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特開2024-10357固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010357
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/59 20230101AFI20240117BHJP
   H04N 25/771 20230101ALI20240117BHJP
【FI】
H04N5/355 900
H04N5/3745 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111651
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】521182560
【氏名又は名称】ブリルニクス シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮内 健
(72)【発明者】
【氏名】大和田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】盛 一也
(72)【発明者】
【氏名】高柳 功
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX03
5C024CX43
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY39
5C024GY41
5C024GZ06
5C024HX18
5C024HX50
(57)【要約】
【課題】RSおよびGSの画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能で、HCG信号とLCG信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能な固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および電子機器を提供する。
【解決手段】固体撮像装置10は、画素部20に行列状に配置される画素200が光電変換読み出し部210を含み、ローリングシャッタ(RS)の動作機能、グローバルシャッタ(GS)の動作機能を持ち、RSおよびGSの画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換読み出し部を含み、ローリングシャッタモードとグローバルシャッタモードで動作可能な画素が配置された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、
前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンの容量および第1の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードと、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および第2の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードと、で動作可能で、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部と、を含み、
前記読み出し部は、
前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードと、で動作するか否かをシーンに応じて切り換え可能である
固体撮像装置。
【請求項2】
前記画素は、
前記第1の変換利得読み出しモード時には、少なくとも2つの変換利得に応じてリセット状態時の読み出しリセット信号および前記光電変換素子の蓄積電荷に応じた読み出し信号を画素信号として読み出し可能であり、
前記第2の変換利得読み出しモード時には、少なくとも1つの変換利得に応じてリセット状態時の読み出しリセット信号および前記光電変換素子の蓄積電荷またはオーバーフロー電荷に応じた読み出し信号を画素信号として読み出し可能である
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記読み出し部は、
前記ローリングシャッタモードでの動作時に、前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードとを切り換え可能である
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記読み出し部は、
前記ローリングシャッタモードでの動作時の前記第1の変換利得読み出しモードでは、低照度および中照度のうちの少なくともいずれかの照度シーンに動作可能として切り換え、
前記ローリングシャッタモードでの動作時の前記第2の変換利得読み出しモードでは、高照度の照度シーンに動作可能として切り換える
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記読み出し部は、
ローリングシャッタモードでの動作時の前記第1の変換利得読み出しモードにおいては、前記フローティングディフュージョンの容量で決まる高変換利得、並びに前記フローティングディフュージョンの容量および前記第1の容量で決まる第1の低変換利得を設定し切り換え可能であり、
ローリングシャッタモードでの動作時の前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および前記第2の容量で決まる第2低変換利得を設定し切り換え可能であり、
前記第1の変換利得読み出しモードにおいては、第1の低変換利得リセット読み出し処理、高変換利得リセット読み出し処理、高変換利得信号読み出し処理、および第1の低変換利得信号読み出し処理を順次行い、
前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、第2の低変換利得信号読み出し処理、および第2の低変換利得リセット読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記読み出し部は、
前記第2の変換利得読み出しモードにおける少なくとも第2の低変換利得信号読み出し処理、および第2の低変換利得リセット読み出し処理中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、前記転送素子を非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベルに保持する
請求項5記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記読み出し部は、
ローリングシャッタモードでの動作時の前記第1の変換利得読み出しモードにおいては、前記フローティングディフュージョンの容量で決まる第1の高変換利得、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および前記第2の容量で決まる第3の低変換利得、並びに、前記フローティングディフュージョンの容量および前記第1の容量で決まる第1の中変換利得を設定し切り換え可能であり、
前記第1の変換利得読み出しモードにおいては、第3の低変換利得リセット読み出し処理、第1の中変換利得リセット読み出し処理、第1の高変換利得リセット読み出し処理、第1の高変換利得信号読み出し処理、第1の中変換利得信号読み出し処理、および第3の低変換利得信号読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記読み出し部は、
ローリングシャッタモードでの動作時の前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、前記フローティングディフュージョンの容量で決まる第2の高変換利得、並びに前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および前記第2の容量で決まる第4の低変換利得を設定し切り換え可能であり、
前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、第2の高変換利得リセット読み出し処理および第2の高変換利得信号読み出し処理を行い、第4の低変換利得信号読み出し処理、および第4の低変換利得リセット読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記読み出し部は、
前記第2の変換利得読み出しモードにおける少なくとも第4の低変換利得信号読み出し処理、および第4の低変換利得リセット読み出し処理中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、前記転送素子を非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベルに保持する
請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記読み出し部は、
ローリングシャッタモードでの動作時の前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、前記フローティングディフュージョンの容量で決まる第2の高変換利得、並びに前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および前記第2の容量で決まる第4の低変換利得を設定し切り換え可能であり、
前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、第4の低変換利得オーバーフロー(OF)信号読み出し処理、および第4の低変換利得OFリセット読み出し処理を順次行い、第2の高変換利得リセット読み出し処理および第2の高変換利得信号読み出し処理を行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記読み出し部は、
前記第2の変換利得読み出しモードにおける少なくとも第4の低変換利得信号読み出し処理、および第4の低変換利得リセット読み出し処理中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、前記転送素子を非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベルに保持する
請求項10記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記読み出し部は、
ローリングシャッタモードでの動作時の前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、前記フローティングディフュージョンの容量で決まる第1の高変換利得、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および前記第2の容量で決まる第4の低変換利得、並びに、前記フローティングディフュージョンの容量および前記第1の容量で決まる第1の中変換利得を設定し切り換え可能であり、
前記第2の変換利得読み出しモードにおいては、第1の中変換利得リセット読み出し処理、第1の高変換利得リセット読み出し処理、第1の高変換利得信号読み出し処理、第1の中変換利得信号読み出し処理、第4の低変換利得信号読み出し処理、および第4の低変換利得リセット読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記読み出し部は、
前記第2の変換利得読み出しモードにおける少なくとも第4の低変換利得信号読み出し処理、および第4の低変換利得リセット読み出し処理中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、前記転送素子を非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベルに保持する
請求項12記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記読み出し部は、
前記第1の容量および前記第2の容量のうち前記第1の容量を適用してグローバルシャッタ動作が可能で、前記フローティングディフュージョンの容量および前記第1の容量で決まる第5の中変換利得を設定し切り換え可能であり、
グローバルシャッタ動作においては、第5の中変換利得信号読み出し処理、および第5の中変換利得リセット読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記読み出し部は、
グローバルシャッタの露光期間後半に、前記フローティングディフュージョンのリセットレベルを揃える処理を行った後、前記フローティングディフュージョンおよび前記第1の容量をリセットして、蓄積電荷をフローティングディフュージョンおよび前記第1の容量に転送し、
読み出し処理待機中に、前記第1の容量へのアクセス停止した状態で、前記フローティングディフュージョンの寄生光感度を除去するために前記フローティングディフュージョンをリセットする
請求項15記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記読み出し部は、
前記第1の容量および前記第2の容量を適用してグローバルシャッタ動作が可能で、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および前記第2の容量で決まる第5低変換利得を設定し切り換え可能であり、
グローバルシャッタ動作においては、第5低変換利得信号読み出し処理、および第5低変換利得リセット読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記読み出し部は、
グローバルシャッタの露光期間後半に、蓄積電荷をフローティングディフュージョン、前記第1の容量および前記第2の容量に転送し、
読み出し処理待機中に、前記フローティングディフュージョンの寄生光感度を除去するために前記フローティングディフュージョンをリセットする
請求項16記載の固体撮像装置。
【請求項18】
前記読み出し部は、
前記第1の容量および前記第2の容量のうち前記第1の容量を適用してグローバルシャッタ動作が可能で、前記フローティングディフュージョンの容量および前記第1の容量で決まる第5の高変換利得を設定し切り換え可能であり、
グローバルシャッタ動作においては、第5の高変換利得信号読み出し処理、および第5の高変換利得リセット読み出し処理を順次行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項19】
前記読み出し部は、
グローバルシャッタの露光期間後半に、前記フローティングディフュージョンのリセットレベルを揃える処理を行った後、前記フローティングディフュージョンおよび前記第1の容量をリセットして、蓄積電荷をフローティングディフュージョンおよび前記第1の容量に転送し、
読み出し処理待機中に、前記第1の容量へのアクセス停止した状態で、前記フローティングディフュージョンの寄生光感度を除去するために前記フローティングディフュージョンをリセットする
請求項18記載の固体撮像装置。
【請求項20】
前記光電変換読み出し部は、
容量が前記第1の容量である第1の容量素子と、
容量が前記第2の容量である第2の容量素子と、
前記フローティングディフュージョンと前記第1の容量素子とを選択的に接続する第1の蓄積接続素子と、
前記フローティングディフュージョンと前記第2の容量素子とを選択的に接続する第2の蓄積接続素子と、を含む
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項21】
前記光電変換読み出し部において、
前記第1の蓄積接続素子と前記第1の容量素子の接続ノードが、前記第2の蓄積接続素子に接続され、
前記第2の蓄積接続素子と前記第2の容量素子との接続ノードが、前記リセット素子に接続されている
請求項20記載の固体撮像装置。
【請求項22】
前記光電変換読み出し部において、
前記第1の蓄積接続素子と前記第1の容量素子の接続ノードと前記第2の容量素子とを選択的に接続する第3の蓄積接続素子を有し、
前記第2の蓄積接続素子が前記光電変換素子と前記第2の容量素子との間に接続され、
前記第1の蓄積接続素子と前記第1の容量素子と前記第3の蓄積接続素子との接続ノードが、前記リセット素子に接続されている
請求項20記載の固体撮像装置。
【請求項23】
前記光電変換読み出し部において、
前記第2の蓄積接続素子と前記第1の容量素子とを選択的に接続する第3の蓄積接続素子を有し、
前記第1の蓄積接続素子が前記光電変換素子と前記第1の容量素子との間に接続され、
前記第2の蓄積接続素子と前記第3の蓄積接続素子との接続ノードが、前記フローティングディフュージョンに接続され、
前記第2の蓄積接続素子と前記第2の容量素子との接続ノードが、前記リセット素子に接続されている
請求項20記載の固体撮像装置。
【請求項24】
前記光電変換読み出し部は、
少なくとも読み出し処理待機中に、前記フローティングディフュージョンの寄生光感度を除去するために前記フローティングディフュージョンをリセット可能な第2のリセット素子を含む
請求項20記載の固体撮像装置。
【請求項25】
前記画素部は、
一つの前記フローティングディフュージョンを複数の前記光電変換素子および前記転送素子で共有する画素共有構造を有する
請求項20記載の固体撮像装置。
【請求項26】
前記光電変換読み出し部は、
