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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104062
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
G01F3/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008077
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】田光 敏文
(72)【発明者】
【氏名】児玉 充
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE09
2F030CE13
(57)【要約】
【課題】通信機器をガスメータ筐体の下方から上方に向かって移動させて取り付けることができ、通信機器の取付時の作業性を向上させることができるガスメータを提供する。
【解決手段】ガスメータ1は、無線機9と、保持部20を有するガスメータ筐体2と、ガスメータ筐体2の正面2aの一部を覆う端子台カバー3とを備える。無線機9は、本体部40と、本体部40から上方へ向かって延び、保持部20に取り付けられる取付部41とを有する。取付部41の背面41bには、上下方向Zに沿って複数の突起部43が形成される。保持部20は、ガスメータ筐体2の正面2aの下部に形成され、複数の突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって受入可能なスナップフィット部21と、スナップフィット部21の上方に連続して形成される凹部24とを有する。端子台カバー3は、保持部20を覆うように構成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置との通信を行う通信機器と、
前記通信機器が取り付けられる保持部を有するガスメータ筐体と、
前記ガスメータ筐体の正面の一部を覆う筐体カバーと、を備え、
前記通信機器は、本体部と、前記本体部から上方へ向かって延び、前記保持部に取り付けられる取付部と、を有し、
前記取付部の背面には、上下方向に沿って複数の突起部が形成され、
前記保持部は、
前記ガスメータ筐体の正面の下部に形成され、複数の前記突起部を前記ガスメータ筐体の下方から上方に向かって受入可能なスナップフィット部と、
前記スナップフィット部の上方に連続して形成され、前記上下方向に沿って延びて前記スナップフィット部を通過した複数の前記突起部を収容する凹部と、を有し、
前記筐体カバーは、前記保持部を覆うように構成される、
ガスメータ。
【請求項2】
前記スナップフィット部は、複数の前記突起部を前記ガスメータ筐体の下方から上方に向かって受け入れ易くするために、下方に向かって広がる傾斜面部を有する、請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記筐体カバーの背面には、前記通信機器の前記取付部を前記ガスメータ筐体に対して保持するために、前記取付部の前方側に位置するリブが形成される、請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項4】
前記筐体カバーの背面に形成された前記リブは、前記上下方向に沿って延びる縦リブを有し、
複数の前記突起部は、前記縦リブの後方側で且つ前記縦リブの延在方向に沿うように配置される、
請求項3に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検針用メータ(ガスメータ)と接続する無線機に関する技術が開示されている。当該特許文献1に開示された無線機は、検針用メータから検針値を取得する有線通信インタフェース部と、ゲートウェイ装置を含んだメッシュ型の無線ネットワークを構成し、多段中継によりゲートウェイ装置と通信を行なう無線通信インタフェース部とを備える。このような無線機等の通信機器(外部端末)をガスメータに取り付ける場合には、一般的に、ガスメータ筐体の横側面にネジを用いて通信機器を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-46139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のようにガスメータ筐体の横側面に通信機器を取り付ける場合、通信機器の大きさに相当する分だけ隣接するガスメータ間の間隔を開ける必要があり、ガスメータの設置スペースによっては通信機器を設置できない場合がある。