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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010436
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】セルロース化合物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240117BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240117BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/37
A61K8/44
A61K8/73
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111768
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】飯間 雄介
(72)【発明者】
【氏名】中島 菜穂子
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・タション
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AC071
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC241
4C083AC341
4C083AC351
4C083AC371
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD041
4C083AD111
4C083AD261
4C083AD262
4C083AD271
4C083AD281
4C083AD282
4C083AD352
4C083BB11
4C083CC02
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】油を含む組成物であって、使用時に清涼感のある質感をもたらしながら、皮膚のツヤを強化することができる組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種の油、(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、(c)少なくとも1種のセルロース化合物、及び(d)水を含む組成物に関する。本発明による組成物は、使用時に清涼感のある質感をもたらしながら、成分(c)が使用されない場合と比較して、皮膚のツヤを強化することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の油、
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、
(c)少なくとも1種のセルロース化合物、及び
(d)水
を含む、組成物。
【請求項2】
前記(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択されるが、但し、
- 前記(i)脂肪アルコール及び前記(ii)脂肪酸が、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- 前記(iii)一価カルボン酸モノエステルが、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- 前記(iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1種の分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- 前記(v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- 前記(vi)乳酸アルキルが、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、直鎖状若しくは分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含む
ことを条件とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記(a)油が、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を少なくとも含む(v)N-アシルアミノ酸エステル、好ましくは以下の一般式(5):
R2-N(R5)-CH(R6)-(CH2)n-COO-R3 (5)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R5は、水素原子、又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
R6は、水素原子、又はヒドロキシル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
nは、0~2の整数を表す)
によって表される(v)N-アシルアミノ酸エステルから選択され、
より好ましくは、前記(a)油がラウロイルサルコシンイソプロピルである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物中の前記(a)油の量が、前記組成物の総重量に対して、0.5重量%~25重量%、好ましくは1重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~15重量%の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記(a)油の量に対する前記(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の重量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記(c)セルロース化合物が、未修飾セルロース及び非イオン性又はアニオン性セルロースエーテルからなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記(c)セルロース化合物が、セルロース、セルロースガム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物中の前記(c)セルロース化合物の量が、前記組成物の総重量に対して、0.01重量%~40重量%、好ましくは0.05重量%~35重量%、より好ましくは0.1重量%~30重量%の範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
120NTU以下、好ましくは90NTU以下、より好ましくは60NTU以下の濁度を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
化粧用組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくはスキンケア化粧用組成物である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
ケラチン物質、好ましくは皮膚を処置するための美容方法であって、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物を前記ケラチン物質に適用する工程を含む、美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のセルロース化合物を含む、組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ツヤのある肌は、中国、日本、及び米国等の多くの国で見られる重要な消費者のニーズの1つである。
【0003】
油性化粧品は、肌のツヤを強化するために使用されてきた。しかしながら、油性化粧品は、使用時に脂っぽい質感等の不快な触感を与えることが多いという技術的難題がある。一方で、一般に、水性化粧品は、脂っぽくなく清涼感のある質感を与えることができる。しかしながら、水性化粧品は、肌のツヤを強化することは難しい。
【0004】
JP-B-3774180(その実施例の項を参照)は、N-アシルサルコシンアルキルエステル、特定のジオール、及び12-ヒドロキシステアリン酸を含むいくつかの特定の皮膚科的組成物を開示している。しかしながら、JP-B-3774180は、肌のツヤを強化するためにセルロース又はセルロース誘導体の使用を教示していない。
【0005】
また、JP-A-2004-75639(その実施例の項を参照)も、粘性油、N-アシルサルコシンアルキルエステル、及び特定のジオールを含むいくつかの特定の皮膚科的組成物を開示している。しかしながら、JP-A-2004-75639は、肌のツヤを強化するためにセルロース又はセルロース誘導体の使用を教示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】JP-B-3774180
【特許文献2】JP-A-2004-75639
【特許文献3】米国特許文献第4,131,576号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968)、Academic Press
【非特許文献2】Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmetics
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、油を含む組成物であって、使用時に清涼感のある質感をもたらしながら、皮膚のツヤを強化することができる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記の目的は、
