(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104154
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、超音波診断装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008239
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 拓実
(72)【発明者】
【氏名】平山 貢大
(72)【発明者】
【氏名】大井 伸秀
(72)【発明者】
【氏名】安藤 広治
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 武
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601GA18
4C601JC20
4C601KK23
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】超音波検査に関するカメラ画像の内容についてのプライバシーを保護すること。
【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、プローブ信号取得部と、カメラ画像取得部と、接触状態検出部と、出力制御部とを備える。プローブ信号取得部は、超音波プローブから供給されたプローブ信号を順次取得する。カメラ画像取得部は、カメラによって撮影されたカメラ画像を順次取得する。接触状態検出部は、プローブ信号に基づいて、被検体に対する超音波プローブの接触状態を識別する。出力制御部は、超音波プローブの接触状態に応じて、カメラ画像の出力態様を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブから供給されたプローブ信号を順次取得するプローブ信号取得部と、
カメラによって撮影されたカメラ画像を順次取得するカメラ画像取得部と、
前記プローブ信号に基づいて、被検体に対する前記超音波プローブの接触状態を識別する接触状態検出部と、
前記超音波プローブの接触状態に応じて、前記カメラ画像の出力態様を制御する出力制御部と
を具備する、医用画像処理装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記接触状態として前記超音波プローブが前記被検体に接触していない状態である場合、前記出力態様として前記カメラ画像の出力制限をする、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記カメラ画像から前記超音波プローブの有無を解析するカメラ画像解析部
をさらに具備し、
前記出力制御部は、前記接触状態および前記超音波プローブの有無に応じて、前記出力態様を制御する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記接触状態として前記超音波プローブが前記被検体に接触している状態である場合、且つ前記カメラ画像から前記超音波プローブを検出した場合、前記出力態様として秘匿化処理を行った前記カメラ画像を出力する、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記秘匿化処理は、前記カメラ画像における前記超音波プローブの周囲以外をマスクする処理および前記カメラ画像における前記超音波プローブの周囲に前記カメラ画像を拡大させる処理のうちの少なくとも一つである、
請求項4に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記接触状態として前記超音波プローブが前記被検体に接触していない状態である場合、且つ前記カメラ画像から前記超音波プローブを検出していない場合、前記出力態様として前記カメラ画像の出力制限をする、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記カメラ画像から前記超音波プローブと前記被検体の体表との位置関係を検出するカメラ画像解析部
をさらに具備し、
前記出力制御部は、前記接触状態および前記位置関係に応じて、前記出力態様を制御する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記出力制御部は、前記接触状態として前記超音波プローブが前記被検体に接触していない状態である場合、且つ前記位置関係としての前記超音波プローブと前記体表との距離が所定の距離未満の場合、前記出力態様として前記カメラ画像の出力制限をしない、
請求項7に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記プローブ信号は、前記超音波プローブに設けられた圧力センサによって検出される圧力についての圧力信号を含み、
前記接触状態検出部は、前記圧力信号に基づいて、前記接触状態を識別する、
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記接触状態として前記超音波プローブが前記被検体に接触している状態である場合、前記カメラの電源をオンにする、
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記出力制御部は、
前記プローブ信号に基づく超音波画像と前記カメラ画像とを有する合成画像を生成し、
前記出力制限として前記合成画像における前記カメラ画像をオフ状態にする、
請求項2、請求項6、および請求項8のうちのいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記オフ状態は、前記カメラの電源をオフ、前記カメラ画像の表示をオフ、前記カメラ画像の外部への送信をオフ、および前記カメラ画像の記憶をオフのうちの少なくとも一つによって行われる、
請求項11に記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
前記出力制御部は、前記オフ状態であることを示す文字列を出力する、
請求項12に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記出力制御部は、前記接触状態が所定時間継続した場合、前記出力制限をする、
請求項2、請求項6、および請求項8のうちのいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項15】
超音波プローブから供給されたプローブ信号を順次取得するプローブ信号取得部と、
カメラによって撮影されたカメラ画像を順次取得するカメラ画像取得部と、
前記プローブ信号に基づいて、被検体に対する前記超音波プローブの接触状態を識別する接触状態検出部と、
前記超音波プローブの接触状態に応じて、前記カメラ画像の出力態様を制御する出力制御部と
を具備する、超音波診断装置。
【請求項16】
コンピュータを、
超音波プローブから供給されたプローブ信号を順次取得する手段と、
カメラによって撮影されたカメラ画像を順次取得する手段と、
前記プローブ信号に基づいて、被検体に対する前記超音波プローブの接触状態を識別する手段と、
前記超音波プローブの接触状態に応じて、前記カメラ画像の出力態様を制御する手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置、超音波診断装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置において、カメラで撮影した検査手技の映像(カメラ画像)を超音波画像上に重畳表示する技術が知られている。この技術は、検査者以外のユーザに対して、どのような検査を実施しているかを示すために有効な手段である。また、ネットワークの普及により、超音波画像およびカメラ画像をリアルタイムで外部に配信することも可能となっている。
【0003】
