(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103735
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024090963
(22)【出願日】2024-06-04
(62)【分割の表示】P 2019213888の分割
【原出願日】2019-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 仁
(57)【要約】
【課題】競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供すること。
【解決手段】ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付ける受付部と、前記投票について設定された所定期間内に、前記競技において前記ユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに付与する所定価値を算出する算出部と、前記算出部で算出された所定価値を前記ユーザに付与する付与部と、を有する、情報処理装置を提供する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付ける受付部と、
前記投票について設定された所定期間内に、前記競技において前記ユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに付与する所定価値を算出する算出部と、
前記算出部で算出された所定価値を前記ユーザに付与する付与部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、競技の結果等に対して投票を行うことができるサービスが知られている。例えば、特許文献1には、ネットワークを利用した投票をし、且つリアルタイムに配当率が変化する遊戯についてのネット投票システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
競技の結果について投票するサービスのように、競技の結果が投票対象である場合、1つの競技につき投票機会が1回であることから、投票機会が少ない。特に競技時間が長い競技では、投票してから投票結果を得るまでの時間が長くなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付ける受付部と、前記投票について設定された所定期間内に、前記競技において前記ユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに付与する所定価値を算出する算出部と、前記算出部で算出された所定価値を前記ユーザに付与する付与部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る投票システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】競技に対して投票を行うサービスの具体例を説明するための図である。
【
図3】サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】サーバの機能ブロック構成例を示す図である。
【
図5】投票管理情報、価値管理情報及び算出定義情報の一例を示す図である。
【
図6】サーバが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る投票システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示す投票システム1は、競技に対して投票を行うサービスを提供するシステムであり、サーバ10と、1以上の端末20とを備える。サーバ10及び端末20は、インターネットやイントラネット、無線LAN、移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。サーバ10及び端末20は、情報処理装置と称されてもよい。
【0011】
サーバ10は、1又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。端末20は、ユーザが利用する端末であり、ユーザは、端末20を操作することで投票対象に投票を行うことができる。端末20は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0012】
サーバ10は、複数の投票対象の間で行われる各種競技において、ユーザが予想及び投票する投票対象及び投票する所定価値の管理、ユーザが保持する所定価値の管理、投票が当たった場合にユーザに所定価値を付与する処理等の各種処理を実行する。
【0013】
競技は、例えば、サッカー、フットサル、野球、ソフトボール、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ラグビー、バドミントン、卓球、ビリヤード、ボウリング、ドッジボール、ボクシング、レスリング、プロレス、陸上、競馬、競輪等、複数の出場者
