(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104158
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】映像配信装置、映像配信方法、および映像配信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/238 20110101AFI20240726BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240726BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240726BHJP
【FI】
H04N21/238
H04N21/24
H04N23/60 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008245
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】楠畑 雅彦
【テーマコード(参考)】
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122EA42
5C122FA18
5C122GB06
5C122GC14
5C122GC37
5C122GC75
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C164SA25S
5C164SB21P
5C164SB41P
5C164UD41S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】複数の撮像装置のなかから閲覧者が閲覧したい映像を撮像している撮像装置を容易に選択してその映像を閲覧することを可能とする映像配信装置、映像配信方法、および映像配信プログラムを提供する。
【解決手段】QRコード生成部22は、配信先に対応する配信側QRコードを設定する。特定部23は、複数のカメラのうち、配信側QRコードを撮像しているカメラを、配信先において映像を閲覧可能なカメラとして特定する。配信制御部24は、配信先ごとに特定部23が特定したカメラのうち、配信先の端末において選択されたカメラが撮像している映像を端末へ配信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の配信先に対応する識別情報を設定する識別情報設定部と、
複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信する配信制御部と
を備えることを特徴とする映像配信装置。
【請求項2】
前記識別情報設定部は、前記識別情報を生成し、生成した前記識別情報を印刷装置または外部端末へ出力することを特徴とする請求項1に記載の映像配信装置。
【請求項3】
前記識別情報は、情報コードであることを特徴とする請求項1または2に記載の映像配信装置。
【請求項4】
前記識別情報設定部は、前記複数の撮像装置を分類するためのラベル情報をそれぞれ含む複数の前記識別情報を設定し、
前記配信制御部は、
前記特定部が特定した前記撮像装置が撮像している映像に含まれる前記識別情報から取得された前記ラベル情報、および前記特定部が特定した前記撮像装置を前記端末に通知し、
前記端末において選択された前記ラベル情報が前記端末から通知されると、選択された前記ラベル情報を含む前記識別情報を撮像している前記撮像装置を前記端末に通知し、
前記端末において選択された前記撮像装置が前記端末から通知されると、選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信することを特徴とする請求項1または2に記載の映像配信装置。
【請求項5】
複数の前記識別情報は、それぞれ異なる色を示す情報を前記ラベル情報として含み、当該識別情報が前記ラベル情報として含む色で表示されていることを特徴とする請求項4に記載の映像配信装置。
【請求項6】
前記配信制御部は、撮像している映像に含まれる前記識別情報から取得可能な前記ラベル情報が最も多い前記撮像装置を、前記端末に初期の映像を配信する前記撮像装置として選択することを特徴とする請求項5に記載の映像配信装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記配信先の前記端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定した前記撮像装置において前記識別情報が撮像されなくなってから所定時間が経過すると、当該撮像装置の特定を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の映像配信装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記配信先の前記端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定した前記撮像装置において、前記識別情報が撮像されなくなり、かつ、前記配信先において当該撮像装置が撮像している映像の閲覧を行っている前記端末がない場合、当該撮像装置の特定を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の映像配信装置。
【請求項9】
映像の配信先に対応する識別情報を設定するステップと、
複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定するステップと、
特定された前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信するステップと
を含むことを特徴とする映像配信方法。
【請求項10】
映像の配信先に対応する識別情報を設定するステップと、
複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定するステップと、
特定された前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信するステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする映像配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信装置、映像配信方法、および映像配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学校等において、ハイフレックス型授業が行われることがある。ハイフレックス型授業は、同じ内容の授業を対面、オンラインのどちらでも受講できる型式の授業である。
