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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103831
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】風呂蓋及び風呂システム
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/06 20060101AFI20240726BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
A61H33/06 A
A47K3/00 B
A61H33/06 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007745
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕康
【テーマコード(参考)】
2D005
4C094
【Fターム(参考)】
2D005BA02
2D005BB01
2D005BC03
2D005CA01
4C094AA01
4C094BB18
4C094BC01
4C094EE02
4C094GG04
(57)【要約】
【課題】本発明は、取り扱いが容易で利便性に優れたドライサウナ浴を実現できる風呂蓋を提供する。また、本発明は、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる風呂システムを提供する。
【解決手段】風呂蓋1は、浴槽6の上面に載置される風呂蓋1であって、内部空間を有する筐体10と、筐体10の外部から内部空間に水蒸気を導入する水蒸気導入口20と、内部空間に導入された水蒸気の熱を蓄熱し、少なくとも筐体10の下面から放熱可能な蓄熱部50と、内部空間において熱を奪われた水蒸気が液化してなるドレンを筐体10の外部に排出するドレン排出口50と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の上面に載置される風呂蓋であって、
内部空間を有する筐体と、
前記筐体の外部から前記内部空間に水蒸気を導入する水蒸気導入口と、
前記内部空間に導入された水蒸気の熱を蓄熱し、少なくとも前記筐体の下面から放熱可能な蓄熱部と、
前記内部空間において熱を奪われた水蒸気が液化してなるドレンを前記筐体の前記外部に排出するドレン排出口と、
を備えていることを特徴とする風呂蓋。
【請求項2】
前記筐体は、複数の分割筐体を直列に連結することによって構成され、
各前記分割筐体は、分割内部空間を有し、
前記内部空間は、連結された各前記分割筐体の各前記分割内部空間によって構成され、
前記水蒸気導入口は、各前記分割筐体の1つに設けられ、
前記蓄熱部は、各前記分割筐体の少なくとも1つに設けられ、
前記ドレン排出口は、各前記分割筐体の少なくとも1つに設けられ、
各前記分割筐体が連結することにより各前記分割筐体に設けられた複数の分配路が連通してなり、前記水蒸気導入口から導入された水蒸気を、前記蓄熱部が設けられた各前記分割筐体の各前記分割内部空間に分配する水蒸気分配路と、
各前記分割筐体が連結することにより各前記分割筐体に設けられた複数の送出路が連通してなり、前記蓄熱部が設けられた各前記分割筐体の各前記分割内部空間から前記ドレンを前記ドレン排出口に送出するドレン送出路と、
をさらに備えている請求項1記載の風呂蓋。
【請求項3】
前記筐体は、複数の分割筐体を直列に連結することによって構成され、
前記筐体は、互いに連結された各前記分割筐体によって形成された1つの前記内部空間を有し、
前記水蒸気導入口は、各前記分割筐体の1つに設けられ、
前記蓄熱部は、各前記分割筐体の少なくとも1つに設けられ、
前記ドレン排出口は、各前記分割筐体の少なくとも1つに設けられている請求項1記載の風呂蓋。
【請求項4】
前記蓄熱部は、前記筐体の前記下面から放熱可能な第1蓄熱部と、
前記筐体の上面から放熱可能な第2蓄熱部と、
を有している請求項1記載の風呂蓋。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の風呂蓋と、
前記浴槽と、
水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
前記浴槽内に設けられ、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記浴槽内に放出する水蒸気放出口と、
一端が前記水蒸気放出口に接続可能であり、他端が前記浴槽内で前記風呂蓋の前記水蒸気導入口に接続可能な接続管と、
を備えていることを特徴とする風呂システム。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の風呂蓋と、
前記浴槽と、
水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
前記浴槽内に設けられ、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記浴槽内に放出する水蒸気放出口と、
前記水蒸気発生装置と水蒸気放出口とを連通させる連通管の途中に設けられた切替手段と、
一端が前記切替手段に接続され、他端が前記風呂蓋の前記水蒸気導入口に接続可能な分岐管と、
を備え、
前記切替手段は、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記水蒸気放出口のみに導く第1状態と、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記分岐管のみに導く第2状態と、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記水蒸気放出口と前記分岐管とに導く第3状態と、のうちの少なくとも前記第1状態と前記第2状態とに切り替わるように構成されていることを特徴とする風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風呂蓋及び風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の風呂蓋の一例が開示されている。この風呂蓋は、内部に配置されたPCT面状発熱体と、PCT面状発熱体に電力を供給する電源部及び電源コードと、を備えている。
