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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104171
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240726BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240726BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240726BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240726BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20240726BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240726BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 336D
G02F1/1368
G02F1/13357
G02F1/1334
H01L29/78 618B
H01L29/78 612D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008267
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡孝
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
2H391
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189HA16
2H189LA03
2H189LA10
2H189MA15
2H189NA09
2H192AA24
2H192BC33
2H192BC35
2H192BC42
2H192CB02
2H192CB05
2H192CB08
2H192CB14
2H192CB37
2H192CC33
2H192CC55
2H192CC64
2H192CC73
2H192GD47
2H192JA53
2H192JB01
2H192JB03
2H391AA15
2H391AA23
2H391AA25
2H391AB04
2H391FA01
2H391FA02
5C094AA04
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA43
5C094BA48
5C094CA19
5C094DA15
5C094EA04
5C094EB02
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB14
5F110BB01
5F110CC07
5F110DD01
5F110DD02
5F110DD03
5F110DD04
5F110EE02
5F110EE03
5F110EE04
5F110EE06
5F110EE14
5F110EE30
5F110FF01
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF04
5F110FF09
5F110GG01
5F110NN03
5F110NN22
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN27
5F110NN73
5G435AA01
5G435AA16
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE27
5G435HH13
5G435HH20
(57)【要約】
【課題】表示装置の表示品質を向上させる。
【解決手段】表示装置は、第1基板の上に、酸化物半導体層、酸化物半導体層に対向するゲート電極、及び酸化物半導体層とゲート電極との間に設けられたゲート絶縁膜を有するトランジスタと、トランジスタと接続されたドレイン電極と、ドレイン電極と接続された画素電極と、ドレイン電極と画素電極との間に設けられた第1絶縁膜及び第2絶縁膜と、を有し、ドレイン電極は、第1方向に延在しており、第1絶縁膜において、ドレイン電極と重なる領域に、第1コンタクトホール及び第2コンタクトホールが第1方向に沿って設けられており、第2絶縁膜において、ドレイン電極と重なる領域に、第3コンタクトホール及び第4コンタクトホールが第1方向に沿って設けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板の上に、酸化物半導体層、前記酸化物半導体層に対向するゲート電極、及び前記酸化物半導体層とゲート電極との間に設けられたゲート絶縁膜を有するトランジスタと、
前記トランジスタと接続されたドレイン電極と、
前記ドレイン電極と接続された画素電極と、
前記ドレイン電極と前記画素電極との間に設けられた第1絶縁膜及び第2絶縁膜と、を有し、
前記ドレイン電極は、第1方向に延在しており、
前記第1絶縁膜において、前記ドレイン電極と重なる領域に、第1コンタクトホール及び第2コンタクトホールが第1方向に沿って設けられており、
前記第2絶縁膜において、前記ドレイン電極と重なる領域に、第3コンタクトホール及び第4コンタクトホールが前記第1方向に沿って設けられており、
平面視したとき、前記第1コンタクトホールの前記第1方向における対称軸は、前記第3コンタクトホールの前記第1方向における対称軸に対して、前記第1方向と交差する第2方向にずれて配置されており、前記第2コンタクトホールの前記第1方向における対称軸は、前記第4コンタクトホールの前記第1方向における対称軸に対して、前記第2方向とは反対側の第3方向にずれて配置されている、表示装置。
【請求項2】
前記第1コンタクトホールが設けられる領域、及び前記第2コンタクトホールが設けられる領域において、前記第2絶縁膜は前記ドレイン電極と接する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1コンタクトホールの面積は、前記第3コンタクトホールの面積よりも大きく、
前記第2コンタクトホールの面積は、前記第4コンタクトホールの面積よりも大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1コンタクトホールの面積は、前記第2コンタクトホールの面積と略同一であり、
前記第3コンタクトホールの面積は、前記第4コンタクトホールの面積と略同一である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画素電極が前記第1コンタクトホール及び前記第3コンタクトホールを介して前記ドレイン電極と接する第1領域の面積は、前記画素電極が前記第2コンタクトホール及び前記第4コンタクトホールを介して前記ドレイン電極と接する第2領域の面積と互いに異なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素電極が前記第1コンタクトホール及び前記第3コンタクトホールを介して前記ドレイン電極と接続される第1領域の面積は、前記画素電極が前記第2コンタクトホール及び前記第4コンタクトホールを介して前記ドレイン電極と接続される第2領域の面積と略同じである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記画素電極は、前記第3コンタクトホール及び前記第4コンタクトホールにおいて、前記第1絶縁膜の上面に接する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1基板に対向して設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、
前記第1基板の側面又は前記第2基板との側面に向かって光が入るように配置される光源と、をさらに有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記液晶層は、高分子分散型液晶であり、
前記高分子分散型液晶が散乱状態にあるとき、表示領域において画像を表示し、
前記高分子分散型液晶が非散乱状態にあるとき、前記表示領域において、前記第1基板から前記第2基板の背景が視認され、前記第2基板から前記第1基板の背景が視認される、請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一方の面から、反対側の他方の面の背景を視認可能な透明ディスプレイの開発が進んでいる(特許文献1参照)。透明ディスプレイでは、表裏両面から映像を見ることができるため、透明ディスプレイを間に挟んで対向する二つの方向から映像又は文字を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
透明ディスプレイなどの表示装置において、画素電極は、ドレイン電極と絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して接続される。コンタクトホールを形成する際にマスクずれが生じると、画素毎に、画素電極とドレイン電極とのコンタクト抵抗の大きさにばらつきが生じ、表示装置の表示品質が低下してしまう。
