(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103779
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】取引状況監視装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
G07G1/00 331B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092199
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2020105930の分割
【原出願日】2020-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和希
(72)【発明者】
【氏名】樋口 真吾
(57)【要約】
【課題】客が客端末装置を用いて商品登録を行うとともに精算装置を利用して精算を行う商品販売データ処理システムにおいて、継続中の取引に関して店舗側で状況把握できるようにする。
【解決手段】客が取引単位に応じた商品登録を行うのに利用する客端末装置と、取引についての監視に関する処理を行う取引状況監視装置とを備える商品販売データ処理システムにおける取引状況監視装置として、前記客端末装置により行われた取引単位の商品登録の結果が反映された取引情報に基づいて、前記客端末装置による商品登録の開始に応じて開始されてから継続中の取引に関する情報を提示する継続中取引情報を表示させる表示制御手段を備えて構成する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が取引単位に応じた商品登録を行うのに利用する客端末装置と、取引についての監視に関する処理を行う取引状況監視装置とを備える商品販売データ処理システムにおける取引状況監視装置であって、
前記客端末装置により行われた取引単位の商品登録の結果が反映された取引情報に基づいて、前記客端末装置による商品登録の開始に応じて開始されてから継続中の取引に関する情報を提示する継続中取引情報を表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記継続中取引情報の表示において、前記継続中の取引のうちで正常に行われなかった商品の登録を含む非正常取引の一覧の表示に切り替える操作が行われる画像操作子を含める
取引状況監視装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記継続中取引情報の表示において、前記非正常取引の総数を示す表示を含める
請求項1に記載の取引状況監視装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記継続中取引情報において提示する継続中取引ごとに、対応の商品登録に利用される客端末装置について、客が所持する第1の客端末装置と、店舗から客に貸与した第2の客端末装置とのいずれであるのかを示す表示を含める
請求項1または2に記載の取引状況監視装置。
【請求項4】
客が取引単位に応じた商品登録を行うのに利用する客端末装置と、取引についての監視に関する処理を行う取引状況監視装置とを備える商品販売データ処理システムにおける取引状況監視装置としてのコンピュータを、
前記客端末装置により行われた取引単位の商品登録の結果が反映された取引情報に基づいて、前記客端末装置による商品登録の開始に応じて開始されてから継続中の取引に関する情報を提示する継続中取引情報を表示させる表示制御手段として機能させるためのプログラムであって、
前記表示制御手段は、前記継続中取引情報の表示において、前記継続中の取引のうちで正常に行われなかった商品の登録を含む非正常取引の一覧の表示に切り替える操作が行われる画像操作子を含める
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引状況監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセルフチェックアウト端末を備えるセルフチェックアウトシステムにおいて、アテンダント端末が、セルフチェックアウト端末の稼働状況やエラー発生状況を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店舗での買い物にて、客が自分のスマートフォンあるいは店舗から貸与された客端末装置を利用して商品の登録を行い、登録された商品の精算を店舗に設置された精算装置により客が行うようにされた商品販売データ処理システムが知られている。
このような商品販売データ処理システムにおいては、客が客端末装置を利用して商品登録が開始後において継続中の取引に関して、店舗側で状況把握できるようにすることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が客端末装置を用いて商品登録を行うとともに精算装置を利用して精算を行う商品販売データ処理システムにおいて、継続中の取引に関して店舗側で状況把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、客が取引単位に応じた商品登録を行うのに利用する客端末装置と、取引についての監視に関する処理を行う取引状況監視装置とを備える商品販売データ処理システムにおける取引状況監視装置であって、前記客端末装置により行われた取引単位の商品登録の結果が反映された取引情報に基づいて、前記客端末装置による商品登録の開始に応じて開始されてから継続中の取引に関する情報を提示する継続中取引情報を表示させる表示制御手段を備える取引状況監視装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態におけるショッピングシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における精算装置の設置例を示す図である。
【
図3】本実施形態における精算装置の外観例を示す図である。
【
図4】本実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における客端末装置の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における取引管理装置の構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態における取引状況監視装置の構成例を示す図である。
【
図8】本実施形態における顧客情報、店舗情報、カート情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態における保留商品の定義例を示す図である。
【
図10】本実施形態における客端末装置、精算装置、及び取引管理装置が、セルフ運用における一取引の会計に対応して実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
【
図11】本実施形態におけるショッピングアプリケーションの画面例を示す図である。
【
図12】本実施形態における登録商品提示画面、精算装置にて表示される画面の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態における非正常取引一覧画面の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態における取引詳細画面の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態における商品登録画面の保留解除に応じた遷移例を示す図である。
【
図16】本実施形態における保留解除画面の例を示す図である。
【
図17】本実施形態における取引管理装置と取引状況監視装置とが、継続中取引一覧画面の表示に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図18】本実施形態における取引管理装置と取引状況監視装置とが、登録段階保留解除に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図19】本実施形態における精算装置にて表示される登録商品リスト画面の一例を示す図である。
【
図20】本実施形態における精算装置稼働状況画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
[ショッピングシステムの構成例]
図1は、本実施形態のショッピングシステム(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図のショッピンシステムは、例えば、客が購入対象の商品を商品棚から取り出しながら、取りだした商品の登録を、客端末装置50を用いて行い、登録された商品の精算についても、同じ客が精算装置40を用いて行うようにされた会計(客端末対応会計)に対応する。ここでの会計は、商品の登録と、登録された商品の精算とを含み、一取引に対応して行われる手順をいう。
本実施形態のショッピングシステムは、管理装置10、取引管理装置60、精算装置40、客端末装置50、取引状況監視装置80、及びクレジットカード決済サーバ70を含む。
【0009】
管理装置10、精算装置40、取引状況監視装置80は、店舗内に設置されるものであり、LAN19(有線でも無線でもよい)を介して通信可能に接続されている。管理装置10は、店員が店舗管理等に用いる業務用の端末であり、取引管理装置60と通信可能である。取引状況監視装置80は、店舗において客端末装置50を利用して商品を登録する客の取引状況の監視に用いられる業務用の端末である。取引状況監視装置80による取引状況の監視機能は、取引状況監視装置80における取引状況に関する情報の表示等により出力の他、例えば店員の操作に応じた後述の保留商品についての保留状態の解除等の取引に関する制御を含む。取引状況監視装置80は、取引管理装置60と通信可能とされており、取引管理装置60とのデータの授受を伴って取引状況の監視機能を実現可能とされる。
なお、
図1において、4台の精算装置40を図示したが、1店舗内の精算装置40の数については、特に限定されない。
【0010】
客端末装置50は、顧客(当該店舗の会員である買い物客等、以下、単に客とも記載する)によって操作されるものである。客端末装置50は、一般的な、通信機能や撮像機能(カメラ)に加えて、商品に付されるバーコードをスキャンして商品コードを読み取る、つまり商品に付されるバーコードを認識する認識機能を備える。なお、客端末装置50が備える認識機能は、商品コードを読み取ることができるものであればよく、読み取った商品コードがいずれの商品の商品コードであるかを認識できるものでなくてもよい。つまり、客端末装置50は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内にオブジェクトとしてバーコードが存在する場合に、当該バーコードから商品コードを読み取ることができるようになっていればよい。
【0011】
このような客端末装置50は、顧客が所有するスマートフォンやタブレット端末等であってよい。客端末装置50としてのスマートフォンやタブレット端末等には、本実施形態のショッピングシステムに対応して商品登録を行う機能を有するショッピングアプリケーションがインストールされる。
【0012】
また、客端末装置50は、例えば店舗から客に貸与される端末であってもよい。店舗から客に貸与される客端末装置50にも、本実施形態のショッピングシステムに対応して商品登録を行う機能を有するアプリケーションがインストールされる。店舗から客に貸与される客端末装置50は、客が手に持つようにして使用する態様のものであってもよいし、例えばショッピングカートに取り付けられた状態で客が使用するようにされた態様のものであってもよい。
【0013】
また、客端末装置50は、商品(例えばバーコードの付された周辺部分)を撮像し(例えばシャッターを切り)、撮像画像(画像データ)を生成する。客端末装置50は、操作者である顧客の操作に従ってシャッターを切る撮像であってもよいが、本実施形態では、客端末装置50自身の判断によりシャッターを切る撮像であることが好ましい。
【0014】
また、客端末装置50は、画像(スルー画像、撮像画像)から特徴点を抽出し、撮像対象(オブジェクト等)を認識する画像認識技術を備えていてもよい。例えば、客端末装置50は、画像認識技術を用いて、撮像した商品を特定(推定)してもよい。
【0015】
精算装置40は、精算方法として少なくとも現金による支払いが可能な精算装置である。精算装置40は、取引管理装置60と通信可能に構成される。なお、精算装置40は、例えば管理装置10の中継を介することにより、取引管理装置60と通信可能なようにされてもよい。
【0016】
取引管理装置60は、本実施形態のショッピングシステムに対応して行われる取引を管理する。
【0017】
クレジットカード決済サーバ70は、精算装置40、客端末装置50等からのクレジットカード決済要求の送信に応じて、クレジットカードに対応する決済処理を実行する。
【0018】
[精算装置について]
図2は、精算装置40の設置例を示す図である。
図2(A)は、精算装置40等を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、精算装置40等を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見て精算装置40の右側にカウンタが置かれている。
【0019】
図3は、精算装置40の外観例を示す図である。
図3(A)は、精算装置40を客側から見た斜視図である。
図3(B)は、精算装置40を店員側から見た斜視図である。
図4は、精算装置40の構成例を示す図である。
図3及び
図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0020】
以下、
図3を参照しつつ、
図4に示した精算装置40の構成例を説明する。精算装置40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、客側表示部405と、客側スキャナ部406と、カード決済部408と、釣銭機409と、店員側表示部410と、キー操作部411と、店員側スキャナ部412と、印刷部413と、音声出力部414と、通信部415とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0021】