【0003】
この風呂蓋は、入浴者の体が浴槽内にあって入浴者の頭部が浴槽よりも上方に位置する状態で、浴槽の上面に載置される。そして、PCT面状発熱体が電力を供給されて発熱し、その熱によって浴槽内の空気が加熱されることで、入浴者がドライサウナ浴を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-178793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の風呂蓋は、PCT面状発熱体、電源部及び電源コードからの漏電が発生しないように注意する必要があり、取り扱いが難しく利便性に劣っているという問題がある。
【0006】
また、上記従来の風呂蓋を利用する入浴者は、スチームサウナ浴を行うことができない。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、取り扱いが容易で利便性に優れたドライサウナ浴を実現できる風呂蓋を提供することを解決すべき課題としている。また、本発明は、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる風呂システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の風呂蓋は、浴槽の上面に載置される風呂蓋であって、
内部空間を有する筐体と、
前記筐体の外部から前記内部空間に水蒸気を導入する水蒸気導入口と、
前記内部空間に導入された水蒸気の熱を蓄熱し、少なくとも前記筐体の下面から放熱可能な蓄熱部と、
前記内部空間において熱を奪われた水蒸気が液化してなるドレンを前記筐体の前記外部に排出するドレン排出口と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の風呂蓋は、入浴者の体が浴槽内にあって入浴者の頭部が浴槽よりも上方に位置する状態で、浴槽の上面に載置される。そして、筐体の外部から水蒸気導入口を経由して内部空間に水蒸気が導入されることで、蓄熱部がその水蒸気の熱を蓄熱し、少なくとも筐体の下面から放熱する。この際、内部空間において熱を奪われた水蒸気が液化してなるドレンは、ドレン排出口を経由して筐体の外部に排出されるので、ドレンが蓄熱部による蓄熱及び放熱を阻害し難い。
【0010】
その結果、筐体の下面から放熱される熱によって浴槽内の空気が加熱されることで、入浴者がドライサウナ浴を行うことができる。
【0011】
また、この風呂蓋は、上記従来の風呂蓋に係るPCT面状発熱体、電源部及び電源コードが存在しないことにより漏電に対する配慮が不要であり、構成を簡素化できる。
【0012】
したがって、本発明の風呂蓋は、取り扱いが容易で利便性に優れたドライサウナ浴を実現できる。
【0013】
筐体は、複数の分割筐体を直列に連結することによって構成されることが望ましい。各分割筐体は、分割内部空間を有していることが望ましい。内部空間は、連結された各分割筐体の各分割内部空間によって構成されていることが望ましい。水蒸気導入口は、各分割筐体の1つに設けられていることが望ましい。蓄熱部は、各分割筐体の少なくとも1つに設けられていることが望ましい。ドレン排出口は、各分割筐体の少なくとも1つに設けられていることが望ましい。そして、各分割筐体が連結することにより各分割筐体に設けられた複数の分配路が連通してなり、水蒸気導入口から導入された水蒸気を、蓄熱部が設けられた各分割筐体の各分割内部空間に分配する水蒸気分配路と、各分割筐体が連結することにより各分割筐体に設けられた複数の送出路が連通してなり、蓄熱部が設けられた各分割筐体の各分割内部空間からドレンをドレン排出口に送出するドレン送出路と、をさらに備えていることが望ましい。
【0014】
この場合、風呂蓋の筐体を複数の分割筐体にばらすことにより、風呂蓋の持ち運びや保管が容易になる。また、この場合、連結する分割筐体の数を増減させたり、連結方向の長さが異なる複数種類の分割筐体のうちの任意の一つを適宜選択したりすることにより、利用する浴槽のサイズに応じて風呂蓋の長さを容易に変更できる。
【0015】
筐体は、複数の分割筐体を直列に連結することによって構成されることが望ましい。筐体は、互いに連結された各分割筐体によって形成された1つの内部空間を有していることが望ましい。水蒸気導入口は、各分割筐体の1つに設けられていることが望ましい。蓄熱部は、各分割筐体の少なくとも1つに設けられていることが望ましい。そして、ドレン排出口は、各分割筐体の少なくとも1つに設けられていることが望ましい。
【0016】
この場合、風呂蓋の筐体を複数の分割筐体にばらすことにより、風呂蓋の持ち運びや保管が容易になる。また、この場合、連結する分割筐体の数を増減させたり、連結方向の長さが異なる複数種類の分割筐体のうちの任意の一つを適宜選択したりすることにより、利用する浴槽のサイズに応じて風呂蓋の長さを容易に変更できる。さらに、この場合、各分割筐体の内部構成を簡素化できる。
【0017】
蓄熱部は、筐体の下面から放熱可能な第1蓄熱部と、筐体の上面から放熱可能な第2蓄熱部と、を有していることが望ましい。
【0018】
この場合、風呂蓋よりも上方の空気も加熱できるので、入浴者がドライサウナ浴を効果的に行うことができる。また、この場合、浴室や浴槽の清掃後に換気しながら風呂蓋の内部空間に水蒸気を導入し、浴槽内の空気と、風呂蓋よりも上方の空気とを加熱することで、浴室や浴槽を乾燥させるための所要時間を短縮できる。
【0019】
本発明の風呂システムは、本発明の風呂蓋と、
前記浴槽と、
水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
前記浴槽内に設けられ、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記浴槽内に放出する水蒸気放出口と、
一端が前記水蒸気放出口に接続可能であり、他端が前記浴槽内で前記風呂蓋の前記水蒸気導入口に接続可能な接続管と、
