(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104267
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】車両用荷台およびこれを用いた自動荷下ろしシステム
(51)【国際特許分類】
B60P 1/36 20060101AFI20240726BHJP
B60P 1/54 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B60P1/36 A
B60P1/36 E
B60P1/54 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026722
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2023007931
(32)【優先日】2023-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
(57)【要約】
【課題】車両から荷物を下ろす作業および荷物を届け先にまで配送する作業を軽減する。
【解決手段】荷台は、荷物を収容する階層化された複数の収容部と、各階層の収容部に収容された荷物を下層に搬送し、かつ下層からの荷物を上層に搬送する第1搬送路と、収容部に収容された荷物を第1搬送路に移動し、第1搬送路から所定の階層の収容部に荷物を移動する移動装置と、最下層まで搬送された荷物を所定位置に搬送し、かつ所定位置からの荷物を第1搬送路に搬送する第2搬送路と、外部からの荷物を所定位置に搬送する、所定位置に退避可能に設置される第3搬送路とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容する階層化された複数の収容部と、
各階層の前記収容部に収容された前記荷物を下層に搬送し、かつ前記下層からの前記荷物を上層に搬送する第1搬送路と、
前記収容部に収容された前記荷物を前記第1搬送路に移動し、かつ前記第1搬送路から所定の階層の前記収容部に前記荷物を移動する移動装置と、
最下層まで搬送された前記荷物を所定位置に搬送し、かつ前記所定位置からの前記荷物を前記第1搬送路に搬送する第2搬送路と、
外部からの前記荷物を前記所定位置に搬送する、前記所定位置に退避可能に設置される第3搬送路と、
前記外部からの前記荷物を前記第3搬送路により前記所定位置に搬送し、前記所定位置からの前記荷物を前記第2搬送路を経て前記第1搬送路に搬送し、前記第1搬送路から前記所定の階層の前記収容部に前記荷物を移動し、前記第3搬送路を前記所定位置から退避させた状態で、前記収容部に収容された前記荷物を前記第1搬送路に移動し、前記第1搬送路に移動された前記荷物を前記第2搬送路に搬送し、前記第2搬送路に搬送された前記荷物を前記所定位置まで搬送させるよう、前記第1搬送路、前記第2搬送路、前記第3搬送路および前記移動装置を制御する情報処理装置とを備えた、車両用荷台。
【請求項2】
前記荷物に付与された配送先情報を読み取るセンサをさらに備え、
前記情報処理装置は、前記センサにより読み取った配送先情報に基づいて、前記荷物の配送先に応じて予め定められた前記収容部に前記荷物を収容するよう、前記第1搬送路、前記第2搬送路、前記第3搬送路および前記移動装置を制御する請求項1に記載の車両用荷台。
【請求項3】
前記収容部のそれぞれは、複数の荷物を並列させて収容する複数の収容列を有し、
前記情報処理装置は、前記センサにより読み取った配送先情報に基づいて、前記荷物の配送先に応じた前記収容部の前記収容列に前記荷物を収容するよう、前記第1搬送路、前記第2搬送路、前記第3搬送路および前記移動装置を制御する請求項2に記載の車両用荷台。
【請求項4】
前記第1搬送路、前記第2搬送路および前記第3搬送路は、前記荷物を搬送する搬送装置を有する請求項1に記載の車両用荷台。
【請求項5】
前記第2搬送路は、前記第1搬送路から連続して前記所定位置まで続く請求項1に記載の車両用荷台。
【請求項6】
前記第1搬送路は、前記複数の収容部の周囲にらせん状に設けられる請求項1に記載の車両用荷台。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用荷台を備えた自動運転車両と、
前記第3搬送路を退避させた状態で前記所定位置に停留され、前記第2搬送路から受け渡された前記荷物を受け取って配送先に配送するための配送用ロボットとを有する自動荷下ろしシステム。
【請求項8】
