(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104087
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240726BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008127
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】523025768
【氏名又は名称】アジアフューチャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】松清 一平
(72)【発明者】
【氏名】明田 茉沙美
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】求人企業が望む求職者をより確実に採用するのを可能にする情報処理装置を提供する。
【解決手段】就職斡旋会社AFは、設置した情報処理装置により、会員登録した求職者STに対し、就職斡旋サービスを提供する。そのサービスでは、求職者STの基礎的能力を確認して評価することにより、求人企業KKが望む能力を有している求職者STの応募のみを有効とする。人材としての質をより高めることを可能にする学習プログラムが提供可能である。その質を維持するために、学習プログラムの学習を行った結果の評価を行う。求人企業KKに採用された後は、その求人企業KK、及び採用された求職者STに対する状況確認を行い、その確認結果に応じたサポートも行われる。求職者STが外国人であった場合、在留期間満了日までの残り日数に応じて、その満了日を通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録された求職者が使用する端末である求職者端末との通信により、各求人企業が前記求職者に求める基礎的能力を前記求職者が有しているか否か確認するための能力確認手段と、
前記能力確認手段により前記基礎的能力を有すると確認された前記求職者に対し、前記求職者端末を用いての求人企業への応募を可能とさせる応募受付手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記応募受付手段は、学習プログラムの履修を応募条件とする求人情報に対応し、前記求人企業が前記学習プログラムの修了を前記応募条件と設定していた場合、所定の設定に従って、前記学習プログラムを修了していない前記求職者の前記求人企業への応募に対応する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記求職者端末との通信により、前記求職者を対象とする前記学習プログラムを提供可能な学習プログラム提供手段と、
前記学習プログラムの学習を行った前記求職者が前記学習プログラムで習得すべき知識を習得したか否か確認するための習得確認手段と、を更に備え、
前記応募受付手段は、前記学習プログラム提供手段が提供する前記学習プログラムを履修した前記求職者が前記学習プログラムで習得すべき知識を習得したと前記習得確認手段により確認できた場合、前記求職者が前記学習プログラムを修了したとして、前記学習プログラムの履修を前記応募条件とする前記求人企業への応募に対応する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記学習プログラム提供手段は、前記求職者が学習している前記学習プログラムに複数の学習工程が存在する場合、前記求職者が学習している前記学習工程で習得すべき前記知識を習得したと前記習得確認手段により確認されることを条件に、未学習の学習工程での学習を前記求職者に可能にさせ、
前記求人企業で使用される端末である求人側端末からの要求により、前記学習プログラムを構成する各学習工程のうちで前記求職者が学習を行った前記学習工程、及び前記求職者が学習を行った前記学習工程毎の前記習得確認手段による前記知識の習得の確認結果を情報として提供可能な情報提供手段、を更に備える、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
管理者が使用する端末である管理者端末により、前記求職者が就職した前記求人企業での勤務状態に関する勤務状態情報を入力させるのを可能にする情報入力手段と、
前記情報入力手段により入力された前記勤務状態情報を用いて、前記求人企業に就職した前記求職者の勤務内容を評価する勤務内容評価手段と、を更に備え、
前記応募受付手段は、前記求人企業が前記勤務内容の評価結果を応募条件とする求人情報に対応し、前記求人企業が前記勤務内容の評価結果を前記応募条件と設定していた場合、所定の設定に従って、前記勤務内容が評価された前記求職者の前記求人企業への応募に対応する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記求職者が外国人であった場合、前記求職者に登録させた在留期間満了日に基づいて、前記求職者に対し、前記在留期間満了日についての通知を行うための通知処理手段、を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記求人企業には、日時、就業時間、及び仕事内容のうちの少なくとも一つが限定された仕事に就業する就業者を臨時に求人する臨時求人企業が含まれ、
前記応募受付手段は、前記求人企業に就職しているか否かに係わらず、前記臨時求人企業が望む前記就業者として就業するのが可能な前記求職者の応募を可能とさせる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、学校等の新卒者(新卒予定者)、或いは転職者(転職希望者)等の求職者が自身の希望に合う求人企業を探して応募することが可能な就職サイトは、多く存在する。就職サイトを利用する求職者は、学校等、或いは就業した企業等での実績を登録し、自身の能力、スキル、或いは経験等を、人材の採用を検討する求人企業にアピールすることができる。
【0003】
求職者が就職サイトに登録する情報の大部分は、自己申告された情報である。自身を客観的に評価するのは困難なのが実情である。このこともあり、結果的に、求職者が考える自身の能力等と、求人企業が評価する求職者の能力等との間に乖離があるのが普通である。しかし、そのような乖離は、見極めるのが困難な場合も少なくない。そのような乖離の存在に気付くのに、長い時間が必要な場合もある。このようなことから、転職者を対象に、その転職者の雇用主側のシステムで記憶された過去の勤務に関する情報、及び過去の実績に関する情報を取得し、取得した情報を用いて、その転職者の評価を算出することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
雇用主側のシステムから取得する情報を用いた評価は、或る程度、信用できる。しかし、雇用主側の視点が強く反映されている可能性は否定できない。つまり、転職者が不当に低く雇用主側から評価されている可能性も考えられる。雇用主がシステムを構築していなければ、必要な情報を取得できない。情報を取得できない場合、評価を行うのは不可能となる。このようなことから、求人企業が望む求職者をより確実に採用できるようにするためには不十分な面があると言える。そのため、別のアプローチを採用する必要があると考えられる。
【0006】
本発明は、求人企業が望む求職者をより確実に採用するのを可能にする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の情報処理装置は、登録された求職者が使用する端末である求職者端末との通信により、各求人企業が前記求職者に求める基礎的能力を前記求職者が有しているか否か確認するための能力確認手段と、前記能力確認手段により前記基礎的能力を有すると確認された前記求職者に対し、前記求職者端末を用いての求人企業への応募を可能とさせる応募受付手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、求人企業が望む求職者をより確実に採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実現される就職斡旋サービスの例を説明する図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るAPサーバを用いて構築された就職サイトの例、及びその就職サイトが接続されたネットワークシステムの構成例を説明する図である。
【
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るAPサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るAPサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】DBサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】学習履歴情報により閲覧可能となるグラフ表示の例を説明する図である。
【
図7】応募受付処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】応募受付処理の例を示すフローチャートである(続き)。
【
図9】期限確認処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実現される就職斡旋サービスの例を説明する図である。
この情報処理装置は、就職斡旋会社AFにより設置されるものである。就職斡旋会社AFは、この情報処理装置を用いた就職サイトを構築し、ネットワークを介して就職斡旋サービスを求職者STに提供するサービス提供会社である。求職者STは、大学を含む各種学校等の新卒者(新卒予定者)、或いは転職者(転職希望者)等である。新卒者には、インターン希望者も含まれる。ここでは、混乱を避け、理解を容易とするために、求職者STは新卒者、及び転職者のうちの何れかであると大別する。
【0012】