を備えていることを特徴とする。
【0020】
本発明の風呂システムにおいて、水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を水蒸気放出口から放出させることでスチームサウナ浴を実現でき、接続管を用いて水蒸気放出口と水蒸気導入口とを連通させることで、ドライサウナ浴を実現できる。
【0021】
したがって、本発明の風呂システムは、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる。
【0022】
本発明の別の風呂システムは、本発明の風呂蓋と、
前記浴槽と、
水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
前記浴槽内に設けられ、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記浴槽内に放出する水蒸気放出口と、
前記水蒸気発生装置と水蒸気放出口とを連通させる連通管の途中に設けられた切替手段と、
一端が前記切替手段に接続され、他端が前記風呂蓋の前記水蒸気導入口に接続可能な分岐管と、
を備え、
前記切替手段は、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記水蒸気放出口のみに導く第1状態と、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記分岐管のみに導く第2状態と、前記水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を前記水蒸気放出口と前記分岐管とに導く第3状態と、のうちの少なくとも前記第1状態と前記第2状態とに切り替わるように構成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の風呂システムは、切替手段が第1状態に切り替わることで、水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を水蒸気放出口のみから放出させてスチームサウナ浴を実現できる。切替手段が第2状態に切り替わることで、水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を分岐管のみに供給し、水蒸気導入口に導入させてドライサウナ浴を実現できる。
【0024】
したがって、本発明の風呂システムは、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の風呂蓋によれば、取り扱いが容易で利便性に優れたドライサウナ浴を実現できる。また、本発明の風呂システムによれば、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施例1の風呂蓋を備える実施例1の風呂システムの模式図である。
図2図2は、実施例1の風呂蓋を利用して行うスチームサウナ浴を説明する模式図である。
図3図3は、実施例1の風呂蓋を利用して行うドライサウナ浴を説明する模式図である。
図4図4は、実施例1の風呂蓋を示す上面図である。
図5図5は、実施例1の風呂蓋の各分割筐体をばらした状態を示す上面図である。
図6図6は、実施例1の風呂蓋の各分割筐体をばらした状態を示す部分断面図である。
図7図7は、図6のA-A断面及びB-B断面を示す断面図である。
図8図8は、実施例2の風呂蓋に係り、図7と同様の断面を示す断面図である。
図9図9は、実施例3の風呂システムの部分模式図である。
図10図10は、実施例4の風呂蓋を示す上面図である。
図11図11は、実施例4の風呂蓋を構成する分割筐体の一つを示す斜視図である。
図12図12は、図11の矢視Z方向から見た分割筐体の一つを示す斜視図である。
図13図13は、実施例4の風呂蓋を構成する分割筐体の別の一つを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施例1~4について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の風呂システム100は、本発明の風呂システムの具体的態様の一例である。図1図3に示すように、実施例1の風呂蓋1は、本発明の風呂蓋の具体的態様の一例であり、風呂システム100に備えられている。風呂システム100は、以下に説明するように、風呂蓋1を利用することにより、図2に示すスチームサウナ浴と、図3に示すドライサウナ浴と、を実現できる。
【0029】
<風呂システムの構成>
図1に示すように、風呂システム100は、住宅H1に適用されている。住宅H1には、浴室R1が設けられている。風呂システム100は、浴室R1内に設けられた浴槽6と、住宅H1に設置された給湯装置90及び水蒸気発生装置80と、を備えている。浴室R1には、浴室リモコン99、換気装置85、混合水栓5及びシャワー5Aが設置されている。
【0030】
<浴槽>
浴槽6の側壁における上下方向の中間部には、風呂循環アダプタ6Aが固定されている。風呂循環アダプタ6Aは、浴槽6内に設けられた給湯口兼水蒸気放出口6N及び吸入口6Hを有している。給湯口兼水蒸気放出口6Nは、本発明の「水蒸気放出口」の一例である。
【0031】
給湯口兼水蒸気放出口6Nは、浴槽6内に向かって円筒状に突出するノズルである。風呂循環アダプタ6Aにおける給湯口兼水蒸気放出口6Nの周囲は、後述する接続管CP1の接続カプラを避けるようにえぐられている。吸入口6Hは、給湯口兼水蒸気放出口6Nよりも下方に位置し、フィルタによって覆われている。
【0032】
<給湯装置>
給湯装置90は、周知の構成であるので説明を簡略するが、図示しないガスバーナ、熱交換器及び循環ポンプ等を有している。ガスバーナは、都市ガス等の燃料ガスを燃焼させて、高温の燃焼ガスを生成する。給湯装置90は、水道等から供給される水を熱交換器内で流通させ、ガスバーナが生成する燃焼ガスとの間で熱交換を行わせることでその水を加熱し、出湯する。
【0033】
給湯装置90は、出湯管P5、浴槽往き配管P1及び浴槽戻り配管P3を有している。出湯管P5は、混合水栓5に接続されている。浴槽往き配管P1は、風呂循環アダプタ6Aの給湯口兼水蒸気放出口6Nに接続されている。浴槽戻り配管P3は、風呂循環アダプタ6Aの吸入口6Hに接続されている。
