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特開2024-1038敗血症関連障害の処置のための組成物及び方法
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  • 特開-敗血症関連障害の処置のための組成物及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001038
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】敗血症関連障害の処置のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7088 20060101AFI20231226BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231226BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20231226BHJP
【FI】
A61K31/7088
A61P31/04 ZNA
A61P43/00 111
C12N15/113 130Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023150707
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2020516703の分割
【原出願日】2018-09-20
(31)【優先権主張番号】62/562,060
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】519318030
【氏名又は名称】マンセル、ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンセル、ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】敗血症及び敗血症関連障害の処置のための組成物及び方法を提示する。
【解決手段】敗血症に至る1つ以上の経路を破壊するのに有効なヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。前記ヌクレオチドは、誘導性一酸化窒素シンターゼの発現を減少させるのに有効な一酸化窒素破壊剤であり得る。前記一酸化窒素破壊剤は、特定の47の配列のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含んでいてもよい。さらに、又は別法として、前記ヌクレオチドは、αディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素の発現を低下させるのに有効なADAM酵素阻害剤であり得る。前記ADAM酵素阻害剤は、特定の9の配列のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含んでいてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敗血症に至る1つ以上の経路を破壊するのに有効なヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記ヌクレオチドが一酸化窒素破壊剤であり、前記一酸化窒素破壊剤が誘導性一酸化窒素シンターゼの発現を少なくとも50%減少させるのに有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヌクレオチドが一酸化窒素破壊剤であり、前記一酸化窒素破壊剤が誘導性一酸化窒素シンターゼの発現を少なくとも75%減少させるのに有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ヌクレオチドがαディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素阻害剤であり、前記ADAM酵素阻害剤がADAM酵素の発現を少なくとも50%減少させるのに有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ヌクレオチドがαディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素阻害剤であり、前記ADAM酵素阻害剤がADAM酵素の発現を少なくとも75%減少させるのに有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が敗血症又は敗血症関連障害を示すものとして特徴付けされている、請求項1記載の方法。
【請求項15】
配列番号1から配列番号56のいずれかに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む組成物。
【請求項16】
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号1から配列番号47のいずれかに対して少なくとも80%の配列同一性を示す、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号1から配列番号47のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性を示す、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号48から配列番号56のいずれかに対して少なくとも80%の配列同一性を示す、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号48から配列番号56のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性を示す、請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が対象への送達のために製剤化されている、請求項15に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の参照
「Sequence_Listing_ST25.txt」という名前の配列表のASCIIテキストファイルの内容は、サイズが8.33KBで、2018年9月20日に作成され、USPTOの「EFS-Web」特許出願及び文書提出システムを介して電子的に提出されたもので、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
関連出願との相互参照
本出願は、2017年9月22日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「敗血症関連障害の処置のための組成物及び方法」と題された米国仮出願第62/562,060号の優先権を主張する。
【0003】
本開示は、敗血症及び敗血症関連障害の処置のための組成物及び方法に関する。より詳細には、本開示は、誘導性一酸化窒素シンターゼによる一酸化窒素生成の阻害及び/又はαディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素の阻害のための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
現在受け入れられている敗血症の免疫学的パラダイムは、全身性炎症経路の活性化が感染によって引き起こされるときにこの障害が存在することを示唆している。感染は、根本的な感染トリガとは無関係に伝播する免疫応答(炎症性サイトカイン及びエイコサノイド/凝固カスケード)を引き起こす。敗血症性ショック(低血圧を伴う敗血症)の死亡率は、処置にもかかわらず40~60%である。
【0005】
