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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104071
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】撮像装置及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008091
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 龍太郎
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118DD04
4M118DD12
4M118FA06
4M118FA33
4M118GA02
4M118HA30
4M118HA31
(57)【要約】
【課題】樹脂にクラックや剥がれが発生することを避けることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】複数の撮像素子からなる画素アレイ部を有する第1の基板と、前記画素アレイ部と隣り合うように前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う遮光樹脂とを備え、前記遮光樹脂は、前記第2の基板の表面の前記画素アレイ部側の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆う、撮像装置を提供する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像素子からなる画素アレイ部を有する第1の基板と、
前記画素アレイ部と隣り合うように前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、
前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う遮光樹脂と、
を備え、
前記遮光樹脂は、前記第2の基板の表面の前記画素アレイ部側の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆い、
前記第1の領域は、
前記第2の基板の前記画素アレイ部と向かい合う第1の辺と、前記第2の基板の、前記第1の辺を挟み込む一対の第2の辺と、前記第1の辺から第1の距離だけ離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第1の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第2の領域は、
前記第1の辺と、前記一対の第2の辺を延長した一対の延長線と、前記第1の辺から第2の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第2の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記各第3の領域は、
前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線と、前記第2の辺及び前記延長線と、前記第2の辺及び前記延長線から第3の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第2の辺に対して平行に延伸する第3の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第1の距離は、前記第1の辺の長さの0.80%以上であり、
前記第2の距離は、前記第2の辺の長さの17%以上であり、
前記第3の距離は、100μm以上である、
撮像装置。
【請求項2】
前記遮光樹脂は、前記第2の基板の、前記第1の辺に沿って延伸する前記側面を覆う、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記遮光樹脂は、前記第2の基板の、前記第2の辺に沿って延伸する前記側面の、前記画素アレイ部側の領域を覆う、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
遮光樹脂は、エポキシ樹脂、シリカ、カーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の基板は、シリコン基板である、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2の基板の前記第1の辺は、矩形状の前記画素アレイ部の、前記第2の基板と向かい合う第3の辺よりも短い、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2の基板は、ロジック回路を含む、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2の基板は、前記撮像素子を駆動する画素トランジスタを含む、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
複数の前記第2の基板を備える、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第2の基板は、複数の半導体チップの積層構造からなる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2の基板の上面の一部は、前記遮光樹脂で覆われていない、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第2の基板の上面の全体は、前記遮光樹脂で覆われている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第2の基板は、前記第1の基板に接続端子を介してフリップチップ接合されている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第1の基板と前記第2の基板との間に、前記接続端子を保護するアンダーフィル樹脂をさらに備える、請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
第1の基板と、
前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、
前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う樹脂と、
を備え、
前記樹脂は、前記第2の基板の表面の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆い、
前記第1の領域は、
前記第2の基板の第1の辺と、前記第2の基板の、前記第1の辺を挟み込む一対の第2の辺と、前記第1の辺から第1の距離だけ離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第1の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第2の領域は、
前記第1の辺と、前記一対の第2の辺を延長した一対の延長線と、前記第1の辺から第2の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第2の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記各第3の領域は、
前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線と、前記第2の辺及び前記延長線と、前記第2の辺及び前記延長線から第3の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第2の辺に対して平行に延伸する第3の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第1の距離は、前記第1の辺の長さの0.80%以上であり、
前記第2の距離は、前記第2の辺の長さの17%以上であり、
