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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103564
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】セキュリティシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/00 20060101AFI20240725BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240725BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E05B65/00 D
E05B49/00 B
E05B49/00 L
A47G29/12 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024085918
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2019150049の分割
【原出願日】2019-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】501377139
【氏名又は名称】日本宅配システム株式會社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】淺井 泰夫
(57)【要約】
【課題】例えば、集配業者が集合住宅やオフィスビル等のセキュリティを解除して荷物を配達する場合に、セキュリティ機能を向上させるセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】建物外側から内側の目的の場所に向かう途上に設けられ、セキュリティを解除することにより建物外側から前記目的の場所への通行が可能となるセキュリティ設備と、収納ボックス本体と該収納ボックス本体への荷物の預け入れ及び取り出しのために用いる操作部とを有する物品収受装置と、を備え、少なくとも前記操作部が前記セキュリティ設備よりも建物外側に位置しており、前記操作部を用いて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除することを特徴とするセキュリティシステム、を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物外側から内側の目的の場所に向かう途上に設けられ、セキュリティを解除することにより建物外側から前記目的の場所への通行が可能となるセキュリティ設備と、
収納ボックス本体と該収納ボックス本体への荷物の預け入れ及び取り出しのために用いる操作部とを有する物品収受装置と、を備え、
少なくとも前記操作部が前記セキュリティ設備よりも建物外側に位置しており、
前記操作部を用いて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除することを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
前記セキュリティ設備がドア及び/又はエレベーターであることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記物品収受装置が、前記操作部を操作することによって利用者の認証を行う認証手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記認証手段による認証結果に応じて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除することを特徴とする、請求項3に記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記認証手段による認証処理の開始に伴って利用者の撮影及び/又は録画を開始することを特徴とする、請求項3又は4に記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
前記物品収受装置が、前記認証手段による認証結果を前記荷物の荷受人に通知する通知手段を有することを特徴とする、請求項3から5に記載のセキュリティシステム。
【請求項7】
前記物品収受装置が、前記認証手段に用いられる前記利用者に関する識別情報、前記荷物の荷送人に関する識別情報及び/又は前記荷物の荷渡人に関する識別情報を事前に登録する識別情報登録手段を備えることを特徴とする、請求項3から6に記載のセキュリティシステム。
【請求項8】
前記収納ボックス本体が、前記セキュリティ設備よりも建物外側及び/又は建物内側に位置することを特徴とする、請求項1から7に記載のセキュリティシステム。
【請求項9】
前記物品収受装置が、前記操作部を操作することによって荷物を収納する収納ボックス本体を選択するボックス選択手段を備えることを特徴とする、請求項1から8に記載のセキュリティシステム。
【請求項10】
前記セキュリティの解除後、前記収納ボックスが解錠されて荷物の入庫が可能となることを特徴とする、請求項1から9に記載のセキュリティシステム。
【請求項11】
前記セキュリティ設備のセキュリティ解除時間に制限を設ける制限手段を有することを特徴とする、請求項1から10に記載のセキュリティシステム。
【請求項12】
前記物品収受装置が、前記物品収受装置の利用履歴を記録する利用履歴記録手段を備えることを特徴とする、請求項1から11に記載のセキュリティシステム。
【請求項13】
