(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104245
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】撮像レンズ、撮像装置、及び車載カメラ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20240726BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008389
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】安田 慶太
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087PA05
2H087PA17
2H087PB05
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA44
(57)【要約】
【課題】5枚構成によって小型、軽量且つ安価でありながら、レンズの形状を適切に設定することにより高い光学性能を持つ撮像レンズを得る。
【解決手段】撮像レンズ100は物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ110と正の屈折力を有する第2レンズ120と開口絞り130と負の屈折力を有する第3レンズ140と正の屈折力を有する第4レンズ150と正の屈折力を有する第5レンズ160とから構成される。撮像レンズ100は第5レンズ160の厚みをD10、撮像レンズ100全系の焦点距離をfとする時下記条件式(1)を満足する。0.6<D10/f<0.8 ・・・(1)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、開口絞りと、負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズとから構成され、条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
0.6<D10/f<0.8 ・・・(1)
但し、D10は前記第5レンズの厚みであり、fは前記撮像レンズ全系の焦点距離である。
【請求項2】
条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
-1.25<R5/f<-1 ・・・(2)
但し、R5は前記第3レンズの物体側の面の曲率半径である。
【請求項3】
条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
1.9<f5/f<2.5 ・・・(3)
但し、f5は前記第5レンズの焦点距離である。
【請求項4】
条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
0.15<D1/f<0.3 ・・・(4)
但し、D1は前記第1レンズの厚みである。
【請求項5】
条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
0.6<R2/f<0.75 ・・・(5)
但し、R2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
【請求項6】
条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
6<f12/f<29 ・・・(6)
但し、f12は前記第1レンズ及び第2レンズの合成焦点距離である。
【請求項7】
条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
-0.01<1/(ν2・f2)+1/(ν3・f3)<-0.005 ・・・(7)
但し、ν2は前記第2レンズのアッベ率であり、f2は前記第2レンズの焦点距離であり、ν3は前記第3レンズのアッベ率であり、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
【請求項8】
前記第4レンズと第5レンズの合成焦点距離をf45、前記撮像レンズ全系の焦点距離をfとする時、下記条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
0.95<f45/f<0.99 ・・・(8)
但し、f45は前記第4レンズ及び第5レンズの合成焦点距離である。
【請求項9】
条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
0.1<D7/f<0.15 ・・・(9)
但し、D7は前記第3レンズ及び第4レンズの光軸上の空気間隔である。
【請求項10】
条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
1.9<(R1+R2)/(R1-R2)<2.1 ・・・(10)
但し、R1は前記第1レンズの物体側の面の曲率半径であり、R2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
【請求項11】
条件式(11)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
-1.4<f1/f<-1.0 ・・・(11)
但し、f1は前記第1レンズの焦点距離である。
【請求項12】
前記第1レンズから前記第5レンズまで全てのレンズが硝子材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
【請求項13】
前記第1レンズ、前記第4レンズ及び前記第5レンズの両面が非球面形状を持つことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
【請求項14】
条件式(12)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
1.3<f2/f<1.6 ・・・(12)
但し、f2は前記第2レンズの焦点距離である。
【請求項15】
条件式(13)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
-1.15<f3/f<-0.85 ・・・(13)
但し、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
【請求項16】
条件式(14)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
