(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103854
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】引張犬散歩補助ベルト
(51)【国際特許分類】
A01K 27/00 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A01K27/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007788
(22)【出願日】2023-01-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】306007484
【氏名又は名称】棚谷 学
(72)【発明者】
【氏名】棚谷 学
(57)【要約】
【課題】
引っ張り癖犬対応散歩ベルトでは、真っすぐ前に引っ張る犬の引っ張り力に対する対応策は講じられているが、犬の気ままな行動による左右、後ろへの引っ張り力に対して瞬時にコントロールができる対応策が考慮されていない。
【解決手段】
本発明の引張犬散歩補助ベルトは、一端部に取っ手部を有するリードと、延伸する緩衝部材を介して前記リードを保持する腰ベルトとを備えた引張犬散歩補助ベルトであって、前記腰ベルトにはフックが設けられ、前記フックには前記緩衝部材の一端が係止され、前記リードには前記緩衝部材の他端が係止され、前記フックと前記緩衝部材とを直線状に配置した時の自然長が、前記リードの前記緩衝部材の係止部から前記取っ手部の先端部までの長さと同等であるため、常に散歩者のコントロール範囲に犬を置くことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に取っ手部を有するリードと、延伸する緩衝部材を介して前記リードを保持する腰ベルトとを備えた引張犬散歩補助ベルトであって、前記腰ベルトにはフックが設けられ、前記フックには前記緩衝部材の一端が係止され、前記リードには前記緩衝部材の他端が係止され、前記フックと前記緩衝部材とを直線状に配置した時の自然長が、前記リードの前記緩衝部材の係止部から前記取っ手部の先端部までの長さと同等であることを特徴とする引張犬散歩補助ベルト。
【請求項2】
前記緩衝部材には一定の長さ以上の伸びを制限するためのストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の引張犬散歩補助ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬用リードに関し、特に引っ張り癖のある犬に対応するための補助ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、犬散歩用ベルトは、犬の散歩者の負担を軽減するために、多種考案されている。特許3852054における引っ張り癖犬対応散歩ベルトは、腰ベルトに腰当パットを挿入し犬の引っ張り力から腰を守り、またフックホルダーを腰ベルト前方に組み合わせ犬の急激な左右の引っ張り力で散歩者の身体バランスが崩れないようにすると共に、メインリードからの引っ張り支点をフックホルダー腰前方約12cmとして、腰ベルト及びショルダーベルトに力を均等に分散させる事で、犬の引っ張り力を身体全体で受け止め事ができる。また特開2012-120500号におけるリードリールは犬の引っ張りをリールによりリードを長く引き出すことで緩衝させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3852054
【特許文献2】特開2012-120500
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1の引っ張り癖犬対応散歩ベルトは、犬との散歩において散歩者に対して犬の真っすぐに引く引張り力の身体に対する負荷対策は取っているものの、犬の身勝手な左右後ろに対しての引っ張り行動を瞬時に抑制する対策は不十分である。
【0005】
また緩衝バネについてもバネの内部に挿入されたストッパーが鋼鉄針金で製作されているため、引っ張り力に対しては有効であるが強度不足であり、横からの衝撃が働いた場合はストッパーが変形してしまい緩衝機能を失ってしまう。
【0006】
特許文献2のリールリードにおいては犬の引っ張り力に対応するため、リードを長くすると犬のコントロールが難しくなり、特に街中では他人に迷惑をかける事や自転車にリードが絡む事故や犬が道路に飛び出し事故の危険を生じる事がある。
【0007】
本発明は上述した、引っ張り癖対応散歩ベルトやリールリードにおける問題点に対して、解決することができる、引張犬散歩補助ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決する為に本発明の引張犬散歩補助ベルトは腰ベルト、ポーチを兼ねた腰パット、安全切り離しファスニングを兼ねた腰ベルト取付ファスニング、緩衝バネ取付フックホルダー、緩衝バネ(緩衝ゴム紐)、リード取付金具で構成され、さらにリード取付金具を従来のリードに取り付ける位置は、腰ベルトから延びる緩衝バネ取付フックホルダー、緩衝バネ(緩衝ゴム紐)リード取付金具を合わせた長さを基に、従来のリードのリード取手部の後方端から同じ長さの位置に接続する事で犬の散歩者が持つ従来のリードに掛かる引っ張り力を、リードを持つ腕と引張犬散歩補助ベルトの腰に分散することで引っ張り力を軽減することを目的とする。
【0009】
引張犬散歩ベルトに装備されている緩衝バネは引っ張り犬の急激な引っ張りに対し散歩者の腰に掛る衝撃を和らげる事を目的としているが、内部に鋼鉄針金製のストッパーが挿入されていて犬の引っ張り力に対する耐久性が低く、特に横からの衝撃に対して変形してしまい緩衝機能を失ってしまう。それに対し新しく開発された緩衝バネは内部にワイヤータイプのストッパーが挿入されており、犬の引っ張り力に対する強度も大幅に向上し、横からの衝撃に対してもワイヤータイプであるため変形することなくスムースな使用ができる。
