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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103726
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】シャフト保持機構及び減速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20240725BHJP
   F16H 57/023 20120101ALI20240725BHJP
   F16H 57/029 20120101ALI20240725BHJP
【FI】
F16H57/04 J
F16H57/023
F16H57/029
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024090667
(22)【出願日】2024-06-04
(62)【分割の表示】P 2020091150の分割
【原出願日】2020-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】紀平 誠人
(57)【要約】
【課題】シール部材に効果的に潤滑剤を供給できるシャフト保持機構及び減速機を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るシャフト保持機構は、潤滑剤が収容される収容空間Sを形成するケース5と、ケース5に形成された貫通孔36を通じてケース5を貫通する入力軸7と、貫通孔36内において入力軸7の周囲を取り囲み、入力軸7とケース5との間を密閉するシールリング123と、シールリング123に対して収容空間Sとは反対側に設けられ、貫通孔36内で入力軸7を回転可能に支持する軸受115と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤が収容される収容空間を形成する基部と、
前記基部に形成された貫通孔を通じて前記基部を貫通するシャフトと、
前記貫通孔内において前記シャフトの周囲を取り囲み、前記シャフトと前記基部との間を密閉するシール部材と、
前記シール部材に対して前記収容空間とは反対側に設けられ、前記貫通孔内で前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備えているシャフト保持機構。
【請求項2】
前記軸受に対して前記収容空間とは反対側には、前記シール部材が配置されていない請求項1に記載のシャフト保持機構。
【請求項3】
前記シャフトは、前記シール部材から分離した状態で前記基部から取り外し可能に構成され、
前記シール部材の内径は、前記軸受の内径よりも小さい請求項1又は請求項2に記載のシャフト保持機構。
【請求項4】
前記収容空間内には、前記シャフトに接続される減速機構部が設けられている請求項3に記載のシャフト保持機構。
【請求項5】
前記シャフトのうち前記シール部材に対して前記収容空間側に位置する端部には、前記減速機構部に接続される歯車が設けられ、
前記歯車の外径は、前記シール部材の内径よりも小さい請求項4に記載のシャフト保持機構。
【請求項6】
前記基部のうち前記軸受に対して前記シール部材とは反対側には、前記シール部材から離間する向きへの前記軸受の移動を規制する規制部材が前記基部に着脱可能に設けられている請求項3から請求項5の何れか1項に記載のシャフト保持機構。
【請求項7】
潤滑剤が収容される収容空間を形成するケースと、
前記収容空間内に収容された減速機構部と、
前記ケースに形成された貫通孔を通じて前記ケースを貫通し、前記ケース内で前記減速機構部に接続されるシャフトと、
前記貫通孔内において前記シャフトの周囲を取り囲み、前記シャフトと前記ケースとの間を密閉するシール部材と、
前記シール部材に対して前記収容空間とは反対側に設けられ、前記貫通孔内で前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備えている減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフト保持機構及び減速機に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボット等で用いられる回転機器では、モータの駆動トルクを減速するための減速機が搭載されている。この種の減速機は、ケースと、ケース内に収容された複数の歯車と、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。ケースには、モータの入力軸が貫通する貫通孔が形成されている。貫通孔内には、入力軸を回転可能に支持する軸受が設けられている。
【0003】
ところで、減速機のケース内には、各歯車間での潤滑性の確保や、シール部材の冷却等を目的として潤滑剤が封入されている。潤滑剤は、貫通孔内に設けられたシール部材によってケースの外部への流出が規制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59-131641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、シール部材が軸受に対してケースの外側に配置されているため、潤滑剤がシール部材に行き届き難かった。そのため、シール部材と入力軸との間に発生する摩擦熱等によってシール部材が高温になる可能性があった。
