(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104020
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20240726BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240726BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240726BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20240726BHJP
G03B 17/08 20210101ALI20240726BHJP
G03B 7/02 20210101ALI20240726BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G03B30/00
G02B7/02 Z
G02B7/04 D
G02B7/08 Z
G03B17/08
G03B7/02
G02B7/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008019
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松久 治可
【テーマコード(参考)】
2H002
2H044
2H101
【Fターム(参考)】
2H002HA16
2H044AD02
2H044AD03
2H044AJ01
2H044BD06
2H044BE02
2H044BE06
2H044DB02
2H044DD03
2H044DD08
2H101CC52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】レンズの円滑な移動を妨げることなく、レンズ駆動装置の防水性や防塵性を向上させる。
【解決手段】一実施形態のレンズ駆動装置1は、レンズユニット30と、レンズユニット30を保持する直進筒40と、直進筒40を光軸方向に移動可能に支持する固定筒50と、直進筒40と固定筒50とに跨ってこれらの間の隙間を塞ぐ、弾性変形可能な環状シール部材70と、を有する。環状シール部材70は、直進筒40に固定される内縁部71と、固定筒50に固定される外縁部72と、内縁部71と外縁部72とを繋ぐとともに、直進筒40の移動に伴って弾性変形する中間部73と、を備える。中間部73は、径方向に連なり、かつ、光軸方向で互いに逆向きに湾曲する内側円弧部74と外側円弧部75とを含む。直進筒40が移動ストロークの中間点にあるとき、内側円弧部74は仮想平面Aの一側に位置し、外側円弧部75は仮想平面Aの他側に位置する。
【選択図】
図8B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に駆動されるレンズを含むレンズユニットと、
前記レンズユニットを保持する直進筒と、
前記直進筒の周囲に設けられ、前記直進筒を前記光軸方向に移動可能に支持する固定筒と、
前記直進筒を前記固定筒に対して前記光軸方向に往復移動させる駆動機構と、
前記直進筒と前記固定筒とに跨ってこれらの間の隙間を塞ぐ、弾性変形可能な環状シール部材と、を有し、
前記環状シール部材は、前記直進筒に固定される内縁部と、前記固定筒に固定される外縁部と、前記内縁部と前記外縁部とを繋ぐとともに、前記直進筒の移動に伴って弾性変形する中間部と、を備え、
前記中間部は、径方向に連なり、かつ、前記光軸方向で互いに逆向きに湾曲する2つの円弧部を含み、
前記直進筒が移動ストロークの中間点にあるとき、前記2つの円弧部の一方は、前記レンズの光軸と直交し、かつ、前記外縁部を前記光軸方向で二分する仮想平面の一側に位置し、前記2つの円弧部の他方は、前記仮想平面の他側に位置する、レンズ駆動装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、
前記直進筒と前記固定筒との間に介在する回転筒と、
前記直進筒または前記レンズユニットを前記光軸方向の一方側に付勢する付勢部材と、
前記回転筒を回転させるモータと、を含み、
前記回転筒は、前記直進筒と接触し、前記付勢部材による付勢に抗して前記直進筒の前記光軸方向への移動を規制し、
前記回転筒の回転に伴って、前記直進筒と前記回転筒との接触位置が前記光軸方向に変位する、請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記直進筒の外周面に、径方向外側に向かって突出する突起部が設けられ、
前記回転筒の内周面に、前記突起部が押し付けられる内側面を備える凹部が設けられ、
前記凹部の前記内側面の少なくとも一部は、前記回転筒の周方向に沿って斜めに延びている、請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記固定筒を備えるケースと、
前記ケースの底面の少なくとも一部を塞ぐボトムカバーと、
前記ボトムカバーと前記直進筒との間に配置された複数の前記付勢部材と、を有し、