就職斡旋会社AFは、求職者STの採用を検討している求人企業KKから求人情報を受け取り、求職者STに閲覧可能にする。
図1では、求人企業KKとして、第1~第3求人企業KKのみを示している。求職者STは、ネットワークを介した通信が可能な端末、例えばPC(Personal Computer)、タブレットPC、或いはスマートフォン等を用いて、求人情報を閲覧することができる。
【0013】
求職者STは、就職斡旋サービスの利用のために、会員登録を行う必要がある。本実施形態では、会員登録を行った求職者STに対し、求人企業KKでの就業に必要な基礎的能力を有しているか否か確認するようにしている。それにより、基礎的能力を有していると確認できた求職者STにのみ、求人企業KKへの応募を可能とさせている。本実施形態では、基礎的能力を有しているか否かの確認は、テストの実施により行うようにして、その精度を高く維持させるようにしている。
なお、基礎的能力の確認は、所有する資格、免許、或いは学校等の教育機関で実施される試験の結果等から行うようにしても良い。しかし、求職者STの質を想定するレベル以上に確実に維持させる必要上、確実性が高いと確認された、或いはその可能性が高い資格、免許、或いは試験等を1つ以上、選択することが求められる。
【0014】
この基礎的能力の確認を就職斡旋会社AFが行うことにより、求職者STが有する基礎的能力は、就職斡旋会社AFが定める基準により保証されることになる。そのため、求人企業KKに応募する求職者STの能力的な質は一定以上に維持できることになる。求職者STが自己申告する情報から求人企業KKが抱く求職者STの基礎的能力と、求職者STの実際の基礎的能力との間の乖離は回避されるか、例え回避できなくとも、より抑えられることになる。少なくとも、求職者STの基礎的能力が想定よりも大きく下回るようなことは確実に回避できるようになる。従って、求人企業KKにとっては、就職斡旋会社AFの利用により、より質の高い求職者ST、つまり望ましい求職者STをより確実に採用できることとなる。これは、求職者STにとって、就職斡旋会社AFの利用により、求人企業KKに採用される可能性がより高くなることを意味する。
【0015】
就職斡旋会社AFが確認する基礎的能力は、就業を希望する分野等に応じて決定すれば良いものであり、特に限定されない。例えば観光業であれば、移動に利用可能な交通機関、交通機関を利用可能な場所、及び主要名観光スポット等の知識を基礎的能力として確認することが考えられる。求職者STが外国人であれば、日本語能力、或いは日本語能力と基礎的知識とを基礎的能力として確認することが考えられる。その確認方法としては、例えば日本語で発音される動画を視聴させた後、問題文を日本語で表示させるとともに、その解答を日本語で入力させる問題を複数、解かせることが考えられる。ここでは便宜的に、求職者STは外国人と想定し、以降の説明を行うこととする。
【0016】
就職斡旋会社AFは、基礎的能力が確認された求職者ST、つまり求人企業KKへの応募を可能とする求職者STに対し、学習プログラムを提供可能にする。この学習プログラムは、求人企業KKが有用とする知識を求職者STが習得できるように用意したものである。そのため、学習プログラムの修了は、求人企業KKにおける求職者STの価値を向上させる。このこともあり、本実施形態では、学習プログラムは有償のサービスとしている。
図1では、基礎的能力の確認により、第1求人企業KKへの応募が可能なった求職者STが、学習プログラムの修了により、第2求人企業KKへの応募が可能となって応募し、第2求人企業KKに採用された例を示している。
【0017】
第2求人企業KKに採用された求職者STは、例えば給与の振込先となる銀行口座を開設し、第2求人企業KKでの業務に従事することになる。就職斡旋会社AFは、第2求人企業KKに採用後も、その第2求人企業KK、及び求職者STの双方への状況確認を行う。この状況確認により、就職斡旋会社AFは、求職者STの第2求人企業KKでの勤務状態に関する勤務状態情報を取得し、求職者STの勤務内容を評価する。
求職者STは、求人企業KKに採用されることにより、求職者の立場ではなくなる。ここでは、混乱を避ける意味もあり、「求職者ST」は、特に断らない限り、就職斡旋サービスの利用のために登録している会員を指す意味で用いる。
【0018】
第2求人企業KKから取得する勤務状態情報は、例えば遅刻の頻度、休暇の頻度、無断欠勤の有無、勤務態度、協調性、業務内容、業務遂行能力、健康状態等の各項目の情報群である。無断欠勤の有無では、連絡が取れなくなった状況、つまり行方不明にも対応させるようにしている。
【0019】
求職者STに対する状況確認では、例えば健康状態、業務に感じる難易度、他の従業員との関係、等の問い合わせが行われる。このような問い合わせを求職者STに対して行うのは、採用された第2求人企業KKからの情報だけでは必ずしも適切に求職者STを評価できないからである。第2求人企業KKの職場環境、或いは業務内容等が求職者STに合っていないような可能性も考えられるためである。
【0020】
職場環境、或いは業務内容等が合っていない求人企業KKで仕事に従事するのは、求人企業KK、及び求職者STの双方にとって望ましくない。求職者STにとっては能力を十分に発揮できないだけでなく、精神的なストレスも小さくないと考えられるからである。これは、求人企業KKにとっても不利益なものとなる。能力を求職者STが発揮できなくなるほど、労働コストが上昇するからである。このようなこともあり、本実施形態では、採用後も求職者STを必要に応じてサポートできるように、状況確認を行うようにしている。
図1では、そのサポートにより、経験者の採用を希望する第3求人企業KKに求職者STに紹介するとともに、求職者STに第3求人企業KKへの転職を斡旋した結果、求職者STが第3求人企業KKに転職した例を示している。求職者STが第3求人企業KKに転職した後も、就職斡旋会社AFによる状況確認は継続して行われる。
【0021】
上記のように、ここでは求職者STとして外国人を想定している。外国人には、在留期間が設定され、その期間が終了する満了日までに帰国しなければならない。在留期間が延長可能であれば、そのための手続きをする必要がある。帰国する外国人のうちで再来日する予定のない外国人は、開設した銀行口座を解約しなければならない。再来日、つまり一時帰国する外国人は、銀行口座を一時的であっても停止する必要がある。
【0022】
在留期間は、求職者STが求人企業KKに就業中か否かによって変化する。就業時、定められた在留期間は、退職により、退職時に残っている期間よりも短くなる可能性がある。このことからも、本実施形態では、採用後の状況確認を行い、求職者STの退職等に対応するようにしている。
【0023】
具体的には、在留期間の満了日についての事前の通知を求職者STに対して行うようにしている。その通知により、在留期間の満了日が近づいた求職者STに対し、帰国前に、銀行口座の解約、或いは停止等の必要な手続きをより確実に行わせるようにしている。このような手続きがより確実に行われるように支援することから、求人企業KKにとっては外国人である求職者STをより積極的に採用しようとする環境が実現されることになる。外国人である求職者STにとっては、日本で就業する可能性がより高くなる環境が実現されることになる。
【0024】
このように、本実施形態では、求職者STの基礎的能力の確認を通して、求人企業KKへの応募を可能とさせる求職者STの質を一定以上に維持させることにより、求職者ST、及び求人企業KKの双方にとって、より望ましい人材マッチングの場を提供する。また、就職後も状況確認を行い、その状況確認の結果に応じて、求職者ST、及び求人企業KKに対し必要なサポートを行うようにしている。そのため、外国人である求職者STにとっても、求人企業KKに採用された後も有用なサービスを受けられることとなる。結果、求職者STの多くは、求人企業KKに採用された後も就職斡旋サービスの利用を継続しようとすることになる。就職斡旋サービスを継続利用する求職者STは、一定以上の質を有していることが確認された者である。そのような求職者STがサービスを継続利用することにより、求人企業KKにとっては、望む人材をより確実に採用できる環境が実現されることにもなる。
【0025】
就職斡旋会社AFは、ネットワークと接続された就職サイトにより、上記のような就職斡旋サービスを提供する。以降は、その就職サイト、及びその就職サイトによって提供される就職斡旋サービスについて、
図2~
図9を参照し、より詳細に説明する。
【0026】
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るAP(APplication)サーバを用いて構築された就職サイトの例、及びその就職サイトが接続されたネットワークシステムの構成例を説明する図である。
図2に示すネットワークシステムの構成例は、就職斡旋会社AFが自社内に、ネットワーク60を介して利用可能な就職サイトを構築した場合に実現されるものである。しかし、就職サイトの構築場所は、特に限定されない。就職サイトは、例えばクラウドサービスを利用して構築したものであっても良い。
【0027】
このネットワークシステムでは、就職サイトのネットワーク60への接続により、そのネットワーク60に接続された、或いは接続可能な端末を使用して、就職サイトが提供する就職斡旋サービスが利用可能となっている。
図2において、求職者端末61は、求職者STが使用する端末、就職担当者端末63は、海外大学62における就職担当者が使用する端末、採用担当者端末65は、求人企業KKの採用担当者が使用する端末(求人側端末)をそれぞれ表している。銀行64は、求人企業KKに採用された求職者STが給与の振込先として口座が開設される金融機関の例として表している。
【0028】