前記光電変換素子から溢れる電荷を排出するオーバーフローゲートを有する
請求項20記載の固体撮像装置。
【請求項27】
各共有画素は、
前記光電変換素子に接続され、当該光電変換素子の電荷を前記フローティングディフュージョンの形成領域外方向に排出することが可能な前記オーバーフローゲートを有し、
前記読み出し部は、
フローティングディフュージョンに電荷をオーバーフローさせる読み出し形態と、
電荷を前記フローティングディフュージョンの形成領域外にオーバーフローさせる読み出し形態と、を混在させて、共有画素の読み出し制御が可能である
請求項26記載の固体撮像装置。
【請求項28】
光電変換読み出し部を含み、ローリングシャッタモードとグローバルシャッタモードで動作可能な画素が配置された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、
前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部と、を含む、
固体撮像装置の駆動方法であって、
前記フローティングディフュージョンの容量および第1の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードと、
前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および第2の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードと、
で動作可能とし、
前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードと、で動作するか否かをシーンに応じて切り換える
固体撮像装置の駆動方法。
【請求項29】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置は、
光電変換読み出し部を含み、ローリングシャッタモードとグローバルシャッタモードで動作可能な画素が配置された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、
前記光電変換読み出し部は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンの容量および第1の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードと、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および第2の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードと、で動作可能で、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部と、を含み、
前記読み出し部は、
前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードと、で動作するか否かをシーンに応じて切り換え可能である
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光を検出して電荷を発生させる光電変換素子を用いた固体撮像装置(イメージセンサ)として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが実用に供されている。
CMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、医療用内視鏡、パーソナルコンピュータ(PC)、車載用カメラ、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)等の各種電子機器の一部として広く適用されている。
【0003】
CMOSイメージセンサは、画素毎にフォトダイオード(光電変換素子)および浮遊拡散層(FD:Floating Diffusion、フローティングディフュージョン)を有するFDアンプを持ち合わせており、その読み出しは、画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列(カラム)出力方向へと読み出すような列並列出力型が主流である。
【0004】
一般的に、CMOSイメージセンサの各画素は、たとえば1個のフォトダイオードに対して、転送素子としての転送トランジスタ、リセット素子としてのリセットトランジスタ、ソースフォロワ素子(増幅素子)としてのソースフォロワトランジスタ、および選択素子としての選択トランジスタの4素子を能動素子として含んで構成される。
【0005】
転送トランジスタは、所定の転送期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードで光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFDに転送する。
リセットトランジスタは、所定のリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDを電源線の電位にリセットする。
選択トランジスタは、読み出しスキャン時に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタはフローティングディフュージョンFDで電圧信号に変換した列出力の読み出し信号を垂直信号線に出力する。
【0006】
たとえば、読み出しスキャン期間において、リセット期間にフローティングディフュージョンFDがたとえば電源線の電位(基準電位)にリセットされた後、フローティングディフュージョンFDの電荷がFD容量に応じた利得をもって電圧信号に変換されて、基準レベルの読み出しリセット信号(基準レベルの信号)Vrstとして垂直信号線に出力される。
続いて、所定の転送期間に、フォトダイオードで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。そして、フローティングディフュージョンFDの電荷がFD容量に応じた利得をもって電圧信号に変換されて、信号レベルの読み出し信号(信号レベルの信号)Vsigとして垂直信号線に出力される。
画素の出力信号は、カラム読み出し回路において差分信号(Vsig-Vrst)としてCDS(相関二重サンプリング)処理される。
【0007】
このように、通常の画素読み出し信号(以下、画素信号という場合もある)PSは、1つの基準レベルの読み出しリセット信号Vrstと1つの信号レベルの読み出し信号Vsigにより形成される。
【0008】
ところで、CMOSイメージセンサでは、フォトダイオードで生成しかつ蓄積した光電荷を、画素毎あるいは行毎に順次走査して読み出す動作が行われる。
この順次走査、すなわち、電子シャッタとしてローリングシャッタを採用した場合は、光電荷を蓄積する露光の開始時間、および終了時間を全ての画素で一致させることができない。そのため、順次走査の場合、動被写体の撮像時に撮像画像に歪みが生じるという問題がある。
【0009】
そこで、画像歪みが許容できない、高速に動く被写体の撮像や、撮像画像の同時性を必要とするセンシング用途では、電子シャッタとして、画素アレイ部中の全画素に対して同一のタイミングで露光開始と露光終了とを実行するグローバルシャッタが採用される。
【0010】
電子シャッタとしてグローバルシャッタを採用したCMOSイメージセンサは、画素内に、たとえば、読み出し部から読み出された信号を信号保持キャパシタに保持する信号保持部が設けられている。
グローバルシャッタを採用したCMOSイメージセンサでは、フォトダイオードから電荷を電圧信号として一斉に信号保持部の信号保持キャパシタにアナログ的なサンプルホールド動作により蓄積し、そののち順次読み出すことにより、画像全体の同時性を確保している(たとえば、非特許文献1参照)。
【0011】
また、各画素の構成としては代表的なものとして、4トランジスタ(4Tr)APS画素(たとえば特許文献1参照)、あるいは容量性帰還トランスインピーダンスアンプ(CTIA:Capacitive Trans-Impedance Amplifier)画素(たとえば特許文献2,3参照)が知られている。
【0012】
そして、高ダイナミックレンジを持つ高画質のCMOSイメージセンサのグローバルシャッタ機能を備えた画素としては、VMGS(電圧モードグローバルシャッタ)画素、およびCMGS(電荷モードグローバルシャッタ)画素が知られている。
【0013】
これらのうち、VMGS画素は、CMGS画素と比較して、シャッタ効率が高く、寄生光の感度(Parasitic Light Sensitivity : PLS)が低いという利点がある。
【0014】
近年、特にマシンビジョンやIoT(Internet Of Thing)分野において、グローバルシャッタ(GS)CMOSイメージセンサ(CIS)の需要が高まっている。
これらの分野では、GS機能だけでなく、単一露光(シングルエクスポージャ)のハイダイナミックレンジ(SEHDR)パフォーマンスも強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2005-65074号公報 図2
【特許文献2】特表2006-505975号公報
【特許文献3】特表2002-501718号公報
【特許文献4】特開2005-328493号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】J. Aoki, et al., “A Rolling-Shutter Distortion-Free 3D Stacked Image Sensor with -160dB Parasitic Light Sensitivity In-Pixel Storage Node” ISSCC 2013 / SESSION 27 / IMAGE SENSORS / 27.3.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述したように、CMOSイメージセンサ(CIS)は、画素のダイナミックレンジを向上させる種々の特徴的な構造を採用して構成可能である。
【0018】
高ダイナミックレンジ化のアプローチの一つとして、横型オーバーフロー蓄積容量(LOFIC: Lateral Overflow Integration Capacitor)の構成を挙げることができる(たとえば特許文献4参照)。
【0019】
LOFIC構成の画素は、上述した基本的構成に、蓄積容量素子としての蓄積キャパシタおよび蓄積接続素子としての蓄積トランジスタが追加されており、同一露光時間にフォトダイオードから溢れた過飽和電荷を捨てずに蓄積キャパシタに蓄積する。
【0020】
このLOFIC画素は、フローティングディフュージョンの容量Cfd1による変換利得(高利得側:1/Cfd1に比例)と、フローティングディフュージョンの容量Cfd1+蓄積キャパシタC2のLOFIC容量Cloficによる変換利得(低利得側:1/(Cfd1+Clofic)に比例)の2種類を持つことができる。
すなわち、LOFIC画素では、低変換利得(LCG)信号と高変換利得(HCG)信号をそれぞれ使用して、大きな飽和と小さなダークノイズを実現する。
【0021】
しかしながら、LOFICには、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合(接合)点におけるSNRの低下という重要な問題がある。
すなわち、LOFIC構成のみでは、LCG信号のkTCノイズを取り除くことができないため、HCG信号とLCG信号の結合点におけるSNRが低下する。
【0022】
高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の信号方向は互いに逆方向であり、低変換利得(LCC)による読み出し処理において、読み出しリセット信号VRLのリセットノイズは読み出し輝度信号VSLのリセットノイズとは異なるため、差動ダブルサンプリング(DDS)と呼ばれる減算処理ではリセットノイズを除去することは困難である。
【0023】
本発明は、ローリングシャッタおよびグローバルシャッタの画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能で、その結果、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能な固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の第1の観点の固体撮像装置は、光電変換読み出し部を含み、ローリングシャッタモードとグローバルシャッタモードで動作可能な画素が配置された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、前記光電変換読み出し部は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンの容量および第1の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードと、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および第2の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードと、で動作可能で、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部と、を含み、前記読み出し部は、前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードと、で動作するか否かをシーンに応じて切り換え可能である。
【0025】
本発明の第2の観点は、光電変換読み出し部を含み、ローリングシャッタモードとグローバルシャッタモードで動作可能な画素が配置された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、前記光電変換読み出し部は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部と、を含む、固体撮像装置の駆動方法であって、前記フローティングディフュージョンの容量および第1の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードと、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および第2の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードと、で動作可能とし、前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードと、で動作するか否かをシーンに応じて切り換える。
【0026】
本発明の第3の観点の電子機器は、固体撮像装置と、前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、前記固体撮像装置は、光電変換読み出し部を含み、ローリングシャッタモードとグローバルシャッタモードで動作可能な画素が配置された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、前記光電変換読み出し部は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を前記蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンの容量および第1の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードと、前記フローティングディフュージョンの容量、前記第1の容量および第2の容量に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードと、で動作可能で、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部と、を含み、前記読み出し部は、前記第1の変換利得読み出しモードと、前記第2の変換利得読み出しモードと、で動作するか否かをシーンに応じて切り換え可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ローリングシャッタおよびグローバルシャッタの画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能である。