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0022】
RAM403は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ROM402やハードディスク404から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶する。
【0023】
ハードディスク404は、種々の情報を記憶する。ハードディスク404は、例えば、ROM402に代えて、CPU401が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM403に代えて、ROM402から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶してもよい。
【0024】
客側表示部405は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部406は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。また、客側スキャナ部406は、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)をスキャンし、精算に必要な情報を読み取ってもよい。また、客側スキャナ部406は、客端末装置50の表示部に表示されるコード(2次元コード等)をスキャンし、精算に必要な情報を読み取ってもよい。
【0025】
なお、客側スキャナ部406は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部405に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示されている場合、客は、当該プリセットキーを操作(押下)し、商品を登録してもよい。
【0026】
カード決済部408は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部408は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。なお、カード認識部は、直接的には決済(精算)に使用しない各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)を認識してもよい。
【0027】
釣銭機409(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。なお、当該釣銭機409は、客側に向けられており、客が操作するものである。なお、紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。
【0028】
つまり、釣銭機409は、精算装置40において、登録された商品の代金を現金(貨幣)にて決済するときに使用される。釣銭機409は、紙幣を投入するための紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、紙幣を放出するための紙幣放出口、硬貨を放出するための硬貨放出口、投入又は放出される貨幣を計数する計数部、投入口または放出口と収納部の間の貨幣の搬送機構、上述したセンサなどを有する。なお、紙幣投入口及び硬貨投入口は、預り金投入口とも称される。紙幣放出口及び硬貨放出口は、釣銭放出口とも称される。なお、紙幣投入口と紙幣放出口は共通であってもよく、また、硬貨投入口と硬貨放出口は共通であってもよい。
【0029】
また、釣銭機409は、閉店処理時に補充された貨幣を計数し、収納部に収納する。また、釣銭機409は、閉店処理時に出金する貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。閉店処理とは、閉店後や開店前などに釣銭機409内に収納されている金額(現金在高/現金在高)を基準金額に調整する処理である。
【0030】
店員側表示部410は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部411は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部412は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。また、店員側スキャナ部412は、店員の名札に付されたバーコード等をスキャンし、店員コードを読み取る。
【0031】
なお、店員側スキャナ部412は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部411に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録してもよい。また、店員側表示部410に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録してもよい。
【0032】
印刷部413は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。印刷部413は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更である。印刷部413の向きは、手動で変更してもよいし、例えば後述の動作モードの移行(切替)に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部413の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
【0033】
音声出力部414は、音声を出力する。例えば、音声出力部414は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部415は、他装置(他の精算装置40や管理装置10)との通信を実行する。
【0034】
なお、本実施形態の精算装置40は、稼働モードとして、客端末対応会計のもとでの精算処理を行うように設定される客端末対応精算モードと、それぞれ異なる3パターンの会計(商品登録、精算)に対応する3つの会計モード(第1~第3会計モード)との、計4つの稼働モードの間で切り替えが可能とされている。
第1会計モードは、店員が精算装置40に対して商品登録操作と精算とに対応する操作とを行うようにされる稼働モードである。第2会計モードは、店員が精算装置40に対して商品登録操作を行い、客が同じ精算装置40に対して精算に対応する操作を行うようにされる稼働モードである。第3会計モードは、客が商品登録操作と精算に対応する操作とを精算装置40に対して行うようにされる稼働モードである。
これにより、本実施形態のショッピングシステムを導入した店舗では、複数の精算装置40のうちの一部について、客端末対応精算モードを設定することにより、客端末対応精算に対応し、他の精算装置40については、例えば第1会計モードもしくは第2会計モードを設定することにより、店員が客と応対して会計を行うようにすることができる。なお、他の精算装置40において第3会計モードが設定されたものが含まれていてもよい。
【0035】
[客端末装置の構成例]
図5は、客端末装置50の構成例を示している。同図の客端末装置50は、CPU501、記憶部502、RAM503、表示部504、操作部505、撮像部506、及びネットワーク対応通信部507を備える。
CPU501は、中央演算処理装置であり、記憶部502に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、客端末装置50の動作を制御する。
記憶部502は、CPU501の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM503は、CPU501の主記憶装置である。
表示部504は、CPU501の表示制御に応じて画像を表示する。表示部504は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部505は、客端末装置50に備えられる各種操作子や客端末装置50に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
撮像部506は、CPU401の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部506は、2次元コードを処理するコードリーダにおいて2次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
ネットワーク対応通信部507は、無線によりネットワーク経由で通信を行う部位である。ネットワーク対応通信部507により、客端末装置50は、取引管理装置60と通信可能となる。
【0036】
[取引管理装置の構成例]
図6は、取引管理装置60の構成例を示している。同図の取引管理装置60は、CPU601、記憶部602、RAM603、及びネットワーク対応通信部604を備える。
CPU601は、中央演算処理装置であり、記憶部602に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引管理装置60の動作を制御する。
記憶部602は、CPU601の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM603は、CPU601の主記憶装置である。
ネットワーク対応通信部604は、ネットワーク経由で通信を行う部位である。
【0037】
取引管理装置60の記憶部602は、顧客情報、店舗情報、商品情報、カート情報を記憶する。
【0038】
[取引状況監視装置の構成例]
図7は、取引状況監視装置80の構成例を示している。同図の取引状況監視装置80は、CPU801、記憶部802、RAM803、店舗内対応通信部804、ネットワーク対応通信部805、表示部806、及び操作部807を備える。
CPU801は、中央演算処理装置であり、記憶部802に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引状況監視装置80の動作を制御する。
記憶部602は、CPU801の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU801が利用する各種の情報を記憶する。
RAM803は、CPU801の主記憶装置である。
店舗内対応通信部804は、LAN19を経由して店舗内の精算装置40や管理装置10等の端末と通信を行う。
ネットワーク対応通信部805は、ネットワーク経由で外部と通信を行う部位である。取引状況監視装置80の場合、ネットワーク対応通信部805は、クラウド上の取引管理装置60と通信を行うことができる。
表示部806は、CPU801の制御に応じて画像を表示する。表示部806は、タッチパネルとして構成されてもよい。
操作部807は、取引状況監視装置80が備える操作子や取引状況監視装置80に接続された入力デバイスを一括して示すものである。
【0039】
[取引管理装置が記憶する情報について]
記憶部602が記憶する顧客情報は、個々の顧客を管理するための情報である。取引管理装置60は、顧客登録時に顧客情報を生成する(ある顧客の顧客情報が記憶されることを以って当該顧客の顧客登録がなされたと解してもよい)。また、取引管理装置60は、カート情報等に基づいて、顧客情報を適宜更新する。取引管理装置60は、例えば毎日所定時刻にカート情報を参照し、顧客情報を更新してもよい。
【0040】
図8(A)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶する顧客情報の一例を示している。同図の顧客情報は、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日、キャンセル情報、顧客ランク、ポイント数等を含む。
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報である。
なお、顧客識別情報は、例えば本実施形態のショッピングアプリケーションがインストールされる際に、インストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に割り当てられるアプリケーション識別情報であってもよい。アプリケーション識別情報は、例えばインストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に(例えば、シーケンシャルに)付される番号であってよい。あるいは、アプリケーション識別情報は、ショッピングアプリケーションがインストールされた客端末装置50に固有の端末識別情報であってもよい。端末識別情報は、例えば客端末装置50のユーザである客に割り当てられた電話番号や、MAC(Media Access Control)アドレス等のように客端末装置50のハードウェアに固有となるように付されるハードウェア識別情報であってよい。
顧客名は、顧客の氏名やニックネームなどである。顧客登録日は、顧客登録した日時である。キャンセル情報は、登録後における登録商品のキャンセルに関する情報である。顧客ランクは、顧客の購入実績に応じたランクである。なお、新規の顧客の顧客情報の生成時には、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(キャンセル情報等)は生成されない。
【0041】
取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際(例えば、客端末装置50が外部(例えば、アプリケーション全般を提供する所定のサーバ、当該取引管理装置60)から取引管理装置60によるショッピングサービスを利用するためショッピングアプリケーションをダウンロードまたはインストールする際)に顧客識別情報を生成し、記憶する。また、取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際に、客端末装置50を用いて、登録フォーム(入力フォーム)の氏名欄に入力された情報を取得し、顧客名として記憶する。また、取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際の現在日時を取得し、顧客登録日として記憶する。
【0042】