【0005】
本発明の一実施形態では、表示装置の表示品質を向上させることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、第1基板の上に、酸化物半導体層、酸化物半導体層に対向するゲート電極、及び酸化物半導体層とゲート電極との間に設けられたゲート絶縁膜を有するトランジスタと、トランジスタと接続されたドレイン電極と、ドレイン電極と接続された画素電極と、ドレイン電極と画素電極との間に設けられた第1絶縁膜及び第2絶縁膜と、を有し、ドレイン電極は、第1方向に延在しており、第1絶縁膜において、ドレイン電極と重なる領域に、第1コンタクトホール及び第2コンタクトホールが第1方向に沿って設けられており、第2絶縁膜において、ドレイン電極と重なる領域に、第3コンタクトホール及び第4コンタクトホールが第1方向に沿って設けられており、平面視したとき、第3コンタクトホールの第1方向における対称軸は、第1コンタクトホールの第1方向における対称軸に対して、第1方向と交差する第2方向にずれて配置されており、第4コンタクトホールの第1方向における対称軸は、第2コンタクトホールの第1方向における対称軸に対して、第2方向とは反対側の第3方向にずれて配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を説明する斜視図である。
図2図1に示す表示装置のA1-A2間に対応する構造を示す断面模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を説明する平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素を表す回路図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素のタイミングチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトの拡大図である。
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
図9図7に示す画素の平面レイアウトをさらに拡大した拡大図である。
図10図7に示す画素をC1-C2線に沿って切断したときの図である。
図11図7に示す画素をE1-E2線に沿って切断したときの図である。
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
図13】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
図14】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
図15】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
図16】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
図17】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面に関して、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて各部の幅、厚さ、形状等を模式的に表す場合があるが、それら模式的な図は一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。さらに、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同一又は類似の要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。なお、本明細書等において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与するためのものであり、優先順位や順番を示すものではない。
【0009】
本発明において、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。また、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、本明細書等において、-1、-2等と区別して記載する場合がある。
【0010】
なお、本明細書等において、「上」、「下」などの表現は、着目する構造体と他の構造体との相対的な位置関係を表現している。本明細書等では、側面視において、後述する第1基板から画素電極に向かう方向を「上」と定義し、その逆の方向を「下」と定義する。本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
また、本明細書等において、ボトムゲート駆動とは、半導体層の下方に配置されたゲート電極によって、オンオフが制御されるものである。また、本明細書等において、トップゲート駆動とは、半導体層の上方に配置されたゲート電極によって、オンオフが制御されるものである。また、本明細書において、デュアルゲート駆動とは、半導体層の上下に配置されたゲート電極に、同じ制御信号を入力することによって、オンオフが制御されるものである。
【0012】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態に係る表示装置10について、図1図17を参照して説明する。
【0013】
<表示装置の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の斜視図を示す。表示装置10は、アレイ基板150(第1基板ともいう)、対向基板152(第2基板ともいう)、及びアレイ基板150と対向基板152との間の液晶層(図示されず)と、ゲート駆動回路28と、ソース駆動回路38と、を含む表示パネル102と、光源104と、表示パネル102を挟む第1透明基板151A及び第2透明基板151Bと、を含む。図1を参照する以下の説明において、表示パネル102における平面の一方向をD1方向とし、D1方向と直交する方向をD2方向とし、D1-D2平面に直交する方向をD3方向とする。
【0014】
アレイ基板150及び対向基板152は透光性を有する。アレイ基板150及び対向基板152は、好ましくは可視光に対して透明である。対向基板152は、アレイ基板150に対向するようにD3方向に配置される。アレイ基板150と対向基板152とは間隙を有して対向配置された状態で、シール材154によって貼り合わされている。アレイ基板150と対向基板152との間の間隙には、図示されない液晶層が設けられている。
【0015】
表示パネル102は、表示領域12と、表示領域12の外側の周辺領域14とを有する。表示領域12には、複数の画素PIXが行方向及び列方向に配置されている。ここで、行方向とはD1方向に平行な方向を指し、列方向とはD2方向に平行な方向を指すものとする。表示領域12には、行方向にm個の画素が配列され、列方向にはn個の画素が配列される。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて適宜設定される。表示領域12には、D1方向にゲート配線(走査信号線ともいう)が配設され、D2方向にソース配線(データ信号線ともいう)が配設される。
【0016】
アレイ基板150の周辺領域14には、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38が設けられる。図1は、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38が、集積回路(IC)で提供され、アレイ基板150にCOG(Chip on Glass)方式で実装される態様を示す。ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38は、図示される態様に限定されず、COF(Chip on Film)方式で実装されてもよいし、アレイ基板150の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)によって形成されてもよい。
【0017】
周辺領域14には、ゲート配線領域32、コモン配線領域22、及びソース配線領域42が配設される。ゲート配線領域32は、ゲート駆動回路28と表示領域12に配設されるゲート配線GLとを接続する配線により形成されるパターンが設けられる領域である。コモン配線領域22は、コモン配線により形成されるパターンが設けられる領域である。コモン配線領域22は、回路的には、対向基板152に設けられるコモン電極218(図8参照)にコモン電圧を印加する配線として用いられる。ソース配線領域42は、ソース駆動回路38と表示領域12に配設されるデータ信号線とを接続する配線により形成されるパターンが設けられる領域である。
【0018】
