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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104249
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】デジタル放送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4545 20110101AFI20240726BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20240726BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20240726BHJP
   H04H 20/44 20080101ALI20240726BHJP
   H04H 60/46 20080101ALI20240726BHJP
【FI】
H04N21/4545
H04N21/462
H04H20/28
H04H20/44
H04H60/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008396
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】723000866
【氏名又は名称】桑原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】桑原 弘幸
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164UB21S
5C164UB41S
5C164UC14P
5C164UC21P
5C164YA11
(57)【要約】
【課題】ユーザの趣向に沿った放送のみを受信可能にし、ユーザの利便性を向上する。
【解決手段】デジタル放送受信装置は、デジタル放送送信装置から送信される、デジタル放送に関する多重化した放送情報を受信するデジタル放送受信装置であって、前記デジタル放送の出力を制御する制御手段と、前記放送情報を取得し、前記制御手段が判定する結果に基づいて、前記放送情報を出力する選択手段と、ユーザによる指示が入力される入力手段と、を備え、前記制御手段は、前記入力手段により前記ユーザから入力された前記指示に基づいて、前記デジタル放送を出力するか否かを判定し、前記選択手段は、前記制御手段が前記デジタル放送を出力しないと判定した場合に、前記放送情報を破棄する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送送信装置から送信される、デジタル放送に関する多重化した放送情報を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送の出力を制御する制御手段と、
前記放送情報を取得し、前記制御手段が判定する結果に基づいて、前記放送情報を出力する選択手段と、
ユーザによる指示が入力される入力手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記入力手段により前記ユーザから入力された前記指示に基づいて、前記デジタル放送を出力するか否かを判定し、
前記選択手段は、
前記制御手段が前記デジタル放送を出力しないと判定した場合に、前記放送情報を破棄する、デジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記放送情報を少なくとも番組特定情報、番組配列情報に分離する多重分離手段を備え、
前記入力部は、前記ユーザにより、所定のデジタル放送を受信拒否する前記指示が入力され、
前記制御手段は、
前記多重分離手段により分離された前記番組特定情報又は前記番組配列情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記デジタル放送の放送コンテンツを特定し、
特定した前記放送コンテンツに関する放送コンテンツ情報及び受信拒否する前記指示に関する受信拒否情報に基づいて、前記デジタル放送を出力するか否かを判定する、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記ユーザにより、所定の放送コンテンツ又は所定の時間帯又は所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否する前記指示が入力され、
前記放送コンテンツ情報は、前記放送コンテンツの名称又は前記放送コンテンツを放送する時間帯又は前記放送コンテンツのジャンル又は前記放送コンテンツを放送する放送局であり、
前記受信拒否情報は、前記所定の放送コンテンツの名称又は前記所定の時間帯又は前記所定のジャンル又は前記所定の放送局である、請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記受信拒否情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶されている前記受信拒否情報を参照し、前記デジタル放送を出力するか否かを判定する、請求項2又は3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、記憶してある前記受信拒否情報を書き換え不可とする、請求項4に記載のデジタル放送受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送や衛星デジタル放送の放送局は、特定のユーザ(例えば、視聴料金を支払っているユーザなど)のみが放送コンテンツを視聴できるようにするために、放送コンテンツの情報を暗号化して送信している。そのため、地上デジタル放送や衛星デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置には、暗号化された放送コンテンツの情報を復号化する技術が必要である。例えば、特許文献1には、放送コンテンツの権利保護に対応した受信装置のみが復号化を可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-221935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、従来のデジタル放送受信装置では、一部の放送局(民間放送など)を常時視聴できるような復号化技術が標準設計されている。つまり、従来のデジタル放送受信装置であれば、民間放送などの一部の放送局の放送を必ず視聴することができる。
【0005】