(a)少なくとも1種の油、
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、
(c)少なくとも1種のセルロース化合物、及び
(d)水
を含む組成物によって達成することができる。
【0010】
(a)油は、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され得るが、但し、
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸は、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルは、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルは、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1種の分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルは、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルは、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、直鎖状若しくは分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含む。
【0011】
(a)油は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を少なくとも含む(v)N-アシルアミノ酸エステル、好ましくは以下の一般式(5):
R2-N(R5)-CH(R6)-(CH2)n-COO-R3 (5)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R5は、水素原子、又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
R6は、水素原子、又はヒドロキシル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
nは、0~2の整数を表す)
によって表される(v)N-アシルアミノ酸エステルから選択され得、
より好ましくは、(a)油はラウロイルサルコシンイソプロピルである。
【0012】
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総重量に対して、0.5重量%~25重量%、好ましくは1重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~15重量%の範囲であってもよい。
【0013】
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0014】
(a)油の量に対する(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の重量比は、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であってもよい。
【0015】
(c)セルロース化合物は、未修飾セルロース及び非イオン性又はアニオン性セルロースエーテルからなる群から選択することができる。
【0016】
(c)セルロース化合物は、セルロース、セルロースガム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0017】
本発明による組成物中の(c)セルロース化合物の量は、組成物の総重量に対して、0.01重量%~40重量%、好ましくは0.05重量%~35重量%、より好ましくは0.1重量%~30重量%の範囲であってもよい。
【0018】
本発明による組成物は、120NTU以下、好ましくは90NTU以下、より好ましくは60NTU以下の濁度を有し得る。
【0019】
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくはスキンケア化粧用組成物であってもよい。
【0020】
本発明はまた、ケラチン物質、好ましくは皮膚を処置するための美容方法であって、本発明による組成物を適用する工程を含む、美容方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
鋭意検討の結果、本発明者等は、油を含み、使用時に清涼感のある質感をもたらしながら、肌のツヤを強化することができる組成物を提供することが可能であることを発見した。
【0022】
したがって、本発明は、
(a)少なくとも1種の油、
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、
(c)少なくとも1種のセルロース化合物、及び
(d)水
を含む組成物に関する。
【0023】
本発明による組成物は、油を含み、使用時に清涼感のある質感をもたらしながら、成分(c)が使用されない場合と比較して、皮膚のツヤを強化することができる。
【0024】
(c)少なくとも1種のセルロース化合物は、皮膚のツヤのエンハンサーとして機能することができる。
【0025】
本発明による組成物は、少なくとも1種の油を含む。これに応じて、本発明による組成物は、皮膚に適用したとき、皮膚のツヤを強化することができる。
【0026】
本発明による組成物は、比較的多量の油を含むことができる。したがって、本発明による組成物は、比較的多量の油から誘導されるより良好な美容効果、例えば更に強化された皮膚のツヤをもたらすことができる。
【0027】
本発明による組成物はまた、使用時に、清涼感のある質感も与えることができる。そのため、本発明による組成物は、脂っぽい質感をより抑えることができる。
【0028】
本発明による組成物は、温度変化、例えば、高温から低温への変化又はその逆の下でも、均一な外観を維持しながら一切の相分離を生じないように、経時的に安定性でありうる。
【0029】
本発明による組成物は、透明又はやや半透明でありうるが、好ましくは透明である。
【0030】
本発明による組成物は、一切の界面活性剤を含む必要がない。そのため、組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総重量に対して、1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下等に限定されうる。本発明による組成物は、界面活性剤を含まないことが最も好ましい。
【0031】
界面活性剤は、皮膚に対して脂っぽい質感及び刺激を与えうることは周知である。
【0032】
したがって、本発明による組成物が、限定された量の界面活性剤しか含まない場合、本発明による組成物は、脂っぽい質感を更に抑えることができる。
【0033】
加えて、本発明による組成物が、限定された量の界面活性剤しか含まない場合、本発明による組成物は、皮膚への刺激を低減できる。
【0034】
以下に、本発明による組成物を、より詳細に説明する。
【0035】
[油]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の油を含んでもよい。2種以上の油が使用される場合、これらは同じであっても、異なってもよい。
【0036】
ここでは、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)において、液体又はペースト(非固体)の形態である脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧品で一般に使用されるものを、単独で又はそれらの組合せで使用することができる。これらの油は、揮発性であっても、不揮発性であってもよい。
【0037】
(a)油は、炭化水素油、シリコーン油等の非極性油;植物油若しくは動物油、及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油;又はこれらの混合物であってもよい。
【0038】
(a)油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油、及び脂肪アルコールからなる群から選択することができる。
【0039】
植物油の例として、例えば、アマニ油、カメリア油、マカデミアナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、ベニバナ油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0040】
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
【0041】
合成油の例として、アルカン油、例えば、イソドデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、並びに人工トリグリセリドを挙げることができる。
【0042】
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状C1~C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状C1~C26脂肪族一価アルコール又は多価アルコールとの液状エステルであり、エステルの炭素原子の総数は10以上である。
【0043】
好ましくは、一価アルコールのエステルの場合、本発明のエステルが誘導されるアルコール及び酸の中からの少なくとも1種は、分枝状である。
【0044】
一酸と一価アルコールとのモノエステルの中でも、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
