(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104272
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 29/00 20060101AFI20240726BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20240726BHJP
F25D 21/04 20060101ALI20240726BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
F25D29/00 A
F25D23/00 305B
F25D23/00 301H
F25D23/00 301P
F25D23/00 303
F25D21/04 E
F25D23/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023148223
(22)【出願日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2023007767
(32)【優先日】2023-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】都築 優奈
(72)【発明者】
【氏名】平木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博則
(72)【発明者】
【氏名】景山 奨太
(72)【発明者】
【氏名】芝田 悠月
(72)【発明者】
【氏名】山崎 拓也
【テーマコード(参考)】
3L045
3L102
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045PA04
3L102JA01
3L102KA06
3L345AA02
3L345AA26
3L345HH12
3L345HH22
3L345HH33
3L345HH38
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】物品と検出部との接触を避けることができる冷却貯蔵庫を提供する。
【解決手段】物品を内部に貯蔵可能な箱体10を備え、箱体10は、箱体内外側を隔てる複数の壁部12,13,14,15を備え、箱体内外方向に開口して物品を出し入れ可能な構成とされ、箱体10の開口16を橋掛ける橋掛部30を備え、複数の壁部12,13,14,15のうち、側壁部12,13は、箱体内外方向に貫通した孔部25,26であって、温度を検出する貯蔵室側検出部69を挿入可能な孔部25,26を備え、孔部25,26は、橋掛部30の奥側に配されている、冷却貯蔵庫100。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を内部に貯蔵可能な箱体を備え、
前記箱体は、箱体内外側を隔てる複数の壁部を備え、箱体内外方向に開口して前記物品を出し入れ可能な構成とされ、
前記箱体の開口を橋掛ける橋掛部を備え、
前記複数の壁部のうち少なくとも1つは、箱体内外方向に貫通した孔部であって、温度を検出する検出部を挿入可能な孔部を備え、
前記孔部は、前記橋掛部の奥側に配されている、冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記箱体は、前記複数の壁部のうち、側方の両側に配された2つの側壁部を備え、
前記橋掛部は、前記2つの側壁部の正面側において、前記箱体の開口を橋掛ける形とされ、
前記孔部は、前記2つの側壁部のうち少なくとも一つに配された側壁孔部とされる、請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記箱体は、
前記複数の壁部のうち、上側に配された上壁部と、
前記上壁部に設けられた冷却器室と、を備え、
前記冷却器室は、
箱体内の気体を吸引する吸引部と、
前記吸引部から吸引した気体を冷却する冷却器と、を備え、
前記上壁部は、箱体内外方向に貫通し、前記検出部を挿入可能な上壁孔部を備え、
前記上壁孔部は、前記冷却器室の室外側であって前記吸引部の正面側に配されている、請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
前記冷却器室は、前記冷却器室の室内側であって前記吸引部の上方に配され、温度を検出可能な冷却器室側検出部を備える、請求項3に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記孔部を塞ぐ形で取り付けられた弾性体を備える、請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項6】
前記箱体は、前記複数の壁部のうち、上側に配された上壁部を備え、
前記上壁部は、
箱体内外方向に貫通し、前記検出部を挿入可能な上壁孔部と、
前記上壁孔部の正面側に配され、作業者に視認可能な第1目印部と、を備える、請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項7】
前記上壁孔部の箱体外側の端部よりも下方に配された前記第1目印部と、
前記上壁孔部の箱体外側の前記端部よりも上方であって背面側に配され、作業者に視認可能な第2目印部と、を備える、請求項6に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項8】
前記複数の壁部のうち、下側に配された底壁部の箱体外側に配され、床面に対し前記箱体を移動可能にするキャスタと、
前記底壁部の箱体外側に配され、前記キャスタの下端部以上に下方に突出可能なアジャスタと、を備える、請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項9】
スピーカーと、
制御部と、
当該冷却貯蔵庫の外部からの電力の供給が停止したときに、前記制御部へ電力を供給するバッテリーと、を備え、
前記制御部は、前記バッテリーから当該制御部への電力の供給があった場合に、前記スピーカーから音を発する、請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項10】
前記箱体の開口を開閉可能な扉と、
前記扉の開閉を検出可能な扉検出部と、を備え、
前記制御部は、前記扉が開いた開扉状態が前記扉検出部により検出され、前記開扉状態が一定時間以上となった場合に、前記スピーカーから音を発する、請求項9に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項11】
前記箱体は、
前記複数の壁部のうち、上側に配された上壁部と、
前記上壁部に設けられた冷却器室と、を備え、
前記冷却器室は、
箱体内の気体を吸引する吸引部と、
前記吸引部から吸引した気体を冷却する冷却器と、を備え、
前記制御部は、前記吸引部による気体の吸引を行う吸引運転と、前記吸引部による気体の吸引を停止する停止運転と、を繰り返す、請求項9に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項12】
前記孔部が設けられた前記壁部は、
外壁部と、
外壁部の箱体内側に配された内壁部と、を備え、
前記外壁部は、前記孔部の箱体外側の開口を構成する外側開口部を備え、
前記内壁部は、前記孔部の箱体内側の開口を構成する内側開口部を備え、
前記外側開口部の箱体内側、及び前記内側開口部の箱体外側のうち、少なくとも一方には、前記外側開口部の開口径及び前記内側開口部の開口径よりも小さい孔であって、前記孔部に連なる孔が配された板状部が取り付けられている、請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項13】
前記孔部が設けられた前記壁部は、
外壁部と、
外壁部の箱体内側に配された内壁部と、
前記外壁部と前記内壁部との間に配された中間部と、を備え、
前記外壁部は、前記孔部の箱体外側の開口を構成する外側開口部を備え、
前記内壁部は、前記孔部の箱体内側の開口を構成する内側開口部を備え、
前記中間部は、前記外側開口部と前記内側開口部とに連なる孔を備える、請求項1または請求項12に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項14】
前記孔部が設けられた前記壁部は、前記外壁部と前記内壁部との間に配された中間部を備え、
前記中間部は、前記板状部の孔と前記外側開口部と前記内側開口部とに連なる孔を備え、
前記板状部の一方の面は、前記中間部に対し第1接着部を介して接着され、
前記板状部の他方の面は、前記外側開口部及び前記内側開口部のうち少なくとも一方に対し第2接着部を介して接着されている、請求項12に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項15】
前記第1接着部及び前記第2接着部は、防水性を有する、請求項14に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項16】
前記孔部が設けられた壁部は、前記中間部における箱体外側の端部及び箱体内側の端部のうち少なくとも一方の周囲を囲む形で取り付けられた囲み部を備える、請求項13に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項17】
前記中間部は、
箱体内外方向に延びる筒状部と、
前記筒状部の箱体内側の端部において前記筒状部の径方向に延びたフランジ部と、を備え、
前記フランジ部は、前記内壁部に取り付けられ、
前記囲み部は、前記フランジ部の周囲を囲む形で取り付けられている、請求項16に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項18】
前記孔部が設けられた前記壁部は、
外壁部と、
外壁部の箱体内側に配された内壁部と、を備え、
前記外壁部は、前記孔部の箱体外側の開口を構成する外側開口部を備え、
前記外側開口部の箱体内側には、前記外側開口部を加熱するヒータが取り付けられている、請求項1または請求項12に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項19】
前記外側開口部及び前記内側開口部のそれぞれに取り付けられた2つの環状部を備え、
前記中間部は、前記2つの環状部に挟まれており、
前記環状部の内周部分には、弾性体が取り付けられている、請求項13に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項20】
