(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001042
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】可変場磁気結合器および強磁性ワークピースに係合するための方法
(51)【国際特許分類】
H01F 7/02 20060101AFI20231226BHJP
H01F 7/20 20060101ALI20231226BHJP
H02P 8/24 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01F7/02 S
H01F7/02 F
H01F7/20 G
H02P8/24
【審査請求】有
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023152131
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2020544417の分割
【原出願日】2019-02-22
(31)【優先権主張番号】62/634,783
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/965,582
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519384781
【氏名又は名称】マグスウィッチ テクノロジー ワールドワイド プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MAGSWITCH TECHNOLOGY WORLDWIDE PTY LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モートン,デイビッド・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】キツィルカン,ツェンギツ
(72)【発明者】
【氏名】カープ,ポール・ジェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】切り換え可能な磁気結合器を含む可変場磁気結合器を提供する。
【解決手段】少なくとも3つの状態に構成される磁気結合デバイス10であって、別の永久磁石14、12に対して永久磁石12、14の位置を変更すること及び永久磁石を取り囲むコイルでの電流レベルを変更することのうちの1つ以上を通して提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラであって、
(a)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第1の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する、第1の状態であって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、第1の状態、
(b)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第2の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する、第2の状態であって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きい、第2の状態、ならびに
(c)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第3の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供する、第3の状態であって、磁束の前記第3のレベルが、磁束の前記第1のレベルおよび磁束の前記第2のレベルの各々よりも大きい、第3の状態の少なくとも各々に、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラと、を備える、磁気結合デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングによって支持された感知システムをさらに備え、前記感知システムが、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する少なくとも1つのセンサーを含む、請求項1に記載の磁気結合デバイス。
【請求項3】
前記アクチュエータが、ステッピングモーターであり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の位置を制御する前記ステッピングモーターの出力の位置を監視することによって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルを監視する、請求項2に記載の磁気結合デバイス。
【請求項4】
前記電子コントローラによってアクセス可能なメモリをさらに備え、前記アクチュエータが、モーターであり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記モーターの電流の引き込みを監視し、前記電子コントローラが、前記モーターの前記電流の引き込みを監視すること、および少なくとも1つの格納された参照値と前記電流の引き込みを比較することによって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルを判定する、請求項2または3に記載の磁気結合デバイス。
【請求項5】
前記電子コントローラによってアクセス可能なメモリをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサーの第1のセンサー値が、前記第1の状態、前記第2の状態、および前記第3の状態のうちの少なくとも1つについて前記メモリ上に格納されている、請求項2~4のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項6】
前記第1のセンサー値が、前記第2の状態に対応する、請求項5に記載の磁気結合デバイス。
【請求項7】
前記第1のセンサー値が、前記第1の状態に対応し、前記第2の状態に対応する第2のセンサー値が、前記メモリ上に格納されており、前記第3の状態に対応する第3のセンサー値が、前記メモリ上に格納されている、請求項5または6に記載の磁気結合デバイス。
【請求項8】
前記電子コントローラが、前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第4の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルを提供する、第4の状態に、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含み、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第4のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第4のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きく、磁束の前記第3のレベルよりも小さく、かつ磁束の前記第2のレベルよりも大きいレベルおよび磁束の前記第2のレベルよりも小さいレベルの一方である、請求項5~7のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記第2の永久磁石の回転位置を監視することによって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルを監視する、請求項2~8のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記複数のワークピース接触インターフェースの第1のワークピース接触インターフェースに関連する第1の漏れ磁束を第1の磁束センサーで監視することによって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルを監視する、請求項2~9のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記複数のワークピース接触インターフェースの第2のワークピース接触インターフェースに関連する第2の漏れ磁束を第2の磁束センサーでさらに監視することによって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルを監視する、請求項10に記載の磁気結合デバイス。
【請求項12】
前記電子コントローラによってアクセス可能なメモリをさらに備え、前記第1のセンサーの第1のセンサー値が、前記第1の状態、前記第2の状態、および前記第3の状態のうちの少なくとも1つについて前記メモリ上に格納されている、請求項11に記載の磁気結合デバイス。
【請求項13】
前記第1のセンサー値が、前記第2の状態に対応する、請求項12に記載の磁気結合デバイス。
【請求項14】
前記第1のセンサー値が、前記第1の状態に対応し、前記第2の状態に対応する第2のセンサー値が、前記メモリ上に格納されており、前記第3の状態に対応する第3のセンサ
ー値が、前記メモリ上に格納されている、請求項12または13に記載の磁気結合デバイス。
【請求項15】
前記電子コントローラが、前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第4の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルを提供する、第4の状態に、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含み、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第4のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第4のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きく、磁束の前記第3のレベルよりも小さく、かつ磁束の前記第2のレベルよりも大きいレベルおよび磁束の前記第2のレベルよりも小さいレベルの一方である、請求項12~14のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項16】
前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の位置を変更するように、前記第2の永久磁石に交差する軸の周りで前記第1の永久磁石に対して回転可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項17】
前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の位置を変更するように、前記第2の永久磁石に交差しない関係での軸の周りで前記第1の永久磁石に対して回転可能である、請求項1~16のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項18】
前記ハウジングによって支持された第1のプラッタと、ハウジングによって支持された第2のプラッタと、をさらに備え、前記第2のプラッタが、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の位置を変更するように、前記第1のプラッタに対して移動可能であり、
前記第1のプラッタが、
前記第1の永久磁石を含む第1の複数の離間した永久磁石であって、前記第1の複数の離間した永久磁石の各々がN極側と、S極側と、を有する、第1の複数の離間した永久磁石と、
前記第1の複数の永久磁石の隣接した永久磁石の間に介在している第1の複数の極部であって、前記第1の複数の永久磁石が、前記第1の複数の極部の各極部が前記第1の複数の永久磁石の2つの永久磁石の前記N極側に隣接しているN極部、および前記第1の複数の永久磁石の2つの永久磁石の前記S極側に隣接しているS極部のうちの1つであるように配置されている、第1の複数の極部と、を備え、
前記第2のプラッタが、
前記第2の永久磁石を含む第2の複数の離間した永久磁石であって、前記第2の複数の離間した永久磁石の各々がN極側と、S極側と、を有する、第2の複数の離間した永久磁石と、
前記第2の複数の永久磁石の隣接した永久磁石の間に介在している第2の複数の極部であって、前記第2の複数の永久磁石が、前記第1の複数の極部の各極部が前記第2の複数の永久磁石の2つの永久磁石の前記N極側に隣接しているN極部、および前記第2の複数の永久磁石の2つの永久磁石の前記S極側に隣接しているS極部のうちの1つであるように配置されている、第2の複数の極部と、を備える、請求項17に記載の磁気結合デバイス。
【請求項19】
前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の位置を変更するように、前記第1の永久磁石に対して並進可能である、請求項1~18のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項20】
前記第1の状態、前記第2の状態、および前記第3の状態のうちの少なくとも1つが、前記磁気結合デバイスの部分的にオン状態である、請求項1~19のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項21】
前記第1の状態、前記第2の状態、および前記第3の状態のうちの少なくとも2つが各々、前記磁気結合デバイスの対応する部分的にオン状態である、請求項1~20のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項22】
前記第1の状態、前記第2の状態、および前記第3の状態の各々が各々、前記磁気結合デバイスの対応する部分的にオン状態である、請求項1~21のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項23】
複数の取り外し可能なポールシューをさらに備え、各ポールシューが、前記複数のワークピース接触インターフェースのうちのそれぞれの1つを支持している、請求項1~22のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項24】
前記アクチュエータが、流体アクチュエータであり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記流体アクチュエータの動作流体の流体特性を監視することによって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルを監視し、前記動作流体が、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の位置を制御する、請求項2~23のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項25】
前記アクチュエータが、流体アクチュエータであり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記流体アクチュエータの出力の位置を監視する、請求項2~24のいずれか一項に記載の磁気結合デバイス。
【請求項26】
支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスであって、
下方側を有するハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ磁束の概ね一定のレベルを提供するアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記第1の永久磁石の周りに位置付けられたコイルと、
ロジックを含む電子コントローラと、を備え、前記ロジックは、
(a)電流の第1のレベルが前記コイルに提供される第1の状態であって、前記コイルおよび前記第1の永久磁石が、電流の前記第1のレベルおよび前記第1の永久磁石に基づいて前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供し、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、第1の状態、
(b)電流の第2のレベルが前記コイルに提供される第2の状態であって、前記コイルおよび前記第1の永久磁石が、電流の前記第2のレベルおよび前記第1の永久磁石に基づいて前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供し、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きい、第2の状態、ならびに
(c)電流の第3のレベルが前記コイルに提供される第3の状態であって、前記コイルおよび前記第1の永久磁石が、電流の前記第3のレベルおよび前記第1の永久磁石に基
づいて前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供し、磁束の前記第3のレベルが、磁束の前記第1のレベルおよび磁束の前記第2のレベルの各々よりも大きい、第3の状態の各々を提供するように、前記コイルに供給される前記電流のレベルを制御する、磁気結合デバイス。
【請求項27】
前記ハウジングによって支持された感知システムをさらに備え、前記感知システムが、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する少なくとも1つのセンサーを含む、請求項26に記載の磁気結合デバイス。
【請求項28】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記コイルに提供される電流のレベルを監視する電気的な電流センサーである、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項29】
前記電流が、前記第1の状態では第1の方向に、前記第3の状態では第2の方向に、前記コイルを通過する、請求項27または28に記載の磁気結合デバイス。
【請求項30】
電流の前記第3のレベルが、電流の前記第2のレベルよりも小さい、請求項29に記載の磁気結合デバイス。
【請求項31】
支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラであって、前記第1の永久磁石に対して複数の別個の配向に前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラと、
前記ハウジングによって支持されたブレーキであって、前記ブレーキが前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を保持する係合状態と、前記ブレーキが前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の回転を可能にする非係合状態と、を有する、ブレーキと、を備える、磁気結合デバイス。
【請求項32】
前記電子コントローラが、前記ブレーキに動作可能に結合されており、前記電子コントローラの前記ロジックが、前記第2の永久磁石が前記第1の永久磁石に対して前記複数の別個の配向のうちの1つにあるときに前記ブレーキに係合する、請求項31に記載の磁気結合デバイス。
【請求項33】
前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の第1の配向が、前記磁気結合デバイスの第1の状態に対応して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供し、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分であり、前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の第2の配向が、前記磁気結合デバイスの第2の状態に対応して、前
記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供し、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きく、前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の第3の配向が、前記磁気結合デバイスの第3の状態に対応して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供し、磁束の前記第3のレベルが、磁束の前記第1のレベルおよび磁束の前記第2のレベルの各々よりも大きい、請求項32に記載の磁気結合デバイス。
【請求項34】
強磁性ワークピースを持ち上げるための持ち上げ装置であって、
支持体構造と、
前記支持体構造に動作可能に結合された、請求項1に記載の磁気結合デバイスと、を備える、持ち上げ装置。
【請求項35】
前記支持体構造が、複数の可動アームセグメントを有するロボットアームを含み、前記磁気結合デバイスが、前記ロボットアームの端に結合されている、請求項34に記載の持ち上げ装置。
【請求項36】
前記支持体構造が、機械的ガントリーを含み、前記磁気結合デバイスが、前記機械的ガントリーから吊り下げられている、請求項34または35に記載の持ち上げ装置。
【請求項37】
前記支持体構造が、クレーンホイストを含み、前記磁気結合デバイスが、前記クレーンホイストから吊り下げられている、請求項34~36のいずれか一項に記載の持ち上げ装置。
【請求項38】
強磁性ワークピースを保持するための固定具であって、
フレームと、
前記強磁性ワークピースの下方側を支持するように位置付けられた少なくとも1つの磁気結合デバイスとを備え、各磁気結合デバイスは、
第1の側を有するハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラと、を備え、前記電子コントローラは、
(a)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第1の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する、第1の状態であって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記磁気結合デバイスに対して前記強磁性ワークピースを保持するのに不十分である、第1の状態、および
(b)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第2の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する、第2の状態であって、前記ワークピース接触インターフェースで前
記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記磁気結合デバイスに対して前記強磁性ワークピースを保持するのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きい、第2の状態の少なくとも各々に、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含む、固定具。
【請求項39】
前記少なくとも1つの磁気結合デバイスが、複数の磁気結合デバイスを含み、前記複数の磁気結合デバイスの各々が、前記強磁性ワークピースの対応する輪郭と一致する形状であるワークピース接触インターフェースを備える、関連するポールシューを有する、請求項38に記載の固定具。
【請求項40】
前記複数の磁気結合デバイスが、離間している、請求項39に記載の固定具。
【請求項41】
磁気結合デバイスで、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースを移動させる方法であって、
