(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104052
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】情報報知システム、情報報知方法及び情報報知プログラム
(51)【国際特許分類】
B60S 5/00 20060101AFI20240726BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B60S5/00
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008065
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 敬太
【テーマコード(参考)】
2D015
3D026
【Fターム(参考)】
2D015HA03
3D026BA05
3D026BA28
(57)【要約】
【課題】作業車両の情報を簡便に取得して作業者に報知することができる情報報知システム、情報報知方法及び情報報知プログラムを提供する。
【解決手段】
作業車両2と、サーバ3と、携帯端末4とを備える情報報知システム1は、作業車両2の関連情報を記憶するサーバ側記憶部41と、作業車両2に配置され、関連情報に対応する識別標示28と、識別標示28から関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取部55と、読み取った所在情報を用いて関連情報を取得する取得部56と、取得した関連情報を報知する報知部57と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両の情報報知システムであって、
前記作業車両の関連情報を記憶する記憶部と、
前記作業車両に配置され、前記関連情報に対応する識別標示と、
前記識別標示から前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取部と、
読み取った前記所在情報を用いて前記関連情報を取得する取得部と、
取得した前記関連情報を報知する報知部と、
を備えることを特徴とする情報報知システム。
【請求項2】
前記作業車両には、所定の取扱標示が配置され、
前記識別標示は、前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報の前記所在情報を有し、前記所定の取扱標示と共に前記作業車両に配置され、
前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報は、前記作業車両の取扱方法を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
【請求項3】
前記識別標示は、前記作業車両の銘板情報の簡易情報を記載した銘板と共に配置され、
前記関連情報は、前記銘板情報の前記簡易情報及び詳細情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
【請求項4】
前記関連情報は、前記作業車両のメンテナンス情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
【請求項5】
前記メンテナンス情報を検出する情報検出部と、
前記メンテナンス情報を前記記憶部に送信する通信部と、を更に備える
ことを特徴とする請求項4に記載の情報報知システム。
【請求項6】
前記関連情報は、前記作業車両の設定方法を示す設定情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
【請求項7】
前記作業車両には、前記識別標示として、操作装置の前記関連情報に対応する第1識別標示と、作業機の前記関連情報に対応する第2識別標示とが配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
【請求項8】
前記第1識別標示に係る前記操作装置の前記関連情報は、前記第2識別標示に係る前記作業機の前記関連情報よりも秘匿度が高い
ことを特徴とする請求項7に記載の情報報知システム。
【請求項9】
前記関連情報の前記秘匿度を設定する秘匿度設定部を更に備え、
前記記憶部は、前記関連情報を前記秘匿度が設定された状態で記憶する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報報知システム。
【請求項10】
前記作業車両の前記関連情報を取得するための認証鍵を表示する表示部を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報報知システム。
【請求項11】
作業車両の情報報知方法であって、
前記作業車両の関連情報を記憶する記憶工程と、
前記作業車両に配置されていて前記関連情報に対応する識別標示から、前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、
読み取った前記所在情報を用いて前記関連情報を取得する取得工程と、
取得した前記関連情報を報知する報知工程と、
を有することを特徴とする情報報知方法。
【請求項12】
作業車両の情報報知プログラムであって、
前記作業車両に配置されていて前記作業車両の関連情報に対応する識別標示から、前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、
読み取った前記所在情報を用いて所定の記憶部から前記関連情報を取得する取得工程と、
取得した前記関連情報を報知する報知工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報報知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の関連情報を報知する情報報知システム、情報報知方法及び情報報知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械等の作業車両は、安全情報、車両情報、操作情報、メンテナンス情報、設定情報等の様々な関連情報を、オペレータ、サービスマン、レンタル業者等の作業者に対して提供する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される端末装置は、ユーザ操作に基づく入力を受け付ける入力装置を更に備え、プロセッサは、互いに異なる複数の候補を、ディスプレイに表示させる。具体的には、端末装置で表示される画面は、複数のオブジェクトと、複数の領域とを有する。オブジェクトは、ホーム画面を表示させるためのアイコン、サービスマンが故障診断を行うときに選択するアイコン、作業機械の現在地を地図上で表示させるためのアイコン、作業機械のメンテナンス履歴を表示させるためのアイコン、ショップマニュアルを表示させるためのアイコン、取扱説明書を表示させるためのアイコンである。領域は、対象となる作業機械についての、機種の入力欄と、型式の入力欄と、機番の入力欄と、顧客名称の入力欄と、登録日の入力欄とを有し、また、不具合部位の入力欄と、不具合現象の入力欄と、故障コードの入力欄とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来技術では、端末装置に所定のコードを入力することで、作業車両の取扱説明書の情報等を読み出している。しかしながら、このような従来技術では、必要な情報を読み出すために、予めコードを情報と関連付けて記憶させておく必要があり、また、作業者が予めコードを取得しておく必要がある。