(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103984
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】サーバー、印刷システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06F3/12 303
G06F3/12 388
G06F3/12 339
G06F3/12 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007960
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】古田 泰大
(57)【要約】
【課題】印刷サービスを提供する複数のシステムが連携する構成において、印刷に利用するプリンターを選択する際のユーザーの利便性を向上する。
【解決手段】中継サーバー300は、画像形成装置600に付され、第2端末装置500により読み取られたコード画像Cに含まれる前記画像形成装置600の識別情報を、前記第2端末装置500から取得する装置識別情報取得部334と、第1印刷サービスシステム100から、前記第1印刷サービスシステム100に登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置600に実行させる要求を第2印刷サービスシステム200に対して送信する印刷制御部335とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーであって、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得部と、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御部と
を有するサーバー。
【請求項2】
前記サーバーは、前記画像形成装置の利用に関する予め定められたルールを記憶する記憶部をさらに有し、
前記印刷制御部は、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の利用に関する前記ルールであって、前記印刷ジョブに対応するユーザーに対して適用される前記ルールを参照し、参照した前記ルールにしたがって、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の前記ユーザーによる利用を制御する処理を実行する
請求項1に記載のサーバー。
【請求項3】
前記処理は、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の利用を禁止する処理を含む
請求項2に記載のサーバー。
【請求項4】
前記処理は、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の利用を警告する通知を前記端末装置に送信する処理を含む
請求項2又は3に記載のサーバー。
【請求項5】
前記印刷制御部は、前記警告の対象となった前記画像形成装置について次回も前記警告を出力するか否かの指示を前記端末装置から取得し、前記ユーザーによる当該画像形成装置の次回の利用の際も前記警告を出力するか否かを前記指示に応じて決定する
請求項4に記載のサーバー。
【請求項6】
前記印刷制御部は、前記警告の対象となった前記画像形成装置の利用を拒否する指示として、利用を継続的に拒否する指示又は利用を一時的に拒否する指示を取得し、利用を継続的に拒否する前記指示が取得された場合、前記ユーザーによる当該画像形成装置の次回以降の利用も禁止する
請求項4に記載のサーバー。
【請求項7】
前記警告は、前記画像形成装置を管理する組織である装置組織を示す情報を含む
請求項4に記載のサーバー。
【請求項8】
前記印刷制御部は、前記装置組織に属する全ての前記画像形成装置に対する利用の拒否の指示又は前記装置組織に属する全ての前記画像形成装置に対する前記警告の出力についての指示を取得し、前記ユーザーに対応する前記印刷ジョブの処理の際、当該指示を前記装置組織に属する全ての前記画像形成装置に適用する
請求項7に記載のサーバー。
【請求項9】
前記記憶部は、ユーザー組織毎に、異なる前記ルールを記憶し、
前記印刷制御部は、前記第1印刷サービスシステムから前記ユーザーの属するユーザー組織の組織情報を取得し、取得された前記組織情報に基づいて、前記ユーザーに適用する前記ルールを決定する
請求項2に記載のサーバー。
【請求項10】
前記印刷制御部は、前記端末装置から印刷指示を取得した場合に、前記第1印刷サービスシステムから前記印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる前記要求を前記第2印刷サービスシステムに送信する
請求項1に記載のサーバー。
【請求項11】
前記印刷制御部は、前記第1印刷サービスシステムから前記印刷ジョブのリストを取得し、前記リストを前記端末装置に送信し、前記リストの中から選択された前記印刷ジョブに対する前記印刷指示を前記端末装置から取得し、選択された前記印刷ジョブを前記第1印刷サービスシステムから取得する
請求項10に記載のサーバー。
【請求項12】
前記印刷制御部は、前記端末装置から印刷中止指示を取得した場合、前記第2印刷サービスシステムに印刷中止の要求を送信し、印刷中止が成功したか否かの情報を前記第2印刷サービスシステムから取得し、当該情報を前記端末装置に通知する
請求項1に記載のサーバー。
【請求項13】
前記印刷制御部は、前記第2印刷サービスシステムから前記印刷ジョブのジョブ状態を取得し、前記第1印刷サービスシステムに前記ジョブ状態を通知する
請求項1に記載のサーバー。
【請求項14】
前記サーバーは、前記第2印刷サービスシステムに含まれる
請求項1に記載のサーバー。
【請求項15】
第1印刷サービスシステムと、
画像形成装置と、
前記画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムと、
前記第1印刷サービスシステムと前記第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーとを備え、
前記サーバーは、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得部と、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御部と
を有する
印刷システム。
【請求項16】
第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーが、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得し、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する
情報処理方法。
【請求項17】
第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーのコンピューターに、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得ステップと、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御ステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバー、印刷システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上の異なるシステムが組み合わされて構成される印刷システムが知られている。例えば、特許文献1は、第1クラウド印刷サービスシステムと、第2クラウド印刷サービスシステムとが組み合わされて構成される印刷システムについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ユーザーは、複数のプリンターから、利用するプリンターを画面上で選択する必要がある。しかしながら、このようにしてプリンターの選択が行われる場合、選択ミスが発生した場合には、意図しないプリンターで印刷が行われる恐れがある。また、利用可能なプリンターが複数ある場合には、利用したいプリンターが画面上に表示されたどの選択肢に対応しているかをユーザーが理解することが容易ではない。このため、印刷サービスを提供する複数のシステムが連携する構成において、印刷に利用するプリンターを選択する際のユーザーの利便性を向上することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示にかかるサーバーは、第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーであって、前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得部と、前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御部とを有する。
【0006】
また、本開示にかかる印刷システムは、第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と、前記画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムと、前記第1印刷サービスシステムと前記第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーとを備え、前記サーバーは、前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得部と、前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御部とを有する。
【0007】
また、本開示にかかる情報処理方法では、第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーが、前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得し、前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する。
【0008】
また、本開示にかかるプログラムは、第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーのコンピューターに、前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得ステップと、前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御ステップとを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態にかかる印刷システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態にかかる第1印刷サービスシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態にかかる第2印刷サービスシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態にかかる中継サーバーの構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態にかかる第1端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態にかかる第2端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態にかかる画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8A】コード用仮想プリンターの登録処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図8B】コード用仮想プリンターの登録処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図8C】コード用仮想プリンターの登録処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図9】画像形成装置の利用に関するルールの設定処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図10】印刷システムが印刷データを受付ける処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11A】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11B】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11C】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11D】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11E】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11F】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11G】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11H】印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0011】
上述した通り、印刷サービスを提供する複数のシステムが連携する印刷システムにおいて、印刷に利用するプリンターを選択する際のユーザーの利便性を向上することが求められている。そこで、本実施の形態では、そのような印刷システムにおいて、画像形成装置に貼付けられたコード画像を用いて、印刷に利用する画像形成装置をユーザーが指定する技術について説明する。なお、本開示では、そのような技術に加え、さらに、認証印刷が実現される。認証印刷とは、ユーザーが正当な権限を有しているかを確認した上で行われる印刷をいう。すなわち、認証印刷とは、認証を必要とする印刷である。認証印刷により、印刷システムが不正に利用されることが防止される。
【0012】
図1は、実施の形態にかかる印刷システム10の構成の一例を示すブロック図である。印刷システム10は、第1印刷サービスシステム100と、第2印刷サービスシステム200と、中継サーバー300とを含む。
図1では、印刷システム10と通信可能に接続する第1端末装置400、第2端末装置500及び画像形成装置600_1、600_2、及び600_3も図示されている。以下の説明では、画像形成装置600_1、600_2、及び600_3について、特に区別することなく言及する場合、画像形成装置600と称すこととする。また、
図1では、第2端末装置500を携帯して、利用したい画像形成装置600の前まで移動するユーザーUも図示されている。
【0013】
なお、第1端末装置400を含むシステムが印刷システム10と称されてもよい。同様に、第2端末装置500を含むシステムが印刷システム10と称されてもよいし、画像形成装置600を含むシステムが印刷システム10と称されてもよい。
【0014】
第1印刷サービスシステム100及び第2印刷サービスシステム200は、クラウド上で印刷サービスを提供するシステムである。ここで、第1印刷サービスシステム100は、第1ベンダーにより提供されるサービスについてのシステムであり、第2印刷サービスシステム200は、第1ベンダーとは異なる第2ベンダーにより提供されるサービスについてのシステムである。例えば、第2ベンダーは、画像形成装置600を製造するベンダーである。
【0015】
画像形成装置600は、印刷処理を行なう機能を備えた装置であり、本実施の形態では、具体的には、プリンターである。本実施の形態では、画像形成装置600は、第2印刷サービスシステム200が管理する印刷ジョブについての印刷処理を実行可能な装置として、第2印刷サービスシステム200に予め登録されている。
【0016】
第1端末装置400及び第2端末装置500は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等のクライアント端末である。特に、第2端末装置500は、ユーザーUが持ち運ぶことが容易なモバイル端末であることが好ましい。また、第1端末装置400及び第2端末装置500が同一の端末装置であってもよい。
【0017】
中継サーバー300は、第1印刷サービスシステム100と第2印刷サービスシステム200との橋渡しをするサーバーであり、印刷システム10における処理の中継を行なう。
【0018】
画像形成装置600には、コード画像Cが貼付けられている。コード画像Cは、画像形成装置600を一意に識別する識別情報を少なくとも含む。なお、本実施の形態では、コード画像Cは、さらに、所定のアクセス先を示す情報を含む。所定のアクセス先を示す情報は、具体的には、例えば、中継サーバー300にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)である。コード画像Cは、上述した情報がコード化された画像であればよく、バーコードであってもよいし、QRコード(登録商標)などの二次元コードであってもよい。ユーザーUが利用したい画像形成装置600に付されたコード画像Cは、ユーザーUの操作により、第2端末装置500が読み取ることとなる。
【0019】
本実施の形態において、画像形成装置600は、特定の組織に管理される装置であってもよい。すなわち、画像形成装置600は、特定の組織に属する装置であってもよい。また、各画像形成装置600が、別々の組織に管理されていてもよい。例えば、画像形成装置600_1及び600_2が第1の組織により管理されており、画像形成装置600_3が第2の組織により管理されていてもよい。
【0020】
図1に示すように、第1印刷サービスシステム100と第2印刷サービスシステム200とは通信可能に接続されている。また、中継サーバー300は、第1印刷サービスシステム100と第2印刷サービスシステム200のそれぞれと、通信可能に接続されている。また、画像形成装置600は、第2印刷サービスシステム200と通信可能に接続されている。また、第1端末装置400及び第2端末装置500は、少なくとも第1印刷サービスシステム100及び中継サーバー300と通信可能に接続されている。なお、上述した接続関係に加え、構成要素間にさらなる接続関係が存在してもよい。例えば、第1端末装置400及び第2端末装置500は、第2印刷サービスシステム200とも通信可能に接続されていてもよい。