敗血症の患者は、頻脈、高心拍出量、低い全身血管抵抗、低酸素血症、乏尿、及び乳酸アシドーシスを特徴とする過動的状態にある。感染後、カテコールアミン、コルチゾール、及びグルカゴンの血中濃度が増加し、頻脈及び末梢血管収縮が生じる。この段階に続いて、高心拍出量と血管抵抗の減少、場合によっては血管麻痺に関連する進行性の血管拡張が生じる。これに続き、心不全が進行して心拍出量が次第に低下し、組織灌流及び酸素化の著しい障害が発生する。高血糖の存在は珍しいものではなく、循環サイトカイン及び糖調節ホルモンの影響を表している。しかしながら、進行した段階では、肝臓のグリコーゲンの枯渇と糖新生の阻害により低血糖が発生する可能性がある。肝臓及び腎臓の損傷を示す、血漿トランスアミナーゼ活性、尿素及びビリルビン濃度の顕著な増加も関連しており、乳酸アシドーシスの発生は、不十分な組織灌流及び嫌気性代謝を反映している。
【0006】
敗血症性ショックの主な要因は、シグナル伝達分子の一酸化窒素の生成である。一酸化窒素(NO)はNOシンターゼ(NOS)によって生成され、そのNOシンターゼ(NOS)は、L-アルギニンと分子酸素を基質として利用し、補酵素還元型ニコチンアミド-アデニン-ジヌクレオチドリン酸(NADPH)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、及び(6R-)5,6,7,8-テトラヒドロビオプテリン(BH())を必要とする。誘導性NOS(「iNOS」、EC 1.14.13.39、3つのNOSアイソフォームの1つ)は、細胞増殖抑制効果を発揮する大量のNOを生成する。具体的には、血圧の有害な低下は、主に血管壁で誘導されたiNOSによる過剰なNO産生に起因する。
【0007】
最近、短い(18~30bp)RNA二本鎖を培養中の哺乳類細胞に導入すると、インターフェロン応答を誘導することなく、標的mRNAの配列特異的阻害を実現できることが示された。これらの短いdsRNAのあるものは、低分子阻害RNA(「siRNA」)と呼ばれ、細胞内の標的mRNAの95%超を切断するために、サブモル濃度で触媒的に作用することができる。これらの特性により、siRNAは、敗血症又は敗血症関連障害の結果としての有害遺伝子及び遺伝子産物の過剰発現など、遺伝子の過剰発現又は異常発現によって引き起こされる疾患に対する治療薬として潜在的に有用なものとなる。
【発明の概要】
【0008】
本明細書では、いくつかの実施態様において、敗血症を引き起こす1つ以上の経路を破壊するのに有効なヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が開示されている。前記ヌクレオチドは、誘導性一酸化窒素シンターゼの発現を少なくとも50%、又は少なくとも75%減少させるのに有効な一酸化窒素破壊剤であり得る。一酸化窒素破壊剤は、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を呈するか、又は配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を呈するか、又は配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を呈するか、又は配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を呈するポリヌクレオチド鎖を含んでいてもよい。さらに、又は別法として、前記ヌクレオチドは、αディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素の発現を少なくとも50%又は少なくとも75%減少させるのに有効なADAM酵素阻害剤であり得る。ADAM酵素阻害剤は、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を呈するか、又は配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を呈するか、又は配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を呈するか、又は配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を呈するポリヌクレオチド鎖を含んでいてもよい。対象は、敗血症又は敗血症関連障害を呈するものとして特性評価され得る。
【0009】
本明細書では、いくつかの実施態様において、配列番号1から配列番号56のいずれかに対して少なくとも70%の配列同一性を呈するポリヌクレオチド鎖を含む組成物が開示されている。前記ポリヌクレオチド鎖は、配列番号1から配列番号47のいずれかに対して少なくとも80%の配列同一性、又は配列番号1から配列番号47のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性を呈し得る。さらに、又は別法として、前記ポリヌクレオチド鎖は、配列番号48から配列番号56のいずれかに対して少なくとも80%の配列同一性、又は配列番号48から配列番号56のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性を呈する。本組成物は、それを必要とする対象への送達のために製剤化され得る。
【0010】
本開示及びその利点をより完全に理解するために、添付の図面及び詳細な説明と併せて、以下の簡単な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、敗血症を引き起こす様々な細胞成分の相互作用のいくつかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、敗血症又は敗血症関連障害を有する対象を処置する方法であって、敗血症に至る細胞経路の1つ以上を破壊するオリゴヌクレオチド(総称的に、「敗血症経路破壊剤」)を対象に投与することを含む方法を開示する。
【0013】
本明細書で使用される「対象」という用語は、処置、観察、又は実験の対象である動物を指す。単なる一例として、対象は、ヒトを含むがこれに限定されない哺乳類であり得るが、限定される訳ではない。場合によって、対象は、1つ以上の病状に対する処置を受けている患者である。本明細書で使用される「処置する」、「処置している」、又は「処置」という用語は、疾患若しくは状態、又はその症状を緩和、軽減、又は改善すること、疾患若しくは状態、又はその症状を管理すること、追加の症状を予防すること、症状の根本的な代謝原因を改善又は予防すること、疾患又は状態を阻害すること、例えば、疾患又は状態の進行を阻止すること、疾患又は状態を緩和すること、疾患又は状態の退行を引き起こすこと、疾患又は状態によって引き起こされる症状を緩和すること、及び/又は疾患又は状態の症状を止めることを含む。本明細書で使用される処置はまた、本明細書の組成物の任意の医薬的又は医学的使用も包含する。
【0014】
一実施態様において、対象は、医学的状態、障害、疾患、又は機能不全の1つ以上の症状を処置、予防、及び/又は改善するのに十分な治療有効量で本明細書に開示される組成物を投与される。以下、簡単にするために、医学的状態、障害、疾患、及び機能不全という用語と互換的に使用されてきた望ましくない状態を「医学的状態」と総称する。本明細書で使用される場合、本明細書で開示されるタイプの特定組成物の投与による医学的状態の症状の改善は、本明細書で開示されるタイプの組成物の投与に起因又は関連し得る持続性又は一過性のいずれかの軽減を指す。本明細書で使用される場合、「治療有効量」とは、医学的状態の1つ以上の症状を処置、予防、及び/又は改善するのに十分な本明細書に開示の組成物の量を意味する。また、治療有効量は、業界基準及び/又は規制基準に基づいて、本明細書に開示された組成物の安全かつ許容可能な量を含み得る。当業者が理解するところによると、特定の対象について、所定の例における「治療有効量」であることが証明される量は、かかる投与量が通常の熟練した開業医によって「治療有効量」であると見なされているにしても、検討中の医学的状態について同様に処置された対象の100%に対し有効という訳ではない可能性がある。特定の個体についての治療有効量は、医学的状態の性質、医学的状態の重症度、対象の体重、対象の年齢、及び対象の全般的な健康状態などの多数の要因に応じて変化し得る。治療有効量は、対象に影響を与える特定の要因を考慮した上で、1人以上の医療専門家によって最適化され得ると考えられる。