更に、コードを入力する手間が掛かり、また、コードの誤入力が生じるおそれがある。そのため、従来の作業車両では、必要な情報を取得して作業者に報知する際の利便性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、作業車両の情報を簡便に取得して作業者に報知することができる情報報知システム、情報報知方法及び情報報知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報報知システムは、作業車両の情報報知システムであって、前記作業車両の関連情報を記憶する記憶部と、前記作業車両に配置され、前記関連情報に対応する識別標示と、前記識別標示から前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取部と、読み取った前記所在情報を用いて前記関連情報を取得する取得部と、取得した前記関連情報を報知する報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報報知方法は、作業車両の情報報知方法であって、前記作業車両の関連情報を記憶する記憶工程と、前記作業車両に配置されていて前記関連情報に対応する識別標示から、前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、読み取った前記所在情報を用いて前記関連情報を取得する取得工程と、取得した前記関連情報を報知する報知工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の情報報知プログラムは、作業車両の情報報知プログラムであって、前記作業車両に配置されていて前記作業車両の関連情報に対応する識別標示から、前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、読み取った前記所在情報を用いて所定の記憶部から前記関連情報を取得する取得工程と、取得した前記関連情報を報知する報知工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業車両の情報を簡便に取得して作業者に報知することができる情報報知システム、情報報知方法及び情報報知プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報報知システムの例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る作業車両の例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る作業車両のキャビン内を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る情報報知システムにおける関連情報である情報種別の例を示す表である。
【
図5】本発明の実施形態に係る情報報知システムにおける関連情報であるエラーコード一覧の例を示す表である。
【
図6】本発明の実施形態に係る情報報知システムにおける関連情報である使用方法の例を示す表である。
【
図7】本発明の実施形態に係る情報報知システムにおける関連情報である機能一覧の例を示す表である。
【
図8】本発明の実施形態に係る情報報知システムにおける関連情報である点検リストの例を示す表である。
【
図9】本発明の実施形態に係る情報報知システムにおける関連情報であるメンテナンス情報の例を示す表である。
【
図10】本発明の実施形態に係る携帯端末に表示されるメニュー画面の例を示す平面図である。
【
図11】本発明の実施形態の第1変形例に係る情報報知システムの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態による情報報知システム1について図を参照して説明する。
図1は、本実施形態の情報報知システム1を示すブロック図である。
【0013】
情報報知システム1は、作業車両2と、サーバ3と、携帯端末4とを有する。作業車両2は、インターネット等の所定のネットワークを介してサーバ3及び携帯端末4と通信可能に接続され、また、サーバ3は、インターネット等の所定のネットワークを介して携帯端末4と通信可能に接続される。
【0014】
次に、作業車両2について、
図2を参照して説明する。
図2は、作業車両2を示す斜視図である。作業車両2は、例えば、建設現場や解体現場、鉱山等で用いられ、作業者の操作に応じて土木作業や建築作業等の作業を行う建設機械である。本実施形態において、作業車両2は、土砂の掘削作業等などを行う油圧ショベルで構成される。作業車両2は、下部走行体11と、上部旋回体12と、作業機13とを備え、下部走行体11の上方で上部旋回体12及び作業機13が旋回可能に設けられている。
【0015】
下部走行体11は、左右一対のクローラ15と、各クローラ15を支持するトラックフレーム16とを備えている。一対のクローラ15は、上部旋回体12のエンジン19から動力を受けて駆動して作業車両2の走行等を行う。トラックフレーム16は、上部旋回体12を旋回可能に支持すると共に、一対のクローラ15を左右両側に支持している。また、下部走行体11には、他の作業機として、整地作業等を行うために排土板として機能するブレード17がブレードアーム18を介してトラックフレーム16に取り付けられ、ブレードシリンダ17aによって上下に回動するように構成されている。
【0016】
上部旋回体12は、エンジン19と、カウンタウェイト20と、キャビン21とを備えている。エンジン19と、機体内部に設けられて作業車両2の各部へ動力を供給し、カウンタウェイト20は、キャビン21の後側に取り付けられて作業車両2の重心の偏りを抑制する。キャビン21の内部には、
図3に示すように、作業者が着座するための運転席や、各種情報を表示するための表示装置22や、作業者が操作するための操作装置23等が設置されている。また、上部旋回体12は、各部へ電力を供給するためのバッテリ等の電源装置(図示せず)を備えている。
【0017】
表示装置22は、液晶モニタ等で構成され、車両側制御部30に制御されて各種画面を表示し、例えば、作業車両2の稼働に応じてメニュー画面22a(
図10参照)を表示し、操作装置23の操作に応じて各種画面を表示する。なお、表示装置22は、後述する作業車両2のメンテナンス情報を表示することもできる。
【0018】
操作装置23は、各種スイッチや操作レバー・ペダルを有して構成され、作業車両2の走行及び上部旋回体12の旋回の操作や、作業機13の作業の操作等を受け付ける。例えば、操作装置23は、作業機13のブーム25、アーム26及びバケット27の回動操作を受け付ける。操作装置23は、バケット27等の作業部材の着脱を行うクイックヒッチを操作するためのクイックヒッチ操作スイッチを有し、クイックヒッチ操作スイッチは、例えば、スイッチボックスに設けられる
【0019】
作業機13は、作業者の操作に応じて土砂の掘削作業等の各種作業を行う。作業機13は、上部旋回体12に取り付けられていて、ブーム25、アーム26、掘削作業用のバケット27及びブレード17等の作業部から構成されている。以下の作業機13の説明において、上部旋回体12に近い側を基端側とし、上部旋回体12から遠い側(バケット27に近い側)を先端側とする。また、作業機13に対して、キャビン21と対向する側を内側とし、その反対側を外側とする。
【0020】