それぞれの前記付勢部材の一端は、前記ボトムカバーに接触し、それぞれの前記付勢部材の他端は、前記直進筒に接触している、請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記ボトムカバーと前記直進筒との少なくとも一方に、それぞれの前記付勢部材の端部に挿入される位置決め突起が設けられている、請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記直進筒に装着される環状の内側固定部材と、
前記固定筒に装着される環状の外側固定部材と、を有し、
前記環状シール部材の前記内縁部は、前記直進筒の端面に重ねられ、前記内側固定部材によって前記直進筒の前記端面に押し付けられており、
前記環状シール部材の前記外縁部は、前記固定筒の端面に重ねられ、前記外側固定部材によって前記固定筒の前記端面に押し付けられている、請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記内側固定部材は、前記直進筒にねじ結合されており、
前記内側固定部材の前記直進筒に対するねじ結合量を増加させると、前記環状シール部材の前記内縁部を前記直進筒の前記端面に押し付ける力が強まる、請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記外側固定部材は、前記固定筒にねじ結合されており、
前記外側固定部材の前記固定筒に対するねじ結合量を増加させると、前記環状シール部材の前記外縁部を前記固定筒の前記端面に押し付ける力が強まる、請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ駆動装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズを移動させる機構や、そのような機構を備えた撮影装置などが知られている。特許文献1には、レンズを光軸方向に移動させて撮影倍率を変更可能なレンズ鏡筒が記載されている。特許文献1によれば、当該レンズ鏡筒は、デジタルカメラ等の撮影装置に搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レンズの円滑な移動を妨げることなく、レンズ駆動装置の防水性や防塵性を向上させることが求められる。
【0005】
本発明の目的は、防水性や防塵性が向上したレンズ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るレンズ駆動装置は、光軸方向に駆動されるレンズを含むレンズユニットと、前記レンズユニットを保持する直進筒と、前記直進筒の周囲に設けられ、前記直進筒を前記光軸方向に移動可能に支持する固定筒と、前記直進筒を前記固定筒に対して前記光軸方向に往復移動させる駆動機構と、前記直進筒と前記固定筒とに跨ってこれらの間の隙間を塞ぐ、弾性変形可能な環状シール部材と、を有する。前記環状シール部材は、前記直進筒に固定される内縁部と、前記固定筒に固定される外縁部と、前記内縁部と前記外縁部とを繋ぐとともに、前記直進筒の移動に伴って弾性変形する中間部と、を備える。前記中間部は、径方向に連なり、かつ、前記光軸方向で互いに逆向きに湾曲する2つの円弧部を含む。前記直進筒が移動ストロークの中間点にあるとき、前記2つの円弧部の一方は、前記レンズの光軸と直交し、かつ、前記外縁部を前記光軸方向で二分する仮想平面の一側に位置し、前記2つの円弧部の他方は、前記仮想平面の他側に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防水性や防塵性が向上したレンズ駆動装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2は、レンズ駆動装置の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、ボトムカバー,直進筒及び回転筒の断面図である。
【
図5】
図5は、ボトムカバー及び直進筒の断面図である。
【
図6A】
図6Aは、直進筒及びレンズユニットが沈胴位置にあるときのレンズ駆動装置の斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、直進筒及びレンズユニットが繰り出し位置にあるときのレンズ駆動装置の斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、直進筒及びレンズユニットが中間位置にあるときのレンズ駆動装置の斜視図である。
【
図12】
図12は、レンズ駆動装置が搭載されたスマートフォンの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態を説明するために参照する全ての図面において、同一又は実質的に同一の構成や要素には同一の符号を用いる。また、一度説明した構成や要素については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0010】
<レンズ駆動装置の概要>
図1は、本実施形態に係るレンズ駆動装置1の斜視図である。
図2は、本実施形態に係るレンズ駆動装置1の分解斜視図である。
【0011】
レンズ駆動装置1は、ケース10と、ケース10の底面の少なくとも一部を塞ぐボトムカバー20と、を有する。ケース10とボトムカバー20とは一体化されており、レンズ駆動装置1の構成要素を収容するとともに、レンズ駆動装置1の外郭を形成するハウジングを構成している。
