(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103743
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】機械式駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
E04H6/18 601F
E04H6/18 601G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091161
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2022211877の分割
【原出願日】2013-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 和也
(72)【発明者】
【氏名】大倉 一政
(57)【要約】
【課題】より確実に乗降室から人が退出した後に動作を行い、乗降室内の安全性を確保する、ことを目的とする。
【解決手段】機械式駐車装置は、格納庫へ搬送されるパレット16に車両12が載置され、車両12の運転者が車両12に乗降可能な乗降室20が設けられる。そして、機械式駐車装置は、乗降室20内における安全確認の実施位置の近辺に配置され、人による安全確認の実施状態が入力される確認ボタン34と、確認ボタン34への入力が行われ、かつ乗降室20から人が退室した後に、パレット16の搬送を実行する制御装置と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室が設けられる機械式駐車装置であって、
前記乗降室内における安全確認の実施位置の近辺に配置され、人による安全確認の実施状態が入力される1又は複数の入力手段と、
前記入力手段への入力が行われ、かつ前記乗降室から人が退室した後に、前記パレットの搬送を実行する制御手段と、
を備える機械式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置として、格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、車両の運転者が車両に乗降可能な乗降室を備えるものが普及している。
【0003】
このような機械式駐車装置では、乗降室の外で同乗者や荷物を車外に降ろした後に、車両の運転者のみが車両と共に乗降室に進入し、パレットに車両を載置する。
しかし、乗降室の外にいた人が乗降室に入ってきてしまう場合や、運転者以外の人が機械式駐車装置の動作指令を出すといった、意図しない状況が生じる場合があった。
【0004】
このため、特許文献1には、乗降室に車両の進行方向から映すカメラを備え、カメラの映像に人を発見したとき操作盤の操作を停止する立体駐車装置が開示されている。
また、特許文献2には、入庫された車両内の人及び動物を直接検知すると共に車両の一部または車体の揺れを検知するマイクロ波ドップラーセンサからの入力信号に基づいて、人又は動物等の動体の存在を判断する立体駐車場が開示されている。
また、特許文献3には、入庫時の車両重量と昇降台上へ搭載後の車両重量との重量差を求めて、その重量差が人の重量分に相当する範囲内になければ、入出庫口扉を開制御する立体駐車場が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-158968号公報
【特許文献2】特許第4557646号公報
【特許文献3】特許第4391247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1から特許文献3に記載の技術では、カメラ、ドップラーセンサ、車両の重量検出手段等を備える必要があり、これらの装置の導入によるコスト増が生じる。また、上記技術では、カメラの死角、外乱によるドップラーセンサや重量検出手段の誤検出等、人等の検出精度の低下が問題となる。その結果、乗降室から人が退出していないにもかかわらず、機械式駐車装置が動作する可能性がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、より確実に乗降室から人が退出した後に動作を行い、乗降室内の安全性が確保される、機械式駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の機械式駐車装置は以下の手段を採用する。
【0009】
本発明の第一態様に係る機械式駐車装置は、格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室が設けられる機械式駐車装置であって、前記乗降室内における安全確認の実施位置の近辺に配置され、人による安全確認の実施状態が入力される1又は複数の入力手段と、前記入力手段への入力が行われ、かつ前記乗降室から人が退室した後に、前記パレットの搬送を実行する制御手段と、を備える。
【0010】
本構成に係る機械式駐車装置は、格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、車両の運転者が車両に乗降可能な乗降室が設けられる。
【0011】
乗降室内における安全確認の実施位置の近辺には、人による安全確認の実施状態が入力される1又は複数の入力手段が配置される。入力手段は、例えば人によって押圧されるボタン(押ボタン)である。安全確認は、人の有無やパレットの搬送の障害になる物の有無等の確認である。すなわち、車両から降りた運転者が、安全確認者として乗降室内における安全確認の実施位置へ移動する。そして、安全確認者が、安全確認を実施した後に、入力手段への入力(例えば押ボタンの押圧)を行う。これにより、安全確認終了という安全確認の実施状態が入力手段に入力されることとなる。
