(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010373
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システム
(51)【国際特許分類】
B62J 45/00 20200101AFI20240117BHJP
B62M 6/45 20100101ALI20240117BHJP
B62J 6/02 20200101ALI20240117BHJP
B62J 45/20 20200101ALI20240117BHJP
【FI】
B62J45/00
B62M6/45
B62J6/02
B62J45/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111677
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】笠井 義之
(72)【発明者】
【氏名】菰淵 瞬
(57)【要約】
【課題】外部装置から取得される情報をコンポーネントの制御に好適に利用できる人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムを提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置であって、外部装置から気象情報を取得するように構成される気象情報取得部と、前記人力駆動車の走行路を照らすように構成される発光装置を制御するように構成される制御部に前記気象情報を送信するように構成される通信部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
外部装置から気象情報を取得するように構成される気象情報取得部と、
前記人力駆動車の走行路を照らすように構成される発光装置を制御するように構成される制御部に前記気象情報を送信するように構成される通信部と、を備える、制御装置。
【請求項2】
位置情報を取得するように構成される位置情報取得部をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
時刻を取得するように構成される時刻取得部をさらに備える、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記気象情報取得部は、前記外部装置から前記気象情報を取得するように構成される情報取得装置から前記気象情報を取得するように構成される、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記気象情報取得部は、無線通信によって、前記情報取得装置から前記気象情報を取得するように構成される、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記気象情報取得部は、インターネットを経由して前記外部装置と通信するように構成される外部通信部を含む、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記人力駆動車に取り付けられるホルダに対して着脱可能である、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項8】
前記人力駆動車に設けられるコンポーネントを操作するユーザ操作が入力される操作部をさらに備える、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項9】
前記気象情報は、前記制御部による前記発光装置の発光量の調節に用いられる、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部をさらに備える、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項11】
前記人力駆動車に推進力を与えるアシスト装置のアシスト装置ハウジングに対して着脱可能なハウジングをさらに備える、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項12】
人力駆動車用の制御システムであって、
請求項1または2に記載の制御装置と、
前記気象情報を記憶するように構成される前記外部装置と、を備える、制御システム。
【請求項13】
前記人力駆動車用のアシスト装置であって、
請求項1または2に記載の制御装置と、
前記人力駆動車に推進力を与えるように構成されるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御可能に構成されるアシスト装置制御部と、を備える、アシスト装置。
【請求項14】
前記アシスト装置制御部は、前記制御部を含む、請求項13に記載のアシスト装置。
【請求項15】
人力駆動車用の電動装置であって、
気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を、外部装置から取得する情報取得部と、
アクチュエータと、
前記アクチュエータを制御するように構成される電動装置制御部と、
前記人力駆動車用の電気コンポーネントと通信するように構成される通信部と、を備え、
前記情報は、前記電気コンポーネントの制御に用いられる、電動装置。
【請求項16】
位置情報を取得するように構成される位置情報取得部をさらに備える、請求項15に記載の電動装置。
【請求項17】
前記情報は、気象および時刻に関する、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項18】
前記電動装置制御部は、前記情報に基づいて、前記電気コンポーネントを制御するように構成される、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項19】
前記通信部は、前記電気コンポーネントに前記情報を送信するように構成され、
前記情報は、前記電気コンポーネントに設けられる電気コンポーネント制御部による前記電気コンポーネントの制御に用いられる、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項20】
前記電気コンポーネントは、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、および、発光装置の少なくとも1つを含む、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項21】
前記電気コンポーネントは、前記発光装置を含み、
前記情報は、前記発光装置の発光量の調節に用いられる、請求項20に記載の電動装置。
【請求項22】
前記人力駆動車に推進力を付与するアシスト装置を含む、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項23】
前記電気コンポーネントは、前記情報に基づいて制御される第1状態、および、前記情報に関わらず制御される第2状態、の少なくとも1つにおいて制御される、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項24】
前記電動装置制御部が設けられる第1制御基板と、
前記情報取得部が設けられる第2制御基板と、をさらに備える、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項25】
前記第1制御基板を収容する第1ハウジングと、
前記第2制御基板を収容し、前記第1ハウジングに対して着脱可能な第2ハウジングと、をさらに備える、請求項24に記載の電動装置。
【請求項26】
前記情報取得部は、前記外部装置から前記情報を取得するように構成される情報取得装置から前記情報を取得する、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項27】
前記情報取得部は、無線通信によって前記情報取得装置から前記情報を取得するように構成される、請求項26に記載の電動装置。
【請求項28】
前記情報取得部は、インターネットを経由して前記外部装置と通信するように構成される外部通信部を含む、請求項15または16に記載の電動装置。
【請求項29】
人力駆動車用の制御システムであって、
請求項15または16に記載の電動装置と、