光源104は、D1方向に沿った構造を有する。光源104は、例えば、D1方向に沿って配列された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)により構成される。光源104の詳細な構造に限定はなく、D1方向に配列される発光ダイオードに加え、反射板、拡散板、レンズなどの光学部材が含まれてもよい。光源104及び光源104を制御する発光制御回路110は表示パネル102と独立した別部材として設けられていてもよい。また、光源104は、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38と同期する発光制御回路110により発光のタイミングが制御されるものであってもよい。光源104を制御する発光制御回路110は、表示パネル102とは別に光源104と同じく別部材として設けられていてもよいし、個別部品としてアレイ基板150に実装されてもよいし、ゲート駆動回路28又はソース駆動回路38に組み込まれていてもよい。
【0019】
第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、表示領域12及び周辺領域14を挟むように設けられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、表示パネル102の保護部材としての機能を有する。また、図2を参照して説明されるように、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは光源104から出射された光を表示パネル102に導入する導光板としての機能を有する。
【0020】
図2は、図1に示すA1-A2間に対応する表示装置10の断面構造を示す。図2に示すように、表示パネル102のアレイ基板150側に第1透明基板151Aが設けられ、対向基板152側に第2透明基板151Bが設けられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、ガラス基板、又はプラスチック基板が用いられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、アレイ基板150及び対向基板152と同等の屈折率を有していることが好ましい。アレイ基板150と第1透明基板151A、及び対向基板152と第2透明基板151Bとは、図示されない透明接着剤で接着される。
【0021】
表示パネル102は、アレイ基板150と、対向基板152とが対向するように配置され、その間に液晶層210が設けられる。アレイ基板150は対向基板152より大きく、周辺領域14の一部が対向基板152から露出するような大きさを有する。アレイ基板150には、駆動回路(図2では、ソース駆動回路38)が実装される。また、アレイ基板150の周縁部には、フレキシブルプリント回路34が取り付けられる。
【0022】
光源104は、第1透明基板151A又は第2透明基板151Bの一つの側面に隣接するように配置される。図2は、光源104が第2透明基板151Bの一つの側面に沿って配置された構成を示す。また、図2は、光源104がアレイ基板150に取り付けられた構成を示すが、光源104を配置する構成に限定はなく、取り付け位置を固定できるものであれば取り付け構造に限定はない。光源104は、例えば、表示パネル102を囲む筐体によって支持されてもよい。
【0023】
図2に示すように、光源104は、第2透明基板151Bの第1側面15Cに沿って配置される。図2に示すように、光源104は、第2透明基板151Bの第1側面15Cへ光Lを照射する。光源104は、第1側面15Cに向けて光Lを出射することからサイド光源と呼ばれることもある。光源104に対向する第2透明基板151Bの第1側面15Cは光入射面となる。
【0024】
図2に模式的に示すように、第2透明基板151Bの第1側面15Cから入射した光Lは、第2透明基板151Bの第2平面15B、第1透明基板151Aの第1平面15Aで反射しながら、第1側面15Cから遠ざかる方向(D2方向)へ伝搬する。第1透明基板151Aの第1平面15A及び第2透明基板151Bの第2平面15Bから外部へ光Lが向かうと、屈折率の大きな媒質から屈折率の小さな媒質へ進むことになる。このとき、第1平面15A及び第2平面15Bへ入射する光Lの入射角が臨界角よりも大きければ、全反射することになり、第1平面15A及び第2平面15Bで反射しながらD2方向へ導光する。
【0025】
液晶層210は、高分子分散型液晶で形成される。高分子分散型液晶で形成される液晶層210は、画素PIX(図1参照)毎に散乱状態と非散乱状態が制御される。図2に示すように、第1平面15A及び第2平面15Bで反射しながら伝搬する光Lは、液晶層210が散乱状態となっている画素があると、少なくとも一部の光が散乱され、散乱光の入射角が臨界角よりも小さな角度となって、散乱光LA、LBがそれぞれ第1平面15A及び第2平面15Bから外部に出射され、出射された散乱光LA、LBは、観察者に観察される。表示パネル102において、散乱光LA、LBが出射される以外の領域は、アレイ基板150及び対向基板152、並びに第1透明基板151A及び第2透明基板151Bが透光性を有し(可視光に対して透明であり)、液晶層210が非散乱状態であるため実質的に透明であり、観察者は表示パネル102を通して背面側を視認することができる。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置10のアレイ基板150の構成を説明する平面図である。図3に示すように、アレイ基板150は、表示領域12及び周辺領域14を含む。
【0027】
表示領域12は、マトリクス状に配列された複数の画素PIXを有する。複数の画素PIXの各々は、複数のトランジスタ及び液晶素子を有する。
【0028】
周辺領域14は、表示領域12を囲むように設けられる。なお、周辺領域14とは、アレイ基板150において、表示領域12からアレイ基板150の端部までの領域をいう。言い換えると、周辺領域14は、アレイ基板150上で表示領域12が設けられる以外の領域(すなわち、表示領域12の外側の領域)をいうものとする。
【0029】
周辺領域14には、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38の他に、ゲート配線領域32、ソース配線領域42、コモン配線16、18、端子部26、36、フレキシブルプリント回路24、34及び各種検査回路が設けられている。端子部26、36は、アレイ基板150の一辺に沿って配置されている。
【0030】
端子部26には、フレキシブルプリント回路24が接続されている。フレキシブルプリント回路24は、ゲート駆動回路28、コモン配線16、18、ESD用保護回路59、QDパッド56に各種信号を供給する。ゲート駆動回路28は、複数のゲート配線GLと接続されており、複数のゲート配線GLの各々は、表示領域12における複数の画素PIXの各々と電気的に接続されている。図3では、複数のゲート配線GLが設けられた領域をゲート配線領域32として表しており、複数のゲート配線GLの詳細な配置については図示を省略している。2つのゲート駆動回路28と接続されるゲート配線GLの本数は、表示領域12における画素PIXの行の数に相当する。なお、図3において、ゲート配線領域32は、表示領域12と離間して設けられている構成を示すが、実際にはゲート配線GLと画素PIXとは電気的に接続されている。
【0031】
端子部36には、フレキシブルプリント回路34が接続されている。フレキシブルプリント回路34は、ソース駆動回路38に映像信号を供給する。ソース駆動回路38は、複数のソース配線SLと接続されており、複数のソース配線SLの各々は、表示領域12における複数の画素PIXの各々と電気的に接続されている。図3では、複数のソース配線SLが設けられた領域を、ソース配線領域42として表しており、複数のソース配線SLの詳細な配置については図示を省略している。8つのソース駆動回路38と接続されるソース配線SLの本数は、表示領域12における画素PIXの列の数の少なくとも3倍に相当する。本実施形態では、ソース配線SLの本数は、表示領域12における画素PIXの列の数の4倍の場合について説明する。なお、図3において、ソース配線領域42は、表示領域12と離間して設けられている構成を示すが、実際にはソース配線SLと画素PIXとは電気的に接続されている。
【0032】
ゲート配線領域32と表示領域12との間には、コモン配線18、ESD用保護回路46、ゲート検査回路48、及び検査ライン54が設けられている。ソース配線領域42と表示領域12との間には、コモン配線18、ESD用保護回路46、ソース検査回路52及び検査ライン54が設けられている。検査ライン54は、ESD用保護回路58と、QDパッド56と接続されている。また、コモン配線18は、ESD用保護回路59と接続されている。
【0033】
コモン配線16は、アレイ基板150における周辺領域14を囲むように設けられており、2つのフレキシブルプリント回路24から信号が供給される。また、コモン配線16は、メッシュ状のコモン配線領域22と電気的に接続されている。
【0034】
表示装置10は、図1及び図2に示す透明ディスプレイのような高速駆動パネルに限定されない。表示装置10は、透明ディスプレイでない表示装置に用いられる大型パネルに適用することができる。
【0035】
<画素回路>
