レンズアレイ1020と、透明発光型ディスプレイ1010とユーザの正面の環境510との間の光学経路内に配置される、遠位レンズアレイ1030とを備える。
図10Bに示される実施例では、透明発光型ディスプレイは、反対側上において、近位レンズアレイ1020および遠位レンズアレイ1030および近位可変焦点光学要素1040および遠位可変焦点光学要素1050によって囲繞される。故に、近位レンズアレイ1020は、透明発光型ディスプレイ1010とユーザの眼210との間の光学経路内に配置されてもよい。
【0244】
近位レンズアレイ1020は、マイクロレンズ等の複数のレンズまたはレンズレットを備えてもよい。ある場合には、近位レンズアレイ1020は、正の屈折力を有する、複数のレンズを備えてもよい。これらのレンズは、平凸面または両凸レンズ等によって、凸面レンズであってもよい。より少なくより大きいレンズのアレイが、例えば、仮想コンテンツの分解能を増加または最大限にするように、採用されてもよい。同様に、多くのより小さいレンズを伴うアレイが、例えば、より稠密なライトフィールド(より多くのビームレットを伴う)を生産する、したがって、ライトフィールド内に表される各角度成分がユーザの網膜の適切な領域に到達するであろう、可能性を増加させるように、採用されてもよい。いくつかの設計に関して、近位レンズアレイ1020内のレンズまたはレンズレットの数は、透明発光型ディスプレイ1010内のエミッタの数に対応してもよい。いくつかの実装では、複数のレンズまたはレンズレットは、複数の個別のエミッタと関連付けられる。いくつかの設計では、近位レンズアレイ1020は、1つのピクセルからの光が、レンズレットアレイまたはレンズ上に入射することに先立って、異なるピクセルからの光と経路が交差しないように、透明発光型ディスプレイ1010から離れた距離に位置付けられる。本理由から、透明発光型ディスプレイ1010と近位レンズアレイ1020との間の距離は、透明発光型ディスプレイ1010のピクセルの発散性質に基づいて、選択されてもよい。いくつかの設計では、近位レンズアレイ1020は、透明発光型ディスプレイ1010からある焦点距離に配置される。故に、いくつかの設計では、近位レンズアレイ1020は、透明発光型ディスプレイ1010内のエミッタから放出される光をコリメートするように構成される。いくつかの実装では、近位レンズアレイ1020は、透明発光型ディスプレイ1010のピクセルと近位レンズアレイ1020のレンズとの間の距離を低減または最小限にし、したがって、また、ピクセルによって放出される光が近位レンズアレイ1020内のレンズの屈折力を受ける前に発散する程度を低減または最小限にするように、複数のエミッタの上部に直接層化されてもよい。これらの実装のうちのいくつかでは、近位レンズアレイ1020は、例えば、事実上、透明発光型ディスプレイ1010の最外基板層としての役割を果たし得る。
【0245】
遠位レンズアレイ1030は、透明発光型ディスプレイ1010と環境510との間のユーザの眼210の光学経路内に配置されてもよい。遠位レンズアレイ1030は、負の屈折力を有する、複数のレンズまたはレンズレットを備えてもよい。遠位レンズアレイ1030は、例えば、平凹面または両凹レンズ等の凹面レンズを備えてもよい(但し、
図10Bは、凸面レンズを示す)。より少なくより大きいレンズのアレイが、例えば、仮想コンテンツの分解能を増加または最大限にするように、採用されてもよい。同様に、多くのより小さいレンズを伴うアレイが、例えば、より稠密なライトフィールド(よりビームレットを伴う)を生産する、したがって、ライトフィールド内に表される各角度成分が、ユーザの網膜の適切な領域に到達するであろう可能性を増加させるように、採用されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位レンズアレイ1030内のレンズまたはレンズレットの数は、近位レンズアレイ1020内のレンズまたはレンズレットの数に対応する、またはそれと等しい。遠位レンズアレイ1030内のレンズレットの数はまた、透明発光型ディスプレイ1010内のエミッタの数に対応してもよい。遠位レンズアレイ1030の屈折力は、近位レンズアレイ1020の屈折力を相殺し、それによって、ユーザの正面の環境内のオブジェクトのビューに及ぼされる近位レンズアレイの効果を低減させる、屈折力を有してもよい。いくつかの実装では、遠位レンズアレイ1030は、
図10Cに示されるように、除外される一方、近位レンズアレイ1020は、透明発光型ディスプレイ1010と眼210との間に留まる。
【0246】
本明細書における種々の図(例えば、
図10A-10Gおよび11-16)は、ユーザの片眼のために、単一接眼レンズを示すが、接眼レンズ、透明発光型ディスプレイ、および近位または遠位可変焦点光学要素または近位または遠位レンズアレイ等の任意の他のコンポーネントは、ユーザの眼毎に提供されてもよい。
【0247】
示されるシステム1000-Bは、光をユーザの眼の中に投入し、画像コンテンツをユーザに提示するように動作してもよい。接眼レンズおよび透明発光型ディスプレイ1010は、透明であるため、ユーザはまた、ユーザの正面の環境内のオブジェクトを見ることが可能であり得る。故に、システム1000は、拡張現実画像コンテンツをユーザに表示するために使用されてもよい。具体的には、透明発光型ディスプレイ1010内の複数のエミッタは、画像をユーザの眼210内に生産する、光を放出してもよい。光が、透明発光型ディスプレイ1010から放出された後、光は、近位レンズアレイ1020を通して通過し、これは、いくつかの設計では、光の発散の低減を生じさせ得る。エミッタは、例えば、発散する光のビームを放出してもよい。近位レンズアレイ1020は、ビームをあまり発散させ得ず、ある場合には、光をコリメートしてもよい。光は、次いで、近位可変焦点光学要素1040に入射し得、これは、光の発散を改変し、画像コンテンツを、可変焦点光学要素の状態およびその結果として生じる屈折力に応じて、接眼レンズの正面の異なる距離から放出されるかのように現れさせる。
【0248】
透明発光型ディスプレイ1010の透明性質は、ユーザが、外側環境を観察する一方、また、同時に、透明発光型ディスプレイ1010から放出される光を観察することを可能にする。しかしながら、上記に議論されるように、種々の実装では、近位レンズアレイ1020は、透明発光型ディスプレイ1010とユーザの眼210との間のユーザの光学経路内に位置し、例えば、透明発光型ディスプレイ1010によって放出される光をコリメートするために十分な屈折力を有し得る。故に、図示されるように、近位レンズアレイ1020はまた、周囲環境510からユーザの眼210に伝搬する光の経路内にあり得る。その結果、近位レンズアレイ1020は、周囲環境510からの光の波面を修正し、それによって、世界のユーザのビューに悪影響を及ぼし得る。そのような効果を相殺するために、遠位レンズアレイ1030は、透明発光型ディスプレイ1010と環境510との間に位置付けられ、実世界オブジェクトからの光の波面を調節してもよい。このように、遠位レンズアレイ1030は、近位レンズアレイ1020によって導入される屈折力およびユーザの眼内に形成される環境内のオブジェクトの画像に及ぼされる本屈折力の結果として生じる効果を補償するように構成されてもよい。
【0249】
近位可変焦点光学要素1040は、適切な調節を透明発光型ディスプレイ1010によって出力された光の波面に提供し、本光が、ユーザからの適切な距離からであるように現れる、画像をユーザの眼内に形成することを可能にし得る。上記に議論されるように、透明発光型ディスプレイ1010は、近位レンズアレイ1020と組み合わせて、コリメートされた光を出力し得る。そのような場合では、近位可変焦点光学要素1040は、眼が、遠近調節し、投影された画像コンテンツの画像を網膜上に集束させるように、放出される光の波面を修正し、適切な発散の量を提供するように構成され得る。脳は、本遠近調節の量を感知し、ユーザからある距離と関連付け得る。故に、画像コンテンツは、脳によって、ユーザからの特定の距離と関連付けられるであろう。このように、好適な発散の選択は、画像コンテンツと具体的距離を関連付けることができる。本目的のために、可変焦点要素1040、1050は、同様に、上記に説明されるレンズのうちのいくつかに類似することができる。例えば、近位可変焦点光学要素1040は、レンズ320、330、340、350(
図6を参照して上記に説明されるような)のうちの1つ以上のものに類似する役割を果たすと見なされ得、遠位可変焦点は、補償レンズ層620(また、
図6を参照して上記に説明される)のものに類似する役割を果たすと見なされ得る。
【0250】
しかしながら、図示および上記に議論されるように、近位可変焦点光学要素1040もまた、周囲環境510から視認者の眼210に伝搬する光の経路内にある。その結果、近位可変焦点光学要素1040は、周囲環境510からの光の波面を修正し、それによって、世界のユーザのビューに悪影響を及ぼさせ得る。そのような効果を補正するために、遠位可変焦点光学要素1050は、透明発光型ディスプレイ1010の近位可変焦点光学要素1040と反対側上に配置されてもよい。すなわち、遠位可変焦点光学要素1050は、透明発光型ディスプレイ1010と周囲実世界との間にあって、周囲環境510内の実世界オブジェクトからの光の波面を調節してもよい。遠位可変焦点光学要素1050は、近位可変焦点光学要素1040によって導入される屈折力を補償するように構成されてもよい。いくつかの実装では、遠位可変焦点光学要素1050の屈折力は、近位可変焦点光学要素1040の屈折力の逆数または反対のものであってもよい。例えば、近位可変焦点光学要素1040が、正の屈折力を有する場合、遠位可変焦点光学要素1050は、類似の大きさであり得る、負の屈折力を有してもよい。いくつかの設計では、遠位可変焦点光学要素1050はまた、透明発光型ディスプレイ1010および/またはレンズアレイによって生じる収差を補償するように構成されてもよい。例えば、近位可変焦点光学要素1040の屈折力および介在透明発光型ディスプレイ1010の可能性として考えられる屈折力の両方を補償するために、遠位可変焦点光学要素1050の屈折力は、近位可変焦点光学要素1040および透明発光型ディスプレイ1010の集約屈折力と反対かつ類似の大きさであってもよい。
【0251】
