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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103780
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240725BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G01C21/26 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092235
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2020189951の分割
【原出願日】2020-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 友也
(57)【要約】
【課題】駐車車両の立ち寄り施設推定をする際に、計算コストを抑える。
【解決手段】サーバ装置1は、立ち寄り施設候補選定部12で複数の車両Vからそれぞれの駐車位置に関する駐車位置情報を取得し、それぞれの車両Vの搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する。この立ち寄り施設候補選定部12は、駐車位置DB22が有する駐車位置に対して設定される第1の範囲に含まれる施設(近傍施設)と、大型施設推定部11が推定した大型施設の位置に対して設定される第2の範囲に含まれる駐車位置と、に基づいて車両それぞれの立ち寄り施設の候補を選定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駐車位置に関する駐車位置情報を取得する取得部と、
複数の施設のうちから、前記車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する選定部と、を備え、
前記選定部は、前記駐車位置情報が示す前記駐車位置に対して設定される第1の範囲と、前記複数の施設のうちの大型施設の位置に対して設定され、且つ前記第1の範囲よりも大きい第2の範囲と、に基づいて前記車両の前記候補を選定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選定部は、前記第1の範囲に含まれる前記施設と、前記第2の範囲に含まれる前記駐車位置と、に基づいて前記候補を選定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の施設の情報に基づいて前記大型施設を推定する大型施設推定部を備え、
前記選定部は、前記大型施設推定部が推定した大型施設に対して前記第2の範囲を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選定部が選定した前記候補から立ち寄り施設を推定する立ち寄り施設推定部を備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の範囲は、前記大型施設の真位置を中心とした範囲として設定されることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2の範囲は、過去の実績情報に基づいて任意の部分について増減させることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
車両の駐車位置に関する情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記車両の駐車位置に関する駐車位置情報を取得する取得工程と、
複数の施設のうちから、前記車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する選定工程と、を含み、
前記選定工程は、前記駐車位置情報が示す前記駐車位置に対して設定される第1の範囲と、前記複数の施設のうちの大型施設の位置に対して設定され、且つ前記第1の範囲よりも大きい第2の範囲と、に基づいて前記車両の前記候補を選定することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータにより実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車位置に関する情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭乗したユーザが利用した施設を推定することが行われている。このようにして推定した結果は、例えばユーザに対してお勧めの施設を案内するといったことに利用可能となる。
【0003】
