IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図1
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図2
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図3
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図4
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図5
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図6
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図7
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図8
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図9
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図10
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図11
  • 特開-蓋材及び蓋付き容器 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103957
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】蓋材及び蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
B65D77/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007925
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聡真
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA07
3E067BB14
3E067BC02
3E067CA24
3E067EA04
3E067EB07
3E067EB11
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】開封不良を低減する。
【解決手段】蓋材3は、矩形状の開口21と開口21の周辺に形成されたフランジ22とを有する容器2のフランジ22に接合されて開口21を塞ぐためのシート状の蓋材である。蓋材3は、フランジ22に接合されて開口21を塞ぐ矩形状の蓋本体33と、蓋本体33の角部35に位置して、蓋本体33から突出した摘み部34と、を備える。蓋本体33は、角部35から延びる第一外周辺部36と、摘み部34から延びる第一全切れ線40と、蓋本体33の表面3aに形成された表半切れ線70と、を有する。表半切れ線70は、第一全切れ線40の近傍から第一外周辺部36に沿って延びる第一表半切れ線部71を有し、第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aは、第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の開口と前記開口の周辺に形成されたフランジとを有する容器の前記フランジに接合されて前記開口を塞ぐためのシート状の蓋材であって、
前記フランジに接合されて前記開口を塞ぐ矩形状の蓋本体と、
前記蓋本体の角部に位置して、前記蓋本体から突出した摘み部と、を備え、
前記蓋本体は、
前記角部から延びる第一外周辺部と、
前記摘み部から延びる第一全切れ線と、
前記蓋本体の表面に形成された表半切れ線と、を有し、
前記表半切れ線は、前記第一全切れ線の近傍から前記第一外周辺部に沿って延びる第一表半切れ線部を有し、
前記第一表半切れ線部の前記第一全切れ線側の先端は、前記第一全切れ線の前記第一外周辺部とは反対側に位置している、
蓋材。
【請求項2】
前記第一表半切れ線部は、前記第一表半切れ線部と直交する第一基準線が前記第一全切れ線上を通るように形成されている、
請求項1に記載の蓋材。
【請求項3】
前記第一全切れ線は、少なくとも、前記第一表半切れ線部の前記第一全切れ線側の先端を通り前記第一表半切れ線部と直交する第二基準線まで延びている、
請求項1に記載の蓋材。
【請求項4】
前記第一表半切れ線部は、前記蓋材の紙目方向と直交する方向に延びている、
請求項1に記載の蓋材。
【請求項5】
前記蓋本体は、矩形状に形成されており、
前記第一表半切れ線部は、前記蓋本体の短辺方向に延びている、
請求項1に記載の蓋材。
【請求項6】
前記蓋本体は、前記蓋材の裏面に形成されてた裏半切れ線を有し、
前記表半切れ線は、前記蓋本体の外縁と前記裏半切れ線との間に位置している、
請求項1に記載の蓋材。
【請求項7】
前記蓋本体は、
前記角部から延びる第二外周辺部と、
前記摘み部から前記第一全切れ線と平行に延びる第二全切れ線と、を有し、
前記表半切れ線は、前記第二全切れ線の近傍から前記第二外周辺部に沿って延びる第二表半切れ線部と、を有し、
前記第二表半切れ線部の前記第二全切れ線側の先端は、前記第二全切れ線の前記第二外周辺部とは反対側に位置している、
請求項1に記載の蓋材。
【請求項8】
矩形状の開口と、前記開口の周辺に形成されたフランジと、を有する容器と、
請求項1~7の何れか一項に記載の蓋材と、を備え、
前記蓋材は、前記フランジに接合されて前記開口を塞ぐ、