図10Dに図示されるように、システム1000-Bは、出力ビームレット1060のアレイが、ピクセルの同一パターンを近位レンズアレイ1020の個別のレンズレットまたはレンズの背後から照明することによって生産される、第1の動作モードを含んでもよい。その結果、アレイ内の複数のレンズから出力された光の角度は、同一であって、類似の角度付けられたビームレット1060のグリッドまたはアレイ全体が、角度成分毎に生産され得る。本アプローチは、
図7および9A-9Dに示される、導波管ベースの接眼レンズによって生産された波面に類似する。そのような構成は、画像コンテンツの損失を伴わずに、眼の位置付けにおける増加された公差を有効にする。
【0252】
さらに、
図10Eに図示されるように、システム1000-Bは、ピクセルの異なるパターンが、個別のレンズレットの背後から照明される、第2のまたは代替動作モードを含んでもよい。その結果、アレイ内の複数のレンズから出力された光の角度は、同一ではない。代わりに、角度成分は、レンズレットのアレイを横断して変動する。しかしながら、本システムは、異なるレンズが、提示される画像コンテンツの異なる目線を提供するように構成される。3D空間内の所与の点は、近位レンズアレイ1020を横断して変動する、角度成分を使用して、表されてもよい。本システムは、「4D」ライトフィールドを生産すると見なされ得る。
【0253】
図10Fを参照すると、いくつかの設計では、接眼レンズは、内側(または近位)回折波長板レンズまたはレンズレットアレイ1012と、外側(または遠位)回折波長板レンズまたはレンズレットアレイ1014とを含む、システム1000-Fを含む。上記に議論される実施例と同様に、
図10Fは、透明発光型ディスプレイ1010と、近位可変焦点光学要素1040と、遠位可変焦点光学要素1050とを備える、接眼レンズを示す。しかしながら、
図10Fでは、接眼レンズは、
図10Bに示されるような近位および遠位レンズアレイ1020、1030の代わりに、内側および外側回折波長板レンズアレイ1012、1014を有する。回折波長板レンズまたはレンズアレイのいくつかの実施例は、液晶を含む。回折波長板レンズまたはレンズアレイは、屈折力を提供し、したがって、偏光の発散または収束を生じさせてもよい。ある場合には、回折波長板レンズまたはレンズアレイは、回折波長板レンズが、異なる偏光に関して異なる(例えば、反対)屈折力を有するため、1つの偏光の光を収束させ、別の偏光の光を発散させる。回折波長板レンズまたはレンズレットはまた、その上に入射する光の偏光を変換してもよい(例えば、回転させる)。回折波長板レンズは、下記の、例えば、見出し「屈折力を提供するためのレンズ、可変焦点レンズ要素、および他の構成」下の節において、また、2017年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/518,539号(弁護士参照番号MLEAP.119PR)、および2018年6月12日に出願され、______________に米国特許公開第_______________として公開された米国特許出願第16/006,080号(弁護士参照番号MLEAP.119A)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論される。内側レンズ1016は、透明発光型ディスプレイ1010と近位可変焦点光学要素1040との間のユーザの光学経路内に位置付けられてもよい。内側レンズ1016は、透明発光型ディスプレイ1010から放出される光の発散を修正するように構成されてもよい。例えば、内側レンズ1016は、焦点距離fを有してもよく、透明発光型ディスプレイ内のエミッタから放出される光がコリメートされるように、透明発光型ディスプレイ1010から離れた本焦点距離fに配置されてもよい。
【0254】
外側(または遠位)波長板レンズまたはレンズレットアレイ1014は、透明発光型ディスプレイ1010と遠位可変焦点光学要素1050との間のユーザの光学経路内に位置付けられ得る。外側波長板レンズアレイ1014は、内側波長板レンズアレイ1012に実質的に類似し得る。例えば、内側波長板レンズアレイ1012は、周囲環境510からの光の波面を修正し、それによって、世界のユーザのビューに悪影響を及ぼすであろう、正の屈折力を有し得る。そのような効果を低減させるために、外側波長板レンズアレイ1014は、透明発光型ディスプレイ1010と環境510との間に位置付けられてもよい。いくつかの実装では、例えば、外側波長板レンズアレイ1014は、内側波長板レンズアレイ1014と等しくかつ反対の屈折力を有する。例えば、内側波長板が、上記に議論されるように、焦点距離fを有し、透明発光型ディスプレイから距離fに配置される場合、外側波長板レンズアレイもまた、焦点距離fを有してもよい。外側波長板レンズアレイはまた、ある場合には、透明発光型ディスプレイから離れた焦点距離に配置されてもよい。故に、外側波長板レンズアレイおよび内側波長板レンズアレイは、無限焦点システムを形成してもよい。故に、本明細書で使用されるように、ある場合には、外側波長板レンズアレイは、無限焦点レンズアレイと称され得る。同様に、内側波長板レンズアレイも、無限焦点レンズアレイと称され得る。
【0255】
図10Gを参照すると、いくつかの設計に関して、接眼レンズは、
図10Bに示されるような近位および遠位レンズアレイ1020、1030の代わりに、内側(または近位)レンズ1016と、外側(または遠位)レンズ1018とを含む、システム1000-Gを含む。システム1000-Gは、
図10Aを参照して上記に説明されるものに実質的に類似する(またはそれと異なる)、透明発光型ディスプレイ1010と、近位可変焦点光学要素1040と、遠位可変焦点光学要素1050とを含む。しかしながら、例えば、マイクロレンズを備える、レンズレットアレイの代わりに、より大きい(例えば、単一)レンズが、透明発光型ディスプレイの近位および遠位側上で使用されてもよい。示されるように、内側(または近位)レンズ1016は、透明発光型ディスプレイ1010と近位可変焦点光学要素1040との間のユーザの光学経路内に位置付けられてもよい。内側レンズ1016は、透明発光型ディスプレイ1010から放出される光の発散を修正するように構成されてもよい。
【0256】
外側(または遠位)レンズ1018は、透明発光型ディスプレイ1010と遠位可変焦点光学要素1050との間のユーザの光学経路内に位置付けられ得る。外側レンズ1018は、内側レンズ1016に実質的に類似し得る。内側レンズ1016は、周囲環境510からの光の波面を修正し、それによって、世界のユーザのビューに影響を及ぼし得る。そのような効果を補償するために、外側レンズ1018は、透明発光型ディスプレイ1010と環境との間に位置付けられてもよい。種々の実施例では、内側レンズ1016は、正であって、外側レンズ1018は、負であろう。故に、外側レンズ1018は、凹面であってもよい(但し、
図10Gでは、凸面として示される)。種々の実装では、内側レンズ1016は、単一レンズを備えることができる。同様に、種々の実装では、外側レンズ1018は、単一レンズを備えることができる。いくつかの実装では、内側レンズ1016および/または外側レンズ1018は、透明発光型ディスプレイからある焦点距離に配置されてもよく、上記に説明されるような無限焦点レンズシステムを形成してもよい。故に、本明細書で使用されるように、ある場合には、外側レンズは、無限焦点レンズと称され得る。同様に、内側レンズも、無限焦点レンズと称され得る。
【0257】
レンズ、例えば、単一レンズ(例えば、単一屈折レンズ)は、
図10Cに関して上記に議論されるように、透明発光型ディスプレイの各側上に示されるが、外側レンズは、いくつかの設計では、除外されてもよい。また、異なるタイプのレンズが、採用されてもよい。
【0258】
故に、透明発光型ディスプレイに最も近いレンズ、例えば、近位(または内側)レンズ、複数のレンズ、またはレンズレットアレイおよび遠位(または外側)レンズ、複数のレンズ、またはレンズレットアレイの一方または両方は、屈折レンズ、回折レンズ、波長板レンズ、メタ材料レンズ、液晶レンズ(例えば、コレステリック液晶レンズ)等を備えてもよい。例えば、これらのレンズは、回折/メタ材料レンズ、回折レンズまたはレンズレットアレイ、回折波長板レンズ、回折波長板レンズまたはレンズレットアレイ、回折液晶レンズ、回折液晶レンズまたはレンズレットアレイ、回折液晶波長板レンズ、回折液晶波長板レンズまたはレンズレットアレイ、反射性液晶レンズ、反射性波長板レンズ、反射性液晶波長板レンズ、反射性レンズまたはレンズレットアレイ、反射性液晶レンズまたはレンズレットアレイ、反射性波長板レンズまたはレンズレットアレイ、反射性液晶波長板レンズまたはレンズレットアレイ、コレステリック液晶反射性波長板レンズまたはレンズレットアレイ、コレステリック液晶反射性波長板レンズ等を備えてもよい。ある場合には、これらのレンズは、波長選択的であってもよく、透明発光型ディスプレイ内のエミッタの波長に合致される、またはそれに対応する、波長で選択的に動作してもよい(例えば、発散を低減させる、コリメートする等)。
【0259】
図10Hは、
図10A-10Gに示されるような透明発光型ディスプレイの例示的部分の断面図を図示する。
図10Hを参照すると、いくつかの実装では、透明発光型ディスプレイは、アノードおよびカソード等の電極をエミッタの両側上に備える。これらの電極の一方または両方は、いくつかの実施例では、それぞれ、酸化インジウムスズ(「ITO」)または他の透明伝導性材料の1つ以上の層を備えてもよい。これらの電極は、電気接続を、透明発光型ディスプレイ1010、特に、エミッタに提供する。いくつかの設計では、エミッタはさらに、両側上において、正孔輸送層および電子輸送層によって囲繞されてもよい。透明発光型ディスプレイ1010はさらに、例えば、構造支持のために、ガラス基板を備えてもよい。ガラス基板は、レンズまたはレンズレットアレイ(例えば、物理的マイクロレンズアレイ、回折波長板レンズレットアレイ、コレステリック液晶反射性波長板レンズアレイ、またはレンズ等)等の構造支持を提供し得る、光学要素等の他の要素と置換されてもよい。いくつかの実装では、
図10Hの透明発光型ディスプレイ1010はさらに、カソードの外側表面に隣接して層化される、1つ以上の反射性または部分反射性光学要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カソード自体が、反射性または部分反射性であってもよい。
【0260】
図11は、透明発光型ディスプレイ1010と、近位レンズアレイ1020と、遠位レンズアレイ1030と、近位可変焦点光学要素1040と、遠位可変焦点光学要素1050とを備える、別のシステム1100を図示する。これらの要素は、