【0021】
なお、
図1では、一例として3台の画像形成装置600が図示されているが、印刷システム10を利用する画像形成装置600の台数は任意である。また、同様に、一例としてそれぞれ1台の第1端末装置400及び第2端末装置500が図示されているが、印刷システム10を利用する第1端末装置400及び第2端末装置500の台数は任意である。
【0022】
上述の通り、第1印刷サービスシステム100及び第2印刷サービスシステム200は、いずれもクラウド上で印刷サービスを提供するシステムである。このため、プリンターが印刷サービスシステムに登録されていれば、当該印刷サービスシステムを経由した当該プリンターによる印刷が可能である。しかしながら、プリンターが、印刷サービスシステムが用いるプロトコルに対応した機種でない場合、当該プリンターをその印刷サービスシステムに直接的に登録することができない。本実施の形態では、画像形成装置600は、第2印刷サービスシステム200が用いるプロトコルに対応しており、第2印刷サービスシステム200には直接的に登録が可能である。しかしながら、画像形成装置600は、第1印刷サービスシステム100が用いるプロトコルには対応しているとは限らない。
【0023】
このため、本実施の形態では、第1印刷サービスシステム100において仮想プリンター(仮想装置)として登録されたプリンターを、第2印刷サービスシステム200に登録されている画像形成装置600に対応付けることにより、第1印刷サービスシステム100を介した画像形成装置600による印刷が行われる。なお、この対応付けは中継サーバー300によって行なわれる。画像形成装置600が第1印刷サービスシステム100のプロトコルに対応しない機種であるものの、ユーザーは第1印刷サービスシステム100が提供する印刷サービスを利用して画像形成装置600による印刷を希望する場合がある。そのような場合の例としては、例えば、第2印刷サービスシステム200では必要とされる画像形成装置600のプリンタードライバーのインストールが、第1印刷サービスシステム100によれば不要である場合などが挙げられる。もちろん、ユーザーは、任意の他の理由により、第1印刷サービスシステム100を用いた画像形成装置600による印刷を希望してもよい。このような場合、中継サーバー300が、第2印刷サービスシステム200に登録されている画像形成装置600を、第1印刷サービスシステム100において登録されている仮想プリンターと対応付ける必要がある。なお、第1印刷サービスシステム100は、例えば、上述したプロトコルとして、IPP-Infra(Internet Printing Protocol Shared Infrastructure Extensions)を用いて印刷サービスを提供するのに対し、第2印刷サービスシステム200は、このプロトコルを用いずに印刷サービスを提供する。
【0024】
本実施の形態では、ユーザーUが画像形成装置600の前まで移動して、当該画像形成装置600に貼付けられたコード画像Cを第2端末装置500で読み取ることにより、ユーザーUが印刷に利用する画像形成装置600が指定される。すなわち、本実施の形態では、コード画像Cの読み取りにより印刷物の出力先が指定される。このため、本実施の形態では、後述するように、中継サーバー300は、コード画像Cの読み取りによる出力先の指定が行われる印刷ジョブのための専用の仮想プリンターを第1印刷サービスシステム100に予め登録しておき、コード画像Cが読み取られると、この専用の仮想プリンターと、読み取られたコード画像Cから特定される画像形成装置600とを対応付ける。
【0025】
また、本実施の形態では、後述するように、中継サーバー300は、ユーザーUからの印刷の要求を処理する条件として、第1印刷サービスシステム100によるユーザーUの認証が完了したことを示す認証完了情報を必要とする。これにより、印刷サービスを提供する異なるシステムが連携する印刷システム10において、認証印刷が実現される。
【0026】
以下、印刷システム10の具体的な構成及び処理について説明する。図を参照しつつ、第1印刷サービスシステム100、第2印刷サービスシステム200、中継サーバー300、第1端末装置400、第2端末装置500、及び画像形成装置600の構成について説明する。
【0027】
図2は、第1印刷サービスシステム100の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示した例では、第1印刷サービスシステム100が1台のサーバーにより構成される例を示しているが、第1印刷サービスシステム100が複数のサーバーにより構成されていてもよい。
【0028】
図2に示すように、第1印刷サービスシステム100は、記憶部110と、通信部120と、制御部130とを有する。
【0029】
記憶部110は、制御部130の処理を実現するためのプログラム及び第1印刷サービスシステム100の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM(Random Access Memory)等のメモリーを含んでもよい。また、記憶部110は、データーベースを含み得る。通信部120は、第2印刷サービスシステム200、中継サーバー300、第1端末装置400、第2端末装置500といった他の装置と、無線ネットワーク又は有線ネットワークを介した通信を行なうための通信インターフェースである。制御部130は、第1印刷サービスシステム100の各構成を制御する例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーである。制御部130は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部130は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、制御部130は、認証制御部131、印刷制御部132、及び情報管理部133の機能を実現する。
【0030】
認証制御部131は、第1印刷サービスシステム100を利用するユーザーの認証に関する種々の処理を行なう。第1印刷サービスシステム100のユーザーは、管理者としてのユーザーと、管理者ではない一般ユーザーとしてのユーザーを含む。なお、管理者としてのユーザーとは、管理者権限を有するユーザーと称すこともできる。また、一般ユーザーとしてのユーザーとは、管理者権限よりも制限された権限であるユーザー権限を有するユーザーと称すこともできる。本実施の形態では、第1印刷サービスシステム100には、これらユーザーが予め登録されているものとする。認証制御部131は、認証のためのページを第1端末装置400又は第2端末装置500に提供したり、管理者又は一般ユーザーの認証を行なったり、第1印刷サービスシステム100にアクセスするために必要なトークンを発行したりする。なお、本実施の形態における認証制御部131の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0031】
印刷制御部132は、第1印刷サービスシステム100に登録されたプリンターによる印刷を実行するための制御処理を行なう。本実施の形態では、印刷制御部132は、第1印刷サービスシステム100に登録された仮想プリンターを介して画像形成装置600により印刷する際の制御処理を行なうが、印刷制御部132は、第1印刷サービスシステム100に、仮想プリンターとしてではなく、直接登録された物理的なプリンターにより印刷する際の制御処理を行なってもよい。本実施の形態では、具体的には、印刷制御部132は、第1端末装置400からの印刷要求を受付ける処理、この印刷要求にしたがった印刷を行なうために必要とされる情報を中継サーバー300に送信する処理、ジョブ状態を第1端末装置400又は第2端末装置500に通知する処理などを行なう。なお、本実施の形態における印刷制御部132の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0032】
情報管理部133は、第1印刷サービスシステム100に対するプリンターの登録処理を行なう。また、情報管理部133は、第1印刷サービスシステム100に登録されたユーザーに関する情報を管理する。ユーザーに関する情報は、例えば、ユーザーの認証情報、及び、ユーザーの所属する組織であるユーザー組織の識別情報(組織ID)を含む。ユーザーの認証情報は、ユーザーの識別情報(ユーザーID)と、パスワードや暗証番号などといった照合用の情報とを含む。また、情報管理部133は、第1印刷サービスシステム100に登録されたプリンターに関する情報を管理してもよい。例えば、情報管理部133は、登録されたプリンターのプリンター名、プリンターID、能力情報、共有情報などを管理してもよい。なお、情報管理部133は、さらに、第1印刷サービスシステム100に対するユーザーの登録処理を行なってもよい。なお、本実施の形態における情報管理部133の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0033】
図3は、第2印刷サービスシステム200の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示した例では、第2印刷サービスシステム200が1台のサーバーにより構成される例を示しているが、第2印刷サービスシステム200が複数のサーバーにより構成されていてもよい。
【0034】
図3に示すように、第2印刷サービスシステム200は、記憶部210と、通信部220と、制御部230とを有する。
【0035】
記憶部210は、制御部230の処理を実現するためのプログラム及び第2印刷サービスシステム200の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM等のメモリーを含んでもよい。また、記憶部210は、データーベースを含み得る。通信部220は、第1印刷サービスシステム100、中継サーバー300、画像形成装置600といった他の装置と、無線ネットワーク又は有線ネットワークを介した通信を行なうための通信インターフェースである。制御部230は、第2印刷サービスシステム200の各構成を制御する例えばCPU等のプロセッサーである。制御部230は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部230は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、制御部230は、印刷制御部231、及び情報管理部232の機能を実現する。
【0036】
印刷制御部231は、第2印刷サービスシステム200に登録されたプリンターである画像形成装置600による印刷を実行するための制御処理を行なう。本実施の形態では、具体的には、印刷制御部231は、中継サーバー300からの印刷要求を受付ける処理、この印刷要求にしたがった印刷を行なうために必要とされる情報を画像形成装置600に送信する処理、ジョブ状態を中継サーバー300に通知する処理などを行なう。なお、本実施の形態における印刷制御部231の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0037】
情報管理部232は、第2印刷サービスシステム200に登録された情報を管理する。例えば、情報管理部232は、第2印刷サービスシステム200に登録されたプリンターである画像形成装置600に関する情報を管理する。情報管理部232は、画像形成装置600に関する情報、すなわちプリンターに関する情報として、例えば、登録された画像形成装置600のプリンター名、能力情報などの属性情報を管理してもよい。なお、情報管理部232は、第2印刷サービスシステム200に対する画像形成装置600の登録処理を行なってもよい。
【0038】
図4は、中継サーバー300の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示した例では、中継サーバー300が1台のサーバーにより構成される例を示しているが、中継サーバー300が複数のサーバーにより構成されていてもよい。なお、中継サーバー300は、サーバーと称されてもよい。
【0039】
図4に示すように、中継サーバー300は、記憶部310と、通信部320と、制御部330とを有する。
【0040】
記憶部310は、制御部330の処理を実現するためのプログラム及び中継サーバー300の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM等のメモリーを含んでもよい。また、記憶部310は、データーベースを含み得る。記憶部310は、例えば、仮想プリンターと画像形成装置600との対応関係、画像形成装置600の利用に関する設定情報、第1印刷サービスシステム100の印刷ジョブと第2印刷サービスシステム200の印刷ジョブとの対応関係などを記憶する。画像形成装置600の利用に関する設定情報は、管理者などよって予め定められた、画像形成装置600の利用に関するルールを含む。また、画像形成装置600の利用に関する設定情報は、上述したルールの適用に関するユーザーの指示を含んでもよい。記憶部310は、ユーザー組織毎に、異なるルールを記憶しうる。また、記憶部310は、ユーザー毎に、異なる指示を記憶しうる。通信部320は、第1印刷サービスシステム100、第2印刷サービスシステム200、第1端末装置400、第2端末装置500といった他の装置と、無線ネットワーク又は有線ネットワークを介した通信を行なうための通信インターフェースである。制御部330は、中継サーバー300の各構成を制御する例えばCPU等のプロセッサーである。制御部330は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部330は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、制御部330は、認証制御部331、登録部332、設定管理部333、装置識別情報取得部334、及び印刷制御部335の機能を実現する。
【0041】
認証制御部331は、第1印刷サービスシステム100による認証を受けるための種々の処理を行なう。特に、認証制御部331は、認証完了情報を取得する処理を行う。ここで、認証完了情報は、第1端末装置400又は第2端末装置500に入力されたユーザーの認証情報に対する第1印刷サービスシステム100による認証が完了したことを示す情報である。本実施の形態では、認証完了情報は、具体的には、第1印刷サービスシステム100にアクセスするために必要なトークン(以下、アクセストークンと称す)である。なお、本実施の形態における認証制御部331の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0042】
登録部332は、仮想プリンター(仮想装置)を第1印刷サービスシステム100に登録する処理をする。登録部332は、特に、印刷サービスを提供する異なるシステムが連携する印刷システム10において、コード画像Cの読み取りによる出力先の指定を可能にするために、コード画像Cの読み取りによる出力先の指定が行われる印刷ジョブのための専用の仮想プリンターを登録する。以下、このような仮想プリンターを、コード用仮想プリンターと称すこととする。
【0043】
コード用仮想プリンターは、ユーザーが第2端末装置500でいずれの画像形成装置600のコード画像Cを読み取るかによって、対応付けられる画像形成装置600が変動する。コード用仮想プリンターに対する画像形成装置600の対応付けは、一時的であり、印刷操作の度に、すなわち、コード画像Cを用いた出力先の指定が行われる度に、新たな対応付けが設定されることとなる。このため、コード用仮想プリンターは、任意の画像形成装置600と対応付けが可能な仮想プリンターとも言える。コード用仮想プリンターと画像形成装置600の対応付けは、後述する通り、印刷制御部335により行われる。なお、コード画像Cを用いて出力先の画像形成装置600を指定するのではなく、第1印刷サービスシステム100への印刷要求時に特定の画像形成装置600による出力を指定できるように、第1印刷サービスシステム100に登録される仮想プリンターは、いずれかの画像形成装置600と固定的に対応付けられてもよい。
【0044】
なお、本実施の形態では、第1印刷サービスシステム100は、管理者権限を伴った登録の要求に対してのみ仮想プリンターの登録処理を行ない、管理者権限を伴わない登録の要求に対しては登録を認めない。このため、登録部332は、第1印刷サービスシステム100に仮想プリンターを登録する処理を、管理者権限に相当する資格情報を用いて行なう。なお、上述のように、本実施の形態では、登録処理が実行されるためには、管理者権限が必要とされるが、必ずしも管理者権限が必要とされなくてもよい。本実施の形態における登録部332の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0045】
設定管理部333は、画像形成装置600の利用に関する設定を管理する処理を行う。設定管理部333は、管理者としてのユーザーからの指示に基づいて、画像形成装置600の利用に関するルールを生成する。ルールは、ユーザー組織毎に、その組織の管理者の指示に基づいて生成される。このため、設定管理部333は、ユーザー組織毎に、異なるルールを生成する。また、ルールは、ユーザー組織毎に、画像形成装置600のそれぞれに対して生成される。すなわち、利用に関するルールは、ユーザー組織毎かつ画像形成装置600毎に設定される。なお、管理者は、同一の組織に管理される全ての画像形成装置600に対して共通のルールが生成されるよう指示してもよい。つまり、利用に関するルールは、画像形成装置600を管理する組織毎に設定されてもよい。本実施の形態では、ルールは、このルールの生成を指示した管理者が属するユーザー組織に属する任意のユーザーが、画像形成装置600を利用する際に適用されることとなる。なお、本実施の形態では、ルールは、このルールが適用されるユーザーの属するユーザー組織の管理者の指示に基づき生成されるが、ルールは、必ずしも、そのような管理者の指示に基づいて生成されなくてもよい。設定管理部333は、生成したルールを、画像形成装置600の利用に関する設定情報として、記憶部310に記憶する。
【0046】