蓋付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の開口の周辺に形成されたフランジに接合される蓋材及び当該蓋材が接合された蓋付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、矩形状を有する容器開口部の周縁のフランジに蓋材がシールされた蓋付き容器が記載されている。特許文献1に記載の蓋材は、矩形状容器開口部の角部に対応する位置に設けられて蓋材を開封する開封用タブと、表側層を切断する表半切れ線と、裏側層を切断する裏半切れ線と、開封用タブの両側において蓋材を切断する一対の切込み線と、を備える。表半切れ線は、矩形状容器開口部を周回するとともに、その両端部が開封用タブの両側に達している。裏半切れ線は、表半切れ線の内側において矩形状容器開口部を周回するとともに、その両端部が開封用タブの両側に達している。これにより、開封用タブを引っ張った際に、表半切れ線と裏半切れ線との間で層間剥離を行わせて、蓋材を開封することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2021―095168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、全切れ線(切込み線)と表半切れ線とは、トムソン刃等の刃物により同時に形成される。しかしながら、全切れ線を形成するための刃物の刃先と、表半切れ線を形成するための刃物の刃先と、を途切れることなく連続させることができないため、これらの刃先は互いに離間した状態となっている。このため、表半切れ線は、全切れ線に接続されずに、全切れ線の近傍から延びた状態となる。このようなことから、特許文献1に記載の蓋材は、実際には、表半切れ線が、全切れ線の延長線よりも外側に位置した状態となっている。このため、摘み部(開封用タブ)を引っ張って開封しようとすると、全切れ線と表半切れ線との間の領域において、蓋材の破断の破断方向が不安定になりやすい。その結果、蓋材の破断が、表半切れ線に到達することなく表半切れ線を越えて蓋材の内側まで進行して、開封不良となる場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、開封不良の発生を低減することができる蓋材及び蓋付き容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 本発明に係る蓋材は、矩形状の開口と開口の周辺に形成されたフランジとを有する容器のフランジに接合されて開口を塞ぐためのシート状の蓋材であって、フランジに接合されて開口を塞ぐ矩形状の蓋本体と、蓋本体の角部に位置して、蓋本体から突出した摘み部と、を備え、蓋本体は、角部から延びる第一外周辺部と、摘み部から延びる第一全切れ線と、蓋本体の表面に形成された表半切れ線と、を有し、表半切れ線は、第一全切れ線の近傍から第一外周辺部に沿って延びる第一表半切れ線部を有し、第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端は、第一全切れ線の第一外周辺部とは反対側に位置している。
【0007】
この蓋材では、第一表半切れ線部が第一全切れ線の近傍から延びているため、摘み部を引っ張って開封しようとすると、第一全切れ線と第一表半切れ線部との間の領域において蓋本体の破断方向が不安定になりやすい。しかしながら、第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端が第一全切れ線の第一外周辺部とは反対側に位置しているため、蓋本体の破断が第一全切れ線から第一表半切れ線部に進行しやすくなる。これにより、蓋本体の破断が第一表半切れ線部に到達することなく第一表半切れ線部を越えて蓋材の内側まで進行する開封不良の発生を低減することができる。
【0008】
[2] [1]に記載の蓋材において、第一表半切れ線部は、第一表半切れ線部と直交する第一基準線が第一全切れ線上を通るように形成されていてもよい。この蓋材では、第一表半切れ線部が、第一表半切れ線部と直交する第一基準線が第一全切れ線上を通るように形成されているため、第一全切れ線の先端から発生する蓋本体の破断を、第一表半切れ線部と直交する方向から第一表半切れ線部に至らせることができる。これにより、蓋本体の破断を第一全切れ線から第一表半切れ線部に進行させやすくすることができる。
【0009】
[3] [1]又は[2]に記載の蓋材において、第一全切れ線は、少なくとも、第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端を通り第一表半切れ線部と直交する第二基準線まで延びていてもよい。この蓋材では、第一全切れ線が、少なくとも、第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端を通り第一表半切れ線部と直交する第二基準線まで延びているため、第一全切れ線の先端から発生する蓋本体の破断を、第一表半切れ線部と直交する方向から第一表半切れ線部に至らせることができる。これにより、蓋本体の破断を第一全切れ線から第一表半切れ線部に進行させやすくすることができる。
【0010】
[4] [1]~[3]の何れか一つに記載の蓋材において、第一表半切れ線部は、蓋材の紙目方向と直交する方向に延びていてもよい。蓋本体の破断は、紙目方向に進行しやすいことから、この蓋材では、第一表半切れ線部が紙目方向と直交する方向に延びており、この第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端が第一全切れ線の第一外周辺部とは反対側に位置している。このため、摘み部を引っ張った際に、蓋本体の破断を第一全切れ線から第一表半切れ線部に進行させやすくすることができる。
【0011】
[5] [1]~[4]の何れか一つに記載の蓋材において、蓋本体は、矩形状に形成されており、第一表半切れ線部は、蓋本体の短辺方向に延びていてもよい。この蓋材では、蓋本体が矩形状に形成されているため、蓋本体の長辺方向に摘み部が引っ張られやすい。しかしながら、第一表半切れ線部が蓋本体の短辺方向に延びており、この第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端が第一全切れ線の第一外周辺部とは反対側に位置している。このため、摘み部を蓋本体33の長辺方向に引っ張っても、蓋本体の破断を第一全切れから第一表半切れ線部に進行させやすくすることができる。
【0012】
[6] [1]~[5]の何れか一つに記載の蓋材において、蓋本体は、蓋材の裏面に形成されてた裏半切れ線を有し、表半切れ線は、蓋本体の外縁と裏半切れ線との間に位置していてもよい。この蓋材では、表半切れ線が蓋本体の外縁と裏半切れ線との間に位置しているため、摘み部を引っ張った際に、表半切れ線から裏半切れ線まで蓋本体の層間剥離を進行させることができる。また、この層間剥離を裏半切れ線で終了させて蓋材を開封することができる。
【0013】
[7] [1]~[6]の何れか一つに記載の蓋材において、蓋本体は、角部から延びる第二外周辺部と、摘み部から第一全切れ線と平行に延びる第二全切れ線と、を有し、表半切れ線は、第二全切れ線の近傍から第二外周辺部に沿って延びる第二表半切れ線部と、を有し、第二表半切れ線部の第二全切れ線側の先端は、第二全切れ線の第二外周辺部とは反対側に位置していてもよい。この蓋材では、第二表半切れ線部が第二全切れ線の近傍から延びているため、摘み部を引っ張って開封しようとすると、第二全切れ線と第二表半切れ線部との間の領域において蓋本体の破断方向が不安定になりやすい。しかしながら、第二表半切れ線部の第二全切れ線側の先端が第二全切れ線の第二外周辺部とは反対側に位置しているため、蓋本体の破断が第二全切れ線から第二表半切れ線部に進行しやすくなる。これにより、蓋本体の破断が第二表半切れ線部に到達することなく第二表半切れ線部を越えて蓋材の内側まで進行する開封不良の発生を低減することができる。