【0012】
レンズ駆動装置1は、ハウジングに収容されている複数の要素により構成されている。具体的には、レンズ駆動装置1は、レンズユニット30,直進筒40,固定筒50,回転筒60,環状シール部材70,固定部材80,カバー部材90,駆動機構100等から構成されている。
【0013】
レンズ駆動装置1は、レンズユニット30を保持している直進筒40を光軸Lに沿って移動させることにより、レンズユニット30を光軸方向の異なる2以上の位置に移動させる。
【0014】
別の見方をすると、レンズ駆動装置1では、レンズユニット30が光軸Lに沿ってケース10から繰り出されたり、レンズユニット30が光軸Lに沿ってケース10に引き入れられたりする。以下の説明では、ケース10に対してレンズユニット30が繰り出される方向を“上方”又は“+”とし、ケース10に対してレンズユニット30が引き入れられる方向を“下方”又は“-”とする。つまり、レンズユニット30は、上下(±)に往復移動する。
【0015】
<ケース>
図2に示されるように、ケース10は、一体成形された固定筒50及びギヤ収容室11を備えている。言い換えれば、固定筒50はケース10の一部であり、ギヤ収容室11はケース10の他の一部である。
【0016】
固定筒50は円筒形であって、その内周面には、周方向に延びる横溝51と、上下方向に延びる縦溝52と、が形成されている。
図2には、横溝51や縦溝52の一部のみが示されている。実際には、横溝51及び縦溝52が3本ずつ形成されている。
【0017】
一方、固定筒50の外周面上部には、ねじ53が形成されている。ねじ53は、固定筒50の略全周に亘って形成されている。言い換えれば、ねじ53は、固定筒50の全周に亘ってはいない。より特定的には、固定筒50の全周の約5/6に亘ってねじ53が形成されている。この結果、固定筒50の外周面上には、ねじ53が形成されていない平坦部54が存在している。
【0018】
固定筒50を含むケース10は、射出成形によって製造された樹脂成形品である。平坦部54は、ケース10の製造時に、成形品(ケース10)を金型から抜き出すために設けられている。別の見方をすると、固定筒50の外周面の一部を平坦にすることにより、ケース10を低コストで量産することができる。
【0019】
ギヤ収容室11には、駆動機構100を構成するギヤ群101が収容されている。また、駆動機構100を構成するモータ102がギヤ収容室11の側壁に固定されている。モータ102の出力軸は、ギヤ収容室11の側壁を貫通してギヤ収容室11内に進入している。ギヤ収容室11内の出力軸の先端には、ギヤ群101の初段ギヤ(入力ギヤ)と噛み合うウォームギヤが装着されている。なお、ギヤ収容室11は、平板状のギヤカバー12によって閉塞されている。
【0020】
<ボトムカバー>
ボトムカバー20は、ケース10の主要部(ギヤ収容室11を除いた部分)の底面と略同一の平面形状を有する薄板である。ボトムカバー20には、固定筒50と連通する略円形の開口部21が設けられている。
【0021】
また、ボトムカバー20の開口部21の周囲には、複数のボス22が設けられている。ボス22は、本発明の位置決め突起に相当し、上方に向かって延びている。本実施形態では、開口部21の周囲に4つのボス22が設けられており、それぞれのボス22は、上方に向かって先細りになっている。
【0022】
開口部21の周囲には、ボス22に加えて、マグネット保持部23が設けられている。マグネット保持部23は、不図示のマグネット(永久磁石)が挿入されるスロットである。なお、レンズユニット30には、マグネット保持部23に挿入されているマグネットの磁界を検知可能な磁気センサが装着されている。よって、磁気センサの出力に基づいて、レンズユニット30の位置や傾きを検出することができる。
【0023】
ボトムカバー20の底には、開口部21を塞ぐようにして基板24が取り付けられている。この結果、基板24の表面(上面/実装面)の一部は、開口部21に露出している。基板24の露出部分には撮像素子25が実装されている。
【0024】
<レンズユニット>
レンズユニット30は、ハウジング31と、ハウジング31内に収容されたレンズ32と、を備えている。さらに、ハウジング31内には、レンズ駆動部33(
図6B)が収容されている。なお、特に断らない限り、本明細書に記載されている“光軸方向”とは、レンズユニット30が備えるレンズ32の光軸Lの方向を意味する。
【0025】
レンズ駆動部33は、駆動源(例えば、ボイスコイルモータ(VCM/Voice Coil Motor)を備えており、レンズ32を少なくとも光軸方向に移動させる。レンズ32がレンズ駆動部33によって光軸方向やその他の方向に移動されることにより、オートフォーカス(AF/Autofocus)や手振れ補正などが実現される。
【0026】
再び
図2を参照する。レンズユニット30(レンズ32)を通過した光は、基板24に実装されている撮像素子25の撮像面(受光面)に入射する。撮像素子25は、受光した光に応じた信号を出力する。撮像素子25から出力された信号は、基板24に設けられている配線を介してレンズ駆動装置1から送出される。
【0027】