作業車両2は、作業機13を作動油の油圧動力によって駆動するもので、ブーム25、アーム26及びバケット27をそれぞれ駆動する油圧アクチュエータとして、ブームシリンダ25a、アームシリンダ26a、バケットシリンダ27aを備えている。作業車両2は、エンジン19で生じた動力を利用して、油圧タンク(図示せず)から作動油を油圧ポンプ(図示せず)によってブームシリンダ25a、アームシリンダ26a、バケットシリンダ27aへ供給し、油圧ポンプによって加圧された作動油を動力伝達媒体としてブームシリンダ25a、アームシリンダ26a、バケットシリンダ27aを駆動する。作業機13は、ブームシリンダ25a、アームシリンダ26a、バケットシリンダ27aに対して作動油の供給・遮断を切り換えるカットオフバルブを操作装置23に備える。作業機13は、作動油の状態を監視するための作動油温度センサを備える。
【0021】
ブーム25は、下部走行体11と上部旋回体12とからなる機体に対して油圧駆動するブームシリンダ25aによって回動可能に設けられている。例えば、ブーム25は、上部旋回体12の下部付近に基端を有し、基端を支点にして延在していて、上下に回動するように構成される。ブーム25には、その回動角度を検出するためのブーム角度センサが設けられる。
【0022】
アーム26は、ブーム25の先端に取り付けられていて、ブーム25に対して油圧駆動するアームシリンダ26aによって回動可能に設けられている。例えば、アーム26は、ブーム25の先端付近に基端を有し、基端を支点にして延在していて、上下又は前後に回動するように構成される。アーム26には、その回動角度を検出するためのアーム角度センサが設けられる。
【0023】
バケット27は、アーム26の先端に取り付けられていて、アーム26に対して油圧駆動するバケットシリンダ27aによって回動可能に設けられている。例えば、バケット27は、アーム26の先端付近に基端を有し、基端を支点にして上下又は前後に回動するように構成される。バケット27は、クイックヒッチ等の着脱機構によってアーム26に着脱可能に取り付けられ、アーム26は、バケット27以外の他の作業部材を取り付けることができる。
【0024】
ブレード17は、ブレードアーム18の先端に取り付けられていて、トラックフレーム16に対して油圧駆動するブレードシリンダ17aによって回動可能に設けられている。例えば、ブレード17は、トラックフレーム16の先端付近に基端を有し、基端を支点にして上下又は前後に回動するように構成される。
【0025】
また、作業車両2は、
図1に示すように、車両側制御部30と、車両側記憶部31と、車両側通信部32を備えている。車両側制御部30は、CPU等のコンピュータで構成され、作業車両2の各部の動作を制御する。例えば、車両側制御部30は、所定の表示信号を表示装置22に入力して表示装置22に各種画面を表示させ、また、操作装置23から入力した操作信号に応じて各部を制御する。
【0026】
車両側記憶部31は、ROMやRAM等の記憶媒体で構成され、作業車両2の各部及び各機能を制御するためのプログラムやデータを記憶する。車両側通信部32は、無線通信アンテナを介してサーバ3や携帯端末4と無線通信可能となり、車両側制御部30は、車両側通信部32を制御してサーバ3や携帯端末4と無線通信を行い、サーバ3や携帯端末4との間で各種情報を送受信する。
【0027】
車両側制御部30は、車両側記憶部31に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、作業車両2の各部及び各機能を制御する。例えば、車両側制御部30は、プログラムを実行することで、情報検出部35として動作する。なお、情報検出部35は、本発明に係る情報報知方法の情報検出工程を実現するものである。
【0028】
情報検出部35は、作業車両2のメンテナンス情報を検出し、車両側通信部32によってサーバ3へと送信する。例えば、情報検出部35は、メンテナンス情報として、「作動油」、「作動油戻しフィルタ」、「作動油ラインフィルタ」、「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタ」、「エアクリーナエレメント」の使用積算時間を検出する。
【0029】
情報検出部35は、作業機13の稼働時間を算出し、作業機13の稼働時間に基づいて「作動油」、「作動油戻しフィルタ」、「作動油ラインフィルタ」の使用積算時間を検出する。また、情報検出部35は、エンジン19の稼働時間を算出し、エンジン19の稼働時間に基づいて「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタ」、「エアクリーナエレメント」の使用積算時間を検出する。なお、情報検出部35は、所定のリセット操作に応じて、「作動油」、「作動油戻しフィルタ」、「作動油ラインフィルタ」、「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタ」、「エアクリーナエレメント」の使用積算時間をリセットしてよい。
【0030】
また、作業車両2は、当該作業車両2の取扱説明書、サービスマニュアル及びメンテナンス情報等の関連情報に対応する識別標示28を有する。作業車両2は、関連情報を複数有していて、例えば、複数の関連情報をツリー状の階層構造で有する。作業車両2は、
図4に示すように、複数の関連情報を、「エラーコード一覧」、「使用方法」、「機能一覧」、「点検リスト」、「点検項目」、「トラブルシュート」、「メンテナンス情報」、「整備方法」、「銘板情報」等の複数の情報種別に分ける。作業車両2は、複数の情報種別の一覧情報を一つの関連情報として第1層に有する。
【0031】
「エラーコード一覧」は、
図5に示すように、「ブーム角度センサ異常」、「アーム角度センサ異常」、「カットオフバルブ異常」、「バッテリ電圧異常」、「クイックヒッチ操作スイッチ異常」、「作動油温度センサ異常」等のエラー情報の各エラーコードを含む。作業車両2は、これらのエラー情報の一覧情報を一つの関連情報として「エラーコード一覧」に属する第2層に有し、また、各エラー情報のエラーコードを第3層に有する。
【0032】
「使用方法」は、
図6に示すように、「液晶モニタ」、「各種スイッチ」、「操作レバー・ペダル」、「フロントガラス(キャビン仕様)」等の各機器の使用方法や、「エンジン始動」、「車両の操向」、「作業機の操作」、「作業上の禁止事項」、「作業上の注意事項」等の運転操作の使用方法を取扱方法として含む。作業車両2は、これらの使用方法の一覧情報を一つの関連情報として「使用方法」に属する第2層に有し、また、各使用方法の内容を第3層に有する。例えば、「車両の操向」には、下部走行体11の可変脚の使用方法等が含まれ、「作業機の操作」には、作業機13におけるクイックヒッチの使用方法、クレーンフックの格納/開放の方法、クレーンモードの使用方法、作業機制限(高さ制限/深さ制限)の使用方法、PTO(単動/複動の切替)の使用方法等が含まれる。
【0033】
「機能一覧」は、
図7に示すように、「エコモード」、「パワーモード」、「クイックヒッチ」、「クレーンモード」、「高さ制限モード」、「アーム制限モード」、「深さ制限モード」等の各機能の設定情報を含む。作業車両2は、これらの機能の一覧情報を一つの関連情報として「機能一覧」に属する第2層に有し、また、各機能の設定情報を第3層に有する。例えば、「機能一覧」には、作業車両2の仕様として、可変脚、クレーン、PTO等の機能の設定情報が含まれ、これらの機能は作業車両2に貼付される銘板に記載されていてもよい。
【0034】
「点検リスト」は、