【0014】
[8] 本発明に係る蓋付き容器は、矩形状の開口と、開口の周辺に形成されたフランジと、を有する容器と、フランジに接合されて開口を塞ぐ[1]~[7]の何れか一つに記載の蓋材と、を備える。この蓋付き容器では、上述した何れかの蓋材がフランジに接合されて開口を塞いでいるため、開封不良を低減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、開封不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第一実施形態に係る蓋付き容器を示す平面図である。
図2図1に示すII-II線における断面図である。
図3】第一実施形態に係る蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。
図4】蓋材の一部を拡大した断面図である。
図5図3のV部分を拡大した平面図である。
図6】比較例の蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。
図7図3のV部分を拡大した平面図である。
図8】第二実施形態に係る蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。
図9図8のIX部分を拡大した平面図である。
図10】第三実施形態に係る蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。
図11図10のXI部分を拡大した平面図である。
図12図10のXII部分を拡大した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る蓋付き容器を示す正面図である。図2は、図1に示すII-II線における断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る蓋付き容器1は、容器2と、蓋材3と、を備える。
【0019】
容器2は、矩形状の開口21と、開口21の周辺に形成されたフランジ22と、を有する。矩形状とは、実質的に矩形とみなせる形状であり、例えば、矩形の四隅が丸められた形状等も矩形状に含まれる。容器2には、例えば、食品等の内容物23が充填されている。内容物23は、開口21から取り出すことが可能である。フランジ22は、開口21と同様に矩形状に形成されている。
【0020】
図3は、第一実施形態に係る蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。図1図3に示すように、蓋材3は、容器2のフランジ22に接合されて容器2の開口21を塞ぐシート状の部材である。蓋材3の表面3aは、蓋付き容器1の上方に露出される面となっており、蓋材3の裏面3bは、容器2のフランジ22に接合される面となっている。
【0021】
図4は、蓋材の一部を拡大した断面図である。図4に示すように、蓋材3は、シーラント層31と、紙基材層32と、が積層された積層体となっている。
【0022】
シーラント層31は、蓋材3の裏面3bを形成して、容器2のフランジ22に接合される。フランジ22に対するシーラント層31の接合は、例えば、ヒートシールにより行われる。シーラント層31の材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等とすることができる。耐熱性の観点から、シーラント層31はポリプロピレンであることが好ましい。
【0023】
紙基材層32は、シーラント層31の表面3a側に配置されている。紙基材層32は、表面3aを形成してもよく、表面3aを形成しなくてもよい。例えば、紙基材層32の表面3a側にコート層等の他の層が配置されており、この他の層が表面3aを形成していてもよい。紙基材層32は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。紙基材層32を多層構造とすることで、紙基材層32に容易に厚み及び剛性を持たせることができる。
【0024】
なお、容器2は、蓋材3と同様に、シーラント層(不図示)と、紙基材層(不図示)と、が積層された積層体となっていてもよい。この場合、蓋付き容器1は、蓋材3のシーラント層31が容器2のシーラント層にヒートヒールされて構成されていてもよい。
【0025】
図1図4に示すように、蓋材3は、蓋本体33と、摘み部34と、を備える。蓋本体33及び摘み部34のそれぞれは、シーラント層31と紙基材層32とが積層された積層体となっている。
【0026】
蓋本体33は、容器2のフランジ22に接合されて容器2の開口21を塞ぐ部分である。蓋本体33は、フランジ22に接合されて開口21を塞ぐために、矩形状に形成されている。蓋本体33の四隅のうちの一つの角部を、角部35という。蓋本体33は、角部35を挟んで直線状に延びる第一外周辺部36及び第二外周辺部37を有する。第一外周辺部36及び第二外周辺部37は、蓋本体33の四つの直線状に延びる外周辺部のうちの、角部35を挟んで隣接する二つの外周辺部である。第一外周辺部36と第二外周辺部37とは、互いに直交する方向に延びている。また、第一外周辺部36は、蓋材3の紙目方向D1と直交する方向に延びており、第二外周辺部37は、蓋材3の紙目方向D1に延びている。
【0027】
摘み部34は、蓋材3を開封する際に掴む部分である。摘み部34は、開封タブ等とも呼ばれる。摘み部34は、蓋本体33の角部35に位置している。摘み部34は、蓋本体33から突出している。蓋本体33に対して摘み部34が突出す方向を突出方向D2といい、突出方向D2とは反対の方向を引張方向D3という。引張方向D3は、蓋材3を開封するために摘み部34を引っ張る方向でもある。突出方向D2及び引張方向D3は、例えば、第一外周辺部36及び第二外周辺部37に対して45°(135°)となる方向とすることができる。
【0028】
蓋本体33は、第一全切れ線40と、第二全切れ線50と、裏半切れ線60と、表半切れ線70と、を有する。
【0029】