前記情報を記憶するように構成される前記外部装置と、を備える、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、例えば、人力駆動車に設けられる検出装置の検出結果を、人力駆動車用のコンポーネントの制御に利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、外部装置から取得される情報をコンポーネントの制御に好適に利用できる人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、外部装置から気象情報を取得するように構成される気象情報取得部と、前記人力駆動車の走行路を照らすように構成される発光装置を制御するように構成される制御部に前記気象情報を送信するように構成される通信部と、を備える。
第1側面の制御装置によれば、気象情報取得部によって外部装置から取得される気象情報を通信部によって制御部に送信するため、制御部が気象情報を用いて発光装置を制御できる。したがって、制御装置は、外部装置から取得される情報を、発光装置を含むコンポーネントの制御に好適に利用できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、位置情報を取得するように構成される位置情報取得部をさらに備える。
第2側面の制御装置によれば、位置情報取得部をさらに備えるため、制御部が気象情報に加えて位置情報を発光装置の制御に利用できる。
【0007】
本開示の第1または2側面に従う第3側面の制御装置において、時刻を取得するように構成される時刻取得部をさらに備える。
第3側面の制御装置によれば、時刻取得部をさらに備えるため、制御部が気象情報に加えて時刻を発光装置の制御に利用できる。
【0008】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記気象情報取得部は、前記外部装置から前記気象情報を取得するように構成される情報取得装置から前記気象情報を取得するように構成される。
第4側面の制御装置によれば、気象情報取得部は、情報取得装置を介して、外部装置から気象情報を取得する。したがって、外部装置との通信のための構成を制御装置から省略できるため、制御装置の小型化に貢献できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面の制御装置において、前記気象情報取得部は、無線通信によって、前記情報取得装置から前記気象情報を取得するように構成される。
第5側面の制御装置によれば、気象情報取得部は、無線通信によって、情報取得装置から気象情報を取得するため、ケーブルによる煩雑さを抑制できる。
【0010】
本開示の第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面の制御装置において、前記気象情報取得部は、インターネットを経由して前記外部装置と通信するように構成される外部通信部を含む。
第6側面の制御装置によれば、気象情報取得部は、インターネットを経由して外部装置と通信するように構成される外部通信部によって、気象情報を好適に取得できる。
【0011】
本開示の第1から第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記人力駆動車に取り付けられるホルダに対して着脱可能である。
第7側面の制御装置によれば、人力駆動車に取り付けられるホルダに対して着脱可能なため、制御装置を人力駆動車から取り外しできる。
【0012】
本開示の第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の制御装置において、前記人力駆動車に設けられるコンポーネントを操作するユーザ操作が入力される操作部をさらに備える。
第8側面の制御装置によれば、人力駆動車に設けられるコンポーネントを操作するユーザ操作が入力される操作部を備える制御装置において、気象情報が取得できる。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記気象情報は、前記制御部による前記発光装置の発光量の調節に用いられる。
第9側面の制御装置によれば、気象情報が制御部による発光装置の発光量の調節に用いられるため、制御部が気象情報に好適な発光装置の制御を実行できる。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記制御部をさらに備える。
第10側面の制御装置によれば、制御部は、気象情報を用いて発光装置を制御できる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記人力駆動車に推進力を与えるアシスト装置のアシスト装置ハウジングに対して着脱可能なハウジングをさらに備える。
第11側面の制御装置によれば、ハウジングがアシスト装置ハウジングに対して着脱可能なため、制御装置をアシスト装置から取り外しできる。
【0016】
本開示の第12側面に従う制御システムは、人力駆動車用の制御システムであって、第1から第11側面のいずれか1つに記載の制御装置と、前記気象情報を記憶するように構成される前記外部装置と、を備える。
第12側面の制御システムによれば、外部装置から取得される情報をコンポーネントの制御に好適に利用できる。
【0017】
本開示の第13側面に従うアシスト装置は、前記人力駆動車用のアシスト装置であって、第1から第10側面のいずれか1つに記載の制御装置と、前記人力駆動車に推進力を与えるように構成されるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御可能に構成されるアシスト装置制御部と、を備える。
第13側面のアシスト装置によれば、制御装置と、アクチュエータと、アシスト装置制御部と、を備えるため、人力駆動車に推進力を与えるように構成されるアクチュエータを備えるアシスト装置によって、外部装置から情報を好適に取得できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面のアシスト装置において、前記アシスト装置制御部は、前記制御部を含む。
第14側面のアシスト装置によれば、アシスト装置制御部は、制御部を含むため、アシスト装置制御部は、気象情報に応じて発光装置を制御できる。
【0019】
本開示の第15側面に従う電動装置は、人力駆動車用の電動装置であって、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を、外部装置から取得する情報取得部と、アクチュエータと、前記アクチュエータを制御するように構成される電動装置制御部と、前記人力駆動車用の電気コンポーネントと通信するように構成される通信部と、を備え、前記情報は、前記電気コンポーネントの制御に用いられる。
第15側面の電動装置によれば、情報取得部によって外部装置から取得される気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を電気コンポーネントの制御に好適に利用できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の電動装置において、位置情報を取得するように構成される位置情報取得部をさらに備える。
第16側面の電動装置によれば、位置情報取得部をさらに備えるため、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報に加えて位置情報を電気コンポーネントの制御に利用できる。
【0021】
本開示の第15または第16側面に従う第17側面の電動装置において、前記情報は、気象および時刻に関する。
第17側面の電動装置によれば、情報取得部によって外部装置から取得される気象および時刻に関する情報を電気コンポーネントの制御に好適に利用できる。
【0022】
本開示の第15から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記電動装置制御部は、前記情報に基づいて、前記電気コンポーネントを制御するように構成される。
第18側面の制御装置によれば、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報に基づいて、電気コンポーネントを制御するため、ユーザビリティの向上に貢献できる。
【0023】
本開示の第15から第17側面のいずれか1つに従う第19側面の電気装置において、前記通信部は、前記電気コンポーネントに前記情報を送信するように構成され、前記情報は、前記電気コンポーネントに設けられる電気コンポーネント制御部による前記電気コンポーネントの制御に用いられる。
第19側面の電気装置によれば、情報取得部によって外部装置から取得される気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を電気コンポーネントの制御に好適に利用できる。
【0024】
