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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104163
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】バーベキュー用グリル
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A47J37/07
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008250
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】509215433
【氏名又は名称】角田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】角田 崇
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AC02
4B040AD04
4B040CB30
(57)【要約】
【課題】焼き網に載置された食材を上下両面から同時に加熱することで、加熱調理中に食材を裏返すという煩わしい作業を軽減可能なバーベキュー用グリルを提供する。
【解決手段】バーベキュー用グリル(1)は、食材を加熱する燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する本体部(20)と、食材を載置可能な焼き網(30)と、開口した上部と格子状の側面部分と底部(42)とで略篭形状に形成され、内部に燃料を保持する燃料保持部(40)であって、所定位置に配置されるとき底部(42)が焼き網(30)より下で開口が焼き網(30)より上にある、燃料保持部(40)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を加熱する燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する本体部(20;120)と、
食材を載置可能な焼き網(30;130)と、
開口した上部と格子状の側面部分と底部(42)とを有して略篭形状に形成され、内部に燃料を保持する燃料保持部(40;140)であって、所定位置に配置されるとき当該底部(42)が前記焼き網(30;130)より下で当該開口が当該焼き網(30;130)より上にある、燃料保持部(40;140)と、
を備える、バーベキュー用グリル(1;100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーベキュー用グリルに関する。
【背景技術】
【0002】
バーベキュー用のコンロは、例えば、コンロ本体の底部に目皿を収納し、コンロ本体の開口縁内側に焼き網枠を載置し、更に、コンロ本体の開口縁に鉄板焼用蓋を被嵌した構成を有し、加熱源上方に配置された焼き網の上に食材を載置して食材を加熱することが一般的である。また、加熱源の上方領域以外の加熱領域に焼き網を配置して、加熱源からの放射熱等によって食材を加熱する技術や、箱体のバーベキューグリルボックス内に配置された長辺側両側面が網で構成される炭火リテイナの上部に網状の上面グリルを、炭火リテイナの長辺側両側面の近傍に両側面に沿って回転可能な側面串を配設して、炭火リテイナに収容された炭火の火力を炭火リテイナの上面と両側面に同時に作用させて、熱源の火力を無駄なく利用するバーベキューグリルボックスに関する技術も存在する。更に、円形のグリル本体の中央部に円形の炭火篭を配置し、その直上に天井板を被着し、炭火篭から離れた周囲の上面に焼網を載着した構成とし、焼網上にて調理材料を焼き調理し、天井板上面では焼網とは違った焼き調理をする技術が存在する(引用文献1、図6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017―209404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバーベキュー用グリルは、燃料の上方に焼き網が配置され、食材は焼き網の上に載置されることが一般的であった。焼き網に懸架した炭火篭から焼き網上の食材に向けて放射熱を当てて食材を加熱する従来技術では、燃料からの放射熱(対流熱を含む)は、食材の下面に当たりその部分を加熱するが、食材の上面には放射熱が当たらず食材のその部分の加熱が充分でなかった。従って、調理を担当する者は、食材全体に熱が充分に加わるよう調理中に食材の加熱状況を常に監視し、食材を適宜裏返すという煩わしい作業を強いられていた。