ユーザが利用したと推定される施設を自動で特定する文献として特許文献1が開示されている。この文献に記載された発明は、プローブ情報に基づいて推定した駐車エリアと滞在時間とを施設毎に対応させて施設訪問情報として格納し、この施設訪問情報に基づいて自車両の運転者が訪問した施設を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-21847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、駐車位置に基づいて所定の範囲に存在する施設を抽出して訪問した施設を推定する場合以下のような問題がある。例えば、駐車位置の近傍施設を検索する際に駐車場が大きく駐車位置が施設から大きく離れているショッピングモールや遊園地等の施設を立ち寄り施設候補とするためには、検索半径を大きく設定しなければならない場合がある。しかし、検索半径を大きく設定すると、抽出される施設が多くなり、立ち寄り施設を推定するための演算量が増大する。
【0006】
そのため、多くの駐車車両の立ち寄り施設推定をする場合、駐車位置数分の近傍施設探索コストが高くなり、検索半径に含まれる施設数分の推定計算コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題としては、駐車車両の立ち寄り施設推定をする際に、計算コストを抑えることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の駐車位置に関する駐車位置情報を取得する取得部と、複数の施設のうちから、前記車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する選定部と、を備え、前記選定部は、前記駐車位置情報が示す前記駐車位置に対して設定される第1の範囲と、前記複数の施設のうちの大型施設の位置に対して設定され、且つ前記第1の範囲よりも大きい第2の範囲と、に基づいて前記車両の前記候補を選定することを特徴としている。
【0009】
請求項7に記載の発明は、車両の駐車位置に関する情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置で実行される情報処理方法であって、前記車両の駐車位置に関する駐車位置情報を取得する取得工程と、複数の施設のうちから、前記車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する選定工程と、を含み、前記選定工程は、前記駐車位置情報が示す前記駐車位置に対して設定される第1の範囲と、前記複数の施設のうちの大型施設の位置に対して設定され、且つ前記第1の範囲よりも大きい第2の範囲と、に基づいて前記車両の前記候補を選定することを特徴としている。
【0010】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータにより実行させることを特徴としている。
【0011】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の情報処理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体へ格納したことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例にかかる情報処理装置を有するシステムの概略構成図である。
図2図1に示されたサーバ装置の機能構成図である。
図3】駐車位置と各施設との関係を示した例である。
図4図3の駐車位置について選定された候補をまとめた表である。
図5】大型施設からの第2の範囲を示した説明図である。
図6】大型施設を中心とした範囲に含まれる駐車位置をまとめた表である。
図7図3図5に示された駐車位置について、立ち寄り施設候補とデータソース及びスコアを示した表である。
図8図2に示されたサーバ装置の動作のフローチャートである。
図9】第2の範囲の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、取得部で複数の車両からそれぞれの駐車位置に関する駐車位置情報を取得し、選定部でそれぞれの車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する。選定部では、駐車位置情報が示す駐車位置に対して設定される第1の範囲と、複数の施設から選択された大型施設の位置に対して設定される第2の範囲と、に基づいて車両それぞれの立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する。このようにすることにより、駐車位置に対して設定される第1の範囲だけでなく、大型施設の位置に対して設定される第2の範囲に基づいて立ち寄り施設の候補を選定することができる。そのため、第1の範囲を必要以上に拡大することがなく、大型施設以外の施設が多く抽出されることも抑えられるため、駐車車両の立ち寄り施設推定をする際に、計算コストを抑えることができる。
【0014】
また、選定部は、第1の範囲に含まれる施設と、第2の範囲に含まれる駐車位置と、に基づいて立ち寄ったと推定される施設の候補を選定してもよい。このようにすることにより、大型施設については、第2の範囲に含まれた駐車位置のみを大型施設を立ち寄ったと推定される施設の候補に選定すればよく、演算量を削減して計算コストを抑えることができる。
【0015】