【0003】
また、オンラインでの授業を行うために、学校等に複数のカメラ(撮像装置)が設置されていることがある。例えば、学校において1つの教室に複数のカメラが設置されていたり、複数の教室のそれぞれにカメラが設置されていたりすることがある。
【0004】
複数のカメラを用いたシステムに関する技術として、特許文献1には、複数のカメラそれぞれの指向方向や視界を、カメラの位置とともに地図上に表示する技術が開示されている。
【0005】
この技術を、上述した複数のカメラが設置されている学校等におけるオンライン授業に適用すると、受講者(閲覧者)がカメラを選択し、そのカメラが撮像している映像を閲覧することができる。例えば、黒板を撮像しているカメラや、教室全体を撮像しているカメラのなかから、受講者が映像を閲覧するカメラを選択することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した技術では、複数のカメラに、閲覧者にとって不要な映像を撮像しているカメラが含まれていることにより、閲覧者が閲覧したい映像を撮像しているカメラを選択しにくくなり、その結果、閲覧したい映像を閲覧しにくくなることがあった。特に、多数のカメラが用いられている場合、閲覧者にとって不要な映像を撮像しているカメラが多くなり、閲覧者がカメラを選択しにくくなりやすい。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、複数の撮像装置のなかから閲覧者が閲覧したい映像を撮像している撮像装置を容易に選択してその映像を閲覧することを可能とする映像配信装置、映像配信方法、および映像配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、映像の配信先に対応する識別情報を設定する識別情報設定部と、複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定する特定部と、前記特定部が特定した前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信する配信制御部とを備えることを特徴とする映像配信装置が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、映像の配信先に対応する識別情報を設定するステップと、複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定するステップと、特定された前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信するステップとを含むことを特徴とする映像配信方法が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、映像の配信先に対応する識別情報を設定するステップと、複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定するステップと、特定された前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする映像配信プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の撮像装置のなかから閲覧者が閲覧したい映像を撮像している撮像装置を容易に選択してその映像を閲覧することを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態に係る映像配信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す映像配信システムの映像配信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す映像配信システムの受信用端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】QRコード印刷物作成動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】配信側QRコードが印刷された印刷物の例を示す図である。
【
図6】カメラが配置されている教室の例を示す図である。
【
図7】
図1に示す映像配信システムにおいて受信用端末で映像を表示する動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図1に示す映像配信システムにおいて受信用端末で映像を表示する動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図1に示す映像配信システムにおいて受信用端末で映像を表示する動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】受信用端末に表示されるアプリ画面を示す図である。
【
図11】受信用端末に表示されるアプリ画面を示す図である。
【
図12】職員室端末に表示されるアプリ画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像配信装置が設けられた映像配信システムの構成を示すブロック図である。
図2は、
図1に示す映像配信システムの映像配信装置の構成を示すブロック図である。
図3は、
図1に示す映像配信システムの受信用端末の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に係る映像配信システム1は、映像配信装置2と、印刷装置3と、複数のカメラ(撮像装置に相当)4と、複数の教員用端末(端末に相当)5と、職員室端末(端末に相当)6と、複数の受信用端末(端末に相当)7とを備える。映像配信装置2、印刷装置3、カメラ4、教員用端末5、および職員室端末6と、受信用端末7とは、インターネット等のネットワーク8を介して通信可能に接続されている。
【0017】
映像配信装置2は、カメラ4が撮像している映像を教員用端末5、職員室端末6、および受信用端末7へ配信する。映像配信装置2は、CPU、ROM,RAM、ハードディスク等を備えたコンピュータにより構成される。
【0018】
図2に示すように、映像配信装置2は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0019】
