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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103976
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】情報処理システム、及び、提案方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240726BHJP
   G06Q 30/016 20230101ALI20240726BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/016
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007949
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】森 幹太
(72)【発明者】
【氏名】森 恵一
(72)【発明者】
【氏名】脇 匡史
(72)【発明者】
【氏名】高沢 修
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 渉
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB05
5L049BB05
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】バッテリを備える車両の売却を予定しているユーザに対して、当該バッテリの劣化抑制の提案を的確に行う。
【解決手段】情報処理システム1は、バッテリ60を備える車両CのユーザPによる車両Cの売却の意思を示す情報を取得する情報取得部2と、この取得された情報に基づいて車両Cの売却の予定の有無を判定する判定部3と、この判定の結果に基づく提案をユーザPに対して報知する報知部4と、を備える。判定部3にて車両Cの売却の予定が有ると判定された場合に、報知部4は、バッテリ60の劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御(例えばバッテリ温調制御)の実行を提案する報知を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを備える車両のユーザによる前記車両の売却の意思を示す情報を取得する情報取得部と、
前記情報に基づいて前記売却の予定の有無を判定する判定部と、
前記判定の結果に基づく提案を前記ユーザに対して報知する報知部と、
を備え、
前記判定部にて前記売却の予定が有ると判定された場合に、前記報知部は、前記バッテリの劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御の実行を提案する報知を行う、情報処理システム。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記ユーザによって前記情報が入力される入力部である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記ユーザの行動履歴に基づいて前記情報を推定する推定部である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判定部は、更に、前記車両のメンテナンスに関する情報に基づいて、前記売却の予定の有無を判定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記バッテリ劣化抑制制御は、前記バッテリの温調制御を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記報知部は情報端末の表示部であり、
前記判定部にて前記売却の予定が有ると判定された場合に、前記表示部は、前記バッテリ劣化抑制制御の実行を提案する表示を行う、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
バッテリを備える車両のユーザによる前記車両の売却の意思を示す情報を取得すること、
前記情報に基づいて前記売却の予定の有無を判定すること、及び、
前記売却の予定が有ると判定された前記ユーザに対して、前記バッテリの劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御の実行を提案すること、
