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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103774
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】決済装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240725BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240725BHJP
   G06Q 20/08 20120101ALI20240725BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/12 321P
G07G1/01 301D
G06Q20/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091926
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2023018699の分割
【原出願日】2019-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 好恭
(57)【要約】
【課題】電子マネーの利用者が支払いに必要なチャージ金額を容易に知り得るようにする。
【解決手段】決済装置は、支払金額と、電子マネーの残高とを取得する。残高が支払金額未満である場合、決済装置は、支払金額から残高を減額した金額を基に設定されるチャージ必要額を通知する。そして決済装置は、入金を受け付ける。決済装置は、チャージ必要額が通知され、チャージ必要額以上の入金を受け付けると、残高を、当該残高に入金された金額を加算した金額から支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する。
【選択図】 図12



【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払金額を取得する支払金額取得手段と、
電子マネーの残高を取得する残高取得手段と、
前記残高が前記支払金額以上である場合、前記残高を、当該残高から前記支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する第1決済手段と、
前記残高が前記支払金額未満である場合、前記支払金額から前記残高を減額した金額を基に設定されるチャージ必要額を通知する第1通知手段と、
入金を受け付ける入金手段と、
前記第1通知手段により前記チャージ必要額が通知され、前記入金手段により前記チャージ必要額以上の入金を受け付けると、前記残高を、当該残高に前記入金された金額を加算した金額から前記支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する第2決済手段と、を具備する決済装置。
【請求項2】
チャージ金額を指定する指定手段、
をさらに具備し、
前記入金手段は、前記指定手段により前記チャージ必要額以上のチャージ金額が指定されたことを条件に入金を受け付ける、請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記指定手段は、それぞれ異なる金額が割り当てられた複数の金額ボタンが配置された画面で選択されたいずれかの前記金額ボタンに割り当てられた金額を前記チャージ金額として指定する手段であり、
前記第1通知手段は、前記画面の一部に前記チャージ必要額を表示して通知する、請求項2記載の決済装置。
【請求項4】
前記チャージ金額の決定を指令する操作ボタンが前記画面にさらに配置されており、 前記指定手段は、前記チャージ必要額以上のチャージ金額が指定されたことを条件に前記操作ボタンの入力を許容し、
前記入金手段は、前記操作ボタンが入力されたことに応じて前記入金を受け付ける、請求項3記載の決済装置。
【請求項5】
前記支払金額が前記電子マネーの残高上限額を超過する場合、前記残高上限額から前記残高を減額した金額を基に設定されるチャージ必要額を通知する第2通知手段と、
前記第2通知手段により前記チャージ必要額が通知され、前記入金手段により前記チャージ必要額以上の入金を受け付けると、前記残高をゼロに更新するとともに、前記支払金額から前記残高上限額を減算した残額について電子マネー以外の方法で取引を決済する第3決済手段と、
をさらに具備する請求項1乃至4のうちいずれか1記載の決済装置。
【請求項6】
決済装置のコンピュータを、
支払金額を取得する支払金額取得手段、
電子マネーの残高を取得する残高取得手段、
前記残高が前記支払金額以上である場合、前記残高を、当該残高から前記支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する第1決済手段、
前記残高が前記支払金額未満である場合、前記支払金額から前記残高を減額した金額を基に設定されるチャージ必要額を通知する第1通知手段、
入金を受け付ける入金手段、及び、
前記第1通知手段により前記チャージ必要額が通知され、前記入金手段により前記チャージ必要額以上の入金を受け付けると、前記残高を、当該残高に前記入金された金額を加算した金額から前記支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する第2決済手段、として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びコンピュータを当該決済装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICカード、スマートフォン等を媒体として利用した電子決済サービスが広く普及している。電子決済サービスは、商品の代金又は役務に対する対価の支払いを電子的な貨幣価値の移動によって行うようにしたものである。電子的な貨幣価値は、一般に、電子マネーと称される。このような電子決済サービスの普及に伴い、多くの店舗では、電子決済サービスに対応した決済装置の導入が進められている。
【0003】
電子決済サービスには、前払い方式いわゆるプリペイド方式と、後払い方式いわゆるポストペイ方式とがある。プリペイド方式の場合、電子決済サービスの利用者は、事前に電子マネーを入金しておく必要がある。電子マネーを入金することは、一般にチャージと称される。電子決済サービスに対応した一部の決済装置は、電子マネーのチャージ機能を有している。決済装置のチャージ機能を利用して利用者が電子マネーをチャージするときには、少なくとも支払いに必要な金額になるまでチャージする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6247238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、電子マネーの利用者が支払いに必要なチャージ金額を容易に知り得る決済装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、決済装置は、支払金額取得手段と、残高取得手段と、第1決済手段と、第1通知手段と、入金手段と、第2決済手段とを備える。支払金額取得手段は、支払金額を取得する。残高取得手段は、電子マネーの残高を取得する。第1決済手段は、残高が支払金額以上である場合、残高を、当該残高から支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する。第1通知手段は、残高が支払金額未満である場合、支払金額から残高を減額した金額を基に設定されるチャージ必要額を通知する。入金手段は、入金を受け付ける。第2決済手段は、第1通知手段によりチャージ必要額が通知され、入金手段によりチャージ必要額以上の入金を受け付けると、残高を、当該残高に入金された金額を加算した金額から支払金額を減額した金額に更新して取引を決済する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るチェックアウトシステムの模式図。
図2】本実施形態におけるチェックアウトシステムの一部を構成する登録装置の要部回路構成を示すブロック図。
図3】本実施形態におけるチェックアウトシステムの一部を構成する決済装置の要部回路構成を示すブロック図。
図4】本実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図5】本実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図6】本実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図7】本実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図8】本実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図9】本実施形態において、決済装置のタッチパネルに表示される支払方法選択画面の一例を示す図。
図10】本実施形態において、決済装置のタッチパネルに表示される読取待機画面の一例を示す図。
図11】本実施形態において、決済装置のタッチパネルに表示される支払完了選択画面の一例を示す図。
図12】本実施形態において、決済装置のタッチパネルに表示されるチャージ画面のチャージ金額指定前の一例を示す図。