本開示の第15から第19側面のいずれか1つに従う第20側面の電動装置において、前記電気コンポーネントは、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、および、発光装置の少なくとも1つを含む。
第20側面の電動装置によれば、電気コンポーネントは、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、および、発光装置の少なくとも1つを含むため、外部装置から取得される情報を、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、および、発光装置の少なくとも1つの制御に好適に利用できる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面の電動装置において、前記電気コンポーネントは、前記発光装置を含み、前記情報は、前記発光装置の発光量の調節に用いられる。
第21側面の電動装置によれば、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報は、発光装置の発光量の調節に用いられるため、ユーザビリティの向上に貢献できる。
【0026】
本開示の第15から第21側面のいずれか1つに従う第22側面の電動装置において、前記人力駆動車に推進力を付与するアシスト装置を含む。
第22側面の電動装置によれば、人力駆動車に推進力を付与するアシスト装置を含むため、情報取得部によって外部装置から取得した気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を、アシスト装置の制御に利用できる。
【0027】
本開示の第15から第22側面のいずれか1つに従う第23側面の電動装置において、前記電気コンポーネントは、前記情報に基づいて制御される第1状態、および、前記情報に関わらず制御される第2状態、の少なくとも1つにおいて制御される。
第23側面の電動装置によれば、電気コンポーネントを、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報に基づいて制御される第1状態、および、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報に関わらず制御される第2状態、の少なくとも1つにおいて好適に制御できる。
【0028】
本開示の第15から第23側面のいずれか1つに従う第24側面の電動装置において、前記電動装置制御部が設けられる第1制御基板と、前記情報取得部が設けられる第2制御基板と、をさらに備える。
第24側面の電動装置によれば、電動装置制御部が設けられる第1制御基板と、情報取得部が設けられる第2制御基板とによって、情報取得部は、電動装置制御部から離れた位置に配置できる。
【0029】
本開示の第24側面に従う第25側面の電動装置において、前記第1制御基板を収容する第1ハウジングと、前記第2制御基板を収容し、前記第1ハウジングに対して着脱可能な第2ハウジングと、をさらに備える。
第25側面の電動装置によれば、第2制御基板を収容する第2ハウジングが第1制御基板を収容する第1ハウジングに対して着脱可能なため、第2制御基板をアシスト装置から取り外しできる。
【0030】
本開示の第15から第25側面のいずれか1つに従う第26側面の電動装置において、前記情報取得部は、前記外部装置から前記情報を取得するように構成される情報取得装置から前記情報を取得する。
第26側面の電動装置によれば、情報取得部は、情報取得装置を介して、外部装置から気象情報を取得するため、外部装置との通信のための構成を電動装置から省略できるため、電動装置の小型化に貢献できる。
【0031】
本開示の第26側面に従う第27側面の電動装置において、前記情報取得部は、無線通信によって前記情報取得装置から前記情報を取得するように構成される。
第27側面の電動装置によれば、情報取得部は、無線通信によって、情報取得装置から気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を取得するため、ケーブルによる煩雑さを低減できる。
【0032】
本開示の第15から第27側面のいずれか1つに従う第28側面の電動装置において、前記情報取得部は、インターネットを経由して前記外部装置と通信するように構成される外部通信部を含む。
第28側面の電動装置によれば、情報取得部は、インターネットを経由して外部装置と通信から気象および時刻の少なくとも1つに関する情報を好適に取得できる。
【0033】
本開示の第29側面に従う制御システムは、人力駆動車用の制御システムであって、第15から第28側面のいずれか1つに記載の電動装置と、前記情報を記憶するように構成される前記外部装置と、を備える。
第29側面の制御システムによれば、外部装置から取得される情報を電気コンポーネントの制御に好適に利用できる。
【発明の効果】
【0034】
本開示の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムは、外部装置から取得される情報をコンポーネントの制御に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】第2実施形態の人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の電動装置制御部によって、実行される処理を示すフローチャートである。
【
図5】第1変更例のホルダを含む人力駆動車の側面図である。
【
図6】第2変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】第3変更例の人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】第4変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】第5変更例の人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】第6変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図11】第7変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図12】第8変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<第1実施形態>
図1および
図2を参照して、人力駆動車用の制御装置62、人力駆動車用のアシスト装置52、および、人力駆動車用の制御システム60が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば、1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0037】
図1に示されるように、人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、前輪12Fおよび後輪12Rを含む。車体14は、フレーム16を含む。例えば、フレーム16にはサドル16Aが取り付けられる。人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、例えば、フレーム16に対して回転可能なクランク軸20と、クランクアーム22A,22Bとを含む。クランクアーム22A,22Bのそれぞれは、例えば、クランク軸20の軸方向の端部にそれぞれ設けられる。クランクアーム22A,22Bには、例えば、ペダル24A,24Bが連結される。
【0038】
フレーム16には、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、フレーム16に支持される。本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、例えば、クランク軸20が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。
【0039】
駆動機構32は、例えば、クランク軸20に連結される少なくとも1つの第1回転体34を含む。少なくとも1つの第1回転体34は、例えば、少なくとも1つのフロントスプロケットを含む。第1回転体34は、プーリまたはベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸20は、少なくとも1つのフロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0040】