第一全切れ線40は、表面3aから裏面3bまで切られた全切れ線である。第一全切れ線40は、摘み部34の一方側の外縁端に接続されるように、蓋本体33の角部35の端縁から延びている。第一全切れ線40は、蓋本体33の角部35の端縁から引張方向D3に延びる第一全切れ線上流部41と、第一全切れ線上流部41の先端から第一外周辺部36側に屈曲して引張方向D3に対して傾斜する方向に延びる第一全切れ線下流部42と、を有する。なお、第一全切れ線下流部42は、第一全切れ線上流部41の先端から湾曲しながら延びて、第一全切れ線上流部41と滑らかに接続されていてもよい。第一全切れ線40の摘み部34側の先端を、基端40aといい、第一全切れ線40の摘み部34とは反対側の先端を、先端40bといい、第一全切れ線40の第一外周辺部36側に屈曲する箇所を屈曲点40cという。基端40aは、第一全切れ線上流部41の摘み部34側の先端でもある。先端40bは、第一全切れ線下流部42の摘み部34とは反対側の先端でもある。屈曲点40cは、第一全切れ線上流部41と第一全切れ線下流部42とが接続される箇所でもある。
【0030】
第二全切れ線50は、表面3aから裏面3bまで切られた全切れ線である。第二全切れ線50は、摘み部34の他方側の外縁端に接続されるように、蓋本体33の角部35の端縁から延びている。第二全切れ線50は、蓋本体33の角部35の端縁から引張方向D3に延びる第二全切れ線上流部51と、第二全切れ線上流部51の先端から第二外周辺部37側に屈曲して引張方向D3に対して傾斜する方向に延びる第二全切れ線下流部52と、を有する。なお、第二全切れ線下流部52は、第二全切れ線上流部51の先端から湾曲しながら延びて、第二全切れ線上流部51と滑らかに接続されていてもよい。第二全切れ線50の摘み部34側の先端を、基端50aといい、第二全切れ線50の摘み部34とは反対側の先端を、先端50bといい、第二全切れ線50の第二外周辺部37側に屈曲する箇所を屈曲点50cという。基端50aは、第二全切れ線上流部51の摘み部34側の先端でもある。先端50bは、第二全切れ線下流部52の摘み部34とは反対側の先端でもある。屈曲点50cは、第二全切れ線上流部51と第二全切れ線下流部52とが接続される箇所でもある。
【0031】
第一全切れ線上流部41と第二全切れ線上流部51とは、互いに平行となっている。第一全切れ線40の長さ(基端40aから先端40bまでの長さ)と、第二全切れ線50の長さ(基端50aから先端50bまでの長さ)とは、互いに異なっている。また、第一全切れ線上流部41の長さ(基端40aから屈曲点40cまでの長さ)と、第二全切れ線上流部51の長さ(基端50aから屈曲点50cまでの長さ)とは、互いに異なっている。具体的には、第一全切れ線40の長さは、第二全切れ線50の長さよりも長くなっている。また、第一全切れ線上流部41の長さは、第二全切れ線上流部51の長さよりも長くなっている。
【0032】
裏半切れ線60は、蓋本体33の裏面3b側に形成された半切れ線である。つまり、裏半切れ線60は、表面3aに至らないように裏面3bから表面3aに向けて蓋本体33に切り込まれた半切れ線である。表半切れ線70は、蓋本体33の表面3a側に形成された半切れ線である。つまり、表半切れ線70は、裏面3bに至らないように表面3aから裏面3bに向けて蓋本体33に切り込まれた半切れ線である。半切れ線は、ハーフカット線等とも呼ばれる。蓋材3の厚さ方向D4において、表半切れ線70の切込先端70aは、裏半切れ線60の切込先端60aよりも裏面3b側に位置している。同様に、厚さ方向D4において、裏半切れ線60の切込先端60aは、表半切れ線70の切込先端70aよりも表面3a側に位置している。図1の平面図では、表半切れ線70を実線で示し、裏半切れ線60を破線で示している。
【0033】
裏半切れ線60は、裏半切れ本線61と、裏半切れ補助線62と、第一裏半切れ誘導線63と、第二裏半切れ誘導線64と、を有する。
【0034】
裏半切れ本線61は、蓋本体33の角部35を除く蓋本体33の外周に沿って延びている。裏半切れ補助線62は、裏半切れ本線61の一方側の先端61aから裏半切れ本線61の他方側の先端61bまで延びている。つまり、裏半切れ補助線62は、裏半切れ本線61が形成されない角部35に形成されて、裏半切れ本線61の先端61aから裏半切れ本線61の先端61bまで延びている。第一裏半切れ誘導線63は、第一全切れ線40の屈曲点40cの近傍から裏半切れ本線61の一方側の先端61aまで延びている。第一裏半切れ誘導線63の第一全切れ線40側の先端63aは、第一全切れ線40から離間している。第二裏半切れ誘導線64は、第二全切れ線50の屈曲点50cの近傍から裏半切れ本線61の他方側の先端61bまで延びている。第二裏半切れ誘導線64の第二全切れ線50側の先端64aは、第二全切れ線50から離間している。
【0035】
表半切れ線70は、裏半切れ線60と蓋材3の外周との間に位置している。表半切れ線70は、第一全切れ線40の近傍から第二全切れ線50の近傍まで、角部35とは反対側の角部を回るように蓋本体33の外周に沿って延びている。
【0036】
表半切れ線70は、第一表半切れ線部71と、第二表半切れ線部72と、を有する。
【0037】
第一表半切れ線部71は、表半切れ線70の第一全切れ線40側の先端部分である。第一表半切れ線部71は、第一外周辺部36と裏半切れ線60との間に位置している。第一表半切れ線部71は、第一全切れ線40の近傍から第一外周辺部36に沿って延びている。第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aは、第一全切れ線40から離間している。第一表半切れ線部71は、紙目方向D1と直交する方向に延びている。
【0038】
第二表半切れ線部72は、表半切れ線70の第二全切れ線50側の先端部分である。第二表半切れ線部72は、第二外周辺部37と裏半切れ線60との間に位置している。第二表半切れ線部72は、第二全切れ線50の近傍から第二外周辺部37に沿って延びている。第二表半切れ線部72の第二全切れ線50側の先端72aは、第二全切れ線50から離間している。第二表半切れ線部72は、紙目方向D1に延びている。
【0039】
図5は、図3のV部分を拡大した平面図である。図1図3、及び図5に示すように、第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aは、第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置している。つまり、第一外周辺部36の延在方向と直交する方向(本実施形態では、紙目方向D1)から見て、第一表半切れ線部71の一部が、第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置して、第一全切れ線40の一部とオーバーラップするように位置している。