制御部11は、映像配信装置2全体の動作を制御する。制御部11は、CPU等を備えて構成されている。制御部11は、グループ設定部21と、QRコード(登録商標)生成部(識別情報設定部に相当)22と、特定部23と、配信制御部24とを備える。制御部11の各部は、CPUが記憶部12に記憶された映像配信プログラムを実行することにより構成される。
【0020】
グループ設定部21は、複数の構成員からなる配信グループを設定(登録)する。本実施の形態では、配信グループは、学校におけるクラスの各生徒および担任の教員により構成される。
【0021】
QRコード生成部22は、映像配信装置2による映像の配信先に対応する配信側QRコード(識別情報に相当)を生成する。映像の配信先としては、配信グループと、職員室端末6が配置された学校の職員室26とがある。また、QRコード生成部22は、受信側QRコードを生成する。
【0022】
配信側QRコードは、配信先の端末で映像を閲覧可能なカメラ4を特定するために用いられるQRコードである。配信先の端末としては、教員用端末5、職員室端末6、および受信用端末7がある。配信側QRコードは、配信先情報と、ラベル情報とを含む。
【0023】
配信先情報は、配信側QRコードを撮像しているカメラ4の映像の配信先を示す情報である。QRコード生成部22は、配信側QRコードに配信先情報を埋め込むことで、配信先に対応するQRコードとして配信側QRコードを設定している。
【0024】
ラベル情報は、配信側QRコードを撮像しているカメラ4を分類するための情報である。本実施の形態では、配信先情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコードにおいては、ラベル情報は、色を示す情報である。配信先情報として職員室26を示す情報を含む配信側QRコードにおいては、ラベル情報は、配信グループを示す情報である。
【0025】
受信側QRコードは、映像配信装置2により配信された映像を受信する端末において、映像を受信可能とする設定を行うためのものである。映像配信装置2により配信された映像を受信する端末としては、教員用端末5、職員室端末6、および受信用端末7がある。受信側QRコードは、配信先情報を含む。
【0026】
特定部23は、複数のカメラ4のうち、配信側QRコードを撮像しているカメラ4を、配信側QRコードに含まれる配信先において映像を閲覧可能なカメラ4として特定する。
【0027】
配信制御部24は、配信先ごとに特定部23が特定したカメラ4のうち、配信先の端末(教員用端末5、職員室端末6、および受信用端末7)において選択されたカメラ4が撮像している映像を端末へ配信する。
【0028】
記憶部12は、上述した映像配信プログラム等の各種のプログラムを記憶している。記憶部12は、ハードディスク等により構成されている。
【0029】
通信部13は、受信用端末7等の外部の装置との通信処理を行う。
【0030】
印刷装置3は、配信側QRコードおよび受信側QRコードの印刷を行う。
【0031】
カメラ4は、学校の教室27に設置され、教室27内を撮像する。教室27に複数のカメラ4が設置されている。学校内でカメラ4が設置された教室27は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0032】
教室27内において、複数のカメラ4は、位置および撮像方向の少なくともいずれかがそれぞれ異なるように設置されている。カメラ4は、ネットワークカメラからなる。
【0033】
教員用端末5は、教員が教室27で授業を行う際に用いるものである。また、教員用端末5は、映像配信装置2により配信された映像を受信して表示することが可能である。教員用端末5は、CPU、ROM,RAM、ハードディスク、液晶表示パネル等から構成される表示部、およびキーボードやマウス等を有する入力部、撮像部等を備えたコンピュータにより構成される。教員用端末5には、ハイフレックス型授業用のアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0034】
職員室端末6は、職員室26において各教室27の映像を確認するために用いられるものである。職員室端末6は、映像配信装置2により配信された映像を受信して表示することが可能である。職員室端末6は、教員用端末5と同様のコンピュータにより構成される。職員室端末6には、ハイフレックス型授業用のアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0035】
受信用端末7は、学校に通学している生徒が所有しているタブレット端末、スマートフォン等であり、生徒がオンラインで授業を受講するために用いられるものである。学校の教室27ではハイフレックス型授業が行われ、生徒は、教室27において対面で授業を受講するか、受信用端末7を用いてオンラインで授業を受講するかを選択できる。
【0036】
図3に示すように、受信用端末7は、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、入力部34と、撮像部35と、通信部36とを備える。
【0037】
制御部31は、受信用端末7全体の動作を制御する。制御部31は、CPU等を備えて構成されている。
【0038】
記憶部32は、ハイフレックス型授業用のアプリケーションプログラム等の各種のプログラムを記憶している。記憶部32は、フラッシュメモリ等により構成されている。
【0039】
表示部33は、映像配信装置2により配信された映像を表示する。表示部33は、液晶表示パネル等により構成されている。
【0040】
入力部34は、ユーザの入力操作を受け付ける。入力部34は、タッチパネル(図示せず)を含む。タッチパネルは、表示部33の上に重ねて配置されている。
【0041】
撮像部35は、被写体を撮像するものである。撮像部35は、受信側QRコードを読み取るために用いられる。
【0042】
通信部36は、映像配信装置2等の外部の装置との通信処理を行う。
【0043】
次に、映像配信システム1におけるQRコード印刷物作成動作について説明する。
【0044】
QRコード印刷物作成動作は、配信側QRコードが印刷された印刷物、および受信側QRコードが印刷された印刷物を作成する動作である。QRコード印刷物作成動作は、学校においてハイフレックス型授業を行うための準備として行われる。
【0045】
図4は、QRコード印刷物作成動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
