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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103603
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】報知方法及び作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20240725BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20240725BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E02F9/26 B
E02F9/24 H
B60R11/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024086929
(22)【出願日】2024-05-29
(62)【分割の表示】P 2020147579の分割
【原出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】村岡 宏之
(72)【発明者】
【氏名】石川 喜久
(57)【要約】
【課題】作業車両に対して被検知体が存在する方向を、直感的に認識できる報知方法及び作業車両を提供する。
【解決手段】報知方法は、走行装置7と、走行装置7の上部に旋回可能に支持された車両本体2と、を備える作業車両1に用いられる報知方法である。報知方法は、車両本体2に設置された検知ユニット20の検知可能領域内に設定された監視領域に被検知体が存在することを報知することを有する。監視領域は、作業車両1に接する地面Gdから所定高さ(第1高さHe1)以上の領域である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、前記走行装置の上部に旋回可能に支持された車両本体と、を備える作業車両に用いられる報知方法であって、
前記車両本体に設置された検知ユニットの検知可能領域内に設定された監視領域に被検知体が存在することを報知することを有し、
前記監視領域は、前記作業車両に接する地面から所定高さ以上の領域である、
報知方法。
【請求項2】
前記監視領域は、平面視において前記走行装置の少なくとも一部と重複する、
請求項1に記載の報知方法。
【請求項3】
前記所定高さは、前記走行装置の上下方向の中心の地面からの高さよりも高い、
請求項2に記載の報知方法。
【請求項4】
前記作業車両は、前記車両本体に支持され、作業を実行する作業部を更に備え、
前記監視領域は、平面視において前記作業部が到達可能な可動領域と前記検知可能領域とが重複する領域に設定される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項5】
前記監視領域は、前記所定高さである第1高さ位置、第2高さ以下の領域である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項6】
走行装置と、
前記走行装置の上部に旋回可能に支持された車両本体と、
前記車両本体に設置された検知ユニットと、
前記検知ユニットの検知可能領域内に設定された監視領域に被検知体が存在することを報知する報知部と、を備え、
前記監視領域は、前記走行装置に接する地面から所定高さ以上の領域である、
作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知方法及び作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の作業車両用周辺監視装置は、人検出センサと、人存否判定手段と、3台の警報出力部とを備える。人検出センサは、作業車両の周囲に存在する人を検出するための装置である。人存否判定手段は、人検出センサの出力に基づいて作業車両の周囲の人の存否を判定する。人存否判定手段の判定結果に基づいて、3台全ての警報出力部が警報を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-181508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の作業車両用周辺監視装置では、作業車両の周囲のうち、いずれの方向に、人(被検知体)が存在するのか直感的に認識できない可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業車両に対して被検知体が存在する方向を、直感的に認識できる報知方法及び作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る報知方法は、走行装置と、前記走行装置の上部に旋回可能に支持された車両本体と、を備える作業車両に用いられる報知方法であって、前記車両本体に設置された検知ユニットの検知可能領域内に設定された監視領域に被検知体が存在することを報知することを有する。前記監視領域は、前記作業車両に接する地面から所定高さ以上の領域である。
【0007】
一態様に係る作業車両は、走行装置と、前記走行装置の上部に旋回可能に支持された車両本体と、前記車両本体に設置された検知ユニットと、報知部と、を備える。前記報知部は、前記検知ユニットの検知可能領域内に設定された監視領域に被検知体が存在することを報知する。前記監視領域は、前記走行装置に接する地面から所定高さ以上の領域である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業車両に対して被検知体が存在する方向を、直感的に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る作業車両を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る作業車両を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る作業車両の操縦室を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る作業車両に設定された監視領域を示す図である。
図5】本実施形態に係る作業車両に設定された監視領域を示す図である。
図6】本実施形態に係る制御装置の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
図7】本実施形態に係る作業車両が実行する報知方法の前段を示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係る作業車両が実行する報知方法の後段を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る作業車両1を説明する。以下、作業車両1が油圧ショベルである場合を例に挙げて本実施形態を説明する。油圧ショベルは建設機械の一例である。
【0012】
図1は、本実施形態に係る作業車両1を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の作業車両1は、車両本体2と、走行装置7と、作業部8とを備える。
【0013】
車両本体2は、走行装置7により支持されている。具体的には、車両本体2は、例えば、旋回ベアリングを介して、走行装置7の上部に配置される。車両本体2は、走行装置7により、旋回自在に支持される。
【0014】
また、車両本体2は、操縦室6を備える。以下、本明細書において、「右」は、操縦室6から前方を見たときの右を示す。「左」は、操縦室6から前方を見たときの左を示す。図1の例では、操縦室6は、車両本体2において、左側の領域に配置されている。本実施形態において、操縦室6は、高さ方向に沿って延びる第1フレーム6a及び第2フレーム6bを含む。第1フレーム6aは、例えば、操縦室6の左前側に位置する。第2フレーム6bは、例えば、操縦室6の右後側に位置する。
【0015】
さらに、車両本体2は、検知ユニット20を備える。検知ユニット20は、例えば、TOF(Time Of Flight)カメラのような測域センサである。TOFカメラは、例えばライダである。
【0016】
検知ユニット20は、作業車両1の周囲環境の状態を検知する。具体的には、検知ユニット20は、例えば、作業車両1の周囲に光を出射して、反射光を受光する。そして、検知ユニット20は、検知ユニット20の検知結果として、受光した反射光に対応する信号を、後述する特定部12に出力する。つまり、検知ユニット20は、作業車両1の周囲環境の状態を示す信号を後述する特定部12に出力する。なお、検知ユニット20は、例えば、ミリ波レーダ、カメラ、又はステレオカメラであってもよい。
【0017】
検知ユニット20は、例えば、複数の検知部20aを含む。本実施形態において、検知ユニット20は、3つの検知部20aを含む。検知ユニット20は、例えば、操縦室6に配置される。すなわち、複数の検知部20aは、例えば、操縦室6に配置される。検知ユニット20が操縦室6に配置される場合において、例えば、操縦室6が防振処理されている場合には、検知ユニット20に対する防振処理は省略される場合がある。操縦室6は、例えば、車両本体2の備えるフレーム(ターニングフレーム)に防振ゴムを介して支持される。
【0018】