コンピュータを請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用荷台の前記情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用荷台およびこれを用いた自動荷下ろしシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転機能を有する車両について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転機能を有する車両により荷物を配送する場合、車両から荷物を下ろす作業および荷物を届け先にまで配送する作業は人が行う必要があるため、人件費を要する。また、車両にから荷物を自動で下ろすことを考えた場合、そのような設備が必要となるが、そのような設備に荷物を積み込むことを考慮する必要がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、上記の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、車両用荷台が提供される。前記車両用荷台は、荷物を収容する階層化された複数の収容部と、
各階層の前記収容部に収容された前記荷物を下層に搬送し、かつ前記下層からの前記荷物を上層に搬送する第1搬送路と、
前記収容部に収容された前記荷物を前記第1搬送路に移動し、かつ前記第1搬送路から所定の階層の前記収容部に前記荷物を移動する移動装置と、
最下層まで搬送された前記荷物を所定位置に搬送し、かつ前記所定位置からの前記荷物を前記第1搬送路に搬送する第2搬送路と、
外部からの前記荷物を前記所定位置に搬送する、前記所定位置に退避可能に設置される第3搬送路と、
前記外部からの前記荷物を前記第3搬送路により前記所定位置に搬送し、前記所定位置からの前記荷物を前記第2搬送路を経て前記第1搬送路に搬送し、前記第1搬送路から前記所定の階層の前記収容部に前記荷物を移動し、前記第3搬送路を前記所定位置から退避させた状態で、前記収容部に収容された前記荷物を前記第1搬送路に移動し、前記第1搬送路に移動された前記荷物を前記第2搬送路に搬送し、前記第2搬送路に搬送された前記荷物を前記所定位置まで搬送させるよう、前記第1搬送路、前記第2搬送路、前記第3搬送路および前記移動装置を制御する情報処理装置とを備える。
【0007】
なお、本発明の車両用荷台においては、前記荷物に付与された配送先情報を読み取るセンサをさらに備え、
前記情報処理装置は、前記センサにより読み取った配送先情報に基づいて、前記荷物の配送先に応じて予め定められた前記収容部に前記荷物を収容するよう、前記第1搬送路、前記第2搬送路、前記第3搬送路および前記移動装置を制御するものであってもよい。
【0008】
また、本発明の車両用荷台においては、前記収容部のそれぞれは、複数の荷物を並列させて収容する複数の収容列を有し、
前記情報処理装置は、前記センサにより読み取った配送先情報に基づいて、前記荷物の配送先に応じた前記収容部の前記収容列に前記荷物を収容するよう、前記第1搬送路、前記第2搬送路、前記第3搬送路および前記移動装置を制御するものであってもよい。
【0009】
また、本発明の車両用荷台においては、前記第1搬送路、前記第2搬送路および前記第3搬送路は、前記荷物を搬送する搬送装置を有するものであってもよい。
【0010】
また、本発明の車両用荷台においては、前記第2搬送路は、前記第1搬送路から連続して前記所定位置まで続くものであってもよい。
【0011】
また、本発明の車両用荷台においては、前記第1搬送路は、前記複数の収容部の周囲にらせん状に設けられるものであってもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、自動荷下ろしシステムが提供される。前記自動荷下ろしシステムは、本発明の一実施形態による車両用荷台を備えた自動運転車両と、
前記第3搬送路を退避させた状態で前記所定位置に停留され、前記第2搬送路から受け渡された前記荷物を受け取って配送先に配送するための配送用ロボットとを有する。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、本発明の車両用荷台の前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両の一部断面側面図である。
【
図3】第1搬送路の平坦部の搬送装置および移動装置を説明するための図である。
【
図5】荷下ろし時の荷物の搬送を説明するための図である。
【
図7】本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両の外観斜視図である。
【
図8】本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両の外観斜視図である。
【
図9】荷物の積み込み時における荷台の最下層の構成を示す平面図である。
【
図10】荷物の積み込み時における自動運転車両の外観斜視図である。
【
図11】情報処理装置の機能構成の一例を概略的に示す図である。