図13】本実施形態において、決済装置のタッチパネルに表示されるチャージ画面のチャージ金額指定後の一例を示す図。
図14】本実施形態において、決済装置のタッチパネルに表示される現金投入画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、電子マネーの利用者が支払いに必要なチャージ金額を容易に知り得る決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態では、量販店などの小売店で導入されているセミセルフ方式のチェックアウトシステムを例示する。セミセルフ方式のチェックアウトシステムは、客が購入する商品の販売データを登録して会計データを生成する登録装置と、この登録装置で生成された会計データを基に現金、電子マネー、クレジットカード等の支払方法により取引を決済する決済装置とを備える。登録装置と決済装置とは分離して設置されており、店員が登録装置を操作し、客が決済装置を操作する運用となっている。そして決済装置は、電子マネーのチャージ機能を有している。
【0009】
図1は、本実施形態に係るチェックアウトシステム10の模式図である。チェックアウトシステム10は、複数台の登録装置11と決済装置12とを含む。登録装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。なお、図1では登録装置11よりも決済装置12の台数が多い場合を示している。登録装置11に接続される決済装置12は1台であってもよい。
【0010】
図1においては、2台の登録装置11と6台の決済装置12とを2つのチェックアウトレーンに配置した場合を示している。図1においては、1つのチェックアウトレーンに対して1台の登録装置11と3台の決済装置12(12-1、12-2、12-3)とが配置されている。チェックアウトシステム10が、登録装置11及び決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意である。また、チェックアウトレーンに配置される登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。
【0011】
登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21が、その操作者となる。決済装置12は、店舗で販売される商品を購入する客22が、その操作者となる。すなわちチェックアウトシステム10は、セミセルフ方式である。
【0012】
登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、客22のための通路、いわゆるチェックアウトレーンが形成される。
【0013】
登録装置11は、販売商品の登録、会計データの生成及び会計データの決済装置12への送信の各機能を備える。販売商品の登録とは、客22が購入する商品を販売商品として登録装置11に登録することである。例えば、商品に付されたバーコードをスキャナで読み取ることにより、当該商品が販売商品として登録装置11に登録される。会計データとは、1つの取引として登録された販売商品の会計に係るデータであり、後述する決済処理に用いられる。販売商品の識別コードである商品コード、商品名、単価、個数、及び単価と個数とから算出される支払金額等が会計データに含まれる。
【0014】
決済装置12は、会計データの受信、会計データの他の決済装置12への転送、並びに決済処理の機能を備える。決済処理とは、会計データを基に商品売買行為である取引の決済を処理することである。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー等が代金の支払方法として利用される。決済装置12は、登録装置11あるいは他の決済装置12から会計データを受信した場合に、その会計データを基に取引の決済を処理する。
【0015】
なお、決済には、商品券等の金券が代金の支払方法として利用される場合もある。金券による決済の際には、店員が金券を確認する必要がある。このため登録装置11は、決済処理の機能も有しており、主に金券による決済を処理できるようになっている。登録装置11は、さらには単体で、現金、クレジットカード、電子マネー等による決済を処理できるようになっている。
【0016】
図示しないが、登録装置11と決済装置12とは、いずれもネットワークであるLAN(local area network)に接続されている。LANには、サーバが接続されている。サーバには、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報が設定された商品データベースが備えられている。登録装置11と決済装置12、あるいは決済装置12と他の決済装置12とは、LANを介して情報を授受する。登録装置と決済装置との間でサーバを介して情報を授受する構成としてもよい。ネットワークは、LANに代えて、インターネットや無線LAN等の別の通信網を用いてもよい。
【0017】
図2は、登録装置11の要部回路構成を示すブロック図である。登録装置11は、プロセッサ11a、メインメモリ11b、補助記憶デバイス11c、通信ユニット11d、キーボード11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、客用ディスプレイ11h、プリンタ11i、ドロワ開放機構11j及びシステム伝送路11kを備える。システム伝送路11kは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路11kは、プロセッサ11aと、メインメモリ11b、補助記憶デバイス11c、通信ユニット11d、キーボード11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、客用ディスプレイ11h、プリンタ11i及びドロワ開放機構11jとを相互に接続する。プロセッサ11a、メインメモリ11b及び補助記憶デバイス11cがシステム伝送路11kで接続されることにより、登録装置11のコンピュータが構成される。
【0018】
プロセッサ11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11aは、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11aは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0019】
メインメモリ11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ11bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ11bは、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ11bは、プロセッサ11aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ11bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0020】
補助記憶デバイス11cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス11cとなり得る。補助記憶デバイス11cは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11aでの処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス11cは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0021】
メインメモリ11b又は補助記憶デバイス11cに記憶されるアプリケーションプログラムには、登録装置11で実行される情報処理に関して記述した登録プログラムが含まれる。登録プログラムをメインメモリ11b又は補助記憶デバイス11cにインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に登録プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により登録プログラムを配信して、メインメモリ11b又は補助記憶デバイス11cにインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0022】
通信ユニット11dは、LANを介して接続された決済装置12との間でデータ通信を行う。通信ユニット11dは、LANを介して接続された他の登録装置11及びサーバとの間でデータ通信を行うこともできる。
【0023】
キーボード11eは、テンキー、小計キー、取消キー、クリアキー等の周知のキーを配置した登録装置専用のキーボードである。キーボード11eは、テンキーを備えた汎用のキーボードに、小計キー、取消キー、クリアキー等の機能を割り当てたものであってもよい。
【0024】
スキャナ11fは、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ11fは、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0025】
タッチパネル11gは、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル11gは、登録装置11のオペレータである店員に対して情報の表示を行い、その店員による操作入力を受け付ける。
