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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103686
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】組成物(に)
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/8962 20060101AFI20240725BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240725BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
   A23L 33/105 20160101ALN20240725BHJP
【FI】
A61K36/8962
A61K9/06
A61K9/08
A61K47/26
A61P1/04
A61P3/00
A61P3/02
A61P9/00
A61P43/00 105
A23L33/105
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024089805
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2019196635の分割
【原出願日】2019-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池上 祐樹
(57)【要約】
【課題】ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する新たな手段の提供。
【解決手段】ニンニク加工物を含有する液状又は半固形状の組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の沈殿生成を抑制する方法であって、前記糖アルコールが、イソマルト、キシリトール、マンニトール、マルチトール及びラクチトールよりなる群から選ばれる1種以上である、方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニンニク加工物を含有する液状又は半固形状の組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の沈殿生成を抑制する方法であって、前記糖アルコールが、イソマルト、キシリトール、マンニトール、マルチトール及びラクチトールよりなる群から選ばれる1種以上である、方法。
【請求項2】
組成物が、経口投与する製剤である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
組成物が、経口液剤である、請求項1又は2記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
ニンニク加工物は、疲労回復効果、滋養強壮効果、胃収縮力増強作用、新陳代謝促進作用、血流促進作用、ビタミン類の吸収促進作用等を有することが知られている。また、ニンニク加工物は、いくつかの医薬の副作用を軽減することも知られており、例えば、抗ヒスタミン剤と併用した場合に抗ヒスタミン剤の副作用(眠気)を軽減すること(特許文献1)、解熱消炎鎮痛剤と併用した場合に解熱消炎鎮痛剤の副作用(胃粘膜損傷等)を軽減すること(特許文献2)などが知られている。
このように、ニンニク加工物は、種々の有用性があるため、医薬品や医薬部外品、健康食品等の分野において広く利用されている。
【0003】
しかしながら、ニンニクそのもののみならずニンニク加工物も強烈な臭いを有する。そのため、ニンニク加工物を含有する組成物の利用・服用には不快感が伴うこととなり、これが組成物の品質安定性、ひいては商品価値を毀損する大きな要因となっている。そのため、これまでにニンニク加工物由来の不快臭を抑制・軽減するための様々な手段が検討されてきた。具体的には例えば、ニンニクを低酸素又は無酸素状態で1~40℃の条件下、1週間~1年間放置する方法(特許文献3)や、ニンニクを20℃以上で7日間以上保持した後、0~65℃の温度条件下で300MPa以上の静水圧で処理する方法(特許文献4)、ニンニク加工物を含有する固形製剤を、活性炭とともに密閉系容器中で保存することで、容器中における不快臭を抑制する方法(特許文献5)等が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-330245号公報
【特許文献2】国際公開第2004/050110号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/077963号パンフレット
【特許文献4】特開平6-335360号公報
【特許文献5】特開2009-78981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する新たな手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、エリスリトールに代表される糖アルコールがニンニク加工物の不快臭を抑制する作用を有し、ニンニク加工物と糖アルコールとを同一の組成物中に含有せしめることにより、組成物中のニンニク加工物由来の不快臭を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、ニンニク加工物と、糖アルコールとを含有する組成物を提供するものである。