(チーム又は個人)の間で優劣を競うものであれば、あらゆる競技を含む。
【0014】
投票対象とは、競技で対戦する出場者(選手、チーム及び動物等)である。例えば、サッカーの場合、対戦する2チームの各々が投票対象になる。
【0015】
所定価値とは、投票対象に投票可能な価値及び投票結果に応じて付与される価値であり、例えば、金銭でもよいし、ポイントであってもよい。ポイントは、投票することに加えて、所定のサービス又はゲームで利用可能であってもよい。また、ポイントは、例えば所定のサービス又はゲームをプレイするユーザが、所定のサービスやゲーム内にて無償で受け取ることが可能なポイント(無償ポイント)であってもよいし、所定のサービスやゲーム内で金銭の支払と引き換えに(課金することで)受け取ることが可能なポイント(有償ポイント)であってもよい。また、有償ポイントは金銭に交換可能であってもよい。本実施形態において、所定価値は、単に「価値」と称されてもよい。
【0016】
本実施形態では、ユーザは、競技を行う複数の投票対象のうちいずれかの投票対象に投票した後、投票について設定された所定期間内に、投票した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合、所定価値の付与を受けることができる。
【0017】
特定のイベントが生じた場合に付与される所定価値は、投票した所定価値と同一種別の所定価値であってもよいし、異なる種別の所定価値であってもよい。例えば、金銭を投票した場合、金銭が付与されるようにしてもよいし、金銭、有償ポイント及び/又は無償ポイントのうち少なくとも2つ以上が付与されるようにしてもよい。有償ポイントを投票した場合、有償ポイントが付与されるようにしてもよいし、金銭、有償ポイント及び/又は無償ポイントのうち少なくとも2つ以上が付与されるようにしてもよい。無償ポイントを投票した場合、無償ポイントが付与されるようにしてもよいし、金銭、有償ポイント及び/又は無償ポイントのうち少なくとも2つ以上が付与されるようにしてもよい。
【0018】
図2を用いて具体例を示す。
図2の具体例は、ホームチームとアウェイチームの間で行われるサッカーの試合において、所定価値を投票(BET)したチームが、投票してから60秒以内にゴールを決めた場合、所定価値の付与が受けられ、60秒以内にゴールが決まらなかった場合、投票した所定価値は没収されるという例である。
【0019】
ユーザは、試合を観戦しながら、60秒以内にゴールを決めそうなチームはどちらであるのかを予想し、60秒以内に間違いなくゴールを決めるだろうと判断したタイミングで所定価値を投票する。もし予想が当たれば、ユーザは所定価値の付与を受けることができ、予想が外れれば、投票した所定価値は没収される。
図2の例では、ユーザは、1回目の投票のあと、更に、続けて2回投票を行い、その後、1回目の投票から60秒以内にゴールが決まったことで、3つの投票全てが当たったという状況を示している。
【0020】
<ハードウェア構成>
図3は、サーバ10のハードウェア構成例を示す図である。サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0021】
<機能ブロック構成>
図4は、サーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。サーバ10は、記憶部100と、受付部101と、検出部102と、算出部103と、付与部104とを含む。記憶部100は、サーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、受付部101と、検出部102と、算出部103と、付与部104とは、サーバ10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0022】
記憶部100は、各ユーザの投票を管理する投票管理情報100aと、各ユーザが投票した所定価値の合計を投票対象ごとに管理する価値管理情報100bと、投票が当たったユーザに付与する所定価値の算出方法を定義する算出定義情報100cとを記憶する。
【0023】
図5のAは、投票管理情報100aの一例を示す。投票管理情報100aの「ユーザID」には、サーバ10内でユーザを一意に識別するための識別子が格納される。「ニックネーム」には、ユーザ登録時にユーザが入力したニックネームが格納される。「所持価値」は、ユーザが所持する所定価値の量が格納される。「投票情報」には、ユーザが投票した投票について、当該投票が特定のイベントに該当するか否かを判定するために必要な各種情報と、投票結果とが格納される。例えば、
図5のAの例では、ユーザが投票した時刻、投票した投票対象、投票した所定価値の量、投票結果(当たり又は外れ)、投票が当たった場合に付与された所定価値の量が格納されている。
【0024】
図5のBは、価値管理情報100bの一例を示す。「投票対象」には、競技において対戦を行っている各投票対象の名称等が格納される。「投票された所定価値」には、各ユーザがいずれかの投票対象に投票した所定価値の合計値が格納される。