【0012】
乗降室内の安全確認は、運転者が乗降室内に居るものの(時には同乗者が車両内に居残る場合がある)確実な検知方法がない。このため、乗降室内の安全確認は、人による確認が最も効果的な方法であると考えられる。本構成によれば、入力手段が安全確認の実施位置の近辺に配置されるため、安全確認者は入力手段の配置位置へ移動しなければならない。安全確認者は、入力手段までの移動を行う過程において必然的に周囲を目視するので、それにより安全確認が行われることとなる。なお、安全確認者は、車両の運転者に限らず、機械式駐車装置の管理者等でもよい。
【0013】
そして、入力手段への入力が行われ、かつ乗降室から人が退室した後に、制御手段によって、パレットの搬送が実行される。このため、入力手段への入力が行われ、乗降室から人が退室することで安全が確保されない限り、パレットの搬送は行われず、車両も格納庫へ搬送されることは無い。
【0014】
従って、本構成は、より確実に乗降室から人が退出した後に動作を行い、乗降室内の安全性を確保できる。
【0015】
上記第一態様では、前記入力手段が、入力が行われていない場合に入力を促す機能を有することが好ましい。
【0016】
本構成に係る入力を促す機能は、例えば入力手段が明滅する機能である。具体的には、入力が行われていない入力手段は明滅し、入力が行われた入力手段は消灯する。これにより、本構成は、入力手段への入力忘れや入力ミスが防止できる。
【0017】
上記第一態様では、前記入力手段が、前記パレットを挟んで複数配置されることが好ましい。
【0018】
本構成によれば、安全確認者が車両の片側だけでなく、反対側の安全確認も行うこととなるので、より確実に乗降室内の安全性が確保される。
【0019】
上記第一態様では、前記車両の運転席側に対して反対側に配置された前記入力手段への入力を促す機能を備えることが好ましい。
【0020】
本構成に係る入力を促す機能は、例えば入力手段が明滅する機能である。そして、複数の入力手段のうち、車両の運転席側に対して反対側に配置された入力手段が明滅することによって、入力手段への入力が促される。これにより、安全確認者である車両の運転者が運転席側から車両の反対側まで移動することとなり、乗降室内の安全確認がより広い範囲で行われる。
【0021】
上記第一態様では、前記乗降室外に配置され、前記パレットの搬送の許可が入力される許可入力手段を備え、前記制御手段が、前記許可入力手段への操作が行われた後に、前記パレットの搬送を実行することが好ましい。
【0022】
本構成によれば、パレットの搬送の許可が入力される許可入力手段が、乗降室外に配置される。許可入力手段は、例えば人によって押圧されるボタン(押ボタン)である。そして、許可入力手段への操作が行われた後に、パレットの搬送が実行される。すなわち、安全確認の実施状態を入力手段に入力した安全確認者が、許可入力手段への操作を行った後に、パレットの搬送が実行される。
従って、本構成は、より確実に乗降室内の安全性が確保される。
【0023】
上記第一態様では、人の前記乗降室への入退室を検知する入退室検知手段を備え、前記制御手段が、前記入退室検知手段によって前記乗降室へ入室した人の退室が検知された後に、前記許可入力手段への操作を有効とすることが好ましい。
【0024】
本構成によれば、人の乗降室への入退室を検知する入退室検知手段が、例えば乗降室の入退口に備えられる。そして、入退室検知手段によって乗降室へ入室した人の退室が検知された後に、許可入力手段への操作が有効とされる。これにより、例えば安全確認者が乗降室から出る前に、他者によって許可入力手段への操作が行われても、パレットの搬送が実行されることは無い。
従って、本構成は、より確実に乗降室内の安全性が確保される。
【0025】
上記第一態様では、前記制御手段が、前記入力手段への入力が行われた後に、前記入退室検知手段によって前記乗降室への人の入室が検知された場合、前記入力手段への入力を解除することが好ましい。
【0026】
本構成によれば、新たに人が乗降室内へ入室した場合に、再び乗降室内の安全確認を必要とするため、より確実に乗降室内の安全性が確保される。
【0027】
上記第一態様では、前記制御手段が、前記許可入力手段への操作が有効とされた後に、前記入退室検知手段によって前記乗降室への人の入室が検知された場合、前記入力手段への入力を解除すると共に、前記許可入力手段への操作を無効とすることが好ましい。
【0028】
本構成によれば、安全確認者が許可入力手段への操作を行う前に他者が乗降室へ入室した場合、入力手段への入力が解除され、有効となった許可入力手段への操作を無効となる。そして、再び安全確認が行われて入力手段への入力がされ、入退室検知手段により退出が検知された後に許可入力手段への操作が再び有効となる。
本構成によれば、新たに人が乗降室内へ入室した場合に、再び乗降室内の安全確認を必要とするため、より確実に乗降室内の安全性が確保される。
【0029】
上記第一態様では、前記パレットに載置された前記車両の両側に配置され、前記車両の車幅を検知する車幅検知手段を備え、前記制御手段が、前記入力手段への入力後から前記許可入力手段への操作の間に前記車幅検知手段から検知信号が出力された場合、前記入力手段への入力を解除することが好ましい。