【0006】
本発明は、シール部材に効果的に潤滑剤を供給できるシャフト保持機構及び減速機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係るシャフト保持機構は、潤滑剤が収容される収容空間を形成する基部と、前記基部に形成された貫通孔を通じて前記基部を貫通するシャフトと、前記貫通孔内において前記シャフトの周囲を取り囲み、前記シャフトと前記基部との間を密閉するシール部材と、前記シール部材に対して前記収容空間とは反対側に設けられ、前記貫通孔内で前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備えている。
【0008】
本態様によれば、収容空間内での潤滑剤の流れが軸受によって遮られるのを抑制できる。そのため、シール部材に対して効果的に潤滑剤を行き届かせることができる。その結果、シール部材がシャフトとの間で生じる摩擦熱等によって高温になるのを抑制できる。この場合には、例えばシール部材の熱変形等を抑制し、シール性を長期に亘って維持できる。
【0009】
上記態様のシャフト保持機構において、前記軸受に対して前記収容空間とは反対側には、前記シール部材が配置されていないことが好ましい。
【0010】
上記態様のシャフト保持機構において、前記シャフトは、前記シール部材から分離した状態で前記基部から取り外し可能に構成され、前記シール部材の内径は、前記軸受の内径よりも小さいことが好ましい。
【0011】
上記態様のシャフト保持機構において、前記収容空間内には、前記シャフトに接続される減速機構部が設けられていることが好ましい。
【0012】
上記態様のシャフト保持機構において、前記シャフトのうち前記シール部材に対して前記収容空間側に位置する端部には、前記減速機構部に接続される歯車が設けられ、前記歯車の外径は、前記シール部材の内径よりも小さいことが好ましい。
【0013】
上記態様のシャフト保持機構において、前記基部のうち前記軸受に対して前記シール部材とは反対側には、前記シール部材から離間する向きへの前記軸受の移動を規制する規制部材が前記基部に着脱可能に設けられていることが好ましい。
本発明の一態様に係る減速機は、潤滑剤が収容される収容空間を形成するケースと、前記収容空間内に収容された減速機構部と、前記ケースに形成された貫通孔を通じて前記ケースを貫通し、前記ケース内で前記減速機構部に接続されるシャフトと、前記貫通孔内において前記シャフトの周囲を取り囲み、前記シャフトと前記ケースとの間を密閉するシール部材と、前記シール部材に対して前記収容空間とは反対側に設けられ、前記貫通孔内で前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備えている。
【発明の効果】
【0014】
上記各態様によれば、シール部材に効果的に潤滑剤を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る減速機の断面図である。
図2図1のII部拡大図である。
図3】第2実施形態に係る減速機の断面図である。
図4】第3実施形態に係る減速機の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0017】
(第1実施形態)
[減速機1]
図1は、減速機1の断面図である。
図1に示すように、減速機1は、例えば産業用ロボット等において回動可能に連結された一対のアームの連結部分(関節部分)に設けられる。減速機1は、モータ(不図示)から入力される駆動トルクを減速して出力する。減速機1の出力側には、例えば把持ヘッド等が取り付けられる。
【0018】
減速機1は、ケース(基部)5と、減速機構部6と、入力軸(シャフト)7と、を備えている。
【0019】
<ケース5>
ケース5は、減速機構部6を収容する収容空間Sを形成する。ケース5は、第1ケース21及び第2ケース22が組み合わされることで、全体として有底筒状をなしている。以下の説明では、ケース5の軸線O1に沿う方向を単に軸方向といい、軸方向から見て軸線O1に交差する方向を径方向といい、軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
第1ケース21は、筒部21aと、フランジ部21bと、を備えている。
筒部21aの内周面には、内歯24が設けられている。内歯24は、筒部21aの内周面に形成された複数のピン溝25と、各ピン溝25内に各々収容された内歯ピン26と、を備えている。
ピン溝25は、筒部21aの内周面上で開口するとともに、軸方向に延在している。各ピン溝25は、周方向に等ピッチで形成されている。
内歯ピン26は、軸方向に沿って延びる円柱状に形成されている。内歯ピン26は、一部がピン溝25から径方向の内側に突出した状態で、ピン溝25内に収容されている。内歯ピン26は、軸線O1と平行な軸線回りに回転可能に、ピン溝25に保持されている。なお、内歯24は、筒部21aに一体で形成されていてもよい。