前記孔部が設けられた前記壁部は、外壁部と内壁部との間に配された断熱材を備え、
前記断熱材は、前記外側開口部と前記内側開口部とに貫通した貫通部を備え、
前記貫通部に、前記中間部と前記2つの環状部が取り付けられている、請求項19に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項21】
前記環状部は、
前記壁部の表面に当接する当接部と、
前記当接部から前記壁部の内部側に窪み、前記内周部分を構成する窪み部と、を備え、
前記弾性体は、前記窪み部に取り付けられている、請求項19に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項22】
前記孔部が設けられた壁部は、
壁本体部と、
前記孔部の周囲部分であって前記壁本体部よりも箱体内外方向における内側に窪んだ周囲部分と、を備え、
前記当接部は、前記周囲部分に当接している、請求項21に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫として、特許文献1に記載のものが知られている。具体的に、特許文献1に記載の冷却貯蔵庫(冷凍装置)は、内部に貯蔵室が形成され、上面に開口する断熱箱体と、当該断熱箱体の側方に位置した機械室とにより本体が構成されている。この機械室の断熱箱体側の側面には、貯蔵室と連通するように、断熱箱体を貫通して形成された測定孔が設けられている。この測定孔には、外部から貯蔵室内に検出部(温度センサ)を挿入することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、貯蔵室に物品が貯蔵されているときに、測定孔から検出部を挿入した場合、物品と検出部とが接触する虞がある。特に、物品が薬品や化学品等、デリケートなものである場合、物品と検出部との接触を一層避けることが望ましい。一方、貯蔵室の温度を頻回に検出して温度管理を行う場合、その作業を効率的に行うことが望ましい。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、物品と検出部との接触を避けることができる冷却貯蔵庫を提供することを目的の一つする。また、温度管理を効率的に行うことができる冷却貯蔵庫を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、物品を内部に貯蔵可能な箱体を備え、前記箱体は、箱体内外側を隔てる複数の壁部を備え、箱体内外方向に開口して前記物品を出し入れ可能な構成とされ、前記箱体の開口を橋掛ける橋掛部を備え、前記複数の壁部のうち少なくとも1つは、箱体内外方向に貫通した孔部であって、温度を検出する検出部を挿入可能な孔部を備え、前記孔部は、前記橋掛部の奥側に配されている、冷却貯蔵庫である。
【0007】
上記構成のように、冷却貯蔵庫において、例えば開口や箱体を補強するために、開口を橋掛ける橋掛部が配されることがある。この場合、この橋掛部の奥側は、開口からの物品の出し入れが難しく、貯蔵される物品が存在しない部分となり易い。上記のような冷却貯蔵庫によると、この橋掛部の奥側に、温度を検出する検出部を挿入可能な孔部が配されているため、孔部から検出部を挿入した場合に、箱体内に貯蔵された物品と検出部とが接触する事態が生じ難くなる。
【0008】
上記構成において、前記箱体は、前記複数の壁部のうち、側方の両側に配された2つの側壁部を備え、前記橋掛部は、前記2つの側壁部の正面側において、前記箱体の開口を橋掛ける形とされ、前記孔部は、前記2つの側壁部のうち少なくとも一つに配された側壁孔部とされていてもよい。
【0009】
このような冷却貯蔵庫によると、側壁部に配された側壁孔部を通して、検出部を箱体内に挿入し、箱体内の温度を検出することができる。側壁部は、箱体の側方の壁部を構成しているため、作業者が例えば起立状態で検出部を側壁孔部に挿入することができ、スムーズな温度管理を実現することが可能となる。
【0010】
上記構成において、前記箱体は、前記複数の壁部のうち、上側に配された上壁部と、前記上壁部に設けられた冷却器室と、を備え、前記冷却器室は、箱体内の気体を吸引する吸引部と、前記吸引部から吸引した気体を冷却する冷却器と、を備え、前記上壁部は、箱体内外方向に貫通し、前記検出部を挿入可能な上壁孔部を備え、前記上壁孔部は、前記冷却器室の室外側であって前記吸引部の正面側に配されていてもよい。
【0011】
このような冷却貯蔵庫によると、上壁部において、上壁孔部を通して箱体内の温度を測定することが可能となる。また、冷却器室の室外側であって吸引部の正面側の部分は、箱体内において比較的温度が高い部分であるところ、上記のような構成によると、上壁孔部を通してこの比較的温度が高い部分に検出部を配することが可能となる。
【0012】
上記構成において、前記冷却器室は、前記冷却器室の室内側であって前記吸引部の上方に配され、温度を検出可能な冷却器室側検出部を備えていてもよい。
【0013】
このような冷却貯蔵庫によると、側壁孔部から挿入される検出部(以下、貯蔵室側検出部と呼ぶことがある)によって検出された温度と、冷却器室側検出部によって検出された温度と、を比較することが可能となる。例えば、箱体内に貯蔵される物品が、薬品等の場合、箱体内の温度管理を精密に行う必要があるところ、貯蔵室側検出部によって検出された温度と冷却器室側検出部によって検出された温度とを比較し、その温度差を確認することで、冷却貯蔵庫における冷却機能の維持を図り箱体内の温度管理を精密に行うことが可能となる。
【0014】
上記構成において、冷却貯蔵庫は、前記孔部を塞ぐ形で取り付けられた弾性体を備えていてもよい。
【0015】
このような冷却貯蔵庫によると、弾性体に例えば切込みを入れて、この切込みを通じて検出部を箱体内に挿入することができる。弾性体は、孔部に密着するとともに、切込みと検出部との間も密着することができるので、孔部を通じて気体が箱体内に往来することを抑制することができる。これにより、孔部に検出部を挿入したままにすることができるので、箱体内の温度を常時測定することが可能となる。孔部に検出部を頻回に出し入れする必要が無いので、温度管理の作業の効率化を図ることができる。
【0016】
上記構成において、前記箱体は、前記複数の壁部のうち、上側に配された上壁部を備え、前記上壁部は、箱体内外方向に貫通し、前記検出部を挿入可能な上壁孔部と、前記上壁孔部の正面側に配され、作業者に視認可能な第1目印部と、を備えていてもよい。
【0017】
このような冷却貯蔵庫によると、比較的高い位置に上壁孔部が配されていたとしても、作業者が、第1目印部を視認することで、この第1目印部を目印としてその背面側に配される上壁孔部に向けて検出部をスムーズに挿入することが可能となる。
【0018】
上記構成において、冷却貯蔵庫は、前記上壁孔部の箱体外側の端部よりも下方に配された前記第1目印部と、前記上壁孔部の箱体外側の前記端部よりも上方であって背面側に配され、作業者に視認可能な第2目印部と、を備えていてもよい。
【0019】
このような冷却貯蔵庫によると、比較的高い位置に上壁孔部が配されていたとしても、作業者が、第1目印部と第2目印部を視認することで、この第1目印部と第2目印部を目印としてこれらの間に配される上壁孔部に向けて検出部を一層スムーズに挿入することが可能となる。
【0020】
上記構成において、冷却貯蔵庫は、前記複数の壁部のうち、下側に配された底壁部の箱体外側に配され、床面に対し前記箱体を移動可能にするキャスタと、前記底壁部の箱体外側に配され、前記キャスタの下端部以上に下方に突出可能なアジャスタと、を備えていてもよい。
【0021】
箱体を移動可能にするキャスタのみでは箱体の傾きの調整が困難であるところ、上記のような構成によると、アジャスタをキャスタの下端部以上に下方に突出させ、床面に当接させることで、箱体の傾きを調整し(例えば水平をとることができ)、冷却貯蔵庫を安定して床面に設置することが可能となる。
【0022】
上記構成において、冷却貯蔵庫は、スピーカーと、制御部と、当該冷却貯蔵庫の外部からの電力の供給が停止したときに、前記制御部へ電力を供給するバッテリーと、を備え、前記制御部は、前記バッテリーから当該制御部への電力の供給があった場合に、前記スピーカーから音を発することとしてもよい。
【0023】
このような冷却貯蔵庫によると、例えば停電時等、冷却貯蔵庫の外部からの電力の供給が停止したときに、予備電源としてのバッテリーから制御部へ電力を供給し、スピーカーから音を発することができる。これにより、冷却貯蔵庫が非常時に置かれていることを作業者が認知できる。
【0024】
上記構成において、冷却貯蔵庫は、前記箱体の開口を開閉可能な扉と、前記扉の開閉を検出可能な扉検出部と、を備え、前記制御部は、前記扉が開いた開扉状態が前記扉検出部により検出され、前記開扉状態が一定時間以上となった場合に、前記スピーカーから音を発することとしてもよい。
【0025】
このような冷却貯蔵庫によると、例えば停電時等、冷却貯蔵庫の外部からの電力の供給が停止したときであっても、扉が開いていることを作業者が認知できる。
【0026】
上記構成において、前記箱体は、前記複数の壁部のうち、上側に配された上壁部と、前記上壁部に設けられた冷却器室と、を備え、前記冷却器室は、箱体内の気体を吸引する吸引部と、前記吸引部から吸引した気体を冷却する冷却器と、を備え、前記制御部は、前記吸引部による気体の吸引を行う吸引運転と、前記吸引部による気体の吸引を停止する停止運転と、を繰り返すこととしてもよい。
【0027】
このような冷却貯蔵庫によると、停止運転が吸引運転とともに繰り返される(間欠的に行われる)ことにより、箱体外から気体が流入することを抑制して、箱体内の温度が上昇することを防ぐことできる。
【0028】
上記構成において、前記孔部が設けられた前記壁部は、外壁部と、外壁部の箱体内側に配された内壁部と、を備え、前記外壁部は、前記孔部の箱体外側の開口を構成する外側開口部を備え、前記内壁部は、前記孔部の箱体内側の開口を構成する内側開口部を備え、前記外側開口部の箱体内側、及び前記内側開口部の箱体外側のうち、少なくとも一方には、前記外側開口部の開口径及び前記内側開口部の開口径よりも小さい孔であって、前記孔部に連なる孔が配された板状部が取り付けられていてもよい。
【0029】
上記構成において、前記孔部が設けられた前記壁部は、外壁部と、外壁部の箱体内側に配された内壁部と、前記外壁部と前記内壁部との間に配された中間部と、を備え前記外壁部は、前記孔部の箱体外側の開口を構成する外側開口部を備え、前記内壁部は、前記孔部の箱体内側の開口を構成する内側開口部を備え、前記中間部は、前記外側開口部と前記内側開口部とに連なる孔を備えていてもよい。