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置10が有する画素PIXの画素回路を説明する図である。本実施形態では、4本のゲート配線GLに同時にオン電圧を供給し、列方向に並ぶ4つの画素PIXを4本のソース配線SLによって同時に充電することが可能な表示装置10について説明する。これにより、ライン順次の水平期間よりも、1水平期間を長くすることができる。言い換えると、表示領域12に配置された全画素ラインのスキャンに必要な時間を1/4に短縮することができる。したがって、透明ディスプレイのような高速駆動パネルや、大型パネルにおいて、画素PIXの充電期間を十分に確保することができる。以下に、本実施形態における画素PIXの構成について詳細に説明する。
【0036】
図4において、4つの画素PIX1~PIX4が列方向(D2方向)に配列されている。4つの画素PIX1~PIX4の各々は、4本のゲート配線GL1~GL4の各々と電気的に接続されている。また、4つの画素PIX1~PIX4の各々は、4本のソース配線SL1~SL4の各々と電気的に接続されている。4つの画素PIX1~PIX4の各々は、容量配線CWと接続されている。以降の説明において、画素PIX1~PIX4を各々区別しない場合には、画素PIXと記載する。ゲート配線GL1~GL4の各々、及びソース配線SL1~SL4の各々についても区別しない場合には、ゲート配線GL及びソース配線SLと記載する。
【0037】
画素PIXは、トランジスタTr、液晶素子LE、及び保持容量Cを有する。トランジスタTrのゲートは、ゲート配線GLと接続され、トランジスタTrのソースは、ソース配線SLと接続され、トランジスタTrのドレインは液晶素子LEの一方の電極及び保持容量Cの一方の電極と接続される。液晶素子LEの他方の電極は、コモン電極218(図8)と接続される。保持容量Cの他方の電極は、容量配線CWと接続される。
【0038】
トランジスタTrは、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、ソース配線SLから供給された映像信号の画素PIXへの書き込み時間を制御する機能を有する。トランジスタTrをオン状態とすることにより、ソース配線SLから供給された映像信号に対応する電位を、トランジスタTrと電気的に接続された保持容量Cに書き込むことができる。また、トランジスタTrをオフ状態とすることにより、保持容量Cに保持された電位を保持することができる。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置10のタイミングチャートである。通常、ゲート配線GLは、1行ずつオン電圧が供給されることで、D2方向に並ぶ画素列を同一のソース配線SLで順次充電する。これに対し、本実施形態では、4本のゲート配線GLに同時にオン電圧が供給されることで、4つの画素PIXの各々のトランジスタTrが同時にオン状態となる。この状態で、異なるソース配線SL1~SL4に対して同時に映像信号が供給される。これにより、D2方向に並ぶ4つの画素を同時に駆動することが可能となる。
【0040】
<画素の平面レイアウト>
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10における画素PIXの平面レイアウトを説明する。図6において、PIX-A1、PIX-A2、PIX-B1、PIX-B2を平面視した構成を示す。
【0041】
図6に示すように、D1方向に沿って、ゲート配線GLn-1~GLn+1が配置されている。また、D2方向に沿って、ソース配線SL1~SL4が配置されている。ここで、画素PIX-B1の開口領域は、隣接するゲート配線GLn-1と、ゲート配線GLnと、ソース配線SL1と、ソース配線S4とによって囲まれた領域である。
【0042】
図6に示すように、1列の画素PIX-B1、PIX-B2を挟むように、ソース配線SL1及びソース配線SL3と、ソース配線SL2及びソース配線SL4とが設けられている。言い換えると、1列の画素PIX-A1、PIX-A2と1列の画素PIX-B1、PIX-B2との間には、4本のソース配線SL1~SL4が配置される。
【0043】
ゲート配線GLとソース配線SL1~SL4とが交差する領域250において、トランジスタTrが設けられる。また、トランジスタTrは、領域230において、画素電極と接続される。画素電極は、画素PIX-B1の開口領域に設けられる。
【0044】
透明ディスプレイなどの表示装置において、画素電極は、絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極と接続される。コンタクトホールを形成する際にマスクずれが生じると、画素毎に、画素電極とドレイン電極とのコンタクト抵抗の大きさにばらつきが生じ、表示装置の表示品質が低下してしまう。
【0045】
そこで、本発明の一実施形態に係る表示装置10では、コンタクトホールを形成する際にマスクずれが生じても、画素毎に、画素電極とドレイン電極とのコンタクト抵抗の大きさがばらつくことを抑制する。
【0046】
図7は、画素PIX-B1におけるトランジスタTrが設けられる領域230の拡大図である。図7では、平面視したときの各層の配置について説明する。図8は、図7に示す領域230のB1-B2線における断面図である。図8では、断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0047】
図7に示すように、導電層202-1及び導電層206-3、206-4がD2方向に沿って延在している。導電層202-1は、ゲート配線GL(ゲート電極)として機能する。導電層206-3は、ドレイン電極として機能し、導電層206-4はソース配線SL(ソース電極)として機能する。導電層202-1と重なるように酸化物半導体層204-1が設けられる。また、導電層202-1及び酸化物半導体層204-1と重なるように、導電層208-1が設けられる。導電層208-1は、バックゲートとして機能する。本実施形態では、トランジスタTrをボトムゲート駆動のトランジスタであるとして説明するが、これに限定されず、トップゲート駆動のトランジスタであってもよいし、デュアルゲート駆動のトランジスタであってもよい。導電層206-4は、導電層202-1と同層に設けられた導電層202-2とコンタクトホール213-3を介して接続される。
【0048】
導電層206-3と重なる領域に、コンタクトホール215-1、215-2が設けられる。また、導電層206-3と重なる領域に、コンタクトホール217-1、217-2が設けられる。コンタクトホール215-1、215-2、217-1、217-2については、後に詳述する。
【0049】
また、ソース配線SLとトランジスタTrを覆うように、平坦化膜207及び透明導電層212が設けられる。表示装置10を、透明ディスプレイに適用する場合、画素PIXの開口領域において、平坦化膜207は除去されることが好ましい。これにより、開口領域において平坦化膜207により光が吸収されてしまうことを抑制することができる。また、トランジスタTrを覆うように、導電層214が設けられる。透明導電層212及び導電層214は、容量配線として機能する。導電層214は、遮光層としても機能する。画素電極216-1は、画素電極として機能し、開口領域に設けられる。画素電極216-1は、ソース配線SL及びトランジスタTrを覆わず、導電層206-3の一部を覆っている。
【0050】
図8に示すように、アレイ基板150の上に、トランジスタTrが設けられている。トランジスタTrは、アレイ基板150の上に設けられた導電層202-1と、導電層202-1と対向して設けられた酸化物半導体層204-1と、導電層202-1と酸化物半導体層204-1との間に設けられたゲート絶縁膜203と、を有する。酸化物半導体層204-1は、導電層206-3及び導電層206-4と接続される。
【0051】
導電層206-3、206-4の上には絶縁膜205(第1絶縁膜ともいう)が設けられている。絶縁膜205は、パッシベーション膜として機能する。絶縁膜205は、例えば、酸化絶縁膜205a及び窒化絶縁膜205bの積層構造を有する。また、ゲート絶縁膜203は、窒化絶縁膜203a及び酸化絶縁膜203bの積層構造を有する。酸化絶縁膜205aと、酸化絶縁膜203bとにより、酸化物半導体層204-1を挟むことにより、プロセス中に、酸化絶縁膜203b及び酸化絶縁膜205aから酸素が放出される。これにより、酸化物半導体層204-1の酸素欠陥を修復できるため好ましい。また、絶縁膜205の上において、酸化物半導体層204-1と対向する位置に導電層208-1が設けられている。
【0052】
導電層208-1及び絶縁膜205の上に、平坦化膜207が設けられている。平坦化膜207は、トランジスタTrを構成する各種配線の凹凸を緩和するために設けられている。図8においては、平坦化膜207は、導電層206-4及びトランジスタTrと重なる領域に設けられている。また、平坦化膜207は開口領域では除去されるため、導電層206-3と画素電極216-1との間には、平坦化膜207は設けられていない。言い換えると、導電層206-3と画素電極216-1との間には、絶縁膜205と絶縁膜209(第2絶縁膜ともいう)とが接して設けられる。
【0053】
平坦化膜207の上に、透明導電層212が設けられている。透明導電層212の上に、導電層214が設けられている。透明導電層212及び導電層214は、容量配線CWとして機能する。導電層214は、遮光層としても機能する。透明導電層212及び導電層214の上に絶縁膜209が設けられている。絶縁膜209の上に画素電極216-1が設けられている。画素電極216-1は、絶縁膜205、209に設けられたコンタクトホール215-1、215-2、コンタクトホール217-1、217-2を介して導電層206-3と接続されている。