図10を参照して上記に説明されるものに実質的に類似することができる。しかしながら、加えて、システム1100はさらに、透明発光型ディスプレイ1010とユーザの正面の環境510との間の光学経路内に配置される、遠位オクルーダ1110を備える。より具体的には、遠位オクルーダ1110は、遠位可変焦点光学要素1050と環境510との間に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、遠位オクルーダ1110は、複数のピクセルを備える、空間光変調器を備える。例えば、遠位オクルーダ1110は、液晶空間光変調器を備えてもよい。遠位オクルーダ1110は、ピクセルの透過性状態を選択的に改変するための電気信号を受信するように構成される、電気入力を有してもよい。ある構成では、システム1110はさらに、空間光変調器の電気入力に電気的に結合され、他のピクセルが、不透明であって、ユーザの正面の環境のビューの一部を選択的に遮断する間、空間光変調器上の1つ以上のピクセルを透過性にさせる、電子機器を備える。電子機器は、したがって、ユーザによって見られる環境のビューを修正し、例えば、ユーザに可視の環境内のオブジェクトを制御することが可能であり得る。加えて、画像コンテンツが、透明発光型ディスプレイを使用して、ユーザに提示されることができる。
【0261】
いくつかの実装では、システム1110はさらに、近位レンズ1120と、遠位レンズ1130とを備える。遠位レンズ1130は、環境からの光を遠位オクルーダ1110のピクセル上に集束させるように構成されてもよい。遠位レンズ1130は、ある焦点距離を有してもよく、遠位オクルーダ1110は、焦点距離に対応する遠位レンズ1130からの距離に位置付けられてもよい、すなわち、遠位オクルーダ1110は、レンズ1130の焦点面にまたはそれに沿って位置付けられてもよい。このように、本システムは、環境からの入射光の具体的角度成分を選択的にオクルードすることができる。近位レンズ1120の目的は、遠位レンズ1130との無限焦点レンズ対を形成することである。近位レンズ1120の屈折力は、遠位レンズ1130のものと同一であってもよく、遠位オクルーダ1110および遠位レンズ1130は、遠位レンズの焦点距離だけ相互から分離されてもよい(遠位オクルーダもまた、レンズ1130の焦点面にまたはそれに沿って位置付けられるように)。いくつかの実装では、遠位オクルーダ1110および近位レンズ1120は、近位レンズの焦点距離だけ相互から分離されてもよい(遠位オクルーダもまた、レンズ1120の焦点面にまたはそれに沿って位置付けられるように)。このように、本システム、例えば、遠位オクルーダ1110は、単に、光がシステム1000に到達する前に、具体的角度成分の環境からの光を奪取することができる(他の方法において、環境からの光を修正せずに)。近位レンズ1120は、遠位オクルーダ1110と遠位可変焦点光学要素1050との間の光学経路内に位置付けられてもよい。遠位レンズ1130は、遠位オクルーダ1110と環境510との間に位置付けられてもよい。これらのレンズは、正の屈折力を有してもよい。図示されるように、これらのレンズは、両凸または可能性として考えられる平凸面等の凸面であってもよい。レンズの代替タイプが、使用されてもよい。レンズの他の組み合わせ(異なるタイプ、屈折力、レンズ間の間隔)も、使用されることができる。種々の実装では、選択は、レンズが無限焦点システムを形成するように行われる。いくつかの実装では、空間を節約する目的のために、本無限焦点システムを折畳する、または別様に、本システムを再構成することが望ましくあり得る。例えば、1つ以上のミラーまたは反射体が、入射光を折畳された光学経路に沿って光学要素からおよび/またはそれに向かって再指向するように採用されてもよい。
【0262】
他の構成も、可能性として考えられる。
図12は、例えば、所望の画像をユーザの眼内に形成する、適切な角度の光を選択するために使用される、複数のオクルーダ1210、1220を含む、システム1200を示す。上記に議論されるシステムと同様に、
図12に示されるシステム1200は、透明発光型ディスプレイ1010と、近位可変焦点光学要素1040と、遠位可変焦点光学要素1050とを備える。透明発光型ディスプレイ1010、近位可変焦点光学要素1040、および遠位可変焦点光学要素1050は、
図10を参照して上記に説明されるものに実質的に類似する(またはそれと異なる)ことができる。上記で参照されるように、システム1200はさらに、一対のオクルーダ、例えば、第1のオクルーダ1210と、第2のオクルーダ1220とを備える。オクルーダの構造は、
図11を参照して上記に説明される、遠位オクルーダ1110に実質的に類似してもよい。例えば、オクルーダ1110は、光を透過させるか、または光の透過を低減させる(例えば、光の透過を遮断する)かのいずれかとなるように選択的に改変され得る、複数のピクセル要素を備える、空間光変調器要素を備えてもよい。空間光変調器は、例えば、液晶空間光変調器を備えてもよい。本空間光変調器は、異なるピクセル要素を通して透過される光の強度を変動させるように構成されてもよい。空間光変調器は、個々のピクセル要素の状態およびそれを通して透過される光の強度レベルを制御するための、電気入力を含んでもよい。故に、第1の空間光変調器1210、1220上上の電気入力に電気的に結合される、電子機器を使用することによって、周囲ピクセルが不透明である間、第1の空間光変調器1210上の1つ以上のピクセル要素は、透過性にされ得る一方、第2の空間光変調器1220上の周囲ピクセルが不透明である間、第2の空間光変調器1220上の1つ以上のピクセル要素は、透過性にされ得る。透明にされる(かつ不透明ピクセル要素によって囲繞される)、第1の空間光変調器1210上の1つ以上のピクセル要素、および透明にされる(かつ不透明ピクセル要素によって囲繞される)、空間光変調器1220上の1つ以上のピクセル要素は、光を放出するように設定される、透明発光型ディスプレイ上の1つ以上のピクセルまたはエミッタからの光を受容するように配置される、線形光学経路に沿って整合されてもよい。第1および第2の空間光変調器1210、1220上のこれらのピクセル要素と、相互および透明発光型ディスプレイ内の放出ピクセルから放出される光の整合の結果、透明発光型ディスプレイ1010から放出されるある角度方向の光は、第1の空間光変調器1210および第2の空間光変調器1220の整合された透過性ピクセルの両方を通して伝搬する。これらの特定の角度は、眼内の具体的場所にマッピングされ得、例えば、網膜上のある場所は、したがって、眼内に形成される画像上(例えば、網膜上)のある位置に対応し得る。故に、透明発光型ディスプレイ内の選択されたピクセル/エミッタからの光の色および強度と、透明にされ、透明発光型ディスプレイからの特定の角度の光を収集するように適切に整合される、第1および第2の空間光変調器1210、1220上の1つ以上のピクセル要素を協調させることによって、画像の具体的部分の色および明度が、眼内に形成される画像内に確立され得る。透明発光型ディスプレイおよび第1および第2のオクルーダ1210、1220と通信する、電子機器は、透明発光型ディスプレイ内の異なるピクセル/エミッタおよび第1および第2のオクルーダ上の適切に選択されたピクセル要素を通して循環し、眼内に形成される画像上の具体的場所に対応する、特定の角度の放出ピクセルからの光を選択的に伝搬するように構成されることができる。同様に、透明発光型ディスプレイ上の異なるピクセルから放出される光の色および強度は、眼内に形成される画像上の個別の共役画像場所上の色および強度における対応する変動を生産するように変動され得る。所望の画像が、したがって、眼の中に提示され得る。故に、電子機器は、所望の画像を作成するための時間における適切なシーケンスで、透明発光型ディスプレイ上の選択されたピクセル/エミッタの放出と、第1および第2のオクルーダ1210、1220上の適切なピクセル要素を通した光の透過を適切に協調させるように構成されてもよい。
【0263】
透明発光型ディスプレイ上のエミッタからの光を遮断することに加え、オクルーダ内の不透明ピクセル要素もまた、環境510からの光を遮断し得る。したがって、いくつかの実装では、オクルーダのピクセルは、環境510からの光がユーザに可視である一方、オクルーダがまた、ユーザの眼内に画像を形成するために適切な時間において、透明発光型ディスプレイ1010からの光の適切な角度の光を選択的に透過させる、十分に高い周波数で動作され得る。本周波数は、ヒトの眼によって検出され得るものより高くあり得る。本周波数は、例えば、60Hzまたはそれを上回ってもよい。ピクセルの透過性状態における周波数(および透明発光型ディスプレイ内のエミッタが光を放出する周波数)は、環境内のオブジェクトが、可視であって、ユーザが、環境内のこれらのオブジェクトの真ん中において、画像が環境内にある印象を有するように、十分に高くあり得る。いくつかの実装では、したがって、オクルーダおよび透明発光型ディスプレイの動作の周波数は、環境に対するおよびその上に重畳される画像コンテンツの所望のレベルの可視性を提供するように選択されてもよい。同様に、透明発光型ディスプレイ1010は、透明発光型ディスプレイが、オクルーダ内の適切なピクセル要素が透明状態になるのと同時に、適切なピクセル/エミッタから放出するように、一対のオクルーダ1210、1220と協調される。しかしながら、他の時間では、発光型ディスプレイ内のエミッタは、可視光の放出を低減させる、または放出しないように設定されてもよい一方、オクルーダ内のピクセル要素は、ユーザに環境が見え得るように、透明状態に設定される。
【0264】
いくつかの構成では、単一オクルーダが、一対のオクルーダとは対照的に、使用されてもよい。本アプローチ(またはある他の時間多重化ベースのアプローチ)では、オクルーダは、透明発光型ディスプレイに比較的に近接して位置付けられてもよい。ピクセルの複数の領域が同時に照明されることになる限りにおいて、ピクセルのそれらの領域は、相互から実質的に分離されてもよい(例えば、ピクセルの領域は、相互から少なくとも所定のユークリッド距離に位置付けられる)。いくつかの実装では、オクルーダは、比較的に高分解能を有する。
【0265】