また、複数の施設の情報に基づいて大型施設を推定する大型施設推定部を備え、選定部は、大型施設推定部が推定した大型施設に対して第2の範囲を設定してもよい。このようにすることにより、複数の施設情報に基づいて大型施設を予め推定することができ、推定された大型施設に基づいて車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定することができる。
【0016】
また、選定部が選定した候補から立ち寄り施設を推定する立ち寄り施設推定部を備えてもよい。このようにすることにより、選定部が選定した候補から搭乗者が立ち寄ったと推定される施設を1つに特定することができる。
【0017】
また、第2の範囲は、大型施設の真位置を中心とした範囲として設定されてもよい。このようにすることにより、大型施設から距離的にバランス良く範囲を設定することができる。
【0018】
また、第2の範囲は、過去の実績情報に基づいて任意の部分について増減させてもよい。このようにすることにより、当該大型施設に立ち寄ったと推定された駐車位置が偏っている場合は、偏りに応じて、大型施設から第2の範囲の外縁までの距離を増減させることができる。したがって、立ち寄り施設の候補の選定精度を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態にかかる情報処理方法は、取得工程が、複数の車両からそれぞれの駐車位置に関する駐車位置情報を取得し、選定工程が、それぞれの車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する。選定工程では、駐車位置情報が示す駐車位置に対して設定される第1の範囲と、複数の施設から選択された大型施設の位置に対して設定される第2の範囲と、に基づいて車両それぞれの立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する。このようにすることにより、駐車位置に対して設定される第1の範囲だけでなく、大型施設の位置に対して設定される第2の範囲に基づいて立ち寄り施設の候補を選定することができる。そのため、第1の範囲を必要以上に拡大することがなく、大型施設以外の施設が多く抽出されることも抑えられるため、駐車車両の立ち寄り施設推定をする際に、計算コストを抑えることができる。
【0020】
また、上述した情報処理方法を、情報処理プログラムとしてコンピュータにより実行させてもよい。このようにすることにより、コンピュータを用いて、駐車位置に対して設定される第1の範囲だけでなく、大型施設の位置に対して設定される第2の範囲に基づいて立ち寄り施設の候補を選定することができる。そのため、第1の範囲を必要以上に拡大することがなく、大型施設以外の施設が多く抽出されることも抑えられるため、駐車車両の立ち寄り施設推定をする際に、計算コストを抑えることができる。
【0021】
また、上述した情報処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例0022】
本発明の一実施例にかかる情報処理装置を図1図9を参照して説明する。図1は、本実施例にかかる情報処理装置を備えたシステムの概略構成図である。
【0023】
図1に示したシステムは情報処理装置としてのサーバ装置1を備えている。そして、サーバ装置1は、車両Vから位置情報等のプローブ情報を無線通信網やインターフェース等とのネットワークNを介して取得し後述する各種処理を行う。
【0024】
サーバ装置1は、周知のサーバコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、ネットワークインターフェース等の通信装置などを備えている。
【0025】
サーバ装置1の機能的構成を図2に示す。サーバ装置1は、大型施設推定部11と、立ち寄り施設候補選定部12と、立ち寄り施設推定部13と、施設DB21と、駐車位置DB22と、を備えている。
【0026】
大型施設推定部11は、施設DB21に含まれる施設情報から、例えば次の条件に当てはまる施設を大型施設として推定している。(1)施設ジャンルが特定のジャンル(遊園地、自然公園、ショッピングモール等の一般的に大型施設であると思われるジャンル)である。(2)保有駐車場数が多い。(3)駐車場入口数が多い(駐車可能領域が大きい)。即ち、大型施設推定部11は、複数の施設の情報に基づいて大型施設を推定している。なお、大型施設推定部11を設けずに、例えば予め施設DB21に含まれる施設に対して手作業で大型施設を選定し、選定された大型施設について施設DB21内に大型施設を示す情報(マークやフラグ等)を付与してもよい。
【0027】
立ち寄り施設候補選定部12は、駐車位置DB22から情報を取得して、当該情報に含まれる車両駐車位置から所定範囲内の近傍施設と、大型施設推定部11が推定した大型施設の真位置から所定の範囲内の車両駐車位置から、車両駐車位置に対する立ち寄り施設候補を選定する。大型施設の真位置とは、当該大型施設が実際に存在する地点であって、例えば大型施設の中心地点の位置などである。即ち、立ち寄り施設候補選定部12は、複数の車両からそれぞれの駐車位置に関する駐車位置情報を取得する取得部及びそれぞれの車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する選定部として機能する。