【0030】
上記構成において、前記孔部が設けられた前記壁部は、前記外壁部と前記内壁部との間に配された中間部を備え、前記中間部は、前記板状部の孔と前記外側開口部と前記内側開口部とに連なる孔を備え、前記板状部の一方の面は、前記中間部に対し第1接着部を介して接着され、前記板状部の他方の面は、前記外側開口部及び前記内側開口部のうち少なくとも一方に対し第2接着部を介して接着されていてもよい。
【0031】
上記構成において、前記第1接着部及び前記第2接着部は、防水性を有していてもよい。
【0032】
上記構成において、前記孔部が設けられた壁部は、前記中間部における箱体外側の端部及び箱体内側の端部のうち少なくとも一方の周囲を囲む形で取り付けられた囲み部を備えていてもよい。
【0033】
上記構成において、前記中間部は、箱体内外方向に延びる筒状部と、前記筒状部の箱体内側の端部において前記筒状部の径方向に延びたフランジ部と、を備え、前記フランジ部は、前記内壁部に取り付けられ、前記囲み部は、前記フランジ部の周囲を囲む形で取り付けられていてもよい。
【0034】
上記構成において、前記孔部が設けられた前記壁部は、外壁部と、外壁部の箱体内側に配された内壁部と、を備え、前記外壁部は、前記孔部の箱体外側の開口を構成する外側開口部を備え、前記外側開口部の箱体内側には、前記外側開口部を加熱するヒータが取り付けられていてもよい。
【0035】
上記構成において、前記外側開口部及び前記内側開口部のそれぞれに取り付けられた2つの環状部を備え、前記中間部は、前記2つの環状部に挟まれており、前記環状部の内周部分には、弾性体が取り付けられていてもよい。
【0036】
上記構成において、前記孔部が設けられた前記壁部は、外壁部と内壁部との間に配された断熱材を備え、前記断熱材は、前記外側開口部と前記内側開口部とに貫通した貫通部を備え、前記貫通部に、前記中間部と前記2つの環状部が取り付けられていてもよい。
【0037】
上記構成において、前記環状部は、前記壁部の表面に当接する当接部と、前記当接部から前記壁部の内部側に窪み、前記内周部分を構成する窪み部と、を備え、前記弾性体は、前記窪み部に取り付けられていてもよい。
【0038】
上記構成において、前記孔部が設けられた壁部は、壁本体部と、前記孔部の周囲部分であって前記壁本体部よりも箱体内外方向における内側に窪んだ周囲部分と、を備え、前記当接部は、前記周囲部分に当接していてもよい。
【発明の効果】
【0039】
本開示によれば、物品と検出部との接触を避けることができる冷却貯蔵庫の提供が可能となる。また、温度管理を効率的に行うことができる冷却貯蔵庫の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図2】扉とフロントパネルを取り外した状態の冷却貯蔵庫を示す斜視図
【
図4】右壁部において、右側の側壁孔部の周辺を示す縦断面図
【
図5】検出部を側壁孔部に挿入した態様を示す縦断面図
【
図8】冷却装置周辺の縦断面図(
図6のVIII-VIII線断面)
【
図10】アジャスタが床面に当接した状態を示す正面図
【
図11】棚部と棚部に対し前方にスライドした台部を示す斜視図
【
図12】棚部に取り付けられたパーティションを前方から視た図
【
図15】実施形態2に係る冷却貯蔵庫において、上壁孔部周辺を右上方から視た斜視図
【
図16】実施形態3に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図18】実施形態4に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図19】内側開口部に取り付けられた中間構造体を示す斜視図
【
図20】実施形態5に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図21】実施形態6に係る冷却貯蔵庫の外側開口部を箱体内側から視た図
【
図22】実施形態7に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図23】環状部を箱体内外方向における内側から視た図
【
図24】実施形態8に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図25】実施形態9に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図26】実施形態10に係る冷却貯蔵庫の前下部分を右方から視た図
【
図27】実施形態11に係る冷却貯蔵庫の前下部分を右方から視た図
【
図28】他の実施形態に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図29】他の実施形態に係る冷却貯蔵庫の壁部において、孔部の周辺を示す縦断面図
【
図30】実施形態12に係る冷却貯蔵庫を上方から視た図
【
図31】実施形態13に係る冷却貯蔵庫を右下方から視た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0041】
<実施形態1>
本開示の実施形態1を
図1から
図14によって説明する。本実施形態では、内部に薬品(物品)を冷却した状態で貯蔵する薬用冷却貯蔵庫100について例示する。尚、矢印方向Fを前方(正面側の方向)、矢印方向Bを後方(背面側の方向)、矢印方向Uを上方、矢印方向Dを下方、矢印方向Lを左方、矢印方向Rを右方として各図を説明する。
【0042】
図1及び
図2に示すように、冷却貯蔵庫100は、物品を内部に貯蔵可能な断熱性の箱体10と、箱体10の開口16を開閉可能な複数(4つ)の扉21,22,23,24と、箱体10の上側に配された機械室50と、を備える。箱体10は、平面視四角板状をなし、箱体内外側を隔てる複数の壁部11,12,13,14,15を備えて箱形をなしており、その正面側(前側)が、前後方向(箱体内外方向)に開口している。
【0043】
複数の壁部11,12,13,14,15は、下側に配され、底の壁をなす底壁部11と、底壁部11の右端部から立ち上がり、右側の壁をなす右壁部(側壁部)12と、底壁部11の左端部から立ち上がり、左側の壁をなす左壁部(側壁部)13と、底壁部11の後側(奥側)の端部から立ち上がり、後側の壁をなす後壁部14と、右壁部12、左壁部13及び後壁部14の上側に配され、上側の壁(天井)をなす上壁部15と、を含む。右壁部12及び左壁部13は、箱体10において側方(左右方向)の両側に配された2つの側壁部である。
図4に示すように、各壁部11,12,13,14,15は、ステンレス鋼板等の金属板からなる外壁部10Aと、外壁部10Aの箱体内側に配され、ステンレス鋼板等の金属板からなる内壁部10Bと、を備えて二重構造をなしており、この外壁部10Aと内壁部10Bとの間に、発泡ウレタン等の発泡樹脂からなる断熱材10Cが発泡充填されることにより、断熱性が付与されている。
【0044】
図2に示すように、箱体10は、底壁部11の前端部11A、右壁部12の前端部12A、左壁部13の前端部13A、及び上壁部15の前端部15Aにより形成され、正面視四角枠状の開口16を備える。この開口16は、前後方向を開口方向とする形で開口しており、扉21,22,23,24のいずれかを開いた状態にて、作業者が物品を箱体10に対して出し入れすることが可能な部分とされる。
【0045】
また、箱体10は、各壁部11,12,13,14,15の正面側であって、開口16を十字に橋掛ける橋掛部30を備える。橋掛部30は、側方(左右方向)に延びた角柱状をなし、2つの側壁部12,13の各前端部12A,13Aに接続する橋掛横部31と、橋掛横部31の左右方向における中央部分からそれぞれ上下方向に延びた角柱状をなし、橋掛横部31と底壁部11の前端部11A、又は橋掛横部31と上壁部15の前端部15Aに接続する2つの橋掛縦部32,33と、を備える。開口16及び橋掛部30の正面側に、各扉21,22,23,24の周端部が重畳している。各扉21,22,23,24は、開口16及び橋掛部30に当接して
図1に示すように閉扉されることにより、箱体10の開口16を塞いでいる。
【0046】
図1から
図4に示すように、2つの側壁部12,13は、それぞれ、箱体内外方向に貫通した側壁孔部(孔部)25,26を備える。側壁孔部25,26は、橋掛部30の橋掛横部31の後方(奥側)であって、底壁部11からの高さが、橋掛横部31の高さと等しい高さとなる位置に配されている。側壁孔部25,26は、箱体10を正面(開口方向における手前側)から視た場合に、橋掛横部31に隠れる(重畳する)位置に配されている。
【0047】
図4に示すように、右壁部12に設けられた右側の側壁孔部25は、外壁部10Aに設けられた円孔である外側開口部25Aと、内壁部10Bに設けられた円孔である内側開口部25Bと、外側開口部25Aと内側開口部25Bとを繋ぎ、断熱材10Cを箱体内外方向に貫通する円筒状の貫通部25Cと、を備える。貫通部25Cの孔径は、外側開口部25Aや内側開口部25Bの孔径よりも大きい。側壁孔部25は、当該側壁孔部25内(貫通部25C内)が広がった形をなしている。内側開口部25Bには、四角状の板金25B1が箱体内側から取り付けられている。板金25B1には、内側開口部25Bと同心円の開口が設けられている。
【0048】
外側開口部25Aと内側開口部25B(及び板金25B1)には、側壁孔部25の箱体外側及び箱体内側を塞ぐ形の1対の(2つの)弾性体25Dが取り付けられている。弾性体25Dは、薄膜円形状の差込部25D2と、差込部25D2の周囲部分であって各開口部25A,25Bに引っ掛かる周端部25D1と、を備える。弾性体25Dとしては、例えば、膜付きグロメットを採用することができる。2つの弾性体25Dは、それぞれの差込部25D2に、例えば切り込みが入れられることにより、
図5に示すように、温度を検出する検出部(貯蔵室側検出部)69を挿入すること可能である。検出部69は、差込部25D2を貫通して側壁孔部25内を箱体内外方向に挿入される。差込部25D2は、弾性変形することにより、検出部69に密着する。尚、左壁部13に設けられた左側の側壁孔部26及びこれに取り付けられた弾性体26Dについては、右側の側壁孔部25及び弾性体25Dに対し、それぞれ左右対称の構成とし、その説明を省略する。
【0049】
図1、
図2、及び
