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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104065
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】蓋および包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240726BHJP
   B65D 17/50 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B65D77/20 H
B65D17/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008081
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】重原 遼
【テーマコード(参考)】
3E067
3E093
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA05
3E067AB01
3E067AB23
3E067BA04A
3E067BA07A
3E067BB11A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA11
3E067EA15
3E067EA32
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E093AA04
3E093BB13
3E093DD03
(57)【要約】
【課題】筒状の容器において天面を覆って密封された蓋を開封する際に、内容物の粉体の飛散を抑制することが可能な蓋を提供すること。
【解決手段】筒状の容器の、円形の天面を覆うことのできる蓋であって、蓋はプラスチック製であって、天面の円形の開口部を覆って容器を密封することが可能であり、蓋には、開封する際に手指で持つことのできるつまみと、つまみによる蓋の開封方向に交差する方向の溝が設けられていることを特徴とする、蓋である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の容器本体の、開口部を覆うことのできる蓋であって、
蓋はプラスチック製であって、前記開口部を覆って容器本体を密封することが可能であり、
蓋には、開封する際に手指で持つことのできるつまみと、蓋の開封方向に交差する方向に延びる溝が設けられていることを特徴とする、蓋。
【請求項2】
前記溝は蓋の上面側に設けられており、下面側は平坦であることを特徴とする、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記溝は複数設けられており、前記開封方向に対して垂直に交差する直線又は曲線であることを特徴とする、請求項1に記載の蓋。
【請求項4】
前記溝は前記つまみに隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/8以上の範囲に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の蓋。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の蓋と、筒状であり開口部を有する容器本体と、前記蓋の外側に配置されて前記蓋を覆う金属製またはプラスチック製の外蓋とを有する、包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋に係わるものである。特に粉体を内容物として密封した蓋に関して、開封時に粉体の飛散を抑制することが可能な蓋及びそれを用いた包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に容器本体に粉体を収容し、内蓋と外蓋を有する容器が知られている。特許文献1にはフィルム状の内蓋の端部に穴をあけた容器が開示され、容器内の過剰圧力を排出することができるため、開封時の内容物の粉体の飛散を防ぐことができるとされている。しかしながら、密封性において不十分なものとなる恐れがあった。
【0003】
現在多く採用されている容器は天面及び底面がフラットな形状のものであり、内蓋が挟み込み構造を有し、容器を密閉しているものである。
【0004】
しかしながら、内蓋によって密封性を確保しようとすれば、開封時の内容物の粉体の飛散は避けられず、解決策が求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2015-501768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、筒状の容器において天面を覆って密封された蓋を開封する際に、内容物の粉体の飛散を抑制することが可能な蓋及びそれを用いた包装容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
筒状の容器本体の、開口部を覆うことのできる蓋であって、
蓋はプラスチック製であって、前記開口部を覆って容器本体を密封することが可能であり、
蓋には、開封する際に手指で持つことのできるつまみと、蓋の開封方向に交差する方向に延びる溝が設けられていることを特徴とする、蓋である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、
前記溝は蓋の上面側に設けられており、下面側は平坦であることを特徴とする、請求項1に記載の蓋である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、