【0040】
蓋材3の表面3aに沿って第一表半切れ線部71と直交する仮想線を、第一基準線L1とする。第一基準線L1は、第一表半切れ線部71の任意の位置における、第一表半切れ線部71と直交する仮想線である。そして、第一表半切れ線部71は、第一基準線L1が第一全切れ線40上を通るように形成されている。つまり、第一表半切れ線部71は、第一表半切れ線部71の何れかの位置において第一表半切れ線部71と直交する第一基準線L1が第一全切れ線40上を通るように形成されている。このため、例えば、第一表半切れ線部71の先端71aを通る第一基準線L1が第一全切れ線40の先端40bを通っていてもよく、第一表半切れ線部71の先端71aを通る第一基準線L1が第一全切れ線40の先端40bよりも基端40a側の位置を通っていてもよい。図面では、第一表半切れ線部71の先端71aを通る第一基準線L1が第一全切れ線40の先端40bよりも基端40a側の位置を通る場合を一例として示している。
【0041】
第一表半切れ線部71の先端71aを通り第一表半切れ線部71と直交する仮想線を第二基準線L2とする。なお、上述した第一基準線L1は、第二基準線L2にもなり得る。そして、第一全切れ線40は、少なくとも、第二基準線L2まで延びている。このため、例えば、第二基準線L2が第一全切れ線40の先端40bを通っていてもよく、第二基準線L2が第一全切れ線40の先端40bよりも基端40a側の位置を通っていてもよい。図面では、第二基準線L2が第一全切れ線40の先端40bよりも基端40a側の位置を通る場合を一例として示している。
【0042】
第一全切れ線40は、第二基準線L2(第一表半切れ線部71の先端71aを通る第一基準線L1)を跨いで延びていることが好ましい。つまり、第二基準線L2(第一表半切れ線部71の先端71aを通る第一基準線L1)が第一全切れ線40の先端40bよりも基端40a側の位置を通るように形成されていることが好ましい。
【0043】
図1及び図3に示すように、第二表半切れ線部72の第二全切れ線50側の先端部分は、第二外周辺部37側に屈曲することで、第二全切れ線50の先端50bに向けて延びている。そして、第二表半切れ線部72の第二全切れ線50側の先端72aは、第一表半切れ線部71の先端71aとは異なり、第二全切れ線50の第二外周辺部37とは反対側に位置していない。第二表半切れ線部72の先端72aは、例えば、第二全切れ線50の第二全切れ線下流部52の延長線上に位置している。
【0044】
図1及び図2に示すように、蓋付き容器1では、表半切れ線70がフランジ22上に配置され、裏半切れ本線61がフランジ22よりも内側(開口21側)に配置されるように、蓋材3が容器2のフランジ22に接合されている。
【0045】
このように構成される蓋付き容器1では、蓋材3を開封するために摘み部34を引張方向D3に引っ張ると、第一全切れ線40の屈曲点40c又はその近傍から第一裏半切れ誘導線63まで蓋本体33の破断が進行するとともに、第二全切れ線50の屈曲点50c又はその近傍から第二裏半切れ誘導線64まで蓋本体33の破断が進行する。その後、第一全切れ線40の先端40bから第一表半切れ線部71まで蓋本体33の破断が進行するとともに、第二全切れ線50の先端50bから第二表半切れ線部72まで蓋本体33の破断が進行する。これにより、表半切れ線70と裏半切れ線60との間で蓋本体33が層間剥離するとともに、この層間剥離が裏半切れ線60で終了することで、蓋材3が開封される。
【0046】
ここで、図6を参照して、比較例の蓋材について説明する。図6は、比較例の蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。図6に示すように、比較例の蓋材103は、基本的に本実施形態の蓋材3と同様であるが、第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端が、第一全切れ線の第一外周辺部とは反対側に位置していない点で、本実施形態の蓋材3と相違する。
【0047】
比較例の蓋材103の蓋本体133は、第一全切れ線40対応する第一全切れ線140と、第二全切れ線50に対応する第二全切れ線150と、裏半切れ線60と、表半切れ線70に対応する表半切れ線170と、を有する。表半切れ線170は、第一表半切れ線部71対応する第一表半切れ線部171と、第二表半切れ線部72に対応する第二表半切れ線部172と、を有している。しかしながら、第一表半切れ線部171の第一全切れ線140側の先端171aは、第一全切れ線140の第一外周辺部36とは反対側に位置していない。このため、比較例の蓋材103が容器2のフランジ22に接合された蓋付き容器において、摘み部34を引張方向D3に引っ張ると、第一全切れ線140の先端140bから発生する蓋本体133の破断は、矢印D5に示すように、第一表半切れ線部171に到達することなく第一表半切れ線部171を越えて蓋本体133の内側まで進行する可能性がある。特に、第一表半切れ線部71が紙目方向D1と直交する方向に延びている場合は、第一全切れ線140の先端140bから発生する蓋本体133の破断が、矢印D5に示すように、第一表半切れ線部171に到達することなく第一表半切れ線部171を越えて蓋本体133の内側まで進行しやすくなる。
【0048】
これに対し、本実施形態の蓋材3では、第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aが、第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置している。このため、本実施形態の蓋材3が容器2のフランジ22に接合された蓋付き容器1において、摘み部34を引張方向D3に引っ張ると、図1図3、及び図7に示すように、第一全切れ線40の先端40bから発生する蓋本体133の破断は、第一表半切れ線部71に進行しやすくなる。図7は、図5と同様に、図3のV部分を拡大した平面図である。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る蓋材3では、第一表半切れ線部71が第一全切れ線40の近傍から延びているため、摘み部34を引張方向D3に引っ張って開封しようとすると、第一全切れ線40と第一表半切れ線部71との間の領域において蓋本体33の破断方向が不安定になりやすい。しかしながら、第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aが第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置しているため、蓋本体33の破断が第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に進行しやすくなる。これにより、蓋本体33の破断が第一表半切れ線部71に到達することなく第一表半切れ線部71を越えて蓋本体133の内側まで進行する開封不良の発生を低減することができる。
