(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103848
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】圧密成形体の強度の推定方法、圧密成形体の製造方法、圧密成形体の製造装置、およびコークス炉
(51)【国際特許分類】
C10B 45/00 20060101AFI20240726BHJP
C10B 45/02 20060101ALI20240726BHJP
G01N 33/22 20060101ALI20240726BHJP
G01N 3/00 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
C10B45/00 Z
C10B45/02
G01N33/22 A
G01N3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007777
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(74)【代理人】
【識別番号】100123386
【弁理士】
【氏名又は名称】熊坂 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196667
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】白石 瑛人
(72)【発明者】
【氏名】粟津 進吾
【テーマコード(参考)】
2G061
4H012
【Fターム(参考)】
2G061AA02
2G061AB05
2G061BA01
2G061CA20
2G061CB03
2G061DA01
2G061DA12
2G061DA20
2G061EA01
2G061EA10
2G061EC02
4H012GB02
(57)【要約】
【課題】 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度を、突き固め試験装置の大きさや圧密成形体の容積等の違いによる影響を受けることなく、高い精度で推定可能な、圧密成形体の強度の推定方法を提供する。併せて、この圧密成形体の強度の推定方法を用いた圧密成形体の製造方法、圧密成形体の製造装置、およびコークス炉を提供する。
【解決手段】 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度の推定方法であって、前記強度の測定値が得られている圧密成形体について、該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との関係を取得し、前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、他の圧密成形体の強度を推定する、圧密成形体の強度の推定方法。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度の推定方法であって、
前記強度の測定値が得られている圧密成形体について、該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との関係を取得し、
前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、他の圧密成形体の強度を推定する、圧密成形体の強度の推定方法。
【請求項2】
前記測定値が得られている圧密成形体の突き固め条件が、前記他の圧密成形体の突き固め条件と異なる、請求項1に記載の圧密成形体の強度の推定方法。
【請求項3】
粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度の推定方法であって、
前記強度の測定値が得られている圧密成形体について、該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との関係を取得し、
前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、他の圧密成形体の強度を推定する、圧密成形体の強度の推定方法。
【請求項4】
前記測定値が得られている圧密成形体の突き固め条件が、前記他の圧密成形体の突き固め条件と異なる、請求項3に記載の圧密成形体の強度の推定方法。
【請求項5】
粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造方法であって、
請求項1または2に記載の圧密成形体の強度の推定方法により推定される前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量を制御する、圧密成形体の製造方法。
【請求項6】
粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造方法であって、
請求項3または4に記載の圧密成形体の強度の推定方法により推定される前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量および運動エネルギーを制御する、圧密成形体の製造方法。
【請求項7】
粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造装置であって、
既に製造された圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記圧密成形体の強度の測定値との予め取得された関係と、これから製造する他の圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値とを用いて、前記他の圧密成形体の強度を推定し、推定された前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量を制御可能に構成されている、圧密成形体の製造装置。