上記のようにカメラ画像を超音波画像上に重畳表示する場合、カメラ画像に意図しないもの(例えば、プライバシーに係わる様子および身体部位)が映り込む可能性がある。特に、映像がネットワークを通じて外部へ配信されている場合、取り消すことが困難であることから、秘匿すべきものをカメラ画像に映り込ませないことが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、超音波検査に関するカメラ画像の内容についてのプライバシーを保護することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用画像処理装置は、プローブ信号取得部と、カメラ画像取得部と、接触状態検出部と、出力制御部とを備える。プローブ信号取得部は、超音波プローブから供給されたプローブ信号を順次取得する。カメラ画像取得部は、カメラによって撮影されたカメラ画像を順次取得する。接触状態検出部は、プローブ信号に基づいて、被検体に対する超音波プローブの接触状態を識別する。出力制御部は、超音波プローブの接触状態に応じて、カメラ画像の出力態様を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の装置本体の外観を例示する斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態における超音波画像、カメラ画像、および合成画像を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1の実施形態におけるカメラ画像をオフにした場合の第1の表示例である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態におけるカメラ画像をオフにした場合の第2の表示例である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の応用例におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の第1の変形例に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1の変形例におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、第1の変形例における秘匿化処理を施した場合の第1の表示例である。
【
図11】
図11は、第1の変形例における秘匿化処理を施した場合の第2の表示例である。
【
図12】
図12は、第1の変形例における秘匿化処理を施した場合の第3の表示例である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の第2の変形例におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】
図14は、第1の実施形態の第3の変形例に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置および超音波診断装置の実施形態について詳細に説明する。尚、医用画像処理装置は、コンピュータ或いはプロセッサなどに相当し、超音波診断装置の構成の一部であってもよい。よって、以下では医用画像処理装置が超音波診断装置に搭載される例について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。
図1の超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101とを有している。装置本体100は、入力装置102および出力装置103と接続されている。また、装置本体100は、ネットワークNWを介して外部装置104と接続されている。外部装置104は、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)を搭載したサーバなどである。更に、装置本体100は、カメラ105と接続されている。
【0010】
図2は、第1の実施形態における超音波診断装置1の装置本体100の外観を例示する斜視図である。
図2の装置本体100は、ディスプレイとしての出力装置103の上部にカメラ105が設置されている。カメラ105は、装置本体100などに直接設置されてもよいし、装置本体100などに支持アーム(図示せず)などを介して設置されてもよい。また、カメラ105は、設置場所を問わず、装置本体100と有線、或いは無線で接続されていればよい。尚、
図2では、超音波プローブ101の図示を省略している。
【0011】
超音波プローブ101は、例えば、装置本体100からの制御に従い、被検体である生体P内のスキャン領域について超音波スキャンを実行する。超音波プローブ101は、例えば、複数の圧電振動子、複数の圧電振動子とケースとの間に設けられる整合層、および複数の圧電振動子から放射方向に対して後方への超音波の伝搬を防止するバッキング材等を有する。超音波プローブ101は、例えば、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイリニアプローブである。超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。超音波プローブ101には、オフセット処理、および超音波画像をフリーズさせる操作(フリーズ操作)等の際に押下されるボタンが配置されてもよい。尚、「生体P」は、「被検体P」に言い換えられてもよい。
【0012】
複数の圧電振動子は、装置本体100が有する後述の超音波送信回路110から供給される駆動信号に基づいて超音波を発生する。これにより、超音波プローブ101から生体Pへ超音波が送信される。超音波プローブ101から生体Pへ超音波が送信されると、送信された超音波は、生体Pの体組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流または心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。超音波プローブ101は、生体Pからの反射波信号を受信して電気信号に変換する。
【0013】
図1には、一つの超音波プローブ101と装置本体100との接続関係を例示している。しかしながら、装置本体100には、複数の超音波プローブを接続することが可能である。接続された複数の超音波プローブのうちのいずれかの超音波プローブを超音波スキャンに使用するかは、ユーザが任意に選択することができる。
【0014】
装置本体100は、超音波プローブ101により受信された反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体100は、超音波送信回路110と、超音波受信回路120と、内部記憶回路130と、画像メモリ140と、入力インタフェース150と、出力インタフェース160と、通信インタフェース170と、処理回路180とを有している。
【0015】
超音波送信回路110は、超音波プローブ101に駆動信号を供給するプロセッサである。超音波送信回路110は、例えば、トリガ発生回路、遅延回路、およびパルサ回路等により実現される。トリガ発生回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返して発生する。遅延回路は、超音波プローブから発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な複数の圧電振動子毎の遅延時間を、トリガ発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に設けられる複数の超音波振動子へ駆動信号(駆動パルス)を印加する。遅延回路により各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、複数の圧電振動子の表面からの送信方向が任意に調整可能となる。
【0016】
また、超音波送信回路110は、駆動信号によって、超音波の出力強度を任意に変更することができる。超音波診断装置では、出力強度を大きくすることにより、生体P内での超音波の減衰の影響を小さくすることができる。超音波診断装置は、超音波の減衰の影響を小さくすることによって、受信時において、S/N比の大きい反射波信号を取得することができる。
【0017】
一般的に、超音波が生体P内を伝播すると、出力強度に相当する超音波の振動の強さ(これは、音響パワーとも称する)が減衰する。音響パワーの減衰は、吸収、散乱および反射などによって起こる。また、音響パワーの減少の度合いは、超音波の周波数および超音波の放射方向の距離に依存する。例えば、超音波の周波数を大きくすることにより、減衰の度合いは大きくなる。また、超音波の放射方向の距離が長くなるほど、減衰の度合いは大きくなる。
【0018】
