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特開2024-103986水分除去装置、計測装置、鋼板の製造装置及び、水分除去方法
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  • 特開-水分除去装置、計測装置、鋼板の製造装置及び、水分除去方法 図1
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  • 特開-水分除去装置、計測装置、鋼板の製造装置及び、水分除去方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103986
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】水分除去装置、計測装置、鋼板の製造装置及び、水分除去方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 45/02 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
B21B45/02 320R
B21B45/02 320U
B21B45/02 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007963
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(74)【代理人】
【識別番号】100123386
【弁理士】
【氏名又は名称】熊坂 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196667
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】中澤 将人
(57)【要約】
【課題】 表面に突起や溝が形成されている鋼板の表面に付着した水分を除去する水分除去装置を提供する。
【解決手段】
水分除去装置は、凹凸状に形成されている面を有する鋼板の前記面に付着した水分を除去する。水分除去装置は、前記鋼板を一の方向に搬送する搬送部と、前記鋼板に向けて水を吹き付けて前記鋼板を冷却するランアウトテーブルと、前記一の方向において前記ランアウトテーブルよりも下流側に設けられかつ、前記鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹凸状に形成されている面を有する鋼板の前記面に付着した水分を除去する水分除去装置であって、
前記鋼板を一の方向に搬送する搬送部と、
前記鋼板に向けて水を吹き付けて前記鋼板を冷却するランアウトテーブルと、
前記一の方向において前記ランアウトテーブルよりも下流側に設けられかつ、前記鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出部と、
を有する、水分除去装置。
【請求項2】
前記エアー吐出部は、前記鋼板の幅方向に亘って前記エアーを吐出する、請求項1に記載の水分除去装置。
【請求項3】
前記エアー吐出部は、前記鋼板の厚さ方向において、前記鋼板よりも高い位置に設けられている、請求項1又は、2に記載の水分除去装置。
【請求項4】
請求項1又は、2に記載の水分除去装置と、
前記鋼板の形状を計測する計測部と、
を有する、計測装置。
【請求項5】
請求項1又は、2に記載の水分除去装置を含む、鋼板の製造装置。
【請求項6】
凹凸状に形成されている面を有する鋼板の前記面に付着した水分を除去する水分除去方法であって、
前記鋼板を一の方向に搬送する搬送工程と、
前記鋼板に向けて水を吹き付ける冷却する冷却工程と、
前記鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出工程と、
を有する、水分除去方法。
【請求項7】
前記エアー吐出工程において、
前記エアーは、前記水分の前記一の方向への移動を抗するように吐出され、
前記水分の移動に抗する前記エアーの力は、前記水分が前記一の方向に移動する慣性力よりも高い、請求項6に記載の水分除去方法。
【請求項8】
前記エアー吐出工程において、前記水分を吹き飛ばすように前記エアーを吐出する、請求項6に記載の水分除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板の表面に付着した水分を除去する水分除去装置、鋼板の形状を測定する計測装置、鋼板の製造装置及び、水分除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間圧延工程は、熱延鋼板を仕上げ圧延する仕上圧延工程と、仕上圧延工程後に熱延鋼板を冷却水によって冷却する冷却工程と、を有する。冷却工程においては、熱むらが生じることを防止するために、冷却水が一様に熱延鋼板に供給される。このため、熱延鋼板上に過剰に供給された冷却水を除去する、いわゆる水切りが行われている。
【0003】
このような冷却水の水切り装置としては、例えば、鋼板の幅方向に向けてノズルが配置される第1の水切り部と、鋼板の搬送方向に向けてノズルが配置される第2の水切り部と、を有する熱延鋼板用冷却水の水切り装置が特許文献1に開示されている。
【0004】