【0030】
入力手段への入力後に車幅検知手段が検知信号を出力する場合とは、車両に居残っていた同乗者が車両から降りた場合である。この場合、乗降室には、運転者以外に同乗者が居ることとなる。そこで、本構成は、入力手段への入力後から許可入力手段への操作の間に車幅検知手段から検知信号が出力された場合、入力手段への入力を解除する。これにより、同乗者の乗降室からの退室確認を含む乗降室内の安全確認が再び必要とされるため、より確実に乗降室内の安全性が確保される。
【0031】
上記第一態様では、前記乗降室内における人の移動順序を報知する報知手段を備えることが好ましい。
【0032】
本構成によれば、安全確認者の移動が円滑となる。
【0033】
上記第一態様では、前記入力手段の近辺に配置され、前記車両に対して反対側の安全確認を可能とする反対側安全確認手段を備えることが好ましい。
【0034】
本構成によれば、安全確認者が車両に対して反対側へ移動しなくても、反対側の安全確認ができる。
【0035】
本発明の第二態様に係る機械式駐車装置の制御方法は、格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室が設けられる機械式駐車装置の制御方法であって、前記乗降室内における安全確認の実施位置の近辺に配置された1又は複数の入力手段が、人による安全確認の実施状態の入力を受け付ける第1工程と、前記入力手段への入力が行われ、かつ前記乗降室から人が退室した後に、前記パレットの搬送を実行する第2工程と、を含む。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、より確実に乗降室から人が退出した後に動作を行い、乗降室内の安全性が確保される、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る機械式駐車装置の外観図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る乗降室の構成を示す上面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る機械式駐車装置の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る安全確認処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る乗降室の構成を示す上面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る機械式駐車装置の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る乗降室の構成を示す上面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る乗降室の構成を示す上面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に係る乗降室の構成を示す上面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態に係る乗降室の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明に係る機械式駐車装置及び機械式駐車装置の制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0039】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0040】
図1は、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10(立体駐車場)の外観図である。
【0041】
機械式駐車装置10は、車両12を乗入階14から入出庫させる。そして、機械式駐車装置10は、車両12を載置したパレット16を乗入階14と車両12を格納する格納庫18との間で昇降させる。なお、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10の構成は、一例であり、乗入階14を格納庫18よりも上層とする等、他の構成であってもよい。
【0042】
乗入階14には、格納庫18へ搬送されるパレット16に車両12が載置され、車両12の運転者が車両12に乗降可能な乗降室20が設けられている。
【0043】
また、乗降室20(乗入階14)の外側には、機械式駐車装置10の操作盤22が設けられる。
操作盤22は、機械式駐車装置10の利用者が操作可能なように、例えば、スイッチ、タッチパネル、ICカード、リモコン装置等を介して各種操作(入庫又は出庫の指示等)の入力を受け付ける。また、操作盤22は、文字や画像等を表示する液晶ディスプレイ装置、表示ランプ等の表示装置、音声合成装置による音声、警報音を出すスピーカーによって、種々の情報を利用者のために提供する。
【0044】
【0045】
車両12及び運転者等は、入出庫口30から乗降室20へ出入りする。入出庫口30には、入出庫扉32が設けられ、乗降室20の略中央には、車両12が載置されるパレット16が配置される。
【0046】
乗降室20内には、安全確認の実施位置の近辺に配置され、人による安全確認の実施状態が入力される入力手段である確認ボタン34A,34Bが備えられる。確認ボタン34A,34Bは、人によって押圧されるボタン(押ボタン)である。