図8に示すように、「総体部」、「燃料系統」、「潤滑油」、「冷却水系統」、「操縦系」等の点検箇所を含む。作業車両2は、これらの点検箇所の一覧情報を一つの関連情報として「点検リスト」に属する第2層に有し、また、各点検箇所の点検内容を第3層に有する。なお、「点検リスト」には、作業前や月次の点検リストや、定期自主点検表である年次の点検リストが含まれてよい。
【0035】
詳細には、「総体部」は、「部品脱落・破損の点検」、「各部のボルト・ナットの緩み点検・増し締め」、「エンジンの調子」、「清掃」等の点検内容を含む。「燃料系統」は、「油量点検補給」、「燃料タンクの混入水・沈殿物等のドレン抜き」、「ウォーターセパレーターの点検・ドレン抜き、清掃」、「燃料フィルタ交換」等の点検内容を含む。「潤滑油」は、「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタの交換」、「走行減速機オイルの点検・補給、交換」等の点検内容を含む。「冷却水系統」は、「冷却水の点検・補給」、「冷却水漏れ点検」、「ラジエーターフィンの清掃・点検」、「ファンベルトの張り点検・調整」、「冷却水系統の洗浄・点検・冷却水交換」等の点検内容を含む。「操縦系」は、「ガバナレバーとアクセル装置の点検・調整」等の点検内容を含む。
【0036】
「点検項目」は、「点検リスト」と同じ点検箇所の各点検情報を含む。作業車両2は、これらの点検箇所の一覧情報を一つの関連情報として「点検項目」に属する第2層に有し、また、各点検箇所の点検情報を第3層に有する。
【0037】
「トラブルシュート」は、「エラーコード一覧」と同じエラー情報の各トラブルシュートを取扱方法として含む。作業車両2は、これらのエラー情報の一覧情報を一つの関連情報として「トラブルシュート」に属する第2層に有し、また、各エラー情報のトラブルシュートを第3層に有する。
【0038】
「メンテナンス情報」は、
図9に示すように、「作動油」、「作動油戻しフィルタ」、「作動油ラインフィルタ」、「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタ」、「エアクリーナエレメント」等のメンテナンス箇所を含む。作業車両2は、これらのメンテナンス箇所の一覧情報を一つの関連情報として「メンテナンス情報」に属する第2層に有し、また、各メンテナンス箇所のメンテナンス情報を第3層に有する。
【0039】
「整備方法」は、「点検リスト」と同じ点検箇所の各整備方法を取扱方法として含む。作業車両2は、これらの点検箇所の一覧情報を一つの関連情報として「整備方法」に属する第2層に有し、また、各点検箇所の整備方法を第3層に有する。
【0040】
「銘板情報」は、作業車両2の関連情報として、作業車両2に貼付される銘板に記載される簡易情報に加えて、その詳細情報を含む。例えば、作業車両2には、型式、車両番号等の各作業車両2に固有の様々な車両情報を銘板情報として記載した車両銘板が添付される。
【0041】
識別標示28は、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コードやバーコード等の一次元コードのようなアクセスコードで、対応する関連情報の所在を示す所在情報を有して構成される。関連情報の所在情報は、サーバ3に記憶された関連情報に対するアクセス情報であり、例えば、関連情報を示すウェブページのURLや関連情報を有する文書データの保存位置のURL等である。
【0042】
作業車両2は、各関連情報の識別標示28を、表示装置22や操作装置23、キャビン21の周囲や作業機13等のように、関連情報との関係性がより高い位置や、作業者が関連情報を取得したい状況に応じた位置に配置する。
【0043】
例えば、複数の情報種別の一覧情報は、最上位階層(第1層)の関連情報であって、下位階層の関連情報へのアクセスを可能とし、様々な状況で取得され得る共通の関連情報であり、その識別標示28は、作業車両2の様々な位置に配置される。
【0044】
具体的には、複数の情報種別の一覧情報の識別標示28は、第2層の関連情報の識別標示28と共に配置されてよく、また、
図10に示すように、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。
【0045】
第2層の関連情報である「エラーコード一覧」の識別標示28や第3層の関連情報である各エラー情報の識別標示28は、各エラー情報が生じる作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。例えば、「ブーム角度センサ異常」の識別標示28は、ブーム25に配置され、「アーム角度センサ異常」の識別標示28は、アーム26に配置され、「カットオフバルブ異常」の識別標示28は、操作装置23に配置され、「バッテリ電圧異常」の識別標示28は、電源装置に配置され、「クイックヒッチ操作スイッチ異常」の識別標示28は、操作装置23に配置され、「作動油温度センサ異常」の識別標示28は、作業機13に配置される。
【0046】
また、ブーム25、アーム26及びバケット27には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「ブーム角度センサ異常」の識別標示28、「アーム角度センサ異常」の識別標示28、「作動油温度センサ異常」の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。電源装置には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「バッテリ電圧異常」の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。操作装置23には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「カットオフバルブ異常」の識別標示28、「クイックヒッチ操作スイッチ異常」の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0047】
第2層の関連情報である「使用方法」の識別標示28や第3層の関連情報である各使用方法の識別標示28は、使用方法に対応する作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。例えば、「液晶モニタ」の識別標示28は、表示装置22に配置され、「各種スイッチ」の識別標示28、「操作レバー・ペダル」の識別標示28は、操作装置23に配置され、「フロントガラス(キャビン仕様)」の識別標示28は、キャビン21のフロントガラス近傍に配置され、「エンジン始動」、「車両の操向」、「作業機の操作」、「作業上の禁止事項」、「作業上の注意事項」を含む運転操作の使用方法の識別標示28は、操作装置23に配置される。
【0048】
また、キャビン21や操作装置23には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、各機器の使用方法の識別標示28や運転操作の使用方法の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0049】
「機能一覧」の識別標示28は、操作装置23に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。
【0050】
第2層の関連情報である「点検リスト」の識別標示28や第3層の関連情報である各点検箇所の点検内容の識別標示28は、点検箇所に対応する作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。例えば、「総体部」、「燃料系統」、「潤滑油」、「冷却水系統」の識別標示28は、エンジン19やボンネットの近傍に配置され、「操縦系」の識別標示28は、操作装置23に配置される。