レンズユニット30は、カバー部材90によって覆われている。より特定的には、レンズ32の上面(光入射面)はカバーガラス91によって覆われている。また、ハウジング31の上面は、環状の化粧カバー92によって覆われている。
【0028】
<直進筒>
図3は、直進筒40の下方斜視図である。
図2,
図3に示されるように、直進筒40は、全体として略円筒形である。レンズユニット30は、直進筒40に収容され、保持されている。レンズユニット30を保持している直進筒40は、固定筒50の内側に配置され、固定筒50に対して光軸方向に移動可能に支持されている。別の見方をすると、固定筒50は、レンズユニット30を保持している直進筒40を光軸方向に移動可能に支持している。
【0029】
より特定的には、直進筒40の外周面下部には、径方向外側に向かって突出する3つのガイド突起41が設けられている。そして、それぞれのガイド突起41が固定筒50の内周面に設けられている縦溝52に挿し入れられている。
【0030】
固定筒50に設けられている縦溝52が光軸方向(上下方向)に延びていることは既述のとおりである。したがって、直進筒40は、固定筒50に対して光軸方向(上下方向)には移動可能である一方、周方向には移動不能である。つまり、直進筒40は、固定筒50に対して上下動可能である一方、回転不能である。
【0031】
直進筒40が固定筒50に対して上下方向に移動すると、直進筒40に保持されているレンズユニット30も同方向に移動する。つまり、直進筒40が上下に往復移動すると、レンズユニット30も上下に往復移動する。
【0032】
直進筒40が上方(+側)に移動すると、レンズユニット30がケース10(固定筒50)から繰り出される。一方、直進筒40が下方(-側)に移動すると、レンズユニット30がケース10(固定筒50)に引き入れられる。
【0033】
直進筒40の外周面下部には、ガイド突起41と同方向に突出する3つの突起部42がさらに設けられている。以下の説明では、突起部42を“カム突起42”と呼ぶ場合がある。3つのカム突起42は、直進筒40の周方向に沿って等間隔で設けられている。カム突起42の作用については、後に改めて説明する。
【0034】
直進筒40の内側には、レンズユニット30を収容するユニット収容部43が設けられている。さらに、ユニット収容部43の周囲には、複数のボス44が設けられている。
【0035】
ボス44は、本発明の位置決め突起に相当し、下方に向かって延びている。本実施形態では、ユニット収容部43の周囲に4つのボス44が設けられており、それぞれのボス44は、下方に向かって先細りになっている。4つのボス44は、レンズユニット30がユニット収容部43に収容されると、レンズユニット30の四方に位置する。
【0036】
直進筒40の外周面上部には、ねじ45が形成されている。ねじ45は、直進筒40の全周に亘って形成されている。なお、ねじ45が形成されている直進筒上部の外径は、ガイド突起41やカム突起42が設けられている直進筒下部の外径よりも小さい。
【0037】
<回転筒>
図2に示されるように、回転筒60は全体として略円筒形である。回転筒60は、直進筒40と固定筒50との間に介在する。別の見方をすると、固定筒50の内側に回転筒60が配置され、回転筒60の内側に直進筒40が配置される。
【0038】
直進筒40の外周面と対向する回転筒60の内周面には、3つの凹部61が等間隔で設けられている。それぞれの凹部61は、少なくとも一部が回転筒60の周方向に沿って斜めに延びる内側面62を備えている。
【0039】
以下の説明では、それぞれの凹部61の内側面62を“天井面62”と呼ぶ場合がある。各天井面62の大部分は、回転筒60の周方向に沿って斜めに延びている。別の見方をすると、各天井面62は、回転筒60の周方向に沿って高さが漸増または漸減するように傾斜している。なお、本発明の他の一実施形態では、各天井面62の全てが上記のように傾斜している。
【0040】
図4は、ボトムカバー20,直進筒40及び回転筒60の断面図である。直進筒40に設けられているカム突起42は、回転筒60に設けられている凹部61に挿し入れられている。さらに、凹部61に挿し入れられているカム突起42は、後述する付勢部材の作用により、凹部61の天井面62に押し付けられている。
【0041】
別の見方をすると、直進筒40と回転筒60とは、カム突起42及び凹部61を介して互いに接触している。そして、カム突起42と天井面62との接点が直進筒40と回転筒60との接触位置である。
【0042】
図2に示されるように、回転筒60の外周面上部には、径方向外側に向かって突出する3つのガイド突起63が設けられている。そして、それぞれのガイド突起63が固定筒50の内周面に設けられている横溝51に挿し入れられている。
【0043】
固定筒50に設けられている横溝51が周方向に延びていることは既述のとおりである。したがって、回転筒60は、固定筒50に対して周方向には移動可能である一方、光軸方向(上下方向)には移動不能である。つまり、回転筒60は、固定筒50に対して回転可能である一方、上下動不能である。
【0044】
なお、直進筒40に設けられているガイド突起41は、回転筒60の周壁に設けられている切欠き64を通して固定筒50に設けられている縦溝52に挿し入れられている。
【0045】