本第1実施形態では、確認ボタン34A,34Bは、パレット16(車両12)を挟んだ位置、
図2の例では左右の壁面35に備えられる。より具体的には、
図2の例では、右奥(車両12右側前方)の壁面35に確認ボタン34Aが備えられ、左手前(車両12左側後方)の壁面35に確認ボタン34Bが備えられる。
なお、以下の説明において、各確認ボタン34を区別する場合は、符号の末尾にA,Bの何れかを付し、各確認ボタン34を区別しない場合は、A,Bを省略する。
【0047】
確認ボタン34は、入力が行われていない場合に入力を促す機能を有する。例えば、確認ボタン34は、入力が行われていない状態、すなわち押圧されていない状態で明滅する。具体的には、確認ボタン34の内部にLED(Light Emitting Diode)又は電球等の照明装置が設けられ、この照明装置が明滅する。なお、入力を促す機能は、明滅の他に、単に点灯するだけでもよい。
そして、確認ボタン34は、押圧されると消灯する。これにより、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、確認ボタン34への押圧(入力)忘れや押圧(入力)ミスを防止できる。
【0048】
入出庫口30には、人の乗降室20への入退室を検知する入退室検知センサ36が設けられる。入退室検知センサ36は、一例として、センサ36Aが入出庫口30の内側に設けられ、センサ36Bが入出庫口30の外側に設けられる。
入退室検知センサ36は、センサ36Bからセンサ36Aの順で人を検知した場合、乗降室20へ人が入室したと検知し、センサ36Aからセンサ36Bの順で人を検知した場合、乗降室20から人が退室したと検知する。
【0049】
また、乗降室20は、人に音声で情報を報知するためのスピーカー38を備える。
【0050】
乗降室20外の操作盤22には、人に操作されることでパレット16の搬送の許可が入力される最終確認ボタン40が備えられている。
【0051】
図3は、機械式駐車装置10の制御装置50の電気的構成を示すブロック図である。
【0052】
制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)52、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)54、CPU52による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)56、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)58を備えている。
【0053】
なお、HDD58の代わりに、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ付きのSRAM(Static Random Access Memory)等の記憶素子を用いてもよく、プログラム、利用者情報、及び設定値等のデータの種類に応じて記憶素子を使い分けて記憶させてもよい。
【0054】
制御装置50は、パレット16等を駆動させるための各種モータ(不図示)を制御するモータ制御部60、入退室検知センサ36からの信号を受信するセンサ信号受信部62を備える。また、制御装置50は、確認ボタン34,40の押圧状態を判定し、確認ボタン34,40の明滅を制御するボタン制御部64を備えている。
【0055】
これらCPU52、ROM54、RAM56、HDD58、モータ制御部60、センサ信号受信部62、ボタン制御部64、及び操作盤22は、システムバス66を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU52は、ROM54、RAM56、及びHDD58へのアクセス、モータ制御部60を介したモータの駆動、センサ信号受信部62を介した乗降室20内への人の入退室状態の把握、ボタン制御部64を介した安全確認状態の把握、並びに操作盤22に対する操作状態の把握及び画像の表示等、を行える。
【0056】
次に、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10の作用について説明する。
【0057】
機械式駐車装置10へ車両12を入庫させる場合、運転者以外の同乗者及び荷物等は、乗降室20へ車両12を進入させる前に車両12から降ろされる。そして、車両12を乗降室20へ進入させてパレット16に載置した後、運転者は、パレット16を動作させる前に乗降室20内の安全確認を必要とする。
【0058】
乗降室20内の安全確認は、人の有無やパレット16の搬送の障害になる物の有無等の確認である。すなわち、車両12から降りた運転者が安全確認者として、乗降室20内における安全確認の実施位置へ移動する。そして、安全確認者が安全確認を実施した後に、確認ボタン34を押圧する。これにより、安全確認終了という安全確認の実施状態が確認ボタン34に入力されることとなる。
【0059】
乗降室20内の安全確認は、運転者が乗降室20内に居るものの(時には同乗者が車両内に居残る場合がある)確実な検知方法がない。このため、乗降室20内の安全確認は、人による確認が最も効果的な方法であると考えられる。本第1実施形態によれば、確認ボタン34が安全確認の実施位置の近辺に配置されるため、安全確認者は確認ボタン34の配置位置へ移動しなければならない。安全確認者は、確認ボタン34までの移動を行う過程において必然的に周囲を目視するので、それにより安全確認が行われることとなる。なお、安全確認者は、車両12の運転者に限らず、機械式駐車装置10の管理者等でもよい。