【0026】
客用ディスプレイ11hは、登録装置11において購入する商品の登録が行われている客に対して情報の表示を行う。
【0027】
プリンタ11iは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11iとしては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
【0028】
ドロワ開放機構11jは、現金または商品券、クーポン券等の金券を収容するためのドロワを開放動作させる。
【0029】
このような登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS(Point Of Sales)端末を利用することが可能である。
【0030】
図3は、決済装置12の要部回路構成を示すブロック図である。決済装置12は、プロセッサ12a、メインメモリ12b、補助記憶デバイス12c、通信ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、リーダ・ライタ12h、釣銭機12i及びシステム伝送路12jを備える。システム伝送路12jは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路12jは、プロセッサ12aと、メインメモリ12b、補助記憶デバイス12c、通信ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、リーダ・ライタ12h及び釣銭機12iとを相互に接続する。プロセッサ12a、メインメモリ12b及び補助記憶デバイス12cがシステム伝送路12jで接続されることにより、決済装置12のコンピュータが構成される。
【0031】
プロセッサ12aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ12aは、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ12aは、例えばCPUである。
【0032】
メインメモリ12bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12bは、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12bは、プロセッサ12aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ12aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0033】
補助記憶デバイス12cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス12cとなり得る。補助記憶デバイス12cは、プロセッサ12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ12aでの処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス12cは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0034】
メインメモリ12b又は補助記憶デバイス12cに記憶されるアプリケーションプログラムには、決済装置12で実行される情報処理に関して記述した制御プログラム、いわゆる決済プログラムを含む。決済プログラムをメインメモリ12b又は補助記憶デバイス12cにインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に決済プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により決済プログラムを配信して、メインメモリ12b又は補助記憶デバイス12cにインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0035】
通信ユニット12dは、LANを介して接続された登録装置11との間でデータ通信を行う。通信ユニット12dは、LANを介して接続された他の決済装置12及びサーバとの間でデータ通信を行うこともできる。
【0036】
スキャナ12eは、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ12eは、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0037】
タッチパネル12fは、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル12fは、決済装置12のオペレータである客に対して情報の表示を行い、その客による操作入力を受け付ける。
【0038】
プリンタ12gは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ12gとしては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
【0039】
リーダ・ライタ12hは、カード,スマートフォン等の媒体に記録されたデータを読み取る機能と、上記媒体へデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカード等の決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカード等と称される会員カードを含み得る。リーダ・ライタ12hは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
【0040】
釣銭機12iは、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また釣銭機12iは、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
【0041】
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ式チェックアウトシステムに対応したPOS端末、いわゆるセルフレジを利用することが可能である。
【0042】
かかる構成の決済装置12は、代金の支払いを電子マネーで行う際に電子マネーをチャージできるチャージ機能を有している。そこで次に、このチャージ機能について、図4乃至図14を用いて具体的に説明する。
【0043】
図4乃至図8は、決済装置12のプロセッサ12aが、決済プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。また、図9乃至図14は、この情報処理に応じて、タッチパネル12fに表示される種々の画面例を示す図である。なお、情報処理の手順及び画面表示の内容はこれに限定されるものではない。同様な結果を得ることが可能であれば、情報処理の手順及び画面表示の内容は種々変形して実施することができる。
【0044】
プロセッサ12aは、ACT1として会計データの受信を待ち受けている。前述したように会計データは、登録装置11で生成される。そして登録装置11で生成された会計データは、同じチェックアウトレーンの決済装置12へと送信される。会計データは、同じチェックアウトレーンの他の決済装置から転送されてくる場合もある。会計データは、異なるチェックアウトレーンの登録装置11又は決済装置12から転送されてくる場合もある。
【0045】
プロセッサ12aは、通信ユニット12dを介して会計データを受信すると、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。プロセッサ12aは、ACT2として受信した会計データをメインメモリ12bで記憶し、その会計データから代金である支払金額Aを取得する。支払金額Aは、登録装置11において1つの取引として登録された商品の販売データを基に、客22が支払うべき金額として算出された金額である。会計データには、支払金額Aのデータが含まれている。
【0046】
支払金額Aを取得し、メインメモリ12bで記憶したプロセッサ12aは、ACT3としてタッチパネル12fの画面を初期画面から支払方法選択画面SC1(図9を参照)へと切り替える。初期画面は任意である。例えば「いらっしゃいませ」等のメッセージが表示された画面であってもよい。あるいは支払方法選択画面SC1を非アクティブな状態で表示した画面であってもよい。
【0047】
図9は、支払方法選択画面SC1の一表示例である。図9に示すように、支払方法選択画面SC1には、支払方法の選択を促すメッセージMS1が表示されている。また支払方法選択画面SC1には、現金ボタンBT1、クレジットボタンBT2、電子マネーボタンBT3及び呼出ボタンBT4の各画像と、支払金額エリアAR1とが配置されている。
【0048】
現金ボタンBT1は、現金支払いの宣言を受け付けるためのボタン画像である。クレジットボタンBT2は、クレジットカード支払いの宣言を受け付けるためのボタン画像である。電子マネーボタンBT3は、電子マネー支払いの宣言を受け付けるためのボタン画像である。呼出ボタンBT4は、店員を呼び出すためのボタン画像である。支払金額エリアAR1は、ACT2において記憶した支払金額Aを表示するためのエリアである。因みに、図9の支払方法選択画面SC1は、支払金額Aが4,000円の場合を例示している。
【0049】