回転筒60の外周面下部には、ギヤ群101の最終ギヤ(出力ギヤ)と噛み合うギヤ歯65が形成されている。この結果、モータ102が作動すると回転筒60が回転する。より特定的には、回転筒60は、モータ102から出力され、ギヤ群101を介してギヤ歯65に入力される回転駆動力により、光軸Lを回転軸として回転される。なお、ギヤ群101は、モータ102から出力される回転駆動力の速度を減じ、トルクを増大させる。また、ギヤ歯65は、回転筒60の外周の約1/7に亘って形成されている。
【0046】
図5は、ボトムカバー20及び直進筒40の断面図である。ボトムカバー20と直進筒40との間には、4つのコイルスプリング103が配置されている。コイルスプリング103は、駆動機構100の構成要素の1つであり、本発明の付勢部材に相当する。
【0047】
それぞれのコイルスプリング103の一端(下端)は、ボトムカバー20に接触しており、それぞれのコイルスプリング103の他端(上端)は、直進筒40に接触している。より特定的には、ボトムカバー20に設けられているボス22がコイルスプリング103の一端側(下端側)に挿入されており、コイルスプリング103の下端はボス22の周囲においてボトムカバー20に接触している。
【0048】
一方、直進筒40に設けられているボス44がコイルスプリング103の他端側(上端側)に挿入されており、コイルスプリング103の上端はボス44の周囲において直進筒40に接触している。
【0049】
ボトムカバー20と直進筒40との間に介在しているコイルスプリング103は、直進筒40を上方に向けて常に付勢する。この結果、
図4に示されるように、直進筒40に設けられているカム突起42は、回転筒60に設けられている凹部61の天井面62に押し付けられる。別の見方をすると、回転筒60の凹部61は、直進筒40のカム突起42と接触し、コイルスプリング103の付勢に抗して直進筒40の上方への移動を規制する。
【0050】
もっとも、直進筒40は上下動可能であり、回転筒60は回転可能である。したがって、回転筒60が回転すると、
図4に示されている直進筒40と回転筒60との接触位置が変位する。より特定的には、カム突起42と天井面62との接点が変位する。ここで、天井面62は、その高さが回転筒60の周方向(回転方向)に沿って漸増または漸減する傾斜面である。よって、直進筒40と回転筒60との接触位置(カム突起42と天井面62との接点)は、回転筒60の回転に伴って上下方向に変位する。
【0051】
この結果、回転筒60が第1方向に回転すると、コイルスプリング103の付勢により直進筒40が次第に押し上げられる。また、回転筒60が第1方向と反対の第2方向に回転すると、コイルスプリング103の付勢に抗して直進筒40が次第に押し下げられる。つまり、回転筒60の回転に伴って直進筒40が上下に移動する。
【0052】
<レンズユニットの移動>
これまでの説明により、カム突起42,回転筒60(凹部61の天井面62及びギヤ歯65),ギヤ群101,モータ102,コイルスプリング103等により、直進筒40を固定筒50に対して上下に往復移動させる駆動機構100が構成されていることがわかる。そして、駆動機構100によって直進筒40が上方(+側)に移動させられると、レンズユニット30がケース10から繰り出される。また、駆動機構100によって直進筒40が下方(-側)に移動させられると、レンズユニット30がケース10に引き入れられる。
【0053】
図6Aは、直進筒40及びレンズユニット30がケース10に最も引き入れられているときのレンズ駆動装置1の斜視図である。
図6Bは、
図6Aに示されているX-X線に沿うレンズ駆動装置1の断面図である。
【0054】
図7Aは、直進筒40及びレンズユニット30がケース10から最も繰り出されているときのレンズ駆動装置1の斜視図である。
図7Bは、
図7Aに示されているX-X線に沿うレンズ駆動装置1の断面図である。
【0055】
以下の説明では、
図6Bに示されている直進筒40やレンズユニット30の位置を“沈胴位置”と呼ぶ場合がある。また、
図7Bに示されている直進筒40やレンズユニット30の位置を“繰り出し位置”と呼ぶ場合がある。
【0056】
図8Aは、直進筒40及びレンズユニット30が沈胴位置と繰り出し位置との中間にあるときのレンズ駆動装置1の斜視図である。
図8Bは、
図8Aに示されているX-X線に沿うレンズ駆動装置1の断面図である。以下の説明では、
図8Bに示されている直進筒40やレンズユニット30の位置を“中間位置”と呼ぶ場合がある。
【0057】
つまり、直進筒40やレンズユニット30は、沈胴位置(
図6B)と繰り出し位置(
図7B)との間を往復移動する。また、中間位置(
図8B)は、直進筒40やレンズユニット30の移動経路の中間に位置している。
【0058】
別の見方をすると、沈胴位置と繰り出し位置との間の距離が直進筒40やレンズユニット30の移動ストロークである。また、中間位置は、直進筒40やレンズユニット30の移動ストロークの中間点である。言い換えれば、直進筒40及びレンズユニット30は、中間位置を基準として上方(+側)および下方(-側)に、それぞれ同距離だけ移動する。
【0059】
<環状シール部材>
再び
図2を参照する。レンズ駆動装置1は、直進筒40と固定筒50とに跨ってこれらの間の隙間を塞ぐ環状シール部材70を備えている。
図9は、環状シール部材70の斜視図である。