図12Bは、オクルーダ内の透明ピクセルを通して選択的に伝送されている、透明発光型ディスプレイ1010内のピクセルから放出される光の実施例を図示する。第1および第2のエミッタ1230、1250は、例えば、光をユーザの眼210の方向に放出するが、しかしながら、オクルーダ1220、1210上に入射する。本実施例では、第1および第2のオクルーダ1220、1230はそれぞれ、不透明および透明ピクセルを備える。図示されるように、第1および第2のエミッタ1230、1250からの放出の少なくとも一部は、第1および第2のオクルーダ1220、1210内の不透明ピクセルによって遮断される。しかしながら、光の一部は、透明ピクセルを通して伝送される。したがって、適切な角度を伴う光は、選択的に、一対のオクルーダ1220、1210を通過し、近位可変焦点光学要素1040に到達することを可能にされる一方、他の角度の光は、遮断される。上記に議論されるように、これらの角度は、オブジェクトの特定の部分からの光と、また、網膜上の共役画像上の類似場所とに対応してもよい。
【0266】
図11に示されるものに類似する付加的オクルーダ1110が、
図13に示されるようなシステムに追加されることができる。
図13は、透明発光型ディスプレイ1010と、近位可変焦点光学要素1040と、遠位可変焦点光学要素1050と、第1のオクルーダ1210と、第2のオクルーダ1220とを備える、
図12に示されるものに類似するシステム1300を図示する。これらの要素は、
図12を参照して上記に説明されるものに実質的に類似する(またはそれと異なる)ことができる。しかしながら、システム1300はさらに、遠位オクルーダ1110を透明発光型ディスプレイ1010の遠位側上(例えば、透明発光型ディスプレイとユーザの正面の環境との間)に備えてもよい。本遠位オクルーダ1110は、透明または透過性光学状態、または代替として、不透明非透過性または不透明状態のいずれかに選択的に設定され得る、複数のピクセル要素を有する、空間光変調器を備えてもよい。いくつかの実装では、システム1300のオクルーダ1210および1220が、例えば、ヒトの眼が判別し得るより高速の特定の周波数(例えば、60Hz以上の)で動作される状況において、システム1300のオクルーダ1110は、オクルーダ1100が、比較的に定常状態に保持され得る(例えば、フリッカしない)ように、DCまたは非PWM制御信号を使用して動作されてもよい。故に、環境のある部分が可視であることを可能にする一方、環境の他の部分のビューが、遮断されるように、あるピクセル要素は、透明であるように選択されてもよい一方、他のピクセル要素は、不透明であるように設定されてもよい。故に、いくつかの実装では、遠位オクルーダ1110は、
図11に説明される遠位オクルーダに実質的に類似することができる。いくつかの実装では、遠位オクルーダ1110は、液晶空間光変調器を備えてもよい。
【0267】
示されるようないくつかの構成では、本システムはさらに、遠位オクルーダ1110の反対側上に、遠位レンズ1130と、近位レンズ1120とを備えてもよい。遠位および近位レンズ1120、1130は、上記に説明されるものに実質的に類似してもよい。これらのレンズ1130、1120は、正の屈折力を有してもよい。いくつかの実装では、これらのレンズ1130、1120は、両凸レンズ等の凸面レンズであってもよい。遠位および近位レンズ1130、1120は、上記に説明されるように、他のタイプのレンズを備えてもよい。
【0268】
図14は、後方に向いた透明発光型ディスプレイ1010と、反射性波長板レンズまたはレンズレットアレイ1410とを備える、別の拡張現実ディスプレイシステム1400を図示する。後方に向いた透明発光型ディスプレイは、
図10Aを参照して上記に説明される透明発光型ディスプレイ1010に実質的に類似することができるが、後方に向いた透明発光型ディスプレイは、光が、ユーザに向かっての代わりに、環境に向かって放出されるように配向される。反射性波長板レンズレットアレイ1410は、透明発光型ディスプレイによって放出される光が、反射性波長板レンズレットアレイ1410から透明発光型ディスプレイに戻るように反射されるように、透明発光型ディスプレイ1010とユーザの正面の環境510との間の光学経路内に配置されてもよい。本光の一部または事実上全部は、透明発光型ディスプレイ1010を通して眼210に透過される。
【0269】
上記に議論されるように、回折波長板レンズまたはレンズアレイのいくつかの実施例は、液晶を含む。回折波長板レンズまたはレンズアレイは、屈折力を提供し、したがって、偏光の発散または収束を生じさせ得る。ある場合には、回折波長板レンズまたはレンズアレイは、回折波長板レンズが、異なる偏光のための異なる(例えば、反対)屈折力を有するため、1つの偏光の光を収束させ、別の偏光の光を発散させる。回折波長板レンズまたはレンズレットはまた、その上に入射する光の偏光を変換してもよい(例えば、回転させる)。回折波長板レンズは、下記の、例えば、見出し「屈折力を提供するためのレンズ、可変焦点レンズ要素、および他の構成」下の節において、また、2017年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/518,539号(弁護士参照番号MLEAP.119PR)、および2018年6月12日に出願され、________________に米国特許公開第_______________として公開された米国特許出願第16/006,080号(弁護士参照番号MLEAP.119A)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論される。いくつかの実装では、反射性波長板レンズレットアレイ1410は、コレステリック液晶(CLC)反射性波長板レンズレットアレイを備えてもよい。代替として、CLC反射性波長板レンズが、使用されてもよい。反射性液晶レンズは、下記の、例えば、見出し「屈折力を提供するためのレンズ、可変焦点レンズ要素、および他の構成」下の節において、また、2018年2月22日に出願され、2018年8月23日に米国特許公開第2018/0239177号として公開された米国特許出願第15/902,927号(弁護士参照番号MLEAP.57A2)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論される。
【0270】
故に、反射性波長板レンズまたはレンズレットアレイ1410は、正の屈折力等の屈折力を有し、例えば、透明発光型ディスプレイ内のエミッタによって放出される光の発散を低減させてもよい。いくつかの設計では、例えば、反射性波長板レンズレットアレイ1410は、ある焦点距離を有してもよく、透明発光型ディスプレイのエミッタは、エミッタによって放出される光が、反射性波長板レンズレットアレイによってコリメートされるように、本焦点距離に対応する反射性波長板レンズレットアレイから離れた距離に配置されてもよい。
【0271】
上記に議論されるように、波長板レンズまたはレンズアレイは、波長板レンズが、異なる偏光のための異なる(例えば、反対)屈折力を有するため、1つの偏光の光を収束させ、別の偏光の光を発散させる。波長板レンズまたはレンズレットはまた、その上に入射する光の偏光を変換してもよい(例えば、回転させる)。故に、リターダが、システム内に含まれ、偏光を制御してもよい。
図14に示されるシステムでは、例えば、随意の4分の1波長板1420または4分の1波リターダが、透明発光型ディスプレイ1010と反射性波長板レンズレットアレイ1410との間に配置される。(本明細書で使用されるように、波長板は、リターダを備え、剛性プレート等のプレートである必要がなく、薄くおよび/または可撓性であり得、例えば、1つ以上の薄膜または層を備えてもよい。)
【0272】
図15に図示されるように、透明発光型ディスプレイから放出される光は、2回、随意の4分の1波長板1420を通して通過し、4分の1波の位相差を各通過に、または合計全波の位相差を2回の通過に追加するであろう。本システムでは、例えば、随意の4分の1波長板1420を通して通過することに応じて、透明発光型ディスプレイ1010内のエミッタから放出される、線形偏光(例えば、水平偏光)は、円偏光に変換される。本光は、反射性波長板レンズレットアレイ1410上に入射し、これは、本配向の円偏光のための正の屈折力を呈する。反射性波長板レンズレットアレイ1410は、反射された光を反対配向の円偏光に変換する。本円偏光は、再び、随意の4分の1波長板1420を通して通過し、線形偏光(例えば、垂直偏光)に逆変換される。随意の4分の1波長板1420を通した2回の通過によって導入される、全波の位相差は、線形偏光の回転を生じさせる。光またはその実質的部分は、透明発光型ディスプレイを通してユーザの眼に向かって透過される。
【0273】
図16は、システム1400の両側上のユーザの光学経路内に配置される、近位および遠位可変焦点光学要素1040、1050をさらに備える、
図15に示されるものに類似する拡張現実ディスプレイシステム1400を図示する。近位および遠位可変焦点光学要素1040、1050は、反射性波長板レンズレットアレイ1410、随意の4分の1波長板1420、および透明発光型ディスプレイ1010を挟入する。近位および遠位可変焦点光学要素1040、1050は、上記に説明されるものに実質的に類似してもよい。(屈折力を提供するためのレンズ、可変焦点レンズ要素、および他の構成)
【0274】
いくつかの実施形態では、可変焦点レンズ要素は、適合可能光学要素であってもよい。適合可能光学要素は、例えば、電気信号をそこに印加し、その上に入射する波面の形状を変化させることによって、動的に改変されてもよい。いくつかの実施形態では、適合可能光学要素は、動的レンズ(例えば、液晶レンズ、電気活性レンズ、可動要素を伴う従来の屈折レンズ、機械的変形ベースのレンズ、エレクトロウェッティングレンズ、エラストマレンズ、または異なる屈折率を伴う複数の流体)等の透過性光学要素を備えてもよい。適合可能光学系の形状、屈折率、または他の特性を改変することによって、その上に入射する波面は、例えば、本明細書に説明されるように、視認者の眼による光の集束を改変するように変化されてもよい。
【0275】
いくつかの実施形態では、可変焦点レンズ要素は、2つの基板間に挟入される液晶の層を備えてもよい。基板は、例えば、ガラス、プラスチック、アクリル等の光学的に透過性の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板は、平坦であってもよい。いくつかの実施形態では、基板は、基板の一部が、固定屈折力を有し得るように、湾曲領域を有してもよい。
【0276】
