(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010379
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】車両イベントの動画抽出システム及び動画抽出方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/8547 20110101AFI20240117BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20240117BHJP
H04N 21/2343 20110101ALI20240117BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240117BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H04N21/8547
H04N5/92 010
H04N21/2343
H04N21/24
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111683
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健斗
(72)【発明者】
【氏名】品田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 良介
【テーマコード(参考)】
3E138
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB04
3E138MB08
3E138MB13
3E138MC12
3E138MD05
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA14
5C164FA07
5C164GA06
5C164MA02S
5C164MB13S
5C164MC06P
5C164PA31
5C164SB02P
5C164SB29S
5C164SB41P
5C164UA42S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】車載器を介して取得された動画に含まれる車両イベントに関連する動画を効率的に視聴することができる車両イベントの動画抽出システムを提供する。
【解決手段】動画データと環境情報とを関連付けて取得可能な車載端末12と、動画データと、環境情報を記録可能な記憶手段16と、任意に定めたイベント要件と環境情報とを比較して車両の動作イベントの発生タイミングを検出してイベントリストを作成し、イベントリストに基づいて動画抽出リストを作成し、記憶手段16に記録されている動画データのうち、動画抽出リストに対応する時間帯に記録されている動画データを読み出す再生処理信号を出力する演算手段18と、を備えるシステム端末14と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データと、車両に関する環境情報とを前記動画データの時刻情報に関連付けて取得可能な車載端末と、
前記動画データと、前記環境情報を記録可能な記憶手段と、任意に定めた1乃至複数のイベント要件と前記環境情報とを比較して車両の動作イベントの発生タイミングを検出して時系列にリスト化したイベントリストを作成し、前記イベントリストに基づいて、各動作イベントの発生タイミングを基点として所定の時間帯を動画再生時間とした動画抽出リストを作成し、前記記憶手段に記録されている動画データのうち、前記動画抽出リストに対応する時間帯に記録されている動画データを読み出す再生処理信号を出力する演算手段と、を備えるシステム端末と、を有することを特徴とする車両イベントの動画抽出システム。
【請求項2】
前記システム端末は、前記再生処理信号によって読み出された動画データを視認可能に表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両イベントの動画抽出システム。
【請求項3】
前記イベント要件は、前記記憶手段に記録され、前記イベント要件を書き換える事を可能にしたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両イベントの動画抽出システム。
【請求項4】
前記演算手段は、連続して検出された前記動作イベントの発生タイミングの間隔が、前記所定の時間帯よりも短い時間である場合、連続して検出された複数の前記動作イベントを1つの動画再生時間帯としてまとめる処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の車両イベントの動画抽出システム。
【請求項5】