就職サイトを利用する外国人の求職者STは、自身の判断等により就職サイトを利用する新卒者、転職者、及び海外大学62に在籍する新卒者、等に大別される。海外大学62のうちには、日本での就職を希望する新卒者が複数、存在するところもある。このことから、本実施形態では、そのような海外大学62に対応したサービスを提供するようにしている。それにより、サービスを利用する海外大学62では、日本での就職を希望する新卒者をまとめて会員登録を行うことを可能にさせている。求人企業KKでは、採用担当者端末65により、求人情報の登録、応募した求職者STの採用の可否の回答等を行うことができる。
【0029】
就職サイトには、
図2に示すように、APサーバ1の他に、Webサーバ2、DB(DataBase)サーバ3、ストリーミングサーバ4、及び管理者端末5が存在する。これらは、例えばLAN(Local Area Network)に接続されている。
【0030】
Webサーバ2は、求職者端末61、就職担当者端末63、及び採用担当者端末65からそれぞれ送信される各種要求を受信して対応する。それにより、APサーバ1が対応すべき要求は、主にWebサーバ2を介してAPサーバ1に送信される。説明上、便宜的に、APサーバ1が対応すべき要求は、Webサーバ1からそのままAPサーバ1に送信されるものと想定する。
【0031】
APサーバ1は、本実施形態に係る情報処理装置であり、Webサーバ1を介して送信される要求を処理し、就職斡旋サービスを提供する。DBサーバ3は、視聴を想定する各種動画、つまりマルチメディアデータの保存に主に用いられる。ストリーミングサーバ4は、各種動画の視聴を可能にさせる。何れの動画の視聴も、例えばWebサーバ2を介さずに行われるようになっている。管理者端末5は、就職サイトを管理する権限を有する管理者が使用する端末である。管理者は、管理者端末5を用いて、各種設定、各種情報入力等を行うことができる。
【0032】
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るAPサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。次に
図3を参照し、APサーバ1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成例について具体的に説明する。なお、この構成例は一例であり、APサーバ1として使用可能な情報処理装置のハードウェア構成はこれに限定されない。
【0033】
APサーバ1は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20、を備えている。
【0034】
CPU11は、例えばROM12に記録されているプログラム、或いは/及び、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムを実行し、各種の処理を実現させる。記憶部18からRAM13にロードされるプログラムには、例えばOS(Operating System)、及びそのOS上で動作する各種アプリケーション・プログラムが含まれる。各種アプリケーション・プログラムには、情報処理装置をAPサーバ1として機能させるために開発されたものが1つ以上、含まれる。以降、この開発されたアプリケーション・プログラムは、「開発アプリケーション」と表記する。
【0035】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムも含まれる。各種プログラムは、RAM13に読み出されてCPU11に実行される。
【0036】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0037】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像、或いは各種画面を表示する。出力部16は、APサーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、出力部16は、必須の構成要素ではない。
【0038】
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成のものである。その構成には、マウス等のポインティングデバイスが1つ以上、含まれていても良い。操作者は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。この入力部17も、APサーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、入力部17も、必須の構成要素ではない。
【0039】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、例えば通信装置である。通信部19は、Webサーバ2、DBサーバ3、ストリーミングサーバ4,及び管理者端末5との通信だけでなく、ネットワーク60を介した他の情報処理装置との間の通信を可能にさせる。求職者端末61、就職担当者端末63、及び採用担当者端末65との通信は何れも、Webサーバ2を介して間接的に行われる。
なお、ネットワーク60を介した通信は、別の通信部19により可能であっても良い。それにより、通信部19は、複数、搭載されていても良い。
【0040】
ドライブ20は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア25が着脱可能な装置である。ドライブ20は、例えば装着されたリムーバブルメディア25からの情報の読み取り、及びリムーバブルメディア25への情報の書き込みが可能である。それにより、リムーバブルメディア25に記録されたプログラムは、ドライブ20を介して、記憶部18に記憶させることができる。また、ドライブ20に装着されたリムーバブルメディア25は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0041】
開発アプリケーションは、情報処理装置をAPサーバ1として機能させることを想定し開発されたものである。この開発アプリケーションは、リムーバブルメディア25に記録させて配布しても良い。ネットワーク60を介して配布可能にしても良い。このことから、開発アプリケーションを記録した記録媒体としては、ネットワーク60に直接的、若しくは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであっても良い。
【0042】
APサーバ1が備えるハードウェア資源は、アプリケーション・プログラムを含む各種プログラムによって制御される。その結果、APサーバ1は、就職サイトによる就職斡旋サービスの提供を可能とさせる。
【0043】
上記のようなハードウェア構成の情報処理装置は、Webサーバ2、DBサーバ3、及びストリーミングサーバ4としてもそれぞれ使用可能である。このことから、それらのハードウェア構成についての説明は省略する。DBサーバ3では、APサーバ1の構成要素との相違を明確にするために、その構成要素に付す符号の十の桁は「3」とする。それにより、DBサーバ3を構成するCPU、記憶装置、及び通信部にそれぞれ付す符号は31、38、及び39とする。
【0044】
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るAPサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図であり、
図5は、DBサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。次に
図4、及び5を参照しつつ、APサーバ1、及びDBサーバ3上にそれぞれ実現される機能的構成の例について詳細に説明する。
【0045】
APサーバ1のCPU11上には、機能的構成として、
図4に示すように、会員登録部111、認証部112、求職者対応部113、管理者対応部114、求人企業対応部115、大学対応部116、求人検索処理部117、動画再生処理部118、テスト実施部119、応募受付部120、自動評価部121、期限確認部122、及び通知処理部123が実現される。CPU11は、通信部19を介して、Webサーバ2,DBサーバ3、ストリーミングサーバ4、及び管理者端末5を含む各種情報処理装置との間でデータの送受信を行う。
【0046】
これらは、開発アプリケーションを含む各種プログラムをCPU11が実行することにより実現される。その結果として、記憶部18には、会員情報格納部181、設定情報格納部182、求職者登録情報格納部183、応募書類格納部184、求職者管理情報格納部185、試験情報格納部186、求人情報格納部187、就業実績情報格納部188、応募実績情報格納部189、及び学習履歴情報格納部190が情報格納用に確保される。
【0047】
一方、DBサーバ3のCPU31上には、機能的構成として、
図5に示すように、要求処理部311、及び検索処理部312が実現される。CPU31は、通信部39を介して、APサーバ1との間でデータの送受信を行う。
記憶部38には、テーブル格納部381、求職者動画格納部382、及び学習動画格納部383が情報格納用に確保されている。
【0048】
求職者動画格納部382に格納される求職者動画は、求職者STが自身のアピールのために登録させる動画である。求職者STは、求職者動画の登録により、自身の外国語能力(例えば日本語能力)、特技、適性等をスピーチにより求人企業KKにアピールすることができる。
学習動画格納部383に格納される学習動画は、学習プログラムで用意された動画である。本実施形態では、学習プログラムは複数の学習工程により分割され、学習工程毎に、学習動画を視聴させるようにしている。これは、基礎的能力の確認のための動画も同様である。このことから、その動画も、学習画像の扱いで学習動画格納部383に格納される。
【0049】
テーブル格納部381は、各種テーブルの格納用である。求職者動画格納部382に格納される求職者動画、及び学習動画格納部383に格納される学習動画はともに、対応するテーブルにより管理される。
【0050】
求職者動画を管理するためのテーブル(以降「求職者動画管理テーブル」と表記)では、例えば会員ID、登録年月日、及び求職者動画のURL等を含むレコードが管理される。それにより、会員ID、或いはURLの指定により、対応する求職者動画を特定することができる。