このように、地上デジタル放送や衛星デジタル放送では、放送コンテンツの情報を暗号化することによって、放送局側がユーザの視聴可否を決定することはできるが、ユーザ側が視聴可否を決定することはできなかった。すなわち、民間放送などの常時視聴することができる放送に関して、ユーザが当該放送の視聴を拒否する手段がなかった。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの趣向に沿った放送のみを受信可能にし、ユーザの利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るデジタル放送受信装置は、
デジタル放送送信装置から送信される、デジタル放送に関する多重化した放送情報を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送の出力を制御する制御手段と、
前記放送情報を取得し、前記制御手段が判定する結果に基づいて、前記放送情報を出力する選択手段と、
ユーザによる指示が入力される入力手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記入力手段により前記ユーザから入力された前記指示に基づいて、前記デジタル放送を出力するか否かを判定し、
前記選択手段は、
前記制御手段が前記デジタル放送を出力しないと判定した場合に、前記放送情報を破棄する。
【0008】
また、前記放送情報を少なくとも番組特定情報、番組配列情報に分離する多重分離手段を備え、
前記入力部は、前記ユーザにより、所定のデジタル放送を受信拒否する前記指示が入力され、
前記制御手段は、
前記多重分離手段により分離された前記番組特定情報又は前記番組配列情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記デジタル放送の放送コンテンツを特定し、
特定した前記放送コンテンツに関する放送コンテンツ情報及び受信拒否する前記指示に関する受信拒否情報に基づいて、前記デジタル放送を出力するか否かを判定してもよい。
【0009】
また、前記入力部は、前記ユーザにより、所定の放送コンテンツ又は所定の時間帯又は所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否する前記指示が入力され、
前記放送コンテンツ情報は、前記放送コンテンツの名称又は前記放送コンテンツを放送する時間帯又は前記放送コンテンツのジャンル又は前記放送コンテンツを放送する放送局であり、
前記受信拒否情報は、前記所定の放送コンテンツの名称又は前記所定の時間帯又は前記所定のジャンル又は前記所定の放送局であってもよい。
【0010】
また、前記受信拒否情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶されている前記受信拒否情報を参照し、前記デジタル放送を出力するか否かを判定してもよい。
【0011】
また、前記記憶手段は、記憶してある前記受信拒否情報を書き換え不可としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの趣向に沿った放送のみを受信可能にし、ユーザの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係るデジタル放送の送受信方法を示す概略図である。
図2図2は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置のディスプレイにおける受信拒否決定の操作の一例を説明する図である。
図4図4は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置による受信拒否決定処理を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置によるパケット出力判定処理を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置によるパケット選択処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信装置10によるデジタル放送の受信方法について説明する。図1は、本実施形態に係るデジタル放送の送受信方法を示す概略図である。デジタル放送の送受信方法は、送信局2から放送波Wを送信し、複数の建物1がそれぞれ放送波Wを受信する。放送波Wは、例えば、地上デジタル放送の電波であるが、これに限定されない。放送波Wは、例えば、衛星放送等の電波であってもよく、また、無線、有線のどちらであってもよい。
【0015】
送信局2は、デジタル放送を放送波Wとして送信する施設である。送信局2は、例えば、複数の放送局からデジタル放送を取得し、放送波Wとして送信する。放送局は、デジタル放送の放送コンテンツ(放送番組)を無償又は有償で放映する放送事業者である。送信局2は、例えば、デジタル放送送信装置20を備える。
【0016】
デジタル放送送信装置20は、例えば、映像や音声といったデジタル放送の放送コンテンツを符号化し、パケット化し、多重化し、送信する。デジタル放送送信装置20は、例えば、デジタル放送に関するトランスポートストリームパケット(以下、「TSパケット」という。)を生成する。例えば、デジタル放送送信装置20は、デジタルデータに変換された映像や音声といったエレメンタリストリーム、放送コンテンツに関するデータ、番組特定情報(Program Specific Information)及び番組配列情報(Service Information)等のうち1又は複数を多重化したTSパケットを生成する。TSパケットは、放送情報の一例である。また、TSパケットの連続が、トランスポートストリームとなる。トランスポートストリームは、複数の放送コンテンツを取り扱うことが可能である。
【0017】
番組特定情報とは、トランスポートストリームに含まれる複数の放送コンテンツのうち、エレメンタリストリームがどの放送コンテンツに属するかを記した情報である。番組配列情報は、例えば、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、NIT(Network Information Table)、CAT(Conditional Access Table)などが含まれる。
【0018】
番組配列情報とは、放送コンテンツに関する情報や時刻に関する情報等である。番組配列情報は、例えば、放送コンテンツの名称や放送日時等の放送コンテンツに関する情報、放送局識別情報や系列情報等の放送コンテンツを放映する放送局に関する情報、チャンネル番号や変調方法等の送信するネットワークに関する情報等である。具体的には、番組配列情報は、例えば、SDT(Service Description Table)、EIT(Event Information Table)、BIT(Broadcaster Information Table)、NIT(Network Information Table)、TOT(Time Offset Table)などが含まれる。なお、番組配列情報は、電子番組表に表示させるために用いられる。