【0034】
給湯装置90は、出湯管P5を経由して、混合水栓5及びシャワー5Aに湯水を供給する。また、給湯装置90は、浴槽往き配管P1を経由して、給湯口兼水蒸気放出口6Nから浴槽6内に湯水を供給する。
【0035】
さらに、給湯装置90は、浴槽6内に自動で湯はりを行う自動湯はり運転、浴槽6内に足し湯を行う足し湯運転、浴槽6内に足し水を行う足し水運転を実行可能である。
【0036】
また、給湯装置90は、図示しない循環ポンプによって、浴槽6と、浴槽戻り配管P3と、熱交換器と、浴槽往き配管P1との間で湯水を循環させながらガスバーナによって加熱する追い焚き運転を実行可能である。
【0037】
給湯装置90は、制御部91を有している。制御部91は、図示しないCPUと、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成された記憶部91Mと、インターフェース回路等と、を含んで構成された電子回路ユニットである。制御部91は、給湯装置90のガスバーナ、熱交換器、循環ポンプ等の動作に関する制御処理を実行する。また、制御部91は、水蒸気発生装置80を制御する。
【0038】
記憶部91Mは、給湯装置90及び水蒸気発生装置80を動作させるための各種プログラム及び設定情報等を記憶している。また、記憶部91Mは、給湯装置90等の動作中において制御部91が取得する各種情報を適宜記憶する。
【0039】
給湯装置90は、水位センサ93を有している。水位センサ93は、浴槽戻り配管P3を経由して浴槽6と接続する内部配管内の圧力を測定する圧力センサを含み、浴槽6の水位を検出する。制御部91は、水位センサ93の検出結果に基づいて、自動湯はり運転等において浴槽6の水位を管理する。
【0040】
<浴室リモコン>
浴室リモコン99は、浴室R1の内壁に設置されている。浴室リモコン99は、周知の構成であるので説明を簡略するが、給湯装置90の制御部91と有線通信可能に接続されている。浴室リモコン99は、入力部99A及び表示部99Bを有している。
【0041】
浴室リモコン99は、入浴者B1が入力部99Aに対して行う操作を制御部91に伝達して給湯装置90を遠隔操作する。また、浴室リモコン99は、給湯装置90から伝達される運転状況や設定情報等の各種情報を表示部99Bによって表示する。さらに、浴室リモコン99は、制御部91を経由して、水蒸気発生装置80を遠隔操作したり、水蒸気発生装置80についての各種情報を表示したりすることもできる。
【0042】
<換気装置>
換気装置85は、浴室R1の天井に設置されている。換気装置85は、周知の構成であるので説明を簡略するが、換気ファン及び可変ダンパによって浴室R1の空気を住宅H1の外部に排出することで、浴室R1内を換気する。
【0043】
<水蒸気発生装置>
水蒸気発生装置80は、周知の構成であるので説明を簡略するが、圧力容器、電気ヒータ、蒸気バルブ、過圧防止安全弁等を有する電気式蒸気ボイラである。水蒸気発生装置80は、浴槽往き配管P1の途中に設置されている。なお、水蒸気発生装置80は、給湯装置90に内蔵された構成としてもよい。
【0044】
浴槽往き配管P1における水蒸気発生装置80よりも上流に位置する部分は、上流連通管P1Aである。上流連通管P1Aは、給湯装置90と水蒸気発生装置80とを連通させている。
【0045】
浴槽往き配管P1における水蒸気発生装置80よりも下流に位置する部分は、下流連通管P1Bである。下流連通管P1Bは、水蒸気発生装置80と給湯口兼水蒸気放出口6Nとを連通させている。下流連通管P1Bは、本発明の「連通管」の一例である。
【0046】
水蒸気発生装置80は、給湯装置90の制御部91と有線通信可能に接続されている。入浴者B1は、浴室リモコン99の入力部99Aを操作して水蒸気発生装置80の作動及び停止を遠隔制御できる。
【0047】
水蒸気発生装置80は停止した状態で、浴槽往き配管P1の上流連通管P1Aと下流連通管P1Bとを直に連通させる。これにより、給湯装置90から浴槽往き配管P1に流入する湯水は、水蒸気発生装置80を素通りして、給湯口兼水蒸気放出口6Nから浴槽6内に供給される。
【0048】
水蒸気発生装置80は作動することにより、浴槽往き配管P1の上流連通管P1Aと下流連通管P1Bとを分断する。水蒸気発生装置80は、給湯装置90から浴槽往き配管P1の上流連通管P1Aに流入する湯水を圧力容器内に適宜導入し、圧力容器内に貯留された湯水の水位を所定の水位に維持する。そして、水蒸気発生装置80は、電気ヒータによって圧力容器内の湯水を加熱することで水蒸気を発生させ、圧力容器内の圧力を適正に管理しつつ蒸気バルブを開放する。これにより、図2に示すように、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気は、浴槽往き配管P1の下流連通管P1Bを流通し、給湯口兼水蒸気放出口6Nから浴槽6内に放出される。
【0049】
<風呂蓋>
図2図4に示すように、風呂蓋1は、複数の分割筐体11を直列に連結することによって構成される筐体10を備えている。風呂蓋1は、図2及び図3に示すように、入浴者B1の体が浴槽6内にあって入浴者B1の頭部が浴槽6よりも上方に位置する状態で浴槽6の上面に載置されたり、図4に示すように、入浴者B1がいない状態で浴槽6の上面に載置されたりすることにより、浴槽6内の湯水及び雰囲気の温度低下を抑制する。図2に示すように、浴槽6内の雰囲気には、給湯口兼水蒸気放出口6Nから浴槽6内に放出される水蒸気が含まれる。
【0050】
図1及び図5に示すように、筐体10を複数の分割筐体11にばらすことにより、風呂蓋1を浴槽6内で持ち運んだり、浴槽6内の壁際に置いて保管したり、浴槽6外に運び出して保管したりすることができる。
【0051】
以下、風呂蓋1の具体的構成について説明する。複数の分割筐体11が直列に連結する方向を連結方向とする。連結方向の一方は、図2図6の紙面左側である。連結方向の他方は、図2図6の紙面右側である。連結方向に直交して水平に延びる方向を幅方向とする。
【0052】
風呂蓋1において、各分割筐体11は、図6及び図7に示す底壁12及び側壁13A、13Bと、図6に示す隔壁14C、14Dと、図7に示す上壁15と、を有している。
