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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010394
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】発泡成形品の製造方法及び防振手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/04 20060101AFI20240117BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A41D19/04 A
A41D19/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111710
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】500071407
【氏名又は名称】株式会社丸五
(74)【代理人】
【識別番号】110002206
【氏名又は名称】弁理士法人せとうち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 暢昌
(72)【発明者】
【氏名】秋森 裕司
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA30
3B033AB06
3B033AC02
3B033AC03
3B033AC04
3B033BA03
(57)【要約】
【課題】発泡倍率を調整しやすく、得られる成形品中に気泡を均一に形成できるとともに、バッチ式の生産や少量生産にも適した、ゴムラテックスを用いた発泡成形品、中でも防振手袋の製造方法を提供する。
【解決手段】ゴムラテックスを発泡させる発泡工程、発泡ゴムラテックスと感熱凝固剤を混合する混合工程、感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを型に注入する注入工程、該型内で前記発泡ゴムラテックスを加熱して凝固させる凝固工程、凝固した発泡ゴムを型から外す離型工程及び型から外された前記発泡ゴムを加熱して加硫する加硫工程を有する、発泡成形品の製造方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムラテックスを発泡させる発泡工程、発泡ゴムラテックスと感熱凝固剤を混合する混合工程、感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを型に注入する注入工程、該型内で前記発泡ゴムラテックスを加熱して凝固させる凝固工程、凝固した発泡ゴムを型から外す離型工程及び型から外された前記発泡ゴムを加熱して加硫する加硫工程を有する、発泡成形品の製造方法。
【請求項2】
前記凝固工程における加熱温度よりも前記加硫工程における加熱温度が高い、請求項1に記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項3】
前記ゴムラテックスが天然ゴムラテックスである、請求項1又は2に記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項4】
前記注入工程において、型と手型に装着された繊維製原手の間の空間に感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを注入する、請求項1又は2に記載の発泡成形品の製造方法。
【請求項5】
繊維製原手の掌側の少なくとも一部に防振材が形成されてなる防振手袋であって、
前記防振材が発泡天然ゴムからなり、
JIS K6253に従ってタイプEデュロメータを用いて測定される前記防振材の硬度が3~40である、防振手袋。
【請求項6】
前記防振材の比重が0.22~0.5である、請求項5に記載の防振手袋。
【請求項7】
ISO 10819:2013に準じて測定される、周波数帯域が25~200Hzの振動スペクトルMの平均振動伝達率T[M]が0.9以下であり、周波数帯域が200~1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率T[H]が0.6以下である、請求項5又は6に記載の防振手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムラテックスを用いた発泡成形品の製造方法及び防振手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
防振手袋は、振動を伴う作業、特に手持ち振動工具を用いた作業を行う際の振動軽減に幅広く使用されており、例えば、スポンジ、ジェル、発泡ゴム又はこれらの複合品等の防振材を用いた防振手袋等が上市されている。
【0003】