ところで、熱間圧延工程で製造された圧延鋼は、品質保証のためにその寸法や、形状を測定することが行われている。例えば、異形型鋼を熱間圧延で製造する際には、その断面形状がレーザによって測定されている。このような圧延鋼の断面形状を測定する方法としては、異形形鋼で反射されたレーザ光の反射光に基づいて、異形形鋼の直角断面形状の画像データを取得する画像データ取得工程を備える異形形鋼の直角断面形状の測定方法が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-177387号公報
【特許文献2】特開2020-139907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、表面に突起や溝が形成されているような鋼板に対して、特許文献1の熱延鋼板の水切り方法を用いた場合、突起や溝の間に水が残存することがある。このような状態で特許文献2の方法で断面形状を測定すると、当該水がレーザ光の反射に影響を与えるため、寸法や形状の測定精度が低くなる問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、表面に突起や溝が形成されている鋼板の表面に付着した水分を除去する水分除去装置、鋼板の形状を測定する計測装置、鋼板の製造装置及び、水分除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
【0009】
[1]
凹凸状に形成されている面を有する鋼板の前記面に付着した水分を除去する水分除去装置であって、
前記鋼板を一の方向に搬送する搬送部と、
前記鋼板に向けて水を吹き付けて前記鋼板を冷却するランアウトテーブルと、
前記一の方向において前記ランアウトテーブルよりも下流側に設けられかつ、前記鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出部と、
を有する、水分除去装置。
[2]
前記エアー吐出部は、前記鋼板の幅方向に亘って前記エアーを吐出する、
[1]に記載の水分除去装置。
[3]
前記エアー吐出部は、前記鋼板の厚さ方向において、前記鋼板よりも高い位置に設けられている、[1]又は、[2]に記載の水分除去装置。
[4]
[1]又は、[2]に記載の水分除去装置と、
前記鋼板の形状を計測する計測部と、
を有する、計測装置。
[5]
[1]又は、[2]に記載の水分除去装置を含む、鋼板の製造装置。
[6]
凹凸状に形成されている面を有する鋼板の前記面に付着した水分を除去する水分除去方法であって、
前記鋼板を一の方向に搬送する搬送工程と、
前記鋼板に向けて水を吹き付ける冷却する冷却工程と、
前記鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出工程と、
を有する、水分除去方法。
[7]
前記エアー吐出工程において、
前記エアーは、前記水分の前記一の方向への移動を抗するように吐出され、
前記水分の移動に抗する前記エアーの力は、前記水分が前記一の方向に移動する慣性力よりも高い、[6]に記載の水分除去方法。
[8]
前記エアー吐出工程において、前記水分を吹き飛ばすように前記エアーを吐出する、[6]に記載の水分除去方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水分除去装置は、鋼板が搬送される一の方向において鋼板を冷却するランアウトテーブルよりも下流側に設けられかつ、鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出部を有する。これにより、表面に突起や溝が形成されている鋼板の表面に付着した水分を除去することが可能となる。したがって、レーザによる形状測定を行った場合であっても、その測定精度を向上させることが可能となる。
【0011】
また、本発明の計測装置は、上記の水分除去装置を含んで構成されているため、鋼板の形状の測定精度を高めることができる。
【0012】
また、本発明の鋼板の製造装置は、上記の水分除去装置を含んで構成されているため、当該製造装置によって製造された鋼板の形状の測定精度を高めることができる。
【0013】
さらに、本発明の水分除去方法は、鋼板に向けてエアーを吐出するエアー吐出工程を有するため、鋼板の表面に付着した水分を除去することが可能となる。したがって、レーザによる形状測定を行った場合であっても、その測定精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】水分除去装置を有する鋼板の製造装置の構成を示す説明図である。
図2】エアー吐出部から吐出されたエアーと鋼板との関係を示す説明図である。
図3】計測部による鋼板の形状の測定態様を示す説明図である。
図4】水分除去方法の処理を示すフロー図である。
図5図4のエアー吐出工程の態様を示す説明図である。
図6】他の実施形態の水分除去装置を有する鋼板の製造装置の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、水分除去装置を有する鋼板の製造装置100の構成を示している。図1に示すように、鋼板の製造装置100は、鋼板10を一の方向Dに搬送する搬送部20と、鋼板10を所定の厚さまで連続して圧延する仕上圧延機30と、を有する。鋼板の製造装置100は、仕上圧延機30により圧延された鋼板10を冷却水により冷却するランアウトテーブル40と、鋼板10に向けてエアーを吐出するエアー吐出部50と、を有する。鋼板の製造装置100は、鋼板10の形状を計測する計測部60と、鋼板10をコイル状に巻き取る巻取装置70と、を有する。尚、搬送部20と、ランアウトテーブル40と、エアー吐出部50と、によって、水分除去装置が構成されている。