【0053】
底壁12は、上面視略矩形板状の樹脂成形品である。底壁12の下面は平坦面である。側壁13A、13B、隔壁14C、14D及び上壁15は一体であり、下面側が開放された箱形状の樹脂成形品である。
【0054】
上壁15は、底壁12と整合する上面視略矩形板状である。側壁13Aは、上壁15における幅方向の一端縁に接続している。側壁13Bは、上壁15における幅方向の他端縁に接続している。側壁13A、13Bはそれぞれ、下向きに突出し、かつ連結方向に延びている。側壁13A、13Bの下端縁は、底壁12における幅方向の一端縁及び他端縁に接合されている。
【0055】
隔壁14Cは、上壁15における連結方向の一端縁に接続している。隔壁14Dは、上壁15における連結方向の他端縁に接続している。隔壁14C、14Dはそれぞれ、下向きに突出し、かつ幅方向に延びている。隔壁14C、14Dの下端縁は、底壁12における連結方向の一端縁及び他端縁に接合されている。
【0056】
図6及び図7に示すように、各分割筐体11は、底壁12、側壁13A、13B、隔壁14C、14D及び上壁15によって区画された分割内部空間11Aを有している。筐体10の内部空間は、連結された各分割筐体11の各分割内部空間11Aによって、構成されている。
【0057】
図5及び図6に示すように、各分割筐体11のうち、連結方向の最も一方に位置する分割筐体11(11S)は、エンドカバー11Cを一体に有している。以下、分割筐体11(11S)を「最一方側分割筐体11S」ということもある。エンドカバー11Cは、最一方側分割筐体11Sの隔壁14Cに接合されている。
【0058】
図5に示すように、各分割筐体11における隔壁14D側には、2つの係合部16が設けられている。各係合部16は、幅方向において互いに離間している。
【0059】
最一方側分割筐体11Sを除く各分割筐体11における隔壁14C側には、2つの被係合部17が設けられている。各被係合部17は、幅方向において互いに離間している。
【0060】
図4に示すように、筐体10は、各係合部16が各被係合部17に係合することによって各分割筐体11が連結された状態を維持する。
【0061】
各分割筐体11のうち、最一方側分割筐体11Sから連結方向の他方に最も離れた分割筐体11は、各係合部16がエンドカバー19に係合することにより、エンドカバー19と連結されている。エンドカバー19には、入浴者B1の頭部を浴槽6よりも上方に位置させ易くするための凹みが形成されている。
【0062】
図5に示すように、風呂蓋1は、複数の蓄熱部60をさらに備えている。蓄熱部60は、各分割筐体11に2つずつ設けられている。
【0063】
図6及び図7に示すように、各蓄熱部60は、輻射熱を発生し易い材質を有するセラミック板である。なお、各蓄熱部60として、輻射熱を発生し易い塗料等によるコーティングを表面に施した金属板等を採用することもできる。
【0064】
図6に示すように、各蓄熱部60は上面視略矩形状であり、底壁12の上面側に貼り付けられている。図7に示すように、各蓄熱部60の上面は、幅方向の内側から外側に向かって下り傾斜し、分割内部空間11Aに露出している。
【0065】
底壁12の上面のうち、幅方向において互いに離間する2つの蓄熱部60の間に位置する部分は、各蓄熱部60の上面の傾斜上端と高さが等しい平坦面である。
【0066】
底壁12の上面のうち、幅方向において互いに離間する2つの蓄熱部60よりも幅方向の外側に位置する部分は、各蓄熱部60の上面の傾斜下端と高さが等しい平坦面である。
【0067】
風呂蓋1は、図2図6に示す水蒸気導入口20と、図4に示す水蒸気分配路30と、図4図6に示す一対のドレン排出口50と、図4に示す一対のドレン送出路40と、をさらに備えている。
【0068】
図2及び図6に示すように、水蒸気導入口20は、各分割筐体11の1つに、すなわち最一方側分割筐体11Sに設けられている。水蒸気導入口20は、最一方側分割筐体11Sの底壁12における隔壁14Cに近い部分を貫通する円筒管であり、底壁12から下向きに円筒状に突出している。
【0069】
図4に示すように、水蒸気分配路30は、各分割筐体11が連結することにより各分割筐体11に設けられた複数の分配路31が連通してなる。
【0070】
図6及び図7に示すように、最一方側分割筐体11Sの分配路31(31S)は、主分配路32(32S)及び一対の副分配路33を有している。
【0071】
図6に示すように、主分配路32(32S)における連結方向の一端は、分割内部空間11Aにおいて、水蒸気導入口20の上端と接続している。主分配路32(32S)は、連結方向の他方に向かって延びている。主分配路32(32S)における連結方向の他端は、隔壁14Dを貫通し、最一方側分割筐体11Sの外部に開いている。
【0072】
図6及び図7に示すように、一対の副分配路33は、分割内部空間11Aにおける連結方向の中央で主分配路32(32S)から分岐している。一対の副分配路33は、互いに離間するように幅方向の外側に向かって短く突出し、各蓄熱部60の上面よりも上方において開いている。
【0073】
最一方側分割筐体11Sを除く各分割筐体11の分配路31は、主分配路32及び一対の副分配路33を有している。
【0074】
図6に示すように、主分配路32における連結方向の一端は、隔壁14Cを貫通し、隔壁14Cから連結方向の一方に向かって円筒状に突出している。主分配路32は、連結方向の他方に向かって延びている。主分配路32における連結方向の他端は、隔壁14Dを貫通し、分割筐体11の外部に開いている。
【0075】
図6及び図7に示すように、一対の副分配路33は、分割内部空間11Aにおける連結方向の中央で主分配路32から分岐している。一対の副分配路33は、互いに離間するように幅方向の外側に向かって短く突出し、各蓄熱部60の上面よりも上方において開いている。
【0076】
図4に示すように、各分割筐体11が連結すると、各分割筐体11に設けられた各分配路31の主分配路32における連結方向の一端は、隣り合う各分割筐体11に設けられた各分配路31の主分配路32における連結方向の他端に嵌入する。その結果、各主分配路32が直列に連通し、水蒸気分配路30が構成される。