図6に示すように、機械室50は、板金からなる複数のパネル51,52,53,54によって四方(前後方向及び左右方向)が囲まれた部分とされる。複数のパネル51,52,53,54は、箱体10の上壁部15から立ち上がるサイドパネル52,53、及びバックパネル54と、サイドパネル52,53の前端部に取り付けられ、その板面が上方に指向するよう上方に回動させて跳ね上げ可能なフロントパネル51と、を含む。フロントパネル51を跳ね上げると、機械室50内が正面から視認することができる。
【0050】
機械室50には、フィルタ部61と、凝縮器62と、凝縮器ファン(庫外ファン)63と、圧縮機64と、制御部(電装箱)65と、バッテリー(予備電源)66と、スピーカー67と、が設けられている。凝縮器62、凝縮器ファン63、圧縮機64と、制御部65、及びスピーカー67は、上方視四角板状の基台58に載せられて1つのユニットを構成している。基台58を、このユニットごと着脱することにより、メンテナンス等を容易に行うことが可能である。制御部65には、図示しない外部電源がコンセント等から接続されており、電力が供給されている。バッテリー66は、冷却貯蔵庫100の制御部65への外部電源からの電力の供給が停止したときに、制御部65へ電力を供給する。スピーカー67は、音を発することが可能である。
【0051】
図9に示すように、上壁部15は、箱体内外方向に開口し、箱体10内と機械室50とに連通した連通部15Dを備える。連通部15Dの箱体外側部分(上壁部15の上面15E側の部分)は、基台58によって塞がれている。上壁部15の下面15Bには、連通部15Dの箱体内側部分を塞ぐ形の板金からなるドレンパン41が取り付けられている。ドレンパン41は、後壁部14側に向かうほど下方に傾斜する形をなしている。箱体10内において上壁部15側に設けられた部分であって、ドレンパン41と基台58との間の部分は、冷却器室40とされる。箱体10の内部空間において、冷却器室40以外の空間(物品が貯蔵される空間)は、貯蔵室20である。
【0052】
冷却器室40は、貯蔵室20(箱体内)の気体を吸引して冷却器室40に送る吸引部(庫内ファン)42と、吸引部42の後方に配され、吸引部42から吸引した気体を冷却する冷却器43と、冷却器室内であって吸引部42の上方に配され、冷却器室40の温度(吸引部42によって吸引された気体の温度)を検出可能な冷却器室側検出部45と、を備える。ドレンパン41の後側部分には、上下方向に開口してなる吹出部41Aが設けられている。吸引部42によって冷却器43に送られ、冷却器43により冷却された気体(冷気)は、吹出部41Aを通って冷却器室40から貯蔵室20へ吹き出される。
【0053】
冷却器43は、機械室50に設けられた凝縮器62と、圧縮機64と共に、冷媒が循環する冷媒管によって連結され、既知の冷凍サイクルを形成している。圧縮機64によって圧縮された冷媒は、冷媒管を通って凝縮器62において放熱する。そして、冷却器43において、吸引部42によって貯蔵室から当該冷却器43に送られた気体が、放熱した冷媒と熱交換することにより冷却され、冷気となる。尚、フィルタ部61、凝縮器62、凝縮器ファン63、圧縮機64、吸引部42、及び冷却器43は、箱体10内(貯蔵室20内)を冷却するための冷却装置60を構成している。
【0054】
図6から
図8に示すように、上壁部15は、箱体内外方向に貫通した上壁孔部27と、上壁孔部27の前方(正面側)に配され、フロントパネル51を跳ね上げた場合に、作業者に視認可能な第1目印部28と、を備える。上壁孔部27は、外壁部10Aとしての上面15Eに設けられた円孔である外側開口部27Aと、内壁部10Bとしての下面15Bに設けられた円孔である内側開口部27Bと、外側開口部27Aと内側開口部27Bとを繋ぎ、断熱材10Cを箱体内外方向に貫通する円筒状の貫通部27Cと、を備える。貫通部27Cの孔径は、外側開口部27Aや内側開口部27Bの孔径よりも大きい。上壁孔部27は、当該上壁孔部27内(貫通部27C内)が広がった形をなしている。外側開口部27Aには、四角状の板金27B1が箱体外側から取り付けられている。板金27B1には、内側開口部27Bと同心円の開口が設けられている。
【0055】
外側開口部27Aと内側開口部27B(及び板金27B1)には、上壁孔部27の箱体外側及び箱体内側を塞ぐ形の1対の(2つの)弾性体27Dが取り付けられている。弾性体27Dは、他の弾性体25D,26Dと同様の構成とする。2つの弾性体27Dは、例えば切り込みが入れられることにより、貯蔵室側検出部69(
図5参照)を挿入すること可能である。上壁孔部27には、2つの弾性体27Dを貫通させるようにして貯蔵室側検出部69を挿入することができる。
【0056】
外側開口部27Aは、基台58の前端部58Aよりも前方であって、フィルタ部61の側方部分よりも右方(側方)に配されている。内側開口部27Bは、冷却器室40の室外側であって吸引部42の正面側に配されている。第1目印部28は、外側開口部27Aの前方に配されている。第1目印部28は、上壁部15の上面15Eにおける前端部分から上方に立ち上がる板状であって、正面視四角板状をなしている。第1目印部28は、上壁部15の前端部15Aに沿って上下方向に延びている。第1目印部28は、上壁部15の前端部15Aと面一となっていてもよい。
【0057】
図9及び
図10に示すように、冷却貯蔵庫100は、底壁部11の四隅の各部の箱体外側に配され、床面Gに対し箱体10を移動可能にする4つのキャスタ35と、底壁部11の箱体外側であって、4つのキャスタ35のうち前側に配された2つのキャスタ35の側方(左右方向における内側)に配された2つのアジャスタ36と、を備える。キャスタ35は、回転可能とされ床面Gに接するローラ部35Aと、ローラ部35Aの回転を止めて固定する固定部35Bと、を備える。アジャスタ36は、底壁部11から下方に延在しており、軸周りに回転させることによりその上下方向の長さを調節可能とされる。アジャスタ36は、ローラ部35Aの下端部(床面Gに接する部分)よりも下方に突出可能とされる。冷却貯蔵庫100は、アジャスタ36をローラ部35Aよりも上方に引っ込めて、ローラ部35Aを固定部35Bで固定しない状態にすることで、床面Gを移動することができる。一方、冷却貯蔵庫100は、ローラ部35Aを固定部35Bで固定することにより、床面Gの移動を規制し、さらに、アジャスタ36をローラ部35Aよりも下方に突出させることにより、その位置を確実に固定したり、その傾きを調整したりすることができる。
【0058】
図2及び
図3に示すように、箱体10は、複数のステイ18及び複数の取付片部19を介して壁部12,13,14の箱体内側に取り付けられた複数の棚部70と、棚部70に載置され、物品を載せることが可能な複数の台部80と、棚部70に取り付けられる板状の複数のパーティション90と、を備える。棚部70及び台部80は、金属製の棒部が複数組み合わさってなる網棚とされる。ステイ18は、2つの側壁部12,13や後壁部14の箱体内側面に取り付けられており、上下方向に延びた平板状をなしている。ステイ18には、複数の孔部が設けられている。取付片部19は、ステイ18の任意の孔部に取り付けられることにより、当該取付片部19を介して箱体10に取り付けられる棚部70の取付位置(高さ)を適宜変更することができる。
【0059】
棚部70は、左右方向において2つずつ並び、上下方向において4つずつ並ぶことで、合計8個が箱体内に配されている。1つの棚部70には、2つの台部80を左右方向に並ぶ形で載置することができる。
図2では、右側に配された4つの棚部70のうち、上から1段目の棚部70には、前方にスライドした1つの台部80が載置されており、上から2段目の棚部70には、前方にスライドした2つの台部80が載置されており、上から3段目の棚部70には、後方にスライドした1つの台部80が載置されており、上から4段目の棚部70には、後方にスライドした2つの台部80が載置されている。
【0060】
図11に示すように、棚部70は、間隙Sを有する本体部71と、本体部71のうち、後方部分(開口16の開口方向における奥方部分)から立ち上がる奥方立上部76と、本体部71のうち、側方両端側の部分からそれぞれ立ち上がる2つの側方立上部75と、を備える。本体部71は、四角枠状の枠部72と、枠部72の前端部と後端部とを橋掛けるように前後方向に延び、側方に複数並んだ縦棒部73と、枠部72の前後方向における中央部分に配され、複数の縦棒部73を横切る形で左右方向に延びる横棒部(引掛部)74と、を備える。側方立上部75は、枠部72の左右方向における両端部の上側に取り付けられている。奥方立上部76は、枠部72の後端部の上側に取り付けられており、側方立上部75よりも上下方向における高さが低い。隣接する2つの縦棒部73は、その間の部分において、前後方向(箱体10の開口方向)に延びた間隙Sを構成している。横棒部74は、間隙Sの前後方向における途中部分に配されている。
【0061】
図3及び
図11に示すように、台部80は、複数の棒部からなり、上側が上下方向に開口した収容部81と、収容部81の下部から下方に突出した2つの突出部88と、を備える。収容部81は、側方両側の柵状部分を構成する2つの側方柵部83と、側方柵部83よりも上下方向における高さが低く、後側の柵状部分を構成する後方柵部84と、後方柵部84よりも上下方向における高さが低く、前側の柵状部分を構成する前方柵部82と、を備える。2つの突出部88は、それぞれ、2つの側方柵部83と後方柵部84とが交わる下角部84Aから下方に突出している。2つの下角部84Aは、台部80の下部のうち、開口方向における奥方部分の側方両端部分である。
【0062】
突出部88は、その先端88Aが前方を向く鉤状をなしている。突出部88は、間隙Sに対し前後方向に沿ってスライド自在に挿入されている。これにより、台部80が棚部70に対し前後方向にスライド自在に載置される。
図3の上側に図示されるように、台部80は、突出部88が横棒部74に引っ掛かることで、開口方向に沿ったスライドが規制される。一方、
図3の下側に図示されるように、台部80は、間隙Sに挿入された突出部88が後方にスライドした場合に、奥方立上部76に当接する構成とされる。尚、台部80は、棚部70に対し容易に取り外すことが可能である。従って、台部80を取り外すことにより、比較的大型の物品を棚部70に載置することができる。
【0063】
図2及び