【請求項8】
粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造装置であって、
既に製造された圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との予め取得された関係と、これから製造する他の圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、前記他の圧密成形体の強度を推定し、推定された前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量および運動エネルギーを制御可能に構成されている、圧密成形体の製造装置。
【請求項9】
前記粉粒体は石炭であり、前記圧密成形体は石炭ケーキである、請求項7または8に記載の圧密成形体の製造装置。
【請求項10】
前記石炭ケーキの形状は、長辺と短辺とのアスペクト比が2.0~3.0の平板状である、請求項9に記載の圧密成形体の製造装置。
【請求項11】
請求項9に記載の圧密成形体の製造装置からなるスタンピング装置を備え、該スタンピング装置により製造された前記石炭ケーキを炭化室に装入可能に構成されているコークス炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造される圧密成形体の強度の推定方法、圧密成形体の製造方法、圧密成形体の製造装置、およびコークス炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コークス炉には、石炭を炉上方から炭化室に装入するトップチャージ式と、石炭を予めスタンピング装置で圧密成形した上で炉側方から炭化室に装入するスタンプチャージ式とがある。スタンプチャージ式のコークス炉に装入される石炭は、スタンピング装置に装入されて落としハンマーにより突き固めることで、コークス炉の炭化室の形状に合わせた平板状の石炭ケーキに圧密成形される。このように、スタンプチャージ式のコークス炉では、石炭を圧密成形してから炭化室に装入するため、粘結度の低いいわゆる低品位炭を用いても、高炉原料として要求される硬度を有するコークスを生産でき、原料コストを下げられる等の利点がある。
【0003】
スタンピング装置により平板状に圧密成形された石炭ケーキを炭化室に装入する際には、石炭ケーキは厚さ方向には支持されることなく自立する状態で、側方から炭化室に押し込まれる。このとき、圧密成形された石炭ケーキの強度が不足していると、炭化室への装入時に石炭ケーキに加わる外力や振動により、石炭ケーキが崩壊する恐れがある。
【0004】
このため、圧密成形された石炭ケーキを崩壊させることなく炭化室に装入するには、スタンピング装置における石炭の突き固め条件を適切に設定し、圧密成形された石炭ケーキが必要な強度を有するようにする必要がある。
【0005】
非特許文献1および非特許文献2には、石炭を落としハンマーにより突き固めて製造される石炭ケーキの一軸圧縮強度を支配する主な要因は、石炭の含水率および粒度、ならびに落としハンマーから単位容積の石炭ケーキに入力される運動エネルギーであることが記載されている。換言すると、落としハンマーから石炭ケーキに入力される運動エネルギーを適切な大きさとなるように突き固め条件を設定することにより、圧密成形された石炭ケーキに必要な強度を確保できることが記載されている。
【0006】
そこで、スタンピング装置により種々の突き固め条件で石炭を圧密成形して製造された石炭ケーキの強度を測定し、石炭ケーキの強度の測定値と突き固め条件との関係から、石炭ケーキに必要な強度を備えるための突き固め条件を特定することが考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】P. S. Dash et al., “Laboratory Scale Investigation to Improve the Productivity of Stamp Charge Coke Oven through Optimization of Bulk Density of Coal Cake”, ISIJ International, Vol.45 (2005), No.11, pp. 1577-1586
【非特許文献2】Jorge Madias et al., “A Review on Stamped Charging of Coals”, 43rd Ironmaking and Raw Materials Seminar, 12th Brazilian Symposium on Iron Ore and 1st Brazilian Symposium on Agglomeration of Iron Ore, September 1st to 4th, 2013, pp. 29-43
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、実大のスタンピング装置で、突き固め条件を種々に変更して石炭ケーキを製作し、その強度を測定するのは、多大な手間と費用を要するため、現実的でない。そこで、発明者らは、実大のスタンピング装置も小型の突き固め試験装置を用いて、種々の突き固め条件で石炭を圧密成形して石炭ケーキを作製し、その強度の測定値と突き固め条件との関係を取得し、その関係を用いて実大のスタンピング装置の突き固め条件を設定できないか、鋭意検討を行った。
【0009】