中でも、発泡ゴムからなる防振材が形成された防振手袋は、優れた防振性を有することが知られている。特許文献1には、水の存在により気体を発生する発泡剤を天然ゴムのエマルジョンに配合して、該エマルジョンを予め発泡させてから、手袋の掌側に不連続に塗布し、乾燥させることによって防振突起を形成して得られる防振手袋が記載されている。当該防振手袋は、振動減衰性能、作業性及び着用感に優れていると記載されている。また、前記製造方法によれば、発泡体からなる防振突起を簡便な操作で形成することが可能であり、製造工程において複雑な手作業を必要とせず、機械化、自動化が容易であると記載されている。
【0004】
しかしながら、上記のような化学発泡剤を用いた場合、工程がなお複雑であり、生産性に改良の余地があるとともに、バッチ式の生産や少量生産には適していなかった。さらに、上記方法で得られた防振手袋は、防振性能が不十分である場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-238765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡便であるとともに、バッチ式の生産や少量生産にも適した、ゴムラテックスを用いた発泡成形品、中でも防振手袋の製造方法を提供することを目的とする。また、発泡天然ゴムからなる防振材が形成され、高い防振性を有するとともに作業性も良好な防振手袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、ゴムラテックスを発泡させる発泡工程、発泡ゴムラテックスと感熱凝固剤を混合する混合工程、感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを型に注入する注入工程、該型内で前記発泡ゴムラテックスを加熱して凝固させる凝固工程、凝固した発泡ゴムを型から外す離型工程及び型から外された前記発泡ゴムを加熱して加硫する加硫工程を有する、発泡成形品の製造方法を提供することによって解決される。
【0008】
このとき、前記凝固工程における加熱温度よりも前記加硫工程における加熱温度が高いことが好ましい。前記ゴムラテックスが天然ゴムラテックスであることも好ましい。
【0009】
前記注入工程において、型と手型に装着された繊維製原手の間の空間に感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを注入することにより、防振手袋を製造することが好ましい。
【0010】
上記課題は、繊維製原手の掌側の少なくとも一部に防振材が形成されてなる防振手袋であって、前記防振材が発泡天然ゴムからなり、JIS K6253に従ってタイプEデュロメータを用いて測定される前記防振材の硬度が3~40である、防振手袋を提供することによっても解決される。
【0011】
前記防振材の比重が0.22~0.5であることが好ましい。ISO 10819:2013に準じて測定される、周波数帯域が25~200Hzの振動スペクトルMの平均振動伝達率T[M]が0.9以下であり、周波数帯域が200~1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率T[H]が0.6以下であることも好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法は、簡便であるとともに、バッチ式の生産や少量生産にも適しているため、様々な発泡成形品、特に防振手袋の製造に好適に用いられる。また、発泡天然ゴムからなる防振材が形成された本発明の防振手袋は高い防振性を有するとともに、作業性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1~8における、工程フロー図である。
図2】実施例1~8における、型の外観写真である。
図3】実施例1における、手袋を装着した手型が固定された型の外観写真である。
図4】実施例1において、得られた防振手袋の外観写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の発泡成形品の製造方法は、ゴムラテックスを発泡させる発泡工程、発泡ゴムラテックスと感熱凝固剤を混合する混合工程、感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを型に注入する注入工程、該型内で前記発泡ゴムラテックスを加熱して凝固させる凝固工程、凝固した発泡ゴムを型から外す離型工程及び型から外された前記発泡ゴムを加熱して加硫する加硫工程を有する。このような製造方法は、簡便であるとともに、バッチ式の生産や少量生産にも適している。
【0015】
本発明で用いられる原料のゴムラテックスは、ゴムの微粒子が水中に分散したものであれば特に限定されず、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ブチルゴムラテックス、アクリルラテックス等が挙げられる。また、これらのゴムラテックスを混合して用いても構わない。得られる発泡成形品の防振性能がさらに高まる点から、原料のゴムラテックスとして、天然ゴムラテックスが好ましい。天然ゴムラテックスのタイプは特に限定されず、HA(高アンモニア)でもよいしLA(低アンモニア)でもよい。前記ゴムラテックス中のゴムの含有量は、通常、20~80質量%である。