超音波受信回路120は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を施し、受信信号を生成するプロセッサである。超音波受信回路120は、超音波プローブ101によって取得された超音波の反射波信号に対する受信信号を生成する。具体的には、超音波受信回路120は、例えば、プリアンプ、A/D変換器、復調器、およびビームフォーマ等により実現される。プリアンプは、超音波プローブ101が受信した反射波信号をチャネル毎に増幅してゲイン補正処理を行う。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をディジタル信号に変換する。復調器は、ディジタル信号を復調する。ビームフォーマは、例えば、復調されたディジタル信号に受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与えて、遅延時間が与えられた複数のディジタル信号を加算する。ビームフォーマの加算処理により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調された受信信号が発生する。
【0019】
内部記憶回路130は、例えば、磁気的記憶媒体、光学的記憶媒体、または半導体メモリ等、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体等を有する。内部記憶回路130は、超音波送受信を実現するためのプログラム、後述するカメラ画像出力制御処理などに関するプログラムおよび各種データ等を記憶している。プログラムおよび各種データは、例えば、内部記憶回路130に予め記憶されていてもよい。また、プログラムおよび各種データは、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されて内部記憶回路130にインストールされてもよい。また、内部記憶回路130は、カメラ105で撮影されるカメラ画像に関する画像データ等を記憶する。内部記憶回路130は、記憶している画像データを、通信インタフェース170を介して外部装置104等に転送することも可能である。
【0020】
なお、内部記憶回路130は、CDドライブ、DVDドライブ、およびフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。内部記憶回路130は、記憶しているデータを可搬性記憶媒体へ書き込み、可搬性記憶媒体を介してデータを外部装置104に記憶させることも可能である。
【0021】
画像メモリ140は、例えば、磁気的記憶媒体、光学的記憶媒体、または半導体メモリ等、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体等を有する。画像メモリ140は、入力インタフェース150を介して入力されるフリーズ操作直前の複数フレームに対応する画像データを保存する。画像メモリ140に記憶されている画像データは、例えば、連続表示(シネ表示)される。
【0022】
内部記憶回路130、および画像メモリ140は、必ずしもそれぞれが独立した記憶装置により実現されなくてもよい。内部記憶回路130、および画像メモリ140が単一の記憶装置により実現されてもよい。また、内部記憶回路130、および画像メモリ140のそれぞれが複数の記憶装置により実現されてもよい。
【0023】
入力インタフェース150は、入力装置102を介し、操作者からの各種指示を受け付ける。入力装置102は、例えば、マウス、キーボード、パネルスイッチ、スライダースイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、操作パネル、およびタッチコマンドスクリーン(TCS:Touch Command Screen)である。入力インタフェース150は、例えばバスを介して処理回路180に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理回路180へ出力する。なお、入力インタフェース150は、マウスおよびキーボード等の物理的な操作部品と接続するものだけに限られない。例えば、超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路180へ出力する回路も入力インタフェースの例に含まれる。
【0024】
出力インタフェース160は、例えば処理回路180からの電気信号を出力装置103へ出力するためのインタフェースである。出力装置103は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ等の任意のディスプレイである。出力装置103は、入力装置102を兼ねたタッチパネル式のディスプレイでもよい。出力装置103は、ディスプレイの他に、音声を出力するスピーカーを更に含んでもよい。出力インタフェース160は、例えばバスを介して処理回路180に接続され、処理回路180からの電気信号を出力装置103に出力する。
【0025】
通信インタフェース170は、例えばネットワークNWを介して外部装置104と接続され、外部装置104との間でデータ通信を行う。また、通信インタフェース170は、カメラ105と接続される。
【0026】
処理回路180は、例えば、超音波診断装置1の中枢として機能するプロセッサである。処理回路180は、内部記憶回路130に記憶されているプログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。処理回路180は、例えば、Bモード処理機能181と、ドプラ処理機能182と、画像生成機能183と、プローブ信号取得機能184(プローブ信号取得部)と、カメラ画像取得機能185(カメラ画像取得部)と、接触状態検出機能186(接触状態検出部)、出力制御機能187(出力制御部)と、システム制御機能188とを有している。
【0027】
Bモード処理機能181は、超音波受信回路120から受け取った受信信号に基づき、Bモードデータを生成する機能である。処理回路180は、Bモード処理機能181により、処理回路180は、例えば、超音波受信回路120から受け取った受信信号に対して包絡線検波処理、および対数圧縮処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。生成されたBモードデータは、2次元的な超音波走査線(ラスタ)上のBモードRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
【0028】
また、処理回路180は、Bモード処理機能181により、造影エコー法、例えば、コントラストハーモニックイメージング(Contrast Harmonic Imaging:CHI)を実行することができる。即ち、処理回路180は、造影剤が注入された生体Pの反射波データ(高調波成分または分周波成分)と、生体P内の組織を反射源とする反射波データ(基本波成分)とを分離することができる。これにより、処理回路180は、生体Pの反射波データから高調波成分または分周波成分を抽出して、造影画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
【0029】
造影画像データを生成するためのBモードデータは、造影剤を反射源とする反射波の信号強度を輝度で表したデータとなる。また、処理回路180は、生体Pの反射波データから基本波成分を抽出して、組織画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
【0030】
なお、CHIを行う際、処理回路180は、上述したフィルタ処理を用いた方法とは異なる方法により、ハーモニック成分(高調波成分)を抽出することができる。ハーモニックイメージングでは、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)法や位相変調(PM:Phase Modulation)法、AM法及びPM法を組み合わせたAMPM法と呼ばれる映像法が行なわれる。
【0031】
AM法、PM法およびAMPM法では、同一の走査線に対して振幅や位相が異なる超音波送信を複数回行う。これにより、超音波受信回路120は、各走査線で複数の反射波データを生成し、生成した反射波データを出力する。処理回路180は、Bモード処理機能181により、各走査線の複数の反射波データを、変調法に応じた加減算処理することで、ハーモニック成分を抽出する。そして、処理回路180は、ハーモニック成分の反射波データに対して包絡線検波処理などを行って、Bモードデータを生成する。
【0032】