図4のステップS1において、映像配信装置2のグループ設定部21は、教員が教員用端末5に対して行う、配信グループを設定するための操作に応じて、クラスの各生徒および担任の教員を構成員とする配信グループを設定する。
【0047】
次いで、ステップS2において、QRコード生成部22は、配信側QRコードおよび受信側QRコードを生成する。
【0048】
ここで、QRコード生成部22は、配信先情報としてステップS1で設定された配信グループを示す情報をいずれも含み、ラベル情報としてそれぞれ異なる色を示す情報を含む複数の配信側QRコードを生成する。この配信先情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコードの個数、およびそれぞれの配信側QRコードにおいてラベル情報として含む色は、教員用端末5に対する操作により、教員により指定される。
【0049】
また、QRコード生成部22は、配信先情報として職員室26を示す情報を含み、ラベル情報としてステップS1で設定された配信グループを示す情報を含む配信側QRコードを生成する。
【0050】
また、QRコード生成部22は、配信先情報としてステップS1で設定された配信グループを示す情報を含む受信側QRコードと、配信先情報として職員室26を示す情報を含む受信側QRコードとを生成する。
【0051】
次いで、ステップS3において、QRコード生成部22は、ステップS2で生成した配信側QRコードおよび受信側QRコードを印刷装置3へ出力して印刷させる。
【0052】
ここで、QRコード生成部22は、配信先情報として配信グループを示す情報を含みラベル情報として色を示す情報を含む配信側QRコードについては、当該配信側QRコードがラベル情報として含む色で印刷させる。また、QRコード生成部22は、配信先情報として職員室26を示す情報を含みラベル情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコードについては、任意の色で印刷させる。
【0053】
QRコード生成部22は、各配信側QRコードおよび各受信側QRコードを、1枚の用紙に1つずつ印刷させる。QRコード生成部22は、配信先情報として配信グループを示す情報を含む受信側QRコードについては、配信グループの構成員の人数分の枚数を印刷させる。これにより、QRコード印刷物作成動作が終了となる。
【0054】
上述したQRコード印刷物作成動作により配信側QRコードが印刷された印刷物の例を
図5に示す。
【0055】
図5に示す配信側QRコード印刷物41A,41Bは、配信先情報として配信グループを示す情報を含みラベル情報として色を示す情報を含む配信側QRコード42A,42Bがそれぞれ印刷されたものである。配信側QRコード印刷物41Cは、配信先情報として職員室26を示す情報を含みラベル情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコード42Cが印刷されたものである。なお、配信側QRコード印刷物41A~41C等の符号におけるアルファベットの添え字を省略して総括的に表記することがある。
【0056】
図5の例では、配信グループは3年2組の各生徒および担任の教員からなる。配信側QRコード42A,42Bは、配信先情報として「3年2組」を含む。配信側QRコード42Aは、ラベル情報として「赤」を含み、赤で印刷(表示)されている。配信側QRコード42Bは、ラベル情報として「青」を含み、青で印刷(表示)されている。
【0057】
配信側QRコード42Cは、配信先情報として「職員室」を含み、ラベル情報として「3年2組」を含む。配信側QRコード42Cは、任意の色(例えば黒)で印刷(表示)されている。
【0058】
配信側QRコード印刷物41は、後述するように、ハイフレックス型授業が行われる教室27に配置される。
【0059】
上述したQRコード印刷物作成動作により受信側QRコードが印刷された印刷物は、教員用端末5、職員室端末6、および受信用端末7において、配信先情報を設定して映像配信装置2により配信された映像を受信可能とするために用いられる。
【0060】
具体的には、受信用端末7は、印刷物に印刷された、配信先情報として配信グループを示す情報を含む受信側QRコードを撮像部35で読み取る。そして、受信用端末7の制御部31は、読み取った受信側QRコードから配信先情報を取得し、取得した配信先情報を記憶部32に記憶させる。
【0061】
教員用端末5も受信用端末7と同様に、配信先情報として配信グループを示す情報を含む受信側QRコードを撮像部で読み取り、受信側QRコードから配信先情報を取得して、配信先情報をハードディスク等に記憶させる。
【0062】
職員室端末6は、印刷物に印刷された、配信先情報として職員室を示す情報を含む受信側QRコードを撮像部で読み取る。そして、職員室端末6は、読み取った受信側QRコードから配信先情報を取得し、取得した配信先情報をハードディスク等に記憶させる。
【0063】
次に、ハイフレックス型授業時における映像配信システム1の動作について説明する。
【0064】
ここでは、
図6に示すような教室27において、
図5に示した配信側QRコード印刷物41A~41Cを用いてハイフレックス型授業が行われる場合を例に説明する。なお、
図6の矢印で示す前後を教室27の前後方向とする。
【0065】
図6に示す教室27において、教室27の前側に黒板51,52が配置されている。また、カメラ4A~4Fが、それぞれ異なる位置に配置されている。カメラ4Aは、黒板52を撮像する。カメラ4B~4Dは、黒板51をそれぞれ異なる角度で撮像する。カメラ4Eは、教室27の後側から教室27全体を撮像する。カメラ4Fは、教室27の前側から教室27全体を撮像する。
【0066】
ハイフレックス型授業を行う際、教員が、配信側QRコード印刷物41A~41Cを教室27内に配置する。
図6の例では、配信側QRコード印刷物41Aは、配信側QRコード42Aがカメラ4A,4Eに撮像される位置に配置されている。配信側QRコード印刷物41Bは、配信側QRコード42Bがカメラ4B~4Eに撮像される位置に配置されている。配信側QRコード印刷物41Cは、配信側QRコード42Cがカメラ4Fに撮像される位置に配置されている。
【0067】
なお、
図6の例では、教室27に配置されたすべてのカメラ4A~4Fが、配信側QRコード42A~42Cの少なくともいずれかを撮像するように配信側QRコード印刷物41A~41Cが配置されている。しかし、配信側QRコード印刷物41を撮像しないカメラ4があってもよい。
【0068】
まず、ハイフレックス型授業時に映像配信システム1において受信用端末7で映像を表示する動作について、
