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  • 特開-固有パラメータ較正システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104297
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】固有パラメータ較正システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20240726BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N17/00 200
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024007387
(22)【出願日】2024-01-22
(31)【優先権主張番号】18/100,062
(32)【優先日】2023-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524029149
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・エーイーアイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・トーマス
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA56
5C122FB02
5C122FB06
5C122FB11
5C122FH06
5C122GE11
5C122GE24
5C122GE27
5C122HB05
5C122HB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】問題を克服する、カメラの固有パラメータのための測定システムを提供すること。
【解決手段】カメラの固有パラメータを測定するための装置において、前記カメラを測定位置に配置するための位置決め手段と、光路に沿ってその測定位置にある前記カメラから間隔を置かれており、かつ前記カメラの視野に亘って少なくとも部分的に延在するように配置されているターゲット表面と、測定位置にある前記カメラと前記ターゲット表面との間の前記光路内に配置されているレンズと、前記ターゲット表面から前記レンズを通り抜けて進む光線が、鏡面によって反射されてその測定位置にある前記カメラに到達し、かつその測定位置にある前記カメラによって撮像され得るように、前記光軸に対して傾斜している鏡面と、を含む、装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの固有パラメータを測定するための装置であって、前記カメラは、前記カメラの光軸を中心として中心決めされた視野を有し、前記装置は、
前記カメラを測定位置に配置するための位置決め手段と、
光路に沿ってその測定位置にある前記カメラから間隔を置かれており、かつ前記カメラの視野に亘って少なくとも部分的に延在するように配置されているターゲット表面と、
その測定位置にある前記カメラと前記ターゲット表面との間の前記光路内に配置されているレンズと、
前記ターゲット表面から、次いで前記レンズを通り抜けて進む光線が、鏡面によって反射されてその測定位置にある前記カメラに到達し、かつその測定位置にある前記カメラによって撮像され得るように、前記光軸に対して傾斜している鏡面と、
を含む、装置。
【請求項2】
前記鏡面は、5°から80°までの範囲内の角度だけ、前記光軸に対して傾斜している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記鏡面は、10°から50°までの範囲内の角度だけ、前記光軸に対して傾斜している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記鏡面は、15°から30°までの範囲内の角度だけ、前記光軸に対して傾斜している、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記鏡面は、約20°の角度だけ、前記光軸に対して傾斜している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ターゲット表面は前記光軸と交差し、
前記光線は、
前記光軸から間隔を置かれた、前記ターゲット表面の外側領域から進む外部光線と、