【
図12】荷物の積み込み時の荷物の搬送を説明するための図である。
【
図13】荷下ろし時に情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。
【
図14】荷物の積み込み時に情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。
【
図15】情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両100の一部断面側面図である。
【0017】
本実施形態に係る自動荷下ろしシステムに使用される自動運転車両100は、例えばLevel6の自動運転車両である。従来の非自動運転の車両ではステアリングホイールが備え付けられているが、Level6の自動運転車両ではステアリングホイールを必要とせず、車内の空間を広く設計することが可能となる。Level6とは自動運転を表すレベルであり、完全自動運転を表すLevel5よりもさらに上のレベルに相当する。Level5は完全自動運転を表すものの、それは人が運転するのと同等のレベルであり、それでも未だ事故等が発生する確率はある。Level6とは、Level5よりも上のレベルを表すものであり、Level5よりも事故が発生する確率が低いレベルに相当する。Level6は例えばナノ秒レベルでの制御によって実現される。
【0018】
本実施形態に係る自動運転車両100は荷台1を有する。荷台1が本発明の車両用荷台の一例である。自動運転車両100は、荷台1の下方に後述する配送用ロボット15を収容するスペース2を有する。なお、本実施形態に係る自動運転車両は、例えば全長が4m、高さが1.8m、幅が1.9mであり、第2のスペース2の高さが80cmであるが、これに限定されるものではない。
【0019】
スペース2には、荷物Pを配送先に配送するための配送用ロボット15が所定位置2Aに停留されている。所定位置2Aは、後述するように荷台1から受け渡される荷物Pを受け取り可能な位置である。また、スペース2には、自動運転車両100を駆動するための駆動装置12および情報処理装置14が配置されている。駆動装置12は、バッテリ、モータおよび自動運転を制御するための制御装置等を含む。情報処理装置14については後述する。
【0020】
本実施形態において、荷台1は荷物を収容する階層化された収容部3A~3Cを有する。これにより、荷台1は上から順に3つの階層1A~1Cに分割されている。階層1A,1Bの収容部3A,3Bは、それぞれ複数の荷物を並列させて収容する5つの収容列4A~4Eを有する。最も下の階層(以下、最下層とする)1Cの収容部3Cは、後述するようにそれぞれ複数の荷物を並列させて収容する4つの収容列4A~4Dを有する。
図1には、収容部3Aにのみ収容列4A~4Eの参照符号を付与している。
【0021】
本実施形態においては、配送先に応じて予め定められた収容部3A~3C、さらには各収容部3A~3Cの収容列4A~4Eに、荷物Pが収容される。例えば、A地区に配送する荷物は収容部3Aの収容列4Aに、B地区に配送する荷物は収容部3Cの収容列4Bというように、配送先に応じて荷物Pが仕分けられて収容される。
【0022】
図2は荷台1の構成を示す5面図である。本実施形態において、5面図とは6面図のうち底面図を除いた平面図、正面図、背面図、左側面図および右側面図をいう。
図2に示すように、収容部3A~3Cの周囲には第1搬送路5が設けられている。第1搬送路5は収容部3A~3Cの周囲にらせん状に設けられ、上下に隣接する収容部3A~3Cを連結して、荷物Pを上の階層1A,1Bから最下層1Cに搬送し、かつ荷物Pを最下層1Cから階層1B、さらには階層1Aに搬送する。なお、
図2においては、平面図の収容部3Aにのみ荷物Pが収容された状態を示している。また、
図2においては、右側面図においてのみ後述する第2搬送路8を示している。
【0023】
第1搬送路5は、平坦部5A、直交部5B、スロープ5C、直交部5D、スロープ5E、直交部5F、スロープ5Gおよび直交部5Hが、階層1Aから階層1Cへ向けてこの順序で繰り返し接続されることにより構成される。平坦部5Aは収容部3A~3Cの収容列4A~4Eにおける荷物Pの出入口と接続されており、収容部3A~3Cから荷物Pを受け取ったり、荷物Pを収容部3A~3Cに移動したりする。
【0024】
平坦部5Aは、収容部3A~3Cの各収容列4A~4Eから送り出される荷物Pを搬送したり、荷物Pを収容部3A~3Cの各収容列4A~4Eに移動したりするための搬送装置7を有する。搬送装置7は、交差する2つの方向に荷物Pを搬送可能な複合ローラおよびモータ等の駆動源からなる。一方、収容列4A~4Eは、収容された荷物Pを平坦部5Aに送り出すための移動装置9を有する。移動装置9は、例えばエンドレスベルトおよびモータ等の駆動源からなる。