駆動機構32は、少なくとも1つの第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。伝達部材38は、少なくとも1つの第1回転体34の回転力を少なくとも1つの第2回転体36に伝達するように構成される。伝達部材38は、例えば、チェーンを含む。伝達部材38は、ベルトまたはシャフトを含んでいてもよい。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、少なくとも1つのリアスプロケットを含む。少なくとも1つの第2回転体36は、プーリまたはベベルギアを含んでもよい。
【0041】
チェーンは、例えば、少なくとも1つのフロントスプロケットのうちの1つおよび少なくとも1つのリアスプロケットのうちの1つに巻き掛けられる。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、少なくとも1つの第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0042】
人力駆動車10は、例えば、バッテリ40をさらに含む。バッテリ40は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。バッテリ40は、例えば、制御部54に電力を供給するように構成される。バッテリ40は、例えば、制御部54と、有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ40は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)によって制御部54と通信可能に構成される。バッテリ40は、CAN(Controller Area Network)またはUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部54と通信可能に構成されてもよい。
【0043】
人力駆動車10は、変速装置42をさらに含んでいてもよい。変速装置42は、例えば、人力駆動車10における人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比Rを変更するように構成される。変速比Rは、例えば、クランク18の回転速度Cに対する車輪12の回転速度Wの比率である。車輪12の回転速度Wは、例えば、駆動輪の回転速度を含む。駆動輪は、例えば、後輪12Rである。
【0044】
車輪12の回転速度Wと、クランク18の回転速度Cとは、それぞれ単位時間あたりの回転数であってもよい。変速比Rと、車輪12の回転速度Wと、クランク18の回転速度Cとの関係は、式(1)によって表される。
式(1):R=W/C
【0045】
変速装置42は、例えば、フロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも1つを含む。ディレイラは、例えば、複数のスプロケットのうちの1つに係合する伝達部材38を、複数のスプロケットのうちの他の1つに移動させる。
【0046】
人力駆動車10は、アジャスタブルシートポスト44をさらに含んでいてもよい。アジャスタブルシートポスト44は、サドル16Aの高さを変更するように構成される。例えば、アジャスタブルシートポスト44は、電気式シートポスト、または、機械式シートポストを含む。例えば、電気式シートポストは、電動アクチュエータの力でシートポストが伸縮するような構成を有する。例えば、機械式シートポストは、電動アクチュエータの力でバルブを制御することによって、シートポストがばねおよび空気の少なくとも一方の力によって伸び、人力を加えることによって縮むような構成を有する。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、油圧および空気圧式シートポストを含む。
【0047】
人力駆動車10は、サスペンション46をさらに含んでいてもよい。サスペンション46は、車輪12に加えられる衝撃を吸収する。サスペンション46は、例えば、電動サスペンションを含む。サスペンション46は、例えば、リアサスペンションおよびフロントサスペンションの少なくとも1つを含む。サスペンション46は、コイル式サスペンションであってもよく、油圧式サスペンションであってもよく、エア式サスペンションであってもよい。
【0048】
人力駆動車10は、例えば、電動ブレーキ48をさらに含んでいてもよい。電動ブレーキ48は、例えば、フレーム16およびフロントフォーク26に設けられ、車輪12に制動力を付与するように構成される。電動ブレーキ48は、ディスクブレーキであってもよく、リムブレーキであってもよく、ローラブレーキであってもよい。
【0049】
人力駆動車10は、発光装置50をさらに含む。発光装置50は、人力駆動車10の走行路を照らすように構成される。発光装置50は、例えば、フロントライトおよびバックライトの少なくとも1つを含む。発光装置50は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含む。発光装置50は、例えば、人力駆動車10のうちの、人力駆動車10の走行路を照らすことが可能な位置に設けられる。発光装置50は、例えば、フロントフォーク26に設けられる。発光装置50は、例えば、バッテリ40から電力を供給されるように構成されてもよく、バッテリ40とは異なる電源から電力を供給されるように構成されてもよい。バッテリ40とは異なる電源は、例えば、ハブダイナモを含む。発光装置50がハブダイナモから電力を供給されるように構成される場合、人力駆動車10は、ハブダイナモによって発電した電力を充電可能な充電部を含んでもよい。
【0050】
発光装置50は、例えば、単一のコンポーネントとして構成される。発光装置50は、例えば、LEDが設けられる発光装置ハウジング、および、発光装置ハウジングを車体14に取り付けるための取付部を含む。発光装置50がフロントライトを含む場合、取付部は、例えば、フロントフォーク26、および、ハンドルバー28、および、ステム30の少なくとも1つに取り付け可能に構成される。発光装置50がバックライトを含む場合、取付部は、例えば、シートポスト、および、フレーム16の少なくとも1つに取り付け可能に構成される。発光装置50は、車体14から着脱可能に構成されてもよい。
【0051】
人力駆動車10は、例えば、アシスト装置52をさらに含む。アシスト装置52は、例えば、単一のコンポーネントとして構成される。アシスト装置52は、例えば、人力駆動車用のドライブユニットを含む。アシスト装置52は、例えば、人力駆動車10に推進力を与えるように構成される。アシスト装置52は、例えば、アクチュエータ52Aを含む。アクチュエータ52Aは、人力駆動車10に推進力を与えるように構成される。アクチュエータ52Aは、例えば、電気モータを含む。電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。アシスト装置52は、例えば、フレーム16に設けられる。アシスト装置52は、例えば、アシスト装置ハウジング52Bを含む。アクチュエータ52Aは、例えば、アシスト装置ハウジング52Bに収容される。
【0052】
図2に示されるように、人力駆動車用のアシスト装置52は、制御装置62と、アクチュエータ52Aと、アクチュエータ52Aを制御可能に構成されるアシスト装置制御部52Cと、を備える。
【0053】
アシスト装置制御部52Cは、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。アシスト装置制御部52Cは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。アシスト装置制御部52Cは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0054】
人力駆動車10は、制御部54をさらに含む。制御部54は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。制御部54は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部54は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0055】
人力駆動車10は、例えば、記憶部56をさらに含む。記憶部56は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部56は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。記憶部56は、例えば、制御部54と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0056】