図10Aは環状シール部材70の側面図であり、
図10Bは断面図である。
【0060】
環状シール部材70は柔軟性を有する。つまり、環状シール部材70は弾性変形可能である。環状シール部材70の材料は特に限定されないが、本実施形態の環状シール部材70は、合成ゴムによって形成されている。
【0061】
環状シール部材70は、内縁部71,外縁部72及び中間部73を備えている。内縁部71と外縁部72とは、中間部73を介して繋がっている。
図8Bに示されるように、内縁部71は直進筒40に固定され、外縁部72は固定筒50に固定される。この結果、内縁部71と外縁部72とを繋いでいる中間部73によって直進筒40と固定筒50との間の隙間が覆われる。つまり、直進筒40と固定筒50との間の隙間への水滴や粉塵の侵入が防止される。
【0062】
図11は、環状シール部材70の部分拡大断面図である。中間部73は、径方向に連なる2つの円弧部74,75を含んでおり、一方の円弧部74は内縁部71に連接し、他方の円弧部75は外縁部72に連接している。そこで、以下の説明では、円弧部74を“内側円弧部74”と呼び、円弧部75を“外側円弧部75”と呼ぶ場合がある。
【0063】
内側円弧部74と外側円弧部75とは、少なくとも力が作用していないときには、上下方向で互いに逆向きに湾曲している。より特定的には、内側円弧部74は下向きに湾曲しており、外側円弧部75は上向きに湾曲している。別の見方をすると、内側円弧部74は外縁部72に対して-側に突出しており、外側円弧部75は外縁部72に対して+側に突出している。
【0064】
内縁部71及び外縁部72は、
図2に示されている固定部材80によって直進筒40及び固定筒50に固定されている。より特定的には、内縁部71は、内側固定部材81によって直進筒40に固定されており、外縁部72は、外側固定部材82によって固定筒50に固定されている。
【0065】
内側固定部材81は、胴部81aと、胴部81aの外周に設けられたフランジ部81bと、を備える環状部材である。胴部81aの内周面には、直進筒40の外周面に形成されているねじ45にねじ結合されるねじ83が形成されている。
【0066】
外側固定部材82は、胴部82aと、胴部82aの内周に設けられたフランジ部82bと、を備える環状部材である。胴部82aの内周面には、固定筒50の外周面に形成されているねじ53にねじ結合されるねじ84が形成されている。
【0067】
図8B等に示されるように、環状シール部材70の内縁部71は、直進筒40の端面46に重ねられている。さらに、内縁部71は、直進筒40にねじ結合された内側固定部材81のフランジ部81bによって、直進筒40の端面46に押し付けられている。言い換えれば、内縁部71は、直進筒40の端面46と内側固定部材81のフランジ部81bとに挟まれている。
【0068】
したがって、内側固定部材81の直進筒40に対するねじ結合量を増加させると、フランジ部81bは、内縁部71を押し潰しながら直進筒40の端面46に近づく。つまり、内側固定部材81の締め込みを強めると、内縁部71を直進筒40の端面46に押し付ける力が増大する。一方、内側固定部材81の締め込みを緩めると、内縁部71を直進筒40の端面46に押し付ける力が減少する。
【0069】
環状シール部材70の外縁部72は、固定筒50の端面55に重ねられている。さらに、外縁部72は、固定筒50にねじ結合された外側固定部材82のフランジ部82bによって、固定筒50の端面55に押し付けられている。言い換えれば、外縁部72は、固定筒50の端面55と外側固定部材82のフランジ部82bとに挟まれている。
【0070】
したがって、外側固定部材82の固定筒50に対するねじ結合量を増加させると、フランジ部82bは、外縁部72を押し潰しながら固定筒50の端面55に近づく。つまり、外側固定部材82の締め込みを強めると、外縁部72を固定筒50の端面55に押し付ける力が増大する。一方、外側固定部材82の締め込みを弱めると、外縁部72を固定筒50の端面55に押し付ける力が減少する。
【0071】
上記のようにして内縁部71を直進筒40の端面46に押し付ける力や、外縁部72を固定筒50の端面55に押し付ける力を増減させることにより、環状シール部材70による防水性や防塵性を調節することができる。
【0072】
なお、固定部材80の固定方式は、ねじ式に限られない。例えば、内側固定部材81を直進筒40に接着してもよく、外側固定部材82を固定筒50に接着してもよい。もっとも、ねじ式には上記利点(防水性や防塵性の調節)がある。さらに、ねじ式は、接着式に比べて、温度変化に伴う膨張や収縮によって防水性や防塵性が低下する可能性が低い。
【0073】
内縁部71が直進筒40に固定されている環状シール部材70は、直進筒40の移動に伴って弾性変形する。言い換えれば、直進筒40が移動すると、環状シール部材70に力(張力)が作用する。
【0074】
例えば、直進筒40が中間位置(
図8B)から沈胴位置(
図6B)に移動する際、直進筒40に固定されている内縁部71は下方に移動する一方、固定筒50に固定されている外縁部72は移動しない。この結果、内縁部71と外縁部72とを繋いでいる中間部73が下方に引っ張られ、環状シール部材70が
図6Bに示されるように弾性変形する。
【0075】