なお、取引管理装置60は、自装置内の記憶部に顧客情報を記憶することに代えてまたは加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)に顧客情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0043】
図8(B)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶する店舗情報の一例を示している。同図の店舗情報は、店舗識別情報、店舗名(支店名)、店舗特定情報1、店舗特定情報2を含む。
店舗識別情報は、店舗を一意に識別する識別情報である。
図8(B)に示した店舗識別情報は、店(屋号)もしくは企業のコードと、支店のコードとから構成される。
店舗名は、店舗の名称である。
図8(B)に示した店舗名は、店(屋号)もしくは企業と、支店名とから構成される。
店舗特定情報1は、取引する店舗(商品の売買が行われる店舗)を特定するための2次元コード(QRコード(登録商標)等)の情報である。
店舗特定情報2は、取引する店舗を特定するための店舗の位置情報(GPS情報)である。
なお、
図8(B)に示した例では、店舗識別情報と店舗特定情報1とは異なるが、店舗識別情報と店舗特定情報1とは同一であってもよい。
【0044】
なお、取引管理装置60は、外部(各店舗を統括する本部のサーバ(不図示)等)から店舗情報等を取得し、記憶してもよい。また、取引管理装置60は、自装置内の記憶部に店舗情報を記憶することに代えてまたは加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)に店舗情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0045】
商品情報は、例えば店舗の管理装置10から取得した情報であり、店舗にて販売する商品についての情報である。1つの商品の商品情報には、商品コード(商品識別子)、商品名、価格等の情報が含まれる。
【0046】
カート情報は、個々の取引を管理するための情報である。取引管理装置60は、取引の開始時にカート情報を生成する。また、取引管理装置60は、取引の進行にあわせて(商品が登録される度に)、カート情報を更新する(カート情報に商品が記憶されることを以って当該商品の登録がなされたと解してもよい)。
【0047】
図8(C)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶するカート情報の一例である。
同図のカート情報は、カート識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、登録商品情報、保留商品情報、キャンセル情報等を含む。
【0048】
カート識別情報は、カート情報を一意に識別する識別情報である。例えば、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば店舗別日付別のシリアル番号)とを含む。
取引開始日時は、取引の開始日時である。取引開始日時は、例えば、当該カート情報の生成日時であってよい。なお、取引開始日時は、1品目の商品の登録日時(
図8(C)中の登録商品情報(登録商品1)を記憶した日時)としてもよい。カート情報の生成日時と1品目の商品の登録日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0049】
取引終了日時は、取引の終了日時である。例えば、取引開始日時は、精算日時であってよい。顧客識別情報は、当該取引の顧客を識別する顧客識別情報である。なお、カート情報の生成時には、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時等)は生成されない。精算日時は、精算開始日時であってもよいし、精算終了日時であってもよい。取引終了日時として、精算開始日時と精算終了日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0050】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、概算小計金額(例えば値引き等が反映される前の小計金額)、小計金額等を含む。登録商品情報(登録商品1)は、1品目の商品の登録情報である。登録商品情報(登録商品2)は、2品目の商品の登録情報である。なお、
図8(C)に示す例では、登録商品情報(登録商品3)~登録商品情報(登録商品5)の図示を省略している。登録商品情報(N;Nは整数)は、商品コード、品名(商品名)、価格等を含む。
【0051】
登録商品情報(N)は、当該N品目の商品の登録日時を含むものであってもよい。つまり、取引管理装置60は、登録商品情報として、当該登録商品の登録日時を記憶してもよい。各商品の登録日時は、タイムサービス等のサービス適用の要否や適用後の効果の判断材料としても用いてもよい。
【0052】
保留商品情報(計)は、保留商品が登録されるごとに更新される情報である。
保留商品は、所定の要因により正常に登録されなかったことで、一時的に保留扱いの状態で登録された商品である。
保留商品情報(計)は、保留商品の品数(商品数)、保留商品のうちのNO-FILEの品数、保留商品のうちの読取NG(要不正操作確認)の品数等を含む。
【0053】
NO-FILEとは、店舗においてバーコードもしくは商品コードのスキャンは成功したが(商品コードを読み取ることができたが)、商品コードが商品情報に記憶されていない、商品(商品情報未登録の商品)を示す。
【0054】
読取NGとは、店舗において商品コードのスキャンが失敗したこと(商品コードを読み取ることができなかったこと)、または、店舗において商品コードのスキャンが失敗した商品のことである。つまり、読取NGとは、例えば画像認識技術により一定時間商品を撮像しているがバーコード認識に至らない場合を判別できる場合にタイムアウト処理すること、タイムアウト処理された商品である。
例えば、パッケージのシワ等、バーコード印字のカスレや汚れ、透明フィルムにバーコードが印刷されていること等の原因で、顧客がバーコードを読み取らせる操作を行ったにもかかわらず、正しくバーコードを取得(認識)できない場合に読取NGと判断される。
【0055】
保留商品情報(保留商品1)は、1品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品2)は、2品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品3)は、3品目の保留商品の情報である。
【0056】
保留商品情報(保留商品N;Nは整数)は、保留商品種別(当該保留商品がNO-FILEであるか読取NGであるかを示す情報)、画像データ(読取NG時に撮像された画像データ)を含む。例えば、N品目の商品がNO-FILEによる保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「1(NO-FILE)」、画像データを含む。また、N品目の商品が読取NGによう保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「2(読取NG)」、画像データを含む。
【0057】
図9は、本実施形態のカート情報に対応する保留商品の定義例を示している。同図では、保留商品が8つに分類される例を示している。8つの保留商品の分類ごとに「1」~「8」の分類番号が割り当てられる。
分類番号1の保留商品の分類は、
図8にて説明の「NO-FILE」である。
分類番号2の保留商品の分類は、
図8にて説明の「読取NG」である。
【0058】
分類番号3の保留商品の分類は「疑似スキャン投入」である。「疑似スキャン投入」の保留商品は、顧客が商品のコードを客端末装置50に読み取らせようとする行為は行ったが、客端末装置50が正常にコードの読取を行えなかった商品である。
【0059】
具体例として、「疑似スキャン投入」には、商品を撮像部506の撮像範囲に入れるようにはしたものの、商品のコードまでは撮像部506の撮像範囲に入れなかったとの状況が該当する。
また、「疑似スキャン投入」には、商品を撮像部506の撮像範囲に入れるようにはしたものの、コードの無い部分を撮像させたとの状況が該当する。
また、「疑似スキャン投入」には、コードの部分が指などにより隠された状態で、商品を撮像部506の撮像範囲に入れるようにしたとの状況が該当する。
また、「疑似スキャン投入」には、商品のコードを撮像部506に撮像させたものの、客端末装置50がコードを読み取ることができない速さで商品を撮像部506の撮像範囲に通したといったような状況が該当する。
【0060】
分類番号4の保留商品の分類は「非スキャン投入」である。「非スキャン投入」の保留商品は、撮像部506の撮像範囲に商品を位置させる操作を行うことなく、買い物カゴに入れられた商品である。
この非スキャン投入は、例えば、客端末装置50がショッピングカートに固定的に取り付けられて、ショッピングカートに載せられた買い物カゴの中を撮像可能なようにされた態様である場合において生じ得る。例えば、客端末装置50は、撮像画像に基づいて、商品のコードスキャンが行われていないのにも関わらず、ショッピングカートに商品が入れられた状況となったことを判定すると、非スキャン投入が行われたと判定することができる。
【0061】
分類番号5の保留商品の分類は「年齢確認商品」である。「年齢確認商品」は、例えば、アルコール類やタバコなどのように、販売にあたり店員が顧客の年齢を確認することが必要な商品である。
【0062】
分類番号6の保留商品の分類は「医薬品」である。「医薬品」は、例えば薬剤師等の資格を有するものが購入者に確認を求めることが必要な商品である。
【0063】
分類番号7の保留商品の分類は「防犯タグ商品」である。「防犯タグ商品」は、防犯タグが取り付けられているために、販売時に店員が商品から防犯タグを取り外すことが必要な商品である。
【0064】
分類番号8の保留商品の分類は「取消商品」である。「取消商品」は、一旦登録されたが、客端末装置50に対する客の取り消し操作によって取り消された商品である。「取消商品」は、例えば精算時に店員が客から引き取るようにされる。
【0065】
分類番号1~7のうちで、「読取NG」、「擬似スキャン」、「非スキャン投入」の3つは、客が客端末装置50にて登録を行っていた際に、コードの読み取りが行われなかったとの結果を生じた商品が対応する。
【0066】
なお、取引管理装置60は、自装置内の記憶部にカート情報を記憶することに代えてまたは加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)にカート情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0067】
[セルフ運用に対応する基本的な処理手順例]
図10のシーケンス図は、客端末装置50、精算装置40、及び取引管理装置60が、セルフ運用における一取引の会計に対応して実行する処理手順例を示している。具体的に、同図の処理は、客が、店舗に陳列されている商品のうちから購入対象とする商品を登録し、登録した商品についての精算が完了するまでにおける、客端末装置50、精算装置40、及び取引管理装置60の処理の一例を示したものである。
【0068】
ステップS1:客端末装置50は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得する。例えば、店舗の入口付近に当該店舗を特定するための2次元コードを表示(2次元コードを表示画面に出力、2次元コードを印刷した媒体を貼付等)しておき、来店した顧客が、客端末装置50で2次元コードをスキャンする(読み取る)ことにより、客端末装置50は店舗特定情報を取得してもよい。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、起動画面として2次元コードのスキャンを該顧客に指示する画面を表示するようにしてもよいし、来店した顧客が客端末装置50で2次元コードをスキャンすると、ショッピングアプリケーションが起動し、起動画面として取引管理装置60に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。
【0069】
また例えば、店舗は所在地で特定されるため、来店した顧客が、店舗において客端末装置50で位置情報(GPS情報)を取得してもよい(すなわち、店舗特定情報として当該店舗の位置情報を取得してもよい)。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、位置情報を取得し、起動画面として取引管理装置60に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。位置情報から複数店舗が検出され1つに特定できない場合には、選択画面を表示し顧客に選択させるようにしてもよい。もしくは強制的に2次元コードを取得させるモードに切り替えてもよい。
【0070】
図11(A)は、客端末装置50の表示部504にて表示される、ショッピングアプリケーションの起動画面の一例を示している。同図の起動画面においては、店舗名が表示されている。この店舗名は、当該ステップS1により取得された店舗特定情報に基づいて表示されたものである。
客は、買い物のために商品登録を開始させる場合には、起動画面において配置される取引開始指示ボタンBT10を操作する。
取引開始指示ボタンBT10が操作されたことに応じて、客端末装置50は、取得された店舗特定情報と顧客識別情報とを含む取引開始要求を取引管理装置60に送信する。取引開始要求は、上記のように客端末装置50に対する客の操作に応じて送信されてもよいし、特に操作を受け付けることなく、店舗特定情報が取得されたことに応じて送信が実行されるようにしてもよい。
顧客識別情報については、顧客登録の際(客端末装置50にショッピングアプリケーションをダウンロードまたはインストールする際)に、客端末装置50を用いて登録フォームの氏名欄に入力された情報が取引管理装置60の顧客情報に記憶されてよいが、取引管理装置60に加え、客端末装置50の記憶部にも記憶しておいてもよい。なお、店舗が特定された場合には(後述する商品登録初期画面を取得したときには)、当該店舗の店舗名や実施中のサービス(その日に配布されているチラシ情報)、利用可能なクーポン情報を画面(商品登録初期画面または商品登録初期画面とは別の画面)に表示してもよい。なお、サービスやクーポンの情報は、例えば画面情報として取引管理装置60から取得してもよい。
【0071】