【0054】
図7及び図8に示すように、トランジスタTrと重なる平坦化膜207の上において、透明導電層212の端部は、導電層214の端部と、画素電極216-1との間に設けられる。このような配置にすることで、トランジスタTrを遮光するとともに、開口領域における光の透過率を向上させることができる。
【0055】
アレイ基板150と対向するように対向基板152が設けられている。対向基板152には、遮光層219及びコモン電極218が設けられている。遮光層219は、ブラックマトリクスとして機能する。図8に示す構造では、遮光層219は、図8では、導電層206-4と重なる領域に設けられる。遮光層219は、ゲート配線GL、及びソース配線SL1~ソース配線SL4を覆うように、格子状に配置される。コモン電極218は、表示領域112の全面に広がる大きさを有する。遮光層219は、金属膜で形成されていてもよく、透明導電膜で形成されるコモン電極218に接して設けられることで、補助電極としての機能を有する。アレイ基板150と対向基板152との間には液晶層210が設けられており、シール材154(図1参照)によって封止されている。画素電極216-1と、液晶層210と、コモン電極218とにより、液晶素子LEが構成される。
【0056】
図9は、導電層206-3の上に設けられる絶縁膜205に形成されるコンタクトホール215-1、215-2と、絶縁膜209に形成されるコンタクトホール217-1、217-2との位置関係を説明する図である。
【0057】
図9に示すように、導電層206-3は、D2方向(第1方向ともいう)に延在している。絶縁膜205において、導電層206-3と重なる領域に、コンタクトホール215-1、215-2が設けられている。また、絶縁膜209において、導電層206-3と重なる領域に、コンタクトホール217-1、217-2が設けられている。
【0058】
コンタクトホール215-1の面積は、D1方向の長さL1×D2方向の長さL2で表される。コンタクトホール217-1の面積は、D1方向の長さL3×D2方向の長さL4で表される。ここで、コンタクトホール215-1のD2方向における対称軸をSA1で表し、コンタクトホール217-1のD2方向における対称軸をSA2で表す。
【0059】
コンタクトホール215-2の面積は、D1方向の長さL1×D2方向の長さL2で表される。コンタクトホール217-2の面積は、D1方向の長さL3×D2方向の長さL4で表される。ここで、コンタクトホール215-2のD2方向における対称軸をSA3で表し、コンタクトホール217-2のD2方向における対称軸をSA4で表す。また、コンタクトホール215-1のD1方向における対称軸をSA5で表す。また、コンタクトホール217-1のD1方向における対称軸をSA7で表す。コンタクトホール215-2のD1方向における対称軸をSA6で表す。コンタクトホール217-2のD1方向における対称軸をSA8で表す。図9では、対称軸SA5と対称軸SA7とは重なっており(一致している)、対称軸SA6と対称軸SA8とは重なっている。
【0060】
コンタクトホール217-1のD2方向における対称軸SA2は、コンタクトホール215-1のD2方向における対称軸SA1に対して、D1方向とは反対側の-D1方向(第2方向ともいう)にずれて配置されている。また、コンタクトホール217-2のD2方向における対称軸SA4は、コンタクトホール215-2のD2方向における対称軸SA3に対して、D1方向(第3方向ともいう)にずれて配置されている。
【0061】
絶縁膜205において、導電層206-3と重畳する領域に、コンタクトホール215-2が、コンタクトホール215-1とD2方向に沿って並んでいる。また、絶縁膜209において、導電層206-3と重畳する領域に、コンタクトホール217-2が、コンタクトホール217-1とD2方向に沿って並んでいる。
【0062】
本実施形態では、長さL1は長さL3と同じ長さである場合について説明するが、長さL1は、長さL3と互いに異なる長さであってもよい。また、本実施形態では、長さL2が長さL4よりも長い場合について説明するが、長さL4が長さL2よりも長くてもよい。また、長さL2は、長さL4と同じ長さであってもよい。
【0063】
図9では、コンタクトホール215-1の面積は、コンタクトホール217-1の面積よりも大きく、コンタクトホール215-2の面積は、コンタクトホール217-2の面積よりも大きい。また、コンタクトホール215-1の面積は、コンタクトホール215-2の面積と略同一であり、コンタクトホール217-1の面積は、コンタクトホール217-2の面積と略同一である。
【0064】
図9では、コンタクトホール215-1の対称軸SA1に対して、コンタクトホール215-2の対称軸SA3が、-D1方向にずれている例について示すが、対称軸SA1と対称軸SA3とは一致していてもよい。また、コンタクトホール217-1の対称軸SA2に対して、コンタクトホール217-2の対称軸SA4が、D1方向にずれている例について示すが、対称軸SA2と対称軸SA4とは一致していてもよい。対称軸SA1と対称軸SA2とのずれ量、及び対称軸SA3と対称軸SA4とのずれ量は、導電層206-3のD1方向の長さに対して適宜設定すればよい。
【0065】
図9では、コンタクトホール217-1の対称軸SA2は、コンタクトホール215-1の対称軸SA1に対して、コンタクトホール215-1のD1方向における長さL1の50%で-D1方向にずれている。このとき、コンタクトホール217-2の対称軸SA4は、コンタクトホール215-2の対称軸SA3に対して、コンタクトホール217-2のD1方向における長さL1の50%でD1方向にずれている。
【0066】
図9では、画素電極216-1がコンタクトホール215-1及びコンタクトホール217-1を介して、導電層206-3と接する領域(第1領域ともいう)の面積S1は、画素電極216-1がコンタクトホール215-2及びコンタクトホール217-2を介して、導電層206-3と接する領域(第2領域ともいう)の面積S2と、略同一である。面積S1と面積S2とを合計した面積S3が、導電層206-3と画素電極216とが接触する面積に相当する。コンタクトホールを形成するためのマスクの位置にずれが生じなければ、複数の画素PIXの各々において、面積S1と面積S2とを合計した面積S3は、略同一となる。
【0067】
図10は、図7に示すコンタクトホール215-2、217-2をC1-C2線に沿って切断したときの断面図である。図10に示すように、アレイ基板150の上に、ゲート絶縁膜203(窒化絶縁膜203a及び酸化絶縁膜203b)が設けられており、ゲート絶縁膜203の上にドレイン電極として機能する導電層206-3が設けられている。導電層206-3の上には、絶縁膜205(酸化絶縁膜205a及び窒化絶縁膜205b)が設けられている。絶縁膜205には、コンタクトホール215-2が設けられている。絶縁膜205の上には、絶縁膜209が設けられている。絶縁膜209には、コンタクトホール217-2が設けられている。絶縁膜209の上には、画素電極216が設けられている。画素電極216は、絶縁膜209に設けられたコンタクトホール217-2と、絶縁膜205に設けられたコンタクトホール215-2を介して、導電層206-3と接続されている。図10に示すように、絶縁膜209は、導電層206-3の上面に接して設けられる。また、画素電極216は、絶縁膜205の上面に接して設けられる。
【0068】
図11は、図7に示すコンタクトホール215-2、217-2をE1-E2線に沿って切断したときの断面図である。図11に示すように、導電層206-3は、2カ所において画素電極216と接触している。コンタクトホール215-1、215-2の長さL2は、コンタクトホール217-1、217-2の長さL4よりも長い。また、コンタクトホール215-1、215-2の各々のD1方向における対称軸は、コンタクトホール217-1、217-2の各々のD1方向における対称軸と一致している。そのため、コンタクトホール215-1、215-2の各々の内部に、コンタクトホール217-1、217-2の各々の端部が設けられる。つまり、コンタクトホール215-1、215-2の上面及び側面は、絶縁膜209によって覆われる。コンタクトホール215-1が設けられる領域、及びコンタクトホール215-2が設けられる領域において、絶縁膜209は導電層206-3(ドレイン電極)と接する。
【0069】
図12は、図9と比べて、コンタクトホール217-1、217-2の位置が、コンタクトホール215-1、215-2の位置に対してD1方向にさらにずれている図である。
【0070】
