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特開2024-104280N-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104280
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】N-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/65 20060101AFI20240726BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240726BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240726BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240726BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240726BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240726BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20240726BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240726BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
A61K8/65
A61K8/37
A61K8/86
A61K8/36
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/55
A61K8/34
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196644
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】P 2023007980
(32)【優先日】2023-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000147213
【氏名又は名称】株式会社成和化成
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正人
(72)【発明者】
【氏名】室屋 陽香
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD152
4C083AD431
4C083AD432
4C083BB04
4C083BB05
4C083CC05
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】 N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩を含有する化粧料において、N-アシル化加水分解コラーゲンのコラーゲン産生促進効果を維持しつつ、肌馴染みのよさやべたつきのなさといった優れた使用感を有し、保存中においても経時的な粘度変化が抑えられたN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料を提供する。
【解決手段】 N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩、特定のノニオン性界面活性剤、特定のアニオン性界面活性剤並びに特定の高級アルコールを含有させてクリーム状の化粧料を構成する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(D)を含むN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料。
(A)N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩から選ばれる1種又は2種以上
(B)ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(C)アニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(D)高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上
【請求項2】
成分(B)がグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、成分(C)がアシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩、アルキルリン酸塩、高級脂肪酸石鹸、成分(D)が炭素数14~22の高級アルコールから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料。
【請求項3】
成分(B)がステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリエチレングリコール、成分(C)がステアロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、ステアロイルグルタミン酸Na、セチルリン酸K、ステアリン酸K、成分(D)がセテアリルアルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料。
















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-アシル化加水分解コラーゲンを含有する保存安定性に優れた化粧料に関する。より詳しくは、(A)N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩、(B)ノニオン性界面活性剤、(C)アニオン性界面活性剤、(D)高級アルコールを組み合わせることで優れた使用感を示し、保存中の粘度変化や分離が抑えられた安定なクリーム状の化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚は、角層、表皮層、基底膜及び真皮から構成されている。真皮はそのうち最も広い体積を占め、皮膚を支える働きを担っている。真皮では、コラーゲンが乾燥重量の約70%を占めており、ハリや弾力に大きく関与している。コラーゲンの減少は、加齢とともに増加するシワやタルミを引き起こす主な原因であることから、皮膚老化の予防や改善のための種々のコラーゲン産生促進物質が使用されている。
【0003】
本発明者らは製造が容易で、かつ、優れたコラーゲン産生促進効果を発揮するコラーゲン産生促進剤として、種々のN-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩を開発し、シワの発生や皮膚の弾力低下の予防を目的とした化粧料への配合などを提案してきた。(特許文献1)
【0004】
しかしながら、N-アシル化加水分解コラーゲンを配合したクリーム状の化粧料を作製する場合には、適度な粘度を有する安定な製剤を作ることが困難であり、また、界面活性剤の種類によっては、肌に適用した場合に、肌馴染みの良さやべたつきのなさといった好ましい使用感が損なわれる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6867668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術のN-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩を含有する化粧料において、肌馴染みのよさやべたつきのなさといった優れた使用感を有し、保存中においても経時的な粘度変化が抑えられたN-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩含有化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩と、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、高級アルコールを組み合わせた化粧料が、肌馴染みのよさやべたつきのなさといった優れた使用感を示し、かつ経時的な粘度変化が抑制された化粧料となることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、その第1として、下記成分(A)~(D)を含有するN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料である。
