(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103904
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】放射能測定装置及び放射能測定方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/167 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
G01T1/167 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007855
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】710002462
【氏名又は名称】セイコー・イージーアンドジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敬朗
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA19
2G188AA23
2G188BB04
2G188BB15
2G188CC28
(57)【要約】
【課題】放射性核種の同定を自動的に適正に行うことができる放射能測定装置及び放射能測定方法を提供する。
【解決手段】放射能測定装置10は、放射線検出器11と、波高分析装置12と、処理装置15とを備える。処理装置15は、第1の核種ライブラリのデータを用いて放射線のエネルギースペクトルを解析することによって、互いの半減期が異なる第1核種及び第2核種を少なくとも含む複数の核種の放射能を取得する。処理装置15は、第1核種の放射能と第2核種の放射能とによる比が所定閾値を超える場合に、第2の核種ライブラリのデータを用いてエネルギースペクトルを解析することによって、複数の核種の放射能を取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の核種ライブラリのデータを用いて放射線のエネルギースペクトルを解析することによって、互いの半減期が異なる第1核種及び第2核種を少なくとも含む複数の核種の放射能を取得し、
前記第1核種の放射能と前記第2核種の放射能とによる所定のパラメータが所定閾値を超える場合に、第2の核種ライブラリのデータを用いて前記エネルギースペクトルを解析することによって、複数の核種の放射能を取得する処理部を備える
ことを特徴とする放射能測定装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記所定のパラメータを、相対的に長い半減期の前記第1核種の放射能と、相対的に短い半減期の前記第2核種の放射能との比とする
ことを特徴とする請求項1に記載の放射能測定装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記第2の核種ライブラリのデータを、前記第1の核種ライブラリのデータと所定の追加の核種ライブラリのデータとする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射能測定装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記所定閾値を含む複数の異なる閾値の各々と前記所定のパラメータとの比較に応じて、前記第2の核種ライブラリのデータを変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の放射能測定装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記所定のパラメータを含む複数の異なるパラメータと、前記所定閾値を含む複数の異なる閾値との比較に応じて、前記第2の核種ライブラリのデータを変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の放射能測定装置。
【請求項6】
放射線のエネルギースペクトルを解析する処理部が行う放射能測定方法であって、
前記処理部が、第1の核種ライブラリのデータを用いて前記エネルギースペクトルを解析することによって、互いの半減期が異なる第1核種及び第2核種を少なくとも含む複数の核種の放射能を取得する第1ステップと、
前記処理部が、前記第1核種の放射能と前記第2核種の放射能とによる所定のパラメータが所定閾値を超える場合に、第2の核種ライブラリのデータを用いて前記エネルギースペクトルを解析することによって、複数の核種の放射能を取得する第2ステップと
を含む
ことを特徴とする放射能測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射能測定装置及び放射能測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放射線検出器によって検出された放射線のエネルギースペクトルの全吸収ピークから放射性核種を同定する際に、例えば核データライブラリ及び核種ライブラリ等の所定の放射性核種のデータを参照するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば原子力関連施設の事故時等の異常時には、異常時以外の平常時に比べて、核種同定に用いるデータを追加的に拡張する方法が知られている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「放射能測定法シリーズ 7 ゲルマニウム半導体検出器によるγ線スペクトロメトリー」、原子力規制委員会、令和2年、p.238