また、送信先の情報(取引管理装置60のアドレス)についても、顧客登録の際(客端末装置50にショッピングアプリケーションをダウンロードまたはインストールする際)に取得し、客端末装置50の記憶部に記憶しておいてもよい。なお、2次元コードをスキャンする態様とする場合には、店舗特定情報に加え、送信先の情報についても2次元コード化しておき、客端末装置50で2次元コードをスキャンすることにより、客端末装置50は店舗特定情報とともに送信先の情報も取得してもよい。
【0072】
ステップS2:客端末装置50から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置60は、当該取引のカート情報を生成する。なお、カート情報は、生成された初期状態では、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は格納されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時、商品情報(登録商品情報、保留商品情報)等)は格納されていない。
【0073】
取引管理装置60は、上述したように、
図8(B)に示したような店舗情報を記憶しているため、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報を受信(顧客識別情報も受信するが)した場合、受信した店舗特定情報が2次元コードであった場合には、店舗特定情報1を参照して店舗識別情報を取得し、受信した店舗特定情報が位置情報(GPS情報)であった場合には店舗特定情報2を参照して店舗識別情報を取得する。なお、取引管理装置60は、客端末装置50から受信した店舗特定情報が店舗識別情報を2次元コード化したものであった場合には、そのまま取得すればよい。
【0074】
つまり、客端末装置50から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置60は、客端末装置50から受信した店舗特定情報から店舗識別情報を取得し、さらに、現在日付を取得し、シリアル番号を発行(採番)し、店舗識別情報と現在日付とシリアル番号とを結合させて、カート情報内のカート識別情報として記憶する。また、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置60は、現在日時を取得し、カート情報内の取引開始日時(生成日時)として記憶する。また、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置60は、客端末装置50から受信した顧客識別情報をカート情報内の顧客識別情報として記憶する。
【0075】
ステップS3:当該取引のカート情報を生成した取引管理装置60は、商品登録初期画面情報(初期画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、客端末装置50に送信する。具体的には、取引管理装置60は、例えば、商品登録初期画面情報を生成し、生成した商品登録初期画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0076】
ステップS4:取引管理装置60からカート識別情報及び商品登録初期画面情報を受信した客端末装置50は、カート識別情報を記憶するとともに、登録画面を表示部に表示する。具体的には、客端末装置50は、例えば
図11(B)に示すような商品登録初期画面を表示する。
【0077】
ステップS5:顧客の操作により客端末装置50は、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。なお、同図では、バーコードのスキャンは成功したものとする。ステップS5~ステップS9は、商品に付されたバーコードをスキャンするごとに繰り返し実行される。
【0078】
バーコードを取得した客端末装置50は、カート識別情報と、スキャンによって得られた商品コードを含む商品登録情報を、取引管理装置60に送信する。
【0079】
ステップS6:客端末装置50から商品登録情報(カート識別情報及び商品コード)を受信した取引管理装置60は、受信された商品登録情報に含まれていたカート識別情報から当該取引のカート情報を特定する。
【0080】
ステップS7:取引管理装置60は、特定したカート情報内の商品データを更新する。具体的には、取引管理装置60は、受信された商品登録情報にN品目としての商品コードが含まれていた場合には、特定したカート情報において、当該商品コードを登録商品情報(登録商品N)の商品コードとして記憶し、当該商品コードに対応する品名及び価格を商品情報から取得し、登録商品情報(登録商品N)の商品及び価格として記憶する。また、取引管理装置60は、特定したカート情報において、登録商品情報(計)を更新する。
【0081】
ステップS8:カート情報内の商品データを更新した取引管理装置60は、商品登録更新画面情報(登録した商品が追加された更新画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、客端末装置50に送信する。具体的には、取引管理装置60は、例えば、客端末装置50において
図11(C)に示すような、登録商品リストにおいて今回登録された商品のリスト項目が追加された商品登録更新画面が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0082】
なお、
図11(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に客端末装置50に表示されるものである。つまり、取引管理装置60は、1品目として「〇〇ヨーグルト」をカート情報に格納したときには、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信し、2品目として「〇〇チョコレート」をカート内に記憶したときには、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信し、3品目として「〇〇食パン」をカート情報に格納したときには、
図11(C)に示すように、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」と「〇〇食パン」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0083】
なお、1の商品が登録されたことに応じて、例えば
図12(A)に示されるように、今回登録された商品を提示する登録商品提示画面WD1が表示されるようにしてよい。また、同図の登録商品提示画面WD1においては、対象の商品がイートインに対応していることに応じて、イートインにより飲食するか否かを顧客に確認する「はい」ボタンBT1と「いいえ」ボタンBT2とが配置された例が示されている。この場合には、「はい」ボタンBT1が操作された場合と、「いいえ」ボタンBT2が操作された場合とで、対象の商品に係る消費税率が異なるようにして商品の価格が計算されることになる。
【0084】
ステップS9:取引管理装置60からカート識別情報及び商品登録更新画面情報を受信した客端末装置50は、登録画面に商品を追加する。具体的には、客端末装置50は、例えば
図11(C)に示すような商品登録更新画面を表示する。なお、上述したように、
図11(C)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に客端末装置50に表示されるものである。
【0085】
ステップS10:客端末装置50は、顧客の操作として精算移行指示操作を受け付ける。例えば、
図11(C)に示した「お会計へ進む」ボタンのタッチを受け付ける。
【0086】
ステップS11:精算移行指示操作を受け付けた客端末装置50は、2次元コードを生成する。つまり、客端末装置50は、当該客端末装置50による買上商品について精算処理を実行するために必要となる情報(例えば、カート識別情報)を2次元コード化する。2次元コードを生成した客端末装置50は、生成した2次元コードを表示部に表示する。例えば、
図11(D)に示したような2次元コードを配置したコード表示画面を表示部に表示する。
【0087】
ステップS12:精算装置40は、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする(読み取る)。例えば、精算装置40は、顧客によって客側スキャナ部406による認識範囲内に向けられた客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする。
【0088】
ステップS13:客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取った精算装置40は、取引管理装置60に小計金額の算出を要求する。例えば、精算装置40は、小計金額の算出を要求する算出要求(小計算出要求情報)を2次元コードから取得したカート識別情報とともに取引管理装置60に送信する。
【0089】
ステップS14:客端末装置50からカート識別情報及び小計算出要求情報を受信した取引管理装置60は、カート識別情報から当該取引のカート情報を特定する。
【0090】
ステップS15:カートを特定した取引管理装置60は、特定したカート情報に対応するカート情報に含まれる登録商品情報における価格等の情報を利用して、小計金額を算出する。
【0091】
ステップS16:小計金額を算出した取引管理装置60は、カート情報を更新(小計金額(算出後小計金額)を記憶)するとともに、算出した小計金額を示す小計情報をカート識別情報とともに精算装置40に送信する。
【0092】
ステップS17:取引管理装置60からカート識別情報及び小計情報を受信した精算装置40は、客側表示部405に、例えば
図12(B)に示すような小計金額を表示する。
【0093】
ステップS18:客側表示部405に小計金額を表示した精算装置40は、支払い(精算)を実行する。具体的には、精算装置40は、決済種別の選択を受け付ける。現金の場合には、預り金の投入を受け付けて、釣り銭金額を算出し、釣り銭がある場合には、釣り銭を放出するとともに、レシートを発行する。また、精算装置40は、精算が完了した場合には、精算完了情報をカート情報とともに取引管理装置60に送信し、取引管理装置60は当該カートの取引終了日時(精算日時)を記憶する。
【0094】
なお、客端末装置50は、商品をスキャンした後に商品コードを取引管理装置60に送信するが(S5)、当該店舗(来店して商品登録初期画面を表示したときの店舗)内においてスキャンした商品以外の商品(例えば、他の店舗に移動してスキャンした商品等)について商品コードを送信しないようにしてもよい。例えば、客端末装置50は、来店時(又は商品登録初期画面の表示時)に位置情報(GPS情報)を取得し、記憶する。また、客端末装置50は、個々の商品をスキャンしたときに位置情報を取得し、商品のスキャン時に取得した位置情報と来店時(又は商品登録初期画面の表示時)に取得した位置情報とを比較する。そして、客端末装置50は、両者が一致(または略一致)した場合には当該商品の商品コードの取引管理装置60への送信を許可し、一致(または略一致)しなかった場合には当該商品の商品コードの取引管理装置60への送信を禁止してもよい。
これにより、不適切な商品登録(例えば、他の店舗等において生成されたカートに対する商品登録等)を防止することができる。
【0095】
精算装置40は、上述のように商品コードの送信を禁止した場合には、商品のスキャン後にエラーメッセージ(例えば、「〇〇店舗内ではないため、登録ができません」)を客側表示部405に表示してもよい。また、精算装置40は、上記メッセージを客側表示部405に代えてまたは加えて店員側表示部410に表示してもよい。
【0096】
また、精算装置40は、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取った後に取引管理装置60に小計金額の算出を要求するが(S13)、当該店舗内においてスキャンした商品以外の商品(例えば、他の店舗でスキャンした商品等)について小計金額の算出を要求しないようにしてもよい。例えば、精算装置40は、当該店舗の店舗識別情報を参照し(自精算装置40内に当該店舗の店舗識別情報を記憶し参照してもよいし、アクセス可能な他の装置内に記憶されている店舗識別情報を参照してもよい)、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取ったときに、当該2次元コードから得られるカート識別情報と、当該店舗の店舗識別情報とを比較する。そして、精算装置40は、カート識別情報に含まれる店舗識別情報が、当該店舗の店舗識別情報を含む構成である場合には小計金額の算出の要求を許可し、当該店舗の店舗識別情報を含む構成でない場合には小計金額の算出の要求を禁止してもよい。
これにより、不適切な精算(例えば、他の店舗等において商品登録された商品の精算等)を防止することができる。
【0097】
精算装置40は、上述のように小計金額の要求を禁止した場合には、2次元コードの読取後にエラーメッセージ(例えば、「〇〇店舗以外の商品を含むため、精算ができません」)を客側表示部405に表示してもよい。また、精算装置40は、上記メッセージを客側表示部405に代えてまたは加えて店員側表示部410に表示してもよい。
【0098】
なお、
図10の処理手順の例では、取引管理装置60が小計金額を算出するようにされている。しかしながら、例えば、精算装置40が、取引管理装置60からカート情報を取得し、取得されたカート情報に基づいて、小計金額を算出するようにされてよい。あるいは、取引管理装置60が管理装置10にカート情報を送信して小計金額の算出を要求し、管理装置10が受信されたカート情報を利用して小計金額を算出し、算出された小計金額を、取引管理装置60を経由して精算装置40に送信するようにされてよい。
【0099】
なお、取引管理装置60は、精算処理に際して、該当顧客についての顧客情報やカート情報に基づいて、顧客のこれまで商品についてのキャンセル状況を確認し、不正に対する警告を行うべきか否かを判定してよい。警告を行うべきと判定した場合、取引管理装置60は、例えば精算装置40に警告のための報知を実行させてよい。
【0100】
また、取引管理装置60は、精算処理に際して、カート情報に含まれる商品情報のうちに、保留商品が含まれているか否かを判定し、保留商品が含まれている場合、精算装置40に保留商品の修正指示を要求してよい。保留商品の修正指示の要求を受けた精算装置40は、