1.3<f4/f<1.6 ・・・(14)
但し、f4は前記第4レンズの焦点距離である。
【請求項17】
前記第1レンズから前記第5レンズまで全てのレンズに於いて、貼り合わせレンズが含まれないことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
【請求項18】
条件式(15)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
W≧27° ・・・(15)
但し、Wは、結像面での最大像高位置に入射する光線の半画角である。
【請求項19】
前記第1レンズは物体側に凸面を向け、前記第3レンズは物体側に凹面を向け、前記第5レンズは像側に凸面を向けることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
【請求項20】
請求項1又は2に記載の撮像レンズと、
前記撮像レンズよりも像側に配置されている撮像素子と、を備える
撮像装置。
【請求項21】
請求項1又は2に記載の撮像レンズと、
前記撮像レンズよりも像側に配置されている撮像素子と、を備える
車載カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視用カメラや車載用カメラ等、固体撮像素子を備えた撮像装置に用いられる撮像レンズ、特に単焦点の撮像レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
監視用カメラや車載用カメラに用いられる撮像レンズには、環境変化に強く、画面全域で結像性能が良いことが要求される。また、搭載スペースが限られることが多いことなどから小型で軽量であることが要求される。
【0003】
これらの要望に対応し得る可能性がある単焦点の撮像レンズとして、下記の特許文献1が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載用カメラは従来の視認用途から物体を検知するセンシング用途が加えられ、更なる高性能化が求められている。CCDやCMOS等の固体撮像素子の高画素化に伴い、それに見合う良好な光学性能が求められている。
【0006】
本開示は、上記の点に鑑みて成されたものであり、目的とするのは5枚構成によって小型、軽量且つ安価でありながら、レンズの形状を適切に設定することにより高い光学性能を持つ撮像レンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すため本開示の(1)撮像レンズは、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、開口絞りと、負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズとから構成され、条件式(1)を満足することを特徴とする。
0.6<D10/f<0.8 ・・・(1)
但し、D10は前記第5レンズの厚みであり、fは前記撮像レンズ全系の焦点距離である。
好ましくは、(2)上記(1)の撮像レンズは、
条件式(2)を満足することを特徴とする。
-1.25<R5/f<-1 ・・・(2)
但し、R5は前記第3レンズの物体側の面の曲率半径である。
好ましくは、(3)上記(1)又は(2)の撮像レンズは、
条件式(3)を満足することを特徴とする。
1.9<f5/f<2.5 ・・・(3)
但し、f5は前記第5レンズの焦点距離である。
好ましくは、(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(4)を満足することを特徴とする。
0.15<D1/f<0.3 ・・・(4)
但し、D1は前記第1レンズの厚みである。
好ましくは、(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(5)を満足することを特徴とする。
0.6<R2/f<0.75 ・・・(5)
但し、R2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
好ましくは、(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(6)を満足することを特徴とする。
6<f12/f<29 ・・・(6)
但し、f12は前記第1レンズ及び第2レンズの合成焦点距離である。
好ましくは、(7)上記(1)乃至(6)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(7)を満足することを特徴とする。
-0.01<1/(ν2・f2)+1/(ν3・f3)<-0.005 ・・・(7)
但し、ν2は前記第2レンズのアッベ率であり、f2は前記第2レンズの焦点距離であり、ν3は前記第3レンズのアッベ率であり、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
好ましくは、(8)上記(1)乃至(7)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(8)を満足することを特徴とする。
0.95<f45/f<0.99 ・・・(8)
但し、f45は前記第4レンズ及び第5レンズの合成焦点距離である。
好ましくは、(9)上記(1)乃至(8)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(9)を満足することを特徴とする。
0.1<D7/f<0.15 ・・・(9)
但し、D7は前記第3レンズ及び前記第4レンズの光軸上の空気間隔である。
好ましくは、(10)上記(1)乃至(9)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(10)を満足することを特徴とする。
1.9<(R1+R2)/(R1-R2)<2.1 ・・・(10)
但し、R1は前記第1レンズの物体側の面の曲率半径であり、R2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
好ましくは、(11)上記(1)乃至(10)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(11)を満足することを特徴とする。
-1.4<f1/f<-1.0 ・・・(11)
但し、f1は前記第1レンズの焦点距離である。
好ましくは、(12)上記(1)乃至(11)のいずれかの撮像レンズは、
前記第1レンズから前記第5レンズまで全てのレンズが硝子材料で形成されていることを特徴とする。