また、本発明は、ニンニク加工物を含有する組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ニンニク加工物由来の不快臭が抑制され、品質安定性の良好な商品価値の高い組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本明細書において、「w/v%」は質量対容積百分率を意味し、具体的には、100mLの組成物当りに含まれる各成分の質量(g)を意味する。
まず、「組成物」の態様の発明について、以下に詳述する。
【0010】
本発明において、「ニンニク加工物」としては、ニンニク(Allium sativum)を加工して得られるものであればいかなるものを用いてもよい。ニンニクの使用部位は特に限定されず、その全草若しくはその一部(地上部、地下部、鱗茎、葉、茎、花等)又はそれらの2種以上の組み合わせを使用できるが、鱗茎を使用するのが好ましい。
また、「加工」としては、切断、加熱、乾燥、粉砕、抽出等が挙げられ、当該加工の種類は特に限定されず、具体的には例えば、加熱処理をすること;生ニンニクを乾燥後粉末化すること;溶媒で抽出処理をすること等が挙げられる。抽出溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン又はシクロアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;水(熱水を含む);菜種油、オリーブ油、大豆油等の食用植物油等が挙げられる。
本発明において、「ニンニク加工物」としては、加工大蒜、ニンニク抽出液、ニンニクエキス、乾燥ニンニク等が挙げられ、加工大蒜が好ましい。加工大蒜としては、例えば、オキソアミヂン(登録商標)、オキソアミヂン(登録商標)末、オキソレジン(登録商標)末(以上、理研化学工業(株))等が市販されている。
【0011】
本発明の組成物におけるニンニク加工物の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。例えば、組成物全質量に対して0.0001~15質量%が好ましく、0.001~10質量%がより好ましく、0.01~5質量%が更に好ましく、0.04~0.6質量%が特に好ましい。
なかでも、組成物の性状を、液状又は半固形状とする場合においては、ニンニク加工物の含有量は、液状又は半固形状の組成物全容量に対して0.0002~10w/v%含有するものが好ましく、0.002~1w/v%含有するものがより好ましく、0.02~0.5w/v%含有するものが特に好ましい。
【0012】
本発明において、「糖アルコール」としては、具体的には例えば、グリセリン等の炭素数3の糖アルコール(トリトール);エリスリトール、トレイトール等の炭素数4の糖アルコール(テトリトール);キシリトール、アラビニトール、リビトール、アドニトール等の炭素数5の糖アルコール(ペンチトール);マンニトール、ソルビトール、イジトール、ズルシトール、ガラクチトール等の炭素数6の糖アルコール(ヘキシトール);イソマルト、マルチトール、ラクチトール等の炭素数12の糖アルコール(ドデシトール)などが挙げられ、これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらの糖アルコールには各種の立体異性体が存在し得るが、「糖アルコール」としてはその立体配置は特に限定されず、各種の立体異性体単独でも、各種の立体異性体の任意の割合の混合物でも良い。
【0013】
上記糖アルコールの中では、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する作用の観点から、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、及びラクチトールよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、エリスリトール、マンニトール及びマルチトールよりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、エリスリトールが特に好ましい。
なお、これらの糖アルコールはいずれも公知の成分であり、公知の方法により製造しても良く、また、市販品を使用しても良い。なお、こうした市販品としては例えば、galenIQ(BENEO‐Palatinit GmbH)、エリスリトール(三栄源エフ・エフ・アイ(株))、キシリット(東和化成工業(株))、レシス(東和化成工業(株))、マンニットP(東和化成工業(株))、グリセリン(日油(株))、MALTISORB(ロケットジャパン(株))、アマルティシロップ(東和化成工業(株))等が挙げられる。
【0014】
本発明の組成物における糖アルコールの含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する作用の観点から、組成物全質量に対して0.0005~70質量%が好ましく、0.005~60質量%がより好ましく、0.05~50質量%が更に好ましく、0.075~10質量%が更に好ましく、0.1~5質量%が特に好ましい。
なかでも、組成物の性状を、液状又は半固形状とする場合においては、糖アルコールの含有量は、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する作用、さらにはニンニク加工物の沈殿生成を抑制する作用の観点から、液状又は半固形状の組成物全容量に対して0.001~10w/v%含有するものが好ましく、0.01~5w/v%含有するものがより好ましく、0.1~1w/v%含有するものが特に好ましい。
