特開 2024-10375 ロータリ式混合機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024010375

(43)【公開日】2024-01-24

(54)【発明の名称】ロータリ式混合機

(51)【国際特許分類】

   B01F 29/63 20220101AFI20240117BHJP

   B01F 23/60 20220101ALI20240117BHJP

【ＦＩ】

B01F29/63

B01F23/60

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022111679

(22)【出願日】2022-07-12

(71)【出願人】

【識別番号】503245465

【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ

(74)【代理人】

【識別番号】110000556

【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】上野 明紀

【テーマコード（参考）】

4G035

4G036

【Ｆターム（参考）】

4G035AB48

4G035AE08

4G035AE11

4G035AE13

4G036AA23

(57)【要約】

【課題】回転容器の内部およびリフター板を容易に清掃することができるロータリ式混合機を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るロータリ式混合機は、底壁２１および周壁２２を含む回転容器２と、周壁２２の内周面に沿って回転容器２の軸方向に延びる複数の第１リフター板５および複数の第２リフター板６と、第１リフター板５および第２リフター板６と嵌合するスリットを含む少なくとも１つのリング板７を含む。第１リフター板５および第２リフター板６は、周壁２２の先端部に取り付けられるリテーナ９によって回転容器２内に維持される。各第１リフター板５は、少なくとも１つの第１凸部５２を含み、各第２リフター板６は、回転容器２の軸方向において第１凸部５２と異なる位置に少なくとも１つの第２凸部（６１または６３）を含む。リング板７は、第１凸部５２および前記第２凸部によって回転容器２の軸方向の両側から挟持される。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

底壁および周壁を含む回転容器と、
前記周壁の内周面に沿って前記回転容器の軸方向に延びる、前記回転容器の周方向に交互に配置された複数の第１リフター板および複数の第２リフター板と、
前記複数の第１リフター板および前記複数の第２リフター板と嵌合するスリットを含む少なくとも１つのリング板と、
前記周壁の先端部に取り付けられて、前記複数の第１リフター板および前記複数の第２リフター板を前記回転容器内に維持する環状のリテーナと、を備え、
前記複数の第１リフター板のそれぞれは、少なくとも１つの第１凸部を含み、
前記複数の第２リフター板のそれぞれは、前記回転容器の軸方向において前記少なくとも１つの第１凸部と異なる位置に少なくとも１つの第２凸部を含み、
前記リング板は、前記第１凸部および前記第２凸部によって前記回転容器の軸方向の両側から挟持される、ロータリ式混合機。

【請求項2】

前記少なくとも１つのリング板は少なくとも２つのリング板を含み、
前記少なくとも１つの第２凸部は、前記回転容器の軸方向において前記第１凸部の両側に位置する少なくとも２つの第２凸部を含み、
前記少なくとも２つのリング板のそれぞれが、前記第１凸部と前記第２凸部によって挟持される、請求項１に記載のロータリ式混合機。

【請求項3】

前記回転容器の前記周壁の先端部の外周面には雄ねじが形成されており、
前記リテーナは、前記雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に形成された筒状部と、前記筒状部の一端から径方向内向きに突出するフランジ部を含む、請求項１または２に記載のロータリ式混合機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、ロータリ式混合機に関する。

【背景技術】

【0002】

従来から、回転容器内で原料を混合するロータリ式混合機が知られている。例えば、特許文献１には、図８に示すようなロータリ式混合機１００が開示されている。このロータリ式混合機１００は、断面六角形状の筒状の回転容器１１０と、回転容器１１０内に配置された６つのリフター板１２０を含む。６つのリフター板１２０は、回転容器１１０の６つの平面部にそれぞれ固定されている。

【0003】

各リフター板１２０は、回転容器１１０の対応する平面部に沿って回転容器１１０の軸方向に延びている。各リフター板１２０は、対応する平面部に、複数の固定具１３０（ボルトおよびナット）によって固定されている。回転容器１１０はリフター板１２０が容易に交換できるように二つの半体に分割されており、これらの半体は互いに固定具によって連結されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２００４－２６７９４３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１のロータリ式混合機１００では、各リフター板１２０の固定に複数の固定具１３０が用いられているので、回転容器１１０の内部およびリフター板１２０を清掃する際にリフター板１２０を回転容器１１０から取り外すのに多くの労力を要する。