を含む、提案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを備える車両のユーザに対して、当該バッテリの劣化抑制制御の実行を提案することが可能な情報処理システム、及び、当該提案を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の車両には、その駆動源としての電動モータと、この電動モータに電力を供給するバッテリ(蓄電池)とが搭載されている。この点、特許文献1には、車両に搭載されたバッテリの温調(温度調整)を行うことでバッテリの劣化を抑制する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1の段落0167等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-119694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、当該車両については、バッテリの劣化抑制を目的としたバッテリの温調を行うか否かをユーザが選択できるように構成され得る。この点、仮にユーザが当該バッテリの温調を行わないほうを選択している場合には、バッテリの劣化が過度に進行し、その結果、当該車両の売却時(再販時)に査定価格が低下しかねない。
【0005】
そこで、本発明は、バッテリを備える車両の売却を予定しているユーザに対して、当該バッテリの劣化抑制の提案を的確に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、情報処理システムが提供される。情報処理システムは、バッテリを備える車両のユーザによる車両の売却の意思を示す情報を取得する情報取得部と、前記情報に基づいて前記売却の予定の有無を判定する判定部と、前記判定の結果に基づく提案をユーザに対して報知する報知部と、を備える。判定部にて前記売却の予定が有ると判定された場合に、報知部は、バッテリの劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御の実行を提案する報知を行う。
【0007】
本発明の別の側面によると、提案方法が提供される。提案方法は、バッテリを備える車両のユーザによる車両の売却の意思を示す情報を取得すること、前記情報に基づいて前記売却の予定の有無を判定すること、及び、前記売却の予定が有ると判定されたユーザに対して、バッテリの劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御の実行を提案すること、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の売却を予定しているユーザに対して、車両のバッテリの劣化抑制の提案を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態における情報処理システムのブロック図である。
図2】同上実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。
図3】同上実施形態における提案方法を示すフローチャートである。
図4】同上実施形態における携帯端末の表示部の表示例を示す図である。
図5】同上実施形態における携帯端末の表示部の表示例を示す図である。
図6】同上実施形態における携帯端末の表示部の表示例を示す図である。
図7】同上実施形態におけるバッテリ温調システムの概略構成を示す図である。
図8】同上実施形態におけるバッテリ温調システムの制御部を示すブロック図である。
図9】本発明の第2実施形態における情報処理システムのブロック図である。
図10】本発明の第3実施形態における提案方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態における情報処理システム1のブロック図である。
情報処理システム1は、情報取得部2の一例である入力部2aと、判定部3と、報知部4とを備える。
【0012】
入力部2aは、バッテリ60を備える車両C(後述する図7参照)のユーザPによって車両Cの売却(再販)の意思を直接的に入力できるように構成されている。換言すれば、入力部2aは、ユーザP自身によって、車両Cの売却の意思を示す情報(以下、「車両売却意思情報」と称する)を直接的に入力できるように構成されている。尚、情報取得部2の一例である入力部2aは、車両売却意思情報を、ユーザPによる直接的な入力によって取得することができる。
【0013】