前記物品収受装置が、前記セキュリティ設備のセキュリティの解除に用いる暗証番号を発行する暗証番号発行手段を備えることを特徴とする、請求項1から12に記載のセキュリティシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ設備と物品収受装置とが設けられた建物のセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビル等の建物の共有の出入り口には、セキュリティの強化のために、オートロック施錠式のドアと、ドアを開錠するためのドア開錠手段と、が設けられていることが多い。一方で、荷受人の利便性を向上させるために、集合住宅やオフィスビル等の建物内に個別の宅配ボックスを設置する動きやフロア毎に宅配ボックスを設置する動きが広がっており、例えば特許文献1には、集合住宅の各戸に配置可能な宅配物収容器が記載されている。この場合、個別の宅配ボックスへ荷物の配達や集荷を受けるために、集合住宅やオフィスビル等の建物の管理者や荷受人は、集配業者に対し、例えばオートロックを開錠するための鍵を事前に渡しておく等の手段をとる必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-005443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オートロックを解除するための鍵を集配業者に提供した場合、鍵の紛失等により第三者に鍵が渡り、第三者がセキュリティ内に侵入してしまうおそれがあり、防犯上好ましくないという問題があった。また、集配業者によっては複数の担当者がいる場合もあり、それら複数の担当者で一つの鍵を共有しなければならないという不便さがあるという問題がある。さらにはその鍵を用いてどのような業者がどのような時間に建物内に進入したのかといった入館履歴を取ることができず、セキュリティ性の担保ができないという問題もあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、集合住宅やオフィスビル等の建物のセキュリティを向上させるセキュリティシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、建物外側から内側の目的の場所に向かう途上に設けられ、セキュリティを解除することにより建物外側から前記目的の場所への通行が可能となるセキュリティ設備と、収納ボックス本体と該収納ボックス本体への荷物の預け入れ及び取り出しのために用いる操作部とを有する物品収受装置と、を備え、少なくとも前記操作部が前記セキュリティ設備よりも建物外側に位置しており、前記操作部を用いて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除することを特徴とするセキュリティシステムを提供する(発明1)。
【0007】
かかる発明(発明1)によれば、集配業者等は、セキュリティ設備よりも建物外側に位置する物品収受装置の操作部にて該建物のセキュリティの解除が可能となるため、セキュリティ設備よりも建物内側に位置する収納ボックス本体に荷物等を入庫することが可能となる。これにより、建物のセキュリティを解除するための鍵等を集配業者に提供する必要がなくなるため、当該建物のセキュリティ機能の向上を実現することができる。
【0008】
上記発明(発明1)においては、前記セキュリティ設備がドア及び/又はエレベーターであってもよい(発明2)。
【0009】
上記発明(発明1,2)においては、前記物品収受装置が、前記操作部を操作することによって利用者の認証を行う認証手段を備えていてもよい(発明3)。
【0010】
上記発明(発明3)においては、前記認証手段による認証結果に応じて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除してもよい(発明4)。
【0011】
上記発明(発明3,4)においては、前記認証手段による認証処理の開始に伴って利用者の撮影及び/又は録画を開始してもよい(発明5)。
【0012】
上記発明(発明3~5)においては、前記物品収受装置が、前記認証手段による認証結果を前記荷物の荷受人に通知する通知手段を有していてもよい(発明6)。
【0013】
上記発明(発明3~6)においては、前記物品収受装置が、前記認証手段に用いられる前記利用者に関する識別情報、前記荷物の荷送人に関する識別情報及び/又は前記荷物の荷渡人に関する識別情報を事前に登録する識別情報登録手段を備えていてもよい(発明7)。
【0014】
上記発明(発明1~7)においては、前記収納ボックス本体が、前記セキュリティ設備よりも建物外側及び/又は建物内側に位置していてもよい(発明8)。
【0015】
上記発明(発明1~8)においては、前記物品収受装置が、前記操作部を操作することによって荷物を収納する収納ボックス本体を選択するボックス選択手段を備えていてもよい(発明9)。
【0016】
上記発明(発明1~9)においては、前記セキュリティの解除後、前記収納ボックスが解錠されて荷物の入庫が可能となってもよい(発明10)。
【0017】
上記発明(発明1~10)においては、前記セキュリティ設備のセキュリティ解除時間に制限を設ける制限手段を有していてもよい(発明11)。
【0018】
上記発明(発明1~11)においては、前記物品収受装置が、前記物品収受装置の利用履歴を記録する利用履歴記録手段を備えていてもよい(発明12)。
【0019】
上記発明(発明1~12)においては、前記物品収受装置が、前記セキュリティ設備のセキュリティの解除に用いる暗証番号を発行する暗証番号発行手段を備えていてもよい(発明13)。
【発明の効果】
【0020】
本発明のセキュリティシステムによれば、物品収受装置のセキュリティの外側に位置する操作部によって建物のセキュリティの解除が可能となることから、集配業者等へセキュリティ解除のための鍵等を貸し出す必要がなくなり、建物のセキュリティ機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るセキュリティシステムの基本構成を概略的に示す図である。
図2】物品収受装置の収納ボックス本体及び操作部の外観を概略的に示す図である。
図3】同実施形態に係るセキュリティシステムの概略図(その1)である。
図4】同実施形態に係るセキュリティシステムの概略図(その2)である。
図5】同実施形態に係るセキュリティシステムの概略図(その3)である。
図6】物品収受装置の内部構成を示すブロック図である。
図7】管理サーバの内部構造を示すブロック図である。
図8】管理データの構成を示す図である。