【0016】
前記発泡工程に供される前記ゴムラテックスは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ゴム及び水以外の他の添加剤を含有していてもよい。前記ゴムラテックスに含有されるゴム以外の添加剤としては、加硫剤、加硫促進剤、加硫活性剤、老化防止剤、充填剤、軟化剤、安定化剤、増粘剤、着色剤、起泡剤、分散剤、湿潤剤等が挙げられる。後述する未加硫ゴムラテックスの部分前加硫を行う場合、前記他の添加剤を、部分前加硫を行う前に添加してもよいし、部分前加硫を行った後に添加してもよい。
【0017】
前記ゴムラテックスに対して、安定化剤を添加することが好ましい。当該安定化剤として、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、水酸化カリウム、脂肪酸石けん、アンモニアカゼイン等が挙げられ、中でも非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤は、前記ゴムラテックスを安定化させるだけでなく、起泡剤、凝固助剤としても作用する。前記安定化剤を添加する場合、前記ゴムラテックス中の当該安定化剤の含有量は、ゴム100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。前記含有量は、0.3質量部以上がより好ましい。一方、後述する部分前加硫を行う場合、前記含有量は、5質量部以下がより好ましい。また、前記安定化剤を、部分前加硫を行う前に添加してもよいし、部分前加硫を行った後に添加してもよい。
【0018】
前記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルケニルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルケニルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルケニルエステル、グリセロールアルキルエステル、グリセロールアルケニルエステル、ポリグリセリンアルキルエステル、ポリグリセリンアルケニルエステル及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0019】
前記ゴムラテックスに対して、充填剤を添加することも好ましい。当該充填剤として、カオリン、軽質炭酸カルシウム(軽炭)、タルク、リトポン、珪藻土、硫酸バリウム、硫化亜鉛等が挙げられ、中でも経済的で、耐熱性が向上し、ゴムの硬度を変化させることなく、防振性能がさらに向上する観点から、軽質炭酸カルシウムが好ましい。前記充填剤を添加する場合、前記ゴムラテックス中の当該充填剤の含有量は、ゴム100質量部に対して、1~30質量部が好ましい。前記含有量は、5質量部以上がより好ましく、8質量部以上がさらに好ましい。一方、前記含有量は、25質量部以下がより好ましい。後述する部分前加硫を行う場合、部分前加硫を行う前に前記充填剤を添加してもよいし、部分前加硫を行った後に添加してもよいが、補強効果等の観点から部分前加硫を行う前に添加するのがより好ましい。
【0020】
前記発泡工程に供されるゴムラテックスは未加硫のゴムラテックスであってもよいが、ラテックスの均一化を進行させることよりラテックスに加工安定性や湿潤ゲル強度を付与し、また最終製品の寸法安定性等の性能を向上させる観点から、未加硫のゴムラテックスの熟成や部分前加硫を行うことにより得られるものが好ましい。なかでも、部分前加硫を行うことにより得られるものがより好ましい。熟成および部分前加硫は、未加硫のゴムラテックスに対して、必要に応じて、加硫剤、加硫促進剤、加硫活性剤、老化防止剤、分散剤、充填剤、軟化剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤等を添加した後、一定の温度での貯蔵、もしくは加熱することにより行うことができる。前記熟成を行うときの貯蔵温度は、通常25~30℃であり、貯蔵時間は、通常10~24時間である。前記部分前加硫を行うときの加熱温度は、通常50~70℃であり、加熱時間は、通常30~200分である。前記熟成を行うことにより得られるゴムラテックスは、ラテックスの状態で個々のゴム粒子の内部の少なくとも一部が架橋されているものであり、前記部分前加硫を行うことにより得られるゴムラテックスは、ラテックスの状態で個々のゴム粒子の内部の一部が架橋されているものである。
【0021】
前記発泡工程に供されるゴムラテックス中の固形分の含有量は、通常20~80質量%である。
【0022】