【0025】
図5のCは、算出定義情報100cの一例を示す。
図5のCに示す算出定義情報100cは、「投票してから60秒以内に投票したチームがゴールを決めた場合に所定価値が付与される」ゲームにおける算出定義情報100cの例を示している。「経過時間」は、投票してからの経過時間を示す。「倍率」は、当たった場合に付与される所定価値の量を計算するために用いる情報を示す。
【0026】
受付部101は、ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付ける。また、受付部101は、ユーザから、投票対象の指定に加え、投票する所定価値の量の指定を含む投票を受け付けるようにしてもよい。
【0027】
検出部102は、競技において特定のイベントが生じたことを検出する。また、検出部102は、特定のイベントが生じたことで、ユーザの投票が当たったか否かを検出する。
【0028】
算出部103は、ユーザの投票が当たったことが検出部102で検出された場合、当該ユーザに付与する所定価値を算出する。また、算出部103は、投票の際にユーザが指定した「投票する所定価値の量」に基づいて、ユーザに付与する所定価値の量を算出するようにしてもよい。なお、本実施形態では、検出部102は、算出部103の中に含まれることとしてもよい。
【0029】
付与部104は、投票が当たったユーザに、算出部103で算出された量の所定価値を付与する。なお、ユーザに所定価値を付与するとは、ユーザに所定価値を支払う処理をサーバ10が行うことと、ユーザに支払う所定価値の量をサーバ10が決定し、実際の支払処理は他の情報処理装置が行うことの両方の意味を含むこととしてもよい。
【0030】
<処理手順>
図6は、サーバ10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、ユーザからの投票の受付を開始してから、投票の受付を終了するまでにサーバ10が行う処理手順の例を示している。
【0031】
ステップS11で、受付部101は、各ユーザの端末20から投票の受付を開始する。各ユーザは競技を観戦しながら、端末20の画面を操作することで投票を行う。端末20は、各ユーザから投票を受け付けると、投票対象の指定と投票する所定価値の量の指定とを含む投票情報をサーバ10に送信する。また、受付部101は、端末20から、投票対象の指定と投票する所定価値の量の指定とを含む投票情報を受信することで、投票を受け付ける。
【0032】
投票する所定価値の量は、端末20の画面でユーザが指定可能であってもよいし、ユーザからの指定は受け付けずに予め定められた所定価値の量が自動的に投票されることとしてもよい。予め定められた所定価値の量が自動的に投票される場合、投票依頼メッセージには、所定価値の量を示す情報は含まれていなくてもよい。受付部101は、投票を受け付けた場合、投票管理情報100aの投票情報に、受け付けた投票に関する情報を追加する。また、価値管理情報100bに、投票された所定価値を加算する。
【0033】
ステップS12で、検出部102は、競技において特定のイベントが発生したことを検出する。特定のイベントが発生したことの検出は、検出部102が、競技の中継映像を分析することで自動的に行うようにしてもよいし、サーバ10を運営している管理人等から、特定のイベントが発生したことの通知を受け付けることで、特定のイベントが発生したことを検出するようにしてもよい。
【0034】
また、検出部102は、投票について設定された所定期間内に、競技においてユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合、当該ユーザの投票が当たったことを検出する。なお、投票について設定された所定期間内とは、投票を受け付けた時刻から所定期間内であってもよい。例えば、競技、所定期間及び特定のイベントが、それぞれ、「サッカー」、「投票した時刻から60秒以内」及び「投票したチームがゴールを決めること」であるとする。この場合、ユーザが投票した時刻から60秒以内に、投票したチームがゴールを決めた場合、当該ユーザの投票は当たったことになる。
【0035】
また、投票について設定された所定期間内とは、特定のイベントが生じる可能性のある予め定められた期間であってもよい。例えば、競技、所定期間及び特定のイベントが、それぞれ、「野球」、「第3イニング」及び「投票したチームの方が先にホームランを打つこと」であるとする。この場合、第3イニングに、投票したチームがゴールを決めた場合、当該ユーザの投票は当たったことになる。
【0036】
所定期間や特定のイベントは、様々な例が考えられる。例えば、所定期間は、前半、後半、各イニングの表又は裏等であり、特定のイベントは、所定期間内にどのチーム(又は個人)が多く得点するか、先に得点するか又はホームランを打つか等であってもよい。また、所定期間は30秒や1分等であり、特定のイベントは、投票してから所定期間内にどのチーム(又は個人)が先にシュートするか、得点するか又は相手をノックアウトするか等であってもよい。