【0019】
デジタル放送送信装置20は、例えば、限定受信方式(CAS:Conditional Access System)を用いて、TSパケットを暗号化する。そして、デジタル放送送信装置20は、暗号化されたTSパケットを放送波Wに変換して、送信する。なお、限定受信方式の具体的な方法については、後述する。
【0020】
建物1は、デジタル放送受信装置10と、アンテナ12を備える建築物である。建物1は、例えば、住宅であるが、これに限定されない。建物1は、例えば、ホテル、学校、病院等、デジタル放送受信装置10と、アンテナ12を備えることができる建築物であればよい。
【0021】
デジタル放送受信装置10は、デジタル放送送信装置20から送信されるTSパケットを受信する。デジタル放送受信装置10は、アンテナ12と接続している。デジタル放送受信装置10は、例えば、アンテナ12が受信した放送波Wを取得し、デジタル放送送信装置20から送信されるTSパケットを取得する。そして、デジタル放送受信装置10は、TSパケットに基づいて、ユーザが視聴できる形式で放送コンテンツを出力する。アンテナ12は、デジタル放送送信装置20から送信される放送波Wを受信する。アンテナ12は、受信した放送波Wを、デジタル放送受信装置10に出力する。
【0022】
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信装置10の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、デジタル放送受信装置10は、受信手段100と、デスクランブル手段110と、多重分離手段120と、選択手段130と、映像音声復号手段140と、映像表示手段150と、音声出力手段160と、制御手段170と、記憶手段180と、入力手段190と、を備える。
【0023】
受信手段100は、放送波Wを受信する。受信手段100は、例えば、デジタル放送送信装置20から送信された放送波Wを、アンテナ12から取得する。そして、受信手段100は、例えば、取得した放送波Wを、TSパケットに変換する。例えば、受信手段100は、後述する制御手段170の指示に基づいて、受信周波数を調整し、特定の放送波Wを取得する。そして、受信手段100は、取得した特定の放送波Wを、TSパケットに変換する。受信手段100は、変換したTSパケットを、デスクランブル手段110に出力する。
【0024】
デスクランブル手段110は、暗号化されたTSパケットを復号化する。デスクランブル手段110は、例えば、限定受信方式を用いて、暗号化されたTSパケットを復号化する。デスクランブル手段110は、復号化したTSパケットを、多重分離手段120に出力する。
【0025】
ここで、限定受信方式について説明する。まず、デジタル放送送信装置20は、スクランブル鍵を用いて、TSパケットを暗号化する。次に、デジタル放送送信装置20は、ワーク鍵を用いて、スクランブル鍵を暗号化してECM(Entitlement Control Message)を生成する。次に、デジタル放送送信装置20は、マスター鍵を用いて、ワーク鍵を暗号化してEMM(Entitlement Management Message)を生成する。その後、デジタル放送送信装置20は、暗号化されたTSパケット、ECM及びEMMを送信する。
【0026】
デジタル放送受信装置10のデスクランブル手段110は、暗号化されたTSパケット、ECM及びEMMを取得し、復号化する。ここで、デジタル放送受信装置10は、例えば、マスター鍵等のセキュリティモジュールが書き込まれたICカードを挿抜可能なICカードリーダー(不図示)を備えている。ICカードリーダーは、デスクランブル手段110や後述する制御手段170と接続している。デスクランブル手段110は、例えば、挿入されたICカードに書き込まれたマスター鍵の情報を、ICカードリーダーを用いて取得する。そして、デスクランブル手段110は、マスター鍵を用いて、EMMを復号化し、ワーク鍵を抽出する。その後、デスクランブル手段110は、抽出したワーク鍵を用いて、ECMを復号化し、スクランブル鍵を抽出する。その後、デスクランブル手段110は、スクランブル鍵を用いて、暗号化されたTSパケットを復号化する。なお、限定受信方式の具体的な方法については、例えば、特許第4174326号等に開示されている方法を適用することができる。
【0027】
多重分離手段120は、受信したTSパケットを分離する。多重分離手段120は、例えば、デスクランブル手段110により復号化されたTSパケットを、少なくともデジタルデータに変換された映像や音声、放送コンテンツに関するデータ、番組特定情報及び番組配列情報に分離する。多重分離手段120は、分離したデジタルデータに変換された映像や音声、放送コンテンツに関するデータ、番組特定情報及び番組配列情報を選択手段130又は制御手段170に出力する。
【0028】
選択手段130は、多重分離手段120により分離されたTSパケットを取得し、ユーザが選局する放送局のデジタル放送を特定する。選択手段130は、例えば、多重分離手段120から、デジタルデータに変換された映像や音声、放送コンテンツに関するデータ、番組特定情報及び番組配列情報等を取得する。そして、選択手段130は、例えば、多重分離手段120より分離された番組特定情報又は番組配列情報のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツの映像データ、音声データ又は放送コンテンツに関するデータを特定する。
【0029】
例えば、ユーザがある放送局のデジタル放送を視聴したい場合、ユーザは、後述する入力手段190を操作し、当該放送局を選局する。そして、選択手段130は、ユーザによって選局された放送局のサービスIDと、TSパケットの番組特定情報又は番組配列情報に含まれるPID(パケットID)に基づいて、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツの映像データ、音声データ又は放送コンテンツに関するデータを特定する。サービスIDとは、放送局間で重複しないように、全ての放送局に割り当てられる番号である。PIDとは、TSパケットに含まれる内容を識別するために、TSパケットのパケットヘッダー部分に付与される番号である。
【0030】
また、選択手段130は、多重分離手段120からTSパケットを取得し、後述する制御手段170が判定する結果に基づいて、取得したTSパケットを後述する映像音声復号手段140に出力する。選択手段130は、制御手段170が受信したデジタル放送を出力すると判定した場合に、取得したTSパケットを映像音声復号手段140に出力する。例えば、選択手段130は、制御手段170が受信したデジタル放送を出力すると判定した場合に、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツの映像データ、音声データ又は放送コンテンツに関するデータを、映像音声復号手段140に出力する。