その結果、本発明によれば、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の信号保持部の構成例を示す回路図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第1の変換利得読み出しモード(デュアル変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第2の変換利得読み出しモード(低変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第1のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第2のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第3のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図9】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の第3のオプショナル処理例における変換利得読み出しにオーバーフロー電荷を利用しない場合と利用した場合の光電変換特性を示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第4のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図11】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するグローバルシャッタモード時における第1の処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図12】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するグローバルシャッタモード時における第2の処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図13】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するグローバルシャッタモード時における第3の処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図14】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置における画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図15】本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置における画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図16】本発明の第4の実施形態に係る固体撮像装置における画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図17】本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置における画素共有構造を有する光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図18】本発明の第5の実施形態に係る画素共有構造を有する画素の使用形態を説明するための図である。
図19】本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第1の変換利得読み出しモード(デュアル変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を示すタイミングチャートである。
図20】本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第2の変換利得読み出しモード(低変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を示すタイミングチャートである。
図21】本発明の第6の実施形態に係る固体撮像装置における画素共有構造を有する光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図22】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用される電子機器の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の信号保持部の構成例を示す回路図である。
本実施形態において、固体撮像装置10は、たとえばCMOSイメージセンサにより構成される。
【0031】
この固体撮像装置10は、図1に示すように、撮像部としての画素部20、垂直走査回路(行走査回路)30、読み出し回路(カラム読み出し回路)40、水平走査回路(列走査回路)50、およびタイミング制御回路60を主構成要素として有している。
これらの構成要素のうち、たとえば垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50、およびタイミング制御回路60により画素信号の読み出し部70が構成される。
【0032】
本第1の実施形態において、固体撮像装置10は、画素部20に行列状に配置される画素200がたとえば光電変換読み出し部210および信号保持部220を含み、ローリングシャッタ(RS)の動作機能、グローバルシャッタ(GS)の動作機能を持ち、ローリングシャッタ(RS)およびグローバルシャッタ(GS)の画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能であり、その結果、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することを可能とする、CMOSイメージセンサとして構成されている。
【0033】
光電変換読み出し部210は、図2に示すように、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子としてのフォトダイオードPD11、フォトダイオードPD11に蓄積された電荷を蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子としての転送トランジスタTG11-Tr、転送トランジスタTG11-Trを通じてフォトダイオードPD11で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンFD11と、を有している。
【0034】
さらに、光電変換読み出し部210は、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、フローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および、これらの容量に対して十分に大きい容量である第2の容量C2に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードCGRM2と、で動作可能で、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部211を含んで構成されている。
【0035】
本第1の実施形態において、画素200は、第1の変換利得読み出しモードCGRM1時には、少なくとも2つの変換利得、たとえば第1の高変換利得(HCG1)および第1の低変換利得(LCG1)の2つの変換利得に応じてリセット状態時の読み出しリセット信号およびフォトダイオードPD11の蓄積電荷に応じた読み出し信号を画素信号として読み出し可能である。
なお、第1の変換利得読み出しモードCGRM1は、デュアル変換利得読み出しモードと呼ぶことも可能である。
画素200は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2時には、少なくとも1つの変換利得、たとえば第2の低変換利得LCG2に応じてリセット状態時の読み出しリセット信号およびフォトダイオードPD11の蓄積電荷またはオーバーフロー電荷に応じた読み出し信号を画素信号として読み出し可能である。
【0036】
そして、本実施形態において、読み出し部70は、第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、第2の変換利得読み出しモードCGRM2と、で動作するか否かをシーン(たとえば照度の大きさ(強さ))に応じて切り換え可能である。
本第1の実施形態においては、低照度から中照度時は第1の変換利得読み出しモード(たとえばデュアル変換利得読み出しモード)CGRM1、高照度時は第2の変換利得読み出しモードCGRM2を適用することで、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能となる。
【0037】
本実施形態において、読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時に、第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、第2の変換利得読み出しモードCGRM2とを切り換え可能である。
【0038】
読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第1の変換利得読み出しモードCGRM1では、低照度および中照度のうちの少なくともいずれかの照度シーンに動作可能として切り換え、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2では、高照度の照度シーンに動作可能として切り換える。
【0039】
(ローリングシャッタモード時の基本的な処理例)
読み出し部70は、基本的処理として、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第1の変換利得読み出しモードCGRM1においては、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDで決まる第1の高変換利得(HCG1)、並びにフローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第1の低変換利得(LCG1)を設定し切り換え可能である。
読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、フローティングディフュージョンCFDの容量、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第2の低変換利得(LCG2)を設定し切り換え可能である。
なお、この容量の設定切り換え構成については、後で図2に関連付けて説明する。
【0040】
これにより、読み出し部70は、第1の変換利得読み出しモードCGRM1においては、第1の低変換利得リセット読み出し処理LCG1-RST、第1の高変換利得リセット読み出し処理HCG1-RST、第1の高変換利得信号読み出し処理HCG1-SIG、および第1の低変換利得信号読み出し処理LCG1-SIGを順次行う。
そして、第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、第2の低変換利得信号読み出し処理LCG2-SIG、および第2の低変換利得リセット読み出し処理LCG2-RSTを順次行う。
【0041】
また、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第2低変換利得信号読み出し処理LCG2-SIG、および第2低変換利得リセット読み出し処理LCG2-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0042】
(ローリングシャッタモード時のオプショナル処理例)
ここで、ローリングシャッタモード時のオプショナルな処理として4つの例を挙げる。
【0043】
(RSモード時の第1のオプショナル処理例)
この処理は、低照度および中間照度シーンに対応するトリプル変換利得(Triple-CG)モードとして行われる。
この処理において、読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第1の変換利得読み出しモードCGRM1においては、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDで決まる第1の高変換利得HCG1、フローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第3の低変換利得LCG3、並びに、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第1の中変換利得MCG1を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、第1の変換利得読み出しモードCGRM1においては、第3の低変換利得リセット読み出し処理LCG3-RST、第1の中変換利得リセット読み出し処理MCG1-RST、第1の高変換利得リセット読み出し処理HCG1-RST、第1の高変換利得信号読み出し処理HCG1-SIG、第1の中変換利得信号読み出し処理MCG1-SIG、および第3の低変換利得信号読み出し処理LCG3-SIGを順次行う。
【0044】
本構成によれば、シングルフレームでの単一露光(シングルエクスポージャ)のハイダイナミックレンジ(SEHDR)パフォーマンスを十分に発現することが可能で、実質的に広ダイナミックレンジ化を実現することが可能となる
【0045】
(RSモード時の第2のオプショナル処理例)
この処理は、LOFICモードとして行われる。
この処理において、読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDで決まる第2の高変換利得HCG2、並びにフローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第4の低変換利得LCG4を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、第2の高変換利得リセット読み出し処理HCG2-RSTおよび第2の高変換利得信号読み出し処理HCG2-SIGを行い、第4の低変換利得信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得リセット読み出し処理LCG4-RSTを順次行う。
【0046】
本構成によれば、シングルフレームでの単一露光(シングルエクスポージャ)のハイダイナミックレンジ(SEHDR)パフォーマンスを十分に発現することが可能で、実質的に広ダイナミックレンジ化を実現することが可能となる。
【0047】
また、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第4の低変換利得信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得リセット読み出し処理LCG4-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0048】
(RSモード時の第3のオプショナル処理例)
この処理は、オーバーフロー(OF)電荷を用いたモードとして行われる。
この処理において、読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDで決まる第2の高変換利得HCG2、並びにフローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第4の低変換利得LCG4を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモーCGRM2ドにおいては、第4の低変換利得OF信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得OFリセット読み出し処理LCGR-RSTを順次行い、第2の高変換利得リセット読み出し処理HCG2-RSTおよび第2の高変換利得信号読み出し処理HCG2-SIGを行う。
【0049】
本構成によれば、フォトダイオードPDの飽和分だけLOFIC構成よりも飽和特性が向上する。
【0050】
また、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第4の低変換利得OF信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得OFリセット読み出し処理LCG4-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0051】
(RSモード時の第4のオプショナル処理例)
この処理は、デュアル変換利得および低変換利得を適用したモードとして行われる。
この処理において、読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDで決まる第1の高変換利得HCG1、フローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第4の低変換利得LCG4、並びに、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第1の中変換利得MCG1を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2においては、第1の中変換利得リセット読み出し処理MCG1-RST、第1の高変換利得リセット読み出し処理HCG1-RST、第1の高変換利得信号読み出し処理HCG1-SIG、第1の中変換利得信号読み出し処理MCG1-SIG、第4の低変換利得信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得リセット読み出し処理LCG4-RSTを順次行う。
【0052】
また、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第4の低変換利得信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得リセット読み出し処理LCG4-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0053】