【0051】
また、エンジン19やボンネットの近傍には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「点検リスト」の識別標示28や各点検箇所の点検内容の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0052】
第2層の関連情報である「点検項目」の識別標示28や第3層の関連情報である各点検箇所の点検情報の識別標示28は、「点検リスト」と同様に、点検箇所に対応する作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。
【0053】
また、エンジン19やボンネットの近傍には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「点検項目」の識別標示28や各点検箇所の点検情報の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0054】
第2層の関連情報である「トラブルシュート」の識別標示28や第3層の関連情報である各エラー情報のトラブルシュートの識別標示28は、「エラーコード一覧」と同様に、各エラー情報が生じる作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。
【0055】
また、ブーム25、アーム26及びバケット27には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「トラブルシュート」の識別標示28や各エラー情報のトラブルシュートの識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0056】
第2層の関連情報である「メンテナンス情報」の識別標示28や第3層の関連情報である各メンテナンス箇所のメンテナンス情報の識別標示28は、メンテナンス箇所に対応する作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。例えば、「作動油」、「作動油戻しフィルタ」、「作動油ラインフィルタ」の識別標示28は、油圧タンクや油圧ポンプ又はそのカバーの近傍に配置され、「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタ」、「エアクリーナエレメント」の識別標示28は、エンジン19やボンネットの近傍に配置される。
【0057】
また、油圧タンクや油圧ポンプ又はそのカバーの近傍には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「メンテナンス情報」の識別標示28や「作動油」、「作動油戻しフィルタ」、「作動油ラインフィルタ」の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0058】
エンジン19やボンネットの近傍には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「メンテナンス情報」の識別標示28や「エンジンオイル」、「エンジンオイルフィルタ」、「エアクリーナエレメント」の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0059】
第2層の関連情報である「整備方法」の識別標示28や第3層の関連情報である各点検箇所の整備方法の識別標示28は、「点検リスト」と同様に、点検箇所に対応する作業車両2の各部のそれ自体又はその近傍に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。
【0060】
また、エンジン19やボンネットの近傍には、その取扱標示29として、使用上の安全情報を記載した安全ラベル等の安全標示が配置される場合、「整備方法」の識別標示28や各点検箇所の整備方法の識別標示28は、このような安全標示と共に配置されるとよい。
【0061】
第2層の関連情報である「銘板情報」の識別標示28は、作業車両2に貼付される銘板に配置され、また、表示装置22のメニュー画面22aや各種画面に表示されてもよい。なお、作業車両2の銘板には、「銘板情報」に含まれる様々な銘板情報のうち、一部の簡易情報が記載されるが、「銘板情報」の識別標示28に基づいてサーバ3によって携帯端末4に提供される「銘板情報」の関連情報は、銘板に記載される簡易情報に加えて詳細情報も含む。
【0062】
次に、サーバ3について説明する。サーバ3は、作業車両2を管理可能なものである。サーバ3は、
図1に示すように、サーバ側制御部40と、サーバ側記憶部41と、サーバ側通信部42を備えている。サーバ側制御部40は、CPU等のコンピュータで構成され、サーバ3の各部の動作を制御する。
【0063】
サーバ側記憶部41は、ROMやRAM等の記憶媒体で構成され、サーバ3の各部及び各機能を制御するためのプログラムやデータを記憶する。サーバ側通信部42は、ネットワークを介して作業車両2や携帯端末4と無線通信可能となり、サーバ側制御部40は、サーバ側通信部42を制御して作業車両2や携帯端末4と無線通信を行い、作業車両2や携帯端末4との間で各種情報を送受信する。
【0064】
サーバ側記憶部41は、作業車両2の複数の関連情報を記憶していて、また、複数の関連情報のそれぞれを携帯端末4に対して提供可能な提供データを記憶し、例えば、各関連情報を示す複数のウェブページをそれぞれ構成するデータや、各関連情報を示す複数の文書データを記憶している。
【0065】
サーバ側制御部40は、サーバ側記憶部41に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、サーバ3の各部及び各機能を制御する。例えば、サーバ側制御部40は、プログラムを実行することで、関連情報管理部45として動作する。なお、関連情報管理部45は、本発明に係る情報報知方法の関連情報管理工程を実現するものである。
【0066】
関連情報管理部45は、携帯端末4からの提供要求に応じて、各関連情報の提供データをサーバ側通信部42によって携帯端末4に送信することで、関連情報を携帯端末4に対して提供する。サーバ3は、複数の関連情報のそれぞれの所在を示す各所在情報として、各関連情報のウェブページのURLや各関連情報を有する文書データの保存位置のURLを公開していて、関連情報管理部45は、所在情報を用いた提供要求に応じて、当該所在情報に対応する関連情報の提供データとしてウェブページや文書データを提供する。
【0067】
関連情報管理部45は、複数の関連情報の階層構造に従って各関連情報を示すウェブページを携帯端末4に提供することができる。例えば、関連情報管理部45は、第1層として複数の情報種別の一覧情報を示すウェブページを提供している場合、ウェブページ上での情報種別の指定に応じて、当該情報種別に対応する第2層の関連情報のウェブページや文書データを提供する。また、関連情報管理部45は、第2層の関連情報のウェブページを提供している場合、ウェブページ上での下層の関連情報の指定に応じて、第3層の関連情報のウェブページや文書データを提供する。
【0068】
関連情報管理部45は、作業車両2の情報検出部35がメンテナンス情報を検出した場合に、作業車両2からメンテナンス情報を受信すると、サーバ側記憶部41に記憶しているメンテナンス情報を、受信したメンテナンス情報によって更新し、また、メンテナンス情報に関するウェブページや文書データ等の提供データも更新する。
【0069】