【0037】
ステップS13で、算出部103は、投票が当たったユーザに付与する所定価値を算出する。ここで、ユーザに付与する所定価値は、ユーザが指定した投票する所定価値の量と、所定期間内で特定のイベントが生じたタイミングとに基づいて設定されるようにしてもよい。以下、所定価値の量を算出する方法の具体例を説明する。
【0038】
(算出例1)
算出部103は、投票を受け付けてから特定のイベントが生じるまでに経過した時間の長さが長いほど付与する価値の量が多くなるように、ユーザに付与する所定価値の量を算出するようにしてもよい。より具体的には、算出部103は、ユーザが投票した所定価値に、投票を受け付けた時刻から当該特定のイベントが生じるまでに経過した時間の長さに応じた値を乗算した値を、当該ユーザに付与する所定価値としてもよい。
【0039】
ここで、競技、所定期間及び特定のイベントは、それぞれ、「サッカー」、「投票してから60秒以内」及び「投票したチームがゴールを決めること」であるとする。また、価値管理情報100b及び算出定義情報100cには、それぞれ、
図5のB及びCに図示されている情報が格納されているものとする。
【0040】
まず、算出部103は、算出定義情報100cから、ユーザが投票をした時刻から特定のイベントが生じるまでの経過時間に対応する倍率を取得し、ユーザが投票した所定価値に取得した倍率を乗算した値を、付与する所定価値の量とする。例えば、ユーザが投票した所定価値が10ポイントであり、ユーザが投票をした時刻から特定のイベントが生じるまでの経過時間が5秒で合った場合、ユーザに付与される所定価値は20ポイントになる。また、例えば、ユーザが投票した所定価値が10ポイントであり、ユーザが投票をした時点から特定のイベントが生じるまでの経過時間が40秒で合った場合、ユーザに付与される所定価値は160ポイントになる。
【0041】
算出例1の場合、ユーザが投票をしてからゴールが決まるまでに経過した時間が長いほど、付与される所定価値の量は多くなる。つまり、選手がシュートしてゴールが決まる直前のタイミングで投票をするよりも、ゴールが決まるか分からないタイミングで投票をする方が、当たった場合に多くの払い戻しを受けられる。そのため、ユーザは、どのタイミングで投票するのかの駆け引きを楽しむことができる。
【0042】
(算出例2)
算出例2は、各ユーザが投票した所定価値をプールしておき、プールされた所定価値を、当たったユーザに分配する例である。
【0043】
算出部103は、特定のイベントが生じる前に、特定のイベントに関する投票対象に投票した複数のユーザの各々から受け付けた所定価値の合計の全部又は一部を、特定のイベントが生じた後で、当該特定のイベントに関する投票対象に投票した複数のユーザの各々に分配することで、ユーザに付与する所定価値の量を算出する。分配方法は任意であるが、例えば、複数のユーザの各々に分配する所定価値は、投票を受け付けてから特定のイベントが生じるまでに経過した時間の長さが長いユーザほど多く分配されるようにしてもよい。
【0044】
まず、算出部103は、算出定義情報100cにアクセスすることで、ユーザが投票をした時点から特定のイベントが生じるまでの経過時間に対応する倍率を取得し、ユーザが投票した所定価値に取得した倍率を乗算した値を、投票が当たったユーザごとに算出する。ここでは、チームAがゴールを決めたとし、投票が当たったユーザはユーザA及びユーザBであり、投票した所定価値に取得した倍率を乗算した値は、ユーザAが80ポイント、ユーザBが20ポイントであったとする。
【0045】
続いて、算出部103は、価値管理情報100bにアクセスし、投票対象がAであるレコードの「投票された所定価値」に格納されている所定価値(5,000ポイント)を、ユーザAとユーザBに分配する。分配する割合は、ユーザAが80、ユーザBが20である。従って、ユーザAには、4,000ポイント(5,000×80÷(80+20))が付与され、ユーザBには、1,000ポイント(5,000×20÷(80+20))が付与されることになる。
【0046】
ユーザへの分配が完了すると、算出部103は、投票対象がAであるレコードの「投票された所定価値」の値をゼロにリセットする。つまり、算出例2では、価値管理情報100bの「投票された所定価値」は、各ユーザから投票されてプールされた所定価値であり、また、当たったユーザに付与される所定価値の原資であるとも言える。なお、算出部103は、プールされた所定価値を全て当たったユーザに分配するのではなく、プールされた所定価値の一部(例えば90%など)を分配するようにしてもよい。
【0047】
なお、競技が、同日又は異なる日に複数回行われる競技である場合において、特定のイベントが生じなかった結果、残った所定価値は、次に行われる競技に持ち越されるようにしてもよい。例えば、記憶部100は、特定の競技で特定のイベントが生じなかった場合、当該特定のイベントに関する投票対象に投票した複数のユーザの各々から受け付けた投票する価値の合計の全部又は一部を、当該特定の競技以降に行われる競技で複数のユーザに分配するために記憶しておくようにしてもよい。具体的には、記憶部100は、価値管理情報100bの「投票された所定価値」に、持ち越す所定価値を、次の競技が行われるまで格納しておくようにしてもよい。