【0045】
C4~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1~C22アルコールとのエステル、並びにモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はトリカルボン酸と、非糖C4~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ、又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルも使用してもよい。
【0046】
特に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
【0047】
エステル油として、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。用語「糖」が、アルデヒド又はケトン官能基を含む又は含まない、且つ少なくとも4個の炭素原子を含む、いくつかのアルコール官能基を含有する、酸素を保持する炭化水素系化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖、又は多糖であってもよい。
【0048】
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにこれらの誘導体、とりわけアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてメチルグルコースが含まれる。
【0049】
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、前述の糖と、直鎖状若しくは分枝状の飽和若しくは不飽和C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸とのエステル又はエステルの混合物を含む群から選択されうる。これらの化合物は、不飽和である場合、1から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有することができる。
【0050】
この変形形態によるエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、及びポリエステル、並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0051】
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル、及びアラキドン酸エステル、又はこれらの混合物、例えばとりわけ、オレオパルミチン酸、オレオステアリン酸、及びパルミトステアリン酸の混合エステル、並びにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルであってもよい。
【0052】
より詳細には、モノエステル及びジエステル、とりわけスクロース、グルコース、又はメチルグルコースのモノオレイン酸エステル又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、及びオレオステアリン酸エステルが使用される。
【0053】
挙げることができる例は、ジオレイン酸メチルグルコースである、Amerchol社により名称Glucate(登録商標) DOで販売されている製品である。
【0054】
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0055】
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
【0056】
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えば、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0057】
好ましくは、シリコーン油は、液状ポリジアルキルシロキサン、とりわけ、液状ポリジメチルシロキサン(PDMS)、及び少なくとも1つのアリール基を含む液状ポリオルガノシロキサンから選択される。
【0058】
これらのシリコーン油はまた、有機変性されていてよい。本発明に従って使用することができる有機変性シリコーンは、上に定義したシリコーン油であり、構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1つ以上の有機官能基を含む。
【0059】
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968)、Academic Pressにおいて、より詳細に定義されている。これらは、揮発性であっても、不揮発性であってもよい。
【0060】
揮発性である場合、シリコーンは、より詳細には、60℃から260℃の間の沸点を有するものから選択され、より一層詳細には、以下から選択される:
(i)3~7個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にUnion Carbide社によりVolatile Silicone(登録商標) 7207又はRhodia社によりSilbione(登録商標) 70045 V2の名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社によりVolatile Silicone(登録商標) 7158、Rhodia社によりSilbione(登録商標) 70045 V5の名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社によりSilsoft 1217の名称で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン等のタイプのシクロコポリマー、例えば、次式の、Union Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標) FZ 3109を挙げることもできる。
【0061】
【化1】
【0062】
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物も挙げることができ、並びに
(ii)2~9個のケイ素原子を含有し、25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状の揮発性ポリジアルキルシロキサンもまた挙げることができる。例は、特にToray Silicone社により名称SH 200で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この部類に属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsに公表されている論文にも記載されている。該シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って25℃で測定されている。
【0063】
不揮発性ポリジアルキルシロキサンも使用してもよい。これらの不揮発性シリコーンは、より詳細にはポリジアルキルシロキサンから選択され、その中では、主としてトリメチルシリル末端基を含有するポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
【0064】
これらのポリジアルキルシロキサンの中でも、以下の市販製品を非限定的に挙げることができる:
- Rhodia社により販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例としては70 047 V 500 000油、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば粘度60,000mm2/sのDC200、並びに
- General Electric社製のViscasil(登録商標)油、及びGeneral Electric社製のSFシリーズの特定の油(SF 96、SF 18)。
【0065】
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られる、ジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製の48シリーズの油も挙げることができる。
【0066】
アリール基を含有するシリコーンの中でも、ポリジアリールシロキサン、とりわけポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーン油を挙げることができる。
【0067】
フェニルシリコーン油は、次式のフェニルシリコーンから選択されうる。
【0068】
【化2】
【0069】
(式中、
R1~R10は、互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基、好ましくはC1~C12炭化水素系基、より好ましくはC1~C6炭化水素系基、特にメチル、エチル、プロピル、又はブチル基であり、
m、n、p、及びqは、互いに独立して、0~900(端数を含む)、好ましくは0~500(端数を含む)、より好ましくは0~100(端数を含む)の整数であるが、
但し、和n+m+qは0以外の整数である)
【0070】
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品がある:
- Rhodia社製のSilbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社製のRhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製の油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid、