いくつかの実施形態では、可変焦点レンズ要素の屈折力は、例えば、1つ以上の薄膜トランジスタ(TFT)および/または液晶層および/または基板と統合された電極を介して、液晶層に印加される電気信号(例えば、電流および/または電圧)を調節することによって、変動されてもよい。いくつかの実装では、液晶層内の液晶種の配向は、層の屈折率を決定する。種々の実装では、印加される電気信号は、液晶種の配向を設定し、それによって、液晶層の屈折率が、印加される電気信号を改変することによって、所望に応じて変動されることを可能にする。
【0277】
液晶ベースの波長板レンズの実施例は、
図17Aおよび17Bに関して図示される。
【0278】
図17Aおよび17Bは、それぞれ、波長板レンズ1700Aおよび1700Bの実施例を図示し、それぞれ、透明基板1704、例えば、その上に、基板1704の主要表面に沿って軸方向(例えば、x-方向またはy-方向)と平行な方向に対して異なる伸長方向に沿って伸長される液晶分子1708を形成させている、ガラス基板を備える。すなわち、液晶分子1708は、基板1704の主要表面に対して法線の方向(例えば、z-方向)を中心として異なる回転角度(φ)だけ回転され、φは、層法線と平行な方向(例えば、x-方向またはy-方向)に対する液晶分子の伸長方向間の角度として説明される。
【0279】
図示される実装では、中心軸Cから所与の半径における液晶分子1708は、同一回転角度(φ)を有する。配列されるように、液晶分子1708は、コリメートされた光のビームをある焦点距離における点に集束させるように構成される。任意の理論によって拘束されるわけではないが、液晶分子1708の回転角度(φ)は、+/-k0r2/f,r2に比例し得、rは、Cからの半径方向距離であって、k0=2π/λは、回折波長板レンズによって集束されることになる光の波数であって、1は、光の波長であって、fは、波長板レンズ1700A、1700Bの焦点距離である。+および-符号は、波長板レンズ1700A、1700Bの中心Cの最近傍の液晶分子1708に対する、液晶分子1708の回転方向に対応し得る。
【0280】
波長板レンズ1700Aおよび1700Bの液晶分子1708のパターンは、相互の反転像を表す。すなわち、波長板レンズ1700Aおよび1700Bのうちの一方は、波長板レンズ1700Bおよび1700Bの他方を軸方向(例えば、x-方向またはy-方向)の周囲において180度回転させることによって取得され得る。構成されるように、波長板レンズ1700Aおよび1700Bの焦点距離および屈折力は、大きさが同一であるが、反対符号である。
【0281】
いくつかの実装では、波長板レンズ1700Aおよび1700Bはそれぞれ、半波長板レンズとしての役割を果たし得る。半波長板レンズとして構成されるとき、波長板レンズ1700Aおよび1700Bはそれぞれ、入力ビームの偏光に対して、線形偏光の平面を角度2α回転させ、αは、入力偏光方向と波長板軸との間の角度である。円偏光ビームに関して、本角度の変化は、位相偏移および偏光掌性の逆転に変換される。したがって、±2α位相偏移が、偏光掌性に応じた位相偏移の符号を伴って、円偏光ビーム内に生成され得る。
【0282】
図17Cは、いくつかの実施形態による、光の偏光および光が入射する側に応じて、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。半波長板レンズとして構成されるとき、図示される波長板レンズ1700Aは、第1の側上に入射する右円偏光(RHCP)光ビーム1712を左円偏光(LHCP)ビーム1716へと発散させるように構成されてもよい。他方では、波長板レンズ1700Aは、第1の側と反対の第2の側上に入射するRHCP光ビーム1720を左円偏光(LHCP)ビーム1724へと収束させるように構成されてもよい。
【0283】
波長板レンズ1700Bに関して、状況は、逆転される。
図17Dに図示されるように、半波長板として構成されるとき、波長板レンズ1700Bは、第1の側上に入射するLHCP光ビーム1728をRHCPビーム1732へと収束させるように構成されてもよい。他方では、波長板レンズ1700Bは、第1の側と反対の第2の側上に入射するLHCP光ビーム1736をRHCPビーム1740へと発散させるように構成されてもよい。
【0284】
したがって、液晶1708の回転角度方向および半径方向分布を制御することによって、波長板レンズは、掌性のいずれかを有する円偏光を収束または発散させるように構成され得る。液晶の回転角度間の関係に基づいて、屈折力は、増加または減少され得る。加えて、いくつかの実施形態では、液晶は、電場を印加することによって、整合および不整合にされてもよい。したがって、屈折力が約ゼロである限界では、波長板レンズは、波長板、例えば、切替可能な波長板として使用されてもよい。
【0285】
図18Aは、いくつかの実施形態による、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
図18Bは、動作時、
図18Aに図示される適応レンズアセンブリ1800の切替可能な波長板が、非アクティブ化されるときの切替可能な波長板アセンブリ1800Aを図示する一方、
図18Cは、動作時、
図18Aに図示される適応レンズアセンブリ1800の切替可能な波長板がアクティブ化されるときの切替可能なアセンブリ1800Bを図示する。適応レンズアセンブリ1800は、本明細書に議論される透明発光型ディスプレイ1010からの光を結合し、それを通して透過させるように構成される。適応レンズアセンブリ1800は、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1804、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1808、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1812、例えば、切替可能な半波長板とを備える。
【0286】
種々の実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、レンズおよび半波長板としての役割を果たすように構成される。
図17Aおよび17Bに関して上記に説明されるように、半波長板として構成されるとき、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、第1の掌性の円偏光を有する光(第1のHCP)を第2の掌性の円偏光を有する光(第2のHCP)に変換するように構成される。すなわち、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、それを通して通過する光を、それぞれ、LHCPまたはRHCPを有する光からRHCPに変換する、またはLHCPを有する光に変換するように構成される。
【0287】
種々の実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、所与の偏光に関して、第1のレンズ効果または第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果を有する、レンズとしての役割を果たすように構成される。すなわち、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、通過する光の収束または発散のいずれかを行うように構成される。種々の実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、入射光の偏光状態に応じて、反対レンズ効果を有するように構成されてもよい。例えば、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、第1のHCPを有するその上に入射する光を集束させるように構成される一方、第2のHCPを有するその上に入射する光を焦点ずれさせるように構成されてもよい。
【0288】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は、所与のHCPを有する光に関して同一レンズ効果を有するように構成される。すなわち、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は両方とも、LHCPを有する光を集束させ、RHCPを有する光を集束させ、LHCPを有する光を焦点ずれさせる、またはRHCPを有する光を焦点ずれさせるように構成されてもよい。
【0289】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、
図17Aおよび17Bに関して上記に説明されるように、個別の波長板レンズ1804、1808の中心軸から所与の半径における液晶が同一回転角度(φ)を有するように、伸長および回転される、液晶分子を備えてもよい。第1および第2の波長板レンズ1804、1808はそれぞれ、偏光状態を改変する、例えば、それを通して通過する光の偏光状態を反転させるように構成される。切替可能な波長板1812は、電気的にアクティブ化されると、偏光状態を改変する、例えば、それを通して通過する光の偏光状態を反転させるように構成される一方、非アクティブ化されると、それを通して通過する光の偏光状態を改変せずに、光を実質的に通過させるように構成される。電気信号、例えば、切替可能な波長板1812を切り替えるための電流信号または電圧信号が、そこに電気的に接続される切替回路1816によって提供されてもよい。
【0290】
種々の実施形態では、アクティブ化される、例えば、切替回路1816によって提供される電圧または電流信号を使用して、電気的にアクティブ化されると、HWP3 1812B(
図18C)は、半波長板としての役割を果たす。すなわち、アクティブ化されると、HWP3 1812B(
図18C)は、それぞれ、それを通して通過する光をLHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される、半波長板としての役割を果たす。したがって、L1/HWP1 1804、L2/HWP2 1808、およびHWP3 1812Bはそれぞれ、アクティブ化される(
図18C)と、第1の掌性の円偏光(第1のHCP)を有する光を第2の掌性の円偏光(第2のHCP)を有する光に変換するように構成される。
【0291】
種々の実施形態では、非アクティブ化される、例えば、切替回路1816によって提供される電圧または電流信号を使用して、例えば、電圧または電流信号を除去することによって、電気的に非アクティブ化されると、HWP3 1812A(
図18B)は、偏光または任意のレンズ効果を提供することに影響を及ぼさずに、光のための透過媒体としての役割を果たす。
【0292】
