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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104227
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】収納用組立体
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/00 20060101AFI20240726BHJP
   A47B 47/02 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
A47B47/00
A47B47/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008349
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000105936
【氏名又は名称】サカセ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 泰道
(72)【発明者】
【氏名】木谷 佳敬
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝英
(72)【発明者】
【氏名】池田 貴幸
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA04
3B054BA09
3B054BA10
3B054BA14
3B054BA17
3B054FA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、簡単な構成で十分な強度を備えたブース等の構造体に組み換えることができる収納用組立体を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明に係る収納用組立体1は、複数の支柱部材10と、一対の支柱部材10を所定間隔を空けて連結する複数の連結部材11と、連結された支柱部材10の間に架け渡される複数の横架部材12と、支柱部材10を四隅に連結部材11及び横架部材12が枠状に配置されるように接続する複数の接続部材13と、連結部材11及び横架部材12により形成された枠状部に着脱可能に取り付けられる棚板部材14とを備え、接続部材13は、棚板部材14を支持する棚受け部が枠状部の内側に突出するように一体形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱部材と、一対の前記支柱部材を所定間隔を空けて連結する複数の連結部材と、連結された前記支柱部材の間に架け渡される複数の横架部材と、前記支柱部材を四隅に前記連結部材及び前記横架部材が枠状に配置されるように前記支柱部材と前記連結部材との間及び前記支柱部材と前記横架部材との間を接続する複数の接続部材と、前記連結部材及び前記横架部材により形成された枠状部に着脱可能に取り付けられる棚板部材とを備え、前記接続部材は、前記棚板部材を支持する棚受け部が前記枠状部の内側に突出するように一体形成されている収納用組立体。
【請求項2】
前記接続部材は、前記連結部材及び前記横架部材にそれぞれ接続する一対の接続部が一体形成されており、いずれの前記接続部にも前記横架部材が接続可能となっている請求項1に記載の収納用組立体。
【請求項3】
前記枠状部は、前記支柱部材に対して上下方向に所定間隔を空けて複数段取り付けられており、最も低い段の前記枠状部は、前記支柱部材の下端部に取り付けられており、最も高い段の前記枠状部は、前記支柱部材の上端部に取り付けられているとともに一方の前記横架部材のみが接続されている請求項1又は2に記載の収納用組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブース等の構造体に組換可能なラック等の収納用組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ラック等の収納用家具では、収納する物品のサイズ等に合わせて様々な形状に設計されたものが提供されており、複数の部品をネジ等の固定手段により固定して物品のサイズに合わせて組み立てる組立体として構成するものが実用化されている。
【0003】