(A)N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩から選ばれる1種又は2種以上
(B)ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(C)アニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(D)高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上
【0009】
本発明の第2は、前記本発明の第1のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料であって、前記成分(B)がグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、成分(C)がN-アシルメチルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、アルキルリン酸塩、高級脂肪酸石鹸、成分(D)が炭素数14~22の高級アルコールから選ばれることを特徴とする。成分(B)及び(C)が前記活性剤であり、成分(D)が前記高級アルコールである場合には、保存中の経時的な粘度変化を抑制する点でより優れたものとなることから、この好ましい様態に該当するものである。
【0010】
本発明の第3は、前記本発明の第1又は第2のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料であって、成分(B)がステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリエチレングリコール、成分(C)がステアロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、ステアロイルグルタミン酸Na、セチルリン酸K、ステアリン酸K、成分(D)がセテアリルアルコールであることを特徴とする。成分(B)及び(C)が前記活性剤であり、成分(D)が前記高級アルコールである場合には、保存中の経時的な粘度変化を抑制し、肌へ塗布した際に肌馴染みのよさやべたつきのなさといった優れた使用感を有する化粧料となることから、この好ましい様態に該当するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩を含有するクリーム状の化粧料であり、特定の界面活性剤及び高級アルコールを含有することで保存中の経時的な粘度変化が少なく安定性に優れた化粧料となる。さらには、皮膚に適用した場合、N-アシル化加水分解コラーゲンのコラーゲン産生促進効果を維持しつつ、肌馴染みのよさやべたつきのなさといった優れた使用感を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の化粧料を構成する成分(A)N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩、(B)ノニオン性界面活性剤、(C)アニオン性界面活性剤、(D)高級アルコールについて、さらには、本発明の化粧料の形態について、以下具体的に説明する。
【0013】
[成分(A):N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩]
本発明の化粧料に配合する成分(A)のN-アシル化加水分解コラーゲンは、コラーゲンの加水分解物に炭素数8~18の脂肪酸が付加したアシル化誘導体であって、前記特許文献1に記載の方法で製造することができる。
【0014】
前記の脂肪酸とは、炭素数が8~18個の直鎖もしくは分岐鎖を有する飽和又は不飽和の脂肪酸およびそれらの混合物であり、具体的には、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸などが挙げられる。
【0015】
成分(A)のN-アシル化加水分解コラーゲンの塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩などの金属塩や、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などのアンモニウム塩等が挙げられる。
【0016】
成分(A)のN-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩としては、ココイル加水分解コラーゲン塩やイソステアロイル加水分解コラーゲン塩などが挙げられる。中でも高いコラーゲン産生促進効果を実現できることから、ココイル加水分解コラーゲン塩であることが好ましい。
【0017】
このようなN-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩として市販品を用いることができる。例えば、ココイル加水分解コラーゲンKとしてHAZUMI-HADA(商品名、株式会社成和化成製)を使用することができる。
【0018】
N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩の配合量は、本発明の化粧料中に0.01%以上とするのが好ましく、0.03質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、0.5質量%以下とするのが好ましく、0.3質量%以下とするのがより好ましい。配合量が0.01質量%未満では、コラーゲン産生促進効果が十分に発現し難く、一方、0.5質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0019】
[成分(B):ノニオン性界面活性剤]
本発明の化粧料に含有される成分(B)のノニオン性界面活性剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定はされず、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、ポリオキシエチレンヒマシ油等を挙げることができる。
【0020】
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等が挙げられる。
【0021】
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリエチレングリコール、パルミチン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、オレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0022】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ステアリン酸テトラグリセリル、オレイン酸テトラグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、ミリスチン酸ヘキサグリセリル、ステアリン酸ヘキサグリセリル、オレイン酸ヘキサグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ジオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸ジエステル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸トリエステル等が挙げられる。
【0023】
アルキルグルコシドとしては、炭素数6~20のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、ラウリルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、ヘプチルグルコシド、ミリスチルグルコシド、デシルグルコシド、セテアリルグルコシド、オクチルグルコシド、ノニルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド、アラキジルグルコシド、(C12-20)アルキルグルコシド等が挙げられる。