【0048】
ステップS14で、付与部104は、ステップS13の処理手順で算出された所定価値をユーザに付与する。
【0049】
ステップS15で、サーバ10は、投票受付が終了するまでステップS11~ステップS14までの処理手順を繰り返し行い、投票受付が終了すると、処理を終了する。
【0050】
なお、以上説明した
図6のフローチャートにおいて、投票受付の開始タイミング及び終了タイミングは、本実施形態を適用する競技、所定期間及び特定のイベントの内容によって変化するようにしてもよい。例えば、競技、所定期間及び特定のイベントが、それぞれ、「サッカー」、「投票してから60秒以内」及び「投票したチームがゴールを決めること」である場合、投票受付の開始タイミング及び終了タイミングは、それぞれ、「競技開始時」及び「競技終了時」としてもよい。また、例えば、競技、所定期間及び特定のイベントが、それぞれ、「野球」、「第3イニング」及び「投票したチームの方が先にホームランを打つこと」である場合、投票受付の開始タイミング及び終了タイミングは、それぞれ、「試合開始時」及び「第3イニングが始まるまで」としてもよい。
【0051】
また、投票受付の開始タイミング及び終了タイミングによっては、ステップS15の処理手順を、ステップS11とステップS12の処理手順の間で行うようにしてもよい。例えば、競技、所定期間及び特定のイベントが、それぞれ、「野球」、「第3イニング」及び「投票したチームの方が先にホームランを打つこと」であり、第2イニング終了と同時に投票の受付も終了する場合を想定する。この場合、投票受付が終了(ステップS15)した後、ステップS12の処理手順が実行され、どちらかのチームがホームランを打っている場合は、ステップS13及びステップS14の処理手順が実行されることとしてもよい。
【0052】
<投票依頼メッセージの遅延対策>
図6のステップS11の処理手順において、受付部101は、端末20から、投票対象の指定と投票する所定価値の量の指定とを含む投票情報を受信することで、投票を受け付けることとした。この場合、受付部101は、投票情報を受信した時刻を、ユーザが投票を行った時刻として認識することになる。しかしながら、端末20とサーバ10間で通信遅延が生じた場合、ユーザは投票を行ったと認識しているのにも関わらず、サーバではユーザが投票を行ったことを認識していないケースが生じる。
【0053】
そこで、算出部103は、ユーザが投票をした時刻から特定のイベントが生じるまでの経過時間を計算する際、「ユーザが投票をした時刻は、受付部101が投票情報を受信した時刻から所定時間前(例えば5秒等)である」とみなすようにしてもよい。例えば、ユーザが実際に投票した時刻は10時10分10秒であり、受付部101が投票情報を受信した時刻は10時10分12秒であったとする。また、所定時間は5秒に設定されているとする。この場合、受付部101は、ユーザは10時10分7秒に投票したものとして扱う。これにより、通信遅延が生じた場合であっても、ユーザの認識との乖離を抑制することが可能になる。
【0054】
また、他の方法として、算出部103は、受付部101が投票情報を受信した時刻から所定時間経過後(例えば5秒後)にユーザが投票をしたものとみなすようにしてもよい。また、各ユーザには、当該所定時間が経過したタイミングで投票が行われたものとみなされることを予めユーザに通知しておくようにする。これにより、ユーザは、通信遅延を考慮して早めに投票を行うことになり、実際に通信遅延が生じた場合であっても、ユーザの認識との乖離を抑制することが可能になる。
【0055】
また、他の方法として、端末20からサーバ10に送信される投票情報に、端末20がユーザから投票を行うことを受け付けた時刻を示す時刻情報を含めておき、算出部103は、当該時刻情報が示す時刻を、ユーザから投票を受け付けた時刻とみなして、ユーザに支払う所定価値の量を算出するようにしてもよい。これにより、通信遅延が生じた場合でもサーバ10は、ユーザが投票を行った時刻をより正確に認識することが可能になる。
【0056】
<画面例>
図7は、端末20に表示される画面の一例を示す図である。投票画面A100には、チームAに1,000ポイントを投票するボタンB1と、チームAに100ポイントを投票するボタンB2と、チームBに1,000ポイントを投票するボタンB3と、チームBに100ポイントを投票するボタンB4とが表示されている。ボタンB1~B4が予め用意されていることで、ユーザは、競技を観戦しながら、素早く投票を行うことができる。
【0057】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、ユーザは、競技を観戦しながら、端末20の画面に表示される投票ボタンを押下して投票を行い、投票した投票対象において特定のイベントが生じた場合に、所定価値の付与を受けることができる。また、これにより、競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供することが可能になる。