記憶手段に記録されている動画データから車両の動作イベントに関連する動画を抽出する方法であって、
任意に定めた1乃至複数のイベント要件と、前記記憶手段に記録された環境情報とを比較して車両の動作イベントの発生タイミングを検出して時系列にリスト化するイベントリスト作成工程と、
作成されたイベントリストに基づいて、各動作イベントの発生タイミングを基点として所定の時間帯を動画再生時間としてリスト化する動画抽出リスト作成工程と、
前記記憶手段に記録されている動画データのうち、前記動画抽出リスト作成工程で作成された動画抽出リストに対応する時間帯に記録されている動画データを読み出す信号を出力する再生処理信号出力工程と、を有することを特徴とする車両イベントの動画抽出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両走行時に撮影される動画を記録するための技術に係り、特に、ドライブレコーダーなどの車載器を介して取得された動画データに含まれる車両イベントに関連する部分を抽出して再生する場合に好適な車両イベントの動画抽出システム、及び動画抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ドライブレコーダーを搭載した車両において車両イベントとは、車両に生じた衝撃等の事をさす事が多く、それらのイベントを認識し、イベント発生時の動画を再生する技術としては、特許文献1に開示されているようなものが知られている。すなわち、イベント発生時の情報をまとめたインデックスとイベント発生時に撮影された動画データとを関連付け、イベント発生時の動画データを切り出し、この切り出された動画データを個別に、あるいはイベント単位で連続的に再生するというものである。
【0003】
このような技術によれば、動画データが長時間に亙るものであったとしても、イベント発生時の動画のみを短時間で効率的に視聴する事ができる。また、動画データのファイルを転送する場合には、転送データの容量を抑制することが可能となる。
【0004】
しかし、特許文献1に開示されているような技術では、動画を取得するイベントは、予め定められたもの(例えば衝撃発生時)に限られ、任意の事項をイベントとして認識させるという事は困難である。また、転送先で動画を再生した際、切り出された動画データよりも前、あるいは後の動画も確認したいといった場合には、個別にデータを切り出して転送しなおすといった手間を要することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、車載器を介して取得された動画に含まれる車両イベントに関連する動画を効率的に視聴することができ、かつ動画を視聴する者の要望に応じてイベント認識の要件を定められる車両イベントの動画抽出システム、及び動画抽出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような特徴を有する車両イベントの動画抽出システムは、動画データと、車両に関する環境情報とを前記動画データの時刻情報に関連付けて取得可能な車載端末と、前記動画データと、前記環境情報を記録可能な記憶手段と、任意に定めた1乃至複数のイベント要件と前記環境情報とを比較して車両の動作イベントの発生タイミングを検出して時系列にリスト化したイベントリストを作成し、前記イベントリストに基づいて、各動作イベントの発生タイミングを基点として所定の時間帯を動画再生時間とした動画抽出リストを作成し、前記記憶手段に記録されている動画データのうち、前記動画抽出リストに対応する時間帯に記録されている動画データを読み出す再生処理信号を出力する演算手段と、を備えるシステム端末と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記のような特徴を有する車両イベントの動画抽出システムにおいて前記システム端末は、前記再生処理信号によって読み出された動画データを視認可能に表示する表示手段を備えるようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、抽出された動画データを視聴、確認することができる。
【0009】
また、上記のような特徴を有する車両イベントの動画抽出システムにおける前記イベント要件は、前記記憶手段に記録され、前記イベント要件を書き換える事を可能にすることもできる。このような特徴を有する事によれば、抽出される動画を所望する要件に合わせて変化させることができる。
【0010】