前記強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの複数のワークピース接触インターフェースに接触させるステップであって、前記磁気結合デバイスが、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、ステップと、
前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを有する第1の状態から、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを有する第2の状態に、前記磁気結合デバイスを移行させるステップであって、前記第2のレベルが、前記第1のレベルよりも大きい、ステップと、
前記磁気結合デバイスが前記第2の状態にある間に、第1の位置から第2の位置に前記磁気結合デバイスで前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを移動させるステップと、
前記第2の状態から、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを有する第3の状態に、前記磁気結合デバイスを移行させるステップであって、前記第3のレベルが、前記第2のレベルよりも大きい、ステップと、
前記磁気結合デバイスが前記第3の状態にある間に、前記第2の位置から第3の位置に前記磁気結合デバイスで前記強磁性ワークピースを移動させるステップと、
前記磁気結合デバイスから前記強磁性ワークピースを切り離すステップと、を含む、方法。
【請求項42】
磁気結合デバイスで、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースを移動させる方法であって、
前記強磁性ワークピースに接触するのに適した複数のワークピース接触インターフェースを有する磁気結合デバイスで移動される強磁性ワークピースの識別を受信するステップであって、前記磁気結合デバイスが、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、ステップと、
前記識別された強磁性ワークピースに対応する前記磁気結合デバイスの少なくとも1つの状態を判定するステップであって、前記少なくとも1つの状態が、前記磁気結合デバイスの前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有する、ステップと、
前記識別された強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの前記ワークピース接触インターフェースに接触させるステップと、
少なくとも3つの状態に前記磁気結合デバイスを順次構成する間に、最初の位置から最
終の位置に前記磁気結合デバイスで前記支持体に対して前記識別された強磁性ワークピースを移動させるステップであって、前記3つの状態の各々が、前記磁気結合デバイスの前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有し、前記少なくとも3つの状態が、前記識別された強磁性ワークピースに対応する前記磁気結合デバイスの前記少なくとも1つの状態を含む、ステップと、
前記磁気結合デバイスから前記識別された強磁性ワークピースを切り離すステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「VARIABLE FIELD MAGNETIC COUPLERS AND METHODS FOR ENGAGING A FERROMAGNETIC
WORKPIECE」と題する2018年2月23日出願の米国仮特許出願第62/634,783号、整理番号MTI-0016-01-US、および「VARIABLE FIELD MAGNETIC COUPLERS AND METHODS FOR ENGAGING A FERROMAGNETIC WORKPIECE」と題する2018年4月27日出願の米国非仮特許出願第15/965,582号の利益を主張し、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本開示は、磁気結合器に関する。より具体的には、本開示は、切り換え可能な磁気結合器を含む可変場磁気結合器に関する。
【背景技術】
【0003】
強磁性ワークピースを結合して、第1の場所から第2の場所に強磁性ワークピースを輸送し、強磁性ワークピースを保持し、および/または強磁性ワークピースを持ち上げるために使用される磁気結合器が知られている。例示的な磁気結合器は、磁場を生成および分路するために、1つ以上の固定永久磁石(複数可)に対して回転可能である1つ以上の永久磁石(複数可)を含み得る切り換え可能な磁気結合器である。切り換え可能な磁石結合器は、磁気結合器を「オン」状態と「オフ」状態との間で切り換えることにより、他の用途の中でもとりわけ、物体を持ち上げる動作、材料の取り扱い、材料の保持、物体を互いに磁気的にラッチまたは結合することなどのために、強磁性ワークピースに取り外し可能な方法で取り付けられ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、強磁性ワークピースを輸送するための磁気結合器に関する。
本開示の例示的な実施形態では、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスが提供される。ハウジングと、複数のポールシューであって、各ポールシューが、強磁性ワークピースに接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有する、複数のポールシューと、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、第2の永久磁石に動作可能に結合されて、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラと、を備える、磁気結合デバイス。(a)第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第1の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する、第1の状態であって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、第1の状態、(b)第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第2の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する、第2の状態であって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の第2のレベルが、磁束の第1のレベルよりも大きい
、第2の状態、ならびに(c)第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第3の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供する、第3の状態であって、磁束の第3のレベルが、磁束の第1のレベルおよび磁束の第2のレベルの各々よりも大きい、第3の状態の少なくとも各々に、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を位置付けるように、アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラ。
【0005】
その一実施例では、磁気結合デバイスは、ハウジングによって支持された感知システムをさらに備える。複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する少なくとも1つのセンサーを含む、感知システム。
【0006】
その実施例の変形では、アクチュエータが、ステッピングモーターであり、少なくとも1つのセンサーが、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の位置を制御するステッピングモーターの出力の位置を監視することによって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する。
【0007】
その実施例の別の変形では、磁気結合デバイスは、電子コントローラによってアクセス可能なメモリをさらに備え、アクチュエータが、モーターであり、少なくとも1つのセンサーが、モーターの電流の引き込みを監視する。電子コントローラが、モーターの電流の引き込みを監視すること、および少なくとも1つの格納された参照値と電流の引き込みを比較することによって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを判定する。
【0008】
その実施例のさらなる変形では、磁気結合デバイスは、電子コントローラによってアクセス可能なメモリをさらに備え、少なくとも1つのセンサーの第1のセンサー値が、第1の状態、第2の状態、および第3の状態のうちの少なくとも1つについてメモリ上に格納されている。その改良では、第1のセンサー値は、第2の状態に対応する。その別の改良では、第1のセンサー値が、第1の状態に対応し、第2の状態に対応する第2のセンサー値が、メモリ上に格納されており、第3の状態に対応する第3のセンサー値が、メモリ上に格納されている。そのさらに別の改良では、電子コントローラが、第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第4の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルを提供する、第4の状態に、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を位置付けるように、アクチュエータを作動させるロジックを含み、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の第4のレベルが、磁束の第1のレベルよりも大きく、磁束の第3のレベルよりも小さく、かつ磁束の第2のレベルよりも大きいレベルおよび磁束の第2のレベルよりも小さいレベルの一方である。
【0009】
さらにその実施例のさらなる変形では、少なくとも1つのセンサーが、第2の永久磁石の回転位置を監視することによって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する。
【0010】
またさらにその実施例のさらなる変形では、少なくとも1つのセンサーが、複数のポールシューの第1のポールシューに関連する第1の漏れ磁束を第1の磁束センサーで監視することによって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する。その改良では、少なくとも1つのセンサーが、複数のポールシューの第2のポールシューに関連する第2の漏れ磁束を第2の磁束センサーでさらに監視することによって、複数のポールシューのワークピース接触インタ
ーフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する。そのさらなる改良では、磁気結合デバイスは、電子コントローラによってアクセス可能なメモリをさらに備え、第1のセンサーの第1のセンサー値が、第1の状態、第2の状態、および第3の状態のうちの少なくとも1つについてメモリ上に格納されている。そのよりさらなる改良では、第1のセンサー値は、第2の状態に対応する。その別の改良では、第1のセンサー値が、第1の状態に対応し、第2の状態に対応する第2のセンサー値が、メモリ上に格納されており、第3の状態に対応する第3のセンサー値が、メモリ上に格納されている。そのまたさらに別の改良では、電子コントローラが、第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第4の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルを提供する、第4の状態に、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を位置付けるように、アクチュエータを作動させるロジックを含み、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の第4のレベルが、磁束の第1のレベルよりも大きく、磁束の第3のレベルよりも小さく、かつ磁束の第2のレベルよりも大きいレベルおよび磁束の第2のレベルよりも小さいレベルの一方である。
【0011】
その別の実施例では、第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の位置を変更するように、第2の永久磁石に交差する軸の周りで第1の永久磁石に対して回転可能である。
【0012】
そのさらなる実施例では、第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の位置を変更するように、第2の永久磁石に交差しない軸の周りで第1の永久磁石に対して回転可能である。
【0013】
そのさらなる実施例の変形では、磁気結合デバイスは、ハウジングによって支持された第1のプラッタと、ハウジングによって支持された第2のプラッタと、をさらに備え、第2のプラッタが、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の位置を変更するように、第1のプラッタに対して移動可能である。第1の永久磁石を含む第1の複数の離間した永久磁石であって、第1の複数の離間した永久磁石の各々がN極側と、S極側と、を有する、第1の複数の離間した永久磁石と、第1の複数の永久磁石の隣接した永久磁石の間に介在している第1の複数の極部であって、第1の複数の永久磁石が、第1の複数の極部の各極部が第1の複数の永久磁石の2つの永久磁石のN極側に隣接しているN極部、および第1の複数の永久磁石の2つの永久磁石のS極側に隣接しているS極部のうちの1つであるように配置されている、第1の複数の極部と、を備える、第1のプラッタ。第2の永久磁石を含む第2の複数の離間した永久磁石であって、第2の複数の離間した永久磁石の各々がN極側と、S極側と、を有する、第2の複数の離間した永久磁石と、第2の複数の永久磁石の隣接した永久磁石の間に介在している第2の複数の極部であって、第2の複数の永久磁石が、第1の複数の極部の各極部が第2の複数の永久磁石の2つの永久磁石のN極側に隣接しているN極部、および第2の複数の永久磁石の2つの永久磁石のS極側に隣接しているS極部のうちの1つであるように配置されている、第2の複数の極部と、を備える、第2のプラッタ。
【0014】
そのよりさらなる実施例では、第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の位置を変更するように、第1の永久磁石に対して並進可能である。
【0015】
またさらにそのさらなる実施例では、第1の状態、第2の状態、および第3の状態のうちの少なくとも1つが、磁気結合デバイスの部分的にオン状態である。
【0016】
そのよりさらなる実施例では、第1の状態、第2の状態、および第3の状態のうちの少
なくとも2つが各々、磁気結合デバイスの対応する部分的にオン状態である。
【0017】
またさらにそのさらなる実施例では、第1の状態、第2の状態、および第3の状態の各々が各々、磁気結合デバイスの対応する部分的にオン状態である。
【0018】
そのさらにまた別の実施例では、複数のポールシューの各々は、ハウジングの下方側の下方に延在する。
【0019】
本開示のさらなる例示的な実施形態では、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスが提供される。下方側を有するハウジングと、ハウジングの下方側の下方に延在する複数のポールシューであって、各ポールシューが、強磁性ワークピースに接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有する、複数のポールシューと、ハウジングによって支持されており、かつ磁束の概ね一定のレベルを提供するアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、第1の永久磁石の周りに位置付けられたコイルと、(a)電流の第1のレベルがコイルに提供される第1の状態であって、コイルおよび第1の永久磁石が、電流の第1のレベルおよび第1の永久磁石に基づいて複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供し、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、第1の状態、(b)電流の第2のレベルがコイルに提供される第2の状態であって、コイルおよび第1の永久磁石が、電流の第2のレベルおよび第1の永久磁石に基づいて複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供し、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の第2のレベルが、磁束の第1のレベルよりも大きい、第2の状態、ならびに(c)電流の第3のレベルがコイルに提供される第3の状態であって、コイルおよび第1の永久磁石が、電流の第3のレベルおよび第1の永久磁石に基づいて複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供し、磁束の第3のレベルが、磁束の第1のレベルおよび磁束の第2のレベルの各々よりも大きい、第3の状態の各々を提供するように、コイルに供給される電流のレベルを制御するロジックを含む、電子コントローラと、を備える、磁気結合デバイス。
【0020】
その実施例では、磁気結合デバイスは、ハウジングによって支持された感知システムをさらに備える。複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する少なくとも1つのセンサーを含む、感知システム。
【0021】
その実施例の変形では、少なくとも1つのセンサーが、コイルに提供される電流のレベルを監視する電気的な電流センサーである。
【0022】
その実施例の別の変形では、電流が、第1の状態では第1の方向に、第3の状態では第2の方向に、コイルを通過する。その改良では、電流の第3のレベルが、電流の第2のレベルよりも小さい。
【0023】
さらに別の実施例では、アクチュエータが、流体アクチュエータであり、少なくとも1つのセンサーが、流体アクチュエータの動作流体の流体特性を監視することによって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視し、動作流体が、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の位置を制御する。
【0024】
またさらに別の実施例では、アクチュエータが、流体アクチュエータであり、少なくとも1つのセンサーが、流体アクチュエータの出力の位置を監視する。
【0025】
本開示のまたさらなる例示的な実施形態での、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイス。ハウジングと、複数のポールシューであって、各ポールシューが、強磁性ワークピースに接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有する、複数のポールシューと、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、第2の永久磁石に動作可能に結合されて、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラであって、第1の永久磁石に対して複数の別個の配向に第2の永久磁石を位置付けるように、アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラと、ハウジングによって支持されたブレーキであって、ブレーキが第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を保持する係合状態と、ブレーキが第1の永久磁石に対して第2の永久磁石の回転を可能にする非係合状態と、を有する、ブレーキと、を備える、磁気結合デバイス。
【0026】
その実施例では、電子コントローラが、ブレーキに動作可能に結合されている。第2の永久磁石が第1の永久磁石に対して複数の別個の配向のうちの1つにあるときにブレーキに係合する、電子コントローラのロジック。
【0027】
その実施例の変形では、第1の永久磁石に対する第2の永久磁石の第1の配向が、磁気結合デバイスの第1の状態に対応して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供し、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分であり、第1の永久磁石に対する第2の永久磁石の第2の配向が、磁気結合デバイスの第2の状態に対応して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供し、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の第2のレベルが、磁束の第1のレベルよりも大きく、第1の永久磁石に対する第2の永久磁石の第3の配向が、磁気結合デバイスの第3の状態に対応して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供し、磁束の第3のレベルが、磁束の第1のレベルおよび磁束の第2のレベルの各々よりも大きい。
【0028】
本開示のよりさらなる例示的な実施形態では、強磁性ワークピースを持ち上げるための持ち上げ装置が提供される。支持体構造と、支持体構造に動作可能に結合された、本明細書で言及される実施形態、実施例、変形、および改良のいずれか1つに記載の磁気結合デバイスと、を備える、持ち上げ装置。
【0029】
その実施例では、支持体構造が、複数の可動アームセグメントを有するロボットアームを含み、磁気結合デバイスが、ロボットアームの端に結合されている。
【0030】
その別の実施例では、支持体構造が、機械的ガントリーを含み、磁気結合デバイスが、機械的ガントリーから吊り下げられている。
【0031】
そのさらに別の実施例では、支持体構造が、クレーンホイストを含み、磁気結合デバイ
スが、クレーンホイストから吊り下げられている。
【0032】
本開示のよりさらなる例示的な実施形態では、強磁性ワークピースを保持するための固定具が提供される。フレームと、強磁性ワークピースの下方側を支持するように位置付けられた少なくとも1つの磁気結合デバイスと、を備える、固定具。第1の側を有するハウジングと、ハウジングの第1の側から延在する複数のポールシューであって、各ポールシューが、強磁性ワークピースに接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有する、複数のポールシューと、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、第2の永久磁石に動作可能に結合されて、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラと、を備える、各磁気結合デバイス。(a)第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第1の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する、第1の状態であって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを保持するのに不十分である、第1の状態、(b)第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して第2の位置を有して、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する、第2の状態であって、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルが、支持体に対して強磁性ワークピースを保持するのに十分であり、磁束の第2のレベルが、磁束の第1のレベルよりも大きい、第2の状態の少なくとも各々に、第1の永久磁石に対して第2の永久磁石を位置付けるように、アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラ。