【0050】
また、この蓋材3では、第一表半切れ線部71が、第一表半切れ線部71と直交する第一基準線L1が第一全切れ線40上を通るように形成されているため、第一全切れ線40の先端40bから発生する蓋本体33の破断を、第一表半切れ線部71と直交する方向から第一表半切れ線部71に至らせることができる。これにより、蓋本体33の破断を第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に進行させやすくすることができる。
【0051】
また、この蓋材3では、第一全切れ線40が、第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aを通る第一基準線L1を跨いで延びているため、蓋本体33の破断の進行方向が多少不安定になっても、蓋本体33の破断を第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に進行させやすくすることができる。
【0052】
また、この蓋材3では、第一全切れ線40が、少なくとも、第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aを通り第一表半切れ線部71と直交する第二基準線L2まで延びているため、第一全切れ線40の先端40bから発生する蓋本体33の破断を、第一表半切れ線部71と直交する方向から第一表半切れ線部71に至らせることができる。これにより、蓋本体33の破断を第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に進行させやすくすることができる。
【0053】
また、この蓋材3では、第一表半切れ線部71が紙目方向D1と直交する方向に延びており、この第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aが第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置している。このため、摘み部34を引張方向D3に引っ張った際に、蓋本体33の破断を第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に進行させやすくすることができる。なお、第二表半切れ線部72は紙目方向D1に延びているため、第二表半切れ線部72の第二全切れ線50側の先端72aが第二全切れ線50の第二外周辺部37とは反対側に位置していなくても、蓋本体33の破断を第二全切れ線50から第二表半切れ線部72に進行しやすい。
【0054】
また、この蓋材3では、蓋本体33が矩形状に形成されているため、蓋本体33の長辺方向に摘み部34が引っ張られやすい。しかしながら、第一表半切れ線部71が蓋本体33の短辺方向に延びており、この第一表半切れ線部71の第一全切れ線40側の先端71aが第一全切れ線40の第一外周辺部36とは反対側に位置している。このため、摘み部34を蓋本体33の長辺方向に引っ張っても、蓋本体33の破断を第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に進行させやすくすることができる。
【0055】
また、この蓋材3では、表半切れ線70が蓋本体33の外縁と裏半切れ線60との間に位置しているため、摘み部34を引張方向D3に引っ張った際に、表半切れ線70から裏半切れ線60まで蓋本体33の層間剥離を進行させることができる。また、この層間剥離を裏半切れ線60で終了させて蓋材3を開封することができる。
【0056】
また、この蓋材3では、第一全切れ線40の長さと第二全切れ線50の長さとが互いに異なっていることで、第一全切れ線40から第一表半切れ線部71に至る蓋本体33の破断の開始タイミングと、第二全切れ線50から第二表半切れ線部72に至る蓋本体33の破断の開始タイミングとを、互いに異ならせることができる。これにより、摘み部34を引張方向D3に引っ張って蓋材3を開封するために必要な力を低減することができる。
【0057】
また、この蓋材3では、第一全切れ線40の長さと第二全切れ線50の長さとが互いに異なっていることで、第一全切れ線40から第一裏半切れ誘導線63に至る蓋本体33の破断の開始タイミングと、第二全切れ線50から第二裏半切れ誘導線64に至る蓋本体33の破断の開始タイミングとを、互いに異ならせることができる。これにより、摘み部34を引張方向D3に引っ張って蓋材3を開封するために必要な力を低減することができる。
【0058】
また、この蓋材3では、第一裏半切れ誘導線63が第一全切れ線40の屈曲点40cの近傍から延びており、第一表半切れ線部71が第一全切れ線40の先端40bの近傍から延びている。このため、第一全切れ線40から裏半切れ線60に至る蓋本体33の破断の開始タイミングと、第一全切れ線40から表半切れ線70に至る蓋本体33の破断の開始タイミングとを、互いに異ならせることができる。同様に、第二裏半切れ誘導線64が第二全切れ線50の屈曲点50cの近傍から延びており、第二表半切れ線部72が第二全切れ線50の先端50bの近傍から延びている。このため、第二全切れ線50から裏半切れ線60に至る蓋本体33の破断の開始タイミングと、第二全切れ線50から表半切れ線70に至る蓋本体33の破断の開始タイミングとを、互いに異ならせることができる。これにより、摘み部34を引張方向D3に引っ張って蓋材3を開封するために必要な力を低減することができる。
【0059】
また、この蓋材3では、シーラント層31を有することで、容器2のフランジ22に対する蓋材3の接合をヒートシールにより行うことができる。そして、シーラント層31の表面3a側に紙基材層32が配置されるため、蓋材3の表面3a側に様々な意匠等を容易に付与することができる。
【0060】
本実施形態に係る蓋付き容器1では、上述した蓋材3がフランジ22に接合されて開口21を塞いでいるため、開封不良を低減することができる。
【0061】
[第二実施形態]