図3は平坦部の搬送装置および移動装置を説明するための図である。
図3に示すように、平坦部5Aは搬送装置7を備え、収容列4A~4Eはそれぞれ移動装置9A~9Eを備える。移動装置9のエンドレスベルトは、荷物Pの滑りを防止するために、ゴム等の摩擦係数が高い材料から形成されている。
【0025】
搬送装置7は、上述したように交差する搬送方向に荷物Pを搬送するための複合ローラを有する部分搬送装置が一列に接続されることにより構成される。
図4は部分搬送装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように部分搬送装置20は、矩形の枠21を有する。枠21の対向する辺21A,21Bには3つの第1搬送ローラ22A,22B,22Cが互いに間隔を空けて回転可能に取り付けられている。第1搬送ローラ22Aと第1搬送ローラ22Bとの間には、第1搬送ローラ22A,22B,22Cの回転軸に直交する回転軸を有する3つの第2搬送ローラ23A,23B,23Cが軸受24A,24Bに回転可能に取り付けられている。第1搬送ローラ22Bと第1搬送ローラ22Cとの間には、第1搬送ローラ22A,22B,22Cの回転軸に直交する回転軸を有する3つの第2搬送ローラ25A,25B,25Cが軸受26A,26Bに回転可能に取り付けられている。第1搬送ローラおよび第2搬送ローラは、いずれも不図示のモータ等の駆動源により、回転軸の周囲に両方向に回転される。本実施形態においては、このように回転軸が直交する搬送ローラが組み合わさったローラを複合ローラと称している。搬送装置7は、このような複合ローラを有する部分搬送装置20が一列に並べられて構成される。
【0026】
なお、以降の説明においては、第1搬送ローラの参照符号として22のみを使用し、第2搬送ローラの参照符号として23,25のみを使用するものとする。
【0027】
また、第1搬送路5の平坦部5Aおよび収容部3A~3Cの各収容列4A~4Eには、複数のセンサ18が設置されている。
図2においてはセンサ18の一部のみを示す。例えば、最も上の階層1Aのためのセンサ18は荷台1の天井または壁に設置される。階層1Bおよび最下層1Cのためのセンサ18は、第1搬送路5および収容部3A~3Cの上方、すなわち上側に位置する第1搬送路5および収容部3A~3Cの下面または荷台1の壁に設置される。センサ18については後述する。
【0028】
図3に示すように、移動装置9A~9Eはその駆動によりエンドレスベルトが矢印A1方向に移動すると、収容列4A~4Eに収容された荷物Pを平坦部5Aに向けて移動する。一方、エンドレスベルトが矢印A2方向に移動すると、平坦部5Aから移動された荷物Pを収容列4A~4Eの出入口とは反対方向に移動する。
【0029】
平坦部5Aは、搬送装置7の部分搬送装置20における第1搬送ローラ22のみが回転されると、第1搬送路5に沿って荷物Pを搬送する。また、平坦部5Aは、搬送装置7の部分搬送装置20における第2搬送ローラ23,25のみが回転されると、平坦部5Aにある荷物Pを収容部3A~3Cの収容列4A~4Eに移動する。したがって、所望とする収容列4A~4Eの出入口付近に搬送された荷物Pは、移動装置9A~9Eのエンドレスベルトを矢印A2方向に移動しつつ、搬送方向を収容列4A~4Eの方向に変更することにより、所望とする収容列4A~4Eに収容される。逆に、移動装置9A~9Eのエンドレスベルトを矢印A1方向に移動しつつ、第2搬送ローラ23,25の回転方向を荷物Pの収容時とは反対に変更することにより、収容列4A~4Eに収容されている荷物Pは第1搬送路5に移動される。
【0030】
なお、移動装置9としては、エンドレスベルトに限定されるものではなく、例えばクレーンのように荷物Pを吊り下げて搬送するものであってもよい。また、移動装置9は、複数の搬送ローラを並列に配置したものであってもよい。
【0031】
スロープ5C,5E,5Gは、上の階層から下の階層へ向けて傾斜するように設置されている。スロープ5C,5E,5Gは、荷物Pを搬送するための搬送装置10(不図示)を有する。搬送装置10は、例えばエンドレスベルトおよびモータ等の駆動源からなる。これにより、荷物Pはスロープ5C,5E,5Gにより荷台1の下層から上層へ向けて、および上層から下層へ向けて搬送される。
【0032】
なお、図示はしていないが、スロープ5C,5E,5Gの内側には柵が設けられている。第1搬送路5の外側は自動運転車両100の荷台1の壁が存在する。荷台1の壁と柵とにより、搬送される荷物Pは第1搬送路5からの落下が防止される。そして、スロープ5C,5E,5G上の荷物Pは、搬送装置10による搬送方向を変更することにより、上の階層および下の階層の双方に搬送される。
【0033】