図12に示すように、パーティション90は、長板状の土台部91と、土台部91の上面から垂直に立ち上がる長板状の立上板部92と、土台部91の側方両端部に配され、S字状に曲がった2つの曲げ板部93と、を備える。パーティション90は、2つの曲げ板部93を、隣接する2つの縦棒部73に対し外側から挟み込むようにして取り付けることにより、棚部70を複数の領域に分けることができる。パーティション90の前後方向における長さは、棚部70の前後方向における長さの約4分の1の長さである。棚部70には、前後方向に4つのパーティション90を一直線に並べたり、それぞれ左右方向に並設する形で並べたり等することができる。これにより、物品の種類に応じて、レイアウトの自由度を高めることができる。また、パーティション90の上下方向における高さは、物品(例えば、一般的な薬品の瓶)の6分の1以上5分の1以下程度の高さとしてもよい。これにより、薬品の転倒を防止し、薬品のスムーズな取り出しを実現することが可能となる。
【0064】
図13に示すように、制御部65は、扉検出部29、吸引部(庫内ファン)42、表示部55、凝縮器ファン(庫外ファン)63、圧縮機64、バッテリー66、及びスピーカー67等に対し電気的に接続されている。
図2に示すように、扉検出部29は、上壁部15の前端部15Aに2つずつと、底壁部11の前端部11Aに2つずつの合計4つが設けられており、それぞれが、その手前側に重畳する各扉21,22,23,24の開閉を別個に検出可能な構成とされる。
図1に示すように、表示部55は、フロントパネル51に設けられている。表示部55は、ボタン等の操作部(入力部)と、LEDを有し例えばオレンジ色の光を発光する発光部等を備えており、種々の情報を表示したり、制御部65に対し種々の信号を入力したりすることが可能である。
【0065】
続いて、制御部65が各部を制御する流れを、主に
図14を用いて説明する。まず、制御部65は、S10において、バッテリー66から当該制御部65への電力の供給があったか否かを判定する。制御部65は、バッテリー66から当該制御部65への電力の供給があった場合に(S10でYES)、S20に進み、スピーカー67から第1警告音を発する。そうでない場合(S10でNO)、制御部65は、一連の制御を終え、再びS10に戻って当該一連の制御を繰り返す。尚、例えば停電等によって外部電源から制御部65への電力の供給が停止されたときに、バッテリー66から当該制御部65への電力の供給がなされる。また、例えば停電等が生じず、外部電源から制御部65への電力の供給が通常通り行われているときに、バッテリー66から当該制御部65への電力の供給がされない。
【0066】
S20の後に、制御部65は、S30に進み、扉21,22,23,24のいずれかが開扉されたことを扉検出部29が検出し、その開扉状態が一定時間以上(例えば5秒以上)となったか否かを判定する。制御部65は、扉検出部29が開扉を検出し、その開扉状態が一定時間以上となった場合に(S30でYES)、スピーカー67から、第1警告音とは異なる第2警告音を発して、S50に進む。一方、そうでない場合(S30でNO)、制御部65はS60に進む。尚、制御部65は、第1警告音を、第2警告音の発出(S40)よりも前のステップ(S20)にて発出しており、第2警告音よりも優先して発出する。S50では、制御部65は、表示部55のLED(発光部)を発光させ、S60に進む。尚、他の実施形態として、バッテリー66から制御部65への電力の供給がない場合(S10でNOの場合)でも、制御部65は、上記S30からS50の処理(開扉状態が一定時間以上か否かの判定、第2警告音の発出、及びLEDの発光)を行うこととしてもよい。
【0067】
S60では、制御部65は、吸引部42による気体の吸引を行う吸引運転と、吸引部42による気体の吸引を停止する停止運転と、を繰り返す。制御部65は、例えば、吸引運転を5分間行い、停止運転を、吸引運転の運転時間よりも短い時間である1分間行うようにしてもよい。制御部65は、S60を終えると、一連の制御を終え、再びS10に戻って当該一連の制御を繰り返すものとする。尚、本実施形態では、制御部65は、バッテリー66から当該制御部65への電力の供給がない場合に(S10でNO)、上記S60の制御を行わないこととするが、これに限定されない。例えば、他の実施形態として、バッテリー66から制御部65への電力の供給がない場合(S10でNOの場合)でも、制御部65は、上記S60の処理(吸引運転と停止運転とを繰り返す処理)を行うこととしてもよく、また、吸引運転を連続する処理を行うこととしてもよい。
【0068】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、物品を内部に貯蔵可能な箱体10を備え、箱体10は、箱体内外側を隔てる複数の壁部12,13,14,15を備え、前後方向(箱体内外方向)に開口して物品を出し入れ可能な構成とされ、箱体10の開口16を橋掛ける橋掛部30を備え、複数の壁部12,13,14,15のうち、側壁部12,13は、箱体内外方向に貫通した孔部25,26であって、温度を検出する貯蔵室側検出部69を挿入可能な孔部25,26を備え、孔部25,26は、橋掛部30の後方(奥側)に配されている、冷却貯蔵庫100を示した。
【0069】
上記構成のように、冷却貯蔵庫100において、例えば開口16や箱体10を補強するために、開口16を橋掛ける橋掛部30が配されることがある。この場合、この橋掛部30の奥側は、開口16からの物品の出し入れが難しく、貯蔵される物品が存在しない部分となり易い。上記のような冷却貯蔵庫100によると、この橋掛部30の奥側に、温度を検出する貯蔵室側検出部69を挿入可能な孔部が配されているため、孔部から貯蔵室側検出部69を挿入した場合に、箱体内に貯蔵された物品と貯蔵室側検出部69とが接触する事態が生じ難くなる。
【0070】
箱体10は、複数の壁部のうち、側方の両側に配された2つの側壁部12,13を備え、橋掛部30は、2つの側壁部12,13の正面側において、箱体10の開口16を橋掛ける形とされ、孔部25,26は、2つの側壁部12,13に配された側壁孔部25,26とされる。
【0071】
このような冷却貯蔵庫100によると、側壁部12,13に配された側壁孔部25,26を通して、貯蔵室側検出部69を箱体内に挿入し、箱体内の温度を検出することができる。側壁部12,13は、箱体10の側方の壁部を構成しているため、作業者が例えば起立状態で貯蔵室側検出部69を側壁孔部25,26に挿入することができ、スムーズな温度管理を実現することが可能となる。
【0072】
箱体10は、複数の壁部12,13,14,15のうち、上側に配された上壁部15と、上壁部15に設けられた冷却器室40と、を備え、冷却器室40は、箱体内の気体を吸引する吸引部42と、吸引部42から吸引した気体を冷却する冷却器43と、を備え、上壁部15は、箱体内外方向に貫通し、貯蔵室側検出部69を挿入可能な上壁孔部27を備え、上壁孔部27は、冷却器室40の室外側であって吸引部42の正面側に配されている。
【0073】
このような冷却貯蔵庫100によると、上壁部15において、上壁孔部27を通して箱体内の温度を測定することが可能となる。また、冷却器室40の室外側であって吸引部42の正面側の部分は、箱体内において比較的温度が高い部分であるところ、上記のような構成によると、上壁孔部27を通してこの比較的温度が高い部分に貯蔵室側検出部69を配することが可能となる。
【0074】
冷却器室40は、冷却器室40の室内側であって吸引部42の上方に配され、温度を検出可能な冷却器室側検出部45を備えている。
【0075】
このような冷却貯蔵庫100によると、側壁孔部25,26から挿入される貯蔵室側検出部69によって検出された温度と、冷却器室側検出部45によって検出された温度と、を比較することが可能となる。例えば、箱体内に貯蔵される物品が、薬品等の場合、箱体内の温度管理を精密に行う必要があるところ、貯蔵室側検出部69によって検出された温度と冷却器室側検出部45によって検出された温度とを比較し、その温度差を確認することで、冷却貯蔵庫100における冷却機能の維持を図り箱体の温度管理を精密に行うことが可能となる。
【0076】
冷却貯蔵庫100は、孔部25,26を塞ぐ形で取り付けられた弾性体25D,26Dを備えている。
【0077】
このような冷却貯蔵庫100によると、弾性体25D,26Dに例えば切込みを入れて、この切込みを通じて貯蔵室側検出部69を箱体内に挿入することができる。弾性体25D,26Dは、孔部25,26に密着するとともに、切込みと貯蔵室側検出部69との間も密着することができるので、孔部25,26を通じて気体が箱体10内に往来することを抑制することができる。これにより、孔部25,26に貯蔵室側検出部69を挿入したままにすることができるので、箱体内の温度を常時測定することが可能となる。孔部25,26に貯蔵室側検出部69を頻回に出し入れする必要が無いので、温度管理の作業の効率化を図ることができる。
【0078】
箱体10は、複数の壁部12,13,14,15のうち、上側に配された上壁部15を備え、上壁部15は、箱体内外方向に貫通し、貯蔵室側検出部69を挿入可能な上壁孔部27と、上壁孔部27の正面側に配され、作業者に視認可能な第1目印部28と、を備えている。
【0079】
このような冷却貯蔵庫100によると、比較的高い位置に上壁孔部27が配されていたとしても、作業者が、第1目印部28を視認することで、この第1目印部28を目印としてその背面側に配される上壁孔部27に向けて貯蔵室側検出部69をスムーズに挿入することが可能となる。
【0080】
冷却貯蔵庫100は、複数の壁部11,12,13,14,15のうち、下側に配された底壁部11の箱体外側に配され、床面Gに対し箱体10を移動可能にするキャスタ35と、底壁部11の箱体外側に配され、キャスタ35の下端部以上に下方に突出可能なアジャスタ36と、を備えている。
【0081】
箱体10を移動可能にするキャスタ35のみでは箱体10の傾きの調整が困難であるところ、上記のような構成によると、アジャスタ36をキャスタ35の下端部以上に下方に突出させ、床面Gに当接させることで、箱体10の傾きを調整し(例えば水平をとることができ)、冷却貯蔵庫100を安定して床面に設置することが可能となる。
【0082】
冷却貯蔵庫100は、スピーカー67と、制御部65と、当該冷却貯蔵庫100の外部からの電力の供給が停止したときに、制御部65へ電力を供給するバッテリー66と、を備え、制御部65は、バッテリー66から当該制御部65への電力の供給があった場合に、スピーカー67から音を発する。
【0083】
このような冷却貯蔵庫100によると、例えば停電時等、冷却貯蔵庫100の外部からの電力の供給が停止したときに、予備電源としてのバッテリー66から制御部65へ電力を供給し、スピーカー67から音を発することができる。これにより、冷却貯蔵庫100が非常時に置かれていることを作業者が認知できる。