判定部3は、車両売却意思情報に基づいて、車両Cの売却の予定の有無を判定する。報知部4は、判定部3での判定結果に基づく提案を、ユーザPに対して報知する。本実施形態において、報知部4は、判定部3にて車両Cの売却の予定が有ると判定された場合に、バッテリ60の劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御(例えばバッテリ温調制御)を実行する提案をユーザPに対して報知する。
【0014】
ここにおいて、車両CのユーザPとは、例えば車両Cを売却する権限を有する者であり、換言すれば、例えば車両Cの所有者である。以下では、バッテリ60を備える車両Cの一例として電気自動車(EV)を挙げて説明する。このバッテリ60は、車両Cに搭載された駆動源としての電動モータに電力を供給する。
【0015】
図2は、本実施形態における情報処理システム1の概略構成を示す。
情報処理システム1は、サーバ10と、ユーザPによって操作される携帯端末20とを備える。サーバ10及び携帯端末20は、1つ以上の通信ネットワークNを介して相互に接続されている。通信ネットワークNは、1つ以上の有線ネットワーク及び/又は1つ以上の無線ネットワークによって構成されている。携帯端末20は、例えばスマートフォン等の携帯電話やタブレット型端末等の携帯型の情報端末(information device)であり得る。
【0016】
携帯端末20は、ユーザPに関連付けられている(例えば、携帯端末20がユーザPに関連付けられていることがサーバ10側から認識できるようになっている)。尚、携帯端末20は、例えばユーザPの所有物であり得る。
【0017】
サーバ10は、制御部11と送受信部12とを有する。制御部11はサーバ10における各種処理を実行する機能を有し、また、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等を備える。制御部21では、通信ネットワークNから送受信部12を介して受信した各種情報を、RAMで一時記憶することができる。送受信部22は、制御部11に記憶された各種情報を通信ネットワークNに送信することができる。
【0018】
携帯端末20は、制御部21と送受信部22と表示部23とを有する。制御部21は携帯端末20における各種処理を実行する機能を有し、また、図示しない処理部及び記憶部等を備える。制御部21では、通信ネットワークNから送受信部22を介して受信した各種情報を記憶部で一時記憶することができる。この記憶部で一時記憶されている各種情報の少なくとも一部は、表示部23にて表示される(例えば、画面表示される)。また、表示部23は、タッチパネルとしても機能し得る。尚、ユーザPによる携帯端末20の操作状況については、通信ネットワークNを介してサーバ10の制御部11にて把握できるようになっている。
【0019】
ここにおいて、携帯端末20(特に表示部23のタッチパネル)によって前述の入力部2a(情報取得部2)の機能が実現され得る。サーバ10(特に制御部11)によって前述の判定部3の機能が実現され得る。携帯端末20(特に表示部23)によって前述の報知部4の機能が実現され得る。サーバ10と携帯端末20との間で通信ネットワークNを介して伝達される各種情報についても、ユーザPに関連付けられている(例えば、当該各種情報がユーザPに関連付けられていることがサーバ10側、及び携帯端末20側から認識できるようになっている)。
【0020】
次に、バッテリ60を備える車両CのユーザPに対して、車両Cのバッテリ60の劣化抑制の提案を行う方法について、前述の図1及び図2に加えて、図3図6を用いて説明する。図3は、本実施形態における提案方法を示すフローチャートである。図4図6は、それぞれ、携帯端末20の表示部23の表示例を示す。ここで、図4図6では、携帯端末20がスマートフォンである例を示している。
【0021】
図3に示す提案方法は、所定のタイミングで(例えば、ユーザPが携帯端末20を操作して携帯端末20で中古車や新車に関する情報をWEB検索したときに)、又は、所定の周期で(例えば数か月おきに)実施され得る。
【0022】
まず、ステップS1では、入力部2aにて、車両売却意思情報を、ユーザPによる直接的な入力によって取得する。
【0023】
このステップS1では、例えば図4に示すように、「EVを売却する予定がありますか?」という記載がなされたメッセージM1と、「はい」という記載がなされたボタンPB1と、「いいえ」という記載がなされたボタンPB2とが、携帯端末20の表示部23に表示される。ここにおいて、表示部23のタッチパネル(表示部23に表示されたボタンPB1,PB2を含む)によって入力部2aの機能が実現され、従って、ユーザPによって車両売却意思情報を直接的に入力することができる。
【0024】