前記溝は複数設けられており、前記開封方向に対して垂直に交差する直線又は曲線であることを特徴とする、請求項1に記載の蓋である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、
前記溝は前記つまみに隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/8以上の範囲に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の蓋である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載の蓋と、筒状であり開口部を有する容器本体と、前記蓋の外側に配置されて前記蓋を覆う金属製またはプラスチック製の外蓋とを有する、包装容器である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、筒状の容器において天面を覆って密封された蓋を開封する際に、内容物の粉体の飛散を抑制することが可能な蓋を提供することが可能である。
【0013】
蓋はプラスチック製であることによって、天面の円形の開口部を覆って容器を密封することが可能な形状やつまみ部を容易に形成することができ、また本発明がその特徴の一つとする、蓋の開封方向に交差する方向の溝を形成することも容易に可能である。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、溝は蓋の上面側に設けられており、下面側は平坦であることによって、内容物の粉体が溝に付着したり入り込んだりすることをなくすことが可能であるため、より使い勝手の良い容器とすることができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、溝は複数設けられており、前記開封方向に対して垂直に交差する直線又は曲線であることによって、開封が段階的かつ円滑に行われ、内容物の粉体の飛び散りの抑制により効果的である。
【0016】
また、請求項4に記載の発明によれば、溝はつまみに隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/8以上の範囲に設けられていることによって、開封が段階的かつ円滑に行われ、内容物の粉体の飛び散りの抑制により効果的である。
【0017】
また、請求項5に記載の発明によれば、蓋は、その外側に金属製またはプラスチック製の外蓋が更に配置されて、容器を覆っていることによって、開封後においても容器の密封性を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、蓋が装着された状態の容器の斜視模式図である。
図2図2は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、開封前の包装容器と蓋のつまみ部を含んで開封方向に切った部分断面模式図である。
図3図3は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、開封中の包装容器と蓋のつまみ部を含んで開封方向に切った部分断面模式図である。
図4図4は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
図5図5は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
図6図6は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
図7図7は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
図8図8は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
図9図9は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
図10図10は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、蓋の平面模式図である。
図11図11は、本発明に係る蓋の他の実施態様を説明するための、蓋の平面模式図である。
図12図12は、本発明に係る蓋の実施例において、比較例1を説明するための蓋の平面模式図である。
図13図13は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例1を説明するための蓋の平面模式図である。
図14図14は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例2を説明するための蓋の平面模式図である。
図15図15は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例3を説明するための蓋の平面模式図である。
図16図16は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例4を説明するための蓋の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図1~16を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0020】
図1は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、蓋が装着された状態の容器の斜視模式図である。
【0021】
本発明は、筒状の容器本体(100)の、円形の天面を覆うことのできる蓋(10)であって、この蓋(10)はプラスチック製であり、容器本体(100)天面の円形の開口部を覆って、容器本体(100)を密封することが可能である。
【0022】