さらに、上記のような特徴を有する車両イベントの動画抽出システムにおいて前記演算手段は、連続して検出された前記動作イベントの発生タイミングの間隔が、前記所定の時間帯よりも短い時間である場合、連続して検出された複数の前記動作イベントを1つの動画再生時間帯としてまとめる処理を行うようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、抽出される動画全体の時間を短縮することが可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明に係る車両イベントの動画抽出方法は、記憶手段に記録されている動画データから車両の動作イベントに関連する動画を抽出する方法であって、任意に定めた1乃至複数のイベント要件と、前記記憶手段に記録された環境情報とを比較して車両の動作イベントの発生タイミングを検出して時系列にリスト化するイベントリスト作成工程と、作成されたイベントリストに基づいて、各動作イベントの発生タイミングを基点として所定の時間帯を動画再生時間としてリスト化する動画抽出リスト作成工程と、前記記憶手段に記録されている動画データのうち、前記動画抽出リスト作成工程で作成された動画抽出リストに対応する時間帯に記録されている動画データを読み出す信号を出力する再生処理信号出力工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記のような特徴を有する車両イベントの動画抽出システム、及び方法によれば、車載器を介して取得された動画に含まれる車両イベントに関連する動画を効率的に視聴することができる。また、動画を視聴する者(例えば、管理者)の要望に応じてイベント認識の要件を定めることができるため、任意のイベントに対応した動画を抽出することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る動画抽出システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】演算手段によるイベントリスト、動画抽出リストの作成の流れを説明するためのブロック図である。
【
図5】動画データに対するイベントリストの適用形態と、動画抽出リストの適用形態の違いを説明するためのイメージ図である。
【
図6】実施形態における動画抽出リストの作成に関する特徴を説明するための図である。
【
図7】実施形態に係る動画抽出システムによる動画抽出の流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の車両イベントの動画抽出システム、及び車両イベントの動画抽出方法に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上で好適な形態の一部である。よって、その効果を奏する限りにおいて構成の一部に変更を加えたとしても、本発明の一部とみなすことができる。
【0015】
[構成]
本実施形態に係る車両イベントの動画抽出システム(以下、単に動画抽出システム10と称す)は
図1に示すように、車載端末12と、システム端末14とを基本として構成されている。車載端末12は、動画データと、この動画データの時刻情報に関連付けて記録することができる環境情報を取得する役割を担う要素であり、一例としては、ドライブレコーダーを挙げることができる。ここで、環境情報とは、例えば位置情報や速度情報、加速度情報、方位情報などを基本とし、これらの情報に基づいて2次的に取得可能な情報(例えば位置情報に基づく地図データ上の現在地情報など)の他、ネットワークを介して取得可能な情報(例えば気象情報や交通規制情報、交通事故統計情報、その他各種オープンデータなど)も含まれる。なお、車載端末12は、例示した全ての環境情報のうちの少なくとも一部を取得可能なものであれば良い。また、環境情報は、必ずしも車載端末12が直接取得する必要は無く、図示しない端末(例えば高機能型携帯電話(スマートフォン)や、タブレット端末などの携帯端末)を介して間接的に取得する構成としても良い。また、環境情報のうちの一部は、詳細を後述するシステム端末14により取得されるようにしても良い。
【0016】
システム端末14は、記憶手段16、演算手段18、及び表示手段20を有する端末、あるいはこれらの各手段に準ずる機能を有する端末であれば良い。また、システム端末14は、必ずしも1つの機器により構成されている必要は無く、記憶手段16や演算手段18、及び表示手段20等の各機能を発揮できれば、複数の機器により構成されていても良い。
【0017】
このようなシステム端末14を構成する記憶手段16は、少なくとも車載端末12を介して取得された動画データや、この動画データに関連づけられた環境情報、及び詳細を後述する演算手段18によるデータ処理を行うための各種プログラムや、詳細を後述する動作イベントを分析、検出するためのイベント要件等を記録可能な要素であれば良い。具体的には、ハードディスクドライブ(HDD)や、ソリッドステートドライブ(SSD)などの大容量記憶装置の他、メモリーカードやメモリースティックなどの外部記録媒体22であっても良い。