第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、蓋材の表半切れ線の形状が異なることで、第二表半切れ線部の第二全切れ線側の先端が、第一表半切れ線部の先端と同様に、第二全切れ線の第二外周辺部とは反対側に位置している点のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0062】
図8は、第二実施形態に係る蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。図8に示すように、蓋材3Aは、第一実施形態の蓋本体33に対応する蓋本体33Aと、摘み部34と、を備える。蓋本体33Aは、第一全切れ線40と、第二全切れ線50と、裏半切れ線60と、第一実施形態の表半切れ線70に対応する表半切れ線70Aと、を有する。表半切れ線70Aは、第一表半切れ線部71と、第一実施形態の第二表半切れ線部72に対応する第二表半切れ線部72Aと、を有する。
【0063】
第二表半切れ線部72Aは、第二表半切れ線部72と同様に、表半切れ線70Aの第二全切れ線50側の先端部分であり、第二外周辺部37と裏半切れ線60との間に位置している。第二表半切れ線部72Aは、第二全切れ線50の近傍から第二外周辺部37に沿って延びている。第二表半切れ線部72Aの第二全切れ線50側の先端72Aaは、第二全切れ線50から離間している。
【0064】
図9は、図8のX部分を拡大した平面図である。図8及び図9に示すように、第二表半切れ線部72Aの第二全切れ線50側の先端部分は、第一実施形態の第二表半切れ線部72とは異なり、第二外周辺部37側に屈曲することなく、第二外周辺部37に沿って延びている。そして、第二表半切れ線部72Aの第二全切れ線50側の先端72Aaは、第二全切れ線50の第二外周辺部37とは反対側に位置している。つまり、第二外周辺部37の延在方向と直交する方向から見て、第二表半切れ線部72Aの一部が、第二全切れ線50の第二外周辺部37とは反対側に位置して、第二全切れ線50の一部とオーバーラップするように位置している。
【0065】
蓋材3の表面3aに沿って第二表半切れ線部72Aと直交する仮想線を、第三基準線L3とする。第三基準線L3は、第二表半切れ線部72Aの任意の位置における、第二表半切れ線部72Aと直交する仮想線である。そして、第二表半切れ線部72Aは、第三基準線L3が第二全切れ線50上を通るように形成されている。つまり、第二表半切れ線部72Aは、第二表半切れ線部72Aの何れかの位置において第二表半切れ線部72Aと直交する第三基準線L3が第二全切れ線50上を通るように形成されている。このため、例えば、第二表半切れ線部72Aの先端72Aaを通る第三基準線L3が第二全切れ線50の先端50bを通っていてもよく、第二表半切れ線部72Aの先端72Aaを通る第三基準線L3が第二全切れ線50の先端50bよりも基端50a側の位置を通っていてもよい。図面では、第二表半切れ線部72Aの先端72Aaを通る第三基準線L3が第二全切れ線50の先端50bよりも基端50a側の位置を通る場合を一例として示している。
【0066】
第二表半切れ線部72Aの先端72Aaを通り第二表半切れ線部72Aと直交する仮想線を第四基準線L4とする。なお、上述した第三基準線L3は、第四基準線L4にもなり得る。そして、第二全切れ線50は、少なくとも、第四基準線L4まで延びている。このため、例えば、第四基準線L4が第二全切れ線50の先端50bを通っていてもよく、第四基準線L4が第二全切れ線50の先端50bよりも基端50a側の位置を通っていてもよい。図面では、第四基準線L4が第二全切れ線50の先端50bよりも基端50a側の位置を通る場合を一例として示している。
【0067】
第二全切れ線50は、第四基準線L4(第二表半切れ線部72Aの先端72Aaを通る第三基準線L3)を跨いで延びていることが好ましい。つまり、第四基準線L4(第二表半切れ線部72Aの先端72Aaを通る第三基準線L3)が第二全切れ線50の先端50bよりも基端50a側の位置を通るように形成されていることが好ましい。
【0068】
このように、本実施形態に係る蓋材3Aでは、第二表半切れ線部72Aが第二全切れ線50の近傍から延びているため、摘み部34を引張方向D3に引っ張って開封しようとすると、第二全切れ線50と第二表半切れ線部72Aとの間の領域において蓋本体33Aの破断方向が不安定になりやすい。しかしながら、第二表半切れ線部72Aの第二全切れ線50側の先端72Aaが第二全切れ線50の第二外周辺部37とは反対側に位置しているため、蓋本体33Aの破断が第二全切れ線50から第二表半切れ線部72Aに進行しやすくなる。これにより、蓋本体33Aの破断が第二表半切れ線部72Aに到達することなく第二表半切れ線部72Aを越えて蓋本体133の内側まで進行する開封不良が発生するのを抑制することができる。
【0069】
[第三実施形態]
第三実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、蓋材の第一全切れ線、第二全切れ線、及び表半切れ線の形状が異なるとともに、第二表半切れ線部の第二全切れ線側の先端が、第一表半切れ線部の先端と同様に、第二全切れ線の第二外周辺部とは反対側に位置している点のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0070】
図10は、第三実施形態に係る蓋材の表面側の一部を拡大した平面図である。図10に示すように、蓋材3Bは、第一実施形態の蓋本体33に対応する蓋本体33Bと、摘み部34と、を備える。蓋本体33Bは、第一実施形態の第一全切れ線40に対応する第一全切れ線40Bと、第一実施形態の第二全切れ線50に対応する第二全切れ線50Bと、裏半切れ線60と、第一実施形態の表半切れ線70に対応する表半切れ線70Bと、を有する。
【0071】
第一全切れ線40Bは、摘み部34の一方側の外縁端に接続されるように、蓋本体33Bの角部35の端縁から引張方向D3に直線状に延びている。第一全切れ線40Bは、例えば、第一実施形態の第一全切れ線上流部41のみで構成されている。第一全切れ線40Bの摘み部34側の先端を、基端40Baといい、第一全切れ線40Bの摘み部34とは反対側の先端を、先端40Bbという。
【0072】
第二全切れ線50Bは、摘み部34の他方側の外縁端に接続されるように、蓋本体33Bの角部35の端縁から引張方向D3に直線状に延びている。第二全切れ線50Bは、例えば、第一実施形態の第二全切れ線上流部51のみで構成されている。第二全切れ線50Bの摘み部34側の先端を、基端50Baといい、第二全切れ線50Bの摘み部34とは反対側の先端を、先端50Bbという。
【0073】