なお、搬送装置10としては、エンドレスベルトに限定されるものではなく、例えばクレーンのように荷物Pを吊り下げて搬送するものであってもよい。また、搬送装置10は、複数の搬送ローラを並列に配置したものであってもよい
【0034】
第1搬送路5の直交部5B,5D,5F,5Hは、上述した複合ローラからなる部分搬送装置20を有する。このため、直交部5B,5D,5F,5Hに搬送された荷物Pは、第1搬送ローラ22および第2搬送ローラ23,25の駆動を切り替えることにより、搬送方向が90度変更されて、平坦部5Aからスロープ5Cへ、あるいはスロープ5Cから次のスロープ5Eへというように荷物Pを搬送することができる。
【0035】
図5は第1搬送路による荷物の搬送を説明するための図である。なお、
図5は最も上の階層1Aの平面図において見える第1搬送路5を示しているが、次の階層1Bにおいても同様に第1搬送路5により荷物Pが搬送される。まず、荷台1からの荷下ろしのために荷物Pを最も上の階層1Aから最下層1Cへ搬送する場合について説明する。
図5に示すように、最も上の階層1Aの収容部3Aのいずれかの収容列(ここでは4Aとする)の移動装置9Aを駆動して、荷物Pを収容列4Aから平坦部5Aに移動する。
【0036】
平坦部5Aに移動された荷物Pは、平坦部5Aの搬送装置7により平坦部5Aの長手方向に沿って搬送され、最初の直交部5Bにより搬送方向が90度変更され、スロープ5Cにより搬送される。そして、荷物Pは次の直交部5Dにより搬送方向が90度変更され、次のスロープ5Eにより搬送される。さらに、荷物Pは次の直交部5Fにより搬送方向が90度変更され、次のスロープ5Gにより搬送され、次の直交部5Hにより搬送方向が90度変更される。そして、荷物Pは、次の階層1Bの収容部3Bの周囲にある第1搬送路5により、階層1Aの第1搬送路5と同様に荷台1の最下層1Cに搬送される。
図5においては荷物Pの搬送経路を矢印Bで示している。
【0037】
図6は荷台の最下層の構成を示す平面図である。
図6に示すように、荷台1の最下層1Cの収容部4Cは、収容部3A,3Bよりも1つ少ない4つの収容列4A~4Dを有する。また、最下層1Cには、最下層1Cの第1搬送路5の平坦部5Aに連続して第2搬送路8が設けられている。第2搬送路8は、直交部8A、スロープ8B、直交部8C、直交部8Dおよびスロープ8Eが接続されることにより構成される。なお、スロープ8Eの所定位置2A付近にはセンサ18が設置される。センサ18はスロープ8Eの天井または荷台1の壁に設置される。なお、所定位置2Aには、後述する第3搬送路(
図6においては不図示)が所定位置2Aに退避可能に設置されるようになっている。
【0038】
スロープ8B,8Eは、平坦部5Aの出口から所定位置2Aへ向けて傾斜するように設置されている。スロープ8B,8Eは、荷物Pを搬送するための搬送装置19(不図示)を有する。搬送装置19は、例えばエンドレスベルトおよびモータ等の駆動源からなる。
【0039】
直交部8A,8C,8Dは、第1搬送路5の直交部5B,5D,5F,5Hと同様に、上述した複合ローラからなる部分搬送装置20を有する。このため、直交部8A,8C,8Dに搬送された荷物Pは、第1搬送ローラ22および第2搬送ローラ23,25の駆動を切り替えることにより、搬送方向が90度変更されて、平坦部5Aからスロープ8Bへ、スロープ8Bからスループ8Eへというように搬送される。
【0040】
図6に示すように、荷台1の第1搬送路5の平坦部5Aに搬送された荷物Pあるいは収容部3Cの所望とされる収容列から平坦部5Aに移動された荷物Pは、平坦部5Aの長手方向に沿って搬送され、第2搬送路8の最初の直交部8Aにより搬送方向が90度変更され、スロープ8Bにより搬送される。そして、荷物Pは、次の直交部8C,8Dにより搬送方向が180度変更され、次のスロープ8Dにより所定位置2Aに搬送される。そしてこれにより、所定位置2Aに停留された配送用ロボット15に荷物Pが受け渡される。
図6においては荷物Pの搬送経路を矢印Cで示している。
【0041】
なお、搬送装置19としては、エンドレスベルトに限定されるものではなく、例えばクレーンのように荷物Pを吊り下げて搬送するものであってもよい。また、搬送装置19は、複数の搬送ローラを並列に配置したものであってもよい。
【0042】
荷台1への荷物Pの積み込みおよび最下層1Cから上の階層への荷物Pの搬送については後述する。
【0043】
図7および
図8は自動運転車両の外観斜視図である。
図7に示すように、自動運転車両100の一側面にある出入口17には、スペース2を外部に解放するための扉13が、その下端部が回動可能に取り付けられている。なお、扉13は配送用ロボット15が停留されている所定位置2Aに取り付けられている。そして、
図8に示すように扉13が開くと、扉13の上端部が地面に接触し、これにより扉13は配送用ロボット15が自動運転車両100に出入りするためのスロープとして機能する。
