(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104202
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240726BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008316
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】521372482
【氏名又は名称】WHITE CROSS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雄介
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB24
5L030BB53
5L049BB24
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】歯科技工士の営業活動をより効率的に支援する。
【解決手段】歯科技工士により提供される制作物の需要側及び供給側の業務を支援する情報処理システムを構成する業務支援サーバ1では、情報取得部31が、歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報と供給側の情報とを取得し、技工士抽出部32が、需要側の情報から特定される制作物の要求に対応できる1以上の歯科技工士を、供給側の情報から抽出し、情報提示部36が、抽出された1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として需要側に提示する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報と供給側の情報とを取得する情報取得手段と、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出する技工士抽出手段と、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示する情報提示手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記需要側の情報には、提供を希望する前記制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の要求に関する情報が含まれ、前記供給側の情報には、提供できる制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の情報が含まれることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記需要側の情報には、前記制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の要求の履歴に関する情報が含まれ、前記供給側の情報には、対応した当該制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の履歴に関する情報が含まれることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、前記需要側から前記供給側に対する評価に関する情報をさらに取得し、
前記情報提示手段は、前記技工士情報として、前記供給側に対する評価に関する情報を前記需要側に提示することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、前記供給側から前記需要側に対する評価に関する情報をさらに取得し、
前記情報提示手段は、前記需要側に対する評価に関する情報を前記供給側にさらに提示することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記需要側からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報と、前記供給側からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報とが、当該需要側と当該供給側とで前記制作物ごとに共有されるユーザインターフェースを提供するコミュニケーションツール提供手段をさらに有することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記需要側からの発注に基づき前記制作物を制作した前記供給側による対価の請求に関する情報を生成する請求情報生成手段をさらに有し、
前記情報提示手段は、生成された前記対価の請求に関する情報を前記需要側に提示することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制作物の提供を要求するための情報として入力された情報に基づいて、前記需要側から前記供給側に対する当該制作物の制作の指示に関する指示情報を生成する指示情報生成手段をさらに有し、
前記情報提示手段は、生成された前記指示情報を前記供給側に提示することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記指示情報生成手段は、前記制作物の提供を要求するための情報として入力された三次元画像情報をさらに含む情報に基づいて、前記指示情報を生成することを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報と供給側の情報とを取得して管理するステップと、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出するステップと、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報と供給側の情報とを取得して管理するステップと、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出するステップと、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示するステップと、