(グローバルシャッタモード時の処理例)
ここで、グローバルシャッタ(GS)モード時の処理として3つの例を挙げる。
【0054】
(GSモード時の第1の処理例)
この第1の処理では、読み出し部70は、第1の容量C1および第2の容量C2のうち第1の容量C1を適用してグローバルシャッタ(GS)動作が可能で、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第5の中変換利得MCG5を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)動作においては、第5の中変換利得信号読み出し処理MCG5-SIG、および第5の中変換利得リセット読み出し処理MCG5-RSTを順次行う。
【0055】
GSモード時の第1の処理において、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)の露光期間PEXPの後半に、フローティングディフュージョンFD11のリセットレベルを揃える処理を行った後、フローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1をリセットして、蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1に転送する。
読み出し部70は、読み出し処理待機PWRD中に、第1の容量C1へのアクセス停止(禁止)した状態で、フローティングディフュージョンFD11の寄生光感度(PLS)を除去するためにフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0056】
本第1の処理によれば、高飽和でグローバルシャッタ(GS)を実現することが可能となる。
【0057】
(GSモード時の第2の処理例)
この第2の処理では、読み出し部70は、第1の容量C1および第2の容量C2を適用してグローバルシャッタ(GS)動作が可能で、フローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第5の低変換利得LCG5を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)動作においては、第5の低変換利得信号読み出し処理LCG5-SIG、および第5の低変換利得リセット読み出し処理LCG5-RSTを順次行う。
【0058】
GSモード時の第2の処理において、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)の露光期間PEXPの後半に、蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11、第1の容量C1および第2の容量C2に転送する。
読み出し部70は、読み出し処理待機PWRD中に、フローティングディフュージョンFD11の寄生光感度(PLS)を除去するためにフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0059】
(GSモード時の第3の処理例)
この第3の処理では、読み出し部70は、第1の容量C1および第2の容量C2のうち第1の容量C1を適用してグローバルシャッタ(GS)動作が可能で、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第5の高変換利得HCG5を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)動作においては、第5の高変換利得信号読み出し処理HCG5-SIG、および第5の高変換利得リセット読み出し処理HCG5-RSTを順次行う。
【0060】
GSモード時の第3の処理において、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)の露光期間PEXPの後半に、フローティングディフュージョンFD11のリセットレベルを揃える処理を行った後、フローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1をリセットして、蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1に転送する。
読み出し部70は、読み出し処理待機PWRD中に、第1の容量C1へのアクセス停止(禁止)した状態で、フローティングディフュージョンFD11の寄生光感度(PLS)を除去するためにフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0061】
本第1、第2および第3の処理によれば、自行が読み出されるまでの電荷保持中にフローティングディフュージョンのPLS除去を行うため、シェーディングの低減を図ることが可能となる。
【0062】
なお、光電変換読み出し部210は、容量が第1の容量C1である第1の容量素子としての第1の蓄積キャパシタSC11と、容量が第2の容量C2である第2の容量素子としての第2の蓄積キャパシタCG12と、フローティングディフュージョンFD11と第1の容量素子とを選択的に接続する第1の蓄積接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Trと、フローティングディフュージョンFD11とを選択的に接続する第2の蓄積接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Trと、を含む。
【0063】
以上、本第1の実施形態に係る固体撮像装置10のローリングシャッタRSとグローバルシャッタGSにおける特徴的な読み出し処理の概要について説明した。
次に、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要、特に、画素部20に配置される画素200の光電変換読み出し部210および信号保持部220の構成および機能、それらに関連した読み出し処理等について詳述する。
【0064】
(画素200の構成)
上述したように、図2および図3は固体撮像装置10の画素200の回路構成例を示している。
すなわち、図2は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の信号保持部の構成例を示す回路図である。
【0065】
画素部20に配置される画素200は、上述したように、光電変換読み出し部210および信号保持部220を含んで構成されている。
本第1の実施形態の画素部20は、後で詳述するように、第1の基板110と第2の基板120の積層型のCMOSイメージセンサとして構成されるが、本例では、図2および図3に示すように、第1の基板110に光電変換読み出し部210が形成され、第2の基板120に信号保持部220が形成されている。
【0066】
画素200の光電変換読み出し部210は、フォトダイオード(光電変換素子)と画素内アンプとを含んで構成される。
【0067】
フォトダイオードPD11は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する。
フォトダイオードPD11とフローティングディフュージョンFD11との間に転送素子としての転送トランジスタTG11-Trが接続されている。
【0068】
本第1の実施形態の光電変換読み出し部210において、ダイオードPD11から電荷を排出させることが可能なシャッタゲートトランジスタAB11-Trが配置されている。
すなわち、本第1の実施形態に係る光電変換読み出し部210は、光電変換素子としてのフォトダイオードPD11に接続され、フォトダイオードPD11から電荷をフローティングディフュージョンFD11の形成領域外方向、たとえば電源電位VDD(Vdd,VAAPIX)に排出させることが可能なシャッタゲートトランジスタAB11-Trを有する。
【0069】
光電変換読み出し部210のシャッタゲートトランジスタAB11-Trは、制御線を通じてゲートに印加される制御信号AB1により制御される。
第1のシャッタゲートトランジスタAB11-Trは、制御信号AB1がハイ(H)レベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPD11で変換され蓄積された電荷(電子)を電源電位VDDに排出する。
【0070】
そして、光電変換読み出し部210は、一つの出力ノードND1としてのフローティングディフュージョンFD11に対して、リセット素子としての第1のリセットトランジスタRST11-Tr、ソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF11-Tr、電流源素子としてのカレントトランジスタIC11-Tr、選択素子としての選択トランジスタSEL11-Tr、第1の蓄積接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第1の蓄積容量素子としての第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、第2の蓄積容量素子としての第2の蓄積キャパシタSC12、第2のリセット素子としての第2のリセットトランジスタRST12-Tr、および読み出しノードND2をそれぞれ一つずつ有する。
【0071】
そして、本第1の実施形態においては、ソースフォロワトランジスタSF11-Tr、選択トランジスタSEL11-Tr、および読み出しノードND2(さらにはカレントトランジスタIC11-Tr)を含んで出力バッファ部としての変換信号読み出し部211が構成されている。
また、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第1の蓄積容量素子としての蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および第2の蓄積容量素子としての蓄積キャパシタSC12を含んで利得切換部212が構成されている。
【0072】
本第1の実施形態に係る光電変換読み出し部210は、変換信号読み出し部211の読み出しノードND2が、内部信号線LSGN1を介して信号保持部220の入力部に接続され、選択トランジスタSEL11-Trを介して垂直信号線LSGN2に接続されている。
そして、グローバルシャッタ(GS)モード時においては、変換信号読み出し部211は、出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFD11の電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号VSLを信号保持部220に出力する。
一方、ローリングシャッタ(RS)モード時においては、変換信号読み出し部211は、出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFD11の電荷を電荷量に応じた電圧信号に変換し、変換した電圧信号VSLを選択トランジスタSEL11-Trを介して垂直信号線LSGN2に出力する。
【0073】
フォトダイオードPD11は、入射光量に応じた量の信号電荷(ここでは電子)を発生し、蓄積する。
以下、信号電荷は電子であり、各トランジスタがn型トランジスタである場合について説明するが、信号電荷が正孔(ホール)であったり、各トランジスタがp型トランジスタであっても構わない。
また、本実施形態は、複数のフォトダイオードおよび転送トランジスタ間で、各トランジスタを共有している場合にも有効である。
【0074】
各画素200において、フォトダイオード(PD)としては、埋め込み型フォトダイオード(PPD)が用いられる。
フォトダイオード(PD)を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による界面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。
埋め込み型フォトダイオード(PPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減することが可能となる。
【0075】
光電変換読み出し部210の転送トランジスタTG11-Trは、フォトダイオードPD11とフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御線を通じてゲートに印加される制御信号TG1により制御される。
第1の転送トランジスタTG11-Trは、制御信号TG1がハイ(H)レベルの転送期間PTに選択されて導通状態となり、フォトダイオードPD11で光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFD11に転送する。
【0076】
なお、フォトダイオードPD11およびフローティングディフュージョンFD11が所定のリセット電位にリセットされた後、転送トランジスタTG11-Trは、制御信号TG1がロー(L)レベルの非導通状態となり、フォトダイオードPD11は蓄積期間PIとなるが、このとき、入射する光の強度(量)が非常に高い場合、飽和電荷量を超えた電荷が転送トランジスタTG11―Tr下のオーバーフローパスを通じてオーバーフロー電荷としてフローティングディフュージョンFD11に溢れ出す。
また、非常に高照度の場合、たとえばフローティングディフュージョンFD11の飽和電荷量を超えた電荷が蓄積トランジスタSG11―Tr下のオーバーフローパスを通じてオーバーフロー電荷として蓄積キャパシタSC11側に溢れ出す。
【0077】
第1のリセットトランジスタRST11-Trは、電源電圧VDDの電源線VddとフローティングディフュージョンFD11の間に接続され、制御線を通じてゲートに印加される制御信号RSTにより制御される。
第1のリセットトランジスタRST1-Trは、制御信号RSTがHレベルのリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12を電源電圧VDDの電源線Vddの電位にリセットする。
【0078】
第1の蓄積トランジスタSG11―Trは、フローティングディフュージョンFD11と第2の蓄積トランジスタSG12―Trとの間に接続され、その接続ノードND3と基準電位VSSとの間に第1の蓄積キャパシタSC11が接続されている。
第1の蓄積トランジスタSG11-Trは、制御線を通じてゲートに印加される制御信号BIN1により制御される。
第1の蓄積トランジスタSG11-Trは、制御信号BIN1がHレベルのリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFD11と第1の蓄積キャパシタSC11とを接続する。
【0079】
第2の蓄積トランジスタSG12―Trは、第1の蓄積トランジスタSG11-Trと第1のリセットトランジスタRST11―Trとの間に接続され、その接続ノードND4と基準電位VSSとの間に第2の蓄積キャパシタSC12が接続されている。
第2の蓄積トランジスタSG12-Trは、制御線を通じてゲートに印加される制御信号BIN2により制御される。
第2の蓄積トランジスタSG12-Trは、制御信号BIN2がHレベルのリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFD11と第1の蓄積キャパシタSC11と第2の蓄積キャパシタSC12とを接続する。
【0080】
ソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF11-Trは、ソースが読み出しノードND2に接続され、ドレイン側が電源線Vddに接続され、ゲートがフローティングディフュージョンFD11に接続されている。
そして、読み出しノードND2と信号保持部220の入力部間の内部信号線LSGN1は、電流源素子としてのカレントトランジスタにより駆動される。
【0081】
読み出しノードND2と垂直信号線LSGNの間に選択素子としての選択トランジスSEL11-Trのドレイン、ソースが接続されている。選択トランジスタSEL11-Trのゲートは制御信号SELの供給ラインに接続されている。
そして、選択トランジスタSEL11-Trを介して読み出しノードND2と接続される垂直信号線LSGN2は、電流源素子としてのカレントトランジスタにより駆動される。
【0082】
さらに、光電変換読み出し部210において、電源電圧VDDの電源線(電源電位)VddとフローティングディフュージョンFD11との間に第2のリセットトランジスタRST12-Trのソースドレインが接続されている。第2のリセットトランジスタRST12-Trは、制御線を通じてゲートに印加される制御信号RST1により制御される。
第2のリセットトランジスタRST12-Trは、制御信号RST1がHレベルのリセット期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFD11を電源電位Vddの電位にリセットする。
制御信号RST1はローリングシャッタモード時にはLレベルで供給され、第2のリセットトランジスタRST2-Trは非導通状態に保持され、第2のリセットトランジスタRST12-TrによるフローティングディフュージョンFD11に対するリセット処理は行われない。
制御信号RST1はグローバルシャッタモード時には読み出し処理待機中の所定の期間にHレベルで供給されて、第2のリセットトランジスタRST2-Trは導通状態に保持され、第2のリセットトランジスタRST12-TrによるフローティングディフュージョンFD11に対するリセット処理が行われ、フローティングディフュージョンFD11の寄生光感度(PLS)の除去処理が行われる。
【0083】