【0033】
その実施例では、少なくとも1つの磁気結合デバイスが、複数の磁気結合デバイスを含み、複数の磁気結合デバイスの各々が、強磁性ワークピースの対応する輪郭と一致する形状であるワークピース接触インターフェースを備える、関連するポールシューを有する。
【0034】
その実施例の変形では、複数の磁気結合デバイスが、離間している。
本開示のよりさらなる例示的な実施形態では、磁気結合デバイスで、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースを移動させる方法が提供される。強磁性ワークピースを磁気結合デバイスの複数のポールシューに接触させるステップであって、複数のポールシューの各々が、強磁性ワークピースに接触するワークピース接触インターフェースを有し、磁気結合デバイスが、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、ステップと、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを有する第1の状態から、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを有する第2の状態に、磁気結合デバイスを移行させるステップであって、第2のレベルが、第1のレベルよりも大きい、ステップと、磁気結合デバイスが第2の状態にある間に、第1の位置から第2の位置に磁気結合デバイスで支持体に対して強磁性ワークピースを移動させるステップと、第2の状態から、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを有する第3の状態に、磁気結合デバイスを移行させるステップであって、第3のレベルが、第2のレベルよりも大きい、ステップと、磁気結合デバイスが第3の状態にある間に、第2の位置から第3の位置に磁気結合デバイスで強磁性ワークピースを移動させるステップと、磁気結合デバイスから強磁性ワークピースを切り離すステップと、を含む、方法。
【0035】
またさらに本開示のさらなる例示的な実施形態では、磁気結合デバイスで、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースを移動させる方法が提供される。複数のポールシューを有する磁気結合デバイスで移動される強磁性ワークピースの識別を受信するステップであって、複数のポールシューの各々が、強磁性ワークピースに接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有し、磁気結合デバイスが、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、ステップと、識別された強磁性ワークピースに対応する磁気結合デバイスの少なくとも1つの状態を判定するステップであって、少なくとも1つの状態が、磁気結合デバイスの複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有する、ステップと、識別された強磁性ワークピースを磁気結合デバイスの複数のポールシューのワークピース接触インターフェースに接触させるステップと、少なくとも3つの状態に磁気結合デバイスを順次構成する間に、最初の位置から最終の位置に磁気結合デバイスで支持体に対して識別された強磁性ワークピースを移動させるステップであって、3つの状態の各々が、磁気結合デバイスの複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有し、少なくとも3つの状態が、識別された強磁性ワークピースに対応する磁気結合デバイスの少なくとも1つの状態を含む、ステップと、磁気結合デバイスから識別された強磁性ワークピースを切り離すステップと、を含む、方法。
【0036】
他の態様ならびに任意のおよび/または好ましい実施形態は、添付の図面を参照して以下で提供される以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】複数の強磁性ワークピースのスタックの上部に位置付けられた例示的なオフ状態の例示的な切り換え可能な磁気結合器デバイスの正面の代表図を示す。
【
図2】
図1の例示的なオフ状態についての
図1の磁気結合器デバイスの永久磁石の相対的な配向の斜視図を示す。
【
図3】
図1で図示された強磁性ワークピースのスタックの上部に位置付けられた例示的なオン状態の
図1の例示的な切り換え可能な磁気結合器デバイスの正面の代表図を示す。
【
図4】
図3の例示的なオン状態についての
図1の磁気結合器デバイスの永久磁石の相対的な配向の斜視図を示す。
【
図5】
図1で図示された強磁性ワークピースのスタックの複数のシートと共に上向きに移動されている
図3の例示的なオン状態の
図1の磁気結合器デバイスを示す。
【
図6】例示的な部分的にオン状態の
図1の例示的な切り換え可能な磁気結合器デバイスの正面の代表図を示す。
【
図7】
図6の例示的な部分的にオン状態についての
図1の磁気結合器デバイスの永久磁石の相対的な配向の斜視図を示す。
【
図8】
図1で図示された強磁性ワークピースのスタックの上部シートと共に上向きに移動されている
図6の例示的な部分的にオン状態の
図1の磁気結合器デバイスを示す。
【
図9】上向きに移動されて、
図6の例示的な部分的にオン状態から
図3の例示的なオン状態に移行されている、
図8の磁気結合器デバイスを示す。
【
図10】磁気結合器デバイスがアクチュエータのための電気モーターと第1の例示的な感知システムとを含む
図9の配置を示す。
【
図11】磁気結合器デバイスが第2の例示的な感知システムを含む
図9の配置を示す。
【
図12】磁気結合器デバイスが第3の例示的な感知システムを含む
図9の配置を示す。
【
図13】
図1の磁気結合デバイスのハウジングの凹部に受容された、
図1の磁気結合デバイスの
図1のオフ状態にある回転可能な永久磁石によって搬送されるピンを示す。
【
図14】回転可能な永久磁石が
図6の部分的な状態にあり、ブロッカーが回転可能な永久磁石の回転位置を保持するように位置付けられている、
図13のシステムを示す。
【
図16】例示的な磁気結合デバイスおよびセンサー配置の分解斜視図を示す。
【
図17】複数の永久磁石と極部とを有する例示的なプラッタの分解斜視図を示す。
【
図19】
図17のプラッタの2つのインスタンスの斜視図を示す。
【
図19A】ワークピースに結合された、オン状態に配置されている
図19のプラッタの部分断面図である。
【
図19B】ワークピースに結合された、オフ状態に配置されている
図19のプラッタの部分断面図である。
【
図20】リニアアレイで配置された複数の永久磁石および極部を各々含む上方アセンブリおよび下方アセンブリを有し、オン状態にある、例示的な磁気結合デバイスの概略図を示す。
【
図21】部分的にオン状態の
図20の磁気結合デバイスを示す。
【
図23】永久磁石と電気コイルとを含む別の例示的な磁気結合デバイスの分解斜視図を示す。
【
図24】
図23の例示的な磁気結合デバイスの組み立てられた図を示す。
【
図24A】例示的な磁気結合デバイスの例示的な構成を示す。
【
図24B】例示的な磁気結合デバイスの例示的な構成を示す。
【
図24C】例示的な磁気結合デバイスの例示的な構成を示す。
【
図25】そこに取り付けられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含む支持体構造を示す。
【
図25A】アーム結合器の端として取り付けられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含むロボットシステムを示す。
【
図25B】そこから吊り下げられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含む機械的ガントリーを示す。
【
図25C】そこから吊り下げられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含むクレーンホイストを示す。
【
図26】例示的な磁気結合デバイスの電子コントローラのメモリ上に格納された状態データ情報の例示的な収集を示す。
【
図27】例示的な磁気結合デバイスの電子コントローラのメモリ上に格納された状態についての例示的なデータ記録を示す。
【
図28】例示的な磁気結合デバイスの電子コントローラのメモリ上に格納された強磁性ワークピースおよび対応する状態についての例示的なデータ記録を示す。
【
図32A】
図1の磁気結合デバイスについての係合状態での例示的なブレーキを示す。
【
図33】例示的な流体、空気圧、または液圧アクチュエータシステムの代表図を示す。
【
図34】磁気結合デバイスの動作状態を判定するためのセンサーおよびコントローラを含む例示的なリニアアレイ磁気結合デバイスの斜視図を示す。
【
図35】
図34のリニアアレイ磁気結合デバイスの底面図を示す。
【
図36】磁気結合デバイスの動作状態を判定するセンサーおよびコントローラを含む例示的な円形アレイ磁気結合デバイスの斜視図を示す。
【
図37】
図36の円形アレイ磁気結合デバイスの底面図を示す。
【0038】
開示された主題は、様々な修正および代替の形態を受け入れるが、特定の実施形態が、図面で例として示されており、以下で詳細に記載される。しかしながら、その意図は、記載された特定の実施形態に開示を限定することではない。それどころか、本開示は、本開示の範囲内にあるすべての修正、等価物、および代替物を包含することを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書で提供される実施形態は、切り換え可能な磁気デバイスに関する。例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、「SWITCHABLE PERMANENT MAGNETIC DEVICE」と題する米国特許第7,012,495号、「MODULAR
PERMANENT MAGNET CHUCK」と題する米国特許第7,161,451号、「MAGNET ARRAYS」と題する米国特許第8,878,639号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、ドイツ実用新案第DE2020/16006696U1号、「MAGNETIC COUPLING
DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-E、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH AT LEAST ONE OF A SENSOR ARRANGEMENT AND A DEGAUSS CAPABILITY」と題する2018年4月27日出願の米国特許出願第15/964,884号、整理番号MTI-0013-02-USで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0040】
図1~
図13で、本明細書で図示された実施例は、参照により本明細書に明確に組み込まれる‘495特許の例示的な切り換え可能な磁気デバイスと同様に、第1の永久磁石と、第1の永久磁石に対して移動可能な第2の永久磁石とを有する例示的な切り換え可能な磁気デバイスを提供する。永久磁石は各々、NdFeBまたはSmCoなどの1つのタイプのレアアース磁石材料の円筒形の単一双極体であり得る。さらなるタイプの切り換え可能な磁気デバイスが実装され得る。各タイプの切り換え可能な磁気デバイスは、第2の永久磁石に対して移動可能である少なくとも第1の永久磁石を含む。
【0041】
さらに、例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、第2の複数の永久磁石に対して移動可能な第1の複数の永久磁石を含み得る。実施例が
図17~
図19で提供される。例示的なシステムは、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、ドイツ実用新案第DE2020/16006696U1号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-E、米国特許第7,161,451および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH AT LEAST ONE OF A SENSOR ARRANGEMENT AND A DEGAUSS CAPABILITY」と題する2018年4月27日出願の米国特許出願第(不明)、整理番号MTI-0013-02-USで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0042】
さらに、例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、少なくとも第1の永久磁石の極延長
部として機能する第1のハウジング内に位置付けられた少なくとも第1の永久磁石を含み得、第1のハウジングは、第2のハウジング内に位置付けられた少なくとも第2の永久磁石を有する第2のハウジングに対して移動可能であり、第2のハウジングは、少なくとも第2の永久磁石の極延長部として機能する。
【0043】
図1を参照すると、例示的な磁気結合デバイス10が示されている。磁気結合デバイス10は、ハウジング28でスタック関係に位置付けられた上方永久磁石12および下方永久磁石14を含む磁束源15を含む例示的な切り換え可能な磁気デバイスである。永久磁石12は、s-極部(S-極部)18と、n-極部(N-極部)20と、を備える。同様に、永久磁石14は、N-極部22と、S-極部24と、を備える。ハウジング28は、ハウジングを形成するように共に組み立てられる複数の構成要素を含み得る。さらに、ハウジング28は、永久磁石12を永久磁石14から離間するように維持するための特徴、または永久磁石14に対して離間した関係に永久磁石12を維持する図示された実施形態でのスペーサ13などのスペーサを組み込むための特徴を含み得る。スペーサ13は、永久磁石14から永久磁石12を分離するように非磁性材料で作られている。
【0044】
永久磁石12および永久磁石14の各々が、1つの磁石として示されているが、切り換え可能な磁石デバイスは、永久磁石12の機能性を提供する複数の永久磁石と、永久磁石14の機能性を提供する複数の永久磁石と、を含み得る。さらに、永久磁石12(または永久磁石12の機能性を提供する複数の磁石)および永久磁石14(または永久磁石14の機能性を提供する複数の磁石)は、それぞれの磁石についての極延長部として機能するそれぞれのハウジング内に位置付けられ得る。さらに、実施形態では、永久磁石12、14は、2つを超える極を含み得る。4重極磁石と2つを超える極を有する他の磁石とを含む実施例。
【0045】
ポールシュー16’、16’’は、ハウジング28に取り外し可能に結合されて例示的に示されている。実施形態では、ポールシュー16’、16’’は、ハウジング28の一部として一体的に形成されている。ポールシュー16’、16’’は、強磁性材料で作られており、ハウジング28の一部を通して永久磁石12、14に磁気的に結合されている。ポールシュー16’、16’’の各々の下方部は、ワークピース27、例示的には、強磁性材料のシート27’、27’’および27’’のスタックの強磁性材料の上部シート27’と接触状態にされ得るワークピース接触インターフェース17’、17’’を含む。
【0046】
ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’は、ポールシュー16’、16’’およびハウジング28を通して磁石12、14と協働して、磁石12、14の第1および第2の極を形成している。一実施例では、1つの単一ポールシューが、ポールシュー16’、16’’の各々を形成している。別の実施例では、複数のポールシューが、ポールシュー16’、16’’の各々を形成している。さらなるポールシューの配置は、「MAGNETIC LIFTING DEVICE HAVING POLE SHOES WITH SPACED APART PROJECTIONS」と題する2018年1月29日出願の米国仮特許出願第62/623,407号、整理番号MTI-0015-01-USで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。ポールシュー16’、16’’は、ハウジング28の下方表面を越えて延在して、ハウジング28とワークピース27との間にエアギャップ60を提供する。
【0047】
実施形態では、永久磁石14は、ハウジング28に対して固定されており、永久磁石12は、永久磁石14の磁石部22、24に対して永久磁石12の磁石部18、20の配列を変更するために、永久磁石14に対してハウジング28内で移動可能である。図示され
た実施形態では、永久磁石12は、永久磁石14に対して回転可能である。永久磁石12、14が、鉛直軸55の周りで回転可能な永久磁石12と鉛直にスタックされて示されているが、他の実施形態では、永久磁石12、14は、鉛直にスタックされており、永久磁石12は、水平軸の周りで回転可能である。永久磁石12、14のさらなるレイアウトが考慮される。
【0048】
永久磁石12、14の構成に基づく切り換え可能な磁気結合デバイス10は、複数の磁気回路を確立する。具体的には、切り換え可能な磁気デバイス10は、少なくとも3つの状態に構成され得、その各々が、対応する磁気回路特性を有する。本明細書でより詳細に説明されるように、切り換え可能な磁気デバイス10は、長期間、少なくとも3つの状態の各々に永久磁石12、14の構成を維持することができる。一実施例では、磁気結合デバイス10の現在の状態は、異なる状態が要求されるまで維持されている。
【0049】
オフ状態と本明細書で呼ばれる第1の状態では、永久磁石12は、永久磁石14に対して第1の位置を有して、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する。オフ状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルは、磁気結合デバイス10で強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である。
【0050】
図1および
図2を参照すると、磁気結合デバイス10の永久磁石12、14は、オフ状態に配置されている。オフ状態では、永久磁石12のS-極部18が永久磁石14のN-極部22に隣接し、永久磁石12のN-極部20が永久磁石14のS-極部24に隣接するように(
図2で示されている)、永久磁石12は、永久磁石14に対して回転される。永久磁石12、14は各々、実質的に、それぞれのS-極部18、24からそれぞれのN-極部20、22を分割する鉛直面に垂直な磁化軸MAを有する双極子として機能する。
図2で示されている配置では、永久磁石12の磁化軸MAが永久磁石14の磁化軸MAと平行になるように、永久磁石12のS-極部18は、永久磁石14のN-極部22と配列されており、永久磁石12のN-極部20は、永久磁石14のS-極部24と配列されている。
【0051】
オフ状態では、永久磁石12、14の磁束の大部分は、永久磁石12、14の間の第1の磁気回路の一部としてハウジング28に残り、
図1で示されているように、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17、17’で、強磁性ワークピース27を通過するのに利用可能でない。いくつかの実施形態では、永久磁石12、14の磁束の一部が、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で、強磁性ワークピース27を通過するのに利用可能であることが考慮されるが、好ましいことではない。一実施例では、永久磁石12、14によって生成される磁束の4%のパーセントまでが、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で、オフ状態で強磁性ワークピース27を通過するのに利用可能である。別の実施例では、永久磁石12、14によって生成される磁束の1%のパーセントまでが、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で、オフ状態で強磁性ワークピース27を通過するのに利用可能である。
【0052】
オン状態と本明細書で呼ばれる第2の状態では、永久磁石12は、永久磁石14に対して第2の位置を有して、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する。オン状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルは、オフ状態の第
1のレベルよりも高く、磁気結合デバイス10で強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。
【0053】
図3および
図4を参照すると、磁気結合デバイス10の永久磁石12、14は、オン状態に配置されている。オン状態では、永久磁石12のS-極部18が永久磁石14のS-極部24に隣接し、永久磁石12のN-極部20が永久磁石14のN-極部22に隣接するように(
図4で示されている)、永久磁石12は、永久磁石14に対して回転される。
図4で示されている配置では、永久磁石12の磁化軸MAが永久磁石14の磁化軸MAと平行になるように、永久磁石12のS-極部18は、永久磁石14のS-極部24と配列されており、永久磁石12のN-極部20は、永久磁石14のN-極部22と配列されている。
【0054】
オン状態では、永久磁石12、14の磁束の大部分は、
図3で示されているように、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で、強磁性ワークピース27を通過するのに利用可能である。オン状態では、鉄または鋼などの強磁性材料で作られている1つ以上のワークピース27は、上方および下方磁石12、14のそれぞれの、配列されたまたは実質的に配列されたN-極部20、22から、ハウジング28およびポールシュー16’を通り、1つ以上のワークピースシート27を通り、ポールシュー16’’およびハウジング28を通り、上方および下方磁石12、14のそれぞれの、配列されたまたは実質的に配列されたS-極部18、24に磁気回路が完成することにより、切り換え可能な磁気デバイス10によって保持される。ポールシュー16’のワークピース接触インターフェース17’は、切り換え可能な磁気デバイス10のN極として機能する。ポールシュー16’’のワークピース接触インターフェース17’’は、切り換え可能な磁気デバイス10のS極として機能する。
【0055】
部分的にオン状態と本明細書で呼ばれる第3の状態では、永久磁石12は、永久磁石14に対して第3の位置を有して、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供する。部分的にオン状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルは、オフ状態の第1のレベルよりも高く、オン状態の第2のレベルよりも低く、磁気結合デバイス10で強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。実施形態では、磁気結合デバイス10は、複数の部分的にオン状態に置かれ得る。