こうした収納用家具では、収納以外の機能を備えた多機能のものが提案されており、例えば、特許文献1では、直方体状に枠組みされたフレームの底面に仕切りボードを配設して収納棚あるいはベッドとして機能させる設置物本体を壁面に当接させてブースとしても機能させる多機能設置物が記載されている。
【0004】
一方、用途に合わせて棒状の部品等を組み立ててブース等の種々の構造体を提供することも行われている。例えば、特許文献2では、鋼製のパイプ材を直方体状に組み立てて袋状のカバーを被せて簡易式の倉庫とする点が記載されており、特許文献3では、複数のパイプ材を用いて枠状に組み立てて防水シートで被うことでシャワールームとする点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5276511号公報
【特許文献2】特開平1-143852号公報
【特許文献3】実開昭57-97489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
収納用家具では、上述したように、収納以外の機能を持たせたものが提案されており、収納用組立体であれば、様々な用途に対して適宜組み換えて使用することが可能となる。そして、ブース等を組立体として構成することが提案されていることから、収納用組立体の特性を活かした用途展開について検討していく余地がある。
【0007】
例えば、災害等により開設される避難所では、非常時への備えが必要になっているが、平時から非常時用にブース等の家具を準備しておくことは、設置スペースや購入費用といった点で現実的ではない。そのため、平時において使用している物品等を保管する収納用組立体を非常時にブース等の構造体に使用可能とすることで、収納用組立体を平時及び非常時において有効活用することができるようになる。
【0008】
そこで、本発明は、簡単な構成で十分な強度を備えたブース等の構造体に組み換えることができる収納用組立体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る収納用組立体は、複数の支柱部材と、一対の前記支柱部材を所定間隔を空けて連結する複数の連結部材と、連結された前記支柱部材の間に架け渡される複数の横架部材と、前記支柱部材を四隅に前記連結部材及び前記横架部材が枠状に配置されるように前記支柱部材と前記連結部材との間及び前記支柱部材と前記横架部材との間を接続する複数の接続部材と、前記連結部材及び前記横架部材により形成された枠状部に着脱可能に取り付けられる棚板部材とを備え、前記接続部材は、前記棚板部材を支持する棚受け部が前記枠状部の内側に突出するように一体形成されている。さらに、前記接続部材は、前記連結部材及び前記横架部材にそれぞれ接続する一対の接続部が一体形成されており、いずれの前記接続部にも前記横架部材が接続可能となっている。さらに、前記枠状部は、前記支柱部材に対して上下方向に所定間隔を空けて複数段取り付けられており、最も低い段の前記枠状部は、前記支柱部材の下端部に取り付けられており、最も高い段の前記枠状部は、前記支柱部材の上端部に取り付けられているとともに一方の前記横架部材のみが接続されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような構成を備えることで、着脱可能に取り付けられた棚板部材を取り外し、支柱部材に対して接続された連結部材及び横架部材を組み換えてブース等の構造体を構築することができる。その際に、連結部材及び横架部材を支柱部材に接続する接続部材には、棚受け部が枠状部の内側に突出するように一体形成されているので、棚受け部が補強リブとして機能し、組み換えられた構造体の強度を高めることが可能となり、十分な強度を備えた構造体に組み換えることができる。
【0011】
また、接続部材は、連結部材及び横架部材にそれぞれ接続する一対の接続部が一体形成されており、いずれの接続部にも横架部材が接続可能となっているので、接続部材自体が各部材の接続部分の補強部材として機能するようになり、また、連結部材を取り付けた部分に横架部材を取り付けて構造体のサイズを容易に変更することが可能となる。
【0012】
また、枠状部を支柱部材に複数段取り付けて、支柱部材の上端部及び下端部に取り付けることで、組み換えた構造体の上端側及び下端側に横架部材が架け渡されて構造体全体をカバー部材で被うように構成することが可能となり、ブース等を簡単に組み立てることができる。そして、上端部の一方の横架部材のみ接続しておくことで、被せたカバー部材の上面が傾斜した状態となり、屋外での使用に対しても雨水が上面に溜ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る実施形態である収納用組立体に関する外観斜視図である。