【0021】
フランジ部21bは、筒部21aにおける軸方向の中央部から径方向の外側に張り出している。
【0022】
第2ケース22は、第1ケース21の開口部を軸方向の第1側から閉塞している。第2ケース22は、軸方向の第2側に向けて開口する有底筒状に形成されている。上述した第1ケース21は、筒部21aが第2ケース22の周壁31内に嵌め込まれ、かつフランジ部21bが周壁31に軸方向で突き合わされた状態で、第2ケース22に組み付けられている。なお、筒部21aの外周面と周壁31の内周面との間には、シール材28が介在している。
【0023】
第2ケース22の底壁32は、周壁31における軸方向の第1側端縁から径方向の内側に張り出している。底壁32は、環状に形成されている。底壁32の内周縁には、支持筒35が形成されている。支持筒35は、軸線O1と同軸において、軸方向の第1側に延びている。支持筒35の内側は、ケース5の内外を接続する貫通孔36を構成している。
【0024】
図2は、図1のII部拡大図である。
図2に示すように、支持筒35は、軸方向の第1側から第2側にかけて内径が段々と縮小している。具体的に、支持筒35は、大径部37、中径部38及び小径部39が軸方向に連なっている。大径部37には、溝40が形成されている。溝40は、大径部37の内周面において、全周に亘って延びている。大径部37と中径部38とを接続する第1段差面37a、及び中径部38と小径部39とを接続する第2段差面38aは、それぞれ軸方向に直交する平坦面に形成されている。
【0025】
<減速機構部6>
図1に示すように、減速機構部6は、キャリア11と、複数の揺動歯車(第1揺動歯車12及び第2揺動歯車13)と、複数のクランクシャフト14と、を備えている。減速機構部6は、収容空間S内に封入された潤滑剤によって潤滑性能が維持されている。
【0026】
キャリア11は、減速機1の出力部である。キャリア11は、ケース5の内側で軸線O1回りに回転可能に設けられている。本実施形態のキャリア11は、第1ブロック41と、第2ブロック42と、を備えている。
第1ブロック41は、ケース5内における軸方向の第1側に配置されている。第1ブロック41は、軸線O1と同軸に配置された円板状に形成されている。第1ブロック41の外周面と筒部21aの内周面との間には、軸受43が介在している。これにより、第1ブロック41は、軸線O1回りに回転可能にケース5に支持されている。
【0027】
第1ブロック41における径方向の中央部には、第1ブロック41を軸方向に貫通する第1貫通孔44が形成されている。第1ブロック41の外周部分には、複数の第1軸支持孔45が形成されている。第1軸支持孔45は、軸方向の第1側に向かうに従い内径が漸次縮小するテーパ部分を有している。各第1軸支持孔45は、周方向に間隔をあけて形成されている。
【0028】
第2ブロック42は、ケース5内において第1ブロックに対して軸方向の第2側に配置されている。第2ブロック42は、基板50と、支柱51と、を備えている。
基板50は、軸線O1と同軸に配置された円板状に形成されている。基板50は、第1ケース21(筒部21a)における軸方向の第2側に位置する開口部を閉塞している。基板50の外周面と筒部21aの内周面との間には軸受53が介在している。これにより、第2ブロック42は、軸線O1回りに回転可能にケース5に支持されている。
【0029】
基板50の外周面と筒部21aの内周面との間において、軸受53よりも軸方向の第2側(第1ブロック41とは反対側)には、シールリング55が介在している。シールリング55は、基板50の周囲を取り囲んでいる。シールリング55は、基板50の外周面と筒部21aの内周面とに密接している。これにより、シールリング55は、第2ケース22の開口部を通じたケース5内外の接続を遮断している。シールリング55は、基板50の回転に伴い、基板50及び筒部21aの少なくとも一方(本実施形態では基板50)に摺動可能に構成されている。
【0030】
基板50における径方向の中央部には、基板50を軸方向に貫通する第2貫通孔57が形成されている。第2貫通孔57は、中央キャップ58aにより封止されている。基板50の外周部分には、複数の第2軸支持孔59が形成されている。第2軸支持孔59は、軸方向の第2側に向かうに従い内径が漸次縮小するテーパ部分を有している。各第2軸支持孔59は、上述した各第1軸支持孔45のそれぞれに軸方向で対向している。なお、第2軸支持孔59は、外周キャップ58bにより封止されている。
【0031】
支柱51は、基板50のうち隣り合う第2軸支持孔59間に位置する部分から軸方向の第1側に突出している。支柱51は、第1ブロック41に軸方向で突き合わされた状態で、ボルト60等によって第1ブロック41に固定されている。これにより、第1ブロック41及び第2ブロック42は、ケース5に対して一体で回転する。
【0032】
第1揺動歯車12及び第2揺動歯車13は、軸方向に重ね合わされた状態で筒部21aの内側に配置されている。第1揺動歯車12及び第2揺動歯車13は、筒部21aの内径よりも若干小さい外径に形成されている。第1揺動歯車12の外周面には、外歯12aが形成されている。第2揺動歯車13の外周面には、外歯13aが形成されている。第1揺動歯車12の外歯12a、及び第2揺動歯車13の外歯13aは、上述した内歯24(内歯ピン26)にそれぞれ噛み合っている。外歯12a,13aの歯数は、内歯ピン26(ピン溝25)の数よりも僅かに少なく(例えば、一つ少なく)設定されている。なお、揺動歯車は、1枚であってもよい。