図9】同実施形態に係るセキュリティシステムにおける主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図10】解除情報(認証情報)の入力画面を示す図である。
図11】同実施形態に係るセキュリティシステムにおけるセキュリティ解除処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
(1)物品収受システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係るセキュリティシステムの基本構成を概略的に示す図である。図1に示すように、このセキュリティシステムは、例えば、インターネット等の通信網NW(ネットワーク)に接続可能な複数の物品収受装置40の収納ボックス41と、当該物品収受装置40の操作部42と、通信網NWに接続されている管理サーバ20と、セキュリティ設備50とによって構成されている。また、セキュリティシステムには、通信網NWを介して収納ボックス41、操作部42、及び/又は管理サーバ20、と通信可能な端末装置30が設けられてもよい。
【0024】
図2に示すように、物品収受装置40は、収納ボックス本体41と、該収納ボックス本体への荷物の預け入れ及び取り出しのために用いる操作部42と、を有する。収納ボックス本体41と操作部42は、図2(a)に示すように一つの筐体に収められた一体型でもよいし、図2(b)に示すように収納ボックス本体41が収められた筐体とは別に(例えば周辺の壁面等に)操作部42が設けられている分離型でもよい。
【0025】
図2に示すように、収納ボックス本体41は、配達された宅配物(例えば、集配業者によって配送される荷物や、新聞、広告ビラ、回覧板等を含む)や郵便物等の荷物(物品)を収納し、あるいは、収納された物品を取り出すための収納扉を備えた少なくとも1つの収納ボックス41a,41b,…を備えている。各収納ボックス41a,41b,…の収納扉の開錠/施錠は、電気錠(図示省略)を用いて制御される。
【0026】
収納ボックス本体41の各収納ボックス41a,41b,…には、物品が収納ボックスに収納されているか否かを示す物品センサ信号を送信するための、透過式ないし反射式光センサ等から構成された物品センサ(図示省略)が設けられていても良い。各収納ボックス41a,41b,…は、例えば、収納する物品の大きさに応じて複数のサイズ(例えば、S、M、L、…)のものが設けられていてもよい。
【0027】
収納ボックス本体41は、セキュリティ設備50よりも建物外側及び/又は建物内側に設置される。例えば、図3に示すように、操作部42を建物Mのセキュリティ設備50よりも外側に設置し、収納ボックス本体41を建物Mのセキュリティ設備50の内側の共有スペースに設置してもよいし、図4に示すように、一体型の物品収受装置40を建物Mのセキュリティ設備50の内側と外側それぞれに設置することにより、収納ボックス本体41を建物Mのセキュリティ設備50の内側と外側それぞれに設置してもよい。また、図5に示すように、収納ボックス本体41は建物Mの各階に設置されてもよいし、各部屋のドアの隣に部屋ごとに設置されていてもよい。
【0028】
物品収受装置40の操作部42は、収納ボックス本体41への荷物の預け入れ及び取り出しのために必要な操作に用いることができるものであるが、操作部42のうち少なくとも1つはセキュリティ設備50よりも建物外側に設置されており、セキュリティ設備50のセキュリティ解除に必要な操作に用いることができるように構成されている。これにより、集配業者等は、セキュリティ解除用の鍵を持たずとも、操作部42を操作することにより、セキュリティを解除し建物内に入り、例えば建物内に設置された収納ボックスに荷物を入庫するために、建物外側から内側の目的の場所である収納ボックスの設置場所に向かうことが可能となる。
【0029】
操作部42は、後述するように、セキュリティ設備50のセキュリティを解除するために用いることができる。操作部42には、図2に示した通り、情報を表示するための表示部16と、情報を入力するための入力部17と、が設けられている。本実施形態では、入力部17は、ファンクションキーやテンキー等から構成されたキーボード17aと、バーコードあるいは二次元コード(例えばQR(Quick Response)コード(登録商標))等を読み取るリーダー17bと、を含み得る。
【0030】
操作部42はカメラを備えていてもよく、利用者等の撮影及び/又は録画を行うことができる。例えば、後述する認証手段85による認証処理の開始に伴って利用者の撮影及び/又は録画を開始してもよい。
【0031】
物品収受装置は、操作部42を操作することによって、利用者(例えば、集配業者)の認証を行う認証手段を備えている。認証手段は、特に制限されないが、パスワード認証、顔認証、指紋認証などが含まれる。パスワード認証に用いるパスワードは、特に制限されないが、集配業者の営業所等の電話番号やあらかじめ集配業者ごとに割り振られたパスワードなどが含まれる。
【0032】
管理サーバ20は、通信網NWを介して各収納ボックス本体41及び操作部42と接続されており、収納状態と、物品の受領情報と、物品の荷送り人、荷受人(物品の届け先)及び集配業者に関する情報等と、を管理する。ここで、荷送り人とは、例えば、集配業者に対して荷物(物品)の配達を依頼する個人あるいは企業等であってもよい。また、集配業者とは、例えば、宅配業者のように荷物の配達や集荷を行う業者や、クリーニング業者のように預かり物の配達や集荷を行う業者、新聞配達業者やフードデリバリー業者のように各戸に新聞や飲食物等を配達する業者を含むものであり、物品収受装置への荷物の預け入れ及び取り出しを行わない業者も含み得る。
【0033】
端末装置30は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む)等のように、個々のユーザ(例えば集配業者、荷送り人、荷受人等)によって操作される端末装置であってもよい。
【0034】