好ましくは、(13)上記(1)乃至(12)のいずれかの撮像レンズは、
前記第1レンズ、前記第4レンズ及び前記第5レンズは両面が非球面形状を持つことを特徴とする。
好ましくは、(14)上記(1)乃至(13)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(12)を満足することを特徴とする。
1.3<f2/f<1.6 ・・・(12)
但し、f2は前記第2レンズの焦点距離である。
好ましくは、(15)上記(1)乃至(14)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(13)を満足することを特徴とする。
-1.15<f3/f<-0.85 ・・・(13)
但し、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
好ましくは、(16)上記(1)乃至(15)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(14)を満足することを特徴とする。
1.3<f4/f<1.6 ・・・(14)
但し、f4は前記第4レンズの焦点距離である。
好ましくは、(17)上記(1)乃至(16)のいずれかの撮像レンズは、
前記第1レンズから前記第5レンズまで全てのレンズに於いて、貼り合わせレンズが含まれないことを特徴とする。
好ましくは、(18)上記(1)乃至(17)のいずれかの撮像レンズは、
条件式(15)を満足することを特徴とする。
W≧27° ・・・(15)
但し、Wは、結像面での最大像高位置に入射する光線の半画角である。
好ましくは、(19)上記(1)乃至(18)のいずれかの撮像レンズは、
前記第1レンズは物体側に凸面を向け、前記第3レンズは物体側に凹面を向け、前記第5レンズは像側に凸面を向けることを特徴とする。
(20)本開示の撮像装置は、
上記(1)乃至(19)のいずれかの撮像レンズと、
前記撮像レンズよりも像側に配置されている撮像素子と、を備える。
(21)本開示の車載カメラは、1
上記(1)乃至(19)のいずれかの撮像レンズと、
前記撮像レンズよりも像側に配置されている撮像素子と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、5枚構成によって小型、軽量且つ安価でありながら、レンズの形状を適切に設定することにより高い光学性能を持つ撮像レンズを提供することができる。その結果、監視カメラや車載用カメラに搭載可能なコンパクトな高い光学性能を持つ撮像レンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態の撮像レンズの基本構成を示す図である。
【
図2】実施例1において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図3】実施例1において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図4】実施例2において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図5】実施例2において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図6】実施例3において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図7】実施例3において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図8】実施例4において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図9】実施例4において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図10】実施例5において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図11】実施例5において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図12】実施例6において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図13】実施例6において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図14】実施例7において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図15】実施例7において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【
図16】実施例8において採用した撮像レンズの構成を示す図である。
【
図17】実施例8において、球面収差、非点収差、および歪曲収差を示す収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。
図1に、一実施形態に係る撮像レンズ100を含む撮像装置200のレンズ構成をそれぞれ光学断面で示す。撮像装置200は、例えば、車載カメラである。撮像装置200は、撮像レンズ100、平板170、平板180、及び撮像素子190を含んで構成されてよい。光学系において、撮像レンズ100、平板170、平板180、及び撮像素子190が物体側から像側に向かって順番に並ぶように配置されている。撮像素子190は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor device)である。
【0011】
撮像レンズ100は、第1レンズ110、第2レンズ120、開口絞り130、第3レンズ140、第4レンズ150、及び第5レンズ160から構成される。撮像レンズ100では、物体側から順に、第1レンズ110、第2レンズ120、開口絞り130、第3レンズ140、第4レンズ150、及び第5レンズ160が配置される。撮像レンズ100は、5枚構成の単焦点レンズである。
【0012】
第1レンズ110は、負の屈折力を有する。第2レンズ120は、正の屈折力を有する。第3レンズ140は、負の屈折力を有する。第4レンズ150は、正の屈折力を有する。第5レンズ160は、正の屈折力を有する。
図1に記載の1(R1)~11(R10)は、各構成要件の面番号である。
【0013】