【0077】
図6に示すように、一対のドレン排出口50は、各分割筐体11の少なくとも1つに、すなわち最一方側分割筐体11Sに設けられている。一対のドレン排出口50は、最一方側分割筐体11Sの側壁13A、13Bにおける隔壁14Cに近い部分、かつ筐体10の下面に近い部分を貫通している。
【0078】
図4に示すように、一対のドレン送出路40は、各分割筐体11が連結することにより各分割筐体11に設けられた複数の送出路41が連通してなる。
【0079】
図6及び図7に示すように、最一方側分割筐体11Sは、一対の送出路41(41S)を有している。一対の送出路41(41S)は、底壁12の上面のうち、幅方向において互いに離間する2つの蓄熱部60よりも幅方向の外側に位置する平坦面から下向きに凹み、かつ連結方向に延びる溝である。一対の送出路41(41S)における連結方向の一端は、分割内部空間11Aにおいて、一対のドレン排出口50に接続している。一対の送出路41(41S)は、連結方向の他方に向かって延びている。一対の送出路41(41S)における連結方向の他端は、隔壁14Dを貫通し、最一方側分割筐体11Sの外部に開いている。
【0080】
最一方側分割筐体11Sを除く各分割筐体11は、一対の送出路41を有している。一対の送出路41は、底壁12の上面のうち、幅方向において互いに離間する2つの蓄熱部60よりも幅方向の外側に位置する平坦面から下向きに凹み、かつ連結方向に延びる溝である。一対の送出路41における連結方向の一端は、隔壁14Cを貫通し、連結方向の一方に向かって円筒状に突出している。一対の送出路41は、連結方向の他方に向かって延びている。一対の送出路41における連結方向の他端は、隔壁14Dを貫通し、分割筐体11の外部に開いている。
【0081】
図4に示すように、各分割筐体11が連結すると、各分割筐体11に設けられた一対の送出路41における連結方向の一端は、隣り合う各分割筐体11に設けられた一対の送出路41における連結方向の他端に嵌入する。その結果、一対の送出路41がそれぞれ直列に連通し、一対のドレン送出路40が構成される。
【0082】
図3に示すように、風呂システム100は、接続管CP1を備えている。接続管CP1は、可撓性を有する耐熱チューブの一端及び他端に接続カプラが設けられてなる。
【0083】
接続管CP1の一端は、給湯口兼水蒸気放出口6Nに接続可能である。風呂蓋1が浴槽6の上面に載置された状態で、接続管CP1の他端は、浴槽6内で風呂蓋1の水蒸気導入口20に接続可能である。
【0084】
接続管CP1が給湯口兼水蒸気放出口6Nと水蒸気導入口20を連通させる状態で水蒸気発生装置80が作動することにより、水蒸気導入口20は、筐体10の外部から最一方側分割筐体11Sの分割内部空間11Aに水蒸気を導入する。
【0085】
図4及び図7に示すように、水蒸気分配路30は、水蒸気導入口20から導入された水蒸気を各分割内部空間11Aに分配する。各蓄熱部60は、各分割内部空間11Aに導入された水蒸気の熱を蓄熱する。そして、各蓄熱部60は、筐体10の下面から放熱可能である。各分割内部空間11Aにおいて、各蓄熱部60に熱を奪われた水蒸気は、液化してドレンになる。
【0086】
ドレンは、各蓄熱部60の上面の傾斜に沿って流れて、一対のドレン送出路40に流入する。一対のドレン送出路40は、各分割内部空間11Aからドレンをドレン排出口50に送出する。ドレン排出口50は、ドレンを筐体10の外部に排出する。
【0087】
<作用効果>
実施例1の風呂システム100は、以下に説明するように、実施例1の風呂蓋1を利用し、図2に示すスチームサウナ浴を実現でき、また、図3に示すドライサウナ浴を実現できる。
【0088】
図2に示すように、入浴者B1がスチームサウナ浴を行う場合、入浴者B1の体が浴槽6内にあって入浴者B1の頭部が浴槽6よりも上方に位置する状態で、風呂蓋1が浴槽6の上面に載置されるが、接続管CP1は使用しない。
【0089】
そして、入浴者B1は、浴室リモコン99を操作して水蒸気発生装置80を作動させる。これにより、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気は、給湯口兼水蒸気放出口6Nから浴槽6内に放出され、入浴者B1がスチームサウナ浴を行うことができる。この際、入浴者B1は、浴槽6に浅い水位で湯を貯留し、湯と水蒸気とで体を温めることもできる。
【0090】
図3に示すように、入浴者B1がドライサウナ浴を行う場合、入浴者B1の体が浴槽6内にあって入浴者B1の頭部が浴槽6よりも上方に位置する状態で、風呂蓋1が浴槽6の上面に載置されるとともに、接続管CP1が給湯口兼水蒸気放出口6Nと水蒸気導入口20を連通させる状態とする。
【0091】
そして、入浴者B1は、浴室リモコン99を操作して水蒸気発生装置80を作動させる。これにより、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気は、給湯口兼水蒸気放出口6N及び接続管CP1を経由し、水蒸気導入口20及び水蒸気分配路30によって各分割内部空間11Aに導入され、分配される。
【0092】
これにより、各蓄熱部60がその水蒸気の熱を蓄熱し、筐体10の下面から放熱する。この際、各分割内部空間11Aにおいて熱を奪われた水蒸気が液化してなるドレンは、一対のドレン送出路40及び一対のドレン排出口50を経由して筐体10の外部に排出されるので、ドレンが各蓄熱部60による蓄熱及び放熱を阻害し難い。
【0093】
その結果、筐体10の下面から放熱される熱によって浴槽6内の空気が加熱されることで、入浴者B1がドライサウナ浴を行うことができる。この際、入浴者B1は、浴槽6に浅い水位で湯を貯留し、湯と各蓄熱部60による放熱とで体を温めることもできる。
【0094】
また、この風呂蓋1は、上記従来の風呂蓋に係るPCT面状発熱体、電源部及び電源コードが存在しないことにより漏電に対する配慮が不要であり、構成を簡素化できる。
【0095】
したがって、実施例1の風呂蓋1は、取り扱いが容易で利便性に優れたドライサウナ浴を実現できる。また、実施例1の風呂システム100は、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる。