- Bayer社製のPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20、
- General Electric社製のSFシリーズの特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
【0071】
フェニルシリコーン油として、フェニルトリメチコン(上式中、R1~R10はメチルであり、p、q及びn=0であり、m=1である)が好ましい。
【0072】
有機変性液状シリコーンは、とりわけ、ポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基を含有しうる。そのため、信越化学工業株式会社によって提案されているシリコーンKF-6017、及びUnion Carbide社製の油Silwet(登録商標)L722及びL77を挙げることができる。
【0073】
炭化水素油は、以下から選択されうる:
- 直鎖状又は分枝状、任意選択で環状のC6~C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例としてはイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカン;及び
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば、流動パラフィン、液状ワセリン、ポリデセン及び水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、及びスクアランを含む。
【0074】
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば、イソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、及びナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0075】
脂肪アルコールにおける「脂肪」という用語は、比較的多数の炭素原子の包含を意味する。そのため、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールが、脂肪アルコールの範囲内に包含される。脂肪アルコールは、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂肪アルコールは、直鎖状であっても、分枝状であってもよい。
【0076】
脂肪アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、4~40個の炭素原子、好ましくは6~30個の炭素原子、より好ましくは12~20個の炭素原子を含有する、飽和及び不飽和で、直鎖状及び分枝状の基から選択される)を有しうる。少なくとも1つの実施形態では、Rは、C12~C20アルキル基及びC12~C20アルケニル基から選択されうる。Rは、少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されていても、されていなくてもよい。
【0077】
脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0078】
脂肪アルコールは飽和脂肪アルコールであることが好ましい。
【0079】
したがって、脂肪アルコールは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和C6~C30アルコール、好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和C6~C30アルコール、より好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和C12~C20アルコールから選択することができる。
【0080】
用語「飽和脂肪アルコール」は、本明細書では、長鎖の脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪アルコールは、任意の直鎖状又は分枝状の飽和C6~C30脂肪アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分枝状の飽和C6~C30脂肪アルコールの中で、直鎖状又は分枝状の飽和C12~C20脂肪アルコールが、好ましく使用されうる。任意の直鎖状又は分枝状の飽和C16~C20脂肪アルコールを、より好ましくは使用することができる。分枝状C16~C20脂肪アルコールが、より一層好ましく使用されうる。
【0081】
飽和脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、又はこれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)、及びベヘニルアルコールを、飽和脂肪アルコールとして使用することができる。
【0082】
少なくとも1つの実施形態によれば、本発明による組成物中に使用される脂肪アルコールは、好ましくは、セチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物から選択される。
【0083】
(a)油は、600g/mol未満の分子量を有する油から選択されることもまた好ましい。
【0084】
好ましくは、(a)油は、600g/mol未満等の低分子量を有し、炭化水素短鎖(C1~C12)を有するエステル油(例えば、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル及びパルミチン酸エチルヘキシル)、シリコーン油(例えば、シクロヘキサシロキサン等の揮発性シリコーン)、炭化水素油(例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン及びスクアラン)、分枝状及び/又は不飽和の脂肪アルコール(C12~C30)タイプの油、例えばオクチルドデカノール及びオレイルアルコール、並びにジカプリリルエーテル等のエーテル油の中から選択される。
【0085】
以下、(a)油の好ましい実施形態を説明する。
【0086】
(a)油は、以下の条件下で、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択される:
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸は、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルは、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルは、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの、好ましくは2つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルは、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルは、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、直鎖状若しくは分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含む。
【0087】
本明細書において、「アルキル基」は、直鎖状又は分枝状の一価飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0088】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基として、例えば、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、及びn-エイコシル基を挙げることができる。
【0089】
4~30個の炭素原子を有する分枝状アルキル基として、例えば、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基を挙げることができる。
【0090】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基として、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、及びイソデシル基を挙げることができる。
【0091】
本明細書において、「アルケニル基」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖状又は分枝状の一価不飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0092】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状アルケニル基として、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、ヘプタジエニル基、ヘプタトリエニル基、オクテニル基、オクタジエニル基、オクタトリエニル基、ノネニル基、ノナジエニル基、ノナトリエニル基、デセニル基、デカジエニル基、デカトリエニル基、ウンデセニル基、ウンデカジエニル基、ウンデカトリエニル基、ドデセニル基、ドデカジエニル基、ドデカトリエニル基、トリデセニル基、トリデカジエニル基、トリデカトリエニル基、テトラデセニル基、テトラデカジエニル基、テトラデカトリエニル基、ペンタデセニル基、ペンタデカジエニル基、ペンタデカトリエニル基、ヘキサデセニル基、ヘキサデカジエニル基、ヘキサデカトリエニル基、ヘプタデセニル基、ヘプタデカジエニル基、ヘプタデカトリエニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、オクタデカトリエニル基、ノナデセニル基、ノナデカジエニル基、ノナデカトリエニル基及びエイコセニル基を挙げることができる。