【0056】
図6および
図7を参照すると、磁気結合デバイス10の永久磁石12、14は、部分的にオン状態に配置されている。部分的にオン状態では、永久磁石12の磁化軸MAが永久磁石14の磁化軸MAに対して角度が付くように、永久磁石12は、永久磁石14に対して回転される。第1の部分的にオン状態では、永久磁石12のS-極部18は、永久磁石14のS-極部24に隣接しており、永久磁石12のN-極部20は、永久磁石14のN-極部22に隣接している(
図4で示されている)。第2の部分的にオン状態では、永久磁石12のS-極部18は、永久磁石14のN-極部22に隣接しており、永久磁石12のN-極部20は、永久磁石14のS-極部24に隣接している。一実施例では、部分的にオン状態では、永久磁石12の磁化軸MAは、永久磁石14の磁化軸MAに対して(永久磁石14のS-極部24と配列されている永久磁石12のS-極部18に対して)0.5°から約179.5°まで角度が付いている。別の実施例では、部分的にオン状態では、永久磁石12の磁化軸MAは、永久磁石14の磁化軸MAに対して(永久磁石14のS-極部24と配列されている永久磁石12のS-極部18に対して)5°から約175°まで角度が付いている。さらなる実施例では、部分的にオン状態では、永久磁石12の磁化軸MAは、永久磁石14の磁化軸MAに対して(永久磁石14のS-極部24と配列されている永久磁石12のS-極部18に対して)15°から約165°まで角度が付いて
いる。
【0057】
部分的にオン状態の各々では、永久磁石12、14の磁束の一部は、
図3で示されているように、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で、強磁性ワークピース27を通過するのに利用可能であり、永久磁石12、14の磁束の一部は、永久磁石12、14の磁化軸が、角度が付いているという性質によりハウジングに残る。部分的にオン状態の各々では、鉄または鋼などの強磁性材料で作られている1つ以上のワークピース27は、上方および下方磁石12、14のそれぞれの角度が付いたN-極部20、22から、ハウジング28およびポールシュー16’を通り、1つ以上のワークピースシート27を通り、ポールシュー16’’およびハウジング28を通り、上方および下方磁石12、14のそれぞれの角度が付いたS-極部18、24に磁気回路が完成することにより、切り換え可能な磁気デバイス10によって保持され得る。ポールシュー16’のワークピース接触インターフェース17’は、切り換え可能な磁気デバイス10のN極として機能する。ポールシュー16’’のワークピース接触インターフェース17’’は、切り換え可能な磁気デバイス10のS極として機能する。
【0058】
本明細書でより詳細に説明されるように、少なくとも3つの状態に磁気切り換えデバイス10を位置付けて維持することができることによって、スタックに配置された強磁性ワークピースをディスタックするために磁気結合デバイス10を構成する能力が向上し、複数の異なるタイプの強磁性ワークピースのために磁気結合デバイス10を使用する能力が向上する。
【0059】
実施例として、
図3で示されているオン状態では、磁気結合デバイス10は、上部シート27’の容量を飽和させる以上に、したがって上部シートから2番目27’’内に下に延在する磁束のレベルをワークピースシート27が利用可能な状態にする。
図5で示されているように、磁気結合デバイス10がオン状態で方向33に上げられた場合、上部シート27’およびシート27’’の両方が、方向33に磁気結合デバイス10と共に上げられる。したがって、磁気デバイス10は、シート27のスタックの残りの部分からシート27’をディスタックしなかった。しかしながら、
図6で示されている部分的にオン状態に磁気結合デバイス10を構成することによって、磁気結合デバイス10は、上部シート27’を持ち上げるのに十分な保持力で上部シート27’を磁気結合デバイス10に保持するが、2番目のシート27’’を持ち上げるのに十分な保持力で上部シートから2番目27’’を磁気結合デバイス10に保持しない磁束のレベルをワークピースシート27が利用可能な状態にする。したがって、
図8で示されているように、磁気結合デバイス10が
図6の部分的にオン状態で方向33に上げられた場合、上部シート27’のみが、方向33に磁気結合デバイス10と共に上げられる。
図6は、磁束が上部シート27’に限定されることを示しているが、いくつかの実施形態では、磁気結合デバイス10によってワークピースシート27に提供される磁束の一部は、ワークピースシート27のシート27’’に入り得るが、シート27’’が磁気結合デバイス10によってワークピースシート27’と共に持ち上げられることになるレベルまで入らなくてもよい。
【0060】
方向33に上げられると、磁気結合デバイス10は、
図9で図示されているように、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’が、前に開示された
図6の部分的にオン状態と
図3のオン状態との間で、磁気結合デバイス10とシート27’との間の保持力を増加させるのに利用可能な磁束のレベルを有する、オン状態またはさらなる部分的にオン状態に構成され得る。例えば、
図6でのポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’が利用可能な磁束のレベルは、ワークピース27のスタックの残りの部分から強磁性ワークピース27’をディスタックするのに十分であり、分離されると、
図6でのポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’が利用可能な磁束のレベルは
、ワークピース27’の最大磁束飽和容量によって制限される必要な速度でワークピースを移動させるレベルまで増加する。一実施例では、本明細書で言及されるように、磁気結合デバイス10は、ロボットシステム700のアーム端ツールであり、必要な速度は、それが姿勢間で移動するときのロボットシステム700のロボットアーム704の速度である(
図25Aを参照)。
【0061】
図1に戻って、磁気結合デバイス10は、係合部30と、アクチュエータ32と、を含む。係合部30は、アクチュエータ32が永久磁石14に対して永久磁石12を再配向し得るようにアクチュエータ32を永久磁石12に結合している。例示的な係合部30は、永久磁石12および/もしくはハウジング支持永久磁石12での1つ以上の凹部、永久磁石12および/もしくはハウジング支持永久磁石12から延在する1つ以上の突出部、ならびに/または永久磁石12および/もしくは永久磁石12に結合されたハウジングに結合された1つ以上のリンク機構もしくはギアシステムを含む。例示的なアクチュエータは、ロータリーアクチュエータと、リニアアクチュエータと、を含み、その各々は、係合部30を通して永久磁石14に対して永久磁石12を再配向する。
【0062】
例示的な係合部およびアクチュエータは、「SWITCHABLE PERMANENT MAGNETIC DEVICE」と題する米国特許第7,012,495号、「MODULAR PERMANENT MAGNET CHUCK」と題する米国特許第7,161,451号、「MAGNET ARRAYS」と題する米国特許第8,878,639号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、ドイツ実用新案第DE2020/16006696U1号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-E、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH AT LEAST ONE OF A SENSOR ARRANGEMENT AND A DEGAUSS CAPABILITY」と題する2018年4月27日出願の米国特許出願第(不明)、整理番号MTI-0013-02-USで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0063】
実施形態では、アクチュエータ32は、電気モーター、空気圧駆動システム、液圧駆動システム、または永久磁石14に対して永久磁石12を再配向するのに好適な他のシステムであり得る。実施形態では、アクチュエータ32は、それぞれのアクチュエータ32の動作、したがって、係合部30を通した、永久磁石14に対する永久磁石12の配列を制御する、コントローラ34に結合されている。実施形態では、コントローラ34は、それぞれのアクチュエータ32の動作を制御する電子コントローラである。
【0064】
図1で図示されているように、電子コントローラ34は、関連するコンピュータ可読媒体、例示的にはメモリ38と共にプロセッサ36を含む。メモリ38は、プロセッサ36によって実行されるときに、磁気結合デバイス10が磁気結合デバイス10の複数の状態のうちの1つに置かれるように永久磁石12を移動させるように、電子コントローラ34に対してアクチュエータ32に命令させる磁気結合器状態ロジック40を含む。本明細書で使用されるような「ロジック」という用語は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、ハードワイヤードロジック、またはその組み合わせで実行する、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む。したがって、実施形態に従い、様々なロジックは、任意の適切な様式で実装され得、本明細書で開示される実施形態に従うものとなる。ロジック
を含む非一時的な機械可読媒体は、本明細書で記載される技術をプロセッサに実行させる適切なセットのコンピュータ命令およびデータ構造を含むソリッドステートメモリ、磁気ディスク、および光ディスクなどのコンピュータ可読キャリアの任意の有形の形態内で具体化されると、さらに考えられ得る。本開示は、磁気結合器状態ロジックがマイクロプロセッサベースではなくむしろ、メモリ38に格納された1つ以上のセットのハードワイヤード命令および/またはソフトウェア命令に基づいて、磁気結合デバイス10の動作を制御するように構成されている、他の実施形態を考慮する。さらに、電子コントローラ34は、1つのデバイス内に含まれ得るか、または本明細書で記載される機能性を提供するように共にネットワーク化された複数のデバイスであり得る。
【0065】
実施形態では、電子コントローラ34は、入力デバイス42から受信される入力信号に応答して、磁気結合デバイス10の状態を変更する。例示的な入力デバイスは、スイッチ、ボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン、検出器、コントローラ、および他のデバイスを含み、それによって、オペレータは、触覚、音声、または視覚入力コマンドのうちの1つを提供し得る。例えば、一実施形態では、磁気結合デバイス10は、ロボットアームのアームの端に結合されており、入力デバイス42は、コントローラ34が、磁気結合デバイス10の複数の状態のうちの1つに磁気結合デバイス10をいつ置くかについての命令をロボットコントローラから受信するネットワークインターフェースである。例示的なネットワークインターフェースは、有線ネットワーク接続と、アンテナ、光受信機もしくはトランシーバ、または他の好適な無線通信受信機もしくはトランシーバのうちの1つ以上を含む無線ネットワーク接続と、を含む。本明細書で論じられる実施形態は、電子、空気圧、または液圧の作動に関するが、代替の実施形態では、磁気結合デバイスのバージョンは、電子コントローラ34無しで提供され、手動で作動される。例示的な手動アクチュエータは、ハンドルと、ノブと、人間のオペレータによって作動可能な他のデバイスと、を含む。対照的に、磁気結合デバイス10の電子コントローラ34は、人間の介入無しで自動的にアクチュエータ32を制御することができる。したがって、電子コントローラ34は、ロジックのパラメータに基づいて自動的に一連の状態に磁気デバイス10を置くロジックを実行し得、状態のうちの少なくとも1つは、部分的にオン状態である。実施形態では、磁気結合デバイス状態ロジック40の機能性は、ロボットシステム700のコントローラ770または他のリモート処理デバイスによって実行される。
【0066】
磁気結合デバイス10は、1つ以上の出力デバイス44をさらに含む。例示的な出力デバイスは、視覚出力デバイスと、音声出力デバイスと、を含む。例示的な視覚出力デバイスは、ライト、ディスプレイスクリーン、および他のタイプの視覚インジケータ、または通信デバイスを含む。例示的な音声出力デバイスは、スピーカーと、他のタイプの音声インジケータデバイスと、を含む。
【0067】
図10~
図12を参照すると、磁気結合デバイス10の例示的なセンサーシステムが開示されている。
図10を参照すると、アクチュエータ32は、電気モーター58である。電気モーター58の特性を監視する第1のセンサー60が提供される。電気モーター58は、その運動を調整するためのフィードバック電子機器を含み得る。一実施例では、DCモーターが、リミットスイッチまたはエンコーダ、および特定の運動範囲を通して永久磁石12を駆動するための比例積分微分コントローラと共に提供される。
【0068】
別の実施例では、ステッピングモーターが提供される。ステップを失うことなくユニットを作動させるのに十分な駆動トルクを有することを想定して、ステッピングモーターは、開ループで動作され得る。センサーは、ステッピングモーターの、シャフトまたはシャフトを受容するための開口部などの出力の角度位置、したがって、永久磁石12の位置を確立するのを助けるために提供され得る。例えば、センサー61は、ステッピングモーターを駆動するために使用されるパルスをカウントし、パルスの数に基づいて、ステッピン
グモーターのシャフトの角度位置を判定する。永久磁石12は、パルスの数をカウントすることによって、モーターが移動するステップによって、規定された位置まで永久磁石14に対して移動される。別の実施例では、エンコーダをステッピングと一体化して、適切な作動角度が維持されることを確認するステッピングモーターが提供される。
【0069】
例示的な空気圧ロータリーアクチュエータは、回転羽根を備えるセミロータリーアクチュエータ、またはラックアンドピニオンによって中央出力シャフトに結合された線形空気圧ピストンによって駆動されるセミロータリーアクチュエータである。
【0070】
図33を参照すると、例示的な流体、空気圧、または液圧のアクチュエータシステム360が図示されている。空気圧アクチュエータは、動作流体としてガスを使用する。液圧アクチュエータは、動作流体として液体を使用する。アクチュエータシステム360は、ハウジング362と、流体ライン368を通してAポート366および流体ライン372を通してBポート370と流体連通する内部パドル364とを有する流体アクチュエータを含む。従来の流体アクチュエータシステムは、流体ライン368を加圧し流体ライン372を排出して、パドル364を第1の限界位置まで回転させ、流体ライン372を加圧し流体ライン368を排出してパドル364を第2の限界位置まで回転させる。パドル364の回転は、係合部30に動作可能に結合された出力374に回転をもたらす。第1の限界位置は、磁石12のオン状態位置であり得、第2の限界位置は、磁石12のオフ状態位置であり得る。
【0071】
コントローラ34は、流体ライン378を通してAポート366と流体連通する加圧/排出システム376、および流体ライン382を通してBポート370と流体連通する加圧/排出システム380に結合されている。実施形態では、加圧/排出システム376および加圧/排出システム380は、1つのシステムである。加圧/排出システム376および加圧/排出システム380の各々は、動作流体をそれぞれのAポート366およびBポート370に供給するか、または動作流体をそれぞれのAポート366およびBポート370から排出し得る。
【0072】
コントローラ34は、加圧/排出システム376および加圧/排出システム380を通して、パドル364の各側で所望の圧力を確立して、パドル364の第1の限界位置と第2の限界位置との間の、所望の部分的にオン状態などの中間位置でパドル364を保持する。実施形態では、コントローラ34は、様々な所望の中間位置に対応する、圧力または他の好適な流体特性などの動作流体の所望の流体特性をメモリ38に格納する。さらに、コントローラ34は、センサー386、388を通して、パドル364の両側に関連する、圧力または他の好適な流体特性などの流体特性を監視する。実施形態では、コントローラ34は、動作流体の別の流体特性、流体ライン368、372を通る動作流体の流れをさらに監視する。実施形態では、動作流体の流体特性を監視する代わりに、および/またはそれに加えて、流体アクチュエータ360は、流体アクチュエータ362の出力374の回転位置を監視する。例えば、実施形態では、出力374は、出力シャフトであり、センサー384、例示的にはロータリーエンコーダセンサーシステムは、出力シャフトの回転位置を監視するために使用される。流体アクチュエータ362が液圧アクチュエータである一実施例では、動作流体の流れのボリュームは、コントローラ34によって監視される。流体アクチュエータ362が空気圧アクチュエータである別の実施例では、流体アクチュエータ362の出力374の回転位置は、コントローラ34によって監視される。
【0073】
別の実施形態では、第1のセンサー61は、電気モーター58の電流の引き込みを監視する電流センサーである。永久磁石14に対する永久磁石12の位置に基づいて、永久磁石14に対して永久磁石12を移動させるのに必要なトルクの変化により、電気モーター58によって引き込まれる電流の量が変化する。永久磁石12の位置の関数としてモータ
ー58によって引き込まれるモーター電流を測定することによって、永久磁石12の回転位置は、メモリ38上に格納された値の表またはメモリ38上に格納された関数との比較によって推測され得る。一実施例では、値の表は、磁気結合デバイス10のワークピースインターフェース17’、17’’がワークピース27に接触しているときの、永久磁石14に対する永久磁石12の位置の行およびモーター58の対応する電流の引き込みを含む。対応する電流の引き込み値は、磁気結合デバイス10のワークピースインターフェース17’、17’’がワークピース27に接触しているときに、永久磁石14に対する永久磁石12の様々な位置についてモーター58の電流の引き込みを測定することによって実験的に判定される。
【0074】
さらに、磁気結合デバイス10を強磁性ワークピース27の近くに近接して位置付けることにより、永久磁石12を移動させるのに必要な電流が変更される。したがって、磁気結合デバイス10がワークピース27に近づくときの移動の範囲におけるモーター58の制御された作動は、ワークピース27に対する磁気結合デバイス10の近接性を判定するために使用され得る。
【0075】
例えば、磁気結合デバイス10がワークピース27に近づくときに、モーター58は、オフ位置などの第1の既知の位置から、既知の部分的にオン位置などの第2の既知の位置に、その後、第1の既知の位置に戻って、永久磁石14に対して永久磁石12を移動させるように定期的に作動され得る。第1の既知の位置から第2の既知の位置に、永久磁石14に対して永久磁石12を移動させるための作動を達成するための電流の引き込みは、メモリ38上に格納された値の表と比較されて、ワークピース27に対する磁気結合デバイス10の近接性を推測し得る。値の表は、ワークピース27に対する磁気結合デバイス10のワークピースインターフェース17’、17’’の測定された近接性の行と、ワークピース27に対する磁気結合デバイス10のワークピースインターフェース17’、17’’の測定された近接性で、第1の既知の位置から第2の既知の位置に永久磁石14に対して永久磁石12を移動させるための作動のためのモーター58によって引き込まれる、対応する測定された電流と、を含み得る。
【0076】
さらに、複数のワークピースを磁気結合デバイス10に結合することにより、1つのワークピースの結合と比較して、永久磁石14に対して永久磁石12を移動させるのに必要な電流が変更される。したがって、運動の範囲におけるモーター58の制御された作動を完成させるのに必要な電流の引き込みを実験的に判定することによって、磁気結合デバイス10が1つのワークピース27または複数のワークピースに結合されているかどうかの判定が行われ得る。
【0077】
図11を参照すると、別のセンサー64が提供されている。センサー64は、永久磁石12および/または永久磁石12を支持するハウジングの回転位置を測定するために提供される。例示的なセンサーは、永久磁石12および/または永久磁石12に結合されたハウジングに取り付けられた反射ストリップを監視する光センサーを含む。他のセンサーシステムが、永久磁石12の回転位置を判定するように使用され得る。
【0078】
図12を参照すると、複数の磁束センサー70を含む別のセンサーシステムが示されている。磁束センサー70は、概ねポールシュー16’’の上に位置付けられた第1のセンサー70Aと、概ねポールシュー16’の上に位置付けられた第2のセンサー70Bと、を含む。例示的な磁束センサーは、ホール効果センサーを含む。センサー70A、70Bは、磁気結合デバイス10のそれぞれのN極およびS極に近接する漏れ束を測定する。各センサー70A、70Bでの漏れ束の量は、永久磁石14に対する永久磁石12の位置、およびそれぞれのポールシュー16’、16’’ワークピース接触インターフェース17’、17’’を通ってワークピー27’まで通過する束の量に基づいて変化する。ポール
シュー16’のワークピースインターフェース17’の反対で、ポールシュー16’’のワークピースインターフェース17’’の反対の場所で磁束を監視することによって、永久磁石12の相対位置が判定され得る。実施形態では、磁気動作デバイス10は、ワークピース27の上部上に位置付けられており、センサー70A、Bによって測定される磁束は、永久磁石12の位置の関数として記録され、第1のセットの測定は、永久磁石12の所望の部分的にオン位置に割り当てられる。センサー70を有する例示的な感知システムは、「SMART SENSE EOAMT」と題する2017年4月27日出願の米国仮出願第62/490,705号、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH AT LEAST ONE OF A SENSOR ARRANGEMENT AND A DEGAUSS CAPABILITY」と題する2018年4月27日出願の米国特許出願第(不明)、整理番号MTI-0013-02-USで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。「SMART SENSE EOAMT」と題する2017年4月27日出願の米国仮出願第62/490,705号、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH AT LEAST ONE OF A SENSOR ARRANGEMENT AND A DEGAUSS CAPABILITY」と題する2018年4月27日出願の米国特許出願第(不明)、整理番号MTI-0013-02-USでより詳細に説明されているように、ワークピースに対する近接性を判定し、磁気結合デバイスとワークピースとの間の磁気接続の品質を判定するために、さらなるセンサーが使用され得る。
【0079】
本明細書で言及されるように、切り換え可能な磁気結合デバイス10は、本明細書でより詳細に説明されるように、長期間、少なくとも3つの状態の各々に永久磁石12、14の構成を維持することができる。一実施例では、磁気結合デバイス10の現在の状態は、異なる状態が要求されるまで維持されている。実施形態では、アクチュエータ32は、ステッピングモーターであり、現在の位置でその出力シャフトを保持するステッピングモーターの能力はまた、現在の位置で永久磁石12を、したがって、現在の状態に磁気結合デバイス10を保持する。
【0080】
図13~
図15を参照すると、永久磁石14に対して永久磁石12の位置を維持するための別の例示的なシステムが示されている。