【0015】
「遺伝子サイレンシング」という語句は、特定の遺伝子産物の発現が減少又は減弱するプロセスを指す。遺伝子サイレンシングは様々な経路で起こり得る。特に明記しない限り、本明細書で使用する場合、遺伝子サイレンシングとは、低分子阻害RNA(siRNA)が宿主タンパク質に呼応して作用することにより(例、RNA誘導サイレンシング複合体、RISC)、メッセンジャーRNA(mRNA)を配列依存的に分解する、部分的に特性評価されたものであるが、特定された経路である、RNA干渉(RNAi)に起因する遺伝子産物の発現の減少を指す。遺伝子サイレンシングのレベルは、ノーザンブロット分析、B-DNA技術、転写感受性レポータ構築物、発現プロファイリング(DNAチップなど)及び関連技術による転写物レベルの測定を含むが、これらに限定されない様々な手段によって測定され得る。別法として、特定遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルを評価することにより、サイレンシングのレベルを測定することができる。これは、ウェスタン分析、例えば蛍光特性(GFPなど)又は酵素活性(アルカリホスファターゼなど)を有するレポータタンパク質の発現レベルの測定、又は他のいくつかの手順を含む若干の試験を実施することで実現できる。
【0016】
一実施態様において、処置方法は、iNOSの産生を妨害し得るオリゴヌクレオチドを含む組成物を投与することを含む。例えば、図1は、敗血症を引き起こす可能性のある様々な細胞成分の相互作用の一部を示す。図1に示すように、iNOS 100の産生を妨害するのに有効な組成物の投与は、敗血症を引き起こす細胞経路の1つ以上を妨害する場合がある。
【0017】
一実施態様において、本明細書に開示される方法論又は組成物のいずれかを使用したiNOSの遺伝子サイレンシングは、一酸化窒素の血中濃度の低下をもたらす。例えば、いくつかの実施態様において、敗血症経路破壊剤は一酸化窒素破壊剤(NOD)である。
【0018】
一実施態様において、本明細書に開示される組成物は、iNOS遺伝子の実質的なサイレンシングをもたらし、その結果、一酸化窒素の産生の減少をもたらす。本明細書で使用される場合「実質的なサイレンシング」という用語は、導入されたNODの存在により標的対立遺伝子のmRNAが阻害及び/又は分解され、その結果、NODが存在しない場合に見られる発現レベルとの比較において標的対立遺伝子の発現が約10%~100%低減されることを意味する。一般に、対立遺伝子が実質的なサイレンシング状態にあるとき、その発現は、NODが存在しない場合と比較して、少なくとも40%、50%、60%~70%、例えば71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%~79%、一般に少なくとも80%、例えば81%~84%、少なくとも85%、例えば86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、さらには100%低減されることになる。本明細書で使用される場合「実質的に正常な活性」という用語は、NODが導入されていないときの対立遺伝子の発現レベルを意味する。本明細書に開示されるNODは、核酸又はヌクレオチドを含む。「ヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド又はそれらの修飾型、並びにそれらの類似体を指す。ヌクレオチドには、プリン、例えばアデニン、ヒポキサンチン、グアニン、及びそれらの誘導体及び類似体、並びにピリミジン、例えばシトシン、ウラシル、チミン、及びそれらの誘導体及び類似体を含む化学種が含まれる。ヌクレオチド類似体には、限定される訳ではないが、5位ピリミジン修飾、8位プリン修飾、シトシン環外アミンの修飾、及び5-ブロモウラシルの置換、及び2’-OHが、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH、NHR、NR又はCN(式中、Rはアルキル部分である)などの基で置換された糖修飾リボヌクレオチドを含むがこれらに限定されない2’位糖修飾を含む、塩基、糖及び/又はリン酸の化学構造に修飾を有するヌクレオチドが含まれる。ヌクレオチド類似体はまた、イノシン、キューオシン、キサンチンなどの塩基、2’-メチルリボースなどの糖、メチルホスホナート、ホスホロチオアート及びペプチドなどの非天然ホスホジエステル結合を有するヌクレオチドも含むことを意味するとされている。本明細書で使用される場合、「核酸」又は「核酸分子」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)などのポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成された断片、並びにライゲーション、切断、エンドヌクレアーゼ作用、及びエキソヌクレアーゼ作用のいずれかにより生成された断片を指す。核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド(DNA及びRNAなど)であるモノマー、又は天然に存在するヌクレオチドの類似体(例えば、天然に存在するヌクレオチドのα鏡像異性体)、又は両方の組み合わせで構成され得る。修飾ヌクレオチドは、糖部分及び/又はピリミジン若しくはプリン塩基部分に変化を有する可能性がある。糖修飾には、例えば、1つ以上のヒドロキシル基のハロゲン、アルキル基、アミン、及びアジド基による置換が含まれ、糖はエーテル又はエステルとして官能基化され得る。さらに、糖部分全体を、アザ糖や炭素環状糖類似体などの立体的及び電子的に類似した構造に置き換えることができる。塩基部分の修飾の例には、アルキル化プリン及びピリミジン、アシル化プリン若しくはピリミジン、又は他の周知の複素環置換が含まれる。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合又はかかる結合の類似体によって結合させることができる。ホスホジエステル結合の類似体には、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホロセレノアート、ホスホロジセレノアート、ホスホロアニロチオアート、ホスホロアニリダート、ホスホロアミダートなどが含まれる。「核酸分子」という用語には、ポリアミド骨格に結合した天然又は修飾核酸塩基を含む、いわゆる「ペプチド核酸」も含まれる。核酸は一本鎖でも二本鎖でもよい。
【0019】
一実施態様において、NODは低分子干渉RNA(siRNA)である。天然に存在するRNAi、二本鎖RNA(dsRNA)は、リボヌクレアーゼIII/ヘリカーゼタンパク質であるDicerによって、低分子干渉RNA(siRNA)分子、3’末端に2ヌクレオチド(nt)オーバーハングを伴う19~27ntのdsRNAに切断される。siRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれる多成分リボヌクレアーゼに組み込まれている。siRNAの1つの鎖はRISCと結び付いたままであり、RISCにおけるガイダーss-siRNAに相補的な配列を有する同種RNAに向かって複合体を導く。このsiRNA指向のエンドヌクレアーゼはRNAを消化し、それによりRNAを不活化する。
【0020】