また、通信機器をガスメータ筐体の下面に取り付けることができるものも存在するが、通信機器の取付時の作業性に難があり、通信機器をガスメータ筐体に取り付ける構造に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、通信機器をガスメータ筐体の下方から上方に向かって移動させて取り付けることができ、通信機器の取付時の作業性を向上させることができるガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るガスメータは、外部装置との通信を行う通信機器と、通信機器が取り付けられる保持部を有するガスメータ筐体と、ガスメータ筐体の正面の一部を覆う筐体カバーと、を備え、通信機器は、本体部と、本体部から上方へ向かって延び、保持部に取り付けられる取付部と、を有し、取付部の背面には、上下方向に沿って複数の突起部が形成され、保持部は、ガスメータ筐体の正面の下部に形成され、複数の突起部をガスメータ筐体の下方から上方に向かって受入可能なスナップフィット部と、スナップフィット部の上方に連続して形成され、上下方向に沿って延びてスナップフィット部を通過した複数の突起部を収容する凹部と、を有し、筐体カバーは、保持部を覆うように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通信機器をガスメータ筐体の下方から上方に向かって移動させて取り付けることができ、通信機器の取付時の作業性を向上させることができるガスメータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るガスメータの一例を示す斜視図である。
図2】一実施形態に係るガスメータの一例を示す正面図である。
図3】一実施形態に係るガスメータの一例を示す右側面図である。
図4】一実施形態に係るガスメータの一例を示す左側面図である。
図5】一実施形態に係るガスメータの要部を拡大して示す一部透視正面図である。
図6】端子台カバーを背面側から見た要部拡大の斜視図である。
図7】ガスメータ筐体の保持部を拡大して示す正面図である。
図8図7のA-A線による断面図である。
図9】通信機器をガスメータ筐体の側面に取り付けた状態を示すガスメータの正面図である。
図10】通信機器をガスメータ筐体の側面から取り外した状態を示すガスメータの正面図である。
図11】通信機器をガスメータ筐体の保持部に取り付ける前の状態を示すガスメータの正面図である。
図12】通信機器をガスメータ筐体の保持部に取り付けている途中の状態を示すガスメータの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係るガスメータについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態に係るガスメータ1を正面側から見た斜視図であり、図2は、本実施形態に係るガスメータ1の正面図である。また、図3は、本実施形態に係るガスメータ1を手前側から見て右側から見た側面図であり、図4は、本実施形態に係るガスメータ1を手前側から見て左側から見た側面図である。さらに、図5は、ガスメータ筐体2の保持部20を含む要部を拡大して示すガスメータ1の一部透視正面図であり、図6は、端子台カバー3の背面3bに形成されたリブ30を含む要部を拡大して示す端子台カバー3の斜視図である。
【0011】
なお、図面において、矢印Xはガスメータ1及びガスメータ筐体2の幅方向(左右方向)を示し、矢印Yはガスメータ1及びガスメータ筐体2の奥行き方向(前後方向)を示し、矢印Zはガスメータ1及びガスメータ筐体2の高さ方向(上下方向)を示す。
【0012】
ガスメータ1は、ガスメータ筐体2と、端子台カバー3とを備えている。ガスメータ筐体2は、フロントカバー4と本体ケース5とにより略直方体の箱状の外形が構成されている。フロントカバー4は、ネジ6を用いて本体ケース5に固定されている。
【0013】
ガスメータ筐体2は、正面2aと、背面2bと、上面2cと、底面2dと、手前側から見て左側にある左側面2eと、手前側から見て右側にある右側面2fとを有して構成されている。ガスメータ1は、ガスメータ筐体2の正面2aが手前側を向き、ガスメータ筐体2の背面2bがガス使用者の住宅等側に向くようにして設置される。
【0014】
ガスメータ筐体2の上面2cには、ガス供給源側に至るガス配管が接続される流入口10と、ガス消費側に至るガス配管が接続される流出口11とが形成されている。ガスメータ筐体2の内部には、ガスが流れる流路(不図示)が形成されており、流入口10から流入したガスは、ガスメータ筐体2の内部に形成された流路を経て、流出口11から流出する。
【0015】
また、ガスメータ筐体2の正面2aには、ガス使用量等の情報を表示する表示部12と、リセットスイッチ13と、端子台14とが配置されている。さらに、ガスメータ筐体2の正面2aには、ネジ穴(不図示)が形成されており、端子台14を覆う端子台カバー3がネジ8を用いて固定される。
【0016】
また、ガスメータ筐体2の左側面2eには、外部装置との通信を行う無線機9等の通信機器を取り付けるためにボス部15が形成されている。このボス部15には、ネジ穴16が形成されており、無線機9をネジ17を用いて固定することができる(図9参照)。また、ボス部15には、後述する突起部43と係合する位置決め凹部18が形成されている。本実施形態では、ネジ穴16及び位置決め凹部18はそれぞれ、上下一対でガスメータ筐体2の左側面2eのボス部15に形成されている。また、これらのネジ穴16及び位置決め凹部18は、所定の規格に適合する所定のピッチで配置されている。このため、所定の規格に適合する他の通信機器をも、ガスメータ筐体2のボス部15に対して固定することが可能である。