前記第3の距離は、100μm以上である、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バンプを介して、チップとウェハ、もしくは、チップ同士を電気的、且つ、物理的に接続するフリップチップ実装技術が知られている。フリップチップ実装技術は、半導体装置の高密度化、小型化等に適した技術である。そして、下記の特許文献1においては、このようなフリップチップ実装技術を撮像装置に適用する技術の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/050119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の撮像装置では、積層されたチップで反射された反射光による、当該チップの下方に位置する基板に搭載されたセンサに対する悪影響を防止することを目的として、チップの上面と側面とを樹脂で覆う構造が採用されている。このような撮像装置に対して、実装や使用過程で想定される熱ストレスに対する耐性を確認するために、温度サイクル試験を行ったところ、樹脂にクラックや剥がれが生じる可能性があることが分かった。
【0005】
そこで、本開示では、樹脂にクラックや剥がれが発生することを避けることができる、撮像装置及び半導体装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、複数の撮像素子からなる画素アレイ部を有する第1の基板と、前記画素アレイ部と隣り合うように前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う遮光樹脂とを備え、前記遮光樹脂は、前記第2の基板の表面の前記画素アレイ部側の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆い、前記第1の領域は、前記第2の基板の前記画素アレイ部と向かい合う第1の辺と、前記第2の基板の、前記第1の辺を挟み込む一対の第2の辺と、前記第1の辺から第1の距離だけ離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第1の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、前記第2の領域は、前記第1の辺と、前記一対の第2の辺を延長した一対の延長線と、前記第1の辺から第2の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第2の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、前記各第3の領域は、前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線と、前記第2の辺及び前記延長線と、前記第2の辺及び前記延長線から第3の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第2の辺に対して平行に延伸する第3の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、前記第1の距離は、前記第1の辺の長さの0.80%以上であり、前記第2の距離は、前記第2の辺の長さの17%以上であり、前記第3の距離は、100μm以上である、撮像装置が提供される。
【0007】
さらに、本開示によれば、第1の基板と、前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う樹脂とを備え、前記樹脂は、前記第2の基板の表面の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆い、前記第1の領域は、前記第2の基板の第1の辺と、前記第2の基板の、前記第1の辺を挟み込む一対の第2の辺と、前記第1の辺から第1の距離だけ離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第1の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、前記第2の領域は、前記第1の辺と、前記一対の第2の辺を延長した一対の延長線と、前記第1の辺から第2の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第2の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、前記各第3の領域は、前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線と、前記第2の辺及び前記延長線と、前記第2の辺及び前記延長線から第3の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第2の辺に対して平行に延伸する第3の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、前記第1の距離は、前記第1の辺の長さの0.80%以上であり、前記第2の距離は、前記第2の辺の長さの17%以上であり、前記第3の距離は、100μm以上である、半導体装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】撮像装置1の基本的な構成の概略を示すブロック図である。
図2】画素2の回路構成の一例を示す回路図である。
図3】比較例に係る撮像装置1aにおける実装を説明するための平面図である。
図4】比較例に係る撮像装置1aにおける実装を説明するための断面図である。
図5】比較例に係る撮像装置1aにおける遮光樹脂300のクラック及び剥離を説明するための説明図である。
図6】本開示の実施形態に係る撮像装置1における実装を説明するための平面図である。
図7】本開示の実施形態に係る撮像装置1における実装を説明するための断面図である。
図8】本開示の実施形態に係る撮像装置1の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本明細書及び図面において、実質的に同一又は類似の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一又は類似の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0010】
また、以下の説明で参照される図面は、本開示の一実施形態の説明とその理解を促すための図面であり、わかりやすくするために、図中に示される形状や寸法、比などは実際と異なる場合がある。さらに、図中に示される装置は、以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
【0011】
以下の説明における具体的な長さについての記載は、数学的に定義される数値と同一の値だけを意味するものではない。詳細には、以下の説明における具体的な長さについての記載は、撮像装置及びその製造工程、その使用・動作において許容される程度の違い(誤差・ひずみ)がある場合をも含むものとする。
【0012】
また、以下の説明において「電気的に接続する」とは、複数の要素の間を、直接的に、もしくは、他の要素を介して間接的に接続することを意味する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施形態を創作するに至る背景
1.1 撮像装置の機能的構成例
1.2 画素の回路構成例
1.3 実装例
1.4 背景
2. 実施形態
2.1 詳細構成
2.2 実施例
2.3 製造方法
3. まとめ
4. 応用例
5. 補足
【0014】
<<1. 本開示の実施形態を創作するに至る背景>>
<1.1 撮像装置の機能的構成例>
まずは、本開示の実施形態を説明する前に、本発明者が本開示の実施形態を創作するに至る背景について説明する。最初に、本開示の技術を適用することができる撮像装置(固体撮像装置)の概要構成について順次説明する。
【0015】