【0060】
そして、確認ボタン34への入力が行われ、かつ乗降室20から人が退室した後に、制御装置50によって、パレット16の搬送が実行される。このため、確認ボタン34への入力が行われ、乗降室20から人が退室することで安全が確保されない限り、パレット16の搬送は行われず、車両12も格納庫18へ搬送されることは無い。
【0061】
従って、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、より確実に乗降室20から人が退出した後に動作を行い、乗降室20内の安全性を確保できる。
【0062】
また、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、乗降室20から人が退室し、最終確認ボタン40への押圧(操作)が行われた後に、制御装置50によってパレット16の搬送が実行される。すなわち、安全確認の実施状態を確認ボタン34に入力した安全確認者が、乗降室20外の操作盤22に備えられる最終確認ボタン40を操作した後に、パレット16の搬送が実行されるので、より確実に乗降室20内の安全性が確保される。
【0063】
なお、上記説明した本第1実施形態に係る確認ボタン34,40を用いた安全確認を安全確認処理という。
【0064】
図4は、安全確認処理を行う場合に、制御装置50によって実行される安全確認プログラムの流れを示すフローチャートである。安全確認プログラムは、HDD58の所定領域に予め記憶されている。
なお、安全確認プログラムは、車両12がパレット16に載置された後に、開始される。また、安全確認プログラムの開始と共に、確認ボタン34の明滅が開始される。また、最終確認ボタン40に対する操作は、安全確認プログラムの開始時には無効とされている。
【0065】
まず、ステップ100では、一つめの確認ボタン34、例えば確認ボタン34Aが押圧されたか否かをボタン制御部64によって判定する。確認ボタン34Aへの押圧は、確認ボタン34A近辺での安全確認の実施終了の入力を確認ボタン34Aが受け付けたこととなる。肯定判定の場合はステップ101へ移行する。
確認ボタン34Aは、押圧されるまでは明滅しているが、押圧された後、消灯する。
【0066】
ステップ101では、入退室検知センサ36が乗降室20内への人の入室を検知したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ112へ移行し、否定判定の場合はステップ102へ移行する。
【0067】
ステップ102では、二つめの確認ボタン34、例えば確認ボタン34Bが押圧されたか否かをボタン制御部64によって判定する。確認ボタン34Bへの押圧は、確認ボタン34B近辺での安全確認の実施終了の入力を確認ボタン34Bが受け付けたこととなる。肯定判定の場合はステップ103へ移行する。
確認ボタン34Bは、押圧されるまでは明滅しているが、押圧された後、消灯する。
【0068】
上述したように確認ボタン34A,34Bは、パレット16を挟んで配置されている。従って、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、安全確認者である運転者が車両12の片側だけでなく、反対側の安全確認も行うこととなるので、より確実に乗降室20内の安全性が確保される。
【0069】
ステップ103では、入退室検知センサ36が乗降室20内への人の入室を検知したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ112へ移行し、否定判定の場合はステップ104へ移行する。
【0070】
ステップ104では、入退室検知センサ36の検知結果に基づいて、乗降室20から運転者が退室したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ106へ移行する。
【0071】
ステップ106では、操作盤22に備えられる最終確認ボタン40への操作を有効とする。
乗降室20へ入室した人の退室が検知された後に、最終確認ボタン40への操作が有効とされることで、例えば安全確認者が乗降室20から出る前に他者によって最終確認ボタン40が操作されても、パレット16の搬送が実行されることは無い。
従って、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、より確実に乗降室20内の安全性が確保できる。
【0072】
次のステップ107では、入退室検知センサ36が乗降室20内への人の入室を検知したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ114へ移行し、否定判定の場合はステップ108へ移行する。
【0073】
ステップ108では、最終確認ボタン40が押圧されたか否かをボタン制御部64によって判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行する。
【0074】
ステップ110では、機械式駐車装置10の動作が開始され、本安全確認処理が終了する。具体的には、入出庫扉32が閉じられ、車両12が載置されたパレット16が格納庫18へ搬送される。
【0075】
なお、ステップ101及びステップ103で肯定判定となり、ステップ112へ移行すると、ステップ112において、確認ボタン34への入力が全て解除され、ステップ100へ戻る。確認ボタン34への入力の解除とは、それまでに行われた確認ボタン34への入力が取り消されることである。