以下、生成されるルールについていくつかの例を挙げる。なお、生成されるルールは以下に限られない。
【0047】
<ルール1>:ルールの対象である画像形成装置600の利用が禁止される。
ルール1の場合、印刷操作を行うユーザーは、このルールの適用対象の画像形成装置600を利用することができないこととなる。
【0048】
<ルール2>:ルールの対象である画像形成装置600の利用を警告する通知が常に行われる。また、当該画像形成装置600を利用するか否かについては、印刷操作を行うユーザーが選択する。
ルール2の場合、印刷操作を行うユーザーは、毎回、警告を確認した上で、このルールが適用された画像形成装置600を利用するか否かを決定することとなる。
【0049】
<ルール3>:ルールの対象である画像形成装置600の利用を警告する通知が基本的には行われる。ただし、ユーザーからの指示に基づいて、当該画像形成装置600についての警告を省略することもできる。また、当該画像形成装置600を利用するか否かについては、印刷操作を行うユーザーが選択する。
ルール3の場合、印刷操作を行うユーザーは、一旦は、警告を確認した上で、このルールが適用された画像形成装置600を利用するか否かを決定することとなる。ユーザーは、この画像形成装置600を利用してもよいと判断した場合、この画像形成装置600の次回以降の利用に対して、警告が通知されないよう中継サーバー300に指示することもできる。ただし、ユーザーは、そのような指示をしなくてもよい。
【0050】
<ルール4>:ルールの対象である画像形成装置600の利用を警告する通知が基本的には行われる。ただし、ユーザーからの指示に基づいて、当該画像形成装置600についての警告、もしくは当該画像形成装置600と同じ組織に管理される全ての画像形成装置600についての警告を省略することができる。また、当該画像形成装置600を利用するか否かについては、印刷操作を行うユーザーが選択する。
ルール4の場合、印刷操作を行うユーザーは、一旦は、警告を確認した上で、このルールが適用された画像形成装置600を利用するか否かを決定することとなる。ユーザーは、この画像形成装置600を利用してもよいと判断した場合、この画像形成装置600の次回以降の利用に対して、警告が通知されないよう中継サーバー300に指示することもできるし、この画像形成装置600と同じ組織に管理される全ての画像形成装置600の次回以降の利用に対して、警告が通知されないよう中継サーバー300に指示することもできる。ただし、ユーザーは、そのような指示をしなくてもよい。
【0051】
<ルール5>:ルールの対象である画像形成装置600の利用が許可される。
ルール5の場合、印刷操作を行うユーザーは、このルールの適用対象の画像形成装置600の利用に対する警告を通知されることなく、自由に利用することができることとなる。
【0052】
例えば、あるユーザー組織の管理者は、自らの組織が管理する画像形成装置600については安全な出力先であると考えられるため、このユーザー組織の管理下の画像形成装置600については、ルール5を生成する指示を行う。一方で、当該管理者は、自らの組織が管理しない画像形成装置600については必ずしも安全な出力先ではないと考え、これらの画像形成装置600については、ルール1から4のいずれかのルールを生成する指示を行う。この場合、当該管理者は、各画像形成装置600の安全性の程度を考慮し、ルール1から4のいずれを生成すべきかを決定する。
【0053】
また、設定管理部333は、印刷操作を行ったユーザーからの、ルールの適用に関する指示を、当該ユーザーの識別情報及び対象の画像形成装置600の識別情報と対応付けて管理する。例えば、設定管理部333は、警告の通知に関する上述した指示を、ユーザー及び画像形成装置600の識別情報とともに管理する。また、設定管理部333は、警告を受けたユーザーから、常に利用が禁止されるよう設定する指示があった場合、この指示を当該ユーザー及び画像形成装置600の識別情報と対応付けて管理してもよい。設定管理部333は、受付けた指示を画像形成装置600の利用に関する設定情報として、ユーザー及び画像形成装置600の識別情報と関連付けて記憶部310に記憶する。なお、指示の対象が特定のユーザー組織に属する全ての画像形成装置600である場合、設定管理部333は、この組織の識別情報と関連付けて指示を記憶部310に記憶してもよい。
【0054】
装置識別情報取得部334は、画像形成装置600に付されたコード画像Cに含まれる画像形成装置600の識別情報を取得する。より詳細には、装置識別情報取得部334は、第2端末装置500により読み取られたコード画像Cに含まれる画像形成装置600の識別情報を、第2端末装置500から取得する。
【0055】
印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200に登録されたプリンターである画像形成装置600による印刷を実行するための制御処理を行なう。換言すると、印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100に登録された仮想プリンターと対応付けられた画像形成装置600による印刷を実行するための制御処理を行なう。その際、印刷制御部335は、コード画像Cに含まれる画像形成装置600の識別情報に基づいて、コード用仮想プリンターと画像形成装置600とを対応付ける。印刷制御部335は、印刷を行なうために必要とされる情報を第1印刷サービスシステム100から取得する処理、この情報に基づいて、第2印刷サービスシステム200に印刷要求を送信する処理、ジョブ状態を第1印刷サービスシステム100に通知する処理などを行なう。
【0056】
特に、本実施の形態では、印刷制御部335は、以下のような処理を行う。印刷制御部335は、認証制御部331が取得した認証完了情報を用いて第1印刷サービスシステム100からユーザーについての印刷ジョブを取得し、この印刷ジョブについての印刷を画像形成装置600に実行させる要求を第2印刷サービスシステム200に対して送信する。このため、認証完了情報が取得できない場合には、印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100からユーザーについての印刷ジョブを取得しない。このため、このような場合には、印刷が実行されない。このように、本実施の形態では、第2印刷サービスシステム200と接続する画像形成装置600での印刷において、第1印刷サービスシステム100による認証を用いた認証印刷が実現される。このため、システムの不正な利用を抑制することができる。
【0057】
また、特に、印刷制御部335は、装置識別情報取得部334がコード画像Cに含まれる画像形成装置600の識別情報を取得した場合、第1印刷サービスシステム100から、第1印刷サービスシステム100に登録されたコード用仮想プリンターを用いることが指定された印刷ジョブを取得する。なお、より詳細には、印刷制御部335は、そのような印刷ジョブのうち、印刷操作を行ったユーザーに対応する印刷ジョブを取得する。そして、印刷制御部335は、この印刷ジョブについての印刷を、装置識別情報取得部334が取得した識別情報により識別される画像形成装置600に実行させる要求を第2印刷サービスシステム200に対して送信する。このため、本実施の形態では、印刷サービスを提供する異なるシステムが連携する印刷システムにおいても、ユーザーは、画像形成装置600に貼付けられたコード画像Cを用いて、印刷に利用する画像形成装置600を指定することができる。
【0058】
また、印刷制御部335は、装置識別情報取得部334が取得した識別情報により識別される画像形成装置600の利用に関するルールであって、印刷操作を行うユーザー(処理対象の印刷ジョブに対応するユーザー)に対して適用されるルールを参照する。具体的には、印刷制御部335は、記憶部310に記憶された設定情報を参照する。そして、印刷制御部335は、参照したルールにしたがって、当該識別情報により識別される画像形成装置600の、当該ユーザーによる利用を制御する処理を実行する。これにより、様々なユーザーが印刷システム10を利用する場合であっても、各ユーザーに応じたルールにより、画像形成装置600の利用を制御することが可能になる。
【0059】
ユーザーによる利用を制御する処理には、装置識別情報取得部334が取得した識別情報により識別される画像形成装置600の利用を禁止する処理が含まれる。この場合、印刷制御部335は、当該画像形成装置600の利用が禁止されていること示す通知を第2端末装置500に送信してもよい。また、ユーザーによる利用を制御する処理には、装置識別情報取得部334が取得した識別情報により識別される画像形成装置600の利用を警告する通知を第2端末装置500に送信する処理が含まれる。印刷制御部335は、これらの処理を、記憶部310に記憶された設定情報、すなわち設定管理部333が生成したルールにしたがって実行する。
【0060】
例えば、上述したルール1から5に基づいて、次のような処理が行われる。例えば、ルール1が設定されている画像形成装置600の識別情報が装置識別情報取得部334により取得された場合、印刷制御部335は、この画像形成装置600の利用が禁止されていること示す通知を第2端末装置500に送信する。
【0061】
また、例えば、ルール2から4のいずれかが設定されている画像形成装置600の識別情報が装置識別情報取得部334により取得された場合、印刷制御部335は、この画像形成装置600の利用を警告する通知を第2端末装置500に送信する。これに対し、ユーザーは、当該画像形成装置600を利用するか否かを選択する指示を、第2端末装置500を介して、中継サーバー300に送信する。なお、ルール3が適用された画像形成装置600の警告を受けたユーザーは、当該画像形成装置600についての次回以降の警告を省略する指示を行うこともできる。同様に、ルール4が適用された画像形成装置600の警告を受けたユーザーは、当該画像形成装置600と同じ組織の全ての画像形成装置600についての次回以降の警告を省略する指示を行うこともできる。
【0062】
また、ルール2から4のいずれかが適用された画像形成装置600の警告を受けたユーザーは、警告の対象となった画像形成装置600の利用を拒否する指示として、利用を継続的に拒否する指示又は利用を一時的に拒否する指示のいずれかを選択することもできる。なお、利用を一時的に拒否する指示は、今回だけ利用をしないという指示である。また、利用を継続的に拒否する指示は、今回だけでなく、次回以降も利用しないという指示である。利用を継続的に拒否する指示は、警告の対象となった画像形成装置600についての利用を継続的に拒否する指示であってもよいし、警告の対象となった画像形成装置600と同じ組織により管理されている全ての画像形成装置600の利用を継続的に拒否する指示であってもよい。
【0063】
また、例えば、ルール5が設定されている画像形成装置600の識別情報が装置識別情報取得部334により取得された場合、印刷制御部335は、この画像形成装置600の利用を警告することなく許可する。
【0064】
このように、本実施の形態では、印刷制御部335は、予め定められたルールにしたがって、画像形成装置600の利用を制限する。このため、安全性が十分に確認されていない恐れがある画像形成装置600が、ユーザーによる注意が何ら払われることなく利用されることを抑制することができる。
【0065】
例えば、コード画像Cを用いた出力先の指定が可能な印刷システムでは、悪意のある人物などが、画像形成装置600_1に、画像形成装置600_2に貼られていたコード画像Cを新たに貼付けた場合、印刷物が盗まれる恐れがある。画像形成装置600_1のコード画像Cを第2端末装置500で読み取ったユーザーは、印刷物が目の前の画像形成装置600_1から出力されるのを待つ。しかし、実際には、画像形成装置600_2の識別情報が含まれるコード画像Cが読み取られることとなるため、画像形成装置600_2から印刷物が出力されることとなる。この場合、悪意のある人物は、画像形成装置600_2から出力された印刷物を得ることができる。しかしながら、本実施の形態では、上述した通り、安全性が十分に確認されていない画像形成装置600に対して、例えばルール1から4のいずれかを設定することにより、そのような危険性を低減することができる。これは、印刷制御部335が、そのような画像形成装置600の識別情報が装置識別情報取得部334により取得された場合、当該画像形成装置600の利用を警告したり、禁止したりできるためである。よって、本実施の形態によれば、より安全に、ユーザーは、画像形成装置600に貼付けられたコード画像Cを用いて、印刷に利用する画像形成装置600を指定することができる。
【0066】
なお、通知される警告には、警告対象の画像形成装置600を管理する組織を示す情報が含まれることが好ましい。なお、以下では、画像形成装置600を管理する組織を装置組織と称す。これにより、ユーザーは、画像形成装置600が信頼できる組織により管理される装置であるのか否かを判定した上で、当該画像形成装置600を利用するか否かを決断することができる。つまり、ユーザーは、画像形成装置600の安全性を、当該画像形成装置600の管理する組織に基づいて判断することができる。なお、警告において、装置組織を示す情報には、装置組織のドメイン名等のように、公的な機関により組織の存在が認められていることが確認できる情報が含まれることが好ましい。また、通知される警告には、画像形成装置600の正当な設置場所を示す情報が含まれてもよい。また、このような情報に限らず、印刷制御部335は、通知される警告に、任意の情報を含めることができる。例えば、通知される警告には、当該ユーザーが初めて使用する画像形成装置600であるか否かを示す情報が含まれてもよい。
【0067】
また、印刷制御部335は、第2端末装置500から印刷中止指示を取得した場合、第2印刷サービスシステム200に印刷中止の要求を送信する。そして、印刷制御部335は、印刷中止が成功したか否かの情報を第2印刷サービスシステム200から取得し、当該情報を第2端末装置500に通知する。これにより、ユーザーは、印刷中止が成功したか否かを確認することができる。このことは、セキュリティー上、次のような利点をもたらす。ユーザーが出力先として想定している画像形成装置600から印刷物が直ちに出力されない原因として、2つのケースが考えられる。第1のケースは、印刷処理の実行に時間がかかっているケースであり、第2のケースは、印刷物が他の画像形成装置600から既に出力されているケースである。このうち、第2のケースでは、ユーザーが気付かぬうちに、目の前の画像形成装置600とは別の画像形成装置600が印刷物を既に出力されており、印刷物が盗難される恐れがある。本実施の形態では、印刷物がユーザーの目の前の画像形成装置600から出力されない場合などにユーザーが印刷中止を指示すると、第2端末装置500に印刷中止が成功したか否かが通知される。上述した第2のケースが発生している場合、既に印刷物が出力されているため、印刷中止に失敗したことが通知される。このため、ユーザーは第2のケースが発生していることを把握することができる。このため、上述した処理により、セキュリティー上の利点が得られる。なお、印刷制御部335は、印刷中止に成功又は失敗した印刷ジョブ数を通知してもよい。
【0068】
また、上述した通り、印刷制御部335は、ルールの適用に関するユーザーの指示が存在する場合には、ルール及び当該指示にしたがって、当該ユーザーによる画像形成装置600の利用を制御する処理を実行する。例えば、印刷制御部335は、警告の対象となった画像形成装置600について次回も警告を出力するか否かの指示を第2端末装置500から取得する。取得された指示は、設定情報として、設定管理部333が管理する。そして、印刷制御部335は、ユーザーによる当該画像形成装置600の次回の利用の際も警告を出力するか否かをこの指示に応じて決定する。具体的には、このユーザーに対応する印刷ジョブの処理の際に、当該画像形成装置600の識別情報が取得された場合、印刷制御部335は、このユーザーによる指示にしたがって、警告を行うか否かを判定する。例えば、上述したルール3又は4が設定された画像形成装置600について、警告の通知を省略する指示が存在する場合、印刷制御部335は、警告を通知することなく当該画像形成装置600の利用を許可する。このような構成によれば、ユーザーは、警告を毎回受けることをなくすことができるため、ユーザーの利便性が向上する。
【0069】
また、例えば、印刷制御部335は、警告の対象となった画像形成装置600の利用を拒否する指示として、利用を継続的に拒否する指示又は利用を一時的に拒否する指示を第2端末装置500から取得する。このうち、利用を継続的に拒否する指示、すなわち、常に利用が禁止されるよう設定する指示は、設定情報として、設定管理部333が管理する。そして、利用を継続的に拒否する指示が取得された場合、すなわち、そのような指示が設定情報として管理されている場合、印刷制御部335は、当該ユーザーによる当該画像形成装置600の次回以降の利用も禁止する。このような構成によれば、ユーザーが利用を希望しない画像形成装置600が今後も確実に利用されないようにすることができるため、ユーザーの利便性が向上する。
【0070】
なお、上述した通り、警告を省略する指示は、警告の対象となった画像形成装置600と同じ組織により管理されている全ての画像形成装置600について、警告が今後通知されないようにする指示であってもよい。この場合、印刷制御部335は、それらのいずれかの画像形成装置600の識別情報が装置識別情報取得部334により取得された場合、設定されているルールにかかわらず、当該画像形成装置600の警告を省略し、利用を許可する。また、上述した通り、利用を継続的に拒否する指示は、警告の対象となった画像形成装置600と同じ組織により管理されている全ての画像形成装置600の利用を継続的に拒否する指示であってもよい。この場合、印刷制御部335は、それらのいずれかの画像形成装置600の識別情報が装置識別情報取得部334により取得された場合、当該画像形成装置600の利用の次回以降の利用を禁止する。このように、印刷制御部335は、特定の装置組織に属する全ての画像形成装置600に対する利用の拒否の指示又は特定の装置組織に属する全ての画像形成装置600に対する警告の出力についての指示を取得し、この指示を行ったユーザーに対応する印刷ジョブの処理の際、当該指示を当該装置組織に属する全ての画像形成装置600に適用してもよい。これにより、ユーザーは、特定の組織が管理する画像形成装置600について一括して設定を行うことができるため、ユーザーの利便性が向上する。