コンタクトホール217-1の対称軸SA2は、コンタクトホール215-1の対称軸SA1に対して、コンタクトホール215-1のD1方向における長さL1の50%未満で-D1方向にずれている。このとき、コンタクトホール217-2の対称軸SA4は、コンタクトホール215-2の対称軸SA3に対して、コンタクトホール215-2のD1方向における長さL1の50%以上でD1方向にずれている。図12では、コンタクトホール217の対称軸SA2は、コンタクトホール215-1の対称軸SA1に対して、コンタクトホール215-1のD1方向における長さの100%以下で-D1方向にずれていてもよい。または、コンタクトホール217の対称軸SA4は、コンタクトホール215-2の対称軸SA3に対して、コンタクトホール215-2のD1方向における長さL1の100%以下でD1方向にずれていてもよい。
【0071】
図12では、画素電極216-1がコンタクトホール215-1及びコンタクトホール217-1を介して、導電層206-3と接する領域の面積S1’は、画素電極216-1がコンタクトホール215-2及びコンタクトホール217-2を介して、導電層206-3と接する領域の面積S2’よりも大きくなる。面積S1’と面積S2’とを合計した面積S3’が、導電層206-3と画素電極216とが接触する面積に相当する。これにより、コンタクトホール215、217を形成するための各々のマスクの位置にずれが生じていても、複数の画素PIXの各々において、面積S1’と面積S2’とを合計した面積S3’は、略同一とすることができる。なお、コンタクトホール217-1、217-2は、D1方向のみでずれている。そのため、図9に示す画素電極216と導電層206-3との面積S3と、図12に示す画素電極216と導電層206-3との面積S3’とは略同一となる。
【0072】
図13は、図9と比べて、コンタクトホール217-1、217-2の位置が、コンタクトホール215-1、215-2の位置に対してD1方向及びD2方向にさらにずれている図である。
【0073】
コンタクトホール217-1、217-2の位置が、コンタクトホール215-1、215-2の位置に対してD1方向及びD2方向にずれている場合も、画素電極216-1がコンタクトホール215-1及びコンタクトホール217-1を介して、導電層206-3と接する面積S1”は、画素電極216-1がコンタクトホール215-2及びコンタクトホール217-2を介して、導電層206-3と接する面積S2”よりも大きくなる。面積S1”と面積S2”とを合計した面積S3”が、導電層206-3と画素電極216とが接触する面積に相当する。これにより、コンタクトホール215、217を形成するための各々のマスクの位置にずれが生じていても、複数の画素PIXの各々において、面積S1”と面積S2”とを合計した面積S3”は、略同一とすることができる。なお、コンタクトホール215-1、215-2のD2方向の長さL2は、コンタクトホール217-1、217-2のD2方向の長さL4よりも長い。そのため、コンタクトホール217-1、217-2がD2方向にずれたとしても、コンタクトホール215-1、215-2からD2方向にはみ出ることを抑制することができる。言い換えると、コンタクトホール217-1、217-2が、コンタクトホール215-1、215-2から+D2方向または-D2方向にはみ出なければ、対称軸SA5、SA6に対して、対称軸SA7、SA8が+D2方向または-D2方向にずれていてもよい。なお、対称軸SA1、SA3に対して、対称軸SA2、SA4のずれが許容される範囲は図9と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
例えば、図9に示す表示装置において、絶縁膜205に形成されたコンタクトホール215-1の端部が、絶縁膜209に形成されたコンタクトホール217-1の端部の内側に存在する場合、絶縁膜205の上に存在するコンタクトホール217-1の下側の端部で、コンタクトホール217-1の形状に沿って絶縁膜205がエッチングされてしまう場合がある。これにより、絶縁膜205の上に存在するコンタクトホール217-1の下側の端部でボイドが発生し、画素電極216が段切れを起こす可能性がある。これにより、画素電極216と導電層206-3との電気的な接続が阻害される可能性がある。また、画素電極とドレイン電極とを1カ所において接触させる場合、絶縁膜205にコンタクトホールを形成するためのマスクと、絶縁膜209にコンタクトホールを形成するためのマスクとにずれが生じてしまうと、画素毎に画素電極とドレイン電極との接触面積にばらつきが生じる場合がある。
【0075】
コンタクトホールの形成は、通常、レジストマスクを用いたエッチングにより行われる。レジストマスクは、基板の撓みなどに応じて基板面内において位置がばらつくことがある。絶縁膜205及び絶縁膜209のそれぞれに対して、コンタクトホールを形成する必要がある場合、絶縁膜205の上に形成されたレジストマスクと、絶縁膜209の上に形成されたレジストマスクとのそれぞれに位置ずれが生じると、画素毎に、画素電極とドレイン電極との接触面積がばらつく場合がある。つまり、画素毎に画素電極とドレイン電極とのコンタクト抵抗のばらつきが生じる原因となる。これにより、コンタクト抵抗のばらつきに起因して、表示装置の表示品質が低下するおそれがある。
【0076】
本発明の一実施形態に係る表示装置10では、画素電極216-1とドレイン電極として機能する導電層206-3との間に存在する絶縁膜205にコンタクトホール215-1、215-2を形成し、絶縁膜209にコンタクトホール217-1、217-2を形成している。また、コンタクトホール215-2が設けられる位置とコンタクトホール217-2が設けられる位置とが互いにずれるように配置されている。これにより、絶縁膜205の上にコンタクトホール217-1の下側の端部が存在し、導電層206-3の上にもコンタクトホール217-1の下側の端部が存在するようになる。したがって、絶縁膜205の上に存在するコンタクトホール217-1の端部で、画素電極216が段切れする箇所が生じたとしても、導電層206の上に存在するコンタクトホール217―1の端部では、画素電極216が段切れを起こすことを抑制することができる。これにより、画素電極216と導電層206-3との電気的な接続を確保することができる。
【0077】
また、画素電極とドレイン電極とを2カ所において接触させるため、絶縁膜209にコンタクトホールを形成するためのマスクにずれが生じた場合でも、画素毎に画素電極とドレイン電極との接触領域にばらつきが生じすることを抑制することができる。つまり、画素毎に画素電極とドレイン電極とのコンタクト抵抗にばらつきが生じることを抑制することができる。これらにより、表示装置の表示品質が低下することを抑制することができる。
【0078】
次に、ゲート配線GLとソース配線SL1~SL4とが交差する領域250について、図14図17を参照して説明する。なお、図14図17において、先に説明した領域230についても図示している。
【0079】
図14は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-5、及び導電層206-1~206-11の平面レイアウトである。導電層202-1~202-9は、アレイ基板150(ガラス基板)の上に設けられる。導電層202-1は、D1方向に延在しているが、D2方向に分岐する領域を有する。また、導電層202-2~202-9は、D2方向に延在する。酸化物半導体層204-1~204-5は、導電層202-1の上に、ゲート絶縁膜203(図8参照)を介して設けられる。酸化物半導体層204-1~204-5は、D2方向に並んで配置されている。本実施形態では、トランジスタTrを構成するために5つの酸化物半導体層204-1~204-5で構成している例について示す。酸化物半導体層は、複数の酸化物半導体層204-1~204-5に分離して設けることで発熱の影響を低減することができる。酸化物半導体層の数は、特に限定されない。酸化物半導体層204-1~204-5は、導電層202-1によって、導電層202-1側から酸化物半導体層204-1~204-5に向かうガラス基板(アレイ基板150)を導光してきた光が反射され、酸化物半導体層204-1~204-5に光リークが生じにくくなる。導電層206-1~206-11は、ゲート絶縁膜203及び酸化物半導体層204-1~204-5の上に設けられる。導電層206-1、206-2、206-11は、D1方向に延在し、導電層206-3~206-10は、D2方向に延在する。
【0080】
導電層202-1は、導電層206-1、206-2、206-11と重畳する。導電層202-1は、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-1を介して導電層206-1と接続されており、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-2を介して、導電層206-2と接続されている。導電層202-1のうち、D1方向に延在する領域は、ゲート配線として機能する。また、導電層202-1のうち、D2方向に延在する領域は、ゲート電極として機能する。
【0081】
導電層202-2、202-3は、導電層206-4と重畳する。導電層202-2は、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-3を介して導電層206-4と接続されており、導電層202-3は、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-4を介して導電層206-4と接続されている。導電層206-4は、導電層202-1と交差している。導電層206-4は、第1ソース配線SL1として機能する。また、導電層206-4において、導電層202-2、202-3と重畳しない領域は、トランジスタTrのソース電極として機能する。導電層206-3は、トランジスタTrのドレイン電極として機能する。