図2図1に示す収納用組立体に関する分解斜視図である。
図3】支柱部材の端部に関する斜視図である。
図4】連結部材に関する斜視図である。
図5】支柱部材と連結部材及び横架部材との接続部分に関する一部拡大斜視図である。
図6図5に示す接続部分の分解斜視図である。
図7】棚受け部材に関する斜視図である。
図8】棚受け部材を横架部材の溝部に取り付ける過程を示す説明図である。
図9】収納用組立体の連結部材及び横架部材による組立体に関する外観斜視図である。
図10】ブース用に組み換えた組立体に関する外観斜視図である。
図11図10に示す組立体をブース用構造体として使用した場合を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。図1は、本発明に係る実施形態である収納用組立体に関する外観斜視図であり、図2は、図1に示す収納用組立体に関する分解斜視図である。
【0015】
収納用組立体1は、棒状の支柱部材10a~10dを連結部材11a~11lで連結し、連結された支柱部材10a~10dを横架部材12a~12kで架け渡すように接続してラック状に組み立てられている。支柱部材10a~10dの各連結部材及び各横架部材の接続部分には、それぞれ接続部材13a~13yが取り付けられており、各接続部材を介して連結部材及び横架部材が接続されている。
【0016】
支柱部材10a~10dの上端部には、連結部材11aにより接続部材13a及び13dを介して支柱部材10a及び10bが連結され、連結部材11bにより支柱部材10c及び10dが接続部材13b及び13cを介して連結されており、支柱部材10a及び10dの間に接続部材13a及び13bを介して横架部材12aが架け渡すように接続され、支柱部材10b及び10cの間には横架部材が架け渡されていない。
【0017】
支柱部材10a~10dの上から二段目には、連結部材11cにより接続部材13e及び13hを介して支柱部材10a及び10bが連結され、連結部材11dにより接続部材13f及び13gを介して支柱部材10c及び10dが連結されている。また、支柱部材10a及び10dの間に接続部材13e及び13fを介して横架部材12cが架け渡すように接続され、支柱部材10b及び10cの間に接続部材13g及び13hを介して横架部材12bが架け渡すように接続されている。そして、連結部材11c及び11d並びに横架部材12b及び12cは枠状に配置されて枠状部を形成しており、枠状部の内側に棚板部材14aが嵌め込まれている。
【0018】
支柱部材10a~10dの上から三段目には、二段目と同様に連結部材11e及び11f並びに横架部材12d及び12eが接続部材13i~13lを介して支柱部材10a~10dに取り付けられて枠状部を形成しており、枠状部の内側に棚板部材14bが嵌め込まれている。
【0019】
支柱部材10a~10dの上から四段目には、二段目と同様に連結部材11g及び11h並びに横架部材12f及び12gが接続部材13m~13qを介して支柱部材10a~10dに取り付けられて枠状部を形成しており、枠状部の内側に棚板部材14cが嵌め込まれている。
【0020】
支柱部材10a~10dの上から五段目には、二段目と同様に連結部材11i及び11j並びに横架部材12h及び12iが接続部材13r~13uを介して支柱部材10a~10dに取り付けられて枠状部を形成しており、枠状部の内側に棚板部材14dが嵌め込まれている。
【0021】
支柱部材10a~10dの下端部には、上から六段目として、二段目と同様に連結部材11k及び11l並びに横架部材12j及び12kが接続部材13v~13yを介して支柱部材10a~10dに取り付けられて枠状部を形成しており、枠状部の内側に棚板部材14eが嵌め込まれている。そして、支柱部材10a~10dの下端には、それぞれ台座部材15a~15dが取り付けられている。
【0022】
設置スペースに収納用組立体1を設置することで、棚板部材14a~14eに物品を収納して保管することができる。棚板部材14a~14eは、枠状部に着脱可能に嵌め込まれており、後述するように、棚板部材14a~14eを取り外して別の用途に合わせて組み換え可能となっている。
【0023】
この例では、棚板部材を5枚用いて5段の収納スペースを構成しているが、用途に合わせて棚板部材の枚数を変更すればよく、特に限定されない。