例えば、制御部54は、アシスト装置ハウジング52Bに設けられる。本実施形態では、アシスト装置制御部52Cは、制御部54を含む。アシスト装置制御部52Cは、制御部54と一体に構成されてもよい。制御部54は、アシスト装置制御部52Cと、有線または無線によって通信可能に接続されてもよい。制御部54は、例えば、PLCによってアシスト装置制御部52Cと通信可能に構成されてもよく、CANまたはUARTによってアシスト装置制御部52Cと通信可能に構成されてもよい。
【0057】
制御部54は、発光装置50を制御するように構成される。例えば、制御部54は、発光装置50への電力の供給回路を制御することによって、発光装置50を制御可能に構成される。制御部54は、例えば、発光装置50のLEDに供給する電力量を変更可能に構成される。発光装置50は、発光装置制御部を含み、制御部54は、発光装置制御部を介して発光装置50を制御するように構成されてもよい。発光装置制御部は、例えば、発光装置ハウジングに設けられる。発光装置制御部は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。
【0058】
演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。発光装置制御部は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。発光装置制御部は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。制御部54は、発光装置制御部を介して発光装置50を制御するように構成される場合、制御部54は、例えば、発光装置制御部と、有線または無線によって通信可能に接続される。制御部54は、例えば、PLCによって発光装置制御部と通信可能に構成される。制御部54は、CANまたはUARTによって発光装置制御部と通信可能に構成されてもよい。
【0059】
制御部54は、アシスト装置制御部52C以外に含まれていてもよい。制御部54がアシスト装置制御部52C以外に含まれる場合、例えば、制御部54は、発光装置50に含まれる。制御部54が発光装置50に含まれる場合、制御部54は、発光装置制御部と一体に構成されてもよい。
【0060】
本実施形態では、制御装置62は、人力駆動車10に搭載される。本実施形態では、制御装置62は、アシスト装置52に設けられる。制御装置62は、アシスト装置52に着脱可能なアシスト装置52とは異なるコンポーネント、または、アシスト装置52とは各別に車体14に搭載されるコンポーネントに設けられてもよい。アシスト装置52とは各別に車体14に搭載されるコンポーネントは、例えば、サイクルコンピュータ等を含む。アシスト装置52とは各別に車体14に搭載されるコンポーネントは、発光装置50、変速装置42、アジャスタブルシートポスト44、および、サスペンション46の少なくとも1つを含んでもよい。制御装置62は、人力駆動車10とは異なる場所にあってもよい。制御装置62が人力駆動車10とは異なる場所にある場合は、例えば、制御装置62がインターネットと接続されるサーバに含まれる場合を含む。インターネットに接続されるサーバは、単一のサーバであってもよく、複数のサーバを含んでいてもよい。
【0061】
本実施形態の制御装置62は、人力駆動車10に推進力を与えるアシスト装置52のアシスト装置ハウジング52Bに対して着脱可能なハウジング70をさらに備える。ハウジング70は、例えば、アシスト装置ハウジング52Bに着脱可能に構成される。ハウジング70は、例えば、アシスト装置ハウジング52Bの外面に着脱可能に構成される。
【0062】
人力駆動車用の制御システム60は、制御装置62と、気象情報を記憶するように構成される外部装置60Aと、を備える。外部装置60Aは、例えば、人力駆動車10から独立した装置である。外部装置60Aは、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、および、タブレットコンピュータの少なくとも1つを含む。外部装置60Aは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。外部装置60Aは、例えば、気象衛星から気象情報を受信可能に構成される。外部装置60Aは、例えば、気象衛星から気象情報を所定時間ごとに受信し、外部装置60Aに記憶される気象情報を更新するように構成される。外部装置60Aは、例えば、制御装置62と有線または無線によって通信可能に構成される。
【0063】
人力駆動車用の制御装置62は、気象情報取得部64と、通信部66と、を備える。気象情報取得部64は、外部装置60Aから気象情報を取得するように構成される。気象情報取得部64は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。気象情報取得部64は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。気象情報取得部64は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0064】
例えば、気象情報取得部64は、インターネットを経由して外部装置60Aと通信するように構成される外部通信部68を含む。外部通信部68は、例えば、インターネットを経由して、外部装置60Aから気象情報を受信可能に構成される。外部通信部68は、例えば、外部装置60Aに気象情報を送信させる要求信号を、インターネットを経由して外部装置60Aに送信可能に構成される。
【0065】
外部通信部68は、無線通信部を含んでいてもよい。外部通信部68が無線通信部を含む場合、例えば、外部通信部68は、Bluetooth(登録商標)、および、Wi-Fi(登録商標)の少なくとも1つを介して外部装置60Aと通信するように構成されてもよい。外部通信部68は、有線接続を介して外部装置60Aと通信するように構成されてもよい。外部通信部68は、例えば、第1公共無線通信部を含んでいてもよい。第1公共無線通信部は、公共無線通信3G、公共無線通信4G、および、公共無線通信5Gの少なくとも1つによってサーバと通信可能に構成される。第1公共無線通信部は、アンテナを含んで構成されてもよい。
【0066】
気象情報取得部64は、例えば、通信部66と有線または無線によって通信可能に接続される。気象情報取得部64は、例えば、PLCによって通信部66と通信可能に構成されてもよく、CANまたはUARTによって通信部66と通信可能に構成されてもよい。
【0067】
通信部66は、制御部54に気象情報を送信するように構成される。通信部66は、例えば、気象情報取得部64からの信号に応じて、制御部54に気象情報を送信する。記憶部56は気象情報を記憶するように構成されてもよい。気象情報取得部64と制御部54とが近接して設けられる場合、通信部66は、例えば、プリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)の配線、ケーブル、コネクタ、および、集積回路(IC:Integrated Circuit)と基板とを接続する部分の少なくとも1つを含んでいてもよい。気象情報取得部64と制御部54とが近接して設けられる場合は、例えば、気象情報取得部64と制御部54とが同一の基板に設けられる場合、気象情報取得部64と制御部54とが互いにプリント回路板によって接続される異なる基板に設けられる場合、または、気象情報取得部64と制御部54とが同一のハウジング内に設けられる場合を含む。
【0068】
通信部66は、制御部54に位置情報および時刻の少なくとも1つを送信するように構成されてもよい。通信部66は、例えば、位置情報取得部72からの信号に応じて、制御部54に気象情報を送信する。記憶部56は位置情報を記憶するように構成されてもよい。通信部66は、例えば、時刻取得部74からの信号に応じて、制御部54に気象情報を送信する。記憶部56は時刻を記憶するように構成されてもよい。
【0069】
制御装置62は、位置情報を取得するように構成される位置情報取得部72をさらに備えていてもよい。位置情報取得部72は、例えば、制御装置62の外部からの電波を受信することによって、位置に関する情報を取得可能に構成される。位置情報取得部72は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)受信部を含む。例えば、GNSS受信部は、GPS(Global Positioning System)受信部を含む。GNSS受信部は、GPS以外の衛星測位システムの受信部を含んでいてもよい。GPS以外の衛星測位システムは、例えば、準天頂衛星(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、および、ガリレオ等を含む。