【0031】
また、選択手段130は、制御手段170が受信したデジタル放送を出力しないと判定した場合に、取得したTSパケットを映像音声復号手段140に出力せず、取得したTSパケットを破棄する。例えば、選択手段130は、制御手段170が受信したデジタル放送を出力しないと判定した場合に、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツの映像データ、音声データ又は放送コンテンツに関するデータを、映像音声復号手段140に出力せず、破棄する。
【0032】
映像音声復号手段140は、取得したTSパケットに基づいて、映像及び音声を復号する。映像音声復号手段140は、例えば、選択手段130から出力されたTSパケットのうち、デジタルデータに変換された映像及び音声を、映像信号及び音声信号に復号する。映像音声復号手段140は、復号した映像信号を映像表示手段150に出力し、復号した音声信号を音声出力手段160に出力する。
【0033】
映像表示手段150は、ディスプレイ150aを備える。映像表示手段150は、例えば、モニターであるが、これに限定されない。例えば、映像表示手段150は、スマートフォン、カーナビゲーション、プロジェクター等であってもよい。映像表示手段150は、ユーザが放送コンテンツを視聴可能な形式で、ディスプレイ150aに映像を表示する。映像表示手段150は、例えば、映像音声復号手段140より映像信号を取得する。そして、映像表示手段150は、映像信号を所定のフォーマットに変換し、ディスプレイ150aに表示する。
【0034】
音声出力手段160は、例えば、スピーカーである。音声出力手段160は、ユーザが放送コンテンツを視聴可能な形式で、音声を出力する。音声出力手段160は、例えば、映像音声復号手段140より音声信号を取得する。そして、音声出力手段160は、音声信号を所定のフォーマットに変換し、出力する。
【0035】
制御手段170は、デジタル放送の出力を制御する。制御手段170は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成されるが、これに限定されない。制御手段170は、例えば、その他のマイクロプロセッサで構成された演算処理装置であってもよい。また、制御手段170は、1つまたは複数のCPUで構成されてもよい。制御手段170は、後述する記憶手段180または他の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することにより、デジタル放送受信装置10における各種の処理を実行させる。
【0036】
制御手段170は、受信手段100と、デスクランブル手段110と、多重分離手段120と、選択手段130と、映像音声復号手段140と、後述する記憶手段180と、入力手段190と接続している。また、制御手段170は、例えば、インターネット(不図示)とも接続してもよい。
【0037】
制御手段170は、例えば、後述する入力手段190により、ユーザが視聴を所望する放送局を選局した場合に、当該放送局のデジタル放送が含まれる放送波Wを受信できるように、受信周波数の特定し、受信手段100に指示を出力する。また、制御手段170は、例えば、放送局よりインターネットを通じて、マスター鍵を取得し、適宜、デスクランブル手段110又はICカードにマスター鍵を出力する。また、制御手段170は、例えば、後述する入力手段190により、ユーザが視聴を所望する放送局を選局した場合に、当該放送局のサービスIDを特定し、選択手段130に出力する。
【0038】
また、制御手段170は、例えば、多重分離手段120より番組特定情報及び番組配列情報を取得する。そして、制御手段170は、例えば、多重分離手段120により分離された番組特定情報又は番組配列情報のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツを特定する。例えば、制御手段170は、ユーザによって選局された放送局のサービスIDと、番組特定情報又は番組配列情報に含まれるPIDに基づいて、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツを特定する。そして、制御手段170は、例えば、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツに関する放送コンテンツ情報も特定する。放送コンテンツ情報は、例えば、放送コンテンツの名称、放送コンテンツを放送する時間帯、放送コンテンツのジャンル又は放送コンテンツを放送する放送局などの情報であるが、これに限定されない。放送コンテンツ情報は、例えば、放送コンテンツを個別の識別情報や放送局識別情報等であってもよい。放送コンテンツのジャンルとは、デジタル放送の放送コンテンツの内容に関する分類であり、例えば、ニュース番組、ドラマ番組又はバラエティ番組などの分類である。制御手段170は、例えば、番組特定情報又は番組配列情報に基づいて、放送コンテンツの名称、放送コンテンツを放送する時間帯、放送コンテンツのジャンル又は放送コンテンツを放送する放送局等を特定する。
【0039】
例えば、送信局2は、「A放送局」の「a番組」という放送コンテンツを、その他複数の放送コンテンツとともに多重化し、TSパケットとして送信する。そして、デジタル放送受信装置10は、当該TSパケットを受信する。デジタル放送受信装置10は、当該TSパケットを、受信手段100、デスクランブル手段110、多重分離手段120の順に処理し、番組特定情報及び番組配列情報に分離する。その後、分離された番組特定情報及び番組配列情報は、制御手段170に出力される。制御手段170は、ユーザの後述する入力手段190の操作によって選択された「A放送局」のサービスIDと、多重分離手段120により取得した番組特定情報及び番組配列情報に含まれるPIDを取得する。そして、制御手段170は、取得したPID及びサービスIDを用いて、番組特定情報又は番組配列情報に含まれる各テーブルを参照し、「a番組」という放送コンテンツを特定する。また、制御手段170は、番組特定情報又は番組配列情報に基づいて、「a番組」の名称、「a番組」の放送時間帯(18:00から19:00など)、「a番組」のジャンル(ニュース番組など)、「a番組」という放送コンテンツの放送局(A放送局など)等、放送コンテンツ情報を特定する。
【0040】