次に、ステップS2では、サーバ10の制御部11(判定部3)にて、前述のボタンPB1,PB2の操作結果(すなわち、入力部2aに入力された車両売却意思情報)に基づいて、車両Cの売却の予定の有無を判定する。
【0025】
ステップS1において、ユーザPによってボタンPB1(「はい」)が押下されると、ステップS2において、車両Cの売却の予定が有ると判定されて、ステップS3に進み、携帯端末20の表示部23での表示(報知部4での報知)によって、ユーザPに対して、車両Cのバッテリ60の劣化抑制制御の実行を提案する。この提案の一例が図5及び図6に示されている。
【0026】
この提案では、まず図5に示すように、「バッテリの温調管理を良くするとバッテリの劣化が抑えられます。バッテリの寿命を延ばすためのバッテリ温度管理を行いますか?」という記載がなされたメッセージM2と、「はい」という記載がなされたボタンPB3と、「いいえ」という記載がなされたボタンPB4とが表示部23に表示される。つまり、図5は、車両Cのバッテリ60の劣化抑制制御の実行をユーザPに対して提案することの一例として、車両Cのバッテリ60の温調制御(温度調整制御)の実行をユーザPに対して提案することを示している。
【0027】
ユーザPによってボタンPB3(「はい」)が押下されると、図6に示すように、「バッテリ温調を行うには『バッテリ温調設定』ボタンを押下してください。」という記載のメッセージM3が表示部23に表示される。つまり、ユーザPに対して、車両Cのバッテリ60の温調制御を実行するためのガイダンスが表示される。このガイダンスでは、車両C内における『バッテリ温調設定』ボタンの位置を図示してもよい。図6に示す、「OK」と記載されたボタンPB5が押下されると、前述のガイダンス表示が終了する。
【0028】
一方、ユーザPによってボタンPB4(「いいえ」)が押下されると、図6に示すようなガイダンス表示が行われることなく、ユーザPへの提案が終了する。
【0029】
尚、ステップS1において、ユーザPによってボタンPB2(「いいえ」)が押下されると、ステップS2において、車両Cの売却の予定が無いと判定されて、図5及び図6に示すようなユーザPへの提案が行われることなく終了する。
【0030】
ここで、車両Cのバッテリ60の劣化抑制制御の一例である、車両Cのバッテリ60の温調制御について、図7及び図8を用いて説明する。
【0031】
図7は、バッテリ温調システム50の概略構成を示す。図8は、バッテリ温調システム50の制御部55を示すブロック図である。
【0032】
バッテリ温調システム50は、車両Cのバッテリ60の温調を行うために車両Cに搭載されている。バッテリ温調システム50は、バッテリ60に熱媒体を循環させることでバッテリ60の温度を調整する。バッテリ温調システム50は、バッテリ60に熱媒体を循環させるための循環ポンプ51と、熱媒体の熱を放熱させるための熱交換器52とを備える。循環ポンプ51及び熱交換器52とバッテリ60とは熱媒体配管53にて環状に接続されている。ここでの熱媒体としては、例えば、水、HFO-1234yfのような冷媒、クーラント等の液体、空気等の気体が採用可能である。
【0033】
また、バッテリ温調システム50は、バッテリ60の温調制御を行うための制御部55と、バッテリ60の温度を測定する温度センサ56とを有している。そして、例えば、ユーザPによって車両C内の前述の『バッテリ温調設定』ボタンが押下されると、制御部55は、バッテリ60の温度が所定の温度以下になるように循環ポンプ51の作動を制御することで、バッテリ60の劣化抑制制御を行う。これにより、バッテリ60の高温による劣化を抑制することができる。
【0034】
尚、バッテリ温調システム50の構成については、前述の態様に限らない。例えば、バッテリ温調システム50は、バッテリ60を冷却(空冷)するための冷却ファンを備え、制御部55が当該冷却ファンの作動を制御するように構成されていてもよい。また、バッテリ60の低温による劣化を抑制する必要がある場合には、バッテリ60を昇温するために電気ヒータ等の加温装置をバッテリ温調システム50に追加し、当該加温装置の作動を制御部55によって制御してもよい。
【0035】
本実施形態によれば、情報処理システム1は、バッテリ60を備える車両CのユーザPによる車両Cの売却の意思を示す情報(車両売却意思情報)を取得する情報取得部2と、この取得された情報に基づいて車両Cの売却の予定の有無を判定する判定部3と、この判定の結果に基づく提案をユーザPに対して報知する報知部4と、を備える。判定部3にて車両Cの売却の予定が有ると判定された場合に、報知部4は、バッテリ60の劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御の実行を提案する報知を行う(図3のステップS2~S3、図5及び図6参照)。これにより、車両Cの売却を予定しているユーザPに対して、車両Cのバッテリ60の劣化抑制の提案を的確に行うことができる。