【0033】
第1揺動歯車12の中央部には、第1中央孔62が形成されている。第2揺動歯車13の中央部には、第2中央孔63が形成されている。各中央孔62,63の内径は、第1貫通孔44の内径と同等になっている。
【0034】
第1揺動歯車12の外周部分には、複数の第1逃げ孔65が形成されている。各第1逃げ孔65は、周方向に間隔をあけて形成されている。第2揺動歯車13の外周部分には、複数の第2逃げ孔66が形成されている。各第2逃げ孔66は、第1逃げ孔65と同一ピッチで周方向に間隔をあけて形成されている。各逃げ孔65,66には、上述した複数の支柱51のうち対応する支柱51が各別に貫通している。逃げ孔65,66の内径は、支柱51の外径よりも大きくなっている。これにより、各揺動歯車12,13の動作が支柱51によって妨げられないようになっている。
【0035】
第1揺動歯車12の外周部分において、隣り合う第1逃げ孔65間に位置する部分には、第1通過孔67が形成されている。第2揺動歯車12の外周部分において、隣り合う第2逃げ孔66間に位置する部分には、第2通過孔68が形成されている。各通過孔67,68は、上述した各軸支持孔45,46と同一ピッチで配置されている。
【0036】
クランクシャフト14は、キャリア11と揺動歯車12,13との間の動力伝達部として機能する。クランクシャフト14は、対応する軸支持孔45,46及び通過孔67,68を貫通して、第1ブロック41及び基板50間に架け渡されている。具体的に、クランクシャフト14は、主軸71と、第1偏心部72と、第2偏心部73と、突出部74と、を備えている。
【0037】
主軸71は、軸線O1と平行な軸線O2に沿って延びている。主軸71のうち軸方向の第1側端部は、軸受76を介して第1軸支持孔45内で回転可能に支持されている。主軸71のうち軸方向の第2側端部は、軸受77を介して第2軸支持孔46内で回転可能に支持されている。なお、軸受76,77は、例えば転動体として円筒ころを持つアンギュラ軸受である。
【0038】
第1偏心部72は、主軸71のうち第1通過孔67内に位置する部分に形成されている。第1偏心部72の軸線O3は、主軸71の軸線O2に対して偏心している。第1偏心部72は、偏心部軸受81を介して第1通過孔67内で回転可能に支持されている。
第2偏心部73は、主軸71のうち第2通過孔68内に位置する部分に形成されている。第2偏心部73の軸線O4は、主軸71の軸線O2に対して偏心している。第2偏心部73は、偏心部軸受82を介して第2通過孔68内で回転可能に支持されている。なお、各偏心部72,73は、軸線O2回りで例えば180°位相がずれている。
【0039】
突出部74は、主軸71から軸方向の第1側に突出している。突出部74には、伝達歯車85が取り付けられている。
【0040】
<入力軸7>
図2に示すように、入力軸7は、モータの回転に伴い軸線O1回りに回転することで、モータの駆動トルクを減速機構部6に伝達する。入力軸7は、外軸100と、内軸101と、歯車軸102と、が組み合わされた構成である。
【0041】
外軸100は、軸線O1に沿って延びる中空丸軸である。外軸100内には、軸方向の第1側からモータが連結される。外軸100のうち軸方向の第2側端部には、外軸100の中央部よりも外径が拡大する拡大部110が形成されている。拡大部110の外周面には、溝111が形成されている。溝111は、拡大部110の外周面において周方向の全周に亘って延びている。拡大部110のうち、溝111に対して軸方向の第1側に位置する部分には、径方向の外側に張り出す突起112が形成されている。突起112は、例えば拡大部110の全周に亘って延びている。
【0042】
入力軸7は、拡大部110と支持筒35との間に介在する軸受115を介してケース5に回転可能に支持されている。軸受115の外輪115aは、支持筒35の大径部37内に挿入されている。外輪115aは、第1段差面37aと溝40内に嵌め込まれた止め輪(規制部材)117との間に保持されている。止め輪117は、例えばCリングやEリング等、周方向の一部が切除された環状に形成されている。止め輪117は、内周部分が大径部37の内周面から突出した状態で、溝40内に嵌め込まれている。止め輪117は、径方向に拡大又は縮小するように弾性変形可能に構成されている。そのため、止め輪117は、自然長の状態から例えば工具等によって収縮させることで、溝40に対して着脱可能に構成されている。
【0043】
外輪115aのうち軸方向の第2側端面は、第1段差面37aに突き当てられている。外輪115aのうち軸方向の第1側端面は、止め輪117に突き当てられている。これにより、外輪115aは、貫通孔57内において、ケース5に対する軸方向の移動が規制されている。
【0044】