セキュリティ設備50は、建物外側から内側の目的の場所に向かう途上に設けられ、セキュリティを解除することにより、建物外側から目的の場所への通行が可能となるものである。具体的には、建物Mの内側への立ち入りや通行を制限するセキュリティ機能を有している設備であればよく、例えば、建物のメインエントランスに設けられたドアや、建物内の通路上に設けられたドア、各フロア間の移動に用いられるエレベーターであってもよい。また、集配業者専用に設けられたドア(例えば建物の裏口や物品収受装置の筐体の一部に形成されたドア等)であってもよく、これらのセキュリティ設備が複数組み合わされてなる複合的なセキュリティ設備であってもよい。
【0035】
(2)物品収受装置の構成
図6を参照して物品収受装置宅配40の内部構成について説明する。図6は物品収受装置の内部構成を示すブロック図である。
【0036】
図6に示すように、収納ボックス本体41と操作部42とを有する物品収受装置40は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、表示処理部15と、表示部16と、入力部17と、通信インタフェース部18と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス19が設けられている。
【0037】
CPU11は、電源が物品収受装置に投入されると、ROM12又は記憶装置14に記憶された各種のプログラムをRAM13にロードして実行する。本実施形態では、CPU11は、ROM12又は記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する表示手段81、情報取得手段82、ボックス選択手段83、記憶手段84、認証手段85、通知手段86、セキュリティ解除手段87の各機能を実現する。
【0038】
CPU11は、管理サーバ20から送信された情報を、通信インタフェース部18を介して受信し、受信した情報をRAM13又は記憶装置14に記憶する。また、CPU11は、ROM12、RAM13又は記憶装置14に記憶されているデータを、通信インタフェース部18を介して管理サーバ20に送信する。
【0039】
記憶装置14は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU11が実行するプログラムやCPU11が参照するデータを格納する。
【0040】
なお、ここでは、記憶装置14が物品収受装置の内部に設けられている場合を一例として説明しているが、記憶装置14は、物品収受装置の内部ではなく、例えば、物品収受装置と通信網NWを介して通信可能な所定の装置(例えばファイルサーバ等)に設けられてもよい。この場合、CPU11は、記憶装置14に格納されたプログラムやデータの読み出し又は書き込みを行うために、通信網NWを介して当該所定の装置にアクセスしてもよい。
【0041】
表示処理部15は、CPU11から与えられる表示用データを、表示部16に表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
【0042】
入力部17は、上述したようにキーボード17a及びリーダー17bを含む。なお、入力部17は、例えばタッチパネルやタッチパッド等で構成されてもよく、この場合には、例えば表示画面を指先又はペンで触れること等によるタッチ方式の入力を受け付ける。タッチ入力方式は、例えば静電容量方式等の周知の方式であってもよい。また、入力部17は、音声入力用のマイクや画像入力用のカメラであってもよい。
【0043】
通信インタフェース部18は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0044】
(3)管理サーバの構成
図7を参照して管理サーバ20の構成について説明する。図7は、管理サーバの内部構成を示すブロック図である。図7に示すように、管理サーバ20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、通信インタフェース部28と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス29が設けられている。管理サーバ20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0045】
CPU21は、電源が管理サーバ20に投入されると、ROM22又は記憶装置24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。
【0046】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD、磁気記憶装置、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、オペレーティングシステム(OS)やOS上で実行されるプログラムを記憶する。また、記憶装置24には、後述する管理データ(図8に示す)が記憶されている。
【0047】
表示処理部25は、CPU21から与えられる表示用データを、表示部26に表示する。表示部26は、例えばLCDモニタであってもよい。入力部27は、例えばマウスや、キーボードや、音声入力用のマイク等の情報入力デバイスであってもよい。
【0048】
通信インタフェース部28は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0049】
図8を参照して管理データの構成について説明する。図8は、管理データの構成例を示す図である。管理データには、複数の収納ボックス本体(図の例では、B1,B2,B3,…)毎に、その設置場所(図の例では、L1,L2,L3,…)と、各収納ボックス41a,41b,…の番号(収納ボックス番号)と、が記録されている。また、複数の収納ボックス41a,41b,…毎に、収納状態(ステータス)、受領情報及び物品情報の各項目が設けられており、物品情報は、荷送り人情報、荷受人情報、集配業者情報及び開錠情報、…の各項目で構成されている。なお、物品情報には、例えば、物品のサイズ、重量、温度、種類(例えば食料、衣類、家具、電気製品、レジャー用品、割れ物、冷凍品、冷蔵品等)や、集配業者によって設定された物品の識別番号(宅配物ID)や、収納ボックスに物品が収納(入庫)されたときの日時情報等が含まれてもよい。
【0050】