まず、図1を参照して、本開示の技術が適用可能な撮像装置1の機能構成の概要について説明する。ここでは、撮像装置1として、X-Yアドレス方式の撮像装置の一種であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを例に挙げて説明する。CMOSイメージセンサは、CMOSプロセスを応用して、又は、部分的に使用して作製されたイメージセンサである。図1は、本開示の各実施形態に適用可能な撮像装置の一例であるCMOSイメージセンサ(撮像装置1)の基本的な構成の概略を示すブロック図である。
【0016】
図1に示す撮像装置1は、光電変換部を含む画素(セル)2が行方向及び列方向に、すなわち、行列状の配列で2次元配置されてなる画素アレイ部(セルアレイ)11と、当該画素アレイ部11の周辺回路部とを有する構成となっている。ここで、行方向とは、画素行の画素2の配列方向(水平方向)をいい、列方向とは、画素列の画素2の配列方向(垂直方向)をいう。画素2は、光電変換を行うことにより、受光した光量に応じた電荷を生成し、蓄積する。
【0017】
図1の例においては、画素アレイ部11の周辺回路部として、例えば、行選択部12、定電流源部13、アナログ-デジタル変換部14、水平転送走査部15、信号処理部16及びタイミング制御部17等を挙げることができる。
【0018】
画素アレイ部11においては、行列状の画素配列に対し、画素行毎に制御線32~32が行方向に沿って配線されている。また、画素列毎に垂直信号線31~31が列方向に沿って配線されている。なお、垂直信号線31~31を特に区別する必要が無い場合には、垂直信号線31~31を、適宜、垂直信号線31として説明を行う。同様に、制御線32~32を特に区別する必要が無い場合には、制御線32~32を、適宜、制御線32として説明を行う。
【0019】
制御線32は、画素2から信号を読み出す際の駆動を行うための駆動信号を伝送する。図1においては、制御線32は1本の配線として図示しているが、制御線32は、1本に限定されず、複数本の配線を含むことができる。制御線32の一端は、行選択部12の各行に対応した出力端に接続されている。
【0020】
次に、画素アレイ部11の周辺回路部の各回路部分、すなわち、行選択部12、定電流源部13、アナログ-デジタル変換部14、水平転送走査部15、信号処理部16及びタイミング制御部17について説明する。
【0021】
行選択部12は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部11に含まれる各画素2の選択に際して、画素行の走査や画素行のアドレスを制御する。当該行選択部12については、その具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
【0022】
読出し走査系は、画素2から画素信号を読み出すために、画素アレイ部11の画素2を行単位で順に選択走査する。画素2から読み出される画素信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対して、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
【0023】
この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の画素2の光電変換部から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換部がリセットされる。そして、この掃出し走査系に不要電荷を掃き出す(リセットする)ことにより、いわゆる電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換部の電荷を捨てて、新たに露光を開始する(電荷の蓄積を開始する)動作のことをいう。
【0024】
定電流源部13は、画素列毎に垂直信号線31~31の各々に接続された、例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタからなる複数の電流源Iを備えている。定電流源部13は、行選択部12によって選択走査された画素行の各画素2に対し、垂直信号線31~31の各々を通してバイアス電流を供給する。
【0025】
アナログ-デジタル変換部14は、画素アレイ部11の画素列に対応して設けられた、例えば、画素列毎に設けられた複数のアナログ-デジタル変換器を含む。アナログ-デジタル変換部14は、画素列毎に垂直信号線31~31の各々を通して出力されるアナログ方式の信号である画素信号を、Nビットのデジタル方式の信号に変換する、列並列型のアナログ-デジタル変換部である。以下、アナログ-デジタル変換部14を、列並列アナログ-デジタル変換部14と呼ぶ。
【0026】
列並列アナログ-デジタル変換部14が含むアナログ-デジタル変換器としては、例えば、参照信号比較型のアナログ-デジタル変換器の一例であるシングルスロープ型アナログ-デジタル変換器を用いることができる。なお、本開示においては、このような例に限定されるものではなく、列並列アナログ-デジタル変換部14が含むアナログ-デジタル変換器として、逐次比較型アナログ-デジタル変換器やデルタ-シグマ変調型(ΔΣ変調型)アナログ-デジタル変換器等を用いることができる。
【0027】
水平転送走査部15は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素アレイ部11の各画素2の信号の読出しに際して、画素列の走査や画素列のアドレスを制御する。この水平転送走査部15による制御の下に、列並列アナログ-デジタル変換部14でデジタル方式の信号に変換された画素信号は、画素列単位で、2Nビット幅の水平転送線18に読み出されることとなる。
【0028】
信号処理部16は、水平転送線18を通して供給されるデジタル方式の画素信号に対して所定の信号処理を行い、2次元の画像データを生成する。例えば、信号処理部16は、供給された画素信号に対して、縦線欠陥、点欠陥の補正、信号のクランプといった各信号処理を施すことができる。また、信号処理部16は、供給された画素信号に対して、パラレル-シリアル変換、圧縮、符号化、加算、平均、間欠動作など信号処理を施すことができる。信号処理部16は、生成した画像データを、撮像装置1の出力信号として後段の装置に出力する。
【0029】
タイミング制御部17は、各種のタイミング信号、クロック信号及び制御信号等を生成し、これら生成した信号に基づき、行選択部12、定電流源部13、列並列アナログ-デジタル変換部14、水平転送走査部15及び信号処理部16等の駆動制御を行う。
【0030】
<1.2 画素の回路構成例>
次に、図2を参照して、画素2の回路構成例について説明する。図2は、本開示の各実施形態に適用可能な画素2の回路構成の一例を示す回路図である。画素2は、光電変換部として、例えば、フォトダイオード(撮像素子)21を有している。画素2は、フォトダイオード21に加えて、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24及び選択トランジスタ25を有する構成となっている。なお、これらのトランジスタを、フォトダイオード(撮像素子)21を駆動する画素トランジスタとも称する。
【0031】
図2の例では、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24および選択トランジスタ25の4つのトランジスタは、例えばNチャネルのMOS型電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)から形成されている。以下、NチャネルのMOS型電界効果トランジスタを、NMOSトランジスタと呼ぶ。画素2をNMOSトランジスタのみで構成することで、面積効率や工程削減視点の最適化を図ることができる。なお、図2に示した転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24及び選択トランジスタ25の導電型の組み合わせについては、一例に過ぎず、これらの組み合わせについては限定されるものではない。
【0032】
当該画素2に対して、上述した制御線32として、複数の制御線が同一画素行の各画素2に対して共通に配線されている。これら複数の制御線は、行選択部12の各画素行に対応した出力端に画素行単位で接続されている。行選択部12は、複数の制御線に対して転送信号TRG、リセット信号RST及び選択信号SELを適宜出力する。