なお、本実施形態では、決済装置12で使用可能な支払方法を現金、クレジットカード、電子マネーの3種類とするが、支払方法はこれに限定されるものではない。例えばサービスポイントの累積ポイントによる支払方法を含んでいてもよい。また、クレジットカードは、自社クレジットカードと他社クレジットカードとに分かれていてもよい。同様に、電子マネーは、自社電子マネーと他社電子マネーとに分かれていてもよい。
【0050】
登録装置11において買上商品が登録され、その会計データが転送された決済装置12へと移動した客22は、支払方法選択画面SC1から支払方法を選択する。例えば現金支払いを希望する客22は、現金ボタンBT1にタッチする。そして客22は、釣銭機12iに支払金額以上の現金を投入する。クレジットカード支払いを希望する客22は、クレジットボタンBT2にタッチする。そして客22は、クレジットカードをリーダ・ライタ12hに読み取らせる。電子マネー支払いを希望する客22は、電子マネーボタンBT3にタッチする。そして客は、電子マネーに係る媒体のデータをリーダ・ライタ12hに読み取らせる。電子マネーに係る媒体、いわゆる電子マネー媒体は、例えばICカード、スマートフォン等である。
【0051】
支払方法選択画面SC1の表示を制御したプロセッサ12aは、ACT4として支払方法が選択されるのを待ち受ける。具体的にはプロセッサ12aは、現金ボタンBT1がタッチされるか、クレジットボタンBT2がタッチされるか、電子マネーボタンBT3がタッチされるのを待ち受ける。因みに、この待ち受け状態において、呼出ボタンBT4がタッチされたことを検出した場合には、プロセッサ12aは、登録装置11に呼出コマンドを送信するように通信ユニット12dを制御する。この制御により、通信ユニット12dから登録装置11宛に呼出コマンドが送信される。通信ユニット11dを介して呼出コマンドを受信した登録装置11のプロセッサ11aは、タッチパネル11gに、店員の呼出しを受けたことを店員に通知するため表示を行う。
【0052】
ACT4の待ち受け状態において、プロセッサ12aは、現金ボタンBT1、クレジットボタンBT2又は電子マネーボタンBT3がタッチされたことを検出すると、YESと判定し、ACT5へと進む。プロセッサ12aは、ACT5としてタッチされたボタンが電子マネーボタンBT3であるか否かを判定する。タッチされたボタンが電子マネーボタンBT3ではない場合、プロセッサ12aは、ACT5においてNOと判定し、他の処理を実行する。例えば、タッチされたボタンが現金ボタンBT1であった場合には、プロセッサ12aは、現金支払いによる決済処理を実行する。タッチされたボタンがクレジットボタンBT2であった場合には、プロセッサ12aは、クレジットカード支払いによる決済処理を実行する。これらの決済処理は既存の処理であり周知なので、ここでの説明は省略する。
【0053】
タッチされたボタンが電子マネーボタンBT3であった場合、プロセッサ12aは、ACT5においてYESと判定し、ACT6へと進む。プロセッサ12aは、ACT6としてタッチパネル12fの画面を支払方法選択画面SC1から電子マネーの読取待機画面SC2(図10を参照)へと切り替える。
【0054】
図10は、読取待機画面SC2の一表示例である。図10に示すように、読取待機画面SC2には、電子マネーの読取りを促すメッセージMS2が表示されている。また読取待機画面SC2には、呼出ボタンBT4の画像と、支払金額エリアAR1と、支払方法エリアAR2とが配置されている。また、図示を省略するが、電子マネーの読取り操作を表すイラストも読取待機画面SC2の一部に表示されている。支払方法エリアAR2は、ACT4において選択された支払方法を表示するためのエリアである。読取待機画面SC2を確認した客22、すなわち電子マネーの利用者は、電子マネーに係る媒体のデータをリーダ・ライタ12hで読み取らせる。因みに、図10の読取待機画面SC2は、支払金額Aが4,000円の取引に対して支払方法として電子マネーが選択された場合を例示している。
【0055】
読取待機画面SC2の表示を制御したプロセッサ12aは、ACT7としてリーダ・ライタ12hでデータが読み取られるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、プロセッサ12aは、リーダ・ライタ12hを介して電子マネー媒体のデータが入力されると、ACT7においてYESと判定し、ACT8へと進む。プロセッサ12aは、ACT8として読み取った電子マネー媒体のデータをメインメモリ12bで記憶し、そのデータを基に電子マネーの残高Bを取得する。残高Bは、電子マネー媒体から読み取ったデータに含まれている。残高Bは、電子マネー媒体から読み取ったデータに関連付けられて、ネットワーク上のサーバに保存されていてもよい。その場合、プロセッサ12aは、サーバから残高Bを取得することとなる。
【0056】
残高Bを取得し、メインメモリ12bで記憶したプロセッサ12aは、ACT9として支払金額Aが電子マネーの残高上限額以下であるか否かを確認する。残高上限額は、1つの電子マネー媒体と関連付けられた電子マネーの残高最高額である。電子マネーは、残高上限額を超えてチャージすることはできない。
【0057】
支払金額Aが残高上限額以下であった場合、プロセッサ12aは、ACT9においてYESと判定し、ACT10へと進む。プロセッサ12aは、ACT10として残高Bが支払金額A以上であるか否かを確認する。残高Bが支払金額A以上の場合、支払金額Aを電子マネーで支払うことが可能である。すなわち、電子マネーによる決済が成立する。
【0058】
プロセッサ12aは、残高Bが支払金額A以上の場合、ACT10においてYESと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ12aは、ACT11としてメインメモリ12bで記憶している残高Bを、その残高Bから支払金額Aを減額した値に更新する。そしてプロセッサ12aは、ACT12として電子マネーの決済処理を実行する。この決済処理も既存の処理で周知なので、具体的な説明は省略する。なお、この決済処理により、電子マネー媒体から読み取ったデータに残高Bが含まれている場合には、その残高Bが支払金額Aを減額した後の金額に書き換えられる。残高Bがサーバに保存されている場合には、その残高Bが支払金額Aを減額した後の金額に更新される。
【0059】
決済処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT13としてレシートの発行を制御する。すなわちプロセッサ12aは、会計データを基に、一取引として登録された商品の明細情報と、その取引の支払金額を電子マネーで支払ったことを示す決済情報とを含むレシートデータを生成し、プリンタ12gに出力する。この制御により、プリンタ12gが動作して、レシートデータが用紙に印字される。そして、印字が終わると用紙がカットされて、レシートとして発行される。レシートが発行されると、プロセッサ12aは、ACT14としてタッチパネル12fの画面を読取待機画面SC2から支払完了画面SC3(図11を参照)へと切り替える。
【0060】
図11は、支払完了画面SC3の一表示例である。図11に示すように、支払完了画面SC3には、レシートの取り忘れを警告するメッセージMS3が表示されている。また支払完了画面SC3には、呼出ボタンBT4の画像と、支払金額エリアAR1と、支払方法エリアAR2と、残高エリアAR3とが配置されている。また、図示を省略するが、レシートの発行口を示すイラストも支払完了画面SC3の一部に表示されている。残高エリアAR3は、支払金額Aを減算した後の電子マネーの残高を表示するためのエリアである。因みに、図11の支払完了画面SC3は、図10の読取待機画面SC2が表示された後で、残高Bが5,234円の電子マネーが読み取られた場合を例示している。すなわち、電子マネーの残高Bが、元の残高5,234円から支払金額4,000円を減じた金額1,234円に更新された場合を例示している。
【0061】
支払完了画面SC3を確認した利用者は、レシートを受け取った後、決済装置12から離れる。利用者が決済装置12から離れたことによって、タッチパネル12fの画面は、初期画面に戻る。以上で、プロセッサ12aは、電子マネーの残高Bが残高上限額以下で且つ支払金額A以上の場合の情報処理を終了する。
【0062】
次に、電子マネーの残高Bが支払金額Aよりも少ない場合について説明する。
電子マネーの残高Bが支払金額Aよりも少ないとき、プロセッサ12aは、ACT10においてNOと判定し、図5のACT21へと進む。プロセッサ12aは、ACT21として支払金額Aに対する残高Bの不足額を算出する。すなわちプロセッサ12aは、支払金額Aから残高Bを減額した金額を不足額として算出する。
【0063】
不足額を算出したならば、プロセッサ12aは、ACT22としてその不足額に基づいてチャージ必要額Cを設定する。本実施形態では、チャージ金額を千円単位とする。そしてプロセッサ12aは、不足額を百円以下の単位で切り上げた金額をチャージ必要額Cとする。例えば、支払金額Aが4,000円であり、電子マネーの残高Bが1,001円であった場合、不足額は2,999円となるので、チャージ必要額Cは3,000円となる。例えば、支払金額Aが4,000円であり、電子マネーの残高Bが999円であった場合には、不足額は3,001円となるので、チャージ必要額Cは4,000円となる。
【0064】
チャージ必要額Cを設定したプロセッサ12aは、ACT23としてタッチパネル12fの画面を読取待機画面SC2からチャージ画面SC4(図12を参照)へと切り替える。