収納状態(ステータス)の項目には、収納ボックス本体41から送信された信号(収納完了情報)に基づき収納ボックスに物品が収納されたと判断されると、「入庫」という情報が記録され、収納ボックス本体41から送信された信号(出庫完了情報)に基づき収納ボックスが空き状態になったと判断されると、「空き」という情報が記録される。また、「空き」という情報が記録された収納状態に対応する物品情報には、例えば空データ(NULLデータ)が記録される。
【0051】
受領情報の項目には、対応する収納ボックスに物品が収納された場合に、物品が受領されたことを示す受領情報が記録される。ここで、受領情報は、例えば、収納ボックス41a,41b,…毎に異なる(個別となる)ように構成されてもよいし、何れかの収納ボックスに物品が収納される毎に異なる(個別となる)ように構成されてもよい。また、受領情報は、少なくとも1つの数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号で構成されてもよい。この場合、受領情報を、少なくとも1つの数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号を用いて構成することができる。例えば、受領情報は、所定桁数(例えば、6桁)の数字で構成されてもよい。
【0052】
荷送り人情報の項目には、例えば、荷送り人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。また、荷受人情報の項目には、例えば、荷受人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。さらに、集配業者情報の項目には、例えば、集配業者の名称、居所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。
【0053】
開錠情報は、例えば荷受人が、収納ボックス本体41の各収納ボックス41a,41b,…の電気錠を開錠するために用いられるものである。この開錠情報の内容は、例えば、各収納ボックス41a,41b,…に物品を収納する利用者(例えば、集配業者)によって自由に設定されてもよいし、CPU11によって生成された所定の内容(例えば、所定長のパスワード等)が設定されてもよい。
【0054】
(4)セキュリティシステムにおける各機能の概要
本実施形態のセキュリティシステムで実現される機能について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態のセキュリティシステムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図9の機能ブロック図では、情報取得手段82、認証手段85及びセキュリティ解除手段87が本発明の主要な構成に対応している。他の手段(表示手段81、ボックス選択手段83、記憶手段84、通知手段86)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
【0055】
表示手段81は、セキュリティの解除に必要な解除情報(認証情報)が少なくとも1つの数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号で構成されている場合に、複数の数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号の各々を選択可能に表示する機能を備える。
【0056】
ところで、例えば、複数の数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号の各々の表示位置が変更されない場合には、正しい認証情報が入力されるときに数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号が選択される際の手指の動きを第三者が観察することによって、当該第三者が正しい認証情報を推測することが可能になる虞がある。そこで、表示手段81は、複数の数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号の各々の表示位置を所定のタイミングで変更してもよい。この場合、複数の数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号の各々の表示位置が所定のタイミングで変更されるので、正しい解除情報(認証情報)が入力されるときの手指の動きから正しい認証情報が容易に推測されるのを抑制することができる。
【0057】
表示手段81の機能は、例えば以下のように実現される。物品収受装置40のCPU11は、例えば、集配業者が解除情報(認証情報)を入力する際に、図10(a)に示すように、解除情報を入力するための表示画面を生成して、表示部16(又は、入力部17がタッチパネルやタッチパッド等で構成されている場合には、入力部17)に表示させる。なお、ここでは、解除情報が所定桁数(例えば、6桁)の数字列で構成されている場合を想定しており、図10(a)に示す例では、0から9までの複数(10個)の数字のキーが配置されている。
【0058】
図10(a)に示す例では1から9までの数字が昇順に配置されているが、CPU11は、所定のタイミングで、図10(b)に示すように、0~9の各数字の表示位置を変更してもよい。ここで、所定のタイミングとは、例えば、解除情報が入力される毎のタイミングであってもよいし、所定時間(例えば、1時間)が経過する毎のタイミングであってもよい。また、各数字の表示位置は、例えば、ランダムに変更されてもよいし、所定の順序(例えば、昇順、降順、ランダムの順を繰り返す等)に従って変更されてもよい。
【0059】
また、解除情報(認証情報)は、利用可能な期間に制限を設けることができる。例えば、解除情報を利用できる期間を設定から3日間とし、期間経過後は解除情報を入力しても認証エラーが生じ、セキュリティが解除されない、とすることができる。このように、解除情報の利用可能な期間に制限を設け、定期的に認証情報を変更する等の対応をすることで、解除情報が漏洩した際にもセキュリティ機能を向上させることができる。
【0060】