図13を参照すると、ハウジング28は、第1の端91と第2の端92とを有するアーチ形の凹部90を含む。凹部90は、ハウジング28のカバーの下方側などの、ハウジング28の内面上の溝であり得る。ピン94は、永久磁石12または永久磁石12と共に回転可能なハウジングに結合されている。ピン94は、ハウジング28の凹部90内に延在する。
【0081】
図13で示されているように、永久磁石12は、
図1および
図2で示されているように位置付けられており、磁気結合デバイス10についてのオフ状態であり、ピン94は、凹部90の第1の端91に位置している。ピン94が凹部90の第1の端91に接触するときに、方向95での永久磁石12のさらなる回転が防がれる。さらに、永久磁石12、14の間で完成された磁石回路は、永久磁石12、14の磁化軸の配列された状態により、永久磁石12のさらなる回転に抵抗する。
【0082】
図15で示されているように、永久磁石12は、
図3および
図4で示されているように位置付けられており、磁気結合デバイス10についてのオン状態であり、ピン94は、凹部90の第2の端92に位置している。ピン94が凹部90の第2の端92に接触するときに、方向96での永久磁石12のさらなる回転が防がれる。一実施例では、
図15で示されている構成は、永久磁石12、14の磁化軸の配列を超える方向96での永久磁石12の過回転による部分的にオン状態である。5°までのこの過回転により、方向95に戻って回転するように付勢されるのとは対照的に、永久磁石12が、永久磁石14との引力により、方向96にさらに回転するように付勢されることになる。
【0083】
図14を参照すると、永久磁石12は、
図6および
図7で示されているように位置付けられており、磁気結合デバイス10についての部分的にオン状態であり、ピン94は、凹部90に沿って中間位置に位置している。ピン94は、永久磁石12が方向95に戻ってさらに回転することを防ぐブロッカー97に接触している。ブロッカー97は、ハウジング98から延在可能な格納式ピンである。実施形態では、ピン94は、電気ソレノイドで格納可能である。ブロッカー97の位置は、コントローラ34によって制御される。ブロッカー97は、
図13および
図15で示されているように凹部90のエンベロープの外側にある開位置、およびピン94に接触するように凹部90の上に延在する閉位置に位置付けられ得る。ブロッカー97の端は、ピン99に反対に位置付けられている。永久磁石14に対して永久磁石12の位置を維持するために他のシステムが使用され得る。実施形態では、ブロッカー97は、凹部90に沿った様々な場所でのブロッカー97の位置付けを可能にする可動支持体によって搬送される。例示的な可動支持体は、ラチェットシステムを通してハウジング28に結合されたベースと、ハウジング28の少なくとも1つの割り出し機能と協働して、凹部90に対してブロッカー97を位置付ける少なくとも1つの割り出し機能を有するベースと、を含む。例示的な割出し機能は、ピンなどの突出部と、凹部と、を含む。実施形態では、可動支持体は、電気モーターの制御下で移動される。
【0084】
実施形態では、磁気結合デバイス10は、永久磁石12に結合された回転可能な部材と相互作用し得る摩擦ブレーキなどのブレーキを含む。摩擦ブレーキは、回転可能な部材の現在の位置、したがって、永久磁石12の現在の位置を維持するように適用され得る。実施形態では、コントローラ34は、磁気結合デバイス10への電力が遮断される場合、永久磁石12の現在位置を保持するようにブレーキを作動させる。別の実施形態では、ブレーキは通常、永久磁石12の現在の位置を保持するように適用され、永久磁石12の移動を可能にするように作動される。
【0085】
図32Aおよび
図32Bを参照すると、例示的なブレーキ270が図示されている。永久磁石12は、極延長部として機能するハウジング272に収容されている。さらに、ハウジング272は、ブレーキ270のブレーキパッド274’、274’’によって摩擦係合され得る。ブレーキパッド274’、274’’は、ハウジング28によって支持されている。
図32Aで示されているように、ブレーキパッド274’、274’’は、係合され、ハウジング272に接触しているように図示されており、ハウジング28に対する永久磁石12のさらなる回転を防ぐ。
図32Bで示されているように、ブレーキパッド274’、274’’は、非係合であり、ハウジング272から離間しているように図示されており、ハウジング28に対する永久磁石12のさらなる回転を可能にする。ハウジング272に対するブレーキパッド274’、274’’の係合および非係合は、ブレーキアクチュエータ280によって制御される。例示的なブレーキアクチュエータは、従来の液圧ブレーキシステムと、空気圧ブレーキシステムと、を含む。
【0086】
実施形態では、磁気結合デバイス10は、リニアアレイで磁束源15の複数のインスタンスを保持するための細長いハウジングを有する。磁束源15の複数のインスタンスを有する例示的なデバイスは、Magswitch Technology Inc.によって製造および販売されるようなLAYシリーズユニットである。
図34および
図35を参照すると、磁気結合デバイス400が示されている。磁気結合デバイス400は、磁束源15、例示的には束源15A~Cの複数のインスタンスを含むハウジング402を含む。ポール延長シュー404は、ハウジング402の下方側に沿って提供される。磁束源15の各インスタンスのそれぞれの磁石12の相対位置は、アクチュエータ406を通して制御される。磁束源15の各インスタンスは、磁気結合デバイス10と同じように動作し、オン状態、オフ状態、および部分的にオン状態のうちのいずれか1つで構成可能である。
【0087】
さらに、磁気結合デバイス400は、ハウジング402内に位置付けられた磁場センサー98を含む。磁場センサー98は、磁束源15の2つ、例示的には磁束源15Aおよび15Cのポールシュー404に近接して位置付けられて示されている。実施形態では、磁場センサー98は、複数の磁束源15A~Cのうちの1つの磁束源15のみに関連する。実施形態では、磁場センサー98は、複数の磁束源15A~Cの各束源15に関連する。磁場センサー98を監視することによるコントローラ34は、監視された磁束源15の動作状態(オン状態、オフ状態、または部分的にオン状態のうちの1つ)を判定することができる。本明細書で開示される他の感知システムが、磁場センサー98の代わりに、または磁場センサー98に加えて使用され得る。
【0088】
実施形態では、磁気結合デバイス10は、円形アレイで磁束源15の複数のインスタンスを保持するための細長いハウジングを有する。磁束源15の複数のインスタンスを有する例示的なデバイスは、Magswitch Technology Inc.によって製造および販売されるようなAYシリーズユニットである。
図36および
図37を参照すると、磁気結合デバイス450が示されている。磁気結合デバイス450は、磁束源15、例示的には束源15A~Fの複数のインスタンスを支持するハウジング452を含み、各々がワークピース接触インターフェース454のそれ自身のペアを有する。磁束源15の各インスタンスについての磁石12の相対位置は、アクチュエータ456を通して制御される。磁束源15の各インスタンスは、ワークピース27を通してその間に磁気作動回路を形成するように動作する。磁気結合デバイス450の動作は、米国特許第9,484,137号でより詳細に記載されており、その全体の開示は、参照により明確に組み込まれる。
【0089】
さらに、磁気結合デバイス450は、ハウジング452内に位置付けられた磁場センサー98を含む。実施形態では、磁場センサー98は、ハウジング452の下方表面460から下に延在する円筒形突出部458に位置付けられている。図示された実施形態では、2つの磁気センサー98が、それぞれの突出部458に位置付けられており、一方は、磁束源15Fと15Aとの間に位置付けられており、他方は、磁束源15Cと15Dとの間に位置付けられている。実施形態では、磁場センサー98は、磁束源のうちの任意の2つの間の突出部458に位置付けられている。実施形態では、磁場センサー98は、円形アレイの直径に沿って、隣接した磁束源15A~Fの各ペアの間でそれぞれの突出部に位置付けられている。磁場センサー98を監視することによるコントローラ34は、監視された磁束源15の動作状態(オン状態、オフ状態、または部分的にオン状態のうちの1つ)を判定することができる。本明細書で開示される他の感知システムが、磁場センサー98の代わりに、または磁場センサー98に加えて使用され得る。
【0090】
図16を参照すると、米国仮出願第62/490,705号に開示された磁気結合デバイスの例示的な実施形態が提供されている。
図16では、磁気結合デバイス100の分解図が示されている。磁気結合デバイス100は、切り換え可能な永久磁石アセンブリ116と、アクチュエータ/電子センサー/フィードバックアセンブリ118と、を含む。切り換え可能な永久磁石アセンブリ116は、米国特許第7,012,495号で記載されているような切り換え可能な永久磁石デバイス120を含み、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。切り換え可能な永久磁石デバイス120は、例示的には長方形のフットプリントの強磁性鋼ハウジング122を備える。円形ボア124は、ハウジング122の底から上部に軸方向に延在し、その軸は、ハウジング122の幅および奥行対称面の交点と一致し、その結果、材料の小さいウェブ126は、ハウジング122の反対の奥行端上に立った状態にし、それは、ハウジング122の高さに沿って実質的に磁気的に分離された部分にハウジング122を細分する。幅方向ハウジング部128の壁厚さは、ボア124に受容される2つの円筒形の正反対に磁化されたレアアース永久磁石130、132によって提供される磁束を完全に搬送するのに丈夫で十分である。分路
板134は、ボア124の底端を閉じるために挿入される。底磁石130は、磁石130のN-S極分離面(p)がウェブ部126を二等分し、双極子磁石130のそれぞれのN-極性およびS-極性で反対の幅方向ハウジング部を分極するような配向で、ボア124での回転に対して固定される。上部磁石132は、六角形のプリズム駆動シャフト136をそれに挿入できるようにその上方面上に六角形のプリズムのくぼみを有するにもかかわらず、理想的には可能な限り下方磁石130と同じ磁化特性を有する。
【0091】
ハウジング122と磁気的に互換性のある、またはハウジング122と同じ材料の、(外面での面取りされた縁は別として)実質的に長方形のプリズムの構成の2つの同一の強磁性ポールシュー138が、ボルト140および位置決めピン142を使用して、ハウジング122の下方部で幅方向側に取り付けられて、ハウジング122の上方部の形状を補完する。ポールシュー138は、下方面でそれぞれのワークピース接触インターフェース144を規定し、それは、図示された実施形態では平面であるが、磁気結合デバイス100に磁気的に結合され磁気結合デバイス100によって取り扱われるワークピースのターゲット表面に対してぴったりと当接した状態を形成するような異なる形状および/または外形であり得る。上記のように、ポールシュー138は、それらの下方末端でワークピース接触インターフェース144を規定するが、一方、ハウジング122の厚壁幅方向部の上面は、本明細書で束検出表面146と呼ばれるものを規定する。外部磁気動作回路がない場合、さらにそれが生成されるときでさえ、磁束線は、ワークピース接触インターフェース144およびハウジング122の束検出表面146の両方を通過する。
【0092】
アクチュエータ/電子センサー/フィードバックアセンブリ118は、アルミニウムなどの非強磁性材料から作られる下方の長方形のフットプリントのアクチュエータハウジング部150を含み、ロータリーアクチュエータ154を収容するのに役立つ、ハウジング部150の下方面に向かう貫通開口部を備える長方形のくぼみ152を含む。ロータリーアクチュエータ154は、トルク出力シャフト156を有し、それは、下方ハウジング部150での4つのボアを通って延在し、かつハウジング122の上面上のねじボアと係合する、4つの締結ボルト158を使用して下方ハウジング部150が磁石アセンブリのハウジング122の上部に密閉して固定されている、磁気結合デバイス100の組み立てられた状態で、係合部材、例示的には上方磁石132に存在する六角形の駆動インサート136内に挿入されている。これにより、アクチュエータ154は、選択的なトルクを与えて、そのハウジング122での上部磁石132を回転させて、様々な状態の間で切り換え可能な永久磁石デバイス120を回すことが可能になる。例示的なロータリーアクチュエータは、本明細書で言及されるように、液圧アクチュエータと、空気圧アクチュエータと、電気アクチュエータと、を含む。両方の磁石130、132の上方面を横切る線は、磁石130、132のNおよびSのアクティブな極のそれぞれの分離面を示す。
【0093】
ハウジングアセンブリ118の中間アルミニウム(または他の非強磁性金属)ハウジング部166は、長方形のフットプリントを有し、上述の締結ボルト158によって、下方ハウジング部150に固定される。中間ハウジング部166の上部上に、また非強磁性金属材料から作られる長方形のフレーム状の上方ハウジング部172があり、その上方開放端は、長方形の非強磁性カバー板174によって閉じられ、それは、上方ハウジング部172の4つの角でボアを通って延在する4つの締結ねじ176によって、カバー板174と中間ハウジング部166との間でシールされて挟まれる。
【0094】
アセンブリ118は、それぞれの末端でリニアホール効果タイプの磁束センサー198を各々搬送する2つの脚部196を含む、磁場センサーおよびセンサー信号処理回路ユニット190をさらに含む。処理回路ユニット190は、センサーおよびマイクロコントローラへ/からのI/O信号を外部機器とインターフェースするためのM12電子コネクタ192を含む。他の好適なコネクタが、確立される接続に基づいて使用され得る。
【0095】
処理回路ユニット190の脚部196は、上方ハウジングアセンブリ118が組み立てられるときに、下方ハウジング部150での2つの円筒形通路チャネル170内に延在する。全体的な配置は、ホール効果センサー198が、ハウジング122の束検出表面146から少しの距離離れた規定の位置に固定されて位置することを確実にする。本質的に、この配置は、1つの磁束センサー198が、ポールシュー138の第1のものの上に位置付けられ、第2の磁束センサー198が、ポールシュー138の第2のものの上に位置付けられることを確実にする。磁気結合デバイス100のさらなる詳細は、米国仮出願第62/490,705号で開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0096】
本明細書で言及されるように、磁石の他の構成が、永久磁石12、14または永久磁石130、132の代わりに使用され得る。
図17~
図19を参照すると、本開示の例示的な切り換え可能な磁気結合デバイス200が示されている。切り換え可能な永久磁気結合デバイス200は、磁気結合デバイス10(永久磁石12、14)または磁気結合デバイス100(永久磁石130、132)の磁束源15に取って代わり得る。さらに、切り換え可能な磁気結合デバイス200は、磁気結合デバイス10についてのハウジング28および磁気結合デバイス100についてのハウジング150とは対照的に、非鉄ハウジングに置かれる。本明細書でより詳細に説明されるように、切り換え可能な磁気結合デバイス200の極部250は、ハウジングの下方側に位置してワークピース27(
図19Aおよび
図19Bを参照)に接触しているか、または極部250の真下に位置付けられた極延長部材を有してワークピース27に接触している。
【0097】
切り換え可能な磁気結合デバイス200は、上方プラッタ212と、下方プラッタ214と、を含む。プラッタ212および214の各々は、複数の離間した永久磁石230と、複数の極部250と、を含む。複数の離間した永久磁石230の各々は、1つの永久磁石として例示的に示されているが、ハウジング内に位置付けられた、複数の永久磁石および/または少なくとも1つの永久磁石を備え得る。例示的なプラッタは、米国特許第7,161,451号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、およびドイツ実用新案第DE2020/16006696U1号で提供されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0098】
図17~
図19の実施例に戻って、各永久磁石230は、N極側232と、S極側234と、を有する。プラッタ212およびプラッタ214の永久磁石230および極部250は各々、閉じた形状を形成するように配置されており、極部250のうちの1つが2つの永久磁石230の間に位置付けられている。さらに、永久磁石230は、間で極部250に接触する2つの永久磁石230の各々が、極部250に接触する、それらのN極側またはそれらのS極側のいずれかを有するように配置されている。隣接した永久磁石230のN極側が極部250に接触するときに、極部250はN極部と呼ばれる。隣接した永久磁石230のS極側が極部250に接触するときに、極部250はS極部と呼ばれる。
【0099】
上方プラッタ212および下方プラッタ214の各々は、等しい偶数の永久磁石セクションと、等しい数の極部250と、を含む。一実施形態では、上方プラッタ212および下方プラッタ214の各々で、永久磁石230および極部250は、円形構成で配置されている。
【0100】
実施形態では、下方プラッタ214は、磁気結合デバイス10での磁石14と同様に、下方プラッタ214を含むハウジングに対して固定して保持されており、上方プラッタ2
12は、磁気結合デバイス10での磁石12と同様に、下方プラッタ214に対して回転する。上方プラッタ212は、下方プラッタ214に対して中心軸294の周りで方向290、292に回転可能であって、下方プラッタ214の永久磁石230および極部250に対して上方プラッタ212の永久磁石230および極部250の配列を変更する。
【0101】
下方プラッタ214のS極部250が上方プラッタ212のS極部250と配列され、下方プラッタ214のN極部250が上方プラッタ212のN極部250と配列されるときに、磁気結合デバイス200はオン状態にあると考えられる。オン状態では、ワークピース27は、上方プラッタ212および下方プラッタ214の配列されたN極部250からワークピース27を通って上方プラッタ212および214の配列されたS極部250に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持されている。
【0102】
下方プラッタ214のS極部250が上方プラッタ212のN極部250と配列され、下方プラッタ214のN極部250が上方プラッタ212のS極部250と配列されるときに、磁気結合デバイス200はオフ状態にあると考えられる。オフ状態では、ワークピース27は、上方プラッタ212の配列されたN極部250から下方プラッタ214のS極部250に、および上方プラッタ212の配列されたN極部から下方プラッタ214のS極部250に上方プラッタ212および下方プラッタ214内に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持されていない。
【0103】
上方プラッタ212のS極部250が下方プラッタ214のN極部250と部分的に重なり、上方プラッタ212のN極部250が下方プラッタ214のS極部250と部分的に重なるときに、磁気結合デバイス200は部分的にオン状態にあると考えられる。部分的にオン状態にあるときに、ワークピース27は、上方プラッタ212および下方プラッタ214の重なるN極部250からワークピース27を通って上方プラッタ212および下方プラッタ214の重なるS極部250に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持され得る。磁気回路の強度は、上方プラッタ212および下方プラッタ214の重なるN極部250と、上方プラッタ212および下方プラッタ214の重なるS極部250との重なりの度合いが増加するにつれて増加する。
【0104】
図17を参照すると、上方プラッタ212が図示されている。上方プラッタ212は、中央開口部222と複数の半径方向に延在する開口部224とを有する円筒形ベース構成要素220を含む。半径方向に延在する開口部224の各々は、永久磁石230を受容するようなサイズおよび形状である。各永久磁石230は、N側232と、S側234と、半径方向内側に面する側236と、半径方向外側に面する側238と、上部240と、底242(
図19Aを参照)と、を有する。
【0105】
図18を参照すると、上方プラッタ212の上面図が示されている。円筒形ベース構成要素220は、永久磁石230のN側232、S側234、半径方向内側に面する側136、および半径方向外側に面する側138の各々を取り囲んでいる。一実施形態では、開口部224は、貫通した開口部ではなくむしろ、円筒形ベース構成要素220の底側からの見えない深さの開口部であり、したがって円筒形ベース構成要素220はまた、永久磁石230の上部240を取り囲む。図示された実施形態では、円筒形ベース構成要素220は、1つの一体の構成要素である。一実施形態では、円筒形ベース構成要素220は、共に接合された2つ以上の構成要素で構成されている。
【0106】
図18で示されているように、永久磁石230は、隣接した磁石のN側232が互いに面し、隣接した磁石230のS側234が互いに面するように配置されている。この配置により、永久磁石230の間の円筒形ベース構成要素220の一部250が、永久磁石230についての極延長部として機能することになる。実施形態では、ベース構成要素22
0、したがって極部250は、鋼で作られている。他の好適な強磁性材料が、ベース構成要素220のために使用され得る。
【0107】
図19を参照すると、上方プラッタ212は、下方プラッタ下方プラッタ214に対して分解されて示されている。下方プラッタ214は一般的に、上方プラッタ212と同一である。上方プラッタ212は、下方プラッタ214に対して回転して、磁気結合デバイス10をオン状態、部分的にオン状態、またはオフ状態に置き得る。
【0108】
図19Aを参照すると、上方プラッタ212および下方プラッタ214は、上方プラッタ212のS極部250が下方プラッタ214のS極部250に隣接し、上方プラッタ212のN極部250が下方プラッタ214のN極部250に隣接するオン状態に配置されている。オン状態では、強磁性材料から作られているワークピース27は、上方プラッタ212および下方プラッタ214の配列されたN極部250からワークピース27を通って上方プラッタ212および下方プラッタ214の配列されたS極部250に磁気回路が完成することにより、上方および下方プラッタ212、214を含む磁気結合デバイスによって保持されている。ワークピース接触インターフェースを形成するN極部およびS極部250の下方表面。代替的に、ポールシュー16’、16’’のインスタンスは、
図1とは異なる形状であるが、N極部およびS極部250の下方表面とワークピース27との間に位置付けられて、ワークピース27とのワークピース接触インターフェースを提供し得る。
【0109】
図19Bを参照すると、上方プラッタ212のS極部250が下方プラッタ214のN極部250に隣接し、上方プラッタ212のN極部250が下方プラッタ214のS極部250に隣接するときに、上方プラッタ212および下方プラッタ214はオフ状態に配置されている。オフ状態では、強磁性材料から作られているワークピース27は、上方プラッタ212の配列されたS極部250と下方プラッタ214のN極部250との間、および上方プラッタ212の配列されたN極部250と下方プラッタ214のS極部250との間に磁気回路が完成することにより、上方および下方プラッタ212、214を含む磁気結合デバイスによって保持されていない。言い換えれば、プラッタ212および214は、極部150内で磁気回路を分路して、外部磁場を弱くする。上方プラッタ212および下方プラッタ214はまた、上方プラッタ212および下方プラッタ214を含む磁気結合デバイスの1つ以上の部分的にオン状態を提供するように配置され得る。