をコンピュータにより実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化の進展に伴う口腔機能の回復を図る観点から歯科技工士の需要が高まる中、毎年約800人程度の歯科技工士が誕生している。しかしながら、歯科技工士は、歯科用補綴物の制作を受注するために、取引先である歯科医に対して頻繁に営業活動を行う必要があり、本来の歯科用補綴物の制作業務と営業活動との両立が困難であった。
【0003】
このような歯科技工士による歯科医からの歯科用補綴物の受注を支援するための技術として、複数の歯科医院と複数の歯科技工所との間で受発注を行うことができる歯科用補綴物受発注システムおよび歯科用補綴物受発注方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この歯科用補綴物受発注システムは、複数の歯科医院端末と、複数の歯科技工所端末と、これらの端末のそれぞれとネットワークを介して接続しているサーバと、を備え、複数の歯科医院端末のうち1つが、サーバを介して複数の歯科技工所端末のうち1つを選択するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の歯科用補綴物受発注システムでは、単にインターネット等のネットワークにより歯科医と歯科技工士とを結びつけるだけであり、それぞれの詳細な要望等を満たすような受発注を実現するシステムではなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、歯科技工士の営業活動をより効率的に支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報と供給側の情報とを取得する情報取得手段と、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出する技工士抽出手段と、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示する情報提示手段と、
を有する情報処理装置である。
【0008】
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法、及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法、及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、歯科技工士の営業活動をより効率的に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システム全体構成の一例を示す図である。
【
図2】業務支援サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】業務支援サーバにおける機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】業務支援サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】業務支援サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】技工士端末に表示されるユーザインターフェースのうち、案件一覧画面の具体例を示す図である。
【
図7】技工士端末及び医師端末に表示されるユーザインターフェースのうち、案件管理画面の具体例を示す図である。
【
図8】技工士端末及び医師端末に表示されるユーザインターフェースのうち、技工所一覧画面の具体例を示す図である。
【
図9】技工士端末及び医師端末に表示されるユーザインターフェースのうち、技工所詳細画面の具体例を示す図である。
【
図10】医師端末に表示されるユーザインターフェースのうち、指示書作成画面の具体例を示す図である。
【
図11】技工士端末に表示されるユーザインターフェースのうち、請求管理画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<概要>
本実施形態では、歯科医師が、事前に登録された複数の歯科技工士から適切な歯科技工士を選択し、その歯科技工士に制作物の制作を依頼することができるマッチング技術について説明する。
本実施形態によれば、品質の優れた制作物を適正価格で発注したい歯科医師と、技術が優れているにもかかわらず受注がなかなか得られない歯科技工士とを、例え地理的に離れていたとしても、それぞれのニーズや情報を共有しつつマッチングさせることができる。
また、歯科技工士は、歯科医師からの技工指示書によってのみ、歯科技工制作の案件を受注することができるため、本実施形態においては、この技工指示書の作成及び送付をオンラインで行うことを可能としている。
なお、歯科技工士が制作する制作物としては、インレー、クラウン、義歯、ブリッジ、矯正装置、マウスピース等が挙げられる。
【0012】
<システム構成>
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの全体構成の一例を示す図である。
情報処理システムSは、業務支援サーバ1(情報処理装置)と、技工士端末2-1乃至2-n(nは1以上の整数値)と、医師端末3-1乃至3-m(mは1以上の整数値)とがネットワークNを介して接続されることで構成される。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Vertual Private Network)等である。また、図示はしないが、技工士端末2-1乃至2-nの各々には、歯科技工士が制作業務において使用する各種の装置や機器が接続されていてもよい。また、医師端末3-1乃至3-mの各々にも、歯科医師が医療業務において使用する各種の装置や機器が接続されていてもよい。
【0013】
業務支援サーバ1は、情報処理システムSの全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。業務支援サーバ1は、技工士端末2-1乃至2-n、医師端末3-1乃至3-m、及び外部から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、業務支援サーバ1は、技工士端末2-1乃至2-n、医師端末3-1乃至3-mの各々、及び外部に向けて各種の情報を送信する。以下、技工士端末2-1乃至2-n、及び医師端末3-1乃至3-mの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて技工士端末2、及び医師端末3の各々と呼ぶ。