【0082】
導電層202-4は、導電層206-5と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-5を介して、導電層206-5と接続されている。導電層202-5は、導電層206-6と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-6を介して、導電層206-6と接続されている。導電層206-5は、導電層208-2(図15参照)を介して導電層206-6と接続される。これにより、導電層206-5、導電層206-6、及び導電層208-2は、第3ソース配線SL3として機能する。
【0083】
導電層202-6は、導電層206-7と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-7を介して、導電層206-7と接続されている。導電層202-7は、導電層206-8と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-8を介して、導電層206-8と接続されている。導電層206-7は、導電層208-3(図15参照)を介して導電層206-8と接続される。導電層206-7、導電層206-8及び導電層208-3は、第2ソース配線SL2として機能する。
【0084】
導電層202-8は、導電層206-9と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-9を介して、導電層206-9と接続されている。導電層202-9は、導電層206-9及び導電層206-10と重畳している。導電層202-9は、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-10を介して、導電層206-9と接続されている。また、導電層202-9は、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-11を介して導電層206-10と接続されている。導電層206-9は、導電層202-1と交差する領域を有する。導電層206-9及び導電層206-10は、第4ソース配線SL4として機能する。
【0085】
また、導電層202-1は、導電層206-11と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-12を介して、導電層206-11と接続されている。
【0086】
導電層202-9及び導電層206-8は、屈曲した領域を有する。導電層202-9は、導電層206-8と重畳し、交差する領域を有する。つまり、第2ソース配線SL2と、第4ソース配線SL4とが交差する領域を有している。
【0087】
詳述しないが図6に示すように、導電層202-2及び導電層206-5は、屈曲した領域を有する。導電層202-2は、導電層206-5と重畳し、交差する領域を有する。つまり、第1ソース配線SL1は、第3ソース配線SL3と交差する領域を有している。
【0088】
図14に示すように、ゲート配線GLは、導電層202-1と、導電層206-1、206-2とが積層されることで構成されている。導電層202-1は、D1方向に沿って延在している。また、ゲート配線GLは、ソース配線SL1~ソース配線SL4と交差する領域においては、導電層202-1のみが設けられており、導電層206-1と導電層206-2とは離間して設けられている。また、ソース配線SL1は、導電層202-2、202-3と、導電層206-4とが積層されることで構成されている。また、ソース配線SL1は、ゲート配線GLと交差する領域においては、導電層206-4のみが設けられており、導電層202-2と導電層202-3とは離間して設けられている。これにより、アレイ基板150における表示領域12及び周辺領域14の製造工程において静電気が発生したとしても、静電気を逃がすことができるため、静電気に起因する不良の発生を抑制することができる。
【0089】
図15は、領域250における導電層206-1~206-11及び導電層208-1~208~3の平面レイアウトである。導電層206-1~206-11については、図15において説明した通りである。導電層208-1~208-3は、絶縁膜205(図8参照)の上に設けられている。導電層208-1は、D2方向に延在する領域と、D1方向に延在する領域と、を有する。D2方向に延在する領域は、酸化物半導体層204-1~204~5と重畳する。また、D1方向に延在する領域は、導電層206-11と重畳しており、絶縁膜205に設けられたコンタクトホール215-7を介して導電層206-11と接続されている。導電層208-2は、D2方向に延在している。導電層208-2は、導電層206-5及び導電層206-6と重畳しており、絶縁膜205に設けられたコンタクトホール215-3、215-4を介して導電層206-5及び導電層206-6と接続されている。導電層208-3は、D2方向に延在している。導電層208-3は、導電層206-7及び導電層206-8と重畳しており、絶縁膜205に設けられたコンタクトホール215-5、215-6を介して導電層206-7及び導電層206-8と接続されている。
【0090】
図16は、領域250における平坦化膜207、透明導電層212、及び導電層214の平面レイアウトである。平坦化膜207は、図8に示すように画素PIXの開口領域において除去されている。つまり、平坦化膜207は、配線領域の上に設けられている。平坦化膜207の上に、透明導電層212が設けられている。また、透明導電層212の上に、導電層214が設けられている。透明導電層212及び導電層214は、容量配線CWとして機能する。透明導電層212は、導電層206-1~206-11の上に、平坦化膜207を介して設けられている。そのため、ソース配線SL1~SL4と、容量配線CW配線とが離間して設けられるため、容量配線CWからの電位の影響を受けにくくなる。また、導電層214の電気抵抗は、透明導電層212の電気抵抗よりも小さい。そのため、表示領域12のうち、画素PIXがある位置による容量配線CWの電位のばらつきが抑制される。なお、透明導電層212は、開口223を有しており、導電層214は、開口225を有している。開口223と開口225とは、重なるように設けられている。
【0091】
透明導電層212及び導電層214は、ゲート配線GL及びソース配線SL1~SL4の上方を覆うように、格子状に設けられている。これにより、透明導電層212が設けられていない領域と、画素電極216との間の保持容量Cが減少する。透明導電層212が設けられていない領域の大きさにより、保持容量Cが調整される。なお、透明導電層212は、格子状ではなく、全面に設けられていてもよい。また、導電層214は、トランジスタTrを覆うように設けられている。これにより、トランジスタTrの光リークを抑制することができる。
【0092】
導電層214は、透明導電層212の上に設けられている例を示すが、透明導電層212の下に設けられていてもよい。導電層214は、透明導電層212と積層されていればよい。導電層214は、遮光性を有している。そのため、配線領域を遮光することができる。導電層214の幅は、平面視で、ソース配線SL1~SL4を合わせた幅よりも大きくなるように設けられている。また、導電層214の幅は、平面視で、ゲート配線GLの幅よりも大きくなるように設けられている。これにより、ソース配線SL1~SL4のエッジで反射する反射光を表示パネル11により放射することを抑制することができる。なお、導電層214の幅、ソース配線SL1~SL4を合わせた幅とは、ソース配線SL1~SL4が延在する方向と交差する方向(D2方向)の長さをいう。また、ゲート配線GLの幅とは、ゲート配線GLが延在する方向と交差する方向(D2方向)の長さをいう。
【0093】
図17は、領域250における導電層206-1~206-11、及び画素電極216-1~216-4の平面レイアウトである。導電層206-1~206-11については、図14において説明した通りである。画素電極216-1~216-4は、絶縁膜209の上に設けられている。画素電極216-1~216-4は、画素PIXの開口領域に設けられる。画素電極216-1は、絶縁膜209に設けられたコンタクトホール217-1、217-2、絶縁膜205に設けられたコンタクトホール215-1、215-2(図15参照)を介して、導電層206-3と接続される。なお、絶縁膜209は、コンタクトホール217-3を有する。コンタクトホール217-3は、開口223及び開口225(図16参照)と重なるように設けられている。平坦化膜207の上において、開口223、225、コンタクトホール217-3が設けられることで、平坦化膜207に含まれる水分を、開口223、225、コンタクトホール217-3を介して、放出することができる。
【0094】