【0006】

そこで、本開示は、回転容器の内部およびリフター板を容易に清掃することができるロータリ式混合機を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本開示は、底壁および周壁を含む回転容器と、前記周壁の内周面に沿って前記回転容器の軸方向に延びる、前記回転容器の周方向に交互に配置された複数の第１リフター板および複数の第２リフター板と、前記複数の第１リフター板および前記複数の第２リフター板と嵌合するスリットを含む少なくとも１つのリング板と、前記周壁の先端部に取り付けられて、前記複数の第１リフター板および前記複数の第２リフター板を前記回転容器内に維持する環状のリテーナと、を備え、前記複数の第１リフター板のそれぞれは、少なくとも１つの第１凸部を含み、前記複数の第２リフター板のそれぞれは、前記回転容器の軸方向において前記少なくとも１つの第１凸部と異なる位置に少なくとも１つの第２凸部を含み、前記リング板は、前記第１凸部および前記第２凸部によって前記回転容器の軸方向の両側から挟持される、ロータリ式混合機を提供する。

【発明の効果】

【0008】

本開示によれば、回転容器の内部およびリフター板を容易に清掃することができるロータリ式混合機が提供される。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】一実施形態に係るロータリ式混合機の縦断面図である。

【図2】図１のII－II線に沿った横断面図である。

【図3】図１の要部の拡大図である。

【図4】図４Ａは図３に示す要部の正面図、図４Ｂは図３のIVＢ－IVＢ線に沿った断面図である。

【図5】図５Ａは係合板の正面図、図５Ｂはリング板の正面図である。

【図6】図６Ａは第１リフター板の側面図、図６Ｂは第２リフター板の側面図である。

【図7】係合板と第１リフター板または第２リフター板との係合構造を説明するための図である。

【図8】従来のロータリ式混合機の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

図１，２に、一実施形態に係るロータリ式混合機１を示す。ロータリ式混合機１は、原料を均一に混合にするためのものである。原料は、複数種類の粉体の混合体であってもよいし、複数種類の顆粒の混合体であってもよいし、少なくとも一種の粉体と少なくとも一種の顆粒の混合体であってもよい。

【0011】

具体的に、ロータリ式混合機１は、軸方向が横向きである筒状の回転容器２と、回転容器２を回転可能に支持するフレーム１１を含む。フレーム１１は、回転容器２の側方に位置するベース１１ａと、ベース１１ａから突出する一対のアーム１１ｂ，１１ｃを含む。アーム１１ｂ，１１ｃは、ベアリング２５，２６を介して回転容器２を回転可能に支持する。ただし、フレーム１１の構成はこれに限られず、適宜変更可能である。

【0012】

フレーム１１のベース１１ａには、回転容器２を回転させる電動機４１が取り付けられている。電動機４１の出力シャフトおよび回転容器２の外周面には、ベベルギヤ４２，４３がそれぞれ設けられており、それらのベベルギヤ４２，４３が互いに噛み合っている。ただし、回転容器２を回転させる構成はこれに限られず、適宜変更可能である。

【0013】

回転容器２は、当該回転容器２の軸方向と直交する底壁２１と、その底壁２１の周縁部から当該回転容器２の軸方向に延びる周壁２２を含む。本実施形態では、周壁２２の断面形状が円形状であるが、周壁２２の断面形状は多角形状であってもよい。

【0014】

本実施形態では、底壁２１の中央に開口２３が設けられ、この開口２３内に供給管３の先端部が配置されている。供給管３内にはスクリュー３５が配置されている。フレーム１１のベース１１ａにはサポート１６が固定されており、このサポート１６に、スクリュー３５を回転させる電動機４５が取り付けられている。供給管３には、上向きに開口する投入口３１が設けられ、この投入口３１に原料投入用のホッパー３２が接続されている。ただし、回転容器２内への原料の投入は必ずしもスクリュー３５を用いる必要はなく、種々の投入方法が採用可能である。

【0015】

さらに、フレーム１１のアーム１１ｂには、ベアリング２５およびその内側を覆う第１閉塞部材１２が固定されており、アーム１１ｃには、ベアリング２６およびその内側を覆う第２閉塞部材１３が固定されている。本実施形態では、第１閉塞部材１２が円盤状であり、供給管３と一体となっている。第２閉塞部材１３は環状であり、回転容器２に貫通されている。また、フレーム１１のアーム１１ｂ，１１ｃには、それらの間の空間を覆うカバー１５が取り付けられている。

【0016】

回転容器２の底壁２１と反対側の開口（周壁２２の先端部によって形成される開口）は排出口であり、回転容器２内で混合された原料がその排出口から排出される。第２閉塞部材１３には、回転容器２の排出口から排出される原料を案内するシュート１４が取り付けられている。