複数の検知部20aのうちの1つの検知部21は、例えば、操縦室6の左側であって、操縦室6の前側の上方に配置される。具体的には、検知部21は、例えば、第1フレーム6aの上部に配置されたブラケットのような支持部材21aに支持される。以下、検知部21を、「第1検知部21」と記載する場合がある。なお、支持部材21aには、例えば、カメラが装着されていてもよい。支持部材21aに装着されたカメラは、例えば、作業車両1の左方の環境を撮像する。
【0019】
また、複数の検知部20aのうちの他の1つの検知部22は、例えば、操縦室6の右側であって、操縦室6の後側の上方に配置される。具体的には、検知部22は、例えば、操縦室6の上面から第2フレーム6bに架け渡されたブラケットのような支持部材22aに支持される。以下、検知部22を「第2検知部22」と記載する場合がある。なお、支持部材22aには、例えば、カメラが装着されていてもよい。支持部材22aに装着されたカメラは、例えば、作業車両1の右方の環境を撮像する。
【0020】
さらに、複数の検知部20aのうちの更に他の1つの検知部23は、例えば、操縦室6の右側であって、操縦室6の後側の下方に配置される。具体的には、検知部23は、例えば、操縦室6の第2フレーム6bの下部に配置されたブラケットのような支持部材23aに支持される。以下、検知部23を「第3検知部23」と記載する場合がある。なお、支持部材23aには、例えば、カメラが装着されていてもよい。支持部材23aに装着されたカメラは、例えば、作業車両1の後方の環境を撮像する。
【0021】
なお、作業車両1の構造に応じて、複数の検知部20aの各々の配置は変わる。
【0022】
作業部8は、作業を実行する。本実施形態において、作業部8は、ブーム3と、アーム4と、バケット5と、ブーム用アクチュエータ50と、アーム用アクチュエータ60と、アタッチメント用アクチュエータ70とを含む。
【0023】
ブーム3は、車両本体2により、第1回転支点R1(図5参照)を中心に揺動自在に支持されている。
【0024】
ブーム用アクチュエータ50は、ブーム3を作動させる。具体的には、ブーム用アクチュエータ50は、作動油によって駆動され、第1回転支点R1を中心にブーム3を揺動させる。ブーム用アクチュエータ50は、ブーム用シリンダ51と、ブーム用ピストン52とを含む。ブーム用シリンダ51は、作動油によってブーム用ピストン52を進退させて、ブーム3を作動させる。
【0025】
アーム4は、ブーム3により、第2回転支点R2を中心に揺動自在に支持されている。
【0026】
アーム用アクチュエータ60は、アーム4を作動させる。具体的には、アーム用アクチュエータ60は、作動油によって駆動され、第2回転支点R2を中心にアーム4を揺動させる。アーム用アクチュエータ60は、アーム用シリンダ61と、アーム用ピストン62とを含む。アーム用シリンダ61は、作動油によってアーム用ピストン62を進退させて、アーム4を作動させる。
【0027】
バケット5は、アタッチメントの一種である。バケット5は、アーム4により、第3回転支点R3を中心に揺動自在に支持されている。
【0028】
アタッチメント用アクチュエータ70は、バケット5を作動させる。具体的には、アタッチメント用アクチュエータ70は、作動油によって駆動され、第3回転支点R3を中心にバケット5を揺動させる。アタッチメント用アクチュエータ70は、アタッチメント用シリンダ71と、アタッチメント用ピストン72とを含む。アタッチメント用シリンダ71は、作動油によってアタッチメント用ピストン72を進退させて、バケット5を作動させる。
【0029】
走行装置7は、作業車両1を走行させる。本実施形態において、走行装置7は、クローラー式走行装置である。すなわち、走行装置7は、一対のクローラー7aと、一対の油圧モーター(不図示)とを備える。
【0030】
次に、図2及び図3を参照して、作業車両1をさらに説明する。図2は、作業車両1を示すブロック図である。図2に示すように、作業車両1は、制御装置10と、報知装置30と、エンジン部120と、油圧ポンプ200と、コントロールバルブ300と、作動油タンク400とをさらに備える。
【0031】
制御装置10は、報知装置30及びエンジン部120を制御する。制御装置10は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。具体的には、制御装置10は、制御部11と、記憶部16とを備える。
【0032】
記憶部16は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部16は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部16は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部16は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0033】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部11のプロセッサーは、記憶部16の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、報知装置30及びエンジン部120を制御する。
【0034】
また、制御部11のプロセッサーは、記憶部16の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、特定部12及び報知制御部15として機能する。つまり、制御部11は、特定部12及び報知制御部15を含む。特定部12は、位置特定部13及び種別特定部14を含む。報知制御部15は、報知装置30の報知部31及び表示部34を制御する。特定部12及び報知制御部15の詳細については後述する。
【0035】
エンジン部120は、エンジン121と、エンジン制御部122とを備える。エンジン制御部122は、例えば、ECUである。エンジン121には、燃料タンク(不図示)から燃料が供給される。
【0036】
エンジン121は、油圧ポンプ200を駆動する。その結果、油圧ポンプ200は、圧油をコントロールバルブ300に送り出す。圧油とは、圧力がかけられた作動油のことである。コントロールバルブ300は、圧油の流れを制御する。コントロールバルブ300は、車両本体2を旋回させる油圧モーター(不図示)、ブーム用シリンダ51、アーム用シリンダ61、アタッチメント用シリンダ71、及び、走行装置7の各油圧モーター(不図示)に対して圧油を供給する。その結果、油圧モーター、ブーム用シリンダ51、アーム用シリンダ61、アタッチメント用シリンダ71、及び、走行装置7の各油圧モーターが駆動する。例えば、エンジン121の回転数が小さくなることに応じて、油圧ポンプ200の油の吐出量が低下し、車両本体2、走行装置7及び作業部8の動作速度が低下する。また、例えば、エンジン121の回転が停止することに応じて、油圧ポンプ200が停止し、車両本体2、走行装置7及び作業部8の動作が停止する。
【0037】
報知装置30は、報知部31と、表示部34と、少なくとも1つの操作部40とを含む。具体的には、報知装置30は、複数の操作部40(例えば3個の操作部40)を含む。
【0038】
報知部31は、少なくとも1つの視覚報知部32と、聴覚報知部33とを含む。具体的には、報知部31は、複数の視覚報知部32(例えば3個の視覚報知部32)と、聴覚報知部33とを含む。
【0039】
視覚報知部32は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。つまり、視覚報知部32は、例えば発光する。複数の視覚報知部32は、それぞれ、複数の監視領域DA(監視領域DA1~監視領域DA3)に対応づけられている。以下、監視領域DA1に対応づけられている視覚報知部32を、「第1視覚報知部32a」と記載する。また、監視領域DA2に対応づけられている視覚報知部32を、「第2視覚報知部32b」と記載する。さらに監視領域DA3に対応づけられている視覚報知部32を、「第3視覚報知部32c」と記載する。監視領域DA(監視領域DA1~監視領域DA3)については後述する。
【0040】
本実施形態において、聴覚報知部33は、例えばブザーである。
【0041】
表示部34は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなディスプレイによって構成される。表示部34は、例えば、支持部材21a、支持部材22a、及び支持部材23aに装着されたカメラが撮像した撮像結果を表示する。
【0042】
操作部40は、作業者からの操作を受け付けて、操作結果を報知制御部15に出力する。操作部40は、例えば押しボタンである。本実施形態において、複数の操作部40は、それぞれ、複数の監視領域DA(監視領域DA1~監視領域DA3)に対応づけられている。以下、監視領域DA1に対応づけられている操作部40を、「第1操作部41」と記載する。また、監視領域DA2に対応付けられている操作部40を、「第2操作部42」と記載する。さらに、監視領域DA3に対応づけられている操作部40を、「第3操作部43」と記載する。監視領域DA(監視領域DA1~監視領域DA3)については後述する。
【0043】
なお、表示部34がタッチパネルを備える場合、操作部40がGUI(Graphical User Interface)のウィジェットとして表示部34に表示されてもよい。この場合、表示部34は、例えば、複数の操作部40をウィジェットとして表示する。また、操作部40は、表示部34が備えるタッチパネルとして機能してもよい。
【0044】