【0028】
立ち寄り施設推定部13は、立ち寄り施設候補選定部12が選定した立ち寄り施設候補をランク付けし,車両駐車位置に対する立ち寄り施設を推定する。
【0029】
施設DB21は、複数の施設について施設情報(施設名称、施設ジャンル、保有駐車場数、駐車場入口数等)を管理するデータベースである。
【0030】
駐車位置DB22は、車両Vの駐車位置を管理するデータベースである。駐車位置DB22は、例えば車両Vから送信された車両の位置(緯度経度)情報や時刻情報等を含むプローブ情報が格納されている。なお、プローブ情報は、車両V側で駐車していると判定された場合に送信すればよい。あるいは、駐車か否か関わらずに車両Vからは位置情報等を送信し、サーバ装置1(あるいは他のサーバ装置等)で駐車しているか判定して、駐車にかかるプローブ情報のみを駐車位置DB22に格納するようにしてもよい。
【0031】
上述した大型施設推定部11、立ち寄り施設候補選定部12及び立ち寄り施設推定部13は、例えばサーバ装置1のCPU等で実行されるコンピュータプログラム(情報処理プログラム)として構成されている。また、施設DB21及び駐車位置DB22はデータベース2に含まれるものである。
【0032】
次に、立ち寄り施設候補選定部12における立ち寄り施設候補の選定動作について図3図6を参照して説明する。
【0033】
図3は、駐車位置と各施設との関係を示した例である。図3は、例えば地図上の位置関係を示すが、図面を簡潔にするため、駐車位置と施設の位置のみを表示する。図3においては、駐車位置として駐車位置P1~P4があり、施設としては、施設a~g及び大型施設Aがある。ここで、大型施設Aは大型施設推定部11で大型施設と推定された施設である。また、施設a~gは大型施設と推定されていない一般施設である。
【0034】
まず、従来の立ち寄り地推定動作と同様に、駐車位置DB22に含まれる駐車位置から所定範囲内の近傍施設を立ち寄り施設候補として選定する。図3の例では、駐車位置を中心として半径数十~数百メートル程度の範囲を設定している。駐車位置P1に対応する範囲はAP1、駐車位置P2に対応する範囲はAP2、駐車位置P3に対応する範囲はAP3、駐車位置P4に対応する範囲はAP4として示す。即ち、範囲AP1~AP4は、駐車位置情報が示す駐車位置に対して設定される第1の範囲となる。例えば範囲AP1に含まれる施設は施設a~cであるので、駐車位置P1で選定された候補は施設a~cとなる。同様にして、駐車位置P2~P4も行う。図3の駐車位置P1~P4について選定された候補(立寄施設候補)を図4にまとめる。
【0035】
次に、大型施設Aから所定範囲内の近傍駐車位置を探索する。そして、近傍駐停車位置の立ち寄り施設候補に大型施設Aを加える。図5に大型施設Aの真位置を中心として所定範囲となる範囲AAを示す。なお、図5では、他の大型施設である大型施設Bの範囲ABも示している(大型施設B自体は図5の図示範囲外にあるものとする)。即ち、範囲AA、ABは、複数の施設から選択された大型施設の位置に対して設定される第2の範囲となる。図5の例では、大型施設Aを中心として半径数百メートル程度の範囲を設定している。なお、大型施設を中心とする範囲は、図3に示した駐車位置を中心とする範囲よりも大きくなるように設定する。図5の場合、範囲AAに含まれるのは駐車位置P1~P4である。同様にして範囲ABについても行う。図5の大型施設A、Bについて、大型施設を中心とした範囲に含まれる駐車位置を図6にまとめる。
【0036】
そして、上述した駐車位置を中心とした範囲で選定された近傍施設と、大型施設を中心とした範囲に含まれる駐車位置と、から駐車位置毎に立ち寄り施設の候補が求められる。例えば、図4図6から駐車位置P1の場合は施設a~cと大型施設Aが候補となる。即ち、第1の範囲と第2の範囲とに基づいて車両それぞれの立ち寄り施設の候補を選定している。
【0037】
立ち寄り施設推定部13では、立ち寄り施設候補選定部12で選定された候補についてスコアリングをおこない立ち寄り施設を推定する。スコアリングの方法としては、当該施設の訪問回数や駐車位置と施設の真位置との距離や滞在時間等に基づいて周知の方法により算出すればよい。
【0038】
図7図3図5に示した駐車位置P1~P4について、立ち寄り施設候補(立寄施設候補)とデータソース及びスコアの例を示す。図7の場合では、駐車位置P1は、スコアが最も大きい大型施設Aが立ち寄り施設と推定される。駐車位置P2は、スコアが最も大きい施設dが立ち寄り施設と推定される。駐車位置P3は、スコアが最も大きい施設gが立ち寄り施設と推定される。駐車位置P4は、スコアが最も大きい大型施設Bが立ち寄り施設と推定される。
【0039】
上述したサーバ装置1の動作を図8のフローチャートにまとめる。まず、施設DB21から大型施設推定部11が大型施設を抽出する(ステップS1)。
【0040】
次に、立ち寄り施設候補選定部12は、前段処理で抽出された大型施設以外の駐車位置DB22に格納されている駐車位置群の近傍施設を第1立ち寄り施設候補群として抽出する(ステップS2)。つまり、図3の範囲AP1~AP4に含まれる施設を抽出する。