また、表示手段81は、集配業者の業態を選択する表示画面を生成する機能を有していてもよい。集配業者の業態とは、例えば、宅配業者、クリーニング業者、新聞配達業者等である。これらの業態の中から集配業者は該当するものを選択する。
【0061】
情報取得手段82は、セキュリティの解除に必要な解除情報(認証情報)を取得する機能を備える。
【0062】
情報取得手段82の機能は、例えば以下のように実現される。なお、ここでは、ユーザが、物品収受装置40の利用に関する所定の情報を、操作部42を通じて入力する場合を例に説明する。
【0063】
例えば、情報取得手段82は、表示手段81によって選択可能に表示された複数の数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号から選択された数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号に基づいて構成された解除情報(認証情報)を取得してもよい。これにより、複数の数字、漢字、平仮名、片仮名、英文字、図形及び/又は記号の何れかを選択することによって、解除情報を取得することが可能になる。
【0064】
情報取得手段82の機能は、例えば以下のように実現される。物品収受装置40のCPU11は、例えば、図10(a)又は(b)に示す表示画面が表示部16(又は、入力部17がタッチパネルやタッチパッド等で構成されている場合には、入力部17)に表示されている場合に、入力部17を用いて所定桁数(例えば、6桁)の数字列が選択されると、選択された数字列を解除情報(認証情報)として取得し、取得した解除情報(認証情報)を例えばRAM13又は記憶装置14に記憶する。
【0065】
なお、CPU11は、例えば、外部装置(例えば、管理サーバ20や端末装置30等)から送信された解除情報(認証情報)を、通信インタフェース部18を介して受信することによって取得してもよいし、記録媒体(例えば、ICカード、バーコード、二次元コード等)に記録された解除情報(認証情報)を、リーダー17bで読み取ることによって取得してもよい。さらには、操作部に備えられたマイクから取得される音声情報、カメラから取得される画像情報を解除情報(認証情報)として取得してもよい。
【0066】
ボックス選択手段83は、荷物を収納する収納ボックス本体を選択する手段である。例えば、配送業者は、操作部42を操作することによって、複数ある収納ボックスの中から荷物を入庫する収納ボックスを選択することができる。
【0067】
記憶手段84は、取得した解除情報(認証情報)を記憶する機能を備える。記憶手段84の機能は、例えば以下のように実現される。物品収受装置のCPU11は、例えば、物品を収納するための収納ボックスが例えば入力部17を用いて選択された場合に、セキュリティの解除情報(認証情報)を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させるように、表示処理部15に対して指示してもよい。なお、セキュリティの解除情報(認証情報)は、例えばキーボード17aを用いて入力されてもよい。
【0068】
また、セキュリティの解除情報(認証情報)が、例えば、荷物に付された記録媒体であって、リーダー17bで読み取り可能な記録媒体(例えばバーコードあるいは二次元コード等)に記録されている場合には、当該記録媒体に記録されている情報をリーダー17bに読み取らせることによって物品情報が入力されてもよい。さらには、操作部42に備えられたマイクから取得される音声情報、カメラから取得される画像情報を解除情報(認証情報)として取得してもよい。操作部42にカメラが備えられている場合、認証手段による認証処理の開始に伴って利用者の撮影及び/又は録画を開始してもよい。
【0069】
認証手段85は、取得した解除情報(認証情報)を用いて認証処理を行う機能を備える。
【0070】
認証手段85は、新たな認証情報が取得された場合に、当該新たな認証情報と、記憶された認証情報と、を用いて認証処理を行ってもよい。これにより、事前に記憶(設定)された認証情報を用いて認証処理を行うことが可能になる。認証手段による認証結果に応じてセキュリティ設備のセキュリティを解除してもよい。
【0071】
認証手段85の機能は、例えば以下のように実現される。物品収受装置のCPU11は、例えば、集配業者がセキュリティを解除しようとした場合に、図10(a)又は(b)に示す表示画面において解除情報(認証情報)が入力されたことを認識すると、解除情報(認証情報)を用いた認証処理を行う。
【0072】
具体的には、物品収受装置が、認証手段に用いられる利用者に関する識別情報、荷物の荷送人に関する識別情報及び/又は荷物の荷渡人(集配業者)に関する識別情報を事前に登録する識別情報登録手段を備えており、CPU11は、当該識別情報登録手段により事前に登録された情報と、入力された解除情報(認証情報)とが一致するか否かを判別してもよい。
【0073】
識別情報には、氏名、会社名、電話番号、住所、配達時間などを含むことができる。ここで、集配業者の識別情報として配達時間を登録した場合、例えば新聞配達業者の配達時間を5時から9時と指定すれば、指定配達時間以外の配達は認証エラーを発生させることが可能となる。これにより、集配業者の建物内への進入に時間的な制限をかけることができるため、時間帯に応じたセキュリティ管理体制の構築(例えば、夜間には集配業者の出入りをさせない等)が可能となる。
【0074】
CPU11は、識別情報登録手段により事前に登録された情報と、入力された解除情報(認証情報)と、が一致する場合に、認証処理を正常終了してもよい。一方、CPU11は、当該識別情報登録手段により事前に登録された情報と、入力された解除情報(認証情報)と、が一致しない場合に、認証エラーが発生したと判別してもよい。
【0075】
また、物品収受装置40が、セキュリティ設備50のセキュリティの解除に用いる暗証番号を発行する暗証番号発行手段を備えていて、暗証番号を認証手段に用いてもよい。当該手段によって発行された暗証番号は、一定の期間に使用できるといった使用期間制限や、または一定の回数使用できるといった使用回数制限を設定してもよい。なお、荷渡人(集配業者)に関する識別情報を事前に登録する際に、登録用の料金を設定することもできる。