以上説明したように、表示領域12において、ゲート配線GL1~GL4、ソース配線SL1~SL4として、導電層202と導電層206とを互いに積層して延在するように配置している。ソース配線SL1~SL4を、導電層202と導電層206とを積層して延在して配置することにより、ソース配線SL1~SL4の抵抗を均一化、及び配線容量の均一化を図ることができる。また、ソース配線SL1とソース配線SL3とを交差して配置し、ソース配線SL2とソース配線SL4とを交差して配置することができる。
【0095】
<表示装置10の各部材の材質>
アレイ基板150、対向基板152として、ガラス基板、石英基板、およびサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。一方、アレイ基板150、対向基板152が可撓性を有する必要がある場合は、アレイ基板150、対向基板152としてポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。アレイ基板150、対向基板152の耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。また、表示装置10を大型の透明ディスプレイに適用する場合には、アレイ基板150及び対向基板152として、ガラス基板を用いることが好ましい。また、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bについては、アレイ基板150及び対向基板152を保護するために設ける。そのため、例えば、透光性を有するガラス基板、プラスチック基板等を用いることが好ましい。
【0096】
窒化絶縁膜203a、205b、絶縁膜209として、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxy)、窒化アルミニウム(AlNx)、窒化酸化アルミニウム(AlNxy)、を用いる。本実施形態では、窒化絶縁膜203a、205b、絶縁膜209として、窒化シリコンを用いる。窒化シリコン膜は、例えば、スパッタリング法により形成される。
【0097】
酸化絶縁膜203b、205aとして、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxy)、を用いる。本実施形態では、酸化絶縁膜203b、205aとして、酸化シリコンを用いる。
【0098】
上記のSiOxy及びAlOxyは、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。また、SiNxy及びAlNxyは、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。
【0099】
平坦化膜207として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はシロキサン樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。
【0100】
導電層202、導電層208、及び導電層214として、一般的な金属材料を用いることができる。例えば、これらの部材として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、及びこれらの合金又は化合物が用いられる。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0101】
酸化物半導体層204として、半導体の特性を有する酸化物半導体を用いることができる。酸化物半導体層204は透光性を有する。例えば、酸化物半導体層204として、インジウム(In)を含む2以上の金属を含む酸化物半導体が用いられる。酸化物半導体層204として、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、および酸素(O)を含む酸化物半導体を酸化物半導体層204として用いてもよい。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いてもよい。ただし、本実施形態で使用される酸化物半導体層204は上記の組成に限定されるものではなく、上記とは異なる組成の酸化物半導体を用いることもできる。
【0102】
透明導電層212、画素電極216、及びコモン電極218として、酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)及び酸化インジウム及び酸化亜鉛の混合物(IZO)を用いることができる。当該透明導電層として、上記以外の材料が用いられてもよい。ブラックマトリクスBMに用いる遮光層219は黒色の樹脂又は金属材料で形成することができる。ブラックマトリクスBMはコモン電極218と接して形成される(図8参照)。透明導電膜で形成されるコモン電極218に対し、ブラックマトリクスBMを金属材料で形成することで、抵抗損失を低減するための補助電極としての機能を持たせることができる。ブラックマトリクスBMを形成する金属材料としては、アルミニウムに対して相対的に反射率が低い、クロム、モリブデン、チタンなどを単層で、又は積層して用いてもよい。
【0103】
表示装置10を透明ディスプレイに適用する場合、液晶層210として、高分子分散型液晶を用いることが好ましい。高分子分散型液晶は、バルク及び微粒子を含む。微粒子は、バルク内で画素電極216とコモン電極218との電位差に応じて配向が変化する。画素PIX毎に、画素電極216の電位が個別に制御されることで、画素PIX毎に少なくとも透光及び分散のいずれかの度合いが制御される。液晶層(微粒子)の散乱度は、各画素電極216の電圧とコモン電極218の電圧に応じて制御される。例えば、液晶層は各画素Pixの電圧とコモン電極218との間の電圧が大きくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよいし、各画素電極216の電圧とコモン電極218との間の電圧が小さくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよい。
【0104】
液晶層210において、バルク及び微粒子の常光屈折率は互いに等しい。画素電極216とコモン電極218との間に電圧が印加されていない状態では、あらゆる方向においてバルク及び微粒子との間の屈折率差がゼロになる。液晶層210は、光源から射出された光を散乱しない非散乱状態となる。光源から射出された光は、アレイ基板150の第1主面及び対向基板152の第1主面で反射しながら、光源3(発光部)から遠ざかる方向に伝播する。液晶層210が光源から射出された光Lを散乱しない非散乱状態であると、アレイ基板150から対向基板152の背景が視認され、対向基板152からアレイ基板150の背景が視認される。
【0105】
電圧が印加された画素電極216とコモン電極218との間では、微粒子の光軸は、画素電極216とコモン電極218との間に発生する電界によって傾くことになる。バルクの光軸は、電界によって変化しないため、バルクの光軸と微粒子の光軸の向きは互いに異なる。電圧が印加された画素電極216がある画素PIXにおいて、光源から射出された光が散乱される。上述したように散乱された光源から射出された光の一部がアレイ基板150の第1主面又は対向基板152の第1主面から外部に放射された光は、観察者に観察される。
【0106】
電圧が印加されていない画素電極216がある画素PIXでは、アレイ基板150の第1主面から対向基板152の第1主面側の背景が視認され、対向基板152の第1主面20Aからアレイ基板150の第1主面10A側の背景が視認される。そして、本実施形態の表示装置10は、映像信号が入力されると、画像が表示される画素PIXの画素電極216に電圧が印加され、映像信号に基づく画像が背景とともに視認される。このように、高分子分散型液晶が散乱状態にあるとき、表示領域において画像が表示される。
【0107】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0108】
10:表示装置、11:表示パネル、12:表示領域、14:周辺領域、16:コモン配線、18:コモン配線、22:コモン配線、24:フレキシブルプリント回路、26:端子部、28:ゲート駆動回路、32:ゲート配線領域、34:フレキシブルプリント回路、36:端子部、38:ソース駆動回路、42:ソース配線領域、46:ESD用保護回路、48:ゲート検査回路、52:ソース検査回路、54:検査ライン、56:QDパッド、58:ESD用保護回路、59:ESD用保護回路、62:領域、64:領域、66:領域、71:領域、72:領域、102:表示パネル、104:光源、105:絶縁層、150:アレイ基板、152:対向基板、202:導電層、203:ゲート絶縁膜、204:酸化物半導体層、205:絶縁膜、206:導電層、207:平坦化膜、208:導電層、209:絶縁膜、210:液晶層、212:透明導電層、213:コンタクトホール、214:導電層、215:コンタクトホール、216:画素電極、217:コンタクトホール、218:コモン電極、220:封止材、GL:ゲート配線、SL:ソース配線、CL:コモン配線、CW:容量配線、C:保持容量、LE:液晶素子、PIX:画素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17