図3は、操縦室6を示す斜視図である。なお、図3では、図面を見易くするために、操縦室6の屋根を省略している。
【0045】
操縦室6は、操縦席6cと、複数の操作レバー6dと、操作装置113とを含む。また、操縦室6内には、報知装置30が配置される。複数の操作レバー6d、報知装置30、及び操作装置113は、操縦席6cの前方に配置されている。また、図3では図示していないが、聴覚報知部33もまた、操縦室6内に配置される。
【0046】
操縦席6cには、作業者が着座する。作業者は、作業車両1の操縦者である。複数の操作レバー6dの各々は、作業者からの操作を受け付ける。操作レバー6dは、作業車両1を操作するための操作部材である。
【0047】
操作装置113は、作業車両1に対する各種操作を受け付けると共に、作業車両1に関する各種情報を表示する。
【0048】
報知装置30には、複数の視覚報知部32が配置される。従って、作業者は、作業者の顔を右方、左方、又は後方に向けることなく、作業車両1を操縦しながら複数の視覚報知部32を視認できる。その結果、複数の視覚報知部が、それぞれ、操縦席の右方、左方、及び後方に配置される場合と比較して、作業者が複数の視覚報知部32を視認するときの負担を軽減できる。
【0049】
本実施形態において、第1視覚報知部32a~第3視覚報知部33cは、報知装置30において、表示部34に沿って、一列に配置されている。具体的には、報知装置30において、第1視覚報知部32aが左側に配置され、第2視覚報知部32bが第1視覚報知部32aと第3視覚報知部32cとの間に配置され、第3視覚報知部32cが右側に配置されている。すなわち、第1視覚報知部32aと、第2視覚報知部32bと、第3視覚報知部32cとは、それぞれ、監視領域DA1~監視領域DA3の位置に対応づけられるように配置されている。従って、表示部34の縁に沿って視覚報知部32を配置できるため報知装置30を小型化しつつ、作業者は、第1視覚報知部32aと、第2視覚報知部32bと、第3視覚報知部32cとが、それぞれ、監視領域DA1と、監視領域DA2と、監視領域DA3とに対応づけられていることを直感的に認識できる。監視領域DA1~監視領域DA3については後述する。
【0050】
なお、報知装置30において、第1視覚報知部32a~第3視覚報知部32cは、第1検知部21~第3検知部23の位置に対応づけられるように、三角形の頂点を成すように配置されていてもよい。例えば、報知装置30において、第3視覚報知部32cが下側に配置され、第1視覚報知部32aが第3視覚報知部32cの左上に配置され、第2視覚報知部32bが第3視覚報知部32cの右上に配置される。その結果、作業者は、第1視覚報知部32aと、第2視覚報知部32bと、第3視覚報知部32cとが、それぞれ、監視領域DA1と、監視領域DA2と、監視領域DA3とに対応づけられていることをより直感的に認識できる。
【0051】
さらに、一例として、第1視覚報知部32aと第1操作部41とは1ユニットとして構成され、第2視覚報知部32bと第2操作部42とは1ユニットとして構成され、第3視覚報知部32cと第3操作部43とは1ユニットとして構成される。従って、第1視覚報知部32aと第1操作部41とが別体で構成される場合と比較して、報知装置30を小型化できる。第1視覚報知部32aと第1操作部41とが1ユニットとして構成される場合、例えば、第1操作部41が押しボタンであり、第1視覚報知部32aがLEDであり、押しボタンの裏からLEDが発光して、押しボタンが光る。具体的には、第1視覚報知部32aと第1操作部41とは、例えば、照光押しボタンスイッチを構成する。第2視覚報知部32bと第2操作部42とが1ユニットとして構成される場合、及び、第3視覚報知部32cと第3操作部43とが1ユニットとして構成される場合についても同様である。なお、第1視覚報知部32aと第1操作部41とが別体で構成されもよいが、この場合は、第1視覚報知部32aと第1操作部41とは互いに近傍に配置されることが好ましい。第2視覚報知部32bと第2操作部42とが別体でされる場合、及び、第3視覚報知部32cと第3操作部43とが別体で構成される場合についても同様である。
【0052】
次に、図4及び図5を参照して、作業車両1に設定された監視領域DAについて説明する。図4は、本実施形態に係る作業車両1に設定された監視領域DAを示す図である。図4では、上から見たときの作業車両1が示されている。
【0053】
図4に示すように、作業部8は、可動領域MAを有する。可動領域MAは、平面視において、作業部8が到達可能な領域である。可動領域MAは、例えば、平面視において、走行装置7が停止した状態で、車両本体2が旋回したり、作業部8が伸びたりすることによって、作業部8が到達可能な領域である。また、可動領域MAの外縁EGは、平面視において、最大限伸びた作業部8の先端部8aの位置に相当する。つまり、外縁EGは、平面視において、作業部8が到達可能な最大位置を示す。なお、平面視は、作業車両1を鉛直上方から見ることを示す。
【0054】
本実施形態において、可動領域MAは、第1領域A1と、第2領域A2とを含む。本実施形態において、第1領域A1は、第2領域A2よりも作業車両1に近い。第1領域A1は、例えば、略円形形状を有する。また、第1領域A1は、例えば、可動領域MAのうち、作業車両1の中心から、6m未満の領域である。第2領域A2は、例えば、略円帯形状を有する。また、第2領域A2は、例えば、可動領域MAのうち、作業車両1の中心から6m以上7m未満の領域である。
【0055】
また、本実施形態において、第1領域A1は、第3領域A3と、第4領域A4とを含む。本実施形態において、第3領域A3は、第4領域A4よりも作業車両1に近い。第3領域A3は、例えば、略円形形状を有する。また、第3領域A3は、例えば、第1領域A1のうち、作業車両1の中心から、4m未満の領域である。第4領域A4は、例えば、略円帯形状を有する。また、第4領域A4は、例えば、第1領域A1のうち、作業車両1の中心から4m以上5m未満の領域である。
【0056】
さらに、本実施形態において、第3領域A3は、第5領域A5と、第6領域A6とを含む。本実施形態において、第5領域A5は、第4領域A4よりも作業車両1に近い。第5領域A5は、例えば、略円形形状を有する。第5領域A5は、例えば、第3領域A3のうち、作業車両1の中心から、3m未満の領域である。第6領域A6は、例えば、略円帯形状を有する。また、第6領域A6は、例えば、第3領域A3のうち、作業車両1から3m以上4m未満の領域である。
【0057】
検知ユニット20の検知可能な領域内には、複数の監視領域DAが設定されている。具体的には、複数の監視領域DAは、例えば、作業部8の可動領域MAと、検知ユニット20の検知可能な領域とが重複する領域に設定される。なお、複数の監視領域DAの各々は、例えば、可動領域MAと検知ユニット20の検知可能な領域とが重複する領域において任意の位置に設定される。例えば、可動領域MAと検知ユニット20の検知可能な領域とが重複する領域において、複数の監視領域DAは、それぞれ、操縦席6cの一方の側方(左側)、操縦席6cの他方の側方(右側)、及び、操縦席6cの後方に設定される。ここで、検知ユニット20が検知可能な領域は、検知ユニット20が検知可能な最大の領域のことである。以下、検知ユニット20が検知可能な領域を、検知可能領域NAと記載する。検知可能領域NAは、検知ユニット20の仕様に応じて変更される。
【0058】
本実施形態において、複数の監視領域DAは、可動領域MAと、検知ユニット20に含まれる複数の検知部20aの各々の検知可能な領域とが重複する領域に設定される。ここで、複数の検知部20aの各々が検知可能な領域は、複数の検知部20aの各々が検知可能な最大の領域のことである。以下、複数の検知部20aの第1検知部21の検知可能な領域を、検知可能領域NA1と記載する。また、複数の検知部20aの第2検知部22の検知可能な領域を、検知可能領域NA2と記載する。さらに、複数の検知部20aの第3検知部23の検知可能な領域を、検知可能領域NA3と記載する。
【0059】
以下、複数の監視領域DAのうち、可動領域MAと第1検知部21の検知可能領域NA1とが重複する監視領域DAを、監視領域DA1と記載する。すなわち、第1検知部21は、監視領域DA1に対応する。本実施形態において、監視領域DA1は、操縦席6cの一方の側方(左側)に設定されている。監視領域DA1は、斜線で示される。また、複数の監視領域DAのうち、可動領域MAと第2検知部22の検知可能領域NA2とが重複する監視領域DAを、監視領域DA2と記載する。すなわち、第2検知部22は、監視領域DA2に対応する。本実施形態において、監視領域DA2は、操縦席6cの他方の側方(右側)に設定されている。監視領域DA2は、斜線で示される。さらに、複数の監視領域DAのうち、可動領域MAと第3検知部23の検知可能領域NA3とが重複する監視領域DAを、監視領域DA3と記載する。すなわち、第3検知部23は、監視領域DA3に対応する。本実施形態において、監視領域DA3は、操縦席6cの後方に設定されている。監視領域DA3は、斜線で示される。従って、複数の監視領域DA(監視領域DA1~監視領域DA3)は、作業車両1の周囲領域のうち、操縦席6cに着座した作業者から見えにくい領域に設定される。
【0060】
本実施形態において、監視領域DAの一部は、他の監視領域DAの一部に重複する。例えば、監視領域DA1の一部は、監視領域DA3の一部に重複する。また、例えば、監視領域DA2の一部は、監視領域DA3の一部に重複する。従って、作業車両1の周囲のうち、作業車両1の側方から後方にわたって、監視領域DAから外れる領域を縮小できる。よって、複数の検知部20aによる被検知体Pの検知漏れを抑制できる。被検知体Pについては後述する。