【0017】

次に、図３，４Ａ，４Ｂを参照して、回転容器２内の構造を詳細に説明する。なお、以下では説明の便宜上、回転容器２の軸方向のうち底壁２１側を後方、排出口側を前方ということがある。

【0018】

本実施形態では、回転容器２の軸方向が水平方向と平行である。ただし、回転容器２の軸方向は、底壁２１から排出口へ向かって下向きに傾斜してもよいし、上向きに傾斜してもよい。このように回転容器２の軸方向を傾斜させることで、回転容器２内での原料の滞留時間を調整することができる。

【0019】

回転容器２内には、複数の第１リフター板５と複数の第２リフター板６が配置されている。これらの第１リフター板５および第２リフター板６は、回転容器２の周方向に交互に配置されている。本実施形態では、第１リフター板５の数および第２リフター板６の数が３つである。ただし、第１リフター板５の数および第２リフター板６の数は２つであってもよいし、４つ以上であってもよい。

【0020】

各第１リフター板５は、周壁２２の内周面に沿って回転容器２の軸方向に延びている。同様に、各第２リフター板６は、周壁２２の内周面に沿って回転容器２の軸方向に延びている。

【0021】

本実施形態では、第１リフター板５および第２リフター板６が回転容器２の軸方向と平行である。ただし、第１リフター板５および第２リフター板６は、螺旋状となるように回転容器２の軸方向に対して傾斜してもよい。

【0022】

また、本実施形態では、第１リフター板５および第２リフター板６が回転容器２の周方向に均等な角度間隔で配置されているとともに、周壁２２の内周面から回転容器２の中心軸に向かって立ち上がっている。ただし、第１リフター板５および第２リフター板６は不均一な角度間隔で配置されてもよいし、周壁２２の内周面から回転容器２の中心軸とは異なる位置に向かって立ち上がってもよい。

【0023】

回転容器２内には、２つのリング板７も配置されている。これらのリング板７は、第１リフター板５と第２リフター板６との相対位置関係を規定するものである。各リング板７は、回転容器２の周壁２２の内径とほぼ等しい外径を有する。

【0024】

図５Ｂに示すように、各リング板７には、第１リフター板５および第２リフター板６と嵌合する、径方向外向きに開口するスリット７１が形成されている。すなわち、スリット７１の幅は、第１リフター板５および第２リフター板６の厚さとほぼ等しい。本実施形態では、２つのリング板７の形状が互いに同じである。ただし、２つのリング板７の形状は互いに異なってもよい。

【0025】

一方、各第１リフター板５は、図６Ａに示すように、中央部に第１凸部５２を有するとともに、前部および後部に第１低背部５１，５３を有する。各第２リフター板６は、図６Ｂに示すように、前部および後部に第２凸部６１，６３を有するとともに、中央部に第２低背部６２を有する。換言すれば、第２凸部６１，６３は、回転容器２の軸方向において第１凸部５２の両側（第１凸部５２とは異なる位置）に位置する。

【0026】

本実施形態では、第１リフター板５の第１低背部５１，５３の高さと第２リフター板６の第２低背部６２の高さは全て等しい。ただし、第１リフター板５の第１低背部５１，５３の高さと第２リフター板６の第２低背部６２の高さについては、何れか１つの高さが他の２つの高さと異なってもよいし、全ての高さが異なってもよい。

【0027】

各リング板７のスリット７１の深さは、第１リフター板５の第１低背部５１，５３の高さおよび第２リフター板６の第２低背部６２の高さとほぼ等しい。すなわち、各リング板７のスリット７１には、第１リフター板５の第１低背部５１，５３および第２リフター板６の第２低背部６２が挿入される。

【0028】

本実施形態では、第１リフター板５の第１凸部５２の周壁２２からの高さと第２リフター板６の第２凸部６１，６３の周壁２２からの高さは全て等しい。ただし、第１リフター板５の第１凸部５２の高さと第２リフター板６の第２凸部６１，６３の高さについては、何れか１つの高さが他の２つの高さと異なってもよいし、全ての高さが異なってもよい。