また、直進筒40が中間位置(
図8B)から繰り出し位置(
図7B)に移動する際、直進筒40に固定されている内縁部71は上方に移動する一方、固定筒50に固定されている外縁部72は移動しない。この結果、内縁部71と外縁部72とを繋いでいる中間部73が上方に引っ張られ、環状シール部材70が
図7Bに示されるように弾性変形する。
【0076】
弾性変形した環状シール部材70は、元の形状に戻ろうとする。つまり、環状シール部材70が弾性変形すると、弾性復元力が発生する。例えば、環状シール部材70の中間部73が
図6Bに示されるように弾性変形すると、直進筒40を引き上げる方向に作用する弾性復元力が発生する。別の見方をすると、
図6Bに示されるように弾性変形した環状シール部材70は、中間位置から沈胴位置への直進筒40の移動を阻害する反力を発生させる。
【0077】
また、環状シール部材70の中間部73が
図7Bに示されるように弾性変形すると、直進筒40を引き下げる方向に作用する弾性復元力が発生する。別の見方をすると、
図7Bに示されるように弾性変形した環状シール部材70は、中間位置から繰り出し位置への直進筒40の移動を阻害する反力を発生させる。
【0078】
一方、直進筒40が中間位置にあるときには、環状シール部材70に力(張力)は作用しない。つまり、直進筒40が移動ストロークの中間点にあるときには、環状シール部材70の中間部73は弾性変形しない。別の見方をすると、
図8Bに示されている環状シール部材70に弾性復元力は生じておらず、よって、同図に示されている環状シール部材70は、直進筒40の移動を阻害する反力を発生させていない。
【0079】
中間部73の形状をより詳細に説明するために、
図10B及び
図11に示されている仮想平面Aを設定する。仮想平面Aは、光軸Lと直交し、かつ、外縁部72を光軸方向(厚み方向)で二分する平面である。
【0080】
直進筒40が中間位置にあるとき(直進筒40が移動ストロークの中間点にあるとき)、内側円弧部74は仮想平面Aの一側に位置し、外側円弧部75は仮想平面Aの他側に位置する。より特定的には、内側円弧部74は仮想平面Aの下側に位置し、外側円弧部75は仮想平面Aの上側に位置する。また、内側円弧部74の仮想平面Aに対する突出量と、外側円弧部75の仮想平面Aに対する突出量とは、同一または実質的に同一である。
【0081】
この結果、直進筒40が中間位置から繰り出し位置に移動する過程における中間部73の弾性変形量と、直進筒40が中間位置から沈胴位置に移動する過程における中間部73の弾性変形量とは、同一または略同一である。
【0082】
言い換えれば、直進筒40が中間位置から繰り出し位置に移動する過程で環状シール部材70が発生させる反力の大きさ(絶対値)の最大値と、直進筒40が中間位置から沈胴位置に移動する過程で環状シール部材70が発生させる反力の大きさ(絶対値)の最大値とは、同一または略同一である。別の見方をすると、環状シール部材70が発生させる反力が直進筒40の移動ストロークの+側または-側に偏在することはない。なお、直進筒40の駆動力が十分に大きい場合(例えば、モータ102の出力やコイルスプリング103の付勢力が十分に大きい場合)には、環状シール部材70が発生させる反力が+側または-側に多少偏在しても構わない。
【0083】
総じて、本実施形態に係るレンズ駆動装置1では、直進筒40及びこれに保持されているレンズユニット30の移動を阻害する反力の最小化が図られている。
【0084】
なお、レンズユニット30には、
図2に示されるフレキシブル配線基板34が接続されている(
図2では、便宜上の理由により、フレキシブル配線基板34の一部が省略されている。)。フレキシブル配線基板34は、環状シール部材70と同様に、レンズユニット30を保持している直進筒40に作用する力を発生させることがある。例えば、フレキシブル配線基板34は、繰り出し位置にある直進筒40に対し、これを引き下げる方向に作用する力を発生させる。
【0085】
そこで、本実施形態におけるコイルスプリング103の付勢力は、フレキシブル配線基板34及び環状シール部材70が直進筒40に及ぼす力を直進筒40の移動ストロークの全域において上回るように設定されている。この結果、直進筒40が外力によって繰り出し位置から中間位置や沈胴位置に押下げられたとしても、外力が取り除かれると、直進筒40は繰り出し位置に復帰する。
【0086】
本実施形態に係るレンズ駆動装置1は、携帯型情報端末その他の電子機器に搭載することができる。例えば、
図12に示されるように、レンズ駆動装置1は、スマートフォン200に搭載することができる。この場合、撮像素子25を備えているレンズ駆動装置1は、カメラモジュールとして機能する。
【0087】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、駆動機構を構成する付勢部材(例えば、上記実施形態におけるコイルスプリング103)の数は複数に限られず、4つにも限られない。また、付勢部材は、直進筒ではなく、レンズユニットを光軸方向の一方側に付勢するものであってもよい。例えば、上記実施形態におけるコイルスプリング103の上端は、直進筒40ではなく、レンズユニット30に接触させてもよい。この場合、ボス44に相当する位置決め突起をレンズユニット30に設けることが好ましい。