前記光軸に近接した、前記ターゲット表面の中心領域から、次いで前記レンズを通り抜けて進み、前記鏡面によって反射されることなく、その測定位置にある前記カメラに到達し、かつその測定位置にある前記カメラによって撮像され得る内部光線と、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記レンズとその測定位置にある前記カメラとの中間に配置されているダクトを含み、前記ダクトの側壁が前記鏡面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ダクトは複数の隣接する側壁を含み、前記ターゲット表面から、次いで前記レンズを通り抜けて進む光線が、鏡面のうちの1つによって反射されてその測定位置にある前記カメラに到達し、かつその測定位置にある前記カメラによって撮像され得るように、各側壁は、前記光軸に対して傾斜している鏡面を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ターゲット表面は前記光軸に対して直交して延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
検査カメラの固有パラメータを測定する方法であって、前記検査カメラは、前記検査カメラの光軸を中心として中心決めされた視野を有し、
i)前記検査カメラを測定位置に配置するステップと、
ii)光路に沿ってその測定位置にある前記検査カメラから間隔を置かれており、かつ前記検査カメラの視野に亘って少なくとも部分的に延在するように配置されているターゲット表面、
その測定位置にある前記検査カメラと前記ターゲット表面との間の前記光路内に配置されているレンズ、および
前記ターゲット表面から、次いで前記レンズを通り抜けて進む光線が、鏡面によって反射されてその測定位置にある前記検査カメラに到達し、かつその測定位置にある前記検査カメラによって撮像され得るように、前記光軸に対して傾斜している鏡面
を設けるステップと、
iii)前記検査カメラを使用して、前記ターゲット表面から、次いで前記レンズを通り抜けて、前記検査カメラへ進み、検査画像を作り出す光線を撮像するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記ステップiii)において、前記撮像された光線は、反射を経ることなく、前記レンズから前記検査カメラへ直接進んだ光線に加えて、前記鏡面によって反射された光線を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記検査カメラは魚眼レンズを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記測定位置に基準カメラを配置するステップと、
前記基準カメラを使用して、基準画像を得るステップと、
前記基準画像内で可視の特徴を、前記検査画像内の可視の対応する特徴と比較して、前記検査カメラを較正するステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の装置を使用して、カメラの固有パラメータを測定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの固有パラメータを測定するための装置、および検査カメラの固有パラメータを測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、カメラの固有パラメータ(即ち、例えばカメラの姿勢または位置に関連する「外部パラメータ」とは対照的に、カメラ自体と関係があるパラメータ)の測定に関する。そのような固有パラメータ測定は、検査下のカメラが要求品質閾値を満たすかどうかを判定することができ、また、カメラのその後の較正または修正のために使用され得る。
【0003】
従来の固有パラメータ測定システムでは、光学的に識別可能な特徴を有する光学ターゲットが使用され、測定プロセスには、測定されるカメラに関する特徴の位置の正確な知識が必要である。固有パラメータ測定を実施するための3つの主要な方法が存在するが、各々は関係する欠点を有する。
【0004】
i) ザング(Zhang)の方法
この方法は、通常は平面のチェッカーボードの形を取る光学ターゲットを使用するステップと、画像を獲得すると同時に、カメラの視野内でそれを移動させる(または該チェッカーボードに対してカメラを移動させる)ステップとを含む。チェッカーボードの正確な寸法を知ることによって、固有パラメータは該画像から引き出されることが可能である。カメラに対するチェッカーボードの正確な位置は、この測定を実施するのに必要とされない。この方法は中間レンズ、即ちカメラと光学ターゲットとの間の光路内に位置決めされているレンズを含まない。
【0005】