本開示の一部を形成する配列表で特定されるように、配列番号1から配列番号47(すなわち、<210>1から<210>47)は、本明細書に記載されるNODのセンス鎖を表示している。したがって、本開示は、配列番号1から配列番号47のいずれかのセンス鎖及びその相補鎖を含むsiRNAの使用を企図している。一実施態様において、本開示のsiRNAは、配列番号1から配列番号47のいずれかのポリヌクレオチド及びその完全な相補体、あるいは配列番号1から配列番号47のいずれかのポリヌクレオチド及び相補鎖を含む。「相補的」という用語は、ポリヌクレオチドの互いに塩基対を形成する能力を指す。塩基対は通常、逆平行ポリヌクレオチド鎖におけるヌクレオチド単位間の水素結合によって形成される。相補的ポリヌクレオチド鎖は、ワトソン-クリック様式(例えば、AからT、AからU、CからG)、又は二本鎖の形成を可能にする他の任意の様式で塩基対合することができる。当業者が承知しているところによると、DNAではなくRNAを使用する場合、チミンではなくウラシルが、アデノシンに相補的であると考えられる塩基である。しかしながら、本開示の文脈においてUが示される場合、特に明記しない限り、Tを置換する能力が暗示される。
【0021】
完全な相補性又は100%の相補性とは、1つのポリヌクレオチド鎖の各ヌクレオチド単位が第2のポリヌクレオチド鎖のヌクレオチド単位と水素結合できる状況を指す。完全とまではいかない相補性とは、2つの鎖のすべてではないが一部のヌクレオチド単位が互いに水素結合できる状況を指す。例えば、2つの20量体について、各鎖上の2つの塩基対のみが互いに水素結合できる場合、ポリヌクレオチド鎖は10%の相補性を示す。同じ例で、各鎖の18塩基対が互いに水素結合できる場合、ポリヌクレオチド鎖は90%の相補性を示す。
【0022】
一実施態様において、NODはsiRNA、その機能的バリアント又はその組み合わせを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるsiRNAの機能的バリアントは、本明細書に開示される任意の配列と少なくとも70%、さらには少なくとも75%、さらには少なくとも80%、さらには少なくとも85%、さらには少なくとも90%、又はさらには少なくとも95%の配列同一性を含む。
【0023】
一般に、「同一性」とは、2つのオリゴヌクレオチド配列又はポリヌクレオチド配列の正確なヌクレオチド間の一致を指す。同一性パーセントについては、配列を整列させ、2つの整列させた配列間の正確な一致数をカウントし、短い方の配列の長さで割り、その結果に100を掛けることにより、2つの分子間の配列情報を直接比較することで決定することができる。Smith及びWatermanアルゴリズムに依存するBESTFIT、FASTA及びGAPプログラムなど、ウィスコンシン配列分析パッケージ、バージョン8(ウィスコンシン州マディソンのGenetics Computer Groupから入手可能)など、容易に利用可能なコンピュータープログラムを使用して分析を支援することができる。これらのプログラムは、製造元が推奨し、上記のウィスコンシン配列分析パッケージに記載されているデフォルトのパラメータで容易に利用され得る。例えば、参照配列に対する特定のヌクレオチド配列の同一性パーセントは、デフォルトのスコア表と6ヌクレオチド位置のギャップペナルティを備えたSmith及びWatermanの相同性アルゴリズムを使用して決定できる。
【0024】
別法として、相同性は、相同領域間で安定した二本鎖を形成する条件下でのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、その後の複数の場合もある一本鎖特異的ヌクレアーゼによる消化、及び消化された断片のサイズ決定によって決定され得る。実質的に相同的であるDNA配列は、特定のシステムについて定義されているように、例えばストリンジェントな条件下でのサザンハイブリダイゼーション実験で同定され得る。好適な方法論を使用して、適切なハイブリダイゼーション条件を定義してもよい。
【0025】
いくつかの実施態様において、siRNAに存在する1つ以上のヌクレオチドを修飾して、安定性の向上などの1つ以上のユーザ及び/又はプロセスの目標を達成することもある。修飾塩基とは、例えば、1つ以上の原子又は基の置換又は付加によって修飾されたアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル、キサンチン、イノシン、及びキューオシンなどのヌクレオチド塩基を指す。塩基部分に関して修飾されているヌクレオチドを含むことができる修飾のタイプのいくつかの例には、アルキル化、ハロゲン化、チオール化、アミノ化、アミド化、又はアセチル化された塩基が個別に又は組み合わせて含まれるが、これらに限定される訳ではない。より具体的な例には、例えば、5-プロピニルウリジン、5-プロピニルシチジン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、N、N、-ジメチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-プロピルグアニン、2-アミノアデニン、1-メチルイノシン、3-メチルウリジン、5-メチルシチジン、5-メチルウリジン及び5位に修飾を有する他のヌクレオチド、5-(2-アミノ)プロピルウリジン、5-ハロシチジン、5-ハロウリジン、4-アセチルシチジン、1-メチルアデノシン、2-メチルアデノシン、3-メチルシチジン、6-メチルウリジン、2-メチルグアノシン、7-メチルグアノシン、2,2-ジメチルグアノシン、5-メチルアミノエチルウリジン、5-メチルオキシウリジン、7-デアザアデノシンなどのデアザヌクレオチド、6-アゾウリジン、6-アゾシチジン、6-アゾチミジン、5-メチル-2-チオウリジン、2-チオウリジン及び4-チオウリジン及び2-チオシチジンなどの他のチオ塩基、ジヒドロウリジン、プソイドウリジン、キューオシン、アルカエオシン、ナフチル及び置換ナフチル基、任意のO-アルキル化及びN-アルキル化プリン及びピリミジン、例えばN6-メチルアデノシン、5-メチルカルボニルメチルウリジン、ウリジン5-オキシ酢酸、ピリジン-4-オン、ピリジン-2-オン、フェニル及び修飾フェニル基、例えばアミノフェノール又は2,4,6-トリメトキシベンゼン、Gクランプヌクレオチドとして作用する修飾シトシン、8-置換アデニン及びグアニン、5-置換ウラシル及びチミン、アザピリミジン、カルボキシヒドロキシアルキルヌクレオチド、カルボキシアルキルアミノアルキルヌクレオチド、及びアルキルカルボニルアルキル化ヌクレオチドが含まれる。修飾ヌクレオチドには、糖部分に関して修飾されているヌクレオチド、及びリボシルではない糖又はその類似体を有するヌクレオチドも含まれる。例えば、糖部分は、マンノース、アラビノース、グルコピラノース、ガラクトピラノース、4’-チオリボース、及び他の糖、複素環、又は炭素環であり得、又はこれらに基づいてもよい。ヌクレオチドという用語はまた、当技術分野でユニバーサル塩基として知られているものを含むことを意味するものとする。例として、ユニバーサル塩基には、3-ニトロピロール、5-ニトロムドール、又はネブラリンが含まれるが、これらに限定される訳ではない。「ヌクレオチド」という用語はまた、リボシル3’酸素のアミン基による置換から生じるN3’~P5’ホスホルアミダートを含むことを意味するものとする。さらに、ヌクレオチドという用語には、例えば放射性部分又は蛍光部分などの検出可能な標識、又はヌクレオチドに結合させた質量標識を有する化学種も含まれる。
【0026】
理論に制限されることを望むものではないが、本明細書に開示されるタイプのNODの利用により、iNOS mRNAの効率的な転写は減少し、ガイド鎖mRNAの翻訳に向けた有効な動きが低減され、iNOS及びそれに続く一酸化窒素を生成するmRNAの効率的な翻訳は妨げられる。
【0027】