軸受115のうち内輪115bは、拡大部110の突起112と、溝111に嵌め込まれた止め輪119と、の間に保持されている。具体的に、拡大部110は、内輪115bの内側に挿入されている。止め輪119は、内周部分が拡大部110の外周面から突出した状態で、溝111内に嵌め込まれている。内輪115bのうち軸方向の第1側端面は、突起112に突き当てられている。内輪115bのうち軸方向の第2側端面は、止め輪119に突き当てられている。これにより、内輪115bは、入力軸7に対する軸方向の移動が規制されている。
【0045】
内軸101は、軸線O1に沿って延びる中空丸軸である。具体的に、内軸101は、固定部120と、固定部120に対して軸方向の第2側に連なる張出部121と、を備えている。
固定部120は、圧入等によって外軸100内に固定されている。但し、内軸101は、外軸100に対して回転不能な構成であれば、圧入以外の方法(例えば、キーやDカット等)で外軸100に固定してもよい。
【0046】
張出部121は、外軸100から軸方向の第2側に突出している。張出部121の外径は、固定部120に対して外径よりも大きく、拡大部110の外径よりも小さくなっている。張出部121と支持筒35の中径部38との間には、シールリング(シール部材)123が介在している。シールリング123は、張出部121の周囲を取り囲んでいる。シールリング123の内径は、軸受115(内輪115b)の内径よりも小さくなっている。シールリング123は、張出部121の外周面と中径部38の内周面とに密接している。これにより、シールリング123は、貫通孔36内において、軸受115よりも軸方向の第2側(収容空間S側)でケース5内外の接続を遮断している。すなわち、軸受115は、シールリング123に対して大気側に配置されている。シールリング123は、入力軸7の回転に伴い、張出部121の外周面及び中径部38の内周面の少なくとも一方(本実施形態では張出部121)に摺動可能に構成されている。なお、シールリング123は、第2段差面38aと軸受115との間でケース5に対する軸方向の移動が制限されている。
【0047】
歯車軸102は、軸線O1に沿って延びる中実丸軸である。歯車軸102は、固定部130と、固定部130に対して軸方向の第2側に連なる入力歯車(歯車)131と、を備えている。
固定部130は、圧入等によって内軸101内に固定されている。
【0048】
入力歯車131は、内軸101から軸方向の第2側に突出している。入力歯車131は、ケース5内において、伝達歯車85に噛み合っている。入力歯車131の最大外径は、シールリング123の内径よりも小さくなっている。なお、少なくとも入力軸7、ケース5、軸受115及びシールリング123により、本実施形態のシャフト保持機構が構成されている。
【0049】
図1に示すように、本実施形態の減速機1では、モータの駆動トルクによって入力軸7が回転することで、モータの駆動トルクが伝達歯車85を介して減速機構部6に入力される。伝達歯車85に伝達されたトルクによって各クランクシャフト14が一方向に回転すると、クランクシャフト14の各偏心部72,73が軸線O2回りに偏心しながら回転する。これにより、各揺動歯車12,13は、偏心部72,73の回転に倣ってケース5内を揺れながら軸線O1回りに自転する。その結果、揺動歯車12,13は、外歯12a,13aが内歯ピン26を例えば一つずつ乗り越えながら回転する。揺動歯車12,13の回転に伴い、キャリア11が第1軸線O1回りに回転する。その結果、クランクシャフト14の回転が減速されてキャリア11の回転として出力される。
【0050】
ここで、上述したようにケース5内には、減速機構部6の潤滑等を目的として、潤滑剤が封入されている。潤滑剤は、減速機構部6の動作(例えば、減速機構部6自体の回転や、減速機構部6で発生する熱による低粘度化等)によってケース5内を移動する。本実施形態では、ケース5と第2ブロック42との間に介在するシールリング55、及びケース5と入力軸7との間に介在するシールリング123によって、収容空間Sが密閉されている。これにより、潤滑剤がケース5から漏れるのを抑制できる。
【0051】
特に、本実施形態では、ケース5の貫通孔57内において、シールリング123よりも収容空間Sとは反対側(大気側)に軸受115が配置される構成とした。
この構成によれば、ケース5内での潤滑剤の流れが軸受115によって遮られるのを抑制できる。そのため、シールリング123に対して効果的に潤滑剤を行き届かせることができる。その結果、シールリング123が入力軸7との間で生じる摩擦熱等によって高温になるのを抑制できる。この場合には、例えばシールリング123の熱変形等を抑制し、シール性を長期に亘って維持できる。
【0052】
本実施形態では、軸受115に対して収容空間Sとは反対側には、シールリングが配置されていない構成とした。
この構成によれば、減速機1が有する全てのシールリング55,123に対して効果的に潤滑剤を供給することができる。
【0053】
ところで、従来のようにシール部材が軸受に対してケースの外側に配置されている構成において、仮に減速機から入力軸を取り外す必要が生じた場合には、入力軸よりも先にシール部材を取り外す必要がある。この場合、シール部材を取り外すにあたって、貫通孔とシール部材との間に治具等を差し入れることでケースに傷が付く等の可能性がある。
【0054】
ここで、本実施形態の減速機1において、入力軸7の着脱方法について説明する。