発明者らの検討によると、単位容積の石炭ケーキに入力される運動エネルギーが同等となるように突き固め条件を設定しても、突き固め試験装置の大きさや圧密成形体の容積等が異なると、石炭ケーキの強度の測定値が大きく異なる場合がある。すなわち、石炭を落としハンマーにより突き固めて製造される石炭ケーキの一軸圧縮強度は、非特許文献1および非特許文献2に記載される要因に加えて、突き固め試験装置の大きさや圧密成形体の容積等の影響も受けて変化しうる。
【0010】
このため、実大のスタンピング装置における突き固め条件を、小規模の圧密成形装置で単位容積の石炭ケーキに入力する運動エネルギーと同等となるように設定しても、実大のスタンピング装置で製造される石炭ケーキには、小規模の圧密成形装置で作製される石炭ケーキと同等の強度は必ずしも再現されない。
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度を、突き固め試験装置の大きさや圧密成形体の容積等の違いによる影響を受けることなく、高い精度で推定可能な、圧密成形体の強度の推定方法を提供することを目的とする。併せて、この圧密成形体の強度の推定方法を用いた圧密成形体の製造方法、圧密成形体の製造装置、およびコークス炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
【0013】
[1] 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度の推定方法であって、前記強度の測定値が得られている圧密成形体について、該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との関係を取得し、前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、他の圧密成形体の強度を推定する、圧密成形体の強度の推定方法。
【0014】
ここで、圧密成形体の強度とは、例えば一軸圧縮強度をいうが、これに限られず、一面せん断試験や単純せん断試験により測定されるせん断強度であってもよい。
【0015】
また、圧密成形体を突き固める落としハンマーの運動量とは、落としハンマーが圧密成形体に衝突するときの落としハンマーの運動量をいう。
【0016】
[2] 前記測定値が得られている圧密成形体の突き固め条件が、前記他の圧密成形体の突き固め条件と異なる、[1]に記載の圧密成形体の強度の推定方法。
【0017】
ここで、突き固め条件とは、例えば、圧密成形体の容積、圧密成形体の形状、突き固め層数、各突き固め層毎の突き固め回数、落としハンマーの落下高さ、落としハンマーの質量、落としハンマーの形状のいずれか、またはこれらの組合せをいう。
【0018】
[3] 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度の推定方法であって、前記強度の測定値が得られている圧密成形体について、該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との関係を取得し、前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、他の圧密成形体の強度を推定する、圧密成形体の強度の推定方法。
【0019】
ここで、圧密成形体の強度とは、例えば一軸圧縮強度をいうが、これに限られず、一面せん断試験や単純せん断試験により測定されるせん断強度であってもよい。
【0020】
また、圧密成形体を突き固める落としハンマーの運動量、運動エネルギーとは、それぞれ、落としハンマーが圧密成形体に衝突するときの落としハンマーの運動量、運動エネルギーをいう。
【0021】
[4] 前記測定値が得られている圧密成形体の突き固め条件が、前記他の圧密成形体の突き固め条件と異なる、[3]に記載の圧密成形体の強度の推定方法。
【0022】
[5] 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造方法であって、[1]または[2]に記載の圧密成形体の強度の推定方法により推定される前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量を制御する、圧密成形体の製造方法。
【0023】
[6] 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造方法であって、[3]または[4]に記載の圧密成形体の強度の推定方法により推定される前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量および運動エネルギーを制御する、圧密成形体の製造方法。
【0024】
[7] 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造装置であって、既に製造された圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値と前記圧密成形体の強度の測定値との予め取得された関係と、これから製造する他の圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量を前記圧密成形体の容積で除した値とを用いて、前記他の圧密成形体の強度を推定し、推定された前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量を制御可能に構成されている、圧密成形体の製造装置。
【0025】