【0014】
例えば、業務支援サーバ1は、供給側の情報として入力された歯科技工士に関する技工士情報を取得し、データベースに記憶して管理する。
「供給側」とは、制作物の提供についての受注を行う歯科技工士のことをいう。なお、供給側のことを、そのまま「供給側」という場合と「歯科技工士」という場合とがある。
技工士情報には、例えば、歯科技工士の名前、所属する組織(例えば、歯科技工所等)の名称、所在地、連絡先、歯科医師からの評価に関する情報、過去に提供した制作物の履歴に関する情報、提供できる制作物の内容、価格、及び納期などについての情報等が含まれる。
【0015】
また、業務支援サーバ1は、需要側の情報として入力された歯科医師に関する医師情報と、制作物の提供を要求するために入力された要求情報とを取得し、それぞれをデータベースに記憶して管理する。
「需要側」とは、歯科技工士に対し、制作物の制作や調整を発注する側のことをいう。なお、需要側のことを、そのまま「需要側」という場合と「歯科医師」という場合とがある。
医師情報には、例えば、歯科医師の名前、歯科医師が所属する組織(例えば、歯科医院等)の名称、所在地、連絡先、歯科技工士からの評価に関する情報、過去の要求の履歴に関する情報等が含まれる。
要求情報には、提供を希望する制作物の内容、価格、及び納期などについての要求に関する情報等が含まれる。
【0016】
また、業務支援サーバ1は、データベースに記憶されている、技工士情報と、医師情報と、要求情報とに基づいて、制作物に関する歯科医師からの要求に対応できる1以上の歯科技工士を抽出する。そして、業務支援サーバ1は、抽出した1以上の歯科技工士の各々の技工士情報を医師端末3に向けて送信する。
【0017】
また、業務支援サーバ1は、技工士端末2及び医師端末3に対し、歯科医師からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報と、歯科技工士からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報とが歯科医師と歯科技工士とで制作物ごとに共有されるユーザインターフェースを提供する。以下、このようなユーザインターフェースで実現されるコミュニケーションツールのことを「業務支援チャットサービス」と呼ぶ。具体的には、業務支援サーバ1は、抽出した1以上の歯科技工士のうち、歯科医師により選択された歯科技工士と、その歯科技工士を選択した歯科医師が参加できる業務支援チャットサービスを提供する。
【0018】
また、業務支援サーバ1は、データベースに記憶されている要求情報に基づいて、歯科医師から歯科技工士に対する制作物の制作の指示に関する指示情報を生成する。そして、業務支援サーバ1は、生成した指示情報を技工士端末2に向けて送信する。医師端末3に入力される要求情報には、患者の口腔内をスキャンした三次元画像情報も含まれるが、この情報に代えて、従来の型取りにより作成する歯型を用いてもよい。ここで、三次元画像情報を用いた要求情報、及び、歯型の現物又はこの歯型から得られる情報を用いた要求情報は、指示書の記載(IDの種類等)を異ならせることによって参照しやすくしてもよい。
指示情報としては、従来の紙の技工指示書に記載したものを用いることもできるが、歯科医師から歯科技工士に素早く送ることができ、情報を一括管理できるという観点から、デジタルデータの技工指示書を用いることが好ましい。
三次元画像情報としては、例えば、患者の歯型をスキャンした画像などが挙げられる。
【0019】
また、業務支援サーバ1は、歯科医師からの発注に基づき制作物を制作した歯科技工士による対価の請求に関する請求情報を生成する。請求情報は、歯科技工士により入力された情報に基づいて生成される。そして、業務支援サーバ1は、生成した請求情報を医師端末3に向けて送信する。なお、業務支援サーバ1の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0020】
技工士端末2は、
図1の情報処理システムSを利用する歯科技工士が操作する情報処理装置であり、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等で構成される。技工士端末2は、業務支援サーバ1から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、技工士端末2は、業務支援サーバ1に向けて各種の情報を送信する。例えば、技工士端末2は、入力された技工士情報を業務支援サーバ1に向けて送信する。
【0021】
また、技工士端末2は、業務支援チャットサービスのユーザインターフェースを出力部のディスプレイ等に表示する。また、技工士端末2は、請求情報を生成するために入力された情報を取得し、取得した入力情報を業務支援サーバ1に向けて送信する。また、技工士端末2は、業務支援サーバ1から送信されてきた指示情報を取得し、出力部のディスプレイ等に表示する。
【0022】
医師端末3は、
図1の情報処理システムSを利用する歯科医師が操作する情報処理装置であり、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等で構成される。医師端末3は、業務支援サーバ1から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、医師端末3は、業務支援サーバ1に向けて各種の情報を送信する。例えば、医師端末3は、入力された医師情報や要求情報を業務支援サーバ1に向けて送信する。
【0023】
また、医師端末3は、業務支援サーバ1から送信されてきた、制作物に関する歯科医師からの要求に対応できる1以上の歯科技工士の各々の技工士情報を取得し、出力部のディスプレイ等に表示する。また、医師端末3は、業務支援チャットサービスのユーザインターフェースを出力部のディスプレイ等に表示する。また、医師端末3は、指示情報を生成するために入力された要求情報を取得し、取得した入力情報を業務支援サーバ1に向けて送信する。また、医師端末3は、業務支援サーバ1から送信されてきた請求情報を取得し、出力部のディスプレイ等に表示する。