ザング(Zhang)の方法は、カメラまたはチェッカーボードのどちらかを移動させながら、チェッカーボードのいくつかの画像を撮る必要がある。しかし、ボードまたはカメラを移動させることおよび複数の画像を撮ることは、この方法を採用するシステムの処理能力を非常に遅くする可能性がある。また、この種のシステムの空間要求は、チェッカーボードが良好に焦点が合っている状態である必要がありかつ視野全体に亘って延在しなければならないので、大きい視野を有するカメラに関して非常に大きい可能性がある。
【0006】
ii) 複数ターゲット設定
この手法は、6自由度で異なる位置に配置されている一連の平坦な光学ターゲットを使用する。互いおよびカメラの両方に関連する該ターゲットの正確な位置を知ることによって、カメラの固有パラメータは測定され得る。この測定も中間レンズを必要としない。
【0007】
そのような複数ターゲット設定では、通常、もっぱら1つの画像が撮られる必要があるので、ザング(Zhang)の方法と同じ処理能力問題に悩まされない。しかし、該ターゲットは様々な視野および焦点距離用に構成しにくい。例えば、28度視野のカメラでは十分に機能する構成が、200度視野のカメラでは機能しないことが多い。したがって、複数のターゲットは、様々なカメラに関する異なる位置に設定される必要があり、少なくともいくつかのカメラでは、相当な量の空間、通常は最大数平方メートル、を必要とする可能性がある。
【0008】
iii) 中間レンズ手法
この手法は、カメラと光学ターゲットとの間の光路内に位置決めされている中間レンズを使用して、光学ターゲットの画像をカメラに投影することを含む。これは、光学ターゲットの特徴の正確な位置を知るために、該中間レンズの下方に(すなわち、中間レンズとカメラとの間の光路内に)、いくらかの較正、または回折格子の使用を必要とする。それらの特徴の位置が分かったら、固有パラメータ測定が実施され得る。
【0009】
そのような手法は、単一の画像を撮ることによって実施されることが可能であり、さらに、測定装置は検査下のカメラの焦点距離に適応することができるので、それらは比較的小さく保たれ得る。しかし、そのようなシステムは中間レンズの視野に限定される。通常、これは、最大120度まで広がり得るが、例えば魚眼レンズが、この方法を用いて較正することが非常に困難である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題を克服する、カメラの固有パラメータのための測定システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、本目的は、中間レンズの視野を広げる追加の光学部品を備えた、中間レンズに基づくシステムを採用することによって達成される。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、カメラの固有パラメータを測定するための装置であって、該カメラは、カメラの光軸を中心として中心決めされた視野を有し、該装置は、
測定位置にカメラを配置するための位置決め手段と、
光路に沿ってその測定位置にあるカメラから間隔を置かれており、かつカメラの視野に亘って少なくとも部分的に延在するように配置されているターゲット表面と、
その測定位置にあるカメラと該ターゲット表面との間の光路内に配置されているレンズと、
ターゲット表面から、次いで該レンズを通り抜けて進む光線が、鏡面によって反射されてその測定位置にあるカメラに到達し、かつその測定位置にあるカメラによって撮像され得るように、光軸に対して傾斜している鏡面と、を含む、装置が提供されている。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、検査カメラの固有パラメータを測定する方法であって、該検査カメラは、検査カメラの光軸を中心として中心決めされた視野を有し、
i)検査カメラを測定位置に配置するステップと、
ii)光路に沿ってその測定位置にある検査カメラから間隔を置かれており、かつ検査カメラの視野に亘って少なくとも部分的に延在するように配置されているターゲット表面、
その測定位置にある検査カメラとターゲット表面との間の光路内に配置されているレンズ、および
ターゲット表面から、次いで該レンズを通り抜けて進む光線が、鏡面によって反射されてその測定位置にある検査カメラに到達し、その測定位置にある検査カメラによって撮像され得るように、光軸に対して傾斜している鏡面と
を設けるステップと、
iii)検査カメラを使用して、ターゲット表面から、次いでレンズを通り抜けて、検査カメラへ進む光線を撮像するステップと、を含む、方法が提供されている。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様の装置を使用して、カメラの固有パラメータを測定する方法が提供されている。
【0015】
本発明の他の特定の態様および特徴が添付の特許請求の範囲に示されている。
【0016】