次に、携帯端末4について説明する。携帯端末4は、作業車両2のオペレータ、サービスマン、レンタル業者等の作業者が保有するもので、スマートフォンやタブレット端末等で構成される。携帯端末4は、
図1に示すように、端末側制御部50と、端末側記憶部51と、端末側通信部52を備えている。また、携帯端末4は、読取装置53と、表示装置54とを備えている。端末側制御部50は、CPU等のコンピュータで構成され、携帯端末4の各部の動作を制御する。
【0070】
端末側記憶部51は、ROMやRAM等の記憶媒体で構成され、携帯端末4の各部及び各機能を制御するためのプログラムやデータを記憶する。端末側通信部52は、ネットワークを介して作業車両2やサーバ3と無線通信可能となり、端末側制御部50は、端末側通信部52を制御して作業車両2やサーバ3と無線通信を行い、作業車両2やサーバ3との間で各種情報を送受信する。読取装置53は、識別標示28を読み取るものであり、例えば、CCD等の撮像装置で構成され、識別標示28の画像データを取得する。表示装置54は、例えば、液晶モニタ等で構成され、端末側制御部50に制御されて各種画面を表示する。
【0071】
端末側制御部50は、端末側記憶部51に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、携帯端末4の各部及び各機能を制御する。例えば、端末側制御部50は、プログラムを実行することで、読取部55、取得部56、報知部57として動作する。なお、読取部55、取得部56、報知部57は、本発明に係る情報報知方法の読取工程、取得工程、報知工程を実現するものである。
【0072】
読取部55は、読取装置53によって読み取った識別標示28に基づいて、当該識別標示28に対応する関連情報の所在を示す所在情報を読み取り、例えば、関連情報のウェブページのURLや関連情報の文書データの保存位置のURLを読み取る。例えば、読取部55は、識別標示28のQRコード(登録商標)やバーコードから関連情報の所在情報を読み取る。
【0073】
取得部56は、読取部55によって読み取った所在情報を用いて、端末側通信部52を介してサーバ3にアクセスして、当該所在情報に対応する関連情報の提供要求をサーバ3に送信する。そして、取得部56は、端末側通信部52を介してサーバ3から所在情報に対応する関連情報を取得する。例えば、取得部56は、所在情報として関連情報のウェブページのURLにアクセスして、関連情報のウェブページを構成するデータを取得し、関連情報の文書データの保存位置のURLにアクセスして、関連情報の文書データを取得する。
【0074】
報知部57は、取得部56によって取得した関連情報を作業者に報知するものである。例えば、報知部57は、関連情報を示すウェブページや文書データを表示装置22に表示することで関連情報を報知する。また、報知部57は、関連情報をスピーカ等で音声出力することで報知してもよい。
【0075】
上記のように、本実施形態によれば、作業車両2と、サーバ3と、携帯端末4とを備える情報報知システム1は、作業車両2の関連情報を記憶するサーバ側記憶部41と、作業車両2に配置され、関連情報に対応する識別標示28と、識別標示28から関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取部55と、読み取った所在情報を用いて関連情報を取得する取得部56と、取得した関連情報を報知する報知部57と、を備える。
【0076】
換言すれば、作業車両2の情報報知方法は、作業車両2の関連情報を記憶する記憶工程と、作業車両2に配置されていて関連情報に対応する識別標示28から、関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、読み取った所在情報を用いて関連情報を取得する取得工程と、取得した関連情報を報知する報知工程と、を有する。
【0077】
また、情報報知システム1の携帯端末4は、作業車両2の情報報知プログラムを端末側記憶部51に記憶していて、情報報知プログラムは、作業車両2に配置されていて作業車両2の関連情報に対応する識別標示28から、関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、読み取った所在情報を用いて所定の記憶部から関連情報を取得する取得工程と、取得した関連情報を報知する報知工程と、を端末側制御部50等のコンピュータに実行させる。
【0078】
これにより、本実施形態の情報報知システム1では、識別標示28を読み取るだけで、必要な関連情報を報知することができるので、作業者の負担を軽減することができ、必要な情報を取得して作業者に報知する際の利便性を向上することができる。具体的には、必要な関連情報を読み出すために、関連情報に関連付けられるコードを予め用意する必要がなく、また、作業者が予めコードを取得する必要がないので、作業者の負担を軽減することができる。また、コードを入力する手間がなく、また、コードの誤入力が生じるおそれがないので、利便性を向上することができる。このように、本実施形態の情報報知システム1では、作業車両2の情報を簡便に取得して作業者に報知することができる。
【0079】
また、本実施形態の情報報知システム1では、作業車両2には、所定の取扱標示29が配置され、識別標示28は、所定の取扱標示29に関連する関連情報の所在情報を有し、所定の取扱標示29と共に作業車両2に配置され、所定の取扱標示29に関連する関連情報は、作業車両2の取扱方法を含む。
【0080】
これにより、取扱標示29を確認する作業者に対して、取扱標示29に関連する作業車両2の取扱方法を報知するための識別標示28を利用し易くすることができ、利便性を向上することができる。
【0081】
また、本実施形態の情報報知システム1では、識別標示28は、作業車両2の銘板情報の簡易情報を記載した銘板と共に配置され、関連情報は、銘板情報の簡易情報及び詳細情報を含む。
【0082】
これにより、銘板を確認する作業者に対して、銘板に関連する銘板情報を報知するための識別標示28を利用し易くすることができ、利便性を向上することができる。
【0083】
また、本実施形態の情報報知システム1では、関連情報は、作業車両2のメンテナンス情報を含む。
【0084】
これにより、作業車両2のメンテナンスを行う作業者に対して、メンテナンス情報を簡易に報知することができ、作業車両2のメンテナンスを行う上での利便性を向上することができる。
【0085】
また、本実施形態の情報報知システム1では、メンテナンス情報を検出する情報検出部35と、メンテナンス情報をサーバ側記憶部41に送信する車両側通信部32と、を更に備える。
【0086】
これにより、メンテナンス情報を最適に更新してサーバ3に把握させることができ、作業車両2のメンテナンスを行う上での利便性を向上することができる。
【0087】
また、本実施形態の情報報知システム1では、関連情報は、作業車両2の設定方法を示す設定情報を含む。
【0088】
これにより、作業車両2の設定作業を行う作業者に対して、作業車両2の設定方法を簡易に報知することができ、作業車両2の設定作業を行う上での利便性を向上することができる。
【0089】
なお、上記した情報報知システム1では、作業者に拘わらず、携帯端末4によって識別標示28を読み取ることで、識別標示28に対応する関連情報が携帯端末4に報知される例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。
【0090】