ドプラ処理機能182は、超音波受信回路120から受け取った受信信号を周波数解析することで、スキャン領域に設定されるROI(Region Of Interest:関心領域)内にある移動体のドプラ効果に基づく運動情報を抽出したデータ(ドプラ情報)を生成する機能である。生成されたドプラ情報は、2次元的な超音波走査線上のドプラRAWデータ(ドプラデータとも称する)として不図示のRAWデータメモリに記憶される。
【0033】
具体的には、ドプラ処理機能182により、処理回路180は、例えば移動体の運動情報として、平均速度、平均分散値、平均パワー値などを複数のサンプル点それぞれで推定し、推定した運動情報を示すドプラデータを生成する。移動体は、例えば、血流や、心壁などの組織、造影剤である。第1の実施形態に係る処理回路180は、ドプラ処理機能182により、血流の運動情報(血流情報)として、血流の平均速度、血流速度の分散値、血流信号のパワー値などを、複数のサンプル点それぞれで推定し、推定した血流情報を示すドプラデータを生成する。
【0034】
さらに、処理回路180は、ドプラ処理機能182により、カラーフローマッピング(CFM:Color Flow Mapping)法とも呼ばれるカラードプラ法を実行することができる。CFM法では、超音波の送受信が複数の走査線上で複数回行われる。そして、CFM法では、例えば、同一位置のデータ列に対してMTI(Moving Target Indicator)フィルタを掛けることで、静止している組織、又は動きの遅い組織に由来する信号(クラッタ信号)を抑制して、血流に由来する信号を抽出する。そして、CFM法では、抽出した血流信号を用いて、血流の速度、血流の分散、血流のパワーなどの血流情報を推定する。後述する画像生成機能183では、推定した血流情報の分布を、例えば、2次元でカラー表示した超音波画像データ(カラードプラ画像データ)として生成する。以降では、カラードプラ法を用いた超音波診断装置のモードを血流映像モードと称する。尚、カラー表示とは、血流情報の分布を所定のカラーコードに対応させて表示させるものであり、グレースケールもカラー表示に含まれるものとする。
【0035】
血流映像モードには、所望する臨床情報によって様々な種類がある。一般的には、血流の方向や血流の平均速度が可視化可能な速度表示用血流映像モードや、血流信号のパワーを可視化可能なパワー表示用血流映像モードがある。
【0036】
速度表示用血流映像モードは、血流の方向や血流の平均速度によってドプラシフト周波数に対応した色を表示するモードである。例えば、速度表示用血流映像モードは、流れの方向として、向かってくる流れを赤系色、遠ざかる流れを青系色で表し、それぞれの速度の違いを色相の違いで表す。速度表示用血流映像モードは、カラードプラモードや、カラードプライメージング(Color Doppler Imaging:CDI)モードと呼ばれることもある。
【0037】
パワー表示用血流映像モードは、例えば、血流信号のパワーを赤系色の色相、色の明るさ(明度)または彩度の変化で表すモードである。パワー表示用血流映像モードは、パワードプラ(Power Doppler:PD)モードと呼ばれることもある。パワー表示用血流映像モードは、速度表示用血流映像モードと比べて高感度に血流を描出できることから、高感度血流映像モードと呼ばれてもよい。
【0038】
画像生成機能183は、Bモード処理機能181により生成されたデータに基づいて、Bモード画像データを生成する機能である。例えば、画像生成機能183により、処理回路180は、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の画像データ(表示用画像データ)を生成する。具体的には、処理回路180は、RAWデータメモリに記憶されたBモードRAWデータに対してRAW-ピクセル変換、例えば、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じた座標変換を実行することで、ピクセルから構成される2次元Bモード画像データ(超音波画像データとも称する)を生成する。
【0039】
また、処理回路180は、例えば、RAWデータメモリに記憶されたドプラRAWデータに対してRAW-ピクセル変換を実行することで、血流情報が映像化されたドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、平均速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又はこれらを組み合わせた画像データである。処理回路180は、ドプラ画像データとして、血流情報がカラーで表示されるカラードプラ画像データ、および一つの血流情報がグレースケールで波形状に表示されるドプラ画像データを生成する。カラードプラ画像データは、前述の血流映像モードの実行時に生成される。
【0040】
プローブ信号取得機能184は、超音波プローブ101から供給されたプローブ信号を順次取得する機能である。プローブ信号は、例えば、超音波受信回路120から受け取った受信信号(超音波の受信信号)である。プローブ信号取得機能184により、処理回路180は、超音波プローブ101から供給されるプローブ信号である超音波の受信信号を順次取得する。
【0041】
なお、プローブ信号取得機能184は、プローブ信号を取得する機能に限らない。プローブ信号取得機能184は、プローブ信号の代わりに、Bモード処理機能181により生成されたデータ、RAWデータメモリに記憶されたドプラRAWデータ、Bモード画像データ、ドプラ画像データなどを順次取得する機能でもよい。
【0042】
カメラ画像取得機能185は、カメラ105によって撮影されたカメラ画像を順次取得する機能である。カメラ画像は、例えば、被検体に対する超音波検査の様子を撮影した動画、或いは連続的に撮影した画像である。カメラ画像取得機能185により、処理回路180は、カメラ105によって撮影されたカメラ画像を順次取得する。
【0043】
接触状態検出機能186は、超音波プローブ101から供給されるプローブ信号(超音波の受信信号)に基づいて、被検体に対する超音波プローブ101の接触状態を識別する機能である。接触状態には、例えば、超音波プローブ101が被検体に接触している状態と接触していない状態とがある。接触状態の識別は、例えば、受信信号の波形を解析することにより行われる。接触状態検出機能186により、処理回路180は、プローブ信号に基づいて、被検体Pに対する超音波プローブ101の接触状態を識別する。
【0044】
また、接触状態検出機能186は、超音波の受信信号に基づく超音波画像から、被検体に対する超音波プローブ101の接触状態を識別する機能を有してもよい。この場合、処理回路180は、超音波画像に基づいて、被検体Pに対する超音波プローブ101の接触状態を識別してもよい。
【0045】
出力制御機能187は、画像生成機能183により生成された各種超音波画像データに基づく超音波画像を出力装置103などに出力する機能である。具体的には、出力制御機能187により、処理回路180は、例えば、画像生成機能183により生成されたBモード画像データ、ドプラ画像データ、又はこれらの両方を含む画像データに基づく超音波画像の出力装置103への出力を制御する。
【0046】
より具体的には、処理回路180は、出力制御機能187により、例えば、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用画像データを生成する。また、処理回路180は、表示用画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、及びγカーブ補正、並びにRGB変換等の各種処理を実行してもよい。また、処理回路180は、表示用画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディマーク等の付帯情報を付加してもよい。また、処理回路180は、操作者が入力装置により各種指示を入力するためのユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)を生成し、GUIをディスプレイに表示させてもよい。
【0047】
また、出力制御機能187は、超音波プローブ101の接触状態に応じて、カメラ画像の出力態様を制御する機能を有してもよい。カメラ画像の出力態様とは、カメラ画像の表示、送信、および記憶などに関する。具体的には、出力制御機能187により、処理回路180は、例えば、超音波プローブ101の接触状態に応じて、カメラ画像の出力態様を制御する。