図7~
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
図7~
図9のフローチャートの処理は、教室27に配信側QRコード印刷物41A~41Cが配置されてカメラ4A~4Fにより配信側QRコード印刷物41A~41Cが撮像され始めることにより開始となる。
【0070】
図7のステップS11において、映像配信装置2の特定部23は、カメラ4A~4Fがそれぞれ撮像している映像の少なくともいずれかに含まれる配信側QRコード42A~42Cのそれぞれから、配信先情報およびラベル情報を取得する。
【0071】
次いで、ステップS12において、特定部23は、受信用端末7で映像を閲覧可能なカメラ4を特定する。
【0072】
具体的には、特定部23は、配信先情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコード42を撮像しているカメラ4を、受信用端末7で映像を閲覧可能なカメラ4として特定する。
図6の例では、配信先情報として「3年2組」を含む配信側QRコード42A,42Bの少なくともいずれかを撮像しているカメラ4A~4Eが、受信用端末7で映像を閲覧可能なカメラ4として特定される。
【0073】
次いで、
図7のステップS13において、受信用端末7の制御部31は、当該受信用端末7に設定された配信先情報を映像配信装置2へ通知する。
図6の例では、制御部31は、配信先情報として「3年2組」を映像配信装置2へ通知する。
【0074】
ここで、ステップS13における受信用端末7から映像配信装置2への配信先情報の通知は、受信用端末7においてハイフレックス型授業用のアプリケーションが立ち上げられることにより行われる。この通知は、ステップS11より前、あるいはステップS11とステップS12との間に行われてもよい。
【0075】
次いで、ステップS14において、映像配信装置2の配信制御部24は、ステップS12で特定されたカメラ4、および特定されたカメラ4が撮像している配信側QRコード42から取得されたラベル情報を、受信用端末7へ通知する。
【0076】
図6の例では、配信制御部24は、特定されたカメラ4(閲覧可能なカメラ4)はカメラ4A~4Eであり、カメラ4Aに対応するラベル情報が「赤」、カメラ4B~4Dに対応するラベル情報が「青」、カメラ4Eに対応するラベル情報が「赤」および「青」であることを通知する。
【0077】
また、ステップS14において、配信制御部24は、初期設定のカメラ4の映像を受信用端末7へ配信する。初期設定のカメラ4は、受信用端末7に初期の映像を配信するカメラ4である。
【0078】
具体的には、配信制御部24は、撮像している映像に含まれる、配信先情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコード42から取得可能なラベル情報が最も多いカメラ4を、初期設定のカメラ4として選択する。そして、配信制御部24は、初期設定のカメラ4が撮像している映像を受信用端末7へ配信する。
【0079】
図6の例では、配信制御部24は、2つの配信側QRコード42A,42Bを撮像しているカメラ4Eを初期設定のカメラ4として選択する。
【0080】
次いで、ステップS15において、受信用端末7の制御部31は、表示部33を制御して、ステップS14で通知された情報に応じた画面表示を行う。これにより、
図10に示すようなアプリ画面61が表示部33に表示される。
【0081】
アプリ画面61には、タブ62A~62Cと、カメラ選択欄63と、映像表示部64とが表示されている。
【0082】
タブ62は、ラベル情報による分類に応じてカメラ選択欄63の表示を切り替えるためのものである。タブ62Aは、すべてのラベル情報(「赤」および「青」)を選択するためのものである。タブ62Bは、「青」のラベル情報を選択するためのものである。タブ62Cは、「赤」のラベル情報を選択するためのものである。
【0083】
カメラ選択欄63は、特定されたカメラ4(閲覧可能なカメラ4)から映像表示部64に映像を表示させるカメラ4を選択するためのものである。
【0084】
タブ62Aが選択されている状態では、カメラ選択欄63には、受信用端末7で閲覧可能なカメラ4A~4Eのすべてが選択肢として表示される。
【0085】
タブ62Bが選択されている状態では、カメラ選択欄63には、ラベル情報が「青」である配信側QRコード42Bを撮像しているカメラ4B~4Eが選択肢として表示される(
図11参照)。
【0086】
タブ62Cが選択されている状態では、カメラ選択欄63には、ラベル情報が「赤」である配信側QRコード42Aを撮像しているカメラ4A,4Eが選択肢として表示される。
【0087】
映像表示部64は、カメラ選択欄63から選択されたカメラ4が撮像している映像を表示する部分である。
【0088】
アプリ画面61の初期の状態では、
図10のように、映像表示部64には、初期設定のカメラ4として選択されたカメラ4Eが撮像している映像が表示される。また、タブ62Aが選択され、カメラ選択欄63にはカメラ4A~4Eのすべてが選択肢として表示されている状態となる。また、カメラ選択欄63においては、映像を閲覧するカメラ4としてカメラ4Eが選択中である旨が表示される。
【0089】
図7に戻り、ステップS16において、受信用端末7の制御部31は、ラベル情報を選択する操作、すなわち、タブ62A~62Cからいずれかを選択する操作が行われたか否かを判断する。
【0090】
ここで、前述のように、初期設定のカメラ4は、撮像している映像に含まれる、配信先情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコード42から取得可能なラベル情報が最も多いカメラ4である。また、配信先情報として配信グループを示す情報を含む配信側QRコード42は、当該配信側QRコードがラベル情報として含む色で印刷(表示)されている。このため、映像の閲覧者は、映像表示部64の初期の映像から各ラベル情報に対応する配信側QRコード42の位置関係を把握しやすく、また、ラベル情報を視覚的に判断しやすい。これにより、閲覧者が所望のラベル情報(カメラ4の分類)を選択することが容易になる。
【0091】
ラベル情報を選択する操作が行われたと判断した場合(ステップS16:YES)、ステップS17において、制御部31は、選択されたラベル情報を映像配信装置2に通知する。例えば、タブ62Bが選択された場合、制御部31は、ラベル情報として「青」を映像配信装置2に通知する。
【0092】