[8] 粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する圧密成形体の製造装置であって、既に製造された圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記測定値との予め取得された関係と、これから製造する他の圧密成形体について該圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量の絶対値の総量および運動エネルギーの総量をそれぞれ前記圧密成形体の容積で除した値と前記関係とを用いて、前記他の圧密成形体の強度を推定し、推定された前記他の圧密成形体の強度が所望の値以上となるように、前記他の圧密成形体を突き固める前記落としハンマーの運動量および運動エネルギーを制御可能に構成されている、圧密成形体の製造装置。
【0026】
[9] 前記粉粒体は石炭であり、前記圧密成形体は石炭ケーキである、請求項7または8に記載の圧密成形体の製造装置。
【0027】
[10] 前記石炭ケーキの形状は、長辺と短辺とのアスペクト比が2.0~3.0の平板状である、[9]に記載の圧密成形体の製造装置。
【0028】
[11] [9]に記載の圧密成形体の製造装置からなるスタンピング装置を備え、該スタンピング装置により製造された前記石炭ケーキを炭化室に装入可能に構成されているコークス炉。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る圧密成形体の強度の推定方法、圧密成形体の製造方法、圧密成形体の製造装置、およびコークス炉によれば、粉粒体を落としハンマーにより突き固めて製造された圧密成形体の強度を、突き固め試験装置の大きさや圧密成形体の容積等の違いによる影響を受けることなく、高い精度で推定できる。これにより、圧密成形体を使用する操業において、圧密成形体が崩壊して操業に支障を生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、スタンプチャージ式のコークス炉の構造を示す模式図である。
【
図2】
図2は、突き固め試験装置の構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、石炭を落としハンマーにより突き固めて石炭ケーキを製造するときに、石炭ケーキを突き固める落としハンマーの運動量の絶対値および運動エネルギーを変えずに、突き固め回数を変化させたときの、石炭ケーキの強度の変化を示すグラフである。
【
図4】
図4は、石炭を落としハンマーにより突き固めて石炭ケーキを製造するときに、突き固め条件を様々にさせたときの、運動量の絶対値と石炭ケーキの強度との関係を示すグラフである。
【
図5】
図5は、石炭を落としハンマーにより突き固めて石炭ケーキを製造するときに、石炭ケーキを突き固める落としハンマーの運動エネルギーを同等にしつつ、運動量の絶対値を変化させたときの、石炭ケーキの強度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の圧密成形体の強度の推定方法、圧密成形体の製造方法、圧密成形体の製造装置、およびコークス炉の実施形態について、詳細に説明する。
【0032】
本実施形態では、粉粒体が石炭Pであり、圧密成形体が石炭ケーキCであり、石炭ケーキCをスタンプチャージ式のコークス炉1の炭化室に装入して用いる場合について説明する。
【0033】
図1に、本実施形態のコークス炉1の全体構成を模式的に示す。コークス炉1は、石炭Pを落としハンマー11により突き固めて石炭ケーキCを製造するスタンピング装置10を備えており、スタンピング装置10により製造された石炭ケーキCを炭化室1Aに装入可能に構成されている。石炭Pは、コンベア21により外部から搬送され、装入シュート22を介して、スタンピング装置10の圧密空間内に装填される。装填された石炭Pは、スタンピング装置10の落としハンマー11により突き固められて、コークス炉1の炭化室1Aの内壁(図示せず)との隙間が例えば10~20mmとなる厚さを有する平板状の石炭ケーキCに成形される。具体的には、コークス炉1の炭化室1Aに装入される石炭ケーキCの寸法は、例えば厚さ340~520mm、高さ4800~7200mm、幅11500~17200mmであり、石炭ケーキCの質量は、例えば20.8~70.1tonである。石炭ケーキCの高さと厚さとのアスペクト比は、石炭ケーキCが厚さ方向に支持されることなく自立するように、例えば13~14とされる。また、平板状の石炭ケーキCの長辺と短辺、すなわち幅と高さとのアスペクト比は、石炭ケーキCを側方から炭化室1Aに押し込まれるときに石炭ケーキCが崩壊する恐れがないように、例えば2.0~3.0とされる。
【0034】
スタンピング装置10により製造された石炭ケーキCは、
図1に示すように、側方から石炭ケーキ装入装置23に押されて、コークス炉1の炭化室1Aに装入される。このとき、上述したように、石炭ケーキCは厚さ方向には支持されることなく自立する状態で、側方から炭化室1Aに押し込まれる。よって、炭化室1Aへの装入時に石炭ケーキCに加わる外力や振動により石炭ケーキCが崩壊しないように、スタンピング装置10により製造された石炭ケーキCの強度を確保する必要がある。
【0035】
そこで、本実施形態の圧密成形体の強度の推定方法では、スタンピング装置10に装填された石炭Pを落としハンマー11により突き固めて製造される石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)を、後述するようにして推定する。なお、ここで推定する一軸圧縮強度qu(kN/m2)とは、日本産業規格JIS A1216(土の一軸圧縮試験方法)に規定される方法により測定される値をいう。そして、本実施形態の圧密成形体の製造方法および圧密成形体の製造装置、すなわちスタンピング装置10では、推定される石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)が所望の値以上となるように、落としハンマー11の動作を制御する。ここでは、「所望の値」とは、石炭ケーキCを崩壊させることなく炭化室1Aに装入するのに必要な強度である。