【0051】
学習動画を管理するためのテーブル(以降「学習動画管理テーブル」と表記)では、例えばプログラムID、学習工程番号、及び学習動画のURL等を含むレコードが管理される。そのため、プログラムID、及び学習工程番号か、或いはURLの指定により、対応する学習動画を特定することができる。
【0052】
要求処理部311は、APサーバ1から例えばSQL(Structured Query Language)の形で送信される要求を処理する。求職者動画、或いは学習動画の格納、削除、或いは読み出しに対応するとともに、動画の格納、或いは削除により、テーブル格納部381に格納された各種テーブルに対する必要な操作を行う。URL等で指定された動画は、要求処理部311によって求職者動画格納部382、或いは学習動画格納部383から読み出され、APサーバ1に送信される。
【0053】
また、要求処理部311は、検索が必要な要求が送信された場合、検索処理部32に指示して、その検索を行わせる。要求処理部311は、その検索結果を取得し、取得した検索結果、或いはその検索結果から特定される求職者動画、若しくは学習動画をAPサーバ1に送信する処理を行う。
【0054】
学習プログラムによる学習では、学習工程毎に、習得すべき知識を求職者STが習得したか否か確認する試験を行うようになっている。上記基礎的能力の確認も、学習プログラムと同じ手法により行われる。そのため、基礎的能力の確認のために複数、作成された動画は、学習動画として、学習動画格納部383に格納される。それに合わせ、基礎的能力の確認は、1つの学習プログラムの学習と位置付けられ、プログラムIDが割り当てられている。
【0055】
会員登録部111は、会員を可能にする。会員を管理するための会員情報を生成し、生成した会員情報を、記憶部18に確保された会員情報格納部181に格納する。
会員情報は、例えば会員ID(IDentification)、会員種別、氏名、住所、国籍、性別、生年月日、メールアドレス、基礎的能力の合否、職歴の有無、電話番号、ビザ種別、在留期間満了日、帰国予定日、身元保証人、銀行口座、パスワード等を表す情報群である。会員IDを除く項目は全て、会員か、或いは代理者(海外大学62の就職担当者)によって入力される情報である。
【0056】
会員情報において、会員IDは、会員を一意に識別可能な情報である。会員は、例えば求職者、学校等関係者(就職担当者)、求人企業KK、及び管理者に大別される。会員種別は、そのうちの一つを表す。ビザ種別、在留期間満了日、帰国予定日、及び身元保証人は、国籍が日本以外であった場合に、入力の対象となる項目である。このことから、求職者STは外国人に限定されず、日本人も求職者STとして会員となることができる。
【0057】
ビザ種別が表すビザは主に、就業ビザ、一般ビザ、短期滞在ビザ、或いは特定ビザである。在留期間満了日は、在留期間の最終日である。帰国予定日は、在留期間満了日までの残り日数に応じて、入力が求められる。より具体的には、在留期間満了日についての通知時に、帰国予定日の入力を求めるようにしている。
【0058】
身元保証人は、求職者STが求人企業KKに与えた損害を代わって補填する人のことである。身元保証人としては、個人、及び法人の何れであっても良いのが普通である。本実施形態では、求職者STの利便性を考慮し、就職斡旋会社AFが身元保証人になる身元保証人サービスを有償で提供するようにしている。このこともあり、身元保証人に係わる情報としては、身元保証人名、身元保証人の連絡先、保証開始日、保証修了日、等の情報がある。
有償のサービスを利用する際の決済は、周知技術を用いて行われる。このことから、決済についての詳細な説明は省略する。
パスワードは、認証用の情報であり、例えば会員ID、或いはメールアドレスと組み合わせて利用される。ここでは、ログインは会員ID、及びパスワードを入力して行われるものと想定する。
【0059】
認証部112は、ログインを要求した会員の認証を行う。その認証は、その要求時に入力された会員ID、及びパスワードを含む会員情報が会員情報格納部181に格納されているか否か確認することで行われる。この認証により、ログインを要求させた会員と、その会員が使用する端末とが対応付けられる。つまり、Webサーバ2から受信した要求を送信させた端末から、その端末を使用する会員の種別が特定可能になる。それにより、求職者対応部113、管理者対応部114、求人企業対応部115、及び大学対応部116には、要求を送信させた端末を使用する会員の種別に応じて、その要求が振り分けられる。
【0060】
求職者対応部113は、求職者STが送信させる各種要求に対応する。その対応により、求職者登録情報の求職者登録情報格納部183への格納、若しくは格納された求職者登録情報の更新、応募書類の作成、作成した応募書類の応募書類格納部184への格納、若しくは格納された応募書類の更新、等を求職者STは行うことができる。
【0061】
求職者登録情報は、例えば会員ID、住所、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、学歴、職歴、資格、上記求職者動画のURL(Uniform Resource Locator)、及び免許等を表す情報群である。
このような求職者登録情報は、求職者動画とともに、求人企業KKにも一部、閲覧可能にさせている。それにより、求人企業KK側から、応募を求めるオファーを求職者STに行うのを可能にさせている。求職者動画が閲覧可能なことから、求職者STは、自身の外国語能力、特技、適性等を求職者動画により求人企業KKにアピールすることができる。
【0062】
求職者対応部113は、求職者動画の登録が要求された場合、例えばその求職者動画を送信させた求職者STの会員IDとともに求職者動画をDBサーバ3に送信し、その登録を指示する。その指示により、要求処理部311は、例えば求職者動画を求職者動画格納部382に格納するとともに、テーブル格納部381に格納された求職者動画管理テーブルの操作を行う。その操作は、例えば同じ会員IDが格納されたレコードの有無を確認し、その確認結果に応じて行われる。より具体的には、そのレコードがあれば、例えば登録年月日、及びURLを更新するとともに、更新前のURLに格納されている求職者動画を削除する処理が行われる。そのレコードがなければ、会員ID、登録年月日、及びURLを格納したレコードが追加される。
このようなテーブルへの操作、及び既存の動画の扱いは、学習動画でも同様である。このことから、学習動画の場合の詳細な説明は省略する。
【0063】
応募書類は、応募する求人企業KKに閲覧される書類である。例えば応募書類には、新卒者であれば履歴書、転職希望者であれば履歴書、及び職務経歴書がそれぞれ少なくとも含まれる。履歴書、及び職務経歴書のうちの一部の情報は、求職者登録情報に含まれる。このことから、本実施形態では、求職者登録情報を流用しての応募書類の作成を可能とさせている。また、求職者STが応募を考える業種等に応じて、応募書類の一部、例えば志望動機、抱負等を変更する必要から、応募書類を複数、保存させるのを可能にさせている。保存される応募書類には、その応募書類を作成した求職者STの会員IDが対応付けられる。
【0064】
応募書類の作成は、求職者STが求職者端末61を操作することで行われる。例えばその操作により入力された情報がファイル化され、応募書類として記憶部18に確保された応募書類格納部184に格納される。求職者対応部113は、求職者STによって入力された情報のファイル化、ファイル化された応募書類の応募書類格納部184への格納に対応する。
【0065】
上記のように、求人企業KKは、求職者STに閲覧されるのを希望する求人情報を登録する。この求人情報の登録は、求人企業対応部115により、採用担当者端末65からの求人情報の登録要求が処理されることで行われる。その登録要求された求人情報は、記憶部18に確保された求人情報格納部187に格納される。
【0066】
求人企業KKから送信される求人情報には、例えば求人企業KKの情報、求人種別、募集職種、就業条件、報酬、応募条件、等の情報が含まれる。求人企業対応部115は、例えばこの求人情報に対し、会員ID、及び求人IDを付加する。求人情報格納部187には、これらの情報が付加された求人情報が格納される。これらの情報において、求人IDは、求人情報の識別情報である。この求人IDにより、求人企業KKは、複数の求人情報を登録させることもできる。
【0067】
求人には、或る程度の長い期間の雇用を想定したものと、日時、就業時間、及び仕事内容のうちの少なくとも1つが限定された臨時の雇用(ここでは、主にアルバイト、或いはパート等の副業を想定した雇用)を想定したものと、に大別することができる。求人種別は、求人情報がそのうちの何れかを表す情報である。ここでは、前者を「通常求人」、後者を「臨時求人」とそれぞれ表記して区別する。また、特に断らない限り、求人は通常求人を想定しているものとする。
【0068】
このような求人情報には、求職者STが望む条件に合った求人情報をより容易に閲覧できるように、例えば求人企業KKの会員ID、登録日等に加え、検索用のキーワードが対応付けられて管理される。それにより、求職者STは、キーワード検索により、入力したキーワードで指定される求人情報を探すことができる。登録日等も検索に使用することができる。なお、求人情報は、指定された掲載修了日の到来により、閲覧できなくなる。
【0069】
求職者対応部113は、このキーワード検索に対応する。Webサーバ2を介して、求職者端末61から、キーワード検索要求を受信した場合、求職者対応部113は、その要求に含まれるキーワードを求人検索処理部117に渡し、渡したキーワードで指定される求人情報の検索を指示する。
【0070】