また、制御手段170は、例えば、PIDやサービスIDに基づいて特定した放送コンテンツ情報及びユーザによって入力された受信拒否する指示に関する受信拒否情報に基づいて、デジタル放送を出力するか否かを判定する。受信拒否する指示とは、ユーザが後述する入力手段190を操作し、所定のデジタル放送を受信拒否にするためにした指示である。所定のデジタル放送とは、ユーザが受信拒否するために指定したデジタル放送である。受信拒否情報とは、所定のデジタル放送を受信拒否にするために用いられる情報である。受信拒否情報は、例えば、所定のデジタル放送の放送コンテンツの名称、所定のデジタル放送を放送する時間帯、所定のデジタル放送のジャンル又は所定のデジタル放送を放送する放送局などの情報であるが、これに限定されない。受信拒否情報は、例えば、所定のデジタル放送の放送コンテンツを個別の識別情報や所定のデジタル放送の放送局識別情報等であってもよい。
【0041】
ユーザは、視聴したくないデジタル放送がある場合、後述する入力手段190を操作し、当該デジタル放送を受信拒否する指示を入力することで、当該デジタル放送の受信を拒否することができる。例えば、ユーザは、視聴したくないデジタル放送の放送コンテンツがある場合、入力手段190を操作し、当該デジタル放送の放送コンテンツを受信拒否する指示を入力する。なお、ユーザは、例えば、デジタル放送の受信拒否に関して、デジタル放送の放送コンテンツを指定するだけではなく、デジタル放送を放送する時間帯、デジタル放送のジャンル、デジタル放送を放送する放送局を指定することができる。すると、制御手段170は、当該指示を取得し、デジタル放送を出力するか否かを判定するために当該指示を用いる。
【0042】
まず、制御手段170は、番組特定情報又は番組配列情報のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツ及び放送コンテンツ情報を特定する。その後、制御手段170は、後述する記憶手段180に記憶されている、受信拒否情報が入力されている受信権限テーブルを参照する。そして、制御手段170は、放送コンテンツ情報と受信拒否情報を比較し、デジタル放送を出力するか否かを判定する。例えば、制御手段170は、PIDやサービスIDに基づいて特定した放送コンテンツの名称、放送コンテンツを放送する時間帯、放送コンテンツのジャンル又は放送コンテンツを放送する放送局と、ユーザより受信拒否の指定がされた所定のデジタル放送の放送コンテンツの名称又は所定の時間帯又は所定のジャンル又は所定の放送局とを比較し、デジタル放送を出力するか否かを判定する。
【0043】
そして、デジタル放送の放送コンテンツ情報と受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報が一致する場合、制御手段170は、当該デジタル放送の放送コンテンツが受信拒否されていると判定する。そして、制御手段170は、選択手段130に、受信したデジタル放送を出力しないという判定を出力する。また、デジタル放送の放送コンテンツ情報と受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報が一致しない場合、制御手段170は、当該デジタル放送の放送コンテンツが受信可能と判定する。そして、制御手段170は、選択手段130に、受信したデジタル放送を出力するという判定を出力する。
【0044】
例えば、制御手段170は、デジタル放送の放送コンテンツ情報である放送コンテンツの名称と、受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報である所定のデジタル放送の放送コンテンツの名称が一致する場合、デジタル放送の放送コンテンツが受信拒否されていると判定する。また、例えば、制御手段170は、デジタル放送の放送コンテンツ情報である放送コンテンツを放送する時間帯と、受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報である所定の時間帯が一致する場合、デジタル放送の放送コンテンツが受信拒否されていると判定する。また、例えば、制御手段170は、デジタル放送の放送コンテンツ情報である放送コンテンツのジャンルと、受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報である所定のジャンルが一致する場合、デジタル放送の放送コンテンツが受信拒否されていると判定する。また、例えば、制御手段170は、デジタル放送の放送コンテンツ情報である放送コンテンツを放送する放送局と、受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報である所定の放送局が一致する場合、デジタル放送の放送コンテンツが受信拒否されていると判定する。
【0045】
また、制御手段170は、例えば、映像音声復号手段140によって復号された映像信号及び音声信号を、映像表示手段150又は音声出力手段160に出力するタイミングを制御する。
【0046】
また、制御手段170は、例えば、後述する入力手段190からユーザによって入力された受信拒否に関する指示を受信し、指示の内容を受信拒否情報として特定する。そして、制御手段170は、例えば、当該特定した受信拒否情報を後述する記憶手段180に記憶させる。例えば、ユーザが受信拒否したい放送コンテンツがある場合、ユーザは、入力手段190を用いて受信拒否決定の操作を行い、受信拒否したい放送コンテンツを決定する。すると、制御手段170は、入力手段190から受信拒否決定の操作に関する情報を受信し、受信拒否決定の操作によって決定された受信拒否する放送コンテンツの名称を特定する。そして、制御手段170は、当該特定した受信拒否する放送コンテンツの名称を、所定のデジタル放送の放送コンテンツとして記憶手段180に記憶させる。
【0047】
また、例えば、ユーザが受信拒否したいデジタル放送を放送する時間帯がある場合、ユーザは、入力手段190を用いて受信拒否決定の操作を行い、受信拒否したいデジタル放送を放送する時間帯を決定する。すると、制御手段170は、入力手段190から受信拒否決定の操作に関する情報を受信し、受信拒否決定の操作によって決定された受信拒否するデジタル放送を放送する時間帯を特定する。そして、制御手段170は、当該特定した受信拒否するデジタル放送を放送する時間帯を、所定の時間帯として記憶手段180に記憶させる。
【0048】
また、例えば、ユーザが受信拒否したいデジタル放送のジャンルがある場合、ユーザは、入力手段190を用いて受信拒否決定の操作を行い、受信拒否したいデジタル放送のジャンルを決定する。すると、制御手段170は、入力手段190から受信拒否決定の操作に関する情報を受信し、受信拒否決定の操作によって決定された受信拒否するデジタル放送のジャンルを特定する。そして、制御手段170は、当該特定した受信拒否するデジタル放送のジャンルを、所定のジャンルとして記憶手段180に記憶させる。
【0049】