【0044】
配送用ロボット15は、例えば四足歩行または四輪走行するロボットであり、背面に荷物Pを載置するためのバスケット16を有する。配送用ロボット15は荷物Pを受け取ると、受け取った荷物Pの配送先に荷物Pを配送し、その後自動で自動運転車両100まで戻り、扉13によるスロープを上って所定位置2Aに停留する。
【0045】
なお、本実施形態においては、予め自動運転車両100の配送ルートに合わせた順序で収容部3A~3Cに荷物を収容しておき、配送地点に到着する毎に、配送ルートに合わせた荷物Pを収容部3A~3Cの収容列4A~4Eから順次所定位置2Aに搬送して、配送用ロボット15に受け渡して目的とする配送先に配送するようにすればよい。
【0046】
以下、荷物Pの荷台1への積み込みについて説明する。
図9は荷台1へ荷物Pを積み込む際の最下層を示す図である。本実施形態において、荷台1へ荷物Pを積み込む際には、荷台1には第3搬送路11が設置される。第3搬送路11は、荷台1のスペース2の所定位置2Aにおいて、第2搬送路8のスロープ8Eと連続するように設置される。第3搬送路11は、例えばエンドレスベルトおよびモータ等の駆動源からなる搬送装置31(不図示)を有する。なお、第3搬送路11を設置する際には、配送用ロボット15は、所定位置2Aから退避させておく。また、自動運転車両100の扉13は開かれる。
【0047】
なお、第3搬送路11は、スロープ8Eの下側に折り畳まれて収容され、使用時に所定位置2Aに引き出されて設置されるものであってもよく、荷台1のスペース2に収容されており、使用時にスロープ8Eの出入口に取り付けることにより所定位置2Aに設置されるものであってもよい。
【0048】
第3搬送路11を所定位置2Aに設置すると、
図10に示すように、第3搬送路11の一部が自動運転車両100の出入口17から外部に突出する。この状態において、荷物Pが第3搬送路11から荷台1に向けて積み込まれる。
【0049】
なお、搬送装置31としては、エンドレスベルトに限定されるものではなく、例えばクレーンのように荷物Pを吊り下げて搬送するものであってもよい。また、搬送装置31は、複数の搬送ローラを並列に配置したものであってもよい。
【0050】
本実施形態に係る自動荷下ろしシステムは、スペース2に配置された情報処理装置14によりその駆動が制御される。
【0051】
図11は、本実施形態に係る情報処理装置の一例の概略図である。情報処理装置14は、上述したセンサ18と接続されている。
【0052】
センサ18は、自動運転車両100の荷台1に収容された荷物Pの位置を表す位置情報、およびスペース2にある扉13の開閉状態を表す情報等を取得する。センサ18としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、センサ18としては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0053】
また、センサ18は、積み込まれる荷物Pに付与された配送先情報を読み取る。配送先情報は例えば荷物Pの配送先の住所を表す2次元バーコードであり、センサ18は2次元バーコードとしての配送先情報を読み取る。なお、荷物Pに付与される配送先情報は2次元バーコードに限定されるものではない。配送先情報は郵便番号または住所そのもののテキスト情報であってもよい。
【0054】
情報処理装置14は、情報取得部140、制御部142および情報蓄積部144を備える。情報取得部140は、センサ18によって荷物Pから読み取られた配送先情報を含む各種情報を取得する。情報蓄積部144には、配送ルートおよび積み込まれる荷物の配送先情報等が保存される。なお、配送先情報は、配送ルートと対応付けられて情報蓄積部144に保存される。
【0055】
制御部142は、情報取得部140が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、第1搬送路5、第2搬送路8、第3搬送路11が有する搬送装置および部分搬送装置(以下、搬送装置等とする)、並びに移動装置9の動作等を制御する。
【0056】
まず、荷物Pの荷下ろしを行う際には、制御部142は、以下の各処理を実行する。
(1)収容部3A~3Cの収容列4A~4Eに収容された荷物Pを第1搬送路5に移動させるように移動装置9A~9Eを駆動する。
(2)第1搬送路5の平坦部5Aに移動された荷物Pを最下層1Cに向けて搬送させるように、第1搬送路5が有する搬送装置を駆動する。
(3)最下層1Cには搬送された荷物Pを所定位置2Aに搬送するように第2搬送路8が有する搬送装置を駆動する。これにより、荷物Pは配送用ロボット15に受け渡される。
(4)配送用ロボット15が荷物Pを受け取ったことを検知して扉13を開く。