【0017】
その一方、無線機9は、箱状の本体部40を有しており、この本体部40には、例えば、外部装置との通信を行う通信装置が内蔵されている。本体部40の上部には、本体部40から上方に向かって延びる板状の取付部41が配置されている。この取付部41は、正面41aと背面41bとを少なくとも有して構成されている。また、取付部41は、正面41aと背面41bとを貫通する貫通穴42を有し、取付部41の背面41bには、前述の位置決め凹部18と係合する突起部43が形成されている。
【0018】
本実施形態では、貫通穴42及び突起部43はそれぞれ、上下一対で取付部41の背面41bに形成されている。また、本実施形態では、突起部43は円柱状に形成されている。さらに、本実施形態では、取付部41には、上下方向Zの上側から順に、上側の貫通穴42と、上側の突起部43と、下側の貫通穴42と、下側の突起部43とが配置されている。さらにまた、これらの貫通穴42及び突起部43は、所定の規格に適合する所定のピッチで配置されている。このため、所定の規格に適合する他の通信機器をも、ガスメータ筐体2のボス部15に対して固定することが可能である。
【0019】
さらに、ガスメータ筐体2の正面2aの下部には、外部装置との通信を行う無線機9等の通信機器が取り付けられる保持部20を備えている。この保持部20に無線機9の取付部41が保持され、無線機9の本体部40がガスメータ1の下方に位置する。無線機9の本体部40と端子台14との間は、不図示の通信線により互いに接続される。
【0020】
そして、端子台カバー3は、後述するガスメータ筐体2の保持部20と無線機9の取付部41との係合部を覆うように構成されている。この端子台カバー3は、正面3aと、背面3bと、底面3dと、手前側から見て左側にある左側面3eと、手前側から見て右側にある右側面3fとを有して構成されている。また、端子台カバー3の背面3bには、無線機9の取付部41をガスメータ筐体2に対して保持するために手前側から押さえる抜け止めのためのリブ30が設けられている。このリブ30は、端子台カバー3をガスメータ筐体2に取り付けた状態において、無線機9の取付部41の手前側に位置している。
【0021】
端子台カバー3の背面3bに形成されたリブ30は、端子台カバー3自体の補強も兼ねている。また、リブ30は、ガスメータ筐体2の高さ方向(上下方向Z)に沿って延びる縦リブ31と、ガスメータ筐体2の幅方向(左右方向X)に沿って延びる複数の横リブ32,33,34とを有して構成されている。本実施形態では、複数の横リブ32,33,34は、ガスメータ筐体2の高さ方向(上下方向Z)に間隔をおいて配置されており、各横リブ32,33,34が、端子台カバー3の右側面3fの内側から左右方向Xの内側へ向かって延びている。
【0022】
これら複数の横リブ32,33,34のうち、上側の横リブ32及び中間の横リブ33は、縦リブ31と交差してさらに左右方向Xの内側へと延びている。その一方、下側の横リブ34は、縦リブ31と交差して延びてはおらず、他の横リブ32,33と比較して延在方向(左右方向X)の長さが短くなっている。下側の横リブ34が他の横リブ32,33と比較して延在方向(左右方向X)の長さが短いのは、仕様によっては無線機9の取付部41側に設けられ得るリブ(不図示)との干渉を避けるためである。
【0023】
本実施形態では、縦リブ31は、無線機9の取付部41の背面41bに設けられる上下一対の突起部43のピッチと平行に延びている。すなわち、縦リブ31が、端子台カバー3をガスメータ筐体2に取り付けた状態において、上下一対の突起部43の手前側に位置している。
【0024】
また、本実施形態では、上側の横リブ32と縦リブ31との交差部分の少なくとも一部は、上下一対の突起部43の内の上側の突起部43と正面視(透視図)において重なっている。すなわち、上側の横リブ32と縦リブ31との交差部分が、端子台カバー3をガスメータ筐体2に取り付けた状態において、上下一対の突起部43の内の上側の突起部43の手前側に位置している。
【0025】
さらに、本実施形態では、中間の横リブ33と縦リブ31との交差部分の少なくとも一部は、上下一対の貫通穴42の内の下側の貫通穴42と正面視(透視図)において重なっている。すなわち、下側の貫通穴42と縦リブ31との交差部分が、端子台カバー3をガスメータ筐体2に取り付けた状態において、上下一対の貫通穴42の内の下側の貫通穴42の手前側に位置している。
【0026】
図7は、ガスメータ筐体2の保持部20を拡大して示す正面図であり、図8は、図7のA-A線による断面図である。
【0027】