【0024】
支柱部材10a~10dは、金属材料、プラスチック材料等の公知の材料を用いて成形加工されており、筒状に成形加工する場合には、例えば、建築材料として使用される樹脂材料、軽金属材料を用いることで、高強度で軽量化された部材に成形することができる。
【0025】
図3は、支柱部材の端部に関する斜視図である。支柱部材は、略楕円状の筒状に形成されて、両側部には、長手方向に沿って凹状に成形されて溝部100が形成されている。溝部100の開口部分の両側には、表面に沿って庇状に張り出した突出部101が成形されて開口幅が狭く設定されている。支柱部材の内部には、溝部100が形成された凹状部分を接続するように所定幅の中心部102が長手方向に沿って成形されている。また、両側の溝部100の間の筒状部分の中間には肉厚部103が形成されている。
【0026】
支柱部材は、こうした筒状成形体に形成されているため、内部に長手方向に沿って全長にわたって形成された中心部102及び両側に全長にわたって凹状に形成された溝部100により曲げ変形等に対して強度を高めることが可能となり、構造材として十分な強度特性を備えている。また、筒状に成形加工することで、軽量化することができ、容易に取り扱うことが可能となる。
【0027】
また、長手方向に沿って両側に形成された溝部100に部材を嵌合することで、支柱部材の周方向に正確に位置決めすることができる。そして、溝部100から中心部102に向かって長手方向と直交する方向にネジ穴等の穴部を形成して部材を取り付けることで、長手方向に正確に位置決めすることができ、支柱部材に対して部材を精度よく位置決めして容易に取り付けることが可能となる。
【0028】
また、肉厚部103に長手方向と直交する方向にネジ穴等の穴部を形成して、接続部材等の部材を所望の位置に取り付けて固定することができ、支柱部材の上下の両端部においても中心部102の端部にネジ穴等の穴部を穿設して部材を取り付けることができる。
【0029】
図4は、連結部材に関する斜視図である。連結部材11a~11kは、棒状の本体部110の両端に一対の取付部111が固定されており、本体部110は、支柱部材と同様に筒状で両側に溝部112が成形加工されている。溝部112は、支柱部材の溝部100と同様に長手方向に沿って細幅で凹状に形成されており、開口部の両側に庇状の突出部が形成されている。取付部111は、断面が逆U字状で接続部材に上方から嵌め込む形状に形成されており、両側部には接続部材に嵌め込まれた取付部111を固定するための穴部113が穿設されている。
【0030】
横架部材12a~12jは、連結部材と同様に成形された本体部及び取付部を備えており、両部材の構造は共通化している。そして、横架部材の長さは、連結部材よりも長く設定されており、後述するように、ブースとして使用する場合には、それに対応した長さに設定することが好ましい。
【0031】
図5は、支柱部材と連結部材及び横架部材との接続部分に関する一部拡大斜視図である。この例では、支柱部材10aに接続部材13eを介して連結部材11c及び横架部材12cが接続されている。接続部材13eの支柱部材10aに当接する当接部130eは、当接面が支柱部材10aの周面に沿うように形成されており、支柱部材10aの溝部100aに嵌め込まれる突起部131eが突設されている。また、接続部材13eの下端部には、板状の棚受け部132eが枠状部の内側に突出するように当接部130eに一体形成されている。
【0032】
図6は、図5に示す接続部分の分解斜視図である。接続部材13eには、連結部材11cの取付部111cが嵌め込まれる接続部133e及び横架部材12cの取付部121cが嵌め込まれる接続部134eが互いに直交する方向に沿って形成されている。
【0033】
接続部133eは、外面が取付部111cの内側の接続面に沿うように形成されており、中央部分には、支柱部材10aの溝部100aに向かって貫通する穴部が穿設されている。溝部100aには、接続箇所に対応してネジ穴が形成されており、固定ネジ135eを穴部に挿入してネジ穴に螺着することで、接続部材13eを所望位置に固定することができる。
【0034】
また、接続部134eも接続部133eと同様に、外面が取付部121cの内側の接続面に沿うように外面が形成されており、中央部分には、固定ネジ135eを挿入する穴部と直交する方向に穴部が形成されている。支柱部材10aには、接続箇所に対応して肉厚部103aにネジ穴が形成されており、固定ネジ136eが穴部に挿入されてネジ穴に螺着されている。