【0093】
4~30個の炭素原子を有する分枝状アルケニル基として、例えば、イソブテニル基、sec-ブテニル基、イソペンテニル基、イソヘプテニル基、イソオクテニル基、イソノネニル基、イソデセニル基、イソデカジエニル基、イソデカトリエニル基、イソウンデセニル基、イソウンデカジエニル基、イソウンデカトリエニル基、イソドデセニル基、イソドデカジエニル基、イソドデカトリエニル基、イソトリデセニル基、イソトリデカジエニル基、イソトリデカトリエニル基、イソテトラデセニル基、イソテトラデカジエニル基、イソテトラデカトリエニル基、イソペンタデセニル基、イソペンタデカジエニル基、イソペンタデカトリエニル基、イソヘキサデセニル基、イソヘキサデカジエニル基、イソヘキサデカトリエニル基、イソヘプタデセニル基、イソヘプタデカジエニル基、イソヘプタデカトリエニル基、イソオクタデセニル基、イソオクタデカジエニル基、イソオクタデカトリエニル基、イソノナデセニル基、イソノナデカジエニル基、イソノナデカトリエニル基及びイソエイコセニル基を挙げることができる。
【0094】
本明細書において、「アシル基」は、R-CO-を指し、式中、Rは、直鎖状又は分枝状の一価飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基)を示す。
【0095】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基として、例えば、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec-ブタノイル基、tert-ブタノイル基、n-ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ネオペンタノイル基、n-ヘキサノイル基、イソヘキサノイル基、ネオヘキサノイル基、n-ヘプタノイル基、イソヘプタノイル基、ネオヘプタノイル基、n-オクタノイル基、イソオクタノイル基、n-ノナノイル基、イソノナノイル基、n-デカノイル基、イソデカノイル基、n-ウンデカノイル基、イソウンデカノイル基、n-ドデカノイル基(ラウロイル基)、イソドデカノイル基、n-トリデカノイル基、イソトリドデカノイル基、n-テトラデカノイル基(ミリストイル基)、イソテトラデカノイル基、n-ペンタデカノイル基、イソペンタデカノイル基、n-ヘキサデカノイル基(パルミトイル基)、イソヘキサデカノイル基、n-ヘプタデカノイル基、イソヘキサデカノイル基、n-オクタデカノイル基(ステアロイル基)、イソオクタデカノイル基、n-ノナデカノイル基、イソノナデカノイル基、n-エイコサノイル基、及びイソエイコサノイル基を挙げることができる。
【0096】
(i)脂肪アルコールは、以下の一般式(1)によって表されうる:
R1-OH (1)
(式中、
R1は、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)。
【0097】
それぞれ4~30個の炭素原子を有する分枝状アルキル基及び直鎖状又は分枝状アルケニル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0098】
式(1)で表される(i)脂肪アルコールとして、例えば、2-エチルヘキサノール、パルミトレイルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルシルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0099】
(i)脂肪アルコールは、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0100】
(ii)脂肪酸は、以下の一般式(2)によって表されうる:
R1-COOH (2)
(式中、
R1は、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)。
【0101】
それぞれ4~30個の炭素原子を有する分枝状アルキル基及び直鎖状又は分枝状アルケニル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0102】
式(2)で表される(ii)脂肪酸として、例えば、イソカプロン酸、イソノナン酸、クロトン酸、イソラウリル酸、ミリストレイン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ネルボン酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0103】
(ii)脂肪酸は、イソステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0104】
(iii)一価カルボン酸モノエステルは、以下の一般式(3)によって表されうる:
R2-COO-R3 (3)
(式中、
R2は、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表す)。
【0105】
それぞれ4~30個の炭素原子を有する分枝状アルキル基及び直鎖状又は分枝状アルケニル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0106】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0107】
式(3)によって表される(iii)一価カルボン酸モノエステルとして、例えば、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0108】
(iii)一価カルボン酸モノエステルは、イソステアリン酸イソプロピルであることが好ましい。
【0109】
(iv)二価カルボン酸ジエステルは、以下の一般式(4)によって表されうる:
R2-OC(=O)-R4-C(=O)O-R3 (4)
(式中、
R2及びR3は、独立して、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R4は、6~18個、好ましくは6~14個。より好ましくは6~10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基を表す)。
【0110】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0111】
2~10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基の例として、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、及びデカニレン基を挙げることができる。
【0112】
(iv)二価カルボン酸ジエステルは、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0113】
(v)N-アシルアミノ酸エステルは、以下の一般式(5):
R2-N(R5)-CH(R6)-(CH2)n-COO-R3 (5)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R5は、水素原子、又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
R6は、水素原子、又はヒドロキシル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
nは、0~2の整数を表す)
によって表されうる。
【0114】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0115】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0116】
1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基の例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基を挙げることができる。
【0117】
式(5)によって表される(v)N-アシルアミノ酸エステルとして、例えば、N-カプリロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-カプリノイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシンイソプロピルエステル(N-ココイルサルコシンイソプロピルエステル)、N-ミリストイルサルコシンイソプロピルエステル、N-パルミトイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ステアロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-カプリロイルサルコシンイソブチルエステル、N-カプリノイルサルコシンイソブチルエステル、N-ラウロイルサルコシンイソブチルエステル、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシンイソブチルエステル(N-ココイルサルコシンイソブチルエステル)、N-ミリストイルサルコシンイソブチルエステル、N-パルミトイルサルコシンイソブチルエステル、N-ステアロイルサルコシンイソブチルエステル、N-カプリロイルグリシンイソプロピルエステル、N-カプリノイルグリシンイソプロピルエステル、N-ラウロイルグリシンイソプロピルエステル、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンイソプロピルエステル(N-ココイルグリシンイソプロピルエステル)、N-ミリストイルグリシンイソプロピルエステル、N-パルミトイルグリシンイソプロピルエステル、N-ステアロイルグリシンイソプロピルエステル、N-カプリロイルアラニンイソプロピルエステル、N-カプリノイルアラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイルアラニンイソプロピルエステル、N-ヤシ油脂肪酸アシルアラニンイソプロピルエステル(N-ココイルアラニンイソプロピルエステル)、N-ミリストイルアラニンイソプロピルエステル、N-パルミトイルアラニンイソプロピルエステル、N-ステアロイルアラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイル-β-アラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンイソプロピルエステル、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-メチル-β-アラニンイソプロピルエステル(N-ココイル-N-メチル-β-アラニンイソプロピルエステル)等を挙げることができる。