ガスメータ筐体2の正面2aの下部には、無線機9の取付部41の背面41bに設けられた上下一対の突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって受入可能なスナップフィット部21が形成されている。このスナップフィット部21は、上下一対の突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって受け入れ易くするために、下方に向かって広がる傾斜面部22を有している。具体的には、スナップフィット部21は、左右一対の弾性片部23を有している。これらの弾性片部23はそれぞれ、スナップフィット部21の側壁部21aから左右方向Xの内側に突出する内側突出部23aと、内側突出部23aの先端から上方に突出する上側突出部23bとを有して構成されている。スナップフィット部21は、上側突出部23bの先端における左右方向Xの内側部分に形成された凸部23cをさらに有しており、本実施形態では、凸部23cの下面に、前述の傾斜面部22が形成されている。
【0028】
また、ガスメータ筐体2の正面2aの下部には、スナップフィット部21の上方に連続して、ガスメータ筐体2の高さ方向(上下方向Z)に沿って延びてスナップフィット部21を通過した複数の突起部43を収容する凹部24が形成されている。この凹部24は、左右一対の側壁部24aと、前後方向Yの奥側において左右一対の側壁部24aを連結している底壁部24bと、上下方向Zの上側において左右一対の側壁部24aを連結している天壁部24cとを有して構成されている。本実施形態では、天壁部24cは、無線機9の取付部41の背面41bに設けられた突起部43の外形に合わせて、正面視において上方に凸となるように湾曲する湾曲形状に形成されている。さらにまた、凹部24の上下方向Zに対する長さ(凹部24の天壁部24cとスナップフィット部21との間の間隔)は、所定の規格に適合する所定のピッチで配置されている複数の突起部43を収容できるように設定されている。このため、所定の規格に適合する他の通信機器をも、ガスメータ筐体2の保持部20に装着することが可能である。
【0029】
さらに、ガスメータ筐体2の正面2aの下部には、無線機9の取付部41に設けられた上下一対の貫通穴42の内の上側の貫通穴42に対応させて、ナット収容部25が形成されており、このナット収容部25には、ネジ固定用ナット26が予め収容されている。このため、端子台カバー3をガスメータ筐体2から取り外した際には、図示しないネジを前述の上側の貫通穴42に挿通させてネジ固定用ナット26に締結することにより、無線機9の取付部41をガスメータ筐体2に対して固定することもできる。
【0030】
図9は、無線機9をガスメータ筐体2の左側面2eのボス部15に取り付けた状態を示すガスメータ1の正面図であり、図10は、無線機9をガスメータ筐体2の左側面2eのボス部15から取り外した状態を示すガスメータ1の正面図である。また、図11は、無線機9をガスメータ筐体2の保持部20に取り付ける前の状態を示すガスメータ1の正面図であり、図12は、無線機9をガスメータ筐体2の保持部20に取り付けている途中の状態を示すガスメータ1の正面図である。
【0031】
出荷時及び輸送時等の初期状態では、図9に示すように、無線機9は、ネジ17を用いてガスメータ筐体2の左側面2eのボス部15に固定されている。
【0032】
無線機9をガスメータ筐体2の正面2aの下部に設けられた保持部20に取り付ける際には、図10に示すように、先ず、ネジ17の締結を解除して無線機9をガスメータ筐体2の左側面2eのボス部15から取り外す。
【0033】
次いで、端子台カバー3がガスメータ筐体2に取り付けられた状態で、無線機9をガスメータ筐体2の保持部20に取り付ける。具体的には、図11に示すように、無線機9をガスメータ筐体2の保持部20の下方に位置させ、さらに、図12に示すように、無線機9の取付部41をガスメータ筐体2の保持部20の下方から上方に向かって挿入する。
【0034】
すなわち、無線機9の取付部41の背面41bに設けられた上下一対の突起部43をスナップフィット部21(左右一対の弾性片部23の間)を通過させて、スナップフィット部21の上方に連続させて形成された凹部24に収容する。上下一対の突起部43がスナップフィット部21を通過すると、下側の突起部43がスナップフィット部21に引っ掛かり、下側の突起部43の下方への移動がスナップフィット部21によって制限される。また、端子台カバー3がガスメータ筐体2に取り付けられていることにより、無線機9の取付部41がガスメータ筐体2の手前側に移動することが制限され、無線機9の取付部41がガスメータ筐体2の保持部20と端子台カバー3のリブ30との間で保持される。さらに、無線機9の固定の万全を期す場合には、端子台カバー3をガスメータ筐体2から一旦取り外して、図示しないネジをネジ固定用ナット26に締結することにより、無線機9の取付部41をガスメータ筐体2に対して固定することもできる。
【0035】
無線機9をガスメータ筐体2の保持部20から取り外す際には、先ず、ガスメータ筐体2から端子台カバー3を取り外す。次いで、無線機9の取付部41をガスメータ筐体2の保持部20に対して相対的に手前に移動させ、無線機9の取付部41とガスメータ筐体2の保持部20との係合を解除して、無線機9の取付部41を取り外す。