次いで、ステップS18において、映像配信装置2の配信制御部24は、選択されたラベル情報に対応するカメラ4を受信用端末7に通知する。例えば、選択されたラベル情報が「青」である場合、特定部23は、選択されたラベル情報に対応するカメラ4がカメラ4B~4Eであることを受信用端末7に通知する。
【0093】
これにより、受信用端末7において、選択されたラベル情報に対応するカメラ4が、アプリ画面61のカメラ選択欄63に選択肢として表示される。
【0094】
次いで、ステップS19において、受信用端末7の制御部31は、カメラ選択欄63からカメラ4を選択する操作が行われたか否かを判断する。
【0095】
カメラ4を選択する操作が行われたと判断した場合(ステップS19:YES)、ステップS20において、制御部31は、選択されたカメラ4を映像配信装置2に通知する。
【0096】
次いで、ステップS21において、映像配信装置2の配信制御部24は、選択されたカメラ4が撮像している映像を受信用端末7へ配信する。
【0097】
次いで、ステップS22において、受信用端末7の制御部31は、選択されたカメラ4が撮像している映像を映像表示部64に表示させる。
【0098】
例えば、選択されたラベル情報が「青」であり、選択されたカメラ4がカメラ4Eである場合、
図11に示すように、カメラ選択欄63にはカメラ4B~4Eが選択肢として表示され、カメラ4Bが撮像している映像が映像表示部64に表示される。
【0099】
ステップS22の後、ステップS16に処理が戻る。
【0100】
ステップS16において、ラベル情報を選択する操作が行われていないと判断した場合(ステップS16:NO)、
図8のステップS23において、受信用端末7の制御部31は、カメラ選択欄63からカメラ4を選択する操作が行われたか否かを判断する。カメラ4を選択する操作が行われたと判断した場合(ステップS23:YES)、制御部31は、
図7のステップS20へ進む。
【0101】
カメラ4を選択する操作が行われていないと判断した場合(ステップS23:NO)、ステップS24において、制御部31は、映像の閲覧を終了するか否かを判断する。ここで、制御部31は、ハイフレックス型授業用のアプリケーションを終了する操作が行われると、映像の閲覧を終了すると判断する。
【0102】
映像の閲覧を終了しないと判断した場合(ステップS24:NO)、制御部31は、
図7のステップS16に戻る。
【0103】
映像の閲覧を終了すると制御部31が判断した場合(ステップS24:YES)、一連の処理が終了となる。
【0104】
ステップS19において、カメラ4を選択する操作が行われていないと判断した場合(ステップS19:NO)、
図9のステップS25において、制御部31は、ラベル情報を選択する操作が行われたか否かを判断する。ラベル情報を選択する操作が行われたと判断した場合(ステップS25:YES)、制御部31は、
図7のステップS17に戻る。
【0105】
ラベル情報を選択する操作が行われていないと判断した場合(ステップS25:NO)、ステップS26において、制御部31は、映像の閲覧を終了するか否かを判断する。映像の閲覧を終了しないと判断した場合(ステップS26:NO)、制御部31は、
図7のステップS19に戻る。
【0106】
映像の閲覧を終了すると制御部31が判断した場合(ステップS26:YES)、一連の処理が終了となる。
【0107】
上述した
図7~
図9のフローチャートを用いた説明では、受信用端末7で映像を表示する動作について説明したが、教員用端末5で映像を表示する動作についても同様である。
【0108】
なお、授業で用いる教材の画像を映像配信装置2から教員用端末5および受信用端末7に配信して映像表示部64に表示できるようにしてもよい。
【0109】
次に、職員室端末6で映像を表示する動作について説明する。
【0110】
特定部23は、配信先情報として「職員室」を含む配信側QRコード42Cを撮像しているカメラ4Fを、職員室端末6で映像を閲覧可能なカメラ4として特定する。
【0111】
次いで、特定部23は、特定されたカメラ4(閲覧可能なカメラ4)はカメラ4Fであり、カメラ4Fに対応するラベル情報が「3年2組」であることを職員室端末6へ通知する。ここで、職員室端末6から映像配信装置2への配信先情報の通知は、事前に行われている。
【0112】
ここで、職員室端末6の表示部に表示されるアプリ画面を
図12に示す。
図12に示すように、アプリ画面71には、タブ72A~72Gと、カメラ選択欄73と、映像表示部74とが表示されている。タブ72A~72G、カメラ選択欄73、および映像表示部74は、それぞれ前述した
図10、
図11のアプリ画面61のタブ62A~62C、カメラ選択欄63、および映像表示部64と同様のものである。
【0113】
前述のように配信先情報として職員室を示す情報を含む配信側QRコードは、ラベル情報として配信グループ(クラス)を示す情報を含む。このため、アプリ画面71では、タブ72は、配信グループ(クラス)を示すラベル情報を選択するためのものである。
【0114】
閲覧可能なカメラ4Fに対応するラベル情報が「3年2組」であることが職員室端末6に通知されると、
図12のように、アプリ画面71に「3年2組」のラベル情報を選択するためのタブ72Gが表示される。タブ72A~72Fは、「3年2組」以外の配信グループ(クラス)を示すラベル情報を選択するためのものである。
【0115】
タブ72A~72Gからラベル情報を選択する操作が行われると、職員室端末6は、選択されたラベル情報を映像配信装置2に通知する。映像配信装置2の特定部23は、選択されたラベル情報に対応するカメラ4を受信用端末7に通知する。これにより、職員室端末6において、選択されたラベル情報に対応するカメラ4が、アプリ画面71のカメラ選択欄73に選択肢として表示される。
【0116】
カメラ選択欄73からカメラ4を選択する操作が行われると、職員室端末6は、選択されたカメラ4を映像配信装置2に通知する。映像配信装置2の配信制御部24は、選択されたカメラ4が撮像している映像を職員室端末6へ配信する。そして、職員室端末6は、選択されたカメラ4が撮像している映像を映像表示部74に表示させる。
【0117】
例えば、選択されたラベル情報が「3年2組」であり、選択されたカメラ4がカメラ4Fである場合、
図12のように、カメラ4Fが撮像している映像が映像表示部74に表示される。
【0118】
ここで、職員室端末6でも、受信用端末7および教員用端末5と同様に、ハイフレックス型授業用のアプリケーションの立ち上げ時において、配信先情報として職員室を示す情報を含む配信側QRコードを最も多く撮像しているカメラ4が初期設定のカメラ4として選択される。そして、初期設定のカメラ4が撮像している映像が映像表示部74に表示される。