開口絞り130は、第2レンズ120と第3レンズ140との間に配置されている。開口絞り130の第5レンズ160より像側への配置はレンズ系を大型化させるので好ましくない。又、開口絞り130の第1レンズ110と第2レンズ120との間の配置はバックフォーカスを長くなることに対して不利になるので好ましくない。よって、開口絞り130を上述した第2レンズ120と第3レンズ140との間に配置することにより、諸収差の良好な補正およびレンズ系のコンパクト化が可能となる。
【0014】
本開示を実施した撮像レンズ100は、第5レンズ160の厚みをD10、撮像レンズ100全系の焦点距離をfとする時、下記条件式(1)を満足するように構成される。
0.6<D10/f<0.8 ・・・(1)
【0015】
条件式(1)は、第5レンズ160の厚みD10と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。第5レンズ160は撮像素子190の最も近くに配置され、D10/fが条件式(1)の上限値(0.8)以上である構成では、第5レンズ160の厚みD10が大きいため、負のディストーションが大きく発生してしまう。一方、D10/fが条件式(1)の下限値(0.6)を超えることにより、第5レンズ160の厚みD10が適度な厚みを保持するので、球面収差の発生を抑制することができる。
【0016】
又、撮像レンズ100は、第3レンズ140の物体側の面の曲率半径をR5とする時、下記条件式(2)を満足するように構成される。
-1.25<R5/f<-1 ・・・(2)
【0017】
条件式(2)は、第3レンズ140の物体側の面の曲率半径R5と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。R5/fが条件式(2)の上限値(-1)以上である構成では、第3レンズ140の物体側の面の曲率半径R5が小さ過ぎる。そのため、第3レンズ140の負の屈折力が大きくなるため、軸上色収差を大きく発生させてしまう。一方、R5/fが条件式(2)の下限値(-1.25)を超えることにより、第3レンズ140の物体側の面の曲率半径R5での最低限の負の屈折力が確保されるので、入射高に伴う球面収差の補正が容易となる。
【0018】
又、撮像レンズ100は、第5レンズ160の焦点距離をf5とする時、下記条件式(3)を満足するように構成される。
1.9<f5/f<2.5 ・・・(3)
【0019】
条件式(3)は、第5レンズ160の焦点距離f5と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f5/fが条件式(3)の上限値(2.5)以上である構成では、正の屈折力を有し最も像面近くに配置された第5レンズ160のパワーが小さ過ぎるため、非点収差が大きく発生してしまう。一方、f5/fが条件式(3)の下限値(1.9)以下である構成では、撮像レンズ100全系に於いて第5レンズ160は、パワーが一定以上大きいため光線入射角は大きくなり、必要となるバックフォーカスの確保も困難となる。
【0020】
又、撮像レンズ100は、第1レンズ110の厚みをD1とする時、下記条件式(4)を満足するように構成される。
0.15<D1/f<0.3 ・・・(4)
【0021】
条件式(4)は、第1レンズ110の厚みD1と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。D1/fが条件式(4)の上限値(0.3)以上である構成では、第1レンズ110の厚みD1が厚過ぎることにより、軸外光の補正が困難となり、像面湾曲が大きく発生してしまう。一方、D1/fが条件式(4)の下限値(0.15)以下である構成では、第1レンズ110の厚みD1が薄過ぎることにより、製造難易度が高まってしまう。
【0022】
又、撮像レンズ100は、第1レンズ110の像側の面の曲率半径をR2とする時、下記条件式(5)を満足するように構成される。
0.6<R2/f<0.75 ・・・(5)
【0023】
条件式(5)は、第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。R2/fが条件式(5)の上限値(0.75)以上である構成では、第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2が大きくなることから、軸外光線の補正に影響し、ディストーションが大きく発生してしまう。一方、R2/fが条件式(5)の下限値(0.6)以下である構成では、第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2が小さ過ぎてしまい、非点収差が大きく発生してしまう。
【0024】
又、撮像レンズ100は、第1レンズ110及び第2レンズ120の合成焦点距離をf12とする時、下記条件式(6)を満足するように構成される。
6<f12/f<29 ・・・(6)
【0025】
条件式(6)は、第1レンズ110及び第2レンズ120の合成焦点距離f12と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f12/fが条件式(6)の上限値(29)以上である構成では、第1レンズ110と第2レンズ120の合成焦点距離f12が大き過ぎることから、絞りより前方の第1レンズ110と第2レンズ120の軸外光線の補正が困難となり、ディストーションが大きく発生してしまう。一方、f12/fが条件式(6)の下限値(6)を超えることにより、開口絞り130より前方の第1レンズ110と第2レンズ120の合成焦点距離f12の屈折力を大き過ぎないようにすることができ、色収差や球面収差の発生を抑えることが容易となる。
【0026】
又、撮像レンズ100は、第2レンズ120のアッベ率をν2、第2レンズ120の焦点距離をf2、第3レンズ140のアッベ率をν3、第3レンズ140の焦点距離をf3とする時、下記条件式(7)を満足するように構成される。
-0.01<1/(ν2・f2)+1/(ν3・f3)<-0.005 ・・・(7)
【0027】
条件式(7)は、第2レンズ120のアッベ率ν2、第2レンズ120の焦点距離f2、第3レンズ140のアッベ率ν3、及び第3レンズ140の焦点距離f3を関連づけたものである。1/(ν2・f2)+1/(ν3・f3)が条件式(7)の上限値(-0.005)及び下限値(-0.01)の範囲外である構成では、正の屈折力を有する第2レンズ120と負の屈折力を有する第3レンズ140の色収差に偏りが出てきてしまい、撮像レンズ100全系に於いて軸上色収差が大きく発生してしまう。
【0028】
又、撮像レンズ100は、第4レンズ150及び第5レンズ160の合成焦点距離をf45とする時、下記条件式(8)を満足するように構成される。