【0029】

回転容器２の軸方向における第１凸部５２と第２凸部６１の間の距離Ａおよび第１凸部５２と第２凸部６３の間の距離Ｂは、リング板７の厚さとほぼ等しい。このため、前側のリング板７の全てのスリット７１に第１リフター板５の第１低背部５１および第２リフター板６の第２低背部６２が挿入されると、リング板７が回転容器２の軸方向の両側から第１凸部５２および第２凸部６１によって挟持される。同様に、後ろ側のリング板７の全てのスリット７１に第１リフター板５の第１低背部５３および第２リフター板６の第２低背部６２が挿入されると、リング板７が回転容器２の軸方向の両側から第１凸部５２および第２凸部６３によって挟持される。

【0030】

図４Ｂに示すように、各リング板７の内径は、第１リフター板５の第１凸部５２の先端および第２リフター板６の第２凸部６１，６３の先端を通る円の直径よりも大きく、かつ、第１リフター板５の第１低背部５１，５３の先端および第２リフター板６の第２低背部６２の先端を通る円の直径よりも小さく設定されている。

【0031】

図３，４Ａに示すように、回転容器２の周壁２２の先端部には、リテーナ９が取り付けられる。リテーナ９は、第１リフター板５および第２リフター板６を回転容器２内に維持する役割を果たす。本実施形態では、リテーナ９によって周壁２２の先端面に押し付けられる環状の係合板８と回転容器２の底壁２１との間に第１リフター板５および第２リフター板６が挟持される。

【0032】

リテーナ９は、周壁２２の先端部を径方向外側から覆う筒状部９１と、筒状部９１の前端から径方向内向きに突出するフランジ部９２を含み、断面Ｌ字状である。周壁２２の先端部の外周面には雄ねじ２４が形成されており、筒状部９１の内周面には、雄ねじ２４と螺合する雌ねじ９３が形成されている。フランジ部９２は、係合板８が回転容器２と共に回転するように係合板８を周壁２２の先端面に押し付ける部分である。本実施形態では、フランジ部９２の内径が周壁２２の内径とほぼ等しい。

【0033】

係合板８は、回転容器２に対する第１リフター板５および第２リフター板６の回転を防止するとともに、回転容器２からの第１リフター板５および第２リフター板６の抜け止めを図る。より詳しくは、係合板８の内径は、周壁２２の内径よりも小さく設定されている。図５Ａに示すように、係合板８には、第１リフター板５および第２リフター板６との係合用の複数のノッチ８１が形成されている。一方、第１リフター板５の前端部には、図６Ａに示すようにノッチ８１との係合用の切り欠き５４が形成されており、第２リフター板６の前端部にも、図６Ｂに示すようにノッチ８１との係合用の切り欠き６４が形成されている。

【0034】

図７に示すように、係合板８の各ノッチ８１の両側面８１ａは、切り欠き５４の外向き面５４ａ近傍で第１リフター板５の両側面に当接するか、切り欠き６４の外向き面６４ａ近傍で第２リフター板６の両側面に当接する。また、係合板８のノッチ８１の底８１ｂは周壁２２の内周面よりも内側に位置し、第１リフター板５の切り欠き５４の前向き面５４ｂが対応するノッチ８１の底８１ｂ近傍で係合板８の後面に当接するか、第２リフター板６の切り欠き６４の前向き面６４ｂが対応するノッチ８１の底８１ｂ近傍で係合板８の後面に当接する。

【0035】

ただし、フランジ部９２の内径が周壁２２の内径よりも小さく設定され、フランジ部９２と回転容器２の底壁２１との間に第１リフター板５および第２リフター板６が挟持されてもよい。この場合、回転容器２に対する第１リフター板５および第２リフター板６の回転が防止されるように、フランジ部９２に、第１リフター板５および第２リフター板６との係合用の溝などを形成することが望ましい。

【0036】

以上説明したように、本実施形態のロータリ式混合機１では、第１リフター板５と第２リフター板６との相対位置関係を規定するリング板７が第１リフター板５の第１凸部５２と第２リフター板６の第２凸部６１，６３とで挟持されるので、第１リフター板５と第２リフター板６とリング板７とを組み合わせるだけで、それらをユニット化することができる。しかも、第１リフター板５および第２リフター板６はリテーナ９によって回転容器２内に維持されるので、リテーナ９を回転容器２から取り外せば、第１リフター板５、第２リフター板６およびリング板７が一体となったユニットを回転容器２から引き抜くことができる。このため、回転容器２の内部、第１リフター板５および第２リフター板６を容易に清掃することができる。また、リング板７は、回転容器２内での原料の混合時には原料を滞留させる役割を果たすので、滞留時間の延長によって混合精度を向上させることができる。