いくつかの実施形態では、単一波長板レンズ1804および/または1808は、波長板レンズおよび切替可能な半波長板の両方として機能してもよい。そのような実施形態では、専用の切替可能な半波長板1812は、省略されてもよい。
【0293】
図18Bは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板が非アクティブ化されている、
図18Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1800Aは、切替可能な波長板1812が、非アクティブ化されると、例えば、電流または電圧が、切替回路1816によって切替可能な波長板1812に印加されないとき、非アクティブ化されてもよい。適応レンズアセンブリ1800Aは、第1の適応レンズアセンブリ(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ(ユーザ側)に対応してもよい。L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、第1のHCP、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光に第1のレンズ効果、例えば、発散効果を及ぼすように構成されてもよい。L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれまた、反対HCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光に第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、収束効果を及ぼすように構成されてもよい。
【0294】
一例にすぎないが、第1のHCP、例えば、LHCPを有する光ビーム1820は、ビーム1820が、それを通して透過されるためにL1/HWP1804上に衝突するまで、例えば、正のz-方向に進行する。L1/HWP1 1804は、LHCPを有する光ビーム1820をRHCPを有する光ビーム1824に変換する。L1/HWP1 1804はまた、レンズとして構成されるため、L1/HWP1 1804はまた、L1/HWP1 1804の第1の屈折力P1に従って、光ビーム1820を発散させる。
【0295】
RHCPを有する光ビーム1824は、続いて、非アクティブ化状態におけるHWP3 1812A上に入射する。HWP3 1812Aは、非アクティブ化されているため、RHCPを有する光ビーム1824は、偏光またはレンズ効果の観点から実質的に影響されずに、HWP3 1812Aを通して透過し、RHCPを有する光ビーム1828Aとして、L2/HWP2 1808上に入射する。ユーザ側上の適応レンズアセンブリとして構成されるとき、L2/HWP2 1808は、図示される実施形態では、L1/HWP1 1804と同様に、すなわち、偏光を変換し、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成される。したがって、RHCPを有する光ビーム1828Aは、LHCPを有する光ビーム1832に逆変換される。したがって、HWP3 1812Aが、非アクティブ化されると、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1804は、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1808が、反対レンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼすように、反対偏光を有する光ビームを透過させる。すなわち、L2/HWP2 1804上に入射する光ビーム1828Aは、RHCPを有するため、L2/HWP2 1808から出射する光ビーム1832Aは、第1の屈折力P1に従って発散される、L1/HWP1 1804から出射する光ビーム1824と異なり、第2の屈折力P2に従って収束される。その後、非アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1800Aからの出射に応じて、光ビーム1832Aは、眼によって視認され得る。
【0296】
いくつかの実施形態では、HWP3 1812Aが、非アクティブ化されると、負(すなわち、発散)であり得るL1/HWP11804の第1の屈折力P1および正(すなわち、収束)であり得るL2/HWP2 1808の第2の屈折力P2は、実質的に同一または合致される大きさを有し得る。これらの実施形態では、約P1+P2であり得る、適応レンズアセンブリ1800Aの正味屈折力Pnetは、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808のレンズ効果の補償のため、実質的にゼロであり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力P1、P2は、正味屈折力Pnetが非ゼロ値を有し得るように、異なる大きさを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、非ゼロPnetは、ユーザの眼鏡処方箋と等しく、それによって、ユーザの眼の集束誤差(例えば、屈折集束誤差)の補正を可能にしてもよい。
【0297】
図示される実施形態では、入射光ビーム1820は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1820がRHCPを有するときにももたらされるであろうことを理解されたい。すなわち、光ビーム1820が、RHCPを有するとき、光ビーム1824および1828Aは、LHCPを有し、図示される実施形態と異なり、光ビーム1824および1828Aは、光ビーム1820に対して収束される。同様に、L2/HWP2 1808は、正味屈折力Pnetが実質的にゼロであり得るように、L1/HWP1 1804によって収束される光ビーム1828Aを発散させる。
【0298】
図18Bに関して上記で説明される、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態に対するレンズ効果の選択性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図18Bでは、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は、LHCPを有する光を収束させる一方、RHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。
【0299】
要するに、いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ1800AのHWP3 1812Aが、非アクティブ化状態にあるとき、出射する光ビーム1832Aは、入射光ビーム1820と同一HCPを有し、L1/HWP1 1804のP1とL2/HWP2 1808のP2との間のレンズ効果の補償のため、レンズ効果の観点から、入射光ビーム1820に実質的に合致され得る。その結果、例えば、ユーザが、仮想コンテンツを視認していないとき、世界のビューは、比較的に、適応レンズアセンブリの存在によって影響されない。
【0300】
図18Cは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図18Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1800Bは、切替可能な波長板1812Bが、アクティブ化されると、例えば、電流または電圧が、切替回路1816によって、切替可能な波長板1812Bに印加されると、アクティブ化されてもよい。適応レンズアセンブリ1800Bは、例えば、第1の適応レンズアセンブリ(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ(ユーザ側)に対応してもよい。
【0301】
ユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリとして構成されるとき、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれ、HCPのうちの1つ、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808はそれぞれまた、他のHCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0302】
透明発光型ディスプレイ1010からの光は、切替可能なレンズアセンブリ1800B上に、LHCPを有する円偏光ビーム1820として入射してもよい。いくつかの実装では、1つ以上の偏光器および/または偏光制御要素(例えば、1つ以上の線形偏光器、リターダ、またはそれらの組み合わせ、および/または円偏光器)が、光の好適な偏光(例えば、ある場合には、円偏光)を提供するために含まれてもよい。例えば、1つ以上の偏光器および/または偏光制御要素(例えば、1つ以上の線形偏光器、リターダ、またはそれらの組み合わせ、および/または円偏光器)が、透明発光型ディスプレイ1010に対して配置され、例えば、非偏光であり得る、透明発光型ディスプレイから出力された光を、好適な偏光(例えば、ある場合には、円偏光)に変換してもよい。他の偏光器および/または偏光制御コンポーネントおよび/またはその構成が、含まれてもよく、場所は、変動してもよい。光ビーム1820は、光ビーム1820が、L1/HWP1804上に衝突し、それを通して透過されるまで、例えば、正のz-方向に進行する。L1/HWP1
1804は、LHCPを有する光ビーム1820をRHCPを有する光ビーム1824に変換する。L1/HWP1 1804は、LHCPを有する光を発散させるように構成されるため、光ビーム1824もまた、L1/HWP1 1804の第1の屈折力P1に従って発散される。
【0303】
RHCPを有する光ビーム1824は、続いて、アクティブ化状態におけるHWP3 1812B上に入射する。
図18Bに関して上記に図示される非アクティブ化されるHWP1812Aと異なり、HWP3 1812Bは、アクティブ化されているため、HWP3 1812Bを通して透過する、RHCPを有する光ビーム1824は、LCHPを有する光ビーム1828Bに変換される。続いて、LHCPを有する光ビーム1828Bは、L2/HWP2 1808上に入射する。