【0015】
本発明の組成物におけるニンニク加工物と糖アルコールとの含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する作用の観点から、ニンニク加工物を1質量部に対し、糖アルコールを0.1~50質量部含有するのが好ましく、0.5~40質量部含有するのがより好ましく、0.75~30質量部含有するのが更に好ましく、1~20質量部含有するのが特に好ましい。
【0016】
本発明において、「組成物」は固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的に応じて医薬品、医薬部外品、食品等において通常利用される形状とすることができる。例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の剤形が挙げられる。具体的には例えば、経口投与する製剤(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等)、膣に適用する製剤(膣錠、膣用坐剤等)、皮膚等に適用する製剤(外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等)等が挙げられる。
【0017】
本発明において組成物としては、液状又は半固形状の組成物が好ましい。ニンニク加工物を用いて液状又は半固形状の組成物とした場合、ニンニク加工物の沈殿生成が問題となることがあるが、後記試験例2及び3に具体的に開示の通り、エリスリトールに代表される糖アルコールが、ニンニク加工物の上記沈殿生成を抑制する作用を有することが明らかとなった。従って、本発明の組成物が液状又は半固形状である場合においては、ニンニク加工物由来の不快臭が抑制されるのみならず、ニンニク加工物の沈殿生成も抑制され、より一層商品価値の高められた組成物とすることができる。
【0018】
本発明において、「液状又は半固形状の組成物」の性状は特に限定されず、溶液、コロイド溶液(ゾル(懸濁液や乳濁液))、ゲル等のいずれであってもよい。また、溶媒あるいは基剤の種類・性質等は特に限定されず、親水性であっても油性等の疎水性であってもよく、さらには異なる複数種の溶媒・基剤を適宜混合・乳化等して用いてもよい。こうした溶媒・基剤としては、具体的には例えば、下記の添加物として例示された成分等が挙げられる。
【0019】
また、本発明の組成物としては、ニンニク加工物、糖アルコールに加えて、水を含有するものが好ましい(なお、本明細書において、水を含有する組成物を「含水組成物」と称する。)。本発明の組成物は、ニンニク加工物の沈殿生成が特に問題となり得る含水組成物の場合であっても、沈殿の生成が十分に抑制される。
ここで、組成物中の水の含有量は特に限定されないが、ニンニク加工物の沈殿生成を抑制する作用の観点から、組成物全質量に対して1質量%以上であるのが好ましく、60~99.99質量%であるのがより好ましく、80~99.9質量%であるのが更に好ましく、90~99.5質量%であるのが特に好ましい。
なお、本発明の組成物が液状又は半固形状の含水組成物である場合、組成物のpH(25℃)としては、2~6が好ましく、2~5がより好ましく、3~4が特に好ましい。
【0020】
また、本発明の組成物が液状又は半固形状の組成物である場合、ニンニク加工物、糖アルコールに加えて、エタノールを含有せしめてもよい。エタノールを用いることによって、組成物の使用感・服用感が改善される。なお、水とエタノールを組み合わせて用いてもよい。
エタノールを用いる場合、組成物中のエタノールの含有量は、組成物全容量に対して1w/v%以下であるのが好ましく、0.01~0.5w/v%であるのが特に好ましい。
【0021】
本発明において、液状又は半固形状の組成物が適用される剤形は特に限定されるものではなく、その利用目的等に応じて、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形から適宜選択できる。
本発明において、液状又は半固形状の組成物の剤形としては、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤(ゼリー状ドロップ剤)よりなる群から選ばれる剤形であるのが好ましく、経口液剤であるのが特に好ましい。
【0022】
なお、本発明の組成物は、その剤形に応じた種類の容器や包装体(例えば、瓶、かん、プラスチック容器、SP(Strip Package)包装、PTP(Press Through Package)包装、ピロー包装、スティック包装等)に収容されていてもよい。本発明において、容器の材質としては特に限定されないが、ガラス製であるのが好ましい。
【0023】
本発明の組成物には、医薬成分として、上記成分以外の薬物を配合してもよい。こうした薬物としては、例えば、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、アミノカルボン酸類、ステロール類、カルシウム塩・マグネシウム塩・鉄塩類、グルクロン酸類、コンドロイチン類、シクリトール類、配糖体類、チオクト酸類、生薬類等からなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0024】
ビタミンA類としては、例えば、ビタミンA油、レチノール酢酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、肝油、強肝油等が挙げられる。