ここで、添付の図面(縮尺通りでない)を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による測定装置の概略側面断面図である。
図2】示されている様々な光線を伴う、図1の測定装置の概略側面断面図である。
図3図1の測定装置における使用に適した鏡面ダクトの上方からの概略斜視図である。
図4】本発明による測定装置を使用して得られた、実際の検査画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施形態による測定装置1を側面断面図において概略的に示す。検査カメラ2、即ち該測定装置1によって検査されるカメラが、位置決め手段、この場合は支持体3、によって測定位置に配置されている。図示の実施形態では、カメラ2は、図示のようにその視野が上方へ広がる状態で配置されており、それを中心として視野が中心決めされているその光軸4は図示の垂直軸Zに平行に配置されている。特に検査カメラ2が例えば魚眼レンズを含む場合、該視野は比較的広い可能性がある。チェッカーボードターゲット(例えば図4参照)などの、様々な光学的に識別可能な特徴を含み得るターゲット表面5が、光路(下記参照)に沿ってその測定位置にある検査カメラ2から間隔を置かれて保持されており、かつ検査カメラの視野に亘って少なくとも部分的に延在するように配置されている。前述の「中間レンズ手法」と同様に、レンズ6が、その測定位置にある検査カメラ2とターゲット表面5との間の光路内に配置されている。このレンズ6は、例えば、90~150°の、有利には約120°の視野を有し得る。レンズ6は平面の像面湾曲を有することが理想的であり、縁部において焦点ずれである代わりに、該レンズが平面のターゲット表面5全体を無限焦点付近に保つことを意味する。単なる例として、レンズ6として使用され得る適切な市販のレンズが、ワンストーン(OneStone)社によって設計されているコリメータレンズCL-1223Cである。これはツーピースレンズであり、したがって図1において、レンズ6も2つの部品を含むように示されている。
【0019】
レンズ6はターゲット表面5の画像を無限に投影するのに使用される。固有パラメータ測定の課題のうちの1つが、外部パラメータ、検査カメラ2に対する較正特徴の位置、を、検査カメラ2の固有パラメータから分離することである。ターゲットの画像を無限に投影することによって、ターゲット表面5の画像は並進運動の自由度に固定されたままである。画像に対する唯一の影響は、回転外部パラメータおよび検査カメラ2の固有パラメータに起因する。ターゲット表面5上の特徴の位置は、システム外で正確に測定されている基準カメラ(図示せず)を使用して、較正され得る(下記参照)。それらの特徴の位置を使用して、検査カメラ2の固有パラメータは、ターゲットの1つの画像をキャプチャすることによって測定され得る。
【0020】
さらに、図1に示されている2つのそのような鏡面表面7、8が設けられている、少なくとも1つ鏡面表面が設けられる。ターゲット表面5から、次いでレンズ6を通り抜けて進む光線が、鏡面表面7、8によって反射されてその測定位置にある検査カメラ2に到達し、かつその測定位置にある検査カメラ2によって撮像され得るように、これらは各々光軸4に対して傾斜している。詳細には、検査カメラ2の正常視野の外側にある、ターゲット表面5の外側領域から進み、かつ光軸4から間隔を置かれており、したがって'外部光線'と呼ばれることがある、図1に示されているBなどの光線が、次いでレンズ6を通り抜けて進み(B'で示されている、送られている光線)、鏡面表面7によって反射されて(B"で示されている、反射された光線)、検査カメラ2に到達する。対照的に、光軸4に近接するターゲット表面5の中心領域から、次いでレンズ6を通り抜けて進む(A'で示されている、送られている光線)、図1に示されているAなどの'内部光線'が、任意の鏡面表面7、8によって反射されることなく、その測定位置にある検査カメラ2に到達し、かつその測定位置にある検査カメラ2によって撮像され得る。
【0021】
レンズ6と検査カメラ2との間のそのような傾斜した鏡面表面7、8の導入は、測定システム1の視野を広げるのに役立つ。鏡面表面7、8は、図示のように光軸4に対して傾斜しており、それはレンズ6から来る光線のいくつかの角度をより広い角度に変更する。これは、キャプチャ用の検査カメラ2上へ投影される画像を拡張する。これは、例えば魚眼レンズを備えたものなどの、比較的大きい視野の検査カメラ2の固有パラメータの測定を可能にする。レンズ6が例えば120°の視野を有する場合、そのような鏡面表面7、8の使用は、ひどく高価でありかつ獲得した画像に相当な歪みを加える可能性がある200°のレンズを必要とすることなく、有効視野を約200°に広げることができる。代わりに、鏡面表面7、8の使用が、測定デバイスの視野を広げかつ獲得した画像内の特徴を実際に拡大することができ、それらをより検出し易くかつ基準点としてより使用し易くすることができる。