図18Bに関して上記に図示される光ビーム1828Aと異なり、L2/HWP2 1808上に入射する光ビーム1828Bは、LHCPを有するため、L2/HWP2 1808はさらに、光ビーム1828Bを、第2の屈折力P2に従って、RHCPを有する光ビーム1832Bへと発散させる。すなわち、
図18Bに関して図示されるHWP1812Aの非アクティブ化状態と異なり、HWP1812Bは、アクティブ化されているため、L1/HWP1 1804およびL2/HWP1 1804は、同一偏光LHCPを有する光ビームを透過させるように構成される。したがって、
図18Bに関して図示される補償効果を有する、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808と異なり、
図18CにおけるL1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は、付加的レンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼす。すなわち、L1/HWP1上に入射する光ビーム1820およびL2/HWP2 1804上に入射する光ビーム1828Bの両方が、LHCPを有するため、L2/HWP2 1808から出射する光ビーム1832Bは、L1/HWP1 1804による発散に加え、さらに発散されるであろう。その後、アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1800Bからの出射に応じて、光ビーム1832Aは、眼によって視認され得る。
【0304】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1804の第1の屈折力P1およびL2/HWP2 1808の第2の屈折力P2は両方とも、負(すなわち、発散)であってもよく、実質的に同一または合致される大きさを有してもよい。これらの実施形態では、約P1+P2であり得る、適応レンズアセンブリ1800Bの正味屈折力Pnetは、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808の組み合わせの付加的レンズ効果のため、P1またはP2のものの実質的に2倍であり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力P1、P2は、異なる大きさを有してもよい。
【0305】
図示される実施形態では、入射光ビーム1820は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1820がRHCPを有するときにももたらされるであろう。すなわち、光ビーム1820が、RHCPを有するとき、図示される実施形態と異なり、結果として生じる光ビーム1832Bは、LHCPを有し、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808によって、第1および第2の屈折力P1およびP2の大きさのほぼ和である大きさを有する、正味屈折力Pnetに従って収束される。
【0306】
図18Cに関して上記で説明される、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態へのレンズ効果の依存性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図18Bでは、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 1804およびL2/HWP2 1808は、反対に、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0307】
その結果、いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ1800Bの切替可能な半波長板1812Bが、アクティブ化状態にあるとき、出射する光ビーム1832Bは、入射光ビーム1820に対して反対HCPを有し、L1/HWP11804の付加的屈折力P1およびL2/HWP2 1808のP2に従って発散されてもよい。その結果、ユーザが、仮想コンテンツを視認するとき、仮想コンテンツは、その値が約Pnet=P1+P2である、正味屈折力に従って、眼210の中に集束される。
【0308】
上記には、アクティブ化状態における適応レンズアセンブリが、上記に説明されるディスプレイデバイスにおけるユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリとして構成されるときについて説明された。しかしながら、上記に説明されるように、任意の補償効果を伴わずに、第2の適応レンズアセンブリをアクティブ化し、仮想コンテンツをユーザの眼210に表示することは、実世界のビューの焦点ずれまたは歪曲をもたらし得、これは、望ましくあり得ない。したがって、世界側上の第1の適応レンズアセンブリを、仮想コンテンツを表示するようにアクティブ化されると、少なくとも部分的に、第2の適応レンズアセンブリのレンズ効果を補償または無効にするように構成することが望ましくあり得る。
【0309】
図18Cを参照すると、ユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリのレンズ効果を無効にするための世界側上の第1の適応レンズアセンブリとして構成されるとき、適応レンズアセンブリ1800Bのコンポーネントは、世界510から眼210に透過される光が、第1および第2の適応レンズアセンブリを横断するにつれて、それぞれ、
図18Cに関して説明される適応レンズアセンブリ1800Bに関して上記に説明されるように構成され得るように構成されてもよい。動作時、上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリを通して透過される光の偏光は、第1の偏光状態から第2の偏光状態、例えば、RHCPからLHCPに変換される。続いて、第2の適応レンズアセンブリを通して透過される光の偏光は、第2の偏光状態から第1の偏光状態、例えば、LHCPからRHCPに逆変換される。さらに、世界から第1の適応レンズアセンブリを通して透過される光は、第1の符号、例えば、正の符号を有する、第1の正味屈折力Pnet1=P1+P2に従って、第1のレンズ効果、例えば、収束効果を受ける。続いて、第2の適応レンズアセンブリを通して透過される光は、第2の適応レンズアセンブリ上に入射する光が、第1の適応レンズアセンブリ上に入射する光と反対偏光を有するため、第2の符号、例えば、負の符号を有する、第2の正味屈折力Pnet2=P1’+P2’に従って、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、発散効果を受ける。Pnet1およびPnet2が、実質的に類似した大きさを有するとき、P=Pnet1+Pnet2によって近似される、全体的レンズ効果は、実質的にゼロであり得る。その結果、ユーザが、第2のレンズアセンブリをアクティブ化することによって、仮想コンテンツを視認し、かつ周囲世界内の実オブジェクトを視認するとき、世界のビューは、比較的に、第1のレンズアセンブリの補償効果によって影響されない。上記に議論されるように、いくつかの実装では、1つ以上の偏光器および/または偏光制御要素(例えば、1つ以上の線形偏光器、リターダ、またはそれらの組み合わせおよび/または円偏光器)が、光の好適な偏光(例えば、ある場合には、円偏光)を提供するために含まれてもよい。例えば、1つ以上の偏光器および/または偏光制御要素(例えば、1つ以上の線形偏光器、リターダ、またはそれらの組み合わせ、および/または円偏光器)が、世界またはユーザの正面の環境に対して配置され、例えば、非偏光であり得る、そこからの光を、好適な偏光(例えば、ある場合には、円偏光)に変換してもよい。他の偏光器および/または偏光制御コンポーネントおよび/またはその構成が、含まれてもよく、場所は、変動してもよい。
【0310】
種々の実施形態では、アクティブ化されると、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、例えば、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲内(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば、±1.5ジオプタを含む)の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。これらの範囲外の他の値および他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0311】
複数のレンズまたはレンズアセンブリ、可能性として、複数の切替可能なレンズアセンブリが、広範囲の値の屈折力を取得するために採用されてもよい。いくつかの構成では、複数の屈折力が、レンズおよび/または波長板等の光学要素に印加される電気信号を使用した切替または別様のもの等の切り替えによって選択的に提供されてもよい。
図16は、本明細書に開示される、ディスプレイデバイス内の第2の適応レンズアセンブリ1508内のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3のうちの1つ以上のものを選択することによって、ユーザ1604のために選択され得る、画像fs0のデフォルト仮想深度および第1-第6の仮想画像深度fs1-fs6の実施例を図式的に図示する。加えて、第2の適応レンズアセンブリ1508内のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3のうちの選択された1つは、実世界のビューの望ましくない焦点ずれまたは歪曲が、低減または最小限にされるように、第1の適応レンズアセンブリ1504内のサブスタック1504-1、1504-2、1504-3のうちの対応するサブスタックの1つと対合される。
【0312】
屈折力を提供する他の設計および構成も、可能性として考えられる。例えば、コレステリック液晶光学要素等の反射性液晶要素等の反射性光学要素が、採用されてもよい。
【0313】
本明細書に説明されるように、いくつかのディスプレイデバイスは、光を世界向きに(例えば、ユーザの眼4から離れるように世界に向かって)非対称的に投影するように構成される、接眼レンズと、次いで、光の方向をユーザの眼4に向かって戻るように逆転させる(例えば、反射または回折によって)、光学構造(例えば、
図14-16の反射性波長板レンズまたはレンズレットアレイ1410)とを備える。
【0314】