【0070】
位置情報取得部72がGPS受信部を含む場合、受信する電波は、GPS衛星からの電波を含む。位置情報取得部72は、人力駆動車10の現在位置を取得する。位置情報取得部72は、公共無線通信部をさらに含んでいてもよい。公共無線通信部は、公共無線通信3G、公共無線通信4G、公共無線通信5Gの少なくとも1つによってサーバと通信可能に構成される。公共無線通信部は、アンテナを含んで構成されてもよい。
【0071】
位置情報取得部72がGPS受信部を含む場合、受信する電波は、GPS衛星からの電波を含む。位置情報取得部72は、人力駆動車10の現在位置を取得する。位置情報取得部72は、第2公共無線通信部をさらに含んでいてもよい。第2公共無線通信部は、公共無線通信3G、公共無線通信4G、公共無線通信5Gの少なくとも1つによってサーバと通信可能に構成される。公共無線通信部は、アンテナを含んで構成されてもよい。位置情報取得部72は、外部通信部68を介して位置情報を取得するように構成されてもよい。位置情報取得部72が第2公共無線通信部を含む場合、第2公共無線通信部は、第1公共無線通信部と一体に構成されてもよい。
【0072】
制御装置62が位置情報取得部72を含み、かつ、位置情報取得部72が第2公共無線通信部を含む場合、例えば、制御装置62は、人力駆動車10の位置情報に基づいて、人力駆動車10の位置を特定可能に構成されてもよい。制御装置62は、公共無線通信によってスマートフォン等の通信装置に送信するように構成されてもよい。ユーザは、制御装置62から送信された情報によって、人力駆動車10の位置から人力駆動車10の盗難を確認できる。
【0073】
制御装置62は、例えば、時刻を取得するように構成される時刻取得部74をさらに備えていてもよい。時刻取得部74は、例えば、時刻受信部を含む。時刻受信部は、例えば、インターネットを経由してサーバ等から時刻を取得する。位置情報取得部72は、GPS衛星から時刻を取得可能に構成されてもよい。この場合、時刻は、位置情報取得部72によって、位置情報とともに取得されてもよい。
【0074】
気象情報は、例えば、制御部54による発光装置50の発光量の調節に用いられる。気象情報は、例えば、制御部54による発光装置50のオンおよびオフの切り替えに用いられる。気象情報は、例えば、制御部54による発光装置50の出力の大きさの調整に用いられる。発光装置50は、例えば、点灯状態の異なる複数の制御モードに応じて制御部54によって制御されるように構成されてもよい。発光装置50が点灯状態の異なる複数の制御モードに応じて制御部54によって制御される場合、気象情報は、例えば、制御部54による制御モードの切り替えに用いられる。点灯状態は、例えば、発光装置50の発光量と対応する。
【0075】
制御部54は、例えば、気象情報が、走行路が暗い気象と対応する場合、発光装置50を点灯させる。制御部54は、例えば、気象情報が、走行路が暗い気象と対応する場合、気象情報が、走行路が明るい気象と対応する場合よりも発光装置50の発光量を大きくさせる。気象情報が、走行路が暗い気象と対応する場合、例えば、気象情報は、雨、曇、雪、および、霧の少なくとも1つと対応する情報を含む。気象情報が、走行路が明るい気象と対応する場合、例えば、気象情報は晴れと対応する情報を含む。制御部54は、例えば、気象情報に含まれる雲の厚さに応じて発光装置50を制御するように構成されてもよい。制御部54は、例えば、人力駆動車10の前方において気象情報が変化する場合、気象情報に基づいて発光を制御するように構成されてもよい。
【0076】
制御部54は、人力駆動車10の現在位置に関する位置情報と、時刻と、気象情報とに基づいて、発光装置50の発光量を調整するように構成されてもよい。制御部54は、例えば、位置情報に基づいて人力駆動車10の走行する地点における気象情報を取得するように構成される。制御部54は、気象情報および時刻情報の両方に基づいて発光装置50を制御する場合、例えば、気象情報による暗さおよび時刻情報による暗さの両方に基づいて発光装置50を制御する。制御部54は、例えば、曇りかつ夕方である場合は発光装置50をオンにし、晴れかつ夕方である場合は発光装置50をオフにする。制御部54は、例えば、曇りかつ夕方である場合の発光装置50の発光量を、晴れかつ夕方である場合の発光装置50の発光量よりも大きくする。
【0077】
<第2実施形態>
図3および
図4を参照して、第2実施形態の人力駆動車用の電動装置82および人力駆動車用の制御システム80が説明される。第2実施形態の人力駆動車用の電動装置82および人力駆動車用の制御システム80のうちの第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付して重複する説明が省略される。
【0078】
人力駆動車10は、例えば、電気コンポーネント58Aを含む。電気コンポーネント58Aは、例えば、変速装置42、アジャスタブルシートポスト44、サスペンション46、および、発光装置50の少なくとも1つを含む。
【0079】
人力駆動車用の制御システム80は、例えば、電動装置82と、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報Xを記憶するように構成される外部装置80Aと、を備える。外部装置80Aは、例えば、人力駆動車10から独立した装置である。外部装置80Aは、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、および、タブレットコンピュータの少なくとも1つを含む。外部装置80Aは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0080】
外部装置80Aは、例えば、気象衛星から気象情報を受信可能に構成される。外部装置80Aは、例えば、気象情報を所定時間ごとに受信し、外部装置80Aに記憶される情報Xを更新するように構成される。外部装置80Aは、例えば、NTP(Network Time Protocol)サーバから世界標準時を所定時間ごとに受信し、外部装置80Aに記憶される情報Xを更新するように構成される。
【0081】
人力駆動車用の電動装置82は、気象および時刻の少なくとも1つに関する情報Xを、外部装置80Aから取得する情報取得部84と、アクチュエータ86と、アクチュエータ86を制御するように構成される電動装置制御部88と、人力駆動車用の電気コンポーネント58Aと通信するように構成される通信部90と、を備える。
【0082】
電動装置82は、例えば、アシスト装置52、電動ブレーキ48、変速装置42、および、アジャスタブルシートポスト44の少なくとも1つを含む。電気コンポーネント58Aと電動装置82とは、同じであってもよく、各別の装置であってもよい。アクチュエータ86は、例えば、電気モータを含む。電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。本実施形態では、電動装置82は、人力駆動車10に推進力を付与するアシスト装置52を含む。電動装置82がアシスト装置52を含む場合、例えば、アクチュエータ86は、人力駆動車10に推進力を与えるように構成される。
【0083】
電動装置制御部88は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。電動装置制御部88は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。電動装置制御部88は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。電動装置制御部88は、例えば、バッテリ40から電力を供給される。電動装置制御部88は、例えば、バッテリ40と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0084】
電動装置82は、例えば、電動装置記憶部96をさらに備える。電動装置記憶部96は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。電動装置記憶部96は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。電動装置記憶部96は、例えば、電動装置記憶部96と有線または無線によって通信可能に接続される。電動装置記憶部96は、情報Xを記憶するように構成されてもよい。
【0085】