0.95<f45/f<0.99 ・・・(8)
【0029】
条件式(8)は、第4レンズ150及び第5レンズ160の合成焦点距離f45と、撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f45/fが条件式(8)の上限値(0.99)以上である構成では、凸レンズである第4レンズ150と第5レンズ160の合成焦点距離f45が長くなり過ぎ、像面湾曲が大きく発生してしまう。一方、f45/fが条件式(8)の下限値(0.95)以下である構成では、凸レンズである第4レンズ150と第5レンズ160の屈折力が高過ぎてしまい、ディストーションが大きく発生してしまう。
【0030】
又、撮像レンズ100は、第3レンズ140及び前記第4レンズ150の光軸上の空気間隔をD7とする時、下記条件式(9)を満足するように構成される。
0.1<D7/f<0.15 ・・・(9)
【0031】
条件式(9)は、第3レンズ140及び前記第4レンズ150の光軸上の空気間隔D7と前記撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。D7/fが条件式(9)の上限値(0.15)以上である構成では、第3レンズ140及び前記第4レンズ150との光軸上の空気間隔が長過ぎてしまい、第4レンズ150の光線径が大きくなってしまうことから、球面収差の補正が困難となる。一方、D7/fが条件式(9)の下限値(0.1)を超えることにより、D7が小さ過ぎることを防ぎ、負の屈折力を有する第3レンズ140と正の屈折力を有する第4レンズ150を適正な距離にすることにより、像面湾曲を補正することが可能となる。
【0032】
又、撮像レンズ100は、第1レンズ110の物体側の面の曲率半径をR1、第1レンズ110の像側の面の曲率半径をR2とする時、下記条件式(10)を満足するように構成される。
1.9<(R1+R2)/(R1-R2)<2.1 ・・・(10)
【0033】
条件式(10)は、第1レンズ110の物体側の面の曲率半径R1と第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2とを関連づけたものである。(R1+R2)/(R1-R2)が条件式(10)の上限値(2.1)以上である構成では、第1レンズ110の物体側の面の曲率半径R1と第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2の値が近づくことで、サジタル方向・メリディオナル方向での補正が困難となり非点収差が発生してしまう。一方、(R1+R2)/(R1-R2)が条件式(10)の下限値(1.9)以下である構成では、第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2が小さ過ぎることにより、負の屈折力が増大され、軸上色収差が発生してしまう。
【0034】
又、撮像レンズ100は、第1レンズ110の焦点距離をf1とする時、下記条件式(11)を満足するように構成される。
-1.4<f1/f<-1.0 ・・・(11)
【0035】
条件式(11)は、第1レンズ110の焦点距離f1と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f1/fが条件式(11)の上限値(-1.0)未満であることにより、第1レンズ110の像面の側の曲率半径R2が小さくなり過ぎず、加工しやすい形状となる。一方、f1/fが条件式(11)の下限値(-1.4)以下である構成では、第1レンズ110のパワーが小さ過ぎることから、周辺光を屈折しにくくなり、画角の確保が困難となる。
【0036】
また、第1レンズ110から第5レンズ160まで全てのレンズが硝子材料で形成されていることが好ましい。これにより、太陽光による黄変を抑制することができる。
【0037】
また、第1レンズ110、第4レンズ150及び第5レンズ160の両面が非球面形状を持つことが好ましい。第1レンズ110は光線を集光する機能を有する。第4レンズ150及び第5レンズ160は、収差を補正するととともに像面への光線入射角を0に近づける機能を有する。光線のコントロールが必要なレンズに非球面形状を適用することにより、撮像レンズ100の小型化が可能となる。
【0038】
又、撮像レンズ100は、第2レンズ120の焦点距離をf2とする時、下記条件式(12)を満足するように構成される。
1.3<f2/f<1.6 ・・・(12)
【0039】
条件式(12)は、第2レンズ120の焦点距離f2と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f2/fが条件式(12)の上限値(1.6)以上である構成では、絞り前方に配置された正の屈折力を持つ第2レンズ120のパワーが小さ過ぎてしまい、負のディストーションが大きく発生してしまう。一方、f2/fが条件式(12)の下限値以下である構成では、第2レンズ120のパワーに比べ負のレンズのパワーが小さ過ぎることから非点収差の補正が困難となる。
【0040】
又、撮像レンズ100は、第3レンズ140の焦点距離をf3とする時、下記条件式(13)を満足するように構成される。
-1.15<f3/f<-0.85 ・・・(13)
【0041】
条件式(13)は、第3レンズ140の焦点距離f3と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f3/fが条件式(13)の上限値(-0.85)以上である構成では、絞り130の後方(像側)に設置された負の屈折力を有する第3レンズ140のパワーが大き過ぎることから非点収差が発生してしまう。一方、f3/fが条件式(13)の下限値(-1.15)以下である構成では、正の屈折力を有する他のレンズと比較し、第3レンズ140のパワーが小さ過ぎることから球面収差が発生してしまう。
【0042】
又、撮像レンズ100は、第4レンズ150の焦点距離をf4とする時、下記条件式(14)を満足するように構成される。
1.3<f4/f<1.6 ・・・(14)
【0043】
条件式(14)は、第4レンズ150の焦点距離f4と撮像レンズ100全系の焦点距離fとを関連づけたものである。f4/fが条件式(14)の上限値(1.6)以上である構成では、絞り130から像側に配置される第4レンズ150のパワーが小さくなることから、球面収差の補正が困難となる。一方、f4/fが条件式(14)の下限値(1.3)以下である構成では、負の屈折力を有するレンズと比較し第4レンズ150のパワーが大き過ぎることから像面湾曲を発生させてしまう。