【非特許文献2】「放射能測定法シリーズ 29 緊急時におけるゲルマニウム半導体検出器によるγ線スペクトル解析法」、原子力規制委員会、平成30年、p.24
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来技術では、核種同定に用いるデータの拡張の要否を、例えば操作者の判断等によらずに、自動的に適正に判定することが望まれている。例えば、核種同定に用いるデータの拡張が過剰な頻度で行われると、誤同定が増大するおそれがある。一方、データの拡張が適切なタイミングで実行されない場合、未知(つまり同定不可)の全吸収ピークが増大することによって、核種同定の信頼性が低下するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、放射性核種の同定を自動的に適正に行うことができる放射能測定装置及び放射能測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1):本発明の一態様に係る放射能測定装置(10)は、第1の核種ライブラリのデータ(基準データ)を用いて放射線のエネルギースペクトルを解析することによって、互いの半減期が異なる第1核種及び第2核種を少なくとも含む複数の核種の放射能を取得し、前記第1核種の放射能と前記第2核種の放射能とによる所定のパラメータが所定閾値を超える場合に、第2の核種ライブラリのデータ(基準データ及び追加データ)を用いて前記エネルギースペクトルを解析することによって、複数の核種の放射能を取得する処理部(15)を備える。
【0008】
(2):上記(1)に記載の放射能測定装置では、前記処理部は、前記所定のパラメータを、相対的に長い半減期の前記第1核種の放射能と、相対的に短い半減期の前記第2核種の放射能との比としてもよい。
【0009】
(3):上記(1)又は(2)に記載の放射能測定装置では、前記処理部は、前記第2の核種ライブラリのデータを、前記第1の核種ライブラリのデータと所定の追加の核種ライブラリのデータとしてもよい。
【0010】
(4):上記(3)に記載の放射能測定装置では、前記処理部は、前記所定閾値を含む複数の異なる閾値の各々と前記所定のパラメータとの比較に応じて、前記第2の核種ライブラリのデータを変更してもよい。
【0011】
(5):上記(3)に記載の放射能測定装置では、前記処理部は、前記所定のパラメータを含む複数の異なるパラメータと、前記所定閾値を含む複数の異なる閾値との比較に応じて、前記第2の核種ライブラリのデータを変更してもよい。
【0012】
(6):本発明の一態様に係る放射能測定方法は、放射線のエネルギースペクトルを解析する処理部(15)が行う放射能測定方法であって、前記処理部が、第1の核種ライブラリのデータ(基準データ)を用いて前記エネルギースペクトルを解析することによって、互いの半減期が異なる第1核種及び第2核種を少なくとも含む複数の核種の放射能を取得する第1ステップ(ステップS11)と、前記処理部が、前記第1核種の放射能と前記第2核種の放射能とによる所定のパラメータが所定閾値を超える場合に、第2の核種ライブラリのデータ(基準データ及び追加データ)を用いて前記エネルギースペクトルを解析することによって、複数の核種の放射能を取得する第2ステップ(ステップS13)とを含む。
【発明の効果】
【0013】
上記(1)によれば、所定のパラメータによって想定される事象に応じて自動的に核種ライブラリのデータを変更することができ、放射線のエネルギースペクトルを適正に解析することができる。
【0014】
上記(2)の場合、所定のパラメータによって想定される事象の発生から経過時間が短い場合、相対的に短い半減期の第2核種の放射能が大きく、第2核種が検出され易くなる。一方、所定のパラメータによって想定される事象の発生から経過時間が長い場合、相対的に短い半減期の第2核種の放射能が小さく、第2核種が検出され難くなる。第1核種の放射能と第2核種の放射能との比によって、所定の事象の発生からの経過時間を適正に把握することができる。
【0015】
上記(3)の場合、所定のパラメータによって想定される事象に対して核種ライブラリのデータを拡張することにより、核種が誤って同定されることを抑制し、核種同定の信頼性を向上させることができる。
上記(4)又は(5)の場合、第2の核種ライブラリのデータを詳細に変更することができる。
【0016】
上記(6)によれば、所定のパラメータによって想定される事象に応じて自動的に核種ライブラリのデータを変更することができ、放射線のエネルギースペクトルを適正に解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る放射能測定装置の機能構成を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施形態に係る放射能測定装置による放射能比の時間変化に対して設定される所定閾値の一例を示す図。
【
図3】本発明の実施形態に係る放射能測定装置が実行する分析処理を示すフローチャート。
【