【0036】
また本実施形態によれば、情報取得部2は、ユーザPによって情報(車両売却意思情報)が入力される入力部2a(例えば携帯端末20の表示部23のタッチパネル)である。これにより、情報処理システム1にて、ユーザPによる車両Cの売却の意思を簡易に把握することができる。
【0037】
また本実施形態によれば、バッテリ60の劣化抑制制御は、バッテリ60の温調制御を含む(図3のステップS3、図5及び図6参照)。ゆえに、バッテリ60の高温による劣化を抑制することができ、ひいては、バッテリ60の長寿命化を実現することができる。
【0038】
また本実施形態では、報知部4は、情報端末の一例である携帯端末20の表示部23である。判定部3にて車両Cの売却の予定が有ると判定された場合に、表示部23は、バッテリ劣化抑制制御の実行を提案する表示を行う(図3のステップS2~S3、図5及び図6参照)。これにより、携帯端末20を介して、ユーザPに対して、バッテリ60の劣化抑制の提案を適時に行うことができる。
【0039】
また本実施形態によれば、提案方法は、バッテリ60を備える車両CのユーザPによる車両Cの売却の意思を示す情報(車両売却意思情報)を取得すること(ステップS1)、この取得された情報に基づいて車両Cの売却の予定の有無を判定すること(ステップS2)、及び、車両Cの売却の予定が有ると判定されたユーザPに対して、バッテリ60の劣化を抑制するバッテリ劣化抑制制御の実行を提案すること(ステップS3)を含む。これにより、車両Cの売却を予定しているユーザPに対して、車両Cのバッテリ60の劣化抑制の提案を的確に行うことができる。尚、この提案方法における各処理は、コンピュータによって実行され得る。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態について、図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態における情報処理システム1のブロック図である。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0041】
本実施形態における情報処理システム1では、情報取得部2の一例として、前述の入力部2aの代わりに推定部2bを備えている。推定部2bは、ユーザPの行動履歴に基づいて、車両Cの売却の意思を示す情報(車両売却意思情報)を推定できるように構成されている。尚、情報取得部2の一例である推定部2bは、車両売却意思情報を、ユーザPの行動履歴に基づく推定によって取得することができる。ここにおいて、サーバ10(特に制御部11)によって前述の推定部2b(情報取得部2)の機能が実現され得る。
【0042】
前述のユーザPの行動履歴(行動履歴情報)には、例えば、以下の情報が含まれ得る。
〔1〕ユーザPによる携帯端末20でのWEB検索における、中古車に関する検索履歴情報(例えば、中古車の販売価格(再販価格)に関する検索履歴情報)
〔2〕ユーザPによる携帯端末20でのWEB検索における、新車に関する検索履歴情報(例えば、新車の販売価格に関する検索履歴情報)
〔3〕ユーザPによる携帯端末20でのWEB検索における、車載用バッテリに関する検索履歴情報(例えば、当該バッテリの性能や寿命に関する検索履歴情報)
【0043】
尚、サーバ10(推定部2b)は、前述の〔1〕~〔3〕に記載した検索履歴情報を、携帯端末20から、又は、情報処理システム1の外部(例えば検索サービスを提供可能な外部の管理装置)から、通信ネットワークNを介して、取得可能である。
【0044】
本実施形態における提案方法では、前述の図3に示したステップS1において、サーバ10の制御部11(推定部2b)にて、車両売却意思情報を、バッテリ60を備える車両CのユーザPの行動履歴(例えば、前述の〔1〕~〔3〕に記載した検索履歴情報)に基づく推定によって取得する。
【0045】
次に、ステップS2では、サーバ10の制御部11(判定部3)にて、前述の推定結果(すなわち、推定部2bにて推定された車両売却意思情報)に基づいて、車両Cの売却の予定の有無を判定する。
【0046】
ここで、本実施形態におけるステップS1~S2での処理の具体例について説明する。
【0047】
〔具体例1〕