【0076】
通知手段86は、認証手段による認証結果を通知する機能である。通知先は、荷物の荷受人であってもよいし、セキュリティ会社であってもよいし、建物の管理会社であってもよい。CPU11は、認証結果を、メールや電話等を通じて通知してもよい。また、CPU11は、集合住宅の各部屋のインターホンに、集配業者等の入館情報を通知することもできる。
【0077】
解除手段87は、セキュリティを解除する機能を備える。セキュリティ設備のセキュリティ解除は認証手段による認証結果に応じて行われる。具体的には、認証手段による認証処理が正常に終了した際にセキュリティ設備50のセキュリティが解除される。セキュリティを解除することにより建物外側から目的の場所への通行が可能となる。
【0078】
解除手段87の機能は、例えば以下のように実現される。物品収受装置のCPU11は、認証手段85の機能に基づく認証処理が正常終了した場合、セキュリティのかかっているセキュリティ設備50のセキュリティを解除する。例えばセキュリティ設備50がメインエントランスの自動ドアである場合、セキュリティのかかった状態では自動ドアの前に集配業者等が立っても自動ドアは開かないが、セキュリティが解除されることにより、自動ドアの前に集配業者等が立つと自動ドアが開くようになる。あるいは、セキュリティが解除されると同時に一定時間自動ドアが開いた状態を維持するように制御してもよい。また、例えばセキュリティ設備50がエレベーターである場合、セキュリティがかかった状態では所望のフロアの行き先ボタンを押しても当該フロアを選択することができないが、セキュリティが解除されることにより、所望のフロアの行き先ボタンを押して当該フロアを選択することができるようになる。
【0079】
また、セキュリティを解除する機能は、前述のようにセキュリティシステムがセキュリティ設備50のセキュリティを自動的に解除してもよいし、操作部42の表示部がセキュリティ設備50のセキュリティ解除方法を表示し、集配業者等が手動でセキュリティを解除してもよい。例えば、セキュリティ設備50がメインエントランスの自動ドアである場合、操作部42の表示部に自動ドアの暗証番号を表示し、集配業者が手動で自動ドアの操作部に暗証番号を入力することでセキュリティを解除し、自動ドアを開くことができる。このように操作部によって提供されたセキュリティ解除のための情報を用いて、利用者がセキュリティ設備のセキュリティを解除することも、操作部を用いてセキュリティ設備のセキュリティを解除することの一態様である。
【0080】
また、セキュリティ設備50のセキュリティが解除された場合に、セキュリティ解除時間に制限を設ける制限手段を有していてもよい。例えば、セキュリティ解除時間を30秒に設定すると、物品収受装置のCPU11は、セキュリティの解除が開始されてから30秒間はセキュリティの解除状態が維持され、30秒が経過したと同時に解除状態が終了するようにセキュリティ設備50を制御する。また、セキュリティの解除後、集配業者は建物内に立ち入り、目的の収納ボックスに向かい、その収納ボックスに物品を入庫することが可能となるが、例えば、セキュリティの解除後、当該収納ボックスが解錠されて荷物の入庫が可能となるようにしてもよい。
【0081】
また物品収受装置40は、例えば上記の情報取得手段で得られた情報や認証手段による認証処理の結果を、物品収受装置の利用履歴として記録する利用履歴記録手段を備えていてもよい。利用履歴には、集配時間、収納ボックス番号、部屋番号、業者名、連絡先、受領番号などを含むことができる。記録された利用履歴は閲覧したり送信したりすることが可能であり、例えば前述の識別情報登録手段により事前に登録された情報として2回目以降の認証手段に利用することもできる。
【0082】
(5)本実施形態のセキュリティシステムの主要な処理のフロー
図11のシーケンス図を参照して、本実施形態のセキュリティシステムにおけるセキュリティ解除処理の一例を説明する。なお、集配業者が、建物外側から建物内側の目的の場所に向かう為に、セキュリティの解除処理を実施する場合を一例として説明する。
【0083】
まず、物品収受装置40のCPU11は、操作部42を通して、集配業者に対して手続き画面を表示する(ステップS111)。集配業者が入力部17を用いてセキュリティ解除申請に係るボタンを押下(選択)したことを認識すると(ステップS102)、解除情報(認証情報)を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS113)。また、解除情報が、例えば、荷物に貼付された記録媒体であって、リーダー17bで読み取り可能な記録媒体(例えばバーコードあるいは二次元コード等)に記録されている場合には、当該記録媒体に記録されている情報をリーダー17bに読み取らせることによって解除情報が入力されてもよい。さらには、操作部に備えられたマイクから取得される音声情報、カメラから取得される画像情報が解除情報として入力されてもよい。
【0084】
CPU11は、集配業者が入力部17を用いて解除情報を入力したことを認識すると(ステップS104)、取得手段42の機能に基づいて、解除情報を取得する。
【0085】
次に、CPU11は、記憶手段43の機能に基づいて、取得した解除情報(認証情報)を記憶する。具体的に説明すると、CPU11は、ステップS104で入力された解除情報を、通信インタフェース部18を介して管理サーバ20に送信する(ステップS115)。
【0086】
一方、管理サーバ20のCPU21は、解除情報を、通信インタフェース部28を介して物品収受装置から受信すると、記憶装置24に記憶された管理データにアクセスして、受信した解除情報に基づいて認証処理を行う(ステップS126)。具体的に説明すると、CPU21は、受信した解除情報を、管理データ内の解除情報の項目(ここでは、荷送り人情報、荷受人情報、集配業者情報及び開錠情報等)と比較し、認証処理を行う。認証処理が正常に終了した場合は、管理サーバ20のCPU21は、解除許可の連絡を物品収受装置40に行い(ステップS127)、物品収受装置40のCPU11はセキュリティの解除許可の指令をセキュリティ設備50に送信する(ステップS118)。