【0118】
(v)N-アシルアミノ酸エステルは、ラウロイルサルコシンイソプロピルであることが好ましい。ラウロイルサルコシンイソプロピルとして、味の素株式会社製のEldew(登録商標)SL-205等の市販製品が使用されうる。
【0119】
(vi)乳酸アルキルは、以下の一般式(6)によって表されうる:
CH3-C(OH)-COO-R7 (6)
(式中、
R7は、それぞれ、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する、直鎖状若しくは分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)。
【0120】
それぞれ4~30個の炭素原子を有する分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基の例として、上記のものを挙げることができる。
【0121】
式(6)によって表される(vi)乳酸アルキルの例として、例えば、乳酸カプリル、乳酸カプリリル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸パルミチル、乳酸ステアリル、乳酸イソステアリル、乳酸オレイル、及び乳酸リノレイルを挙げることができる。
【0122】
(vi)乳酸アルキルは、乳酸ラウリル、乳酸イソステアリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0123】
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総重量に対して、0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上であってもよい。
【0124】
一方、本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総重量に対して、25重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下であってもよい。
【0125】
そのため、本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総重量に対して、0.5重量%~25重量%、好ましくは1重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~15重量%であってもよい。
【0126】
[ジオール]
本発明による組成物は、(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールを含む。(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する2種以上のジオールを使用してもよい。
【0127】
用語「ジオール」は、本明細書では、2つのアルコール官能基を有する化合物を意味する。換言すれば、ジオールは、2つのヒドロキシル基を有するアルコールである。
【0128】
炭素鎖中の炭素原子の数は、10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下であってもよい。炭素鎖中の炭素原子の数は5又は6であることが更により好ましいことがある。
【0129】
成分(b)中の3個以上の炭素原子を含む炭素鎖は、直鎖状であっても、分枝状であってもよい。炭素鎖は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子等のヘテロ原子によって中断され得ない。そのため、炭素鎖は、連続的炭素原子を含みうる。
【0130】
成分(b)中の3個以上の炭素原子を含む炭素鎖の数は、1又は2であることが好ましいことがある。
【0131】
成分(b)中の炭素原子の総数は5以上であってもよい。成分(b)中の炭素原子の総数は、10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下であってもよい。成分(b)中の炭素原子の総数は5又は6であることが更により好ましいことがある。
【0132】
(b)3個以上(好ましくは8個以下、より好ましくは6個以下)の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、二価の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有しうる。成分(b)中に存在しうる二価の直鎖状又は分枝状炭化水素基は、飽和であっても、不飽和であってもよい。(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、二価の直鎖状又は分枝状飽和炭化水素基、より好ましくは直鎖状又は分枝状アルキレン基、例えばプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基を含むことが好ましい。
【0133】
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、3個以上の炭素原子を含む炭素鎖を有する限り、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有しうる。
【0134】
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、2つのヒドロキシル基を含む、C3~10ジオール、好ましくはC4~8ジオール、より好ましくはC5~6ジオールであってもよい。
【0135】
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0136】
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましい。ペンチレングリコールが最も好ましい。
【0137】
本発明による組成物中の(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量は、組成物の総重量に対して、20重量%以上、好ましくは25重量%以上、より好ましくは30重量%以上でありうる。
【0138】
その一方で、本発明による組成物中の(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量は、組成物の総重量に対して、60重量%以下、好ましくは55重量%以下、より好ましくは50重量%以下でありうる。
【0139】
本発明による組成物中の(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量は、組成物の総重量に対して、20重量%~60重量%、好ましくは25重量%~55重量%、より好ましくは30重量%~50重量%でありうる。
【0140】
[ジオール/油の重量比]
(a)油の量に対する(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の重量比は、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であってもよい。
【0141】
その一方で、(a)油の量に対する(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の重量比は、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であってもよい。
【0142】
そのため、(a)油の量に対する(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の重量比は、4~20、好ましくは5~15、より好ましくは6~10であってもよい。
【0143】
[セルロース化合物]
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種のセルロース化合物を含む。2種以上の(c)セルロース化合物を使用してもよい。
【0144】
(c)セルロース化合物は、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性ポリマーであってもよい。
【0145】
用語「セルロース」化合物とは、本発明によれば、β-1,4結合を介して共に結合されたグルコース残基の配列をその構造中に有する任意の多糖類化合物を意味し、非置換セルロース、並びにアニオン性、カチオン性、両性及び非イオン性セルロース誘導体が挙げられる。