信号保持部220は、変換信号読み出し部211により画素内信号線LSGN1に読み出された電圧信号である画素信号を取り込んで保持可能である。
本第1の実施形態において、信号保持部220は、光電変換読み出し部210のフローティングディフュージョンFD11に転送されたフォトダイオードPD11の蓄積電荷に応じた電圧信号であり、内部信号線LSGN1に読み出された画素信号としての電圧信号をサンプリング信号により取り込んで保持するサンプルホールド回路230を含んで構成されている。
具体的には、サンプルホールド回路230は、入力部231,2つの読み出しリセット信号および読み出し画素信号を1セットとして、変換利得が異なる2セットの画素信号をサンプリング信号でサンプリングするサンプリングスイッチ部232―1、サンプリングスイッチ部232でサンプリングされた読み出し画素信号を同時並列的に保持可能な保持キャパシタ(CS,CR)を含む保持キャパシタ部232-2を備えらサンプルホールド部232、および、信号保持キャパシタ部232-2に保持された読み出し画素信号を選択的に垂直信号線LSGN11(~14)に出力する出力部233(-1~-4)を含んで構成されている。
【0084】
画素200の信号保持部220は、図3に示すように、サンプルホールド回路230により構成されている。
サンプルホールド回路230は、基本的に、入力ノードND22を含む入力部231、サンプルホールド部232、出力部233、および保持ノードND23,ND24、ND25,ND26を含んで構成されている。
【0085】
入力部231は、光電変換読み出し部210の読み出しノードND2と内部信号線LSGN1を介して接続され、読み出しノードND2から出力される読み出し信号(VSIG)および読み出しリセット信号(VRST)をサンプルホールド部232に入力する。
【0086】
サンプルホールド部222は、第1のスイッチ素子としての第1のサンプリングトランジスタSHR1-Tr、第2のスイッチ素子としての第2のサンプリングトランジスタSHS1-Tr、第3のスイッチ素子としての第3のサンプリングトランジスタSHR2-Tr、第4のスイッチ素子としての第4のサンプリングトランジスタSHS2-Tr、第1の信号保持キャパシタCR21、第2の信号保持キャパシタCS21、第3の信号保持キャパシタCR22、第4の信号保持キャパシタCS22を含んで構成されている。
【0087】
第1のサンプリングトランジスタSHR1-Trは、内部信号線LSGN1に接続された入力ノードND22と保持ノードND23との間に接続されている。
第1のサンプリングトランジスタSHR1-Trは、グローバルシャッタ期間または信号保持キャパシタのクリア期間に、サンプルホールド部232の第1の信号保持キャパシタCR21を、保持ノードND23を介して光電変換読み出し部210の読み出しノードND2と選択的に接続する。
第1のサンプリングトランジスタSHR1-Trは、たとえば制御信号SHR1がハイレベルに期間に導通状態となる。
第1の信号保持キャパシタCR21は、保持ノードND23と基準電位VSSとの間に接続されている。
【0088】
第2のサンプリングトランジスタSHS1-Trは、内部信号線LSGN1に接続された入力ノードND22と保持ノードND24との間に接続されている。
第2のサンプリングトランジスタSHS1-Trは、グローバルシャッタ期間または信号保持キャパシタのクリア期間に、サンプルホールド部232の第2の信号保持キャパシタCS21を、保持ノードND24を介して光電変換読み出し部210の読み出しノードND2と選択的に接続する。
第2のサンプリングトランジスタSHS1-Trは、たとえば制御信号SHS1がハイレベルに期間に導通状態となる。
第2の信号保持キャパシタCS21は、保持ノードND24と基準電位VSSとの間に接続されている。
【0089】
第3のサンプリングトランジスタSHR2-Trは、内部信号線LSGN1に接続された入力ノードND22と保持ノードND25との間に接続されている。
第3のサンプリングトランジスタSHR2-Trは、グローバルシャッタ期間または信号保持キャパシタのクリア期間に、サンプルホールド部232の第3の信号保持キャパシタCR22を、保持ノードND25を介して光電変換読み出し部210の読み出しノードND2と選択的に接続する。
第3のサンプリングトランジスタSHR2-Trは、たとえば制御信号SHR2がハイレベルに期間に導通状態となる。
第3の信号保持キャパシタCR22は、保持ノードND25と基準電位VSSとの間に接続されている。
【0090】
第4のサンプリングトランジスタSHS2-Trは、内部信号線LSGN1に接続された入力ノードND22と保持ノードND26との間に接続されている。
第4のサンプリングトランジスタSHS2-Trは、グローバルシャッタ期間または信号保持キャパシタのクリア期間に、サンプルホールド部232の第4の信号保持キャパシタCS22を、保持ノードND26を介して光電変換読み出し部210の読み出しノードND2と選択的に接続する。
第4のサンプリングトランジスタSHS2-Trは、たとえば制御信号SHS2がハイレベルに期間に導通状態となる。
第4の信号保持キャパシタCS22は、保持ノードND26と基準電位VSSとの間に接続されている。
【0091】
なお、第1のサンプリングトランジスタSHR1-Tr、第2のサンプリングトランジスタSHS1-Tr、第3のサンプリングトランジスタSHR2-Tr、および第4のサンプリングトランジスタSHS2-Trは、MOSトランジスタ、たとえばpチャネルMOS(PMOS)トランジスタにより形成される。
【0092】
出力部233は、第1の出力部233-1、第2の出力部233-2、第3の出力部233-3、および第4の出力部233-4を含んで構成されている。
【0093】
第1の出力部233―1は、グローバルシャッタ期間に、基本的に第1の信号保持キャパシタCR21に保持された信号を保持電圧に応じて出力する第2のソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF2R-Trを含み、保持した信号を選択的に選択トランジスタSEL1R-Trを介して垂直信号線LSGN11に出力する。
【0094】
ソースフォロワトランジスタSF2R-Trと選択トランジスタSEL1R-Trは、基準電位VSSと垂直信号線LSGN11の間に直列に接続されている。
【0095】
ソースフォロワトランジスタSF2R-Trのゲートには保持ノードND23が接続され、選択トランジスタSEL1R-Trは制御線を通じてゲートに印加される制御信号SEL11により制御される。
選択トランジスタSEL1R-Trは、制御信号SEL1がHレベルの選択期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF2R-Trは第1の信号保持キャパシタCR21の保持電圧に応じた列出力の読み出し電圧(VRST)を垂直信号線LSGN11に出力する。
【0096】
第2の出力部233-2は、グローバルシャッタ期間に、基本的に第2の信号保持キャパシタCS21に保持された信号を保持電圧に応じて出力する第3のソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF3S-Trを含み、保持した信号を選択的に選択トランジスタSEL2S-Trを介して垂直信号線LSGN12に出力する。
【0097】
ソースフォロワトランジスタSF3S-Trと選択トランジスタSEL2S-Trは、基準電位VSSと垂直信号線LSGN12の間に直列に接続されている。
【0098】
ソースフォロワトランジスタSF3S-Trのゲートには保持ノードND24が接続され、選択トランジスタSEL2S-Trは制御線を通じてゲートに印加される制御信号SEL12により制御される。
選択トランジスタSEL2S-Trは、制御信号SEL2がHレベルの選択期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF3S-Trは第2の信号保持キャパシタCS21の保持電圧に応じた列出力の読み出し電圧(VSIG)を垂直信号線LSGN12に出力する。
【0099】
第3の出力部233-3は、グローバルシャッタ期間に、基本的に第3の信号保持キャパシタCR22に保持された信号を保持電圧に応じて出力する第4のソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF4R-Trを含み、保持した信号を選択的に選択トランジスタSEL3R-Trを介して垂直信号線LSGN13に出力する。
【0100】
ソースフォロワトランジスタSF4R-Trと選択トランジスタSEL3R-Trは、基準電位VSSと垂直信号線LSGN13の間に直列に接続されている。
【0101】
ソースフォロワトランジスタSF4R-Trのゲートには保持ノードND25が接続され、選択トランジスタSEL3R-Trは制御線を通じてゲートに印加される制御信号SEL13により制御される。
選択トランジスタSEL3R-Trは、制御信号SEL3がHレベルの選択期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF4R-Trは第3の信号保持キャパシタCR22の保持電圧に応じた列出力の読み出し電圧(VRST)を垂直信号線LSGN13に出力する。
【0102】
第4の出力部233-4は、グローバルシャッタ期間に、基本的に第4の信号保持キャパシタCS22に保持された信号を保持電圧に応じて出力する第5のソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF5S-Trを含み、保持した信号を選択的に選択トランジスタSEL4S-Trを介して垂直信号線LSGN14に出力する。
【0103】
ソースフォロワトランジスタSF5S-Trと選択トランジスタSEL4S-Trは、基準電位VSSと垂直信号線LSGN14の間に直列に接続されている。
【0104】
ソースフォロワトランジスタSF5S-Trのゲートには保持ノードND26が接続され、選択トランジスタSEL4S-Trは制御線を通じてゲートに印加される制御信号SEL14により制御される。
選択トランジスタSEL4S-Trは、制御信号SEL4がHレベルの選択期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF5S-Trは第4の信号保持キャパシタCS22の保持電圧に応じた列出力の読み出し電圧(VSIG)を垂直信号線LSGN14に出力する。
【0105】
このように、本第1の実施形態に係る固体撮像装置10においては、画素信号ストレージとしての信号保持部220に、電圧モードで、画素信号を全画素で同時にサンプリングし、第1の信号保持キャパシタCR21,第2の信号保持キャパシタCS21,第3の信号保持キャパシタCR22,第4の信号保持キャパシタCS22に保持された読み出し信号に対応する変換信号を垂直信号線LSGN11~14に読み出し、カラム読み出し回路40に供給する。
【0106】
画素部20において、全画素同時にリセットトランジスタRST1-Trと転送トランジスタTG1-Trを使ってフォトダイオードをリセットすることで、全画素同時並列的に露光を開始する。また、所定の露光期間が終了した後、転送トランジスタTG1-Trを使って光電変換読み出し部210からの出力信号を信号保持部220でサンプリングすることで、全画素同時並列的に露光を終了する。これにより、完全なシャッタ動作を電子的に実現する。
【0107】
なお、上述した信号保持部220の構成は、一例であり、グローバルシャッタ期間に、上述した光電変換読み出し部210の出力する読み出し輝度信号(VSIG)および読み出しリセット信号(VRST)を保持する機能を備える回路であればその構成は問わない。
【0108】
垂直走査回路30は、タイミング制御回路60の制御に応じてシャッタ行および読み出し行において行走査制御線を通して画素200の光電変換読み出し部210および信号保持部220駆動を行う。
また、垂直走査回路30は、アドレス信号に従い、信号の読み出しを行うリード行と、フォトダイオードPDに蓄積された電荷をリセットするシャッタ行の行アドレスの行選択信号を出力する。
【0109】
カラム読み出し回路40は、画素部20の各列出力に対応して配置された複数の列(カラム)信号処理回路(図示せず)を含み、複数の列信号処理回路で列並列処理が可能に構成されてもよい。
カラム読み出し回路40は、グローバルシャッタモード時に、垂直信号線LSGN11~14に、画素200の信号保持部220から読み出された差動の画素信号Pixout(VSL)に対して、増幅処理およびAD変換処理を行う。
【0110】
ここで、画素信号Pixout(VSL)は、グローバルシャッタモード時に画素(本例では画素200の光電変換読み出し部210、さらに信号保持部220)から順に読み出される読み出し信号VSIGおよび読み出しリセット信号VRSTを含む画素読み出し信号をいう。
【0111】
本第1の実施形態に係る固体撮像装置10において、カラム読み出し回路40は、動作モードや読み出し信号の信号形態(シングルエンドや差動等の信号)にかかわらず一つの回路構成で共用することが可能に形成されている。
【0112】
カラム読み出し回路40は、たとえばアンプ(AMP,増幅器)およびADC(アナログデジタルコンバータ;AD変換器を含んで構成される。
【0113】
水平走査回路50は、カラム読み出し回路40のADC等の複数の列信号処理回路で処理された信号を走査して水平方向に転送し、図示しない信号処理回路に出力する。
【0114】
タイミング制御回路60は、画素部20、垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50等の信号処理に必要なタイミング信号を生成する。
【0115】
本第1の実施形態において、読み出し部70は、たとえばグローバルシャッタモード時に、画素アレイ230および保持部アレイ240をアクティブにして、画素信号Pixoutの読み出しを行う。
【0116】
読み出し部70は、ローリングシャッタモード時およびグローバルシャッタ時において、モード動作に応じた読み出し制御を行う。
読み出し部70は、第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、第2の変換利得読み出しモードCGRM2と、で動作するか否かをシーンに応じて切り替え可能である。
【0117】
読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第1の変換利得読み出しモードCGRM1では、低照度および中照度のうちの少なくともいずれかの照度シーンに動作可能として切り換え、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2では、高照度の照度シーンに動作可能として切り換える。
【0118】
(固体撮像装置10の読み出し動作)
以上、固体撮像装置10の各部の特徴的な構成および機能について説明した。
次に、本第1の実施形態に係る固体撮像装置10のローリングシャッタ(RS)モード時およびグローバルシャッタ(GS)モード時の画素信号の読み出し動作の概要について説明する。
以下では、前述したように、ローリングシャッタモード時の読み出し動作について5例、グローバルシャッタモード時の読み出し動作について3例を挙げてタイミングチャートに関連付けて説明する。
【0119】
(RSモード時の第1の変換利得読み出しモード(デュアル変換利得読み出しモード)および第2の変換利得読み出しモード(低変換利得読み出しモード)における読み出し処理)
図4(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第1の変換利得読み出しモード(デュアル変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図5(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第2の変換利得読み出しモード(低変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【0120】
図4および図5の(A)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図4および図5の(B)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図4および図5の(C)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図4および図5の(D)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図4および図5の(E)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、それぞれ示している。
【0121】
(RSモード時の第1の変換利得読み出しモード(デュアル変換利得読み出しモード)における読み出し処理)
この場合、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12、およびフォトダイオードPD11をリセットする。
そして、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを非導通状態にして露光期間PEXPを開始する。
読み出し部70は、露光期間PEXPを開始した後、リセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0122】