【0071】
印刷制御部335の処理について説明したが、実施の形態における印刷制御部335の更なる具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。次に、第1端末装置400の構成について説明する。
【0072】
図5は、第1端末装置400の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、第1端末装置400は、記憶部410と、表示部420と、入力部430と、通信部440と、制御部450とを有する。
【0073】
記憶部410は、制御部450の処理を実現するためのプログラム及び第1端末装置400の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM等のメモリーを含んでもよい。表示部420は、情報を表示するための装置であり、例えば、フラットパネルディスプレイなどのディスプレイである。入力部430は、ユーザーからの入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウスなどである。なお、表示部420及び入力部430は、タッチパネル等によって一体的に構成されてもよい。通信部440は、第1印刷サービスシステム100、中継サーバー300といった他の装置と、無線ネットワーク又は有線ネットワークを介した通信を行なうための通信インターフェースである。制御部450は、第1端末装置400の各構成を制御する例えばCPU等のプロセッサーである。制御部450は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部450は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、制御部450は、Webブラウザー451、印刷要求部452、及び状態出力部453の機能を実現する。
【0074】
Webブラウザー451は、公知のWebブラウザーであり、本実施の形態では、第1印刷サービスシステム100又は中継サーバー300などから提供されるWebページを表示部420に表示する処理、Webページに対する入力情報を送信する処理などを行なう。なお、本実施の形態におけるWebブラウザー451の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0075】
印刷要求部452は、ユーザーからの操作に応じて、印刷を要求する処理をする。本実施の形態では、特に、印刷要求部452は、第1印刷サービスシステム100に対して、印刷を要求する。なお、本実施の形態における印刷要求部452の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0076】
状態出力部453は、第1印刷サービスシステム100を介して後述するジョブ状態を取得して、ジョブ状態を出力する処理をする。本実施の形態では、状態出力部453は、表示部420にジョブ状態を出力するが、必ずしも表示による出力でなくてもよい。例えば、状態出力部453は、音声などによりジョブ状態を出力してもよい。なお、状態出力部453が、Webブラウザー451の機能として第1端末装置400に設けられていてもよい。本実施の形態における状態出力部453の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0077】
図6は、第2端末装置500の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、第2端末装置500は、記憶部510と、表示部520と、入力部530と、通信部540と、読取部550と、制御部560とを有する。
【0078】
記憶部510は、制御部560の処理を実現するためのプログラム及び第2端末装置500の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM等のメモリーを含んでもよい。表示部520は、情報を表示するための装置であり、例えば、フラットパネルディスプレイなどのディスプレイである。入力部530は、ユーザーからの入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウスなどである。なお、上述した通り、第2端末装置500は、モバイル端末であることが好ましいため、表示部520及び入力部530は、タッチパネル等によって一体的に構成されていることが好ましい。通信部540は、第1印刷サービスシステム100、中継サーバー300といった他の装置と、無線ネットワーク又は有線ネットワークを介した通信を行なうための通信インターフェースである。読取部550は、画像形成装置600に付されたコード画像Cを読み取る装置であり、具体的には、例えばカメラである。制御部560は、第2端末装置500の各構成を制御する例えばCPU等のプロセッサーである。制御部560は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部560は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、制御部560は、Webブラウザー561、識別情報送信部562、指示送信部563、及び状態出力部564の機能を実現する。
【0079】
Webブラウザー561は、公知のWebブラウザーであり、本実施の形態では、第1印刷サービスシステム100又は中継サーバー300などから提供されるWebページを表示部520に表示する処理、Webページに対する入力情報を送信する処理などを行なう。特に、本実施の形態では、Webブラウザー561は、識別情報送信部562として機能する。識別情報送信部562は、読取部550が読み取ったコード画像Cに含まれる画像形成装置600の識別情報を中継サーバー300に送信する。また、本実施の形態では、Webブラウザー561は、指示送信部563として機能する。指示送信部563は、入力部530を介して入力されたユーザーからの指示を、中継サーバー300に送信する。指示送信部563は、特に、中継サーバー300から警告された画像形成装置600を利用するか否かを選択する指示、上述したルールの適用に関する指示、印刷の実行の指示、印刷の中止の指示などを送信する。なお、本実施の形態におけるWebブラウザー561の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0080】
状態出力部564は、第1印刷サービスシステム100を介して後述するジョブ状態を取得して、ジョブ状態を出力する処理をする。本実施の形態では、状態出力部564は、表示部520にジョブ状態を出力するが、必ずしも表示による出力でなくてもよい。例えば、状態出力部564は、音声などによりジョブ状態を出力してもよい。なお、本実施の形態における状態出力部564の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0081】
なお、
図6に示した構成では、識別情報送信部562及び指示送信部563がWebブラウザー561の機能として説明されたが、識別情報送信部562及び指示送信部563は、必ずしもWebブラウザー561の機能として提供されなくてもよい。すなわち、これらがWebブラウザー561と独立した機能として第2端末装置500において存在していてもよい。また、状態出力部564が、Webブラウザー561の機能として第2端末装置500に設けられていてもよい。また、第2端末装置500の制御部560が、第1端末装置400の印刷要求部452と同様の機能を備えていてもよい。
【0082】
図7は、画像形成装置600の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、画像形成装置600は、記憶部610と、通信部620と、印刷部630と、制御部640とを有する。
【0083】
記憶部610は、制御部640の処理を実現するためのプログラム及び画像形成装置600の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM等のメモリーを含んでもよい。通信部620は、第2印刷サービスシステム200といった他の装置と、無線ネットワーク又は有線ネットワークを介した通信を行なうための通信インターフェースである。制御部640は、画像形成装置600の各構成を制御する例えばCPU等のプロセッサーである。制御部640は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部640は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、制御部640は、印刷処理部641の機能を実現する。
【0084】
印刷処理部641は、印刷部630による印刷を実行するための処理を行なう。また、印刷処理部641は、印刷ジョブのジョブ状態を第2印刷サービスシステム200に通知する。なお、本実施の形態における印刷処理部641の具体的な処理については、後述するシーケンスチャートを用いて説明する。
【0085】
印刷部630は、用紙などの印刷媒体に画像を形成するための印刷機能を有する。印刷部630は、印刷エンジンを含む。印刷エンジンとは、印刷媒体への画像の印刷を、色材を用いて実行する機械的構成である。印刷エンジンは、例えば、インクジェット方式により、インクを用いて印刷を行う機構を有してもよい。あるいは、印刷エンジンは、例えば、電子写真方式により、トナーを用いて印刷を行う機構を有してもよい。また、印刷エンジンは、印刷媒体を搬送する搬送機構を有してもよい。
【0086】
なお、画像形成装置600は、タッチパネルディスプレイなどのユーザーインターフェースをさらに備えていてもよい。本実施の形態では、上述したように画像形成装置600は、印刷部630を備えており、プリンターとしての機能を備えている。このため、画像形成装置600は、プリンターとも称される。
【0087】
次に、シーケンスチャートを用いて、印刷システム10の処理の流れについて説明する。
【0088】
まず、コード画像Cの読み取りによる出力先の指定を可能にするために、コード用仮想プリンターを第1印刷サービスシステム100に登録するための処理の流れについて説明する。すなわち、コード画像Cの読み取りによる出力先の指定が行われる印刷ジョブのための専用の仮想プリンターを第1印刷サービスシステム100に登録するための処理の流れについて説明する。
図8Aから
図8Cは、印刷システム10において実行される、コード用仮想プリンターの登録処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。なお、このシーケンスチャートの各ステップの処理の順序は、一例に過ぎず、技術的に矛盾を生じない限り、適宜変更可能である。以下、
図8Aから
図8Cに沿って、コード用仮想プリンターの登録処理の流れを説明する。
【0089】
ステップS100において、管理者は、第1端末装置400の入力部430を介して、コード用仮想プリンターの登録処理を開始するための所定の操作を行なう。これにより、第1端末装置400のWebブラウザー451に対して、例えば、コード用仮想プリンター登録ページのURLが入力される。ここで、コード用仮想プリンター登録ページは、コード用仮想プリンターを第1印刷サービスシステム100に登録するために用意されたページである。ステップS100の後、ステップS101において、Webブラウザー451は、入力されたURLにしたがって、コード用仮想プリンター登録ページを取得するリクエストを中継サーバー300に送信する。これに対し、ステップS102において、中継サーバー300の認証制御部331は、Webブラウザー451に対して、所定のリダイレクトページにアクセスすることを指示する。本ステップにおいて所定のリダイレクトページは、認証ページである。このため、中継サーバー300の認証制御部331は、認証ページのURLをWebブラウザー451に送信する。認証ページは、認証情報の入力をユーザーに要求するページである。
【0090】
ステップS103において、Webブラウザー451は、受信したURLにしたがって、認証ページを取得するリクエストを第1印刷サービスシステム100に送信する。これに対し、ステップS104において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、Webブラウザー451に認証ページを送信する。これにより、ステップS105において、Webブラウザー451は、第1端末装置400の表示部420に認証ページを表示する。
【0091】
ステップS106において、管理者は、認証ページに対して、入力部430を介して、認証情報の入力を行なう。具体的には、例えば、管理者は、管理者のユーザーIDとパスワード等を入力する。ここで、必要とされる認証情報は、第1印刷サービスシステム100で用いられている認証情報であり、具体的には、予め登録されているユーザーIDとパスワード等である。ステップS107において、Webブラウザー451は、入力された認証情報を第1印刷サービスシステム100に送信する。第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、Webブラウザー451から受信した認証情報に基づいて認証処理を行なう。すなわち、認証制御部131は、受信した認証情報が、予め登録されている、管理者の認証情報と一致するか否かを判定する。
【0092】
認証処理において認証に成功した場合、すなわち、受信した認証情報が、予め登録されている管理者の認証情報と一致する場合、ステップS108において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、認証コードを発行し、さらに、Webブラウザー451に対して、所定のリダイレクト先にアクセスすることを指示する。この所定のリダイレクト先は、中継サーバー300である。このリダイレクトにより、中継サーバー300に認証コードが渡されることとなる。そのために、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、この所定のリダイレクト先を示すURLを、認証コードとともにWebブラウザー451に送信する。
【0093】
ステップS109において、Webブラウザー451は、認証コードとともに、所定のリダイレクト先にアクセスする。これにより、中継サーバー300は、認証コードを取得する。そして、ステップS110において、中継サーバー300の認証制御部331は、受信した認証コードとともに、管理者アクセストークンの生成を要求するリクエストを第1印刷サービスシステム100に送信する。管理者アクセストークンは、管理者の正当なアクセス、すなわち管理者としての正当な権限を伴うアクセスであることを証明する情報である。ステップS111において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、ステップS110で受信した認証コードがステップS108で送信した認証コードと一致することを確認した上で、管理者アクセストークンを発行し、それを中継サーバー300に送信する。その後、ステップS112において、登録部332は、Webブラウザー451へ、コード用仮想プリンター登録ページを送信する。これにより、ステップS113において、Webブラウザー451は、第1端末装置400の表示部420にコード用仮想プリンター登録ページを表示する。
【0094】
ステップS114において、管理者は、第1端末装置400の入力部430を介して、コード用仮想プリンターの登録を要求する所定の操作を行なう。ステップS114において、より具体的には、管理者は、ステップS113で表示されたコード用仮想プリンター登録ページに対して、共有者を指定する情報を入力する。共有者は、コード用仮想プリンターを利用可能なユーザーである。共有者を指定する情報は、特定のグループに属するユーザーを共有者として指定する情報であってもよい。この場合、共有者を指定する情報は、例えば、グループIDなどのように、グループを特定するための識別情報であってもよい。なお、グループを特定する識別情報の代わりに、共有者として指定される複数のユーザーのそれぞれのユーザーIDが入力されてもよい。また、共有者を指定する情報は、任意のユーザー、すなわち全てのユーザーを共有者として指定する情報であってもよい。
【0095】
次に、ステップS115において、Webブラウザー451は、共有者を指定する情報とともに、コード用仮想プリンターの第1印刷サービスシステム100における登録を要求するリクエストを中継サーバー300に送信する。これにより、中継サーバー300の登録部332は、管理者からのコード用仮想プリンターの登録指示を取得することとなる。
【0096】
次に、ステップS116において、中継サーバー300の登録部332は、第1印刷サービスシステム100に登録するコード用仮想プリンターのプリンター名を決定する。登録部332は、例えば、コード用仮想プリンターであることをユーザーが識別可能な所定のプリンター名を、第1印刷サービスシステム100に登録するコード用仮想プリンターのプリンター名として決定する。
【0097】
次に、ステップS117において、中継サーバー300の登録部332は、ステップS111で取得した管理者アクセストークンを用いて、コード用仮想プリンターの登録を第1印刷サービスシステム100に要求する。具体的には、登録部332は、ステップS117において、コード用仮想プリンターの作成及び登録を要求するリクエストを、管理者アクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。その際、登録部332は、当該リクエストとともに、ステップS116で決定した仮想プリンター名も送信する。すなわち、登録部332は、仮想プリンターの登録とともに仮想プリンター名の設定もリクエストする。
【0098】
これに対し、ステップS118において、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS117で受信した管理者アクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、第1印刷サービスシステム100に新たな仮想プリンターを登録する。その際、情報管理部133は、ステップS117で受信した仮想プリンター名を、新たに登録する仮想プリンターのプリンター名とする。また、情報管理部133は、この新たな仮想プリンターに対して、その識別情報として仮想プリンターIDを決定し、この仮想プリンターIDとともに、仮想プリンターの登録完了を中継サーバー300に通知する。