【0024】
情報処理システムSを構成する業務支援サーバ1、技工士端末2、及び医師端末3の各々による上述の処理は一例であり、情報処理システムS全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システムS内で分担してもよいし協働してもよい。例えば、業務支援サーバ1の機能の一部または全部を情報処理システムS内の他の情報処理装置等の機能としてもよいし、情報処理システムS内の他の情報処理装置等の機能の一部または全部を業務支援サーバ1の機能としてもよい。さらに、業務支援サーバ1の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システムS全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0025】
<ハードウェア構成>
(業務支援サーバ1のハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る業務支援サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
業務支援サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0026】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0027】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0028】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0029】
(技工士端末2、及び医師端末3のハードウェア構成)
なお、図示はしないが、技工士端末2及び医師端末3は、
図2に示すハードウェア構成と同様の構成を有する。すなわち、
図2のCPU11と、ROM12と、RAM13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20との各々に対応するCPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを有する。また、技工士端末2及び医師端末3は、上記の構成に加え、撮像部をさらに有する。撮像部は、カメラ等で構成され、制作物等を撮像し、画像(動画像または静止画像)のデータとして取得する。
【0030】
<機能構成>
(業務支援サーバ1の機能構成)
図3は、業務支援サーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
業務支援サーバ1のCPU11においては、動作する際に、情報取得部31と、技工士抽出部32と、指示情報生成部33と、請求情報生成部34と、コミュニケーションツール提供部35と、情報提示部36とが機能する。また、業務支援サーバ1の記憶部18においては、技工士情報DB41と、医師情報DB42と、要求情報DB43、案件情報DB44、制作物情報DB45等が設けられている。
【0031】
情報取得部31は、技工士端末2や医師端末3から業務支援サーバ1に向けて送信されてきた各種の情報を、通信部19を介して取得する。情報取得部31により取得される情報としては、例えば、技工士端末2から送信され、技工士情報DB41に記憶される技工士情報、医師端末3から送信され、医師情報DB42に記憶される医師情報、技工士端末2から医師端末3に又は医師端末3から技工士端末2に送信され、要求情報DB43に記憶される要求情報、医師端末3から技工士端末2に送信され、案件情報DB44に記憶される案件情報、技工士端末2から医師端末3に送信され、制作物情報DB45に記憶される制作物情報が挙げられる。
【0032】
案件情報とは、情報処理システムSを介して歯科技工士と歯科医師との間でやり取りされた制作案件の情報のことをいう。案件情報には、制作案件を一意に特定するための識別情報としてのID、患者の名前、制作物の種別、保険の有無、制作物の内容、発注者の名称、受注日、納期、フェーズ、添付されているファイルの数、新着メッセージの数などが含まれる。
制作物情報とは、歯科技工士が手掛けることができる制作物に関する情報のことをいう。制作物情報には、制作物ごとの種別、保険の有無、材料、色味等の属性を示す情報が含まれる。
【0033】
技工士抽出部32は、データベースに記憶されている、技工士情報と、医師情報と、要求情報とに基づいて、制作物に関する歯科医師からの要求に対応できる1以上の歯科技工士を抽出する。具体的には、技工士抽出部32は、まず、医師情報DB42に記憶される医師情報に基づいて、どの歯科医師が制作物を依頼しているか?要求情報DB43に記憶される要求情報に基づいて、上記の歯科医医師が、どのような制作物を、いくらで、いつまでに提供してほしいのか?といった依頼側の情報を得る。次いで、技工士抽出部32は、技工士情報DB41に記憶される技工士情報に基づいて、依頼の制作物を制作できる技術、制作機器を有しているか?依頼の価格及び納期で制作できるか?といった依頼側の情報を満たしている歯科技工士を抽出する。さらに、技工士抽出部32は、抽出された歯科技工士の過去の実績や評価を、依頼側の歯科医師に提供する。このようにして技工士抽出部32により抽出された歯科技工士が一人の場合、歯科医師は、提供された実績や評価を参照して、この歯科技工士に制作を依頼するか判断することができる。一方、抽出された歯科技工士が複数の場合、歯科医師は、提供された実績や評価を参照して、これらの中から制作を依頼する歯科技工士を選択することができる。
【0034】
指示情報生成部33は、歯科医師により医師端末3に入力された情報に基づいて、指示情報を生成する。
指示情報とは、制作物を制作する際に歯科医師から歯科技工士への制作指示に関する情報であり、この情報は要求情報として要求情報DB43に記憶される。
【0035】
請求情報生成部34は、歯科技工士により技工士端末2に入力された情報に基づいて、請求情報を生成する。