【0096】
また、この風呂蓋1は、図5に示すように、筐体10を複数の分割筐体11にばらすことにより、風呂蓋1の持ち運びや保管が容易になる。また、この風呂蓋1は、連結する分割筐体11の数を増減させたり、連結方向の長さが異なる複数種類の分割筐体11のうちの任意の一つを適宜選択したりすることにより、利用する浴槽6のサイズに応じて風呂蓋1の長さを容易に変更できる。
【0097】
(実施例2)
図8に示すように、実施例2の風呂蓋2は、実施例1に係る蓄熱部60の代わりに、蓄熱部260を採用している。
【0098】
実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0099】
蓄熱部260は、実施例1に係る複数の蓄熱部60と同一構成である複数の第1蓄熱部261を有している。各第1蓄熱部261は、筐体10の下面から放熱可能である。
【0100】
また、蓄熱部260は、複数の第2蓄熱部262を有している。第2蓄熱部262は、各分割筐体11の上壁15の下面に2つずつ貼り付けられている。各第2蓄熱部262の下面は、各分割内部空間11Aに露出している。第2蓄熱部262は、筐体10の上面から放熱可能である。
【0101】
実施例2の風呂蓋2は、第1蓄熱部261によって風呂蓋2よりも下方の空気を加熱できるだけでなく、第2蓄熱部262によって風呂蓋2よりも上方の空気も加熱できるので、入浴者B1がドライサウナ浴を効果的に行うことができる。また、この構成により、浴室R1や浴槽6の清掃後に換気装置85を作動させて換気しながら風呂蓋2の各分割内部空間11Aに水蒸気を導入し、浴槽6内の空気と、風呂蓋2よりも上方の空気とを加熱することで、浴室や浴槽6を乾燥させるための所要時間を短縮できる。
【0102】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3の風呂システム300は、風呂蓋3、浴槽6、給湯装置90、水蒸気発生装置80、給湯口兼水蒸気放出口6N、切替手段FS1及び分岐管BP1を備えている。
【0103】
風呂蓋3は、実施例1に係る風呂蓋1の水蒸気導入口20を筐体10の上面側に移設して水蒸気導入口320としただけである。浴槽6、給湯装置90、水蒸気発生装置80及び給湯口兼水蒸気放出口6Nは、実施例1と同じである。
【0104】
切替手段FS1は、浴槽往き配管P1の下流連通管P1Bの途中に設けられている。分岐管BP1の一端は、切替手段FS1に接続されている。分岐管BP1の他端は接続カプラを有し、浴槽6外で風呂蓋3の水蒸気導入口320に接続可能である。
【0105】
切替手段FS1は、第1状態、第2状態及び第3状態のうちの少なくとも第1状態と第2状態とに切り替わるように構成されている。本実施例では、切替手段FS1は、第1状態と第2状態と第3状態とに切り替わる。
【0106】
切替手段FS1は、第1状態において、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気を給湯口兼水蒸気放出口6Nのみに導く。
【0107】
切替手段FS1は、第2状態において、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気を分岐管BP1のみに導く。
【0108】
切替手段FS1は、第3状態において、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気を給湯口兼水蒸気放出口6Nと分岐管BP1とに導く。
【0109】
実施例3のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0110】
実施例3の風呂システム300は、切替手段FS1が第1状態に切り替わることで、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気を給湯口兼水蒸気放出口6Nのみから放出させてスチームサウナ浴を実現できる。
【0111】
また、風呂システム300は、切替手段FS1が第2状態に切り替わることで、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気を分岐管BP1のみに供給し、水蒸気導入口320に導入させてドライサウナ浴を実現できる。
【0112】
さらに、風呂システム300は、切替手段FS1が第3状態に切り替わることで、水蒸気発生装置80で発生させた水蒸気を給湯口兼水蒸気放出口6Nから放出させるとともに水蒸気導入口320に導入させて、スチームサウナ浴にて風呂蓋3側から入浴者B1を温めることができ、入浴者B1の快適性をさらに向上させることができる。
【0113】
したがって、実施例3の風呂システム300は、簡素な構成で、スチームサウナ浴とドライサウナ浴とを実現でき、ユーザの快適性の向上を実現できる。
【0114】
(実施例4)
図10図13に示すように、実施例4の風呂蓋4は、複数の分割筐体411を直列に連結することによって構成される筐体410を備えている。
【0115】
図10に示すように、各分割筐体411のうち、連結方向の最も一方に位置する分割筐体411は分割筐体411(411S)である。以下、分割筐体411(411S)を「最一方側分割筐体411S」ということもある。連結方向の最も他方に位置する分割筐体411は、分割筐体411(411T)である。以下、分割筐体411(411T)を「最他方側分割筐体411T」ということもある。各分割筐体411のうち、最一方側分割筐体411S及び最他方側分割筐体411Tを除く2つの分割筐体411は、分割筐体411(411U)である。以下、分割筐体411(411U)を「中間分割筐体411U」ということもある。
【0116】
図11及び図12に示すように、各中間分割筐体411Uは、連結方向の一方及び他方が開放され、かつ上下方向の長さが幅方向の長さよりも大幅に小さい扁平な角筒形状である。
【0117】
各中間分割筐体411Uにおける連結方向の一方の開口縁は、隣り合う分割筐体411における連結方向の他方の開口縁に嵌入可能である。各中間分割筐体411Uの下壁の上面には、蓄熱部460が貼り付けられている。
【0118】