【0061】
図5は、本実施形態に係る作業車両1に設定された監視領域DAを示す図である。図5では、側方から見たときの作業車両1が示されている。
【0062】
図5に示すように、監視領域DAは、例えば、作業車両1に接する地面Gdから第1高さHe1以上の領域である。第1高さHe1は、例えば50cmである。なお、監視領域DAは、例えば、第1高さHe1以上第2高さHe2以下の領域Hであってもよい。第2高さHe2は、地面Gdに対する検知ユニット20の高さを示す。検知ユニット20が複数の検知部20aを含む場合において、複数の検知部20aの各々の位置する高さが異なる場合には、複数の検知部20aの各々に割り当てられた監視領域DAごとに、第2高さHe2が設定される。第1高さHe1は、「所定高さ」の一例である。
【0063】
次に、引き続き図4を参照して、報知部31による報知について説明する。
【0064】
制御装置10の特定部12は、検知ユニット20の検知結果に基づいて、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定する。具体的には、特定部12は、検知ユニット20から出力された信号(作業車両1の周囲環境の状態を示す信号)を解析して、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定する。本実施形態において、特定部12は、複数の検知部20aの各々の検知結果に基づいて、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定する。具体的には、特定部12は、複数の検知部20aの各々から出力された信号(作業車両1の周囲環境の状態を示す信号)を解析して、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定する。被検知体Pは、例えば、監視領域DAに存在する障害物である。障害物は、例えば、作業車両1が作業を実行するときに妨げとなるような存在である。具体的には、障害物は、例えば、人、作業車両1と異なる作業機械、建造物、電柱、又は樹木である。
【0065】
例えば、図4に示す例において、特定部12は、複数の検知部20aの各々の検知結果に基づいて、被検知体Pが存在する監視領域DA2と、被検知体Pが存在する監視領域DA3とを特定する。以下、監視領域DA2に存在する被検知体Pを、被検知体P1と記載する場合がある。また、監視領域DA3に存在する被検知体Pを、被検知体P2と記載する場合がある。
【0066】
報知制御部15は、特定部12の特定結果に基づいて、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知するように、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、特定部12の特定結果に基づいて、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。
【0067】
よって、作業者は、監視領域DAに被検知体Pが存在することを認識できるため、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識できる。つまり、複数の監視領域DAのうちのどの監視領域DAに被検知体Pが存在するかを直感的に認識できる。ひいては、例えば、作業車両1と被検知体Pとが接触しないように、作業者に対して注意喚起できる。なお、監視領域DAの一部と、他の監視領域DAの一部とが重複する領域に被検知体Pが存在する場合には、例えば、監視領域DAと他の監視領域DAとに被検知体Pが存在することを報知するように、報知制御部15は、報知部31を制御してもよい。
【0068】
本実施形態において、視覚報知部32は、特定部12によって特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。例えば、視覚報知部32は、発光することによって、特定部12に特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。具体的には、例えば、視覚報知部32は、点滅することによって、特定部12に特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。
【0069】
より具体的には、報知制御部15は、被検知体Pが存在する監視領域DAに対応づけられた視覚報知部32を点滅させるように、当該視覚報知部32を制御する。その結果、当該視覚報知部32は、点滅することによって、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識できる。なお、例えば、視覚報知部32は、被検知体Pが監視領域DAに存在しない場合は、連続点灯(持続点灯)する。なお、視覚報知部32は、例えば、被検知体Pが監視領域DAに存在しない場合に消灯していてもよい。また、視覚報知部32は、被検知体Pが監視領域DAに存在しない場合、所定の色で点灯し、特定部12が被検知体Pの存在する監視領域DAを特定することに応じて、他の色で点灯してもよい。
【0070】
例えば、図4に示す例では、特定部12は、監視領域DA2に被検知体P1が存在し、監視領域DA3に被検知体P2が存在することを特定する。従って、報知制御部15は、特定部12の特定結果に基づいて、第2視覚報知部32b及び第3視覚報知部32cが点滅するように、第2視覚報知部32b及び第3視覚報知部32cを制御する。その結果、第2視覚報知部32b及び第3視覚報知部32cが点滅する。よって、作業者は、作業車両1に対して、監視領域DA2及び監視領域DA3の方向にそれぞれ被検知体P1、被検知体P2が存在することを直感的に認識できる。
【0071】
また、図5を参照して上述したように、本実施形態によれば、監視領域DAは、作業部8の可動領域MAと、検知ユニット20が検知可能な検知可能領域NAとが重複する領域である。従って、検知可能領域NAの内部であって、作業部8の可動領域MAの外部に存在する被検知体Pが検知される場合であっても、報知部31は、動作しない。その結果、作業部8と接触しない位置に被検知体Pが存在することを報知されることに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。
【0072】
また、作業部8が到達可能な位置に被検知体Pが存在する場合であっても、当該被検知体Pの存在する位置が監視領域DA外である場合には、報知部31は動作しない。例えば、図5を参照して説明したように、監視領域DAは、例えば、作業車両1に接する地面Gdから第1高さHe1以上の領域である。すなわち、作業部8が到達可能な位置に被検知体Pが存在する場合であっても、被検知体Pの高さが第1高さHe1未満である場合には、報知部31は動作しない。よって、高さが第1高さHe1未満である被検知体Pの存在が作業者に報知されることを抑制できる。例えば、被検知体Pの高さが第1高さHe1未満である場合、当該被検知体Pと作業部8とが接触したとしても、危険性が低い可能性が高い。従って、作業部8の作業に影響の低い被検知体Pの存在が報知されるとことに起因した作業者の煩わしさを抑制できる。
【0073】
本実施形態において、報知制御部15は、操作部40が操作を受け付けるまで、監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を継続するように報知部31を制御する。その結果、報知部31は、操作部40が操作を受け付けるまで、監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を継続する。具体的には、本実施形態において、視覚報知部32が点滅する状態において、視覚報知部32は、操作部40が押下されるまで点滅を継続する。
【0074】
また、本実施形態において、報知制御部15は、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知部31が報知する間に、操作部40が操作を受けつけることに応じて、監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を停止するように報知部31を制御する。その結果、報知部31は、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知部31が報知する間に、操作部40が操作を受けつけることに応じて、監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を停止する。具体的には、視覚報知部32が点滅する状態において、操作部40が押下されることに応じて、視覚報知部32は点滅を停止する。なお、視覚報知部32は、点滅を停止することに応じて、点灯してもよいし、消灯してもよい。
【0075】
従って、作業者の意志で、報知部31による報知を停止できる。例えば、作業者は、作業車両1に対して被検知体Pの存在する方向を認識した場合に、報知部31による報知を停止する。その結果、報知部31が報知を継続することに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。
【0076】