【0146】
そのため、(c)セルロース化合物は、例えば、微結晶の形態のものを含めた非置換セルロース、並びにセルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースエステルエーテル及びこれらの混合物から選択されうる。セルロースエステルの中でも、セルロースの無機エステル(硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等)、有機セルロースエステル(セルロースモノアセテート、トリアセテート、アミドプロピオネート、アセテートブチレート、アセテートプロピオネート、及びアセテートトリメリテート等)、及びセルロースの混合有機/無機エステル、例えばセルロースアセテートブチレートスルフェート及びセルロースアセテートプロピオネートスルフェートを挙げることができる。セルロースエステルエーテルの中でも、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び硫酸エチルセルロースを挙げることができる。
【0147】
本発明の特定の一実施形態によれば、(c)セルロース化合物は、非会合性(non-associative)である。「非会合性」セルロース化合物は、その構造中に、脂肪鎖を一切含まない、好ましくはC10~C30鎖を一切含まないセルロースポリマーである。
【0148】
第1の変形形態によれば、(c)セルロース化合物は非イオン性である。(C1~C4)アルキルセルロース、例えばメチルセルロース及びエチルセルロース、例えばDow Chemical社製のEthocel standard 100 Premium;(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社製のNatrosol 250 HHR及びヒドロキシプロピルセルロース、例えばAqualon社製のKlucel EF;混合(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキル-(C1~C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばDow Chemical社製のMethocel E4M;ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、例えばAkzo Noble社製のBermocoll E 481 FQ及びヒドロキシブチルメチルセルロースを挙げることができる。
【0149】
第2の変形形態によれば、(c)セルロース化合物はアニオン性である。アニオン性セルロースエーテルの中でも、(ポリ)カルボキシ(C1~C4)アルキルセルロース及びその塩を挙げることができる。例として、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース(例えばAqualon社製のBlanose 7M)及びカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、並びにこれらのナトリウム塩を挙げることができる。
【0150】
第3の変形形態によれば、(c)セルロース化合物はカチオン性である。カチオン性セルロースの中でも、特に米国特許文献第4,131,576号の特許文献に記載されている、カチオン性セルロース誘導体、例えば水溶性の第4級アンモニウムモノマーでグラフト化されたセルロースコポリマー又はセルロース誘導体、例えば(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキルセルロース、例としては特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフト化された、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピルセルロースを挙げることができる。この定義に相当する市販製品は、より具体的には、National Starch社により名称Celquat(商標登録)L 200及びCelquat(商標登録)H 100で販売されている製品である。
【0151】
本発明の別の特定の実施形態によれば、(c)セルロース化合物は、会合性である。「会合性」セルロース化合物は、その構造中に、任意の脂肪鎖を含む、好ましくはC10~C30鎖を含むセルロースポリマーである。
【0152】
会合性セルロース化合物は、カチオン性であってもよい。これらのカチオン性会合性セルロース化合物の中でも、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル若しくはアルキルアリール基等の少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾された四級化(ポリ)ヒドロキシエチルセルロース又はこれらの混合物が好ましい。上記の四級化セルロース又はヒドロキシエチルセルロースに担持されるアルキル基は、好ましくは8~30個の炭素原子を含む。アリール基は、好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基又はアントリル基を示す。C8~C30脂肪鎖を有する四級化アルキルヒドロキシエチルセルロースの例として、Aqualon社から販売されている製品Quatrisoft LM 200a、Quatrisoft LM-X-529-18-Aa、Quatrisoft LM-X 529-18-Ba(C12アルキル)及びQuatrisoft LM-X 529-8a(C18アルキル)、Croda社から販売されている製品Crodacel QMa、Crodacel QLa(C12アルキル)及びCrodacel QSa(C18アルキル)、並びにAqualon社から販売されている製品Softcat SL 100aが示されうる。
【0153】
会合性セルロース化合物は、非イオン性であってもよい。これらの非イオン性会合性セルロース化合物の中でも、アルキル、アリールアルキル若しくはアルキルアリール基等の少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されているセルロース若しくはその誘導体又はこれらの混合物が好ましく、ここで、アルキル基は、C8~C30アルキル基、具体的には、非イオン性アルキルヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社により販売されている製品Natrosol Plus Grade 330 CS及びPolysurf 67(C16アルキル);非イオン性ノノキシニル(nonoxynyl)ヒドロキシエチルセルロース、例えばAmerchol社により販売されている製品Amercell HM-1500;非イオン性アルキルセルロース、例えばBerol Nobel社により販売されている製品Bermocoll EHM 100である。
【0154】
(c)セルロース化合物は、好ましくは非イオン性又はアニオン性であってもよく、脂肪鎖(非会合性、非イオン性又はアニオン性アルキルセルロースポリマー)を含まなくてもよい。好ましくは、本発明において有用でありうる(c)セルロース化合物は、非イオン性セルロースエーテル、例えば(C1~C4)アルキルセルロース、(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキルセルロース、(ポリ)ヒドロキシ(C1~C4)アルキル-(C1~C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、並びにアニオン性セルロース、例えばカルボキシメチルセルロース、特にカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される。
【0155】
(c)セルロース化合物は、未修飾セルロース及び非イオン性又はアニオン性セルロースエーテルからなる群から選択されることが好ましい。
【0156】
(c)セルロース化合物は、セルロース、セルロースガム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましい。
【0157】
本発明による組成物中の(c)セルロース化合物の量は、組成物の総重量に対して、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上でありうる。
【0158】
その一方で、本発明による組成物中の(c)セルロース化合物の量は、組成物の総重量に対して、40重量%以下、好ましくは35重量%以下、より好ましくは30重量%以下であってもよい。
【0159】
そのため、本発明による組成物中の(c)セルロース化合物の量は、組成物の総重量に対して、0.01重量%~40重量%、好ましくは0.05重量%~35重量%、より好ましくは0.01重量%~30重量%であってもよい。
【0160】
[水]
本発明による組成物は、(d)水を含む。
【0161】
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総重量に対して、10重量%以上、好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上であってもよい。
【0162】
その一方で、本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総重量に対して、80重量%以下、好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%以下であってもよい。
【0163】
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総重量に対して、10重量%~80重量%、好ましくは15重量%~75重量%、より好ましくは20重量%~60重量%の範囲であってもよい。