蓋(10)には、開封する際に手指で持つことのできるつまみ(11)と、つまみ(11)をつまんで蓋が開封される方向である開封方向(20)に交差する方向の溝(12)が設けられている。開封方向(20)はつまみ(11)の中央と蓋(10)の中心を結ぶ直線方向と言い換えることもできる。図1に示す例において、溝(12)は、蓋(10)のほぼ全面にわたって設けられている。
【0023】
図2は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、開封前の包装容器と蓋のつまみ部を含んで開封方向に切った部分断面模式図である。
【0024】
容器本体(100)はその内部に、内容物(30)を収納することができ、内容物(30)は、例えば粉体とすることができる。また容器本体(100)は天部に円形の開口部を有し、開口部は蓋(10)で覆われ、容器本体(100)は密封されている。
【0025】
開封は、蓋(10)に連続してその一部である、つまみ(11)を手指で把持するなどして、開封方向(20)に引っ張り、蓋(10)を容器本体(100)本体の円形の開口部から引きはがす形で行うことができる。
【0026】
蓋(10)には、溝(12)が設けられており、図2に示す例では、蓋(10)の上面側に複数設けられている。溝(12)が設けられていることにより、蓋(10)を開封する際に、溝(12)が起点となって蓋(10)が柔軟に湾曲する。これによって、開封は小刻みに、かつ連続的に行うことができる。
【0027】
例えば容器本体(100)の蓋を一気に開封して開口部を形成する場合には、容器本体(100)内部への空気の流入、それに伴う内容物(30)の飛散が発生する。
【0028】
発明者は、本発明を鋭意検討する過程において、飛散の原因となる開封による空気の流れに注目し、開封を小刻みにかつ連続的に行うことで、空気の流れが緩やかになり飛散を抑制することができることを見出した。
【0029】
溝(12)は、蓋(10)の表裏いずれにも設けることができるが、特に上面側のみに設ける場合には、下面側は平坦であるために、例えば内容物(30)が粉体である場合などには、溝(12)に内容物(30)の粉末が、付着したり入り込んだりすることを避けることが可能であり、使い勝手の点でより好ましい。
【0030】
図3は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、開封中の包装容器と蓋のつまみ部を含んで開封方向に切った部分断面模式図である。
【0031】
前述のように、本発明による容器本体(100)の蓋(10)は、その一部であるつまみ(11)を手指(40)で把持するなどして、開封方向(20)斜め上に引っ張り、蓋(10)を容器本体(100)の円形の開口部(21)から引きはがす形で行うことができる。
【0032】
蓋(10)には、溝(12)が設けられており、この溝(12)によって、開封は溝(12)を起点に湾曲し、一気に開封が行われることを防止する。すなわち開口部(21)が一度に大きく開いて外部の空気が瞬間的に容器本体(100)内部に流れ込んで、気流の乱れを誘発し、例えば内容物(30)が粉体であれば、その粉体の飛散を抑制することができる。
【0033】
特に溝(12)が複数設けられている場合には、開封は小刻みかつ連続的に行うことが可能である。図3に示す例では、その様子が示されている。
【0034】
また、溝(12)は開封方向(20)に対して垂直に交差する直線又は曲線とすることができる。図1に示す例では、溝(12)は複数設けられた直線の例である。
【0035】
なお、蓋(10)の表面に溝(12)を形成する方法については、特段の限定を加えるものではない。例えばプラスチックの成形品として溝(12)を形成するのでもよく、機械的に溝(12)を刻んで形成するのでもよい。
【0036】
図4は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
【0037】
図4で示す例は、溝(12)の断面形状が半円形の例である。
【0038】
図5は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
【0039】
図5で示す例は、溝(12)の断面形状が、長方形の例である。
【0040】
図6は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
【0041】
図6で示す例は、溝(12)の断面形状が丸みを帯びた、くさび型の形状の例である。
【0042】
図7は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
【0043】
図7で示す例は、溝(12)の断面形状が丸みを帯びた四角形の形状の例である。
【0044】
図8は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
【0045】
図8で示す例は、溝(12)の断面形状が台形の形状の例である。
【0046】
図9は、本発明に係る蓋の一実施態様において、蓋に設けられた溝の形状の例を説明するための部分断面模式図である。
【0047】
図9で示す例は、溝(12)の断面形状が三角形の形状の例である。
【0048】
図10は、本発明に係る蓋の一実施態様を説明するための、蓋の平面模式図である。
【0049】
本発明による容器本体(100)の蓋(10)において、蓋(10)には、開封する際に手指で持つことのできるつまみ(11)と、つまみ(11)による蓋(10)の開封方向(20)に交差する方向の直線状の溝(12)が設けられている。
【0050】
発明者は本発明を鋭意検討する過程で、溝(12)を設ける範囲が蓋(10)の面積全体の1/8以上であれば、筒状の容器本体(100)において開口部(21)を覆って密封された蓋(10)を開封する際に、内容物の粉体の飛散を抑制することにより効果的であることを見出した。