第一全切れ線40Bと第二全切れ線50Bとは、互いに平行となっている。第一全切れ線40Bの長さ(基端40Baから先端40Bbまでの長さ)と、第二全切れ線50Bの長さ(基端50Baから先端50Bbまでの長さ)とは、互いに異なっている。具体的には、第一全切れ線40Bの長さは、第二全切れ線50Bの長さよりも長くなっている。
【0074】
表半切れ線70Bは、第一実施形態の第一表半切れ線部71に対応する第一表半切れ線部71Bと、第一実施形態の第二表半切れ線部72に対応する第二表半切れ線部72Bと、を有する。
【0075】
第一表半切れ線部71Bは、第一表半切れ線部71と同様に、表半切れ線70Bの第一全切れ線40B側の先端部分であり、第一外周辺部36と裏半切れ線60との間に位置している。第一表半切れ線部71Bは、第一全切れ線40Bの近傍から第一外周辺部36に沿って延びている。第一表半切れ線部71Bの第一全切れ線40B側の先端71Baは、第一全切れ線40Bから離間している。
【0076】
第二表半切れ線部72Bは、第二表半切れ線部72と同様に、表半切れ線70Bの第二全切れ線50B側の先端部分であり、第二外周辺部37と裏半切れ線60との間に位置している。第二表半切れ線部72Bは、第二全切れ線50Bの近傍から第二外周辺部37に沿って延びている。第二表半切れ線部72Bの第二全切れ線50B側の先端72Baは、第二全切れ線50Bから離間している。
【0077】
図11は、図10のXI部分を拡大した平面図である。図10及び図11に示すように、第一表半切れ線部71Bの第一全切れ線40B側の先端部分は、第一外周辺部36側に屈曲することで、第一全切れ線40Bの先端40Bbと第一裏半切れ誘導線63の先端63aとの間を突き抜けている。そして、第一表半切れ線部71Bの第一全切れ線40B側の先端71Baは、第一実施形態と同様に、第一全切れ線40Bの第一外周辺部36とは反対側に位置している。
【0078】
また、第一表半切れ線部71Bは、第一実施形態と同様に、第一表半切れ線部71Bと直交する第一基準線L1が第一全切れ線40B上を通るように形成されている。また、第一全切れ線40は、第一実施形態と同様に、少なくとも、第一表半切れ線部71Bの先端71Baを通り第一表半切れ線部71Bと直交する第二基準線L2まで延びている。これらの場合、第一全切れ線40Bは、第二基準線L2(第一表半切れ線部71Bの先端71Baを通る第一基準線L1)を跨いで延びていることが好ましい。
【0079】
図12は、図10のXII部分を拡大した平面図である。図10及び図12に示すように、第二表半切れ線部72Bの第二全切れ線50B側の先端部分は、第二外周辺部37側に屈曲することで、第二全切れ線50Bの先端50Bbと第二裏半切れ誘導線64の先端64aとの間を突き抜けている。そして、第二表半切れ線部72Bの第二全切れ線50B側の先端72Baは、第二実施形態と同様に、第二全切れ線50Bの第二外周辺部37とは反対側に位置している。
【0080】
また、第二表半切れ線部72Bは、第二実施形態と同様に、第二表半切れ線部72Bと直交する第三基準線L3が第二全切れ線50B上を通るように形成されている。また、第二全切れ線50は、第二実施形態と同様に、少なくとも、第二表半切れ線部72Bの先端72Baを通り第二表半切れ線部72Bと直交する第四基準線L4まで延びている。これらの場合、第二全切れ線50Bは、第四基準線L4(第二表半切れ線部72Bの先端72Baを通る第三基準線L3)を跨いで延びていることが好ましい。
【0081】
このように、第一表半切れ線部71Bが第一全切れ線40Bの先端40Bbと第一裏半切れ誘導線63の先端63aとの間を突き抜けていることでも、第一表半切れ線部71Bの第一全切れ線40B側の先端71Baを、第一全切れ線40Bの第一外周辺部36とは反対側に位置することができる。同様に、第二表半切れ線部72Bが第二全切れ線50Bの先端50Bbと第二裏半切れ誘導線64の先端64aとの間を突き抜けていることでも、第二表半切れ線部72Bの第二全切れ線50B側の先端72Baを、第二全切れ線50Bの第二外周辺部37とは反対側に位置することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0083】
例えば、上記実施形態では、蓋材は、長辺方向に長く短辺方向に短い矩形状に形成されるものとして説明したが、蓋材の形状は特に限定されるものではなく、例えば、正方形状に形成されていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、第一外周辺部が紙目方向と直交する方向に延びており、第二外周辺部が紙目方向に延びているものとして説明したが、紙目方向は、特に限定されるものではなく、上記以外の方向であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、第一全切れ線、第二全切れ線、裏半切れ線、及び表半切れ線の具体的な形状について説明したが、第一表半切れ線部の第一全切れ線側の先端が、第一全切れ線の第一外周辺部とは反対側に位置していれば、これらの切れ線の形状は、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0086】
1…蓋付き容器、2…容器、3,3A,3B…蓋材、3a…表面、3b…裏面、21…開口、22…フランジ、23…内容物、31…シーラント層、32…紙基材層、33…蓋本体、34…摘み部、35…角部、36…第一外周辺部、37…第二外周辺部、40,40B…第一全切れ線、40a,40Ba…基端、40b,40Bb…先端、40c…屈曲点、41…第一全切れ線上流部、42…第一全切れ線下流部、50,50B…第二全切れ線、50a,50Ba…基端、50b,50Bb…先端、50c…屈曲点、51…第二全切れ線上流部、52…第二全切れ線下流部、60…裏半切れ線、60a…切込先端、61…裏半切れ本線、61a…先端、61b…先端、62…裏半切れ補助線、63…第一裏半切れ誘導線、63a…先端、64…第二裏半切れ誘導線、64a…先端、70,70A,70B…表半切れ線、70a…切込先端、71,71B…第一表半切れ線部、71a,71Ba…先端、72,72A,72B…第二表半切れ線部、72a,72Aa,72Ba…先端、103…蓋材、140…第一全切れ線、140b…先端、150…第二全切れ線、170…表半切れ線、171…第一表半切れ線部、171a…先端、172…第二表半切れ線部、D1…紙目方向、D2…突出方向、D3…引張方向、D4…厚さ方向、L1…第一基準線、L2…第二基準線、L3…第三基準線、L4…第四基準線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12