その指示により、求人検索処理部117は、渡されたキーワードが対応付けられた求人情報を特定し、特定した求人情報毎に、その求人情報を表す情報、例えば求人企業KKの情報、募集職種、求人情報のURL等の情報を、求職者対応部113に渡す。求職者対応部113に渡された求人情報毎の情報は、Webサーバ2で検索結果の表示用画面(不図示)上に一覧として配置され、求職者端末61に送信される。求人情報のURLは、その一覧に表された求人情報にアクセスするためのリンクとされる。このため、求職者STは、入力したキーワードにより抽出される求人情報を一覧で確認することができるだけでなく、一覧に表された求人情報への操作により、その求人情報の詳細を閲覧することができる。求職者対応部113は、そのようにして行われる求人情報の閲覧に対応する。
【0071】
管理者対応部114は、管理者が管理者端末5から送信させる各種要求に対応する。その要求に応じて管理者対応部114が実行する処理により、記憶部18に確保された設定情報格納部182、求職者管理情報格納部185、及び試験情報格納部186には、設定情報、求職者管理情報、及び試験情報がそれぞれ格納される。
【0072】
設定情報は、何れかの処理の実行に必要な設定内容を表す情報である。
図1を参照して説明した通り、本実施形態では、在留期間満了日について求職者STに通知するようにしている。設定情報には、その通知を行うタイミングを指定するものが一つ以上、存在する。本実施形態では、通知のタイミングを指定する設定情報を2つとしている。
【0073】
上記のように、求人情報には、応募条件が指定されたものも存在する。設定情報には、応募条件を満たしていない求職者STからの応募への対応方法を指定するものも存在する。応募条件を満たすか否かに応じた対応方法を指定する設定情報は、例えば対応方法別、或いは応募条件別に用意する必要がある。ここでは説明上、便宜的に、応募条件に係わる設定情報は、応募条件を満たさない求職者STからの応募を受け付けない対応を指定するもの、つまり求人企業KKに応募する求職者STをフィルタリングするものと想定する。なお、設定情報は、応募条件を設定する求人企業KKによっても意向が異なることから、求人企業KK毎に用意するようにしても良い。このような設定情報が表す設定は、本実施形態における所定の設定に相当する。
【0074】
学習プログラムの各学習工程では、学習した学習工程で習得すべき知識を求職者STが習得したか否か確認するための試験を行うようにしている。習得すべき知識を習得したか否かの確認は、その試験で合格点以上の点数が得られたか否かにより行うようにしている。このことから、設定情報には、試験で出題する問題の数、1問当たりの解答時間、合格点(例えば正解の解答が得られた問題数)等を指定するものも含まれる。解答時間を制限するのは、習得すべきとする知識は直ちに使えるようにすることが望まれるとの考えからである。日本語で表示される問題を理解するのに比較的に長い時間を要するような外国人は、大部分の求人企業KKにとって採用の対象にならないことも理由である。
【0075】
求職者管理情報は、求職者登録情報とは異なり、求人企業KKが自由に閲覧するのを可能とさせていない求職者STの個人情報である。求職者管理情報には、例えばタトゥーの有無、タトゥーを消す意思の有無、予防接種の有無、受けた予防接種、親の職業、等の情報が含まれる。予防接種には、ワクチン接種も含まれる。それにより、予防接種を受けた求職者STでは、受けた予防接種の情報は、1つ以上となる。なお、求職者管理情報を構成する情報の種類、及びその数等は、特に限定されない。また、その情報の種類、及びその数等は、求職者STの国籍等を考慮することも重要である。
【0076】
各学習プログラムでは、学習工程毎に、その学習工程で習得すべき知識を習得したか否か確認するための試験を直後に行うようになっている。試験情報は、学習プログラム毎、及び学習工程毎に、試験として出題する問題、及び解答を表す情報である。
【0077】
同じ学習プログラムの同じ学習工程で出題する問題を同じとした場合、求職者STは問題を憶えてしまい、同じ学習工程の学習を繰り返すほど、合格点を出すのが容易となる。そのため、2回以上、同じ学習工程の学習を行い、2回以上の試験を受けた求職者STでは、実際に必要な知識を習得したか否かの確認を高精度には行えなくなる。このことから、本実施形態では、求職者STが同じ学習工程の学習を繰り返し行ったとしても、試験で同じ問題が出題されないように、同じ学習プログラム、同じ学習工程の試験情報を多数、用意している。それにより、多数、用意した試験情報のうちから選択したもので問題を出題するようにして、求職者STが習得すべき知識を習得したか否か確認する精度を高く維持させるようにしている。このような問題の出題に対応するために、各試験情報には、例えばプログラムID、学習工程番号、及び試験番号等が対応付けられる。
【0078】
その確認の精度を高く維持させることは、学習プログラムを修了した求職者STの人材としてのより高い価値を保証するように作用する。それにより、求人企業KKにとっては、学習プログラムの修了の有無は、求職者STを評価するうえでの有用な判断材料となる。求職者STにとっては、自身の価値をより高めるための選択肢として、学習プログラムの存在がより意識されるものとなる。
【0079】
上記のように、海外大学62等の海外の学校等のうちには、在校生(新卒者)の日本等への就職をサポートする体制を構築しているところも存在する。大学対応部116は、そのような学校等に対応する。その対応により、学校等の就職担当者は、在校生を管理する管理者のように行動することができる。その行動を可能とするために、会員情報を構成する会員種別が表す会員には、学校等関係者(就職担当者)、が含まれる。
【0080】
具体的には、就職担当者は、例えば在校生の仮の会員登録、学習プログラムへの申し込み等を行うことができる。また、在校生の採用の有無、採用した求人企業KK、等も確認することができる。これらは、大学対応部116が実行する処理により実現される。
【0081】
在校生の仮の会員登録を行う場合、就職担当者は、例えば会員登録させる在校生の個人情報を入力し、会員登録要求を就職担当者端末63から送信させる。大学対応部116は、その要求に対応し、入力された個人情報を会員登録部111に渡し、仮の会員登録を指示する。それにより、会員登録させる在校生は、求職者STとして、会員情報が生成され、会員情報格納部181に格納される。
【0082】
このようにして生成される会員情報には、就職担当者によって入力された個人情報が含まれる。その個人情報には、メールアドレスが含まれる。会員登録部111は、そのメールアドレスを宛先とするメールを送信させ、そのメールが送信させる求職者STである在校生に会員登録の手続きを完了させる。このようなことから、在校生は、より容易に求職者STとしての会員登録を行うことができる。なお、メールアドレスを宛先とするメールの送信による会員登録の手続きの完了は、実際には、在校生以外の人であっても行わせるようになっている。
【0083】
学習プログラムへの申し込み要求では、例えば在校生、及びその在校生に学ばせる学習プログラムが指定される。この申し込み要求は、仮の会員登録要求と併せて送信させることが可能である。このことから、在校生の指定は、個人情報、或いは会員IDの入力により行われる。
【0084】
この申し込み要求により、大学対応部116は、例えば在校生に割り当てられた会員ID、指定された学習プログラムのプログラムID、及び現在日時等の情報を含む学習履歴情報を在校生別に生成し、生成した学習履歴情報を、記憶部18に確保された学習履歴情報格納部190に格納する。
【0085】
この学習履歴情報は、求職者STが学習プログラムの各学習工程を学習する度に生成され格納される。実際に学習工程の学習を行った場合には、学習履歴情報には、例えば会員ID、プログラムID、学習工程番号、学習日時、試験の合否等の情報が含まれる。それにより、学習プログラムによる学習を行った求職者STでは、学習プログラムで学習した学習工程、その学習を行った日時、学習した学習工程での試験の合否、等を特定するのが可能となっている。
【0086】
学習プログラムへの申し込み要求は、各求職者STであっても、求職者端末61から送信させることができる。その要求の送信では、求職者STは、ログインさせている必要がある。このため、求職者STは、学習プログラムを指定すれば良い。
【0087】
この申し込み要求への対応は、求職者対応部113によって行われる。しかし、生成される学習履歴情報の構成、及びその生成の仕方等は基本的に同じである。そのため、求職者STにより送信される申し込み要求に対応するための処理の詳細については省略する。
【0088】
各学習工程の求職者STによる学習は、対応する学習動画を視聴(再生)させることで行われる。そのために、求職者STは、例えば学習プログラム、及び学習工程を指定し、学習工程選択要求を求職者端末61から送信させる。
【0089】
この要求は、動画再生処理部118によって処理させる。動画再生処理部118は、例えばその要求で指定された学習プログラムのプログラムID、及び学習工程番号を含む要求を生成して、DBサーバ3に送信させる。その要求により、DBサーバ3は、学習動画管理テーブル中から、そのプログラムID、及び学習工程番号が格納されたレコードを抽出し、そのレコード中のURLをAPサーバ1に送信する。そのURLが、動画再生処理部118により、Webサーバ2に送信される。
【0090】
Webサーバ2は、例えばAPサーバ1から受信したURLをリンクとする動画再生エリアが配置された画面(Webページ)を生成し、生成した画面を求職者端末61に送信する。動画再生を指示する操作を求職者STが行った場合、求職者端末61は、URLで指定される学習動画の再生要求を送信する。その再生要求により、動画再生処理部118は、URLで指定される学習動画をDBサーバ3から取得するための処理を行う。そのようにして取得される学習動画は、例えば再生要求を送信させた求職者端末61を指定するアドレス(例えばIPアドレス)、及び会員IDとともに、動画再生処理部118により、ストリーミングサーバ4に送信される。この結果、求職者端末61は、動画再生エリアに、ストリーミングサーバ4から送信される学習動画を再生させる。