【0033】
フォトダイオード21は、アノード電極が低電位側電源(例えば、接地電位)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の電荷(ここでは、光電子)に光電変換して、当該電荷を蓄積する。フォトダイオード21のカソード電極は、転送トランジスタ22を介して増幅トランジスタ24のゲート電極と電気的に接続されている。ここで、増幅トランジスタ24のゲート電極が電気的に接続する領域は、浮遊拡散領域FDである。浮遊拡散領域FDは、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
【0034】
転送トランジスタ22のゲート電極には、ハイ(High)レベル(例えば、VDDレベル)がアクティブとなる転送信号TRGが行選択部12から供給される。転送トランジスタ22は、転送信号TRGに応答して導通状態となることで、フォトダイオード21で光電変換され、当該フォトダイオード21に蓄積された電荷を浮遊拡散領域FDに転送する。
【0035】
リセットトランジスタ23は、高電位側電源電圧を供給する電源VDDのノードと浮遊拡散領域FDとの間に接続されている。リセットトランジスタ23のゲート電極には、ハイレベルがアクティブとなるリセット信号RSTが行選択部12から供給される。リセットトランジスタ23は、リセット信号RSTに応答して導通状態となり、浮遊拡散領域FDの電荷を電源VDDのノードに捨てることによって浮遊拡散領域FDをリセットする。
【0036】
増幅トランジスタ24の、ゲート電極は浮遊拡散領域FDに、ドレイン電極は電源VDDのノードにそれぞれ接続されている。増幅トランジスタ24は、フォトダイオード21での光電変換によって得られる信号を読み出すソースフォロワの入力部となる。すなわち、増幅トランジスタ24のソース電極は、選択トランジスタ25を介して垂直信号線31に接続される。そして、増幅トランジスタ24と、垂直信号線31の一端に接続される電流源Iとは、浮遊拡散領域FDの電圧を垂直信号線31の電圧に変換するソースフォロワを構成している。
【0037】
選択トランジスタ25の、ドレイン電極は増幅トランジスタ24のソース電極に接続され、ソース電極は垂直信号線31に接続されている。選択トランジスタ25のゲート電極には、ハイレベルがアクティブとなる選択信号SELが行選択部12から供給される。選択トランジスタ25は、選択信号SELに応答して導通状態となることで、画素2を選択状態として増幅トランジスタ24から出力される信号を垂直信号線31に伝達する。
【0038】
なお、選択トランジスタ25については、電源VDDのノードと増幅トランジスタ24のドレイン電極との間に接続する回路構成を適用することもできる。また、図2の例では、画素2の画素回路として、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24及び選択トランジスタ25からなる、すなわち4つのトランジスタ(Tr)からなる4Tr構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。画素2の回路構成については、例えば、選択トランジスタ25を省略し、増幅トランジスタ24に選択トランジスタ25の機能を持たせる3Tr構成とすることもできるし、必要に応じて、トランジスタの数を増やした5Tr以上の構成とすることもできる。
【0039】
<1.3 実装例>
次に、図3及び図4を参照して、比較例に係る撮像装置1aの実装について説明する。図3は、比較例に係る撮像装置1aにおける実装を説明するための平面図である。また、図4は、比較例に係る撮像装置1aにおける実装を説明するための断面図であり、詳細には、図3に示すA-A´線で撮像装置1aを切断した断面を示す。なお、本明細書においては、本発明者が本開示の実施形態をなす前に検討を重ねていた撮像装置を比較例に係る撮像装置1aと称する。
【0040】
比較例に係る撮像装置1aにおいては、図3に示すように、基板200は、基板100上に接続端子であるバンプ220(図4 参照)を介してフリップチップ接合されることにより、実装される。基板200は、例えば、シリコンチップ等の半導体チップであり、基板100は、シリコンウェハ等の半導体ウェハである。なお、本明細書においては、半導体チップとは、半導体ウェハを切り出して得られるチップのことを意味するものとする。詳細には、基板100は、例えば、入射光の光量に応じた画素信号を生成して出力するイメージセンサを搭載するセンサ基板であり、具体的には、図3に示すように、上述した画素アレイ部110が設けられている。また、基板200は、例えば、画像信号を用いた所定の信号処理を行うロジック回路を搭載したロジックチップであり、具体的には、上述した信号処理部16等(図3では図示を省略)が設けられている。
【0041】
図3に示されるように、基板100の外周部には、各辺に沿って複数の電極パッド120が列状に配置されている。電極パッド120は、検査工程におけるプローブの接点やワイヤーボンディングに利用することができる。基板100の外周部の各電極パッド120よりも内側には、受光した光量に応じた光電荷を生成及び蓄積する光電変換部を有する画素2が行列状に2次元配置された画素アレイ部110が形成されている。さらに、基板100の外周部の各電極パッド120よりも内側の、画素アレイ部110とは別の平面領域には、基板200がフリップチップ実装(フリップチップ接合)されている。
【0042】
さらに、図4に示すように、基板100と、基板200とが対向して配置され、基板200は、基板100の上面上にバンプ220を介して電気的及び物理的に接続されている。また、図4に示されるように、基板100と基板200との間の隣り合うバンプ220の隙間には、バンプ220を保護するアンダーフィル樹脂400が注入されている。
【0043】
さらに、基板200の上面は、図4に示されるように、遮光テープ210で覆われていてもよい。当該遮光テープ210は、例えば、赤外光(IR)を透過する樹脂材料からなり、基板200の上面に貼り付けられる。
【0044】
さらに基板100の上面には、図3及び図4に示されるように、基板200の、画素アレイ部110側の側面を覆うように、遮光樹脂300aが形成(塗布)されている。
【0045】
ここで、基板200の画素アレイ部110側の側面に遮光樹脂300aが設けられていない場合を検討する。この場合、図3の矢印で示すように、基板200の画素アレイ部110の側面で、撮像装置1aの外部から入射する光が反射され、光強度の強い1次反射光が、基板100の画素アレイ部11へ入射されることがある。このような場合、上記反射光により、画素アレイ部11で取得した撮像に意図せずフレアが発生する。従って、比較例においては、このようなフレアの発生を抑制するために、基板200の画素アレイ部110側の側面を遮光樹脂300aで覆うことにより、当該側面での反射を抑制している。
【0046】
なお、比較例に係る撮像装置1aは、図3及び図4に示される構成に限定されるものではない。
【0047】
<1.4 背景>
次に、図5を参照して、本発明者が本開示の実施形態を創作するに至る背景について説明する。図5は、比較例に係る撮像装置1aにおける遮光樹脂300のクラック及び剥離を説明するための説明図であり、詳細には、図5の左側には、図3に示す領域Bの拡大図を示し、図5の右側には、左側に示す図の拡大断面を示す。
【0048】
先に説明したように、比較例に係る撮像装置1aにおいては、反射光により撮像にフレアが発生することを抑制するために、画素アレイ部110と対向する側面の全体を覆うように遮光樹脂300aが設けられている。しかしながら、本発明者が、比較例に係る撮像装置1aに対して、実装や使用過程で想定される熱ストレスに対する耐性を確認するために、温度サイクル試験を行ったところ、遮光樹脂300aにクラックや樹脂剥がれが生じる可能性があることが分かった。
【0049】