【0084】
冷却貯蔵庫100は、箱体10の開口16を開閉可能な扉21,22,23,24と、扉21,22,23,24の開閉を検出可能な扉検出部29と、を備え、制御部65は、扉21,22,23,24のうち少なくとも一つが開いた開扉状態が扉検出部29により検出され、開扉状態が一定時間以上となった場合に、スピーカー67から音を発する。
【0085】
このような冷却貯蔵庫100によると、例えば停電時等、冷却貯蔵庫100の外部からの電力の供給が停止したときであっても、扉21,22,23,24が開いていることを作業者が認知できる。
【0086】
箱体10は、複数の壁部12,13,14,15のうち、上側に配された上壁部15と、上壁部15に設けられた冷却器室40と、を備え、冷却器室40は、箱体の気体を吸引する吸引部42と、吸引部42から吸引した気体を冷却する冷却器43と、を備え、制御部65は、吸引部42による気体の吸引を行う吸引運転と、吸引部42による気体の吸引を停止する停止運転と、を繰り返す。
【0087】
このような冷却貯蔵庫100によると、停止運転が吸引運転とともに繰り返される(間欠的に行われる)ことにより、箱体外側から気体が流入することを抑制して、箱体内側の温度が上昇することを防ぐことできる。
【0088】
また、本実施形態では、物品を内部に貯蔵可能な箱体10を備え、箱体10は、物品を出し入れするための開口16を備えるとともに、底壁部11から立ち上がる壁部12,13,14の箱体内側に取り付けられた棚部70と、棚部70に載置され、物品を載せることが可能な台部80と、を備え、棚部70は、箱体10の開口方向(前後方向)に延びた間隙Sを備え、台部80は、その下部から下方に突出した突出部88を備え、突出部88が、間隙Sに対し開口方向に沿ってスライド自在に挿入されている、冷却貯蔵庫100を示した。
【0089】
このような冷却貯蔵庫100によると、台部80の突出部88が、間隙Sに対し箱体10の開口方向に沿ってスライド自在に挿入されているので、開口方向における前方に突部をスライドさせることにより、引き出された台部80に物品を載せること(或いは物品を取り出すこと)や、開口方向における奥方に突部をスライドさせることにより、物品が載せられた台部80(或いは物品が取り出された台部80)を箱体内に収容することが可能となる。これにより、箱体10に対する物品の出し入れをスムーズに行うことができる。また、突出部88が挿入される間隙Sは、開口方向に延びた形をなしているため、突出部88(ひいては台部80)の開口方向における移動を、間隙Sがガイドすることができる。これにより、台部80が箱体10に出し入れされる際に例えば側方にズレ難いので、台部80や台部80に載せられた物品が壁部に接触することを抑制することができる。
【0090】
突出部88は、その先端88Aが開口方向における前方を向く鉤状をなしており、棚部70は、間隙Sの開口方向における途中部分に配された横棒部74を備え、台部80は、突出部88が横棒部74に引っ掛かることで、開口方向に沿ったスライドが規制される。
【0091】
このような冷却貯蔵庫100によると、突出部88が横棒部74に引っ掛かることで、台部80が棚部70に対し過度に引き出されることを規制できる。また、突出部88は、その先端88Aが開口方向における前方を向く鉤状をなしているため、突出部88が開口方向における前方にスライドして横棒部74に引っ掛かった際に、例えば台部80が外れたり脱落したりすることを防止できる。
【0092】
棚部70は、間隙Sを有する本体部71と、本体部71のうち、開口方向における奥方部分から立ち上がる奥方立上部76と、を備え、台部80は、間隙Sに挿入された突出部88が開口方向における奥方にスライドした場合に、奥方立上部76に当接する構成とされる。
【0093】
このような冷却貯蔵庫100によると、台部80を開口方向における奥方に変位させて箱体に収容する際に、台部80が奥方立上部76に当接して止まるため、台部80や台部80に載せられた物品が、箱体10の奥方の壁部としての後壁部14に接触することを防止することができる。
【0094】
棚部70は、間隙Sを有する本体部71と、本体部71のうち、側方部分から立ち上がる側方立上部75と、を備えている。
【0095】
このような冷却貯蔵庫100によると、台部80が箱体10に対して出し入れされる際に、台部80の側方部分が棚部70の側方立上部75に当接することができるので、台部80の側方へのズレを抑えることができる。これにより、台部80や台部80に載せられた物品が、箱体10の側方の壁部としての側壁部12,13に接触することを防止することができる。
【0096】
突出部88は、台部80の下部のうち、開口方向における奥方部分の側方両端に配されている。
【0097】
このような冷却貯蔵庫100によると、台部80が箱体10に対して出し入れされる際に、台部80の奥方部分がズレ難くなるので、箱体10の後壁部14や側壁部12,13における奥方部分において、台部80や台部80に載せられた物品が接触することを防止することができる。
【0098】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2を
図15によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0099】
冷却貯蔵庫200は、上壁孔部27の箱体外側の端部(弾性体27D或いは外側開口部27A:
図8参照)よりも下方に配された第1目印部228と、上壁孔部27の箱体外側の端部よりも上方であって背面側(後側)に配された第2目印部229と、を備えている。第1目印部228と第2目印部229は、フロントパネル51を跳ね上げた場合に、作業者に視認可能とされる。第1目印部228は、上壁部15の前端部15Aに貼り付けられた印であり、上方が先細る形の三角形状をなしている。第2目印部229は、基台258の前端部258Aに貼り付けられた印であり、下方が先細る形の三角形状をなしている。
【0100】
このような冷却貯蔵庫200によると、比較的高い位置に上壁孔部27が配されていたとしても、作業者が、第1目印部228と第2目印部229を視認することで、この第1目印部228と第2目印部229を目印としてこれらの間に配される上壁孔部27に向けて検出部69を一層スムーズに挿入することが可能となる。
【0101】
<実施形態3>
次に、本開示の実施形態3を
図16等によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0102】
冷却貯蔵庫300において、孔部325が設けられた壁部(右壁部)312は、外壁部310Aと、外壁部310Aの箱体内側に配された内壁部310Bと、を備える。外壁部310Aは、孔部325の箱体外側の開口を構成する外側開口部310A1を備える。外側開口部310A1は、冷却貯蔵庫300の庫外(箱体外側)に通じた円孔をなしている。 内壁部310Bは、孔部325の箱体内側の開口を構成する内側開口部310B1を備える。内側開口部310B1は、冷却貯蔵庫300の庫内(箱体内側)に通じた円孔をなしている。
【0103】
また、壁部312は、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に配された断熱材310C及び中間構造体310Dを備える。
図16及び
図17に示すように、中間構造体310Dは、四角柱形状の中間部301と、中間部301の箱体内外方向(左右方向)における外側にそれぞれ配され、四角板状をなす2つの板状部302A,302Bと、2つの板状部302A,302Bの表裏面にそれぞれ配された複数の接着部303A,303B,303C,303Dと、を備える。中間部301は、接着部303B,303Cを介して2つの板状部302A,302Bに取り付けられている。2つの板状部302A,302Bは、接着部303A,303Dを介してそれぞれ外側開口部310A1の箱体内側と内側開口部310B1の箱体外側に取り付けられている。
【0104】
2つの板状部302A,302Bは、中間部301に対し、箱体外側に配された外側板状部302Aと、箱体内側に配された内側板状部302Bと、を含む。外側板状部302Aの箱体外側(右側)の面(一方の面)302A1は、外側開口部310A1に対し接着部(第2接着部)303Aを介して接着されている。外側板状部302Aの箱体内側(左側)の面(他方の面)302A2は、中間部301に対し接着部(第1接着部)303Bを介して接着されている。内側板状部302Bの箱体内側の面(他方の面)302B2は、内側開口部310B1に対し接着部(第2接着部)303Dを介して接着されている。内側板状部302Bの箱体外側の面(一方の面)302B1は、中間部301に対し接着部(第1接着部)303Cを介して接着されている。
【0105】
中間部301、2つの板状部302A,302B、及び複数の接着部303A,303B,303C,303Dは、それぞれ、箱体内外方向に貫通した円形の孔301H,302AH,302BH,303AH,303BH,303CH,303DHを備える。各孔301H,302AH,302BH,303AH,303BH,303CH,303DHは、互いに連通しており、外側開口部310A1と内側開口部310B1とに連なることで、孔部325を構成している(孔部325として連なっている)。
【0106】
外側開口部310A1の開口径L1は、内側開口部310B1の開口径L2よりも小さい。2つの板状部302A,302Bにおいて、それぞれの孔302AH,302BHの孔径L3、L4は、外側開口部310A1の開口径L1及び内側開口部310B1の開口径L2よりも小さい。中間部301における孔301Hの孔径L5は、各開口径L1,L2、及び各孔径L3,L4よりも大きい。接着部303A,303B,303C,303Dにおいて、それぞれの孔303AH,303BH,303CH,303DHの孔径は、接着した板状部302A,302Bにおける孔302AH,302BHの孔径L3,L4に等しい。尚、孔径L3,L4は、それぞれ30mm以上であることが好ましい。
【0107】
上記の板状部302A,302Bを備える冷却貯蔵庫300によると、板状部302A,302Bが取り付けられた開口部310A1,310B1において、使用者の手指が触れることを抑制できる。例えば孔部325に温度を検出する検出部を挿入する際に、使用者の手指が開口部310A1,310B1に触れ難くなり、好適である。また、板状部302A,302Bの孔302AH,302BHに対し例えばバリ取り加工を行えば、この孔302AH,302BHを滑らかなものとすることができる。尚、好適なバリ取り加工を施すために、板状部302A,302Bの厚みは、外壁部310Aと内壁部310Bの厚みよりも厚くてもよい。