まず、モータを取り外した後、軸方向の第1側から貫通孔57内に工具等を差し入れる。そして、止め輪117を収縮変形させることで、止め輪117をケース5から取り外す。これにより、ケース5に対する軸受115の軸方向の第1側への移動が許容される。
【0055】
続いて、入力軸7をケース5から引き抜くことで、入力軸7全体が軸受115とともにケース5から取り外される。すなわち、入力軸7は、シールリング123から分離した状態でケース5から取り外される。これにより、止め輪119を取り外して軸受115を交換したり、貫通孔57内のシールリング123を交換したりすることができる。
【0056】
入力軸7を再びケース5に取り付けるには、まず軸受115を入力軸7に取り付ける。具体的には、拡大部110を内輪115bの内側に挿入した後、止め輪119を拡大部110に取り付ける。続いて、軸受115とともに、入力軸7を貫通孔57内に挿入する。この際、外輪115aが第1段差面37aに突き当たるまで入力軸7を挿入することで、入力歯車131が伝達歯車85に噛み合う。その後、貫通孔57内に止め輪117を取り付けること、入力軸7の取り付けが完了する。
【0057】
このように、本実施形態では、入力軸7がシールリング123から分離した状態でケース5に対して着脱可能に構成されている構成とした。
この構成によれば、入力軸7をケース5から取り外すにあたって、シールリング123を取り外す必要がない。そのため、貫通孔57の内周面に工具等が接触するおそれを少なくできる。したがって、ケース5に傷が付くのを抑制できる。また、工具とケース5との接触を気にしながら作業を行う場合に比べ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0058】
しかも、本実施形態では、シールリング123の内径が軸受115の内径よりも小さくなっている。
そのため、入力軸7を取り外す際に、入力軸7のうちシールリング123との密接部分(拡大部110)が軸受115やケース5に接触するのを抑制できる。
【0059】
本実施形態では、収容空間S内に減速機構部6が設けられている構成とした。
この構成によれば、上述したようにケース5内からの潤滑剤の漏れを抑制できるので、減速機構部6の潤滑性能を長期に亘って維持できる。
【0060】
本実施形態では、入力歯車131の外径がシールリング123の内径よりも小さい構成とした。
この構成によれば、入力軸7を取り外す際に入力歯車131とシールリング123とが接触するのを抑制できる。その結果、メンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0061】
本実施形態では、シールリング123から離間する向き(軸方向の第1側)への軸受115の移動を規制する止め輪117がケース5に着脱可能に設けられている構成とした。 この構成によれば、入力軸7を取り外す際に、止め輪117をケース5から取り外すだけで、入力軸7を軸受115とともに一体で取り外すことができる。これにより、メンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0062】
なお、第1実施形態では、軸受115が入力軸7と一体で取り外される構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、入力軸7は、軸受115とは別に取り外される構成であってもよい。この場合、軸受115やシールリング123、入力歯車131のサイズは適宜変更が可能である。また、入力軸7は、取り外し不能(取り外しを前提としない構成)でもよい。
上述した実施形態では、軸受115がシールリング123に対して大気側に配置された構成について説明したが、この構成に限られない。減速機1は、シールリング123が軸受115に対して収容空間S側に配置されていればよい。
上述した実施形態では、入力軸7が複数の部材(外軸100や内軸101、歯車軸102)に分割された構成について説明したが、この構成に限られない。入力軸7は、一体形成されていてもよい。
上述した実施形態では、軸受115が貫通孔36に挿入される構成について説明したが、この構成に限られない。軸受115は圧入等によってケース5に固定されていてもよい。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る減速機200の断面図である。本実施形態では、入力軸230が減速機構部6を軸方向に貫通している点で、上述した第1実施形態と相違している。
図3に示す減速機200において、ケース5の第2ケース22は、軸方向の第2側に向けて開口する有底筒状に形成されている。第2ケース22には、周壁31から径方向の外側に張り出すフランジ部210が形成されている。フランジ部210は、第1ケース21の筒部21aに軸方向で突き当てられた状態で、筒部21aに固定されている。
【0064】
第2ケース22の底壁32には、第1実施形態の貫通孔36が形成されていない。したがって、第2ケース22は、第1ケース21の開口部全体を軸方向の第1側から閉塞している。
【0065】