【0110】
実施形態では、N極部250のうちの少なくとも1つおよびS極部250のうちの少なくとも1つは、それぞれのN極部およびそれぞれのS極部に関連する漏れ束を監視するための、それに関連するセンサー98を有する。
図18で示されているように、第1のセンサー98は、N極部250の真上またはN極部250の半径方向外側などに、N極部250に近接して置かれ得、第2のセンサー98は、S極部250の真上またはS極部250の半径方向外側などに、S極部250に近接して置かれ得る。コントローラ34は、本明細書で記載されるのと同様の様式で、切り換え可能な永久磁石アセンブリ200の較正ランを実行して、所与のワークピース27についてのオン状態、オフ状態、および少なくとも1つの所望の部分的にオン状態についての、監視された極部250に関連する漏れ束など、切り換え可能な永久磁石アセンブリ200を含むデバイスの動作状態を判定するためのセンサー値を格納し得る。
【0111】
図20~
図22を参照すると、本開示の例示的な磁気結合デバイス300が示されている。磁気結合デバイス300は、上方アセンブリ312と、下方アセンブリ314と、を含む。アセンブリ312および314の各々は、複数の離間した永久磁石330と、複数の極部350と、を含む。複数の離間した永久磁石330の各々は、1つの永久磁石として例示的に示されているが、ハウジング内に位置付けられた、複数の永久磁石および/ま
たは少なくとも1つの永久磁石を備え得る。さらに、磁気結合デバイス300は、磁気結合デバイス10についてのハウジング28および磁気結合デバイス100についてのハウジング150とは対照的に、非鉄ハウジングに置かれる。本明細書でより詳細に説明されるように、磁気結合デバイス300の極部350は、ハウジングの下方側に位置してワークピース27に接触しているか、または極部250の真下に位置付けられた極延長部材を有してワークピース27に接触している(
図20~
図22を参照)。
【0112】
各永久磁石330は、N極側(N)と、S極側(S)と、を有する。アセンブリ312およびアセンブリ314の永久磁石330および極部350は各々、リニアアレイで配置されており、極部350のうちの1つが2つの永久磁石330の間に位置付けられている。さらに、永久磁石330は、間で極部350に接触する2つの永久磁石330の各々が、極部350に接触する、それらのN極側(N)またはそれらのS極側(S)のいずれかを有するように配置されている。隣接した永久磁石330のN極側(N)が極部350に接触するときに、極部350はN極部と呼ばれる。隣接した永久磁石330のS極側(S)が極部350に接触するときに、極部350はS極部と呼ばれる。
【0113】
実施形態では、下方アセンブリ314は、磁気結合デバイス10での永久磁石14または磁気結合デバイス100での永久磁石130と同様に、下方アセンブリ314を含むハウジングに対して固定して保持されており、上方アセンブリ312は、磁気結合デバイス10の永久磁石12または磁気結合デバイス100の永久磁石132と同様に、下方アセンブリ914に対して回転する。上方アセンブリ312は、方向390および392に下方アセンブリ314に対して並進可能であって、下方アセンブリ314の永久磁石330および極部350に対して上方アセンブリ312の永久磁石330および極部350の配列を変更する。下方アセンブリ312の永久磁石330は、極部350に結合されたポールシュー340により、ワークピース27から離間している。代替的に、極部は、間隔を提供するように延在され得る。さらに、スペーサ(示されていない)が、上方アセンブリ312および下方アセンブリ314の永久磁石の間に提供される。
【0114】
下方アセンブリ314のS極部350が上方アセンブリ312のS極部350と配列され、下方アセンブリ314のN極部350が上方アセンブリ312のN極部350と配列されるときに(
図20を参照)、磁気結合デバイス300はオン状態にあると考えられる。オン状態では、ワークピース27は、上方アセンブリ312および下方アセンブリ314の配列されたN極部350からワークピース27を通って上方アセンブリ312および下方アセンブリ314の配列されたS極部350に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス300によって保持されている。
【0115】
下方アセンブリ314のS極部350が上方アセンブリ312のN極部350と配列され、下方アセンブリ314のN極部350が上方アセンブリ312のS極部350と配列されるときに(
図22を参照)、磁気結合デバイス300はオフ状態にあると考えられる。オフ状態では、ワークピース27は、上方アセンブリ312の配列されたN極部350から下方アセンブリ314のS極部350に、および上方アセンブリ312の配列されたN極部から下方アセンブリ314のS極部350に上方アセンブリ312および下方アセンブリ314内に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持されていない。
【0116】
上方アセンブリ312のS極部350が下方アセンブリ314のN極部350と部分的に重なり、上方アセンブリ312のN極部350が下方アセンブリ314のS極部350と部分的に重なるときに、磁気結合デバイス300は部分的にオン状態にあると考えられる。部分的にオン状態にあるときに、ワークピース27は、上方アセンブリ312および下方アセンブリ314の重なるN極部350からワークピース27を通って上方アセンブ
リ312および下方アセンブリ314の重なるS極部350に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持され得る。磁気回路の強度は、上方アセンブリ312および下方アセンブリ314の重なるN極部350と、上方アセンブリ312および下方アセンブリ314の重なるS極部350との重なりの度合いが増加するにつれて増加する。
【0117】
実施形態では、N極部350のうちの少なくとも1つおよびS極部350のうちの少なくとも1つは、それぞれのN極部およびそれぞれのS極部に関連する漏れ束を監視するための、それに関連するセンサー98を有する。
図20で示されているように、第1のセンサー98は、N極部350の真上またはN極部350の半径方向外側などに、N極部350に近接して置かれ得、第2のセンサー98は、S極部350の真上またはS極部350の半径方向外側などに、S極部350に近接して置かれ得る。コントローラ34は、本明細書で記載されるのと同様の様式で、磁気結合デバイス300の較正ランを実行して、所与のワークピース27についてのオン状態、オフ状態、および少なくとも1つの所望の部分的にオン状態についての、監視された極部350に関連する漏れ束など、磁気結合デバイス300を含むデバイスの動作状態を判定するためのセンサー値を格納し得る。
【0118】
図23および
図24を参照すると、別の例示的な磁気結合デバイス400が図示されている。磁気結合デバイス400は、第1の端406と第2の端408との間で延在する中央平行六面体セクション404を有する、強磁性材料(すなわち、低磁気リラクタンス材料)で作られたハウジング402を含む。ポールシュー16’、16’’は、端406および408に結合され得る。ハウジング400のボリュームの実質的な部分を占める中央円筒形空洞410は、中央セクション404の上方および下方末端面の間で延在し、比較的薄い壁の鉛直壁セクション412がセクション404の正面および背面だけに残るような直径を有するが、一方、壁セクション412の両側の壁セクションは、端406、408に向かって増加する壁厚さを有する。ハウジング402のこの構成は、ハウジング402を、2つの磁気的に分離されたセクション426および428に分離する。
【0119】
N極422およびS極424を有する永久磁石420は、中央空洞410に位置付けられる。磁束の概ね一定のレベルを提供する永久磁石420。中央セクション404が強磁性材料で作られているため、ハウジング402のセクション406、408はそれぞれ、S極部424およびN極部422の極延長部として機能する。永久磁石420は、ハウジング402に対して回転しないようにハウジング402に固定される。ハウジング402内の永久磁石420の配向の固定は、圧入もしくは締まりばめを提供するように空洞410および磁石420のそれぞれの直径を選択することによって、または空洞410で永久磁石420を接着するか、もしくはハウジング402に対して永久磁石420を保持する好適な方法によって達成され得る。
【0120】
電気的に絶縁されたワイヤーの1つ以上の巻線を含むコイル450は、ハウジング402の中央セクション412の周りに巻かれる。ハウジング402の端406、408は、間でコイル450が巻かれる封じ込め壁として機能する。コイル450は、例えば、中央セクション404の壁セクション412の周りに巻かれた銅ワイヤーの1つのコイルを備え、事実上、ハウジング402の中央空洞410およびその中に受容される永久磁石420を覆う。
【0121】
コイル450は、接続460を通して電気的な電源に動作可能に結合されている。例示的な接続は、コイル450に供給される電流のレベルを制御する、スイッチまたは回路を含む。
図14で示されているように、接続460は、コントローラ34に接続されている。コントローラ34は、信号を接続460に提供して、コイル450に供給される電流のレベルを制御する。コイル450を通る電流レベルおよびコイル450を通る電流の方向
を制御することによって、コイル450を通って流れる電流によって生成される磁束が、コイル450を通る電流の流れの方向に応じた、永久磁石420の概ね一定の磁束の加算、または永久磁石420の概ね一定の磁束の減算の一方であるため、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で磁気結合デバイス400によって利用可能にされる磁場は、増加または減少し得る。実施形態では、電流センサー462は、コイル450を通る電流を維持するために提供される。電流がコイル450を通って第1の方向に移動するときに、結果として生じる磁場は、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で利用可能な磁束を増加させる。電流がコイル450を通って第2の方向に移動するときに、結果として生じる磁場は、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で利用可能な磁束を減少させる。ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で利用可能な磁束の増加または減少の度合いを設定する電流レベル。
【0122】
永久磁石420の特性、ならびにコイル450を通過する電気的な電流レベルおよび電気的な電流方向の特性に基づく磁気結合デバイス400は、複数の磁気回路を確立し得る。具体的には、磁気結合デバイス400は、少なくとも3つの状態に構成され得、その各々が、対応する磁気回路特性を有する。磁気結合デバイス400は、コイル450を通る実質上一定の電流レベルを維持するか、またはコイル450を通る電流なしを維持することによって、少なくとも3つの状態の各々を長期間維持することができる。一実施例では、長期間は、120秒までである。別の実施例では、長期間は、10秒までである。さらなる実施例では、長期間は、5秒までである。また別の実施例では、長期間は、2秒までである。さらに別の実施例では、長期間は、1秒までである。またさらなる実施例では、上記の例示的な範囲は、少なくとも0.1秒などのシステム要件に基づいて設定される最小期間を有する。
【0123】
実施形態では、コイル450の温度を監視するために温度センサーが含まれる。一実施例では、測定された温度が閾値温度未満である限り、磁気結合デバイス400は動作される。例示的な閾値温度は、摂氏80°である。
【0124】
オフ状態と本明細書で呼ばれる第1の状態では、第1の電流レベルは、永久磁石420の磁束を実質上減らすかまたは無効にするようにコイル450を通過して、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第1のレベルを提供する。オフ状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第1のレベルは、磁気結合デバイス420で強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である。一実施例では、永久磁石420によって生成される磁束の少なくとも96%が、磁気結合デバイス400がオフ状態にあるときにコイル450によって無効にされる。別の実施例では、永久磁石420によって生成される磁束の少なくとも99%が、磁気結合デバイス400がオフ状態にあるときにコイル450によって無効にされる。
【0125】
オン状態と本明細書で呼ばれる第2の状態では、第2の電流レベルは、コイル450を通過して、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する。一実施例では、永久磁石420によって生成される磁束の全量が、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能であるように、コイル450を通過する電流はない。オン状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第2のレベルは、オフ状態の第1のレベルよりも高く、磁気結
合デバイス400で強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。一実施例では、永久磁石420単体によって生成される磁束は、強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。したがって、電力が誤ってコイル450に対して切断される場合、磁気結合デバイス400は、磁気結合デバイス400に結合された強磁性ワークピース27を保持する。
【0126】
部分的にオン状態と本明細書で呼ばれる第3の状態では、第3の電流レベルは、コイル450を通過して、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第3のレベルを提供する。第3の電流レベルは、永久磁石420からのポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で利用可能な磁束の少なくとも一部を無効にする。部分的にオン状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第3のレベルは、オフ状態の第1のレベルよりも高く、オン状態の第2のレベルよりも低く、磁気結合デバイス400で強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。一実施例では、部分的にオン状態は、スタック27の上部シート27’を持ち上げるのに十分であるが、上部シート27’および上部シートから2番目27’’の両方を持ち上げるのに不十分である。
【0127】
実施形態では、センサー462は、コイル450の特性を監視するために提供される。一実施例では、センサー462は、コイル450を通過するか、またはコイル450に供給される電流レベルを監視する電流センサーである。
【0128】
本明細書でより詳細に説明されるように、少なくとも3つの状態に磁気結合デバイス400を構成することができることによって、スタックに配置された強磁性ワークピース27をディスタックするために磁気結合デバイス400を構成する能力が向上し、複数の異なるタイプの強磁性ワークピース27のために磁気結合デバイス400を使用する能力が向上する。例示的な磁気結合デバイス400に関するさらなる詳細は、「SWITCHABLE MAGNETIC APPARATUS」と題する2017年6月8日出願の米国仮出願第62/517,043号、MTI-0004-02-USで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0129】
実施形態では、コイル450は、磁気結合デバイス10の永久磁石12、14の両方の周りに巻き付けられ、オン状態を超えてポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’が利用可能な磁束をさらに増加させるために使用される。実施形態では、コイル450は、磁気結合デバイス10の永久磁石14の周りに巻き付けられて、永久磁石12に作用する永久磁石14の効果的な磁束を無効または低減して、永久磁石14に対して永久磁石12を回転させるのに必要なトルクを下げる。
【0130】
実施形態では、ハウジング402で固定される代わりに、永久磁石420は、ハウジング402で回転可能である。作動システム470は、永久磁石420に動作可能に結合されて、ハウジング402に対して永久磁石420を回転させる。一実施形態では、作動システムは、ステッピングモーター、液圧作動システム、空気圧作動システム、または他の好適な作動システムなどの電気作動システムであり得る。一実施形態では、永久磁石420は、永久磁石420の周りに位置付けられた1つ以上のコイルに印加される電流を通して、ハウジング402に対して回転される。例示的なコイル作動システムのさらなる詳細は、「ELECTROMAGNET-SWITCHABLE PERMANENT MAGNET DEVICE」と題する2017年6月8日出願の米国仮出願第62/517,057号、整理番号MTI-0001-02-USで提供されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0131】
図24Cを参照すると、ハウジング402に対する永久磁石420の配置が図示されている。
図24Cの配置は、オフ状態と本明細書で呼ばれる第1の状態であり、磁束の第1のレベルは、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能であり、それは、磁気結合デバイス420で強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である。磁束の大部分は、ハウジング402内で受動的に分路される。一実施例では、永久磁石420によって生成される磁束の少なくとも96%が、磁気結合デバイス400がオフ状態にあるときにコイル450によって無効にされる。別の実施例では、永久磁石420によって生成される磁束の少なくとも99%が、磁気結合デバイス400がオフ状態にあるときにコイル450によって無効にされる。
【0132】
図24Aを参照すると、ハウジング402に対する永久磁石420の配置が図示されている。
図24Aの配置は、オン状態と本明細書で呼ばれる第2の状態であり、永久磁石420によって生成される磁束の第2のレベルは、ハウジング402に取り付けられたポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能である。オン状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第2のレベルは、オフ状態の第1のレベルよりも高く、磁気結合デバイス400で強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。
【0133】
図24Bを参照すると、ハウジング402に対する永久磁石420の配置が図示されている。
図24Bの配置は、部分的にオン状態と本明細書で呼ばれる第3の状態であり、磁束の第3のレベルは、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能である。部分的にオン状態では、ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’で強磁性ワークピース27が利用可能な磁束の第3のレベルは、オフ状態の第1のレベルよりも高く、オン状態の第2のレベルよりも低く、磁気結合デバイス400で強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分である。一実施例では、部分的にオン状態は、スタック27の上部シート27’を持ち上げるのに十分であるが、上部シート27’および上部シートから2番目27’’の両方を持ち上げるのに不十分である。
【0134】
開示された磁気結合デバイスの各々は、支持体構造431を有する機械的持ち上げ装置430(
図25を参照)と組み合わせて使用され得る。機械的持ち上げ装置430は、1つ以上の磁気結合デバイスを通して、第1の場所から第2の場所に強磁性ワークピースを持ち上げて輸送する。例示的な機械的持ち上げ装置430は、機械的ガントリー432(
図25Bを参照)と、クレーンホイスト434(
図25Cを参照)と、ロボットシステム700(
図25Aを参照)と、を含む。
【0135】
例示的な機械的ガントリー432は、間で延在する水平クロス部材を有する鉛直支持体部材のペアを含む。磁気結合デバイス10は、水平クロス部材に対して磁気結合デバイス10を上下させ、したがって磁気結合デバイス10に結合された強磁性ワークピースを持ち上げて輸送するための機構を通して、水平クロス部材から吊り下げられるかまたは水平クロス部材に結合され得る。
【0136】
例示的なクレーンホイスト434は、チェーンホイスト434の第2の部分に対してチェーンホイスト434の第1の部分を上下させるチェーン機構を含む。磁気結合デバイス10は、チェーンホイスト434の第1の部分から吊り下げられるかまたは第1の部分に結合され得る。したがって、磁気結合デバイス10は、チェーンホイスト434の第1の部分で上下され、それは次に、磁気結合デバイス10に結合された強磁性ワークピースを
持ち上げて輸送する。
【0137】
図25Cを参照すると、例示的なロボットシステム700が図示されている。ロボットシステム700に関連して記載される実施形態は、他のタイプの機械(例えば、機械的ガントリー、クレーンホイスト、ピックアンドプレース機械など)に適用され得る。
【0138】
ロボットシステム700は、電子コントローラ770を含む。電子コントローラ770は、プロセッサ772による実行のための関連するメモリ774に格納されたさらなるロジックを含む。ロボットアーム704の移動を制御するロボット移動モジュール702が含まれている。図示された実施形態では、ロボットアーム704は、鉛直軸の周りでベースに対して回転可能である第1のアームセグメント706を含む。第1のアームセグメント706は、第1のジョイント710を通して第2のアームセグメント708に移動可能に結合されており、第2のアームセグメント708は、第1の方向に第1のアームセグメント706に対して回転され得る。第2のアームセグメント708は、第2のジョイント712を通して第3のアームセグメント711に移動可能に結合されており、第3のアームセグメント711は、第2の方向に第2のアームセグメント708に対して回転され得る。第3のアームセグメント711は、第3のジョイント716を通して第4のアームセグメント714に移動可能に結合されており、第4のアームセグメント714は、第3の方向に第3のアームセグメント711に対して回転され得、回転ジョイント718によって、第3のアームセグメント711に対する第4のアームセグメント714の配向が変更され得る。磁気結合デバイス10は例示的に、ロボットアーム704の端に固定されて示されている。磁気結合デバイス10は、ワークピース27(示されていない)をロボットアーム704に結合するように使用される。磁気結合デバイス10が図示されているが、本明細書で記載される任意の磁気結合デバイス、および本明細書で記載される任意の数の磁気結合デバイスが、ロボットシステム700で使用され得る。