【0016】
鋼板10は、凹凸状に形成されている凹凸面11を表面及び、裏面のうちの少なくとも一方に有する。凹凸面11は、ランアウトテーブル40の冷却水が供給される側の面に設けられるとよい。本実施形態においては、凹凸面11は、表面に形成され、一の方向Dに沿って互いに平行に形成された複数の凸部が形成されている。
【0017】
尚、鋼板10は、図示しない粗圧延機によって圧延されたものが用いられる。また、凹凸面11は、このような態様に限定されず、例えば、格子状の小さな突起が互い違いに連続して形成されている、いわゆる縞鋼板であってもよい。
【0018】
搬送部20は、一の方向Dに沿って所定の間隔で配列された搬送ロール21によって構成されている。本実施形態においては、搬送ロール21の各々が時計回りに回転することにより、鋼板10が一の方向Dに搬送される。
【0019】
仕上圧延機30は、互いに対向するように設けられている一対のワークロール31a,31bを有する。一対のワークロール31a,31bは、一の方向Dにおいて所定の間隔で複数配列されている。一対のワークロール31a,31bの各々は、上下方向に間隔を有して設けられている。
【0020】
一対のワークロール31a,31bは、一対のバックアップロール31c、31dによって支持されている。一対のバックアップロール31c、31dは、一の方向Dにおいて所定の間隔で複数配列されている。鋼板10は、一対のワークロール31a,31bの間を通過することにより、例えば、数mm程度の板厚となる。
【0021】
ランアウトテーブル40は、鋼板10に向けて水を吹き付けて鋼板10を冷却する。ランアウトテーブル40は、鋼板10の表面に冷却水を噴射する第1の冷却水ノズル41を複数有している。第1の冷却水ノズル41には、例えばフルコーンスプレーノズルを用いることができる。第1の冷却水ノズル41は、鋼板10の幅方向に複数配置されている。また、第1の冷却水ノズル41は、鋼板10の搬送方向Dに複数配置されている。
【0022】
ランアウトテーブル40は、鋼板10の裏面に冷却水を噴射する第2の冷却水ノズル42を複数有している。第2の冷却水ノズル42には、例えばフルコーンスプレーノズルを用いることができる。第2の冷却水ノズル42は、第1の冷却水ノズル41の配置と同様に設けることができる。尚、第1の冷却水ノズル41及び、第2の冷却水ノズル42には、フルコーンスプレーノズルに代えて、例えば、パイプラミナーノズル等の種々のノズルを用いることができる。
【0023】
エアー吐出部50は、一の方向Dにおいてランアウトテーブル40よりも下流側に設けられている。エアー吐出部50は、エアーを吐出するノズル51と、ノズル51にエアーを供給するエアーの圧力を調整する調整弁(図示せず)を有する。エアー吐出部50は、例えば、一の方向Dに対して直交する方向から鋼板10に向けてエアーを吐出する。エアー吐出部50は、一の方向Dにおいて1以上設けられていればよく、その個数は特には限定されない。尚、ノズル51は、エアーの吐出方向を調整可能に設けられるとよい。
【0024】
計測部60は、例えば、レーザ光を出射光として出射し、物体で拡散反射された反射光を用いて物体の形状を計測する。計測部60としては、光切断法を利用したセンサを用いることができる。
【0025】
巻取装置70は、ランアウトテーブル40により冷却されかつ、エアー吐出部50によって表面上の水分が除去された鋼板10を所定の巻取温度で巻き取るローラ71を有する。巻取装置70によってコイル状に巻き取られた鋼板10は、鋼板の製造装置100から所定位置に搬送される。
【0026】
図2は、エアー吐出部50から吐出されたエアーと鋼板10との関係を示す説明図である。図2に示すように、鋼板10には、正面からみた場合に、鋼板10の幅方向Wに凸部が配列された凹凸面11が形成されている。
【0027】
エアー吐出部50は、鋼板10の厚さ方向Tにおいて、鋼板10よりも高い位置に設けられている。エアー吐出部50は、鋼板10の幅方向Wに亘ってエアーを吐出するように設けられている。このようにエアー吐出部50が設けられていることにより、エアー吐出部50は、凹凸面11に対して一様にエアーを吐出することが可能となる。尚、図中の一点鎖線は、ノズル51から吐出されたエアーの態様を示している。
【0028】
エアー吐出部50のエアーが吐出される範囲は、例えば、ノズル51から吐出されるエアーの拡散範囲及び、ノズル51の軸方向が鋼板10に対してなす角度を調整することにより、設定することができる。
【0029】
図3は、計測部60による鋼板10の形状の測定態様を示す説明図である。計測部60は、レーザ光を出射光ELとして出射する出射部61と、物体で出射光が反射された反射光RLを受光する受光部62と、を有する。
【0030】
計測部60は、鋼板の製造装置100の全体を制御する制御部80に通信可能に接続されている。制御部80は、CPU,ROM,RAMからなるコンピュータである。制御部80は、計測部60から取得したデータに基づいて、画像データを生成する。制御部80は、生成した画像データに基づいて、鋼板10の寸法を算出する。
【0031】