ステップS1にて、前述の〔1〕に記載した、中古車に関する検索履歴情報に基づいて、所定の期間内における当該検索の頻度と所定の閾値とを比較し、当該頻度が所定の閾値以上であれば、車両Cの売却の意思が有る旨の車両売却意思情報を推定により取得する。一方、当該頻度が所定の閾値未満であれば、車両Cの売却の意思が無い旨の車両売却意思情報を推定により取得する。
ステップS2での判定において、ステップS1にて車両Cの売却の意思が有る旨の車両売却意思情報が取得されていれば、車両Cの売却の予定が有ると判定され、ステップS3に進む。一方、ステップS1にて車両Cの売却の意思が無い旨の車両売却意思情報が取得されていれば、車両Cの売却の予定が無いと判定され、ステップS3に進むことなく終了する。
【0048】
〔具体例2〕
ステップS1にて、前述の〔2〕に記載した、新車に関する検索履歴情報に基づいて、所定の期間内における当該検索の頻度と所定の閾値とを比較し、当該頻度が所定の閾値以上であれば、車両Cの売却の意思が有る旨の車両売却意思情報を推定により取得する。一方、当該頻度が所定の閾値未満であれば、車両Cの売却の意思が無い旨の車両売却意思情報を推定により取得する。
ステップS2での判定において、ステップS1にて車両Cの売却の意思が有る旨の車両売却意思情報が取得されていれば、車両Cの売却の予定が有ると判定され、ステップS3に進む。一方、ステップS1にて車両Cの売却の意思が無い旨の車両売却意思情報が取得されていれば、車両Cの売却の予定が無いと判定され、ステップS3に進むことなく終了する。
【0049】
〔具体例3〕
ステップS1にて、前述の〔3〕に記載した、車載用バッテリに関する検索履歴情報に基づいて、所定の期間内における当該検索の頻度と所定の閾値とを比較し、当該頻度が所定の閾値以上であれば、車両Cの売却の意思が有る旨の車両売却意思情報を推定により取得する。一方、当該頻度が所定の閾値未満であれば、車両Cの売却の意思が無い旨の車両売却意思情報を推定により取得する。
ステップS2での判定において、ステップS1にて車両Cの売却の意思が有る旨の車両売却意思情報が取得されていれば、車両Cの売却の予定が有ると判定され、ステップS3に進む。一方、ステップS1にて車両Cの売却の意思が無い旨の車両売却意思情報が取得されていれば、車両Cの売却の予定が無いと判定され、ステップS3に進むことなく終了する。
【0050】
本実施形態におけるステップS1~S2での処理では、前述の具体例1~3のいずれか1つを採用してもよいし、又は、前述の具体例1~3のうちのいくつかを組み合わせてもよい。例えば、ステップS1~S2における処理において、前述の具体例1~3のすべてを組み合わせて用いる場合には、当該3つの具体例のうち「車両Cの売却の予定が有る」と判定されたものが2つ以上であるときに全体として「車両Cの売却の予定が有る」と判定する一方、当該3つの具体例のうち「車両Cの売却の予定が有る」と判定されたものが1つ以下であるときに、全体として「車両Cの売却の予定が無い」と判定してもよい(すなわち、多数決のようにして全体的な判定を行ってもよい)。また当該組み合わせが行われる際には、組み合わされる具体例ごとに重みづけを行ってもよい。
【0051】
特に本実施形態によれば、情報取得部2は、ユーザPの行動履歴(例えば、前述の〔1〕~〔3〕に記載した検索履歴情報)に基づいて車両売却意思情報を推定する推定部2bである。これにより、車両Cのバッテリ60の劣化抑制の提案に際して、ユーザPの潜在的な車両売却意思を反映することができる。
【0052】
次に、本発明の第3実施形態について、図10を用いて説明する。
図10は、本実施形態における提案方法を示すフローチャートである。
前述の第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
【0053】
本実施形態では、前述のステップS2にて行われていた車両Cの売却の予定の有無の判定に関して、当該判定の基礎となる情報を追加している。
【0054】
図10に示す提案方法において、ステップS1では、情報取得部2にて車両売却意思情報を取得する。この情報取得の手法は、前述の第1実施形態における入力部2aを用いた手法であるか、又は、前述の第2実施形態における推定部2bを用いた手法である。
【0055】
ステップS4では、車両Cのメンテナンスに関する情報(以下、「車両メンテナンス情報」)を取得する。車両メンテナンス情報には、例えば、車両Cの整備記録に関する情報が含まれ得る。この車両Cの整備記録に関する情報には、車両Cの車検に関する情報が含まれ得る。
【0056】
ステップS5では、ユーザPが現在までに所有してきた車両の履歴に関する情報(以下、「車両所有履歴情報」と称する)を取得する。車両所有履歴情報には、ユーザPが現在までに所有してきた車両における車検の時期に関する情報が含まれ得る。