【0076】
また、ステップ107で肯定判定となり、ステップ114へ移行すると、ステップ114において、確認ボタン34への入力が全て解除され、最終確認ボタン40への操作を無効とし、ステップ100へ戻る。
【0077】
ステップ112,114へ移行した場合、安全確認者は、再び確認ボタン34を押圧し、入退室検知センサ36によって退室を検知させ、最終確認ボタン40への操作を有効にしなければならない。このように、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、新たに人が乗降室20内へ入室した場合に、再び乗降室20内の安全確認が必要とされるため、より確実に乗降室20内の安全性が確保される。
【0078】
また、乗降室20内における人の移動順序が報知手段によって報知されてもよい。
例えば報知手段は、スピーカー38であり、確認ボタン34A、確認ボタン34Bの順に押圧した後、退室して最終確認ボタン40を押圧するように、音声で報知する。また、報知手段は、乗降室20内や操作盤22に設けられた表示装置であり、確認ボタン34A、確認ボタン34Bの順に押圧した後、退室して最終確認ボタン40を押圧するように、表示することで報知する。
これにより、安全確認者の移動が円滑となる。
【0079】
以上説明したように、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、格納庫18へ搬送されるパレット16に車両12が載置され、車両12の運転者が車両12に乗降可能な乗降室20が設けられる。そして、機械式駐車装置10は、乗降室20内における安全確認の実施位置の近辺に配置された確認ボタン34への押圧が行われ、かつ乗降室20から人が退室した後に、パレット16の搬送を実行する。
従って、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、より確実に乗降室20から人が退出した後に動作を行い、乗降室内の安全性を確保できる。
【0080】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0081】
本第2実施形態に係る機械式駐車装置10は、車両12の運転席側に対して反対側に配置された入力手段である確認ボタン34への入力を促す機能を備える。
【0082】
図5は、本第2実施形態に係る乗降室20の上面図である。なお、
図5における
図2と同一の構成部分については
図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0083】
本第2実施形態に係る機械式駐車装置10は、パレット16に対して車幅が広すぎる車両12のパレット16への載置を規制するために、車両12の車幅を検知する車幅規制センサ70を備える。
車幅規制センサ70は、一例として、車両12の両側に、光線を照射する照射部70A及び光線を受光する受光部70Bとを一対備えている。照射部70Aは、例えばパレット16に載置される車両12の前方に配置され、受光部70Bは照射部70Aに対向するように車両12の後方に配置される。そして、一対の照射部70A及び受光部70Bは、パレット16に載置可能な車両12の最大車幅に相当する間隔で配置される。
すなわち、照射部70Aから照射された光線が受光部70Bで受光されない場合は、パレット16に載置しようとする車両12の車幅が、最大車幅を超えている場合である。このような車両12をパレット16に載置しても、パレット16は搬送されない。
【0084】
図6は、本第2実施形態に係る機械式駐車装置10の制御装置50の電気的構成を示すブロック図である。
【0085】
車幅規制センサ70の受光部70Bによる光線の受光状態を示すセンサ信号が、センサ信号受信部62を介してCPU52へ入力される。
【0086】
本第2実施形態に係るCPU52は、最大車幅内の車幅の車両12がパレット16に載置された後に、受光部70Bによる光線の受光状態に基づいて、車両12の運転席側を判定する。
具体的には、パレット16に載置された車両12から運転者が降りる場合、開かれるドア、又は降車する運転者によって照射部70Aからの光線が遮られる。従って、運転席は、光線を受光しなくなった受光部70Bが配置されている側であると判定される。
【0087】
そして、CPU52は、車両12の運転席側に対して反対側に配置された確認ボタン34を明滅させることによって、その確認ボタン34への入力を運転者へ促す。すなわち、運転席が車両12の右側であると判定された場合は、確認ボタン34Bが明滅し、運転席が車両12の左側であると判定された場合は、確認ボタン34Aが明滅する。
これにより、車両12の運転者が運転席側から車両12の反対側まで移動することとなり、乗降室20内の安全確認がより広い範囲で行われる。
【0088】
なお、車両12の両側の光線が遮られたと判定された場合は、運転席側を判定できないため、確認ボタン34A,34B共に明滅する。
【0089】
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
【0090】
図7は、本第3実施形態に係る乗降室20の上面図である。なお、
図7における
図2と同一の構成部分については
図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0091】