【0139】
一実施形態では、ロボット移動モジュール702を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、第1の姿勢までロボットアーム704を移動させ、磁気結合デバイス100は、第1の場所でワークピースに接触する。磁気結合器状態モジュール776を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、下方磁石14に対して上方磁石12を移動させて、磁気結合デバイス10をオン状態または部分的にオン状態のうちの1つに置いてワークピースをロボットシステム700に結合するように、磁気デバイス10に命令する。ロボット移動モジュール702を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、ワークピースを第1の場所から第2の所望の離間した場所に移動させる。ワークピースが所望の第2の位置にあると、磁気結合器状態モジュール76を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、下方磁石14に対して上方磁石12を移動させて、磁気結合デバイス10をオフ状態に置いてワークピースをロボットシステム700から切り離すように、磁気デバイス10に命令する。一実施例では、磁気結合器状態モジュール76を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、順次、磁気結合デバイス10を部分的にオン状態に置いて強磁性ワークピース27’を持ち上げるように磁気結合デバイス10に命令し、ロボットアーム704を移動させることによって強磁性ワークピース27’を持ち上げた後、下方磁石14に対して上方磁石12を移動させて、磁気結合デバイス10をオン状態または別の部分的にオン状態に置いて強磁性ワークピース27’上での磁気結合デバイス10の保持力を増加させるように磁気結合デバイス10に命令し、ロボットアーム704をさらに移動させることによって強磁性ワークピース27’を所望の場所に位置付けた後、下方磁石14に対して上方磁石12を移動させて、磁気結合デバイス10をオフ状態に置いてロボットシステム700から強磁性ワークピース27’を切り離すように磁気結合デバイス10に命令する。次いで、電子コントローラ770は、別のワークピース27を結合、移動、および切り離すプロセスを繰り返す。
【0140】
図26を参照すると、コントローラ34のメモリ38上に格納された状態データ情報46の例示的な収集が示されている。状態データ情報46は、データベースまたは他のタイプのデータ構造の一部であり得る。状態データ情報46は、磁気結合デバイス10などのそれぞれの磁気結合デバイスの保存された各状態での情報を含む。
図26で図示されているように、状態データ情報46は、磁気結合デバイスオン状態情報46Aと、磁気結合デバイスオフ状態情報46Bと、第1の部分的にオン状態情報46C、第2の部分的にオン状態情報46D、および第nの部分的にオン状態情報46Eと、を含む。
【0141】
図27を参照すると、コントローラ34のメモリ38上に格納される、格納された状態情報46についての例示的なデータ記録80が図示されている。データ記録80は、状態識別子82と、それぞれの状態に対応する少なくとも1つのセンサー値84と、を含む。例えば、データ記録が部分的にオン状態のうちの1つについてのものである場合、センサー値は、
図12で示されている磁気結合デバイス10の実施形態のセンサー70の一方または両方についての磁束読取値、
図11で示されている磁気結合デバイス10の実施形態のセンサーについての位置値、
図10で示されている磁気結合デバイスの実施形態でのアクチュエータ32のために使用されるステッピングモーターの位置、
図14で示されている磁気結合デバイス400の実施形態のセンサー462の電気的な電流値、または磁気結合デバイス10、100についての永久磁石12の位置もしくは磁気結合デバイス400のコイル450についての電気的な電流値の表示を提供する任意の他のセンサー値であり得る。別の実施例では、データ記録がオン状態またはオフ状態のうちの1つについてのものである場合、センサー値は、
図12で示されている磁気結合デバイス10の実施形態のセンサー70の一方または両方についての磁束読取値、
図11で示されている磁気結合デバイス10の実施形態のセンサーについての位置値、
図10で示されている磁気結合デバイスの実施形態でのアクチュエータ32のために使用されるステッピングモーターの位置、磁気結合デバイス10についての永久磁石12と共に回転可能なピン94と相互作用するハウジング28に位置付けられたリミットスイッチの起動、磁気結合デバイス400の実施形態のセンサー462の電気的な電流値、または磁気結合デバイス10についての永久磁石12の位置もしくは磁気結合デバイス400のコイル450についての電気的な電流値の表示を提供する任意の他のセンサー値であり得る。
【0142】
磁気結合デバイス状態ロジック40は、入力デバイス42によって要求される、磁気結合デバイス10、100、200、300、または400の要求された状態に基づいて、適切なデータ記録を選択し得る。本明細書で言及されるように、実施形態では、磁気結合デバイス10、100、200、300、または400は、ロボットシステム700のロボットアーム704に結合され得、ロボットシステム700の電子コントローラ770は、所望の状態の状態識別子82を磁気結合デバイス10、100、200、300、または400のコントローラ34に提供することによって、ロボットアーム704の位置に基づいて、磁気結合デバイス10、100、200、300、または400の所望の状態を要求し得る。
【0143】
実際には、磁気結合デバイス10、100、200、300、または400のオペレータは、シート27などの強磁性ワークピースのスタック上に磁気結合デバイス10、100、200、300、または400を位置付け得る。オペレータは、入力デバイス42を通してアクチュエータ32の作動を手動で要求して、永久磁石12を、部分的にオン位置にまたは磁気結合デバイス100、200、または300についての同様の動きに回転させ得る。実験またはセンサー読取値の監視を通して、オペレータは、上部シート27’を方向33に上げるのに十分な持ち上げ力であるが、上部シートから2番目27’’を方向33に上げるのに不十分な持ち上げ力を提供する位置に達するまで、永久磁石12の位置を変更し続ける。永久磁石12のこの配向に関連するセンサー値は、部分的にオン状態識
別子82に対応するものとしてデータ記録80に格納されている。次いで、シート27と共に動作するときに、ロボットシステム700は、データ記録上の一部について正しい状態識別子82を指定することができる。同様の方法で、コイル450での電流が、システム400について監視および記録され得る。
【0144】
複数の部分的にオン状態についてのセンサー値は、メモリ38上の対応するデータ記録80に格納され得る。一実施例では、データ記録80は、磁気結合デバイスが構成されるべき各状態について格納されている。
【0145】
実施形態では、ロボットシステム700または磁気結合デバイス10は、
図28で図示されているように、所与のワークピース識別子88を所与の状態識別子82と相関させるワークピースデータ記録86を含む。したがって、オペレータは、後で検索するために、複数の異なる強磁性ワークピースのために複数の部分的にオン状態を構成し得る。例えば、ロボットシステム700のオペレータは、ロボットシステム700で取り扱われるワークピースを指定し得る。指定されたワークピースが対応するワークピースデータ記録86を有することを想定して、磁気結合デバイス10および指定されたワークピースのための部分的にオン状態についての正しい設定は、さらなる実験的テストまたは構成なしで容易に選択され得る。とりわけ、利点は、新しい強磁性ワークピースが、対応するワークピースデータ記録86を有する限り、磁気結合デバイスを切り換えるためのシステムの休止期間を被ることなく、強磁性シートの異なる厚さなどの複数のワークピースタイプでロボットシステム700または他の機械的持ち上げシステムを使用できることである。
【0146】
図29は、開示された磁気結合デバイスのうちの1つなどの磁気結合デバイスで強磁性ワークピースを移動させる例示的な処理シーケンス500を示し、それが提供される。強磁性ワークピースを磁気結合デバイスの複数のポールシューに接触させることを含む処理シーケンス500であって、複数のポールシューの各々が、強磁性ワークピースに接触するワークピース接触インターフェースを有し、磁気結合デバイスが、ブロック502によって示されているように、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、処理シーケンス500。ポールシューは、磁気結合デバイスのハウジングに取り付けられ得るか、または磁気結合デバイスのハウジングの一体の部分であり得る。次いで、ブロック504によって示されているように、磁気結合デバイスは、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを有する第1の状態から、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを有する第2の状態に移行され、第2のレベルが、第1のレベルよりも大きい。一実施例では、第1の状態は、オフ状態であり、第2の状態は、部分的にオン状態である。別の実施例では、第1の状態は、部分的にオン状態であり、第2の状態は、部分的にオン状態である。ブロック506によって示されているように、強磁性ワークピースは、磁気結合デバイスが第2の状態にある間に、第1の位置から第2の位置に磁気結合デバイスで移動される。ブロック508によって示されているように、磁気結合デバイスは、第2の状態から、複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを有する第3の状態に移行され、第3のレベルが、第2のレベルよりも大きい。一実施例では、第2の状態は、部分的にオン状態であり、第3のレベルは、第2の部分的にオン状態およびオン状態のうちの1つである。ブロック510によって示されているように、強磁性ワークピースは、磁気結合デバイスが第3の状態にある間に、第2の位置から第3の位置に磁気結合デバイスで移動される。ブロック512によって示されているように、強磁性ワークピースは、磁気結合デバイスから切り離される。一実施例では、強磁性ワークピースは、磁気結合デバイスを第1の状態に戻して移行させることによって切り離され、第1の状態が、オフ状態である。別の実施例では、強磁性ワークピースは、オフ状態、およびワ
ークピースを磁気結合デバイスに保持することができるレベル未満の、ポールシューのワークピース接触インターフェースで利用可能な磁束のレベルを有する部分的にオン状態のうちの1つに磁気結合器を移行させることによって切り離される。本明細書で開示される任意の例示的な磁気結合デバイスが、処理シーケンス500を実行するために使用され得る。さらに、本明細書で開示される任意の例示的な磁気結合デバイスが、処理シーケンス500を実行するためにロボットシステム700と組み合わせて使用され得る。
【0147】
実施形態では、ステップ510と512との間で、磁気結合デバイスは、第3の状態から、ワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第4のレベルを有する第4の状態に移行され、第4のレベルが、第3のレベルよりも小さいが、それでも磁気結合デバイスに対してワークピースを保持するのに十分である。一実施例では、第4のレベルは、ワークピースがスタックの上部上に置かれるワークピースの第2のスタックに近づいているときに使用される。磁束のレベルを低減することによる、すでにスタック上にあるワークピースが磁気結合デバイスの磁束により移動されるという可能性。別の実施例では、ワークピースは、2番目のワークピースに対して入れ子関係に置かれており、2番目のワークピースが置かれると、両方のワークピースが、複数のワークピースを移動させるのに十分な磁束で磁気結合デバイスに結合されるように磁束レベルが増加する。
【0148】
実施形態では、第2のスタックでの磁束の第2のレベルは、ワークピースのスタックでの複数のワークピースを磁気結合デバイスに結合するのに十分である。複数のワークピースが結合されると、複数のワークピースは、第2の位置に移動される。この時点で、磁束レベルが増加して、磁気結合デバイスとの接続のレベルを強化し得る。一実施例では、磁気結合デバイスは、複数のワークピースを第1の落下場所に移動させ、磁束のレベルが、複数のワークピースの底のワークピースを解放するように下げられる。これは、複数のワークピースのすべてが解放されるまで、異なる場所で繰り返される。
【0149】
図30は、磁気結合デバイスで強磁性ワークピースを移動させる例示的な処理シーケンス550を示す。複数のポールシューを有する磁気結合デバイスで移動される強磁性ワークピースの識別を受信することを含む処理シーケンスであって、複数のポールシューの各々が、ブロック552によって示されているように、強磁性ワークピースに接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有する、処理シーケンス。ポールシューは、磁気結合デバイスのハウジングに取り付けられ得るか、または磁気結合デバイスのハウジングの一体の部分であり得る。複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、磁気結合デバイス。ブロック554によって示されているように、識別された強磁性ワークピースに対応する磁気結合デバイスの少なくとも1つの状態が判定される。磁気結合デバイスの複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有する少なくとも1つの状態。ブロック556によって示されているように、識別された強磁性ワークピースは、磁気結合デバイスの複数のポールシューのワークピース接触インターフェースに接触する。ブロック558によって示されているように、識別された強磁性ワークピースは、少なくとも3つの状態に磁気結合デバイスを順次構成する間に、最初の位置から最終の位置に磁気結合デバイスで移動され、3つの状態の各々が、磁気結合デバイスの複数のポールシューのワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有し、少なくとも3つの状態が、識別された強磁性ワークピースに対応する磁気結合デバイスの少なくとも1つの状態を含む。ブロック560によって示されているように、識別された強磁性ワークピースは、磁気結合デバイスから切り離される。
【0150】
実施形態では、少なくとも3つの状態を有する磁気結合デバイスは、少なくとも1つの
第1の永久磁石と、少なくとも1つの第2の永久磁石と、少なくとも1つの第2の永久磁石の周りに置かれた電気コイルと、を含む電気永久磁気結合デバイスである。少なくとも1つの第1の永久磁石は、高保磁力磁石であり、少なくとも1つの第2の永久磁石は、低保磁力磁石であり、その磁石極は、少なくとも1つの第2の永久磁石の周囲に置かれた電気コイルに供給される電気的な電流の影響により変化され得る。例示的な高保磁力磁石は、NdFeB(ネオジム、鉄、ホウ素)磁石である。例示的な低保磁力磁石は、AlNiCo(アルミニウム、ニッケル、コバルト)磁石である。
【0151】
少なくとも1つの第1の永久磁石、少なくとも1つの第2の永久磁石、および電気コイルは、ワークピース接触インターフェースを備える、関連するポールシューを有するハウジングに含まれる。少なくとも1つの第2の永久磁石の磁気極の配向は、第1の配向を有し得、磁束の第1のレベルが、ポールシューのワークピース接触インターフェースが利用可能であり、第1のレベルが、強磁性ワークピース27を持ち上げるのに十分である。さらに、少なくとも1つの第2の永久磁石の磁気極の配向は、第2の配向を有し得、磁束の第2のレベルが、ポールシューのワークピース接触インターフェースが利用可能であり、第2のレベルが、強磁性ワークピース27を持ち上げるのに不十分である。第1の配向にあるときに、ポールシューのワークピース接触インターフェースで利用可能な磁束を、第1のレベルよりも小さくかつ第2のレベルよりも大きい第3のレベルに低減する第1の電流レベルがコイルに印加され得る。部分的にオン状態に対応する第3のレベル。一実施例では、第3のレベルは、強磁性ワークピースの残りの部分から強磁性ワークピース27’をディスタックするのに十分である。少なくとも1つの第2の永久磁石の磁気極を第2の配向に変更するのに不十分である第1の電流レベル。第2の配向にあるときに、ポールシューのワークピース接触インターフェースで利用可能な磁束を、第1のレベルよりも小さくかつ第2のレベルよりも大きい第4のレベルに増加させる第2の電流がコイルに印加され得る。部分的にオン状態に対応する第4のレベル。一実施例では、第4のレベルは、強磁性ワークピースの残りの部分から強磁性ワークピース27’をディスタックするのに十分である。少なくとも1つの第2の永久磁石の磁気極を第1の配向に変更するのに不十分である第2の電流レベル。
【0152】
図31を参照すると、強磁性ワークピース490を保持するための固定具486が図示されている。固定具486は、検査のために強磁性ワークピース490を保持する検査固定具であり得る。固定具486は、フレーム496と、強磁性ワークピース490の下方側492を支持するように位置付けられた複数の磁気結合デバイス10と、を含む。磁気結合デバイス10の各々は、強磁性ワークピース490に接触するのに適したワークピース接触インターフェースを有する複数のポールシュー16を含む。ポールシューは、磁気結合デバイス10のハウジングに取り付けられ得るか、または磁気結合デバイス10のハウジングの一体の部分であり得る。
【0153】
強磁性ワークピース490は、強磁性ワークピース490の上方側494に接触する1つ以上のプローブ488で検査され得る。実施形態では、各磁気結合デバイス10の電子コントローラ34は、磁石結合デバイス10の磁石を配向して、ポールシュー16のワークピース接触インターフェース17で利用可能な磁束のレベルを提供して、固定具486に対して強磁性ワークピース490を保持するが、強磁性ワークピース490の上方側494を検査するプローブの動作を変更しないほど十分に低く保持する。
【0154】
実施形態では、複数の磁気結合デバイス10の各々は、強磁性ワークピース490の下方側492の対応する輪郭と一致するような形状であるワークピース接触インターフェース17を備える、関連するポールシュー16を有する。実施形態では、複数の磁気結合デバイス10は、離間している。
【0155】
様々な修正および追加が、本開示の範囲から逸脱することなく、論じられた例示的な実施形態に対して行われ得る。例えば、上記の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態と、記載された特徴のすべてを含むわけではない実施形態と、を含む。したがって、本発明の範囲は、そのすべての等価物と共に、特許請求の範囲内にあるようなすべてのそのような代替、修正、および変形を包含するように意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
【
図1】複数の強磁性ワークピースのスタックの上部に位置付けられた例示的なオフ状態の例示的な切り換え可能な磁気結合器デバイスの正面の代表図を示す。
【
図2】
図1の例示的なオフ状態についての
図1の磁気結合器デバイスの永久磁石の相対的な配向の斜視図を示す。
【
図3】
図1で図示された強磁性ワークピースのスタックの上部に位置付けられた例示的なオン状態の
図1の例示的な切り換え可能な磁気結合器デバイスの正面の代表図を示す。
【
図4】
図3の例示的なオン状態についての
図1の磁気結合器デバイスの永久磁石の相対的な配向の斜視図を示す。
【
図5】
図1で図示された強磁性ワークピースのスタックの複数のシートと共に上向きに移動されている
図3の例示的なオン状態の
図1の磁気結合器デバイスを示す。
【
図6】例示的な部分的にオン状態の
図1の例示的な切り換え可能な磁気結合器デバイスの正面の代表図を示す。
【
図7】
図6の例示的な部分的にオン状態についての
図1の磁気結合器デバイスの永久磁石の相対的な配向の斜視図を示す。
【
図8】
図1で図示された強磁性ワークピースのスタックの上部シートと共に上向きに移動されている
図6の例示的な部分的にオン状態の
図1の磁気結合器デバイスを示す。
【
図9】上向きに移動されて、
図6の例示的な部分的にオン状態から
図3の例示的なオン状態に移行されている、
図8の磁気結合器デバイスを示す。
【
図10】磁気結合器デバイスがアクチュエータのための電気モーターと第1の例示的な感知システムとを含む
図9の配置を示す。
【
図11】磁気結合器デバイスが第2の例示的な感知システムを含む
図9の配置を示す。
【
図12】磁気結合器デバイスが第3の例示的な感知システムを含む
図9の配置を示す。
【
図13】
図1の磁気結合デバイスのハウジングの凹部に受容された、
図1の磁気結合デバイスの
図1のオフ状態にある回転可能な永久磁石によって搬送されるピンを示す。
【
図14】回転可能な永久磁石が
図6の部分的な状態にあり、ブロッカーが回転可能な永久磁石の回転位置を保持するように位置付けられている、
図13のシステムを示す。
【
図16】例示的な磁気結合デバイスおよびセンサー配置の分解斜視図を示す。
【
図17】複数の永久磁石と極部とを有する例示的なプラッタの分解斜視図を示す。
【
図19】
図17のプラッタの2つのインスタンスの斜視図を示す。
【
図19A】ワークピースに結合された、オン状態に配置されている
図19のプラッタの部分断面図である。
【
図19B】ワークピースに結合された、オフ状態に配置されている
図19のプラッタの部分断面図である。
【
図20】リニアアレイで配置された複数の永久磁石および極部を各々含む上方アセンブリおよび下方アセンブリを有し、オン状態にある、例示的な磁気結合デバイスの概略図を示す。
【
図21】部分的にオン状態の
図20の磁気結合デバイスを示す。
【
図23】永久磁石と電気コイルとを含む別の例示的な磁気結合デバイスの分解斜視図を示す。
【
図24】
図23の例示的な磁気結合デバイスの組み立てられた図を示す。
【
図24A】例示的な磁気結合デバイスの例示的な構成を示す。
【
図24B】例示的な磁気結合デバイスの例示的な構成を示す。
【
図24C】例示的な磁気結合デバイスの例示的な構成を示す。
【
図25】そこに取り付けられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含む支持体構造を示す。
【
図25A】アーム結合器の端として取り付けられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含むロボットシステムを示す。
【
図25B】そこから吊り下げられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含む機械的ガントリーを示す。
【
図25C】そこから吊り下げられた
図1の例示的な磁気結合デバイスの1つを含むクレーンホイストを示す。
【
図26】例示的な磁気結合デバイスの電子コントローラのメモリ上に格納された状態データ情報の例示的な収集を示す。
【
図27】例示的な磁気結合デバイスの電子コントローラのメモリ上に格納された状態についての例示的なデータ記録を示す。
【
図28】例示的な磁気結合デバイスの電子コントローラのメモリ上に格納された強磁性ワークピースおよび対応する状態についての例示的なデータ記録を示す。
【
図32A】
図1の磁気結合デバイスについての係合状態での例示的なブレーキを示す。
【
図33】例示的な流体、空気圧、または液圧アクチュエータシステムの代表図を示す。
【
図34】磁気結合デバイスの動作状態を判定するためのセンサーおよびコントローラを含む例示的なリニアアレイ磁気結合デバイスの斜視図を示す。