【0099】
その後、ステップS119からステップS122において、新たに登録した仮想プリンターについての設定処理が行なわれる。具体的には、ステップS119において、中継サーバー300の登録部332は、新たに登録した仮想プリンターの能力情報を設定するリクエストを、管理者アクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。その際、登録部332は、当該リクエストとともに、ステップS118で通知された仮想プリンターIDと、能力情報も送信する。能力情報とは、コード用仮想プリンターに関連付けられる画像形成装置600のプリンターとしての能力を示す情報であり、画像形成装置600がプリンターとして備える機能を特定する情報ともいえる。能力情報は、例えば、両面印刷が可能か否かを示す情報であってもよいし、カラー印刷が可能か否かを示す情報などであってもよい。上述の通り、コード用仮想プリンターには、任意の画像形成装置600が関連付けられうる。このため、登録部332は、コード用仮想プリンターに関連付けられる可能性がある全ての画像形成装置600に共通する機能だけを能力情報として送信してもよいし、能力が不明であることを示す情報を能力情報として送信してもよい。これに対し、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS119で受信した管理者アクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、受信した仮想プリンターIDで特定される仮想プリンターの設定を行なう。具体的には、情報管理部133は、受信した能力情報を、受信した仮想プリンターIDで特定されるコード用仮想プリンターの能力情報とする。これにより、作成されたコード用仮想プリンターの能力情報が設定される。
【0100】
ステップS120、ステップS121、及びステップS122において、中継サーバー300の登録部332は、新たに登録した仮想プリンターの共有利用に関する設定を行なう。つまり、ステップS120、ステップS121、及びステップS122において、コード用仮想プリンターに対するアクセス権の設定が行なわれる。ここでは、コード用仮想プリンターを共有プリンターとして利用するための設定が行なわれるため、具体的には次のような処理が行なわれる。なお、共有プリンターとは、複数のユーザーにより利用されることが前提とされたプリンターである。つまり、共有プリンターとは、複数のユーザーによって共有されるプリンターである。登録部332は、コード用仮想プリンターである共有プリンターが任意のユーザーに共有されるようにする場合、すなわち、ステップS115において、任意のユーザーを共有者として指定する情報を中継サーバー300が受信した場合、以下で説明するステップS120の処理を実行する。また、登録部332は、コード用仮想プリンターである共有プリンターが特定のグループに属するユーザーに共有されるようにする場合、すなわち、ステップS115において、特定のグループに属するユーザーを共有者として指定する情報を中継サーバー300が受信した場合、以下で説明するステップS121及びステップS122の処理を実行する。
【0101】
任意のユーザーを共有者として指定する情報を中継サーバー300が受信した場合、ステップS120において、登録部332は、共有情報を作成するための処理を行なう。ただし、上述の通り、ここでは、任意のユーザーがコード用仮想プリンターを利用できるようにする必要があるため、任意のユーザーへの共有を認める共有情報が作成される。より詳細には、ステップS120において、登録部332は、新たに登録したコード用仮想プリンターの共有情報を設定するリクエストを、管理者アクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。その際、登録部332は、当該リクエストとともに、ステップS118で通知された仮想プリンターIDと、任意のユーザーへの共有を認めることを指定する指示も送信する。なお、シーケンスチャートのステップS120の記載では、全員に共有することを示すフラグの値にYesを設定する記載(「全員に共有=Yes」)が、任意のユーザーへの共有を認めることを指定する指示を表している。また、このとき、登録部332は、新たに作成される共有情報を識別するための共有名を第1印刷サービスシステム100に送信してもよい。例えば、そのような共有名として、ステップS116で決定した仮想プリンター名が用いられてもよい。なお、共有名の送信は省略されてもよい。これに対し、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS120で受信した管理者アクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、受信した情報に基づいて、仮想プリンターIDで特定される仮想プリンターの共有情報を作成する。具体的には、情報管理部133は、任意のユーザーへの共有を認めることを示す共有情報を作成する。
【0102】
特定のグループに属するユーザーを共有者として指定する情報を中継サーバー300が受信した場合、ステップS121において、登録部332は、まず、共有情報を作成するための処理を行なう。ただし、特定のグループに属するユーザー以外のユーザーはコード用仮想プリンターを利用できないようにする必要があるため、任意のユーザーへの共有を認めないような共有情報が作成される。より詳細には、ステップS121において、登録部332は、新たに登録した仮想プリンターの共有情報を設定するリクエストを、管理者アクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。その際、登録部332は、当該リクエストとともに、ステップS118で通知された仮想プリンターIDと、任意のユーザーへの共有を認めないことを指定する指示も送信する。なお、シーケンスチャートのステップS121の記載では、全員に共有することを示すフラグの値にNoを設定する記載(「全員に共有=No」)が、任意のユーザーへの共有を認めないことを指定する指示を表している。また、このとき、登録部332は、新たに作成される共有情報を識別するための共有名を第1印刷サービスシステム100に送信してもよい。例えば、そのような共有名として、ステップS116で決定した仮想プリンター名が用いられてもよい。なお、共有名の送信は省略されてもよい。これに対し、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS121で受信した管理者アクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、受信した情報に基づいて、仮想プリンターIDで特定される仮想プリンターの共有情報を作成する。具体的には、情報管理部133は、任意のユーザーへの共有を認めないことを示す共有情報を作成する。
【0103】
ステップS122において、登録部332は、特定のグループに属するユーザーだけが登録対象のプリンターを利用できるように共有情報を修正する処理を行なう。具体的には、ステップS122において、登録部332は、特定のグループに属するユーザーによる仮想プリンターの利用を許可するよう共有情報を修正するリクエストを、管理者アクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。このとき、登録部332は、共有が許可されるユーザーを特定するための情報として、例えば、ステップS115で取得したグループIDを送信する。これに対し、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS122で受信した管理者アクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、受信した情報に基づいて、共有情報を更新する。具体的には、情報管理部133は、受信したグループIDにより特定されるユーザーの利用を許可するよう共有情報を更新する。なお、
図8Cで示したシーケンスチャートでは、共有情報の設定がステップS121及びステップS122の2つのステップにわたって行なわれたが、これらの処理が一つのステップで行われてもよい。
【0104】
ステップS120又はステップS122の後、ステップS123において、中継サーバー300の登録部332は、コード用仮想プリンターとして登録された仮想プリンターの仮想プリンターIDを記憶部310などのデーターベースに記憶する。
【0105】
ステップS124において、Webブラウザー451は、中継サーバー300に対して、コード用仮想プリンターの登録処理が完了したか否かを問い合わせる。これに対し、ステップS125において、中継サーバー300の登録部332は、登録が完了をしたことを示すページである登録完了ページをWebブラウザー451に送信する。これにより、ステップS126において、Webブラウザー451は、第1端末装置400の表示部420に登録完了ページを表示する。なお、ここで示したシーケンスチャートでは、コード用仮想プリンターの登録処理が完了したか否かを問い合わせるステップが、ステップS123の後に行なわれているが、ステップS123の前に定期的に行なわれていてもよい。その場合、登録部332は、登録が未だ完了していないことを示すページをWebブラウザー451に送信してもよい。
【0106】
次に、画像形成装置600の利用に関する上述したルールの設定処理の流れについて説明する。
図9は、画像形成装置600の利用に関するルールの設定処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。なお、このシーケンスチャートの各ステップの処理の順序は、一例に過ぎず、技術的に矛盾を生じない限り、適宜変更可能である。以下、
図9に沿って、ルールの設定処理の流れを説明する。
【0107】
ステップS200において、管理者は、第1端末装置400の入力部430を介して、ルールの設定処理を開始するための所定の操作を行なう。これにより、第1端末装置400のWebブラウザー451に対して、例えば、ルール設定ページのURLが入力される。ここで、ルール設定ページは、画像形成装置600の利用に関するルールを設定するために用意されたページである。ステップS200の後、ステップS201において、Webブラウザー451は、入力されたURLにしたがって、ルール設定ページを取得するリクエストを中継サーバー300に送信する。これに対し、ステップS202において、中継サーバー300の認証制御部331は、Webブラウザー451に対して、所定のリダイレクトページにアクセスすることを指示する。本ステップにおいて所定のリダイレクトページは、認証ページである。このため、中継サーバー300の認証制御部331は、認証ページのURLをWebブラウザー451に送信する。
【0108】
ステップS203において、Webブラウザー451は、受信したURLにしたがって、認証ページを取得するリクエストを第1印刷サービスシステム100に送信する。これに対し、ステップS204において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、Webブラウザー451に認証ページを送信する。これにより、ステップS205において、Webブラウザー451は、第1端末装置400の表示部420に認証ページを表示する。
【0109】
ステップS206において、管理者は、認証ページに対して、入力部430を介して、認証情報の入力を行なう。具体的には、例えば、管理者は、管理者のユーザーIDとパスワード等を入力する。ここで、必要とされる認証情報は、第1印刷サービスシステム100で用いられている認証情報であり、具体的には、予め登録されているユーザーIDとパスワード等である。ステップS207において、Webブラウザー451は、入力された認証情報を第1印刷サービスシステム100に送信する。第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、Webブラウザー451から受信した認証情報に基づいて認証処理を行なう。すなわち、認証制御部131は、受信した認証情報が、予め登録されている、管理者の認証情報と一致するか否かを判定する。
【0110】
認証処理において認証に成功した場合、すなわち、受信した認証情報が、予め登録されている管理者の認証情報と一致する場合、ステップS208において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、認証コードを発行し、さらに、Webブラウザー451に対して、所定のリダイレクト先にアクセスすることを指示する。この所定のリダイレクト先は、中継サーバー300である。このリダイレクトにより、中継サーバー300に認証コードが渡されることとなる。そのために、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、この所定のリダイレクト先を示すURLを、認証コードとともにWebブラウザー451に送信する。
【0111】
ステップS209において、Webブラウザー451は、認証コードとともに、所定のリダイレクト先にアクセスする。これにより、中継サーバー300は、認証コードを取得する。そして、ステップS210において、中継サーバー300の認証制御部331は、受信した認証コードとともに、管理者アクセストークンの生成を要求するリクエストを第1印刷サービスシステム100に送信する。ステップS211において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、ステップS210で受信した認証コードがステップS208で送信した認証コードと一致することを確認した上で、管理者アクセストークンを発行し、それを中継サーバー300に送信する。
【0112】
次に、ステップS212において、中継サーバー300の設定管理部333は、管理者の組織IDを取得するリクエストを、ステップS211で取得した管理者アクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。なお、管理者の組織IDとは、管理者が所属するユーザー組織の識別情報、換言すると、管理者が管理するユーザー組織の識別情報である。上述した通り、本実施の形態では、ルールの生成を指示する管理者が所属するユーザー組織に所属する任意のユーザーが画像形成装置600を利用する際に適用されるルールが、生成される。このため、生成されるルールを組織IDと関連付ける必要がある。よって、本ステップにおいて、設定管理部333は、組織IDを取得するためのリクエストを送信する。
【0113】
これに対し、ステップS213において、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS212で受信した管理者アクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、管理者の組織IDを中継サーバー300に送信する。具体的には、情報管理部133は、組織IDを中継サーバー300へ送信する。これにより、中継サーバー300の設定管理部333は、管理者の組織IDを取得する。その後、ステップS214において、設定管理部333は、Webブラウザー451へ、ルール設定ページを送信する。これにより、ステップS215において、Webブラウザー451は、第1端末装置400の表示部420にルール設定ページを表示する。
【0114】
ルール設定ページは、例えば、画像形成装置600の利用に関するルールを設定するためのユーザーインターフェースを提供するページであり、管理者は、各画像形成装置600に対して所望のルールを設定することができる。なお、上述した通り、管理者は、ルール設定ページを用いて、装置組織単位で、画像形成装置600の利用のルールを設定してもよい。設定されるルールは、画像形成装置600の利用を許可するか否かについてのルールであってもよいし、画像形成装置600の利用の際に警告を通知するか否かについてのルールであってもよい。具体的には、管理者は、例えば、上述したルール1からルール5のいずれかを各画像形成装置600に対して設定する。ステップS216において、管理者は、ルール設定ページに対して、入力部430を介して、ルールを設定する入力を行ない、ルール設定ページに表示された決定ボタンを押下する。ステップS217において、Webブラウザー451は、入力されたルールの設定情報を第1印刷サービスシステム100に送信するとともに、中継サーバー300にルールの設定を要求する。これに対し、ステップS218において、中継サーバー300の設定管理部333は、設定情報にしたがったルールを生成し、ステップS213で取得した組織IDと関連付けて、記憶部310に記憶する。
【0115】
その後、ステップS219において、設定管理部333は、Webブラウザー451へルール設定完了ページを送信する。ルール設定完了ページは、中継サーバー300において、ルールが適切に保存されたことを通知するページである。これにより、ステップS220において、Webブラウザー451は、第1端末装置400の表示部420にルール設定完了ページを表示する。
【0116】
次に、印刷システム10が印刷対象のデータを受付ける処理の流れについて説明する。以下、印刷対象のデータを印刷データと称す。
図10は、印刷システム10が印刷データを受付ける処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。以下、
図10に沿って、処理の流れを説明する。
【0117】
ステップS300において、ユーザー組織に所属する一般ユーザーは、第1端末装置400の入力部430を介して、印刷データを印刷するための所定の操作を行なう。具体的には、例えば、一般ユーザーは、印刷に利用する仮想プリンターと、印刷データと、印刷設定とを指定する操作を行なう。本実施の形態では、ユーザーは、画像形成装置600に貼付けられたコード画像Cを用いて、印刷に利用する画像形成装置600を指定するため、本ステップでは、ユーザーは、印刷に利用する仮想プリンターとして、コード用仮想プリンターを指定する。なお、ステップS300で指定される印刷設定とは、印刷のためにプリンターに設定される設定値である。例えば、印刷設定は、使用する用紙のサイズを指定する設定値や、カラー印刷を行なうか否かを指定する設定値や、両面印刷を行なうか否かを指定する設定値などであるが、これらに限られない。
【0118】