本第3実施形態に係る機械式駐車装置10は、確認ボタン34の近辺に配置され、車両12に対して反対側の安全確認を可能とする安全確認手段として、モニタ80A,80B及びカメラ82A,82Bを備える。確認ボタン34Aの近辺に配置されたモニタ80Aは、車両12に対して反対側に配置されたカメラ82Aで撮像された画像を表示する。一方、確認ボタン34Bの近辺に配置されたモニタ80Bは、車両12に対して反対側に配置されたカメラ82Bで撮像された画像を表示する。
【0092】
従って、本第3実施形態に係る機械式駐車装置10によれば、安全確認者が車両12に対して反対側へ移動しなくても、反対側の安全確認が可能となる。
例えば、安全確認者である運転者が車いすで移動する場合のように、乗降室20内の移動に困難を伴う場合がある。このような場合には、安全確認者が、一方のモニタ80Aの画像を目視し、確認ボタン34に入力を行うだけで、乗降室20内の安全確認が簡易にかつより広い範囲で行われる。
【0093】
また、安全確認手段は、車両12に対して反対側を映すことが可能な鏡であってもよい。なお、本第3実施形態では、
図7に示されるようにカメラ82A、82Bを車両12の両側に配置したが、カメラ82A、82Bは、安全確認者の目視できない部分を確認できる位置に設けることが好ましい。
【0094】
また、本第3実施形態では、確認ボタン34とモニタ80を乗降室20内に設けた場合を例示したが、確認ボタン34とモニタ80が操作盤22に組み入れられたり、操作盤22の近傍に設置されてもよいし、さらに確認ボタン34とモニタ80が乗降室20の内、外に複数設けられてもよい。
【0095】
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
【0096】
本第4実施形態に係る機械式駐車装置10は、車両12内に居残りした人が最終確認ボタン40への操作の前に車両12外に出た場合に、確認ボタン34への入力を解除する機能を備える。
【0097】
なお、本第2実施形態に係る乗降室20及び制御装置50の構成は、上述した第2実施形態に係る
図5及び
図6と同様である。
【0098】
本第4実施形態に係るCPU52は、最大車幅内の車幅の車両12がパレット16に載置され、確認ボタン34への入力後から最終確認ボタン40への操作の間に車幅規制センサ70がセンサ信号を出力したか否かを判定する。
【0099】
車幅規制センサ70がセンサ信号を出力する場合とは、車両12に居残っていた同乗者が車両12から降りた場合である。この場合、乗降室20には、運転者以外に同乗者が居ることとなる。
具体的には、パレット16に載置された車両12から同乗者が降りる場合、開かれるドア、又は降車する同乗者によって照射部70Aからの光線が一旦遮られる。その後、車両12のドアが閉められ、同乗者が車両12から離れると、車幅規制センサ70は受光状態に戻る。
【0100】
本第4実施形態に係るCPU25は、
図4のステップ100からステップ108の間、すなわち確認ボタン34への入力後から最終確認ボタン40への操作の間に、車幅規制センサ70の光線が遮られ、車幅規制センサ70がセンサ信号を出力した場合、運転者以外の人が乗降室20内に居残っていると判定する。そして、CPU25は、確認ボタン34への入力を全て解除する。
【0101】
機械式駐車装置10は、その後再び運転者により確認ボタン34への入力が行われ、入退室検知センサ36の検知結果が運転者の退室を検知し、さらに最終確認ボタン40への入力が行われた後に動作する。
このように、本実施形態に係る機械式駐車装置10は、同乗者が車両12に居残っていた場合、同乗者の乗降室20からの退室確認を含む乗降室20内の安全確認が再び必要とされるため、より確実に乗降室20内の安全性が確保される。
【0102】
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
例えば、上記各実施形態では、確認ボタン34が左右の壁面35に計2つ備えられる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、確認ボタン34が1つ又は3つ以上備えられる形態としてもよい。
【0104】
確認ボタン34が一つの場合、例えば、確認ボタン34は
図8に示されるように、車両12の左側となる壁面35の車両12前方側に配置される。この理由は、右側に運転席が配置される車両12が日本国内では多く、安全確認者である運転者は、確認ボタン34の配置位置へ移動する過程において、必然的に車両12の右側及び左側を目視して、さらに車両12の前方についても安全確認を行うこととなるためである。
【0105】
また、
図9は、確認ボタン34が4つの場合の例を示す。
図9の例では、車両12の前方左右及び後方左右となる壁面35に確認ボタン34が配置される。これにより、安全確認者は、より広い範囲を目視して安全確認を行うこととなる。
【0106】
また、上記各実施形態では、確認ボタン34が壁面35に備えられる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、確認ボタン34は乗降室20内における安全確認の実施位置の近辺に配置されるのであれば、壁面35以外に配置されてよい。
【0107】
図10は、確認ボタン34が安全確認の実施位置の近辺における床面90に配置される例を示している。
図10の例では、安全確認者は安全確認の実施位置を目視した後に、確認ボタン34を踏むことで押圧する。
【0108】