なお、本実施形態において、操作部40が操作された後に、再度、操作部40が操作されることに応じて、報知制御部15は、報知部31が報知することを許可する。すなわち、操作部40が操作されて、報知部31が監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を停止する間に、再度、操作部40が操作されると、報知制御部15は、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定部12が特定することに応じて、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知部31に報知させる。
【0077】
また、図3を参照して上述したように、本実施形態において第1視覚報知部32aと第1操作部41とは1ユニットとして構成される。従って、作業者は、点滅する第1操作部41を操作することによって、第1視覚報知部32aによる報知を停止できる。その結果、作業者は、直感的に第1視覚報知部32aによる報知を停止できる。また、第2視覚報知部32bと第2操作部42とが1ユニットとして構成される場合、及び、第3視覚報知部32cと第3操作部43とが1ユニットとして構成される場合についても同様である。
【0078】
本実施形態において、複数の操作部40の少なくとも1つの操作部40が操作を予め受け付けた場合、報知制御部15は、予め操作を受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を予め禁止する。具体的には、予め操作を受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在する場合であっても、報知制御部15は、当該監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知部31が報知することを禁止する。従って、例えば、作業車両1の周囲に、作業部8による作業に影響の少ない被検知体Pの存在を作業者が予め認識している場合、当該被検知体Pが存在する監視領域DAに当該被検知体Pが存在することの報知を予め禁止できる。その結果、予め作業者が存在を認識している被検知体Pの存在を報知されることに起因した、作業者の煩わしさを軽減できる。なお、予め禁止される報知は、視覚報知部32による報知と、聴覚報知部33による報知との少なくとも1つである。
【0079】
具体的には、例えば、監視領域DA1に建造物のような障害物が存在する場合、作業者は、予め、監視領域DA1に対応づけられた第1操作部41を操作する。従って、作業部8による作業中に、第1視覚報知部32aが点滅して監視領域DA1に被検知体Pが存在することを報知されることなく、作業者は、作業部8による作業を継続できる。その結果、予め作業者が存在を認識している被検知体Pの存在を報知されることに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。
【0080】
なお、本実施形態において、操作部40が予め操作された場合であっても、再度、操作部40が操作されることに応じて、報知制御部15は、報知部31が報知することを許可する。すなわち、操作部40が操作されて、監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知が禁止されている間に、再度、操作部40が操作されると、特定部12が被検知体Pの存在する監視領域DAを特定することに応じて、報知制御部15は、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知部31に報知させる。
【0081】
次に、引き続き図4を参照して、被検知体Pの検知距離Lに応じて制御される報知部31及びエンジン121について説明する。
【0082】
本実施形態において、特定部12に含まれる位置特定部13は、検知ユニット20の検知結果に基づいて、被検知体Pの位置を特定する。具体的には、位置特定部13は、検知ユニット20の検知結果に基づいて、被検知体Pの位置を算出する。被検知体Pの位置は、例えば座標で表される。そして、位置特定部13は、検知ユニット20と、被検知体Pとの間の距離を特定する。
【0083】
具体的には、位置特定部13は、複数の検知部20aの各々の検知結果に基づいて、被検知体Pの位置を特定する。具体的には、位置特定部13は、複数の検知部20aの各々の検知結果に基づいて、被検知体Pの位置を算出する。そして、位置特定部13は、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定し、特定した監視領域DAに対応する検知部20aと、被検知体Pとの間の距離を特定する。具体的には、例えば、位置特定部13は、複数の検知部20aの各々から出力された信号を解析して、特定した監視領域DAに対応する検知部20aの位置から、被検知体Pの位置までの距離を特定する。より具体的には、例えば、位置特定部13は、複数の検知部20aの各々が光を出射してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、検知部20aと被検知体Pとの間の距離を特定する。以下、特定された監視領域DAに対応する検知部20aと被検知体Pとの間の距離を、「検知距離L」と記載する場合がある。
【0084】
例えば、図4に示す例において、位置特定部13は、第2検知部22と被検知体P1との間の検知距離L(以下、検知距離L1と記載する)が、略5.0mであることを特定する。また、位置特定部13は、第3検知部23と被検知体P2との間の検知距離L(以下、検知距離L2と記載する)が略3.5mであることを特定する。
【0085】
なお、検知ユニット20が複数の検知部20aを含む場合において、監視領域DAの一部と、他の監視領域DAの一部とが重複する領域に被検知体Pが存在する場合には、位置特定部13は、例えば、監視領域DAに対応する検知部20aと被検知体Pとの間の距離と、他の監視領域DAに対応する他の検知部20aと被検知体Pとの間の距離とのうち、短い方の距離を、検知距離Lとする。また、例えば、位置特定部13は、監視領域DAに対応する検知部20aと被検知体Pとの間の距離と、他の監視領域DAに対応する他の検知部20aと被検知体Pとの間の距離との平均値を、検知距離Lとしてもよい。
【0086】
報知制御部15は、検知距離Lに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知するように、報知部31を制御する。具体的には、特定部12は、検知距離Lに基づいて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力する。報知制御部15は、特定部12の指示情報に従って、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、検知距離Lに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識しつつ、作業車両1と被検知体Pとの間の距離を直感的に認識できる。特定部12が出力する指示情報については後述する。
【0087】
具体的には、本実施形態において、位置特定部13は、特定した検知距離Lに基づいて、監視領域DAのうち、可動領域MAが有する複数の領域のいずれの領域と重複する領域に被検知体Pが存在するかを特定する。すなわち、位置特定部13は、可動領域MAが有する複数の領域のうち、被検知体Pが存在する領域を特定する。そして、特定部12は、被検知体Pが存在する領域に応じて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力する。報知制御部15は、特定部12の指示情報に従って、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、被検知体Pが存在する監視領域DAのうちの可動領域MAが有する領域のいずれかに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識しつつ、作業車両1と被検知体Pとの間の距離を直感的に認識できる。
【0088】
本実施形態において、第2領域A2は、第2領域A2が監視領域DAに該当する場合に、第2領域A2に被検知体Pが存在すると、例えば、視覚報知部32が点滅を開始する領域である。第1領域A1は、第1領域A1が監視領域DAに該当する場合に第1領域A1に被検知体Pが存在すると、例えば、視覚報知部32の点滅周期が第2領域A2の場合より短くなる領域である。すなわち、被検知体Pが監視領域DAのうち第1領域A1に重複する領域に存在する場合、視覚報知部32は、被検知体Pが監視領域DAのうち第2領域A2に重複する領域に存在する場合よりも、短い周期で点滅する。従って、第2領域A2よりも作業車両1に近い第1領域A1に被検知体Pが存在することに応じて、報知制御部15は、短い周期で点滅するように、視覚報知部32を制御する。その結果、作業者は、被検知体Pと作業車両1との距離感を直感的に認識できる。
【0089】
例えば、第6領域A6に被検知体Pが存在するときの報知部31による報知の態様が、視覚報知部32が短い周期で点滅すること、及び聴覚報知部33が短い周期で断続して発音することである場合について説明する。図4に示す例において、位置特定部13は、被検知体P2が監視領域DA3のうちの第6領域A6に重複する領域に存在することを特定する。そして、特定部12は、監視領域DA3のうちの第6領域A6と重複する領域に被検知体P2が存在することに応じて、報知の態様に関する指示を報知制御部15に出力する。その結果、報知制御部15は、短い周期で点滅するように第3視覚報知部32cを制御し、短い周期で断続して発音するように聴覚報知部33を制御する。その結果、第3視覚報知部32cが短い周期で点滅し、聴覚報知部33が短い周期で断続して発音する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体P2が監視領域DA3の方向に存在することを直感的に認識しつつ、作業車両1と被検知体P2との間の距離感を直感的に認識できる。