本実施形態において、第2貫通孔57の内径は、軸方向の第2側に向かうに従い段々と縮小している。具体的に、第2貫通孔57は、大径部220、中径部221及び小径部222を有している。大径部220と中径部221とは、段差面220aを介して連なっている。なお、第2ブロック(基部)42において、第2貫通孔57の周囲には、凹部225が形成されている。凹部225は、内径が大径部220よりも大きくなっており、軸方向の第2側に向けて開口している。凹部225は、減速機200にモータが連結される際に、モータのうちハウジングの一部が嵌まり込む。上述した第2貫通孔57は、凹部225の底面上で開口している。
【0066】
第2貫通孔57の小径部222内には、シールリング235が嵌め込まれている。
大径部220内には、軸受236が挿入されている。軸受236の外輪236aは、第2貫通孔57の段差面220aと、大径部220に保持された止め輪237と、の間に保持されている。すなわち、軸受236は、シールリング235に対して大気側に配置されている。止め輪237は、大径部220の内周面に形成された溝223内に保持されている。軸受236の内径(内輪236bの内径)は、シールリング235の内径よりも大きく、第2貫通孔57の小径部222の内径よりも小さい。
【0067】
入力軸230は、モータの駆動トルクを伝達歯車85に伝達する。入力軸230は、第2貫通孔57、第2中央孔63、第1中央孔62及び第1貫通孔44を通じてキャリア11及び揺動歯車12,13を貫通している。具体的に、入力軸230は、連結軸231と、歯車軸232と、が軸方向に組み付けられた構成である。
【0068】
連結軸231は、軸線O1に沿って延びる中空丸軸である。連結軸231内には、軸方向の第2側からモータが連結される。連結軸231は、軸方向の第1側に向かうに従い段々と外径が縮小している。具体的に、連結軸231は、大径部240、中径部241及び小径部242を有している。大径部240と中径部241とは、段差面240aを介して連なっている。連結軸231の大径部240の外径は、第2貫通孔57の中径部221の内径よりも小さく、シールリング235の内径よりも大きい。連結軸231の小径部242の外径は、揺動歯車12,13の中央孔62,63の内径よりも十分に小さくなっている。これにより、揺動歯車12,13と入力軸230との干渉が抑制されている。
【0069】
連結軸231は、第2貫通孔57に対して軸方向の第2側から挿入されている。この状態において、小径部242は、シールリング235の内側を通過して、中央孔62,63内に位置している。小径部242の外周面は、シールリング235に密接している。これにより、第2貫通孔57を通じたケース5の内外の接続が遮断されている。また、中径部221は、軸受236(内輪236b)の内側に挿入されている。軸受236は、連結軸231の段差面240aと、中径部241に保持された止め輪250と、の間に保持されている。止め輪250は、中径部241に形成された溝251に保持されている。
【0070】
歯車軸232は、固定部255、延長部256及び入力歯車257を備えている。
固定部255は、連結軸231の小径部242内に圧入等によって固定されている。延長部256は、第1揺動歯車12の第1中央孔62及び第1ブロック41の第1貫通孔41aを貫通している。入力歯車257は、延長部256から軸方向の第1側に突出している。入力歯車257は、ケース5内において、伝達歯車85に噛み合っている。入力歯車257の最大外径は、シールリング123の内径よりも小さくなっている。
【0071】
本実施形態において、入力軸230を取り外す際は、止め輪237を第2貫通孔57から取り外した後、入力軸230を引き抜く。すると、入力軸230が軸受236とともに、減速機1から取り外される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態に係る減速機300の断面図である。本実施形態では、入力軸340が軸線O1と平行(オフセット)して配置されている点で、上述した各実施形態と相違している。
図4に示す減速機300において、第2ケース22の底壁32には、支持筒310が形成されている。支持筒310は、底壁32の外周部分から軸方向の第1側に突出している。支持筒310の軸線O5は、軸線O1に対して平行に配置されている。支持筒310の内側は、ケース5の内外を接続する貫通孔311を構成している。
【0073】
支持筒310の内径は、軸方向の第1側に向かうに従い段々と拡大している。具体的に、支持筒310は、大径部320、中径部321及び小径部322が軸方向に連なっている。
大径部320内には、減速機300にモータ330が連結される際に、モータ330のうちハウジング331の一部が嵌まり込む。モータ330の出力軸332は、大径部320を通過して中径部321内に位置している。
【0074】
入力軸340は、出力軸332に連結された連結部341と、連結部341から軸方向の第2側に突出する入力歯車342と、を備えている。
連結部341のうち軸方向の第1側端部と、中径部321と、の間には、軸受345が介在している。これにより、入力軸340は、軸受345を介してケース5に回転可能に支持されている。なお、軸受345は、中径部341の内周面に着脱可能に取り付けられた止め輪346と、中径部341における小径部322との境界面と、の間で軸方向の位置決めが行われている。