さらに、又は別法として、一実施態様において、処置方法は、αディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素、特にADAM 17(同義語:CD156b;cSVP;MGC71942;TACE)を阻害する可能性があるオリゴヌクレオチドを含む組成物を投与することを含む。例えば、いくつかの実施態様において、敗血症経路破壊剤はADAM 17の阻害剤であり、以後A17阻害剤(「A17I」)と称す。A17Iは、ADAM 17の活性のダウンレギュレーション又は低下をもたらす材料である。ADAM 17は、アダマリシンタンパク質ファミリーに属するZn2+依存性のモジュラー細胞表面タンパク質であるADAM酵素ファミリーの一員である。それらは、ADAM-TS(トロンボスポンジンドメインを有するADAM)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、ヘビ毒メタロプロテイナーゼ(SVMP)などの他の金属酵素と密接に関連している。ADAMの構造は、クラスIIIのヘビ毒金属酵素又はレプロリジンによく似ており、多くのADAM酵素機能の基礎を形成している。ADAM-17は1997年に発見され、2つの研究グループが同時に、膜結合腫瘍壊死因子(TNF)-α前駆体を可溶型にして放出する酵素として報告した。TNFαは炎症過程において重要であるため、この発見は意義深いものであった。ADAM-17は824アミノ酸のタンパク質(受入れ番号NM_003183)として説明されており、その遺伝子は染色体2p25に位置している。ADAM-17は、脳、心臓、腎臓、骨格筋などの様々な組織で広く発現しており、その発現は胚の発達及び成人期に変化する。ADAM-17は、シグナル配列(1~17アミノ酸(aa))で始まり、その後にプロドメイン(18~214aa)、典型的なHEXXHXXGXXH(Xは任意のアミノ酸残基)配列を伴う金属酵素又は触媒ドメイン(215~473aa)、αジスインテグリンドメイン(474~572aa)、システインに富むドメイン(603~671aa)、それに続く膜貫通ドメイン(672~694aa)及び細胞質尾部(695~824aa)を含むマルチドメインタンパク質である。ADAM-17の最もよく知られている機能は、様々な膜貫通タンパク質のエクトドメインを切断することである。EGFRリガンド、TNFαやその受容体TNFRIなどの炎症性サイトカイン、接着分子及びアミロイド前駆体タンパク質といった異なる機能を有するタンパク質は、エクトドメインシェディングによってプロセッシングされ得る。
【0028】
ADAM17又はその遺伝子産物のダウンレギュレーションの程度は、適切なアッセイを使用して決定され得る。適切なアッセイには、例えば、ドットブロット、ノーザンブロット、in situハイブリダイゼーション、ELISA、マイクロアレイハイブリダイゼーション、免疫沈降、酵素機能、及び当業者に知られている表現型アッセイなどの任意の適切な技術を使用したタンパク質又はmRNAレベルの検査が含まれるが、これらに限定される訳ではない。遺伝子サイレンシングの程度を調べるために、試験試料(例えば、複数の場合もある標的遺伝子を発現する興味の対象である生物からの生物試料又は複数の場合もある標的遺伝子を発現する培養中の細胞の試料)を、前記の複数の場合もある標的遺伝子の発現をサイレンシング、低減、又は阻害するA17Iと接触させる。試験試料における標的遺伝子の発現を、A17Iと接触させていない対照試料(例えば、標的遺伝子を発現する興味の対象である生物からの生物試料又は標的遺伝子を発現する培養中の細胞の試料)における標的遺伝子の発現と比較する。対照試料(すなわち、標的遺伝子を発現する試料)には100%の値を割り当てる。一実施態様において、対照試料に対する試験試料の試験値が約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、又は10%である場合、標的遺伝子の発現の実質的なサイレンシング、阻害、ダウンレギュレーション又は低減が達成されている。
【0029】
一実施態様において、A17IはマイクロRNA(miRNA、miR)である。miRは、遺伝子発現を調節する一般に長さが21~23ヌクレオチドである一本鎖RNA分子を指す。マイクロRNAは、pri-miRNAとして知られる一次転写物から、前駆体(pre)-miRNAと呼ばれる短いステムループ構造、そして最終的に機能的な成熟マイクロRNAまでプロセッシングされる。成熟マイクロRNA分子は、1つ以上のメッセンジャーRNA分子に部分的に相補的であり、それらの主な機能はRNAi経路を介した遺伝子発現のダウンレギュレーションである。
【0030】
一実施態様において、A17Iは低分子干渉RNA(siRNA)である。自然に生じるRNAiでは、二本鎖RNA(dsRNA)は、リボヌクレアーゼIII/ヘリカーゼタンパク質であるDicerによって、低分子干渉RNA(siRNA)分子、3’末端に2ヌクレオチド(nt)オーバーハングを伴う19~27ntのdsRNAに切断される。siRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれる多成分リボヌクレアーゼに組み込まれ得る。siRNAの1つの鎖はRISCと結び付いたままであり、RISCにおけるガイダーss-siRNAに相補的な配列を有する同種RNAに向かって複合体を導く。このsiRNA指向のエンドヌクレアーゼはRNAを消化し、それによりRNAを不活化する。RISC、siRNA分子、及びRNAiのこれらの特徴及びその他の特徴は既に述べられている。
【0031】
一実施態様において、A17Iはアンチセンスオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、相補的な標的に結合し、その標的の機能を抑制する合成核酸である。通常、ASOは、RNA標的、特にメッセンジャーRNA(mRNA)又はマイクロRNA(miRNA)種の発現を低減又は変更するために使用される。一般的な原則として、ASOは、1)ASOが標的核酸に堅固に結合し、その化学種を不活化する立体遮断により、細胞生物学におけるその関与を防ぐこと、又は2)ASOが標的に結合し、標的核酸種を分解する細胞性ヌクレアーゼの活性化をもたらす分解をトリガすることを含む、2つの異なる作用機序を介して遺伝子発現を抑制することができる。「標的分解」ASOの1つのクラスは「リボヌクレアーゼH活性」であり、標的RNAとDNA含有「リボヌクレアーゼH活性」ASOとのハイブリダイゼーションによるヘテロ二本鎖核酸の形成により、酵素リボヌクレアーゼHの基質が形成される。リボヌクレアーゼHはヘテロ二本鎖分子のRNA部分を分解し、それによりその種の発現を低減させる。標的RNAの分解によりASOが放出されるが、ASOは分解されておらず、その後自由に再循環し、同じ配列の別のRNA標的に結合することができる。
【0032】
一実施態様において、A17Iは、マイクロRNA、siRNA、ASO、iRNA、iRNA剤、shRNA、それらの機能的バリアント又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドの機能的バリアントは、本明細書に開示される任意の配列と少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を含む。一般に、「同一性」とは、2つのオリゴヌクレオチド配列又はポリヌクレオチド配列の正確なヌクレオチド間の一致を指す。同一性パーセントについては、配列を整列させ、2つの整列させた配列間の正確な一致数をカウントし、短い方の配列の長さで割り、その結果に100を掛けることにより、2つの分子間の配列情報を直接比較することで決定することができる。Smith及びWatermanアルゴリズムに依存するBESTFIT、FASTA及びGAPプログラムなど、ウィスコンシン配列分析パッケージ、バージョン8(ウィスコンシン州マディソンのGenetics Computer Groupから入手可能)など、容易に利用可能なコンピュータープログラムを使用して分析を支援することができる。これらのプログラムは、製造元が推奨し、上記のウィスコンシン配列分析パッケージに記載されているデフォルトのパラメータで容易に利用され得る。例えば、参照配列に対する特定のヌクレオチド配列の同一性パーセントは、デフォルトのスコア表と6ヌクレオチド位置のギャップペナルティを備えたSmith及びWatermanの相同性アルゴリズムを使用して決定できる。