【0119】
次に、配信先で映像を閲覧可能なカメラ4として特定されたカメラ4の特定の解除について説明する。
【0120】
前述のように、配信側QRコードを撮像しているカメラ4は、当該配信側QRコードに含まれる配信先情報が示す配信先で映像を閲覧可能なカメラ4として特定される。
【0121】
図6の例では、前述のように、配信先情報として「3年2組」を含む配信側QRコード42A,42Bの少なくともいずれかを撮像しているカメラ4A~4Eが、受信用端末7および教員用端末5で映像を閲覧可能なカメラ4として特定される。
【0122】
これに対し、配信先に対して一旦特定されたカメラ4の映像が、授業終了後も当該配信先の端末に配信され続け得ることを防止するため、適切なタイミングで配信先に対するカメラ4の特定を解除する必要がある。
【0123】
映像配信装置2の特定部23は、特定されたカメラ4において配信側QRコードが撮像されなくなり、かつ、配信先において当該カメラ4が撮像している映像の閲覧を行っている端末がない場合、当該カメラ4の特定を解除する。
【0124】
例えば、
図6の例において、カメラ4A~4Eが特定された後、授業終了により教員が配信側QRコード42A,42Bを取り除いたことによりカメラ4A~4Eにおいて配信側QRコード42A,42Bのいずれもが撮像されなくなり、「3年2組」の受信側端末7および教員用端末5のなかにカメラ4A~4Eの映像を閲覧している端末がない場合、特定部23は、カメラ4A~4Eの特定を解除する。これにより、授業終了の適切なタイミングで迅速にカメラ4A~4Eの特定が解除される。
【0125】
また、映像配信装置2の特定部23は、特定されたカメラ4において配信側QRコードが撮像されなくなってから所定時間が経過すると、当該カメラ4の特定を解除する。換言すると、特定部23は、特定されたカメラ4において配信側QRコードが撮像されなくなっても、所定時間が経過するまでは、当該カメラ4の特定を解除しない。
【0126】
これにより、例えば、特定されたカメラ4と配信側QRコード印刷物との間に教員が入ることで一時的に配信側QRコードが撮像されなくなっても、特定部23は、当該カメラ4の特定を解除しない。これにより、不適切なタイミングでのカメラ4の特定の解除を低減できる。所定時間は、不適切なタイミングでのカメラ4の特定の解除を十分に抑制できる時間として、予め実験等に基づき設定される。
【0127】
一方、特定されたカメラ4において配信側QRコードが撮像されなくなってから所定時間が経過すると、当該カメラ4が撮像している映像の閲覧を行っている端末があっても、特定部23は、当該カメラ4の特定を解除する。これにより、カメラ4の特定が過度に継続されることが抑えられる。
【0128】
また、映像配信装置2の特定部23は、特定済みのカメラ4が、特定した際の配信側QRコードとは異なる配信側QRコードを撮像している場合、元の配信先に対する当該カメラ4の特定を解除する。そして、特定部23は、当該カメラ4を、新たに撮像している配信側QRコードに含まれる配信先情報が示す配信先で映像を閲覧可能なカメラ4として特定する。
【0129】
以上説明したように、映像配信装置2では、特定部23は、複数のカメラ4のうち、配信側QRコードを撮像しているカメラ4を、配信側QRコードに含まれる配信先における映像を閲覧可能なカメラ4として特定する。配信制御部24は、配信先ごとに特定部23が特定したカメラ4のうち、配信先の端末(教員用端末5、職員室端末6、および受信用端末7)において選択されたカメラ4が撮像している映像を端末へ配信する。
【0130】
これにより、閲覧者が映像を閲覧可能なカメラ4が過度に多くなることが抑えられる。この結果、複数のカメラ4のなかから閲覧者が閲覧したい映像を撮像しているカメラ4を容易に選択してその映像を閲覧することが可能となる。
【0131】
また、映像配信装置2では、配信先で映像を閲覧可能なカメラ4を特定するための識別情報としてQRコード(配信側QRコード)を用いている。これにより、識別情報の誤認識を抑制できる。
【0132】
また、映像配信装置2では、QRコード生成部22が、配信側QRコードを生成し、生成した配信側QRコードを印刷装置3へ出力する。これにより、印刷装置3で配信側QRコードを印刷することができる。そして、配信側QRコードが印刷された印刷物を用いることで、配信先で映像を閲覧可能なカメラ4の特定を容易に行うことができる。
【0133】
また、映像配信装置2では、QRコード生成部22が、カメラ4を分類するためのラベル情報をそれぞれ含む複数の配信側QRコードを生成する。配信制御部24は、特定部23が特定したカメラ4が撮像している映像に含まれる配信側QRコードから取得されたラベル情報、および特定部23が特定したカメラ4を配信先の端末に通知する。配信先の端末において選択されたラベル情報が配信先の端末から通知されると、配信制御部24は、選択されたラベル情報を含む配信側QRコードを撮像しているカメラ4を配信先の端末に通知する。配信先の端末において選択されたカメラ4が端末から通知されると、配信制御部24は、選択されたカメラ4が撮像している映像を配信先の端末へ配信する。
【0134】
これにより、閲覧者が、ラベル情報により分類されたカメラ4のなかからカメラ4を選択できるので、閲覧者が閲覧したい映像を撮像しているカメラ4をより容易に選択できる。
【0135】
また、映像配信装置2では、QRコード生成部22が、それぞれ異なる色を示す情報をラベル情報として含む複数の配信側QRコードを生成する。そして、これらの配信側QRコードは、当該配信側QRコードがラベル情報として含む色で印刷(表示)されている。これにより、閲覧者が映像からラベル情報を視覚的に判断しやすい。これにより、閲覧者が所望のラベル情報(カメラ4の分類)を選択することが容易になる。
【0136】
また、映像配信装置2では、配信制御部24は、撮像している映像に含まれる配信側QRコードから取得可能なラベル情報が最も多いカメラ4を、初期設定のカメラ4として選択する。これにより、映像表示部64の初期の映像から各ラベル情報に対応する配信側QRコードの位置関係を閲覧者が把握しやすくすることができる。これにより、閲覧者が所望のラベル情報(カメラ4の分類)を選択することが容易になる。
【0137】