ステップS300の操作が行なわれると、ステップS301において、第1端末装置400の印刷要求部452は、第1印刷サービスシステム100に対して、印刷を要求する。その際、印刷要求部452は、第1印刷サービスシステム100へ、ステップS300で印刷を指示したユーザーのユーザーIDと、コード用仮想プリンターの仮想プリンターIDと、指定された印刷設定と、指定された印刷データとを送信する。そして、第1印刷サービスシステム100がこれらを取得する。なお、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、コード用仮想プリンターを用いる印刷の要求については、コード用仮想プリンターの共有者であるユーザーについての要求だけを受付け、それ以外のユーザーの要求については受付けない。
【0119】
次に、ステップS302において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、ステップS301で受信した情報に基づいて印刷ジョブを生成し、この印刷ジョブの識別情報であるジョブIDを第1端末装置400に通知する。生成された印刷ジョブは、ユーザーがコード画像Cを用いて出力先の画像形成装置600を決定した上で印刷を指示するまで第1印刷サービスシステム100において蓄積されたままとなる。その際、印刷ジョブは、コード用仮想プリンターの仮想プリンターIDと、ユーザーIDとに関連付けた状態で、第1印刷サービスシステム100に蓄積される。
【0120】
次に、ユーザーが第2端末装置500で読み取ったコード画像Cにより特定される画像形成装置600で印刷を行なう場合の印刷処理の流れについて説明する。
図11Aから
図11Hは、印刷システム10において実行される印刷処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。なお、このシーケンスチャートの各ステップの処理の順序は、一例に過ぎず、技術的に矛盾を生じない限り、適宜変更可能である。以下、
図11Aから
図11Hに沿って、印刷処理の流れを説明する。
【0121】
図10のステップS300の操作を行った一般ユーザーは、印刷物を取得したい画像形成装置600の元へ移動する。そして、ステップS400において、一般ユーザーは、第2端末装置500の読取部550を用いて、印刷物を取得したい画像形成装置600に貼付けられているコード画像Cを読み取る操作を行う。コード画像Cは、画像形成装置600の識別情報である装置識別情報と、中継サーバー300にアクセスするためのURLとを含んでいる。
【0122】
ステップS400の後、ステップS401において、Webブラウザー561は、コード画像Cから得られたURLにしたがって、印刷指示ページを取得するリクエストを中継サーバー300に送信する。ここで、印刷指示ページは、ユーザーが、中継サーバー300に対して、印刷の実行を指示するために用意されたページである。このとき、Webブラウザー561は、印刷指示ページを取得するリクエストとともに、読取部550が読み取ったコード画像Cに含まれる装置識別情報を中継サーバー300に送信する。すなわち、本実施の形態ではWebブラウザー561として実装されている識別情報送信部562が、装置識別情報を中継サーバー300に送信する。これにより、中継サーバー300の装置識別情報取得部334は、印刷に利用される画像形成装置600を特定する装置識別情報を取得する。
【0123】
本実施の形態では、上述した通り、印刷システム10では、認証印刷が行われる。このため、ステップS402からステップS411において、第1印刷サービスシステム100の認証機能を用いたユーザー認証が行われる。なお、ステップS400の操作を行ったユーザーについて、既に第1印刷サービスシステム100の認証が正常に完了している場合には、ステップS402からステップS411までの処理が省略されてもよい。
【0124】
ステップS402において、中継サーバー300の認証制御部331は、Webブラウザー561に対して、所定のリダイレクトページにアクセスすることを指示する。本ステップにおいて所定のリダイレクトページは、認証ページである。このため、中継サーバー300の認証制御部331は、認証ページのURLを第2端末装置500のWebブラウザー561に送信する。ステップS401及びステップS402からわかるように、認証制御部331は、第2端末装置500により読み取られたコード画像Cに基づく第2端末装置500からのアクセスに応じて、認証情報を第1印刷サービスシステム100に送信するためのアクセス先を第2端末装置500に通知する。これにより、第2端末装置500は、認証のためのアクセス先を自動的に得ることができる。
【0125】
ステップS403において、第2端末装置500のWebブラウザー561は、受信したURLにしたがって、認証ページを取得するリクエストを第1印刷サービスシステム100に送信する。これに対し、ステップS404において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、Webブラウザー561に認証ページを送信する。これにより、ステップS405において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520に認証ページを表示する。
【0126】
ステップS406において、ステップS400の操作を行ったユーザーは、認証ページに対して、入力部530を介して、認証情報の入力を行なう。具体的には、例えば、ユーザーは、自分のユーザーIDとパスワード等を入力する。ここで、必要とされる認証情報は、第1印刷サービスシステム100で用いられている認証情報であり、具体的には、予め登録されているユーザーIDとパスワード等である。ステップS407において、Webブラウザー561は、入力された認証情報を第1印刷サービスシステム100に送信する。第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、第2端末装置500のWebブラウザー561から受信した認証情報に基づいて認証処理を行なう。すなわち、認証制御部131は、受信した認証情報が、予め登録されている、管理者の認証情報と一致するか否かを判定する。
【0127】
認証処理において認証に成功した場合、すなわち、受信した認証情報が、予め登録されているユーザーの認証情報と一致する場合、ステップS408において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、認証コードを発行し、さらに、Webブラウザー561に対して、所定のリダイレクト先にアクセスすることを指示する。この所定のリダイレクト先は、中継サーバー300である。このリダイレクトにより、中継サーバー300に認証コードが渡されることとなる。そのために、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、この所定のリダイレクト先を示すURLを、認証コードとともに第2端末装置500のWebブラウザー561に送信する。
【0128】
ステップS409において、第2端末装置500のWebブラウザー561は、認証コードとともに、所定のリダイレクト先にアクセスする。これにより、中継サーバー300は、認証コードを取得する。そして、ステップS410において、中継サーバー300の認証制御部331は、受信した認証コードとともに、アクセストークンの生成を要求するリクエストを第1印刷サービスシステム100に送信する。アクセストークンは、第1印刷サービスシステム100のユーザーによる正当なアクセス、すなわちユーザーとしての正当な権限を伴うアクセスであることを証明する情報であり、認証完了情報に相当する。すなわち、アクセストークンにより、ユーザーの認証情報に対する第1印刷サービスシステム100による認証が完了したことが示される。ステップS411において、第1印刷サービスシステム100の認証制御部131は、ステップS410で受信した認証コードがステップS408で送信した認証コードと一致することを確認した上で、アクセストークンを発行し、それを中継サーバー300に送信する。これにより、中継サーバー300の認証制御部331は、アクセストークン、すなわち認証完了情報を取得する。中継サーバー300は、認証完了情報が得られない場合、後続の処理を実施することなく、処理を終了する。
【0129】
次に、ステップS412において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ステップS400の操作を行ったユーザーのユーザーIDを取得するリクエストを、ステップS411で取得したアクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。これに対し、ステップS413において、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS412で受信したアクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、ユーザーIDを中継サーバー300に送信する。具体的には、情報管理部133は、第1印刷サービスシステム100が管理しているユーザーIDを中継サーバー300へ送信する。これにより、中継サーバー300の印刷制御部335は、ステップS400の操作を行ったユーザーのユーザーIDを取得する。
【0130】
次に、ステップS414において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ステップS400の操作を行ったユーザーの組織IDを取得するリクエストを、ステップS411で取得したアクセストークンとともに第1印刷サービスシステム100に送信する。なお、ユーザーの組織IDとは、ユーザーが所属するユーザー組織の識別情報である。上述した通り、本実施の形態では、ルールはユーザー組織毎に設定されている。このため、ユーザーに適用すべきルールを特定するために、ユーザーの組織IDの取得する必要がある。これに対し、ステップS415において、第1印刷サービスシステム100の情報管理部133は、ステップS414で受信したアクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、ユーザーの組織IDを中継サーバー300に送信する。具体的には、情報管理部133は、組織IDを中継サーバー300へ送信する。これにより、中継サーバー300の印刷制御部335は、ユーザーの組織IDを取得する。このように、印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100からユーザーの属するユーザー組織の組織情報(組織ID)を取得し、取得された組織情報に基づいて、ユーザーに適用するルールを決定する。このため、様々な組織が印刷システム10を利用する場合であっても、適切にルールを適用することができる。また、印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100からユーザー組織の組織情報(組織ID)を取得するために、認証完了情報に相当するアクセストークンを用いる。このため、ユーザーの認証が正常に完了していない場合には、印刷制御部335は、処理を中断することとなる。このため、システムの不正な利用を抑制することができる。
【0131】
次に、ステップ416において、印刷制御部335は、予め記憶されているルールを読み出す。具体的には、印刷制御部335は、記憶部310に記憶されているルールのうち、ステップS415で取得された組織IDと関連付けられているルールを読み出す。また、ステップS417において、印刷制御部335は、ルールの適用に関する指示が記憶されている場合には、当該指示を読み出す。具体的には、印刷制御部335は、記憶部310に記憶されている指示のうち、ステップS413で取得されたユーザーIDと関連付けられている指示を読み出す。なお、ステップS413で取得されたユーザーIDと関連付けられている指示が未だ記憶されていない場合には、本ステップにおける指示の読み出しは行われない。
【0132】
そして、ステップS418において、印刷制御部335は、読み出されたルール及び指示を参照し、これらに基づいて、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600の利用に関する判定を行う。ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600が、警告を伴わずに利用が許可されるプリンターである場合、印刷制御部335は、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600とコード用仮想プリンターとを対応付け、ステップS426以降の処理を直ちに実行する。これに対し、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600が警告の通知が必要なプリンターである場合、ステップS419からステップS423までの処理が実行される。また、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600が、利用が禁止されたプリンターである場合、ステップS424からステップS425までの処理が実行される。
【0133】
まず、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600が警告の通知が必要なプリンターである場合の処理の流れについて説明する。ステップS419において、中継サーバー300の印刷制御部335は、Webブラウザー561に警告ページを送信する。これにより、ステップS420において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520に認証ページを表示する。警告ページは、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600の利用を警告するページである。したがって、ここで示したシーケンスチャートでは、ステップS419において、ルールに基づく警告の通知が行われることとなる。また、警告ページは、警告に対するユーザーの指示を入力するためのユーザーインターフェースを提供するページでもあってもよい。例えば、警告ページには、当該画像形成装置600を利用するか拒否するかを指示するボタンが配置されてもよい。また、例えば、警告ページには、利用を拒否する場合に、今回だけ拒否するか次回以降も拒否するかを選択するボタンが配置されていてもよい。また、例えば、警告ページには、当該画像形成装置600の利用に対する警告を今後は省略することを指示するボタンが配置されてもよい。また、利用拒否の対象又は警告省略の対象として、特定の組織が管理する画像形成装置600の全てを選択できるボタンが配置されていてもよい。なお、警告の省略については、警告の省略が可能であるルールが当該画像形成装置600に設定されている場合に限り可能であるため、印刷制御部335はステップS416で参照したルールに応じた警告ページを作成し、第2端末装置500に送信する。
【0134】
ステップS421において、ユーザーは、警告ページを確認した上で、画像形成装置600の利用に関する指示を入力する。ユーザーは、少なくとも、警告対象の画像形成装置600を利用するか拒否するかを指示する入力をする。また、ユーザーは、必要に応じて、警告の省略の指示といった、ルールの適用に関する指示を入力する。例えば、ユーザーは、警告ページに配置されたボタンを操作することにより、指示の入力を行うが、他の方法により入力が行なわれてもよい。
【0135】
次に、ステップS422において、Webブラウザー561は、ステップS421で入力されたユーザーの指示を中継サーバー300に送信する。すなわち、本実施の形態では、Webブラウザー561として実装されている指示送信部563が、ユーザーの指示を中継サーバー300に送信する。これにより、中継サーバー300が指示を受信する。
【0136】
ステップS422で受信された指示にルールの適用に関する指示が含まれる場合、ステップS423において、設定管理部333は、この指示を記憶部310に記憶する。具体的には、例えば、ステップS422において、警告の省略についての指示、及び継続的な利用の拒否の指示が受信された場合に、設定管理部333は、ステップS413で取得されたユーザーIDと関連付けて、当該指示を記憶部310に記憶する。なお、印刷制御部335は、指示の対象が一つの画像形成装置600だけの場合には、当該画像形成装置600の装置識別情報(プリンターID)と当該指示を関連付けて記憶部310に記憶し、指示の対象が特定の組織の画像形成装置600全体の場合には、当該組織の組織IDと当該指示を関連付けて記憶部310に記憶する。
【0137】
なお、ステップS422で中継サーバー300が受信した指示が、警告対象となった画像形成装置600を利用する指示であった場合、印刷制御部335は、この画像形成装置600とコード用仮想プリンターとを対応付け、処理はステップS426に移行する。これに対し、ステップS422で中継サーバー300が受信した指示が、警告対象となった画像形成装置600を利用しない指示であった場合、処理が終了する。この場合、ユーザーは、他の画像形成装置600のもとへ移動し、再度ステップS400の処理を行なうこととなる。
【0138】
次に、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600が、利用が禁止されたプリンターである場合の処理の流れについて説明する。この場合、ステップS424において、中継サーバー300の印刷制御部335は、Webブラウザー561にプリンター利用不可ページを送信する。これにより、ステップS425において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520にプリンター利用不可ページを表示する。プリンター利用不可ページは、ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600の利用が禁止されていることを通知するページである。ステップS401で取得した装置識別情報により識別される画像形成装置600に対応するルール、もしくは、ユーザーの指示により、当該画像形成装置600の利用が禁止されている場合、ステップS424及びステップS425の処理が行われることとなる。この場合、ユーザーは、他の画像形成装置600のもとへ移動し、再度ステップS400の処理を行なうこととなる。
【0139】