かかる課題を考慮して、本発明は、焼き網に載置された食材を上下両面から同時に加熱することで、加熱調理中に食材を裏返すという煩わしい作業を軽減可能なバーベキュー用グリルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るバーベキュー用グリル(1;100)は、食材を加熱する燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する本体部(20;120)と、食材を載置可能な焼き網(30;130)と、開口した上部と格子状の側面部分と底部(42)とを有して略篭形状に形成され、内部に燃料を保持する燃料保持部(40;140)であって、所定位置に配置されるとき当該底部(42)が前記焼き網(30;130)より下で当該開口が当該焼き網(30;130)より上にある、燃料保持部(40;140)と、を備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、前記本体部(20;120)に取り付けられ開閉可能な蓋部(50;150)であって、閉じたときに当該本体部(20;120)と共に内部空間を形成する蓋部(50;150)を更に備えることを特徴とすれば、調理時に蓋部(50;150)を閉じ内部空間を遮蔽して食材を加熱すれば、放射熱の他に、蓋部(50;150)の内面で反射する反射熱や内部空間内の空気の熱対流によって食材の加熱が促進されるので好ましい。
【0007】
また、前記燃料保持部(40;140)は、当該燃料保持部(40;140)の前記側面部分の一部に反射板(48)を備え、燃焼によって生じる放射熱を当該反射板に遮られていない側面部分から出射するよう構成されることを特徴とすれば、食材が載置された方向に放射熱を集中させて加熱が促進されるので好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかるバーベキュー用グリルによれば、焼き網に載置された食材を上下両面から同時に加熱することで、加熱調理中に食材を裏返すという煩わしい作業を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るバーベキュー用グリルの斜視図である。
図2図1に示すバーベキュー用グリルの構成を説明するための図である。
図3図1に示すバーベキュー用グリルの正面図である。
図4図1に示すバーベキュー用グリルの焼き網の図である。
図5図1に示すバーベキュー用グリルの燃料保持部の斜視図である。
図6図1に示すバーベキュー用グリルを側面方向から見た図である。
図7図1に示すバーベキュー用グリルの本体部の図である。
図8図1に示すバーベキュー用グリルの蓋部の平面図である。
図9】食材が加熱される状態を説明する図である。
図10】第1実施形態に係るバーベキュー用グリルの燃料保持部の変形例を示す図である。
図11】第2実施形態に係るバーベキュー用グリルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を図面を用いて以下に説明する。図1は、第1実施形態に係るバーベキュー用グリル1の斜視図である。図1(a)はバーベキュー用グリル1の蓋部50(後述)が閉じた状態を示し、図1(b)は開いた状態を示す。図2は、バーベキュー用グリル1の構成を説明するための図である。
【0011】
バーベキュー用グリル1は、3本の脚3(3a,3b,3c)に支えられる。バーベキュー用グリル1は、逆円錐台形状の本体部20と、本体部20の内部に取り外し可能な状態で収納される下皿28と、下皿28上に載置される下網35と、本体部20に載置される焼き網30と、焼き網30を貫通し本体部20と焼き網30とで構成される空間から焼き網30の上方へ立脚する燃料保持部40と、本体部20に対して開閉可能、且つ、着脱可能に取り付けられた逆円錐台形状の蓋部50と、を有して構成される。蓋部50は、温度計52と、通気孔56(56a,56b,56c)とフタ57、そして、フタ59で塞がれるアクセス孔58(後述)と、を備える。
【0012】
図3は、バーベキュー用グリル1の正面図である。本体部20は、食材を加熱する木炭等の燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する。また、本体部20は、加熱によって食材から滴り落ちる脂を受ける。本体部20は、例えばステンレスを絞り加工して形成され、対腐食性や美観の観点から外面にはホーロー塗装や静電塗装が施され、良好な熱反射を得るため内面は例えば無塗装とされ、或いは反射板が貼付される。本体部20の底面外側には3個の脚取付部22(22a,22b,22c)が溶接にて設けられ、上述した3本の脚3(3a,3b,3c)がこの脚取付部22に脱着可能に取り付けられる。これにより、脚3を取り外すことで運搬時、収納時等にバーベキュー用グリル1を小さくすることができると共に、使用時には脚3を取り付けて調理作業に好適な高さにすることができる。本体部20の底面には3個の通気孔26(26a,26b,26c)が形成されている(図7参照、後述)。本体部20の上には、本体部20に対して開閉可能で着脱可能な蓋部50がある。蓋部50が閉じた状態において、パッチン錠29を使って蓋部50を本体部20に対して固定し、両者の密閉を図ることができる。これにより、調理時の煙の放逸を防ぐことができる。
【0013】