(5)配送用ロボット15が戻ったことを検知して扉13を閉じる。
【0057】
また、荷物Pの積み込みを行う際は、制御部142は、以下の各処理を実行する。
(1)第3搬送路11から積み込まれた荷物Pの2次元バーコードをセンサ18により読み取り、荷物Pの配送先情報を情報取得部140に取得させる。
(2)情報蓄積部144に保存された配送ルートおよび配送先情報に基づいて、いずれの収容部3A~3Cのいずれの収容列4A~4Eに荷物Pを収容するかを決定する。
(3)決定した収容列に向けて荷物Pを搬送し、かつ搬送した荷物Pを決定した収容列に収容するように、第2搬送路8および第1搬送路5の搬送装置等、並びに移動装置を駆動する。
【0058】
以下、荷物Pの積み込みについて説明する。
図9に示すように、第3搬送路11に積み込まれた荷物Pは、第3搬送路11から第2搬送路8のスロープ8Eに搬送される。スロープ8Eの所定位置2A付近にはセンサ18が設置されており、このセンサ18により荷物Pに付与された配送先情報が読み取られる。
【0059】
スロープ8Eを搬送された荷物Pは、直交部8D,8Cにより搬送方向が180度変更され、次のスロープ8Bにより直交部8Aに搬送される。直交部8Aに搬送された荷物Pは、搬送方向が90度変更されて、最下層1Cにおける第1搬送路5の平坦部5Aに搬送される。荷物Pは平坦部5Aの長手方向に沿って搬送され、直交部5Hにより搬送方向が90度変更され、スロープ5Gにより上の階層へ搬送される。なお、
図9においては荷物Pの搬送経路を矢印Dで示す。
【0060】
ここで、積み込まれた荷物Pを収容する収容列が階層1Bの収容部3Bの収容列4Bであるものとする。
図12に示すようにスロープ5Gにより搬送された荷物Pは、直交部5Fにより搬送方向が90度変更され、次のスロープ5Eにより搬送される。そして荷物Pは、次の直交部5Dにより搬送方向が90度変更され、次のスロープ5Cにより搬送される。さらに次の直交部5Bにより搬送方向が90度変更され、引き続き平坦部5Aの長手方向に沿って搬送される。
【0061】
収容部3Bの収容列4Bの出入口まで搬送された荷物Pは、その位置にある部分搬送装置20による搬送方向が収容列4Bに向くように90度変更される。また、収容列4Bの移動装置9Bは
図3の矢印A2方向に移動される。これにより、積み込まれた荷物Pは所望とされる収容部3Bの収容列4Bに収容される。なお、
図12においては荷物Pの搬送経路を矢印Eで示す。
【0062】
図13は、荷下ろし時に情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。情報処理装置14は、収容部3A~3Cに収容された荷物Pを荷台1から降ろして所定位置2Aまで搬送する場合、
図13に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0063】
ステップS100において、情報取得部140は、センサ18によって検知された、配送すべき荷物Pの位置情報を取得する。
【0064】
ステップS102において、制御部142は、ステップS100で取得された荷物Pの位置情報とAIとを用いて、移動装置9A~9Eを駆動することにより荷物Pを第1搬送路5の平坦部5Aに移動させる。
【0065】
ステップS104において、制御部142は、第1搬送路5および第2搬送路8の搬送装置等を駆動することにより荷物Pを所定位置2Aに搬送して、配送用ロボット15に荷物Pを受け渡す。
【0066】
配送用ロボット15は、落下された荷物Pが載置されると、扉13が解放されることにより設置されるスロープを降りて荷物Pを配送先に届け、その後自動運転車両100に戻ってくる。
【0067】
図14は、荷物の積み込み時に情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。情報処理装置14は、荷物Pを積み込んで収容部3A~3Cに収容する場合、
図14に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0068】
ステップS110において、第3搬送路11の搬送装置31を駆動して、積み込まれた荷物Pを第2搬送路8へ搬送させる。
【0069】
ステップS112において、情報取得部140は、センサ18により読み取られた荷物Pに付与された配送先情報を取得する。
【0070】
ステップS114において、制御部142は、配送先情報に基づいて荷物Pを収容する収容列を決定する。
【0071】
ステップS116において、制御部142は、第1搬送路5および第2搬送路8の搬送装置等を駆動することにより、荷物Pを収容すべき収容列の出入口まで搬送する。
【0072】
ステップS118において、制御部142は、荷物Pを収容すべき収容列の出入口にある平坦部5Aの部分搬送装置20を、収容列に向けて荷物Pを移動するように駆動して、収容列に荷物Pを収容する。