【0018】
また、演算手段18は
図2に示すように、記憶手段16に記録されたプログラム等を介して、記憶手段16に記録された各種の環境情報を読み出し、その分析や、動作イベントの有無の判定、及び検出などを実行するための要素である。演算手段18は、例えば車両の動作イベントの発生の有無に関する分析、及び検出や、動作イベントの発生タイミングを時系列にリスト化したイベントリストの作成の他、イベントリストに基づく動画抽出リストの作成や、動画抽出リストに応じた動画データの読み出しなどの処理を行う。
【0019】
ここで、車両の動作イベントとは、車両の右左折、発進、停止、及び後退などの動作を基本とする。動作イベントの検出は、車両の位置情報や加速度情報の他、車両の操作信号(例えば、車速パルスやバックギア信号)などと、予め定めたイベント要件に基づいて動作判定を行うようにすれば良い。なお、イベント要件とは、各種信号や位置情報、加速度情報、速度情報などの組み合わせのタイミングにより、車両にどのような動作が加えられたかを判定するための任意の要件であり、管理者が予め定めることができる。また、動作イベントに車両周辺の情報との関係を含める場合には、地図情報や気象情報、交通規制情報、交通事故統計情報、その他のオープンデータや、ユーザーによる入力情報などの外部データを活用するようにしても良い。
【0020】
また、イベントリストとは、動作イベントの発生を時系列にまとめたリストである。イベントリストでは、
図3に示すように、動作イベントの発生時刻に、発生した動作イベント(イベントカテゴリ)を関連付けて記録することが望ましい。
【0021】
イベントリスト作成後に作成される動画抽出リストとは、動作イベントの発生時刻を基点とした所定の時間帯を動画再生時間とした動画の再生リストである。動画抽出リストの一例としては
図4に示すように、動作イベント毎の動画の開始時刻と終了時刻、及びその動画に含まれる動作イベントのカテゴリなどを関連付けて記録するものであれば良い。なお、各動作イベントに対する動画再生の時間帯は任意の値であり、管理者が予め定めることができる。例えば、動作イベント発生時刻を中心とした前後10秒づつ、あるいは動作イベント発生時刻の前5秒、後ろ15秒など、所望する範囲で、動画の再生タイミングや再生時間を定めるようにすれば良い。
【0022】
記憶手段16に記録された動画データに対するイベントリストと、動画抽出リストの相違について、
図5に模式図を示す。
図5によれば、イベントリストは動画の時間軸に沿って立てたフラグであり、動画抽出リストは、各フラグ毎に再生する動画の範囲を定めたものであるという違いを読み取る事ができる。
【0023】
また、
図5に示すイベントリストにおけるt
3、t
4のように動作イベントの発生タイミングが近く、それぞれの動作イベント毎に所望する時間帯を設定すると、動画再生の時間帯が重複してしまうような場合には、1つの動画再生時間帯としてまとめるようにすると良い(
図5で示す動画抽出リストでは、開始時刻t
31、終了時刻t
42で示す範囲)。動作イベント事に動画再生時間帯をそれぞれ定めた場合、時間帯が重複する部分を複数回視聴することとなってしまい、動画の再生時間が長くなってしまう(
図6:動画抽出パターンAの例)。これに対し、複数の動作イベントを1つの動画再生時間帯としてまとめることで、動画の再生時間を短縮することが可能となる(
図6:動画抽出パターンBの例)。
【0024】
演算手段18による動画データの読み出しは、記憶手段16に記録されている元の動画データから、動画抽出リストで指定された時間帯の動画を読み出すといった方式を採用する。つまり、再生する範囲の動画データのファイルを切り出して保存するといった処理を行わず、再生時間帯に対応した動画データをリンクデータとして再生したり、ストリーミング方式で再生したりすれば良い。再生時間帯に対応した動画データを直接コピー、あるいはダウンロードするといった処理を行う必要が無いため、コピーやダウンロードといった処理を行うための時間やストレージが不要となる。また、再生時間帯の前後の動画を再生したいといった要望があった場合でも、所望する時間帯を指定するだけで、対応する時間帯の動画を容易に再生することが可能となる。また、イベントリストや動画抽出リストには、イベントのカテゴリが関連付けられているため、動画抽出リストの中からさらに、特定のカテゴリのイベントに関連した動画データのみを連続して再生するといった処理も容易に行うことが可能となる。
【0025】
表示手段20は、上記のようにして読み出された動画データを視認可能に表示するための要素である。このため、表示手段20の構成や配置形態は限定されるものでは無い。すなわち、
図1に示すようにシステム端末14の一部として設けられていても良いし、別体の機器として演算手段18の再生処理信号に基づいて、記憶手段に記録された動画データを再生、表示するものであっても良い。