【0041】
次に、立ち寄り施設候補選定部12は、各大型施設の近傍駐車位置をそれぞれ第2立ち寄り施設候補群として抽出する(ステップS3)。つまり、図5の範囲AA、ABに含まれる駐車位置を抽出する。
【0042】
次に、立ち寄り施設候補選定部12は、第1立ち寄り施設候補群と第2立ち寄り施設候補群とを駐車位置ベースでマージする(ステップS4)。マージされた立ち寄り施設候補が各駐車位置における立ち寄り施設候補となる。つまり、図7に示したような表が生成される。但し、このステップではスコアはまだ算出されていない。
【0043】
次に、立ち寄り施設推定部13は、駐車位置とそれに対する立ち寄り施設候補のスコアリングを行う(ステップS5)。つまり図7のスコア欄が埋められる。
【0044】
そして、立ち寄り施設推定部13は、スコアリング結果から、それぞれの駐車位置に対する立ち寄り施設を推定する(ステップS6)。
【0045】
本実施例によれば、サーバ装置1は、立ち寄り施設候補選定部12が複数の車両Vからそれぞれの駐車位置に関する駐車位置情報を取得し、それぞれの車両Vの搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定する。この立ち寄り施設候補選定部12は、駐車位置DB22が有する駐車位置に対して設定される第1の範囲に含まれる施設(近傍施設)と、大型施設推定部11が推定した大型施設の位置に対して設定される第2の範囲に含まれる駐車位置と、に基づいて車両それぞれの立ち寄り施設の候補を選定する。
【0046】
このようにすることにより、駐車位置に対して設定される第1の範囲だけでなく、大型施設の位置に対して設定される第2の範囲に基づいて立ち寄り施設の候補を選定することができる。そのため、第1の範囲を必要以上に拡大することがなく、大型施設以外の施設が多く抽出されることも抑えられる。大型施設については、第2の範囲に含まれた駐車位置のみを大型施設を立ち寄ったと推定される施設の候補に選定すればよい。したがって、駐車車両の立ち寄り施設推定をする際に、計算コストを抑えることができる。
【0047】
特に、駐停車位置数>大型施設数 という条件下で、バッチ処理等で複数の立ち寄り地推定を行う場合に、大型施設真位置を起点とする第2の範囲に基づいて立ち寄り施設候補選出をすることで、近傍地点探索の計算コストを削減することができる。
【0048】
また、サーバ装置1は、施設DB21に基づいて大型施設を推定する大型施設推定部11を備え、立ち寄り施設候補選定部12は、大型施設推定部11が推定した大型施設に対して第2の範囲を設定している。このようにすることにより、複数の施設情報に基づいて大型施設を予め推定することができ、推定された大型施設に基づいて車両の搭乗者が立ち寄ったと推定される施設の候補を選定することができる。
【0049】
また、サーバ装置1は、立ち寄り施設候補選定部12選定部が選定した候補から立ち寄り施設を推定する立ち寄り施設推定部13を備えている。このようにすることにより、立ち寄り施設候補選定部12が選定した候補から搭乗者が立ち寄ったと推定される施設を1つに特定することができる。
【0050】
また、第2の範囲は、大型施設の真位置を中心とした範囲として設定されている。このようにすることにより、大型施設から距離的にバランス良く範囲を設定することができる。
【0051】
なお、上述した実施例では、第2の範囲は、大型施設の真位置を中心とした範囲として設定されていたが、第2の範囲は、過去の実績情報に基づいて任意の部分について増減させてもよい。つまり、過去の当該施設に立ち寄ったとされた駐車位置の統計情報をサーバ装置1が有し、その統計情報を実績情報として利用して第2の範囲を部分的に増減してもよい。例えば、図9に示したように、大型施設Cの第2の範囲ACについて、過去の実績情報により、図の上方部分の範囲を増加させたり(AC1)、図の右方部分の範囲を減少させたりしてもよい(AC2)。このようにすることにより、当該大型施設に立ち寄ったと推定された駐車位置が偏っている場合は、偏りに応じて、大型施設から第2の範囲の外縁までの距離を増減させることができる。したがって、立ち寄り施設の候補の選定精度を向上させることができる。
【0052】
また、第1の範囲、第2の範囲は、円形に限らない。例えば楕円や多角形等でもよいし、地図をメッシュ状に区切って1または複数のメッシュからなる範囲などとしてもよい。あるいは、大型施設の真位置や駐車位置が円等の中心でなくてもよい。例えば円等の中心を真位置等から東西南北へずらすようにしてもよい。
【0053】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の情報処理装置を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1 情報処理装置
2 データベース
11 大型施設推定部
12 立ち寄り施設候補選定部(取得部、選定部)
13 立ち寄り施設推定部
21 施設DB
22 駐車位置DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9