また、例えば、ユーザが受信拒否したいデジタル放送を放送する放送局がある場合、ユーザは、入力手段190を用いて受信拒否決定の操作を行い、受信拒否したいデジタル放送を放送する放送局を決定する。すると、制御手段170は、入力手段190から受信拒否決定の操作に関する情報を受信し、受信拒否決定の操作によって決定された受信拒否するデジタル放送を放送する放送局を特定する。そして、制御手段170は、当該特定した受信拒否するデジタル放送を放送する放送局を、所定の放送局として記憶手段180に記憶させる。
【0050】
記憶手段180は、例えば、半導体メモリ等の一般的な記憶媒体である。記憶手段180は、受信拒否情報を記憶する。記憶手段180は、例えば、ユーザより受信拒否の指定がされた所定の放送コンテンツの名称、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を記憶する。また、記憶手段180は、受信権限テーブルを記憶する。受信権限テーブルは、ユーザが受信拒否する所定の放送コンテンツの名称、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を記憶するテーブルである。例えば、ユーザが入力手段190の操作し、所定の放送コンテンツ、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否した場合、制御手段170は、入力手段190からの受信拒否決定の操作を受信する。そして、制御手段170は、受信拒否する所定の放送コンテンツの名称、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を、記憶手段180の受信権限テーブルに記憶させる。
【0051】
また、記憶手段180は、例えば、事前に記憶してある受信拒否情報を書き換え不可とする。例えば、ユーザによって受信拒否決定の操作がされ、受信権限テーブルに受信拒否する所定の放送コンテンツの名称、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局が記憶されている場合、記憶手段180は、当該受信拒否する所定の放送コンテンツの名称、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を書き換え、変更又は改ざん等ができないように保護する。
【0052】
入力手段190は、ユーザによる指示が入力される。入力手段190は、例えば、リモコンであるが、これに限定されない。例えば、入力手段190は、デジタル放送受信装置10の筐体に設けられた操作ボタン等であってもよい。入力手段190は、例えば、放送局を選択する番号ボタン、設定変更の選択するための十字ボタン、設定変更の決定するための決定ボタン等が設けられる。
【0053】
入力手段190は、例えば、ユーザによって、番号ボタン、十字ボタン又は決定ボタンが押下されると、押下されたボタンの指示を制御手段170に出力する。例えば、ユーザが視聴する放送局を変更したい場合、ユーザは、ユーザが所望する放送局が設定されている番号ボタンを押下する。つまり、ユーザが視聴する放送局を変更したい場合、入力手段190は、ユーザにより、番組ボタンの押下という、視聴する放送局を変更する指示が入力される。すると、入力手段190は、ユーザによる放送局の変更指示が入力されたとして、押下された番号ボタンの情報を、制御手段170に出力する。
【0054】
また、例えば、ユーザがデジタル放送の受信を拒否したい場合、ユーザは、入力手段190を用いて受信拒否決定の操作を行い、受信拒否したい放送コンテンツ、時間帯、ジャンル又は放送局を決定する。つまり、ユーザが所定の放送コンテンツ、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局のデジタル放送の受信を拒否したい場合、入力手段190は、ユーザにより、受信拒否決定の操作という、所定のデジタル放送の放送コンテンツ又は所定の時間帯又は所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否する指示が入力される。すると、入力手段190は、所定の放送コンテンツ、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否する指示が入力されたとして、受信拒否決定の操作に関する情報を制御手段170に出力する。
【0055】
ここで、図3を参照して、受信拒否決定の一連の操作について説明する。図3は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10のディスプレイ150aにおける受信拒否決定の操作の一例を説明する図である。ここではユーザが所定の放送局からのデジタル放送を受信拒否にしたい場合について説明する。なお、ユーザが受信拒否する項目は、放送局に限定されず、放送コンテンツ、時間帯、ジャンルの項目で受信拒否できることは言うまでもない。
【0056】
まず、受信拒否したい放送局がある場合に、ユーザは、入力手段190を操作し、受信拒否設定画面をディスプレイ150aに表示させる。この操作を「受信拒否設定画面表示操作」という。受信拒否設定画面は、例えば、図3(a)に示す通り、ディスプレイ150aの上部に「放送受信拒否をする放送局を選択」という文字、ディスプレイ150aに左側に放送局名称、ディスプレイ150aの右側に各放送局に紐づく受信又は拒否を選択する選択ボックス、ディスプレイ150aの右下に選択を決定する決定ボックスが表示される画面である。
【0057】
ディスプレイ150aに受信拒否設定画面が表示中に、ユーザは、入力手段190の十字ボタンの上ボタン又は下ボタンを押下すると、放送局を選択することができる。図3(b)では、「A放送局」の放送局名称と当該放送局に紐づく選択ボックスの背景が黄色(図中はハッチングで示す。)で表示され、「A放送局」が選択されている状態を示す。この状態で、ユーザが入力手段190の十字ボタンの右ボタン又は左ボタンを押下すると、図3(c)に示す通り、「A放送局」の選択ボックスが「受信」から「拒否」に切り替わる。なお、図3(c)では、まだ受信拒否の設定は変更されておらず、仮設定処理の状態である。また、この入力手段190の受持ボタンの右ボタン又は左ボタンを押下し、選択ボックスの表示を切り替える操作を「受信拒否設定変更操作」という。
【0058】
ユーザは、受信拒否したい放送局において、当該放送局に紐づく選択ボックスを「受信」から「拒否」に切り替えた後、図3(d)に示す通り、決定ボックスを選択し、入力手段190の決定ボタンを押下する。この受信拒否設定画面の決定ボックスを選択し、入力手段190の決定ボタンを押下する操作を「受信拒否決定操作」という。その後、図3(e)に示す通り、ディスプレイ150aの表示は、受信拒否設定画面から受信拒否決定画面に切り替わる。受信拒否決定画面は、受信拒否の設定変更の決定を再度確認する画面であり、ディスプレイ150aの中段上部に「本当に受信拒否にしますか?」という文字と、ディスプレイ150aの中段下部に「はい」と「いいえ」のボックスが表示される画面である。ディスプレイ150aに受信拒否決定画面が表示中に、ユーザは、「はい」のボックスを選択し、入力手段190の決定ボタンを押下すると、受信拒否決定の操作が完了し、図3(f)に示す通り、ディスプレイ150aに「受信拒否が完了しました。」と表示される。