【0108】
また、上記の中間部301を備える冷却貯蔵庫300によると、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に断熱材310Cを充填した場合に、孔部325が断熱材によって塞がれることを防ぐことができる。また、例えば孔部325に温度を検出する検出部を挿入する際に、検出部が中間部301の孔301Hであって外側開口部310A1と内側開口部310B1とに連なる孔301Hを通ることで、その挿入がスムーズになる。
【0109】
上記の接着部303A,303B,303C,303Dを備える冷却貯蔵庫300によると、各開口部310A1,310B1、中間部301の孔301H、及び板状部302A,302Bの孔302AH,302BHの位置がズレ難い。また、接着部303A,303B,303C,303Dによって各部を密着させることができ、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に断熱材310Cを充填した場合に、この断熱材310Cが各部の隙間から漏れることを抑制できる。
【0110】
第1接着部303B,303C及び第2接着部303A,303Dは、防水性を有するシート状の両面テープとされる。防水性とは、水が通ることを防止できることを意味し、止水性と呼ばれることもある。このような材料としては、特に限定されないが、例えば、ゴム発泡シート(ウレタン等の発泡性樹脂材料が発泡しシート状をなしたもの)やブチルテープを採用することができる。全ての接着部303A,303B,303C,303Dを同じ材料にしてもよく、例えば最も箱体内側に配される接着部303Dの材料をゴム発泡シートにし、それ以外のる接着部303A,303B,303Cの材料をブチルテープにしてもよい。
【0111】
このような冷却貯蔵庫300によると、孔部325に結露が生じた場合に、この結露の水が断熱材310Cに侵入することを抑制できる。尚、接着部303A,303B,303C,303Dの形状は、特に限定されず、種々の形状をなしていてもよい。
【0112】
図16に示すように、中間構造体310は、内側開口部310B1の箱体内側に螺合されるねじ304でねじ止めされている(又はリベットで取付られていてもよい)。ねじ304は、内側開口部310B1、第2接着部303D,板状部302B,第1接着部303C,及び中間部301を共締めしている。このような構造によると、中間構造体310を内側開口部310B1に対しより頑丈に固定することができる。
【0113】
<実施形態4>
次に、本開示の実施形態4を
図18及び
図19によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0114】
冷却貯蔵庫400において、孔部425が設けられた壁部412は、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に配された中間構造体410Dを備える。中間構造体410Dは、中間部301、板状部302B、複数の接着部303B,303C及び2つの囲み部405,406を備える。2つの囲み部405,406は、中間部301における箱体外側の端部301Aの周囲を囲む形で取り付けられた外側囲み部405と、中間部301における箱体内側の端部301Bの周囲を囲む形で取り付けられた内側囲み部406と、を含む。
【0115】
外側囲み部405は、一部が中間部301の側面(外周の面)301Cに接着し、他部が中間部301の箱体外側の端部301Aと外側開口部310A1の箱体内側の面310A1Aとに接着する形で折り曲げられている。内側囲み部406は、一部が中間部301の側面301Cに接着し、他部が内壁部310Bの箱体外側の面310B1Bに接着する形で折り曲げられている。2つの囲み部405,406の材料は、特に限定されないが、弾性を有するシート状の樹脂材料でもよく、モルトプレン(登録商標)でもよい。
【0116】
このような冷却貯蔵庫400によると、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に断熱材310Cを充填した場合に、この断熱材310Cが各部の隙間から漏れることを抑制できる。尚、囲み部は、中間部301における箱体外側の端部301A及び箱体内側の端部301Bのうち少なくとも一方の周囲を囲む形で取り付けられたもののみ、配されていてもよい。
【0117】
<実施形態5>
次に、本開示の実施形態5を
図20によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0118】
冷却貯蔵庫500において、孔部525が設けられた壁部512は、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に配された中間構造体510Dを備える。中間構造体510Dは、中間部501、及び2つの囲み部505,506を備える。中間部501は、箱体内外方向(左右方向)に延びる円筒状の筒状部501Aと、筒状部501Aの箱体内側の端部において筒状部501Aの径方向(上下方向)に延びた円盤状のフランジ部501Bと、を備える。筒状部501Aは、側面である外周面501AAと、孔部525を構成する内周面501ABと、を備える。フランジ部501Bは、内壁部310Bに対し接着剤等で接着されていてもよく、例えば上記実施形態3で示したねじ止め等による取付構造により、内壁部310Bに対し箱体外側から取り付けられていてもよい。
【0119】
外側囲み部505は、一部が筒状部501Aの外周面501AAに接着し、他部が外側開口部310A1の箱体内側の面310A1Aに接している。外側囲み部505において箱体内側の面310A1Aに接した部分は、接着されていてもよく、面310A1Aに押し付けられる形で当接していてもよい。内側囲み部506は、フランジ部501Bの周囲を囲む形で取り付けられている。内側囲み部506は、一部が筒状部501Aの外周面501AA及びフランジ部501Bに接着し、他部が内壁部310Bの箱体外側の面に接着する形で折り曲げられている。
【0120】
このような冷却貯蔵庫によると、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に断熱材310Cを充填した場合に、この断熱材310Cが各部の隙間から漏れることをより抑制できる。
【0121】
<実施形態6>
次に、本開示の実施形態6を
図21によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0122】
冷却貯蔵庫600において、孔部625が設けられた壁部612にて、外側開口部310A1の箱体内側の面310A1Aには、ヒータ609が取り付けられている。ヒータ609は、コードヒータとされ、外側開口部310A1を加熱することが可能である。ヒータ609は、外周部609Aと、外周部609Aの内側に配された内周部609Bと、外周部609Aと内周部609Bの端部同士を繋ぐ2つの接続部609Cと、を備え、全体としてC字状をなしている。尚、ヒータ609の形状は、外側開口部310A1の周囲に配された形であれば、特に限定されない。
【0123】
このような冷却貯蔵庫600によると、外側開口部310A1に結露が生じることを抑制できる。外壁部310Aと内壁部310Bとの間に断熱材310Cが配されている場合に、この断熱材310Cに結露の水が浸入することを抑制できる。
【0124】
<実施形態7>
次に、本開示の実施形態7を
図22等によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0125】
冷却貯蔵庫700において、孔部725が設けられた壁部712は、箱体内外方向に延びた円筒状の中間部701と、外側開口部310A1及び内側開口部310B1のそれぞれに取り付けられた2つの環状部702と、を備える。
図22及び
図23に示すように、環状部702は、円盤状の当接部702Aと、当接部702Aから箱体内外方向における内側に立ち上がった円管状の円管部702Bと、を備える。当接部702Aは、壁部の表面(外壁部310Aの箱体外側の面、内壁部310Bの箱体内側の面)に当接している。円管部702Bは、各開口部310A1,310B1から壁部712の内部に挿入されており、断熱材310Cに当接している。
【0126】
中間部701は、孔部725を構成する内周面701Hを備えている。中間部701は、2つの環状部702により箱体内外方向における外側から挟まれている。中間部701は、環状部702の円管部702Bの内周側に当接している。環状部702の当接部702Aの内周部分702A1には、上記実施形態1で示した弾性体25Dの周端部25D1が取り付けられている。
【0127】
このような冷却貯蔵庫700によると、各開口部310A1,310B1や孔部725から外壁部310Aと内壁部310Bとの間に結露の水が浸入することを抑制できる。また、環状部702の大きさや形状を適宜変更すれば、市場に流通した種々の中間部や弾性体を本技術に適用することができる。これにより、簡単で安価な孔部725の周辺構造を有する冷却貯蔵庫700の提供が可能となる。
【0128】
<実施形態8>
次に、本開示の実施形態8を
図24によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0129】
冷却貯蔵庫800において、孔部825が設けられた壁部812は、中間部701と、中間部701の右端部及び外側開口部310A1と、中間部701の左端部及び内側開口部310B1のそれぞれに取り付けられた2つの環状部802と、を備える。環状部802は、円盤状の当接部802Aと、当接部802Aから箱体内外方向における内側に立ち上がった円管状の円管部802Bと、を備える。当接部802Aは、壁部の表面(外壁部310Aの箱体外側の面、内壁部310Bの箱体内側の面)と、中間部701と、に当接している。円管部802Bは、各開口部310A1,310B1から壁部812の内部に挿入されており、中間部701の内周面701Hに当接している。
【0130】
断熱材310Cは、外側開口部310A1と内側開口部310B1とに貫通した貫通部310C1を備える。貫通部310C1は、箱体内外方向に延びた円柱状をなしている。貫通部310C1に、中間部701と2つの環状部802が取り付けられている。