【0044】
又、第1レンズ110から第5レンズ160まで全てのレンズに於いて、貼り合わせレンズが含まれないことが好ましい。これにより、接着剤を有していないことから、撮像レンズ100の耐環境性の向上が期待される。
【0045】
又、撮像レンズ100全系が下記条件式(15)を満足するように構成される。
W≧27° ・・・(15)
【0046】
但し、Wは、結像面での最大像高位置に入射する光線の半画角である。
Wが条件式(15)の下限値(27°)未満である構成では、物体を検知するセンシング用途として必要な視野の確保が困難となる。
【0047】
又、第1レンズ110は物体側に凸面を向け、第3レンズ140は物体側に凹面を向け、第5レンズ160は像側に凸面を向けることが好ましい。第1レンズ110は物体側に凸面を向けることにより水滴などの付着がしにくくなる。又、第3レンズ140は物体側に凹面を向けることにより絞り130の後方にあることから絞り130を通過した光線をコントロールしやすくなる。又、第5レンズ160は像側に凸面を向けることにより、ゴーストの発生を抑えることができる。
【実施例0048】
以下に、撮像レンズ100に具体的な数値を適用した実施例1~8を示す。実施例1~8において、焦点距離、F値、像高、レンズ全長は次の表1に記載の通りである。又、同じく実施例1~8において、条件式(1)~(15)の数値データは、次の表2に記載の値になる。実施例1~8において、光学設計ソフトウェアを用いて球面収差、歪曲収差、及び非点収差を作成した。
【0049】
【0050】
【0051】
<実施例1>
実施例1における撮像レンズ100Aの基本構成は
図2に示される。実施例1における各数値データ(設定値)は表3に示される。実施例1における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図3にそれぞれ示される。
【0052】
図2に示すように、第1レンズ110は物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0053】
又、
図2に示すように、第1レンズ110の厚さとなるR1面1及びR2面2間の距離をD1とする。第1レンズ110のR2面2から第2レンズ120のR3面3までの距離をD2とする。第2レンズ120の厚さとなるR3面3及びR4面4間の距離をD3とする。第2レンズ120のR4面4から開口絞り130の面5までの距離をD4とする。開口絞り130の面5から第3レンズ140のR5面6までの距離をD5とする。第3レンズ140の厚さとなるR5面6及びR6面7間の距離をD6とする。第3レンズ140のR6面7から第4レンズ150のR7面8までの距離をD7とする。第4レンズ150の厚さとなるR7面8及びR8面9間の距離をD8とする。第4レンズ150のR8面9から第5レンズ160のR9面10までの距離をD9とする。第5レンズ160の厚さとなるR9面10及びR10面11間の距離をD10とする。第5レンズ160のR10面11から平板170の面12までの距離をD11とする平板170の厚さとなる面12及び面13間の距離をD12とする。平板170の面13から平板180の面14までの距離をD13とする。平板180の厚さとなる面14及び面15間の距離をD14とする。平板180の面15から撮像素子(結像面)190までの距離をD15とする。尚、以降の実施例2~8においてもR1面1~面15、およびD1~D15は実施例1で上述した距離を意味する。
【0054】
表3は、実施例1における撮像レンズ100Aの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0055】
【0056】
図3は実施例1の撮像レンズ100Aの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している(以後、
図5、7、9、11、13、15、17においても同じである)。
図3の非点収差図及び歪曲収差図における縦軸は半画角ωを表している。(以後、
図5、7、9、11、13、15、17においても同じである)。
図3の非点収差図中、実線Sはサジタル像面の値を示し、破線Tはタンジェンシャル像面の値を示している(以後、
図5、7、9、11、13、15、17においても同じである)。
図3からわかるように、実施例1によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Aが得られる。
【0057】
<実施例2>
実施例2における撮像レンズ100Bの基本構成は
図4に示される。実施例2における各数値データ(設定値)は表4に示される。実施例2における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図5に示される。
【0058】
図4に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0059】
表4は、実施例2における撮像レンズ100Bの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0060】
【0061】
図5は、実施例2の撮像レンズ100Bの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図5からわかるように、実施例2によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Bが得られる。
【0062】
<実施例3>
実施例3における撮像レンズ100Cの基本構成は
図6に示される。実施例3における各数値データ(設定値)は表5に示される。実施例3における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図7にそれぞれ示される。
【0063】
図6に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0064】
表5は、実施例3における撮像レンズ100Cの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0065】
【0066】
図7は、実施例3の撮像レンズ100Cの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図7からわかるように、実施例3によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Cが得られる。