【0035】
接続部材13eは、支柱部材10aの溝部100aに突起部131eを嵌め込むことで支柱部材10aに周方向に位置決めされ、固定ネジ135e及び136eにより支柱部材10aの長手方向に位置決めされるので、支柱部材10aに対して接続部材13eを精度よく位置決めして容易に取り付けることができる。また、固定ネジ135e及び136eにより互いに直交する方向で固定されているので、接続部材13eを支柱部材10aに十分な強度で取り付けることが可能となる。
【0036】
接続部133eには、取付部111cの一対の穴部113cに対応して、固定ネジ135eのための穴部に直交する一対のネジ穴が上下に形成されている。そして、接続部133eを覆うように取付部111cを嵌め込んだ後、一対の固定ネジ138eを穴部113cに挿入して接続部133eのネジ穴に螺着することで、取付部111cを接続部133eに接続固定することができる。
【0037】
接続部134eには、取付部121cの一対の穴部123cに対応して、固定ネジ136eのための穴部に直交する一対のネジ穴が上下に形成されている。そして、接続部134eを覆うように取付部121cを嵌め込んだ後一対の固定ネジ137eを穴部123cに挿入して接続部134eのネジ穴に螺着することで、取付部121cを接続部134eに接続固定することができる。
【0038】
連結部材11cは、接続部材13eを介して支柱部材10aに対して互いに直交する固定ネジ135e及び138eにより接続固定されているので、連結部材11cに対して作用する様々な方向の力に対して十分な強度を備えている。
【0039】
横架部材12cについても、連結部材11cと同様に、互いに直交する固定ネジ136e及び137eにより支柱部材10aに接続されているので、横架部材12cに対して作用する様々な方向の力に対して十分な強度を備えている。
【0040】
そして、接続部材13eには、棚受け部132eが接続部133e及び134eを連結するように枠状部の内側に突出して一体形成されている。そのため、枠状部の角部のリブとして機能するようになり、連結部材11c及び横架部材12cの間を拡げる方向又は狭める方向の変形を防止して、枠状部を安定した形状に保持する強度を備えることが可能となる。
【0041】
他の接続部材13a~13d及び13f~13yについても、接続部材13eと同様に構成されており、各段の枠状部の強度を高めて安定した形状に保持するようになっている。
【0042】
各段の枠状部では、横架部材にそれぞれ複数の棚受け部材16a~16eが着脱可能に取り付けられている。この例では、図2に示すように、各段の棚板部材14a~14eの両側にそれぞれ3個の棚受け部材が横架部材の溝部に嵌め込まれて取り付けられている。
【0043】
図7は、棚受け部材に関する斜視図である。図7(a)は、棚板部材側からみた斜視図であり、図7(b)は、横架部材側からみた斜視図である。図8は、棚受け部材を横架部材の溝部に取り付ける過程を示す説明図である。
【0044】
棚受け部材16は、棚板部材を支持する断面L字状の棚受け部160及び横架部材12の溝部122に係止する接続部162を備えており、接続部162の周縁からフランジ状に突設した嵌合部161が一体形成されている。
【0045】
棚受け部160は、棚板部材に切り欠いて形成された係合部に合わせたサイズに形成されており、棚板部材側に所定幅で突出した水平部分で棚板部材を支持するようになっている。水平部分から接続部162に延設された垂直部分の横架部材側には、上下方向に沿って細幅の突起部160aが等間隔で複数形成されており、横架部材の外面に当接するようになっている。突起部160aは、補強リブとしても機能することで、棚受け部160の強度向上が図られている。
【0046】
接続部162は、棚受け部160の上端部において横架部材12側に突出するように一体形成されており、溝部122の開口部の両側に庇状に突出した突出部124の厚さと同程度の幅に設定されている。接続部162の横架部材12側の面には、中央部分に位置決め用突起163が形成されており、位置決め用突起163の両側に細溝状に刳り貫いて複数の補強リブ162bが上下方向に形成されている。接続部162の下面側が突出部124に当接する当接面162aとなっている。
【0047】