ステップS426において、中継サーバー300の印刷制御部335は、Webブラウザー561に印刷指示ページを送信する。これにより、ステップS427において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520に印刷指示ページを表示する。印刷指示ページは、ユーザーからの印刷指示を受付けるためのページである。例えば、印刷指示ページには、ユーザーが印刷システム10に対して印刷の実行を指示するためのボタンである印刷ボタンが配置されている。ステップS428において、ユーザーは、印刷指示ページに表示された印刷ボタンを押下する。ステップS429において、Webブラウザー561は、印刷の実行の指示を中継サーバー300に送信する。すなわち、本実施の形態では、Webブラウザー561として実装されている指示送信部563が印刷の実行の指示を送信する。これにより、中継サーバー300の印刷制御部335は、印刷の実行の指示を受信する。
【0140】
印刷の実行の指示を中継サーバー300が受信すると、ステップS430において、中継サーバー300の印刷制御部335は、コード用仮想プリンターの仮想プリンターIDを取得するために、記憶部310などのデーターベースの読み出し処理を行なう。これにより、ステップS431において、印刷制御部335は、コード用仮想プリンターの仮想プリンターIDを読み出す。
【0141】
次に、ステップS432において、中継サーバー300の印刷制御部335は、コード画像Cに含まれていた装置識別情報により識別される画像形成装置600で印刷すべき印刷データについての印刷ジョブのリストを取得する。具体的には、印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100に対して、ジョブリストを取得するリクエストを送信する。より詳細には、印刷制御部335は、ステップS431で取得した仮想プリンターIDと、ステップS413で取得したユーザーIDとともに、このリクエストを送信する。これに対し、ステップS433において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、第1印刷サービスシステム100に蓄積されている印刷ジョブのリストを、中継サーバー300に送信する。すなわち、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、コード用仮想プリンターと関連付けられている印刷ジョブであって、受信したユーザーIDとも関連付けられている印刷ジョブについてのジョブリストを送信する。第1印刷サービスシステム100からジョブリストが送信されると、ジョブリストに挙げられている印刷ジョブ毎に、ステップS434からステップS444の処理が行われる。
【0142】
ステップS434において、中継サーバー300の印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100に対して、ジョブ情報を取得するリクエストを送信する。具体的には、印刷制御部335は、ステップS431で通知された仮想プリンターIDと、ステップS433で取得したジョブリストに挙げられたジョブIDとともに、このリクエストを送信する。これに対し、ステップS435において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、ジョブIDに対応する印刷設定と、ジョブIDに対応する印刷データの格納場所を示すURLとをジョブ情報として中継サーバー300に送信する。なお、以下の説明では、印刷データの格納場所を示すURLを印刷データURLと称すこととする。
【0143】
ジョブ情報を中継サーバー300が受信すると、ステップS436において、中継サーバー300の印刷制御部335は、コード画像Cに含まれていた装置識別情報により識別される画像形成装置600へのアクセスに必要とされる情報を取得するために、記憶部310などのデーターベースの読み出し処理を行なう。これにより、ステップS437において、印刷制御部335は、アクセスに必要とされる情報を読み出す。本実施の形態では、画像形成装置600へのアクセスに必要とされる情報は、具体的には、コード画像Cに含まれていた装置識別情報により識別される画像形成装置600に予め割り当てられているメールアドレスと、パスワードなどのアクセスキーである。なお、これらの情報は、中継サーバー300の記憶部310などのデーターベースに予め保存されているものとする。なお、画像形成装置600へのアクセスのためにこれらの情報が不要である場合には、ステップ436及びステップS437は省略されてもよい。
【0144】
次に、ステップS438において、中継サーバー300の印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200に対して、印刷を要求する。その際、印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200へ、ステップS437で読み出したプリンターメールアドレス及びアクセスキーと、ステップS435で取得した印刷設定及び印刷データURLとを送信する。このように、印刷制御部335は、コード画像Cに含まれていた装置識別情報により識別される画像形成装置600による印刷を、第2印刷サービスシステム200に要求する。
【0145】
このように、印刷制御部335は、第2端末装置500から印刷指示を取得した場合に、第1印刷サービスシステム100から印刷ジョブを取得し、印刷ジョブについての印刷を画像形成装置600に実行させる要求を第2印刷サービスシステム200に送信する。これにより、第1印刷サービスシステム100と第2印刷サービスシステム200が連携したシステムにおいて、画像形成装置600による印刷を実行することができる。なお、上述した処理の流れでは、ユーザーは、1以上の印刷ジョブに対して一括した印刷指示を行ったが、個別に印刷指示を行ってもよい。この場合、印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100から印刷ジョブのリストを取得し、リストを第2端末装置500に送信し、リストの中から選択された印刷ジョブに対する印刷指示を第2端末装置500から取得し、選択された印刷ジョブを第1印刷サービスシステム100から取得する。このような構成によれば、ユーザーは印刷ジョブ毎に印刷するか否かを選択できるため、ユーザーの利便性が向上する。
【0146】
ここで、中継サーバー300が第1印刷サービスシステム100から印刷ジョブを取得するための処理について、さらに説明する。上述した説明では、ステップS432からステップS435にかけて、中継サーバー300が第1印刷サービスシステム100から印刷ジョブを取得するための処理が行われている。これらの処理の際に、アクセストークンが必要とされてもよい。すなわち、ステップS432において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブリストを取得するリクエストを、ステップS411で取得したアクセストークンとともに、第1印刷サービスシステム100に対して送信してもよい。そして、ステップS433において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、受信したアクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、ジョブリストを中継サーバー300に送信してもよい。同様に、ステップS434において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブ情報を取得するリクエストを、ステップS411で取得したアクセストークンとともに、第1印刷サービスシステム100に対して送信してもよい。そして、ステップS435において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、受信したアクセストークンが正当であることが認証制御部131により確認されると、ジョブ情報を中継サーバー300に送信してもよい。このように、印刷制御部335は、認証完了情報に相当するアクセストークンを用いて、第1印刷サービスシステム100からユーザーについての印刷ジョブを取得し、印刷ジョブについての印刷を画像形成装置600に実行させる要求を第2印刷サービスシステム200に対して送信してもよい。このように、印刷ジョブの取得のために認証完了情報が必要とされる場合、ユーザーの認証が正常に完了していないときには、印刷制御部335は、処理を中断することとなる。このため、システムの不正な利用を抑制することができる。なお、ステップS432からステップS435の処理の際に、アクセストークンが必要とされないとしても、本実施の形態では、印刷制御部335は、認証完了情報を用いて、第1印刷サービスシステム100からユーザーについての印刷ジョブを取得していると解釈することができる。これは、ステップS432及びステップS433において、アクセストークンが正当であることを確認された場合に限り取得される情報であるユーザーID(ステップS412及びS413参照)を必要としているためである。
【0147】
中継サーバー300からの印刷要求を第2印刷サービスシステム200が受けると、ステップS439において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、印刷データを取得するために、ステップS438で通知された印刷データURLにアクセスする。これにより、ステップS440において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、第1印刷サービスシステム100から印刷データを取得する。
【0148】
ステップS440の後、ステップS441において、印刷制御部231は、ステップS440で取得した印刷データを、所定のプリンター言語に従った印刷データへと変換する。その後、ステップS442において、印刷制御部231は、変換後の印刷データを印刷するための印刷ジョブの存在を、印刷に利用されるプリンターである画像形成装置600に通知する。この印刷ジョブは、第1印刷サービスシステム100が管理する印刷ジョブに対応する印刷ジョブであり、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231が管理する印刷ジョブである。このため、上述したジョブIDの値とは別に、新たにIDが付与される。以下、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231が管理する印刷ジョブのIDをジョブID2と称すこととする。ステップS443において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、ジョブID2を中継サーバー300に通知する。これに対し、ステップS444において、中継サーバー300の印刷制御部335は、第1印刷サービスシステム100の印刷ジョブと第2印刷サービスシステム200の印刷ジョブとの対応関係の記憶処理を行なう。具体的には、印刷制御部335は、仮想プリンターIDと、第1印刷サービスシステム100のジョブIDと、印刷に利用される画像形成装置600の装置識別情報(プリンターID)と、第2印刷サービスシステム200のジョブID、すなわちジョブID2とを関連付けて記憶部310などのデーターベースに記憶する。
【0149】
ステップS433で取得されたジョブリストに挙げられた全ての印刷ジョブについてステップS434からステップS444の処理が行われると、処理はステップS445へ移行する。ステップS445において、中継サーバー300の印刷制御部335は、Webブラウザー561に印刷受付ページを送信する。これにより、ステップS446において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520に印刷受付ページを表示する。印刷受付ページは、ユーザーからの印刷指示が正常に受付けられたことを通知するためのページである。また、印刷受付ページは、印刷の中止指示をユーザーから受付けるためのページでもある。このため、印刷受付ページには、ユーザーが印刷システム10に対して印刷の中止を指示するためのボタンであるキャンセルボタンが配置されている。必要に応じて、ユーザーは、印刷受付ページに表示されたキャンセルボタンを押下することができる。以下、後述するステップS454以降の処理が開始される前に、ユーザーによりキャンセルボタンが押下された場合に、印刷システム10において実行される処理(ステップS447からステップS453)を説明する。
【0150】
印刷を中止したいユーザーは、ステップS447において、印刷受付ページに表示されたキャンセルボタンを押下する。ステップS448において、Webブラウザー561は、印刷の中止の指示を中継サーバー300に送信する。すなわち、本実施の形態では、Webブラウザー561として実装されている指示送信部563が印刷の中止の指示を送信する。これにより、中継サーバー300が印刷の中止の指示を受信する。
【0151】
中継サーバー300が印刷の中止の指示を受信すると、印刷ジョブ毎に、ステップS449からステップS451の処理が行われる。ステップS449において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブID2により印刷ジョブを指定して、当該印刷ジョブの処理のキャンセルを第2印刷サービスシステム200に要求する。この時点では、画像形成装置600による印刷処理はまだ開始されていないため、ステップS450において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、当該印刷ジョブをキャンセルする。そして、印刷制御部231は、キャンセルに成功したことを示すキャンセル結果を中継サーバー300に送信する。中継サーバー300が第2印刷サービスシステム200からキャンセル結果を受信すると、ステップS451において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブ状態を、コード用仮想プリンターの仮想プリンターID及びキャンセル対象のジョブIDとともに、第1印刷サービスシステム100に通知する。具体的には、印刷制御部335は、キャンセルが行われた状態であることを示すジョブ状態を、第1印刷サービスシステム100に通知する。このように、印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200からキャンセル結果(すなわち、ジョブ状態)を取得した場合、第1印刷サービスシステム100にジョブ状態を送信する。
【0152】
キャンセル対象の全ての印刷ジョブについてステップS449からステップS451の処理が行われると、処理はステップS452へ移行する。ステップS452において、中継サーバー300の印刷制御部335は、Webブラウザー561にキャンセル結果ページを送信する。これにより、ステップS453において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520にキャンセル結果ページを表示する。キャンセル結果ページは、ユーザーからの印刷の中止指示に対して、各印刷ジョブの処理がキャンセルされたか否かを通知するためのページである。すなわち、キャンセル結果ページは、印刷の中止が正常に行われたか否かを通知するためのページである。画像形成装置600による印刷処理が開始されていない時点では、印刷の中止に成功するため、ステップS453では印刷の中止に成功したことを示すキャンセル結果ページが表示される。なお、ステップS452で送信されるキャンセル結果ページに、印刷の中止に成功した印刷ジョブ数及び印刷の中止に失敗した印刷ジョブ数が記載されていてもよい。
【0153】
ステップS454以降の処理が開始される前にキャンセルボタンが押下されなかった場合、印刷ジョブ毎に、ステップS454からステップS485の処理が行われる。
【0154】
ステップS454において、コード画像Cに含まれていた装置識別情報に対応する画像形成装置600の印刷処理部641は、第2印刷サービスシステム200に対して、印刷データを取得するリクエストを送信する。これに対し、ステップS455において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、変換された印刷データを画像形成装置600に送信する。
【0155】
ステップS455の後、ジョブ状態が変化する度に、ステップS456からステップS466の処理が実行される。これらの処理は、画像形成装置600において印刷処理が開始された場合や印刷処理の開始後にエラーが発生した場合などに実行される。
【0156】
ステップS456において、画像形成装置600の印刷処理部641は、ジョブ状態を第2印刷サービスシステム200に通知する。この通知を第2印刷サービスシステム200が受信すると、ステップS457において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、ステップS456で通知されたジョブ状態を、プリンターID及びジョブID2とともに、中継サーバー300に通知する。これにより、中継サーバー300の印刷制御部335は、画像形成装置600による印刷処理についてのジョブ状態を取得する。
【0157】
ジョブ状態の通知を中継サーバー300が受信すると、ステップS458において、中継サーバー300の印刷制御部335は、受信したプリンターID及びジョブID2と関連付けて記憶されている情報を取得するために、記憶部310などのデーターベースの読み出し処理を行なう。これにより、ステップS459において、印刷制御部335は、これらと関連付けて記憶されている、仮想プリンターID及びジョブIDを読み出す。そして、ステップS460において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ステップS457で通知されたジョブ状態を、仮想プリンターID及びジョブIDとともに、第1印刷サービスシステム100に通知する。すなわち、印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200からジョブ状態を取得した場合、第1印刷サービスシステム100にジョブ状態を送信する。
【0158】