【0057】
ここで、ステップS4,S5にて取得される各情報については、サーバ10内(例えば制御部11)に予め記憶されていたものを呼び出すことで取得してもよい。又は、情報処理システム1の外部(例えば外部の情報管理装置)から、通信ネットワークNを介して取得してもよい。
【0058】
尚、ステップS1,S4,S5については、ステップS2に至るに先立って、任意のタイミングで処理され得る。つまり、ステップS1,S4,S5については、図10に示した順番で処理されなくてもよい。
【0059】
ステップS2では、サーバ10の制御部11(判定部3)にて、前述の車両売却意思情報と、車両メンテナンス情報と、車両所有履歴情報とに基づいて、車両Cの売却の予定の有無を判定する。すなわち、本実施形態では、ユーザPによる車両Cの売却の意思のみならず、車両C自体の現在までのメンテナンスの状況と、ユーザPの現在までの車両買い替えの傾向や車検時期での対応の傾向等を加味して、ユーザPによる車両Cの売却の予定の有無を判定する。
【0060】
ステップS1,S4,S5での処理の具体例としては、例えば、ステップS1にて、ユーザPによる車両Cの売却の意思を取得し、ステップS4,S5にて、ユーザPによる車両Cの所有年数と、ユーザPによる現在までの車両の買い替えのタイミングと、車両Cの次回の車検時期とを取得する。取得したこれらの情報に基づくステップS2での判定の一例を挙げると、ユーザPによる過去の車両売却時期(再販時期)が当該車両を所有して4年後の車検時期であったとすると、車両Cについても、その時期に売却する可能性が高いと判定する。そして、現在から、この売却する可能性が高い時期までの期間(例えば日数)が所定の閾値以下であり、かつ、ユーザPによる車両Cの売却の意思が有れば、ユーザPによる車両Cの売却の予定が有ると判定して、ステップS3に進む。
【0061】
特に本実施形態によれば、判定部3は、更に、車両Cのメンテナンスに関する情報(車両メンテナンス情報)と、ユーザPが現在までに所有してきた車両の履歴に関する情報(車両所有履歴情報)との少なくとも一方に基づいて、車両Cの売却の予定の有無を判定する。これにより、ユーザPによる車両Cの売却予定の有無をより的確に判定することができる。
【0062】
前述の第1及び第3実施形態、すなわち、情報取得部2が入力部2aである場合には、例えば、ユーザPが携帯端末20を操作して携帯端末20にて中古車情報等をWEB検索したタイミングで、図4に示す画面表示が行われることが好ましい。これにより、車両売却意思を有するユーザPに対して、携帯端末20を介して、バッテリ60の劣化抑制の提案を適時に行うことができる。
【0063】
前述の第2及び第3実施形態、すなわち、情報取得部2が推定部2bである場合には、例えば、ユーザPが携帯端末20を操作して携帯端末20にて中古車情報等をWEB検索したタイミングで、図5に示す画面表示が行われることが好ましい。これにより、車両売却意思を有するユーザPに対して、携帯端末20を介して、バッテリ60の劣化抑制の提案を適時に行うことができる。
【0064】
前述の第1~第3実施形態では、報知部4によるユーザPへの報知手法の一例として携帯端末20の表示部23での表示(画面表示)を挙げて説明したが、当該報知手法は画面表示に限らない。例えば、携帯端末20のスピーカーからの出力される音声での報知であってもよい。
【0065】
前述の第1~第3実施形態における携帯端末20の役割をパソコンで実現することが可能であることは言うまでもない。携帯端末20の役割をパソコンで実現する場合には、前述の表示部23として例えばディスプレイが採用され得る。また、入力部2aとしてマウスやキーボード等の入力手段が採用され得る。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて変形及び変更が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0067】
1…情報処理システム、2…情報取得部、2a…入力部、2b…推定部、3…判定部、4…報知部、10…サーバ、11…制御部、12…送受信部、20…携帯端末、21…制御部、22…送受信部、23…表示部、50…バッテリ温調システム、51…循環ポンプ、52…熱交換器、53…熱媒体配管、55…制御部、56…温度センサ、60…バッテリ、C…車両、M1~M3…メッセージ、N…通信ネットワーク、P…ユーザ、PB1~PB5…ボタン
図1
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図10