前記発泡工程において、前記ゴムラテックスを発泡させる。このときの方法は、特に限定されないが、容器内で前記ゴムラテックスを回転翼で撹拌したり、前記ゴムラテックスに空気を送入したりすることにより、ゴムラテックスを発泡させる機械発泡法が好ましい。これにより、ゴムラテックスの発泡倍率を調整しやすくなるとともに、得られる成形品中に気泡が均一に形成される。前記ゴムラテックスを発泡させるために用いられる発泡装置としては、ミキシングヘッドや内部圧力調整機能等を備えた連続式発泡装置が挙げられる。発泡工程を行った直後の発泡ゴムラテックスの発泡倍率(発泡ゴムラテックスの体積/発泡前のゴムラテックスの体積)は、1.5~5倍が好ましい。前記発泡倍率が1.5倍未満の場合には、得られる発泡成形品が硬くなりすぎたり、防振性能が低下したりするおそれがある。前記発泡倍率は、2倍以上がより好ましく、2.5倍以上がさらに好ましい。一方、前記発泡倍率が5倍を超える場合にも、得られる発泡成形品の防振性能が低下するおそれがある。また、前記発泡成形品が防振手袋等である場合には、前記発泡ゴムからなる防振材を厚くして必要な防振性能が得られたとしても作業性が低下する。前記発泡倍率は、4.3倍以下がより好ましく、3.8倍以下がさらに好ましい。前記発泡倍率は、実施例に記載された方法により測定される。
【0023】
得られた発泡ゴムラテックスを、前記混合工程において、感熱凝固剤と混合する。前記感熱凝固剤としては、ポリプロピレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、変性シリコーン、アンモニウム塩、ニトロパラフィンなどが挙げられる。前記変性シリコーンとしては、官能性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン油などの変性シリコーン油、シリコーン-グリコール共重合体等が挙げられる。前記アンモニウム塩としては、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。中でも、ゲル化傾向や、ラテックスのpHの影響を受けにくい観点から、前記感熱凝固剤として、ポリプロピレングリコールが好ましい。当該ポリプロピレングリコールの重量平均分子量は、通常、500~850である。また、通常、ポリプロピレングリコールは非イオン性界面活性剤の存在下で使用される。
【0024】
前記発泡ラテックスに対する前記感熱凝固剤の添加量は、当該感熱凝固剤の種類などによって適宜調整すればよいが、通常、ゴム100部に対して、0.1~10質量部である。当該添加量が0.1質量部未満の場合、発泡ラテックスが十分に凝固しないおそれがある。当該添加量は0.5質量部以上が好ましい。一方、当該添加量が10質量部を超える場合も、発泡ラテックスが十分に凝固しないおそれがある。当該添加量は5質量部以下が好ましい。
【0025】
また、感熱効果が向上する観点から、前記発泡ゴムラテックスに酸化亜鉛を添加することも好ましい。酸化亜鉛の添加量は、ゴム100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
【0026】
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記混合工程において、前記感熱凝固剤及び酸化亜鉛以外の他の添加剤を発泡ゴムラテックスに対して添加してもよい。このような他の添加剤としては、気泡安定剤や、前記発泡工程に供される前記ゴムラテックスに用いられる添加剤として上述したものが挙げられる。
【0027】
前記混合工程において、前記発泡ラテックスと前記感熱凝固剤、必要に応じて、さらに酸化亜鉛、前記他の添加剤を混合する方法は特に限定されず、ブレンダー、スタティックミキサー等の混合機を用いる方法が挙げられる。
【0028】
前記注入工程において、感熱凝固剤を含む前記発泡ゴムラテックスを型に注入する。このとき、低圧で一定量の発泡ゴムラテックスを型に注入することが好ましい。これにより、得られる発泡成形品中に形成される気泡の均一性がさらに高まるとともに、バッチ式の生産や少量生産により対応し易くなる。さらに、廃棄される前記発泡ゴムラテックスの量が低減される。図1は、後述する実施例1等における、工程フロー図である。具体的な方法としては、図1に示されるように、容積の増減が可能な供給容器を用い、前記供給容器の容積を増加させることにより前記混合工程で得られた感熱凝固剤を含む前記発泡ゴムラテックスを供給容器に充填した後、前記容積を低減させることにより供給容器内の前記発泡ゴムラテックスを射出し、前記型に注入する方法等が挙げられる。前記供給装置としては、プランジャー、ベローズ、風船、ダイヤフラムポンプ、チューブポンプ等が挙げられる。
【0029】
低圧で一定量の発泡ゴムラテックスを型に注入しやすい点から、前記混合工程で用いられる混合機(ブレンダー)と接続された配管、前記注入工程で用いられる供給容器と接続された配管及び前記凝固工程で用いられる型と接続された配管が接続された方向制御弁を設置してもよい。このような方向制御弁を設置する場合、前記供給容器に前記発泡ゴムラテックスを充填する際は、前記混合機から吐出された発泡ゴムラテックスが前記供給容器に充填され、型には発泡ゴムラテックスが供給されないように前記方向制御弁の開閉を行う。そして、前記供給容器から射出された発泡ゴムラテックスを前記型に注入する際には、前記供給容器から射出された発泡ゴムラテックスが型に注入され、前記混合機には発泡ゴムラテックスが逆流しないように制御弁の開閉を行う。