請求情報とは、歯科技工士から歯科医師に請求する制作物の制作代金に関する情報であり、この情報は要求情報として要求情報DB43に記憶される。
【0036】
コミュニケーションツール提供部35は、業務支援チャットサービス等のコミュニケーションツールの提供を行う。具体的には、コミュニケーションツール提供部35は、業務支援チャットサービスのユーザインターフェースを技工士端末2及び医師端末3の各々に表示させる制御を行う。
業務支援チャットサービスのユーザインターフェースには、歯科医師からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報と、歯科技工士からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報とが表示される。業務支援チャットサービスのユーザインターフェースは、制作物ごとに管理される。すなわち、ある歯科技工士が同時に3つの制作物の制作を受注している場合には、これら3つの制作物のそれぞれについて業務支援チャットサービスのユーザインターフェースが管理される。なお、業務支援チャットサービスのユーザインターフェースの具体例については、
図7を参照して後述する。
【0037】
情報提示部36は、技工士端末2及び医師端末3に向けて、通信部19を介して各種の情報を提示する。例えば、情報提示部36は、技工士抽出部32により抽出された、制作物に関する歯科医師からの要求に対応できる1以上の歯科技工士の各々の技工士情報を、医師端末3に向けて提示する。また、情報提示部36は、指示情報生成部33により生成された指示情報を技工士端末2に向けて提示する。また、情報提示部36は、請求情報生成部34により生成された請求情報を医師端末3に向けて提示する。
【0038】
<処理内容>
図4及び
図5は、本実施形態に係る業務支援サーバ1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4には、業務支援サーバ1の処理のうち、制作物に関する歯科医師からの要求に対応できる1以上の歯科技工士の各々の技工士情報を医師端末3に向けて送信する処理までの流れがフローチャートにより示されている。
【0039】
情報取得部31は、技工士端末2から技工士情報が送信されてくると(ステップS1でYES)、送信されてきた技工士情報を取得し(ステップS2)、取得した技工士情報を技工士情報DB41に記憶して管理する(ステップS3)。具体的には、情報取得部31は、歯科技工士を一意に特定可能な識別情報(例えば、ID)と技工士情報とを対応付けて、技工士情報DB41に記憶して管理する。これに対して、技工士情報が送信されてきていない場合(ステップS1でNO)、情報取得部31は、技工士情報が送信されてくるまでステップS1の処理を繰り返す。
【0040】
次に、情報取得部31は、医師端末3から医師情報が送信されてくると(ステップS4でYES)、送信されてきた医師情報を取得し(ステップS5)、取得した医師情報を医師情報DB42に記憶して管理する(ステップS6)。具体的には、情報取得部31は、歯科医師を一意に特定可能な識別情報(例えば、ID)と医師情報とを対応付けて、医師情報DB42に記憶して管理する。これに対して、医師情報が送信されてきていない場合(ステップS4でNO)、情報取得部31は、医師情報が送信されてくるまでステップS4の処理を繰り返す。
【0041】
次に、情報取得部31は、医師端末3から要求情報が送信されてくると(ステップS7でYES)、送信されてきた要求情報を取得し(ステップS8)、取得した要求情報を要求情報DB43に記憶して管理する(ステップS9)。具体的には、情報取得部31は、要求情報を一意に特定可能な識別情報(例えば、ID)と要求情報とを対応付けて、要求情報DB43に記憶して管理する。これに対して、要求情報が送信されてきていない場合(ステップS7でNO)、情報取得部31は、要求情報が送信されてくるまでステップS7の処理を繰り返す。
【0042】
次に、技工士抽出部32は、技工士情報DB41、医師情報DB42及び要求情報DB43に記憶されている、技工士情報と、医師情報と、要求情報とに基づいて、制作物に関する歯科医師からの要求に対応できる1以上の歯科技工士を抽出する(ステップS10)。そして、技工士抽出部32は、抽出した1以上の歯科技工士の各々の技工士情報を医師端末3に向けて送信する(ステップS11)。
【0043】
図5には、業務支援サーバ1の処理のうち、歯科医師に対して請求情報を送信する処理までの流れがフローチャートにより示されている。
コミュニケーションツール提供部35は、抽出した1以上の歯科技工士のうち、歯科医師により選択された歯科技工士と、その歯科技工士を選択した歯科医師が参加できる業務支援チャットサービスを提供する(ステップS21)。そして、指示情報生成部33は、要求情報DB43に記憶されている要求情報に基づいて、指示情報を生成し(ステップS22)、生成した指示情報を技工士端末2に向けて送信する(ステップS23)。
【0044】
次に、請求情報生成部34は、技工士端末2から、請求情報を生成するために入力された情報が送信されてくると(ステップS24でYES)、送信されてきた入力情報を取得する(ステップS25)。そして、請求情報生成部34は、取得した入力情報に基づいて、請求情報を生成し(ステップS26)、生成した請求情報を医師端末3に向けて送信する(ステップS27)。これに対して、請求情報を生成するために入力された情報が送信されてきていない場合(ステップS24でNO)、請求情報生成部34は、請求情報を生成するために入力された情報が送信されてくるまでステップS24の処理を繰り返す。
【0045】
<具体例>
(ユーザインターフェース)
図6乃至
図11には、技工士端末2または医師端末3に表示されるユーザインターフェースの具体例が示されている。
図6は、技工士端末2に表示されるユーザインターフェースのうち、案件一覧画面の具体例を示す図である。
技工士端末2に表示される案件一覧画面のうち、表示領域F1には、制作案件の一覧が表示される。具体的には、制作案件ごとの案件情報として、患者の名前、制作物の種別、保険の有無、制作物の内容、発注者の名称、受注日、納期、フェーズ、添付されているファイルの数、新着メッセージの数などが表示される。
【0046】