【0048】
より具体的には、出力制御機能187により、処理回路180は、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触している状態である場合、出力態様としてカメラ画像を出力する。また、処理回路180は、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触していない状態である場合、出力態様としてカメラ画像の出力制限をする。
【0049】
カメラ画像の出力制限は、例えば、カメラ画像をオフ状態にすることである。カメラ画像のオフ状態は、例えば、カメラ画像の表示をオフ、カメラ画像の外部への送信をオフ、およびカメラ画像の記憶をオフのうちの少なくとも一つである。また、オフ状態には、カメラの電源をオフが含まれてもよい。尚、カメラ画像の出力制限をしない場合、カメラの電源をオンにする処理が行われてもよい。
【0050】
また、出力制御機能187は、超音波画像とカメラ画像とを有する合成画像を生成し、合成画像の出力態様、或いは合成画像におけるカメラ画像の出力態様を制御する機能を有してもよい。合成画像の出力態様とは、合成画像の表示、送信、および記憶などに関する。具体的には、出力制御機能187により、処理回路180は、例えば、超音波プローブの接触状態に応じて、合成画像の出力態様、或いは合成画像におけるカメラ画像の出力態様を制御する。
【0051】
より具体的には、出力制御機能187により、処理回路180は、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触している状態である場合、出力態様として合成画像を出力する。また、処理回路180は、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触していない状態である場合、出力態様として合成画像の出力制限、或いは合成画像におけるカメラ画像の出力制限をする。
【0052】
合成画像の出力制限は、例えば、合成画像をオフ状態にすることである。合成画像のオフ状態は、例えば、合成画像の表示をオフ、合成画像の外部への送信をオフ、および合成画像の記憶をオフのうちの少なくとも一つである。尚、合成画像におけるカメラ画像の出力制限は、上述した「カメラ画像の出力制限」を合成画像におけるカメラ画像に適用したものである。以下、合成画像について
図3を用いて説明する。
【0053】
図3は、第1の実施形態における超音波画像210、カメラ画像220、および合成画像230を説明するための図である。超音波画像210は、被検体Pに関して、超音波プローブ101によって取得された受信信号を画像化したものである。超音波画像210には、被検体Pの体内組織が描画されている。カメラ画像220には、被検体Pに超音波プローブ101を当てている状態が写されている。合成画像230は、超音波画像210とカメラ画像220とを有する画像である。
図3の例では、合成画像230は、超音波画像210上にカメラ画像220を重畳させた重畳画像である。尚、合成画像230は、重畳画像に限らない。例えば、合成画像230は、超音波画像210とカメラ画像220とを上下または左右に並べた画像でもよい。
【0054】
システム制御機能188は、超音波診断装置1全体の動作を統括して制御する機能である。具体的には、システム制御機能188により、処理回路180は、血流映像パラメータに基づいて、交互段スキャンの実行と共に前記送信開口合成を実行するためのスキャン条件を決定し、スキャン条件に基づいて超音波送信回路110および超音波受信回路120を制御する。
【0055】
なお、医用画像処理装置は、プローブ信号取得機能184、カメラ画像取得機能185、接触状態検出機能186、および出力制御機能187が実行可能な構成であればよい。
【0056】
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成について説明した。次に、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理について
図4を用いて説明する。
【0057】
図4は、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路180の動作を説明するためのフローチャートである。第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理は、超音波プローブ101が被検体Pに接触しているか否かに基づいてカメラ画像のオン/オフを制御する。
図4に示すカメラ画像出力制御処理は、例えば、カメラ105のセッティングが完了し、超音波検査の開始と共に実行される。
【0058】
(ステップST110)
カメラ画像出力制御処理が開始すると、処理回路180は、プローブ信号取得機能184を実行する。プローブ信号取得機能184を実行すると、処理回路180は、プローブ信号の取得を開始する。
【0059】
(ステップST120)
プローブ信号の取得を開始した後、処理回路180は、カメラ画像取得機能185を実行する。カメラ画像取得機能185を実行すると、処理回路180は、カメラ画像の取得を開始する。
【0060】
(ステップST130)
カメラ画像の取得を開始した後、処理回路180は、接触状態検出機能186を実行する。接触状態検出機能186を実行すると、処理回路180は、被検体Pに対する超音波プローブ101の接触状態を識別する。
【0061】
具体的には、処理回路180は、プローブ信号に基づいて、超音波プローブ101が被検体Pに接触しているか否かを判定する。接触しているか否かの判定は、例えば、プローブ信号である受信信号の波形を解析することにより行われる。接触していると判定された場合、処理はステップST140へと進む。接触していないと判定された場合、処理はステップST150へと進む。
【0062】
(ステップST140)
ステップST130において接触していると判定した後、処理回路180は、出力制御機能187を実行する。出力制御機能187を実行すると、処理回路180は、合成画像におけるカメラ画像をオンにする。具体的には、処理回路180は、
図3の合成画像230を出力する。ステップST140の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。
【0063】
(ステップST150)
ステップST130において接触していないと判定した後、処理回路180は、出力制御機能187を実行する。出力制御機能187を実行すると、処理回路180は、合成画像におけるカメラ画像をオフにする。ステップST150の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。以下、カメラ画像のオフについて
図5を用いて説明する。
【0064】
図5は、第1の実施形態におけるカメラ画像をオフにした場合の第1の表示例である。
図5に示される合成画像300は、超音波画像310上にカメラ画像320を重畳させた重畳画像である。超音波画像310には、被検体Pの体内組織は描画されていない。これは、超音波プローブ101が体表に接していない状態、いわゆる空中放置の状態であるためである。また、カメラ画像320についても、表示をオフに設定しているため、こちらも何も表示されていない。
【0065】
なお、合成画像300上に文字列321「カメラ画像オフ」を表示させてもよい。
図5において、文字列321は、カメラ画像320上に表示されている。この表示により、ユーザは、カメラ画像の表示が意図的にオフにされていること(即ち、オフ状態であること)を確認することができる。
【0066】
また、合成画像の他の表示例として、外部配信向けの文字列を表示させてもよい。
図6は、第1の実施形態におけるカメラ画像をオフにした場合の第2の表示例である。
図6に示される合成画像400は、超音波画像410上にカメラ画像420を重畳させた重畳画像である。
図5の合成画像300と同様に、超音波画像410およびカメラ画像420には何も表示されていない。また、カメラ画像420上に文字列421「カメラ画像オフ」が表示されている。
図5の合成画像300と異なる点として、合成画像400には、文字列430「プライバシー保護のため配信を停止しております。」が表示されている。この表示により、外部配信されている画像を視聴しているユーザは、カメラ画像および合成画像の表示が意図的にオフにされていることを確認することができる。