図10及び図13に示すように、最一方側分割筐体411Sは、中間分割筐体411Uにおける連結方向の一方が隔壁411Cによって塞がれるように変更している。
【0119】
風呂蓋4は、水蒸気導入口420を備えている。水蒸気導入口420は、最一方側分割筐体411Sの隔壁411Cにおける幅方向の中央に設けられ、連結方向の一方に向かって円筒状に突出している。水蒸気導入口420には、実施例1に係る接続管CP1の他端、又は実施例3に係る分岐管BP1の他端を接続可能である。
【0120】
図10に示すように、最他方側分割筐体411Tは、中間分割筐体411Uにおける連結方向の他方が隔壁411Dによって塞がれるように変更している。
【0121】
筐体410は、互いに連結された各分割筐体411(411S、411U、411U、411T)によって形成された1つの内部空間410Aを有している。
【0122】
図10及び図13に示すように、風呂蓋4は、一対のドレン排出口450を備えている。一対のドレン排出口450は、最一方側分割筐体411Sの隔壁411Cにおける幅方向の外側かつ下側の角部の近傍を貫通している。
【0123】
図10図11及び図12に示すように、風呂蓋4は、ドレンをドレン排出口450に送出する一対のドレン送出路440を備えている。一対のドレン送出路440は、各分割筐体411(411S、411U、411U、411T)が連結することにより各分割筐体411に設けられた複数の送出路441が連通してなる。
【0124】
各送出路441は、各分割筐体411の底壁の上面のうち、蓄熱部460よりも幅方向の外側に位置する平坦面から下向きに凹み、かつ連結方向に延びる溝である。
【0125】
図10に示すように、最一方側分割筐体411Sの一対の送出路441における連結方向の一端は、一対のドレン排出口450に接続している。
【0126】
実施例4の風呂蓋4は、実施例1~3の風呂蓋1~3の代わりに実施例1~3の風呂システム100、300に備えられることにより、取り扱いが容易で利便性に優れたドライサウナ浴を実現できる。
【0127】
また、この風呂蓋4は、筐体410を複数の分割筐体411にばらすことにより、風呂蓋4の持ち運びや保管が容易になる。また、この風呂蓋4は、連結する分割筐体411の数を増減させたり、連結方向の長さが異なる複数種類の分割筐体411のうちの任意の一つを適宜選択したりすることにより、利用する浴槽6のサイズに応じて風呂蓋4の長さを容易に変更できる。さらに、この風呂蓋4は、各分割筐体411の内部構成を簡素化できる。
【0128】
以上において、本発明を実施例1~4に即して説明したが、本発明は上記実施例1~4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0129】
実施例1~4では、風呂循環アダプタ6Aが給湯口兼水蒸気放出口6Nを有しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、浴槽が給湯口と水蒸気放出口とを別々に有する構成も本発明の風呂システムに含まれる。
【0130】
実施例1~4では、筐体10、410は、複数の分割筐体11、411を直列に連結することによって構成されるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、筐体が1つであって分割されていない構成も、本発明に含まれる。
【0131】
実施例1~4では、水蒸気導入口20、420と、ドレン排出口50、450とが同一の分割筐体、すなわち最一方側分割筐体11S、411Sに設けられているが、発明はこの構成には限定されない。例えば、水蒸気導入口とドレン排出口とが異なる分割筐体に設けられた構成も、本発明に含まれる。
【0132】
実施例1~4では、ドレン排出口50、450が1つの分割筐体、すなわち最一方側分割筐体11S、411Sだけに設けられているが、発明はこの構成には限定されない。例えば、ドレン排出口が各分割筐体に設けられ、各分割筐体からドレンを浴槽外又は浴槽内に排出する構成も、本発明に含まれる。
【0133】
実施例1、4では、蓄熱部60、460が各分割筐体11、411に設けられているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、蓄熱部が各分割筐体の1つだけに設けられた構成も、本発明に含まれる。また、蓄熱部が設けられた分割筐体と、蓄熱部が設けられていない分割筐体とが交互に並んで連結される構成も、本発明に含まれる。この場合、蓄熱部が設けられた分割筐体の枚数に応じて、ドライサウナ浴における放熱能力を調整できる。
【0134】
実施例3では、切替手段FS1が第1状態と第2状態と第3状態とに切り替わるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、切替手段FS1が第1状態と第2状態とだけに切り替わる構成も、本発明に含まれる。
【0135】
実施例3では、分岐管BP1の他端が浴槽6外で風呂蓋3の水蒸気導入口320に接続可能であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、分岐管の他端が浴槽内で風呂蓋の水蒸気導入口に接続可能である構成も、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は例えば、風呂が設置された住宅や施設等に利用可能である。
【符号の説明】
【0137】
1、2、3、4…風呂蓋
100、300…風呂システム
6…浴槽
10、410…筐体
11A…分割内部空間
410A…筐体の内部空間(互いに連結された各分割筐体によって形成された1つの内部空間)
20、320、420…水蒸気導入口
60、260、460…蓄熱部
50、450…ドレン排出口
11、411…複数の分割筐体
31…各分割筐体に設けられた複数の分配路
30…水蒸気分配路
41、441…各分割筐体に設けられた複数の送出路
40、440…ドレン送出路
261…第1蓄熱部
262…第2蓄熱部
80…水蒸気発生装置
6N…水蒸気放出口(給湯口兼水蒸気放出口)
CP1…接続管
P1B…連通管(下流連通管)
FS1…切替手段
BP1…分岐管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13