図12(C)に示すように、保留商品がある旨を報知する表示を行う。報知を確認した店員は、保留商品の解除(修正)として、保留商品に対応する価格の入力や保留商品のキャンセル等の操作を行う。
【0101】
[取引状況監視装置の取引監視機能について]
本実施形態において、取引状況監視装置80は、店舗における継続中取引の監視に用いられる。
継続中取引とは、1の客が客端末装置50を利用して商品登録を開始させて以降において、精算装置40にて精算が完了するまでの期間のうちの所定段階までの状態にある取引である。具体的に、継続中取引は、例えば一取引における商品登録の開始から精算完了までとされてもよいし、一取引における商品登録の開始から精算移行指示操作が行われたことに応じて商品登録が完了したとされる段階までとされてもよい。以降の説明においては、一取引における商品登録の開始から精算完了までを継続中取引とした場合を例に挙げる。
【0102】
継続中取引は、正常取引と非正常取引とに分けることができる。正常取引は、現時点までの客端末装置50の利用による全ての商品ごとの登録が正常に行われている取引である。非正常取引は、現時点までの客端末装置50の利用による商品ごとの登録のうちで、正常に行われなかった商品の登録が少なくとも1つ含まれる取引である。非正常取引において正常に行われなかった商品の登録は、具体的には、
図9に示したようにして定義されているいずれかの分類による保留商品として扱われた登録を含む。即ち、非正常取引は、1以上の保留商品の登録を含む。
また、非正常取引は、客端末装置50を利用した商品登録に際して客による不正が行われている可能性があると判定された取引(注意取引)を含んでよい。注意取引は、例えば、疑似スキャン投入や非スキャン投入による保留商品の登録回数が一定以上となった取引を含んでよい。また、注意取引は、例えば過去に不正を行った、あるいは不正を行った可能性があることで、要注意人物であるとして指定された会員による取引を含んでよい。
【0103】
本実施形態の取引状況監視装置80は、継続中取引の一覧を示す継続中取引一覧画面を表示部806に表示させることができる。本実施形態において、取引状況監視装置80は、継続中取引一覧画面として、非正常取引一覧画面、全取引一覧画面、正常取引一覧画面の3つを切り替えて表示することができる。
非正常取引一覧画面は、全ての継続中取引のうち非正常取引の一覧を示す画面である。全取引一覧画面は、全ての継続中取引の一覧を示す画面である。正常取引一覧画面は、継続中取引のうちの正常取引の一覧を示す画面である。
【0104】
そのうえで、本実施形態においては、3つの継続中取引一覧画面のうち、非正常取引一覧画面がメインの継続中取引一覧画面として扱われる。例えば、取引状況監視装置80が店員の操作に応じて継続中取引一覧画面の表示を開始した際には、初期画面としてはじめに非正常取引一覧画面を表示させる。
【0105】
図13は、非正常取引一覧画面の一例を示している。同図の非正常取引一覧画面においては、取引数エリアAR30(AR30-1、AR30-2、AR30-3)、表示指示ボタンBT30(BT30-1、BT30-2、BT30-3)、取引一覧エリアAR40が配置されている。
【0106】
取引数エリアAR30は、それぞれ対応の継続中取引の数を示すエリアである。
取引数エリアAR30-1は、全ての継続中取引の数を示す。
取引数エリアAR30-2は、全ての継続中取引のうちの非正常継続中取引の数を示す。
取引数エリアAR30-3は、全ての継続中取引のうちの正常継続中取引の数を示す。
また、この場合の取引数エリアAR30-2は、所定の態様(同図では太枠とした態様)で強調表示されることで、取引一覧エリアAR40において非正常継続中取引の一覧が表示されていることを示す。
【0107】
表示指示ボタンBT30(BT30-1、BT30-2、BT30-3)は、対応の継続中取引の継続中取引一覧画面の表示への切り替えを指示する操作が行われるボタンである。
表示指示ボタンBT30-1は、全取引一覧画面の表示への切り替えを指示する操作が行われるボタンである。
表示指示ボタンBT30-2は、非正常取引一覧画面の表示への切り替えを指示する操作が行われるボタンである。この場合に表示されているのは、非正常取引一覧画面であることから、表示指示ボタンBT30-2は、例えばグレーダウン等の態様により操作が不可の状態であることが示される。
表示指示ボタンBT30-3は、正常取引一覧画面の表示への切り替えを指示する操作が行われるボタンである。
【0108】
取引一覧エリアAR40は、対応の継続中取引のリスト(一覧)を表示する。同図の非正常取引一覧画面の場合、取引一覧エリアAR40においては、非正常取引の一覧が表示される。この場合の取引一覧エリアAR40においては、例えば取引開始時刻(登録開始時刻)が新しい順にしたがって、1番目から10番目までの非正常取引のリスト項目が配置された状態が示されている。
なお、非正常取引の数が11以上である場合には、取引一覧エリアAR40に対するスクロールやページ送り等の操作によって、12番目以降のリスト項目が表示されるようにしてよい。
【0109】
取引一覧エリアAR40の各リスト項目においては、取引開始時刻、会員番号、登録済み商品数、登録済み商品に応じた現段階での合計金額、取引開始からの経過時間が提示される。
また、同図の場合のような非正常取引のリスト項目においては、対応の取引が非正常取引として扱われる要因を示す情報(要因情報)が提示される。同図では、要因情報がアイコンによって示されている。
具体的に、1番目のリスト項目においては、「保」と示されたアイコンと、「年」と示されたアイコンが表示されている。例えば「保」と示されたアイコンは、例えば「NO-FILE」と「読取NG」とのいずれかの分類による保留商品の登録があることを示す。「年」と表示されたアイコンは、これまでの商品の登録において、「年齢確認商品」の分類による保留商品の登録があることを示す。つまり、アイコンによっては、登録された保留商品の分類が示される。
なお、アイコンの態様と保留商品の分類との組み合わせについては特に限定されない。例えば保留商品の分類ごとに異なる態様のアイコンが用意されてもよいし、1つの或る態様のアイコンに複数の所定の保留商品の分類が対応付けられてもよい。
【0110】
また、3番目のリスト項目においては、「カゴ抜け」と示された要因情報のアイコンが表示されている。「カゴ抜け」のアイコンは、要因情報として、カゴ抜けと呼ばれる不正行為が客により行われた可能性のある商品登録結果が含まれていることを示す。「カゴ抜け」のアイコンは、例えば「疑似スキャン投入」と「非スキャン投入」とのいずれかの分類による保留商品の登録が行われたことに応じて表示されてよい。
【0111】
また、5番目のリスト項目においては、「注意」と示されたアイコンが表示されている。「注意」のアイコンは、例えば取引管理装置60が記憶する会員情報において、要注意人物として登録されている会員の取引であることを示す。
要注意人物としての会員は、例えば以前に不正行為を行ったことがある、あるいは不正行為を行った可能性がある会員、あるいは不正行為を行ってはいないが、買い物のたびに客端末装置50や精算装置40の操作に手間取ることが分かっている会員が該当する。
このような要注意人物としての会員については、例えば店員が継続中取引の経過を監視できるようにすることが好ましい。そこで、本実施形態では、保留商品の登録を含む取引だけではなく、要注意人物としての会員の継続中取引を、非正常取引に含めて扱うようにされている。
【0112】
また、取引一覧エリアAR40の各リスト項目においては、対応の取引において客が商品登録に使用している客端末装置50の種別が示されている。「客所持端末」は、客端末装置50の種別が、客が所持するスマートフォン等の携帯端末であることを示す。「店端末」は、客端末装置50の種別が、店舗から客に貸与した端末であることを示す。
【0113】
なお、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目の配置順は、取引開始時刻の順に限定されない。例えば、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目は、取引に含まれる保留商品の数に応じた順で配置されてよい。また、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目は、取引に含まれる全商品(保留商品と保留商品以外の商品とを含む)の数に応じた順で配置されてよい。また、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目は、取引に含まれる保留商品の分類に基づく順で配置されてよい。また、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目は、対応の客端末装置50と精算装置40との位置関係に基づいた順で配置されてよい。客端末装置50の位置は、客端末装置50自体がGPS機能等を利用して測位して得られた位置情報や、例えば客端末装置50と店舗内の所定の位置に設けられたビーコンとの通信状況に基づいて、取引管理装置60等が取得可能である。具体的に、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目は、対応の客端末装置50の位置が精算装置40に近い順に配置されてもよい。
【0114】
取引状況監視装置80は、取引一覧エリアAR40におけるリスト項目を選択する操作が行われたことに応じて、選択されたリスト項目が対応する取引の詳細を示す取引詳細画面を表示させることができる。
なお、取引詳細画面の表示は、非正常取引一覧画面だけではなく、全取引一覧画面、正常取引一覧画面のいずれにおいても同様の操作によって可能とされてよい。
【0115】
図14は、
図13の非正常取引一覧画面の取引一覧エリアAR40におけるリスト項目のうちから或る1つのリスト項目を選択する操作を行ったことに応じて表示された取引詳細画面WD20の一例を示している。同図の取引詳細画面WD20は、
図13の非正常取引一覧画面上に重畳するようにして配置されたウィンドウ形式とした例を挙げている。
【0116】
同図の取引詳細画面WD20においては、対象の取引においてこれまで登録された商品のリストが、商品が登録された時刻と対応付けられて表示されている。これにより、取引詳細画面WD20を見た店員は、対象の取引において、どの時刻においてどの商品が登録されたのかを把握できる。
【0117】
また、取引詳細画面WD20において商品のリスト項目のうち、保留商品に分類される商品のリスト項目については、所定の態様による強調表示EH、または対応の商品の登録操作が行われている状況を客端末装置50が撮像して得られた画像(登録状況画像pic)を含む登録状況表示TRが行われる。保留商品について強調表示EHと登録状況表示TRとのいずれによる表示が行われるのかについては、保留商品の分類によって決まる。
【0118】
なお、登録状況画像picは、静止画であってもよいし動画あるいはタイムラプス画像であってもよい。また、登録状況画像picは、例えば静止画の場合には時刻の異なる複数が表示されてもよい。
【0119】
具体的に、同図では、1つには「NO-FILE」として分類された保留商品に対応して強調表示EHが付与されている。
また、同図では、「お酒」の商品のリスト項目について、「年齢確認商品」としての保留商品に分類されたことに応じて、強調表示EHが付与されている。
【0120】
登録状況表示TRは、「カゴ抜け」に該当するものとして登録された商品に対応する。つまり、登録状況表示TRは、「疑似スキャン投入」、「非スキャン投入」のいずれかの分類により登録された保留商品を示すものとして表示される。「疑似スキャン投入」、「非スキャン投入」は、客が意図的にコードを読み取らせなかったような不正を行った場合に生じる可能性が高い。
【0121】
店員は、所定操作により取引詳細画面WD20を閉じることができる。
図14の取引詳細画面WD20が閉じられた場合には、
図13の非正常取引一覧画面が表示された状態に戻るようにされてよい。
【0122】
また、
図13の非正常取引一覧画面が表示された状態のもとで表示指示ボタンBT30-1が操作された場合、取引状況監視装置80は、表示部806に表示される継続中取引一覧画面について、非正常取引一覧画面から全取引一覧画面に切り替える。
全取引一覧画面は、例えば、
図13と同様に、取引数エリアAR30、表示指示ボタンBT30、取引一覧エリアSR40が配置された態様であってよい。そのうえで、全取引一覧画面における取引一覧エリアSR40には、全ての継続中取引のうちで一画面に表示可能な数の継続中取引の一覧が表示される。この場合にも、店員は、取引一覧エリアSR40のスクロールやページ送りの操作により、残りの継続中取引のリスト項目を表示させることができる。
全取引一覧画面が表示された状態のもとで表示指示ボタンBT30-2が操作された場合には、非正常取引一覧画面に表示が遷移する。また、全取引一覧画面が表示された状態のもとで表示指示ボタンBT30-3が操作された場合には、正常取引一覧画面に表示が遷移する。
【0123】
正常取引一覧画面は、例えば、
図13と同様に、取引数エリアAR30、表示指示ボタンBT30、取引一覧エリアSR40が配置された態様であってよい。そのうえで、正常取引一覧画面における取引一覧エリアSR40には、正常取引のうちで一画面に表示可能な数の正常取引の一覧が表示される。
正常取引一覧画面が表示された状態のもとで表示指示ボタンBT30-1が操作された場合には、全取引一覧画面に表示が遷移する。また、正常取引一覧画面が表示された状態のもとで表示指示ボタンBT30-2が操作された場合には、非正常取引一覧画面に表示が遷移する。
【0124】
本実施形態において、店舗において生じている継続中取引の数や、継続中取引における商品登録結果等の状況は、時間経過に応じて変化する。
継続中取引一覧画面(非正常取引一覧画面、全取引一覧画面、正常取引一覧画面)の取引一覧エリアAR40において提示される取引の内容も、上記のような時間経過に応じた状況変化が反映されるようにして変化する。
例えば、或る継続中取引について2つ目の商品までは保留商品の登録がなかったが3つ目の商品について保留商品としての登録が行われた場合には、3つ目の商品が保留商品として登録されたことに応じて、当該継続中取引が正常取引から非正常取引に変更される。このとき、非正常取引一覧画面が表示されていた場合には、取引一覧エリアAR40において、非正常取引に変更された継続中取引のリスト項目が追加されるようにして表示される。