【0091】
学習動画の再生終了は、ストリーミングサーバ4から、APサーバ1に通知される。その通知は、テスト実施部119により処理される。
その通知には、例えばプログラムID、学習工程番号、及び会員IDが含まれる。テスト実施部119は、これらを含む学習履歴情報を学習履歴情報格納部190から抽出し、抽出した学習履歴情報を参照することにより、学習動画の再生が終了した学習工程の試験(テスト)を求職者STが合格しているか否か確認する。試験に合格していることが確認できた場合、テスト実施部119は、例えば試験の合否をNULLとした学習履歴情報を生成し、学習履歴情報格納部190に格納する。試験は実施しない。一方、試験に合格していることが確認できなかった場合、テスト実施部119は、プログラムID、及び学習工程番号で指定される試験情報のうちから選択した試験情報を試験情報格納部186から抽出し、抽出した試験情報を用いた試験を実施する。なお、試験情報の選択は、例えば乱数を利用して行われる。それにより、求職者STが同じ学習工程の学習を繰り返し行った場合であっても、同じ問題の出題が回避されるか、例え同じ問題が出題されるとしても、その可能性は抑えられる。乱数による試験情報の選択を可能とするために、各試験情報には上記試験番号が割り当てられる。
【0092】
試験を実施する場合、テスト実施部119は、試験用の画面の送信をWebサーバ2に要求する。本実施形態では、上記のように、1問当たりの解答時間に制限を設けている。このことから、テスト実施部119は、その解答時間内で、Webサーバ2を介した試験情報が表す問題文の表示、及び解答として入力された情報の取得が行えるように制御する。入力された情報は、試験情報が表す解答と対比され、正解か否か判断される。
【0093】
このようにして、設定された数の問題を出題し、その解答結果を確認した後、テスト実施部119は、正解が得られた問題の数を計数し、その計数結果が合格点のレベルに達しているか否か確認する。それにより、合格点のレベルに達していると確認できた場合、テスト実施部119は、試験の合否を、試験の合格を表す情報とする学習履歴情報を生成し、学習履歴情報格納部190に格納する。反対に、合格点のレベルに達していると確認できなかった場合、テスト実施部119は、試験の合否を、試験の不合格を表す情報とする学習履歴情報を生成し、学習履歴情報格納部190に格納する。
【0094】
本実施形態では、学習プログラムを構成する学習工程は予め定めた順序に沿って移行されるものと想定するとともに、未学習の学習工程への移行は、現在、学習している学習工程での試験に合格するのを条件としている。このことから、動画再生処理部118は、学習工程選択要求中のプログラムID、及び学習工程番号で指定される学習動画を視聴する条件を求職者STが満たしているか否かを確認する。それにより、求職者STが任意の学習工程の学習を行えないように制限される。
【0095】
上記のように、基礎的能力の確認でも、学習プログラムと同様に、複数の確認工程に分け、確認工程毎に試験が実施される。そのため、学習プログラムと同様に、学習履歴情報が各確認工程で生成される。学習プログラムとの相違は、無償である点、基礎的能力が合格レベルと確認された場合に、会員情報中の基礎的能力の合否が「合」に更新される点、等である。このようなことから、基礎的能力の確認のために動画再生処理部118、及びテスト実施部119がそれぞれ行う処理の内容についての詳細な説明は省略する。
【0096】
本実施形態では、このようにして学習履歴情報格納部190に格納された学習履歴情報の内容の閲覧を求人企業KKに可能とさせている。その閲覧のために、採用担当者は、求職者ST、及び学習プログラムを指定する必要がある。特に詳細な説明は省略するが、本実施形態では、それら2つを順次、指定する他に、それら2つを同時に指定することが可能となっている。このため、その閲覧のための要求には、計3種類、存在する。求人企業対応部115は、採用担当者端末65から送信されるその要求に対応する。この要求は、以降、「学習履歴閲覧要求」と表記する。また、便宜的に、その要求は求職者STの会員ID、及び学習プログラムのプログラムIDを指定するものと想定する。
【0097】
この学習履歴閲覧要求により、求人企業対応部115は、指定された会員ID、及びプログラムIDを含む学習履歴情報を学習履歴情報格納部190から抽出する。抽出した学習履歴情報の内容は、例えば時系列に沿って確認し、学習工程毎に、その学習工程の試験が合格するまでに学習が行われた日時を特定する。求人企業対応部115は、学習履歴情報の内容として、例えばこの学習工程毎に確認された日時をWebサーバ2に送信することにより、その日時をグラフ表示させることができる。
【0098】
図6は、学習履歴情報により閲覧可能となるグラフ表示の例を説明する図である。
この例では、縦軸に学習工程、横軸に年月日をとってグラフを表している。グラフ中の各点は、学習が行われた学習工程を示している。上記のように、本実施形態では、学習工程は予め定めた順序に沿って移行され、未学習の学習工程への移行は、現在、学習している学習工程での試験に合格するのが条件とされる。そのため、縦軸上の位置が異なる隣り合う2つの点では、時間的に前に位置する点が表す学習工程で求職者STが試験に合格したことを示している。
【0099】
なお、学習プログラムによっては、学習工程を移行させる順序を定めなくとも良い。つまり、未学習の学習工程のうちで次に学習する学習工程を求職者STに任意に選択させるようにしても良い。また、予め定めた順序に沿った移行、及びその順序に沿って次の工程に移行する条件は、基礎的能力の確認でも同じである。このため、基礎的能力を確認した過程も、グラフ表示させることが可能である。学習する学習工程を求職者STに任意に選択させるようにした場合であっても同様である。
【0100】
図6に例を示すようなグラフを閲覧可能にする場合、求人企業KK側は、学習工程の学習が行われる頻度から、求職者STの熱意を推測することができる。試験を合格するまでに各学習工程の学習を行った回数から、求職者STの学習能力の高さ等を推測することができる。試験に合格するまでに学習工程の学習を行った回数の変化から、求職者STの学習能力の変化、或いはポテンシャルの高さ等を推測することができる。これらは、求職者STを従業員として採用する求人企業KKにとっては、求職者STを採用するか否かを判断するうえで重要な指標となり得る。このようなことから、
図6に例を示すようなグラフを閲覧可能にすることは、求人企業KKにとって非常に有用である。
【0101】
求職者STは、求人情報を閲覧して、応募する求人企業KKを決定し応募する。応募受付部120は、その応募に対応する。
上記のように、求人情報には、応募条件を設定することが可能である。設定された応募条件を求職者STが満たしているか否かに応じた対応は、設定情報により指定可能である。このことから、応募受付部120は、求職者STが応募先として指定した求人企業KKの求人情報、応募の受け付けに関係する設定情報を参照し、応募に対応する。
【0102】
求職者STは、例えば応募する求人企業KKを指定するとともに、その求人企業KKに閲覧させる応募書類を指定し、応募を行う。このことから、その応募のための操作を求職者STが行った場合、例えば応募する求人企業KKを指定する情報、例えば会員IDと、指定された応募書類、或いはその応募書類を表す情報とを少なくとも含む応募要求が求職者端末61から送信される。
【0103】
この応募要求は、応募受付部120によって処理される。その応募要求による応募を有効とするか否かに係わらず、応募受付部120は、応募実績情報を生成し、生成した応募実績情報を記憶部18に確保された応募実績情報格納部189に格納する。生成される応募実績情報は、例えば会員ID、応募先、現在日時(応募日時)、応募条件成立の有無、採用の合否等を含む情報群である。応募条件成立の有無は、求職者STが応募条件の全てを満たしているか否かを表す情報である。応募条件の全てを求職者STが満たしていた場合、応募条件成立の有無は「有」となる。
【0104】
本実施形態では、応募条件成立の有無が「有」となっている求職者STの求人企業KKへの応募を有効とさせている。そのため、応募受付部120は、求職者STからの応募を求人企業KKに通知するための処理を行う。求職者STが指定した応募書類の求人企業KK側による閲覧は、求職者動画を含む求職者登録情報の閲覧と同じく、求人企業対応部115によって実現される。
【0105】
求人企業KKは、応募書類、或いは求職者動画を含む求職者登録情報を検討し、採用を考える求職者STとの面接等を行い、採用の合否を決定する。採用すると決定した求職者STには、その旨が連絡され、求職者STと求人企業KKとの間で雇用契約が締結されることにより、求職者STは求人企業KKで就業することになる。応募から雇用契約の締結までの間のサポートについては、周知技術を用いても良いことから、詳細な説明は省略する。
【0106】
求人企業KKは、雇用契約の締結により、その旨を就職サイトに通知する。その通知により、求人企業対応部115は、就業実績情報を生成して、記憶部18に確保された就業実績情報格納部188に格納する。
【0107】
この就業実績情報は、例えば、求人企業KKの会員ID、採用された求職者STの会員ID、求人種別、就業開始日、就業修了日、求職者STの銀行口座、勤務状態、求職者状況、勤務内容評価、等を表す情報群である。それにより、就業実績情報は、求人企業KKに就業している求職者STを確認可能にするとともに、その求職者STの職歴を確認可能にする。また、就業が通常求人、及び臨時求人のうちの何れかによるものか確認可能にする。臨時求人の求人企業(臨時求人企業)KKへの就業の場合、勤務状態、求職者状況、勤務内容評価等への入力は任意となる。
【0108】
就業実績情報において、勤務状態情報は、求人企業KK側からの求職者STの勤務に係わる各種認識を表す情報群である。上記のように、勤務状態情報の項目としては、例えば遅刻の頻度、休暇の頻度、無断欠勤の有無、勤務態度、協調性、業務内容、業務遂行能力、健康状態等を挙げることができる。