【0059】
次に、図4を参照して、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10による受信拒否決定処理の処理フローについて説明する。図4は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10による受信拒否決定処理を示すフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、まず、制御手段170は、入力手段190を用いてユーザが入力した指示を受信する(S100)。そして、制御手段170は、設定画面フラグがオンであるか否かを判定する(S102)。設定画面フラグは、ディスプレイ150aに受信拒否設定画面が表示されているか否かを表すフラグである。
【0061】
その結果、設定画面フラグがオンではないと判定した場合(S102におけるNO)、制御手段170は、ユーザにより入力された指示が受信拒否設定画面表示操作であるか否かを判定する(S104)。その結果、ユーザにより入力された指示が受信拒否設定画面表示操作でないと判定した場合(S104におけるNO)、デジタル放送受信装置10は、受信拒否決定処理を終了する。また、ユーザにより入力された指示が受信拒否設定画面表示操作であると判定した場合(S104におけるYES)、制御手段170は、設定画面フラグをオフからオンに切り替える(S106)。その後、制御手段170は、映像音声復号手段140に、受信拒否設定画面をディスプレイ150aに表示させるように指示を出力する。そして、映像音声復号手段140は、受信拒否設定画面を復号し、映像表示手段150に出力する。そして、映像表示手段150は、ディスプレイ150aに受信拒否設定画面を表示する(S108)。その後、デジタル放送受信装置10は、受信拒否決定処理を終了する。
【0062】
ステップS102において、設定画面フラグがオンであると判定した場合(S102におけるYES)、制御手段170は、ユーザにより入力された指示が受信拒否設定変更操作であるか否かを判定する(S110)。その結果、ユーザにより入力された指示が受信拒否設定変更操作であると判定した場合(S110におけるYES)、制御手段170は、受信拒否仮設定処理を行う(S112)。その後、デジタル放送受信装置10は、受信拒否決定処理を終了する。
【0063】
受信拒否仮設定処理は、所定の放送コンテンツ、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否にする仮設定処理である。受信拒否仮設定処理は、例えば、図3(b)~図3(c)までに行われる処理である。受信拒否仮設定処理は、例えば、図3(b)に示すように、「A放送局」が選択された状態で、ユーザが入力手段190の十字ボタンの右ボタン又は左ボタンを押下した場合に、ディスプレイ150aの「A放送局」の選択ボックスの表示を「受信」から「拒否」に切り替える処理である。また、これと同時に、制御手段170は、「A放送局」の受信設定を「受信拒否」として、データを一時記憶する揮発性メモリ(不図示)等に記憶する。なお、揮発性メモリに記憶された記憶は、例えば、設定画面フラグがオフになった場合、消去される。
【0064】
図4に戻り、ステップS110において、ユーザにより入力された指示が受信拒否設定変更操作でないと判定した場合(S110におけるNO)、制御手段170は、ユーザにより入力された指示が受信拒否決定操作であるか否かを判定する(S114)。その結果、ユーザにより入力された指示が受信拒否決定操作でないと判定した場合(S114におけるNO)、デジタル放送受信装置10は、受信拒否決定処理を終了する。また、その結果、ユーザにより入力された指示が受信拒否決定操作であると判定した場合(S114におけるYES)、制御手段170は、受信拒否決定処理を行う(S116)。
【0065】
受信拒否決定処理は、所定の放送コンテンツ、所定の時間帯、所定のジャンル又は所定の放送局を受信拒否にする設定の処理である。受信拒否設定処理は、例えば、図3(d)~図3(f)までに行われる処理である。受信拒否決定処理は、例えば、図3(d)に示すように、ユーザが決定ボックスを選択し、入力手段190の決定ボタンを押下した場合、ディスプレイ150aの画面を受信拒否設定画面から図3(e)に示すような受信拒否決定画面に切り替える。その後、受信拒否決定画面において、ユーザが「はい」のボックスが選択すると、図3(f)のような「受信拒否が完了しました。」という画面を表示し、ユーザが「いいえ」のボックスが選択すると、受信拒否設定画面に再度切り替える。また、受信拒否決定画面において、ユーザが「はい」のボックスが選択した場合、制御手段170は、仮設定処理となっていた揮発性メモリに記憶されたデータを、記憶手段180に記憶させる。つまり、ユーザによって「受信拒否」と仮設定処理されていた放送局を、制御手段170は、記憶手段180の受信権限テーブルに記憶させる。
【0066】
その後、制御手段170は、設定画面フラグをオンからオフに切り替える(S118)。その後、デジタル放送受信装置10は、受信拒否決定処理を終了する。
【0067】
次に、図5を参照して、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10によるパケット出力判定処理の処理フローについて説明する。図5は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10によるパケット出力判定処理を示すフローチャートである。
【0068】
図5に示すように、まず、制御手段170は、多重分離手段120より、デジタル放送の番組特定情報及び番組配列情報を取得する(S200)。次に、制御手段170は、入力手段190より入力されたユーザが選局した放送局のサービスIDを特定する(S202)。その後、制御手段170は、ユーザが選局した放送局の放送コンテンツ及び当該放送コンテンツの放送コンテンツ情報を特定する(S204)。例えば、制御手段170は、ユーザが選局した放送局のサービスIDと、番組特定情報及び番組配列情報に含まれるPIDとに基づいて、ユーザが選局した放送局の放送コンテンツを特定する。そして、制御手段170は、番組特定情報及び番組配列情報に基づいて、特定した放送コンテンツの放送コンテンツ情報を特定する。
【0069】