【0026】
[作用]
上記のような構成の動画抽出システム10では
図7に示すようにして動画の抽出を行うこととなる。まず、車載端末12によって動画データと、この動画データに関連づけられた環境情報が取得される。システム端末14は、ネットワークを介して直接、あるいはメモリーカードなどの外部記録媒体22や、図示しない通信機能を有する携帯端末を介して間接的に、車載端末12によって取得された動画データと、環境情報とを取得する(S10)。
【0027】
システム端末14の演算手段18は、記憶手段16、あるいは記憶手段16の一部としての外部記録媒体22に記録された環境情報を読み出し、イベントリストを作成する(S20)。演算手段18によりイベントリストが作成されると、このイベントリストに対応した動画抽出リストが作成される(S30)。演算手段18は、作成された動画抽出リストに対応した時間帯の動画データを再生するための再生処理信号を出力し、表示手段20を介して動画データが視聴可能に再生される(S40)。
【0028】
[効果]
このような動画抽出システム10によれば、記録された動画データが長時間に亙るものであったとしても車両に特定の動作イベントが生じた時間帯の動画データのみを効率的に視聴することが可能となる。また、特定のイベントの中から、再生したいイベントのカテゴリを指定することで、任意のカテゴリに対応したイベントが生じた時間帯の動画のみを再生することもでき、さらに効率的な動画データの視聴を行うことができる。
【0029】
また、動画を視聴する者(管理者)の要望に応じて記憶手段16に記録されたイベント認識のための要件(イベント要件)を任意に書き換えることができるため、要望に応じた動作イベントの動画を容易に抽出することができる。さらに、視聴した動画データのうち、特定の動画データの時間帯に対して、再生されていない範囲の時間帯に対応した動画データの再生も、容易に行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
上記実施形態では、動作イベントとして車両の右左折、発進、停止、及び後退などを挙げ、イベントリストでは、これらの動作イベントをカテゴリ分けしてリスト化する旨記載した。しかしながら、動作イベントは、イベント要件の設定により種々のカテゴリを増減させることができる。すなわち、環境情報の組み合わせにより、Uターンの動作や、ヘアピンなどの旋回半径(R)が小さなカーブを走行している際の動作、坂道を走行している際の動作、渋滞走行時の動作、ETCなどのチェックゲート通過時の動作、サービスエリアやパーキング立ち寄り時の動作などについて、個別にイベント要件を定め、動作イベントとしてカテゴリ分けして検出することも可能となる。
【0031】
また、システム端末14が外部のオープンデータや、提供されている交通違反分析サービスなどを取得、利用可能とすることで、車両の速度制限違反(高速道路(85km/h~100km/h)やバイパス(60km/h~80km/h)、一般道(~60km/h)などと実速度の相違)や、一時停止、や右左折の可否、進入禁止等の通行区分に関する違反等を動作イベントとして検出することも可能となる。
【0032】
さらに、イベント要件には、車両の動作以外の要件を含めることもできる。すなわち、気象情報や観光情報を取得、利用することで、晴天、雨天、曇天、雪など、特定の気象条件下での走行タイミングの他、景色が良い場所や季節などの条件に合った風景の走行タイミングを動作イベントとして検出することも可能となる。また、当然に、車両ユーザーや動画抽出システム10を管理する管理者が任意に定めたエリアや場所に到達、あるいは通過したタイミングを動作イベントとして検出することもできる。
【0033】
また、上述したように、動画抽出リストに挙げられた動画は、カテゴリ別、あるいは任意に振り分けることで、再生する動画の数を増減させることができる。このため、管理者が任意に選択した動画をダイジェストとして、新たな動画抽出リストを作成するようにしても良い。また、さらに視聴時間を短縮して動作イベント発生時の状況を把握したい場合には、イベントリストに対応した時刻の静止画、あるいはその時刻の前後数秒間隔の静止画をリスト化して再生する、タイムラプス再生を行うようにしても良い。
【0034】
また、実施形態に係るシステム端末14は、上記のように管理者が所望するかたちにカスタマイズ可能な動画抽出リストについて、任意に、あるいは自動で、ネットワーク上にアップロードすることができるようにしても良い。
【符号の説明】
【0035】
10………動画抽出システム、12………車載端末、14………システム端末、16………記憶手段、18………演算手段、20………表示手段、22………外部記録媒体。