【0058】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0059】
<付記>
[付記1]
ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付ける受付部と、
前記投票について設定された所定期間内に、前記競技において前記ユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに付与する所定価値を算出する算出部と、
前記算出部で算出された所定価値を前記ユーザに付与する付与部と、
を有する、情報処理装置。
【0060】
付記1によれば、競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供することができる。
【0061】
[付記2]
前記受付部は、前記ユーザから、前記投票対象の指定に加え、投票する所定価値の量の指定を含む投票を受け付け、
前記算出部は、前記所定期間内に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザが指定した前記投票する所定価値の量に基づいて、前記ユーザに付与する所定価値の量を算出する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0062】
付記2によれば、ユーザが投票する投票価値の量を指定できるので、より多くの所定価値の付与を受けることが可能になる。
【0063】
[付記3]
前記ユーザに付与する所定価値は、前記ユーザが指定した前記投票する価値の量と、前記所定期間内で前記特定のイベントが生じたタイミングとに基づいて設定される、
付記2に記載の情報処理装置。
【0064】
付記3によれば、ユーザが投票した投票価値の量と特定のイベントが生じたタイミングに応じて付与される所定価値が変化するので、ユーザは戦略的に投票を行うことが可能になる。また、これにより、各ユーザが行う投票をより活性化させることが可能になる。
【0065】
[付記4]
前記算出部は、前記投票を受け付けてから前記特定のイベントが生じるまでに経過した時間の長さが長いほど付与する価値の量が多くなるように、前記ユーザに付与する所定価値の量を算出する、
付記1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0066】
付記4によれば、より早いタイミングで投票を行うほど、特定のイベントが生じた場合に多くの所定価値の付与を受けられる一方、早く投票をしても特定のイベントが生じなかった場合には所定価値の付与を受けられないことから、ユーザは戦略的に投票を行うことが可能になる。また、これにより、各ユーザが行う投票をより活性化させることが可能になる。
【0067】
[付記5]
前記算出部は、前記特定のイベントが生じる前に、前記特定のイベントに関する投票対象に投票した複数のユーザの各々から受け付けた投票する所定価値の合計の全部又は一部を、前記特定のイベントが生じた後で、前記特定のイベントに関する投票対象に投票した複数のユーザの各々に分配することで、前記ユーザに付与する所定価値の量を算出する、
付記1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0068】
付記5によれば、特定のイベントが発生するまでの間、各ユーザが投票した所定価値を蓄積しておき、蓄積された所定価値を当たったユーザに分配することが可能になる。また、特定のイベントが生じない場合、蓄積される所定価値が増加することになるが、蓄積される所定価値が増加するほど当たった場合に得られる所定価値も増加することから、投票をより活性化させることが可能になる。
【0069】
[付記6]
前記競技は、同日又は異なる日に複数回行われる競技であり、
特定の競技で前記特定のイベントが生じなかった場合、前記特定のイベントに関する投票対象に投票した複数のユーザの各々から受け付けた投票する所定価値の合計の全部又は一部を、前記特定の競技以降に行われる競技で前記複数のユーザに分配するために記憶する記憶部、を有する、
付記1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0070】
付記6によれば、ある特定の競技において特定のイベントが生じなかった場合、ユーザに付与されずに余った所定価値を、次の競技まで持ち越すことが可能になる。
【0071】
[付記7]
前記受付部は、前記ユーザが利用する端末から、投票対象の指定と投票する所定価値の量の指定とを含む投票情報を受信することで、前記投票を受け付け、
前記投票情報には、前記端末が前記ユーザから前記投票を行うことを受け付けた時刻を示す時刻情報が含まれており、
前記算出部は、前記時刻情報が示す時刻を、前記投票を受け付けた時刻とみなして、前記ユーザに支払う所定価値の量を算出する、