【0010】
散歩者の常に持つ従来のリードによって常にコントロール範囲に犬がいるので、犬の勝手な左右、後ろへの引っ張りの行動が瞬時にコントロールでき、リールリードで生じやすい他人に迷惑をかける事や、自転車へのリールの絡む事故や、犬の飛び出しによる自動車などとの交通事故の危険性が少なくなる。さらには引張犬散歩補助ベルトがリードに繋がっているので犬の糞の清掃作業など両手で作業をしなければならない時はリードを持つ手を放しても犬が離れる事がない。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明の引張犬散歩補助ベルトは構成され、従来のリードに対して補助的に取り付けるもので、犬との散歩において散歩者の手で持つリードに掛かる犬の引っ張り力をサポート的に受け止め、リードを持つ散歩者の腕と補助ベルトの腰に犬の引っ張り力を分散することで散歩者に掛る負荷を軽減することを目的としている。さらには相乗効果として犬の引っ張り力により散歩者の腰が引っ張られ歩くことが楽になる。また散歩者が引張犬散歩補助ベルトを装着している場合、犬との散歩中に道路や鉄道踏切に犬が急に飛び出し散歩者が交通事故に巻き込まれそうになった時の対応策として、腰ベルト切離ファスニングを作動させる事で引張犬散歩補助ベルトを的確に切り離し散歩者の身体の安全を確保できるようにしている。またこの製品は犬との散歩において散歩者が装着しても目立つものではないので使用者の抵抗感は薄く、全国にいる大型犬から小型犬までの引っ張り癖のある犬との散歩において楽に安全な散歩を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトを示す斜視図である。
【0013】
図1に示すように、引張犬散歩補助ベルトは、腰ベルト1後方にポーチを兼ねた腰当パット2が挿入され、腰ベルト1前方には緩衝バネ取付フックホルダー3が装備されている。更に緩衝バネ取付フックホルダー3に対して緩衝バネ4(緩衝ゴム紐4B)を連結し、リード取付金具5において従来のリード6のリード取手部6Aの前方に接続している。その位置は腰ベルトから延びる緩衝バネ取付フックホルダー3、緩衝バネ4(緩衝ゴム紐4B)、リード取付金具5を合わせた長さ8を基として、従来のリード6のリード取手部6Aの後方端から長さ8と同じ長さ8Aに接続する事により、犬200の散歩者100が持つ従来のリード6に掛かる犬200の引っ張り力をリード6を持つ腕と引張犬散歩補助ベルトの腰に分散し、犬200の引っ張り力を軽減することを目的としている。またこの位置は散歩者が常にリードを持つ手の位置に無理がなく、犬が勝手な動きをしたときには引き戻す腕の力が入りやすい位置である。さらに緩衝バネ4の代用として緩衝ゴム紐4Bを使用した場合の利点として、ストッパーがないため犬の急な引っ張り力が掛かった場合、ベルトに掛かるショックが少なく腰に優しい、また軽量である。また引張犬散歩補助ベルト切離安全ファスニング1A、はベルト取付ファスニング1Aと兼用していて散歩者100が犬200に引き込まれての事故の危険を回避する場合は切離ファスニング1Aをワンタッチでプッシュする事により引張犬散歩補助ベルトがリリースされる。また腰パット2を兼ねたポーチには、犬200が路上に糞をした場合には処理するための小型シャベル及びビニール袋を携帯できるようになっている。
【0014】
図2は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトを散歩者100が装着して、犬200に引っ張られて散歩している状態を示す斜視図である。
【0015】
図1に示す引張犬散歩補助ベルトを散歩者100の身体に装着する際は、腰ベルト1を散歩者100の腰にセットし腰ベルト・ファスニング1Aにより装着する。犬200に対してのリード6の接続はリード6の先端にあるリードフック6Bを犬200に取り付けたハーネス7に接続する。さらに散歩者100に装着した張犬散歩補助ベルトを緩衝バネ4(緩衝ゴム紐4B)先端にあるリード取付金具5において散歩者100の持つ従来のリード6に接続し引っ張り犬200との散歩を行う。
【0016】
図3は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトを従来のリード6に取り付ける位置を示す斜視図である。
【0017】
図3に示すその位置は、腰ベルト1から延びる緩衝バネ取付フックホルダー3、緩衝バネ4(緩衝ゴム紐4B)、リード取付金具5を合わせた長さ8を基として、従来のリード6のリード取手部6Aの後方端から長さ8と同じ長さの位置8Aとなる。
【0018】
図4は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトに装備されている緩衝バネ4の内部を示す斜視図、および緩衝ゴム紐4Bの斜視図である。
【0019】
図4に示す緩衝バネ4は、犬200の大きな引っ張り力が掛ってもバネが破損しないようにするため内部にストッパー4Aを備えている。またこのストッパー4Aは金属ワイヤータイプであるため大きな引っ張り力に対する耐久性が強く、更に横からの衝撃にも変形しない特徴を持っている。また緩衝バネ4の代用となる緩衝ゴム紐4Bは緩衝バネより耐久性は低下するが、腰に対するショックが少なく軽量で構造が簡単な利点がある。
【実施例0020】
過去にいくつもの犬用散歩ベルトが考案されているが、多様な問題点があり一般に普及するまでに至っていない。
ペットブームという中で引っ張り癖のある犬を飼っている家庭は全国に多数いる。その中でも犬に引っ張られての散歩が余りにも大変という理由で散歩に困っている方や、自分の健康のためのウォーキングを犬との散歩に託して行うに方に多いに普及する可能性がある。また構造が簡単なため製作費が安く、低価格で市場に提供できる事からも普及する可能性はある。また犬の散歩の際に従来のリード使用において、犬の引っ張り力を軽減するためにサポート用として取り付けるもので、散歩者が装着しても目立つものではなく使用者の抵抗感は薄いと思われる。