【0030】
前記型の種類は特に限定されず、金属製型、樹脂製型、木型、砂型等が挙げられ、中でも熱伝導性の良い金属製型が好ましい。前記発泡成形品が発泡ゴムと他の材料との複合品である場合、前記型中の発泡ラテックスと前記他の材料とを接触させた後、後述する凝固工程、離型工程及び加硫工程等を行うことにより、両者を複合化させてもよい。前記発泡ゴムと複合化させる他の材料は特に限定されず、編地、金属、非発泡ゴム、樹脂、ガラス、木材、石材、珪藻土材等が挙げられる。
【0031】
前記注入工程において、型と手型に装着された繊維製原手の間の空間に感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを注入することが好ましい。このような注入工程を行った後に、後述する凝固工程、離型工程及び加硫工程を行うことにより、繊維製原手の掌側の少なくとも一部に防振材が形成されてなる防振手袋を製造することができる。本発明の製造方法は、バッチ生産や少量生産に適しているため、発泡成形品としてこのような防振手袋を生産性良く製造することができる。
【0032】
前記凝固工程において、前記型内で前記感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを加熱して凝固させる。このような方法によれば、発泡ゴムラテックスの凝固の時期を調整できる。そのため、バッチ式の生産や少量生産にも対応し易いうえに、型に注入する際に発生した余剰の発泡ラテックスを再利用し易い。前記凝固工程における、加熱温度は、60~100℃が好ましく、60~90℃がより好ましい。また、加熱時間は、10~40分が好ましい。
【0033】
前記離型工程において、凝固した発泡ゴムを型から外す。そして、前記加硫工程において、型から外された前記発泡ゴムを加熱して加硫する。型の中では前記発泡ラテックスの凝固を行い、型から外してから発泡ゴムの加硫を行うことにより、作業効率、特に、バッチ生産や少量生産を行う場合の作業効率が向上する。加硫方法は特に限定されないが、スチーム加硫、熱空気加硫、熱湯加硫、マイクロ波加硫等が挙げられ、スチーム加硫が好ましい。前記発泡ゴムを加硫する際の温度は、90~120℃が好ましい。また、加熱時間は、20~60分が好ましい。
【0034】
前記凝固工程における加熱温度よりも前記加硫工程における加熱温度が高いことが好ましい。このように、前記凝固工程では、型の中で比較的低温で前記発泡ラテックスの凝固を行い、前記加硫工程では、得られた発泡ゴムを型から外して、得られた発泡ゴムの加硫を比較的高温で行うことにより、作業効率、特に、バッチ生産や少量生産を行う場合の作業効率が向上する。前記凝固工程における加熱温度よりも前記加硫工程における加熱温度が5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましい。
【0035】
こうして得られる発泡成形品に対して、さらに洗浄工程、脱液工程又は乾燥工程を行ってもよい。洗浄工程では、水を用いて前記発泡成形品を洗浄することが好ましい。前記脱液工程において採用される脱液方法として、前記発泡成形品に付着した液体を遠心脱液する方法、圧力をかけて脱液する方法等が挙げられる。前記乾燥工程における乾燥方法としては、前記発泡成形品を熱空気乾燥する方法等が挙げられる。乾燥は、そのままの状態で行っても定形用の手型に装着して行ってもよい。前記乾燥工程における乾燥温度は、通常、60~140℃である。
【0036】
こうして得られる発泡成形品は、防振材、衝撃吸収材、遮音材、断熱材、これらと他の材料との複合品等として好適に用いられる。前記発泡成形品が前記複合品、中でも繊維製原手の掌側の少なくとも一部に防振材が形成されてなる防振手袋であって、前記防振材が前記発泡ゴムからなるものであることが好ましい。当該防振手袋として、具体的には、後述する本発明の防振手袋が好ましい。
【0037】
また、発泡成形品の製造装置として、ゴムラテックスを発泡させる発泡手段、発泡ゴムラテックスと感熱凝固剤を混合する混合手段、感熱凝固剤を含む発泡ゴムラテックスを型に注入する注入手段、該型内で前記発泡ゴムラテックスを加熱して凝固させる凝固手段及び型から外された前記発泡ゴムを加熱して加硫する加硫手段を備えたものも好ましい。上述した発泡成形品の製造方法において、このような装置を用いることができる。当該装置中の発泡手段、混合手段、注入手段、凝固手段及び加硫手段として、前記製造方法における発泡工程、混合工程、注入工程、凝固工程及び加硫工程で使用される装置として上述したものが使用される。また、当該装置を用いて発泡成形品を製造するに際して、前記製造方法と同様の材料、処理方法等が採用される。