図20Aおよび20Bは、ディスプレイデバイスの一部として実装され得る、反射性回折レンズ3100Aを図示し、反射性回折レンズ3100Aは、反射性偏光ミラーとしての役割を果たす、パターン化されたCLC材料から形成される。
図20Aは、フレネルパターン(例えば、バイナリフレネルレンズパターン)の上部における液晶配向子の局所配向(矢印)を図示する。故に、CLCレンズ3100Aは、屈折力を有するように構成されることができる(印加された電場等によって調節可能であり得る)。CLCレンズ3100Aの実施形態は、
図14-16のディスプレイ内に反射率および屈折力を提供するために使用されることができる。
【0315】
図20Bを参照すると、レンズ3100Aが、CLCキラリティの掌性(例えば、RHCP)に対応する(例えば、それと同一掌性を有する)円偏光を有する、円偏光入射光3012で照明されると、反射された光3016は、透過性レンズに類似するレンズ効果を呈する。他方では、直交偏光(例えば、LHCP)を伴う光は、干渉なく透過される。レンズ3100Aは、約10nm未満、約25nm未満、約50nm未満、約100nm未満の範囲、またはある他の範囲内の帯域幅を有するように構成されることができる。
【0316】
図20Cは、複数の反射性回折レンズ3100-R、3100-G、および3100-Bを備える、反射性回折レンズ3100Cを図示する。図示される実施形態では、反射性回折レンズ3100-R、3100-G、および3100-Bは、スタックされた構成にあって、それぞれ、赤色、緑色、および青色スペクトル内の波長Δλの範囲内の光を反射させるように構成される。レンズ3100Cが、CLCキラリティの掌性(例えば、RHCP)に対応する円偏光と、赤色、緑色、および青色スペクトル内の波長Δλの範囲内の波長とを有する、円偏光入射光3012で照明されるとき、反射された光3016は、透過性レンズに類似するレンズ効果を呈する。他方では、直交偏光(例えば、LHCP)を伴う光は、干渉なく透過される。
【0317】
回折レンズ(例えば、フレネルベースの/フレネルレンズ)は、多くの場合、焦点距離3204が、光の波長に応じて変動するため、深刻な色収差に悩まされる。これは、入射赤色、緑色、および青色光が、レンズ3200Aからの異なる距離に集束されることを示す、回折レンズ3200Aに関して、
図21Aに図示される。
【0318】
CLC材料の中程度の帯域幅の利点を用いることで、レンズのスタックは、異なる色に関して実質的に同一焦点距離を有するように実装されることができる。
図21Bは、
図20Cに関して図示される反射性回折レンズ3100Cに類似する、スタックされた構成における複数の反射性回折レンズ3200-R、3200-G、および3200-Bを備える、反射性回折レンズ3200Bを図示する。
図21Bに示されるように、3つの個々のレンズ3200-R、3200-G、および3200-Bは、それぞれ、赤色、緑色、および青色波長に関して、実質的に同一焦点距離または屈折力を有するように設計される。CLC材料の帯域幅は、多くの実装では、約50nm~100nmであるため、3つの波長間のクロストークは、低減または最小限にされることができる。3つのCLC層が、示されるが、レンズ3200B上に入射する光の色に対応する、より少ないまたはより多い数の層も、使用されることができる。
【0319】
波長板レンズまたはレンズレットアレイは、例えば、長方形アレイ等のアレイにおいて、側方に離間される、複数のそのようなレンズ(例えば、液晶レンズ)を生産することによって作成されてもよい。透過性波長板レンズまたはレンズレットアレイは、例えば、長方形アレイ等のアレイにおいて、側方に離間される、複数の透過性波長板レンズを生産することによって作成されてもよい。反射性波長板レンズまたはレンズレットアレイは、例えば、長方形アレイ等のアレイにおいて、側方に離間される、複数の反射性波長板レンズを生産することによって作成されてもよい。レンズアレイにおけるこれらのレンズは、いくつかの実装では、単一レンズ実装より小さくてもよい。
【0320】
広範囲の変形例が、可能性として考えられる。例えば、図示されるように、単一レンズ1018、1016またはレンズアレイ1030、1020、1014、106等のレンズが、使用されてもよい。反射体もまた、屈折力の有無にかかわらず、使用されてもよい。図示されるように、反射性レンズレット1410が、使用されてもよい。いくつかの実装では、単一レンズ1018、1016または反射体(近位および/または遠位)は、使用されてもよいが、レンズまたはレンズレットアレイまたは反射性レンズまたはレンズレットアレイが、採用されてもよい。液晶レンズおよび/または反射体が、システム内に含まれてもよい。波長板レンズまたはレンズレットアレイが、使用されてもよい。これらの波長板レンズまたはレンズレットアレイは、反射性または透過性であってもよい。任意の組み合わせも、可能性として考えられる。要素のいずれかはまた、システムから除外されてもよい。例えば、レンズレットアレイ1020、1030、1012、1014または単一レンズ1016、1018(近位および/または遠位)は、可変焦点レンズ(近位または遠位)を伴わずに使用されてもよい。加えて、順序は、変動してもよい。例えば、可変焦点アレイ1040、1050(近位または遠位)は、可能性として、いくつかの実装では、他の単一レンズ1016、1018またはレンズレットアレイ1020、1030、1012、1014(近位または遠位)より透明発光型アレイ1010に近くてもよい。広範囲の他の変形例もまた、可能性として考えられる。
【0321】
本明細書に説明される、および/または図に描写されるプロセス、方法、およびアルゴリズムはそれぞれ、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つ以上の物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/または電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全または部分的に自動化され得ることを理解されたい。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令とともにプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含んでもよい。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされ得る、動的リンクライブラリ内にインストールされ得る、または解釈されるプログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実施形態では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
【0322】
さらに、本開示の機能性のある実施形態は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つ以上の物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量または複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み、各フレームは、数百万のピクセルを有し得、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
【0323】
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性または不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。いくつかの実施形態では、非一過性コンピュータ可読媒体は、ローカル処理およびデータモジュール(140)、遠隔処理モジュール(150)、および遠隔データリポジトリ(160)のうちの1つ以上のものの一部であってもよい。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的または別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
【0324】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理または算術)またはステップを実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、追加される、削除される、修正される、または別様に本明細書に提供される例証的実施例から変更されてもよい。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステム、またはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、任意の特定のシーケンスに限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切な他のシーケンスで、例えば、連続して、並行して、またはある他の様式で実施されてもよい。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそれから除去され得る。さらに、本明細書に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証を目的とし、全ての実施形態においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0325】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0326】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0327】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0328】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれ得る。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施され得る。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0329】
故に、請求項は、本明細書に示される実装に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。