また、継続中取引一覧画面の取引一覧エリアAR40に表示されているリスト項目は、対応の継続中取引についての精算装置40での精算が完了したことに応じて削除されてよい。
また、継続中取引一覧画面の取引一覧エリアAR40に表示されているリスト項目は、対応の継続中取引が商品登録段階を終了したことで精算段階に移行したことに応じて、精算段階に移行したことを示すようにて更新されてよい。あるいは、商品登録段階までが継続中取引であるとして扱われる場合には、取引一覧エリアAR40に表示されているリスト項目は、商品登録段階が完了したことに応じて削除されてよい。
また、例えば客による客端末装置50に対する操作によって継続中取引が中断された場合にも、取引一覧エリアAR40における対応のリスト項目が削除されてよい。
また、取引の精算について、精算装置40を利用することなく客端末装置50で完結して行えるようにされてよい。この場合、客端末装置50により精算が完了した場合にも、取引一覧エリアAR40における対応のリスト項目が削除されてよい。
さらに、取引一覧エリアAR40においてリスト項目等として表示された取引に関する情報については、取引状況監視装置80または取引管理装置60等においてバッファリング(記憶)しておくことで、一度削除されたリスト項目の情報も含めて、過去の履歴として表示可能なようにされてよい。
【0125】
[登録段階における保留商品の保留解除について]
本実施形態のショッピングシステムでは、登録された商品のうちに保留商品が含まれる場合には、
図12(C)による説明のように、商品登録が完了して取引が精算に移行した段階のはじめにて、店員が保留商品の保留を解除する操作を行うことができる。このような精算に移行した段階での保留商品の保留解除は、精算移行指示操作が行われたことで商品登録が完了した後の段階で行われるものとなる。
【0126】
本実施形態のショッピングシステムでは、取引状況監視装置80により非正常取引一覧画面を表示可能とされていることから、取引状況監視装置80により取引の監視を行う店員は、取引が精算段階に移行する前の商品登録中の段階であっても、保留商品が含まれる非正常取引のあることを把握できる。そこで、本実施形態のショッピングシステムは、取引状況監視装置80に対する店員の操作によって、商品登録の段階の取引に含まれる保留商品の保留解除(登録段階保留解除)が可能なように構成される。このように登録段階保留解除が行われることで、保留商品の保留解除を精算装置40にて行う必要がなくなり、精算装置40と取引状況監視装置80とで分散させることが可能になる。これにより、精算装置40での保留解除のための延べの待ち時間を短縮することが可能となり、精算装置40の利用効率を向上させることができる。
【0127】
商品登録中の客は、自分がこれまでに登録した商品のなかに保留商品が含まれている場合には、精算移行指示操作を行う前の段階にて、取引状況監視装置80が設置されたカウンタに赴いて、取引状況監視装置80のオペレータとしての店員に保留商品の保留解除を依頼することができる。
ここで、登録された商品のうちに保留商品が含まれている場合、客端末装置50は、上記のカウンタ等のように、店舗にて保留解除に応対する場所への案内を行う情報を表示してもよい。例えば、店内のどこの場所に行けばよいのかを案内する表示が行われてもよい。また、例えば取引状況監視装置80が携帯可能な装置とされ、店舗にて店員が所持しながら作業しているような場合には、客は、店舗において見つけた店員に保留解除を依頼することができる。
【0128】
保留解除を依頼された店員は、例えば会員番号等を客から確認すると、例えば取引状況監視装置80に表示させた非正常取引一覧画面のリスト項目のうちから該当の取引を特定する。なお、取引状況監視装置8は、例えば会員番号等を検索キーワードとして対象の取引が検索可能なようにされてもよい。
以下の説明では、店員が対象の非正常取引の取引詳細画面WD20(
図14)を表示させたうえで、表示された取引詳細画面WD20に対する操作により、登録段階保留解除が可能なようにされた場合を例に挙げる。この場合、店員は、特定(または検索)された取引(非正常取引)の取引詳細画面WD20を表示させる操作を行う。
【0129】
取引詳細画面WD20に対する保留解除の操作の態様例について、再度、
図14を参照して説明する。
同図の取引詳細画面WD20の例では、保留解除が可能な保留商品は4つ存在する。4つのうちの2つは、強調表示EHが施された「NO-FILE」と「お酒」との2つの保留商品である。4つのうちの残る2つは、登録状況表示TRにより提示される2つの保留商品である。
【0130】
取引詳細画面WD20における「NO-FILE」の保留商品の保留解除を行う場合、店員は、取引詳細画面WD20における「NO-FILE」のリスト項目を選択する操作を行う。当該操作に応じて、図示は省略するが、「NO-FILE」の保留商品を保留解除するための操作画面(保留解除画面)が表示される。
【0131】
図16(A)は、「NO-FILE」の保留商品の保留解除を行う場合に対応して表示される保留解除画面の一例である。同図の保留解除画面においては、商品コード入力エリアAR61が配置されている。店員は、取引状況監視装置80の操作部807に対する操作により、商品コードが入力されるエリアである。
【0132】
店員は、「NO-FILE」として登録された実際の商品が何であるのかを特定すると、特定した商品の商品コードを商品コードエリアAR41に入力する操作を行う。店員は、例えば操作部807として備えられるキーボード(あるいは画面上に表示されるソフトウェアキーボードであってもよい)を操作することで、商品コードを入力することができる。あるいは、店員は、検索ボタンBT43を操作して商品検索画面を表示させ、例えば商品名等を検索条件として入力して該当商品を検索し、検索された商品の商品コードを商品コードエリアAR41に入力するようにされてよい。
上記のように商品コードを入力すると、店員は、登録ボタンBT41を操作することで、「NO-FILE」として登録された商品を、通常の商品として改めて登録することができる。これにより、「NO-FILE」として登録された保留商品の保留が解除され、正常に登録された商品として扱われる。
また、同図の保留解除画面においては、取消ボタンBT42が配置されている。店員は、保留商品の保留解除として、保留商品の登録を取り消す場合がある。この場合、店員は、取消ボタンBT42を操作することで、保留商品の登録を取り消すことができる。
【0133】
商品登録中において保留商品が登録された場合には、
図15(A)に示されるように、商品登録画面における登録商品リストにおいて、保留商品のリスト項目においては、保留商品であることを示す表示が行われる。同図は、保留商品が「NO-FILE」である場合の例が示されている。
店員が上記のようにして「NO-FILE」の保留商品の保留解除の操作を行ったことに応じて、「NO-FILE」の保留商品のリスト項目は、
図15(B)に示すようにして、改めて登録された商品についての情報(商品名、個数、価格)が表示される状態に変化する。さらに、保留解除された商品のリスト項目においては、図示するように、例えば「保留解除」のように、保留解除された商品であることを示す表示が行われる。つまり、客端末装置50にて、保留商品について保留解除されたことが報知される。
【0134】
また、取引詳細画面WD20における「お酒」の保留商品の保留解除を行う場合、店員は、取引詳細画面WD20における「お酒」のリスト項目を選択する操作を行う。「お酒」は、「年齢確認商品」に分類される保留商品であることから、当該操作に応じては、「年齢確認商品」の保留商品を保留解除するための操作画面(保留解除画面)が表示される。
【0135】
図16(B)は、「年齢確認商品」の保留商品の保留解除を行う場合に対応して表示される保留解除画面の一例である。
同図の保留解除画面においては、例えば「お客様の年齢確認ができましたらボタンを押してください。」のように、店員に向けて客の年齢の確認と確認操作とを促すメッセージが表示されている。また、同図の保留解除画面においては、確認ボタンBT50が配置されている。
店員は、客が未成年でないことが確認できたのであれば、年齢確認ができたことの確認操作として、確認ボタンBT50に対する操作を行う。これにより、「お酒」の商品について保留が解除され、正常に登録された商品として扱われる。
【0136】
なお、年齢確認ボタンBT50の操作による年齢確認、店員ではなく客が行う運用としてよい。この場合には、例えば「年齢確認のためボタンを押してください」といったように保留解除画面において客に向けて年齢確認ボタンの操作を促すメッセージが示されてよい。
【0137】
また、取引詳細画面WD20における登録状況表示TRに対応する保留商品(疑似スキャン投入または非スキャン投入)の保留解除を行う場合、登録状況表示TRとしてのリスト項目を選択する操作を行う。当該操作に応じて、登録状況表示TRに対応する保留商品の保留解除を行うための保留解除画面が表示される。
【0138】
図16(C)は、登録状況表示TRに対応する保留商品の保留解除を行う場合に対応して表示される保留解除画面の一例である。
同図の保留解除画面においては、登録状況画像エリアAR60が配置される。登録状況画像エリアAR60においては、例えば登録状況表示TRにおいて表示されていた登録状況画像picに対応する画像を拡大した拡大登録状況画像epc(epc1~epc3)が表示されている。同図の例では、3つの拡大登録状況画像epc1~epc3が配置された例が示されている。拡大登録状況画像epc1~epc3は、対象の保留商品の登録操作に際して一定時間おきに客端末装置50が撮像した3つの画像である。例えば、登録状況表示TRにおいて表示されていた登録状況画像picを拡大したものが拡大登録状況画像epc2として、登録状況画像picの前に撮像された画像が拡大登録状況画像epc1として、登録状況画像picの後に撮像された画像が拡大登録状況画像epc3として配置されている。このような拡大登録状況画像epc1~epc3を見ることで、店員は、例えば登録状況画像picが1枚配置される場合よりも、対象の保留商品について客がどのようにして商品コードの読み取りの操作を行っていたのかを、的確に把握することが可能になる。
なお、登録状況画像エリアAR60において配置される拡大登録状況画像epcの数は1以上であれば特に限定されない。また、拡大登録状況画像epcは動画として表示されてもよい。
【0139】
店員は、保留解除画面における登録状況画像picにおいて写っている対象の商品を把握し、客のショッピングカートから、対象商品の実物を確認する。そのうえで、店員は、客に、対象商品を購入するか否かを確認する。客が対象商品を購入することを確認した場合、店員は、対象商品を改めて登録するための操作を保留解除画面に対して行う。つまり、店員は、対象商品の商品コードを商品コード入力エリアAR71に入力し、登録ボタンBT61を操作することで、対象商品を登録することができる。また、客は、商品コードの入力の際には、検索ボタンBT63を操作して商品検索画面を表示させることで、商品コードを商品コードエリアAR41に入力することも可能とされている。
一方、客が対象商品を購入しないことを確認した場合、店員は、取り消しボタンBT62を操作して対象商品の保留商品としての登録を取り消す。
このようにして、疑似スキャン投入または非スキャン投入による分類の保留商品の保留解除が行われる。
【0140】
[処理手順例]
図17のフローチャートを参照して、取引管理装置60と取引状況監視装置80とが、継続中取引一覧画面の表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0141】
まず、取引状況監視装置80が実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:取引状況監視装置80を用いた監視を担当する店員は、継続中取引一覧画面を表示させるにあたり、操作部807に対して所定の表示指示操作を行う。取引状況監視装置80は、店員により行われた表示指示操作を受け付ける。
【0142】
ステップS102:継続中取引一覧画面のうちで初期画面として表示されるのは、非正常取引一覧画面である。そこで、取引状況監視装置80は、ステップS101により表示指示操作を受け付けたことに応じて、取引管理装置60に対して非正常取引一覧画面の要求を送信する。
【0143】
ステップS103:非正常取引一覧画面の要求に応じて取引管理装置60は、非正常取引一覧画面を取引状況監視装置80に送信する。取引状況監視装置80は、受信された非正常取引一覧画面を表示部806に表示させる。
【0144】
なお、継続中取引一覧画面は、例えばHTMLファイルやXMLファイルなどの形式とされたうえで、取引状況監視装置80は、例えばウェブブラウザ機能により継続中取引一覧画面を表示させてよい。
【0145】
ステップS104;ステップS103の処理の後、取引状況監視装置80は、全取引一覧画面への切り替えを指示する操作(全取引一覧画面切替操作)を受け付けたか否かを判定する。全取引一覧画面切替操作は、現在において表示中の継続中取引一覧画面が非正常取引一覧画面または正常取引一覧画面のいずれかである場合における表示指示ボタンBT30-1に対する操作である。
【0146】
ステップS105:取引状況監視装置80は、全取引一覧画面切替操作が受け付けられた場合、取引管理装置60に対して全取引一覧画面の要求を送信する。
【0147】
ステップS106:全取引一覧画面の要求に応じて取引管理装置60は、全取引一覧画面を取引状況監視装置80に送信する。取引状況監視装置80は、受信された全取引一覧画面を表示部806に表示させる。
【0148】
ステップS107;ステップS106の処理の後、あるいはステップS104にて全取引一覧画面切替操作が行われないと判定された場合、取引状況監視装置80は、正常取引一覧画面への切り替えを指示する操作(正常取引一覧画面切替操作)を受け付けたか否かを判定する。正常取引一覧画面切替操作は、現在において表示中の継続中取引一覧画面が全取引一覧画面または非正常取引一覧画面のいずれかである場合における表示指示ボタンBT30-3に対する操作である。
【0149】
ステップS108:取引状況監視装置80は、正常取引一覧画面切替操作が受け付けられた場合、取引管理装置60に対して正常取引一覧画面の要求を送信する。
【0150】