【0033】
別法として、相同性は、相同領域間で安定した二本鎖を形成する条件下でのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、その後の複数の場合もある一本鎖特異的ヌクレアーゼによる消化、及び消化された断片のサイズ決定によって決定され得る。実質的に相同的であるDNA配列は、特定のシステムについて定義されているように、例えばストリンジェントな条件下でのサザンハイブリダイゼーション実験で同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を定義することは、当技術分野の技能の範囲内である。
【0034】
本開示の一部を形成する配列表で特定されるように、配列番号48から配列番号56(すなわち、<210>48から<210>56)は、本明細書に記載のA17Iを表示している。一実施態様において、A17Iは、配列番号48から配列番号56のいずれか1つを有するオリゴヌクレオチド、あるいはその機能的バリアントを含む。いくつかの実施態様において、本開示での使用に適したA17Iは、本明細書で開示される任意の配列と少なくとも70%、さらには少なくとも75%、さらには少なくとも80%、さらには少なくとも85%、さらには少なくとも90%又はさらには少なくとも95%の配列同一性を含む。
【0035】
一実施態様において、A17Iは、約20%から約90%の修飾又は約40%から約60%の修飾を有する。
【0036】
一実施態様において、本開示の敗血症経路破壊剤は、対象への投与のための製剤の成分に含有されるか、又はその成分を含んでもよい。本明細書で使用される「製剤」という用語は、当技術分野で一般に受け入れられている意味を指し、例えば、ヒトなど、細胞や対象への全身投与又は局所投与などの投与に適した形態である、医薬的に許容し得る担体又は希釈剤中などの組成物を指す。適切な形態は、部分的には、用法、又は例えば経口、経皮、吸入、又は注射による投入経路により異なる。かかる形態は、製剤が標的細胞(すなわち、核酸が送達されるのに望ましい細胞)に到達することを妨げるべきではない。例えば、血流に注射される組成物は可溶性であるべきである。他の要因には、組成物又は製剤がその効果を発揮するのを妨げる毒性や形態などの考慮事項が含まれる。
【0037】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、敗血症又は敗血症関連障害に罹患している対象への投与のために製剤化され得る。敗血症経路破壊剤の製剤及び送達経路の選択は、患者の受容性、敗血症経路破壊剤の特性(その溶解度など)、疾患部位へのアクセス、又は特定の疾患への対処における有効性によって左右される可能性がある。
【0038】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、経口経路を介した投与用に製剤化され得る。例えば、一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、例えば生理食塩水と混合した後、注射により送達される。
【0039】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、肺送達を介した投与用に製剤化され得る。肺送達は、エアロゾル、定量吸入器システム(MDI)、粉末(乾燥粉末吸入器、DPI)、及び溶液(ネブライザー)を介した、様々な方法で行うことが可能であり、これらはすべて、リポソーム、ミセル、ナノ粒子及びデンドリマーなどのナノ構造を含み得る。肺送達は、薬物を全身的に送達するための実行可能な選択肢である。
【0040】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、経皮投与用に製剤化され得る。経皮送達は、胃腸の刺激、代謝、送達速度の変動及び食物の存在による妨害などの問題を回避する。経皮送達は、意識不明の患者にも適している。この技術は一般に非侵襲的で審美的に許容し得るものであり、数日間にわたって局所送達を実現するために使用することができる。
【0041】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、非経口投与用に製剤化され得る。経組織及び局所送達システムは、全身性の投与関連毒性を最小限に抑えながら、薬理効果を高める可能性がある。経組織送達システムには、in situで形成され、切除された組織に付着し、薬物、タンパク質又は遺伝子エンコードアデノウイルスを放出する薬物装填ゼラチン状ゲル、標的組織上で、その組織へのサイトカインの浸透を防ぐことができる、バリアを形成する抗体固定ゼラチン状ゲル(サイトカインバリア)、遺伝子導入された口腔粘膜上皮細胞(OMEC)移植シートを含む細胞ベースの送達、指向性のある送達用デバイス-切除部位に取り付けることができる充電式薬物注入デバイスが含まれる。
【0042】
敗血症経路破壊剤が細胞内に送達されると、核エレメント、細胞質エレメント、及びリボソームエレメントの構成成分との親和性動態により、敗血症及び敗血症関連障害の発生の低減及び強度の減少におけるそれらの有効性が決定されることになる。
【0043】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は化学的に合成され得る。オリゴヌクレオチド(例えば、ある特定の修飾オリゴヌクレオチド又はリボヌクレオチドを欠くオリゴヌクレオチドの部分)は、例えば、Caruthersら、1992、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology)、211、3~19、Thompsonら、国際公開第99/54459号、Wincottら、1995、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.)23、2677~2684、Wincottら、1997、メソッズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Methods Mol.Bio.)、74、59、Brennanら、1998、バイオテクノロジー・アンド・バイオエンジニアリング(Biotechnol Bioeng.)61、33~45、及びBrennan、米国特許第6,001,311号に記載されているように、当業界で既知のプロトコルを用いて合成されることもある。オリゴヌクレオチドの合成では、5’末端のジメトキシトリチルや3’末端のホスホルアミダイトなど、一般的な核酸保護基及びカップリング基を使用する。
【0044】
別法として、敗血症経路破壊剤は、DNAベクター又はRNAベクターに挿入された転写物を介して発現及び送達され得る。組換えベクターは、DNAプラスミド又はウイルスベクターであり得る。敗血症経路破壊剤発現ウイルスベクターの非限定的な例は、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、又はアルファウイルスに基づいて構築することができる。
【0045】
いくつかの実施態様において、pol IIIベースの構築物は、敗血症経路破壊剤を発現させるために使用される。siNA分子配列の転写は、真核生物のRNAポリメラーゼI(pol I)、RNAポリメラーゼII(pol II)、又はRNAポリメラーゼIII(pol III)のプロモータから推進され得る(例えば、Thompson、米国特許第5,902,880号及び第6,146,886号参照)。pol IIプロモータ又はpol IIIプロモータからの転写物は高レベルで発現されることがある。所定の細胞型における所定のpol IIプロモータのレベルは、近くに存在する遺伝子調節配列(エンハンサー、サイレンサーなど)の性質に左右される。原核生物RNAポリメラーゼ酵素が適切な細胞で発現されるならば、原核生物RNAポリメラーゼプロモータも使用され得る。これらの具体例としての転写ユニットについては、限定される訳ではないが、プラスミドDNAベクター、ウイルスDNAベクター(アデノウイルスベクター又はアデノ随伴ウイルスベクターなど)、又はウイルスRNAベクター(レトロウイルスベクター又はアルファウイルスベクターなど)を含む、哺乳類細胞に導入するための様々なベクターに組み込むことができる。