【0038】
本発明の防振手袋は、繊維製原手の掌側の少なくとも一部に防振材が形成されてなる防振手袋であって、前記防振材が発泡天然ゴムからなり、JIS K6253に従ってタイプEデュロメータを用いて測定される前記防振材の硬度が3~40であるものである。
【0039】
前記防振手袋の製造方法は、特に限定されないが、上述した発泡成形品の製造方法を用いて製造することが好ましい。当該製造方法は簡便であるとともに、バッチ式の生産や少量生産にも適している。したがって、様々な種類やサイズの防振手袋を生産性よく製造することができる。
【0040】
前記繊維製原手は、繊維製の手袋であれば特に限定されないが、編地で構成されたもの等を好適に用いることができる。原手を構成する繊維としては、綿、麻等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、レーヨン、アラミド、スフ等の合成繊維等の公知の様々な繊維が挙げられる。これらの繊維は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、原手を構成する繊維として、天然繊維、及び天然繊維とその他の繊維(合成繊維等)との複合体が好ましく、綿、及び綿とその他の繊維(合成繊維等)の複合体がより好ましい。前記注入工程において、前記発泡ラテックスの繊維間への進入を制御するために、原手に対してあらかじめ凝固剤、撥水剤等の薬剤を使用して処理を行ってもよい。
【0041】
前記防振材は、繊維製原手の掌側の少なくとも一部に形成されていればよい。前記防振手袋を装着した作業者が振動源に触れる際に、手が前記防振材を介して振動源に触れるように、繊維製原手に対して前記防振材が形成されていればよく、用途に応じて前記防振材の位置を決定すればよい。繊維製原手の掌側の表側と裏側のいずれに前記防振材が形成されていてもよいが、表側が好ましい。防振性がさらに向上する点からは、指部及び掌部に前記防振材が形成されていることがより好ましい。同様の観点から、繊維製原手の掌側の指部の全体に前記防振材が形成されていることも好ましく、繊維製原手の掌側の掌部の全体に前記防振材が形成されていることも好ましい。前記防振材の表面は平坦であってもよいし、凹凸が形成されていてもよい。
【0042】
前記防振材の厚みは、10mm以下が好ましい。当該厚みが10mmを超えると作業性が低下するおそれがある。当該厚みは8mm以下がより好ましい。一方、前記厚みは、1mm以上が好ましい。当該厚みが1mm未満の場合、防振性が低下するおそれがある。当該厚みは、2mm以上がより好ましく、4mm以上がさらに好ましく、5mm以上が特に好ましい。本発明において、前記防振材の厚みは、ISO 10819:2013に準じて測定される。具体的には、指部に形成される前記防振材の厚み又は掌部に形成される前記防振材の厚みを測定する。指部及び掌部に前記防振材が形成される場合、両方の前記防振材の厚みが上記範囲であることが好ましい。詳細な条件は、実施例に記載されたとおりとする。
【0043】
繊維製原手の掌側の指部分と掌部分の両方に前記防振材を形成する場合、掌部分に形成される防振材の厚みに対する、指部分に形成される防振材の厚みの比(指/掌)が0.55以上であることが好ましい。これにより、作業性と防振性能とを両立できる。当該比(指/掌)が0.55未満の場合、防振性が低下するおそれがある。一方、作業性がさらに向上する点から、当該比(指/掌)は、1以下が好ましい。
【0044】
前記防振材のJIS K6253に従ってタイプEデュロメータを用いて測定される硬度が3~40である必要がある。これにより、優れた防振性能を有するとともに、作業性にも優れた手袋が得られる。前記硬度は10以上が好ましく、11以上がより好ましく、12以上がさらに好ましい。一方、前記硬度は37以下が好ましく、33以下がより好ましい。
【0045】
前記防振材の比重が0.22~0.5であることが好ましい。当該比重がこのような範囲であることにより、防振性がさらに向上する。軽量で作業性に優れた前記防振手袋が得られる点からは、前記比重は0.45以下がより好ましく、0.4以下がさらに好ましく、0.35以下がよりさらに好ましく、0.3以下が特に好ましい。前記防振材の比重はJIS K 6268(A法)に従った水中置換法により測定される。
【0046】
また、ISO10819:2013に準じた構造の防振手袋が得られる点から、(1)繊維製原手の掌部分と指と親指の部分に同じ制振材を置くこと、(2)防振材は、掌の完全な部分を覆い、各指の3つの指節骨と親指の2つの指節骨を覆うこと、(3)繊維製原手の指および親指部分に配置される防振材の厚さは、繊維製原手の掌部分に配置された防振材の厚さの0.55倍以上であること、及び(4)繊維製原手の掌部分に配置された防振材の厚さは、8mm以下であることが好ましい。
【0047】