求職者状況情報の項目としては、上記のように、例えば健康状態、業務に感じる難易度、他の従業員との関係、等を挙げることができる。
【0109】
勤務状態情報、及び求職者状況情報はともに、採用後の就職斡旋会社AFによる状況確認の結果を表す情報である。そのため、勤務状態情報、及び求職者状況情報の入力、及び更新の何れも、管理者対応部114が管理者端末5からの要求に対応することにより行われる。
【0110】
勤務内容評価情報は、勤務状態情報、及び求職者状況情報から生成される1つ以上の情報であり、求職者STの総合的な勤務内容の評価結果を表す。自動評価部121は、勤務状態情報、及び求職者状況情報を用いて、勤務内容評価情報を生成し、生成した勤務内容評価情報を入力する。そのために、自動評価部121は、例えば勤務状態情報、及び求職者状況情報のうちの何れかの更新により、或いは予め定めたタイミングにより、勤務内容評価情報を生成し、就業実績情報中の勤務内容評価情報の入力、或いは更新を行う。
【0111】
勤務内容評価情報は、例えば離散的な多段階の数値として生成される。例えば0~10の間の整数として生成される。本実施形態では、勤務状態情報、及び求職者状況情報の各項目のうちで求人企業KKへの応募を認めるべきでないとする内容となった項目が存在する場合、勤務内容評価情報の数値を、通常、想定する数値以外の数値、例えば負の数値とするようにしている。そのようにして、求職者STの応募を事実上、行えないようにさせている。なお、項目、及びその内容の例としては、無断欠勤の有無が連絡を取れない状況、つまり行方不明となっている状況を表している場合を挙げることができる。
【0112】
就業実績情報中の銀行口座は、本実施形態では求人企業KKに入力させるようにしている。会員情報中の銀行口座は、求職者STに入力させるようにしている。そのようにして、異なる情報中の銀行口座をそれぞれ別の者に入力させるのは、求職者STが給与の振込先として利用する銀行口座をより確実に把握できるようにするためである。なお、会員情報の更新は、会員登録部111によって実現され、就業実績情報中の銀行口座の更新は、求人企業対応部115によって実現される。
【0113】
勤務内容評価は、応募条件として指定することが可能である。例えば数値が高くなるほど、勤務内容評価を高くする場合、勤務内容評価情報が表す数値の下限値を応募条件として指定することが可能である。このことから、応募受付部120は、応募要求を処理する場合、以下に説明するように、就業実績情報も必要に応じて参照することになる。
【0114】
図7、及び
図8は、応募受付処理の例を示すフローチャートである。この応募受付処理は、応募要求の受信により、応募受付部120が実行する処理である。ここでは、上記のように、何れかの応募条件を求職者STが満たしていない場合、応募を受理せず、求人企業KKへの応募は行わせないことを想定している。なお、このような対応は一例である。満たさない場合の対応方法は、応募条件別に設定しても良く、求人企業KKの意向に沿って設定しても良い。また、満たさない応募条件の数、或いはその割合により、対応方法を異ならせるようにしても良い。
【0115】
先ず、ステップS11では、応募受付部120は、基礎的能力が合格か否か判定する。応募要求を送信させた求職者STの会員情報中の基礎的能力の合否が「合」を表していた場合、その求職者STは基礎的能力が合格であると確認されていることから、ステップS11の判定はYESとなってステップS13に移行する。そうでない場合、つまり会員情報中の基礎的能力の合否が「否」を表していた場合、ステップS11の判定はNOとなってステップS12に移行する。
【0116】
ステップS12では、応募受付部120は、応募要求を送信した求職者端末61に対し、応募資格なしを求職者STにメッセージ等で通知するための処理を行う。また、応募条件成立の有無が「無」、採用の合否が「否」を表す応募実績情報を生成し、応募実績情報格納部189に格納する。その後、応募受付処理が終了する。
【0117】
一方、ステップS13では、応募受付部120は、応募要求で指定された求人企業KKの求人情報を求人情報格納部187から読み出し、その内容、特に設定された応募条件を確認する。その後に移行するステップS14では、応募受付部120は、設定された応募条件が存在するか否か判定する。1つ以上の応募条件が設定されていた場合、ステップS14の判定はYESとなってステップS15に移行する。応募条件が1つも設定されていない場合、ステップS14の判定はNOとなって
図8のステップS26に移行する。
【0118】
ステップS15では、応募受付部120は、学習プログラムの修了が応募条件として設定されているか否か判定する。何らかの学習プログラムの修了が応募条件として1つ以上、設定されていた場合、ステップS15の判定はYESとなってステップS16に移行する。学習プログラムの修了が応募条件として設定されていない場合、ステップS15の判定はNOとなってステップS17に移行する。
【0119】
学習プログラムの修了とは、最後に学習すべき学習工程で実施される試験に合格することである。このことから、ステップS16では、応募受付部120は、例えばプログラムID、会員ID、及び学習工程番号で指定される学習履歴情報を学習履歴情報格納部190から読み出して参照することにより、最後の学習工程の試験に合格したか否かの判定を行う。それにより、参照した学習履歴情報のうちに、試験の合否が「合」となっている学習履歴情報が存在していた場合、ステップS16の判定はYESとなってステップS17に移行する。学習履歴情報を参照できなかったことを含め、そのような学習履歴情報が存在していない場合、ステップS16の判定はNOとなって上記ステップS12に移行する。
【0120】
ステップS17では、応募受付部120は、求職者STが転職者か否か判定する。求職者STの会員情報中の職歴の有無が「有」を表しているか、或いは求職者STの会員IDが含まれる就業実績情報が存在する場合、求職者STは転職者と見なすことができる。このことから、ステップS17の判定はYESとなってステップS18に移行する。そうでない場合、ステップS17の判定はNOとなって
図8のステップS20に移行する。
【0121】
ステップS18では、応募受付部120は、応募条件として、勤務内容評価の評価内容が指定、例えば数値の下限値が指定されたか否か判定する。そのような評価内容が応募条件として指定されていた場合、ステップS18の判定はYESとなってステップS19に移行する。そのような応募条件が指定されていない場合、ステップS19の判定はNOとなって
図8のステップS22に移行する。
【0122】
ステップS19では、応募受付部120は、例えば求職者STの会員IDが格納されている就業実績情報のうちで最新の就業実績情報を特定し、その中の勤務内容評価情報の内容が応募条件を満たしているか否か判定する。それにより、例えば応募条件として数値の下限値が設定され、勤務内容評価情報が表す数値がその下限値以上であった場合、応募条件は満たしているとして、ステップS19の判定はYESとなって
図8のステップS22に移行する。そうでない場合、応募条件は満たしていないとして、ステップS19の判定はNOとなって上記ステップS12に移行する。
【0123】
なお、転職者のうちには、就業実績情報が存在しない者もあり得る。しかし、就業実績情報が存在しないことは、事実上、応募条件を満たしていないとする根拠とはならない。このことから、本実施形態では、就業実績情報が存在しない転職者は、応募条件を満たしていると見なすようにしている。
【0124】
図8のステップS20では、応募受付部120は、新卒者を想定した学校等での学業上の評価内容が応募条件として指定されているか否か判定する。学業上の評価内容とは、例えば履修している学部、或いは学科等である。そのような応募条件が設定されていた場合、ステップS20の判定はYESとなってステップS21に移行する。そのような応募条件が設定されていない場合、ステップS20の判定はNOとなってステップS22に移行する。
【0125】
ステップS21では、応募受付部120は、求職者STが応募条件を満たすか否か判定する。例えば学部、或いは学科等が応募条件として指定され、求職者が指定された学部、或いは学科等を履修していた場合、応募条件は満たされているとして、ステップS21の判定はYESとなってステップS22に移行する。そうでない場合、応募条件は満たされていないとして、ステップS21の判定はNOとなって、上記ステップS12に移行する。
【0126】
ステップS22では、応募受付部120は、身元保証人の存在を応募条件として設定されているか否か判定する。求人企業KKが身元保証人の存在を応募条件として求めていた場合、ステップS22の判定はYESとなってステップS23に移行する。,身元保証人の存在を応募条件として求められていなかった場合、ステップS22の判定はNOとなってステップS24に移行する。
【0127】
ステップS23では、応募受付部120は、求職者STの会員情報中の身元保証人の情報を参照することにより、身元保証人が存在するか否か、つまり応募条件が満たされているか否か判定する。身元保証人が存在する場合、ステップS23の判定はYESとなってステップS24に移行する。そうでない場合、ステップS23の判定はNOとなって上記ステップS12に移行する。なお、上記のように、求職者STは、就職斡旋会社AFを身元保証人とする身元保証人サービスを利用することができる。
【0128】
ステップS24では、応募受付部120は、他の応募条件が存在するか否か判定する。他に1つ以上の応募条件が存在する場合、ステップS24の判定はYESとなってステップS25に移行する。そうでない場合、つまり他に応募条件が存在しない場合、ステップS24の判定はNOとなってステップS26に移行する。
【0129】