ステップS109:正常取引一覧画面の要求に応じて取引管理装置60は、正常取引一覧画面を取引状況監視装置80に送信する。取引状況監視装置80は、受信された正常取引一覧画面を表示部806に表示させる。
【0151】
ステップS110;ステップS109の処理の後、あるいはステップS107にて正常取引一覧画面切替操作が行われないと判定された場合、取引状況監視装置80は、非正常取引一覧画面への切り替えを指示する操作(非正常取引一覧画面切替操作)を受け付けたか否かを判定する。非正常取引一覧画面切替操作は、現在において表示中の継続中取引一覧画面が全取引一覧画面または正常取引一覧画面のいずれかである場合における表示指示ボタンBT30-2に対する操作である。
非正常取引一覧画面切替操作が受け付けられた場合にはステップS102に処理が戻され、ステップS102、S103の処理が実行されることで、非正常取引一覧画面への表示の切り替えが行われる。
【0152】
ステップS111:取引状況監視装置80は、現在において表示中の継続中取引一覧画面を更新させる更新画面が取引管理装置60から受信されたか否かを判定する。
【0153】
ステップS112;更新画面が受信された場合、取引状況監視装置80は、受信された画面により、現在において表示中の継続中取引一覧画面を更新する。これにより、現在発売中の継続中取引一覧画面の取引一覧エリアAR40において、該当の継続中取引について生じる新規発生や完了の変化が反映される。
【0154】
ステップS113:ステップS112の処理の後、あるいはステップS111にて更新画面が受信されないと判定された場合、取引状況監視装置80は、これまでの継続中取引一覧画面の表示が終了されたか否かを判定する。継続中取引一覧画面の表示は、例えば、店員の継続中取引一覧画面を閉じる操作等に応じて終了される。
継続中取引一覧画面の表示が終了されないと判定された場合には、ステップS104に処理が戻される。継続中取引一覧画面の表示が終了されたと判定された場合には、同図の処理が終了される。
【0155】
次に、同図における取引管理装置60の処理手順例について説明する。
ステップS201:取引管理装置60は、ステップS102、S105、S108のいずれかにより送信された継続中取引一覧画面(非正常取引一覧画面、全取引一覧画面、正常取引一覧画面のいずれか)の要求が受信されたか否かを判定する。
【0156】
ステップS202:継続中取引一覧画面の要求が受信された場合、取引管理装置60は、要求された継続中取引一覧画面を生成する。
継続中取引一覧画面の要求として、非正常取引一覧画面の要求を受信した場合、取引管理装置60は、カート情報のうちから、登録された商品のうちに保留商品を含むカート情報を抽出する。保留商品を含むカート情報が非正常取引に該当する。取引管理装置60は、抽出したカート情報を利用して、取引一覧エリアAR40において非正常取引のリストが示される非正常取引一覧画面を生成する。
継続中取引一覧画面の要求として、全取引一覧画面の要求を受信した場合、取引管理装置60は、現在において記憶されている全てのカート情報を利用して、取引一覧エリアAR40において継続中取引のリストが示される全取引一覧画面を生成する。
継続中取引一覧画面の要求として、正常取引一覧画面の要求を受信した場合、取引管理装置60は、カート情報のうちから、登録された商品のうちに保留商品を含まないカート情報を抽出する。保留商品を含まないカート情報が正常取引に該当する。取引管理装置60は、抽出したカート情報を利用して、取引一覧エリアAR40において正常取引のリストが示される正常取引一覧画面を生成する。
【0157】
ステップS203:取引管理装置60は、ステップS202により生成された継続中取引一覧画面を取引状況監視装置80に送信する。
【0158】
ステップS204:取引管理装置60は、
図10のステップS5~S7として示したように、客端末装置50により商品がスキャンされるごとに、スキャン結果に応じて商品を登録するようにしてカート情報を更新する。
取引管理装置60は、ステップS203の処理の後、あるいはステップS201にて継続中取引一覧画面の要求が受信されないと判定された場合、現在において取引状況監視装置80にて表示中の継続中取引一覧画面が提示対象とする継続中取引に該当するカート情報の更新があったか否かを判定する。
具体的に、取引管理装置60は、取引状況監視装置80にて継続中取引一覧画面として非正常取引一覧画面が表示中である場合には、これまでに保留商品を含んでいたカート情報における商品の追加、取り消し等が行われると、該当するカート情報の更新があったと判定する。また、取引管理装置60は、これまで登録商品に保留商品を含んでいなかったカート情報が保留商品を含むように変更された場合に、該当するカート情報の更新があったと判定する。また、取引管理装置60は、これまで登録商品に含まれていた保留商品のうちの少なくとも1つについて保留解除となった場合に、該当するカート情報の更新があったと判定する。また、取引管理装置60は、これまで登録商品に保留商品を含んでいたカート情報について取引終了となった場合に、該当するカート情報の更新があったと判定する。
また、取引管理装置60は、継続中取引一覧画面として全取引一覧画面が表示中である場合には、現在において取引継続中のカート情報のいずれかについて商品の追加、取り消し等があった場合、あるいは新規取引の開始に応じてカート情報が新規に生成された場合、あるいは、記憶されたいずれかのカート情報について取引終了となった場合に、該当するカート情報の更新があったと判定する。
また、取引管理装置60は、継続中取引一覧画面として正常取引一覧画面が表示中である場合には、現在において保留商品を含まないカート情報のいずれかについて商品の追加、取り消し等があった場合、あるいは新規取引の開始に応じてカート情報が新規に生成された場合、あるいは、保留商品を含まないカート情報について取引終了となった場合に、該当するカート情報の更新があったと判定する。
カート情報が更新されないことが判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。
【0159】
ステップS205:ステップS204にてカート情報の更新されたことが判定された場合、取引管理装置60は、カート情報の更新結果を反映させた更新画面を生成する。更新画面は、取引状況監視装置80において現在表示中の継続中取引一覧画面に対応して、非正常取引一覧画面、全取引一覧画面、非正常取引一覧画面のいずれかとなるものであり、取引一覧エリアAR40において、今回のカート情報の更新結果が反映されたものとなる。
【0160】
ステップS206:取引管理装置60は、ステップS205により生成された更新画面を、取引状況監視装置80に送信する。
【0161】
次に、
図18のフローチャートを参照して、取引状況監視装置80と取引管理装置60とが、商品登録完了前(精算移行指示操作が行われる前)の段階での保留商品の保留解除(登録段階保留解除)に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0162】
まず、取引状況監視装置80が実行する処理手順例について説明する。
ステップS301:取引状況監視装置80は、取引詳細画面D20を表示させている状態において、店員により行われる保留解除の対象商品を指定する操作(対象商品指定操作)を受け付ける。対象商品指定操作は、取引詳細画面D20において表示される登録商品のリスト項目のうちの強調表示EHのリスト項目または登録状況表示TRのリスト項目を選択する操作である。つまり、対象商品指定操作は、保留商品のリスト項目を選択する操作である。
【0163】
ステップS302:取引状況監視装置80は、対象商品指定操作を受け付けたことに応じて、対象商品指定操作により指定された保留商品の保留解除画面を表示する。
【0164】
ステップS303:店員は、表示された保留解除画面に対して保留商品の保留解除に応じた操作(保留解除操作)を行う。取引状況監視装置80は、保留解除操作を受け付ける。
【0165】
ステップS304:保留解除操作を受け付けたことに応じて、取引状況監視装置80は、保留解除通知を送信する。
【0166】
次に、取引管理装置60が実行する処理手順例について説明する。
ステップS401:取引管理装置60は、ステップS304により取引状況監視装置80から送信された保留解除通知を受信する。
ステップS402:受信された保留解除通知には、対応の取引を示すカート識別情報と、保留解除された保留商品の保留商品情報を特定する情報(商品特定情報)とを含む。取引管理装置60は、記憶されているカート情報のうち、保留解除通知に含まれているのと同じカート識別情報により示されるカート情報について、商品特定情報により特定される保留商品情報を登録商品情報に変更するようにして更新する。
このような更新結果は、
図17のステップS204~S206、S111、S112の処理によって、取引状況監視装置80にて表示されている非正常取引一覧画面に反映される。
【0167】
ステップS403:取引管理装置60は、今回の保留商品の保留解除の結果を反映した商品登録画面(更新商品登録画面)を生成する。取引管理装置60は、生成した更新商品登録画面を客端末装置50に送信する。
【0168】
次に、客端末装置50が実行する処理手順例について説明する。
ステップS501:客端末装置50は、ステップS403により取引管理装置60から送信された更新商品登録画面を受信する。
ステップS502:客端末装置50は、受信された更新商品登録画面により、表示部504に表示させている商品登録画面を変更する。これにより、例えば
図15(A)から
図15(B)への遷移として示すようにして、保留商品であることが示されていたリスト項目において保留解除されたことを報知する状態に変化する。
【0169】
また、登録段階保留解除が行われた商品を含む取引が精算装置40での精算段階に移行した場合には、例えば精算装置40にて表示される登録商品リスト画面において、登録段階保留解除が行われた商品であることが示されるようにされてよい。
図19は、精算装置40にて表示される登録商品リスト画面の一例を示している。同図の登録商品リストにおいては、保留商品であった「○○チョコレート」のリスト項目において、「保留解除」との表示が付加されている。この「保留解除」の表示は、「○○チョコレート」の商品が登録段階保留解除により改めて商品登録されたものであることを示す。
また、同図の登録商品リストにおいては、「チューハイ」の商品のリスト項目において二重線による取り消し線が付加されている。このような表示は、保留商品として登録された「チューハイ」の商品について、登録段階保留解除として取り消しが行われたものであることを示す。
【0170】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は、適宜、上記実施形態及び他の変形例と組み合わされてよい。
【0171】
[第1変形例]
取引状況監視装置80は、店舗における精算装置40の稼働状況を表示可能とされてよい。
図20は、取引状況監視装置80における精算装置40の稼働状況の表示の態様例を示している。同図では、継続中取引一覧画面上に重畳して精算装置稼働状況画面WD30を表示させる態様により、精算装置40の稼働状況を示した例を挙げている。
同図の例では、精算機1、2、3との名称が付された3つの精算装置40ごとの稼働状況を示す稼働状況エリアAR50(AR50-1、AR50-2、AR50-3)が配置されている。同図では、稼働状況エリアAR50のそれぞれにより、稼働状況として、精算機1、2が稼働中であり、精算機3が停止中であることが示されている。
【0172】
また、精算装置稼働状況画面WD30においては、稼働状況エリアAR50(AR50-1、AR50-2、AR50-3)ごとに対応して、稼働操作ボタンBT50(BT50-1、BT50-2、BT50-3)が配置されている。稼働操作ボタンBT50は、対応の精算装置40(精算機)の稼働を遠隔操作するのに用いられるボタンである。対応の精算装置40が稼働中である場合には、稼働操作ボタンBT50を操作することで、対応の精算装置40を停止させることができる。一方、対応の精算装置40が停止中である場合には、稼働操作ボタンBT50を操作することで、対応の精算装置40を稼働させることができる。
【0173】
店員は、取引状況監視装置80において表示される継続中取引一覧画面を見て現在において商品登録中の取引の数がどの程度であるのかについて把握できる。また、店員は、精算装置稼働状況画面WD30を見ることで、現在の商品登録中の取引の数に対して現在稼働している精算装置40の数が適切であるか否かを判定できる。ここで、店員は、現在稼働している精算装置40の数が少ないと判断したときには、精算装置稼働状況画面WD30の稼働操作ボタンBT50に対する操作により、停止中の精算装置40の必要数を迅速に稼働させることができる。また、店員は、現在稼働している精算装置40の数が多いと判断したときには、精算装置稼働状況画面WD30の稼働操作ボタンBT50に対する操作により、稼働中の精算装置40の必要数を迅速に停止させることができる。
【0174】
[第2変形例]
なお、客による不正行為は、商品登録段階だけではなく精算段階においても行われる可能性がある。つまり、客が精算装置40にて精算を行っているときに不正行為を行う可能性がある。そこで、本変形例としては、精算装置40にて客による不正行為が行われている可能性があると判定されたことに応じて、取引状況監視装置80にて客により不正が行われている可能性のある精算装置40に関する情報を表示するようにされてよい。
【0175】
精算装置40にて行われる不正行為として、1つには、スクリーンショット機能により客端末装置50に保存させた2次元コードを、精算装置40に読み取らせる行為を挙げることができる。具体的に、例えば客は、1つの商品を客端末装置50により登録すると精算移行指示操作を行ってコード表示画面にて2次元コードを表示させる。客は表示された2次元コードを、スクリーンショット機能を使用して画像データとして客端末装置50に保存させる。この後、客は、商品登録を行うことなく、多数の商品を買い物カゴに入れたうえで精算装置40に赴く。客は、保存してあった2次元コードの画像データを客端末装置50にて表示させ、精算装置40に読み取らせる。この場合、客は、先に登録した1つの商品に対応する精算を行うことで、買い物カゴに入れた多数の商品を購入したように見せかけることができる。
このような不正が行われたか可能性があるか否かについては、例えば取引管理装置60が、精算移行指示操作が行われた時刻と精算装置40に2次元コードを読み取らせた時刻との間隔が一定以上であるか否かにより判定することができる。