図4】本発明の実施形態に係る放射能測定装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の放射能測定装置について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の放射能測定装置10の機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、実施形態の放射能測定装置10は、例えば、放射線検出器11と、波高分析装置12と、入力装置13と、出力装置14と、処理装置15とを備える。処理装置15は、例えば、記憶部16と、演算部17とを備える。
【0019】
放射線検出器11は、例えばゲルマニウム半導体検出器である。
波高分析装置12は、例えばマルチチャンネルアナライザである。波高分析装置12は、放射線検出器11から出力される出力信号パルスの波高分布、つまり波高値に対応付けられた複数のチャンネル毎の計数値を算出する。例えば、放射線検出器11が放射線のエネルギーに応じた波高値を有する出力信号パルスを出力すると、波高分析装置12は放射線検出器11の出力信号パルスの波高分布としてエネルギースペクトルを作成する。
【0020】
入力装置13は、例えば操作者の入力操作に応じた信号を出力する各種のスイッチ及びキーボード等を備える。入力装置13は、操作者の入力操作に応じた各種の信号を処理装置15へ出力する。
出力装置14は、例えばスピーカ及び表示装置等を備える。出力装置14は、処理装置15から出力される各種の情報を出力する。
【0021】
処理装置15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部を備える。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、処理装置15の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0022】
処理装置15の記憶部16は、例えば、予め設定される各種のデータと、演算部17から出力されるデータと、波高分析装置12から出力されるデータとなどを記憶する。予め設定される各種のデータは、例えば、複数の異なる核種ライブラリのデータ及び各種の補正処理に必要なデータなどである。核種ライブラリのデータは、例えば、複数の核種の半減期、放射線のエネルギー及び放出率等のデータである。各種の補正処理に必要なデータは、例えば、放射線検出器11の測定対象の材質及び形状等の情報と、放射線検出器11及び測定対象の幾何条件の情報と、測定対象の媒質の線減弱係数の情報となどである。
波高分析装置12及び演算部17から出力されるデータは、例えば、放射線検出器11によって検出される放射線のエネルギースペクトルと、所定の標準線源及び測定対象に対して測定される放射線検出器11の検出効率となどの情報である。
【0023】
演算部17は、例えば、波高分析装置12によって作成される放射線のエネルギースペクトルに基づき、スペクトル解析、定性分析及び定量分析による分析処理を実行する。演算部17は、例えば、所定の核種の組み合わせによる放射能比に応じて、分析処理に用いる核種ライブラリのデータを自動的に設定する。演算部17は、例えば、所定の核種の組み合わせの放射能比が所定閾値よりも大きいか否かに応じて、核種ライブラリのデータを変更する。所定の核種の組み合わせ及び所定閾値は、例えば、所定施設での異常又は事故等の予め想定される所定の事象毎に対して設定される。例えば、原子力関連施設の事故時等に対して、所定の核種の組み合わせは、環境中への放出が予測される相対的に長い半減期の核種(例えば、半減期が30年程度である137Csなど)及び相対的に短い半減期の核種(例えば、半減期が2.1年程度である134Csなど)である。
【0024】
図2は、実施形態に係る放射能測定装置10による放射能比(A2/A1)の時間変化に対して設定される所定閾値THの一例を示す図である。
図2に示すように、相対的に長い半減期の核種(第1核種)の放射能A1と相対的に短い半減期の核種(第2核種)の放射能A2との放射能比(=A2/A1)は、例えば原子力関連施設の事故等の所定事象の発生時刻t0以降において、最大値R0から低下傾向に変化する。例えば、発生時刻t0から放射能比(=A2/A1)が所定閾値THに到達する時刻t1までの期間は、発生時刻t0からの経過時間が短く、相対的に短い半減期の核種の放射能A2が大きい、つまり相対的に短い半減期の核種が検出され易い期間であると認められる。一方、時刻t1以降の期間は、発生時刻t0からの経過時間が長く、相対的に短い半減期の核種が検出され難い期間であると認められる。
演算部17は、例えば、放射能比(=
134Cs/
137Cs)が所定閾値TH以下である場合に、原子力関連施設の平常時に対応して、汎用の核種ライブラリの基準データを選択する。演算部17は、例えば、放射能比(=
134Cs/
137Cs)が所定閾値THよりも大きい場合に、原子力関連施設の異常時に対応して、基準データと追加的な核種ライブラリの追加データとを選択することによって核種ライブラリを拡張する。
【0025】
以下に、実施形態の放射能測定装置10の動作、つまり処理装置15が実行する処理について説明する。
図3は、実施形態の放射能測定装置10が実行する分析処理を示すフローチャートである。