【
図35】
図34のリニアアレイ磁気結合デバイスの底面図を示す。
【
図36】磁気結合デバイスの動作状態を判定するセンサーおよびコントローラを含む例示的な円形アレイ磁気結合デバイスの斜視図を示す。
【
図37】
図36の円形アレイ磁気結合デバイスの底面図を示す。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラであって、
(a)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第1の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する、第1の状態であって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、第1の状態、
(b)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第2の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する、第2の状態であって、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きい、第2の状態、ならびに
(c)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第3の位置を有して、前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供する、第3の状態であって、磁束の前記第3のレベルが、磁束の前記第1のレベルおよび磁束の前記第2のレベルの各々よりも大きい、第3の状態の少なくとも各々に、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラと、を備える、磁気結合デバイス。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスであって、
下方側を有するハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ磁束の概ね一定のレベルを提供するアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記第1の永久磁石の周りに位置付けられたコイルと、
ロジックを含む電子コントローラと、を備え、前記ロジックは、
(a)電流の第1のレベルが前記コイルに提供される第1の状態であって、前記コイルおよび前記第1の永久磁石が、電流の前記第1のレベルおよび前記第1の永久磁石に基づいて前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供し、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、第1の状態、
(b)電流の第2のレベルが前記コイルに提供される第2の状態であって、前記コイルおよび前記第1の永久磁石が、電流の前記第2のレベルおよび前記第1の永久磁石に基づいて前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供し、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きい、第2の状態、ならびに
(c)電流の第3のレベルが前記コイルに提供される第3の状態であって、前記コイルおよび前記第1の永久磁石が、電流の前記第3のレベルおよび前記第1の永久磁石に基づいて前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供し、磁束の前記第3のレベルが、磁束の前記第1のレベルおよび磁束の前記第2のレベルの各々よりも大きい、第3の状態の各々を提供するように、前記コイルに供給される前記電流のレベルを制御する、磁気結合デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングによって支持された感知システムをさらに備え、前記感知システムが、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルを監視する少なくとも1つのセンサーを含む、請求項1に記載の磁気結合デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記コイルに提供される電流のレベルを監視する電気的な電流センサーである、請求項2に記載の磁気結合デバイス。
【請求項4】
前記電流が、前記第1の状態では第1の方向に、前記第3の状態では第2の方向に、前記コイルを通過する、請求項2または3に記載の磁気結合デバイス。
【請求項5】
電流の前記第3のレベルが、電流の前記第2のレベルよりも小さい、請求項4に記載の磁気結合デバイス。
【請求項6】
支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースに磁気的に結合するための磁気結合デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラであって、前記第1の永久磁石に対して複数の別個の配向に前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含む、電子コントローラと、
前記ハウジングによって支持されたブレーキであって、前記ブレーキが前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を保持する係合状態と、前記ブレーキが前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石の回転を可能にする非係合状態と、を有する、ブレーキと、を備える、磁気結合デバイス。
【請求項7】
前記電子コントローラが、前記ブレーキに動作可能に結合されており、前記電子コントローラの前記ロジックが、前記第2の永久磁石が前記第1の永久磁石に対して前記複数の別個の配向のうちの1つにあるときに前記ブレーキに係合する、請求項6に記載の磁気結合デバイス。
【請求項8】
前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の第1の配向が、前記磁気結合デバイスの第1の状態に対応して、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供し、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分であり、前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の第2の配向が、前記磁気結合デバイスの第2の状態に対応して、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供し、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きく、前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の第3の配向が、前記磁気結合デバイスの第3の状態に対応して、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを提供し、磁束の前記第3のレベルが、磁束の前記第1のレベルおよび磁束の前記第2のレベルの各々よりも大きい、請求項7に記載の磁気結合デバイス。
【請求項9】
強磁性ワークピースを保持するための固定具であって、
フレームと、
前記強磁性ワークピースの下方側を支持するように位置付けられた少なくとも1つの磁気結合デバイスとを備え、各磁気結合デバイスは、
第1の側を有するハウジングと、
前記ハウジングによって支持されており、かつ前記強磁性ワークピースに接触するのに適した、複数のワークピース接触インターフェースと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合された電子コントローラと、を備え、前記電子コントローラは、
(a)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第1の位置を有して、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを提供する、第1の状態であって、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第1のレベルが、前記磁気結合デバイスに対して前記強磁性ワークピースを保持するのに不十分である、第1の状態、および
(b)前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して第2の位置を有して、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを提供する、第2の状態であって、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルが、前記磁気結合デバイスに対して前記強磁性ワークピースを保持するのに十分であり、磁束の前記第2のレベルが、磁束の前記第1のレベルよりも大きい、第2の状態の少なくとも各々に、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を位置付けるように、前記アクチュエータを作動させるロジックを含む、固定具。
【請求項10】
前記少なくとも1つの磁気結合デバイスが、複数の磁気結合デバイスを含み、前記複数の磁気結合デバイスの各々が、前記強磁性ワークピースの対応する輪郭と一致する形状であるワークピース接触インターフェースを備える、関連するポールシューを有する、請求項9に記載の固定具。
【請求項11】
前記複数の磁気結合デバイスが、離間している、請求項10に記載の固定具。
【請求項12】
磁気結合デバイスで、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースを移動させる方法であって、
(a)前記強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの複数のワークピース接触インターフェースに接触させるステップであって、前記磁気結合デバイスが、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、ステップと、
(b)前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第1のレベルを有する第1の状態から、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第2のレベルを有する第2の状態に、前記磁気結合デバイスを移行させるステップであって、前記第2のレベルが前記第1のレベルよりも大きい、ステップと、
(c)前記磁気結合デバイスが前記第2の状態にある間に、第1の位置から第2の位置に前記磁気結合デバイスで前記支持体に対して前記強磁性ワークピースを移動させるステップと、
(d)前記第2の状態から、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の第3のレベルを有する第3の状態に、前記磁気結合デバイスを移行させるステップであって、前記第3のレベルが前記第2のレベルよりも大きい、ステップと、
(e)前記磁気結合デバイスが前記第3の状態にある間に、前記第2の位置から第3の位置に前記磁気結合デバイスで前記強磁性ワークピースを移動させるステップと、
(f)前記磁気結合デバイスから前記強磁性ワークピースを切り離すステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記強磁性ワークピースが、ステップ(a)から(e)までを通じて同じである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの永久磁石は、第1の永久磁石および第2の永久磁石を含み、前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石の両方は、前記磁気結合デバイスの前記第1の状態、前記磁気結合デバイスの前記第2の状態および前記磁気結合デバイスの前記第3の状態において、ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルに寄与する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記磁気結合デバイスを前記第1の状態から前記第2の状態に移行させるステップは、前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第2の永久磁石を前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第1の永久磁石に対して移動させるステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第2の永久磁石を前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第1の永久磁石に対して移動させるステップは、前記第2の永久磁石と交差しない関係にある軸の周りで前記第2の永久磁石を前記第1の永久磁石に対して回転させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の永久磁石に対する前記第2の永久磁石の段階的な移動は、軸の周りで前記第2の永久磁石を前記第1の永久磁石に対して回転させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルは、第1の強磁性ワークピースが配置される第2の強磁性ワークピースに対して前記強磁性ワークピースを持ち上げるのに十分であり、前記第1の強磁性ワークピースとともに前記第2の強磁性ワークピースを持ち上げるのに不十分である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記第2のレベルの表示は、メモリに記憶される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記メモリは、前記磁気結合デバイスのコントローラのプロセッサによってアクセス可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
電力中断の場合に、ブレーキを係合させて、前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第2の永久磁石を前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第1の永久磁石に対して保持するステップさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの前記複数のワークピース接触インターフェースと接触させるステップに先立ち、前記強磁性ワークピースに対する前記磁気結合デバイスの近接性を判定するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記強磁性ワークピースに対する銭磁気結合デバイスの前記近接性を判定するステップは、
前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第2の永久磁石を前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第1の永久磁石に対してモータを用いて移動させるステップと、
前記モータの電流の引き込みを監視して、前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第2の永久磁石を前記少なくとも1つの永久磁石のうちの前記第1の永久磁石に対して移動させるステップと、
前記電流の引き込みをメモリに記憶されたテーブルと比較することによって、前記強磁性ワークピースに対する前記磁気結合デバイスの前記近接性を推測するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記磁気結合デバイスを前記第1の状態から前記第2の状態に移行させるステップは、前記少なくとも1つの永久磁石を取り囲むコイルに電流を流すステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
磁気結合デバイスで、支持体上に位置付けられた強磁性ワークピースを移動させる方法であって、
(a)前記強磁性ワークピースに接触するのに適した複数のワークピース接触インターフェースを有する磁気結合デバイスで移動される強磁性ワークピースの識別を受信するステップであって、前記磁気結合デバイスが、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束のレベルに寄与する少なくとも1つの永久磁石を有する、ステップと、
(b)前記識別された強磁性ワークピースに対応する前記磁気結合デバイスの少なくとも1つの状態を判定するステップであって、前記少なくとも1つの状態が、前記磁気結合デバイスの前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有する、ステップと、
(c)前記識別された強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの前記複数のワークピース接触インターフェースに接触させるステップと、
(d)少なくとも3つの状態に前記磁気結合デバイスを順次構成する間に、最初の位置から最終の位置に前記磁気結合デバイスで前記支持体に対して前記識別された強磁性ワークピースを移動させるステップであって、前記3つの状態の各々が、前記磁気結合デバイスの前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の対応するレベルを有し、前記少なくとも3つの状態が、前記識別された強磁性ワークピースに対応する前記磁気結合デバイスの前記少なくとも1つの状態を含む、ステップと、
(e)前記磁気結合デバイスから前記識別された強磁性ワークピースを切り離すステップと、
を含む、方法。
【請求項26】
ステップ(b)において、前記磁気結合デバイスの前記少なくとも1つの状態が、前記識別された強磁性ワークピースに関連するメモリに記憶された情報に基づいて判定される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記支持体に対して前記識別された強磁性ワークピースを最初の位置から最終の位置に前記磁気結合デバイスを用いて移動させるステップは、
前記磁気結合デバイスを、前記複数のワークピース接触インターフェースで強磁性ワークピースが利用可能な第1のレベルの磁束を有する前記少なくとも3つの状態のうちの第1の状態から、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な第2のレベルの磁束を有する前記少なくとも3つの状態のうちの第2の状態に移行させるステップであって、前記第2のレベルが前記第1のレベルよりも大きい、ステップと、
前記磁気結合デバイスが前記少なくとも3つの状態のうちの第2の状態にある間に、前記最初の位置から第2の位置に前記強磁性ワークピースを移動させるステップと、
前記磁気結合デバイスを、前記少なくとも3つの状態のうちの前記第2の状態から、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な第3のレベルの磁束を有する前記少なくとも3つの状態のうちの第3の状態に移行させるステップであって、前記第3のレベルが前記第2のレベルよりも大きい、ステップと、
前記磁気結合デバイスが前記第3の状態にある間に、前記強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスとともに、前記第2の位置から、前記第2の位置から離間した第3の位置に移動させるステップとを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記磁気結合デバイスを前記少なくとも3つの状態のうちの前記第1の状態から前記少なくとも3つの状態のうちの前記第2の状態に移行させるステップは、前記少なくとも1つの永久磁石を前記複数のワークピース接触インターフェースに対して移動させるステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの永久磁石は、第1の永久磁石および第2の永久磁石を含み、前記少なくとも1つの永久磁石を前記複数のワークピース接触インターフェースに対して移動させるステップは、前記第2の永久磁石を前記第1の永久磁石に対して回転させるステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
電力中断の場合に、前記第2の永久磁石を前記第1の永久磁石に対して保持するためにブレーキを係合するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記識別された強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの前記複数のワークピース接触インターフェースに接触させるステップに先立ち、前記識別された強磁性ワークピースに対する前記磁気結合デバイスの近接性を判定するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記磁気結合デバイスを前記少なくとも3つの状態のうちの前記第1の状態から前記少なくとも3つの状態のうちの前記第2の状態に移行させるステップは、前記少なくとも1つの永久磁石を取り囲むコイルに電流を流すステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
ロボットアームを用いて前記磁気結合デバイスを支持するステップをさらに含み、前記強磁性ワークピースに接触するのに適した前記複数のワークピース接触インターフェースを有する前記磁気結合デバイスを用いて移動される強磁性ワークピースの前記識別を受信するステップは、前記ロボットアームの電子コントローラから前記強磁性ワークピースの識別子を受信するステップを含む。請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記識別された強磁性ワークピースを前記磁気結合デバイスの前記複数のワークピース接触インターフェースに接触させるステップに先立ち、前記識別された強磁性ワークピースに対する前記磁気結合デバイスの近接性を判定するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記識別された強磁性ワークピースへの前記磁気結合デバイスの前記近接性を判定するステップは、
前記少なくとも1つの永久磁石のうちの第2の永久磁石を第1の永久磁石に対してモータを用いて移動させるステップと、
前記モータの電流の引き込みを監視して、前記少なくとも1つの永久磁石のうちの第2の永久磁石を第1の永久磁石に対して移動させるステップと、
前記電流の引き込みをメモリに記憶されたテーブルと比較することによって、前記識別された強磁性ワークピースへの前記磁気結合デバイスの前記近接性を推測するステップとを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの永久磁石のうちの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの永久磁石のうちの第2の永久磁石の両方は、前記磁気結合デバイスの前記少なくとも3つの状態の各々において、前記複数のワークピース接触インターフェースで前記強磁性ワークピースが利用可能な磁束の前記レベルに寄与する、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(b)は、ステップ(d)に先立って行われる、請求項25に記載の方法。
【外国語明細書】