詳細には、図5の左側に示すように、上述した比較例に係る撮像装置1aに熱を印加すると、基板100、200に変形が生じる。この際、遮光樹脂300aと基板100、200とは、熱膨張係数に差があることから、遮光樹脂300a内に熱応力(図5の左側の図中の矢印)が発生し、熱応力によりクラック500が発生すると推定される。特に、遮光樹脂300内の応力が集中しやすい基板200の角部近傍にクラック500が発生しやすいと推定される。さらに、図5の右側に示すように、遮光樹脂300内には収縮変形(図5の右側の図中の矢印)が発生することから、当該収縮変形の力に、遮光樹脂300aと基板100、200との間の密着力が負けて、遮光樹脂300aにおいて、基板100、200からの剥離600を生じると推定される。
【0050】
そこで、本発明者は、このような状況を鑑みて、遮光樹脂300aにおけるクラック500や剥離600の発生を抑制するために、遮光樹脂300の塗布する範囲について、鋭意検討を行い、本開示の実施形態を創作するに至った。以下、このような本発明者が創作した本開示の実施形態の詳細を順次説明する。
【0051】
<<2. 実施形態>>
<2.1 詳細構成>
まずは、図6及び図7を参照して、本発明者が創作した本開示の実施形態に係る撮像装置1について説明する。図6は、本実施形態に係る撮像装置1における実装を説明するための平面図である。また、図7は、本実施形態に係る撮像装置1における実装を説明するための断面図であり、詳細には、図6に示すC-C´線で撮像装置1を切断した断面を示す。
【0052】
図6に示すように、本実施形態に係る撮像装置1においては、矩形状の基板(第2の基板)200は、基板(第1の基板)100上に接続端子であるバンプ220(図7 参照)を介してフリップチップ接合されることにより、実装される。本実施形態においても、比較例と同様に、基板200は、例えば、シリコンチップ(シリコン基板)等の半導体チップであり、基板100は、シリコンウェハ等の半導体ウェハである。
【0053】
なお、以下の説明においては、ウェハとチップとを貼り合わせる方式(CW)に適用した例を説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、チップとチップとを貼り合わせる方式(CC)や、ウェハとウェハとチップとを貼り合わせる方式(CWoW)や、ウェハとチップとチップとを貼り合わせる方式(CCoW)等に適用することもできる。すなわち、本実施形態においては、基板100は、半導体ウェハであることに限定されるものではなく、半導体チップ、半導体ウェハの積層体(積層構造)、又は、半導体チップの積層体であってもよい。さらに、基板200は、半導体チップであることに限定されるものではなく、半導体ウェハ、半導体ウェハの積層体、又は、半導体チップの積層体であってもよい。
【0054】
詳細には、基板100には、図6に示すように、上述した画素アレイ部110が設けられており、言い換えると、基板100は、イメージセンサを搭載するセンサ基板である。なお、本実施形態においては、基板100に搭載されるイメージセンサは、裏面照射型イメージセンサであってもよく、表面照射型イメージセンサであってもよく、特に限定されるものではない。なお、以下の説明においては、画素アレイ部110が設けられ、且つ、基板200が積層される、すなわち、基板200と向かい合う、基板100の面を上面と称する。
【0055】
また、基板200は、例えば、画像信号を用いた所定の信号処理を行うロジック回路を搭載したロジックチップであり、具体的には、上述した信号処理部16等(図示省略)が設けられている。なお、本実施形態においては、基板200は、ロジック回路を搭載することに限定されるものではなく、上述の画素トランジスタを含んでいてもよく、もしくは、画像信号を格納するメモリを含んでいてもよい。なお、以下の説明においては、基板200の、基板100と向かい合う面と反対側に位置する面であって、且つ、後述する遮光樹脂300が塗布される面を、基板200の上面と称する。
【0056】
本実施形態においても、比較例と同様に、図6に示されるように、基板100の外周部には、各辺に沿って複数の電極パッド120が列状に配置されている。電極パッド120は、検査工程におけるプローブの接点やワイヤーボンディングに利用することができる。また、本実施形態においても、基板100の外周部の各電極パッド120よりも内側には、画素2が行列状に2次元配置された画素アレイ部110が形成されている。さらに、基板100の外周部の各電極パッド120よりも内側の、画素アレイ部110とは別の平面領域には、基板200がフリップチップ実装(フリップチップ接合)されている。言い換えると、基板200は、画素アレイ部11と隣り合うように、基板100の上面上にフリップチップ実装(フリップチップ接合)されている。
【0057】
また、基板100の上面においては、当該の上面での光の反射を防止するために、画素アレイ部11以外の領域を、図示しない有機層で覆っていてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態においても、比較例と同様に、図7に示すように、基板100と、基板200とが対向して配置され、基板200は、基板100上にバンプ220を介して電気的及び物理的に接続されている。バンプ220の材料としては、ハンダ、金(Au)、銅(Cu)等を用いることができる。しかしながら、バンプ220の材料としては、下方に位置する基板100に設けられている配線層やトランジスタへのダメージの低減のために、本実施形態においては、リフローすることで低荷重でフリップチップ接続が可能なハンダを用いることが好ましい。また、図7に示されるように、基板100と基板200との間のバンプ220の隙間には、バンプ220を保護するアンダーフィル樹脂400が注入されている。アンダーフィル樹脂400は、例えばエポキシ樹脂等からなり、熱膨張係数を調整するためにフィラー(充填剤)が分散されていることが好ましい。
【0059】
さらに、基板200の上面(表面)は、図7に示されるように、遮光テープ210で覆われていてもよい。当該遮光テープ210は、赤外光(IR)を透過する樹脂材料からなり、基板200の上面に貼り付けられる。遮光テープ210は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル共重合体、シリカ(酸化シリコン)、カーボンブラック等の材料かなる。また、遮光テープ210は、フィラー(充填剤)の充填率を調整することで、加熱時、常温時の熱膨張率を調整することができることから、遮光テープ210の熱膨張率を、基板200の熱膨張率と近くするように調整することが可能である。従って、遮光テープ210を貼り付けて硬化させたときに基板200が反らないようにすることができ、その結果、基板200の反りを抑制し、フリップチップ接合を容易にすることができる。なお、本実施形態においては、例えば後述する遮光樹脂300で基板200の上面全体が覆われている場合等には、基板200の上面に遮光テープ210を貼り付けていなくてもよい。
【0060】
さらに、本実施形態においては、基板100の上面には、図6及び図7に示されるように、基板200の、画素アレイ部110側の側面を覆うように、遮光樹脂300が形成(塗布)されている。
【0061】
遮光樹脂300の材料としては、上述の遮光テープ210と同様に、例えば、エポキシ樹脂、シリカ(酸化シリコン)、カーボンブラック等の材料を用いることができるが、遮光テープ210とは異なる材料が用いられることが好ましい。遮光樹脂300は、例えばシリカ材料のサイズを分散させることで表面の凹凸を多くして光を分散させ、且つ、カーボンブラックのような着色剤を入れることで反射率を低減させている。本実施形態においては、遮光テープ210の材料と、遮光樹脂300の材料とは、反射率を低減させる機能を持つ材料という点では共通する。しかしながら、遮光テープ210と遮光樹脂300とを異なる材料にすることで、フレアの抑制、画質の向上、接合歩留まり向上等、遮光テープ210及び遮光樹脂300の各々に要求される機能に応じた材料選定を行うことが可能となることから、遮光樹脂300としては、遮光テープ210とは異なる材料が用いられることが好ましい。
【0062】