【0067】
<実施例4>
実施例4における撮像レンズ100Dの基本構成は
図8に示される。実施例4における各数値データ(設定値)は表6に示される。実施例4における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図9にそれぞれ示される。
【0068】
図8に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0069】
表6は、実施例4における撮像レンズ100Dの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0070】
【0071】
図9は、実施例4の撮像レンズ100Dの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図9からわかるように、実施例4によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Dが得られる。
【0072】
<実施例5>
実施例5における撮像レンズ100Eの基本構成は
図10に示される。実施例5における各数値データ(設定値)は表7に示される。実施例5における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図11にそれぞれ示される。
【0073】
図10に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0074】
表7は、実施例5における撮像レンズ100Eの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0075】
【0076】
図11は、実施例5の撮像レンズ100Eの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図11からわかるように、実施例5によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Eが得られる。
【0077】
<実施例6>
実施例6における撮像レンズ100Fの基本構成は
図12に示される。実施例6における各数値データ(設定値)は表8に示される。実施例6における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図13にそれぞれ示される。
【0078】
図12に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0079】
表8は、実施例6における撮像レンズ100Fの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0080】
【0081】
図13は、実施例6の撮像レンズ100Fの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図13からわかるように、実施例6によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Fが得られる。
【0082】
<実施例7>
実施例7における撮像レンズ100Gの基本構成は
図14に示される。実施例7における各数値データ(設定値)は表9に示される。実施例7における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図15にそれぞれ示される。
【0083】
図14に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0084】
表9は、実施例7における撮像レンズ100Gの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0085】
【0086】
図15は、実施例7の撮像レンズ100Gの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図15からわかるように、実施例7によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Gが得られる。
【0087】
<実施例8>
実施例8における撮像レンズ100Hの基本構成は
図16に示される。実施例8における各数値データ(設定値)は表10に示される。実施例8における球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図は
図17にそれぞれ示される。
【0088】
図16に示すように、第1レンズ110は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する。第2レンズ120は、両凸形状を有する。開口絞り130の像側に配置される第3レンズ140は、両凹形状を有する。第4レンズ150は、両凸形状を有する。第5レンズ160は、両凸形状を有する。
【0089】
表10、実施例7における撮像レンズ100Hの各面番号に対応した絞り、各レンズの曲率半径R、距離D、屈折率Nd、及びアッベ数νdを示している。
【0090】
【0091】
図17は、実施例8の撮像レンズ100Hの球面収差(左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nm)、非点収差(実線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのサジタル光線、点線:左から435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmのタンジェンシャル光線)、及び歪曲収差(435.8nm,486.1nm,546.1nm,587.6nm,656.3nmが重なっている)を示している。
図17からわかるように、実施例8によれば、球面、歪曲、非点の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ100Hが得られる。
【0092】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0093】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【0094】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1レンズは、第2レンズと識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。