次いで、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態に切り換えるとともに、第2の蓄積トランジスタSG12-Trを非導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1で決まる第1の低変換利得LCG1に設定する。
これにより、読み出し部70は、第1の低変換利得リセット読み出し処理LCG1-RSTを行う。
次いで、蓄積トランジスタSG11-Trを非導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDで決まる第1の高変換利得HCG1に設定する。
これにより、読み出し部70は、第1の高変換利得リセット読み出し処理HCG1-RSTを行う。
【0123】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第1の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第1の転送期間に続く第1の読み出し期間に第1の高変換利得信号読み出し処理HCG1-SIGを行う。
次いで、蓄積トランジスタSG11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDおよび第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1で決まる第1の低変換利得LCG1に設定する。
【0124】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第2の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第2の転送期間に続く第2の読み出し期間に第1の低変換利得信号読み出し処理LCG1-SIGを行う。
【0125】
(RSモード時の第2の変換利得読み出しモード(低変換利得読み出しモード)における読み出し処理)
この場合も、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12、およびフォトダイオードPD11をリセットする。
そして、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを非導通状態にして露光期間PEXPを開始する。
読み出し部70は、露光期間PEXPを開始した後、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態のまま、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを期間導通状態に切り換えてフローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1、および第2の蓄積キャパシタSC12の第2の容量C2で決まる第2の低変換利得LCG2に設定する。
【0126】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換える。
このとき、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第2低変換利得信号読み出し処理LCG2-SIG、および第2低変換利得リセット読み出し処理LCG2-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0127】
次いで、読み出し部70は、転送期間に続く読み出し期間に第2の低変換利得信号読み出し処理LCG2-SIGを行う。
次いで、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0128】
次いで、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態に切り換え、続く読み出し期間に第2の低変換利得リセット読み出し処理LCG2-RSTを行う。
【0129】
(RSモード時の第1のオプショナル処理例)
図6(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第1のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
【0130】
図6(A)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図6(B)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図6(C)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図6(D)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図6(E)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、それぞれ示している。
【0131】
この場合、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12、およびフォトダイオードPD11をリセットする。
そして、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを非導通状態にして露光期間PEXPを開始する。
読み出し部70は、露光期間PEXPを開始した後、リセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0132】
次いで、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1、および第2の蓄積キャパシタSC12の第2の容量C2で決まる第3の低変換利得LCG3に設定する。
これにより、読み出し部70は、第3の低変換利得リセット読み出し処理LCG3-RSTを行う。
次いで、読み出し部70は、第2の蓄積トランジスタSG12-Trを非導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、および第1の蓄積キャパシタSC11で決まる第1の中変換利得MCG1に設定する。
これにより、読み出し部70は、第1の中変換利得リセット読み出し処理MCG1-RSTを行う。
次いで、読み出し部70は、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを非導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDで決まる第1の高変換利得HCG1に設定する。
これにより、読み出し部70は、第1の高変換利得リセット読み出し処理HCG1-RSTを行う。
【0133】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第1の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第1の転送期間に続く第1の読み出し期間に第1の高変換利得信号読み出し処理HCG1-SIGを行う。
【0134】
次いで、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDおよび第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1で決まる第1の中変換利得MCG1に設定する。
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第2の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第2の転送期間に続く第2の読み出し期間に第1の中変換利得信号読み出し処理MCG1-SIGを行う。
【0135】
次いで、蓄積トランジスタSG12-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1、および第2の蓄積キャパシタSC12の第2の容量C2で決まる第3の低変換利得LCG3に設定する。
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第3の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第3の転送期間に続く第3の読み出し期間に第3の低変換利得信号読み出し処理LCG3-SIGを行う。
【0136】
この第1のオプショナル処理例によれば、フォトダイオードPD11のFWCは、CFD+C1のFWCより大きいことから、ダイナミックレンジの拡張に効果的である。
【0137】
(RSモード時の第2のオプショナル処理例)
図7(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第2のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
【0138】
図7(A)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図7(B)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図7(C)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図7(D)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図7(E)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、それぞれ示している。
【0139】
この場合、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12、およびフォトダイオードPD11をリセットする。
そして、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを非導通状態にして露光期間PEXPを開始する。
【0140】
読み出し部70は、露光期間PEXPを開始した後、リセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを非導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11をリセット状態に保持する。
これにより、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDで決まる第2の高変換利得HCG2に設定する。
そして、読み出し部70は、第2の高変換利得リセット読み出し処理HCG2-RSTを行う。
【0141】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第1の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第1の転送期間に続く第1の読み出し期間に第2の高変換利得信号読み出し処理HCG2-SIGを行う。
【0142】
読み出し部70は、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態のまま、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを導通状態に切り換えてフローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1、および第2の蓄積キャパシタSC12の第2の容量C2で決まる第3の低変換利得LCG3に設定する。
【0143】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第2の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換える。
このとき、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第3の低変換利得信号読み出し処理LCG3-SIG、および第3の低変換利得リセット読み出し処理LCG3-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0144】
次いで、読み出し部70は、第2の転送期間に続く第2の読み出し期間に第3の低変換利得信号読み出し処理LCG3-SIGを行う。
次いで、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0145】
次いで、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態に切り換え、続く読み出し期間に第3の低変換利得リセット読み出し処理LCG3-RSTを行う。
【0146】
(RSモード時の第3のオプショナル処理例)
図8(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第3のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
図9(A)および(B)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の第3のオプショナル処理例における変換利得読み出しにオーバーフロー電荷を利用しない場合と利用した場合の光電変換特性を示す図である。
【0147】
図8(A)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図8(B)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図8(C)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図8(D)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図8(E)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、それぞれ示している。
【0148】
この場合、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12、およびフォトダイオードPD11をリセットする。
そして、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを非導通状態にして露光期間PEXPを開始する。
【0149】
読み出し部70は、露光期間PEXPを開始した後、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態のまま、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを期間導通状態に切り換えてフローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1、および第2の蓄積キャパシタSC12の第2の容量C2で決まる第3の低変換利得LCG3に設定する。
【0150】
このとき、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第3の低変換利得信号読み出し処理LCG3-SIG、および第3の低変換利得リセット読み出し処理LCG3-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0151】
次いで、読み出し部70は、第3の低変換利得オーバーフロー(OF)信号読み出し処理LCG3OF-RSTを行う。
次いで、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0152】
次いで、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態に切り換え、続く読み出し期間に第3の低変換利得OFリセット読み出し処理LCG3OF-RSTを行う。
【0153】
次いで、読み出し部70は、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積キャパシタSG12-Trを非導通状態に切り換えてフローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDで決まる第2の高変換利得HCG2に設定する。
これにより、読み出し部70は、第2の高変換利得リセット読み出し処理HCG2-RSTを行う。
【0154】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、転送期間に続く読み出し期間に第2の高変換利得信号読み出し処理HCG2-SIGを行う。
【0155】
本第3のオプショナル処理例によれば、低変換利得(LCG)信号と高変換利得(HCG)信号をそれぞれ使用して、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能となる。
【0156】
(RSモード時の第4のオプショナル処理例)
図10(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時における第4のオプショナル処理例を説明するためのタイミングチャートである。
【0157】