【0065】
図12は、チャージ画面SC4の一表示例である。図12に示すように、チャージ画面SC4には、チャージ金額の指定を促すメッセージMS4が表示されている。またチャージ画面SC4には、チャージボタンBT5の画像と、呼出ボタンBT4の画像と、中止ボタンBT6の画像と、OKボタンBT7の画像と、チャージ必要額エリアAR4と、残高エリアAR5と、チャージ金額エリアAR6とが配置されている。
【0066】
チャージボタンBT5は、1,000円、2,000円、3,000円,5,000円及び10,000円のチャージ金額がそれぞれ割り当てられた5つの金額ボタンと、金額入力ボタンとを含む。金額ボタンは、それぞれ割り当てられたチャージ金額を指定するためのボタンである。金額入力ボタンは、1,000円単位の任意のチャージ金額を指定するためのボタンである。金額入力ボタンがタッチされると、タッチパネル12fには、チャージ画面SC4に重ねてテンキーボタンの画像が表示される。ここで、チャージ金額として例えば4,000円を指定する場合、利用者は、“4”のテンキーボタンにタッチする。そうすることにより、決済装置12では、チャージ金額4,000円が指定されたものとして処理される。同様に、利用者が例えば“1”,“5”の順にテンキーボタンにタッチした場合には、決済装置12では、チャージ金額15,000円が指定されたものとして処理される。なお、チャージ後の残高が残高上限額を超える金額をチャージ金額として指定することはできない。
【0067】
中止ボタンBT6は、チャージの中止を指令するためのボタンである。OKボタンBT7は、チャージ金額の決定を指令するためのボタン画像である。チャージ必要額エリアAR4は、ACT22において設定されたチャージ必要額Cを表示するためのエリアである。残高エリアAR5は、ACT8において記憶した電子マネーの残高Bを表示するためのエリアである。チャージ金額エリアAR6は、指定されたチャージ金額を表示するためのエリアである。チャージ金額が指定される前においては、チャージ金額エリアAR6は空欄となっている。あるいは、0円がチャージ金額エリアAR6に表示されていてもよい。この他、チャージ画面SC4に支払金額エリアAR1を配置して、利用者が支払金額Aを確認できるようにしてもよい。因みに、図12は、支払金額Aが4,000円であるのに対し、電子マネーの残高Bが999円である場合を例示している。
【0068】
チャージ画面SC4を表示させたプロセッサ12aは、ACT24としてOKボタンBT7を無効化する。具体的にはプロセッサ12aは、チャージ画面SC4のOKボタンBT7がタッチされても、その入力を受け付けない状態とする。そしてプロセッサ12aは、図12に示すように、OKボタンBT7の画像をグレーアウトして非アクティブであることを表す。
【0069】
チャージ画面SC4を確認した利用者は、チャージボタンBT5を操作してチャージ必要額C以上のチャージ金額を指定する。しかし、例えばチャージ必要額C以上の現金を持ち合わせていない場合には、中止ボタンBT6にタッチして、チャージの中止を指令する。
【0070】
OKボタンBT7を無効化したプロセッサ12aは、ACT25として中止ボタンBT6が入力されたか否かを確認する。中止ボタンBT6が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT25においてNOと判定し、ACT26へと進む。プロセッサ12aは、ACT26としてチャージ金額が指定されたか否かを確認する。チャージ金額が指定されていない場合、プロセッサ12aは、ACT26においてNOと判定し、ACT25へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT25及びACT26により中止ボタンBT6が入力されるかチャージ金額が指定されるのを待ち受ける。
【0071】
ACT25及びACT26の待ち受け状態において、プロセッサ12aは、タッチパネル12fからの信号により中止ボタンBT6がタッチされたことを検知すると、ACT25においてYESと判定し、図4のACT3へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から支払方法選択画面SC1に戻す。そしてプロセッサ12aは、いずれかの支払方法が選択されるのを待ち受ける。
【0072】
プロセッサ12aは、ACT25及びACT26の待ち受け状態において、タッチパネル12fからの信号によりチャージ金額が指定されたことを検知すると、ACT26においてYESと判定し、ACT27へと進む。プロセッサ12aは、ACT27としてそのチャージ金額Dを取得する。例えば、チャージボタンBT5のなかの1,000円の金額ボタンがタッチされた場合には、プロセッサ12aは、チャージ金額Dとして1,000円を取得する。2,000円の金額ボタン、3,000円の金額ボタン、5,000円の金額ボタンまたは10,000円の金額ボタンがタッチされた場合も同様である。一方、金額入力ボタンがタッチされた場合には、プロセッサ12aは、その後のテンキーボタンのタッチ操作により指定された金額をチャージ金額Dとして取得する。
【0073】
チャージ金額Dを取得し、メインメモリ12bで記憶したプロセッサ12aは、ACT28としてそのチャージ金額Dとチャージ必要額Cとを比較する。そしてプロセッサ12aは、チャージ金額Dがチャージ必要額C以上であるか否かを確認する。チャージ金額Dがチャージ必要額C未満の場合、プロセッサ12aは、ACT28においてNOと判定し、ACT25へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、ACT27において取得したチャージ金額Dを破棄して、ACT25及びACT26の待ち受け状態に戻る。
【0074】
チャージ金額Dがチャージ必要額C以上である場合には、プロセッサ12aは、ACT28においてYESと判定し、ACT29へと進む。プロセッサ12aは、ACT29として電子マネーの残高Bにチャージ金額Dを加算した金額が残高上限額を超えるか否かを確認する。残高Bにチャージ金額Dを加算した金額が残高上限額を超える場合、プロセッサ12aは、ACT29においてNOと判定し、ACT25へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、ACT27において取得したチャージ金額Dを破棄して、ACT25及びACT26の待ち受け状態に戻る。
【0075】
残高Bにチャージ金額Dを加算した金額が残高上限額以下の場合には、プロセッサ12aは、ACT29においてYESと判定し、ACT30へと進む。プロセッサ12aは、ACT30としてチャージ画面SC4のOKボタンBT7を有効化する。具体的にはプロセッサ12aは、チャージ画面SC4のOKボタンBT7がタッチされたならば、その入力を受け付ける状態とする。そしてプロセッサ12aは、OKボタンBT7の画像をアクティブにする。またプロセッサ12aは、チャージ金額エリアAR6にチャージ金額Dを表示させる。
【0076】
図13は、図12のチャージ必要額が4,000円のチャージ画面SC4が表示された状態から、チャージ必要額C以上のチャージ金額Dとして5,000円が指定された場合のチャージ画面SC4を例示している。チャージ金額Dがチャージ必要額C以上であるので、OKボタンBT7がグレーアウトではなくなり、アクティブな状態であることを示している。また、チャージ金額エリアAR6にチャージ金額Dが表示されている。
【0077】
OKボタンBT7がアクティブな状態であることを確認した利用者は、そのOKボタンBT7にタッチする。なお、チャージ金額を指定したが、そのチャージを取り止める利用者は、中止ボタンBT6にタッチする。
【0078】
OKボタンBT7を有効化したプロセッサ12aは、ACT31として中止ボタンBT6が入力されたか否かを確認する。中止ボタンBT6が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT31においてNOと判定し、ACT32へと進む。プロセッサ12aは、ACT32としてOKボタンBT7が入力されたか否かを確認する。OKボタンBT7が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT32においてNOと判定し、ACT31へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT31及びACT32により中止ボタンBT6が入力されるかOKボタンBT7が入力されるのを待ち受ける。
【0079】
ACT31及びACT32の待ち受け状態において、プロセッサ12aは、タッチパネル12fからの信号により中止ボタンBT6がタッチされたことを検知すると、ACT31においてYESと判定し、図4のACT3へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から支払方法選択画面SC1に戻す。そしてプロセッサ12aは、いずれかの支払方法が選択されるのを待ち受ける。
【0080】
プロセッサ12aは、ACT31及びACT32の待ち受け状態において、タッチパネル12fからの信号によりOKボタンBT7がタッチされたことを検知すると、ACT32においてYESと判定し、ACT33へと進む。プロセッサ12aは、ACT33としてタッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から現金投入画面SC5(図14を参照)へと切り替える。