また、図示はしないが、制作案件を検索するための入力画面が一覧画面に表示されるようにしてもよい。この場合、例えば、受注日、納期、発注者の名称、歯科医師の名前等を検索キーとして、制作案件を検索できるようにしてもよい。
【0047】
図6の例では、制作案件C1乃至C9の各々の情報が一覧表示されており、このうち、制作案件C1乃至C5は、現在受注している制作案件であり、制作案件C6乃至C9は、納品が完了した制作案件である。納品が完了した制作案件には「済」と表記されたマークが付されている。例えば、制作案件C1は、患者の名前が「〇〇 〇〇様」、制作物の種別が「クラウン」、保険の有無が「自費」、制作物の内容が「3/4冠」及び「銀合金」、発注者の名称が「〇〇ホワイトデンタル 〇〇医師」、受注日が「20XX年〇月〇日」、納期が「20XX年〇月〇日」、フェーズが「受注完了」、添付されているファイルの数が「3」、新着メッセージの数が「2」であることが表示されている。
【0048】
技工士端末2に表示される一覧画面のうち表示領域F2には、スケジュールを示すカレンダーが表示される。スケジュールを示すカレンダーには、制作案件ごとの情報として、受注日から納期(発送日)までの期間を表すアイコンが表示される。
図6の例では、20XX年9月のスケジュールを示すカレンダーが表示されている。歯科技工士は、例えば、
図6に示すカレンダーを一見するだけで、9月の制作案件ごとのスケジュールを容易に把握できる。また、カレンダーの下には、「新着情報」として、例えば、新規の受注に関する情報などが表示される。
図6の例では、「オーダー」という表記とともに、新規の受注に関する情報が表示されている。
【0049】
図7は、技工士端末2及び医師端末3に表示されるユーザインターフェースのうち、案件管理画面の具体例を示す図である。
技工士端末2及び医師端末3に表示される案件管理画面のうち、表示領域F11には、制作案件のID、患者の名前、性別、年齢などの情報が表示される。また、表示領域F11には、制作案件の個々のフェーズを示すアイコンが表示されている。そして、現在のフェーズと、次のフェーズとの各々を示すアイコンが、一見して把握できる態様で表示される。例えば、
図7には、制作案件の全体のフェーズが「受注」、「印象受領」、「制作中」、「確認待ち」、「制作完了」、「発送完了」であること、現在のフェーズが「制作中」であること、及び次のフェーズが「確認待ち」であることの各々を示すアイコンが、一見して把握できる態様で表示されている。
【0050】
技工士端末2及び医師端末3に表示される案件管理画面のうち、表示領域F12には、発注者としての歯科医師により作成された患者のカルテの内容が表示された表示欄R121、発注者としての歯科医師からの発注時におけるメッセージが表示された表示欄R122、歯科技工士が入力可能なメモ欄が表示された表示欄R123、添付ファイルの名称や添付ファイルを開くためのボタンが表示された表示欄R124などが含まれる。
【0051】
技工士端末2及び医師端末3に表示される案件管理画面のうち、表示領域F13には、発注者としての歯科医師と、受注者としての歯科技工士との間のメッセージの交換を可能にする業務支援チャットサービスの画面が表示される。表示領域F13の画面には、投稿されたメッセージの内容が表示された表示欄R131と、投稿するメッセージを入力するための入力欄R132と、入力欄R132に入力したメッセージを投稿するためのボタンB1と、静止画像(写真)を添付するためのボタンB2、動画像を添付するためのボタンB3、各種形式(例えば、テキスト形式)のファイルを添付するためのボタンB4、いわゆるテレビ電話(TV電話)を行うためのボタンB5などが含まれる。
【0052】
また、図示はしないが、納品された制作物を患者に装着したことを歯科技工士に伝えるための通知ボタンや、納品された制作物の再制作や調整などが必要であることを歯科技工士にメール等で伝えるための通知ボタン等が案件管理画面に表示されるようにしてもよい。この場合、これらの通知ボタンは、医師端末3に表示された案件管理画面にのみ表示されるようにしてもよい。
【0053】
図8は、技工士端末2及び医師端末3に表示されるユーザインターフェースのうち、技工所一覧画面の具体例を示す図である。
技工士端末2及び医師端末3に表示される技工所一覧画面には、歯科技工士が属する歯科技工所の情報が一覧表示される。一覧表示される歯科技工所の情報には、例えば、歯科技工所の名称、サムネイル画像、住所、代表者の名称、規模、過去の制作実績、現在の状況(今すぐ着手可能、数日待ち、休業中等)、お気に入り表示等の情報が含まれる。また、一覧表示された歯科技工所の情報には、「詳細を確認」と表記されたボタンB11と、「制作を依頼」と表記されたボタンB12とが表示される。ボタンB11は、歯科技工所の詳細情報が表示された技工所詳細画面を表示させるためのボタンである。また、ボタンB12は、歯科医師が制作を依頼するためのボタンである。このため、ボタンB12は、医師端末3に表示された技工所一覧画面にのみ表示されるようにしてもよい。
【0054】
図9は、技工士端末2及び医師端末3に表示されるユーザインターフェースのうち、技工所詳細画面の具体例を示す図である。
上述の
図8の技工所一覧画面に表示された、「詳細を確認」と表記されたボタンB11が押下されると、
図9に示す技工所詳細画面が表示される。技工士端末2及び医師端末3に表示される技工所詳細画面には、歯科技工士が属する歯科技工所の詳細情報が表示される。歯科技工所の詳細情報には、例えば、歯科技工所の名称、サムネイル画像、設備の撮像画像、制作物の撮像画像、住所、紹介文、代表者の名前や経歴、所属する歯科技工士の人数、手掛けることができる制作物に関する情報などが含まれる。
【0055】
図10は、医師端末3に表示されるユーザインターフェースのうち、指示書作成画面の具体例を示す図である。
歯科医師は、
図10の指示書作成画面に表示された各項目に必要な情報を入力するだけで、指示情報を作成することができる。医師端末3に表示される指示書作成画面には、医師情報及び技工所に関する情報のほか、「患者様情報」として、患者の名前、生年月日、性別の各々を入力するための入力欄R211乃至R213と、患者の症状や状態を入力するための入力欄R214乃至R216と、発注日(依頼日)、納期、及び見積金額(概算金額)の各々を入力するための入力欄R217乃至R219とが表示される。