【0073】
本実施形態によれば、収容部3A~3Cに収容された荷物Pは、第1搬送路5により荷台1の最下層1Cに搬送され、さらに第2搬送路8により所定位置2Aまで搬送されて配送用ロボット15に受け渡される。配送用ロボット15は荷物Pを配送先に届け、その後、自動運転車両100に戻ってくる。このため、荷物Pの車両からの荷下ろしを自動で行うことができ、かつ荷物Pの配送を自動で行うことができる。したがって、荷下ろし作業のための人件費を節約できる。
【0074】
また、荷物Pを荷台1に積み込む際には、第3搬送路11、第2搬送路8および第1搬送路5により、荷物Pを所望とされる収容列まで搬送することができる。このため、荷物Pの車両への積み込みを自動で行うことができ、これにより、荷物の積み込み作業のための人件費も節約できる。
【0075】
とくに、荷物Pの配送先情報を読み取り、読み取った配送先情報に基づいて荷物Pを収容する収容部3A~3Cの収容列4A~4Eを決定し、決定した収容列に荷物Pを搬送して収容するようにした。これにより、収容部の収容列には配送先に応じて荷物Pが仕分けられて収容される。したがって、荷下ろしをする際には、荷下ろしする荷物Pが収容された収容部の収容列の移動装置のみを駆動すればよいこととなる。したがって、例えば移動装置を駆動するためのバッテリの容量の低減を防止できる。
【0076】
また、スペース2に扉13を設け、扉13を配送用ロボット15が自動運転車両100に出入りするためのスロープとして機能させるようにした。このため、自動運転車両100の防犯対策に加えて、配送用ロボット15の出入りを容易に行うことができる。
【0077】
なお、荷物Pを荷台1に積み込む際に、荷物Pの配送先に応じた収容列が一杯となっているために、配送先に応じた収容列に荷物Pを収容できない場合がある。このような場合は、積み込む荷物Pの配送先に近い配送先の荷物Pが収容された収容列に、その荷物Pを積み込むようにすればよい。あるいは、積み込む荷物Pの配送先に応じた収容列の近くにある収容列に荷物Pを積み込むようにすればよい。また、いずれの収容列も荷物Pが一杯である場合には、まだ荷物Pを収容可能な収容列に積み込む荷物Pを収容するようにすればよい。
【0078】
図15は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0079】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0080】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0081】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0082】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0083】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0084】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0085】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0086】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本発明の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0087】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0088】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0089】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0090】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0091】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0093】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
1 荷台、2 スペース、3A~3C 収容部、4A~4E 収容列、5 第1搬送路、7 搬送装置、8 第2搬送路、9A~9E 移動装置、11 第3搬送路、12 駆動装置、13 扉、14 情報処理装置、15 配送用ロボット、18 センサ、20 部分搬送装置、100 自動運転車両、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