【0081】
図14は、現金投入画面SC5の一表示例である。図14に示すように、現金投入画面SC5には、現金の投入を促すメッセージMS5が表示されている。また現金投入画面SC5には、呼出ボタンBT4の画像と、中止ボタンBT6の画像と、チャージ金額エリアAR6と、投入金額エリアAR7と、釣銭エリアAR8と、チャージ後残高エリアAR9とが配置されている。また、図示を省略するが、現金の投入操作を示すイラストも現金投入画面SC5の一部に表示されている。投入金額エリアAR7は、釣銭機12iに投入された現金の金額を表示するためのエリアである。釣銭エリアAR8は、投入金額とチャージ金額とから得られる釣銭額を表示するためのエリアである。チャージ後残高エリアAR9は、チャージ金額をチャージした後の電子マネーの残高を表示するためのエリアである。なお、図14では、投入金額エリアAR7、釣銭エリアAR8及びチャージ後残高エリアAR9に金額が表示されているが、ACT33の時点では、金額は表示されていない。
【0082】
現金投入画面SC5を確認した利用者は、チャージ金額に相当する現金を釣銭機12iに投入する。しかし、チャージ金額に相当する現金を持ち合わせていなかった場合には、中止ボタンBT6にタッチして、チャージの中止を指令する。
【0083】
現金投入画面SC5を表示させたプロセッサ12aは、図6のACT41へと進む。プロセッサ12aは、ACT41として入金メモリEを“0”にクリアする。入金メモリは、メインメモリ12bの揮発性領域に形成されている。
【0084】
プロセッサ12aは、ACT42として中止ボタンBT6が入力されたか否かを確認する。中止ボタンBT6が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT42においてNOと判定し、ACT43へと進む。プロセッサ12aは、ACT43として釣銭機12iに現金が投入されたか否かを確認する。現金が投入されていない場合、プロセッサ12aは、ACT43においてNOと判定し、ACT42へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT42及びACT43により中止ボタンBT6が入力されるか現金が投入されるのを待ち受ける。
【0085】
ACT42及びACT43の待ち受け状態において、プロセッサ12aは、タッチパネル12fからの信号により中止ボタンBT6がタッチされたことを検知すると、ACT42においてYESと判定し、ACT44へと進む。プロセッサ12aは、ACT44として入金メモリEの値が“0”よりも大きいか否かを確認する。入金メモリEの値が“0”の場合、プロセッサ12aは、ACT44においてNOと判定し、図4のACT3へと戻る。一方、入金メモリEの値が“0”よりも大きい場合には、プロセッサ12aは、ACT44においてYESと判定し、ACT45へと進む。プロセッサ12aは、ACT45として入金メモリEの値に相当する金額を払い出すように釣銭機12iを制御する。その後、プロセッサ12aは、図4のACT3へと戻る。かくしてプロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面を現金投入画面SC5から支払方法選択画面SC1に戻す。そしてプロセッサ12aは、いずれかの支払方法が選択されるのを待ち受ける。
【0086】
プロセッサ12aは、ACT42及びACT43の待ち受け状態において、釣銭機12iからの信号により現金が投入されたことを検知すると、ACT43においてYESと判定し、ACT46へと進む。プロセッサ12aは、ACT46としてその投入金額Fを取得する。そしてプロセッサ12aは、ACT47としてその投入金額Fを入金メモリEに加算する。
【0087】
プロセッサ12aは、ACT48として入金メモリEの値がチャージ金額D以上になったか否かを確認する。入金メモリEの値がチャージ金額D以上になっていない場合には、プロセッサ12aは、ACT48においてNOと判定し、ACT42へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、ACT42及びACT43の待ち受け状態に戻る。この待ち受け状態において、中止ボタンBT6がタッチされると、プロセッサ12aは、ACT44においてYESと判定し、ACT45の処理を実行する。すなわちプロセッサ12aは、釣銭機12iに投入された現金をそのまま払い出すように制御し、タッチパネル12fの画面を現金投入画面SC5から支払方法選択画面SC1に戻す。
【0088】
釣銭機12iに現金が投入された結果、入金メモリEの値がチャージ金額D以上になった場合には、プロセッサ12aは、ACT48においてYESと判定し、ACT49へと進む。プロセッサ12aは、ACT49として、ACT8の処理で取得した残高Bに入金メモリEの値を加算する。またプロセッサ12aは、ACT50として入金メモリEの値からチャージ金額Dを減算することにより釣銭額Gを算出する。
【0089】
プロセッサ12aは、ACT51として釣銭額Gが0よりも大きいか否かを確認する。釣銭額Gが0よりも大きい場合には、プロセッサ12aは、ACT52としてその釣銭額Gを払い出すように釣銭機12iを制御する。その後、プロセッサ12aは、ACT53へと進む。釣銭額Gが0の場合には、プロセッサ12aは、ACT51においてNOと判定し、ACT52をスキップしてACT53へと進む。
【0090】
ACT53へと進んだプロセッサ12aは、ACT53として現金投入画面SC5にチャージ結果を表示する。具体的にはプロセッサ12aは、図14に示すように、投入金額エリアAR7に入金メモリEの値を表示し、釣銭エリアAR8に釣銭額を表示し、チャージ後残高エリアに、入金メモリEの値を加算した後の残高Bを表示する。
【0091】
その後、プロセッサ12aは、図4のACT11へと進む。すなわちプロセッサ12aは、メインメモリ12bで記憶した残高Bを、その残高Bから支払金額Aを減額した値に更新する。そしてプロセッサ12aは、電子マネーの決済処理を実行する。決済処理を終えると、プロセッサ12aは、レシートの発行を制御し、タッチパネル12fの画面を現金投入画面SC5から支払完了画面SC3へと切り替える。
【0092】
支払完了画面SC3を確認した利用者は、レシートを受け取った後、決済装置12から離れる。利用者が決済装置12から離れたことによって、タッチパネル12fの画面は、初期画面に戻る。以上で、プロセッサ12aは、電子マネーの残高Bが支払金額Aよりも少なかった場合の情報処理を終了する。
【0093】
次に、支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超える場合について説明する。
支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超えるとき、プロセッサ12aは、ACT9においてNOと判定し、図7のACT61へと進む。プロセッサ12aは、ACT61として残高上限額に対する残高Bの不足額を算出する。すなわちプロセッサ12aは、残高上限額から残高Bを減額した金額を不足額として算出する。
【0094】
不足額を算出したならば、プロセッサ12aは、ACT62として、ACT22と同様に、その不足額に基づいてチャージ必要額Cを設定する。そしてプロセッサ12aは、ACT63としてタッチパネル12fの画面を読取待機画面SC2からチャージ画面SC4へと切り替える。またプロセッサ12aは、ACT64としてOKボタンBT7を無効化する。
【0095】
この場合も、利用者は、チャージボタンBT5を操作してチャージ必要額C以上のチャージ金額を指定する。しかし、例えばチャージ必要額C以上の現金を持ち合わせていない場合には、中止ボタンBT6にタッチして、チャージの中止を指令する。
【0096】
OKボタンBT7を無効化したプロセッサ12aは、ACT65として中止ボタンBT6が入力されたか否かを確認する。中止ボタンBT6が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT65においてNOと判定し、ACT66へと進む。プロセッサ12aは、ACT66としてチャージ金額が指定されたか否かを確認する。チャージ金額が指定されていない場合、プロセッサ12aは、ACT66においてNOと判定し、ACT65へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT65及びACT66により中止ボタンBT6が入力されるかチャージ金額が指定されるのを待ち受ける。
【0097】
ACT65及びACT66の待ち受け状態において、プロセッサ12aは、タッチパネル12fからの信号により中止ボタンBT6がタッチされたことを検知すると、ACT65においてYESと判定し、図4のACT3へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から支払方法選択画面SC1に戻す。そしてプロセッサ12aは、いずれかの支払方法が選択されるのを待ち受ける。
【0098】
プロセッサ12aは、ACT65及びACT66の待ち受け状態において、タッチパネル12fからの信号によりチャージ金額が指定されたことを検知すると、ACT66においてYESと判定し、ACT67へと進む。プロセッサ12aは、ACT67として、ACT27と同様に、そのチャージ金額Dを取得する。
【0099】