例えば、情報取得部84は、インターネットを経由して外部装置80Aと通信するように構成される外部通信部92を含む。外部通信部92は、例えば、インターネットを経由して、外部装置80Aから情報Xを受信可能に構成される。外部通信部92は、例えば、外部装置80Aに情報Xを送信させる要求信号を、インターネットを経由して外部装置80Aに送信可能に構成される。外部通信部92は、例えば、第1実施形態の外部通信部68と同様に構成される。
【0086】
情報取得部84は、例えば、気象情報取得部64および時刻取得部74の少なくとも1つをさらに含む。情報取得部84は、例えば、気象情報取得部64および時刻取得部74の少なくとも1つによって、情報Xを取得するように構成される。
【0087】
情報取得部84は、例えば、電動装置制御部88と有線または無線によって通信可能に接続される。情報取得部84は、例えば、PLCによって電動装置制御部88と通信可能に構成されてもよく、CANまたはUARTによって電動装置制御部88と通信可能に構成されてもよい。
【0088】
電動装置82は、位置情報を取得するように構成される位置情報取得部94をさらに備えていてもよい。位置情報取得部94は、例えば、第1実施形態の位置情報取得部72と同様に構成される。位置情報取得部94は、例えば、電動装置制御部88と有線または無線によって通信可能に接続される。位置情報取得部94は、例えば、PLCによって電動装置制御部88と通信可能に構成されてもよく、CANまたはUARTによって電動装置制御部88と通信可能に構成されてもよい。
【0089】
通信部90は、例えば、電動装置制御部88と有線または無線によって通信可能に接続される。通信部90は、例えば、PLCによって電動装置制御部88と通信可能に構成されてもよく、CANまたはUARTによって電動装置制御部88と通信可能に構成されてもよい。通信部90は、例えば、電気コンポーネント58Aと有線または無線によって通信可能に接続される。通信部90は、例えば、PLCによって電気コンポーネント58Aと通信可能に構成されてもよく、CANまたはUARTによって電気コンポーネント58Aと通信可能に構成されてもよい。
【0090】
電動装置82は、例えば、電動装置制御部88が設けられる第1制御基板98と、情報取得部84が設けられる第2制御基板100と、をさらに備える。第1制御基板98は、例えば、第2制御基板100とは、別体に構成される。第1制御基板98には、例えば、電動装置記憶部96がさらに設けられる。第2制御基板100には、例えば、位置情報取得部94がさらに設けられる。
【0091】
電動装置82は、例えば、第1制御基板98を収容する第1ハウジング102と、第2制御基板100を収容し、第1ハウジング102に対して着脱可能な第2ハウジング104と、をさらに備える。第1ハウジング102は、例えば、アクチュエータ86をさらに収容する。第2ハウジング104は、例えば、第1ハウジング102の外部から第1ハウジング102に対して着脱可能に構成される。第1ハウジング102は、例えば、第1ハウジング102のうちの第2ハウジング104が取り付けられる部分とは異なる部分に、人力駆動車10のフレーム16に取り付けられる取付部を含んでいてもよい。
【0092】
電動装置82がアシスト装置52を含む場合、第1ハウジング102は、例えば、第1実施形態のアシスト装置ハウジング52Bと対応する。第2ハウジング104は、例えば、第1実施形態のハウジング70と対応する。
【0093】
情報Xは、電気コンポーネント58Aの制御に用いられる。本実施形態では、情報Xは、気象および時刻に関する。電動装置制御部88は、例えば、情報Xに基づいて、電気コンポーネント58Aを制御するように構成される。電気コンポーネント58Aは、情報Xに基づいて制御される第1状態、および、情報Xに関わらず制御される第2状態、の少なくとも1つにおいて制御される。
【0094】
本実施形態では、電気コンポーネント58Aは、発光装置50を含む。情報Xは、例えば、発光装置50の発光量の調節に用いられる。情報Xは、例えば、電動装置制御部88による発光装置50のオンおよびオフの切り替えに用いられる。情報Xは、例えば、電動装置制御部88による発光装置50の出力の大きさの調整に用いられる。発光装置50は、例えば、点灯状態の異なる複数の制御モードに応じて電動装置制御部88によって制御されるように構成されてもよい。発光装置50が点灯状態の異なる複数の制御モードに応じて電動装置制御部88によって制御される場合、情報Xは、例えば、電動装置制御部88による制御モードの切り替えに用いられる。
【0095】
電気コンポーネント58Aが、発光装置50を含む場合、電動装置制御部88は、例えば、第1実施形態の制御部54と同様に気象情報に基づいて発光装置50を制御してもよい。電気コンポーネント58Aが、発光装置50を含む場合、電動装置制御部88は、例えば、気象情報および時刻情報の両方に基づいて発光装置50を制御してもよい。電動装置制御部88は、例えば、気象情報による暗さおよび時刻情報による暗さの両方に基づいて発光装置50を制御する。電動装置制御部88は、例えば、曇りかつ夕方である場合は発光装置50をオンにし、晴れかつ夕方である場合は発光装置50をオフにする。電動装置制御部88は、例えば、曇りかつ夕方である場合の発光装置50の発光量を、晴れかつ夕方である場合の発光装置50の発光量よりも大きくする。
【0096】
図4を参照して、電動装置制御部88が発光装置50を制御する処理が説明される。例えば、電動装置制御部88に電力が供給されると、電動装置制御部88は処理を開始して
図4に示されるフローチャートのステップS11に移行する。電動装置制御部88は、
図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期ごとに
図4のステップS11からの処理を繰り返す。
【0097】
電動装置制御部88は、ステップS11において、情報取得部84から情報Xを受信したか否かを判定する。電動装置制御部88は、情報取得部84から情報Xを受信した場合、ステップS12に移行する。電動装置制御部88は、情報取得部84から情報Xを受信しない場合、処理を終了する。
【0098】
電動装置制御部88は、ステップS12において、電気コンポーネント58Aの状態が第1状態か否かを判定する。電動装置制御部88は、電気コンポーネント58Aの状態が第1状態の場合、ステップS13に移行する。電動装置制御部88は、電気コンポーネント58Aの状態が第1状態ではない場合、処理を終了する。電気コンポーネント58Aの状態が第1状態ではない場合は、例えば、電気コンポーネント58Aの状態が第2状態の場合である。電動装置制御部88は、ステップS13において、情報Xに応じて電気コンポーネント58Aを制御して、処理を終了する。
【0099】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用のアシスト装置、人力駆動車用の電動装置、および、人力駆動車用の制御システムは、例えば、以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、各実施形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0100】
・
図5に示されるように、第1実施形態の人力駆動車10は制御装置62を取り付けるためのホルダ10Aを備えてもよい。ホルダ10Aは、例えば、ハンドルバー28およびステム30の少なくとも一方に取り付ける。制御装置62は、人力駆動車10に取り付けられるホルダ10Aに対して着脱可能であってもよい。ハウジング70は、例えば、ホルダ10Aに対して着脱可能な取付部を含んでいてもよい。
【0101】
・
図6に示されるように、第1実施形態の人力駆動車10は、情報取得装置10Bを備えてもよい。情報取得装置10Bは、例えば、スマートフォンおよびサイクルコンピュータを含む。情報取得装置10Bは、例えば、インターネットを経由して、外部装置80Aから気象情報を取得するように構成される。情報取得装置10Bは、例えば、第1実施形態の外部通信部68と同様の外部通信部を含む。
図6の変更例において、気象情報取得部64は、外部装置80Aから気象情報を取得するように構成される情報取得装置10Bから気象情報を取得するように構成されてもよい。
図7の変更例において、気象情報取得部64は、例えば、無線通信によって、情報取得装置10Bから気象情報を取得するように構成される。気象情報取得部64は、有線通信によって、情報取得装置10Bから気象情報を取得するように構成されてもよい。
【0102】
・
図7に示されるように、第2実施形態の人力駆動車10は、情報取得装置10Bを備えていてもよい。情報取得装置10Bは、例えば、