【0176】
取引管理装置60は、精算装置40にて不正が行われた可能性があると判定した場合には、取引状況監視装置80に不正発生通知を送信する。不正発生通知には、不正が行われている可能性のある精算装置40を示す情報が含まれる。また、不正発生通知には、不正の内容、種別を示す情報が含まれてよい。
取引状況監視装置80は、不正発生通知を受信したことに応じて、受信された不正発生通知に基づく不正発生報知画面を表示させる。不正発生報知画面においては、不正が行われている可能性のある精算装置40がいずれであるのかが示される。さらに、不正発生報知画面においては、不正の内容、種別を示す内容が表示されてよい。
【0177】
[第3変形例]
上記実施形態では、保留商品の保留解除は、取引状況監視装置80に対する操作によって行われていた。保留商品の保留解除は、取引状況監視装置80に対する操作による他、例えば客端末装置50の表示部に表示された画面に対して店員が電子スタンプを押すことによって保留商品の保留解除が行われるようにされてよい。
【0178】
この場合の客端末装置50のショッピングアプリケーションは、登録された商品に保留商品が含まれている場合には、保留商品の保留解除のために電子スタンプが押される電子スタンプ画面を表示可能とされている。保留商品の保留解除を受けるにあたり、客は、客端末装置50を操作して表示部504に電子スタンプ画面を表示させる。なお、電子スタンプ画面は、選択された1つの保留商品を対象として保留解除を行うものであってもよいし、全ての保留商品を対象として保留解除を行うものであってもよいし、所定の分類に該当する保留商品を対象として保留解除を行うものであってもよい。
【0179】
店員は、電子スタンプ画面が表示された表示部504の表示面に対して、電子スタンプを押す。
電子スタンプが押されたことに応じて、客端末装置50は、対象とされていた保留商品について保留解除されたことの通知(保留解除通知)を取引管理装置60に対して送信する。取引管理装置60は、保留解除通知により通知された保留商品の保留解除が反映されるようにカート情報を更新する。
【0180】
この場合、取引管理装置60は、
図18のステップS403と同様にして客端末装置50に更新商品登録画面を送信してよい。さらに、この場合の取引管理装置60は、取引状況監視装置80に対しても、今回の保留解除の処理結果を示す情報を送信する。取引状況監視装置80は、受信された情報が示す保留解除の処理結果が反映されるようにして、継続中取引一覧画面における該当の取引のリスト項目の内容を変更する。
【0181】
[第4変形例]
1の客端末装置50を利用して行われた一取引の商品登録結果を、他の客端末装置50に引き継がせたうえで、客が、当該他の客端末装置50を利用して同じ一取引の商品登録を継続して行えるようにされてよい。
例えば、客が自分の所持する客端末装置50を利用して商品登録を行っていたときに、客端末装置50のバッテリの残量が少なくなってきたが、すぐに充電もできないために、商品登録をこのまま継続することが難しくなるような場合がある。また、客が客端末装置50を利用して商品登録を行っていたときに、客端末装置50の動作が不調となるような場合にも商品登録を継続することが難しくなる。
このような場合、客は、これまでに使用していた客端末装置50による商品登録結果をキャンセルして、例えば店舗が貸与する他の客端末装置50を利用して、はじめから商品登録をやり直すことは可能である。しかしながら、このような商品登録のやり直しは客にとって面倒であり、一取引における商品登録の進捗も効率的でない。
そこで、上記のようにして客端末装置50の商品登録結果を他の客端末装置50に引き継がせるようにすれば、客は、商品登録野操作をはじめからやり直すことなく、これまでの商品登録結果を維持したうえで、引き続き商品登録の操作を行っていくことができる。
【0182】
このような客端末装置50間での商品登録結果の引継ぎは、一例として以下のような操作に応じて行われてよい。
客は、これまで商品登録に利用していた客端末装置50をこれ以上は利用できないと判断すると、例えば店舗のサービスカウンタの店員に、他の客端末装置50の引継ぎ利用を依頼する。依頼を受けた店員は、例えば客がこれまで利用していた引継ぎ元の客端末装置50に対する所定操作により、引継ぎ元の客端末装置50にて引継ぎ用のコードを表示させる。引継ぎ用のコードは、取引に対応付けられたカート識別情報を含む。
なお、引継ぎ用のコードを表示させる操作は客が行ってもよい。なお、精算移行指示操作により表示されたコードを引継ぎ用のコードとしても利用してよい。
店員は、例えば引き継ぎ用に用意していた貸与用の店端末としての引継ぎ先の客端末装置50に、引継ぎ元の客端末装置50に表示させたコードを読み取らせる。コードを読み取った引継ぎ先の客端末装置50は、取引管理装置60に引継ぎ要求を送信する。送信された引継ぎ要求には読み取ったコードが示すカート識別情報が含まれる。
引継ぎ要求を受信した取引管理装置60は、受信された引継ぎ要求に含まれるカート識別情報により特定されるカート情報の商品登録画面の情報を、引継ぎ先の客端末装置50に送信する。引継ぎ先の客端末装置50は、受信された商品登録画面の情報に基づいて商品登録画面を表示させ、以降の商品登録操作に応じた処理を実行可能な状態となる。つまり、引継ぎ先の客端末装置50は、引継ぎ元の客端末装置50による商品登録結果を引き継いだうえで、以降の商品登録に応じた処理を実行することが可能とされる。
店員は、上記のように商品登録結果を引き継いで商品登録が可能な状態の引継ぎ先の客端末装置50を客に手渡すようにされる。
なお、上記のように引継ぎ先の客端末装置50が商品登録結果を引き継いで商品登録が可能な状態となるようにするために、コードを読み取らせる操作を客も行えるようにしてよい。
【0183】
[第5変形例]
図13に示したような取引一覧画面は、例えば取引状況監視装置80以外の装置で店舗にて設置される装置にて表示されてよい。即ち、取引一覧画面は、
図1との対応では、管理装置10、精算装置40等にて表示されてもよい。また、例えば店員が業務にあたって所持する店員携帯端末にて表示されてもよい。また、例えば本部等に設けられて、複数店舗の取引状況を統合して管理可能な統合管理装置にて表示されてもよい。このような統合管理装置では、店舗単位の取引一覧画面と、複数店舗の取引状況を統合した状況が反映された取引一覧画面とのいずれも表示可能とされてよい。
【0184】
[第6変形例]
上記実施形態の取引状況監視装置80にて継続中取引一覧画面を表示させるための制御は、例えば取引状況監視装置80、取引管理装置60、客端末装置50、管理装置10、さらには他のネットワーク上サーバのうちの所定の複数の装置のそれぞれが一部の処理を担いつつ、連携することで実現されてよい。また、本実施形態の取引状況監視装置80の機能を、例えば管理装置10等の同じ店舗内の他の装置が兼用するようにされてもよい。
【0185】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
[背景技術]
複数のセルフチェックアウト端末を備えるセルフチェックアウトシステムにおいて、アテンダント端末が、セルフチェックアウト端末の稼働状況やエラー発生状況を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007-95026号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
店舗での買い物にて、客が自分のスマートフォンあるいは店舗から貸与された客端末装置を利用して商品の登録を行い、登録された商品の精算を店舗に設置された精算装置により客が行うようにされた商品販売データ処理システムが知られている。
このような商品販売データ処理システムにおいては、客が客端末装置を利用して商品登録が開始後において継続中の取引に関して、店舗側で監視できるようにすることが好ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が客端末装置を用いて商品登録を行うとともに精算装置を利用して精算を行う商品販売データ処理システムにおいて、継続中の取引に関して店舗側で監視できるようにすることを目的とする。
【0186】
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、客が取引単位に応じた商品登録を行うのに利用する客端末装置(50)と、取引についての監視に関する処理を行う取引状況監視装置(80)とを備える商品販売データ処理システムにおける取引状況監視装置であって、前記客端末装置により行われた取引単位の商品登録の結果が反映された取引情報に基づいて、前記客端末装置による商品登録の開始に応じて開始されてから継続中の取引に関する情報を提示する継続中取引情報(例えば、継続中取引一覧画面)を表示させる表示制御手段を備える取引状況監視装置である。
【0187】
上記構成によれば、本実施形態においては、現在において客が客端末装置50を利用して商品登録を行う形態により買い物中の取引についての情報(例えば、継続中取引一覧画面)を取引状況監視装置80にて出力させることができる。つまり、店舗側で、客が客端末装置50を利用して商品登録を行う形態で行われる取引について現在継続中のものに関して店舗側で状況把握することが可能になる。
【0188】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の取引状況監視装置であって、前記表示制御手段は、継続中の取引のうちから所定の条件に該当する取引を提示する継続中取引情報を表示する。
【0189】
上記構成によれば、継続中取引一覧画面により提示する継続中取引について、例えば登録商品のうちに保留商品を含む継続中取引や、客により不正に登録等の行為が行われている可能性の高い継続中取引に限定して提示することができる。
【0190】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の取引状況監視装置であって、前記表示制御手段は、継続中取引情報として情報が提示された継続中取引のうちから選択された取引についての取引内容の詳細を表示する。
【0191】
上記構成によれば、取引状況監視装置80により、例えば継続中取引一覧画面により提示された継続中取引のうちから選択された継続中取引の取引内容の詳細を表示することができる。取引内容の詳細としては、例えば
図14の取引詳細画面WD20に示されるように、登録された商品を時刻に対応して示すことができる。また、登録された商品のうちで保留商品として登録されたものについては、強調表示EHや登録状況表示TR等により、そのことが把握されるように該当商品のリスト項目の態様を変更するなど、保留商品と正常に登録された商品とを区別して示すようにもされてよい。
【0192】
(4)本実施形態の一態様は、(3)に記載の取引状況監視装置であって、前記表示制御手段は、前記取引内容の詳細において、商品登録の際の状況を客端末装置により撮像して得られた登録状況画像を表示する。
【0193】
上記構成によれば、継続中取引において商品が登録されている際の状況を示す登録状況画像が表示される。このような登録状況画像を見ることで、店員は、保留商品として登録された商品の実際が何であったかや、保留商品として登録された原因等を的確に把握することが可能になる。
【0194】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の取引状況監視装置であって、継続中取引情報により提示された取引において、正常に登録されずに保留された状態で登録された保留商品の保留が、操作に応じて解除されるように制御する保留解除手段を備える。
【0195】
上記構成によれば、例えば客が購入対象の全ての商品の登録を完了させていない段階であっても、店員が取引状況監視装置80を操作することにより、これまでに登録された商品に含まれている保留商品の保留を解除させることができる。
【0196】
(6)本実施形態の一態様は、(5)に記載の取引状況監視装置であって、前記保留商品の保留を解除したことが前記客端末装置にて報知されるように制御する通知制御手段を備える。
【0197】
上記構成によれば、保留商品について保留が解除されたことを客に向けて客端末装置50により報知することが可能になる。これにより、客は、保留商品の保留が解除されたことを的確に把握することができる。
【0198】
(7)本実施形態の一態様は、(1)から(6)のいずれか1つに記載の取引状況監視装置であって、前記継続中取引情報により提示される継続中の取引に関する情報において、当該継続中の取引に対応する商品登録に利用されている客端末装置の種別を示す情報が含まれる。
【0199】
店舗にて客が商品を登録するにあたり、客が所持する携帯端末と店舗から客に貸与される端末とのいずれの種別も利用可能であるといったように、複数種別の客端末装置50を利用可能な場合がある。上記構成によれば、このような場合に対応して、継続中取引一覧画面において、継続中取引ごとにどの種別の客端末装置50が利用されているのかを示すことが可能となる。
【0200】
(8)本実施形態の一態様は、(1)から(7)のいずれか1つに記載の取引状況監視装置であって、前記表示制御手段は、前記客端末装置により行われた取引単位の商品登録の結果が反映された取引情報に基づく精算情報を利用して精算処理を行う精算装置の稼働に関する状況を表示する。
【0201】
上記構成によれば、店員は、取引状況監視装置80により継続中取引の状況を監視できることに加えて、精算装置40の稼働状況も監視できる。これにより、店員は、継続中取引の状況と精算装置40の稼働状況とにより、例えば稼働させる精算装置40の数に判断するといったように、店舗を適切に運用するための有効な判断材料を得ることができる。
【0202】
なお、上記各実施形態における上述の管理装置10、精算装置40、客端末装置50、取引管理装置60、取引状況監視装置80などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上記の管理装置10、精算装置40、客端末装置50、取引管理装置60、取引状況監視装置80などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0203】
10 管理装置、40 精算装置、50 客端末装置、60 取引管理装置、70 クレジットカード決済サーバ、80 取引状況監視装置