【0090】
ここで、本実施形態において、例えば、視覚報知部32が点滅しつつ聴覚報知部33が発音する間に、操作部40が操作を受け付けることに応じて、視覚報知部32は点滅を停止し、聴覚報知部33は発音を停止するように、報知制御部15は、視覚報知部32及び聴覚報知部33を制御する。ただし、視覚報知部32が点滅しつつ聴覚報知部33が発音する間に、操作部40が操作を受け付けることに応じて、視覚報知部32は点滅を継続し、聴覚報知部33は発音を停止するように、報知制御部15は、視覚報知部32及び聴覚報知部33を制御してもよい。また、視覚報知部32が点滅しつつ聴覚報知部33が発音する間に、操作部40が操作を受け付けることに応じて、視覚報知部32は点滅を停止し、聴覚報知部33は発音を継続するように、報知制御部15は、視覚報知部32及び聴覚報知部33を制御してもよい。
【0091】
また、本実施形態において、例えば、2つの視覚報知部32が点滅しつつ聴覚報知部33が発音する間に、2つの視覚報知部32の一方に対応する操作部40のみが操作を受け付けることに応じて、操作を受け付けた操作部40に対応づけられた視覚報知部32のみが点滅を停止し、操作を受け付けていない操作部40に対応づけられた視覚報知部32は点滅を継続し、聴覚報知部33は発音を継続するように、報知制御部15は、2つの視覚報知部32及び聴覚報知部33を制御する。ただし、2つの視覚報知部32が点滅しつつ聴覚報知部33が発音する間に、2つの視覚報知部32の一方に対応する操作部40のみが操作を受け付けることに応じて、操作を受け付けた操作部40に対応づけられた視覚報知部32のみが点滅を停止し、操作を受け付けていない操作部40に対応づけられた視覚報知部32は点滅を継続し、聴覚報知部33は発音を停止するように、報知制御部15は、2つの視覚報知部32及び聴覚報知部33を制御してもよい。
【0092】
エンジン制御部122は、検知距離Lに応じて、エンジン121の回転数を制御する。具体的には、検知距離Lに基づいて、特定部12は、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。エンジン制御部122は、特定部12が出力する指示情報に従って、エンジン121を制御する。従って、エンジン121の回転数が変化することに応じて、作業者は、作業車両1の近くに被検知体Pが存在することを認識できる。
【0093】
本実施形態において、例えば、特定部12は、検知距離Lが短くなることに応じて、エンジン121の回転数を小さくすることを示す指示情報をエンジン制御部122に出力する。従って、油圧ポンプ200の駆動力が低下し、車両本体2、走行装置7及び作業部8の動作速度が低下する。その結果、作業車両1の近くに被検知体Pが存在することを作業者に対して注意喚起しつつ、作業部8と被検知体Pとが接触する可能性を低減できる。なお、例えば、エンジン制御部122は、検知距離Lがより短くなることに応じて、エンジン121の回転数がゼロになるようにエンジン121を制御してもよい。すなわち、エンジン制御部122は、検知距離Lがより短くなることに応じて、エンジン121を停止させてもよい。従って、作業部8と被検知体Pとが接触する可能性をより低減できる。
【0094】
例えば、第6領域A6に被検知体Pが存在するときにエンジン121の回転数が制限される場合について説明する。図4に示す例において、位置特定部13は、被検知体P2が監視領域DA3のうちの第6領域A6に重複する領域に存在することを特定する。そして、特定部12は、監視領域DA3のうちの第6領域A6と重複する領域に被検知体P2が存在することに応じて、エンジン121の回転数を制限する指示をエンジン制御部122に出力する。その結果、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を制限する。そして、油圧ポンプ200の駆動力が低下し、車両本体2、走行装置7及び作業部8の動作速度が低下する。よって、被検知体P2が監視領域DA3の方向の近い位置に存在することを作業者に直感的に認識させつつ、作業部8と被検知体P2が接触する可能性をより低減させることができる。
【0095】
次に、引き続き図4を参照して、被検知体Pの種別に応じて制御される報知部31及びエンジン121について説明する。
【0096】
種別特定部14は、例えば、位置特定部13の特定結果に基づいて、被検知体Pの種別を特定する。すなわち、種別特定部14は、例えば、位置特定部13の特定結果に基づいて、被検知体Pが人であるか物であるかを特定する。具体的には、種別特定部14は、例えば、検知ユニット20の検知結果のうちの特定された被検知体Pを示す検知結果を解析して、被検知体Pが人であるか物であるかを特定する。すなわち、種別特定部14は、例えば、複数の検知部20aの各々の検知結果のうちの特定された被検知体Pを示す検知結果を解析して、被検知体Pが人であるか物であるかを特定する。より具体的には、種別特定部14は、複数の検知部20aの各々が出力した信号のうちの被検知体Pを示す信号の強度に基づいて、被検知体Pが人であるか物であるかを特定する。例えば、作業車両1の周囲に存在する可能性のある作業者は、反射材(例えば再帰反射材)を取り付けた作業衣を身に着けている可能性がある。従って、複数の検知部20aの各々が出力した信号のうち、被検知体Pを示す信号の強度が閾値以上である場合、種別特定部14は、被検知体Pが人であると特定する。なお、種別特定部14は、例えば、被検知体Pが人ではないと特定する場合、被検知体Pが物であると特定する。
【0097】
例えば、図4に示す例において、種別特定部14は、位置特定部13の特定結果に基づいて、被検知体P1が物であると特定する。また、種別特定部14は、複数の検知部20aの各々の検知結果と、特定部12の特定結果とに基づいて、被検知体P2が人であると特定する。
【0098】
特定部12は、例えば、種別特定部14が被検知体Pの種別を判定したことに応じて、報知制御部15及びエンジン制御部122に指示情報を出力する。具体的には、例えば、特定部12は、位置特定部13の特定結果及び種別特定部14の特定結果に基づいて、報知部31による報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力する。また、例えば、特定部12は、は、位置特定部13の特定結果及び種別特定部14の特定結果に基づいて、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。
【0099】
具体的には、特定部12は、位置特定部13の特定結果、及び種別特定部14の特定結果に基づき、記憶部16が記憶するテーブルTbに従って、報知部31による報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力し、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。記憶部16が記憶するテーブルTbについては、図6を参照して後述する。
【0100】
報知制御部15は、被検知体Pの種別に応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知するように、報知部31を制御する。具体的には、報知制御部15は、特定部12が出力する指示情報に従って、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知するように、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、被検知体Pの種別に応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pがすることを報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識しつつ、被検知体Pの種別を直感的に認識できる。
【0101】
また、エンジン制御部122は、被検知体Pの種別に応じて、エンジン121の回転数を制御する。具体的には、エンジン制御部122は、特定部12が出力する指示情報に従って、エンジン121の回転数を制御する。例えば、被検知体Pの種別が物である場合、特定部12は、エンジン121の回転数を制限することを示す指示情報をエンジン制御部122に出力する。また、例えば、被検知体Pの種別が人である場合、特定部12は、被検知体Pの種別が物である場合よりも、回転数が小さくなるように制限することを示す指示情報をエンジン制御部122に出力する。
【0102】