【0046】
本開示の敗血症経路破壊剤を発現するために使用されるベクターは、siNA二本鎖の一方又は両方の鎖、又はsiRNA二本鎖に自己ハイブリダイズする単一の自己相補鎖をコードすることができる。本開示の敗血症経路破壊剤をコードする核酸配列を、敗血症経路破壊剤の発現を可能にする方法で機能し得るように結合させることができる。いくつかの実施態様において、敗血症経路破壊剤を含む構築物は、レポータ遺伝子(例えば、緑色蛍光タンパク質)及び選択遺伝子(例えば、抗生物質耐性について)をさらに含んでいてもよい。
【0047】
一実施態様において、担体系は、例えば送達のために敗血症経路破壊剤を含んでもよい。本明細書に開示される送達基剤の1つ以上と配合された敗血症経路破壊剤は、パッケージ化敗血症経路破壊剤」と呼ばれる場合がある。本開示の核酸分子の製剤化に適した送達基剤の非限定的な例には、脂質ナノ粒子(例えば、Sempleら、2010、ネイチャー・バイオテクノロジー(Nat Biotechnol.)、2月、28(2):172~6参照)、P糖タンパク質阻害剤(Pluronic P85など)、持続放出送達のためのポリ(DL-ラクチド-コグリコリド)ミクロスフェアなどの生分解性ポリマー(Emerich、D Fら、1990、セル・トランスプランテーション(Cell Transplant)、8、47~58)、及びポリブチルシアノアクリラートで作られたナノ粒子などの装填ナノ粒子が含まれる。本開示の核酸分子の送達戦略の他の非限定的な例には、Boadoら、1998、ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシーズ(J.Pharm.Sci.)、87、1308-1315、Tylerら、1999、FEBSレターズ(FEBS Lett.)、421、280~284、Partridgeら、1995、米国科学アカデミー紀要(PNAS USA.)、92、5592~5596、Boado、1995、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ(Adv.Drug Delivery Rev.)、15、73~107、Aldrian-Herradaら、1998、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.)、26、4910~4916、及びTylerら、1999、米国科学アカデミー紀要(PNAS USA.)、96、7053~7058に記載の材料が含まれる。パッケージ化敗血症経路破壊剤は、任意の適切な方法論(例えば、標的分子とのコンジュゲーション)を使用して、パッケージ化の修飾(例えば)により生物学的利用能などの特性を改善するためにさらに修飾され得る。
【0048】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、キットの構成要素であり得、医薬組成物として製剤化され得る。例えば、敗血症経路破壊剤は、ミセル溶液、小胞及び液晶の分散液並びに直径10~400nmの小粒子からなるナノ粒子分散液などのコロイド薬物担体系に配合されていることもある。
【0049】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、リポソーム又はニオソームに配合されてもよい。リポソームは、多数、少数、又はただ1つのリン脂質二重層で構成される小胞の一形態である。リポソームコアの極性により、極性薬物分子をカプセル化することが可能である。両親媒性分子及び親油性分子は、リン脂質に対する親和性によって、リン脂質二重層内で可溶化される。二重層形成におけるリン脂質ではなく非イオン性界面活性剤の関与により、ニオソームがもたらされる。本明細書に開示されるタイプのsiRNA(すなわち、敗血症経路破壊剤)は、サイズ選択フィルターとして作用し、イオン、栄養素及び抗生物質などの小溶質の受動拡散のみを可能にする、小胞膜の疎水性ドメイン内で活性を失うことなく組み込まれ得る。したがって、敗血症経路破壊剤は、ナノケージにカプセル化され得、タンパク質分解酵素による時期尚早の分解から効果的に保護される。
【0050】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤はデンドリマーに配合されてもよい。デンドリマーは、対称構造を有するナノメートルサイズの高度に分岐した単分散高分子である。デンドリマーは、中央コア、分岐ユニット、及び末端官能基で構成されている。コアは内部ユニットと一緒になって、ナノキャビティの環境を決定し、結果としてそれらの可溶化特性を決定するが、外部の基はこれらのポリマーの溶解性と化学的挙動を決定する。デンドリマーの外表面に標的化リガンドを結合させると、標的化の有効性が影響を受けるが、ポリエチレングリコール鎖(PEG)によるデンドリマーの官能基化により、単核食細胞系(MPS)からの安定性と保護が達成されている。
【0051】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、液晶に配合されてもよい。液晶は、液体と固体の両状態の特性を兼ね備えている。液晶は、薬物水溶液を含むことができる代替の極性層及び非極性層(すなわち、層状相)を伴う、異なる幾何学形状を形成するように作製され得る。
【0052】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤はナノ粒子に配合されてもよい。ナノ粒子(サイズが10~200nmのナノスフェアとナノカプセルを含む)は固体状態であり、非晶質又は結晶性のいずれかである。ナノ粒子は薬物を吸着及び/又はカプセル化することができ、したがって化学的及び酵素的分解から薬物を保護する。ナノカプセルは、薬物が独特なポリマー膜に囲まれた空洞に閉じ込められている小胞系であり、ナノスフェアは薬物を物理的かつ均一に分散させているマトリックス系である。薬物担体としてのナノ粒子は、生分解性ポリマーと非生分解性ポリマーの両方から形成され得る。近年、生分解性ポリマーナノ粒子は、遺伝子治療におけるDNAの担体として、特定の臓器/組織を標的とする場合の薬物の制御放出における適用性、及び経口経路によりタンパク質、ペプチド及び遺伝子を送達する能力といった観点で、潜在的な送達デバイスとして大きな注目を集めている。
【0053】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤はハイドロゲルに配合されてもよい。ハイドロゲルは、大量の水又は生体液を吸収することができる、三次元の親水性ポリマーネットワークである。前記ネットワークはホモポリマー又はコポリマーで構成され、化学的架橋(結合点、ジャンクション)、又は絡み合いや微結晶などの物理的架橋が存在するため不溶性である。ハイドロゲルは水と熱力学的に適合しているため、水性媒質中で膨潤する。ハイドロゲルは、リザーバに基づく制御放出系での薬物放出を調節するために、又は膨潤性及び膨潤制御放出型デバイスの担体として使用される。制御型送達の最前線では、環境インテリジェント性及び刺激感受性ゲル系としてのハイドロゲルは、pH、温度、イオン強度、電場、又は特定の被検体濃度の違いに応じて放出を調節する。これらの系において、放出は、体の特定の領域内(例えば、消化管のある特定のpH内)又は特定の部位(ハイドロゲル表面から繋がれた鎖を介した接着性又は細胞受容体に特異的なゲル)を介して行われるように設計され得る。送達系としてのハイドロゲルは、分子インプリンティングの技術と組み合わせると、非常に有望な材料になることができる。