チャージ金額Dを取得し、メインメモリ12bで記憶したプロセッサ12aは、ACT68としてそのチャージ金額Dとチャージ必要額Cとを比較する。そしてプロセッサ12aは、チャージ金額Dがチャージ必要額Cと等しいか否かを確認する。チャージ金額Dがチャージ必要額Cと等しくない場合、プロセッサ12aは、ACT68においてNOと判定し、ACT65へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、記憶したチャージ金額Dを破棄して、ACT65及びACT66の待ち受け状態に戻る。
【0100】
チャージ金額Dがチャージ必要額Cと等しい場合には、プロセッサ12aは、ACT68においてYESと判定し、ACT69へと進む。プロセッサ12aは、ACT69としてチャージ画面SC4のOKボタンBT7を有効化する。
【0101】
OKボタンBT7がアクティブな状態であることを確認した利用者は、そのOKボタンBT7にタッチする。なお、チャージ金額を指定したが、そのチャージを取り止める利用者は、中止ボタンBT6にタッチする。
【0102】
OKボタンBT7を有効化したプロセッサ12aは、ACT70として中止ボタンBT6が入力されたか否かを確認する。中止ボタンBT6が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT70においてNOと判定し、ACT71へと進む。プロセッサ12aは、ACT71としてOKボタンBT7が入力されたか否かを確認する。OKボタンBT7が入力されていない場合、プロセッサ12aは、ACT71においてNOと判定し、ACT70へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT70及びACT71により中止ボタンBT6が入力されるかOKボタンBT7が入力されるのを待ち受ける。
【0103】
ACT70及びACT71の待ち受け状態において、プロセッサ12aは、タッチパネル12fからの信号により中止ボタンBT6がタッチされたことを検知すると、ACT70においてYESと判定し、図4のACT3へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から支払方法選択画面SC1に戻す。そしてプロセッサ12aは、いずれかの支払方法が選択されるのを待ち受ける。
【0104】
プロセッサ12aは、ACT70及びACT71の待ち受け状態において、タッチパネル12fからの信号によりOKボタンBT7がタッチされたことを検知すると、ACT71においてYESと判定し、ACT72へと進む。プロセッサ12aは、ACT72として、ACT33と同様に、タッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から現金投入画面SC5へと切り替える。その後、プロセッサ12aは、図8のACT81へと進む。プロセッサ12aは、ACT81として入金メモリの値Eを“0”にクリアする。
【0105】
ACT81の処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT82乃至ACT93として、図6のACT42乃至ACT53と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ12aは、ACT82及びACT83として、中止ボタンBT6が入力されるかチャージ現金が投入されるのを待ち受ける。そして、中止ボタンBT6がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT84として入金メモリEの値が“0”よりも大きいか否かを確認する。入金メモリEの値が“0”の場合には、プロセッサ12aは、図4のACT3へと戻る。
【0106】
一方、入金メモリEの値が“0”よりも大きい場合には、プロセッサ12aは、ACT85として入金メモリEの値に相当する金額を払い出すように釣銭機12iを制御する。その後、プロセッサ12aは、図4のACT3へと戻る。
【0107】
プロセッサ12aは、ACT82及びACT83の待ち受け状態において、釣銭機12iに現金が投入されたことを検知すると、ACT86としてその投入金額Fを取得する。そしてプロセッサ12aは、ACT87として入金メモリEに投入金額Fを加算する。プロセッサ12aは、ACT88として入金メモリEの値がチャージ金額D以上になったか否かを確認する。入金メモリEの値がチャージ金額D以上になっていない場合、プロセッサ12aは、ACT82及びACT83の待ち受け状態に戻る。
【0108】
釣銭機12iに現金が投入された結果、入金メモリEの値がチャージ金額D以上になった場合には、プロセッサ12aは、ACT89として、ACT8の処理で取得した残高Bに入金メモリEの値を加算する。またプロセッサ12aは、ACT90として入金メモリEの値からチャージ金額Dを減算することにより釣銭額Gを算出する。ここで、釣銭額Gが0よりも大きい場合、プロセッサ12aは、ACT92としてその釣銭額Gを払い出すように釣銭機12iを制御する。釣銭額Gが0の場合には、プロセッサ12aは、ACT92をスキップする。
【0109】
プロセッサ12aは、ACT93として、ACT53と同様に、現金投入画面SC5にチャージ結果を表示する。またプロセッサ12aは、ACT94として残高Bを“0”とする。そしてプロセッサ12aは、ACT95として、図4のACT12と同様に電子マネー決済処理を実行する。
【0110】
電子マネー決済処理が終了すると、プロセッサ12aは、ACT96として支払金額Aの残金を算出する。すなわちプロセッサ12aは、支払金額Aから残高上限額を減額した金額を支払金額Aの残金として算出する。残金を算出したプロセッサ12aは、図4のACT3へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面をチャージ画面SC4から支払方法選択画面SC1に戻す。そしてプロセッサ12aは、電子マネーを除くいずれかの支払方法が選択されるのを待ち受ける。
【0111】
したがって、支払方法として現金が選択された場合には、プロセッサ12aは、残金に対して現金決済処理を実行する。支払方法としてクレジットカードが選択された場合には、プロセッサ12aは、残金に対してクレジットカード決済処理を実行する。
以上で、プロセッサ12aは、支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超える場合の情報処理を終了する。
【0112】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の決済装置12は、プロセッサ12aを主体とするコンピュータがACT1及びACT2の処理を実行することにより、支払金額取得手段を構成する。すなわちコンピュータは、会計データから支払金額Aを取得する。また決済装置12は、同コンピュータがリーダ・ライタ12hと協働してACT7及びACT8の処理を実行することにより、残高取得手段を構成する。すなわちコンピュータは、リーダ・ライタ12hで読み取った電子マネー媒体のデータを基に電子マネーの残高Bを取得する。また決済装置12は、同コンピュータがACT10乃至ACT12の処理を実行することにより、第1決済手段を構成する。すなわちコンピュータは、残高Bが支払金額A以上である場合、残高Bを、当該残高Bから前記支払金額Aを減額した金額に更新して取引を決済する。
【0113】
また決済装置12は、同コンピュータがタッチパネル12fと協働してACT10と処理とACT21乃至ACT23の処理とを実行することにより、第1通知手段を構成する。すなわちコンピュータは、残高Bが支払金額A未満である場合、支払金額Aから残高Bを減額した不足額を基に設定されるチャージ必要額Cを、タッチパネル12fに表示されるチャージ画面SC4上で通知する。また決済装置12は、同コンピュータが釣銭機12iと協働してACT41乃至ACT48の処理を実行することにより、入金手段を構成する。すなわちコンピュータは、釣銭機12iに投入された現金の金額を入金メモリEで加算することにより、電子マネーに対するチャージ金額の入金を受け付ける。また決済装置12は、同コンピュータがACT49の処理とACT11及びACT12の処理とを実行することにより、第2決済手段を構成する。すなわちコンピュータは、第1通知手段によりチャージ必要額Cが通知され、入金手段によりチャージ必要額C以上の入金を受け付けると、残高Bを、当該残高Bに入金された金額を加算した金額から支払金額Aを減額した金額に更新して取引を決済する。
【0114】
かかる構成を備えた決済装置12によれば、電子マネーの残高Bが支払金額A以上である場合には、電子マネー媒体のデータをリーダ・ライタ12hに読み取らせるだけで、その支払金額に係る取引を決済することができる。
【0115】
一方、電子マネーの残高Bが支払金額Aに満たない場合には、電子マネーの利用者は、少なくとも支払いに必要な金額になるまで電子マネーをチャージする必要がある。上記構成の決済装置12によれば、利用者に対して支払いに必要なチャージ金額、すなわちチャージ必要額Cが通知されるので、利用者は容易にチャージ必要額Cを知ることができる。そして利用者が、チャージ必要額C以上の金額をチャージすることで、決済装置12では、電子マネーによる決済処理が実行される。したがって、チャージ必要額Cがわからないために利用者がチャージに無駄な時間を費やすことがないので、決済装置12の処理効率を高めることができる。
【0116】