ステップS25では、応募受付部120は、他の応募条件毎に、その応募条件を満たすか否か確認することにより、他の応募条件の全てが満たされているか否か判定する。他の応募条件の全てが満たされている場合、ステップS25の判定はYESとなってステップS26に移行する。他の応募条件のうちで1つ以上、満たされていない応募条件が存在する場合、ステップS25の判定はNOとなって上記ステップS12に移行する。
【0130】
ステップS26への移行は、求職者STが満たすべき応募条件の全てを満たしていることが確認できたことを意味する。このことから、ステップS26では、応募受付部120は、要求された応募を受理する。続くステップS27では、応募受付部120は、求職者STには応募は受理された旨、求人企業KKには応募があった旨をそれぞれメッセージ等で通知するための処理を行う。また、応募条件成立の有無を「有」、採用の合否をNULLとする応募実績情報を生成し、応募実績情報格納部189に格納する。その後、応募受付処理が終了する。
【0131】
このように、応募に対し、設定された応募条件によるフィルタリングが行われる。そのため、求人企業KKにとっては、応募条件の設定を通して、応募するのを希望する求職者STからの応募のみに対応すれば良いようになる。結果、求人企業KKにおける人材採用業務はより効率化することになる。
【0132】
外国人の求職者STは、転職者でなければ、求人企業KKへの就業により、銀行口座を開設することになる。本実施形態では、既に銀行口座を持っている求職者STの場合、会員情報中の銀行口座を求人企業KKに伝えるか、或いは閲覧可能にして、その銀行口座を給与の振込先として使用することを求人企業KKに求めている。それにより、副業として臨時求人に応募し採用された求職者STでは、任意の銀行口座に給与を振り込むのを回避させるようにしている。このことから、求職者STは、副業を適切な形で行うことができる。より脱税等を行えない環境を実現させることができる。副業を既に就業している求職者STでも可能にしたのは、このことも理由の1つである。
【0133】
外国人の求職者STでは、上記のように、会員情報中のビザ種別、及び在留期間満了日の入力が必須とされる。求職者STは、在留期間満了日が到来する前に、在留期間を延長する手続き、或いは帰国する必要がある。期限確認部122は、会員情報が登録され、帰国していない求職者STを対象に、在留期間満了日までの残り日数を確認する。期限確認部は、その残り日数が設定された日数以下と確認された求職者STに対し、通知処理部123に指示して、その旨を通知する連絡を行わせる。その連絡により、求職者STは、在留期間満了日までに適切な対応をとることができる。日数の設定は、設定情報により任意に行うことができる。
【0134】
連絡の対象となる求職者STは、在留期間を延長可能であれば、必要な手続きを行い、会員情報中の在留期間満了日を更新する。帰国する必要がある求職者STは、帰国予定日が決まれば、会員情報中の帰国予定日を入力することになる。そのため、本実施形態では、帰国予定日が入力されている求職者STは、連絡の対象から除外するようにしている。これは、帰国予定日には求職者STが帰国すると見なすためである。帰国予定日が入力されていない求職者STでは、在留期間満了日の経過により、帰国していると見なすようにしている。
【0135】
連絡された求職者STが必要な項目の情報、つまり在留期間満了日、或いは帰国予定日を入力しない可能性がある。このことから、本実施形態では、管理者を対象にした連絡も併せて行うようにしている。その連絡を行う手段は特に限定されるものではないが、メール、SNS(Social Networking Service)、或いは電話等を用いて行うことが考えられる。ここでは便宜的に、メールを用いた連等が採用されたものと想定する。
期限確認部122は、このような期限確認を、例えば管理者による指示か、或いは設定情報で指定されるタイミングの到来により行う。
【0136】
図9は、期限確認処理の例を示すフローチャートである。この期限管理処理は、期限確認、及びその確認結果に応じた連絡のために、期限確認部122が実行する処理である。ここで
図9を参照し、期限確認部122が実行する期限管理処理について詳細に説明する。なお、
図9中の「α」「β」は、設定情報により設定された残り日数の数値を表している。大小関係は、α>β、となっている。
【0137】
先ず、ステップS51では、期限確認部122は、会員情報格納部181に格納されている会員情報を参照し、期限確認の対象となる会員を特定する。対象となる会員は、帰国する必要のある外国人である求職者STである。
【0138】
続くステップS52では、期限確認部122は、特定した会員のうちの一人を選択する。次に移行するステップS53は、期限確認部122は、在留期限満了日までの残り日数がα日以内か否か判定する。在留期間満了日までα日以内であった場合、ステップS53の判定はYESとなってステップS56に移行する。そうでない場合、つまり在留期間満了日までα日を超える日数が残っている場合、ステップS53の判定はNOとなってステップS54に移行する。
【0139】
ステップS54では、期限確認部122は、在留期限満了日までの残り日数がβ以内か否か判定する。在留期間満了日までβ日以内であった場合、ステップS54の判定はYESとなってステップS56に移行する。そうでない場合、つまり在留期間満了日までβ日を超える日数が残っている場合、ステップS54の判定はNOとなってステップS55に移行する。
【0140】
ステップS55では、期限確認部122は、ステップS51で特定した会員のうちで未選択の他の会員が居るか否か判定する。特定した会員の全てを選択していない場合、ステップS55の判定はYESとなって上記ステップS52に戻り、未選択の会員のうちの一人が選択される。特定した会員の全てを選択していた場合、ステップS55の判定はNOとなり、ここで期限管理処理が終了する。
【0141】
上記ステップS53の判定がYESとなって移行するステップS56では、期限確認部122は、在留期間満了日までの残り日数(α、或いはβ)が設定された日数以内と確認されたことに対応した連絡を行っているか否か判定する。その確認による連絡を通知処理部123に行わせていた場合、ステップS56の判定はYESとなって上記ステップS55に移行する。その確認による連絡を通知処理部123に行わせていない場合、ステップS56の判定はNOとなってステップS57に移行する。
【0142】
ステップS57では、期限確認部122は、選択している会員の会員情報を参照し、その会員情報中に帰国予定日が入力されているか否か判定する。その帰国予定日が入力されていた場合、ステップS57の判定はYESとなって上記ステップS55に移行する。一方、帰国予定日が入力されていない場合、ステップS57の判定はNOとなってステップS58に移行する。
【0143】
ステップS58では、期限確認部122は、通知処理部123に指示し、在留期間満了日が近づいており、在留期間の延長手続き、或いは帰国を行う必要性等を通知するためのメッセーフが本文に入力されたメールを会員、及び管理者宛にそれぞれ送信させる。その後、上記ステップS55に移行する。
【0144】
このように、期限管理処理では、在留期間満了日の通知の対象となる会員のみを対象とし、その会員のうちで通知が必要な会員を抽出し、抽出した会員にのみ、通知を行うようにしている。そのため、事実上、不要な通知を行うようなことが回避されるか、抑えられる。このことから、会員にとっては不要な通知(ここではメール)の確認に要する時間も抑えられることとなる。
【0145】
なお、本実施形態では、求職者STに対する基礎的能力の確認を1つの学習プログラムを履修させる形で行うようにしているが、複数の学習プログラムのうちから求職者STが望む業務内容に応じて1つ以上を自動的に選択し、履修させるようにしても良い。通常のテストのようなものを1つ以上、行わせることを含めても良い。動画の視聴、及び試験とを組み合わせ、基礎的能力の確認を行うようにしたのは、言語能力(例えば日本語能力)、及び基礎的な知識を同時に確認でき、効率的だからである。
【0146】
学習履歴情報による情報提示は、
図6に示すようなグラフ表示により行うようにしているが、情報提示は、グラフ表示に限定されない。例えば文字情報、他の求職者STとの対比による算出結果、等により提示するようにしても良い。複数の提示方法を組み合わせても良い。望む提示方法を求人企業KK側に選択可能にさせても良い。
【0147】
また、在留期間満了日についての通知の対象者は、求職者STである会員、及び管理者としているが、その対象者に、求職者STが銀行口座を開設した銀行64を含めても良い。例えば、通知により、求職者STが有する銀行口座を停止させるようにしても良い。そのようにした場合には、求職者STが必要な手続きを例え行わなかったとしても、銀行口座が不正利用されることを確実に回避させることができる。これは、必要な手続きを行っていないことが確定した後にするのが望ましいと考えられる。このことから、例えば帰国予定日が過ぎたタイミングか、帰国予定日が未入力であれば、在留期間満了日が過ぎたタイミンで銀行64への通知を行うのが考えられる。
【符号の説明】
【0148】
1 APサーバ、2 Webサーバ、3 DBサーバ、4 ストリーミングサーバ、5 管理者端末、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、60 ネットワーク、61 求職者端末、62 海外大学、63 就職担当者端末、64 銀行、65 採用担当者端末、111 会員登録部、112 認証部、113 求職者対応部、114 管理者対応部、115 求人企業対応部、116 大学対応部、117 求人検索処理部、118 動画再生処理部、119 テスト実施部、120 応募受付部、121 自動評価部、122 期限確認部、123 通知処理部123、181 会員情報格納部、182 設定情報格納部、183 求職者登録情報格納部、184 応募書類格納部、185 求職者管理情報格納部、186 試験情報格納部、187 求人情報格納部、188 就業実績情報格納部、189 応募実績情報格納部、190 学習履歴情報格納部190、AF 就職斡旋会社、KK 求人企業。