【0067】
以上説明したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブから供給されたプローブ信号を順次取得し、カメラによって撮影されたカメラ画像を順次取得し、プローブ信号に基づいて、被検体に対する超音波プローブの接触状態を識別し、超音波プローブの接触状態に応じて、カメラ画像の出力態様を制御する。
【0068】
従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触していない場合にカメラ画像をオフすることにより、超音波検査に関するカメラ画像の内容についてのプライバシーを保護することができる。
【0069】
(第1の実施形態の応用例)
第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触していない場合、即時にカメラ画像をオフにしていた。他方、第1の実施形態の応用例に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触していない場合、所定時間経過後にカメラ画像をオフにする。
【0070】
第1の実施形態の応用例に係る超音波診断装置1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1と略同様の構成であるため、重複する説明を省略する。以下では、本応用例に関する事項について説明する。
【0071】
本応用例において、出力制御機能187は、超音波プローブ101の接触状態と所定時間とに基づいて、カメラ画像の出力態様を制御する機能を有してもよい。具体的には、出力制御機能187により、処理回路180は、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触していない状態が所定時間継続した場合、出力態様としてカメラ画像の出力制限をする。
【0072】
以上、第1の実施形態の応用例に係る超音波診断装置1の構成について説明した。次に、第1の実施形態の応用例におけるカメラ画像出力制御処理について
図7を用いて説明する。
【0073】
図7は、第1の実施形態の応用例におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路180の動作を説明するためのフローチャートである。尚、第1の実施形態の応用例におけるカメラ画像出力制御処理は、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理と略同様の処理について、具体的な説明を省略する。
【0074】
(ステップST210)
カメラ画像出力制御処理が開始すると、処理回路180は、プローブ信号取得機能184により、プローブ信号の取得を開始する。
【0075】
(ステップST220)
プローブ信号の取得を開始した後、処理回路180は、カメラ画像取得機能185により、カメラ画像の取得を開始する。
【0076】
(ステップST230)
カメラ画像の取得を開始した後、処理回路180は、接触状態検出機能186により、プローブ信号に基づいて、超音波プローブ101が被検体Pに接触しているか否かを判定する。接触している判定された場合、処理はステップST240へと進む。接触していないと判定された場合、処理はステップST250へと進む。
【0077】
(ステップST240)
ステップST230において接触していると判定した後、処理回路180は、出力制御機能187により、合成画像におけるカメラ画像をオンにする。ステップST240の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。
【0078】
(ステップST250)
ステップST230において接触していないと判定した後、処理回路180は、出力制御機能187により、接触していない状態が所定時間経過したか否か判定する。具体的には、処理回路180は、ステップST230において最初に接触していないと判定してからの時間経過を計測することにより判定する。所定時間経過していると判定された場合、処理はステップST260へと進む。所定時間経過していないと判定された場合、処理はステップST230へと戻る。
【0079】
(ステップST260)
接触していない状態が所定時間経過したと判定した後、処理回路180は、出力制御機能187により、合成画像におけるカメラ画像をオフにする。ステップST260の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。
【0080】
以上説明したように、第1の実施形態の応用例に係る超音波診断装置は、接触状態として超音波プローブが被検体に接触していない状態が所定時間継続した場合、出力態様としてカメラ画像の出力制限をすることができる。これにより、一時的に超音波プローブが体表から離れてしまった場合であっても、すぐにカメラ画像がオフになることがなくなるため、カメラ画像の頻繁なオン/オフを低減させることができる。
【0081】
(第1の実施形態の第1の変形例)
第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触している場合、カメラ画像をそのまま表示させていた。他方、第1の実施形態の第1の変形例に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触している場合、且つカメラ画像から超音波プローブを検出している場合、カメラ画像に秘匿化処理を施して表示させる。
【0082】
図8は、第1の実施形態の第1の変形例に係る超音波診断装置1Aの構成例を示すブロック図である。
図8の超音波診断装置1Aは、第1の実施形態に係る超音波診断装置1と略同様の構成であるため、重複する説明を省略する。以下では、第1の変形例に関する事項について説明する。
【0083】
図8の超音波診断装置1Aは、装置本体100Aと、超音波プローブ101とを有している。装置本体100Aは、入力装置102および出力装置103と接続されている。また、装置本体100Aは、ネットワークNWを介して外部装置104と接続されている。更に、装置本体100Aは、カメラ105と接続されている。
【0084】
装置本体100Aは、超音波プローブ101により受信された反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体100Aは、超音波送信回路110と、超音波受信回路120と、内部記憶回路130と、画像メモリ140と、入力インタフェース150と、出力インタフェース160と、通信インタフェース170と、処理回路180Aとを有している。
【0085】
処理回路180Aは、例えば、超音波診断装置1Aの中枢として機能するプロセッサである。処理回路180Aは、例えば、Bモード処理機能181と、ドプラ処理機能182と、画像生成機能183と、プローブ信号取得機能184(プローブ信号取得部)と、カメラ画像取得機能185(カメラ画像取得部)と、接触状態検出機能186(接触状態検出部)、出力制御機能187A(出力制御部)と、システム制御機能188と、カメラ画像解析機能189(カメラ画像解析部)とを有している。
【0086】
カメラ画像解析機能189は、カメラ画像を解析することにより超音波プローブ101の有無を検出する機能である。超音波プローブ101の有無の検出は、例えば、物体検出の種々の手法を用いて行われる。カメラ画像解析機能189により、処理回路180Aは、カメラ画像から超音波プローブ101を検出する。
【0087】
出力制御機能187Aは、第1の実施形態における出力制御機能187の各機能を有する。更に、出力制御機能187Aは、カメラ画像に対して秘匿化処理を行う機能を有してもよい。秘匿化処理は、例えば、マスク処理および拡大処理である。具体的には、出力制御機能187Aにより、処理回路180Aは、接触状態および超音波プローブ101の有無に応じて、出力態様を制御する。より具体的には、処理回路180Aは、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触していない状態である場合、且つカメラ画像から超音波プローブ101を検出した場合、出力態様として秘匿化処理を行ったカメラ画像を出力する。
【0088】