図10(A)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図10(B)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図10(C)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図10(D)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図10(E)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、それぞれ示している。
【0158】
この場合、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11、第1の蓄積キャパシタSC11、第2の蓄積キャパシタSC12、およびフォトダイオードPD11をリセットする。
そして、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Tr、第1の蓄積トランジスタSG11-Tr、第2の蓄積トランジスタSG12-Tr、および転送トランジスタTG11-Trを非導通状態にして露光期間PEXPを開始する。
読み出し部70は、露光期間PEXPを開始した後、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを所定期間導通状態に保持してフローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、および第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1で決まる第1の中変換利得MCG1に設定する。
これにより、読み出し部70は、第1の中変換利得リセット読み出し処理MCG1-RSTを行う。
次いで、読み出し部70は、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを非導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDで決まる第1の高変換利得HCG1に設定する。
これにより、読み出し部70は、第1の高変換利得リセット読み出し処理HCG1-RSTを行う。
【0159】
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第1の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第1の転送期間に続く第1の読み出し期間に第1の高変換利得信号読み出し処理HCG1-SIGを行う。
【0160】
次いで、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFDおよび第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1で決まる第1の中変換利得MCG1に設定する。
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第2の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換え、第2の転送期間に続く第2の読み出し期間に第1の中変換利得信号読み出し処理MCG1-SIGを行う。
【0161】
次いで、蓄積トランジスタSG12-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11の利得を、FD容量CFD、第1の蓄積キャパシタSC11の第1の容量C1、および第2の蓄積キャパシタSC12の第2の容量C2で決まる第4の低変換利得LCG4に設定する。
次いで、読み出し部70は、転送トランジスタTG11―Trを所定の第3の転送期間導通状態に切り換えて、フォトダイオードPD11の蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11に転送させる。
そして、読み出し部70は、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に切り換える。
【0162】
このとき、読み出し部70は、第2の変換利得読み出しモードCGRM2における少なくとも第4の低変換利得信号読み出し処理LCG4-SIG、および第4の低変換利得リセット読み出し処理LCG4-RST中は、読み出し中のオーバーフロー電荷抑制のため、転送トランジスタTG11-Trを非導通状態に保持するレベルをさらに非導通状態を強くするレベル、たとえば負レベル(負電圧)VMに保持する。
【0163】
次いで、読み出し部70は、第3の転送期間に続く第3の読み出し期間に第4の低変換利得信号読み出し処理LCG4-SIGを行う。
次いで、読み出し部70は、第1のリセットトランジスタRST11-Trを導通状態に切り換えて、フローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0164】
次いで、リセットトランジスタRST11-Trを非導通状態に切り換え、続く読み出し期間に第4の低変換利得リセット読み出し処理LCG4-RSTを行う。
【0165】
この第4のオプショナル処理例によれば、フォトダイオードPD11のFWCは、CFD+C1のFWCより大きいことから、ダイナミックレンジの拡張に効果的である。
【0166】
(GSモード時の処理例)
次に、グローバルシャッタモード時の処理ついて3例を挙げてタイミングチャートに関連付けて説明する。
【0167】
(GSモード時の第1の処理例)
図11(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するグローバルシャッタモード時における第1の処理例を説明するためのタイミングチャートである。
【0168】
図11(A)は選択トランジスタSEL11-Trの制御信号SELを、図11(B)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、図11(C)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図11(D)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図11(E)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図11(F)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図11(G)はオーバーフローゲートAB11-Trの制御信号AB1を、それぞれ示している。
【0169】
この第1の処理では、読み出し部70は、第1の容量C1および第2の容量C2のうち第1の容量C1を適用してグローバルシャッタ(GS)動作が可能で、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第5の中変換利得MCG5を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、第2のリセットトランジスタRST12-TrによるフローティングディフュージョンFD11のリセット処理を挟んで、グローバルシャッタ(GS)動作においては、第5の中変換利得信号読み出し処理MCG5-SIG、および第5の中変換利得リセット読み出し処理MCG5-RSTを順次行う。
【0170】
GSモード時の第1の処理において、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)の露光期間PEXPの後半に、第2のリセットトランジスタRST12-Trを通してフローティングディフュージョンFD11のリセットレベルを揃える処理を行った後、フローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1をリセットして、蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1に転送する。
読み出し部70は、読み出し処理待機PWRD中に、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを所定期間非導通状態に切り換えて、第1の容量C1へのアクセス停止(禁止)した状態で、フローティングディフュージョンFD11の寄生光感度(PLS)を除去するためにフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0171】
本第1の処理によれば、高飽和でグローバルシャッタ(GS)を実現することが可能となる。
【0172】
(GSモード時の第2の処理例)
図12(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するグローバルシャッタモード時における第2の処理例を説明するためのタイミングチャートである。
【0173】
図12(A)は選択トランジスタSEL11-Trの制御信号SELを、図12(B)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、図12(C)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図12(D)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図12(E)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図12(F)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図12(G)はオーバーフローゲートAB11-Trの制御信号AB1を、それぞれ示している。
【0174】
この第2の処理では、読み出し部70は、第1の容量C1および第2の容量C2を適用してグローバルシャッタ(GS)動作が可能で、フローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および第2の容量C2で決まる第5の低変換利得LCG5を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)動作においては、第5の低変換利得信号読み出し処理LCG5-SIG、および第5の低変換利得リセット読み出し処理LCG5-RSTを順次行う。
【0175】
GSモード時の第2の処理において、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)の露光期間PEXPの後半に、蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11、第1の容量C1および第2の容量C2に転送する。
読み出し部70は、読み出し処理待機PWRD中に、寄生光感度(PLS)を除去するためにフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0176】
(GSモード時の第3の処理例)
図13(A)~(E)は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するグローバルシャッタモード時における第3の処理例を説明するためのタイミングチャートである。
【0177】
図13(A)は選択トランジスタSEL11-Trの制御信号SELを、図13(B)は第2のリセットトランジスタRST12-Trの制御信号RST1を、図13(C)は第1のリセットトランジスタRST11-Trの制信号RSTを、図13(D)は第1の蓄積トランジスタSG11-Trの制御信号BIN1を、図13(E)は第2の蓄積トランジスタSG12-Trの制御信号BIN2を、図13(F)は転送トランジスタTG11-Trの制御信号TG1を、図13(G)はオーバーフローゲートAB11-Trの制御信号AB1を、それぞれ示している。
【0178】
この第3の処理では、読み出し部70は、第1の容量C1および第2の容量C2のうち第1の容量C1を適用してグローバルシャッタ(GS)動作が可能で、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1で決まる第5の高変換利得HCG5を設定し切り換え可能である。
そして、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)動作においては、第5の高変換利得信号読み出し処理HCG5-SIG、および第5の高変換利得リセット読み出し処理HCG5-RSTを順次行う。
【0179】
GSモード時の第3の処理において、読み出し部70は、グローバルシャッタ(GS)の露光期間PEXPの後半に、第2のリセットトランジスタRST12-Trを通してフローティングディフュージョンFD11のリセットレベルを揃える処理を行った後、フローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1をリセットして、蓄積電荷をフローティングディフュージョンFD11および第1の容量C1に転送する。
読み出し部70は、読み出し処理待機PWRD中に、第1の蓄積トランジスタSG11-Trを所定期間非導通状態に切り換えて、第1の容量C1へのアクセス停止(禁止)した状態で、フローティングディフュージョンFD11の寄生光感度(PLS)を除去するためにフローティングディフュージョンFD11をリセットする。
【0180】
本第1、第2および第3の処理によれば、自行が読み出されるまでの電荷保持中にフローティングディフュージョンのPLS除去を行うため、シェーディングの低減を図ることが可能となる。
【0181】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、固体撮像装置10は、画素部20に行列状に配置される画素200がたとえば光電変換読み出し部210および信号保持部220を含み、ローリングシャッタ(RS)の動作機能、グローバルシャッタ(GS)の動作機能を持ち、ローリングシャッタ(RS)およびグローバルシャッタ(GS)の画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能である。
光電変換読み出し部210は、図2に示すように、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子としてのフォトダイオードPD11、フォトダイオードPD11に蓄積された電荷を蓄積期間後の転送期間に転送可能な転送素子としての転送トランジスタTG11、転送トランジスタTG11を通じてフォトダイオードPD11で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンFD11と、を有している。
さらに、光電変換読み出し部210は、フローティングディフュージョンFD11の容量CFDおよび第1の容量C1に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、フローティングディフュージョンFD11の容量CFD、第1の容量C1および、これらの容量に対して十分に大きい容量である第2の容量C2に関連付けた少なくとも1つの変換利得に応じた信号を読み出し可能な第2の変換利得読み出しモードCGRM2と、で動作可能で、変換利得をもって変換した電圧信号を増幅して出力する変換信号読み出し部211を含んで構成されている。
【0182】
本第1の実施形態において、読み出し部70は、第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、第2の変換利得読み出しモードCGRM2と、で動作するか否かをシーン(たとえば照度の大きさ(強さ))に応じて切り換え可能である。
本第1の実施形態においては、低照度から中照度時は第1の変換利得読み出しモード(たとえばデュアル変換利得読み出しモード)CGRM1、高照度時は第2の変換利得読み出しモードCGRM2を適用することで、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能となる。
【0183】
本第1の実施形態において、読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時に、第1の変換利得読み出しモードCGRM1と、第2の変換利得読み出しモードCGRM2とを切り換え可能である。
読み出し部70は、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第1の変換利得読み出しモードCGRM1では、低照度および中照度のうちの少なくともいずれかの照度シーンに動作可能として切り換え、ローリングシャッタ(RS)モードでの動作時の第2の変換利得読み出しモードCGRM2では、高照度の照度シーンに動作可能として切り換える。
【0184】
したがって、本第1の実施形態によれば、変換利得の異なる信号同士の結合点におけるSNRの低下を抑止することが可能となる。
また、本第1の実施形態によれば、小さな画素サイズで所定の読み出しモードによりダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
本第1の実施形態によれば、実質的に高ダイナミックレンジ化を実現することが可能となる。
【0185】
すなわち、本第1の実施形態によれば、ローリングシャッタおよびグローバルシャッタの画素動作モードを任意に選択することが可能で、しかも、変換利得が異なる信号を読み出す変換利得読み出しモードをシーンに応じて切り替えることが可能である。