図4は、バーベキュー用グリル1の焼き網30の図である。図4(a)は平面図を示し、図4(b)は斜視図を示す。焼き網30は、平行に並べられた複数の金属棒が、平面視略円形に形成された金属枠に溶接固定されて構成されている。複数の金属棒は、載置される食材が焼き網30から落下しない間隔で配置される。金属棒は、調理の際に付着した脂等の汚れの洗浄に好適な、例えばステンレスで構成されることが好ましい。また、焼き網30には、燃料保持部40(後述)を着脱自在に挿入配置可能な貫通孔32が形成されている。この焼き網30は、その両側に、本体部20からの着脱作業に至便な把手34が設けられている。尚、焼き網30は、例えば格子状に並べられた複数の金属棒を金属枠に溶接固定した構成でもよい(図示省略)。本体部20に対する焼き網30の固定方法は後述する。
【0014】
図5は、バーベキュー用グリル1の燃料保持部40の斜視図である。燃料保持部40は、本体部20の底面に形成された通気孔26(後述)の上方に配置された下皿28(図2)の上に立脚する。燃料保持部40は、略篭形状を有する。即ち、燃料保持部40は、上部が開口し、側面部分が金属棒の格子で形成された筒形状であり、底面側には平行に配置された金属棒等で形成された底部42を備える。金属棒は、耐熱性能に優れた、例えばステンレスで構成されることが好ましい。燃料保持部40は、焼き網30の貫通孔32に着脱自在に挿入配置されるよう、貫通孔32の内径よりもわずかに小さい外径を有する。更に、燃料保持部40は、底部42の下に脚部44を備える。燃料保持部40が貫通孔32内に配置されて脚部44が本体部20の底面に配置された下皿28上に立脚するとき、燃料保持部40は、底部42が焼き網30の下にあり、開口が焼き網30の上となるように延在する高さを有し、内部に底部42から上部まで燃料を収納可能である。燃料保持部40は側面部分にフック46を有し、燃料保持部40の脚部44が下網35(後述)の金属棒の間の空隙を通って下皿28上に立脚するとき、フック46は焼き網30に引っ掛かり燃料保持部40の倒れを防ぐ(図6(a)参照)。燃料保持部40は、金属棒の間の空隙を通じて燃焼に必要な空気が供給可能であり、且つ、燃焼で発生する熱を空隙を通じて側面部分の外に放散することが可能である。また、燃焼残渣(燃焼灰)は燃料保持部40の内部に留まらず、底部42から下皿28上に落下する。燃料保持部の上部は開放されても良いが、食材等が燃料内に落下するのを防止するため、金網で覆われてもよい(不図示)。
【0015】
本体部20に戻って説明を続ける。図6は、閉じた状態のバーベキュー用グリル1を側面方向から見た図である。図6(a)は断面図を示し、図6(b)は一部断面図を示し、図6(c)は一部拡大斜視図を示す。図6(a)に示すように、本体部20の下方には、本体部20の内側底面に形成された突起(図示省略)を介して底面から少し離間して下皿28が配置されている。本体部20の底面と下皿28との間に形成される空間を通って、本体部20の内側空間と通気孔26(後述)との間で空気が流れる。ここで、下皿28は、調理時に食材から落ちる脂等を受けるために平板状であることが好ましく、且つ、燃料保持部から落下する燃焼残渣を受けるに足るだけの耐熱性能を有することが好ましい。例えばステンレスが好ましく用いられる。下皿28には、下網35に形成された突起(図示省略)を介して下網35が下皿28から少し離間して取り外し可能に載置される。下網35は、焼き網30と同様に、平行に並んだ複数の金属棒が、平面視円形に形成された金属枠に溶接固定されて構成されている。下網35は、本体部20の内面の大きさに応じてその外径が焼き網30の外径よりも小さく形成される。食材に対して強い火力が必要な場合に下網35上で燃料を燃焼させることがあるので、耐熱性能に優れた、例えばステンレスで構成されることが好ましい。本体部20の底面で燃料保持部40がセットされる位置に3個の通気孔26が形成される(図7参照)。下皿28により、燃焼残渣が通気孔26を通って燃料保持部40から直接外部に落下することはない。
【0016】
図6(b)に示すように、本体部20の上縁内側には段差部24が形成され、焼き網30が載置されている。そして、図6(c)に示すように、段差部24には突起部25が形成され、焼き網30の金属棒が突起部25に嵌まり込むことで、焼き網30の向きを定めている。
【0017】
図7は、バーベキュー用グリル1の本体部20の図である。図7(a)は本体部20全体の下面図を示し、図7(b)は本体部20に採用されているフタ27の形状を示す。図7(a)に示すように、本体部20の底面外側には3個の脚取付部22が設けられている。また、本体部20の底部には3個の通気孔26が形成され、当該通気孔26を開閉可能に塞ぐフタ27が設けられている。図7(b)に示すように、フタ27は、通気孔26と同じ並びで3個の開口部が形成され、3個の通気孔26の中心回りに回転可能に本体部20に取り付けられる。調理担当者がフタ27を回すことで通気孔26が開き、空気の調節を可能にしている。
【0018】