例えば、第1変形例では、情報報知システム1は、複数の関連情報のそれぞれに秘匿度を設定し、関連情報の報知を許可する作業者の種別を秘匿度に応じて設定する。情報報知システム1は、例えば、オペレータ、サービスマン、レンタル業者等の様々な作業者の種別毎に異なる優先度を設定し、優先度の低い作業者に対して、秘匿度の高い関連情報の報知を制限する。
【0091】
また、第1変形例では、情報報知システム1は、識別標示28を配置する作業車両2の位置に応じて異なる秘匿度を関連情報に設定する。情報報知システム1は、例えば、識別標示28として、キャビン21内で表示装置22や操作装置23等に配置される第1識別標示と、キャビン21外で作業機13等に配置される第2識別標示とを有する。情報報知システム1は、キャビン21内の第1識別標示の秘匿性を、キャビン21外の第2識別標示の秘匿性よりも高く設定する。第1識別標示に対応する関連情報は、例えば、操作装置23のサービスマニュアル等の取扱方法であり、第2識別標示に対応する関連情報は、例えば、作業機13の取扱説明書等の取扱方法である。
【0092】
第1変形例では、
図11に示すように、サーバ3のサーバ側制御部40は、プログラムを実行することで、関連情報管理部45に加えて、秘匿度設定部46として動作する。秘匿度設定部46は、複数の関連情報のそれぞれに秘匿度を設定し、各関連情報を秘匿度が設定された状態でサーバ側記憶部41に記憶する。なお、秘匿度設定部46は、各関連情報の秘匿度を予め設定していてよく、また、管理者等の操作に応じて設定可能にしてもよい。また、秘匿度設定部46は、作業者の種別毎に異なる優先度を設定してサーバ側記憶部41に記憶する。なお、秘匿度設定部46は、各作業者の種別の優先度を予め設定していてよく、また、管理者等の操作に応じて設定可能にしてもよい。
【0093】
第1変形例では、関連情報管理部45は、携帯端末4がサーバ3にログインするときや、携帯端末4から提供要求を受信するときに、ログインの情報や提供要求の情報に基づいて、携帯端末4を操作する作業者の種別を判定する。そして、関連情報管理部45は、提供要求の示す所在情報に対応する関連情報の秘匿度と、作業者の種別に対応する優先度とに基づいて、当該提供要求に対して関連情報を報知すべきか否かを判定する。このとき、関連情報管理部45は、関連情報の秘匿度が高く、作業者の優先度が低い場合には、関連情報の報知を制限し、携帯端末4に対してその旨を報知する。一方、関連情報管理部45は、関連情報の秘匿度が高く、作業者の優先度が高い場合には、上記と同様に関連情報を携帯端末4に対して報知してよく、また、関連情報の秘匿度が低い場合には、作業者の優先度に拘わらず、上記と同様に関連情報を携帯端末4に対して報知してよい。
【0094】
このように、第1変形例の情報報知システム1によれば、作業車両2には、識別標示28として、操作装置23の関連情報に対応する第1識別標示と、作業機13の関連情報に対応する第2識別標示とが配置される。
【0095】
これにより、操作装置23の関連情報の第1識別標示と、作業機13の関連情報の第2識別標示とを分けて配置しているので、第1識別標示又は第2識別標示を読み取ることで、必要な関連情報を即座に報知することができ、利便性を向上することができる。
【0096】
また、第1変形例の情報報知システム1では、第1識別標示に係る操作装置23の関連情報は、第2識別標示に係る作業機13の関連情報よりも秘匿度が高い。
【0097】
これにより、秘匿度の高い操作装置23の関連情報について報知を制限することができる。換言すれば、キャビン21内で操作装置23を使用可能な作業者に対しては、キャビン21外でのみ作業機13を使用可能な作業者に比べて、秘匿度の高い関連情報を報知することができる。
【0098】
また、第1変形例の情報報知システム1では、関連情報の秘匿度を設定する秘匿度設定部46を更に備え、サーバ側記憶部41は、関連情報を秘匿度が設定された状態で記憶する。
【0099】
これにより、必要に応じて関連情報の秘匿度を設定することができ、各関連情報の報知を許容する作業者と、各関連情報の報知を制限する作業者とに分けて設定することができる。
【0100】
あるいは、第2変形例では、情報報知システム1は、特定の関連情報に対して固有の認証鍵(パスワード)を設定し、正しい認証鍵の入力に応じて特定の関連情報を報知する。
【0101】
第2変形例では、サーバ3の関連情報管理部45は、特定の関連情報に対する認証鍵を予め設定していてよく、また、管理者等の操作に応じて設定可能にしてもよい。関連情報管理部45は、認証鍵を対応する特定の関連情報と関連付けてサーバ側記憶部41に記憶する。関連情報管理部45は、携帯端末4から特定の関連情報の提供要求を受信した場合に、携帯端末4に対して認証鍵の入力要求を送信する。関連情報管理部45は、認証鍵の入力要求に応じて携帯端末4から正しい認証鍵を受信しなかった場合には、関連情報の報知を制限し、携帯端末4に対してその旨を報知する。一方、関連情報管理部45は、携帯端末4から正しい認証鍵を受信した場合には、上記と同様に関連情報を携帯端末4に対して報知してよい。
【0102】
第2変形例では、作業車両2は、表示装置22によって表示される所定の認証鍵開示画面を表示部として、関連情報を取得するための認証鍵を表示する。また、作業車両2は、キャビン21内の運転席付近に常備することが義務付けられているサービスマニュアルや取扱説明書を表示部として、関連情報を取得するための認証鍵を表示する。あるいは、管理者等の特定の作業者の保有する携帯端末4において表示装置54によって表示される所定の認証鍵開示画面や、作業車両2において表示装置22によって表示される所定の認証鍵開示画面を表示部として、関連情報を取得するための認証鍵を表示してもよい。
【0103】
このように、第1変形例の情報報知システム1によれば、作業車両2の関連情報を取得するための認証鍵を表示する表示部を更に備える。
【0104】
これにより、認証鍵を知得できない作業者に対して、関連情報の報知を制限することができる。
【0105】
上記した実施形態では、作業車両2が油圧ショベル等の建設機械で構成される例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の実施形態では、作業車両2は、ローダやキャリア等の他の建設機械で構成されてもよく、あるいは、トラクタやコンバイン、田植機等の農業機械で構成されてもよい。
【0106】
なお、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報報知システム、情報報知方法及び情報報知プログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【0107】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0108】
<付記1>
作業車両の情報報知システムであって、
前記作業車両の関連情報を記憶する記憶部と、
前記作業車両に配置され、前記関連情報に対応する識別標示と、
前記識別標示から前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取部と、
読み取った前記所在情報を用いて前記関連情報を取得する取得部と、
取得した前記関連情報を報知する報知部と、
を備えることを特徴とする情報報知システム。
【0109】
<付記2>
前記作業車両には、所定の取扱標示が配置され、
前記識別標示は、前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報の前記所在情報を有し、前記所定の取扱標示と共に前記作業車両に配置され、