【0075】
連結部341における軸方向の第2側端部(軸受345に対して収容空間S側)と、小径部322と、の間には、シールリング347が介在している。シールリング347は、連結部341の外周面と小径部322の内周面とに密接して、貫通孔311を通じたケース5内外の接続を遮断している。
【0076】
本実施形態の減速機構部6は、伝達歯車85と入力歯車342とを接続する中間歯車350を備えている。中間歯車350は、第2ケース22内において、底壁32と第1ブロック41との間に配置されている。中間歯車350は、第1歯車351及び第2歯車352を有する2段歯車である。第1歯車351及び第2歯車352は、軸線O1で同軸に重ね合わせた状態で、例えばビス355等によって固定されている。中間歯車350は、支持軸360に固定されている。支持軸360は、軸線O1と同軸に延びるとともに、中間歯車350を軸方向に貫通している。支持軸360は、第1ブロック41と底壁32とに回転可能に支持されている。
【0077】
第1歯車351の外径は、第2歯車352よりも大きい。第1歯車351は、入力軸340の入力歯車342に噛み合っている。第2歯車352は、伝達歯車85に噛み合っている。
【0078】
本実施形態においても、上述した各実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0079】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、シャフト保持機構として、入力軸7がモータの駆動トルを例えば減速機構部6に伝達する構成を例に説明したが、この構成に限られない。シャフトは、減速機構部6以外に接続されていてもよい。
上述した実施形態では、シャフトを入力軸として採用した場合について説明したが、この構成に限られない。シャフトは、出力軸であってもよい。
【0080】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
5…ケース(基部)
6…減速機構部
7…入力軸(シャフト)
22…第2ケース(基部)
36…貫通孔
42…第2ブロック(基部)
57…第2貫通孔(貫通孔)
117…止め輪(規制部材)
123…シールリング(シール部材)
131…入力歯車(歯車)
230…入力軸(シャフト)
236…軸受
237…止め輪(規制部材)
257…入力歯車(歯車)
311…貫通孔
342…入力歯車(歯車)
345…軸受
346…止め輪(規制部材)
347…シールリング(シール部材)
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤が収容される収容空間を形成する基部と、
前記基部に形成された貫通孔を通じて前記基部を貫通するシャフトと、
前記貫通孔内において前記シャフトの周囲を取り囲み、前記シャフトと前記基部との間を密閉するシール部材と、
前記シール部材に対して前記収容空間とは反対側に設けられ、前記貫通孔内で前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備え、
前記シャフトは、
前記軸受に支持された外軸と、
前記外軸に連結されるとともに、前記シール部材が密接する内軸と、を備えているシャフト保持機構。
【請求項2】
前記外軸は、軸方向に延びる中空軸状に形成され、
前記内軸は、
前記外軸内に固定された固定部と、
前記シール部材が密接する外周面を有し、前記固定部から前記軸方向に突出する張出部と、を備え、
前記シール部材の内径は、前記軸受の内径よりも小さい請求項1記載のシャフト保持機構。
【請求項3】
前記内軸には、前記収容空間に突出するとともに、前記収容空間に配置された減速機構部に接続される歯車が設けられ、
前記歯車の外径は、前記シール部材の内径よりも小さい請求項2に記載のシャフト保持機構。
【請求項4】
前記張出部は、前記固定部に対して前記軸方向に交差する径方向に張り出している請求項2又は請求項3に記載のシャフト保持機構。
【請求項5】
前記外軸のうち、前記軸方向における前記張出部寄りの端部には、前記外軸のうち他の部分よりも外径が拡大する拡大部が形成され、
前記軸受は、前記拡大部を介して前記外軸を支持している請求項4に記載のシャフト保持機構。
【請求項6】
潤滑剤が収容される収容空間を形成するケースと、
前記収容空間内に収容された減速機構部と、
前記ケースに形成された貫通孔を通じて前記ケースを貫通し、前記ケース内で前記減速機構部に接続されるシャフトと、
前記貫通孔内において前記シャフトの周囲を取り囲み、前記シャフトと前記ケースとの間を密閉するシール部材と、
前記シール部材に対して前記収容空間とは反対側に設けられ、前記貫通孔内で前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備え、
前記シャフトは、
前記軸受に支持された外軸と、
前記外軸に連結されるとともに、前記シール部材が密接する内軸と、を備えている減速機。
【請求項7】
前記ケースは、
底壁と、
前記底壁から突出するとともに、前記シール部材及び前記軸受が設けられた前記貫通孔を構成する支持筒と、を備えている請求項6に記載の減速機。