図8は、バーベキュー用グリル1の蓋部50の平面図である。蓋部50は、本体部20に対して開閉可能、且つ、着脱可能に取り付けられるように構成され(図1(a)、図2)、閉じたときに本体部20と共に内部空間を形成するように構成される(図6(a))。蓋部50は、例えばステンレスを絞り加工して形成され、外面には本体部20と同色のホーロー塗装や静電塗装が施され、内面は例えば無塗装とされ、或いは反射板が貼付される。蓋部50には温度計52が取り付けられ、蓋部50を開放しなくても、調理担当者は調理中の食材の加熱状況を知ることができる。蓋部50には、3個の通気孔56(56a,56b,56c)と当該通気孔56を開閉可能に塞ぐフタ57とが形成されている。本体部20底面の通気孔26及びフタ27と同様に、調理担当者がフタ57を回すことで通気孔56が開き、内部空間の温度の調節を可能にしている。蓋部50には、通気孔56とは異なる位置に、燃料保持部40にアクセスするためのアクセス孔58が形成されており、蓋部50を開放しなくても燃料を出し入れ可能にしている。アクセス孔58にはフタ59が設けられている。
【0019】
(使用方法)
以上の構成を有するバーベキュー用グリル1の使用方法を以下に説明する。本体部20の底部外側の脚取付部22に脚3を固定的に取り付けて、バーベキュー用グリル1を所定位置に設置する。図2に示すように、蓋部50を開いて本体部20内に下皿28と下網35をセットする。次に、図6(b)に示すように、本体部20の段差部24に形成された突起部25に焼き網30の向きを合わせてセットし、図6(c)に示すように、焼き網30の金属棒を突起部25に嵌め込むことで焼き網30を所定の向きにセットする。燃料保持部40内に種火のついた燃料を燃料保持部40の上部まで入れる。そして、燃料保持部40を焼き網30の貫通孔32に挿入設置し、焼き網30をフック46に引っ掛け、脚部44を下皿28上に立脚させる。
【0020】
図9は、食材が加熱される状態を説明する図である。焼き網30上に食材Sを載せ、加熱調理を開始する。本体部20の下部にある通気孔26から空気が供給され、燃料は燃え続ける。図9に示すように、燃料保持部40内に底部42から開口付近の上部まで保持されて燃焼する燃料からの放射熱により、焼き網30上に載置された食材Sは上下両面が同時に加熱される。調理時に蓋部50を閉じて外部から内部空間を遮蔽して加熱をすれば、燃料からの放射熱のほか、蓋部50の内面で反射する反射熱、内部空間内の空気の熱対流によって、食材Sの加熱は促進される。蓋部50に設置されている温度計52を参照することで、蓋部50を開放することなく食材Sの加熱状況を大まかに知ることが可能である。温度の上昇が少ないとき、調理担当者がフタ27又は57を回して通気孔26又は56から内部空間に空気を流入させて火力を調整することができる。燃料が少ないときはアクセス孔58を通じて燃料保持部40に燃料を追加することもできる。
【0021】
燃料は燃料保持部40に把持されて燃焼しており、食材は燃料保持部40が設置される貫通孔32とは異なる位置にあるので、加熱調理する際に食材から発生する脂分が燃料保持部40内の燃料に直接滴り落ちることはない。脚部44により燃料保持部40内の燃料は下皿28に接触していないので、燃料が下皿28に落ちた脂分に接触することはない。よって、従来であれば垂れ落ちる脂分によって発生していた油煙の舞い上がりはなく、油煙が目に染みることもない。脂分が燃料に垂れ落ちて燃えて周囲に飛び散る危険もなくなることで、安心して調理を楽しむこともできる。油煙がないので油煙が食材に付着して食材の風味を損なうことを防ぐことができる。本体部20と蓋部50とはパッチン錠29で固定されて内部空間が密閉されるので、油煙が周囲に放散されて調理担当者を含むバーベキューを楽しむ人々に不快な思いをさせることもない。
【0022】
(変形例)
図10は、第1実施形態に係るバーベキュー用グリル1の燃料保持部の変形例を示す図である。図10(a)は燃料保持部の側面部分の一部に反射板を備えた変形例を示し、図10(b)は燃料保持部の側面部分が穴あき鋼板で形成された変形例を示し、図10(c)は焼き網の外周縁に沿って湾曲して形成された変形例を示し、図10(d)は角筒状の変形例を示す。図10(a)に示すように、燃料保持部の側面部分の一部に金属製の反射板48を備える構成とし、放射熱が食材の方向に集中して出射するように燃料保持部を焼き網30に配置して使用してもよい。また、図10(b)に示すように、燃料保持部を穴あき鋼板で形成する構成として、鋼板の孔から放射熱を出射するようにしてもよい。更に、図10(c)に示すように、燃料保持部を焼き網の外周縁に沿って湾曲して形成する構成としてもよい。焼き網30上のデッドスペースを少なくすることができる。その際、湾曲した燃料保持部の外周面に反射板を設けて放射熱をより効率的に食材に当たるようにしてもよい(図示省略)。更にまた、図10(d)に示すように、燃料保持部を角筒状にしてもよい。燃料保持部の筒形状は円筒に限定されるものではない。更にまた、燃料保持部を焼き網の中央に配置してもよい(図示省略)。全周囲に放射される放射熱を有効に活用できる。その際、蓋部50を外して使用すれば、周囲のいずれからも食材にアクセスできるので、調理が終了した後は多くの人が同時に食材にアクセスすることが可能になる。焼き網上に載置された食材に対して焼き網を挟んで上下両面から同時に加熱することができれば、いずれの形態でもよい。