また、上記各実施形態では、確認ボタン34に対する一回の押圧によって安全確認の実施状態が入力される形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、確認ボタン34が複数回押圧されることで、安全確認の実施状態が入力される形態としてもよい。
例えば、確認ボタン34を2回押圧することで、安全確認の実施状態が入力される場合は、1回目の押圧で安全確認の実施開始が入力され、2回目の押圧で安全確認の実施終了が入力されることとなる。確認ボタン34は、2回の押圧が終了するまで明滅を続けるが、例えば1回目の押圧の後では、明滅の間隔をより早くしてもよい。
【0109】
また、上記各実施形態では、安全確認の実施状態が入力される入力手段を押ボタンとする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、入力手段は押ボタンでなくてもよい。
例えば、入力手段を、機械式駐車装置10の契約者だけが使用し携帯が可能な、認証カード、認証タグ、リモコンといった専用の携帯認証媒体に記録されている認証情報を読み取る読取手段としてもよい。
【0110】
入力手段を携帯認証媒体とした場合、安全確認者が携帯認証媒体を読取手段にかざすことによって、読取手段が携帯認証媒体に記録されている認証情報を読み取る。この読み取りによって、安全確認の実施状態が入力されることとなる。なお、携帯認証媒体が、例えば、認証情報を電波として発信する場合は、安全確認者が携帯認証媒体を読取手段にかざすことなく、読取手段が上記電波を受信することによって、安全確認の実施状態が入力されてもよい。
このように、読取手段を入力手段とすることによって、携帯認証媒体を携帯している安全確認者以外は、安全確認の実施状態を入力できない。すなわち、不特定の人が入力手段を操作できないこととなり、乗降室20内の安全性がより確実に確保される。
【0111】
また、乗降室20内の安全確認として、車両12に残っている人の有無の確認の実施状態が入力される入力手段(押ボタン)が、乗降室20内に配置されてもよい。
【0112】
また、上記各実施形態で説明した安全確認処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0113】
(付記)
(付記1)
格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室が設けられる機械式駐車装置であって、
前記乗降室内における安全確認の実施位置の近辺に配置され、人による安全確認の実施状態が入力される1又は複数の入力手段と、
前記入力手段への入力が行われ、かつ前記乗降室から人が退室した後に、前記パレットの搬送を実行する制御手段と、
を備える機械式駐車装置。
(付記2)
前記入力手段は、入力が行われていない場合に入力を促す機能を有する付記1記載の機械式駐車装置。
(付記3)
前記入力手段は、前記パレットを挟んで複数配置される付記1又は付記2記載の機械式駐車装置。
(付記4)
前記車両の運転席側に対して反対側に配置された前記入力手段への入力を促す機能を備える付記3記載の機械式駐車装置。
(付記5)
前記乗降室外に配置され、前記パレットの搬送の許可が入力される許可入力手段を備え、
前記制御手段は、前記許可入力手段への操作が行われた後に、前記パレットの搬送を実行する付記1から付記4の何れかに記載の機械式駐車装置。
(付記6)
人の前記乗降室への入退室を検知する入退室検知手段を備え、
前記制御手段は、前記入退室検知手段によって前記乗降室へ入室した人の退室が検知された後に、前記許可入力手段への操作を有効とする付記5記載の機械式駐車装置。
(付記7)
前記制御手段は、前記入力手段への入力が行われた後に、前記入退室検知手段によって前記乗降室への人の入室が検知された場合、前記入力手段への入力を解除する付記6記載の機械式駐車装置。
(付記8)
前記制御手段は、前記許可入力手段への操作が有効とされた後に、前記入退室検知手段によって前記乗降室への人の入室が検知された場合、前記入力手段への入力を解除すると共に、前記許可入力手段への操作を無効とする付記6又は付記7記載の機械式駐車装置。
(付記9)
前記パレットに載置された前記車両の両側に配置され、前記車両の車幅を検知する車幅検知手段を備え、
前記制御手段は、前記入力手段への入力後から前記許可入力手段への操作の間に前記車幅検知手段から検知信号が出力された場合、前記入力手段への入力を解除する付記5から付記8の何れかに記載の機械式駐車装置。
(付記10)
前記乗降室内における人の移動順序を報知する報知手段を備える付記1から付記9の何れかに記載の機械式駐車装置。
(付記11)
前記入力手段の近辺に配置され、前記車両に対して反対側の安全確認を可能とする反対側安全確認手段を備える付記1から付記10の何れかに記載の機械式駐車装置。
(付記12)
格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室が設けられる機械式駐車装置の制御方法であって、
前記乗降室内における安全確認の実施位置の近辺に配置された1又は複数の入力手段が、人による安全確認の実施状態の入力を受け付ける第1工程と、
前記入力手段への入力が行われ、かつ前記乗降室から人が退室した後に、前記パレットの搬送を実行する第2工程と、
を含む機械式駐車装置の制御方法。
【符号の説明】
【0114】
10 機械式駐車装置
12 車両
16 パレット
18 格納庫
20 乗降室
34 確認ボタン
36 入退室検知センサ
38 スピーカー
40 最終確認ボタン
50 制御装置
70 車幅規制センサ
80A,80B モニタ