【0088】
もっとも、位置決め突起は、ボトムカバーと、当該ボトムカバーに対して光軸方向に移動する部材とのいずれか一方のみに設けられていてもよい。例えば、上記実施形態のボス22又はボス44の一方を省略してもよい。また、上記実施形態のボス22又はボス44の一方を位置決め穴に置換してもよい。
本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0089】
(1)
光軸方向に駆動されるレンズを含むレンズユニットと、
前記レンズユニットを保持する直進筒と、
前記直進筒の周囲に設けられ、前記直進筒を前記光軸方向に移動可能に支持する固定筒と、
前記直進筒を前記固定筒に対して前記光軸方向に往復移動させる駆動機構と、
前記直進筒と前記固定筒とに跨ってこれらの間の隙間を塞ぐ、弾性変形可能な環状シール部材と、を有し、
前記環状シール部材は、前記直進筒に固定される内縁部と、前記固定筒に固定される外縁部と、前記内縁部と前記外縁部とを繋ぐとともに、前記直進筒の移動に伴って弾性変形する中間部と、を備え、
前記中間部は、径方向に連なり、かつ、前記光軸方向で互いに逆向きに湾曲する2つの円弧部を含み、
前記直進筒が移動ストロークの中間点にあるとき、前記2つの円弧部の一方は、前記レンズの光軸と直交し、かつ、前記外縁部を前記光軸方向で二分する仮想平面の一側に位置し、前記2つの円弧部の他方は、前記仮想平面の他側に位置する、レンズ駆動装置。
【0090】
(2)
前記駆動機構は、
前記直進筒と前記固定筒との間に介在する回転筒と、
前記直進筒または前記レンズユニットを前記光軸方向の一方側に付勢する付勢部材と、
前記回転筒を回転させるモータと、を含み、
前記回転筒は、前記直進筒と接触し、前記付勢部材による付勢に抗して前記直進筒の前記光軸方向への移動を規制し、
前記回転筒の回転に伴って、前記直進筒と前記回転筒との接触位置が前記光軸方向に変位する、(1)に記載のレンズ駆動装置。
【0091】
(3)
前記直進筒の外周面に、径方向外側に向かって突出する突起部が設けられ、
前記回転筒の内周面に、前記突起部が押し付けられる内側面を備える凹部が設けられ、
前記凹部の前記内側面の少なくとも一部は、前記回転筒の周方向に沿って斜めに延びている、(1)又は(2)に記載のレンズ駆動装置。
【0092】
(4)
前記固定筒を備えるケースと、
前記ケースの底面の少なくとも一部を塞ぐボトムカバーと、
前記ボトムカバーと前記直進筒との間に配置された複数の前記付勢部材と、を有し、
それぞれの前記付勢部材の一端は、前記ボトムカバーに接触し、それぞれの前記付勢部材の他端は、前記直進筒に接触している、(1)~(3)のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【0093】
(5)
前記ボトムカバーと前記直進筒との少なくとも一方に、それぞれの前記付勢部材の端部に挿入される位置決め突起が設けられている、(4)に記載のレンズ駆動装置。
【0094】
(6)
前記直進筒に装着される環状の内側固定部材と、
前記固定筒に装着される環状の外側固定部材と、を有し、
前記環状シール部材の前記内縁部は、前記直進筒の端面に重ねられ、前記内側固定部材によって前記直進筒の前記端面に押し付けられており、
前記環状シール部材の前記外縁部は、前記固定筒の端面に重ねられ、前記外側固定部材によって前記固定筒の前記端面に押し付けられている、(1)~(5)のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【0095】
(7)
前記内側固定部材は、前記直進筒にねじ結合されており、
前記内側固定部材の前記直進筒に対するねじ結合量を増加させると、前記環状シール部材の前記内縁部を前記直進筒の前記端面に押し付ける力が強まる、(6)に記載のレンズ駆動装置。
【0096】
(8)
前記外側固定部材は、前記固定筒にねじ結合されており、
前記外側固定部材の前記固定筒に対するねじ結合量を増加させると、前記環状シール部材の前記外縁部を前記固定筒の前記端面に押し付ける力が強まる、(6)に記載のレンズ駆動装置。
【0097】
(9)
(1)~(8)のいずれかに記載のレンズ駆動装置を備える電子機器。
【符号の説明】
【0098】
1…レンズ駆動装置、10…ケース、11…ギヤ収容室、12…ギヤカバー、20…ボトムカバー、21…開口部、22…ボス、23…マグネット保持部、24…基板、25…撮像素子、30…レンズユニット、31…ハウジング、32…レンズ、33…レンズ駆動部、40…直進筒、41…ガイド突起、42…突起部(カム突起)、43…ユニット収容部、44…ボス、46…端面、50…固定筒、51…横溝、52…縦溝、54…平坦部、55…端面、60…回転筒、61…凹部、62…内側面(天井面)、63…ガイド突起、65…ギヤ歯、70…環状シール部材、71…内縁部、72…外縁部、73…中間部、74…円弧部(内側円弧部)、75…円弧部(外側円弧部)、80…固定部材、81…内側固定部材、81a…胴部、81b…フランジ部、82…外側固定部材、82a…胴部、82b…フランジ部、90…カバー部材、91…カバーガラス、92…化粧カバー、100…駆動機構、101…ギヤ群、102…モータ、103…コイルスプリング、200…スマートフォン、A…仮想平面、L…光軸