【0023】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係るバーベキュー用グリル100の分解斜視図である。第1実施形態に係るバーベキュー用グリル1との同一又は類似の要素については、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。バーベキュー用グリル100は、4本の脚103に支えられた上方開放の平面視方形の本体部120を備える。本体部120の手前から見て奥側に燃料保持部140を設置し、燃料保持部140から離間した手前側に焼き網130を載置して形成される。燃料保持部140の上部が焼き網130より上にあり下部が焼き網130より下になるように燃料保持部140を形成することで、焼き網130を挟んで上下両面から食材を同時に加熱することができる。なお、本体部120に蓋部150を設けてもよい。燃料保持部140が本体部120の奥側に偏って設置されるバーベキュー用グリル100では、燃料保持部の背面に反射板を備えて、放射熱を前方向にだけ出射する構成とすれば、食材を効率的に加熱することができて好ましい(図示省略)。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、焼き網に載置された食材を上下両面から同時に加熱することで、加熱調理中に食材を裏返すという煩わしい作業を軽減する。バーベキュー用グリルに広く利用される。
【符号の説明】
【0025】
1,100:バーベキュー用グリル、3(3a,3b,3c):脚
20,120:本体部、22(22a,22b,22c):脚取付部、24:段差部、25:突起部、26(26a,26b,26c):通気孔、27:フタ、28:下皿、29:パッチン錠
30,130:焼き網、32:貫通穴、34:把手、35:下網
40,140:燃料保持部、42:底部、44:脚部、46:フック、48:反射板
50,150:蓋部、52:温度計、56(56a,56b,56c):通気孔、57:フタ、58:アクセス孔、59:フタ
S:食材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を加熱する燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する本体部(20;120)と、
食材を載置可能な焼き網(30;130)と、
開口した上部と格子状の側面部分と底部(42)とを有して略篭形状に形成され、内部に燃料を保持する燃料保持部(40;140)であって、所定位置に配置されるとき当該底部(42)が前記焼き網(30;130)より下で当該開口した上部が当該焼き網(30;130)より上にある、燃料保持部(40;140)と、
を備え、
前記燃料保持部は、燃料を前記焼き網より上の前記開口した上部付近まで収納可能である、バーベキュー用グリル(1;100)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本発明は、焼き網に載置された食材を上下両面から同時に加熱することで、加熱調理中に食材を裏返すという煩わしい作業を軽減する。バーベキュー用グリルに広く利用される。
〔態様1〕
食材を加熱する燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する本体部(20;120)と、
食材を載置可能な焼き網(30;130)と、
開口した上部と格子状の側面部分と底部(42)とを有して略篭形状に形成され、内部に燃料を保持する燃料保持部(40;140)であって、所定位置に配置されるとき当該底部(42)が前記焼き網(30;130)より下で当該開口が当該焼き網(30;130)より上にある、燃料保持部(40;140)と、
を備える、バーベキュー用グリル(1;100)。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を加熱する燃料が燃焼したときに発生する燃焼残渣を収納する本体部(20;120)と、
食材を載置可能な焼き網(30;130)と、
開口した上部と格子状の側面部分と底部(42)とを有して略篭形状に形成され、内部に燃料を保持する燃料保持部(40;140)であって、所定位置に配置されるとき当該底部(42)が前記焼き網(30;130)より下で当該開口した上部が当該焼き網(30;130)より上にある、燃料保持部(40;140)と、
前記本体部(20;120)に対して開閉可能、且つ、着脱可能に取り付けられるように構成され、閉じたときに当該本体部(20;120)と共に内部空間を形成するように構成された蓋部(50;150)と、
を備え、
前記蓋部(50;150)は、当該蓋部(50;150)を開放しなくても前記燃料保持部(40;140)にアクセスして燃料の出し入れを可能にするアクセス孔(58)を有し、
前記燃料保持部は、燃料を前記焼き網より上まで収納可能であり、前記開口した上部付近まで収納可能である、バーベキュー用グリル(1;100)。