遮光樹脂300は、図6及び図7からわかるように、比較例と同様に、基板200の矩形の4辺のうち、画素アレイ部110と対向する辺(第1の辺)201に沿って延伸する側面の全体を覆っている。また、遮光樹脂300は、当該辺201を挟み込む一対の辺(一対の第2の辺)202a、202bに沿って延伸する側面の、画素アレイ部11側の領域を覆っている。さらに、遮光樹脂300は、基板200の上面のうちの、画素アレイ部110側の領域と、辺201を挟み込む一対の角部とを覆っている。加えて、本実施形態においては、遮光樹脂300は、基板200の周囲に位置する基板100の上面(表面)の一部も覆っている。
【0063】
なお、本実施形態においては、遮光樹脂300は、基板200の矩形の4辺の側面の全体を覆っていてもよく、さらに、基板200の上面の全体を覆っていてもよい。しかしながら、例えば、電極パッド120に対してワイヤーボンディングを行う際にボンディングの妨げとならないように、基板100上における基板200の位置と、電極パッド120の位置との間の相対的な位置関係に応じて定められる基板200の表面(上面)の一部の領域は、遮光樹脂300に覆われていないことが好ましい。また、遮光樹脂300が基板200の上面の全体を覆わないようにすることで、遮光樹脂300の使用量及び遮光樹脂300の塗布工程に係る時間を少なくすることができる。
【0064】
さらに、本実施形態においては、遮光樹脂300が少なくとも覆うべき基板200、100の領域を以下のように規定する。なお、以下に説明する、領域51、52、53a、53bで定義される遮光樹脂300が覆うべき領域は、本実施形態における遮光樹脂300が覆うべき(塗布すべき)最小の領域のことである。従って、本実施形態においては、遮光樹脂300は、当該領域よりも広い領域を覆っていてもよい。
【0065】
詳細には、遮光樹脂300が覆うべき基板200の上面(表面)の領域(第1の領域)51は、画素アレイ部11側に位置する。具体的には、当該領域51は、基板200の画素アレイ部11と対向する辺201と、当該辺を挟み込む一対の辺202a、202bと、辺201から所定の距離(第1の距離)cだけ離れ、且つ、辺201に対して平行に延伸する仮想境界線(第1の仮想境界線)61とに囲まれた領域である。さらに、本実施形態においては、所定の距離cは、基板200の画素アレイ部11と対向する辺201の長さaの0.80%以上の長さを持ち、辺201の長さaの0.85%以上であることが好ましい。
【0066】
また、遮光樹脂300が覆うべき基板100の上面(表面)の領域は、基板200の周囲に位置し、詳細には、基板200と画素アレイ部11とに挟まれた領域(第2の領域)52と、基板200と電極パッド120とに挟まれた2つの領域(第3の領域)53a、53bとからなる。
【0067】
具体的には、領域52は、辺201と、一対の辺202a、202bを延長した一対の延長線203a、203bと、辺201から所定の距離(第2の距離)eだけ基板200から離れ、且つ、辺201に対して平行に延伸する仮想境界線(第2の仮想境界線)62とに囲まれた領域である。さらに、本実施形態においては、所定の距離eは、基板200の画素アレイ部11と対向する辺201を挟みこむ一対の辺202a、202bの長さbの17%以上の長さを持つ。
【0068】
また、具体的には、領域53a、53bは、仮想境界線62と、辺202a、202b及びその延長線203a、203bと、辺202a、202b及びその延長線203a、203bから所定の距離(第3の距離)dだけ基板200から離れ、且つ、辺202a、202bに対して平行に延伸する仮想境界線(第3の仮想境界線)63a、63bとに囲まれた領域である。さらに、本実施形態においては、所定の距離dは、100μm以上の長さを持つ。
【0069】
なお、以下の説明においては、所定の距離(第1の距離)cは、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅c(図6中の上下方向に沿った、領域51の幅)とも称し、所定の距離(第2の距離)eは、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅e(図6中の上下方向に沿った、領域52の幅)とも称し、所定の距離(第3の距離)dは、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅d(図6中の左右方向に沿った、領域53a、53bの幅)とも称する。
【0070】
ここで、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅c(図6中の上下方向に沿った、領域51の幅)と、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅d(図6中の左右方向に沿った、領域53a、53bの幅)とが狭い場合を検討する。この場合、熱を印加した際、遮光樹脂300内の応力が集中しやすい基板200の角部近傍にクラック500が発生しやすくなると推定される。そこで、本実施形態においては、基板200の角部近傍に集中していた応力を分散させるために、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cと、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅dとを広くする。具体的には、本実施形態においては、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cを辺201の長さaの0.80%以上の長さとし、且つ、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅dを100μm以上の長さとする。その結果、本実施形態によれば、遮光樹脂300のクラック500が発生することを抑制することができる。
【0071】
また、ここで、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅c(図6中の上下方向に沿った、領域51の幅)と、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅e(図6中の上下方向に沿った、領域52の幅)とが狭い場合を検討する。このような場合に、熱を印加すると、遮光樹脂300が収縮変形し、遮光樹脂300の基板200及び基板100への接触面積が小さいことから、当該収縮変形の力に遮光樹脂300aと基板100、200との間の密着力が負けて、遮光樹脂300が基板100、200から剥離すると推定される。そこで、本実施形態においては、遮光樹脂300の基板100、200への密着力を十分に確保するために、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cと、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅eとを広くする。具体的には、本実施形態においては、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cを辺201の長さaの0.80%以上の長さとし、且つ、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅eを辺202a、202bの長さbの17%以上の長さとする。その結果、本実施形態によれば、遮光樹脂300が剥離することを抑制することができる。
【0072】
すなわち、本実施形態においては、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cを辺201の長さaの0.80%以上の長さとし、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅dを100μm以上の長さとし、且つ、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅eを辺202a、202bの長さbの17%以上の長さとすることで、遮光樹脂300にクラックや剥がれが発生することを避けることができる。
【0073】
なお、本実施形態においては、基板100上に積層される基板200の数は、1つに限定されるものではなく、複数であってもよい。