【0024】
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
【0025】
ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、オレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、ミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
【0026】
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
【0027】
成分(B)のノニオン性界面活性剤の中でも、化粧料の経時的な粘度変化を抑制することができる点から、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが用いられ、さらに好ましくはグリセリン脂肪酸エステルとしてステアリン酸グリセリル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしてステアリン酸ポリエチレングリコールを用いることができる。
【0028】
成分(B)のノニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができる。例えば、ステアリン酸グリセリルとしては、NIKKOL MGS-AV(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、ステアリン酸ポリエチレングリコールとしては、NIKKOL MYS-40V(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)等を用いることができる。
【0029】
成分(B)のノニオン性界面活性剤の配合量は、本発明の化粧料中に3.0質量%以上とするのが好ましく、4.0質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、8.0質量%以下とするのが好ましく、6.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が3.0質量%未満では、経時的な安定性を得るのが難しく、一方、8.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0030】
[成分(C):アニオン性界面活性剤]
本発明の化粧料に含有される成分(C)のアニオン性界面活性剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定はされず、例えば、N-アシルメチルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、アルキルリン酸塩、高級脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、ラウロイルカラスムギアミノ酸及びその塩、ココイルリンゴアミノ酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N-アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩等を挙げることができる。
【0031】
N-アシルメチルタウリン塩としては、例えば、N-ココイルメチルタウリン塩、N-ラウロイルメチルタウリン塩、N-ミリストイルメチルタウリン塩、N-パルミトイルメチルタウリン塩、N-ステアロイルメチルタウリン塩等を挙げることができる。
【0032】
N-アシルグルタミン酸塩としては、例えば、N-ココイルグルタミン酸塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-ミリストイルグルタミン酸塩、N-パルミトイルグルタミン酸塩、N-ステアロイルグルタミン酸塩等を挙げることができる。
【0033】
アルキルリン酸塩としては、ラウリルリン酸塩、ミリスチルリン酸塩、セチルリン酸塩、ステアリルリン酸塩等を挙げることができる。
【0034】
前記アシル基、アルキル基としては、直鎖状あるいは分岐鎖状の、飽和あるいは不飽和の、炭素数12~22、好ましくは14以上のものを用いることができる。また、前記塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられ、ナトリウム塩やカリウム塩が特に好ましい。
【0035】
高級脂肪酸石鹸の高級脂肪酸部分としては、直鎖状あるいは分岐鎖状の、飽和あるいは不飽和の、炭素数12~22の脂肪酸であるものを用いることができ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等を挙げることができる。アルカリ部分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、塩基性アミノ酸等を挙げることができる。中和量は高級脂肪酸の等量によって決定される。
【0036】
成分(C)のアニオン性界面活性剤の中でも、化粧料の経時的な粘度変化を抑制し、優れた使用感を発揮させることができる点から、好ましくはN-アシルメチルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、アルキルリン酸塩、高級脂肪酸石鹸が用いられ、さらに好ましくはステアロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、ステアロイルグルタミン酸Na、セチルリン酸K、ステアリン酸Kを用いることができる。
【0037】
成分(C)のアニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、ステアロイルメチルタウリンNaとしては、NIKKOL SMT(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、ミリストイルメチルタウリンNaとしては、NIKKOL MMT(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、ステアロイルグルタミン酸NaとしてはEumulgin SG(商品名、BASFジャパン株式会社製)、セチルリン酸KとしてはアンフィソルK(商品名、DSM株式会社製)等を用いることができる。
【0038】
成分(C)のアニオン性界面活性剤の配合量は、本発明の化粧料中に0.1質量%以上とするのが好ましく、0.5質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、5.0質量%以下とするのが好ましく、3.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が0.1質量%未満では、本発明の化粧料の経時的な安定性の維持や優れた使用感を発揮させることが難しく、一方、5.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0039】
[成分(D):高級アルコール]
本発明の化粧料に含有される成分(D)の高級アルコールとしては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定はされず、炭素数14~22の直鎖脂肪族アルコールであることが好ましく、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、(C14-22)アルコール、(C20-22)アルコール等を挙げることができる。
【0040】
成分(D)の高級アルコールの中でも、化粧料の経時的な粘度変化を抑制し、優れた使用感を発揮させることができる点から、セテアリルアルコールが好ましく用いられる。
【0041】
成分(D)の高級アルコールとしては市販品を用いることができ、例えば、セテアリルアルコールとしては、カルコール 6850(商品名、花王株式会社製)等を用いることができる。
【0042】