【0036】
次に、ガスメータ1の作用効果について説明する。
【0037】
本実施形態の第一の態様に係るガスメータ1は、外部装置との通信を行う通信機器(無線機9)と、通信機器(無線機9)が取り付けられる保持部20を有するガスメータ筐体2と、ガスメータ筐体2の正面2aの一部を覆う筐体カバー(端子台カバー3)を備える。通信機器(無線機9)は、本体部40と、本体部40から上方へ向かって延び、保持部20に取り付けられる取付部41とを有する。取付部41の背面41bには、上下方向Zに沿って複数の突起部43が形成される。保持部20は、ガスメータ筐体2の正面2aの下部に形成され、複数の突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって受入可能なスナップフィット部21を有する。また、保持部20は、スナップフィット部21の上方に連続して形成され、上下方向Zに沿って延びてスナップフィット部21を通過した複数の突起部43を収容する凹部24を有する。筐体カバー(端子台カバー3)は、保持部20を覆うように構成される。
【0038】
ガスメータ筐体2の正面2aの下部には、突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって受入可能なスナップフィット部21が形成され、このスナップフィット部21の上方に連続して、上下方向Zに沿って延びる凹部24が形成されている。無線機9の取付部41には、上下方向Zに沿って複数の突起部43が設けられており、無線機9の取付部41をガスメータ筐体2の保持部20の下方から上方に向かって挿入すると、複数の突起部43がスナップフィット部21を通過して凹部24に収容される。前述の突起部43が上下方向Zに間隔をおいて複数設けられていることにより、無線機9の取付部41がガスメータ筐体2に対して左右方向Xに揺れ動くことを抑制することができる。
【0039】
また、仮に下側の突起部43がスナップフィット部21から下方に抜け落ちても、上側の突起部43のスナップフィット部21に引っ掛かり得るため、無線機9の取付部41の全体がスナップフィット部21から下方に脱落することを抑制することができる。さらに、ガスメータ筐体2の保持部20が端子台カバー3によって覆われているため、複数の突起部43が凹部24に収容された状態において、無線機9の取付部41がガスメータ筐体2の手前側に移動して保持部20から脱落することを抑制することができる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、無線機9をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって移動させて取り付けることができ、無線機9の取付時の作業性を向上させることができるガスメータ1を提供することができる。
【0041】
本実施形態の第二の態様に係るガスメータ1において、スナップフィット部21は、複数の突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって受け入れ易くするために、下方に向かって広がる傾斜面部22を有する。
【0042】
スナップフィット部21が下方に向かって広がる傾斜面部22を有することにより、無線機9の取付部41に設けた複数の突起部43をガスメータ筐体2の下方から上方に向かって挿入し易くすることができる。
【0043】
本実施形態の第三の態様に係るガスメータ1において、筐体カバー(端子台カバー3)の背面3bには、通信機器(無線機9)の取付部41をガスメータ筐体2に対して保持するために、取付部41の前方側(手前側)に位置するリブ30が形成される。
【0044】
端子台カバー3が無線機9の取付部41の手前側に位置するリブ30を有することにより、取付部41がガスメータ筐体2の手前側に移動することが抑制され、無線機9をガスメータ筐体2に対して保持することができる。
【0045】
本実施形態の第四の態様に係るガスメータ1において、筐体カバー(端子台カバー3)の背面3bに形成されたリブ30は、上下方向Zに沿って延びる縦リブ31を有する。複数の突起部43は、縦リブ31の後方側(奥側)で且つ縦リブ31の延在方向に沿うように配置される。
【0046】
縦リブ31が無線機9の取付部41に設けた複数の突起部43の手前側に配置されていることにより、複数の突起部43が手前側に移動して凹部24から抜け落ちることを効果的に抑制することができ、無線機9をガスメータ筐体2に対して保持することができる。
【0047】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ガスメータ
2 ガスメータ筐体
2a 正面
3 端子台カバー
3b 背面
9 無線機
14 端子台
20 保持部
21 スナップフィット部
22 傾斜面部
24 凹部
30 リブ
31 縦リブ
40 本体部
41 取付部
43 突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12