【0054】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、細胞膜を通って治療化合物を移動させること、薬物動態を変更すること、及び/又は本開示の核酸分子の局在化を調節することにより治療活性を付与することができる、与えられたコンジュゲート又は複合体の一成分であり得る。例えば、コンジュゲートは、敗血症経路破壊剤に共有結合できるポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。結合されたPEGは、例えば約100~約50,000ダルトン(Da)の任意の分子量であり得る。
【0055】
一実施態様において、敗血症経路破壊剤は、ポリ(エチレングリコール)脂質を含む表面修飾リポソーム(PEG修飾、又は長時間循環リポソーム、又はステルスリポソーム)及び敗血症経路破壊剤を含む組成物又は製剤の一成分であり得る。いくつかの実施態様において、敗血症経路破壊剤はまた、ポリエチレンイミン及びその誘導体、例えばポリエチレンイミン-ポリエチレングリコール-N-アセチルガラクトサミン(PEI-PEG-GAL)又はポリエチレンイミン-ポリエチレングリコール-トリ-N-アセチルガラクトサミン(PEI-PEG-triGAL)誘導体を用いて製剤化又は複合体形成され得る。
【0056】
一実施態様において、製剤は追加の成分を含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「追加の成分」には、以下のもの、すなわち賦形剤、表面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味料、香料、着色剤、保存料、ゼラチンなどの生理学的に分解可能な組成物、水性の基剤及び溶媒、油性の基剤及び溶媒、懸濁剤、分散剤又は湿潤剤、乳化剤、粘滑薬、緩衝液、塩、増粘剤、増量剤、乳化剤、酸化防止剤、抗生物質、抗真菌剤、安定剤、並びに医薬的に許容し得るポリマー又は疎水性材料のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定される訳ではない。
【0057】
一実施態様において、敗血症又は敗血症関連障害を有する対象を処置する方法は、処置を必要とする対象に、本明細書に開示されているタイプの敗血症経路破壊剤を投与することを含む。例えば、処置を必要とする対象は、敗血症又は敗血症関連障害を呈する場合がある。敗血症又は敗血症関連障害の臨床症状は、全身血管抵抗が低い低血圧を示す対象において観察され得る。正常な血行動態から敗血症状態への動向に対し、又は敗血症若しくは敗血症関連障害を伴う臨床症状を呈するリスクが高いと評価されている人に対し、本明細書に開示されているタイプの敗血症経路破壊剤の負荷投与又はボーラス投与を伴うか又は伴わずに連続注入を施すことができる。本明細書に開示されているNODを含む敗血症経路破壊剤の投与により、新しい内皮誘導性一酸化窒素シンターゼ酵素の生成の低下又は停止がもたらされ、一酸化窒素の生成の低減及びその結果として起こる血管拡張作用がもたらされ得る。さらに、又は別法として、本明細書に開示されるA17Iを含む敗血症経路破壊剤の投与は、ADAM 17の活性のダウンレギュレーション又は低下をもたらし得る。様々な実施態様において、本開示の方法は、敗血症又は敗血症関連障害を経験している対象への本明細書に開示されているタイプの敗血症経路破壊剤の有効量の投与を含むものであり、有利には前記対象は、組織灌流と酸素化が改善され、内因性及び投与カテコールアミン注入の必要性が減少し、心拍出量に対する要求が低減された全身血管抵抗の正常化を経験することになり得る。
図1
【配列表】
2024001038000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の方法、および組成物:
[1]
敗血症に至る1つ以上の経路を破壊するのに有効なヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法;
[[2]]
前記ヌクレオチドが一酸化窒素破壊剤であり、前記一酸化窒素破壊剤が誘導性一酸化窒素シンターゼの発現を少なくとも50%減少させるのに有効である、[1]に記載の方法;
[3]
前記ヌクレオチドが一酸化窒素破壊剤であり、前記一酸化窒素破壊剤が誘導性一酸化窒素シンターゼの発現を少なくとも75%減少させるのに有効である、[1]に記載の方法;
[4]
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[2]に記載の方法;
[5]
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[2]に記載の方法;
[6]
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[2]に記載の方法;
[7]
前記一酸化窒素破壊剤が、配列番号1から配列番号47のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[2]に記載の方法;
[8]
前記ヌクレオチドがαディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素阻害剤であり、前記ADAM酵素阻害剤がADAM酵素の発現を少なくとも50%減少させるのに有効である、[1]に記載の方法;
[9]
前記ヌクレオチドがαディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAM)酵素阻害剤であり、前記ADAM酵素阻害剤がADAM酵素の発現を少なくとも75%減少させるのに有効である、[1]に記載の方法;
[10]
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[8]に記載の方法;
[11]
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[8]に記載の方法;
[12]
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[8]に記載の方法;
[13]
前記ADAM酵素阻害剤が、配列番号48から配列番号56のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む、[8]に記載の方法;
[14]
前記対象が敗血症又は敗血症関連障害を示すものとして特徴付けされている、[1]記載の方法;
[15]
配列番号1から配列番号56のいずれかに対して少なくとも70%の配列同一性を示すポリヌクレオチド鎖を含む組成物;
[16]
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号1から配列番号47のいずれかに対して少なくとも80%の配列同一性を示す、[15]に記載の組成物;
[17]
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号1から配列番号47のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性を示す、[15]に記載の組成物;
[18]
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号48から配列番号56のいずれかに対して少なくとも80%の配列同一性を示す、[15]に記載の組成物;
[19]
前記ポリヌクレオチド鎖が、配列番号48から配列番号56のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性を示す、[15]に記載の組成物;または
[20]
前記組成物が対象への送達のために製剤化されている、[15]に記載の組成物。

[その他]本補正は、出願当初の特許請求の範囲の記載に基づきます。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
2024001038000001.xml
【外国語明細書】