ビタミンB類としては、例えば、硝酸ビスチアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、チアミン硝化物、オクトチアミン、シコチアミン、セトチアミン塩酸塩水和物、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、プロスルチアミン、ベンフォチアミンなどのビタミンB1;フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステルナトリウムなどのビタミンB2;ニコチン酸アミドなどのビタミンB3;パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウムなどのビタミンB5;ピリドキサールリン酸エステル水和物、ピリドキシン塩酸塩などのビタミンB6;ビオチンなどのビタミンB7;葉酸などのビタミンB9;塩酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びヒドロキソコバラミン酢酸塩などのビタミンB12等が挙げられる。
ビタミンC類としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
ビタミンD類としては、例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等が挙げられる。
ビタミンE類としては、例えば、コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール、トコフェロール、d-α-トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステル等が挙げられる。
【0025】
アミノカルボン酸類としては、例えば、L-アルギニン塩酸塩、L-イソロイシン、カルニチン塩化物、グリシン、L-グルタミン酸、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、重酒石酸コリン、タウリン、L-トレオニン、L-バリン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、DL-メチオニン、ヨークレシチン、L-リシン塩酸塩、L-ロイシン、L-システイン、L-システイン塩酸塩水和物、オロチン酸、オロチン酸コリン等が挙げられる。
ステロール類としては、例えば、ウルソデオキシコール酸、ガンマオリザノール、デヒドロコール酸等が挙げられる。
カルシウム塩・マグネシウム塩・鉄塩類としては、例えば、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム水和物、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム水和物、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、クエン酸鉄アンモニウム、フマル酸第一鉄、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0026】
グルクロン酸類としては、例えば、グルクロノラクトン、グルクロン酸、グルクロン酸アミド等が挙げられる。
コンドロイチン類としては、例えば、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
シクリトール類としては、例えば、イノシトール等が挙げられる。
配糖体類としては、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ナトリウム、ルチン水和物等が挙げられる。
チオクト酸類としては、例えば、チオクト酸、チオクト酸アミド等が挙げられる。
生薬類としては、例えば、アセンヤク、ウイキョウ、オウセイ、ガラナ、カンゾウ、ケイヒ、コウジン、サフラン、サンザシ、サンヤク、シゴカ、シャクヤク、シュクシャ、ショウキョウ、ジョテイシ、セイヨウサンザシ、タイソウ、チョウジ、チンピ、トウキ、トシシ、トチュウ、ニクジュヨウ、ニンジン、ブクリョウ、ムイラプアマ、モッコウ、ヤクチ、ヨクイニン、リュウガンニク、ローヤルゼリー等が挙げられる。
【0027】
本発明の組成物には、その剤形、投与方法等に応じて医薬品分野、医薬部外品分野、食品分野等において用いられる添加物を配合してもよい。こうした添加物としては、例えば、甘味剤、pH調整剤、抗酸化剤、着色剤、香料、矯味剤、保存剤等が挙げられる。
【0028】
甘味剤としては、例えば、白糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、乳糖、ハチミツ、トレハロース、スクラロース、サッカリン及びその塩、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸;塩酸等の無機酸;水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、エデト酸及びその塩、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、タール色素、三二酸化鉄、カラメル等が挙げられる。
香料としては、例えば、アップルフレーバー等が挙げられる。
矯味剤としては、例えば、クエン酸及びその塩、L-グルタミン酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、ポビドン、l-メントール等が挙げられる。