【0131】
このような冷却貯蔵庫800によると、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に充填された断熱材310Cに貫通部310C1を作製し、この貫通部310C1に中間部701と2つの環状部802を取り付けて製造されたものとすることができる。
【0132】
<実施形態9>
次に、本開示の実施形態9を
図25によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0133】
冷却貯蔵庫900において、孔部925が設けられた壁部(右壁部)912は、外壁部910Aと、内壁部910Bと、断熱材910Cと、中間部901と、2つの環状部902と、を備える。各壁部910A,910Bは、それぞれ、壁本体部910A2,910B2と、孔部925の周囲部分(各開口部910A1,910B1の周囲部分)であって壁本体部910A2,910B2よりも箱体内外方向における内側に窪んだ周囲部分910A3,910B3と、を備える。
【0134】
環状部902は、壁部912の表面(外壁部910Aの箱体外側の面、内壁部910Bの箱体内側の面)に当接する円盤状の当接部902Aと、当接部902Aから壁部912の内部側(箱体内外方向における内側)に窪み、環状部902の内周部分を構成する窪み部902Cと、窪み部902Cから壁部912の内部側に延びた円管部902Bと、を備える。弾性体25Dの周端部25D1は、窪み部902Cに取り付けられている。
【0135】
このような冷却貯蔵庫900によると、孔部925が設けられた壁部912の内部側に、弾性体25Dを収める形で窪み部902Cに取り付けることができるので、弾性体25Dが当該壁部912から突き出ることを抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0136】
また、環状部902において、当接部902Aは、各壁部910A,910Bの周囲部分910A3,910B3に当接している。このような冷却貯蔵庫900によると、弾性体25Dと環状部902の当接部902Aが壁部912から突き出ることをより抑制し、意匠性をより向上させることができる。
【0137】
<実施形態10>
次に、本開示の実施形態10を
図26によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0138】
冷却貯蔵庫1000の、底壁部11には、ドレンパン装置1001が取り付けられている。ドレンパン装置1001は、皿状のドレンパン部1002と、底壁部11とドレンパン部1002とを回動可能に接続する蝶番部1003と、を備える。蝶番部1003は、一端部が底壁部11に取り付けられ、他端部がドレンパン部1002に取り付けられている。ドレンパン装置1001は、底壁部11の前端部11Aからドレンパン部1002が前方に突き出した第1状態(実線で示す)と、前端部11Aに近接するようにドレンパン部1002が上方に回動して跳ね上げられた第2状態(鎖線で示す)と、に状態を変更できる。
【0139】
このような冷却貯蔵庫1000によると、ドレンパン装置1001を第1状態にすることで、冷却貯蔵庫1000の扉に生じた結露をドレンパン部1002によって受けることができる。また、ドレンパン装置1001を第2状態にすることで、冷却貯蔵庫1000を移動や運搬する際に、移動等を行う装置(ハンドリフト)とドレンパン部1002とが干渉することを抑制できる。そして、この移動や運搬の際にドレンパン装置1001を取り外す必要が無い。
【0140】
<実施形態11>
次に、本開示の実施形態11を
図27によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0141】
冷却貯蔵庫1100の側壁部12に取り付けられたドレンパン装置1101は、皿状のドレンパン部1102と、側壁部12とドレンパン部1102とを回動可能に接続する2つの接続部1103と、を備える。接続部1103は、一端部が側壁部12に取り付けられ、他端部がドレンパン部1102に取り付けられている。側壁部12は、箱体外側(紙面手前側)に突き出した規制部1104を備える。ドレンパン装置1101は、ドレンパン部1102が底壁部11の前下方に配された第1状態(実線で示す)と、ドレンパン部1102が前端部11Aの前方に配されるように前上方に回動した第2状態(鎖線で示す)と、に状態を変更できる。第1状態では、後方の接続部1103が規制部1104に当接することで、ドレンパン部1102がそれ以上下方に回動することが規制される。このような冷却貯蔵庫1100によると、上記実施形態10と同様の効果を奏することが可能となる。
【0142】
<実施形態12>
次に、本開示の実施形態12を
図30によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0143】
冷却貯蔵庫1400において、機械室1450には、制御部(電装箱)1465と、バッテリー(予備電源)1466と、が設けられている。上記実施形態1において示したスピーカー67は、制御部1465内(電装箱としてのリレーボックス内)に収納されている。バッテリー1466は、上記実施形態1に比して、前方に配されている。バッテリー1466の前面1466Aは、前後方向における位置が、制御部1465の前面1465Aと等しい位置に配されている。バッテリー1466には、図示しないスイッチが配されており、このスイッチにより、バッテリー1466のON又はOFFを切り換えることができる。
【0144】
<実施形態13>
次に、本開示の実施形態13を
図31によって説明する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0145】
冷却貯蔵庫1500は、底壁部1511の四隅の各部の箱体外側(下側)に配され、床面に対し箱体10を移動可能にする4つのキャスタ1535と、各キャスタ1535のそれぞれの側方(左右方向における外側)に配された4つの脚部1536と、を備える。キャスタ1535及び脚部1536は、使用者が冷却貯蔵庫1500を任意の位置に設置し、その後、当該冷却貯蔵庫1500を床面に固定したり当該冷却貯蔵庫1500の水平調整を行ったりするために使用される。また、キャスタ1535及び脚部1536は、使用者が冷却貯蔵庫1500の性能を定期的に確認する際(例えば庫内温度を測定する測定機を設置する際)、冷却貯蔵庫1500を移動させる(ずらす)ときに使用される。
【0146】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0147】
(1)上記実施形態以外にも、箱体の開口方向は適宜変更可能である。例えば、箱体は、左右方向に開口していてもよく、上下方向に開口していてもよい。
【0148】
(2)孔部は、2つの側壁部のうち、一方のみに設けられていてもよい。他にも、孔部は、上壁部、下壁部、及び後壁部のうち、少なくとも一つに設けられていてもよい。孔部は、橋掛部の奥側に配されていればよい。
【0149】
(3)棚部の数、台部の数、及びパーティションの数は、適宜変更可能である。例えば、棚部は上下に2段となるように配されていてもよく、上下に6段となるように配されていてもよい。台部やパーティションは、全ての棚部に配されていてもよい。
【0150】
(4)上実施形態では、箱体内に物品としての薬品を貯蔵する薬用冷却貯蔵庫を示したが、箱体内に貯蔵される物品は特に限定されない。箱体内には、物品として、化学品、食料、又は飲料等が貯蔵されていてもよい。
【0151】
(5)上記実施形態では、冷却貯蔵庫として、4ドア式の縦型冷却貯蔵庫を示したが、これに限定されない。例えば、冷却貯蔵庫としては、2ドア式の縦型冷却貯蔵庫、扉がスライド式の冷蔵ショーケース、又は横型冷却貯蔵庫等でもよい。
【0152】
(6)上記実施形態3以外にも、壁部の構成は適宜変更可能である。例えば、
図28に示すように、冷却貯蔵庫1200において、孔部1225が設けられた壁部(右壁部)1212は、外側開口部310A1の箱体内側に取り付けられた板状部302Aと、内側開口部310B1の箱体外側に取り付けられた板状部302Bと、を備え、中間部301を備えていなくてもよい。この板状部は、外側開口部310A1の箱体内側、及び内側開口部310B1の箱体外側のうちの一方に取り付けられていてもよい。他にも、
図29に示すように、冷却貯蔵庫1300において、孔部1325が設けられた壁部(右壁部)1312は、外壁部310Aと内壁部310Bとの間に配された中間部301を備え、板状部302A,302Bを備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0153】
10…箱体、11,1511…底壁部、12,13…側壁部、15,215…上壁部、16…開口、21,22,23,24…扉、25,26…側壁孔部(孔部)、25D,26D…弾性体、27…上壁孔部、27D…弾性体、28,228…第1目印部、29…扉検出部、229…第2目印部、30…橋掛部、35,1535…キャスタ、36…アジャスタ、1536…脚部、40…冷却器室、42…吸引部、43…冷却器、45…冷却器室側検出部、65,1465…制御部、66,1466…バッテリー、67…スピーカー、69…検出部(貯蔵室側検出部)、70…棚部、71…本体部、74…横棒部(引掛部)、75…側方立上部、76…奥方立上部、80…台部、88…突出部、301,501,701,901…中間部、302A,302B…板状部、303B,303C…第1接着部、303A,303D…第2接着部、310A1…外側開口部(開口部)、310A…外壁部、310B1…内側開口部(開口部)、310B1B…面、310B…内壁部、310C1…貫通部、310C,910C…断熱材、312,412,512,612,712,812,912…孔部が設けられた壁部、325,425,525,625,725,825,925…孔部、405,406,505,506…囲み部、501A…筒状部、501B…フランジ部、609…ヒータ、702,802,902…環状部、702A,802A,902A…当接部、902C…窪み部、910A2,910B2…壁本体部、910A3,910B3…周囲部分、100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400,1500…冷却貯蔵庫、G…床面、S…間隙