秘匿化処理において、マスクする領域、或いは拡大する領域は、例えば、接続されている超音波プローブ101の種類(型番)から算出されてもよい。超音波プローブは、典型的には、被検体Pの部位によって使用する種類が異なる。例えば、内部記憶回路130に、使用部位に対応した領域のサイズと超音波プローブとを予め関連付けて記憶させてもよい。これにより、処理回路180Aは、超音波プローブに応じて、マスクする領域、或いは拡大する領域を適切に算出することができる。
【0089】
以上、第1の変形例に係る超音波診断装置1Aの構成について説明した。次に、第1の変形例におけるカメラ画像出力制御処理について
図9を用いて説明する。
【0090】
図9は、第1の変形例におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路180Aの動作を説明するためのフローチャートである。尚、第1の変形例におけるカメラ画像出力制御処理について、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理と略同様の処理は、具体的な説明を省略する。
【0091】
(ステップST310)
カメラ画像出力制御処理が開始すると、処理回路180Aは、プローブ信号取得機能184により、プローブ信号の取得を開始する。
【0092】
(ステップST320)
プローブ信号の取得を開始した後、処理回路180Aは、カメラ画像取得機能185により、カメラ画像の取得を開始する。
【0093】
(ステップST330)
カメラ画像の取得を開始した後、処理回路180Aは、接触状態検出機能186により、プローブ信号に基づいて、超音波プローブ101が被検体Pに接触しているか否かを判定する。接触していると判定された場合、処理はステップST340へと進む。接触していないと判定された場合、処理はステップST370へと進む。
【0094】
(ステップST340)
ステップST330において接触していると判定した後、処理回路180Aは、カメラ画像解析機能189により、カメラ画像を解析することにより、カメラ画像に超音波プローブ101が含まれているか否かを判定する。含まれていると判定された場合、処理はステップST350へと進む。含まれていないと判定された場合、処理はステップST370へと進む。
【0095】
(ステップST350)
ステップST340において含まれていると判定した後、処理回路180Aは、出力制御機能187Aにより、カメラ画像の秘匿化処理を行う。
【0096】
(ステップST360)
カメラ画像の秘匿化処理を行った後、処理回路180Aは、出力制御機能187Aにより、合成カメラにおけるカメラ画像をオンにする。この時、カメラ画像は秘匿化処理が施されている。ステップST360の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。以下、カメラ画像に秘匿化処理を施した表示例について、
図10および
図11を用いて説明する。
【0097】
図10は、第1の変形例における秘匿化処理を施した場合の第1の表示例である。
図10に示される合成画像500は、超音波画像510上にカメラ画像520を重畳させた重畳画像である。超音波画像510には、被検体Pの体内組織が描画されている。また、カメラ画像520には、被検体Pに超音波プローブ101を当てている状態が写されている。また、カメラ画像520は、マスク521によるマスク処理が施されている。マスク521は、カメラ画像520における秘匿させたい領域である。
【0098】
図11は、第1の変形例における秘匿化処理を施した場合の第2の表示例である。
図11に示される合成画像600は、超音波画像610上にカメラ画像520を重畳させた重畳画像である。超音波画像610には、被検体Pの体内組織が描画されている。また、カメラ画像620には、被検体Pに超音波プローブ101を当てている状態であり、超音波プローブ101の周囲の範囲までが表示されるように拡大処理が行われている。
【0099】
なお、合成画像600上に文字列621「ZOOM」を表示させてもよい。
図11において、文字列621は、カメラ画像620上に表示されている。この表示により、ユーザは、カメラ画像が拡大されていることを確認することができる。
【0100】
(ステップST370)
ステップST330において接触していないと判定した後、或いはステップST340において含まれていないと判定した後、処理回路180Aは、出力制御機能187Aにより、合成画像におけるカメラ画像をオフにする。ステップST370の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。
【0101】
なお、ステップST370では、ステップST330からの遷移と、ステップST340からの遷移とで表示する合成画像が異なる。ステップST330からの遷移では、超音波プローブ101が体表に接していないため、処理回路180Aは、例えば、
図5の合成画像300および
図6の合成画像400を出力する。一方、ステップST340からの遷移では、超音波プローブ101が体表に接しているにもかかわらずカメラ画像を表示させないため、処理回路180Aは、例えば、以下の
図12に説明する合成画像を出力する。
【0102】
図12は、第1の変形例における秘匿化処理を施した場合の第3の表示例である。
図12に示される合成画像700は、超音波画像710上にカメラ画像720を重畳させた重畳画像である。超音波画像710には、被検体Pの体内組織が描画されている。また、カメラ画像720には、全領域を秘匿するマスク処理が施され、文字列721「プライバシー保護中」が表示されている。
【0103】
なお、文字列721は、例えば、右から左へスクロールさせてもよい。これにより、配信自体は正常に行われているため、画面表示の停止が配信機材の異常では無いことをユーザに認識させることができる。
【0104】
以上説明したように、第1の実施形態の第1の変形例に係る超音波診断装置は、接触状態として超音波プローブが被検体に接触している状態である場合、且つカメラ画像から超音波プローブを検出した場合、カメラ画像に秘匿化処理を行い、出力態様として秘匿化処理を行ったカメラ画像を出力することができる。これにより、超音波プローブの周囲以外をマスクして出力することができるため、超音波検査とは関係のない領域を秘匿することができる。
【0105】
(第1の実施形態の第2の変形例)
第1の実施形態の第1の変形例に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触していない場合、即時にカメラ画像をオフにしていた。他方、第1の実施形態の第2の変形例に係る超音波診断装置は、超音波プローブが被検体に接触していない場合、且つ超音波プローブと被検体の体表とが所定の距離以上の場合、カメラ画像をオフにする。
【0106】
第2の変形例に係る超音波診断装置は、第1の変形例に係る超音波診断装置とほぼ同様の構成であるため、重複する説明を省略する。以下では、第2の変形例に関する事項について説明する。
【0107】
第2の変形例において、カメラ画像解析機能189は、カメラ画像を解析することにより、超音波プローブ101と被検体Pの体表との位置関係を検出する機能を有してもよい。具体的には、カメラ画像解析機能189により、処理回路180Aは、接触状態として超音波プローブ101が被検体Pに接触していない状態である場合、カメラ画像から超音波プローブ101と体表との位置関係を検出する。
【0108】
第2の変形例において、出力制御機能187Aは、検出した位置関係に基づいて、出力態様を制御してもよい。具体的には、出力制御機能187Aにより、処理回路180Aは、検出した位置関係が所定の距離以上の場合、出力態様としてカメラ画像の出力制限をする。尚、処理回路180Aは、検出した位置関係が所定の距離未満の場合、例えば、出力態様として秘匿化処理を行ったカメラ画像を出力してもよい。
【0109】
以上、第1の実施形態の第2の変形例に係る超音波診断装置1Aの構成について説明した。次に、第2の変形例におけるカメラ画像出力制御処理について
図13を用いて説明する。
【0110】
図13は、第1の実施形態の第2の変形例におけるカメラ画像出力制御処理を実行する処理回路の動作を説明するためのフローチャートである。尚、第2の変形例におけるカメラ画像出力制御処理は、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理と略同様の処理について、具体的な説明を省略する。
【0111】
(ステップST410)