また決済装置12は、プロセッサ12aを主体とするコンピュータがタッチパネル12fと協働してACT26乃至ACT29の処理を実行することにより、指定手段を構成する。すなわちコンピュータは、タッチパネル12fに表示されたチャージ画面SC4のチャージボタンBT5の操作入力を受けて、チャージ金額Dを指定する。そして同コンピュータは、ACT24及びACT30の処理を実行することにより、入金手段が、指定手段によりチャージ必要額C以上のチャージ金額Dが指定されたことを条件に入金を受け付けるようにしている。
【0117】
かかる構成を備えた決済装置12によれば、チャージ必要額C未満のチャージ金額Dが指定されても入金手段が入金を受け付けないので、無駄な入金処理が実行されることはない。したがって、この点からも決済装置12の処理効率を高める効果を奏する。
【0118】
また指定手段は、それぞれ異なる金額が割り当てられた複数の金額ボタンが配置されたチャージ画面SC4上で選択されたいずれかの金額ボタンに割り当てられた金額をチャージ金額として指定する手段である。そして第1通知手段は、チャージ画面SC4の一部にチャージ必要額Cを表示して通知するようにしている。このため利用者は、チャージ必要額Cを目視しながらチャージ金額Dを指定できるので、チャージ必要額C以上のチャージ金額を容易に指定することができる。したがって、この点からも決済装置12の処理効率向上の効果を奏し得る。
【0119】
しかも決済装置12では、チャージ金額の決定を指令する操作ボタンであるOKボタンBT7がチャージ画面SC4にさらに配置されている。そして指定手段は、チャージ必要額C以上のチャージ金額Dが指定されたことを条件にOKボタンBT7の入力を許容する。また入金手段は、OKボタンBT7が入力されたことに応じて入金を受け付ける。したがって決済装置12は、チャージ必要額C以上のチャージ金額Dが指定されるまでは、OKボタンBT7の入力を受け付けない。よって、この点からも決済装置12の処理効率を高めることができる。
【0120】
また決済装置12は、プロセッサ12aを主体とするコンピュータがタッチパネル12fと協働してACT4の処理とACT61乃至ACT63の処理とを実行することにより、第2通知手段を構成する。すなわちコンピュータは、支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超過する場合、残高上限額から残高Bを減額した金額を基に設定されるチャージ必要額Cを、タッチパネル12fに表示されるチャージ画面SC4上で通知する。また同コンピュータは、釣銭機12iと協働してACT81乃至ACT96の処理とACT3乃至ACT5の処理とを実行することにより、第3決済手段を構成する。すなわちコンピュータは、第2通知手段によりチャージ必要額Cが通知され、入金手段によりチャージ必要額C以上の入金を受け付けると、残高Bをゼロに更新するとともに、支払金額Aから残高上限額を減算した残額について電子マネー以外の方法で取引を決済する。
【0121】
決済装置12は、さらに上記構成を備えているので、支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超過する場合には、電子マネーの残高上限額までは電子マネーで支払い、残りを電子マネー以外の支払方法で支払うという運用を確実にとることができる。したがって、支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超過する場合においても、決済装置12の処理効率が低下することはなく、迅速に決済を処理することができる。
【0122】
以上、電子マネーの利用者が支払いに必要なチャージ金額を容易に知り得る決済装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0123】
前記実施形態では、タッチパネル12fに表示されるチャージ画面SC4上にチャージ必要額Cを表示させることでチャージ必要額Cを利用者に通知するようにした。チャージ必要額Cの通知手段は、表示に限定されるものではない。例えば決済装置12が音声合成装置を備えているならば、音声によりチャージ必要額Cを利用者に通知してもよい。
【0124】
前記実施形態では、不足額を百円以下の単位で切り上げた金額をチャージ必要額Cとした。この点に関しては、不足額を百円以下の単位で切り上げた金額に、代金支払い後に残高として残しておきたい金額分を加算した金額をチャージ必要額Cとしてもよい。例えば、支払金額Aが4,000円であり、電子マネーの残高Bが1,001円であった場合において、代金支払い後に残高として2,000円を残しておきたい場合、チャージ必要額Cは5,000円となる。この場合、利用者が5,000円をチャージすることにより、代金支払い後の電子マネーの残高は2,001円となる。因みに、代金支払い後に残高として残しておきたい金額は、予め利用者毎に設定されていることが望ましい。勿論、代金支払い後に残高として残しておきたい金額を一律で設定してもよい。
前記実施形態では、図5のACT24においてOKボタンBT7を無効化しACT28及びACT29において、チャージ金額Dがチャージ必要額C以上であり、電子マネーの残高Bにチャージ金額Dを加算した金額が残高上限額を超えない場合にOKボタンBT7を有効化した。この点に関しては、OKボタンBT7を常に有効化してもよい。その場合には、プロセッサ12aは、図6のACT49の処理の後で、入金メモリEの値を加算した後の残高Bがチャージ必要額C以上であるか否かを確認する。そしてプロセッサ12aは、残高Bがチャージ必要額C以上であった場合にはACT50へと進む。残高Bがチャージ必要額Cに満たない場合には、プロセッサ12aは、ACT23に戻り、チャージ画面SC4を再度表示させる。このように、入金の途中でOKボタンBT7を押して一旦チャージするが、残高Bがチャージ必要額Cに満たない場合には、再度チャージ画面SC4へ戻るようにしてもよい。
【0125】
前記実施形態では、支払金額Aが電子マネーの残高上限額を超える場合の情報処理において、支払金額Aのうちの残高上限額までを電子マネーで支払った残金に対する支払方法を電子マネー以外とした。この点に関しては、例えば自社電子マネーと他社電子マネーとが取り扱い可能な場合には、他方の電子マネーで残金を支払うようにしてもよい。
【0126】
本実施形態において、決済装置12が備えた各手段は、セミセルフ式チェックアウトシステムの登録装置11が備えてもよい。また、商品の登録から決済までを店員が行うようにしたPOSシステムのPOS端末が備えてもよい。あるいは、商品の登録から決済までを客が行うようにしたセルフ式チェックアウトシステムのPOS端末、いわゆるセルフレジが備えてもよい。因みに、登録装置11又はPOS端末が各手段を備えた場合には、チャージ必要額の通知は、客用ディスプレイを利用することで利用客に対して行ってもよいし、タッチパネルを利用することで店員に対して行ってもよい。
【0127】
決済装置12が備えた各手段のうち、指定手段は省略可能である。利用者が、チャージ必要額以上の金額を入金しさえすれば、電子マネーの残高は支払金額以上となる。したがって、取引を決済することができるので、決済装置12が指定手段を備えていなくてもよい。
【0128】
同様に、残高上限額を無限大又は未設定とすることによって、決済装置12は、第2通知手段及び第3決済手段を省略できる。残高上限額が無限大又は未設定になると、プロセッサ12aは、ACT9において必ずYESとなり、図7及び図8の流れ図で示す手順の情報処理は実行されない。したがって決済装置12は、第2通知手段及び第3決済手段を備えていなくてもよい。
前記実施形態では、会計データには、商品コード、商品名、単価、個数、支払金額等が含まれるとした。会計データには、少なくとも商品コードと個数とが含まれていればよい。この場合、会計データを受信した決済装置12は、その会計データに含まれる商品コードで商品データベースを検索して、商品名,単価等を取得する。そして決済装置12は、商品データベースから取得した単価と、会計データに含まれる個数とから、支払金額を算出することとなる。
また、会計データには一取引毎に付与される取引IDが含まれ、商品コードと個数とが含まれていなくてもよい。この場合、例えば、登録装置11は顧客が買上げを希望する商品の商品コードと個数とを、LANを介してサーバに送信する。また、登録装置11は、取引IDを含む会計データを決済装置12へと送信する。会計データを受信した決済装置12は、その会計データに含まれる取引IDを用いてサーバから商品コードと個数を取得する。また決済装置12は、サーバから取得した商品コードで商品データベースを検索して、商品名,単価等を取得する。そして決済装置12は、商品データベースから取得した単価と、サーバから取得した個数とから、支払金額を算出することとなる。
【0129】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
10…チェックアウトシステム、11…登録装置、12…決済装置、11a,12a…プロセッサ、11b,12b…メインメモリ、11c,12c…補助記憶デバイス、11d,12d…通信ユニット、11e…キーボード、11f,12e…スキャナ、11g,12f…タッチパネル、11h…客用ディスプレイ、11i,12g…プリンタ、11j…ドロワ開放機構、12h…リーダ・ライタ、12i…釣銭機。
図1
図2
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