【0051】
すなわち、溝(12)は複数設けることが可能であり、溝(12)を設ける領域に関しては、つまみ(11)部分と隣接する範囲であり、蓋(10)の面積全体の1/8以上の範囲に設けることができる。この範囲であれば、開封時の粉体の飛散抑制により効果的である。図10に示す例においては蓋(10)の全体面積の1/2に設けられている例である。
【0052】
また、図10に示す例において、蓋(10)の開封方向(20)に交差する方向の溝は、5本の直線であり、交差は直角に交差する例である。
【0053】
図11は、本発明に係る蓋の他の実施態様を説明するための、蓋の平面模式図である。
【0054】
この実施形態においては、蓋(10)の上面には、開封方向(20)に交差し開封方向に向かって突出するように湾曲した形状の6本の溝(12)が設けられている。溝(12)が湾曲していることにより、開封の際に蓋(10)が開封方向(20)とはずれた角度に開封される際にも、同様に飛散抑制の効果が得られやすい。
【0055】
以上説明したように、本発明による容器本体(100)の蓋(10)において、蓋(10)には、開封する際に手指で持つことのできるつまみ(11)と、つまみに(11)よる蓋(10)の開封方向(20)に交差する方向の溝(12)が設けられている。
【0056】
また、本発明による容器本体(100)の蓋(10)は、その外側に金属製またはプラスチック製の外蓋が更に配置されて、容器を覆うことができる。
【0057】
外蓋が容器を覆っていることによって、蓋(10)を外部からの衝撃から保護することができる。
【0058】
このようにして、本発明によれば、筒状の容器において開口部(21)を覆って密封された蓋(10)を開封する際に、内容物(30)の粉体の飛散を抑制することが可能な蓋を提供することが可能である。
【実施例0059】
以下本発明について、実施例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。
【0060】
実施例1~4、および比較例1の容器の蓋を作成し、蓋を開封して、内容物の粉体の飛散を確認した。開封試験は一例あたり10回行い、開封による飛散の有無を目視確認した。内容物としては、抹茶粉末を容器に封入した。
【0061】
実施例としてつまみ部分に隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/2~1/16の範囲に溝を設けたものを作成し、比較例として溝を設けないものを作成した。
【0062】
<比較例1>
図12は、本発明に係る蓋の実施例において、比較例1を説明するための蓋の平面模式図である。
すなわち、蓋には溝は設けられていない例であり、本発明による規定を逸脱するものである。
【0063】
<実施例1>
図13は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例1を説明するための蓋の平面模式図である。
すなわち、蓋には1本の開封方向に直交する直線状の溝が設けられており、溝からつまみ側の面積は、つまみ部分に隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/16である。
【0064】
<実施例2>
図14は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例2を説明するための蓋の平面模式図である。
すなわち、蓋には2本の開封方向に直交する直線状の溝が設けられており、溝からつまみ側の面積は、つまみ部分に隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/8である。
【0065】
<実施例3>
図15は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例3を説明するための蓋の平面模式図である。
すなわち、蓋には3本の開封方向に直交する直線状の溝が設けられており、溝からつまみ側の面積は、つまみ部分に隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/4である。
<実施例4>
図16は、本発明に係る蓋の実施例において、実施例4を説明するための蓋の平面模式図である。
すなわち、蓋には4本の開封方向に直交する直線状の溝が設けられており、溝からつまみ側の面積は、つまみ部分に隣接する範囲であり、蓋の面積全体の1/2である。
【0066】
開封試験の評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示す結果から明らかなように、本発明による蓋は、内容物の粉体の飛散抑制に関して明らかに優位である。すなわち本発明に規定する範囲を逸脱し、蓋に溝を設けない比
較例1が、10回中8回で内容物の粉体に飛散が見られたのに対し、実施例1~実施例4においてはいずれも飛散が見られた回数が減少している。
【0069】
特に溝の範囲が、蓋全体の1/8以上である、実施例2、3及び4においては10回中、飛散が見られた個数は2回以下にとどまり効果が顕著である。
【0070】
中でも特に、溝の範囲が、蓋全体の1/2である、実施例4においては10回中、飛散が見られた個数は0回であり飛散を完全に抑えることができた。
【0071】
このようにして、筒状の容器において天面を覆って密封された蓋を開封する際に、内容物の粉体の飛散を抑制することが可能な蓋及びそれを用いた包装容器を提供することが可能であることを検証することができた。
【符号の説明】
【0072】
10・・・蓋
11・・・つまみ
12・・・溝
20・・・開封方向
21・・・開口部
30・・・内容物
40・・・手指
100・・・容器本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16