嵌合部161は、接続部162の上側及び水平方向の両側にフランジ状に延設されて略矩形状に形成されており、その幅が横架部材12の溝部122の内側の幅よりも狭く開口部の両側に庇状に突出した突出部124の間の幅よりも広くなるように設定されている。そのため、嵌合部161の上端側の上側係合部161aを溝部122内に挿入した後下端側の下側係合部161bを溝部122内に挿入することで、嵌合部161を溝部122内に嵌め込んだ状態に設定することができる。
【0048】
棚受け部材16を横架部材12に取り付ける場合には、溝部122内に穿設された位置決め用穴部123に位置決め用突起163を位置合せしながら嵌合部161を溝部122内に嵌め込む。嵌合部161が嵌め込まれた状態では、棚受け部160及び接続部162が横架部材12の外面及び突出部124の端面に当接した状態で係止されるようになる。また、嵌合部161の上側係合部161a及び下側係合部161bが溝部122の両側の突出部124に係合して棚受け部材16の抜け止めが防止される。
【0049】
棚受け部材16に棚板部材14を載置した状態では、棚受け部160及び接続部162により棚板部材14をがたつくことなく支持することができ、嵌合部161が溝部122内に係合して不用意に外れることがなく棚板部材14を安定して支持することが可能となる。
【0050】
図9は、収納用組立体1の連結部材及び横架部材による組立体に関する外観斜視図であり、図10は、ブース用に組み換えた組立体に関する外観斜視図である。
【0051】
収納用組立体1をブース用に組み換える場合には、まず、図9に示すように、棚板部材及び棚受け部材を取り外す。次に、各段の連結部材をすべて接続部材から取り外し、図10に示すように、三段目の横架部材12d及び12eを取り外して連結部材11a及び11bの取付位置にそれぞれ接続し、四段目の横架部材12gを取り外して連結部材11hの取付位置に接続する。五段目の横架部材12h及び12iを取り外して連結部材11g及び11lの取付位置にそれぞれ接続し、六段目の横架部材12kを連結部材11kの取付位置に接続して組み換える。
【0052】
組み換えた組立体1’は、前側には上部に二本の横架部材12a及び12cが接続され、後側及び左右側には、それぞれ三本の横架部材が支柱部材の上端、中間及び下端に間隔を空けて接続されている。
【0053】
各横架部材は、接続部材を介して支柱部材に接続固定されているので、組立体1’を変形させる力に対して十分な強度を備えている。すなわち、支柱部材及び横架部材は、上述したように曲げ変形等に対して十分な強度を備えており、接続部材についても、支柱部材に対して当接部及び突起部が面接触により接続固定され、横架部材に対して固定ネジが直交する方向で螺着されて接続固定されているので、がたつくことなく十分な強度で接続されている。
【0054】
図11は、組立体1’をブース用構造体として使用した場合を示す説明図である。この例では、組立体1’全体をカバーシート200で被覆することで、直方体状のブース2を構成している。カバーシート200の前側には、両側に一対の縦方向の切り込みが形成されてファスナー等の開閉部材が取り付けられて出入口200aとなっている。
【0055】
ブース2の内部は、横架部材の長さのサイズで矩形状のスペースが確保されるため、災害時の避難場所に設置することで、更衣室、トイレ、授乳室といったプライベートルームとして使用することができる。
【0056】
ブース2の天井部分は、組立体1’の上端部の枠状部において横架部材が一方のみ取り付けられているため、二段目の枠状部の横架部材との間でカバーシートが傾斜した状態に設定され、ブース2を屋外で使用した場合でも雨水が天井部分に滞留することなく排水されるようになる。
【0057】
なお、カバーシートに代えてボード等の板材を取り付けることも可能で、フック等の係止具を、横架部材及び支柱部材の両側に形成された溝部に上述した棚受け部材と同様に嵌め込んで、板材を簡単に取り付けることができる。
【0058】
以上説明したように、本発明に係る収納用組立体を様々な用途に対応した構造体に組み換えて使用することができるので、災害時等の非常時に有効活用することが可能となる。
【符号の説明】
【0059】
1・・・収納用組立体、2・・・ブース、10a~10d・・・支柱部材、11a~11l・・・連結部材、12a~12k・・・横架部材、13a~13y・・・接続部材、14a~14e・・・棚板部材、200・・・カバーシート
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