【0074】
また、例えば、本実施形態に係る撮像装置1の斜視図である図8に示すように、基板200よりも画素アレイ部11が大きい場合、すなわち、基板200の辺201が、矩形状の画素アレイ部11の、基板200と向かい合う辺(第3の辺)103よりも短い場合を検討する。この場合であっても、本実施形態においては、遮光樹脂300が、辺202a、202bに沿って延伸する側面の、画素アレイ部11側を少なくとも覆っていることから、当該側面で反射した反射光(図中の矢印で示す)が画素アレイ部11に入射することを防ぐことができる。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cを辺201の長さaの0.80%以上の長さとし、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅dを100μm以上の長さとし、且つ、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅eを辺202a、202bの長さbの17%以上の長さとすることで、遮光樹脂300にクラックや剥がれが発生することを避けることができる。
【0076】
なお、本実施形態に係る撮像装置1の構成は、図6及び図7に示される構成に限定されるものではない。
【0077】
<2.2 実施例>
以下、表1を参照して、本開示の実施形態の効果を説明する。表1は、本開示の実施形態に対応する実施例及び比較例の条件及び結果を示す表である。なお、本開示の実施形態は下記実施例に制限されるものではない。
【0078】
詳細には、本発明者は、上述した本開示の実施形態の効果を検証するために、実装過程やその後の電子機器の製造過程や使用過程において撮像装置1にかかると想定される熱ストレスを再現するように温度サイクル試験を行い、本実施形態に係る撮像装置1(実施例)と比較例に係る撮像装置1a(比較例)とにおける剥離600の発生の有無を比較した。以下の表1に、実施例及び比較例における、遮光樹脂300の塗布幅c、e、dの条件、及び、剥離600の発生の有無を示す。具体的には、温度サイクル試験は、以下のような条件の下で実施した。撮像装置(実施例及び比較例)に対する前処理として、吸湿リフローのストレスを印加し、その後、撮像装置(実施例及び比較例)に、-45℃~100℃の温度を300サイクル印加した。さらに、顕微鏡(倍率200倍以上)を用いて、撮像装置(実施例及び比較例)における、遮光樹脂300、300aの剥離600の有無を確認した。
【表1】
【0079】
表1からわかるように、比較例においては、遮光樹脂300の剥離が生じていた。一方、実施例においては、遮光樹脂300の剥離が生じていなかった。以上のことから、遮光樹脂300の塗布する範囲について本実施形態に規定する範囲とすることで、遮光樹脂300の剥離600の発生を抑制することができることがわかった。
【0080】
<2.3 製造方法>
以下に、撮像装置1の実装方法の一例について説明する。
【0081】
まず、基板100に接合する前の基板100の上面に、遮光テープ210を貼り付け、熱により硬化する。例えば、遮光テープ210は、赤外光を透過する材料の熱硬化樹脂で形成される。
【0082】
次に、基板100の所定の電極部(図示省略)に基板200のバンプ220の位置を合わせ、基板100と基板200とをバンプ220を介して接合する。この際、基板100の上面に形成されたアライメントマークに基づいて、基板100と基板200との平面方向の位置合わせを行うこととなる。
【0083】
次に、基板100と基板200との間のバンプ220の隙間に、アンダーフィル樹脂400を注入し、硬化する。アンダーフィル樹脂400は、例えば、UV硬化樹脂や熱硬化樹脂等で形成される。
【0084】
次に、遮光樹脂300を、基板200の画素アレイ部11側の側面、及び、基板200、基板100の上面の一部に塗布した後、硬化する。遮光樹脂300も、UV硬化樹脂や熱硬化樹脂等で形成される。
【0085】
以上のように、基板100と基板200とが接合され、図6及び図7に示すような撮像装置1を得ることができる。
【0086】
<<3. まとめ>>
以上のように、本開示の実施形態においては、領域51で定義される遮光樹脂300の塗布幅cを辺201の長さaの0.80%以上の長さとし、領域53a、53bで定義される遮光樹脂300の塗布幅dを100μm以上の長さとし、且つ、領域52で定義される遮光樹脂300の塗布幅eを辺202a、202bの長さbの17%以上の長さとすることで、遮光樹脂300にクラックや剥がれが発生することを避けることができる。
【0087】
また、本開示の実施形態に係る撮像装置1に含まれる基板100、200は、一般的な半導体装置の製造に用いられる、方法、装置、及び条件を用いることで製造することが可能である。すなわち、本実施形態に係る撮像装置1は、既存の半導体装置の製造工程を用いて製造することが可能である。
【0088】
なお、上述の方法としては、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法及びALD(Atomic Layer Deposition)法等を挙げることができる。PVD法としては、真空蒸着法、EB(電子ビーム)蒸着法、各種スパッタリング法(マグネトロンスパッタリング法、RF(Radio Frequency)-DC(Direct Current)結合形バイアススパッタリング法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法、高周波スパッタリング法等)、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、分子線エピタキシー法(MBE(Molecular Beam Epitaxy)法)、レーザー転写法を挙げることができる。また、CVD法としては、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属(MO)CVD法、光CVD法を挙げることができる。さらに、他の方法としては、電解メッキ法や無電解メッキ法、スピンコート法;浸漬法;キャスト法;マイクロコンタクトプリント法;ドロップキャスト法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法といった各種印刷法;スタンプ法;スプレー法;エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法といった各種コーティング法を挙げることができる。さらに、パターニング法としては、シャドーマスク、レーザー転写、フォトリソグラフィー等の化学的エッチング、紫外線やレーザー等による物理的エッチング等を挙げることができる。加えて、平坦化技術としては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法、レーザー平坦化法、リフロー法等を挙げることができる。
【0089】
さらに、本開示の実施形態においては、基板100が、イメージセンサを搭載したウェハである例について説明したが、このようなセンサを搭載したウェハに限定されるものではない。例えば、基板100は、入射光の受光信号を生成するその他のセンサを搭載するウェハ、具体的には、ToF(Time of Flight)方式を用いた測距センサを搭載したウェハや、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なセンサを搭載したウェハであってもよい。
【0090】
また、上述の本開示の実施形態として、撮像装置1に適用した例を説明したが、本開示の実施形態は、撮像装置1に適用することに限定されるものではない。本開示の実施形態は、例えば、半導体ウェハ又は半導体チップ上に別の半導体チップがフリップチップ接合され、且つ、積層されて別の半導体チップの外周部が樹脂で覆われているような半導体装置に適用することができる。このような半導体装置に本開示の実施形態を適用することにより、上記樹脂にクラック500や剥離600が発生することを抑制することができる。なお、このような場合、上記樹脂は遮光樹脂でなくてもよい。