保存剤としては、例えば、安息香酸及びその塩、パラベン等が挙げられる。
【0029】
本発明において、組成物の製造方法は特に限定されず、配合する成分の種類や量、組成物の性状、剤形、投与経路や用途等に応じて、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。
【0030】
本発明の組成物の投与経路(服用経路)は特に限定されず、経口及び経皮、経膣等の非経口が挙げられる。本発明においては、経口が好ましい。
【0031】
本発明の組成物は、疲労回復効果や滋養強壮効果等を有するニンニク加工物を含有することから、医療用医薬品、OTC医薬品、医薬部外品、食品等として用いることができる。具体的には例えば、以下の(ア)~(カ):
(ア)体力、身体抵抗力又は集中力の維持・改善;
(イ)疲労の回復・予防;
(ウ)虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防;
(エ)日常生活における栄養不良に伴う身体不調の改善・予防;
(オ)病中病後の体力低下時、発熱を伴う消耗性疾患時、食欲不振時、妊娠授乳期又は産前産後の栄養補給;
(カ)目の疲れ;
のいずれか1以上を効能又は効果とする医薬品や医薬部外品とすることができる。本発明においては、(ア)~(オ)のいずれか1以上を効能又は効果として含む医薬部外品とするのが特に好ましい。
【0032】
次に、「不快臭の抑制方法」の態様の発明について、以下に詳述する。
本発明は、ニンニク加工物を含有する組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する方法にも関する。
斯かる態様において、ニンニク加工物と糖アルコールを組成物中に含有せしめる方法、含有せしめる順序等は特に限定されず、両成分を含有する組成物が直接的又は間接的に作出されればよい。
なお、斯かる態様の発明において、各種文言の意義、各成分の含有量等は全て上記した本発明の「組成物」について説明したのと同様である。
【0033】
次に、「沈殿生成の抑制方法」の態様の発明について、以下に詳述する。
本発明は、ニンニク加工物を含有する液状又は半固形状の組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の沈殿生成を抑制する方法にも関する。
斯かる態様において、ニンニク加工物と糖アルコールを液状又は半固形状の組成物中に含有せしめる方法、含有せしめる順序等は特に限定されず、両成分を含有する組成物が直接的又は間接的に作出されればよい。
なお、斯かる態様の発明において、各種文言の意義、各成分の含有量等は全て上記した本発明の「組成物」について説明したのと同様である。
【0034】
なお、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様を開示する。
[1A] ニンニク加工物と、糖アルコールとを含有する、組成物。
[2A] 糖アルコールが、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール及びラクチトールよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]記載の組成物。
[3A] 糖アルコールが、エリスリトールである、[1A]又は[2A]記載の組成物。
[4A] 経口投与する製剤である、[1A]~[3A]のいずれか記載の組成物。
[5A] 錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1A]~[4A]のいずれか記載の組成物。
[6A] 液状又は半固形状の組成物である、[1A]~[5A]のいずれか記載の組成物。
[7A] 経口液剤である、[1A]~[6A]のいずれか記載の組成物。
【0035】
[1B] ニンニク加工物を含有する組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の不快臭を抑制する方法。
[2B] 糖アルコールが、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール及びラクチトールよりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]記載の方法。
[3B] 糖アルコールが、エリスリトールである、[1B]又は[2B]記載の方法。
[4B] 組成物が、経口投与する製剤である、[1B]~[3B]のいずれか記載の方法。
[5B] 組成物が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1B]~[4B]のいずれか記載の方法。
[6B] 組成物が、液状又は半固形状の組成物である、[1B]~[5B]のいずれか記載の方法。
[7B] 組成物が、経口液剤である、[1B]~[6B]のいずれか記載の方法。
【0036】
[1C] ニンニク加工物を含有する液状又は半固形状の組成物中に糖アルコールを含有せしめる工程を含む、ニンニク加工物由来の沈殿生成を抑制する方法。
[2C] 糖アルコールが、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール及びラクチトールよりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]記載の方法。
[3C] 糖アルコールが、エリスリトールである、[1C]又は[2C]記載の方法。
[4C] 組成物が、経口投与する製剤である、[1C]~[3C]のいずれか記載の方法。