図4は、実施形態の放射能測定装置10の動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、先ず、演算部17は、波高分析装置12によって作成される放射線のエネルギースペクトルにおいて全吸収ピークを検出する(ステップS01)。
次に、演算部17は、放射線のエネルギースペクトルで検出した全吸収ピークのピーク計数及び誤差と、エネルギースペクトルでの検出限界計数等とを算出する(ステップS02)。
次に、演算部17は、所定の核種ライブラリのデータを用いて、放射線のエネルギースペクトルで検出した全吸収ピークに対応する放射性核種を同定する(ステップS03)。
次に、演算部17は、放射性核種を同定した全吸収ピークのピーク計数から放射性核種の放射能を算出する(ステップS04)。
次に、演算部17は、算出した放射能に対して各種の補正を行う(ステップS05)。そして、演算部17は、処理をエンドに進める。
【0026】
図4に示すように、
図3に示す分析処理で用いる所定の核種ライブラリのデータを設定する処理では、先ず、演算部17は、汎用の核種ライブラリの基準データを用いて、
図3に示す分析処理(第1分析)を実行する(ステップS11)。
次に、演算部17は、第1分析によって得られる所定の核種の組み合わせでの放射能比は所定閾値よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、演算部17は処理をエンドに進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、演算部17は処理をステップS13に進める。
次に、演算部17は、基準データと追加的な核種ライブラリの追加データとを用いて、再度、
図3に示す分析処理(第2分析)を実行する(ステップS13)。そして、演算部17は処理をエンドに進める。
【0027】
上述したように、実施形態の放射能測定装置10及び放射能測定方法の各々によれば、放射能比(=A2/A1)によって想定される事象に応じて自動的に核種ライブラリのデータを変更することができ、放射線のエネルギースペクトルを適正に解析することができる。例えば相対的に短い半減期の核種の放射能のみのような絶対量を用いるだけでは、想定される事象毎での放射線の放出量が不明であり、事象発生からの経過時間を適正に把握することはできないが、実施形態の放射能比(=A2/A1)のような相対的なパラメータを用いることによって、経過時間を適正に把握することができる。
放射能比(=A2/A1)によって想定される事象の発生から経過時間が短い場合、相対的に短い半減期の第2核種の放射能が大きく、第2核種が検出され易くなる。一方、放射能比(=A2/A1)によって想定される事象の発生から経過時間が長い場合、相対的に短い半減期の第2核種の放射能が小さく、第2核種が検出され難くなる。放射能比(=A2/A1)によって、事象発生時の放出量を必要とせずに、所定の事象の発生からの経過時間を適正に把握することができる。
放射能比(=A2/A1)によって想定される事象に対して核種ライブラリのデータを拡張することにより、核種が誤って同定されることを抑制し、核種同定の信頼性を向上させることができる。
【0028】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、演算部17は、
図4に示すステップS11からステップS13の処理を都度実行することによって、核種ライブラリの拡張要否を判定するとしたが、これに限定されない。
例えば、演算部17は、経時的に繰り返すモニタリング等の計測を実行する場合に、核種ライブラリを拡張した以降では、放射能比が所定閾値以下になるまで核種ライブラリの拡張を維持しつつ、
図3に示す分析処理を実行してもよい。そして、演算部17は、放射能比が所定閾値以下に到達した時点で核種ライブラリの拡張を終了して、これ以降の分析処理を基準データのみを用いて実行してもよい。
【0029】
上述した実施形態では、演算部17は、所定の核種の組み合わせによる放射能比を設定するとしたが、これに限定されず、所定の複数対の核種によって放射能比を設定してもよい。
上述した実施形態では、演算部17は、所定の核種の組み合わせによる放射能比に対して所定閾値を設定するとしたが、これに限定されず、段階的に異なる複数の閾値と各閾値に対応する複数の異なる核種ライブラリとを設定してもよい。
これにより、核種ライブラリのデータを詳細に変更することができる。
【0030】
上述した実施形態では、演算部17は、原子力関連施設の異常又は事故等に対して、所定の核種の組み合わせ及び所定閾値を設定するとしたが、これに限定されない。
例えば、原子力関連施設の停止時又は解体時のモニタリング等の他の想定される事象に対して、所定の核種の組み合わせ及び所定閾値を設定してもよい。
上述した実施形態では、放射線検出器11をゲルマニウム半導体検出器としたが、これに限定されず、例えば、シリコン等の他の半導体検出器及びシンチレーション検出器等の他の検出器であってもよい。
上述した実施形態の放射能測定装置10は、例えばホールボディカウンタ等の装置であってもよい。
【0031】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0032】
10…放射能測定装置、11…放射線検出器、12…波高分析装置、13…入力装置、14…出力装置、15…処理装置(処理部)。