【0036】
ここで、石炭ケーキCを崩壊させることなく炭化室1Aに装入するのに必要な強度は、石炭ケーキCの形状、寸法、質量、石炭ケーキ装入装置23の動作条件、使用する石炭Pの種類や粒度等に応じて設定される。具体的には、石炭ケーキCを崩壊させることなく炭化室1Aに装入するのに必要な強度として、石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度quを、例えば80kN/m2以上確保することが好ましい。そして、後述するようにして推定される石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)が、上述の所望の値以上となるように、石炭ケーキCを突き固める落としハンマー11の運動量、または運動量および運動エネルギーを制御する。
【0037】
コークス炉1の炭化室1Aに装入された石炭ケーキCは、炭化室1Aの両側にある燃焼室(図示せず)からの伝熱により加熱されて乾留され、コークスとなる。生成したコークスは、押出装置(図示せず)によりコークガイド車24を介して消火車25に積載され搬出される。
【0038】
ここで、本実施形態の圧密成形体の強度の推定方法では、
図2に示すような、実大のスタンピング装置10よりも小型の突き固め試験装置30を用いて、落錘31により石炭Pを突き固めて、石炭ケーキC
0を作製する。そして、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)を、日本産業規格JIS A1216(土の一軸圧縮試験方法)に規定される方法により測定する。さらに、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値と、石炭ケーキC
0を突き固める落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣK
0/V
0(kN・s/m
3)との関係を取得する。「石炭ケーキC
0を突き固める落錘31の運動量」とは、落錘31が石炭ケーキC
0に衝突するときの落錘31の運動量をいう。
【0039】
そして、突き固め試験装置30を用いて取得した上述の関係と、実大のスタンピング装置10で石炭ケーキCを突き固める落としハンマー11の運動量の絶対値の総量ΣK(kN・s)を石炭ケーキCの容積V(m3)で除した値ΣK/V(kN・s/m3)とを用いて、実大のスタンピング装置10で製造される石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)を後述のようにして推定する。「石炭ケーキCを突き固める落としハンマー11の運動量」とは、落としハンマー11が石炭ケーキC0に衝突するときの落としハンマー11の運動量をいう。
【0040】
落としハンマー11が自由落下して石炭Pに衝突するときの運動量の絶対値K(kN・s)、および落錘31が自由落下して石炭Pに衝突するときの運動量の絶対値K0(kN・s)は、それぞれ下記(1)、(2)式のとおり表される。
【0041】
K=m√(2gh) …… (1)
K0=m0√(2gh0) …… (2)
ここで、m:落としハンマー11の質量(kg)、m0:落錘31の質量(kg)、h:落としハンマー11の落下高さ(m)、h0:落錘31の落下高さ(m)、g:重力加速度(m/s2)である。
【0042】
また、上記に加え、突き固め試験装置30を用いて、石炭ケーキC0の圧密方向の一軸圧縮強度qu0(kN/m2)の測定値と、石炭ケーキC0を突き固める落錘31の運動エネルギーの総量ΣE0(kJ)を石炭ケーキC0の容積V0(m3)で除した値ΣE0/V0(kJ/m3)との関係を取得しておくことが好ましい。
【0043】
落としハンマー11が自由落下して石炭Pに衝突するときの運動エネルギーE(kJ/m3)、および落錘31が自由落下して石炭Pに衝突するときの運動エネルギーE0(kJ/m3)は、それぞれ下記(3)、(4)式のとおり表される。
【0044】
E=mgh …… (3)
E0=m0gh0 …… (4)
ここで、m:落としハンマー11の質量(kg)、m0:落錘31の質量(kg)、h:落としハンマー11の落下高さ(m)、h0:落錘31の落下高さ(m)、g:重力加速度(m/s2)である。
【0045】
上述の方法により、スタンピング装置10において石炭Pを落としハンマー11により突き固めて製造された石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)を、スタンピング装置10と突き固め試験装置30の大きさの違いの影響を受けることなく高い精度で推定できる。このことについて、以下に説明する。
【0046】
図3に、突き固め試験装置30において石炭Pを落錘31により突き固めて石炭ケーキC
0を作製するときに、石炭ケーキC
0を突き固める落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)および運動エネルギーの総量ΣE
0(kJ)をそれぞれ石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣK
0/V
0(kN・s/m
3)を変えずに突き固め回数を変化させた試験例1および試験例2について、石炭ケーキC
0の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値を示す。
【0047】
また、
図4に、石炭Pを落錘31により突き固めて石炭ケーキC
0を作製するときに、石炭Pの突き固め条件を様々に変えたときの、石炭ケーキC
0を突き固める落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)と石炭ケーキC