【0164】
[任意選択の成分]
本発明による組成物は、化粧品の分野で通常使用される、例えば、成膜ポリマー、溶媒、染料、顔料、UV遮蔽剤、抗酸化剤、防腐剤、pH調整剤、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の任意選択の成分を更に含みうる。
【0165】
本発明による組成物は、アルコール、特に一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール;成分(b)以外のジオール、例えばエチレングリコール;他のポリオール、例えばグリセロール、糖及び糖アルコール;並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルであってもよい、1種又はいくつかの美容的に許容される有機溶媒を含んでもよい。
【0166】
本発明による組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総重量に対して、0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上でありうる。
【0167】
一方、本発明による組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総重量に対して、30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下であってもよい。
【0168】
したがって、本発明による組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総重量に対して、0.01重量%~30重量%、好ましくは0.1重量%~20重量%、より好ましくは1重量%~10重量%の範囲であってもよい。
【0169】
(調製)
本発明による組成物は、上記で説明した必須成分、及び必要な場合、上記で説明した任意選択の成分を混合することによって調製することができる。
【0170】
上記の必須成分及び任意選択の成分を混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段を使用して、上記の必須成分及び任意選択の成分を混合し、本発明による組成物を調製することができる。
【0171】
[形態]
本発明による組成物の形態は、限定されない。
【0172】
本発明による組成物は、熱力学的に安定性とすることができ、単相組成物として見なしてもよい。
【0173】
本発明による組成物は、透明とすることができる。
【0174】
透明性は、濁度を測定することによって測定されうる(例えば、濁度は、丸型セル(直径25mm及び高さ60mm)、及び可視光(400nmから800nmの間、好ましくは400~500nm)を発することができるタングステンフィラメント電球を有する2100Q(Hach Company社により市販されている)を用いて測定することができる)。測定は、無希釈組成物において実行することができる。ブランクは、蒸留水を用いて決定されうる。
【0175】
本発明による組成物は、120NTU以下、好ましくは90NTU以下、より好ましくは60NTU以下の濁度を有する。
【0176】
[方法及び使用]
本発明による組成物は、化粧用又は皮膚科学的組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくはスキンケア化粧用組成物であることが好ましい。
【0177】
本発明による組成物は、皮膚に適用することによって、皮膚を処置するための、美容方法等の非治療的方法のために使用することができる。
【0178】
したがって、本発明はまた、皮膚等のケラチン物質を処置するための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、美容方法にも関する。
【0179】
本発明はまた、スキンケア製品等の化粧品としての、又は化粧品における、本発明による組成物の使用にも関しうる。
【0180】
言い換えれば、本発明による組成物は、そのままで化粧品として使用することができる。或いは、本発明による組成物は、化粧品の一要素として使用することができる。例えば、本発明による組成物は、化粧品を形成するため、任意の他の要素に加えることができる又は任意の他の要素と組み合わせることができる。
【0181】
スキンケア製品は、ローション、クリーム、及びセラム等であってもよい。
【0182】
本発明の別の態様はまた、
(a)少なくとも1種の油、
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、
(c)少なくとも1種のセルロース化合物、及び
(d)水
を混合する工程を含む、組成物を調製するための方法にも関する。
【0183】
混合する工程は、大量のエネルギーを使用するホモジナイザー等の特殊な機械的撹拌機を用いない、いわゆる低エネルギープロセスによって実行されることが好ましい。低エネルギープロセスは、成分(a)から(d)を単に穏やかに撹拌することによって実施することができる。
【0184】
本発明の別の態様は、
(c)少なくとも1種のセルロース化合物の、
(a)少なくとも1種の油、
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、及び
(d)水
を含む組成物中での使用であって、
本発明による組成物が適用された皮膚のツヤを強化するための、使用に関する。
【0185】
本発明はまた、
(c)少なくとも1種のセルロース化合物の、
(a)少なくとも1種の油、
(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、及び
(d)水
を含む組成物のための皮膚のツヤのエンハンサーとしての使用にも関する。
【0186】
本発明による使用及び方法における上記の組成物は、マイクロエマルション、より好ましくはO/W型マイクロエマルションの形態であることが好ましい。
【0187】
本発明による組成物についての成分(a)~(d)、及び任意選択の成分に関する上記の説明は、本発明による使用及び方法についてのそれらの成分に適用することができる。本発明による組成物の調製及び形態に関する説明もまた、上記の使用及び方法において記載された組成物の調製及び形態に適用することができる。
【実施例0188】
本発明を、実施例によってより詳細に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0189】
(実施例1~5及び比較例1~8)
表1に示す実施例1~5及び比較例1~8による以下の組成物を、以下の通り表1に示す成分を混合することによって調製した。表1に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「重量%」に基づく。
【0190】
【表1A】
【0191】
【表1B】
【0192】
[評価]
(外観)
実施例1~6及び比較例1~8による組成物のそれぞれ外観を、2週間にわたって55℃に保った及び2週間にわたって4℃に保った組成物の目視観測により、以下の基準に基づいて評価した。
良好: 均一
不良: 不均一(相分離が認められた)
【0193】
結果を表1に示す。
【0194】
(透明性)
実施例1~6及び比較例1~8による組成物のそれぞれの透明性を、2週間にわたって55℃に保った及び2週間にわたって4℃に保った組成物の外観の目視観測により、以下の基準に基づいて評価した。
良好: 透明
普通: 半透明
不良: 不透明
【0195】
結果を表1に示す。
【0196】
(清涼感)
100μmの量の実施例1~6及び比較例1~8による組成物のそれぞれを、判定士の前腕に適用し、指で軽くマッサージした。該工程中の清涼感を、以下の基準に基づいて評価した。
高い清涼感: 5
清涼感4
若干の清涼感: 3
低い清涼感: 2
非清涼感: 1
【0197】
5名のスキンケア評価専門家によって試験した平均スコアを、表1に示す。
【0198】
(ツヤ)
45μmの量の実施例1~6及び比較例1~8による組成物のそれぞれを、判定士の前腕の3.0cm×3.0cm(5μm/cm2)の領域に適用し、1.5時間放置した。上記領域のツヤを、以下の基準に基づいて評価した。
強いツヤ: 5
ツヤ: 4
若干のツヤ: 3
かすかなツヤ: 2
非ツヤ: 1
【0199】
5名のスキンケア評価専門家によって試験した平均スコアを、表1に示す。
【0200】
[概略]
実施例1~6による組成物は、使用時に、清涼感のある触感を与えながら、皮膚のツヤを強化することができた。
【0201】
実施例1~6による組成物は、均一で透明であった。
【0202】
一方、比較例1~8による組成物は、皮膚のツヤを強化できなかった。しかしながら、これらは、使用時に、清涼感のある触感を与えることはできた。
【0203】
加えて、比較例7による組成物は均一でなかった。
【0204】
表1は、(a)少なくとも1種の油、(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、(c)少なくとも1種のセルロース化合物、及び(d)水の組合せが、使用時に清涼感のある質感をもたらしながら、成分(c)が使用されない場合と比較して、皮膚のツヤを強化することができる組成物を提供するために必要であることを実証している。
【0205】
また、表1は、(a)少なくとも1種の油、(b)3個以上の炭素原子を含む少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオール、及び(d)水を含む組成物中での(c)少なくとも1種のセルロース化合物の使用が、本発明の組成物が適用された皮膚のツヤを強化することができることも実証している。
【外国語明細書】