制御部80は、表示部90に通信可能に接続されている。表示部90は、例えば、液晶ディスプレイである。制御部80は、生成した画像データ及び、算出した鋼板10の寸法を表示部90に表示させる。
【0032】
図4は、水分除去方法の処理フローを示している。図4に示すように、水分除去方法の処理フローは、例えば、搬送部20の稼働をトリガーとして実行される。
【0033】
搬送部20は、制御部80より稼働指令を受信すると稼働を開始し、粗圧延機で圧延された鋼板10を一の方向Dに搬送する(ステップS01)。ステップS01の搬送工程において、鋼板10が搬送されると、鋼板10は、まず仕上圧延機30において圧延される。
【0034】
鋼板10が仕上圧延機30によって圧延されると、ランアウトテーブル40は、鋼板10に向けて水を吹き付けて鋼板10を冷却する(ステップS02)。これにより、鋼板10は所定の温度まで冷却される。
【0035】
ステップS02の冷却工程が行われると、エアー吐出部50は、鋼板10に向けてエアーを吐出する(ステップS03)。ステップS03のエアー吐出工程によって、鋼板10の表面に付着している水分が除去される。
【0036】
ステップS03のエアー吐出工程が行われると、計測部60によって鋼板10の形状を示す画像データ及び、寸法が算出され、表示部90に当該画像データ及び、寸法が表示される(ステップS04)。ユーザは、表示部90に当該画像データ及び、寸法を視認することによって、鋼板10が適切な状態であるかを判断することができる。計測部60を通過した鋼板10は、巻取装置70によってコイル状に巻き取られた後に、所定の保管場所に移動される。
【0037】
図5は、図4のステップS03のエアー吐出工程の態様を示している。図5に示すように、ステップS03のエアー吐出工程においては、エアーは、水分WTの一の方向Dへの移動を抗するように吐出される。具体的には、エアー吐出部50は、鋼板10の移動方向に対して向かい風となる成分を含むようにエアーを吐出する。尚、図中の破線は、エアー吐出部50から吐出されたエアーの態様を示している。
【0038】
エアー吐出部50から吐出された水分WTの移動に抗するエアーの力は、水分WTが一の方向Dに移動する慣性力よりも高い。このようにエアー吐出部50からエアーが吐出されることにより、当該エアーが吹き付けられる位置よりも一の方向Dの下流側に水分WTが進むことを阻害することができる。言い換えれば、水分WTをエアーが吹き付けられる位置に滞留させることができる。水分WTを鋼板10に滞留させることにより、水分WTが鋼板10の他の領域に飛び散って再付着することを抑止することができる。エアー吐出部50から吐出されるエアーは、エアーの圧力を調整する調整弁によって、水分WTが滞留されるような圧力に調整されるとよい。
【0039】
尚、ステップS03のエアー吐出工程においては、このようなエアーの吐出態様に限られず、例えば、水分WTを鋼板10から吹き飛ばすようにエアーを吐出するようにしてもよい。
【0040】
以上のように本発明の水分除去装置は、鋼板10が搬送される一の方向Dにおいて鋼板10を冷却するランアウトテーブル40よりも下流側に設けられかつ、鋼板10に向けてエアーを吐出するエアー吐出部50を有する。これにより、表面に突起や溝が形成されている鋼板10の表面に付着した水分を除去することが可能となる。したがって、レーザによる鋼板10の形状測定を行った場合であっても、その測定精度の低下を抑制することが可能となる。
【0041】
また、本発明の計測装置は、上記の水分除去装置を含んで構成されているため、鋼板の形状の測定精度を高めることができる。
【0042】
また、本発明の鋼板の製造装置100は、上記の水分除去装置を含んで構成されているため、当該製造装置によって製造された鋼板10の形状の測定精度を高めることができる。
【0043】
さらに、本発明の水分除去方法は、鋼板10に向けてエアーを吐出するエアー吐出工程を有するため、鋼板10の表面に付着した水分を除去することが可能となる。したがって、レーザによる形状測定を行った場合であっても、その測定精度の低下を抑制することが可能となる。
【0044】
尚、上述の実施形態においては、鋼板10の水分を除去する除去手段として、エアー吐出部50を用いた。鋼板10の水分を除去する除去手段は、エアー吐出部50に加えて、水分を吐出することによって鋼板10の水分を除去する水切り部を設けてもよい。
【0045】
図6は、水切り部53の構成を示している。図6に示すように、水切り部53は、一の方向Dにおいて、エアー吐出部50よりも上流側に設けられる。水切り部53は、鋼板10に向けて水を吐出する水吐出ノズル54を有する。本実施形態においては、水吐出ノズル54は、一の方向Dの逆行する方向に水を吐出する。このように水を吐出することによって、鋼板10の表面に付着した水文を除去して、付着した水分を少なくできる。その後に、エアー吐出部50によって鋼板10の表面に付着した水分を除去されることによって、水分の除去効果を高めることができる。尚、水切り部53は、一の方向Dにおいて1以上設けられるとよく、その個数は特には限定されない。また、水吐出ノズル54は、水の吐出方向を調整可能に設けられるとよい。
【符号の説明】
【0046】
100 鋼板の製造装置
10 鋼板
20 搬送部
40 ランアウトテーブル
50 エアー吐出部
60 計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6