その結果、本発明によれば、高変換利得(HCG)信号と低変換利得(LCG)信号の結合点におけるSNRの低下を最小限に抑えることができ、大きな飽和と小さなダークノイズを実現することが可能となる。
【0186】
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置における画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
【0187】
本第2の実施形態に係る固体撮像装置10Aの画素200Aの光電変換読み出し部210Aが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200の光電変換読み出し部210と異なる点は、次の通りである。
【0188】
第1の実施形態の光電変換読み出し部210は、基本的な構成要素として、容量が第1の容C1である第1の容量素子としての第1の蓄積キャパシタSG11-Trと、容量が第2の容量C2である第2の容量素子としての第2の蓄積キャパシタSC12-Trと、フローティングディフュージョンFD11と第1の蓄積キャパシタSC11とを選択的に接続する第1の蓄積接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Trと、フローティングディフュージョンFD11と第2の蓄積キャパシタSC12とを選択的に接続する第2の蓄積接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Trと、を含む。
そして、光電変換読み出し部210において、第1の蓄積トランジスタSG11-Trと第1の蓄積キャパシタSC11の接続ノードND11が第2の蓄積トランジスタSG12-Trに接続され、第2の蓄積トランジスタSG12-Trと第2の蓄積キャパシタSC12との接続ノードND12が、第1のリセットトランジスタRST11-Trに接続されている。
【0189】
これに対して、本第2の実施形態の光電変換読み出し部210Aにおいては、基本的な構成要素としての第1の蓄積トランジスタSG11-TrがフローティングディフュージョンFD11と第1の蓄積キャパシタSC11との間に接続され、第2の蓄積トランジスタSG12-TrがフローティングディフュージョンFD11と第2の蓄積キャパシタSC12との間(接続ノードND12)に接続されている。
また、第2の実施形態においては、第2のリセットトランジスタRST12-TrはオーバーフローゲートトランジスタAB11-Trにより共用されている。
【0190】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0191】
(第3の実施形態)
図15は、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置における画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
【0192】
本第3の実施形態に係る固体撮像装置10Bの画素200Bの光電変換読み出し部210Bが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200の光電変換読み出し部210と異なる点は、次の通りである。
【0193】
第1の実施形態の光電変換読み出し部210は、基本的な構成要素として、容量が第1の容C1である第1の容量素子としての第1の蓄積キャパシタSG11-Trと、容量が第2の容量C2である第2の容量素子としての第2の蓄積キャパシタSC12-Trと、フローティングディフュージョンFD11と第1の蓄積キャパシタSC11とを選択的に接続する第1の蓄積接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Trと、フローティングディフュージョンFD11と第2の蓄積キャパシタSC12とを選択的に接続する第2の蓄積接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Trと、を含む。
そして、光電変換読み出し部210において、第1の蓄積トランジスタSG11-Trと第1の蓄積キャパシタSC11の接続ノードND11が第2の蓄積トランジスタSG12-Trに接続され、第2の蓄積トランジスタSG12-Trと第2の蓄積キャパシタSC12との接続ノードND12が、第1のリセットトランジスタRST11-Trに接続されている。
【0194】
これに対して、本第3の実施形態の光電変換読み出し部210Bにおいては、さらに、第1の蓄積トランジスタSG11-Trと第1の蓄積キャパシタSC11の接続ノードND11と第2の蓄積キャパシタSC12とを選択的に接続する第3の蓄積接続素子としての第3の蓄積トランジスタSG13-Trを有している。
そして、光電変換読み出し部210Bにおいては、第2の蓄積トランジスタSG12-TrがフォトダイオードPD11と第2の蓄積キャパシタSC12との間に接続され、第1の蓄積トランジスタSG11-Trと第1の蓄積キャパシタSC11と第3の蓄積トランジスタSG13-Trとの接続ノードND13が、リセットトランジスタRST11-Trに接続されている。
【0195】
本第3の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0196】
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態に係る固体撮像装置における画素の光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
【0197】
本第4の実施形態に係る固体撮像装置10Cの画素200Cの光電変換読み出し部210Cが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200の光電変換読み出し部210と異なる点は、次の通りである。
【0198】
第1の実施形態の光電変換読み出し部210は、基本的な構成要素として、容量が第1の容C1である第1の容量素子としての第1の蓄積キャパシタSG11-Trと、容量が第2の容量C2である第2の容量素子としての第2の蓄積キャパシタSC12-Trと、フローティングディフュージョンFD11と第1の蓄積キャパシタSC11とを選択的に接続する第1の蓄積接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Trと、フローティングディフュージョンFD11と第2の蓄積キャパシタSC12とを選択的に接続する第2の蓄積接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Trと、を含む。
そして、光電変換読み出し部210において、第1の蓄積トランジスタSG11-Trと第1の蓄積キャパシタSC11の接続ノードND11が第2の蓄積トランジスタSG12-Trに接続され、第2の蓄積トランジスタSG12-Trと第2の蓄積キャパシタSC12との接続ノードND12が、第1のリセットトランジスタRST11-Trに接続されている。
【0199】
これに対して、本第4の実施形態の光電変換読み出し部210Cにおいては、さらに、第2の蓄積トランジスタSG12-Trと第1の蓄積キャパシタSC11とを選択的に接続する第3の蓄積接続素子としての第3の蓄積トランジスタSG14-Trを有している。
そして、光電変換読み出し部210Cにおいては、第1の蓄積トランジスタSG11-TrがフォトダイオードPD11と第1の蓄積キャパシタSC11との間に接続され、第2の蓄積トランジスタSG12-Trと第3の蓄積トランジスタSG14-Trとの接続ノードND14が、フローティングディフュージョンFD11に接続され、第2の蓄積トランジスタSG12-Trと第2の蓄積キャパシタSC12との接続ノードND12が、リセットトランジスタRST11-Trに接続されている。
【0200】
本第4の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0201】
(第5の実施形態)
図17は、本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置における画素共有構造を有する光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
【0202】
本第5の実施形態に係る固体撮像装置10Dの画素200Dの光電変換読み出し部210Dが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200の光電変換読み出し部210と異なる点は、次の通りである。
【0203】
本第5の実施形態に係る固体撮像装置10Dは、隣接する複数(本実施形態では4)の画素200-0,200-1,200-2,200-3で、フローティングディフュージョンFD11を共有する画素共有構造を有する。
本第5の実施形態に係る固体撮像装置10Dは、隣接する画素200-0,200-1,200-2,200-3で、第1の接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Trおよび第1の容量素子としての第1の蓄積キャパシタSC11を共有している。
本第5の実施形態に係る固体撮像装置10Dは、隣接する画素200-0,200-1,200-2,200-3で、第2の接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Trおよび第2の容量素子としての第2の蓄積キャパシタSC12を共有している。
本第5の実施形態に係る固体撮像装置10Dは、隣接する画素200-0,200-1,200-2,200-3で、第1のリセット素子としての第1のリセットトランジスタRST11-Trおよび第2のリセット素子としての第2のリセットトランジスタRST12-Trを共有している。
また、本例の画素共有構造においては、ソースフォロワトランジスタSF11-Trおよび選択トランジスタSEL11-Trが共有されている。
【0204】
図18(A)~(D)は、本発明の第5の実施形態に係る画素共有構造を有する画素の使用形態を説明するための図である。
図18において「3T-PD」とは高FWC読み出しのためにフローティングディフュージョンFDに電荷をオーバーフローさせる読み出し形態を示し、「4T-PD」とは低ノイズ読み出しのために電荷を電源電位Vdd(あるいはVAAPIX)にオーバーフローさせる読み出し形態を示している。
【0205】
図19(A)~(D)は、本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第1の変換利得読み出しモード(デュアル変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
図20(A)~(D)は、本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置の画素に対するローリングシャッタモード時の第2の変換利得読み出しモード(低変換利得読み出しモード)における読み出しシーケンスの一例を説明するためのタイミングチャートである。
【0206】
本第5の実施形態において、各共有画素200-0~200-3は、フォトダイオードPD11に接続され、フォトダイオードPD11の電荷をフローティングディフュージョンFD11の形成領域外方向に排出することが可能なオーバーフローゲートAB11―Trを有している。
そして、読み出し部70は、フローティングディフュージョンFD11に電荷をオーバーフローさせる読み出し形態「3T-PD」と、電荷をフローティングディフュージョンFD11の形成領域外、たとえば電源電位VAAPIXにオーバーフローさせる読み出し形態「4T-PD」と、を混在させて、共有画素の読み出し制御が可能である。
図18(B)では、4つの共有画素のうち、2画素が「3T-PD」、2画素が「4T-PD」の読み出しを行う。
図18(C)では、4つの共有画素のうち、3画素が「3T-PD」、1画素が「4T-PD」の読み出しを行う。
図18(B)では、4つの共有画素のうち、1画素が「3T-PD」、3画素が「4T-PD」の読み出しを行う。
【0207】
その他の構成は上述した第1の実施形態と同様である。
本第5の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができることはもとより、画素サイズの縮小化を図ることができ、回路構成のさらなる簡略化を図ることが可能となる。
【0208】
(第6の実施形態)
図21は、本発明の第6の実施形態に係る固体撮像装置における画素共有構造を有する光電変換読み出し部の構成例を示す回路図である。
【0209】
本第6の実施形態に係る固体撮像装置10Eの画素200Eの光電変換読み出し部210Eが上述した第1の実施形態に係る固体撮像装置10の画素200の光電変換読み出し部210と異なる点は、次の通りである。
【0210】
本第6の実施形態に係る固体撮像装置10Eは、隣接する複数(本実施形態では4)の画素200-0,200-1,200-2,200-3で、フローティングディフュージョンFD11を共有する画素共有構造を有する。
本第6の実施形態に係る固体撮像装置10Eは、隣接する画素200-0,200-1,200-2,200-3で、第1の接続素子としての第1の蓄積トランジスタSG11-Trおよび第1の容量素子としての第1の蓄積キャパシタSC11を共有している。
本第6の実施形態に係る固体撮像装置10Eは、隣接する画素200-0,200-1,200-2,200-3で、第2の接続素子としての第2の蓄積トランジスタSG12-Trおよび第2の容量素子としての第2の蓄積キャパシタSC12を共有している。
本第6の実施形態に係る固体撮像装置10Eは、隣接する画素200-0,200-1,200-2,200-3で、第1のリセット素子としての第1のリセットトランジスタRST11-Trを共有している。
また、本例の画素共有構造においては、ソースフォロワトランジスタSF11-Trおよび選択トランジスタSEL11-Trが共有されている。
【0211】
その他の構成は上述した第1の実施形態と同様である。
本第6の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができることはもとより、画素サイズの縮小化を図ることができ、回路構成のさらなる簡略化を図ることが可能となる。
【0212】
(電子機器への適用例)
さらに、以上説明した固体撮像装置10,10A~10Eは、デジタルカメラやビデオカメラ、携帯端末、あるいは監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器に、撮像デバイスとして適用することができる。
【0213】
図22は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用されるカメラシステムを搭載した電子機器の構成の一例を示す図である。
【0214】
本電子機器300は、図22に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置10,10A~10Eが適用可能なCMOSイメージセンサ310を有する。
さらに、電子機器300は、このCMOSイメージセンサ310の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系(レンズ等)320を有する。
電子機器300は、CMOSイメージセンサ310の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)330を有する。
【0215】
信号処理回路330は、CMOSイメージセンサ310の出力信号に対して所定の信号処理を施す。
信号処理回路330で処理された画像信号は、液晶ディスプレイ等からなるモニタに動画として映し出し、あるいはプリンタに出力することも可能であり、またメモリカード等の記録媒体に直接記録する等、種々の態様が可能である。
【0216】
上述したように、CMOSイメージセンサ310として、前述した固体撮像装置10,10A~10Eを搭載することで、高性能、小型、低コストのカメラシステムを提供することが可能となる。
そして、カメラの設置の要件に実装サイズ、接続可能ケーブル本数、ケーブル長さ、設置高さなどの制約がある用途に使われる、たとえば、監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器を実現することができる。
【符号の説明】
【0217】
10,10A~10E・・・固体撮像装置、20・・・画素部、200,200A・・・画素、PD11・・・フォトダイオード、FD11・・・フローティングディフュージョン、TG11-Tr・・・転送トランジスタ、RST11-Tr・・・第1のリセットトランジスタ、RST12-Tr・・・第2のリセットトランジスタ、SF11-Tr・・・ソースフォロワトランジスタ、SG11-Tr・・・第1の蓄積トランジスタ、SG12-Tr・・・第2の蓄積トランジスタ、SC11・・・第1の蓄積キャパシタ、SC12・・・第2の蓄積キャパシタ、210,210A~210E・・・光電変換読み出し部、211・・・変換信号読み出し部、220・・・信号保持部、230・・・サンプルホールド回路、300・・・電子機器、310・・・CMOSイメージセンサ、320・・・光学系、330・・・信号処理回路(PRC)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
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