成分(D)の高級アルコールの配合量は、本発明の化粧料中に1.0質量%以上とするのが好ましく、2.0質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、8.0質量%以下とするのが好ましく、6.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が1.0質量%未満では、本発明の化粧料の経時的な安定性の維持や優れた使用感を発揮させることが難しく、一方、8.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0043】
本発明のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料に含まれる成分(A)~(D)はそれぞれ1種用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0044】
本発明の化粧料には、前記の成分(A)~(D)に加えて、水を含有する。さらに、化粧料としての効果や安定性等を損なわない限りにおいて、その用途に応じて、通常化粧料に使用される他の成分を広く配合することができる。
【0045】
前記成分(A)~(D)や水の他に通常化粧料に使用される成分として、例えば、成分(D)以外の油剤、成分(B)や(C)以外の界面活性剤、高分子化合物、保湿剤、美白剤、感触改良剤、薬剤、紫外線吸収剤、成分(A)以外のタンパク質、タンパク質加水分解物又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、防腐剤、顔料、着色料、香料等を適宜配合することができる。
【0046】
成分(D)以外の油剤としては、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定はなく、いずれのものも使用することができる。揮発性、非揮発性や、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、油脂、エステル油、高級脂肪酸、シリコーン油、フッ素系油、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、例えば、(C13-15)アルカン、(C15-19)アルカン、(C18-21)アルカン、(C21-28)アルカン、ミネラルオイル、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリイソブテン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、イソヘキサデカン、イソドデカン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、ワセリン、水添ポリファルネセン等の炭化水素油;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ等のロウ類;オリーブ油、ヒマシ油、ツバキ油、コメヌカ油、マカデミアンナッツ油、テオブロマグランジフロルム種子脂、マンゴー種子脂、カカオ脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、ショレアステノプテラ脂、アフリカマンゴノキ核脂、アボカド脂、サラソウジュ種子脂、アストロカリウムムルムル脂、アストロカリウムムルムル種子脂、アストロカリウムツクマ種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、トリチリアエメチカ種子脂、バシアラチホリア種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、水素添加カカオ脂、(マカデミア種子油/水添マカデミア種子油)エステルズ、乳脂等の油脂;ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、(ジイソステアリン酸/水添ロジン酸)グリセリル等の脂肪酸グリセリル;N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2-オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤;イソステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等の鎖状シリコーン油;パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油;ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体が挙げられる。
【0047】
成分(B)や(C)以外の界面活性剤としては、例えば、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩等のアルキルアミン塩、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等の脂肪酸アミドアルキルアミン、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシ-N-ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩、アルキルヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のポリグリセリン変性シリコーン、ジメチルシロキサン・メチルセチルシロキサン共重合体等のシリコーン界面活性剤等が挙げられる。
【0048】
高分子化合物としては、例えば、アクリル酸系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム等のセルロース系増粘剤、キサンタンガム、カエサルピニアスピノサガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、デキストラン等の天然由来の増粘剤、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、カチオンポリマー等の増粘剤やその他の高分子化合物が挙げられる。
【0049】
前記アクリル酸系増粘剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、ポリアクリレート-13、ポリアクリレートクロスポリマー-6、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレーツ)コポリマー、ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸べへネス-25)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25)クロスポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸べへネス-25)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレーツコポリマー、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
【0050】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エトキシジグリコール、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0051】
美白剤としては、例えば、ハイドロキノン、α―アルブチン、β―アルブチン、コウジ酸、コウジ酸ジパルミテート、ニコチン酸アミド、アスタキサンチン、ヒスチジンジチオオクタナミド(Na/亜鉛)、プラセンタエキス、ローズマリーエキス、ルシノール、マグノリグナン、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ローズマリーエキス、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチル塩酸塩、リノール酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、グリセリルアスコルビン酸などのアスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