前記防振手袋のISO 10819:2013に準じて測定される、周波数帯域が25~200Hzの振動スペクトルMの平均振動伝達率T[M]が0.9以下であることが好ましい。これにより、防振性能がさらに向上する。平均振動伝達率T[M]は、通常、0.1以上である。また、同様の観点から、周波数帯域が200~1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率T[H]が0.6以下であることが好ましい。これにより、防振性能がさらに向上する。平均振動伝達率T[H]は、通常、0.1以上である。また、幅広い周波数の振動に対する防振性能が得られる点から、平均振動伝達率T[M]及び平均振動伝達率T[H]がいずれも上記範囲であることが好ましい。
【0048】
前記防振材の動ばね定数が50N/mm以下であることが好ましい。前記動ばね定数が当該範囲であることにより、防振性能がさらに向上する。前記動ばね定数は実施例に記載された方法により測定される。
【0049】
こうして得られる防振手袋は、高い防振性を有するとともに、作業性も良好である。また、上述した本発明の製造を用いた場合、当該防振手袋を生産性良く製造することができる。
【実施例0050】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
【0051】
実施例1
以下のとおり、防振手袋を製造した。図1に、このときの工程フロー図を示す。天然ゴムラテックス167質量部(ゴム成分60質量%)をジャケット付きのタンクに投入した。加硫剤2.5質量部、加硫促進剤(ZnEDC)1.0質量部、加硫促進剤(ZnMBT)1.0質量部、老化防止剤1.0質量部を、分散剤0.5質量部及び水7.75質量部と共にボールミルへ入れ、24時間以上粉砕したものを上記タンクに投入して十分に撹拌した。増粘剤0.6質量部(固形分30質量%)を0.6質量部の水で希釈した後、上記タンクに投入して十分に分散するように撹拌した。前記タンクのジャケット内に60℃の温水を90分間流して加熱することにより、部分前加硫を行い、その後直ちにジャケット内に冷水を流すことにより内容物を25℃に冷却した。冷却後、非イオン性界面活性剤1.0質量部に水4.0質量部を添加して希釈したものを上記タンクに投入してよく撹拌した。こうして得られたコンパウンドを常温にて一昼夜静置することにより部分前加硫ラテックスを得た。使用した各添加剤の詳細及び添加量を表1に示す。
【0052】
一定量の部分前加硫ラテックスをポンプによりミキシングヘッドに送った。その際、気泡安定剤を、ゴム成分100質量部に対して、10質量部の割合で、前記部分前加硫ラテックスに混合するとともに、加圧エアーを一定量送り、ミキシングヘッド内で回転翼を回転させることにより発泡倍率が3倍である発泡ゴムラテックスを形成させた。ミキシングヘッドから吐出した発泡ゴムラテックスに、酸化亜鉛と感熱凝固剤をゴム成分100質量部に対して、それぞれ2質量部(固形分換算)の割合で加え、それをブレンダー内で混合した。前記酸化亜鉛は、分散剤と水を加えてボールミルで24時間以上粉砕し、固形分量が50質量%であるディスパージョンとして加えた。感熱凝固剤は30質量%水溶液として加えた。使用した各添加剤の詳細を表1に示す。なお、ミキシングヘッドに供給された部分前加硫ラテックス及び気泡安定剤の合計体積a(ml)とミキシングヘッドから吐出された直後の発泡ゴムラテックスの体積b(ml)から発泡ゴムラテックスの発泡倍率(b/a)を求めた。体積a及び体積bは、目盛付きビーカーを用いて目視で測定した。
【0053】
ブレンダーで配合を完了させた発泡ゴムラテックスを、加圧装置の供給容器(ベローズ)内に所定量充填した後、ベローズ内の圧力が増加しないよう、ミキシングヘッドとブレンダーの運転を停止して速やかにラテックスフォームの供給を止めた。このとき、前記供給容器に前記発泡ゴムラテックスを充填する際は、前記ブレンダーから吐出された発泡ゴムラテックスが前記供給容器に充填され、型には発泡ゴムラテックスが供給されないように混合機(ブレンダー)方向制御弁の開閉を行った。そして、前記供給容器から射出された発泡ゴムラテックスを前記型に注入する際には、前記供給容器から射出された発泡ゴムラテックスが型に注入され、前記ブレンダーには発泡ゴムラテックスが逆流しないように制御弁の開閉を行った。
【0054】
図2は、型3の外観写真である。図3は、綿、ポリエステルの混紡糸で編成した編地からなる手袋1(原手)を装着した手型2が固定された型3の外観写真である。40~50℃に予熱した排出口6を備えた型3の所定位置に、編地からなる手袋1を装着した手型2を配置して動かないように固定した。型3の所定の位置に注入口4を備えた発泡ラテックス供給用のプレート6を固定した。供給容器を外から加圧して容積を減少させ、発泡ゴムラテックスを射出して注入口4から型3と手袋1の間の空間に注入した。発泡ゴムラテックスが排出口6から排出されるまで発泡ゴムラテックスを注入した後、直ちに供給容器への加圧を停止して発泡ゴムラテックスの供給を止めた。
【0055】