前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報は、前記作業車両の取扱方法を含む
ことを特徴とする付記1に記載の情報報知システム。
【0110】
<付記3>
前記識別標示は、前記作業車両の銘板情報の簡易情報を記載した銘板と共に配置され、
前記関連情報は、前記銘板情報の前記簡易情報及び詳細情報を含む、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報報知システム。
【0111】
<付記4>
前記関連情報は、前記作業車両のメンテナンス情報を含む、
ことを特徴とする付記1~3の何れかに記載の情報報知システム。
【0112】
<付記5>
前記メンテナンス情報を検出する情報検出部と、
前記メンテナンス情報を前記記憶部に送信する通信部と、を更に備える
ことを特徴とする付記4に記載の情報報知システム。
【0113】
<付記6>
前記関連情報は、前記作業車両の設定方法を示す設定情報を含む、
ことを特徴とする付記1~5の何れかに記載の情報報知システム。
【0114】
<付記7>
前記作業車両には、前記識別標示として、操作装置の前記関連情報に対応する第1識別標示と、作業機の前記関連情報に対応する第2識別標示とが配置される
ことを特徴とする付記1~6の何れかに記載の情報報知システム。
【0115】
<付記8>
前記第1識別標示に係る前記操作装置の前記関連情報は、前記第2識別標示に係る前記作業機の前記関連情報よりも秘匿度が高い
ことを特徴とする付記7に記載の情報報知システム。
【0116】
<付記9>
前記関連情報の前記秘匿度を設定する秘匿度設定部を更に備え、
前記記憶部は、前記関連情報を前記秘匿度が設定された状態で記憶する、
ことを特徴とする付記8に記載の情報報知システム。
【0117】
<付記10>
前記作業車両の前記関連情報を取得するための認証鍵を表示する表示部を更に備える
ことを特徴とする付記1~9の何れかに記載の情報報知システム。
【0118】
<付記11>
作業車両の情報報知方法であって、
前記作業車両の関連情報を記憶する記憶工程と、
前記作業車両に配置されていて前記関連情報に対応する識別標示から、前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、
読み取った前記所在情報を用いて前記関連情報を取得する取得工程と、
取得した前記関連情報を報知する報知工程と、
を有することを特徴とする情報報知方法。
【0119】
<付記12>
前記作業車両には、所定の取扱標示が配置され、
前記識別標示は、前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報の前記所在情報を有し、前記所定の取扱標示と共に前記作業車両に配置され、
前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報は、前記作業車両の取扱方法を含む
ことを特徴とする付記11に記載の情報報知方法。
【0120】
<付記13>
前記識別標示は、前記作業車両の銘板情報の簡易情報を記載した銘板と共に配置され、
前記関連情報は、前記銘板情報の前記簡易情報及び詳細情報を含む、
ことを特徴とする付記11又は12に記載の情報報知方法。
【0121】
<付記14>
前記関連情報は、前記作業車両のメンテナンス情報を含む、
ことを特徴とする付記11~13の何れかに記載の情報報知方法。
【0122】
<付記15>
前記メンテナンス情報を検出する情報検出工程と、
前記メンテナンス情報を前記記憶部に送信する通信工程と、を更に有する
ことを特徴とする付記14に記載の情報報知方法。
【0123】
<付記16>
前記関連情報は、前記作業車両の設定方法を示す設定情報を含む、
ことを特徴とする付記11~15の何れかに記載の情報報知方法。
【0124】
<付記17>
前記作業車両には、前記識別標示として、操作装置の前記関連情報に対応する第1識別標示と、作業機の前記関連情報に対応する第2識別標示とが配置される
ことを特徴とする付記11~16の何れかに記載の情報報知方法。
【0125】
<付記18>
前記第1識別標示に係る前記操作装置の前記関連情報は、前記第2識別標示に係る前記作業機の前記関連情報よりも秘匿度が高い
ことを特徴とする付記17に記載の情報報知方法。
【0126】
<付記19>
前記関連情報の前記秘匿度を設定する秘匿度設定工程を更に有し、
前記記憶工程は、前記関連情報を前記秘匿度が設定された状態で記憶する、
ことを特徴とする付記8に記載の情報報知方法。
【0127】
<付記20>
前記作業車両の前記関連情報を取得するための認証鍵を表示する表示工程を更に有する
ことを特徴とする付記11~19の何れかに記載の情報報知方法。
【0128】
<付記21>
作業車両の情報報知プログラムであって、
前記作業車両に配置されていて前記作業車両の関連情報に対応する識別標示から、前記関連情報の所在を示す所在情報を読み取る読取工程と、
読み取った前記所在情報を用いて所定の記憶部から前記関連情報を取得する取得工程と、
取得した前記関連情報を報知する報知工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報報知プログラム。
【0129】
<付記22>
前記作業車両には、所定の取扱標示が配置され、
前記識別標示は、前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報の前記所在情報を有し、前記所定の取扱標示と共に前記作業車両に配置され、
前記所定の取扱標示に関連する前記関連情報は、前記作業車両の取扱方法を含む
ことを特徴とする付記21に記載の情報報知プログラム。
【0130】
<付記23>
前記識別標示は、前記作業車両の銘板情報の簡易情報を記載した銘板と共に配置され、
前記関連情報は、前記銘板情報の前記簡易情報及び詳細情報を含む、
ことを特徴とする付記21又は22に記載の情報報知プログラム。
【0131】
<付記24>
前記関連情報は、前記作業車両のメンテナンス情報を含む、
ことを特徴とする付記21~23の何れかに記載の情報報知プログラム。
【0132】
<付記25>
前記関連情報は、前記作業車両の設定方法を示す設定情報を含む、
ことを特徴とする付記21~24の何れかに記載の情報報知プログラム。
【0133】
<付記26>
前記作業車両には、前記識別標示として、操作装置の前記関連情報に対応する第1識別標示と、作業機の前記関連情報に対応する第2識別標示とが配置される
ことを特徴とする付記21~25の何れかに記載の情報報知プログラム。
【0134】
<付記27>
前記第1識別標示に係る前記操作装置の前記関連情報は、前記第2識別標示に係る前記作業機の前記関連情報よりも秘匿度が高い
ことを特徴とする付記26に記載の情報報知プログラム。
【0135】
<付記28>
前記作業車両の前記関連情報を取得するための認証鍵が表示部に表示される
ことを特徴とする付記21~27の何れかに記載の情報報知プログラム。
【符号の説明】
【0136】
1 情報報知システム
2 作業車両
3 サーバ
4 携帯端末
13 作業機
22 表示装置
23 操作装置
28 識別標示
29 取扱標示
30 車両側制御部
31 車両側記憶部
32 車両側通信部
35 情報検出部
40 サーバ側制御部
41 サーバ側記憶部
42 サーバ側通信部
45 関連情報管理部
46 秘匿度設定部
50 端末側制御部
51 端末側記憶部
52 端末側通信部
53 読取装置
54 表示装置
55 読取部
56 取得部
57 報知部