【0052】
感触改良剤としては、PPG-9ジグリセリル、PEG-11メチルエーテルジメチコン、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、アミロペクチン(アミロース)、アシル化アミノ酸、ポリメタクリル酸メチル、窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属石鹸、シリコーン粉体、ポリメチルメタクリル酸メチル、ジメチルシリル化シリカなどが挙げられる。
【0053】
薬剤としては、肌荒れ防止剤又は抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤又は抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤等も薬剤として挙げることができる。
【0054】
紫外線吸収剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体;パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸-2-エチルヘキシル(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシケイヒ酸誘導体;サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、オクトクリレン(2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸-2-エチルヘキシル)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)、エチルヘキシルトリアゾン及びビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等が挙げられ、また、上記紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルも挙げることができる。
【0055】
成分(A)以外のタンパク質、タンパク加水分解物又はその誘導体としては、例えば、乳タンパク、カゼインタンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウマメタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆タンパク、ゴマタンパク、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク質、これらの加水分解物又は成分(A)を除くタンパク加水分解物のアシル化、グリセリル化、シリル化、カチオン化、アルキルエステル化誘導体等が挙げられる。
【0056】
アミノ酸又はそれらの誘導体としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン等のアミノ酸又はその塩、及びこれらのアシル化、アルキル化、グリセリル化、エステル化誘導体等が挙げられる。
【0057】
酸化防止剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ビタミンE又はその誘導体、タンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
【0058】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、リン酸、クエン酸、フィチン酸、エチドロン酸、グルタミン酸ジ酢酸ナトリウム塩、ペンテト酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0059】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0060】
防腐剤としては、例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール等の1,2-アルカンジオール、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、レブリン酸、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0061】
上記通常化粧料に使用される成分は、1種単独で又は2種以上併用して用いることができる。
【0062】
本発明のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料は、液状、乳液状、ペースト状、クリーム状、ジェル状等の剤型にすることができ、クリーム状、乳液状が好ましい。
【0063】
さらには、本発明のN-アシル化加水分解コラーゲン含有化粧料は様々な化粧料に広く応用することが可能であり、美容液、乳液、化粧下地、アンチエイジングクリーム、エモリエントクリーム、クレンジングクリーム、ハンドクリーム、ボディクリーム、ファンデーション、日やけ止め乳液、日焼け止めクリームなどとして適用することができる。
【実施例0064】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例の表中に記載されている数値は、いずれも化粧料全質量に対する質量%である。
【0065】
実施例1~5及び比較例1、2:アンチエイジングクリームの安定性評価
表1に記載の(a)、及び(b)をそれぞれ加温し、混合した。冷却後、(c)を添加することで、アンチエイジングクリームを調製した。
【0066】
[安定性の評価]
上記で調製したクリームを25℃、50℃の恒温槽に8週間保存し、安定性について下記の評価基準で評価した。粘度測定はブルックフィールドLVT粘度計を用いて行った。その結果を表1に示す。
安定性:
◎: 調製直後に対して粘度変化が±10%未満であった。
〇: 調製直後に対して粘度変化が±10%以上、20%未満であった。
△: 調製直後に対して粘度変化が±20%以上であった。
×: 安定性が悪く、油相と水相が分離した。
【0067】
【表1】
表1中、*1はHAZUMI-HADA(ココイル加水分解コラーゲンKを1質量%含有、商品名、株式会社成和化成製)、*3はeuxyl pe 9010 preservative(商品名、Ashland社製)として配合した。
表1中、*2はステアリン酸(商品名:NAA-172、日油株式会社製)を1%KOH水溶液で中和して調製した(中和率80%)。
【0068】
表1の結果から明らかなように、成分(A)N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩、成分(B)ノニオン性界面活性剤、成分(C)アニオン性界面活性剤、成分(D)高級アルコールを配合した実施例1~5のアンチエイジングクリームは、成分(B)又は(C)が配合されていない比較例1、2と比べて適度な粘度を有しており、さらには保存中の粘度変化が少なく経時安定性に優れていることが明らかとなった。
【0069】
実施例6~10及び比較例3、4:アンチエイジングクリームの官能評価
表1で調製したアンチエイジングクリームを用いて、馴染みやすさおよびべたつき感の2項目について官能評価を実施し、それぞれ実施例6~10及び比較例3、4とした。10人のパネリストの前腕部にそれぞれのアンチエイジングクリームを塗布し、下記の基準に従い評価を行った。
【0070】
[馴染みやすさの評価基準]
2:馴染みが良い。
1:やや馴染みが悪い。
0:馴染みが悪い。
【0071】
[べたつき感の評価基準]
2:べたつきを感じない。
1:ややべたつきを感じる。
0:べたつきを感じる。
【0072】
それぞれの評価結果を合計し下記のように分類した。結果を表2に示す。
◎:15~20点
○:10~14点
△:5~9点
×:0~4点
【0073】
【表2】
【0074】
表2の結果から明らかなように、成分(A)N-アシル化加水分解コラーゲン又はその塩、成分(B)ノニオン性界面活性剤、成分(C)アニオン性界面活性剤、成分(D)高級アルコールを配合した実施例6~10のアンチエイジングクリームは、成分(B)又は(C)が配合されていない比較例3、4と比べて馴染みやすさやべたつき感のなさにおいて優れていることが明らかとなった。