【0056】
また、指示書作成画面には、ファイルを添付するためのボタンB21と、「制作を依頼する」と表記されたボタンB22とが表示される。ボタンB22が押下されると、図示はしないが、制作を依頼することについて同意を求めるためのポップアップ画面が表示される。制作を依頼することについて同意がなされると、制作の依頼が完了する。そして、上述の
図6に示す一覧画面に遷移し、例えば、「制作の依頼が完了しました」といったメッセージが表示される。
【0057】
図10の指示書作成画面からの制作の依頼が完了すると、図示はしないが、その旨を示すメッセージが記載されたメール等が歯科技工士に通知される。これにより、歯科技工士は、発注がなされたことを容易に知得できる。
【0058】
図11は、技工士端末2に表示されるユーザインターフェースのうち、請求管理画面の具体例を示す図である。
歯科技工士は、制作物の納品が完了すると、発注者である歯科医師に対する料金の請求を行う。歯科技工士は、
図11の請求管理画面に表示された情報を一覧視するだけで、請求の状況を容易に把握することができる。例えば、発注者である歯科医師が所属する医院名、発注者である歯科医師の名前、保険の有無、請求金額などの情報を月単位(または、年単位、四半期単位)で把握できる。また、請求管理画面から、納品書、請求書、領収書、及び明細情報を出力することができる。また、技工士端末2及び医師端末3に表示される請求管理画面同士をオンラインの決済システムで接続することにより、利用した金属等材料の費用とともに、この支払い、入金、消込処理を自動化しても良い。
【0059】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、歯科技工士の営業活動をより効率的に支援することができる。
また、本実施形態によれば、歯科技工士の業務の需要側の情報と供給側の情報とに基づくマッチングが可能になるので、需要側となる歯科医師は、自身の要求に対応できる歯科技工士に関する情報を効率よく取得することができ、一方、供給側となる歯科技工士は、自身の情報を予め需要側に提供できるので、営業活動と制作業務との両立が実現される。
技工士法によって広告が制限されている業界の中において、広告という手段に依らず、歯科技工所を探したい歯科医師が、未知の歯科技工所を探すことができる。
歯科医師はこれまで対面の特性上、特定少数の歯科技工所と付き合うことしかできないため、どんな歯科補綴物に関しても同じ歯科技工所に頼むことが通例であったが、多数の技工所を発注先として選択することが出来るようになり、制作物毎の得意・不得意に応じて技工所を使い分けることが出来るようになる。歯科技工所側も、自分の得意な制作物のみを受注するような柔軟な働き方が可能になる。
歯科医師はこれまで自分の付き合っている歯科技工所が作れるものの範囲でしか歯科補綴物を発注できなかったが、その制限がなくなるため、これまで対応したことのない歯科補綴物についても、患者のニーズに応じて制作できるようになり、歯科医師側のビジネスチャンスも広がる。
【0060】
(その他)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0061】
また、例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、業務支援サーバ1の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよいし、他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0062】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0063】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0064】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0065】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図3の業務支援サーバ1)は、歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報(例えば、上述の歯科医師情報)と供給側の情報(例えば、上述の歯科技工士情報)とを取得する情報取得手段(例えば、
図3の情報取得部31)と、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出する技工士抽出手段(例えば、
図3の技工士抽出部32)と、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示する情報提示手段(例えば、
図3の情報提示部36)と、
を有する。
これにより、歯科技工士の営業活動をより効率的に支援することができる。
【0066】
また、(2)前記需要側の情報には、提供を希望する前記制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の要求に関する情報(例えば、上述の要求情報)が含まれ、前記供給側の情報には、提供できる制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の情報を含めることができる。
これにより、需要側(例えば、歯科医師)は、制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の要求に対応できる歯科技工士に関する情報を効率よく取得することができ、供給側となる歯科技工士は、自身が対応できる制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の情報を需要側に予め提供できるので、営業活動と制作業務との両立が可能となる。
【0067】
また、(3)前記需要側の情報には、前記制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の要求の履歴に関する情報が含まれ、前記供給側の情報には、対応した当該制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の履歴に関する情報を含めることができる。