[5C] 組成物が、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1C]~[4C]のいずれか記載の方法。
[6C] 組成物が、経口液剤である、[1C]~[5C]のいずれか記載の方法。
【実施例0037】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0038】
[試験例1]不快臭の抑制作用の評価
下記の実施例1及び比較例1の組成物をそれぞれ調製し、その臭い(組成物に対し10cm程度まで鼻を近づけた時に感じる臭い/組成物を口に含んだ時に口内から鼻に抜ける臭い)について、
0:ニンニク加工物由来の不快臭を全く感じない
1:ニンニク加工物由来の不快臭を殆ど感じない
2:ニンニク加工物由来の不快臭を感じる
3:ニンニク加工物由来の不快臭を強く感じる
の4段階で評価した。評価は20歳台~40歳台の男性5名で行い、平均値を算出した。
なお、実施例1の組成物の評価と比較例1の組成物の評価とは、同日に1時間の間隔をあけて実施した。
結果を表1に示す。
【0039】
〔実施例1〕
ニンニク加工物(オキソアミヂン末:理研化学工業(株))500mg、エリスリトール(エリスリトールT:三菱ケミカルフーズ(株))800mg及び安息香酸ナトリウム30mgを精製水に全量100mLとなるよう溶解・分散せしめ、実施例1の液状の組成物を得た。
〔比較例1〕
エリスリトールを配合しないほかは実施例1と同様の方法により、比較例1の液状の組成物を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、エリスリトールを含有しない比較例1の組成物では、鼻を近づけた場合も口に含んだ場合も同様にニンニク加工物由来の不快臭が強く感じられたのに対し、エリスリトールを含有する実施例1の組成物ではいずれの場合もニンニク加工物由来の不快臭は一切感じられなかった。
なお、エリスリトールそのもの自体は臭いの無い成分であるとされている(医薬品添加物規格2013、株式会社薬事日報社発行)ことから、表1で確認されたニンニク加工物由来の不快臭の抑制作用は、他の成分の臭いによるマスキングとは全く異なる作用であることが示唆された。
【0042】
以上の試験結果から、エリスリトールに代表される糖アルコールがニンニク加工物の不快臭を抑制する作用を有し、ニンニク加工物と糖アルコールとを同一の組成物中に含有せしめることにより、組成物中のニンニク加工物由来の不快臭を抑制できることが明らかとなった。
【0043】
[試験例2]安定性試験
試験例1に記載の実施例1及び比較例1の組成物(液状の組成物)をそれぞれ調製した。得られた各組成物を25℃で保存しつつ定期的に沈殿生成の有無を目視により評価し、いずれの組成物に先に沈殿生成が認められるかを確認した。先に沈殿生成が認められたものを×とし、この沈殿生成までは沈殿生成が認められなかったものを〇とした。
結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
[試験例3]安定性試験 その2
下記の実施例2及び比較例2の組成物(液状の組成物)をそれぞれ調製し、試験例2と同様に、いずれの組成物に先に沈殿生成が認められるかを確認した。
結果を表3に示す。
【0046】
〔実施例2〕
ニンニク加工物(オキソアミヂン末:理研化学工業(株))1000mg、エリスリトール(エリスリトールT:三菱ケミカルフーズ(株))4000mg、エタノール1000mg及び安息香酸ナトリウム30mgを精製水に全量100mLとなるよう溶解・分散せしめ、実施例2の液状の組成物を得た。
〔比較例2〕
エリスリトールを配合しないほかは実施例2と同様の方法により、比較例2の液状の組成物を得た。
【0047】
【表3】
【0048】
表2~3から明らかなように、ニンニク加工物を含有する液状の組成物にさらにエリスリトールを含有せしめた場合(実施例1~2)には、エリスリトールを含有しない場合(比較例1~2)と比較して沈殿生成が抑制されることが明らかとなった。
【0049】
以上の試験例2及び3の結果から、エリスリトールに代表される糖アルコールが、液状又は半固形状の組成物中において、ニンニク加工物由来の沈殿生成を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0050】
[製造例1~10]
常法により、下記表4、表5に記載の成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物(経口液剤)を製造し、これをガラス瓶に収容して、それぞれ製造例1~10の製品を得た。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
[製造例11~16]
1錠当りに下記表6に記載の成分及び分量を含有する錠剤(製造例11~15:錠剤、製造例16:口腔内崩壊型錠剤)を常法により製造した。得られた錠剤を、常法によりPTP包装し、次いでアルミピロー包装し、これをさらに紙箱に入れて製造例11~16の医薬品を得た。なお、下記表において各成分の分量は、換算量を特に断らない限り、表示した成分そのものの量を示す。
【0054】
【表6】
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、疲労回復効果や滋養強壮効果等を有するニンニク加工物を含有し、かつニンニク加工物由来の不快臭が抑制された品質安定性の良好な商品価値の高い組成物を提供することができるため、医薬品産業、食品産業等において利用できる。