【0037】

さらには、リング板７の間では第１リフター板５の第１凸部５２と第２リフター板６の第２低背部６２が周方向に交互に並び、リング板７よりも前方および後方では第１リフター板５の第１低背部（５１または５３）と第２リフター板６の第２凸部（６１または６３）が周方向に交互に並ぶため、同じ高さのリフター板が周方向に並ぶ場合に比べて、原料の動きが複雑になって混合精度が向上する。

【0038】

しかも、本実施形態では周壁２２の先端部へのリテーナ９の取り付けにねじ構造が採用されているので、回転容器２に対してリテーナ９を回転させるだけで、リテーナ９を回転容器２の周壁２２の先端部に取り付けたり先端部から取り外したりすることができる。

【0039】

（変形例）
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

【0040】

例えば、リング板７の数は３つ以上であってもよい。例えば、リング板７の数が３つの場合、各第１リフター板５にもう１つの第１凸部が追加され、各第２リフター板６にもう１つの第２低背部が追加されてもよい。

【0041】

あるいは、リング板７の数は１つであってもよい。この場合、各第１リフター板５の前側半分が第１低背部、後ろ側半分が第１凸部であり、各第２リフター板６の前側半分が第２凸部、後ろ側半分が第２低背部であってもよい。ただし、前記実施形態または前記変形例のように少なくとも２つのリング板７が採用されれば、それらのリング板によって、第１リフター板５と第２リフター板６との間隔を全長に亘って一定に保つことができる。

【0042】

（まとめ）
第１の態様として、本開示は、底壁および周壁を含む回転容器と、前記周壁の内周面に沿って前記回転容器の軸方向に延びる、前記回転容器の周方向に交互に配置された複数の第１リフター板および複数の第２リフター板と、前記複数の第１リフター板および前記複数の第２リフター板と嵌合するスリットを含む少なくとも１つのリング板と、前記周壁の先端部に取り付けられて、前記複数の第１リフター板および前記複数の第２リフター板を前記回転容器内に維持する環状のリテーナと、を備え、前記複数の第１リフター板のそれぞれは、少なくとも１つの第１凸部を含み、前記複数の第２リフター板のそれぞれは、前記回転容器の軸方向において前記少なくとも１つの第１凸部と異なる位置に少なくとも１つの第２凸部を含み、前記リング板は、前記第１凸部および前記第２凸部によって前記回転容器の軸方向の両側から挟持される、ロータリ式混合機を提供する。

【0043】

上記の構成によれば、第１リフター板と第２リフター板との相対位置関係を規定するリング板が第１リフター板の第１凸部と第２リフター板の第２凸部とで挟持されるので、第１リフター板と第２リフター板とリング板とを組み合わせるだけで、それらをユニット化することができる。しかも、第１リフター板および第２リフター板はリテーナによって回転容器内に維持されるので、リテーナを回転容器から取り外せば、第１リフター板、第２リフター板およびリング板が一体となったユニットを回転容器から引き抜くことができる。このため、回転容器の内部、第１リフター板および第２リフター板を容易に清掃することができる。また、リング板は、回転容器内での原料の混合時には原料を滞留させる役割を果たすので、滞留時間の延長によって混合精度を向上させることができる。

【0044】

第２の態様として、第１の態様において、前記少なくとも１つのリング板は少なくとも２つのリング板を含み、前記少なくとも１つの第２凸部は、前記回転容器の軸方向において前記第１凸部の両側に位置する少なくとも２つの第２凸部を含み、前記少なくとも２つのリング板のそれぞれが、前記第１凸部と前記第２凸部によって挟持されてもよい。この構成によれば、少なくとも２つのリング板によって、第１リフター板と第２リフター板との間隔を全長に亘って一定に保つことができる。

【0045】

第３の態様として、第１または第２の態様において、前記回転容器の前記周壁の先端部の外周面には雄ねじが形成されており、前記リテーナは、前記雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に形成された筒状部と、前記筒状部の一端から径方向内向きに突出するフランジ部を含んでもよい。この構成によれば、回転容器に対してリテーナを回転させるだけで、リテーナを回転容器の周壁の先端部に取り付けたり先端部から取り外したりすることができる。

【符号の説明】

【0046】

１ ロータリ式混合機
２ 回転容器
２１ 底壁
２２ 周壁
２４ 雄ねじ
５ 第１リフター板
５２ 第1凸部
６ 第２リフター板
６２ 第２凸部
７ リング板
７１ スリット
９ リテーナ
９１ 筒状部
９２ フランジ部
９３ 雌ねじ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】