また、映像配信装置2では、特定部23は、特定されたカメラ4において配信側QRコードが撮像されなくなってから所定時間が経過すると、当該カメラ4の特定を解除する。これにより、特定されたカメラ4で一時的に配信側QRコードが撮像されなくなったことによる当該カメラ4の特定の解除を低減できる。この結果、不適切なタイミングでのカメラ4の特定の解除を低減できる。
【0138】
また、映像配信装置2では、特定部23は、特定されたカメラ4において配信側QRコードが撮像されなくなり、かつ、配信先において当該カメラ4が撮像している映像の閲覧を行っている端末がない場合、当該カメラ4の特定を解除する。これにより、授業終了等の適切なタイミングで迅速にカメラ4の特定を解除することができる。
【0139】
なお、上述した実施形態では、QRコード生成部22が生成した配信側QRコードを印刷装置3へ出力して印刷した。しかし、これに限らず、例えば、配信側QRコードをタブレット端末等の外部端末に出力し、印刷は行わず、外部端末に表示した配信側QRコードをカメラ4に撮像される位置に配置してもよい。この場合において、ラベル情報として色を示す情報を含む配信側QRコードは、ラベル情報の色で表示させればよい。
【0140】
また、上述した実施形態では、映像の配信先に対応する識別情報としてQRコード(配信側QRコード)を用いたが、識別情報はこれに限らない。識別情報として、バーコード等の、QRコード以外の情報コードや、文字等を設定してもよい。また、映像配信装置2での識別情報の生成は行わず、教員の顔等を識別情報として設定してもよい。
【0141】
また、上述した実施の形態では、配信先情報およびラベル情報の少なくともいずれかがそれぞれ異なる複数の配信側QRコードを用いた。しかし、配信先情報およびラベル情報が同じ配信側QRコードを複数用いてもよい。これにより、複数の同じ配信側QRコードのうちの一部の配信側QRコードが教員等に遮られてカメラ4で撮像できなくても、他の配信側QRコードをカメラ4で撮像できる。
【0142】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0143】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0144】
(付記1)
映像の配信先に対応する識別情報を設定する識別情報設定部と、
複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信する配信制御部と
を備えることを特徴とする映像配信装置。
【0145】
(付記2)
前記識別情報設定部は、前記識別情報を生成し、生成した前記識別情報を印刷装置または外部端末へ出力することを特徴とする付記1に記載の映像配信装置。
【0146】
(付記3)
前記識別情報は、情報コードであることを特徴とする付記1または2に記載の映像配信装置。
【0147】
(付記4)
前記識別情報設定部は、前記複数の撮像装置を分類するためのラベル情報をそれぞれ含む複数の前記識別情報を設定し、
前記配信制御部は、
前記特定部が特定した前記撮像装置が撮像している映像に含まれる前記識別情報から取得された前記ラベル情報、および前記特定部が特定した前記撮像装置を前記端末に通知し、
前記端末において選択された前記ラベル情報が前記端末から通知されると、選択された前記ラベル情報を含む前記識別情報を撮像している前記撮像装置を前記端末に通知し、
前記端末において選択された前記撮像装置が前記端末から通知されると、選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の映像配信装置。
【0148】
(付記5)
複数の前記識別情報は、それぞれ異なる色を示す情報を前記ラベル情報として含み、当該識別情報が前記ラベル情報として含む色で表示されていることを特徴とする付記4に記載の映像配信装置。
【0149】
(付記6)
前記配信制御部は、撮像している映像に含まれる前記識別情報から取得可能な前記ラベル情報が最も多い前記撮像装置を、前記端末に初期の映像を配信する前記撮像装置として選択することを特徴とする付記5に記載の映像配信装置。
【0150】
(付記7)
前記特定部は、前記配信先の前記端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定した前記撮像装置において前記識別情報が撮像されなくなってから所定時間が経過すると、当該撮像装置の特定を解除することを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の映像配信装置。
【0151】
(付記8)
前記特定部は、前記配信先の前記端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定した前記撮像装置において、前記識別情報が撮像されなくなり、かつ、前記配信先において当該撮像装置が撮像している映像の閲覧を行っている前記端末がない場合、当該撮像装置の特定を解除することを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の映像配信装置。
【0152】
(付記9)
映像の配信先に対応する識別情報を設定するステップと、
複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定するステップと、
特定された前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信するステップと
を含むことを特徴とする映像配信方法。
【0153】
(付記10)
映像の配信先に対応する識別情報を設定するステップと、
複数の撮像装置のうち、前記識別情報を撮像している前記撮像装置を、前記配信先の端末において映像を閲覧可能な前記撮像装置として特定するステップと、
特定された前記撮像装置のうち、前記端末において選択された前記撮像装置が撮像している映像を前記端末へ配信するステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする映像配信プログラム。
【符号の説明】
【0154】
1 映像配信システム
2 映像配信装置
3 印刷装置
4,4A~4F カメラ
5 教員用端末
6 職員室端末
7 受信用端末
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
21 グループ設定部
22 QRコード生成部
23 特定部
24 配信制御部
26 職員室
27 教室
31 制御部
32 記憶部
33 表示部
34 入力部
35 撮像部
36 通信部
41,41A~41C 配信側QRコード印刷物
42,42A~42C 配信側QRコード