例えば、被検知体Pの種別が人であるときの報知部31による報知の態様が、短い周期で視覚報知部32が点滅することと、短い周期で断続して聴覚報知部33が発音することと、エンジン121の回転数を制限することである場合について説明する。図4に示す例において、種別特定部14が被検知体P2の種別が人であると特定することに応じて、特定部12は、報知部31による報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力し、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。報知制御部15は、特定部12の指示情報に従って、短い周期で点滅するように第3視覚報知部32cを制御し、短い周期で断続して発音するように聴覚報知部33を制御する。その結果、第3視覚報知部32cが短い周期で点滅し、聴覚報知部33が短い周期で断続して発音する。また、エンジン制御部122は、特定部12の指示情報に従って、エンジン121の回転数を制限する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体P2が監視領域DA3の方向に存在することを直感的に認識しつつ、被検知体P2と作業車両1との間の距離感と、被検知体P2の種別が人であることとを直感的に認識できる。
【0103】
次に、図4及び図6を参照して、特定部12が出力する指示情報について説明する。図6は、制御装置10の記憶部16が記憶するテーブルTbを示す。
【0104】
制御装置10の記憶部16は、例えば、図6に示すテーブルTbを記憶する。テーブルTbでは、例えば、ラベルと、検知距離Lと、作業車両1と被検知体Pとの間の距離と、被検知体Pの種別と、視覚報知部32による報知の態様と、聴覚報知部33による報知の態様と、エンジン121の回転数の制限と、エンジン121の停止の有無とが関連付けられている。具体的には、例えば、ラベルが「2」であることと、検知距離Lが4m以上7m未満であることと、作業車両1と被検知体Pとの距離が1.7m以上4.7m未満であることと、被検知体Pの種別が物であることと、視覚報知部32が遅く点滅することと、聴覚報知部33が動作しないことと、エンジン121の回転数が制限されないことと、エンジン121が停止されないこととが関連付けられている。
【0105】
本実施形態において、例えば、第2領域A2は、検知距離Lが6m以上7m未満の領域である。例えば、被検知体Pが監視領域DA1のうち第2領域A2と重複する領域に存在し、被検知体Pの種別が人である場合、特定部12は、テーブルTbのラベルが「3」である行に従って、報知制御部15及びエンジン制御部122に指示情報を出力する。具体的には、特定部12は、長い周期で点滅することを示す指示情報を報知制御部15に出力し、エンジン121の回転数を維持することを示す指示情報をエンジン制御部122に出力する。その結果、報知制御部15は、長い周期で点滅するように、第1視覚報知部32aを制御する。また、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を維持するように、エンジン121を制御する。
【0106】
次に、図7及び図8を参照して、作業車両1が実行する報知方法について説明する。図7は、作業車両1が実行する報知方法の前段を示すフローチャートである。図8は、作業車両1が実行する報知方法の後段を示すフローチャートである。図7及び図8に示すように、報知方法は、ステップS1~ステップS13を含む。
【0107】
図7に示すように、ステップS1において、報知制御部15は、複数の操作部40のうちの少なくとも1つが予め操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS1において肯定的判定(Yes)がされる場合、すなわち、複数の操作部40の少なくとも1つが予め操作を受け付けた場合、処理は、ステップS2に進む。また、ステップS1において否定的判定(No)がされる場合、処理は、ステップS3に進む。
【0108】
ステップS2において、報知制御部15は、ステップS1で操作を受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を予め禁止する。
【0109】
ステップS3において、検知ユニット20は、作業車両1の周囲環境の状態を検知する。すなわち、複数の検知部20aの各々は、作業車両1の周囲環境の状態を検知する。
【0110】
ステップS4において、検知ユニット20は、検知結果を制御装置10の制御部11に出力する。すなわち、複数の検知部20aの各々は、検知結果を制御部11に出力する。
【0111】
ステップS5において、位置特定部13は、検知ユニット20に出力された検知結果を解析する。すなわち、位置特定部13は、複数の検知部20aに出力された検知結果を解析する。そして、位置特定部13は、監視領域DAに存在する被検知体Pを検知したか否かを判定する。ステップS5において肯定的判定(Yes)がされる場合、処理はステップS6に進む。一方、ステップS5において否定的判定(No)がされる場合、処理はステップS3に進む。
【0112】
ステップS6において、位置特定部13は、被検知体Pの位置を特定する。すなわち、特定部12は、被検知体Pが存在する監視領域DAと、可動領域MAが有する複数の領域のうちの被検知体Pが存在する領域と、検知距離Lを特定する。
【0113】
ステップS7において、種別特定部14は、特定部12の特定結果に基づいて、被検知体Pの種別を特定する。
【0114】
ステップS8において、特定部12は、ステップS6で特定された位置特定部13の特定結果、及びステップS7で特定された種別特定部14の判定結果に基づいて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力し、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。例えば、ステップS8において、特定部12は、ステップS6での位置特定部13の特定結果、ステップS7での種別特定部14の特定結果、及びテーブルTbに基づいて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力し、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。次に、図8のステップS9に進む。
【0115】
図8に示すように、ステップS9において、報知制御部15は、ステップS8で出力された報知の態様に関する指示情報が、ステップS2で予め禁止されているか否かを判定する。すなわち、例えば、報知制御部15は、ステップS8で出力された報知の態様に関する指示情報が、ステップS1で操作を受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知に関するか否かを判定する。ステップS9で肯定的判定(Yes)がされる場合、報知制御部15は、報知部31を動作させることなく処理が終了する。一方、ステップS9で否定的判定(No)がされる場合、処理はステップS10に進む。
【0116】
ステップS10において、報知制御部15は、ステップS8で出力された報知の態様に関する指示情報に従って、報知部31を制御する。すなわち、報知制御部15は、検知距離Lと、被検知体Pの種別とに応じた態様で報知するように報知部31を制御する。その結果、報知部31は、検知距離Lと、被検知体Pの種別とに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。
【0117】
ステップS11において、報知制御部15は、ステップS10で報知した報知部31に対応づけられた操作部40が操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS11で否定的判定(No)がされる場合、報知制御部15は、ステップS10で報知した報知部31に報知を継続させる。一方、ステップS11で肯定的判定(Yes)がされる場合、処理はステップS12に進む。
【0118】
ステップS12において、報知制御部15は、ステップS11で操作を受け付けたと判定された操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を停止する。すなわち、報知制御部15は、ステップS11で操作を受け付けたと判定された操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を報知部31に停止させる。
【0119】
また、ステップS13において、エンジン制御部122は、ステップS8で出力されたエンジン121の制御に関する指示情報に基づいて、エンジン121の回転数を制御する。例えば、エンジン121の制御に関する指示情報が、エンジン121の回転数を制限する指示情報である場合、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を制限する。また、例えば、エンジン121の制御に関する指示情報が、エンジン121の回転数を変更しない指示情報である場合、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を維持する。
【0120】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0121】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、周期等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0122】
例えば、図2を参照して説明したように、制御装置10の制御部11が報知制御部15を含んだ。ただし、報知制御部15が報知部31を制御する限り、報知装置30が報知制御部15を含んでいてもよい。
【0123】