付記1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0072】
付記7によれば、端末とサーバとの間で通信遅延が生じた場合でも、サーバは、ユーザが投票を行ったタイミングをより正確に認識することが可能になる。
【0073】
[付記8]
情報処理装置が行う情報処理方法であって、
ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付けるステップと、
前記投票について設定された所定期間内に、前記競技において前記ユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに付与する所定価値を算出するステップと、
前記算出するステップで算出された前記所定価値を前記ユーザに付与するステップと、
を有する、情報処理方法。
【0074】
付記8によれば、競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供することができる。
【0075】
[付記9]
コンピュータに、
ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、投票対象の指定を含む投票を受け付けるステップと、
前記投票について設定された所定期間内に、前記競技において前記ユーザが指定した投票対象に関する特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに付与する所定価値を算出するステップと、
前記算出するステップで算出された前記所定価値を前記ユーザに付与するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【0076】
付記9によれば、競技に対するユーザの投票機会を増やすことが可能な技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
10…サーバ、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、100…記憶部、100a…投票管理情報、100b…価値管理情報、100c…算出定義情報、101…受付部、102…検出部、103…算出部、104…付与部
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、前記競技の開始から終了までに特定のイベントが発生するか否かについて、所定価値の量を指定した投票を受け付け、
前記投票を受け付けた時点から所定期間内に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザが指定した所定価値の量に基づいて前記ユーザに第1価値を付与し、前記投票を受け付けた時点から所定期間より後に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに第1価値を付与しない、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、前記競技の開始から終了までに特定のイベントが発生するか否かについて、所定価値の量を指定した投票を受け付け、
プロセッサが、前記投票を受け付けた時点から所定期間内に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザが指定した所定価値の量に基づいて前記ユーザに第1価値を付与し、前記投票を受け付けた時点から所定期間より後に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに第1価値を付与しない、
方法。
【請求項3】
プロセッサに、ユーザから、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、前記競技の開始から終了までに特定のイベントが発生するか否かについて、所定価値の量を指定した投票を受け付けさせ、
プロセッサに、前記投票を受け付けた時点から所定期間内に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザが指定した所定価値の量に基づいて前記ユーザに第1価値を付与させ、前記投票を受け付けた時点から所定期間より後に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに第1価値を付与させない、
プログラム。
【請求項4】
サーバと端末とを含み、
前記サーバは、
ユーザの端末から、複数の投票対象の間で行われる競技に関して、前記競技の開始から終了までに特定のイベントが発生するか否かについて、所定価値の量を指定した投票を受け付け、
前記投票を受け付けた時点から所定期間内に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザが指定した所定価値の量に基づいて前記ユーザに第1価値を付与し、前記投票を受け付けた時点から所定期間より後に前記特定のイベントが生じた場合に、前記ユーザに第1価値を付与しない、
システム。