これにより、需要側(例えば、歯科医師)は、制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の要求に対応できる歯科技工士に関する情報を効率よく取得することができ、供給側となる歯科技工士は、自身が対応できる制作物の内容、価格、及び納期のうち1以上の情報を需要側に予め提供できるので、営業活動と制作業務との両立が可能となる。
【0068】
また、(4)前記情報取得手段は、前記需要側から前記供給側に対する評価に関する情報をさらに取得し、
前記情報提示手段は、前記技工士情報として、前記供給側に対する評価に関する情報を前記需要側に提示することができる。
これにより、需要側(例えば、歯科医師)は、技工士情報として、供給側となる歯科技工士の評価に関する情報を取得できるので、歯科技工士の評価を考慮して発注できる。
【0069】
また、(5)前記情報取得手段は、前記供給側から前記需要側に対する評価に関する情報をさらに取得し、
前記情報提示手段は、前記需要側に対する評価に関する情報を前記供給側にさらに提示することができる。
これにより、供給側となる歯科技工士は、需要側(例えば、歯科医師)の評価に関する情報を取得できるので、需要側の評価を考慮して受注できる。
【0070】
また、(6)前記需要側からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報と、前記供給側からのテキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち1以上の情報とが、当該需要側と当該供給側とで前記制作物ごとに共有されるユーザインターフェースを提供するコミュニケーションツール提供手段(例えば、
図3のコミュニケーションツール提供部35)をさらに有することができる。
これにより、需要側(例えば、歯科医師)と供給側となる歯科技工士との間におけるコミュニケーションが制作物の単位で行われるので、需要側及び供給側のいずれにおいても案件管理が容易になる。
【0071】
また、(7)前記需要側からの発注に基づき前記制作物を制作した前記供給側による対価の請求に関する情報を生成する請求情報生成手段(例えば、
図3の請求情報生成部34)をさらに有し、
前記情報提示手段は、生成された前記対価の請求に関する情報を前記需要側に提示することができる。
これにより、供給側から需要側に対する請求業務が自動的に行われるので、供給側は、煩雑な書類作成の手間を省くことができる。また、需要側は、請求に関する書類をオンラインで取得できるので、支払業務に要する手間を省くことができる。
【0072】
また、(8)前記制作物の提供を要求するための情報として入力された情報に基づいて、前記需要側から前記供給側に対する当該制作物の制作の指示に関する指示情報を生成する指示情報生成手段(例えば、
図3の指示情報生成部33)をさらに有し、
前記情報提示手段は、生成された前記指示情報を前記供給側に提示することができる。
これにより、需要側から供給側への発注に必要となる情報を漏れなく含む指示情報が生成されるので、不十分な内容による発注がなされることが抑制される。その結果、例えば、需要側としては、簡単な入力操作で指示情報を作成できるので、従来のように手書きで指示書を作成する手間が不要となる。また、供給側としては、従来の手書きの指示書の不明瞭な文字を需要側に確認する手間が不要となる。また、指示情報が電子データとして保存されるので、法規上のデータ保存の要請に対応することができ、トレースも容易となる。
【0073】
また、(9)前記指示情報生成手段(例えば、
図3の指示情報生成部33)は、前記制作物の提供を要求するための情報として入力された三次元画像情報をさらに含む情報(例えば、
図10の指示書作成画面に入力された情報)に基づいて、前記指示情報を生成することができる。
これにより、需要側から供給側に向けた発注の際に必要となる三次元画像情報を含む指示情報が生成される。その結果、例えば、三次元画像情報の送付の失念が抑制される。また、供給側としては、三次元画像情報を含む指示情報が電子データとして保存されるので、案件の管理が容易となる。
【0074】
また、(10)本発明が適用される情報処理方法は、歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報(例えば、上述の医師情報)と供給側の情報(例えば、上述の技工士情報)とを取得して管理するステップ(例えば、
図4のステップS3及びS6)と、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出するステップ(例えば、
図4のステップS10)と、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示するステップ(例えば、
図4のステップS11)と、
を含む。
これにより、歯科技工士の営業活動をより効率的に支援することができる。
【0075】
また、(11)本発明が適用されるプログラムは、歯科技工士により提供される制作物の需要側の情報(例えば、上述の歯科医師情報)と供給側の情報(例えば、上述の歯科技工士情報)とを取得して管理するステップ(例えば、
図4のステップS3及びS6)と、
前記需要側の情報から特定される前記制作物の要求に対応できる1以上の前記歯科技工士を、前記供給側の情報から抽出するステップ(例えば、
図4のステップS10)と、
抽出された前記1以上の歯科技工士の各々に関する情報を、技工士情報として前記需要側に提示するステップ(例えば、
図4のステップS11)と、
をコンピュータにより実行させる。
これにより、歯科技工士の営業活動をより効率的に支援することができる。
【符号の説明】
【0076】
1:業務支援サーバ、2:技工士端末、3:医師端末、11:CPU、18:記憶部、19:通信部、31:情報取得部、32:技工士抽出部、33:指示情報生成部、34:請求情報生成部、35:コミュニケーションツール提供部、36:情報提示部、S:情報処理システム、N:ネットワーク