発泡ゴムラテックスが注入された型3を、80℃の熱空気オーブン中で15分間加熱することにより発泡ゴムラテックスの凝固(ゲル化)を完了させた。表面に発泡ゴムラテックスのゲル化物が形成された手袋1を手型2に装着したままの状態で型3から取り外し、30分間スチーム加硫を行った。手袋1を手型2から抜去し、水洗・脱液工程を行った後、100℃で60分間乾燥させることにより防振手袋を得た。得られた防振手袋は、柔軟で作業性のよいものであった。
【0056】
図4は、得られた防振手袋の外観写真である。図4に示されるように、手袋1(原手)の掌側の掌部及び指部の全面に発泡ゴムからなる防振材が形成された防振手袋を得た。
【0057】
<防振材の厚み>
ISO 10819:2013に準じて、得られた防振手袋の掌部に形成された防振材と指部に形成された防振材の厚みをそれぞれ測定した。測定サンプルとして、防振手袋から取り外した発泡ゴム単体を用いた。結果を表2に示す。
【0058】
<防振材の硬度>
JIS K6253に従ってタイプEデュロメータを用いて手袋(原手)に形成された防振材の硬度を測定した。試験片として、発泡ゴムラテックスをシャーレに一定量流し込み成形することにより得られた、φ30mm、厚み10mmの円形状の発泡ゴムを用いた。測定結果を表2に示す。なお、発泡ゴムラテックスとして、防振手袋を製造する際に型に注入したものと同様のものを用いた。また、シャーレ中の発泡ゴムラテックスに対して、防振手袋を製造する際と同様の条件で凝固工程から乾燥工程まで行った。
【0059】
<防振材の比重>
前記防振材の比重をJIS K 6268(A法)に従った水中置換法(測定温度:23±2℃)により測定した。手袋(原手)に形成された防振材を1.0g切り取り試験片とした。測定結果を表2に示す。
【0060】
<動ばね定数>
鷺宮製作所製動ばね試験装置「KCH701-30」を用いて、前記防振手袋の動ばね定数(N/mm)、損失率(tanδ)及び共振周波数(Hz)を測定した。試験片として、前記防振手袋の掌部から切り取った直径40mmの円状のもの(前記防振材と編地の多層体)を用いた。試験片を50Nの荷重で加振台とロードセルの間に挟み、50~1000Hz ±29.4m/sの条件で測定を行い、200Hzの時の動特性を代表値として用いることにより、動ばね定数(N/mm)、損失率(tanδ)及び共振周波数(Hz)を求めた。
【0061】
<平均振動伝達率>
EMIC製複合型環境試験機「F-1000BDH」を用いて、ISO 10819に準じて周波数帯域が25~200Hzの振動スペクトルMの平均振動伝達率T[M]、周波数帯域が200~1250Hzまでの振動スペクトルHの平均振動伝達率T[H]をそれぞれ測定した。被験者は手のサイズが7~10の5人とし、試験には利き手を使用した。室温20±5℃、湿度70%以下の条件下で試験を行った。試験に供される手袋は試験時の温度(20±5℃)で30分以上保管し、試験開始前3分間以上被験者の手で温めた。手袋の掌部と掌の間にアダプターを入れ、その手でハンドルを握り、測定中、把持力30±5N、押しつけ力50±8Nにそれぞれ維持した。肘の角度は90±15°とし、測定中、肘は体に触れないようにした。手首は0°(中立)~最大40°(背面曲げ)の間に維持した。振動試験は最低30秒間行った。
【0062】
実施例2~4、8
発泡工程において、ミキシングヘッドの運転条件を変更して表2に示すとおり発泡倍率を変更したこと以外は実施例1と同様にして、防振手袋の製造及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0063】
実施例5~7
部分前加硫工程において、部分前加硫を行う前に、天然ゴムラテックスに対して、表2に示される量の神島化学社製軽質炭酸カルシウム15質量部をさらに添加したこと及び発泡工程において、ミキシングヘッドの運転条件を変更して表2に示すとおり発泡倍率を変更したこと以外は実施例1と同様にして、防振手袋の製造及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0064】
比較例1~3
市販の防振手袋の動ばね試験及び平均振動伝達率の測定を実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。比較例1の防振手袋は、綿製の編地からなる原手の掌側の掌部及び指部に厚み4mmの天然ゴムからなる防振材が形成されてなるものである。比較例2の防振手袋は、50質量%綿混ポリエステル製の編地からなる原手の掌側の掌部及び指部に厚み4mmのポリウレタンスポンジからなる層と厚み4mmのジェルフォームからなる層の多層構造体からなる防振材が形成されてなるものである。比較例3の防振手袋は、綿・ナイロン製の編地からなる原手の掌側の掌部(厚み5mm)及び指部(厚み3~5mm)にクロロプレンゴムからなる防振材が形成されてなるものである。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【符号の説明】
【0067】
1 手袋
2 手型
3 型
4 注入口
5 プレート
6 排出口6

図1
図2
図3
図4