図6の情報取得装置10Bと同様に構成される。
図7の変更例において、情報取得部84は、外部装置80Aから情報Xを取得するように構成される情報取得装置10Bから情報Xを取得してもよい。情報取得部84は、例えば、無線通信によって情報取得装置10Bから情報Xを取得するように構成される。情報取得部84は、有線通信によって、情報取得装置10Bから気象情報を取得するように構成されてもよい。
【0103】
・
図1および
図8に示されるように、第1実施形態の制御装置62は、人力駆動車10に設けられるコンポーネント58Bを操作するユーザ操作が入力される操作部106をさらに備えていてもよい。コンポーネント58Bは、例えば、発光装置50、アシスト装置52、変速装置42、アジャスタブルシートポスト44、および、サスペンション46の少なくとも1つを含む。操作部106は、例えば、スイッチ、レバー、および、ダイヤルの少なくとも1つを含む。
【0104】
・
図9に示されるように、第2実施形態の電気コンポーネント58Aには、電気コンポーネント制御部58Cが設けられてもよい。電気コンポーネント制御部58Cは、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。電気コンポーネント制御部58Cは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。電気コンポーネント制御部58Cは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。電気コンポーネント制御部58Cは、例えば、バッテリ40から電力を供給される。電気コンポーネント制御部58Cは、例えば、バッテリ40と有線または無線によって通信可能に接続される。
図9の変更例において、通信部90は、電気コンポーネント58Aに情報Xを送信するように構成され、情報Xは、電気コンポーネント制御部58Cによる電気コンポーネント58Aの制御に用いられてもよい。電気コンポーネント制御部58Cは、例えば、通信部90と無線または有線によって通信可能に構成される。情報Xは、例えば、電動装置制御部88を介して、電気コンポーネント制御部58Cに送信される。通信部90は、例えば、情報Xを電気コンポーネント制御部58Cに送信するように構成される。通信部90は、情報Xとともに、位置情報を電気コンポーネント制御部58Cに送信するように構成されてもよい。
【0105】
・
図10に示されるように、第1実施形態の制御装置62は、制御部54をさらに備えていてもよい。制御装置62が制御部54をさらに備える場合、制御装置62は、アシスト装置52とは別のコンポーネントに設けられる。別のコンポーネントは、例えば、サイクルコンピュータを含む。
図10の変更例において、人力駆動車10は、例えば、電動装置82Aを含む。
図10の変更例において、制御部54は、例えば、電動装置82Aを制御するように構成される。電動装置82Aは、例えば、第1実施形態のアシスト装置52、電動ブレーキ48、変速装置42、および、アジャスタブルシートポスト44の少なくとも1つを含む。電動装置82Aは、例えば、第2実施形態の電動装置82から、情報取得部84、通信部90、位置情報取得部94、第1制御基板98、第2制御基板100、第1ハウジング102、および、第2ハウジング104が省略された構成を有する。電動装置82Aは、例えば、電動装置ハウジング82Bをさらに備える。電動装置制御部88、電動装置記憶部96、および、アクチュエータ86は、例えば、電動装置ハウジング82Bの内部空間に設けられる。制御部54は、例えば、有線または無線によって、電動装置制御部88と通信可能に構成される。
【0106】
・
図11に示されるように、
図10の変更例において、ハウジング70および電動装置82Aの構成をさらに変更してもよい。
図11のハウジング70は、例えば、電動装置ハウジング82Bに着脱可能に構成される。
【0107】
・
図12に示されるように、
図10の変更例において、制御装置62を人力駆動車10の外部に設けられるようにしてもよい。
図10の制御装置62は、例えば、人力駆動車10の外部に設けられるサーバ60Bに設けられる。制御装置62がサーバ60Bに設けられる場合、かつ、外部装置60Aがサーバを含む場合、サーバ60Bは外部装置60Aとは異なるサーバを含んでもよい。
制御装置62がサーバ60Bに設けられる場合、人力駆動車10は、例えば、電動装置82Aを含む。電動装置82Aは、例えば、第1実施形態のアシスト装置52、電動ブレーキ48、変速装置42、および、アジャスタブルシートポスト44の少なくとも1つを含む。電動装置82Cは、例えば、第2実施形態の電動装置82から、情報取得部84、通信部90、位置情報取得部94、第1制御基板98、第2制御基板100、第1ハウジング102、および、第2ハウジング104が省略され、電動装置ハウジング82Bおよび位置情報通信部82Dが追加された構成を有する。電動装置制御部88、電動装置記憶部96、アクチュエータ86、および、位置情報通信部82Dは、例えば、電動装置ハウジング82Bの内部空間に設けられる。制御部54は、電動装置82Cを制御するように構成されてもよい。
位置情報通信部82Dは、例えば、GNSS受信部を含む。GNSS受信部は、例えば、GPS受信部を含む。位置情報通信部82DがGPS受信部を含む場合、GPS受信部が受信する電波は、GPS衛星からの電波を含む。位置情報通信部82Dは、人力駆動車10の現在位置を取得する。位置情報通信部82Dは、例えば、外部装置60A、通信部66、および、位置情報取得部72の少なくとも1つに人力駆動車10の現在位置に関する情報を送信する送信部をさらに含む。位置情報取得部72は、位置情報通信部82Dの送信部から送信される人力駆動車10の現在位置に関する情報を、外部装置60Aを経由して取得してもよく、位置情報通信部82Dから直接取得してもよく、アシスト装置制御部52Cおよび制御部54を経由して取得してもよい。
【0108】
・第1実施形態において、制御装置62は、加速度センサをさらに備えていてもよい。加速度センサは、例えば、人力駆動車10の振動に関する情報を取得可能に構成される。人力駆動車10の振動に関する情報は、例えば、人力駆動車10の盗難を検出するために用いられてもよい。例えば、制御装置62は、ユーザが人力駆動車10から離れている場合に、人力駆動車10の振動を検出すると、公共無線通信部を介してユーザのスマートフォン等に盗難を通知する。
【0109】
・第2実施形態において、電動装置82は、加速度センサをさらに備えていてもよい。加速度センサは、例えば、人力駆動車10の振動に関する情報を取得可能に構成される。人力駆動車10の振動に関する情報は、例えば、人力駆動車10の盗難を検出するために用いられてもよい。例えば、電動装置82は、ユーザが人力駆動車10から離れている場合に、人力駆動車10の振動を検出すると、公共無線通信部を介してユーザのスマートフォン等に盗難を通知する。
【0110】
・第1実施形態において、制御装置62は、位置情報を位置情報取得部72に代えて、スマートフォン等に搭載されるGPS受信機から取得するように構成されてもよい。この変更例において、GPS受信機は、人力駆動車10およびライダの少なくとも1つとともに移動可能に構成される。
【0111】
・第2実施形態の電動装置82は、位置情報を位置情報取得部94に代えて、スマートフォン等に搭載されるGPS受信機から取得するように構成されてもよい。この変更例において、GPS受信機は、人力駆動車10およびライダの少なくとも1つとともに移動可能に構成される。
【0112】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0113】
10…人力駆動車、10A…ホルダ、10B…情報取得装置、42…変速装置、44…アジャスタブルシートポスト、46…サスペンション、50…発光装置、52…アシスト装置、52A…アクチュエータ、52B…アシスト装置ハウジング、52C…アシスト装置制御部、54…制御部、58A…電気コンポーネント、58B…コンポーネント、58C…電気コンポーネント制御部、60…制御システム、60A…外部装置、62…制御装置、64…気象情報取得部、66…通信部、68…外部通信部、70…ハウジング、72…位置情報取得部、74…時刻取得部、80…制御システム、80A…外部装置、82…電動装置、84…情報取得部、86…アクチュエータ、88…電動装置制御部、90…通信部、92…外部通信部、94…位置情報取得部、98…第1制御基板、100…第2制御基板、102…第1ハウジング、104…第2ハウジング、106…操作部。