そして、制御手段170は、ステップS204で特定した放送コンテンツが受信拒否されているかを判定する(S206)。例えば、制御手段170は、受信権限テーブルを参照し、ステップS204で特定した放送コンテンツの放送コンテンツ情報と、受信権限テーブルに記憶されている受信拒否情報とが一致するか否かを判定する。
【0070】
その結果、ステップS204で特定した放送コンテンツが受信拒否されていないと判定した場合(S206におけるNO)、デジタル放送受信装置10は、パケット出力判定処理を終了する。また、ステップS204で特定した放送コンテンツが受信拒否されていると判定した場合(S206におけるYES)、制御手段170は、デジタル放送のTSパケットを破棄する指示を、選択手段130に出力する(S208)。その後、デジタル放送受信装置10は、パケット出力判定処理を終了する。
【0071】
次に、図6を参照して、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10によるパケット選択処理の処理フローについて説明する。図6は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置10によるパケット選択処理を示すフローチャートである。
【0072】
図6に示すように、まず、選択手段130は、TSパケットを取得する(S300)。例えば、選択手段130は、多重分離手段120から、デジタルデータに変換された映像や音声、放送コンテンツに関するデータ、番組特定情報及び番組配列情報等を取得する。そして、選択手段130は、制御手段170から、ユーザが選局した放送局のサービスIDを取得する(S302)。その後、選択手段130は、受信したデジタル放送の放送コンテンツを特定する(S304)。例えば、選択手段130は、ユーザが選局した放送局のサービスIDと、TSパケットより分離された番組特定情報又は番組配列情報に基づいて、受信したデジタル放送の放送コンテンツを特定する。
【0073】
そして、選択手段130は、制御手段170からTSパケットを破棄する指示を取得しているか否かを判定する(S306)。
【0074】
その結果、選択手段130がTSパケットを破棄する指示を取得している場合(S306におけるYES)、選択手段130は、当該デジタル放送のTSパケットを破棄する(S308)。その後、デジタル放送受信装置10は、パケット選択処理を終了する。また、選択手段130がTSパケットを破棄する指示を取得していない場合(S306におけるNO)、選択手段130は、当該デジタル放送のTSパケットを映像音声復号手段140に出力する(S310)。選択手段130は、例えば、取得したTSパケットのうち、ユーザが選局する放送局のデジタル放送の放送コンテンツの映像データ、音声データ又は放送コンテンツに関するデータを、映像音声復号手段140に出力する。その後、デジタル放送受信装置10は、パケット選択処理を終了する。
【0075】
以上のように、本発明の実施形態のデジタル放送受信装置10では、ユーザが特定の放送コンテンツ、時間帯、ジャンル又は放送局を受信拒否したい場合、ユーザによって入力された指示に基づいて、受信したデジタル放送のTSパケットを破棄するか否かを決定する。これにより、ユーザが受信拒否したいデジタル放送を受信拒否にすることができる。すなわち、本発明の実施形態のデジタル放送受信装置10は、ユーザの趣向に沿った放送局のみを受信可能にし、ユーザの利便性を向上することができる。
【0076】
また、本発明の本発明の実施形態のデジタル放送受信装置10では、ユーザが受信拒否したい放送コンテンツの名称、時間帯、ジャンル又は放送局を記憶手段180の受信権限テーブルに記憶する。これにより、ユーザが受信拒否をしたいデジタル放送を事前に登録することができ、ユーザの利便性が向上する。また、受信権限テーブルに記憶することにより、より確実にデジタル放送の受信拒否を実現することができる。
【0077】
また、本発明の実施形態のデジタル放送受信装置10では、一度受信権限テーブルに記憶された情報を書き換えることができない。これにより、ユーザが特定の放送コンテンツ、時間帯、ジャンル又は放送局を受信拒否していることを、客観的に証明することができる。
【0078】
以上のとおり、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0079】
例えば、上記実施形態では、デジタル放送の送受信方法として、放送波Wを利用して、暗号化したTSパケットを送受信する例について説明したが、かかる例に限定されない。デジタル放送の送受信方法は、例えば、インターネットを利用して、暗号化したTSパケットを含むInternet Protocolパケット(以下、「IPパケット」という。)を送受信してもよい。この場合、デジタル放送受信装置10の受信手段100は、インターネットと接続して、IPパケットを受信してもよい。また、デジタル放送受信装置10は、別途、IPパケット受信手段を設け、インターネットと接続して、IPパケットを受信してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、送信局2がデジタル放送送信装置20を備えると説明したが、かかる例に限定されない。デジタル放送送信装置20は、例えば、放送局の施設に備えられてもよい。この場合、放送局は、送信局2に向けて、無線又は有線で放送波Wを送信する。
【0081】
また、上記実施形態のデジタル放送受信装置10は、建物1の中に設置されていると説明したが、かかる例に限定されない。デジタル放送受信装置10は、例えば、自動車、電車、飛行機等の移動する筐体の中に設置されてもよい。
【0082】
また、上記実施形態のデジタル放送受信装置10は、映像表示手段150と、音声出力手段160と、を備えると説明したが、かかる例に限定されない。映像表示手段150と、音声出力手段160は、デジタル放送受信装置10とは切り離して、独立した別の装置としてもよい。この場合、デジタル放送受信装置10の映像音声復号手段140は、独立した別の装置に、復号した映像信号及び音声信号を出力する。
【0083】
また、上記実施形態の記憶手段180は、事前に記憶してある受信拒否情報を書き換え不可とすると説明したが、かかる例に限定されない。記憶手段180は、事前に記憶してある受信拒否情報を書き換え可能としてもよい。また、記憶手段180は、事前に記憶してある受信拒否情報を書き換え可能とする設定と、事前に記憶してある受信拒否情報を書き換え不可とする設定の2つの設定のどちらか一方をユーザが選択し、受信拒否情報を記憶してもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 デジタル放送受信装置
12 アンテナ
20 デジタル放送送信装置
120 多重分離手段
130 選択手段
170 制御手段
180 記憶手段
190 入力手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6