また、図2を参照して説明したように、制御装置10の制御部11が特定部12を含んだ。ただし、特定部12が被検知体Pの存在する監視領域DAを特定する限り、検知ユニット20が特定部12を含んでいてもよい。また、制御部11が特定部12の一部の機能を含み、検知ユニット20が特定部12の一部の機能を含んでいてもよい。
【0124】
また、図2を参照して説明したように、本実施形態では、視覚報知部32は、LEDであった。ただし、視覚報知部32が監視領域に被検知体Pが存在することを視覚的に報知できる限り、視覚報知部32はディスプレイであってもよい。視覚報知部32がディスプレイである場合、例えば、報知制御部15は、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを示す画像を表示するように視覚報知部32を制御する。その結果、視覚報知部32としてのディスプレイは、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。具体的には、例えば、視覚報知部32としてのディスプレイは、作業車両1の周囲環境を示す画像を表示し、被検知体Pが監視領域DAに存在する場合、特定部12が特定した被検知体Pを点滅させるなどして、被検知体Pを目立たせるように表示する。
【0125】
また、図2を参照して説明したように、本実施形態では、視覚報知部32が、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知した。ただし、被検知体Pが存在する監視領域DAを作業者が認識できる限り、聴覚報知部33が、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを聴覚的に報知してもよい。この場合、聴覚報知部33は、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを聴覚的に報知する。例えば、聴覚報知部33がスピーカーである場合、報知制御部15は、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを示す音声を出力するように聴覚報知部33を制御する。その結果、聴覚報知部33としてのスピーカーは、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを聴覚的に報知する。また、聴覚報知部33がブザーである場合、報知部31は、例えば、複数の聴覚報知部33を含む。例えば、複数の聴覚報知部33は、それぞれ、操縦席6cの側方と、操縦席6cの他の側方と、操縦席6cの後方とに配置される。そして、監視領域DAに被検知体Pが存在する場合、被検知体Pが存在する監視領域DAの側に配置された聴覚報知部33が発音する。その結果、作業者は、被検知体Pが存在する監視領域DAを直感的に認識できる。
【0126】
また、図4を参照して説明したように、複数の操作部40の少なくとも1つが操作を予め受け付けた場合、報知制御部15は、操作を受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAに被検知体Pが存在することの報知を予め禁止した。ただし、報知部31が監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知しない限り、検知ユニット20が、作業車両1の周囲環境のうち、操作を予め受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAの状態を検知することを禁止してもよい。また、検知ユニット20が複数の検知部20aを含む場合には、報知部31が監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知しない限り、操作を予め受け付けた操作部40に対応づけられた監視領域DAに対応する検知部20aが、作業車両1の周囲環境の状態を検知することを禁止してもよい。
【0127】
また、図4を参照して説明したように、本実施形態において、特定部12は、検知ユニット20が受光した反射光に対応する信号を解析して、被検知体Pの位置を特定した。ただし、検知ユニット20がカメラである場合には、特定部12は、カメラの撮像結果を画像解析して、被検知体Pの位置を特定する。すなわち、複数の検知部20aの各々がカメラである場合には、特定部12は、複数のカメラの撮像結果を画像解析して、被検知体Pの位置を特定する。
【0128】
また、図1を参照して説明したように、本実施形態において、車両本体2は、操縦室6を備えた。ただし、作業車両1が操縦席6cを含む限り、車両本体2は、操縦室6を含まなくてもよい。
【0129】
また、図1を参照して説明したように、本実施形態において、車両本体2は、3つの検知部20aを備えた。ただし、車両本体2が複数の検知部20aを備える限り、車両本体2は、2つの検知部20aを備えていてもよいし、4つ以上の検知部20aを備えていてもよい。
【0130】
また、図4及び図6を参照して説明したように、本実施形態において、特定部12は、テーブルTbに従って、報知制御部15に報知の態様に関する指示情報を出力した。ただし、報知部31が検知距離Lに応じた態様で監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する限り、特定部12は、ラベルを示す情報を報知制御部15に出力してもよい。この場合、報知制御部15は、記憶部16に記憶されたテーブルTbを参照して、出力されたラベルに関連付けられた報知部31の動作態様で動作するように、報知部31を制御する。また、この場合、エンジン制御部122は、記憶部16に記憶されたテーブルTbと同じテーブルTbを記憶している。そして、エンジン制御部122は、テーブルTbを参照して、出力されたラベルに関連付けられたエンジン121の回転数の制限の有無と、エンジン121の停止の有無とに基づいて、エンジン121を制御する。
【0131】
また、図4及び図6を参照して説明したように、本実施形態において、特定部12は、テーブルTbに従って、報知制御部15に報知の態様に関する指示情報を出力した。ただし、報知部31が検知距離Lに応じた態様で監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する限り、特定部12は、可動領域MAが有する領域のうちの被検知体Pが存在する領域に応じて、報知制御部15及びエンジン制御部122に指示情報を出力してもよい。
【0132】
また、図4を参照して説明したように、監視領域DAは、作業部8の可動領域MAと、検知ユニット20が検知可能な領域とが重複する領域に設定された。ただし、監視領域DAは、可動領域MAの外縁EGよりも広い範囲に設定されてもよい。この場合、監視領域DAの可動領域MAの外縁EGよりも広い範囲は、例えば、可動領域MAの大きさに対する所定の割合に基づいて設定される。
【0133】
また、例えば、図1図7を参照して説明した本実施形態では、作業車両1は、油圧ショベルであったが、作業車両1は油圧ショベルに限定されない。作業車両1は、作業者が画面を介して機能の設定を行い得る機械であればよい。例えば、作業車両1は、他の建設機械であってもよいし、農業機械であってもよい。建設機械は、例えば、ホイールローダーなどのローダー、又は、キャリアである。農業機械は、例えば、乗用型トラクター、乗用型コンバイン、又は、乗用型田植機である。
【0134】
<発明の付記>
本発明の一局面によれば、作業車両は、作業部と、検知ユニットと、特定部と、報知部とを備える。作業部は、作業を実行する。検知ユニットは、前記作業車両の周囲環境の状態を検知する。特定部は、前記検知ユニットの検知結果に基づいて、前記検知ユニットの検知可能領域内に設定された複数の監視領域のうちから被検知体が存在する監視領域を特定する。報知部は、前記特定部の特定結果に基づいて、前記監視領域に前記被検知体が存在することを報知する。前記報知部は、前記検知ユニットと、前記被検知体との間の距離に応じた態様で、前記監視領域に前記被検知体が存在することを報知する。
【0135】
本発明の他の局面によれば、報知方法は、作業を実行する作業部と、検知ユニットとを有する作業車両によって実行される。報知方法は、前記検知ユニットが、前記作業車両の周囲環境の状態を検知するステップと、特定部が、前記検知ユニットの検知結果に基づいて、前記検知ユニットの検知可能領域内に設定された複数の監視領域のうちから被検知体が存在する監視領域を特定するステップと、報知部が、前記特定部の特定結果に基づいて、前記監視領域に前記被検知体が存在することを報知すると共に、前記検知ユニットと、前記被検知体との間の距離に応じた態様で、前記監視領域に前記被検知体が存在することを報知するステップとを含む。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、報知方法及び作業車両に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0137】
1 作業車両
6c 操縦席
8 作業部
12 特定部
14 種別特定部
15 報知制御部
20 検知ユニット
20a 検知部
21 第1検知部
22 第2検知部
23 第3検知部
30 報知装置
31 報知部
32 視覚報知部
33 聴覚報知部
40 操作部
121 エンジン
122 エンジン制御部
DA 監視領域
Gd 地面
He1 第1高さ
MA 可動領域
NA 検知可能領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8