【0091】
<<4. 応用例>>
次に、本開示の技術の適用例について説明する。本技術は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に撮像装置を用いる複写機等、電子機器全般に対して適用可能である。また、本開示の実施形態に係る撮像装置1は、光学系とまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。具体的には、例えば、以下のような電子機器を挙げることができる。
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0092】
<<5. 補足>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0094】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の撮像素子からなる画素アレイ部を有する第1の基板と、
前記画素アレイ部と隣り合うように前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、
前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う遮光樹脂と、
を備え、
前記遮光樹脂は、前記第2の基板の表面の前記画素アレイ部側の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆い、
前記第1の領域は、
前記第2の基板の前記画素アレイ部と向かい合う第1の辺と、前記第2の基板の、前記第1の辺を挟み込む一対の第2の辺と、前記第1の辺から第1の距離だけ離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第1の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第2の領域は、
前記第1の辺と、前記一対の第2の辺を延長した一対の延長線と、前記第1の辺から第2の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第2の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記各第3の領域は、
前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線と、前記第2の辺及び前記延長線と、前記第2の辺及び前記延長線から第3の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第2の辺に対して平行に延伸する第3の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第1の距離は、前記第1の辺の長さの0.80%以上であり、
前記第2の距離は、前記第2の辺の長さの17%以上であり、
前記第3の距離は、100μm以上である、
撮像装置。
(2)
前記遮光樹脂は、前記第2の基板の、前記第1の辺に沿って延伸する前記側面を覆う、上記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記遮光樹脂は、前記第2の基板の、前記第2の辺に沿って延伸する前記側面の、前記画素アレイ部側の領域を覆う、上記(2)に記載の撮像装置。
(4)
遮光樹脂は、エポキシ樹脂、シリカ、カーボンブラックからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(5)
前記第2の基板は、シリコン基板である、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(6)
前記第2の基板の前記第1の辺は、矩形状の前記画素アレイ部の、前記第2の基板と向かい合う第3の辺よりも短い、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(7)
前記第2の基板は、ロジック回路を含む、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(8)
前記第2の基板は、前記撮像素子を駆動する画素トランジスタを含む、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(9)
複数の前記第2の基板を備える、上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(10)
前記第2の基板は、複数の半導体チップの積層構造からなる、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(11)
前記第2の基板の上面の一部は、前記遮光樹脂で覆われていない、上記(1)~(10)のいずれか1つ記載の撮像装置。
(12)
前記第2の基板の上面の全体は、前記遮光樹脂で覆われている、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(13)
前記第2の基板は、前記第1の基板に接続端子を介してフリップチップ接合されている、上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(14)
前記第1の基板と前記第2の基板との間に、前記接続端子を保護するアンダーフィル樹脂をさらに備える、上記(13)に記載の撮像装置。
(15)
第1の基板と、
前記第1の基板上に積層される、矩形状の第2の基板と、
前記第2の基板の表面の少なくとも一部、前記第2の基板の周囲に位置する前記第1の基板の表面の少なくとも一部、及び、前記第2の基板の側面の少なくとも一部を覆う樹脂と、
を備え、
前記樹脂は、前記第2の基板の表面の第1の領域、及び、前記第1の基板の表面の前記第2の基板の周囲に位置する第2の領域及び2つの第3の領域を覆い、
前記第1の領域は、
前記第2の基板の第1の辺と、前記第2の基板の、前記第1の辺を挟み込む一対の第2の辺と、前記第1の辺から第1の距離だけ離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第1の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第2の領域は、
前記第1の辺と、前記一対の第2の辺を延長した一対の延長線と、前記第1の辺から第2の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第1の辺に対して平行に延伸する第2の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記各第3の領域は、
前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線と、前記第2の辺及び前記延長線と、前記第2の辺及び前記延長線から第3の距離だけ前記第2の基板から離れ、且つ、前記第2の辺に対して平行に延伸する第3の仮想境界線とにより囲まれた領域であり、
前記第1の距離は、前記第1の辺の長さの0.80%以上であり、
前記第2の距離は、前記第2の辺の長さの17%以上であり、
前記第3の距離は、100μm以上である、
半導体装置。
【符号の説明】
【0095】
1、1a 撮像装置
2 画素
11、110 画素アレイ部
12 行選択部
13 定電流源部
14 アナログ-デジタル変換部
15 水平転送走査部
16 信号処理部
17 タイミング制御部
18 水平転送線
21 フォトダイオード
22 転送トランジスタ
23 リセットトランジスタ
24 増幅トランジスタ
25 選択トランジスタ
31 垂直信号線
32 制御線
51、52、53a、53b 領域
61、62、63a、63b 仮想境界線
100、200 基板
103、201、202a、202b 辺
120 電極パッド
203a、203b 延長線
210 遮光テープ
220 バンプ
300、300a 遮光樹脂
400 アンダーフィル樹脂
500 クラック
600 剥離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8