【0022】
検査カメラ2の光軸4に対して曲げられている鏡面表面7、8は、レンズ6を出る光線を新しい角度で該検査カメラの開口部内へ反射させ、存在する角度の差が、光軸4に対するそれぞれの鏡面表面の傾斜の角度αを倍にする。具体的な例として、αが20°に等しい場合、+/-90°の視野を有する検査カメラ2が、その視覚の最端で50°に対応するターゲット上の特徴を見るであろう。
【0023】
代替的例として、かつ図1を再度参照して、光線B'の傾斜角度βが45°に等しいと仮定する。鏡面表面7の傾斜角度αが20°に等しい場合、反射光線B"の傾斜角度θはβ+2α=85°であろう。
【0024】
図1に示されている測定システム1が、図2に図示されているさらなる効果を生み出すことに留意すべきである。ここで、レンズ6は、ターゲット表面5から進み2つの平行なしかし分離した光線C'およびC"を作り出す光線Cに作用するであろうことが分かる。図示のように、光線C'は直ぐに検査カメラ2へ進み、一方光線C"は、鏡面表面7による反射の後に、検査カメラ2へ進む。該2つの光線C'およびC''は異なる角度で検査カメラの開口部に進入するので、それらは検査カメラ2のセンサの異なる領域に現れる。光線C"は反射と検査カメラ2の比較的高視野にあるという理由との影響下にあるので、それは光線C'よりも大きい歪みを示す。
【0025】
したがって、固有パラメータ較正に使用され得る画像特徴が、ここで、最大200°の視野で検査カメラ画像の全体に亘って現れる。これらの特徴の全ての位置は、前述されている基準カメラを使用して、較正される。
【0026】
このようにして、測定システム1は、既知のレンズに基づく固有パラメータ較正システムの能力を維持して、いかなる変更の必要もなく、低視野を有する検査カメラを測定するが、さらに、例えば最大200度の視野を有する検査カメラが、単一の画像を使用する同じ測定システム1を使用して、測定され得る。この装置は、検査カメラ1台当たり10秒未満のサイクル時間を可能にすることが分かっている。測定システムは小型であり、1平方メートル未満の設置面積を有して具現化され得る。
【0027】
測定システム1はターゲット表面5を移動させるアクチュエータを必要とせず、複数の照明設定およびレンズ設定を必要としないので、これが広視野の固有パラメータ較正のための安価な解決策になる。しかし、任意の検査カメラが測定される前に、測定システム1の位置が固定され測定されるので、精度が損なわれない。
【0028】
上記の例は、光軸4に対して20°で傾斜している鏡面表面を使用しているが、他の傾斜角度も使用され得る。例えば、鏡面表面は、5°~80°の範囲内の、随意に10°~50°の範囲内の、随意に15°~30°の範囲内の、随意に約20°の角度で、光軸に対して傾斜している可能性がある。
【0029】
測定装置1が適切な傾斜鏡面表面を設けられ得る様々な方法が存在する。図3は、図1の測定装置における使用に適した鏡面ダクト11を概略的に示す。このダクト11は、レンズ6とその測定位置にある検査カメラ2との中間に配置されると考えられる。ダクト11は、4つの隣接する側壁を有する、通常は略矩形の設置面積の中空フレーム12を含む。各側壁は、それぞれの鏡を傾斜配向でしっかりと受容するように構成されており、その結果、各それぞれの鏡の該鏡面表面は、必要とされる傾斜角度で、光軸4に対して傾斜している。このようにして、4つの鏡面表面7~10が殆ど完全に光軸4を中心として延在し、その結果、視野は、光軸4に対して直交する全方向に広げられる。鏡面ダクト11は、獲得した画像内にさらなる歪みを導入するが、それらも、前述されている同じ基準カメラの方法を用いて、修正され得る。
【0030】
本発明による測定装置1を使用して得られた実際の検査画像が図4に再生されている。
【0031】
前述の実施形態は単に例示的なものであり、本発明の範囲内の他の可能性および代替案が当業者に明らかになるであろう。例えば、同様の装置が、例えば色検査、焦点検査、グレア検査などの機能を実施するのに使用され得る。
【符号の説明】
【0032】
1 測定装置、測定システム
2 検査カメラ
3 支持体
4 光軸
5 ターゲット表面
6 レンズ
7、8、9、10 鏡面表面
11 ダクト、鏡面ダクト
12 フレーム、中空フレーム
13 検査画像
A 光線、内部光線
A'、B'、B"、C、C'、C" 光線
B 光線、外部光線
α 鏡面表面の傾斜角度
β 光線B'の傾斜角度
θ 光線B"の傾斜角度
Z 垂直軸
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】