ステップS461において、第2端末装置500の状態出力部564は、第1印刷サービスシステム100に対して、仮想プリンターID及びジョブIDを指定して、ジョブ情報を取得するリクエストを送信する。これに対して、ステップS462において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、ステップS460で受信したジョブ状態を第2端末装置500に送信する。これにより、ステップS463において、第2端末装置500の状態出力部564は、第2端末装置500の表示部520にジョブ状態を表示する。
【0159】
なお、ジョブ状態の表示は、第1端末装置400において行なわれてもよい。この場合、ステップS464において、第1端末装置400の状態出力部453は、第1印刷サービスシステム100に対して、仮想プリンターID及びジョブIDを指定して、ジョブ情報を取得するリクエストを送信する。これに対して、ステップS465において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、ステップS460で受信したジョブ状態を第1端末装置400に送信する。これにより、ステップS466において、第1端末装置400の状態出力部453は、第1端末装置400の表示部420にジョブ状態を表示する。
【0160】
このシーケンスチャートからわかるように、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブ状態が更新される度に、第1印刷サービスシステム100に更新されたジョブ状態を送信する。このため、ユーザーは、第1印刷サービスシステム100を介して、現在のジョブ状態を適切に把握することができる。
【0161】
次に、ステップS454の処理が開始された後にキャンセルボタンが押下された場合に、印刷システム10において実行される処理(ステップS467からステップS474)を説明する。
【0162】
印刷を中止したいユーザーは、ステップS467において、印刷受付ページに表示されたキャンセルボタンを押下する。ステップS468において、Webブラウザー561は、印刷の中止の指示を中継サーバー300に送信する。すなわち、本実施の形態では、Webブラウザー561として実装されている指示送信部563が印刷の中止の指示を送信する。これにより、中継サーバー300が印刷の中止の指示を受信する。
【0163】
中継サーバー300が印刷の中止の指示を受信すると、印刷ジョブ毎に、ステップS469からステップS472の処理が行われる。ここで、中止対象の印刷ジョブについて、中継サーバー300が第2印刷サービスシステム200から通知されているジョブ状態が、印刷中の状態又は印刷終了の状態である場合には、ステップS469の処理が行われる。ステップS469では、中継サーバー300の印刷制御部335は、当該印刷ジョブについて、印刷処理のキャンセルに失敗したとみなす。一方、中止対象の印刷ジョブについて、中継サーバー300が第2印刷サービスシステム200から通知されているジョブ状態が、印刷開始前の状態である場合には、ステップS470及びステップS471の処理が行われる。ステップS470では、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブID2により印刷ジョブを指定して、当該印刷ジョブの処理のキャンセルを第2印刷サービスシステム200に要求する。これに対し、当該印刷ジョブについての印刷が画像形成装置600により開始されていない場合、ステップS471において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、当該印刷ジョブをキャンセルする。そして、印刷制御部231は、キャンセルに成功したことを示すキャンセル結果を中継サーバー300に送信する。しかしながら、当該印刷ジョブについての印刷が画像形成装置600により既に開始されている場合もありえる。例えば、中継サーバー300への最新のジョブ状態の通知のタイムラグにより、このような場合が発生しうる。この場合、ステップS471において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、当該印刷ジョブのキャンセルに失敗し、キャンセルに失敗したことを示すキャンセル結果を中継サーバー300に送信する。中継サーバー300の印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200からキャンセルに成功したことを示すキャンセル結果を受信すると、ステップS472において、ジョブ状態を、コード用仮想プリンターの仮想プリンターID及びキャンセル対象のジョブIDとともに、第1印刷サービスシステム100に通知する。具体的には、印刷制御部335は、キャンセルが行われた状態であることを示すジョブ状態を、第1印刷サービスシステム100に通知する。
【0164】
キャンセル対象の全ての印刷ジョブについてステップS469以降の処理が行われると、処理はステップS473へ移行する。ステップS473において、中継サーバー300の印刷制御部335は、Webブラウザー561にキャンセル結果ページを送信する。このキャンセル結果ページには、印刷の中止に成功した印刷ジョブ数及び印刷の中止に失敗した印刷ジョブ数が記載される。そして、ステップS474において、Webブラウザー561は、第2端末装置500の表示部520にキャンセル結果ページを表示する。
【0165】
ステップS454の処理が開始された後にキャンセルボタンが押下されない場合には、上述したステップS456からステップS466の処理の後に、ステップS475以降の処理が行われることとなる。
【0166】
ステップS475では、画像形成装置600の印刷処理部641は、印刷ジョブに対する印刷処理が終了すると、印刷ジョブの処理結果を通知することにより、印刷の終了を第2印刷サービスシステム200に通知する。具体的には、印刷処理部641は、印刷処理が正常に完了したか否かを通知する。つまり、印刷処理部641は、印刷に成功したか、印刷に失敗したかを通知する。この通知を第2印刷サービスシステム200が受信すると、ステップS476において、第2印刷サービスシステム200の印刷制御部231は、ステップS475で通知された処理結果を、ジョブ状態として、プリンターID及びジョブID2とともに中継サーバー300に通知する。これにより、中継サーバー300の印刷制御部335は、画像形成装置600による印刷処理についてのジョブ状態を取得する。
【0167】
ジョブ状態の通知を中継サーバー300が受信すると、ステップS477において、中継サーバー300の印刷制御部335は、受信したプリンターID及びジョブID2と関連付けて記憶されている情報を取得するために、記憶部310などのデーターベースの読み出し処理を行なう。これにより、ステップS478において、印刷制御部335は、これらと関連付けて記憶されている、仮想プリンターID及びジョブIDを読み出す。
【0168】
次に、ステップS479において、中継サーバー300の印刷制御部335は、ジョブ状態を、仮想プリンターID及びジョブIDとともに、第1印刷サービスシステム100に通知する。すなわち、印刷制御部335は、第2印刷サービスシステム200からジョブ状態を取得した場合、第1印刷サービスシステム100にジョブ状態を送信する。
【0169】
ステップS480において、第2端末装置500の状態出力部564は、第1印刷サービスシステム100に対して、仮想プリンターID及びジョブIDを指定して、ジョブ情報を取得するリクエストを送信する。これに対して、ステップS481において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、ステップS479で受信したジョブ状態を第2端末装置500に送信する。これにより、ステップS482において、第2端末装置500の状態出力部564は、第2端末装置500の表示部520にジョブ状態を表示する。
【0170】
なお、このジョブ状態の表示は、第1端末装置400において行なわれてもよい。この場合、ステップS483において、第1端末装置400の状態出力部453は、第1印刷サービスシステム100に対して、仮想プリンターID及びジョブIDを指定して、ジョブ情報を取得するリクエストを送信する。これに対して、ステップS484において、第1印刷サービスシステム100の印刷制御部132は、ステップS479で受信したジョブ状態を第1端末装置400に送信する。これにより、ステップS485において、第1端末装置400の状態出力部453は、第1端末装置400の表示部420にジョブ状態を表示する。
【0171】
以上、実施の形態にかかる印刷システム10について説明した。印刷システム10によれば、印刷サービスを提供する異なるシステムが連携する印刷システムにおいて、ユーザーは、画像形成装置600に貼付けられたコード画像Cを用いて、印刷に利用する画像形成装置600を指定することができる。このため、ユーザーは、利用する画像形成装置600を画面上で選択する場合と比較して、利用する画像形成装置600を誤って選択することを低減できる。したがって、ユーザーの利便性が向上する。また、特に、本実施の形態では、設定されたルールにしたがって画像形成装置600の利用が制限されるため、ユーザーは安全にシステムを利用することができる。
【0172】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、中継サーバー300は、第2印刷サービスシステム200に含まれてもよい。このような構成によれば、例えば、同一のベンダーが、中継サーバー300と第2印刷サービスシステム200とを容易に管理することができる。また、上述した実施の形態では、第2印刷サービスシステム200が第1印刷サービスシステム100から印刷データを取得しているが、中継サーバー300が第1印刷サービスシステム100から印刷データを取得し、中継サーバー300がこの印刷データを第2印刷サービスシステム200に送信してもよい。また、上述した実施の形態では、中継サーバー300は、第2印刷サービスシステム200と接続された画像形成装置600で印刷するために、コード画像Cを用いた画像形成装置600の指定を可能にするための処理を行う。しかしながら、中継サーバー300は、第1印刷サービスシステム100と接続された画像形成装置で印刷するために、コード画像Cを用いた画像形成装置の指定を可能にする処理を行なってもよい。この場合、中継サーバー300は、第2印刷サービスシステム200との間で行う処理として実施の形態において説明された処理を、第1印刷サービスシステム100との間で行なえばよい。また、上述した実施の形態では、印刷システム10は、認証印刷を実現する技術と、コード画像を用いて画像形成装置を指定する技術とを含んだが、いずれか一方の技術だけを含む印刷システムが提供されてもよい。
【0173】
また、上述の例において、プログラムは、コンピューターに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピューターに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリー、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリー技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0174】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーであって、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得部と、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御部と
を有するサーバー。
(付記2)
前記サーバーは、前記画像形成装置の利用に関する予め定められたルールを記憶する記憶部をさらに有し、
前記印刷制御部は、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の利用に関する前記ルールであって、前記印刷ジョブに対応するユーザーに対して適用される前記ルールを参照し、参照した前記ルールにしたがって、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の前記ユーザーによる利用を制御する処理を実行する
付記1に記載のサーバー。
(付記3)
前記処理は、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の利用を禁止する処理を含む
付記2に記載のサーバー。
(付記4)
前記処理は、前記識別情報により識別される前記画像形成装置の利用を警告する通知を前記端末装置に送信する処理を含む
付記2又は3に記載のサーバー。
(付記5)
前記印刷制御部は、前記警告の対象となった前記画像形成装置について次回も前記警告を出力するか否かの指示を前記端末装置から取得し、前記ユーザーによる当該画像形成装置の次回の利用の際も前記警告を出力するか否かを前記指示に応じて決定する
付記4に記載のサーバー。
(付記6)
前記印刷制御部は、前記警告の対象となった前記画像形成装置の利用を拒否する指示として、利用を継続的に拒否する指示又は利用を一時的に拒否する指示を取得し、利用を継続的に拒否する前記指示が取得された場合、前記ユーザーによる当該画像形成装置の次回以降の利用も禁止する
付記4又は5に記載のサーバー。
(付記7)
前記警告は、前記画像形成装置を管理する組織である装置組織を示す情報を含む
付記4から6のいずれか一項に記載のサーバー。
(付記8)
前記印刷制御部は、前記装置組織に属する全ての前記画像形成装置に対する利用の拒否の指示又は前記装置組織に属する全ての前記画像形成装置に対する前記警告の出力についての指示を取得し、前記ユーザーに対応する前記印刷ジョブの処理の際、当該指示を前記装置組織に属する全ての前記画像形成装置に適用する
付記7に記載のサーバー。
(付記9)
前記記憶部は、ユーザー組織毎に、異なる前記ルールを記憶し、
前記印刷制御部は、前記第1印刷サービスシステムから前記ユーザーの属するユーザー組織の組織情報を取得し、取得された前記組織情報に基づいて、前記ユーザーに適用する前記ルールを決定する
付記2から4のいずれか一項に記載のサーバー。
(付記10)
前記印刷制御部は、前記端末装置から印刷指示を取得した場合に、前記第1印刷サービスシステムから前記印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる前記要求を前記第2印刷サービスシステムに送信する
付記1から9のいずれか一項に記載のサーバー。
(付記11)
前記印刷制御部は、前記第1印刷サービスシステムから前記印刷ジョブのリストを取得し、前記リストを前記端末装置に送信し、前記リストの中から選択された前記印刷ジョブに対する前記印刷指示を前記端末装置から取得し、選択された前記印刷ジョブを前記第1印刷サービスシステムから取得する
付記10に記載のサーバー。
(付記12)
前記印刷制御部は、前記端末装置から印刷中止指示を取得した場合、前記第2印刷サービスシステムに印刷中止の要求を送信し、印刷中止が成功したか否かの情報を前記第2印刷サービスシステムから取得し、当該情報を前記端末装置に通知する
付記1から11のいずれか一項に記載のサーバー。
(付記13)
前記印刷制御部は、前記第2印刷サービスシステムから前記印刷ジョブのジョブ状態を取得し、前記第1印刷サービスシステムに前記ジョブ状態を通知する
付記1から12のいずれか一項に記載のサーバー。
(付記14)
前記サーバーは、前記第2印刷サービスシステムに含まれる
付記1から13のいずれか一項に記載のサーバー。
(付記15)
第1印刷サービスシステムと、
画像形成装置と、
前記画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムと、
前記第1印刷サービスシステムと前記第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーとを備え、
前記サーバーは、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得部と、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御部と
を有する
印刷システム。
(付記16)
第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーが、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得し、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する
情報処理方法。
(付記17)
第1印刷サービスシステムと、画像形成装置と接続する第2印刷サービスシステムとに接続されたサーバーのコンピューターに、
前記画像形成装置に付され、端末装置により読み取られたコード画像に含まれる前記画像形成装置の識別情報を、前記端末装置から取得する装置識別情報取得ステップと、
前記第1印刷サービスシステムから、前記第1印刷サービスシステムに登録された所定の仮想装置を用いることが指定された印刷ジョブを取得し、前記印刷ジョブについての印刷を、前記識別情報により識別される前記画像形成装置に実行させる要求を前記第2印刷サービスシステムに対して送信する印刷制御ステップと
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0175】
10…印刷システム、100…第1印刷サービスシステム、110…記憶部、120…通信部、130…制御部、131…認証制御部、132…印刷制御部、133…情報管理部、200…第2印刷サービスシステム、210…記憶部、220…通信部、230…制御部、231…印刷制御部、232…情報管理部、300…中継サーバー、310…記憶部、320…通信部、330…制御部、331…認証制御部、332…登録部、333…設定管理部、334…装置識別情報取得部、335…印刷制御部、400…第1端末装置、410…記憶部、420…表示部、430…入力部、440…通信部、450…制御部、451…Webブラウザー、452…印刷要求部、453…状態出力部、500…第2端末装置、510…記憶部、520…表示部、530…入力部、540…通信部、550…読取部、560…制御部、561…Webブラウザー、562…識別情報送信部、563…指示送信部、564…状態出力部、600…画像形成装置、610…記憶部、620…通信部、630…印刷部、640…制御部、641…印刷処理部、C…コード画像、U…ユーザー