【0087】
次に、物品収受装置40より通信インタフェース部を介して解除許可を受けたセキュリティ設備50は、セキュリティの解除処理を行う。
【0088】
上述したように、本実施形態のセキュリティシステムによれば、集配業者等がセキュリティ設備よりも建物外側に位置する操作部にてセキュリティの解除を自身で行うことができるため、集合住宅の管理者等は集配業者にセキュリティ解除用の鍵等を渡す必要がなくなることから、セキュリティ機能の向上を実現することができる。また、集配業者は、自身の操作により建物のセキュリティを解除して建物内に立ち入ることができるため、集配業者の利便性も向上することが期待される。
【0089】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0090】
また、上述した実施形態では、管理サーバ20を備える場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、物品収受装置40が、図8に示す管理データを例えば記憶装置14に記憶している場合(すなわち、少なくとも自身に設けられた複数の収納ボックス41a,41b,…の収納状態(ステータス)及び物品情報を管理している場合)には、管理サーバ20が設けられなくてもよい。
【0091】
さらに、上述した実施形態では、物品収受装置40によって、表示手段81、情報取得手段82、認証手段85、開錠手段87等の各手段の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。例えば、これらの全ての手段を管理サーバ20によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を管理サーバ20によって実現する構成としてもよい。物品収受装置40と管理サーバ20とでは、実質的に同一のハードウェア構成を採ることができるため、上記実施形態に記載したようにして管理サーバ20によっても各機能を実現できる。
【0092】
例えば集配業者が新聞配達業者である場合を想定して、表示手段81によって表示された業態を選択する表示画面において「新聞配達業者」を選択可能なように構成する、あるいは物理的な「新聞お届けボタン」のような業者専用ボタンを操作部42に設けておき、新聞配達業者を選択する、あるいは新聞お届けボタンが押された場合に、直ちに認証手段85による認証処理フローを開始させることもできる。このようにセキュリティシステムを構成することにより、新聞配達業者に事前にセキュリティ解除のための鍵を渡す必要がなくなり、新聞購読者がわざわざ新聞を取りに1階共用部等のポストまで新聞を取りに行く必要もなくなる。
【0093】
また、建物内に複数の収納ボックス本体が配置されている場合、複数の収納ボックス本体のうち、セキュリティ設備よりも建物内側に配置されている収納ボックス本体を構成する収納ボックスを選択した場合にのみ、セキュリティ設備のセキュリティ解除を行うように構成してもよく、特定の集配業者にのみセキュリティ設備よりも建物内側に配置されている収納ボックス本体を構成する収納ボックスを選択可能なように構成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
16…表示部
17…入力部
20…管理サーバ
30…端末装置
40…物品収受装置
41…収納ボックス本体
42…操作部
41a,41b…収納ボックス
50…セキュリティ設備
M…建物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物外側から内側の目的の場所に向かう途上に設けられ、セキュリティを解除することにより建物外側から前記目的の場所への通行が可能となるセキュリティ設備と、
収納ボックス本体と該収納ボックス本体への荷物の預け入れ及び取り出しのために用いる操作部とを有する物品収受装置と、を備え、
前記物品収受装置が、前記セキュリティ設備よりも建物外側及び建物内側にそれぞれ少なくとも一つ設置されており、
前記セキュリティ設備よりも建物外側に設置されている前記物品収受装置の前記操作部を用いて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除することを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
前記セキュリティ設備よりも建物外側に設置されている前記物品収受装置が、前記操作部を操作することによって利用者の認証を行う認証手段を備え
前記認証手段による認証結果に応じて前記セキュリティ設備のセキュリティを解除することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記セキュリティ設備よりも建物外側に設置されている前記物品収受装置が、前記操作部を操作することによって荷物を収納する収納ボックス本体を選択するボックス選択手段を備え
前記ボックス選択手段が、前記セキュリティ設備よりも建物内側に設置されている前記物品収受装置の前記収納ボックス本体を選択した場合にのみ、前記セキュリティ設備のセキュリティが解除されるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
特定の集配業者にのみ、前記セキュリティ設備よりも建物内側に設置されている前記物品収受装置の前記収納ボックス本体を選択可能なように構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記セキュリティの解除後、前記セキュリティ設備よりも建物内側に設置されている前記物品収受装置の前記収納ボックスが解錠されて荷物の入庫が可能となることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
集配業者の操作によって前記セキュリティ設備のセキュリティが解除された場合に、前記セキュリティ設備のセキュリティ解除時間に制限を設ける制限手段を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のセキュリティシステム。