カメラ画像出力制御処理が開始すると、処理回路180Aは、プローブ信号取得機能184により、プローブ信号の取得を開始する。
【0112】
(ステップST420)
プローブ信号の取得を開始した後、処理回路180Aは、カメラ画像取得機能185により、カメラ画像の取得を開始する。
【0113】
(ステップST430)
カメラ画像の取得を開始した後、処理回路180Aは、接触状態検出機能186により、プローブ信号に基づいて、超音波プローブ101が被検体Pに接触しているか否かを判定する。接触していると判定された場合、処理はステップST240へと進む。接触していないと判定された場合、処理はステップST250へと進む。
【0114】
(ステップST440)
ステップST430において接触していると判定した後、処理回路180Aは、出力制御機能187Aにより、合成画像におけるカメラ画像をオンにする。ステップST240の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。
【0115】
(ステップST450)
ステップST430において接触していないと判定した後、処理回路180Aは、カメラ画像解析機能189により、カメラ画像から超音波プローブ101と被検体Pの体表との位置関係を検出する。具体的には、処理回路180Aは、超音波プローブ101と体表との距離を算出する。
【0116】
(ステップST460)
超音波プローブ101と体表との距離を算出した後、処理回路180Aは、出力制御機能187Aにより、超音波プローブ101が体表に近いか否かを判定する。具体的には、処理回路180Aは、超音波プローブ101と体表との距離が所定の距離未満の場合、近いと判定し、超音波プローブ101と体表との距離が所定の距離以上の場合、離れていると判定する。近いと判定された場合、処理はステップST440へと進む。離れていると判定された場合、処理はステップST470へと進む。
【0117】
(ステップST470)
ステップST460において離れていると判定された後、処理回路180Aは、出力制御機能187Aにより、合成画像におけるカメラ画像をオフにする。ステップST470の後、カメラ画像出力制御処理は終了する。
【0118】
以上説明したように、第1の実施形態の第2の変形例に係る超音波診断装置は、接触状態として超音波プローブが被検体に接触していない状態である場合、且つカメラ画像から検出した超音波プローブと被検体の体表との距離が所定の距離未満の場合、出力態様としてカメラ画像の出力制限をしない。これにより、超音波プローブが体表と接していない場合であっても、距離の条件を満たしていればカメラ画像がオフにならないため、超音波プローブを操作する手技の様子を継続して確認することができる。
【0119】
(第1の実施形態の第3の変形例)
第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波の受信信号を用いて、超音波プローブと被検体の体表との接触状態を検出していた。他方、第1の実施形態の第3の変形例に係る超音波診断装置は、超音波プローブに設けられた圧力センサを用いて接触状態を検出する。
【0120】
図14は、第1の実施形態の第3の変形例に係る超音波診断装置1Bの構成例を示すブロック図である。
図14の超音波診断装置1Bは、第1の実施形態に係る超音波診断装置1と略同様の構成であるため、重複する説明を省略する。以下では、第3の変形例に関する事項について説明する。
【0121】
図14の超音波診断装置1Bは、装置本体100Bと、超音波プローブ101Bとを有している。装置本体100Bは、入力装置102および出力装置103と接続されている。また、装置本体100Bは、ネットワークNWを介して外部装置104と接続されている。更に、装置本体100Bは、カメラ105と接続されている。
【0122】
超音波プローブ101Bは、例えば、装置本体100Bからの制御に従い、被検体である生体P内のスキャン領域について超音波スキャンを実行する。超音波プローブ101Bは、第1の実施形態における超音波プローブ101と略同様の構成であるため、重複する説明を省略する。
【0123】
第3の変形例において超音波プローブ101Bは、圧力センサ1010を有する。圧力センサ1010は、例えば、整合層とケースとの間に設けられる音響レンズの裏側(即ち、音響レンズと整合層との間)に設けられる。圧力センサ1010は、超音波プローブ101Bを体表に押し当てた際の圧力を検出して圧力信号を出力する。第3の変形例においてプローブ信号は、超音波の受信信号に加えて、更に圧力信号を含む。
【0124】
装置本体100Bは、超音波プローブ101Bにより受信された反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体100Bは、超音波送信回路110と、超音波受信回路120と、内部記憶回路130と、画像メモリ140と、入力インタフェース150と、出力インタフェース160と、通信インタフェース170と、処理回路180Bとを有している。
【0125】
処理回路180Bは、例えば、超音波診断装置1Bの中枢として機能するプロセッサである。処理回路180Bは、例えば、Bモード処理機能181と、ドプラ処理機能182と、画像生成機能183と、プローブ信号取得機能184(プローブ信号取得部)と、カメラ画像取得機能185(カメラ画像取得部)と、接触状態検出機能186B(接触状態検出部)、出力制御機能187(出力制御部)と、システム制御機能188とを有している。
【0126】
接触状態検出機能186Bは、超音波プローブ101Bから供給されるプローブ信号(圧力信号)に基づいて、被検体に対する超音波プローブ101Bの接触状態を識別する機能である。接触状態の識別は、例えば、圧力信号を閾値と比較することにより行われる。接触状態検出機能186Bにより、処理回路180Bは、プローブ信号に基づいて、被検体Pに対する超音波プローブ101Bの接触状態を識別する。
【0127】
なお、第3の変形例に係る超音波診断装置1Bの動作は、第1の実施形態におけるカメラ画像出力制御処理と略同様であるため、説明を省略する。
【0128】
以上説明したように、第1の実施形態の第3の変形例に係る超音波診断装置は、超音波プローブに設けられた圧力センサによって検出される圧力についての圧力信号に基づいて、被検体に対する超音波プローブの接触状態を識別することができる。
【0129】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、超音波検査に関するカメラ画像の内容についてのプライバシーを保護することができる。
【0130】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))などの回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、プログラムが記憶回路に保存される代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0131】
加えて、実施形態に係る各機能は、前記処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに前記手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
【0132】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0133】
1,1A,1B 超音波診断装置
100,100A,100B 装置本体
101,101B 超音波プローブ
102 入力装置
103 出力装置
104 外部装置
105 カメラ
110 超音波送信回路
120 超音波受信回路
130 内部記憶回路
140 画像メモリ
150 入力インタフェース
160 出力インタフェース
170 通信インタフェース
180,180A,180B 処理回路
181 Bモード処理機能
182 ドプラ処理機能
183 画像生成機能
184 プローブ信号取得機能
185 カメラ画像取得機能
186,186B 接触状態検出機能
187,187A 出力制御機能
188 システム制御機能
189 カメラ画像解析機能
210,310,410,510,610,710 超音波画像
220,320,420,520,620,720 カメラ画像
230,300,400,500,600,700 合成画像
321,421,430,621,721 文字列
521 マスク
1010 圧力センサ