0の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値との関係を示す。
【0048】
さらに、
図5に、突き固め試験装置30において石炭Pを落錘31により突き固めて石炭ケーキC
0を作製するときに、石炭ケーキC
0を突き固める落錘31の運動エネルギーの総量ΣE
0(kJ)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値E
0/V
0(kN・s/m
3)を同等にしつつ、運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値K
0/V
0(kN・s/m
3)を変化させた試験例3および試験例4について、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値を示す。
【0049】
図3に示す試験例1および試験例2では、石炭Pの含水率を12%、3mm以下の石炭の割合を75%、国際規格ISO 5074(ハードグローブ粉砕性指数の決定)に規定されるハードグローブ粉砕性指数(HGI)を50とした。そして、質量m
0が9.0kg、底面径が50mmの落錘31を用い、落錘31の落下高さh
0を300mmとして、直径100mm、高さ200mmの円筒形の石炭ケーキC
0を作製した。試験例1では、突き固め層数を5層として、各突き固め層毎に20回の突き固めを行った。試験例2では、突き固め層数を10層として、各突き固め層毎に10回の突き固めを行った。
【0050】
図4に示す各試験例では、石炭Pとして、石炭試料A~石炭試料Cおよび配合炭Dの四種類を用意した。石炭試料Aについては、含水率を11%、3mm以下の石炭の割合を70%、HGIを50とした。石炭試料Bについては、石炭の含水率を12%、3mm以下の石炭の割合を80%、HGIを50とした。石炭試料Cについては、石炭の含水率を12%、3mm以下の石炭の割合を90%、HGIを70とした。配合炭Dについては、石炭の含水率を11%、3mm以下の石炭の割合を90%、HGIの平均値を64とした。そして、質量m
0が9.0kg、底面径が50mmの落錘31を用い、落錘31の落下高さh
0を300mmとして、直径100mm、高さ200mmの円筒形の石炭ケーキをC
0を作製した。石炭試料Aおよび石炭試料Bについては、突き固め層数を3層、5層、7層、10層の四種類とし、各突き固め層毎の突き固め回数を10回、20回または30回の三種類として、これらを組み合わせた十二種類の突き固め条件で石炭ケーキをC
0を作製した。石炭試料Cおよび配合炭Dについては、突き固め層数を5層として各突き固め層毎に10回の突き固め、突き固め層数を10層として各突き固め層毎に10回の突き固め、突き固め層数を7層として各突き固め層毎に20回の突き固めを行う三種類の突き固め条件で石炭ケーキをC
0を作製した。
【0051】
図5に示す試験例3および試験例4では、石炭Pの含水率を12%、3mm以下の石炭の割合を75%、HGIを50とした。試験例3については、質量m
0が100.0kg、底面径が190mmの落錘31を用い、突き固め層数を20層として、各突き固め層毎に落下高さh
0を480mmとして突き固めを1回行い、直径200mm、高さ400mmの円筒形の石炭ケーキC
0を作製した。試験例4については、質量m
0が132.3kg、底面径が180mmの落錘31を用い、突き固め層数を30層として、各突き固め層毎に落下高さh
0を240mmとして突き固めを1回行い、直径200mm、高さ400mmの円筒形の石炭ケーキを作製した。
【0052】
そして、日本産業規格JIS A1216(土の一軸圧縮試験方法)に規定される方法により、各試験例の石炭ケーキC0の圧密方向の一軸圧縮強度qu0(kN/m2)をそれぞれ測定した。
【0053】
図3に示す試験例1および試験例2からわかるように、石炭ケーキC
0の突き固め条件が異なっていても、落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣK
0/V
0(kN・s/m
3)が同じであれば、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値はほとんど変わらない。
【0054】
これに対し、
図5に示す試験例3および試験例4からわかるように、落錘31の運動エネルギーの総量ΣE
0(kJ)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣE
0/V
0(kN・s/m
3)が同等であっても、落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣK
0/V
0(kN・s/m
3)が大きく異なると、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値も大きく異なっている。
【0055】
さらに、
図4に示す各試験例からわかるように、石炭ケーキC
0を突き固める落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣK
0/V
0(kN・s/m
3)と、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)との間には、明確な相関がみられる。
【0056】
図4には、石炭試料A~石炭試料Cおよび配合炭Dの各々について、石炭ケーキC
0の圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)と、落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK
0(kN・s)を石炭ケーキC
0の容積V
0(m
3)で除した値ΣK
0/V
0(kN・s/m
3)との関係を一次関数により近似した直線および近似式を併せて示している。各試験例の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値は、近似式からの乖離が非常に小さい。
【0057】
そこで、突き固め試験装置30を用いて、石炭ケーキC0の圧密方向の一軸圧縮強度qu0(kN/m2)の測定値と、石炭ケーキC0を突き固める落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK0(kN・s)を石炭ケーキC0の容積V0(m3)で除した値ΣK0/V0(kN・s/m3)との関係として、例えば上述の近似式を取得する。そして、実大のスタンピング装置10で製造される石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)を、上述の近似式と、実大のスタンピング装置10で石炭Pを突き固める落としハンマー11の運動量の絶対値の総量ΣK(kN・s)を石炭ケーキCの容積V(m3)で除した値ΣK/V(kN・s/m3)とを用いて推定する。
【0058】
また、
図4に示す近似直線の傾きは、石炭試料A~石炭試料Cおよび配合炭DのHGIの値に依存して変化していることがわかる。具体的には、HGIの値が大きい程、近似直線の傾きが大きくなっている。そこで、実大のスタンピング装置10で製造される石炭ケーキCの圧密方向の石炭ケーキCの一軸圧縮強度qu(kN/m
2)を推定するに際しては、石炭ケーキCの製造に用いる石炭と同一種類またはHGIの値が近い石炭を用いて突き固め試験装置30で石炭ケーキC
0を作製し、その圧密方向の一軸圧縮強度qu
0(kN/m
2)の測定値に基づいて上述の近似式(関係)を取得して用いることが好ましい。あるいは、上述の近似式に、さらに石炭PのHGIの値を含め、この近似式から導かれる値にHGIの値の相違による影響が反映されるようにすることが好ましい。
【0059】
このように、落錘31の運動量の絶対値の総量ΣK0(kN・s)を石炭ケーキC0の容積V0(m3)で除した値ΣK0/V0(kN・s/m3)を同等にすれば、その他の突き固め条件が異なる場合でも、作製される石炭ケーキC0の圧密方向の一軸圧縮強度qu0(kN/m2)は同等の大きさになることが分かる。
【0060】
よって、突き固め試験装置30を用いて取得した上述の近似式と、実大のスタンピング装置10で石炭ケーキCを突き固める落としハンマー11の運動量の絶対値の総量ΣK(kN・s)を石炭ケーキCの容積V(m3)で除した値ΣK/V(kN・s/m3)とを用いて、実大のスタンピング装置10で製造される石炭ケーキCの圧密方向の一軸圧縮強度qu(kN/m2)を、スタンピング装置10と突き固め試験装置30の大きさの違いの影響を受けることなく、高い精度で推定できる。
【0061】
また、K0/V0(kN・s/m3)とqu0(kN/m2)との間の相関よりは程度は低いものの、石炭ケーキC0を突き固める落錘31の運動エネルギーの総量ΣE0(kJ)を石炭ケーキC0の容積V0(m3)で除した値ΣE0/V0(kJ/m3)と、石炭ケーキC0の圧密方向の一軸圧縮強度qu0(kN/m2)との間にも相関が存在する。そこで、上記に加え、突き固め試験装置30を用いて石炭ケーキC0を突き固める落錘31の運動量の絶対値の総量ΣE0(kJ)を石炭ケーキC0の容積V0(m3)で除した値ΣE0/V0(kJ/m3)との関係も取得しておいた場合には、K0/V0(kN・s/m3)とqu0(kN/m2)との関係に加えて、ΣE0/V0(kJ/m3)とqu0(kN/m2)との関係を用い、実大のスタンピング装置10で石炭ケーキCを突き固める落としハンマー11の運動量の絶対値K(kN・s)の総量および運動エネルギーの総量ΣE(kJ)をそれぞれ石炭ケーキCの容積V(m3)で除した値K/V(kN・s/m3)およびE/V(kJ/m3)の両方を用いることで、実大のスタンピング装置10で製造される石炭ケーキCの一軸圧縮強度qu(kN/m2)を、さらに高い精度で推定できる。
【0062】
そして、本実施形態の圧密成形体の製造装置、すなわちスタンピング装置10は、上述の圧密成形体の強度の推定方法により推定される石炭ケーキCの強度が所望の値以上となるように、石炭ケーキCを突き固める落としハンマー11の運動量または運動量および運動エネルギーを制御可能に構成されたものである。
【0063】
上記実施形態では、粉粒体Pが石炭であり、圧密成形体Cが石炭ケーキである場合について説明した。しかし、本発明の圧密成形体の強度の推定方法、圧密成形体の製造方法、および圧密成形体の製造装置は、石炭以外の種々の粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する場合にも適用可能である。
【0064】
また、上記実施形態では、圧密成形体Cの強度として一軸圧縮強度を推定する場合について説明した。しかし、本発明の圧密成形体の強度の推定方法、圧密成形体の製造方法、および圧密成形体の製造装置は、石炭以外の種々の粉粒体を落としハンマーにより突き固めて圧密成形体を製造する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 コークス炉
1A 炭化室
10 スタンピング装置(圧密成形体の製造装置)
11 落としハンマー
21 コンベア
22 装入シュート
23 石炭ケーキ装入装置
24 コークガイド車
25 消火車
30 突き固め試験装置(圧密成形体の製造装置)
31 落錘(落としハンマー)
P 石炭(粉粒体)
C0 石炭ケーキ(圧密成形体)
C 石炭ケーキ(他の圧密成形体)